(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-25
(45)【発行日】2024-10-03
(54)【発明の名称】色彩選別装置及びその選別方法
(51)【国際特許分類】
B07C 5/342 20060101AFI20240926BHJP
【FI】
B07C5/342
(21)【出願番号】P 2023033918
(22)【出願日】2023-03-06
【審査請求日】2023-03-06
(73)【特許権者】
【識別番号】500346914
【氏名又は名称】丸全昭和運輸株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】附木 健次
【審査官】中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-283204(JP,A)
【文献】特開昭58-114778(JP,A)
【文献】特開昭60-241979(JP,A)
【文献】特開平10-174938(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B07C 5/342
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒状物を給送する給送手段と、
給送される前記粒状物の色彩に基づいて、前記粒状物の良否を判定して、不良判定された前記粒状物を選別除去するエジェクタを有する第1色彩選別機及び色彩再選別機とを備え、
前記第1色彩選別機によって良判定された前記粒状物を良品として選別し、
前記第1色彩選別機によって不良判定された前記粒状物を前記色彩再選別機に給送し、該色彩再選別機によって良判定された前記粒状物を前記第1色彩選別機へ再給送し、
前記色彩再選別機によって不良判定された前記粒状物を不良粒として選別除去するように構成され、
前記色彩再選別機による選別精度は、前記第1色彩選別機による選別精度より高
く、
前記色彩再選別機の選別流量は、前記第1色彩選別機の選別流量より少ないことを特徴する色彩選別装置。
【請求項2】
粒状物を給送する給送手段と、
給送される前記粒状物の色彩に基づいて、前記粒状物の良否を判定して、不良判定された前記粒状物を選別除去するエジェクタを有する第1色彩選別機及び色彩再選別機とを備え、
前記第1色彩選別機によって良判定された前記粒状物を良品として選別し、
前記第1色彩選別機によって不良判定された前記粒状物を前記色彩再選別機に給送し、該色彩再選別機によって良判定された前記粒状物を前記第1色彩選別機へ再給送し、
前記色彩再選別機によって不良判定された前記粒状物を不良粒として選別除去するように構成され、
前記色彩再選別機による選別精度は、前記第1色彩選別機による選別精度より高く、
前記第1色彩選別機から前記色彩再選別機に給送された前記粒状物の滞留が所定量に達したとき、前記第1色彩選別機への前記粒状物の給送を減じることを特徴とす
る色彩選別装置。
【請求項3】
前記第1色彩選別機から給送される前記粒状物の色彩に基づいて、前記粒状物の良否を判定して、不良判定された前記粒状物を選別除去するエジェクタを有する第2色彩選別機を更に備え、
前記第1色彩選別機によって良判定された前記粒状物を前記第2色彩選別機に給送し、前記第2色彩選別機によって良判定された前記粒状物を良粒として選別し、
前記第2色彩選別機によって不良判定された前記粒状物を不良粒として選別除去するように構成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の色彩選別装置。
【請求項4】
前記第1色彩選別機の前記エジェクタは、不良判定された前記粒状物をエアの噴射により除去するエア式エジェクタであることを特徴とする請求項1
又は2に記載の色彩選別装置。
【請求項5】
粒状物を給送する給送手段と、
給送される前記粒状物の色彩に基づいて、前記粒状物の良否を判定して、不良判定された前記粒状物を選別除去するエジェクタを有する第1色彩選別機及び色彩再選別機とを備え、
前記第1色彩選別機によって良判定された前記粒状物を良品として選別するステップと、
前記第1色彩選別機によって不良判定された前記粒状物を前記色彩再選別機に給送し、該色彩再選別機によって良判定された前記粒状物を前記第1色彩選別機へ再給送するステップと、
前記色彩再選別機によって不良判定された前記粒状物を不良粒として選別除去するステップとを有し、
前記色彩再選別機による選別精度は、前記第1色彩選別機による選別精度より高
く、
前記色彩再選別機の選別流量は、前記第1色彩選別機の選別流量より少なくすることを特徴とする色彩選別装置の選別方法。
【請求項6】
粒状物を給送する給送手段と、
給送される前記粒状物の色彩に基づいて、前記粒状物の良否を判定して、不良判定された前記粒状物を選別除去するエジェクタを有する第1色彩選別機及び色彩再選別機とを備え、
前記第1色彩選別機によって良判定された前記粒状物を良品として選別するステップと、
