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特許7561224周期的無線アクセスネットワーク(RAN)ベース通知エリア(RNA)タイマーの取り扱い
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-25
(45)【発行日】2024-10-03
(54)【発明の名称】周期的無線アクセスネットワーク(RAN)ベース通知エリア(RNA)タイマーの取り扱い
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/27 20180101AFI20240926BHJP
   H04W 76/36 20180101ALI20240926BHJP
   H04W 76/38 20180101ALI20240926BHJP
【FI】
H04W76/27
H04W76/36
H04W76/38
【請求項の数】 9
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023026363
(22)【出願日】2023-02-22
(62)【分割の表示】P 2020555039の分割
【原出願日】2019-04-16
(65)【公開番号】P2023075155
(43)【公開日】2023-05-30
【審査請求日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】62/657,975
(32)【優先日】2018-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミルド, ガンナー
(72)【発明者】
【氏名】ダ シルヴァ, イカロ レオナルド ジェイ.
【審査官】小林 正明
(56)【参考文献】
【文献】Ericsson,Summary of agreements on connection control[online],3GPP TSG RAN WG2 #101bis R2-1805352,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_101bis/Docs/R2-1805352.zip>,2018年04月05日,[検索日 2024.05.07]
【文献】Intel Corporation,TP on agreed NR INACTIVE aspects[online],3GPP TSG RAN WG2 adhoc_2018_01_NR R2-1800913,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_AHs/2018_01_NR/Docs/R2-1800913.zip>,2018年01月26日,[検索日 2024.05.07]
【文献】Intel,Stage 3 RRC TP on RRC_INACTIVE state for E-UTRA connected to 5GC[online],3GPP TSG RAN WG2 #101bis R2-1805051,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_101bis/Docs/R2-1805051.zip>,2018年04月12日,[検索日 2024.05.07]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークノード(16)と通信するように構成された無線デバイス(22)であって、前記無線デバイス(22)は処理回路(84)を備え、当該処理回路は、
前記無線デバイス(22)が無線リソース制御(RRC)非アクティブ状態であることに少なくとも部分的に基づいて、周期的・無線アクセスネットワーク(RAN)ベース通知エリア(RNA)更新タイマーであって、当該周期的RNA更新タイマーが満了したときにRRC再開手順を開始するように構成されている、前記周期的RNA更新タイマーを始動させることと、
前記周期的RNA更新タイマーが動作中である場合に、RRCシグナリングに少なくとも部分的に基づいている条件が満たされたことに少なくとも部分的に基づいて、前記周期的RNA更新タイマーの満了前に前記周期的RNA更新タイマーを停止させることであって、前記条件が満たされることは、前記無線デバイス(22)が、前記無線デバイス(22)がRRC非アクティブ状態に留まることを示すRRCサスペンドメッセージを、RRC再開要求メッセージに応じて受信することに対応する、ことと、
前記受信されたRRCサスペンドメッセージが、前記周期的RNA更新タイマーに関連付けられた設定を含む場合には、前記受信されたRRCサスペンドメッセージ内の少なくとも当該設定に従って前記周期的RNA更新タイマーを再始動させることと、
を行うように構成されている、無線デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の無線デバイス(22)であって、前記周期的RNA更新タイマーの前記始動は、前記RRC非アクティブ状態になることに応じてトリガされる、無線デバイス。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の無線デバイス(22)であって、前記処理回路(84)は更に、RRCメッセージを受信するように構成され、前記RRCメッセージは前記RRCシグナリングである、無線デバイス。
【請求項4】
請求項3に記載の無線デバイス(22)であって、前記RRCメッセージは、RRCセットアップメッセージ、RRC再開要求メッセージ、RRCサスペンドメッセージ、及びRRCリリースメッセージのうちの1つである、無線デバイス。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の無線デバイス(22)であって、前記処理回路(84)は更に、前記受信されたRRCサスペンドメッセージが、前記周期的RNA更新タイマーに関連付けられた設定を含まない場合には、以前の設定に従って前記周期的RNA更新タイマーを再始動させるように構成されている、無線デバイス。
【請求項6】
ネットワークノード(16)と通信するように構成された無線デバイス(22)において実行される方法であって、前記方法は、
前記無線デバイス(22)が無線リソース制御(RRC)非アクティブ状態であることに少なくとも部分的に基づいて、周期的・無線アクセスネットワーク(RAN)ベース通知エリア(RNA)更新タイマーであって、当該周期的RNA更新タイマーが満了したときにRRC再開手順を開始するように構成されている、前記周期的RNA更新タイマーを始動させることと、
前記周期的RNA更新タイマーが動作中である場合に、RRCシグナリングに少なくとも部分的に基づいている条件が満たされたことに少なくとも部分的に基づいて、前記周期的RNA更新タイマーの満了前に前記周期的RNA更新タイマーを停止させることであって、前記条件が満たされることは、前記無線デバイス(22)が、前記無線デバイス(22)がRRC非アクティブ状態に留まることを示すRRCサスペンドメッセージを、RRC再開要求メッセージに応じて受信することに対応する、ことと、
前記受信されたRRCサスペンドメッセージが、前記周期的RNA更新タイマーに関連付けられた設定を含む場合には、前記受信されたRRCサスペンドメッセージ内の少なくとも当該設定に従って前記周期的RNA更新タイマーを再始動させることと、
を含む、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、前記周期的RNA更新タイマーの前記始動は、前記RRC非アクティブ状態になることに応じてトリガされる、方法。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の方法であって、前記方法は、前記受信されたRRCサスペンドメッセージが、前記周期的RNA更新タイマーに関連付けられた設定を含まない場合には、以前の設定に従って前記周期的RNA更新タイマーを再始動させることを更に含む、方法。
【請求項9】
コード部分を含むコンピュータプログラムであって、前記コード部分は、プロセッサ(86)で実行される当該プロセッサを、請求項6乃至8のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成する、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線通信に関するものであり、特に、周期的・無線アクセスネットワーク(RAN)ベース通知エリア(RNA)更新タイマーの取り扱いに関するものである。
【背景技術】
【0002】
LTEにおけるRRCコネクションの再開
ロングタームエボリューション(LTE)第3世代パートナシッププロジェクト(3GPP)リリース(Rel)13では、無線デバイス(WD)がネットワークによってRRC_IDLE状態に似たサスペンド状態とされるメカニズムが導入されたが、WDがアクセス層(AS)コンテキスト又は無線リソース制御(RRC)コンテキストを保存するという差がある。これは、RRCコネクションを最初から確立する代わりに、RRCコネクションを再開することによってWDが再びアクティブになる場合のシグナリングを低減することを可能にする。シグナリングを低減することは、いくつかの利点を有しうる:
●インターネットにアクセスするスマートフォン等についてのレイテンシの低減。
●シグナリングの低減は、非常に少ないデータを送信するマシンタイプのデバイスのバッテリ消費の低減につながること。
【0003】
リリース13のソリューションは、WDが、RRCConnectionResumeRequest(RRCコネクション再開要求)メッセージをネットワークへ送信することと、それに応じてRRCConnectionResume(RRCコネクション再開)をネットワークから受信することとに基づいている。RRCConnectionResumeは、暗号化はされないが完全性(integrity)は保護される。
【0004】
NR及び場合によってはLTEリリース15におけるRRC_INACTIVE
第3世代パートナシッププロジェクト(3GPP)シリーズの規格における第5世代ニューレディオ(5G NR:5G New Radio)に関する標準化作業の一部として、LTEリリース13におけるサスペンド状態と同様の属性を有するRRC_INACTIVE状態をNRがサポートすべきであることが決定されている。RRC_INACTIVE状態は、当該状態が別個のRRC状態であり、かつ、LTEにおけるようなRRC_IDLE状態の一部ではないという点で、後の状態とわずかに異なった属性を有している。更に、コアネットワーク/無線アクセスネットワーク(CN/RAN)コネクション(NG又はN2インタフェース)は、LTEでは中断される一方で、RRC_INACTIVE状態に対しては維持される。図1は、NRにおけるこれらの状態間の可能性のある状態遷移を示す。
【0005】
上記の状態の属性は以下のとおりである:
RRC_IDLE:
●WD1固有の間欠受信(DRX)モードが上位レイヤによって設定されうる;
●WD1制御モビリティは、ネットワーク設定に基づいている;及び
●WD1が:
a)5G-S-一時的モバイル加入者識別子(TMSI:temporary mobile subscriber identity)を使用して、CNページングのためのページングチャネルをモニタリングする;
b)隣接セル測定とセル(再)選択とを行う;及び
c)システム情報を取得する。
【0006】
RRC_INACTIVE:
●WD1固有のDRXが上位レイヤ又は無線リソース制御(RRC)レイヤによって設定されうる;
●WD1制御モビリティは、ネットワーク設定に基づいている;
●WD1は、アクセス階層(AS)コンテキストを保存する;及び
●WD1が:
a)5G-S-TMSIを使用して、CNページングのためのページングチャネルをモニタリングし、I-無線ネットワーク一時的識別識別子(RNTI:radio network temporary identifier)を使用して、RANページングをモニタリングする;
b)隣接セル測定とセル(再)選択とを行う;
c)RANベース通知エリアの更新を、定期的に、及びRANベース通知エリア外に移動する際に、実行する;及び
d)システム情報を取得する。
【0007】
RRC_CONNECTED:
●WD1は、ASコンテキストを保存する。
●WD1との間のユニキャストデータの転送。
●下位レイヤでは、WD1固有のDRXがWDに設定されうる;
●キャリアアグリゲーション(CA)をサポートするWD1の場合、帯域幅を増加させるために、セカンダリプライマリセル(SpCell)とアグリゲーションされた1つ以上のセカンダリセル(SCell)を使用する;
●DCサブキャリアをサポートするWD1の場合、帯域幅を増加させるために、マスターセルグループ(MCG:master cell group)とアグリゲーションされた1つのセカンダリセルグループ(SCG:secondary cell group)を使用する;
●ネットワーク制御モビリティ、即ち、NR内のハンドオーバ及び進化型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(E-UTRAN)との間のハンドオーバ;及び
●WD1が:
a)ページングチャネルをモニタリングする;
b)共有データチャネルに関連付けられた制御チャネルをモニタリグして、それに対してデータがスケジューリングされているかどうかを判定する;
