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  • 特許-同軸スピーカ 図1
  • 特許-同軸スピーカ 図2
  • 特許-同軸スピーカ 図3
  • 特許-同軸スピーカ 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-25
(45)【発行日】2024-10-03
(54)【発明の名称】同軸スピーカ
(51)【国際特許分類】
   H04R 9/06 20060101AFI20240926BHJP
   H04R 9/02 20060101ALI20240926BHJP
【FI】
H04R9/06 A
H04R9/02 102A
H04R9/02 102B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022578797
(86)(22)【出願日】2022-07-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(86)【国際出願番号】 CN2022106762
(87)【国際公開番号】W WO2024000694
(87)【国際公開日】2024-01-04
【審査請求日】2022-12-20
(31)【優先権主張番号】202221689851.8
(32)【優先日】2022-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517409583
【氏名又は名称】エーエーシー マイクロテック(チャンヂョウ)カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】No.3 changcao road, Hi-TECH Industrial Zone, Wujin District, Changzhou City, Jiangsu Province, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100159628
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 雅比呂
(74)【代理人】
【識別番号】100081271
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 芳春
(72)【発明者】
【氏名】任 璋
(72)【発明者】
【氏名】王 奇
(72)【発明者】
【氏名】▲鍾▼ 志威
【審査官】冨澤 直樹
(56)【参考文献】
【文献】特開昭59-004297(JP,A)
【文献】特開昭57-065994(JP,A)
【文献】実開平4-112595(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第103024639(CN,A)
【文献】米国特許第9674603(US,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2006-0089937(KR,A)
【文献】実開平6-013295(JP,U)
【文献】欧州特許出願公開第3448062(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 9/06
H04R 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気回路システムと、同軸に設けられた第1発音ユニット及び第2発音ユニットとを含む同軸スピーカであって、
前記第1発音ユニットは、前記第2発音ユニットの外側に囲設され、前記第1発音ユニットは、第1振動膜と、前記第1振動膜の振動発音を駆動する第1ボイスコイルとを含み、前記第2発音ユニットは、第2振動膜と、前記第2振動膜の振動発音を駆動する第2ボイスコイルとを含み、前記磁気回路システムは、底板と、前記底板に固定された第1磁石部及び第2磁石部とを含み、前記第1磁石部は、前記第2磁石部の外側に設けられ且つ前記第2磁石部と間隔を隔てて第1磁気ギャップを形成し、前記第1ボイスコイルは、前記第1磁気ギャップに挿設され、前記第1磁石部は、前記底板に固定された第1磁性鋼と、前記第1磁性鋼に固定された第1ポールプレートとを含み、前記第2磁石部は、前記底板に固定されたリング状の第2磁性鋼と、前記第2磁性鋼に固定されたリング状の第2ポールプレートと、前記第2ポールプレートに固定されたリング状の第3磁性鋼とを含み、前記底板には、前記第2磁石部内に折り曲げて延在して挿設された延在壁が設けられ、前記延在壁は、前記第2磁石部と間隔を隔てて第2磁気ギャップを形成し、前記第2ボイスコイルは、前記第2磁気ギャップに挿設されている、ことを特徴とする同軸スピーカ。