前記第1色彩選別機によって不良判定された前記粒状物を前記色彩再選別機に給送し、該色彩再選別機によって良判定された前記粒状物を前記第1色彩選別機へ再給送するステップと、
前記色彩再選別機によって不良判定された前記粒状物を不良粒として選別除去するステップとを有し、
前記色彩再選別機による選別精度は、前記第1色彩選別機による選別精度より高く、
前記第1色彩選別機から前記色彩再選別機に給送された前記粒状物の滞留が所定量に達したとき、前記第1色彩選別機への前記粒状物の給送を減じることを特徴とす
る色彩選別装置の選別方法。
【請求項7】
前記第1色彩選別機から給送される前記粒状物の色彩に基づいて、前記粒状物の良否を判定して、不良判定された前記粒状物を選別除去するエジェクタを有する第2色彩選別機を更に備え、
前記第1色彩選別機によって良判定された前記粒状物を前記第2色彩選別機に給送し、前記第2色彩選別機によって良判定された前記粒状物を良粒として選別するステップと、
前記第2色彩選別機によって不良判定された前記粒状物を不良粒として選別除去するステップとを有することを特徴とする請求項
5又は
6に記載の色彩選別装置の選別方法。
【請求項8】
前記第1色彩選別機の前記エジェク
タは、不良判定された前記粒状物をエアの噴射により除去することを特徴とする請求項
5又は6に記載の色彩選別装置の選別方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、黒豆、大豆等の粒状物の色彩から良粒及び不良粒を選別する色彩選別装置及びその選別方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
黒豆、大豆等の粒状物を製品にする場合、様々な検査が行われており、その1つの検査として、粒状物の色彩を検査し、良粒と不良粒とに選別するための色彩選別検査が知られている。このような粒状物の良粒及び不良粒を選別する色彩選別検査のための装置として、例えば、特許文献1には、粒状物を光学検出部によって撮影して、その画像から良粒と不良粒とに選別し、フラッパ式又はエアノズル式のエジェクタによって、不良粒と判定された粒状物を選別除去する色彩選別機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された色彩選別機では、多量の粒状物を良粒と不良粒とに選別しているため、不良粒と判定された粒状物をエジェクタで選別除去するときに、その不良粒の近傍にある本来は良粒と判定されるべき粒状物が空気流に巻き込まれて、良粒の粒状物も選別除去されることがある。その結果、製品として本来は出荷可能な良粒の粒状物が廃棄されてしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、色彩選別に伴う粒状物の廃棄率を抑えると共に、良状態の粒状物を高精度に選別することができる色彩選別装置及びその選別方法を提供することを目的とする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、粒状物を給送する給送手段と、給送される前記粒状物の色彩に基づいて、前記粒状物の良否を判定して、不良判定された前記粒状物を選別除去するエジェクタを有する第1色彩選別機及び色彩再選別機とを備え、前記第1色彩選別機によって良判定された前記粒状物を良品として選別し、前記第1色彩選別機によって不良判定された前記粒状物を前記色彩再選別機に給送し、該色彩再選別機によって良判定された前記粒状物を前記第1色彩選別機へ再給送し、前記色彩再選別機によって不良判定された前記粒状物を不良粒として選別除去するように構成され、前記色彩再選別機による選別精度は、前記第1色彩選別機による選別精度より高く、前記色彩再選別機の選別流量は、前記第1色彩選別機の選別流量より少ないことを特徴するものである。
請求項2に係る発明は、粒状物を給送する給送手段と、給送される前記粒状物の色彩に基づいて、前記粒状物の良否を判定して、不良判定された前記粒状物を選別除去するエジェクタを有する第1色彩選別機及び色彩再選別機とを備え、前記第1色彩選別機によって良判定された前記粒状物を良品として選別し、前記第1色彩選別機によって不良判定された前記粒状物を前記色彩再選別機に給送し、該色彩再選別機によって良判定された前記粒状物を前記第1色彩選別機へ再給送し、前記色彩再選別機によって不良判定された前記粒状物を不良粒として選別除去するように構成され、前記色彩再選別機による選別精度は、前記第1色彩選別機による選別精度より高く、前記第1色彩選別機から前記色彩再選別機に給送された前記粒状物の滞留が所定量に達したとき、前記第1色彩選別機への前記粒状物の給送を減じることを特徴とするものである。
請求項3に係る発明は、上記請求項1又は2の構成において、前記第1色彩選別機から給送される前記粒状物の色彩に基づいて、前記粒状物の良否を判定して、不良判定された前記粒状物を選別除去するエジェクタを有する第2色彩選別機を更に備え、前記第1色彩選別機によって良判定された前記粒状物を前記第2色彩選別機に給送し、前記第2色彩選別機によって良判定された前記粒状物を良粒として選別し、前記第2色彩選別機によって不良判定された前記粒状物を不良粒として選別除去するように構成されたことを特徴とするものである。