c)チャネル品質及びフィードバック情報を提供する;
d)隣接セル測定と測定報告とを行う;及び
e)システム情報を取得する。
【0008】
周期的RNA更新タイマーの構成
NRでは、RRC_CONNECTED状態からRRC_INACTIVE状態への遷移が1つのステップで行われ、以下に示すように、周期的RNAのためのタイマーを含みうることが合意されている:
【0009】
RAN2‐98 - 2017年5月
●CONNECTED状態からINACTIVE状態へのRRC状態遷移は、1ステップ手順に従う。
RAN2‐99 - 2017年8月
●CONNECTED状態からINACTIVE RRC状態への遷移の場合、RRCコネクションリリースタイプのメッセージが使用され、シグナリング無線ベアラ1(SRB1)で送信される。
●CONNECTED状態からINACTIVE RRC状態への遷移の場合、RRCコネクションリリースタイプのメッセージは、(a)原因情報、リダイレクトキャリア周波数、及びモビリティ制御情報を含み、(b)WD1アイデンティティ(又はWD1コンテキストアイデンティティ)を含みうるとともに、オプションで、(c)サスペンション/非アクティブ化インジケーション(暗黙的又は明示的のいずれか)、(d)無線アクセスネットワーク(RAN)設定されたDRXサイクル、(e)RAN周期的通知タイマー、及び(f)RAN通知エリア、を含みうる。図2には、RRC_Connected状態からRRC_Inactive状態への、対応する遷移図が示されている。
【0010】
サスペンドインジケーションを伴うRRCリリースメッセージ、又はRRCサスペンドと称される別個のメッセージを使用して、遷移が実行されるべきかどうかについての議論が進行中であるが、最終的な決定にかかわらず、そのメッセージは周期的RNA更新タイマーを含みうる。
【0011】
WD1が、RRCサスペンド(又は同等の)メッセージを受信するとタイマーを始動させるものとする。また、WD1が、T380と称される、当該タイマーの満了時に周期的RNA更新をトリガするものとする。
【0012】
現在のコネクション制御(CR:Connection Control)では、タイマーを始動させるための手順が、(例えば、RRCサスペンドメッセージを使して)以下のように実装されうる:
【0013】
WD1によるRRCSuspendの受信
1つの可能性のある手順によれば、WD1は、以下を行いうる:
●このサブ節に規定される後続のアクションを、RRCSuspendメッセージが受信された瞬間から、又はオプションで、下位レイヤがRRCSuspendメッセージの受信が正常に確認応答されたことを知らせるときから、Xミリ秒だけ遅延させる(Xは、LTEの場合のように、設定可能である、又は60に固定されうる);
●RRCSuspendメッセージにidleModeMobilityControlInfoが含まれている場合:
a)idleModeMobilityControlInfoによって提供されるセル再選択優先度情報を保存する;
b)T320(即ち、タイマー)が含まれている場合:
i)タイマー値がT320の値に従って設定された状態でタイマーT320を始動させる;
●それ以外の場合:
a)システム情報におけるセル再選択優先度情報のブローキャストを適用する;
●ネットワークによって提供される以下の情報、resumeIdentity、nextHopChainingCount、ran-PagingCycle、及びran-NotificationAreaInfoを保存する;
●全SRB及びDRBのための無線リンク制御(RLC)エンティティを再確立する;
●MACをリセットする;
●RRCResumeRequestに応じてRRCSuspendメッセージが受信された場合を除き:
a)現在のRRC設定を含むWD ASコンテキスト、現在のセキュリティコンテキスト、ロバストヘッダ圧縮(ROHC:robust header compression)状態を含むPDCP状態、ソースプライマリセル(PCell)で使用されるC-RNTI、cellIdentity、及びソースPCellの物理セルアイデンティティを保存する;
●SRB0を除く全てのSRB及びDRBをサスペンドする;
●タイマー値がperiodic-RNAU-timerに設定された状態でタイマーT380を始動させる;
●上位レイヤへのRRCコネクションのサスペンドを上位レイヤへ知らせる;
●完全性保護及び暗号化をサスペンドするように下位レイヤを設定する;
●RRC_INACTIVEとなり、TS 38.304に規定された手順を実行する。
【0014】
T380の満了、又はWD1がRNAに属さないセルに入る
別の可能性のある手順によれば、WDは、以下を行いうる:
●T380が満了した場合:
a)原因値を「ffs」に設定した状態で、上述のRRCコネクション再開手順を開始する;
●WD1がRNAに属さないセルに入っている場合:
a)原因値を「ffs」に設定した状態で、上述のRRCコネクション再開手順を開始する;
【0015】
このタイマーT380に関連する別のアクションは、本明細書の開示に関連する停止基準である。現在のコネクション制御では、WD1は、タイマーT380が満了すると当該タイマーを停止させる。したがって、T380が満了すると、WD1は、タイマーT380を停止させ、RNAに関連する原因値(例えば、「rna-update」又は「periodic-rna-update」)を有する再開要求メッセージを送信することによって、再開手順を開始する。
【0016】
そのケースに加えて、WD1が、RRC再開メッセージを受信するとT380タイマーを停止させることも仕様に記載されている。これは、この時点において、ネットワークが既にWD1の位置についての知識を有しており、それ故に、RNA更新を受信する必要があるためである。
【0017】
図3乃至図7は、WD1とネットワークノード2との間の種々の状況におけるRRCコネクション再開プロセスのための手順を示す。図3は、RRCコネクション再開プロセスが成功した場合を示す。図4は、RRCコネクション確立プロセスへのRRCコネクション再開フォールバックが成功した場合を示す。図5は、その後にネットワーク解放プロセスが続くRRCコネクション再開が成功した場合を示す。図6は、その後にネットワークサスペンドプロセスが続くRRCコネクション再開が成功した場合を示す。図7は、ネットワーク拒否をもたらすRRCコネクション再開を示す。
【0018】
RRCコネクション再開手順の目的は、シグナリング無線ベアラ(SRB:signalling radio bearer)及び個別無線ベアラ(DRB:dedicated radio bearer)を再開すること、又はRNA更新を実行することを含む、RRCコネクションを再開することである。
【0019】
開始
WD1は、上位レイヤがRRCコネクションの再開を要求するとき、NG-RANページングに応答するとき、又はWD1がRRC_INACTIVEにある間にRNA更新をトリガすることに応じて、手順を開始する。
【0020】
1つの可能性のある手順によれば、RRCコネクション再開手順の開始時に、WD1は(この段落において、例えばセクション9.2.4への参照は、3GPP TS38.331v 15.1.0のセクションを参照する):
●9.2.4で規定されているデフォルトの物理チャネル設定を適用する;
●9.2.3で規定されているデフォルトのセミパーシステントスケジューリング設定を適用する;
●9.2.2で規定されているデフォルトのMACメイン設定を適用する;
●9.1.1.2で規定されている共通制御チャネル(CCCH)設定を適用する;
●タイマーT300Xを始動させる;
●タイマーT380を停止させる;
●例えば、3GPP TS38.331v15.1.0の5.3.13.2に従って、RRCResumeRequestメッセージの送信を開始する。
【0021】
【表1】
【0022】
上記の手順の第1の問題は、NRのWD1が、RRC再開要求メッセージに応じて、WD1にRRCコネクションに移行するように命令する、RRCセットアップメッセージを受信しうることである。この手順はLTEにも存在するが、タイマーT380はLTEには存在しない。それ故に、その場合には、タイマーT380を依然として動作させている可能性がある一方で、WDがRRC_CONNECTED状態に移行することにつながりうる、NR用のタイマーT380について規定されたアクションは存在しない。これは、WD1がRRC_CONNECTED状態にある間にタイマーT380が満了することにつながる可能性があり、RRC_CONNECTED状態のWD1の位置をネットワークは既に知っているのでそれは望ましくない。これは、不必要な信号又はエラーケースが生じさせうる。
【0023】
第2の問題は、RRC_INACTIVEのWDが周期的RNA更新以外の理由によりRRC再開要求メッセージを送信する(このため、WD1がRRC再開要求メッセージを送信する一方で、タイマーT380は依然として動作中である)場合のT380タイマーの取り扱いに関連する。一例は、モビリティトリガRNA(WD1が、その設定されたRNAに属さないセルに入る)又はアップリンク(UL)早期データ送信であり、WD1は、RRC再開要求メッセージと多重化された小規模なULデータを既に送信している場合がある。この2つのケースに対応して、ネットワークは、RRCサスペンドメッセージ(又はWD1をRRC_INACTIVE状態に戻す他の同等のメッセージ)で応答する場合がある。問題は、その場合のT380に関連するWD1の挙動(サスペンドメッセージを伴う応答)が仕様に明確に規定されていないことであり、WDが新たなタイマー値を受信する可能性がある際にタイマーが動作し続けているままである。
【0024】
第3の問題は、RRC_INACTIVEのWDが周期的RNA更新以外の理由(例えば、モビリティトリガRNA(WD1はその設定されたRNAに属さないセルに入る))によりRRC再開要求メッセージを送信する際のT380タイマーの取り扱いに関連する。別の可能性のあるケースは、UL早期データ送信であり、WD1は、RRC再開要求メッセージと既に多重化されている小規模なULデータを送信しうる。これら2つのケースに応じて、ネットワークは、RRCリリースメッセージ(又は、WDをRRC_IDLE状態に戻す他の同等のメッセージ)で応答する場合があり、その場合、WDがRRC再開要求メッセージを送る間に、タイマーT380は動作し続けているであろう。その場合のT380に関連するWD1の挙動は仕様に明確に規定されておらず、WD1が新たなタイマー値を受信する可能性がある際にタイマーが動作し続けているままである。
【0025】
第4の問題は、RRC_INACTIVEのWDがRRC再開手順できない(即ち、RRC_CONNECTED状態に移行せず、それ故に、タイマーT380を停止させない)場合の、T380タイマーの取り扱いに関連する。これは、例えば、RRC再開要求メッセージの送信時のカバレッジ問題のような、何らかの障害のケースに起因して起こりうる。要求の送信に応じて、タイマーT300Xが始動し、タイマーT300Xが動作している間にWD1が応答を受信しない場合、WD1はRRC_IDLE状態に移行して上位レイヤに通知する。T380はRRC_INACTIVE状態で動作しているため、現在の手順によれば、WD1がRRC_IDLE状態に移行した後も動作し続けるであろう。これは、タイマーがWD1が依然として到達可能であることを周期的にRANに通知するキープアライブメカニズムとして有用である一方で、RRC_IDLE状態ではCNがWD1の到達可能性に関与するので、望ましくない挙動である。図8は、不良ダウンリンク(DL)無線状態に起因した再開手順の失敗を示す。図9は、不良アップリンク(UL)無線状態に起因した再開手順の失敗を示す。
【0026】
第5の問題は、RRC_INACTIVEのWD1が、例えば任意のINACTIVE to IDLEメカニズムに基づいて、必ずしもRRC_CONNECTED状態を経由せずにRRC_IDLE状態に移行する際のT380タイマーの取り扱いに関連し、例えば、満了時にWD1に、WD1のASコンテキストを解放させ、RRC_INACTIVE状態からRRC_IDLE状態に遷移させる、設定されたタイマーである。T380はRRC_INACTIVE状態で動作しているため、現在の手順によれば、WD1がRRC_IDLE状態に移行した後も動作し続けるであろう。これは、タイマーがWD1が依然として到達可能であることを周期的にRANに通知するキープアライブメカニズムとして有用である一方で、RRC_IDLE状態ではCNがWD1の到達可能性に関与するので、望ましくない挙動である。それ故に、T380が動作し続ける必要はない。
【0027】
第6の問題は、RRC_INACTIVEのWD1が、RRC_INACTIVE状態にある間に、RRC_CONNECTED状態を必ずしも経由せずにRRC_IDLE状態に移行する際のT380タイマーの取り扱いに関連し、これは、例えば、ネットワークがWD1コンテキストを失い、WD1に通知する必要がある場合に、ネットワーク/ネットワークノード2によって始動されることがある。T380はRRC_INACTIVE状態で動作しているため、現在の手順によれば、WD1がRRC_IDLE状態に移行した後も動作し続けるであろう。これは、タイマーがWD1が依然として到達可能であることを周期的にRANに通知するキープアライブメカニズムとして有用である一方で、RRC_IDLE状態ではCNがWD1の到達可能性に関与するので、望ましくない挙動である。それ故に、T380が動作し続ける必要はない。