【請求項2】
前記同軸スピーカは、前記第1振動膜を支持する第1フレームと、前記第2振動膜を支持する第2フレームとを更に含み、前記第1振動膜の外固定部は、前記第1フレームに固定され、前記第1振動膜の内固定部は、前記第3磁性鋼に固定され、前記第2フレームは、前記第3磁性鋼に固定されている、ことを特徴とする請求項1に記載の同軸スピーカ。
【請求項3】
前記第1ポールプレートは、前記第1磁性鋼の面に貼り付けられた本体部と、前記本体部から前記第2磁石部から離れた方向に延在する延在部とを含み、前記第1フレームは、前記延在部に固定されている、ことを特徴とする請求項2に記載の同軸スピーカ。
【請求項4】
前記第1発音ユニットは、前記第1振動膜と間隔を隔てて設けられた弾性支持部材と、前記第1振動膜と前記弾性支持部材とを接続する骨格とを更に含み、前記延在部はそれぞれ、前記同軸スピーカの2つの対向する長手方向の辺に設けられ、前記弾性支持部材はそれぞれ、前記同軸スピーカの2つの対向する短手方向の辺に設けられ、前記骨格は、前記弾性支持部材を固定する支脚を含み、前記支脚は、前記第1フレームと前記第1磁石部との間に設けられ、前記弾性支持部材の外固定部は、前記第1フレームに固定され、前記弾性支持部材の内固定部は、前記支脚に固定されている、ことを特徴とする請求項3に記載の同軸スピーカ。
【請求項5】
前記弾性支持部材は、前記支脚と固定されたフレキシブル回路板と、前記フレキシブル回路板の前記第1振動膜から離れた底面に固定された補助振動膜とを含むことを特徴とする請求項4に記載の同軸スピーカ。
【請求項6】
前記第1振動膜の内固定部は、前記第2フレームに当接している、ことを特徴とする請求項2に記載の同軸スピーカ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気音響変換の分野に関し、特に同軸スピーカに関する。
【背景技術】
【0002】
同軸スピーカとは、同一軸心上に2つの発音ユニットを設けてそれぞれ高音と中低音を発するものを指す。関連技術の同軸スピーカは、2つの発音ユニットが高さの方向に積み重ねて設けられ、且つそれぞれ独立して分離された磁気回路システムを有し、関連技術の同軸スピーカ製品の高さが高すぎるため、製品適用性を低下させ、独立して分離された磁気回路システムのコストが高すぎるため、市場競争力を低下させる。
【0003】
したがって、上記技術的課題を解決するための新たな同軸スピーカを提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、上記技術的課題を解決するために、製品の高さを低減し、磁気回路システムのコストを削減することができる同軸スピーカを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、同軸スピーカを提供する。当該同軸スピーカは、磁気回路システムと、同軸に設けられた第1発音ユニット及び第2発音ユニットとを含み、前記第1発音ユニットは、前記第2発音ユニットの外側に囲設され、前記第1発音ユニットは、第1振動膜と、前記第1振動膜の振動発音を駆動する第1ボイスコイルとを含み、前記第2発音ユニットは、第2振動膜と、前記第2振動膜の振動発音を駆動する第2ボイスコイルとを含み、前記磁気回路システムは、底板と、前記底板に固定された第1磁石部及び第2磁石部とを含み、前記第1磁石部は、前記第2磁石部の外側に設けられ且つ前記第2磁石部と間隔を隔てて第1磁気ギャップを形成し、前記第1ボイスコイルは、前記第1磁気ギャップに挿設され、前記第1磁石部は、前記底板に固定された第1磁性鋼と、前記第1磁性鋼に固定された第1ポールプレートとを含み、前記第2磁石部は、前記底板に固定されたリング状の第2磁性鋼と、前記第2磁性鋼に固定されたリング状の第2ポールプレートと、前記第2ポールプレートに固定されたリング状の第3磁性鋼とを含み、前記底板には、前記第2磁石部内に折り曲げて延在して挿設された延在壁が設けられ、前記延在壁は、前記第2磁石部と間隔を隔てて第2磁気ギャップを形成し、前記第2ボイスコイルは、前記第2磁気ギャップに挿設されている。