請求項4に係る発明は、上記請求項1又は2の構成において、前記第1色彩選別機の前記エジェクタは、不良判定された前記粒状物をエアの噴射により除去するエア式エジェクタであることを特徴とするものである。
請求項5に係る発明は、粒状物を給送する給送手段と、給送される前記粒状物の色彩に基づいて、前記粒状物の良否を判定して、不良判定された前記粒状物を選別除去するエジェクタを有する第1色彩選別機及び色彩再選別機とを備え、前記第1色彩選別機によって良判定された前記粒状物を良品として選別するステップと、前記第1色彩選別機によって不良判定された前記粒状物を前記色彩再選別機に給送し、該色彩再選別機によって良判定された前記粒状物を前記第1色彩選別機へ再給送するステップと、前記色彩再選別機によって不良判定された前記粒状物を不良粒として選別除去するステップとを有し、前記色彩再選別機による選別精度は、前記第1色彩選別機による選別精度より高く、前記色彩再選別機の選別流量は、前記第1色彩選別機の選別流量より少なくすることを特徴とするものである。
請求項6に係る発明は、粒状物を給送する給送手段と、給送される前記粒状物の色彩に基づいて、前記粒状物の良否を判定して、不良判定された前記粒状物を選別除去するエジェクタを有する第1色彩選別機及び色彩再選別機とを備え、前記第1色彩選別機によって良判定された前記粒状物を良品として選別するステップと、前記第1色彩選別機によって不良判定された前記粒状物を前記色彩再選別機に給送し、該色彩再選別機によって良判定された前記粒状物を前記第1色彩選別機へ再給送するステップと、前記色彩再選別機によって不良判定された前記粒状物を不良粒として選別除去するステップとを有し、前記色彩再選別機による選別精度は、前記第1色彩選別機による選別精度より高く、前記第1色彩選別機から前記色彩再選別機に給送された前記粒状物の滞留が所定量に達したとき、前記第1色彩選別機への前記粒状物の給送を減じることを特徴とするものである。
請求項7に係る発明は、上記請求項5又は6の構成において、前記第1色彩選別機から給送される前記粒状物の色彩に基づいて、前記粒状物の良否を判定して、不良判定された前記粒状物を選別除去するエジェクタを有する第2色彩選別機を更に備え、前記第1色彩選別機によって良判定された前記粒状物を前記第2色彩選別機に給送し、前記第2色彩選別機によって良判定された前記粒状物を良粒として選別するステップと、前記第2色彩選別機によって不良判定された前記粒状物を不良粒として選別除去するステップとを有することを特徴とするものである。
請求項8に係る発明は、上記請求項5又は6の構成において、前記第1色彩選別機の前記エジェクタは、不良判定された前記粒状物をエアの噴射により除去することを特徴とするものである。
【0007】
請求項1及び請求項5に係る発明では、第1色彩選別機によって粒状物を良判定及び不良判定に選別した後、不良判定された粒状物を色彩再選別機に給送し、色彩再選別機によって一旦第1色彩選別機で不良判定された粒状物及びそれに巻き込まれた本来は良判定されるべき粒状物を改めて良判定及び不良判定に選別し、良判定された粒状物を第1色彩選別機へ再給送しているので、色彩選別機の選別に伴う粒状物の廃棄率を抑えることができる。また、色彩再選別機による選別精度は、第1色彩選別機による選別精度より高いので、粒状物の良粒と不良粒とに正確に選別することができる。さらに、色彩再選別機の選別流量は、第1色彩選別機の選別流量より少ないので、処理速度を遅くすることができるので、粒状物の良粒と不良粒とにより正確に選別することができると共に、小型化することができる。また、色彩再選別機のエジェクタによって、良粒である粒状物の巻き込みを防ぐことができる。
請求項2及び請求項6に係る発明では、第1色彩選別機によって粒状物を良判定及び不良判定に選別した後、不良判定された粒状物を色彩再選別機に給送し、色彩再選別機によって一旦第1色彩選別機で不良判定された粒状物及びそれに巻き込まれた本来は良判定されるべき粒状物を改めて良判定及び不良判定に選別し、良判定された粒状物を第1色彩選別機へ再給送しているので、色彩選別機の選別に伴う粒状物の廃棄率を抑えることができる。また、色彩再選別機による選別精度は、第1色彩選別機による選別精度より高いので、粒状物の良粒と不良粒とに正確に選別することができる。さらに、第1色彩選別機から色彩再選別機に給送された粒状物の滞留が所定量に達したとき、第1色彩選別機への粒状物の給送を減らしているため、第1色彩選別機から色彩再選別機に給送された粒状物が減り、色彩再選別機によって滞留した粒状物を順次選別することにより、粒状物の滞留を解消することができる。
請求項3及び請求項7に係る発明では、第2色彩選別機によって、第1色彩選別機による良判定に選別された粒状物を良判定及び不良判定に再選別しているため、良状態の粒状物をより精度よく選別することができる。