【0028】
第7の問題は、主にRRCサスペンドメッセージ(又は、WD1がRRC_INACTIVE状態に留まるべきであることを示す同等のメッセージ)の受信に関連し、周期的RNA更新タイマーT380の既存のインスタンスが動作している間の、周期的RNA更新T380タイマーの値を含んでも含まなくてもよいサスペンドメッセージの受信時の、WD1アクションについての明確性の欠如である。
【発明の概要】
【0029】
いくつかの実施形態は、周期的RNA更新タイマーを処理するための方法及び無線デバイスを有利に提供する。いくつかの実施形態は、WDがRRC_INACTIVE状態にあるときに生じうる手順に応じて周期的RNA更新タイマーを処理するための新たなメカニズムを導入する。本明細書では、WDがRNA更新を実行すべきでない状態において、WDが、不必要なシグナリング又はおかしな挙動を回避するために、動作している場合にRNA更新タイマーを停止させる、異なる複数のシナリオが記載されている。例えば、WDが、RRCサスペンドメッセージ(又は、本明細書ではRRCサスペンドメッセージと称される、サスペンドインジケーションを伴うRRCリリースメッセージ等と同等のもの)を受信すると、又はRRCリリースメッセージ(又は、WDにRRC_IDLE状態になることを指示する同等のメッセージ)を受信すると、又は、WDをRRC_IDLE状態に移行させる他の任意のトリガに応じて、周期的RNA更新タイマーを停止させる方法が記載されている。
【0030】
いくつかの実施形態は更に、WDが新しいT380タイマー値を有するサスペンドメッセージを受信する際の、新しい周期的RNAタイマー値(即ち、T380タイマー値)の受信の処理に対処する。本明細書で使用される場合、周期的RNAタイマー、T380及びT380タイマーとの用語は、互いに代替可能に使用される。
【0031】
本明細書に記載のメカニズムを使用することによって、後続のサスペンド手順に対して規定される、又はRRC_CONNECTED状態にならずにWDがRRC_INACTIVE状態からRRC_IDLE状態になる際の、明確なWD挙動が存在する。
【0032】
より具体的には、本明細書に記載のメカニズムを適用することによって、RRC_IDLE状態となっている間、又はT380タイマーの新たな値を含む場合も含まない場合もありうるRRCサスペンドメッセージの受信したときに、WDが周期的RNAタイマー(T380)を動作させ続けることが回避される。
【0033】
本開示の一態様によれば、ネットワークノードと通信するように構成された無線デバイスが提供される。前記無線デバイスは、前記無線デバイスが無線リソース制御(RRC)非アクティブ状態であることに少なくとも部分的に基づいて、周期的・無線アクセスネットワーク(RAN)ベース通知エリア(RNA)更新タイマーを始動させるように構成された処理回路を備え、当該周期的RNA更新タイマーは、当該周期的RNA更新タイマーが満了したときにRRC再開手順を開始するように構成されている。前記処理回路は、前記周期的RNA更新タイマーが動作中である場合に、RRCシグナリングに少なくとも部分的に基づいている条件が満たされたことに少なくとも部分的に基づいて、前記周期的RNA更新タイマーの満了前に前記周期的RNA更新タイマーを停止させるように構成されている。
【0034】
この態様の1つ以上の実施形態によれば、前記条件が満たされることは、前記無線デバイスが、RRC接続状態への前記無線デバイスの遷移をトリガするためのRRCセットアップメッセージを、RRC再開要求メッセージに応じて受信することに対応する。この態様の1つ以上の実施形態によれば、前記条件が満たされることは、前記無線デバイスが、前記無線デバイスがRRC非アクティブ状態に留まることを示すRRCサスペンドメッセージを、RRC再開要求メッセージに応じて受信することに対応する。この態様の1つ以上の実施形態によれば、前記処理回路は更に、前記受信されたRRCサスペンドメッセージが、前記周期的RNA更新タイマーに関連付けられた設定を含む場合には、前記受信されたRRCサスペンドメッセージ内の少なくとも当該設定に従って前記周期的RNA更新タイマーを再始動させるように構成されている。
【0035】
この態様の1つ以上の実施形態によれば、前記処理回路は更に、前記受信されたRRCサスペンドメッセージが、前記周期的RNA更新タイマーに関連付けられた設定を含まない場合には、以前の設定に従って前記周期的RNA更新タイマーを再始動させるように構成されている。この態様の1つ以上の実施形態によれば、前記条件が満たされることは、前記無線デバイスが、RRCアイドル状態への前記無線デバイスの遷移をトリガするためのRRCリリースメッセージを、RRC再開要求メッセージに応じて受信することに対応する。この態様の1つ以上の実施形態によれば、前記条件が満たされることは、前記無線デバイスが、RRC再開要求メッセージを送信した後に、RRC再開メッセージ、RRCサスペンドメッセージ、又はRRCリリースメッセージのうちの1つの受信に失敗することに対応する。
【0036】
この態様の1つ以上の実施形態によれば、前記条件が満たされることは、前記無線デバイスが、RRC接続状態を介して遷移することなく、RRC非アクティブ状態からRRCアイドル状態になることに対応する。この態様の1つ以上の実施形態によれば、前記周期的RNA更新タイマーの前記始動は、前記RRC非アクティブ状態になることに応じてトリガされる。
【0037】
本開示の別の態様によれば、ネットワークノードと通信するように構成された無線デバイスにおいて実行される方法が提供される。周期的・無線アクセスネットワーク(RAN)ベース通知エリア(RNA)更新タイマーは、前記無線デバイスが無線リソース制御(RRC)非アクティブ状態であることに少なくとも部分的に基づいて始動され、当該周期的RNA更新タイマーが満了したときにRRC再開手順を開始するように構成されている。前記周期的RNA更新タイマーが動作中である場合に、RRCシグナリングに少なくとも部分的に基づいている条件が満たされたことに少なくとも部分的に基づいて、前記周期的RNA更新タイマーの満了前に前記周期的RNA更新タイマーが停止される。
【0038】
この態様の1つ以上の実施形態によれば、前記条件が満たされることは、前記無線デバイスが、RRC接続状態への前記無線デバイスの遷移をトリガするためのRRCセットアップメッセージを、RRC再開要求メッセージに応じて受信することに対応する。この態様の1つ以上の実施形態によれば、前記条件が満たされることは、前記無線デバイスが、前記無線デバイスがRRC非アクティブ状態に留まることを示すRRCサスペンドメッセージを、RRC再開要求メッセージに応じて受信することに対応する。この態様の1つ以上の実施形態によれば、前記受信されたRRCサスペンドメッセージが、前記周期的RNA更新タイマーに関連付けられた設定を含む場合には、前記受信されたRRCサスペンドメッセージ内の少なくとも当該設定に従って前記周期的RNA更新タイマーが再始動される。
【0039】
この態様の1つ以上の実施形態によれば、前記受信されたRRCサスペンドメッセージが、前記周期的RNA更新タイマーに関連付けられた設定を含まない場合には、以前の設定に従って前記周期的RNA更新タイマーが再始動される。この態様の1つ以上の実施形態によれば、前記条件が満たされることは、前記無線デバイスが、RRCアイドル状態への前記無線デバイスの遷移をトリガするためのRRCリリースメッセージを、RRC再開要求メッセージに応じて受信することに対応する。この態様の1つ以上の実施形態によれば、前記条件が満たされることは、前記無線デバイスが、RRC再開要求メッセージを送信した後に、RRC再開メッセージ、RRCサスペンドメッセージ、又はRRCリリースメッセージのうちの1つの受信に失敗することに対応する。
【0040】
この態様の1つ以上の実施形態によれば、前記条件が満たされることは、前記無線デバイスが、RRC接続状態を介して遷移することなく、RRC非アクティブ状態からRRCアイドル状態になることに対応する。この態様の1つ以上の実施形態によれば、前記周期的RNA更新タイマーの前記始動は、前記RRC非アクティブ状態になることに応じてトリガされる。
【0041】
本開示の別の態様によれば、ネットワークノードと通信するように構成された無線デバイスが提供される。前記無線デバイスは、前記無線デバイスが無線リソース制御(RRC)非アクティブ状態であることに少なくとも部分的に基づいて、周期的・無線アクセスネットワーク(RAN)ベース通知エリア(RNA)更新タイマーを始動させるように構成された処理回路を備え、当該周期的RNA更新タイマーが満了したときにRRC再開手順を開始するように構成されている。前記処理回路は更に、RRCメッセージを受信するように構成され、前記周期的RNA更新タイマーが動作中である場合に、前記受信されたメッセージに少なくとも部分的に基づいて、前記周期的RNA更新タイマーの満了前に前記周期的RNA更新タイマーを停止させるように構成されている。
【0042】
この態様の1つ以上の実施形態によれば、前記RRCメッセージは、RRCセットアップメッセージ、RRC再開要求メッセージ、RRCサスペンドメッセージ、及びRRCリリースメッセージのうちの1つである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照することにより、本実施形態、並びにその付随する利点及び特徴のより完全な理解がより容易に理解されるのであろう。
【0044】
図1図1は、NRにおける可能性のある状態遷移を示す状態図である。
図2図2は、RRC_Connected状態からRRC_Inactive状態への遷移図である。
図3図3は、RRCコネクション再開プロセスが成功した場合を示す図である。
図4図4は、RRCコネクション確立プロセスへのRRCコネクション再開フォールバックが成功した場合を示す図である。
図5図5は、その後にネットワーク解放プロセスが続くRRCコネクション再開が成功した場合を示す図である。
図6図6は、その後にネットワークサスペンドプロセスが続くRRCコネクション再開が成功した場合を示す図である。
図7図7は、ネットワーク拒否をもたらすRRCコネクション再開を示す図である。
図8図8は、不良ダウンリンク(DL)無線状態に起因した再開手順の失敗を示す。
図9図9は、不良アップリンク(UL)無線状態に起因した再開手順の失敗を示す。
図10図10は、本開示の原理による、中間ネットワークを介してホストコンピュータに接続された通信システムを示す例示的なネットワークアーキテクチャの概略図である。
図11図11は、本開示のいくつかの実施形態による、少なくとも部分的に無線コネクション上で、ネットワークノードを介して無線デバイスと通信するホストコンピュータのブロック図である。
図12図12は、本開示の1つ以上の実施形態による、無線デバイスにおける例示的なプロセスのフローチャートである。
図13図13は、本開示の1つ以上の実施形態による、無線デバイスにおける別の例示的なプロセスのフローチャートである。
図14図14は、本開示の1つ以上の実施形態による、無線デバイスにおける更に別の例示的なプロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0045】
例示的な実施形態を詳細に説明する前に、実施形態は、周期的RNA更新タイマーの取り扱いに関連する装置コンポーネント及び処理ステップの組み合わせに主に存在することに留意されたい。したがって、コンポーネントは、適切な場合には図面中の慣習的な記号によって表されており、本明細書における説明の恩恵を受ける当業者には容易に明らかになる詳細によって本開示を不明瞭にしないように、実施形態の理解に関連する特定の詳細のみを示す。同様の番号は説明全体にわたって同様のエレメントを参照する。
【0046】
本明細書で使用されるように、「第1の」及び「第2の」、「最上部」及び「最下部」等の関係を示す用語は、必ずしもそのようなエンティティ又はエレメント間の物理的又は論理的関係又は順序を必要とせずに又は暗示することなく、1つのエンティティ又はエレメントを別のエンティティ又はエレメントから区別するためにのみ使用されうる。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を記載するためだけのものであり、本明細書に記載の概念を限定することを意図していない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈がそれ以外を明確に示さない限り、複数形も含むことを意図している。本明細書で使用される場合、「comprises(備える/含む)」、「comprising(備える/含む)」、「includes(備える/含む)」及び/又は「including(備える/含む)」との用語は、記載された特徴、整数、ステップ、動作、エレメント、及び/又はコンポーネントの存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、エレメント、コンポーネント、及び/それらのグループの存在又は追加を排除しないものと更に理解されよう。
【0047】
本明細書に記載の実施形態において、「in communication with(と通信している)」等の結合用語は、例えば、物理的接触、誘導、電磁放射、無線シグナリング、赤外線シグナリング、又は光シグナリングによって達成されうる、電気通信又はデータ通信を示すために使用されうる。当業者であれば複数のコンポーネントが相互動作しうること、並びに電気通信及びデータ通信を実現するための修正及び変形が可能であることを理解するであろう。