【0006】
好ましくは、前記同軸スピーカは、前記第1振動膜を支持する第1フレームと、前記第2振動膜を支持する第2フレームとを更に含み、前記第1振動膜の外固定部は、前記第1フレームに固定され、前記第1振動膜の内固定部は、前記第3磁性鋼に固定され、前記第2フレームは、前記第3磁性鋼に固定されている。
【0007】
好ましくは、前記第1ポールプレートは、前記第1磁性鋼の面に貼り付けられた本体部と、前記本体部から前記第2磁石部から離れた方向に延在する延在部とを含み、前記第1フレームは、前記延在部に固定されている。
【0008】
好ましくは、前記第1発音ユニットは、前記第1振動膜と間隔を隔てて設けられた弾性支持部材と、前記第1振動膜と前記弾性支持部材とを接続する骨格とを更に含み、前記延在部はそれぞれ、前記同軸スピーカの2つの対向する長手方向の辺に設けられ、前記弾性支持部材はそれぞれ、前記同軸スピーカの2つの対向する短手方向の辺に設けられ、前記骨格は、前記弾性支持部材を固定する支脚を含み、前記支脚は、前記第1フレームと前記第1磁石部との間に設けられ、前記弾性支持部材の外固定部は、前記第1フレームに固定され、前記弾性支持部材の内固定部は、前記支脚に固定されている。
【0009】
好ましくは、前記弾性支持部材は、前記支脚と固定されたフレキシブル回路板と、前記フレキシブル回路板の前記第1振動膜から離れた底面に固定された補助振動膜とを含む。
【0010】
好ましくは、前記第1振動膜の内固定部は、前記第2フレームに当接する。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る同軸スピーカは、第1発音ユニットと第2発音ユニットが同軸に設けられ、且つ第1発音ユニットが第2発音ユニットの外側に囲設されているため、製品の高さを低減させることができ、ここで、磁気回路システムが、底板、第1磁石部、及び、第2磁石部を含み、第1磁石部が、第2磁石部と間隔を隔てて第1発音ユニットの第1磁気ギャップを形成するとともに、底板には、前記第2磁石部内に折り曲げて延在して挿設された延在壁が設けられ、延在壁が、第2磁石部と間隔を隔てて第2発音ユニットの第2磁気ギャップを形成し、それにより磁気回路システムの構造利用率を向上させ、磁気回路システムのコストを削減することができる。
【0012】
本発明の実施形態における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下に実施形態の説明に必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下に説明する図面は、単に本発明のいくつかの実施形態であり、当業者にとって、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて他の図面を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に関わる同軸スピーカの斜視図である。
図2】本発明に関わる同軸スピーカの斜視分解図である。
図3図1におけるA-A線に沿った断面図である。
図4図1におけるB-B線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下本発明の実施形態における図面を参照して、本発明の実施形態における技術的解決手段を明確にかつ完全に説明する。明らかに、説明された実施形態は本発明の一部の実施形態だけであり、この実施形態に限定されるものではない。本発明の実施形態に基づいて、当該分野の当業者が創造的な労働をしない前提で得られた全ての他の実施形態は、いずれも本発明の保護範囲に属するものとする。
【0015】
図1~4は、本発明に関わる同軸スピーカ100を示している。前記同軸スピーカ100は、第1フレーム11と、第2フレーム12と、磁気回路システム13と、同軸に設けられた第1発音ユニット14及び第2発音ユニット15とを含む。
【0016】
前記第1発音ユニット14は、前記第2発音ユニット15の外側に囲設され、前記第1発音ユニット14は、第1振動膜141と、前記第1振動膜141の振動発音を駆動する第1ボイスコイル142とを含み、前記第2発音ユニット15は、第2振動膜151と、前記第2振動膜151の振動発音を駆動する第2ボイスコイル152とを含む。
【0017】