【0048】
本明細書に記載のいくつかの実施形態において、「結合された(coupled)」、「接続された(connected)」等の用語は、必ずしも直接ではないが、コネクションを示すために本明細書で使用されうるとともに、有線コネクション及び/又は無線コネクションを含みうる。
【0049】
インディケーションは一般に、それが表す及び/又は示す情報を明示的及び/又は暗黙的に示しうる。黙示的なインジケーションは、例えば、送信のために使用される位置及び/又はリソースに基づきうる。明示的なインジケーションは、例えば、1つ以上のパラメータ、及び/又は1つ以上のインデックス、及び/又は情報を表す1つ以上のビットパターン、を用いたパラメータ化に基づきうる。特に、利用されるリソース系列に基づいて、本明細書に記載の制御シグナリングは、制御シグナリングのタイプを黙示的に示すと考えられうる。
【0050】
本明細書で使用される信号という用語は、任意の物理信号又は物理チャネルでありうる。物理信号の例は、PSS、SSS、CRS、PRS等のリファレンス信号である。本明細書で使用される(例えば、チャネル受信のコンテキストにおける)物理チャネルという用語は、「チャネル」とも称される。物理チャネルの例は、MIB、PBCH、NPBCH、PDCCH、PDSCH、sPUCCH、sPDSCH、sPUCCH、sPUSCH、MPDCCH、NPDCCH、NPDSCH、E-PDCCH、PUSCH、PUCCH、NPUSCH等である。これらの用語/略語は、3GPP規格の言語に従って、とりわけLTE及び/又はニューレディオ(NR:New Radio)に従って使用されうる。
【0051】
セルラ通信について、例えば、ネットワークノード(特に基地局又はeノードB)によって提供されうるセルを介する及び/又はセルを規定する、少なくとも1つのアップリンク(UL)コネクション及び/又はチャネル及び/又はキャリアと、少なくとも1つのダウンリンク(DL)コネクション及び/又はチャネル及び/又はキャリアとが提供されることが考慮されうる。アップリンク方向は、端末からネットワークノード(例えば、基地局及び/又は中継局)へのデータ転送方向を指しうる。ダウンリンク方向は、ネットワークノード(例えば、基地局及び/又は中継ノード)から端末へのデータ転送方向を指しうる。UL及びDLは、異なる周波数リソース(例えば、キャリア及び/又はスペクトル帯域)に関連付けられうる。セルは、少なくとも1つのアップリンクキャリアと、異なる周波数帯域を有しうる少なくとも1つのダウンリンクキャリアとを有しうる。ネットワークノード(例えば、基地局又はeノードB)は、1つ以上のセル(例えば、PCell及び/又はLAセル)を提供及び/又は規定及び/又は制御するように適合されうる。
【0052】
ダウンリンクでの送信は、ネットワーク又はネットワークノードから端末への送信に関係しうる。アップリンクでの送信は、端末からネットワーク又はネットワークノードへの送信に関係しうる。サイドリンクでの送信は、1つの端末から別の端末への(直接の)送信に関係しうる。アップリンク、ダウンリンク、及びサイドリンク(例えば、サイドリンク送信及び受信)は、通信方向とみなされうる。いくつかの変形例では、アップリンク及びダウンリンクは、ネットワークノード間の無線通信、例えば、無線バックホール及び/又はリレー通信及び/又は例えば、基地局又は類似のネットワークノード間の(無線)ネットワーク通信、特に、そのようなネットワークノードで終端する通信を記述するためにも使用されうる。バックホール及び/又はリレー通信及び/又はネットワーク通信は、サイドリンク又はアップリンク通信又はそれらに類似するものの一形態として実装されると考えられうる。
【0053】
一般に、設定すること(configuring)は、設定を表す設定データを決定し、それを1つ以上の他のノードに(並列に及び/又は順次)提供することを含みうる。当該1つ以上の他のノードは、それを無線ノード(又は別のノード、これは無線デバイス22に到達するまで繰り返されてもよい)に更に送信しうる。代替的に又は追加的に、例えばネットワークノード16又は他のデバイスによって無線ノードを設定することは、設定データ(configuration data)及び/又は設定データに関連するデータを、ネットワークノード16のような、ネットワークの上位レベルのノードでありうる別のノードから受信すること、及び/又は受信した設定データを無線ノードへ送信することを含みうる。したがって、設定を決定し、設定データを無線ノードへ送信することは、異なるネットワークノード又はエンティティによって実行されることがあり、当該異なるネットワークノード又はエンティティは、適切なインタフェース(例えば、LTEの場合にはX2インタフェース、又はNRのための対応するインタフェース)を介して通信することが可能でありうる。端末(例えば、WD22)を設定することは、端末のためのダウンリンク及び/又はアップリンク送信、例えば、ダウンリンクデータ及び/又はダウンリンク制御シグナリング及び/又はDCI及び/又はアップリンク制御又はデータ又は通信シグナリング、特に確認応答シグナリング、をスケジューリングすること、及び/又は、リソース及び/又はそのためのリソースプールを設定すること、を含みうる。特に、端末(例えば、WD22)を設定することは、本開示の実施形態によれば、特定のサブフレーム又は無線リソース上での特定の測定と、そのような測定の報告とを実行するようにWD22を設定することを含みうる。
【0054】
シグナリングは、1つ以上の信号及び/又はシンボルを含みうる。リファレンスシグナリングは、1つ以上のリファレンス信号及び/又はシンボルを含みうる。データシグナリングは、データを含む信号及び/又はシンボル、特に、ユーザデータ、及び/又はペイロードデータ、無線及び/又は物理レイヤより上の通信レイヤからのデータに関係しうる。復調リファレンスシグナリングは、1つ以上の復調信号及び/又はシンボルを含むと考えられうる。復調リファレンスシグナリングは、特に、3GPP及び/又はLTE技術によるDM-RSを含みうる。復調リファレンスシグナリングは、一般に、関連するデータシグナリング又はデータを復号及び/又は復調するために、端末のような受信デバイスに対してリファレンスを提供するシグナリングを表すものと考えられうる。復調リファレンスシグナリングは、データ又はデータシグナリング(特に特定のデータ又はデータシグナリング)に関連付けられうる。データシグナリング及び復調リファレンスシグナリングは、インタレース及び/又は多重化される(例えばサブフレーム又はスロット又はシンボルをカバーする同じ時間インターバル、及び/又はリソースブロックのような同じ時間‐周波数リソース構成において配置される)と考えられうる。リソースエレメントは、例えば、1つのシンボルによってカバーされる時間及び周波数範囲、又は共通の変調で表されるビット数を表す、最小の時間‐周波数リソースを表しうる。リソースエレメントは、例えば、(特に3GPP及び/又はLTE規格における)シンボル時間長及びサブキャリアをカバーしうる。データ送信は、特定のデータ(例えば、データの特定のブロック及び/又はトランスポートブロック)の送信を表しうる、及び/又はそれに関係しうる。一般に、復調リファレンスシグナリングは、復調リファレンスシグナリングを識別及び/又は規定しうる信号及び/又はシンボルの系列を含みうる及び/又は表しうる。
【0055】
データ又は情報は、任意の種類のデータ(特に、制御データ又はユーザデータ又はペイロードデータのうちのいずれか1つ及び/又はそれらの任意の組み合わせ)を指しうる。制御情報(制御データとも称されうる)は、データ送信の処理、及び/又はネットワーク又は端末動作を制御する及び/又はスケジューリングする及び/又はそれに関係するデータを指しうる。
【0056】
本明細書で使用される「ネットワークノード」との用語は、無線ネットワークに含まれる任意の種類のネットワークノードでありうる。当該ネットワークノードは、基地局(BS)、無線基地局、基地トランシーバ局(BTS)、基地局コントローラ(BSC)、無線ネットワークコントローラ(RNC)、gノードB(gNB)、進化型ノードB(eNB又はeノードB)、バックホール(IAB)ノード、ノードB、MSR BR等のマルチスタンダード無線(MSR)無線ノード、マルチセル/マルチキャスト調整エンティティ(MCE)、リレーノード、リレーを制御するドナーノード、無線アクセスポイント(AP)、送信ポイント、送信ノード、リモート無線ユニット(RRU)リモート無線ヘッド(RRH)、コアネットワークノード(例えば、モバイル管理エンティティ(MME)、自己組織化ネットワーク(SON)ノード、調整ノード、測位ノード、MDTノード等)、外部ノード(例えば、サードパーティノード、現在のネットワークの外部のノード)、分散アンテナシステム(DAS)内のノード、スペクトルアクセスシステム(SAS)ノード、エレメント管理システム(EMS)等のうちのいずれかを更に含みうる。ネットワークノードはまた、試験装置を備えてもよい。本明細書で使用される「無線ノード」との用語は、無線デバイス(WD)又は無線ネットワークノード等の無線デバイス(WD)を示すためにも使用されうる。
【0057】
いくつかの実施形態では、無線デバイス(WD)又はユーザ装置(UE)という非限定的な用語が互いに代替可能に使用される。本明細書のWDは、無線デバイス(WD)等の、無線信号でネットワークノード又は別のWDと通信できる任意のタイプの無線デバイスでありうる。WDはまた、無線通信デバイス、ターゲットデバイス、デバイス・ツー・デバイス(D2D)WD、マシン・ツー・マシン通信(M2M)が可能なマシンタイプWD若しくはWD、低コスト及び/又は低複雑度WD、WDを備えるセンサ、タブレット、モバイル端末、スマートフォン、laptop embedded equipped(LEE)、 laptop mounted equipment(LME)、USBドングル、カスタマ構内設備(CPE:Customer Premises Equipment)、Internet of Things(IoT)デバイス、又はなローバンドIoT(NB-IoT)デバイス等であってもよい。
【0058】
また、いくつかの実施形態では、「無線ネットワークノード」との一般的な用語が使用される。これは、基地局、無線基地局、基地トランシーバ局、基地局コントローラ、ネットワークコントローラ、RNC、進化型ノードB(eNB)、ノードB、gNB、マルチセル/マルチキャスト調整エンティティ(MCE)、リレーノード、アクセスポイント、無線アクセスポイント、リモート無線ユニット(RRU)リモート無線ヘッド(RRH)のいずれかを備えうる任意の種類の無線ネットワークノードでありうる。
【0059】
例えば、3GPP LTE及び/又はニューレディオ(NR)のような、1つの特定の無線システムからの用語が本開示において使用されうるが、これは本開示の範囲を前述のシステムのみに限定するものとみなされるべきではないことに留意されたい。Wide Band Code Division Multiple Access(WCDMA(登録商標))、Worldwide Interoperability for Microwave Access(WiMax)、Ultra Mobile Broadband(UMB)、及びGlobal System for Mobile Communications(GSM)を含むがこれらに限定されない他の無線システムも、本開示内でカバーされるアイデアを利用することから恩恵をうることができる。
【0060】
更に、無線デバイス又はネットワークノードによって実行されるとして本明細書に記載される機能は、複数の無線デバイス及び/又はネットワークノード上に分散されてもよいことに留意されたい。言い換えると、本明細書に記載のネットワークノード及び無線デバイスの機能は、単一の物理デバイスによる実行に限定されず、実際にはいくつかの物理デバイス間で分散されてもよいことが考えられる。
【0061】
別段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。更に、本明細書において使用される用語は本明細書及び関連技術の文脈における意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されない限り、理想化された又は過度に形式的な意味で解釈されるべきではないことが理解されるであろう。
【0062】
実施形態は、周期的RNA更新タイマーを取り扱うことを提供する。本明細書で使用される場合、周期的RNAタイマー、T380及びT380タイマーとの用語は、互いに代替可能に使用される。いくつかの実施形態では、方法は、NRにおけるRRC_INACTIVEのWDによって実行されるアクションとして記載される。いくつかの実施形態はそのケースに適用可能であるが実施形態が適用可能な、以下のような他の追加のケースもありうる:
●NRではなくLTEで手順が生じる以前の全てのケース、即ち、LTE RRC_INACTIVEのWDのケース;
●主に同じCN(5Gコアネットワーク)に接続されたLTEとNRとの間の、RRC_INACTIVE状態における無線アクセス技術(RAT)間の手順:
●LTE RRC_CONNECTED状態のWDは、LTE RRC_INACTIVE状態にサスペンドされ、T380を始動させ、モビリティを実行してNRセルにキャンプオンし(即ち、NR RRC_INACTIVE状態になり)、T380の動作中にNRで再開することを試みる。
●NR RRC_CONNECTED状態のWDは、NR RRC_INACTIVE状態にサスペンドされ、T380を始動させ、モビリティを実行してLTEセルにキャンプオンし(即ち、LTE RRC_INACTIVE状態に遷移し)、T380の動作中にLTEで再開することを試みる。
【0063】
RAT間ケースの説明では、RRC_INACTIVE状態モビリティのための共通のT380タイマーが規定されていることに留意されたい。
【0064】
同様のエレメントが同様の参照符号によって参照される図面に戻ると、図10には、無線アクセスネットワーク等のアクセスネットワーク12とコアネットワーク14とを備える、LTE及び/又はNR(5G)等の規格をサポートしうる3GPPタイプのセルラネットワーク等の、一実施形態による通信システム10の概略図が示されている。アクセスネットワーク12は、NB、eNB、gNB又は他のタイプの無線アクセスポイント等の複数のネットワークノード16a,16b,16c(まとめてネットワークノード16と称する)を含み、それぞれが対応するカバレッジエリア18a,18b,18c(まとめてカバレッジエリア18と称する)を規定する。各ネットワークノード16a,16b,16cは、有線又は無線コネクション20を介してコアネットワーク14に接続可能である。カバレッジエリア18aに位置する第1の無線デバイス22aは、対応するネットワークノード16cに無線で接続する、又は当該ネットワークノードによってページングされるように構成される。カバレッジエリア18b内の第2のWD22bは、対応するネットワークノード16aに無線で接続可能である。この例では、複数のWD22a,22b(まとめて無線デバイス22と称する)が示されているが、開示された実施形態は、単一のWDがカバレッジエリア内にある状況、又は単一のWDが対応するネットワークノード16に接続している状況にも同様に適用可能である。便宜上、2つのWD22及び3つのネットワークノード16のみが示されているが、通信システムは、より多くのWD22及びネットワークノード16を含みうることに留意されたい。
【0065】
また、WD22は、2つ以上のネットワークノード16及び2つ以上のタイプのネットワークノード16と同時に通信すること、及び/又は別々に通信することを行うように構成されうると考えらえる。例えば、WD22は、LTEをサポートするネットワークノード16と、NRをサポートする同一又は異なるネットワークノード16とのデュアルコネクティビティを有することが可能である。一例として、WD22は、LTE/E-UTRAN用のeNB、及びNR/NG-RAN用のgNBと通信可能である。
【0066】
通信システム10は、それ自体、ホストコンピュータ24に接続されうる。当該ホストコンピュータは、独立型サーバ、クラウド実装型サーバ、分散型サーバのハードウェア及び/又はソフトウェアで、又はサーバファーム内の処理リソースとして実施されうる。ホストコンピュータ24は、サービスプロバイダの所有であっても制御下にあってもよく、又は、サービスプロバイダによって又はサービスプロバイダの代わりに操作されてもよい。通信システム10とホストコンピュータ24との間のコネクション26,28は、コアネットワーク14からホストコンピュータ24に直接延びていてもよいし、オプションの中間ネットワーク30を介して延びていてもよい。中間ネットワーク30は、パブリックネットワーク、プライベートネットワーク、又はホストネットワークのうちの1つ、又は2つ以上の組み合わせであってもよい。中間ネットワーク30は、もしあれば、バックボーンネットワーク又はインターネットであってもよい。いくつかの実施形態では、中間ネットワーク30は、2つ以上のサブネットワーク(図示せず)を含んでもよい。
【0067】
図10の通信システムは、全体として、接続されたWD22a,22bのうちの1つとホストコンピュータ24との間の接続性を与える。当該接続性は、オーバー・ザ・トップ(OTT:over-the-top)コネクションとして説明されうる。ホストコンピュータ24及び接続されたWD22a,22bは、アクセスネットワーク12、コアネットワーク14、任意の中間ネットワーク30、及び可能性のある更なるインフラストラクチャ(図示せず)を媒介として使用して、OTTコネクションを介してデータ及び/又はシグナリングを通信するように構成される。OTTコネクションは、OTTコネクションが通過する参加通信デバイスの少なくとも一部が、アップリンク通信及びダウンリンク通信のルーティングに気付かないという意味で、トランスペアレントでありうる。例えば、ネットワークノード16は、接続されたWD22aに転送される(例えば、ハンドオーバされる)ホストコンピュータ24から発信されたデータを有する、到着するダウンリンク通信の過去のルーティングについて通知されてなくてもよく、又は通知される必要がなくてもよい。同様に、ネットワークノード16は、WD22aからホストコンピュータ24へ向かう、発信されるアップリンク通信の将来のルーティングを知っている必要はない。
【0068】
ネットワークノード16は、無線デバイス22とメッセージ及びデータを通信及びやりとりするように構成される。無線デバイス22は、以下で説明されるように、条件のセットのうちの1つが存在する場合に更新タイマーを停止するように構成される更新タイマー制御ユニット34を含むように構成される。無線デバイス22は更に、例えば更新タイマー制御ユニット34及び/又は処理回路84を介して、WDの種々の状態への遷移を決定し、かつ、生じさせるように構成される。
【0069】
図11を参照して、これまでの段落で説明したWD22、ネットワークノード16及びホストコンピュータ24の実施形態による実装例について以下で説明する。通信システム10において、ホストコンピュータ24は、通信システム10の、異なる通信デバイスのインタフェースとの有線又は無線接続をセットアップ及び維持するように構成された通信インタフェース40を含むハードウェア(HW)38を備える。ホストコンピュータ24は、ストレージ能力及び/又は処理能力を有しうる処理回路42を更に備える。処理回路42は、プロセッサ44及びメモリ46を含みうる。特に、中央演算処理装置等のプロセッサ及びメモリに加えて、又はその代わりに、処理回路42は、処理及び/又は制御のための集積回路、例えば、命令を実行するように適合された1つ以上のプロセッサ及び/又はプロセッサコア及び/又はFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)及び/又はASIC(特定用途向け集積回路)を備えうる。プロセッサ44は、メモリ46にアクセス(例えば、書き込み及び/又は読み出し)するように構成されうる。当該メモリは、任意の種類の揮発性メモリ及び/又は不揮発性メモリ、例えば、キャッシュメモリ及び/又はバッファメモリ及び/又はRAM(ランダムアクセスメモリ)及び/又はROM(読み出し専用メモリ)及び/又は光メモリ及び/又はEPROM(消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ)を含みうる。
【0070】
処理回路42は、本明細書に記載の方法及び/又はプロセスのいずれかを制御するように、及び/又はそのような方法及び/又はプロセスを、例えばホストコンピュータ24によって実行させるように構成されうる。プロセッサ44は、本明細書に記載のホストコンピュータ24の機能を実行するための1つ以上のプロセッサ44に対応する。ホストコンピュータ24は、本明細書に記載の、データ、プログラムによるソフトウェアコード及び/又は他の情報を格納するように構成されたメモリ46を備える。いくつかの実施形態では、ソフトウェア48及び/又はホストアプリケーション50は、プロセッサ44及び/又は処理回路42によって実行されるとプロセッサ44及び/又は処理回路42に、ホストコンピュータ24に関して本明細書に記載のプロセスを実行させる命令を含みうる。命令は、ホストコンピュータ24と関連付けられたソフトウェアでありうる。
【0071】
ソフトウェア48は、処理回路42によって実行可能でありうる。ソフトウェア48は、ホストアプリケーション50を含む。ホストアプリケーション50は、WD22及びホストコンピュータ24で終端するOTTコネクション52を介して接続するWD22等のリモートユーザにサービスを提供するように動作可能でありうる。サービスをリモートユーザに提供する際に、ホストアプリケーション50は、OTTコネクション52を使用して送信されるユーザデータを提供しうる。「ユーザデータ」は、記載された機能を実行するものとして本明細書に記載されるデータ及び情報でありうる。一実施形態では、ホストコンピュータ24は、サービスプロバイダに制御及び機能を提供するように構成されうるとともに、サービスプロバイダによって、又はサービスプロバイダの代わりに操作されうる。ホストコンピュータ24の処理回路42は、ホストコンピュータ24がネットワークノード16及び/又は無線デバイス22の監視、モニタリング、制御、それへの送信及び/又はそれからの受信を可能にしうる。
【0072】
通信システム10は更に、通信システム10内に設けられ、かつ、ホストコンピュータ24及びWD22と通信することを可能にするハードウェア58を備えるネットワークノード16を含む。ハードウェア58は、通信システム10の、異なる通信デバイスのインタフェースとの有線又は無線コネクションをセットアップ及び維持するための通信インタフェース60と、ネットワークノード16によってサービスが行われるカバレッジエリア18内に位置するWD22との少なくとも無線コネクション64をセットアップ及び維持するための無線インタフェース62とを含みうる。無線インタフェース62は、例えば、1つ以上のRF送信機、1つ以上のRF受信機、及び/又は1つ以上のRFトランシーバとして形成されてもよく、又はそれらを含んでもよい。通信インタフェース60は、ホストコンピュータ24へのコネクション66を容易にするように構成されうる。コネクション66は、直接的であってもよいし、通信システム10のコアネットワーク14を通過、及び/又は通信システム10の外部の1つ以上の中間ネットワーク30を通過してもよい。
【0073】
図示された実施形態では、ネットワークノード16のハードウェア58は処理回路68を更に備える。処理回路68は、プロセッサ70及びメモリ72を含みうる。特に、中央演算処理装置等のプロセッサ及びメモリに加えて、又はその代わりに、処理回路68は、処理及び/又は制御のための集積回路、例えば、命令を実行するように適合された1つ以上のプロセッサ及び/又はプロセッサコア及び/又はFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)及び/又はASIC(特定用途向け集積回路)を備えうる。プロセッサ70は、メモリ72にアクセス(例えば、書き込み及び/又は読み出し)するように構成されうる。当該メモリは、任意の種類の揮発性メモリ及び/又は不揮発性メモリ、例えば、キャッシュメモリ及び/又はバッファメモリ及び/又はRAM(ランダムアクセスメモリ)及び/又はROM(読み出し専用メモリ)及び/又は光メモリ及び/又はEPROM(消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ)を含みうる。
【0074】
このように、ネットワークノード16は更に、例えばメモリ72に内部格納された、又は外部接続によってネットワークノード16からアクセス可能な外部メモリ(例えば、データベース、ストレージアレイ、ネットワークストレージデバイス等)に格納された、ソフトウェア74を有している。ソフトウェア74は、処理回路68によって実行可能でありうる。処理回路68は、本明細書に記載の方法及び/又はプロセスのいずれかを制御するように、及び/又はそのような方法及び/又はプロセスを、例えばネットワークノード16によって実行させるように構成されうる。プロセッサ70は、本明細書に記載のネットワークノード16の機能を実行するための1つ以上のプロセッサ70に対応する。メモリ72は、本明細書に記載の、データ、プログラムによるソフトウェアコード及び/又は他の情報を格納するように構成される。いくつかの実施形態では、ソフトウェア74は、プロセッサ70及び/又は処理回路68によって実行されるとプロセッサ70及び/又は処理回路68に、ネットワークノード16に関して本明細書に記載のプロセスを実行させる命令を含みうる。
【0075】
通信システム10は、既に言及したWD22を更に含む。WD22は、WD22が現在位置しているカバレッジエリア18にサービスを行うネットワークノード16との無線コネクション64をセットアップ及び維持するように構成された無線インタフェース82を含みうるハードウェア80を有しうる。無線インタフェース82は、例えば、1つ以上のRF送信機、1つ以上のRF受信機、及び/又は1つ以上のRFトランシーバとして形成されてもよく、又はそれらを含んでもよい。
【0076】
WD22のハードウェア80は処理回路84を更に備える。処理回路84は、プロセッサ86及びメモリ88を含みうる。特に、中央演算処理装置等のプロセッサ及びメモリに加えて、又はその代わりに、処理回路84は、処理及び/又は制御のための集積回路、例えば、命令を実行するように適合された1つ以上のプロセッサ及び/又はプロセッサコア及び/又はFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)及び/又はASIC(特定用途向け集積回路)を備えうる。プロセッサ86は、メモリ88にアクセス(例えば、書き込み及び/又は読み出し)するように構成されうる。当該メモリは、任意の種類の揮発性メモリ及び/又は不揮発性メモリ、例えば、キャッシュメモリ及び/又はバッファメモリ及び/又はRAM(ランダムアクセスメモリ)及び/又はROM(読み出し専用メモリ)及び/又は光メモリ及び/又はEPROM(消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ)を含みうる。