前記磁気回路システム13は、底板131と、前記底板131に固定された第1磁石部132及び第2磁石部133とを含み、前記第1磁石部132は、前記第2磁石部133の外側に設けられ且つ前記第2磁石部133と間隔を隔てて第1磁気ギャップ1301を形成し、前記第1ボイスコイル142は、前記第1磁気ギャップ1301に挿設され、前記第1磁石部132は、前記底板131に固定された第1磁性鋼1321と、前記第1磁性鋼1321に固定された第1ポールプレート1322とを含み、前記第2磁石部133は、前記底板131に固定されたリング状の第2磁性鋼1331と、前記第2磁性鋼1331に固定されたリング状の第2ポールプレート1332と、前記第2ポールプレート1332に固定されたリング状の第3磁性鋼1333とを含み、前記底板131には、前記第2磁石部133内に折り曲げて延在して挿設された延在壁1311が設けられ、前記延在壁1311は、前記第2磁石部133と間隔を隔てて第2磁気ギャップ1302を形成し、前記第2ボイスコイル152は、前記第2磁気ギャップ1302に挿設されている。前記第1ポールプレート1322は、前記第1磁性鋼1321の面に貼り付けられた本体部13221と、前記本体部13221から前記第2磁石部133から離れた方向に延在する延在部13222とを含み、前記延在部13222はそれぞれ、前記同軸スピーカ100の2つの対向する長手方向の辺に設けられている。
【0018】
前記第1フレーム11は、前記延在部13222に固定され、前記第2フレーム12は、前記第3磁性鋼1333に固定されている。前記第1振動膜141の外固定部1411は、前記第1フレーム11に固定され、前記第1振動膜141の内固定部1412は、前記第3磁性鋼1333に固定され、前記第2振動膜151は、前記第2フレーム12に固定されている。
【0019】
前記第1発音ユニット14は、前記第1振動膜141と間隔を隔てて設けられた弾性支持部材143と、前記第1振動膜141と前記弾性支持部材143とを接続する骨格144とを更に含み、前記弾性支持部材143はそれぞれ、前記同軸スピーカ100の2つの対向する短手方向の辺に設けられ、前記骨格144は、前記弾性支持部材143を固定する支脚1441を含み、前記支脚1441は、前記第1フレーム11と前記第1磁石部132との間に設けられ、前記弾性支持部材143の外固定部143aは、前記第1フレーム11に固定され、前記弾性支持部材143の内固定部143bは、前記支脚1441に固定されている。
【0020】
前記弾性支持部材143は、前記支脚1441と固定されたフレキシブル回路板1431と、前記フレキシブル回路板1431の前記第1振動膜141から離れた底面に固定された補助振動膜1432とを含み、前記第1ボイスコイル142は、前記フレキシブル回路板1431を介して外部電源に電気的に接続される。
【0021】
前記第1振動膜141の内固定部1412は、前記第2フレーム12に当接し、それにより第1振動膜141と第2振動膜151の同心度を調整することに役立つ。
【0022】
前記底板131には、スルーホール1310が更に設けられ、前記延在壁1311が前記スルーホール1310を囲む孔壁から延在して形成され、前記スルーホール1310が前記延在壁1311で囲まれた柱孔に連通し、この連通領域内には、第2ボイスコイル152が外部電源に電気的に接続されるための回路インサートを設けることができ、他の実施形態において、この連通領域内には、吸音材料、熱伝導材料等の機能インサートを充填して異なる機能目的を実現することができる。
【0023】
本発明に関わる同軸スピーカでは、第1発音ユニットと第2発音ユニットが同軸に設けられ、且つ第1発音ユニットが第2発音ユニットの外側に囲設されているため、製品の高さを低減させることができ、ここで、磁気回路システムが底板、第1磁石部、及び、第2磁石部を含み、第1磁石部が第2磁石部と間隔を隔てて第1発音ユニットの第1磁気ギャップを形成するとともに、底板には前記第2磁石部内に折り曲げて延在して挿設された延在壁が設けられ、延在壁が第2磁石部と間隔を隔てて第2発音ユニットの第2磁気ギャップを形成し、それにより磁気回路システムの構造利用率を向上させ、磁気回路システムのコストを削減することができる。
【0024】
上述したのは本発明の実施形態だけであり、ここで指摘すべきことは、当業者にとって、本発明の創造的構想から逸脱することなく、更に改善することができるが、これらはいずれも本発明の保護範囲に属する。
図1
図2
図3
図4