【0077】
このように、WD22は更に、例えばWD22内のメモリ88に格納された、又はWD22からアクセス可能な外部メモリ(例えば、データベース、ストレージアレイ、ネットワークストレージデバイス等)に格納された、ソフトウェア90を有しうる。ソフトウェア90は、処理回路84によって実行可能でありうる。ソフトウェア90は、クライアントアプリケーション92を含みうる。クライアントアプリケーション92は、ホストコンピュータ24のサポートにより、WD22を介して人間の又は人間以外のユーザにサービスを提供するように動作可能でありうる。ホストコンピュータ24において、実行中のホストアプリケーション50は、WD22及びホストコンピュータ24で終端するOTTコネクション52を介して、実行中のクライアントアプリケーション92と通信しうる。ユーザにサービスを提供する際、クライアントアプリケーション92は、ホストアプリケーション50から要求データを受信し、当該要求データに応じてユーザデータを提供しうる。OTTコネクション52は、要求データ及びユーザデータの両方を転送しうる。クライアントアプリケーション92は、それが提供するユーザデータを生成するためにユーザとインタラクションしうる。
【0078】
処理回路84は、本明細書に記載の方法及び/又はプロセスのいずれかを制御するように、及び/又はそのような方法及び/又はプロセスを、例えばWD22によって実行させるように構成されうる。プロセッサ86は、本明細書に記載のWD22の機能を実行するための1つ以上のプロセッサ86に対応する。WD22は、本明細書に記載の、データ、プログラムによるソフトウェアコード及び/又は他の情報を格納するように構成されたメモリ88を備える。いくつかの実施形態では、ソフトウェア90及び/又はクライアントアプリケーション92は、プロセッサ86及び/又は処理回路84によって実行されるとプロセッサ86及び/又は処理回路84に、WD22に関して本明細書に記載のプロセスを実行させる命令を含みうる。例えば、無線デバイス22の処理回路84は、以下で説明されるように、条件のセットのうちの1つが存在する場合に更新タイマーを停止するように構成される更新タイマー制御ユニット34を含みうる。WD22は、プロセッサ84及び/又は処理回路84を介して、状態を決定し、WD22の状態間の遷移を指示するように更に構成されうる。WD22の無線インタフェース82は、RRC再開要求メッセージに応じて、RRCセットアップメッセージ、RRCサスペンドメッセージ及びRRCリリースメッセージを受信するように機能する。
【0079】
いくつかの実施形態では、ネットワークノード16、WD22、及びホストコンピュータ24の内部動作は、図11に示されるようなものとされうるとともに、独立して、周囲のネットワークトポロジは図10のものとされうる。
【0080】
図11では、あらゆる中間デバイス及びそれらのデバイスを介したメッセージの正確なルーティングに明示的に言及することなく、OTTコネクション52が、ネットワークノード16を介したホストコンピュータ24と無線デバイス22との間の通信を示すために抽象的に描かれている。ネットワークインフラストラクチャは、WD22から若しくはホストコンピュータ24を操作するサービスプロバイダから、又はその両方から隠すように構成されうるルーティングを決定しうる。OTTコネクション52がアクティブである間に、ネットワークインフラストラクチャは、(例えば、負荷の考慮又はネットワークの再設定に基づいて)ルーティングを動的に変更する決定を更に行いうる。
【0081】
WD22とネットワークノード16との間の無線コネクション64は、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従う。様々な実施形態のうちの1つ以上は、無線コネクション64が最後のセグメントを形成しうるOTTコネクション52を使用してWD 22に提供されるOTTサービスの性能を改善しうる。より正確には、これらの実施形態の一部の教示が、データレート、レイテンシ、及び/又は消費電力を改善することができ、それによって、ユーザの待ち時間の低減、ファイルサイズの緩和、応答性の向上、バッテリ寿命の延長等の利点を提供できる。
【0082】
いくつかの実施形態では、1つ又は以上の実施形態が改善するデータレート、レイテンシ及びその他の要因をモニタリングする目的で、測定手順が提供されうる。更に、測定結果の変動に応じて、ホストコンピュータ24とWD22との間のOTTコネクション52を再設定するためのオプションのネットワーク機能があってもよい。OTTコネクション52を再設定するための測定手順及び/又はネットワーク機能は、ホストコンピュータ24のソフトウェア48、又はWD22のソフトウェア90、又はその両方で実装されうる。いくつかの実施形態では、センサ(図示せず)が、OTTコネクション52が通過する通信デバイスに配置されうるか又はそれに関連して配置されうる。当該センサは、上記で例示された、モニタリングされた量の値を供給することによって、又はソフトウェア48,90が当該モニタリングされた量を他の物理量の値から計算又は推定しうる、当該他の物理量の値を供給することによって、測定手順に関与しうる。OTTコネクション52の再設定は、メッセージフォーマット、再送設定、好ましいルーティング等を含んでもよく、当該再設定は、ネットワークノード16に影響を与える必要はなく、ネットワークノード16には未知であるか又は感知できなくてもよい。いくつかのそのような手順及び機能は、当該分野では既知でありうるとともに実践されうる。特定の実施形態では、測定は、ホストコンピュータ24の、スループット、伝搬時間、レイテンシ等の測定を容易にする、独自のWDシグナリングを含みうる。いくつかの実施形態では、測定は、ソフトウェア48,90が、伝搬時間、エラー等をモニタリングしながら、OTTコネクション52を使用して、メッセージ(特に、空のメッセージ又は「ダミー」メッセージ)を送信させることで実行されうる。
【0083】
このように、いくつかの実施形態では、ホストコンピュータ24は、ユーザデータを提供するように構成された処理回路42と、WD22への送信のためにユーザデータをセルラネットワークに転送するように構成された通信インタフェース40とを備える。いくつかの実施形態では、セルラネットワークは更に、無線インタフェース62を有するネットワークノード16を含む。いくつかの実施形態では、WD22への送信の準備/開始/維持/サポート/終了のため、及び/又はWD22からの送信の受信の準備/開始/維持/サポート/終了のための、本明細書に記載の機能及び/又は方法を実行するように、ネットワークノード16が構成される及び/又はネットワークノード16の処理回路68が構成される。
【0084】
いくつかの実施形態では、ホストコンピュータ24は、処理回路42と、WD22からネットワークノード16への送信から生じるユーザデータを受信するように構成された通信インタフェース40とを備える。いくつかの実施形態では、ネットワークノード16への送信の準備/開始/維持/サポート/終了のため、及び/又はネットワークノード16からの送信の受信の準備/開始/維持/サポート/終了のための、本明細書に記載の機能及び/又は方法を実行するように、WD22が構成される及び/又は構成される無線インタフェース82及び/又は処理回路84をWD22が備える。
【0085】
図10及び図11は、更新タイマー制御ユニット34等の種々の「ユニット」がそれぞれのプロセッサ内にあることを示しているが、これらのユニットは当該ユニットの一部が処理回路内の対応するメモリに格納されるように実装されてもよいと考えられる。言い換えれば、上記ユニットは、処理回路内のハードウェア又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせで実装されてもよい。
【0086】
図12は、本開示のいくつかの実施形態による、無線デバイス22における例示的なプロセスのフローチャートである。無線デバイス22によって実行される1つ以上のブロック及び/又は機能は、無線デバイス22の1つ以上のエレメントによって(例えば処理回路84内の更新タイマー制御ユニット34、プロセッサ86、無線インタフェース82によって)実行されうる。本明細書に記載のように、1つ以上の実施形態では、例えば処理回路84、プロセッサ86、更新タイマー制御ユニット84及び無線インタフェース86のうちの1つ以上を介して、無線デバイスは、無線デバイス22が無線リソース制御(RRC)非アクティブ状態であることに少なくとも部分的に基づいて、周期的・無線アクセスネットワーク(RAN)ベース通知エリア(RNA)更新タイマーを始動させる(ブロックS134)ように構成され、周期的RNA更新タイマーは、当該周期的RNA更新タイマーが満了したときにRRC再開手順を開始するように構成される。本明細書に記載のように、1つ以上の実施形態では、例えば処理回路84、プロセッサ86、更新タイマー制御ユニット84及び無線インタフェース86のうちの1つ以上を介して、無線デバイスは、周期的RNA更新タイマーが動作中である場合に、RRCシグナリングに少なくとも部分的に基づいている条件が満たされたことに少なくとも部分的に基づいて、周期的RNA更新タイマーの満了前に周期的RNA更新タイマーを停止させる(ブロックS136)ように構成される。
【0087】
1つ以上の実施形態によれば、条件が満たされることは、無線デバイス22が、RRC接続状態への無線デバイス22の遷移をトリガするためのRRCセットアップメッセージを、RRC再開要求メッセージに応じて受信することに対応する。1つ以上の実施形態によれば、条件が満たされることは、無線デバイス22が、無線デバイス22がRRCサスペンドメッセージを、RRC再開要求メッセージに応じて受信することに対応し、当該RRCサスペンドメッセージはRRC非アクティブ状態に留まることを示す。1つ以上の実施形態によれば、処理回路84は更に、受信されたRRCサスペンドメッセージが、周期的RNA更新タイマーに関連付けられた設定を含む場合には、受信されたRRCサスペンドメッセージ内の少なくとも当該設定に従って周期的RNA更新タイマーを再始動させるように構成される。
【0088】
1つ以上の実施形態によれば、処理回路84は更に、受信されたRRCサスペンドメッセージが、周期的RNA更新タイマーに関連付けられた設定を含まない場合には、以前の設定に従って周期的RNA更新タイマーを再始動させるように構成される。1つ以上の実施形態によれば、条件が満たされることは、無線デバイスが、RRCアイドル状態への無線デバイス22の遷移をトリガするためのRRCリリースメッセージを、RRC再開要求メッセージに応じて受信することに対応する。1つ以上の実施形態によれば、条件が満たされることは、無線デバイス22が、RRC再開要求メッセージを送信した後に、RRC再開メッセージ、RRCサスペンドメッセージ、又はRRCリリースメッセージのうちの1つの受信に失敗することに対応する。1つ以上の実施形態によれば、条件が満たされることは、無線デバイス22が、RRC接続状態を介して遷移することなく、RRC非アクティブ状態からRRCアイドル状態になることに対応する。1つ以上の実施形態によれば、周期的RNA更新タイマーの始動は、RRC非アクティブ状態になることに応じてトリガされる。
【0089】
図13は、本開示のいくつかの実施形態による、無線デバイス22における別の例示的なプロセスのフローチャートである。無線デバイス22によって実行される1つ以上のブロック及び/又は機能は、無線デバイス22の1つ以上のエレメントによって(例えば処理回路84内の更新タイマー制御ユニット34、プロセッサ86、無線インタフェース82によって)実行されうる。例えば処理回路84、プロセッサ86、更新タイマー制御ユニット34、及び無線インタフェース82のうちの1つ以上を介して無線デバイス22によって実行されるプロセスは、以下の条件のうちの1つに応じて更新タイマーを停止する(ブロックS138)ことを含み、当該条件は、WD22が、RRC再開要求メッセージに応じて、RRC_CONNECTED状態へのWD22の遷移をトリガするRRCセットアップメッセージを受信すること、WD22が、RRC再開要求メッセージに応じて、RRC非アクティブ状態に留まることを示すRRCサスペンドメッセージを受信すること、WD22が、RRC再開要求メッセージに応じて、RRC_IDLE状態へのWD22の遷移をトリガするRRCリリースメッセージを受信すること、WD22が、RRC再開要求メッセージを送信した後に、RRC再開メッセージ、RRCサスペンドメッセージ、又はRRCリリースメッセージの受信に失敗すること、WD22が、RRC_CONNECTED状態を介して遷移することなく、RRC_INACTIVE状態からRRC_IDLE状態になること、である。
【0090】
図14は、本開示のいくつかの実施形態による、無線デバイス22における例示的なプロセスのフローチャートである。無線デバイス22によって実行される1つ以上のブロック及び/又は機能は、無線デバイス22の1つ以上のエレメントによって(例えば処理回路84内の更新タイマー制御ユニット34、プロセッサ86、無線インタフェース82によって)実行されうる。1つ以上の実施形態では、例えば処理回路84、プロセッサ86、及び無線インタフェース86のうちの1つ以上を介して、無線デバイスは、無線デバイスが無線リソース制御(RRC)非アクティブ状態であることに少なくとも部分的に基づいて、周期的・無線アクセスネットワーク(RAN)ベース通知エリア(RNA)更新タイマーを始動させる(ブロックS140)ように構成され、周期的RNA更新タイマーは、当該周期的RNA更新タイマーが満了したときにRRC再開手順を開始するように構成される。1つ以上の実施形態では、無線デバイスは、例えば処理回路84、プロセッサ86、及び無線インタフェース82のうちの1つ以上を介して、RRCメッセージを受信する(ブロックS142)ように構成される。本明細書に記載のように、1つ以上の実施形態では、例えば処理回路84、プロセッサ86、及び無線インタフェース86のうちの1つ以上を介して、無線デバイスは、周期的RNA更新タイマーが動作中である場合に、受信されたRRCメッセージにに少なくとも部分的に基づいて、周期的RNA更新タイマーの満了前に周期的RNA更新タイマーを停止させる(ブロックS144)ように構成される。
【0091】
本開示の構成の全体的なプロセスフローを説明し、本開示のプロセス及び機能を実装するためのハードウェア及びソフトウェア構成の例を提供してきたが、以下のセクションは、本開示の実施形態を実装するための、及び周期的RNA更新タイマーを取り扱うための構成の詳細及び例を提供する。
【0092】
第1の実施形態では、RRCセットアップメッセージを受信すると(RRC_CONNECTED状態に移行するようWD22に命令すると)、RRC再開要求に応じて、WD22は、処理回路84等を介して、周期的RNA更新タイマー(T380)を停止させる。なお、以下ではWD22によって行われる又は実行されるものとして示されるアクションは、処理回路84によって実行又は制御されてもよいことに留意されたい。
【0093】
第2の実施形態では、RRCサスペンドメッセージ(又は、WD22がRRC_INACTIVE状態に留まってもよいことを示す任意の他の同等のメッセージ)を受信すると、RRC再開要求に応じて、WD22は、動作中である場合に周期的RNA更新タイマー(T380)を停止させる。これは、例えば、WD22がモビリティRNA、早期ULデータ送信、又は再開手順をトリガしうる任意の他の理由に起因して再開手順をトリガする場合に生じうる。
【0094】
第3の実施形態では、RRCリリースメッセージ(又はWD22がRRC_IDLE状態になってもよいことを示す任意の他の同等のメッセージ)を受信すると、RRC再開要求に応じて、WD22は、動作中である場合に周期的RNA更新タイマー(T380)を停止させる。これは、例えば、WD22がモビリティRNA、早期ULデータ送信、又は再開手順をトリガしうる任意の他の理由に起因して再開手順をトリガする場合に生じうる。
【0095】
第4の実施形態では、RRC再開要求メッセージの送信後に、RRC再開又はRRCサスペンド又はRRCリリースメッセージの受信に失敗すると(即ち、不良なULカバレッジ又は不良なDLカバレッジに起因するタイマーT300Xの障害)、WD22は、動作中である場合に周期的RNA更新タイマーを停止させる。これは、例えば、WD22がモビリティRNA、早期ULデータ送信、又は再開手順をトリガしうる任意の他の理由に起因して再開手順をトリガする場合に生じうる。WD22がT380を停止させるその瞬間は、記載されるように、T300Xの満了による、又は、WD22がRRC_IDLE状態へ移行するとき及び/又は上位レイヤへ障害を通知するとき等、規定された後続のアクションによる、問題の検出でありうる。
【0096】
第5の実施形態では、RRC_CONNECTED状態を必ずしも経ることなくRRC_INACTIVE状態からRRC_IDLE状態に移行すると(例えば、満了時にWD22がそのASコンテキストを解放し、RRC_INACTIVE状態からRRC_IDLE状態に遷移するように構成されたタイマー等、任意のINACTIVE to IDLEメカニズムに基づいて)、WD22は、動作中であれば周期的RNA更新タイマーを停止させる(T380)。
【0097】
第6の実施形態では、(例えば、RRC_INACTIVE状態にある間のCNページングの受信によってトリガされることによって)必ずしもRRC_CONNECTED状態を経ることなく、RRC_INACTIVE状態からRRC_IDLE状態に移行すると、WD22は、動作中であれば周期的RNA更新タイマーを停止させる(T380)。
【0098】
第7の実施形態では、RRCサスペンドメッセージ(又は、WD22がRRC_INACTIVE状態に留まることができることを示す任意の他の同等のメッセージ)を受信すると、RRC再開要求に応じて、WD22は(第2の実施形態で説明したように)動作中である場合には周期的RNA更新タイマー(T380)を停止させ、更に、以下のアクションのうちの少なくとも1つを実行する:
●サスペンドメッセージ(又は同等のもの)が周期的RNA更新タイマー(T380)についての設定を含む場合、WD22は以前のタイマー値を削除し、WD22は受信した値を保存し、WD22は新たな値に従ってタイマーT380を始動させる;
●サスペンドメッセージ(又は同等のもの)が周期的RNA更新タイマー(T380)についての設定を含まない場合、WD22は、保存された値に従ってタイマーT380を再始動させる;
●サスペンドメッセージ(又は同等のもの)が周期的RNA更新タイマー(T380)の設定を含まない場合、異なる変形例では、WD22は以前のタイマー値を削除する;
●これらの異なるアクションについては、再始動、保存された値の削除等を示すサスペンドメッセージ(又は同等のもの)に、ネットワークからの何らかのフラグが存在する可能性がある。
●いくつかの非限定的な実施形態では、これらはまた、リードコードを介して実装されてもよく、その結果、保存されたパラメータについての新たな値を受信すると、WD22は以前に保存されたパラメータをオーバーライドし、メッセージを受信すると、都合の良いときに新たな値を適用する。
【0099】
NR RRC仕様(及びそれらの一部についてのいくつかの変形)における提案された実施形態の実装について以下で議論する。
【0100】
WD22によるRRCSetupの受信
WD22は、RRCSetupを受信すると、以下のアクションを実行しうる:
●RRCResumeRequestに応じてRRCSetupを受信した場合:
a)保存されているWD22(アクセス階層)ASコンテキストと、I-無線ネットワーク一時識別子(RNTI:radio network temporary identifier)を破棄する;
b)RRCコネクション再開状態がフォールバック状態であることを上位レイヤに知らせる;
●3GPP TS 38.331v15.1.0.及び/又は3GPP TS 36.331v15.1.0.、セクション5.3.5.5等の無線通信規格に規定されているように、受信したmasterCellGroupに従ってセルグループ設定手順を実行する
●3GPP TS 38.331及び/又は3GPP TS 36.331v15.1.0、セクション5.3.5.6等の無線通信規格に規定されているように、受信したradioBearerConfigに従って無線ベアラ設定手順を実行する;
●保存されている場合、idleModePrioritiesによって提供された、又は別のRATから継承されたセル再選択優先度情報を破棄する;
【0101】
なお、idleModePrioritiesはRRC_INACTIVEに移行するWD22にも適用されうる。その場合、情報エレメント(IE)の名称を変更できる。プロセスは、以下のように継続しうる:
●動作中の場合、タイマーT300又はT300Xを停止させる;
【0102】
なお、(LTEにおけるT302、T303、T305、T306、T308に相当する)アクセス制御タイマーに関連するWD22アクションを規定する必要がありうる(例えば、所与のタイマーが動作中ではない場合に上位レイヤに通知する)。
●動作中の場合、タイマーT320を停止させる;
●動作中の場合、タイマーT380(定期的RNA更新タイマー)を停止させる;
●RRC_CONNECTED状態に移行する;
●セル再選択手順を停止させる;
【0103】
なお、(RRCResumeの受信と同様に)セルの再選択を停止させることを述べることは冗長でありうる。同様に、WD22がRRCSetupRequest又はRRCResumeRequestメッセージを送信するとセル再選択を実行し続けうることを述べることは冗長でありうる。プロセスは、以下のように継続しうる:
●現在のセルをプライマリセル(PCell)とみなす;
●RRCSetupCompleteメッセージの内容を以下のように設定する:
【0104】
a)RRCResumeRequestに応じてRRCSetupを受信した場合:
i)上位レイヤが5G-S-TMSIを提供する場合:
A)ng-5G-S-TMSIを、上位レイヤから受信した値に設定する;
b)選択したplmn-Identityを、SystemInformationBlockType1内のplmn-IdentityListに含まれる公衆陸上モバイルネットワーク(PLMN)から(3GPP TS 24.501v1.0.0等の無線通信規格に記載のように)上位レイヤによって選択されたPLMNに設定する;
c)上位レイヤが「登録アクセス及びモビリティ管理機能(AMF:Registered Access and Mobility Management Function)」を提供する場合:
i)registeredAMFを以下のように含めて設定する:
A)「Registered AMF」のPLMNアイデンティティが、上位レイヤによって選択されたPLMNと異なる場合:
I)plmnIdentityをregisteredAMFに含め、それを、上位レイヤから受信した「Registered AMF」のPLMNアイデンティティの値に設定する;
B)amf-Region、amf-SetId、amf-Pointerを、上位レイヤから受信した値に設定する;
ii)guami-Typeを、上位レイヤによって提供される値に含めて設定する;
【0105】
いくつかの実施形態では、guami-Typeが上記の条件に含まれて設定されうる。
d)(3GPP TS 23.003v15.3.0等の無線通信規格に記載のように)上位レイヤが1つ以上の単一ネットワークスライス選択支援情報(S-NSSAI:single network slice selection assistance information)を提供する場合:
i)s-nssai-listを含め、コンテンツを、上位レイヤによって提供される値に設定する;
e)上位レイヤ(即ち、通信レイヤ)から受信した情報を含むようにdedicatedInfoNASを設定する;
【0106】
●RRCSetupCompleteメッセージを、送信のために下位レイヤにサブミットし、その後、手順は、PCellになるように現在のセルを終了する;
【0107】
WD22によるRRCSuspendの受信
(なお、RRCReleaseは、例えばサスペンドインジケータと共に、代わりに使用されうる。)
【0108】
WD22は:
●このサブ節に規定される後続のアクションを、RRCSuspendメッセージが受信された瞬間から、又はオプションで、下位レイヤがRRCSuspendメッセージの受信が正常に確認応答されたことを知らせるときから、Xミリ秒だけ遅延させる;
【0109】
Xの値は、設定変更可能であってもよく、LTE等におけるように60msに固定されてもよい。
●RRCSuspendメッセージにidleModeMobilityControlInfoが含まれている場合:
a)idleModeMobilityControlInfoによって提供されるセル再選択優先度情報を保存する;
b)T320が含まれている場合:
i)タイマー値がT320の値に従って設定された状態でタイマーT320を始動させる;
【0110】
●それ以外の場合:
a)システム情報におけるセル再選択優先度情報のブローキャストを適用する;
【0111】
●ネットワークによって提供される以下の情報、resumeIdentity、nextHopChainingCount、ran-PagingCycle、及びran-NotificationAreaInfoを保存する;
●シグナリング無線ベアラ(SRB)及び個別無線ベアラ(DRB)全てののための無線リンク制御(RLC)エンティティを再確立する;
●MACをリセットする;
●RRCResumeRequestに応じてRRCSuspendメッセージが受信された場合を除き:
a)現在のRRC設定を含むWD22のASコンテキスト、現在のセキュリティコンテキスト、ロバストヘッダ圧縮(ROHC)状態を含むパケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)状態、ソースPCellで使用されるセル-無線ネットワーク一時識別子(RNTI)、cellIdentity、及びソースPCellの物理セルアイデンティティを保存する;
●SRB0を除く全てのSRB及びDRBをサスペンドする;
●動作中の場合にタイマーT380を停止させ、周期的RNA更新タイマーのための任意の保存された値を削除する;
●タイマー値がperiodic-RNAU-timerに設定された状態でタイマーT380を始動させる;
●上位レイヤへのRRCコネクションのサスペンドを上位レイヤへ知らせる;
●完全性保護及び暗号化をサスペンドするように下位レイヤを設定する;
●RRC_INACTIVEとなり、3GPP TS 38.304v1.0.1に規定された手順を実行する。
【0112】
T300Xの動作中の、T300Xの満了又は下位レイヤからの完全性チェックの障害
WD22は:
タイマーT300Xが満了した場合、又は完全性チェック障害インジケーションを受信した場合:
3GPP TS 38.331v1.0.1.及び/又は3GPP TS 36.331v15.1.0.のセクション5.3.11等の無線通信規格に規定されているRRC_IDLEに移行する際に、リリース原因RRC再開失敗と共にアクションを実行する;
【0113】
RRC_IDLEに移行する際のWDアクション
WD22は:
●MACをリセットする;
●T320を除いて、タイマーT380を含む動作中の全てのタイマーを停止させる;
●保存されているASコンテキスト、I-RNTI、ran-PagingCycle、ran-NotificationAreaInfoを廃棄する;
●RLCエンティティ、媒体アクセス制御(MAC)設定、及び全ての確立されたリソースブロック(RB)についての関連パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)エンティティのリリースを含む、全ての無線リソースをリリースする;
●RRCコネクションのリリースを、リリースの原因とともに上位レイヤへ知らせる;
●RRC_IDLEへの移行がMobilityFromNRCommandメッセージの受信によってトリガされた場合、又はT311の動作中にRAT間セルの選択によってトリガされた場合を除き、RRC_IDLEに移行し、3GPP TS 38.304v1.0.1等の無線通信規格に規定されているような手順を実行する。
【0114】
当業者によって理解されるように、本明細書に記載の概念は、方法、データ処理システム、コンピュータプログラムプロダクト、及び/又は、実行可能なコンピュータプログラムを格納したコンピュータ記憶媒体として実施されうる。したがって、本明細書に記載の概念は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態、又は本明細書で一般的に「回路」若しくは「モジュール」と称されるあらゆるソフトウェア及びハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形式を取りうる。本明細書に記載の任意のプロセス、ステップ、アクション及び/又は機能は、ソフトウェア及び/又はファームウェア及び/又はハードウェアで実装されうる対応するモジュールによって実行されうる、及び/又は関連付けられうる。更に、本開示は、コンピュータによって実行可能な、媒体内に具現化されたコンピュータプログラムコードを有する、有形のコンピュータ使用可能記憶媒体上のコンピュータプログラムプログラムの形式を取りうる。ハードディスク、CD-ROM、電子記憶デバイス、光記憶デバイス、又は磁気記憶デバイスを含む、任意の適切な有形のコンピュータ読取可能媒体が利用されうる。
【0115】
いくつかの実施形態は、本明細書において、方法、システム、及びコンピュータプログラムプロダクトのフローチャート図及び/又はブロック図を参照して説明されている。フローチャート図及び/又はブロック図の各ブロック、並びにフローチャート図及び/又はブロック図のブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実装できることを理解されたい。これらのコンピュータプログラム命令は、マシンを生成するために、汎用コンピュータ(それによって、専用コンピュータを作成するために)、専用コンピュータ、又は他のプログラマブル・データ処理装置のプロセッサに提供されてもよく、その結果、コンピュータ又は他のプログラマブル・データ処理装置のプロセッサを介して実行される命令が、フローチャート及び/又はブロック図の1つ以上のブロックで特定された機能/アクションを実装するための手段を作り出す。
【0116】
これらのコンピュータプログラム命令は更に、コンピュータ又は他のプログラマブル・データ処理装置に特定の方法で機能するように指示できる、コンピュータ読取可能メモリ又は記憶媒体に格納されてもよく、その結果、コンピュータ読取可能メモリに格納された命令は、フローチャート及び/又はブロック図の1つ以上のブロックで特定された機能/アクションを実装する命令手段を含む製品を生み出す。
【0117】
コンピュータプログラム命令は更に、コンピュータ実装プロセスを生成するために、コンピュータ又は他のプログラマブル・データ処理装置にロードされて、当該コンピュータ又は他のプログラマブル・データ処理装置上で、一連の動作ステップを実行させてもよく、その結果、当該コンピュータ又は他のプログラマブル・データ処理装置上で実行される当該命令は、フローチャート及び/又はブロック図の1つ以上のブロックで特定された機能/アクションを実装するためのステップを提供する。
【0118】
ブロックに記載された機能/動作は、動作図に記載された順序とは異なる順序で行われてもよいことを理解されたい。例えば、連続して示される2つのブロックは、実際には実質的に同時に実行されてもよく、又は、ブロックに含まれる機能/動作に応じて、場合によっては逆の順序で実行されてもよい。図のいくつかは通信の主方向を示すために通信経路上に矢印を含むが、通信は描かれた矢印と反対の方向に生じることがあることが理解されるべきである。
【0119】
本明細書に記載の概念の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java(登録商標)又はC++等のオブジェクト指向プログラミング言語で記述されてもよい。しかし、本開示の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、「C」プログラミング言語等の従来の手続き型プログラミング言語で記述されてもよい。プログラムコードは、ユーザのコンピュータ上で全体が実行されてもよく、ユーザのコンピュータ上で一部が実行されてもよく、スタンドアロン・ソフトウェアパッケージとして実行されてもよく、ユーザのコンピュータ上で一部が実行され、かつ、リモートコンピュータ上で一部が実行されてもよく、又は、リモートコンピュータ上で全体が実行されてもよい。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)を介してユーザのコンピュータに接続されてもよく、又は、(例えば、インターネットサービスプロバイダを用いてインターネットを介して)外部コンピュータに接続されてもよい。
【0120】
多くの種々の実施形態が、上記の説明及び図面に関連して本明細書に開示されている。これらの実施形態のあらゆる組み合わせ及びサブコンビネーションを文字通りに説明及び例示することは、過度な繰り返し及び難読化になることが理解されよう。したがって、全ての実施形態は、任意の方法及び/又は組み合わせで組み合わされることができ、図面を含む本明細書は、本明細書に記載の実施形態の全ての組み合わせ及びサブコンビネーションの、並びにそれらを作成及び使用する方法及びプロセスの、完全な書面による説明を構成すると解釈されるべきであり、そのような任意の組み合わせ又はサブコンビネーションに対する請求項群をサポートすべきである。
【0121】
当業者であれば、本明細書に記載の実施形態が、本明細書において具体的に示され、上記で記載されたものに限定されないことを理解しよう。加えて、上記に反対の言及がなされていない限り、添付の図面の全てが縮尺どおりではないことに留意すべきである。上記の教示に照らして様々な修正及び変形が可能である。
【0122】
当業者によって理解されるように、本明細書に記載の概念は、方法、データ処理システム、及び/又は、コンピュータプログラムプロダクトとして実施されうる。したがって、本明細書に記載の概念は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態、又は本明細書で一般的に「回路」若しくは「モジュール」と称されるあらゆるソフトウェア及びハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形式を取りうる。更に、本開示は、コンピュータによって実行可能な、媒体内に具現化されたコンピュータプログラムコードを有する、有形のコンピュータ使用可能記憶媒体上のコンピュータプログラムプログラムの形式を取りうる。ハードディスク、CD-ROM、電子記憶デバイス、光記憶デバイス、又は磁気記憶デバイスを含む、任意の適切な有形のコンピュータ読取可能媒体が利用されうる。
【0123】
いくつかの実施形態は、本明細書において、方法、システム、及びコンピュータプログラムプロダクトのフローチャート図及び/又はブロック図を参照して説明されている。フローチャート図及び/又はブロック図の各ブロック、並びにフローチャート図及び/又はブロック図のブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実装できることを理解されたい。これらのコンピュータプログラム命令は、マシンを生成するために、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラマブル・データ処理装置のプロセッサに提供されてもよく、その結果、コンピュータ又は他のプログラマブル・データ処理装置のプロセッサを介して実行される命令が、フローチャート及び/又はブロック図の1つ以上のブロックで特定された機能/アクションを実装するための手段を作り出す。
【0124】
これらのコンピュータプログラム命令は更に、コンピュータ又は他のプログラマブル・データ処理装置に特定の方法で機能するように指示できる、コンピュータ読取可能メモリ又は記憶媒体に格納されてもよく、その結果、コンピュータ読取可能メモリに格納された命令は、フローチャート及び/又はブロック図の1つ以上のブロックで特定された機能/アクションを実装する命令手段を含む製品を生み出す。
【0125】
コンピュータプログラム命令は更に、コンピュータ実装プロセスを生成するために、コンピュータ又は他のプログラマブル・データ処理装置にロードされて、当該コンピュータ又は他のプログラマブル・データ処理装置上で、一連の動作ステップを実行させてもよく、その結果、当該コンピュータ又は他のプログラマブル・データ処理装置上で実行される当該命令は、フローチャート及び/又はブロック図の1つ以上のブロックで特定された機能/アクションを実装するためのステップを提供する。
ブロックに記載された機能/動作は、動作図に記載された順序とは異なる順序で行われてもよいことを理解されたい。例えば、連続して示される2つのブロックは、実際には実質的に同時に実行されてもよく、又は、ブロックに含まれる機能/動作に応じて、場合によっては逆の順序で実行されてもよい。図のいくつかは通信の主方向を示すために通信経路上に矢印を含むが、通信は描かれた矢印と反対の方向に生じることがあることが理解されるべきである。
【0126】
本明細書に記載の概念の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java(登録商標)又はC++等のオブジェクト指向プログラミング言語で記述されてもよい。しかし、本開示の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、「C」プログラミング言語等の従来の手続き型プログラミング言語で記述されてもよい。プログラムコードは、ユーザのコンピュータ上で全体が実行されてもよく、ユーザのコンピュータ上で一部が実行されてもよく、スタンドアロン・ソフトウェアパッケージとして実行されてもよく、ユーザのコンピュータ上で一部が実行され、かつ、リモートコンピュータ上で一部が実行されてもよく、又は、リモートコンピュータ上で全体が実行されてもよい。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)を介してユーザのコンピュータに接続されてもよく、又は、(例えば、インターネットサービスプロバイダを用いてインターネットを介して)外部コンピュータに接続されてもよい。
【0127】
多くの種々の実施形態が、上記の説明及び図面に関連して本明細書に開示されている。これらの実施形態のあらゆる組み合わせ及びサブコンビネーションを文字通りに説明及び例示することは、過度な繰り返し及び難読化になることが理解されよう。したがって、全ての実施形態は、任意の方法及び/又は組み合わせで組み合わされることができ、図面を含む本明細書は、本明細書に記載の実施形態の全ての組み合わせ及びサブコンビネーションの、並びにそれらを作成及び使用する方法及びプロセスの、完全な書面による説明を構成すると解釈されるべきであり、そのような任意の組み合わせ又はサブコンビネーションに対する請求項群をサポートすべきである。
【0128】
当業者であれば、本明細書に記載の実施形態が、本明細書において具体的に示され、上記で記載されたものに限定されないことを理解しよう。加えて、上記に反対の言及がなされていない限り、添付の図面の全てが縮尺どおりではないことに留意すべきである。上記の教示に照らして、以下の請求項群の範囲を逸脱することなく、様々な修正及び変形が可能である。
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