請求項4及び請求項8に係る発明では、第1色彩選別機のエジェクタのエジェクタがエア式エジェクタであるので、不良判定された粒状物を適切に選別除去することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、色彩選別に伴う粒状物の廃棄率を抑えると共に、良状態の粒状物を高精度に選別することができる色彩選別装置及びその選別方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係る色彩選別装置を適用した製品選別装置のブロック図である。
【
図3】
図1に示す色彩選別装置の動作のフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態に係る色彩選別装置を適用した製品選別装置の構成について説明する。
製品選別装置1は、黒豆、大豆等の粒状物(原料)を粗選、形状、石抜、色彩等の各検査を行って製品にするものである。
図1に示すように、製品選別装置1は、複数の原料を振り分けるためのディストリビューター2と、複数の粒状物のそれぞれを貯留する複数の原料貯留タンク3と、粒状物を混合するインパクトフィーダー4と、混合させた粒状物の比重を選別するためのグラビティセパレーター5と、異物をふるい分けるための粗選機6と、重量のある粒状物を除去する石抜機7と、粒状物を分配するための分配器8と、粒状物の形状を選別するためのロール選別機9と、金属異物を除去するためのマグネットストレーナー10と、色彩選別装置31と、マグネットストレーナー10によって除去不可能な磁性部材を除去するための金属検知器11と、製品を貯留する複数の製品貯留タンク12と、製品を計量する計量器13とを備えている。さらに、製品選別装置1は、粒状物を粗選機6から石抜機7に送るための給送手段14aと、ロール選別機9からマグネットストレーナー10に送るための給送手段14bと、色彩選別装置31から金属検知器11に送るための給送手段14cとを備えている。製品選別装置1の動作は、外部制御装置15によって制御されている。
【0011】
次に、本発明の一実施形態に係る色彩選別装置31の構成を
図1及び
図2を参照して詳細に説明する。
図1及び
図2に示すように、色彩選別装置31は、粗選、形状、石抜等の検査を通過した粒状物21の色彩を複数回検査して、良粒及び不良粒に選別するためのものである。色彩選別装置31は、第1色彩選別機33と、第2色彩選別機35と、色彩再選別機37と、第1タンク39と、第2タンク41と、案内手段43とを少なくとも備えている。
【0012】
第1色彩選別機33は、粒状物21の色彩の第1次検査を行って、粒状物21を第1次良粒22及び第1次不良粒23に選別するためのものであり、短時間に多量の粒状物21を選別することができるものである。第1色彩選別機33は、一対の第1次光学検出部45,45と、第1次エジェクタ47と、第1次制御部49とを少なくとも備えている。一対の第1次光学検出部45,45は、粒状物21が通る経路を挟むように配置され、検出位置P1に達した粒状物21を光学的に検出し、撮影するものであり、CCD等のラインセンサ、エリアセンサ等のセンサ(図示せず)などの機器が内装されている。一対の第1次光学検出部45,45によって撮影された画像は、第1次制御部49に送信される。第1次エジェクタ47は、不良粒と判定された粒状物21をエアの噴射により除去するエア式エジェクタであり、一対の第1次光学検出部45,45より下流側に位置されている。第1次制御部49は、粒状物21の流量(選別流量)の制御や、一対の第1次光学検出部45,45から送信された撮影画像を記憶・管理し、その撮影画像から粒状物21の良粒及び不良粒の判別を行うと共に、粒状物21の不良粒判定時、第1次エジェクタ47を動作させるように制御するものである。
【0013】
また、第1色彩選別機33は、良判定された第1次良粒22を第2色彩選別機35に送るための第1次良粒排出管51aと、不良判定された第1次不良粒23を第2タンク41に送るための第1次不良粒排出管51bとを備える。
【0014】
第2色彩選別機35は、第1色彩選別機33によって選別された粒状物21(第1次良粒22)を第2次良粒及び第2不良粒に選別するためのものであり、短時間に多量の粒状物21を選別することができるものである。第2色彩選別機35は、第1色彩選別機33の構造と略同一であり、第1色彩選別機33より下流側(下方)に配置され、一対の第2次光学検出部55,55と、第2次エジェクタ57と、第2次制御部59とを少なくとも備えている。一対の第2次光学検出部55,55は、第1次良粒22が通る経路を挟むように配置され、検出位置P2に達した第1次良粒22を光学的に検出し、撮影するものであり、CCD等のラインセンサ、エリアセンサ等のセンサ(図示せず)などの機器が内装されている。一対の第2次光学検出部55,55によって撮影された画像は、第2次制御部59に送信される。第2次エジェクタ57は、不良粒と判定された第1次良粒22をエアの噴射により除去するエア式エジェクタであり、一対の第2次光学検出部55,55より下流側に位置されている。第2次制御部59は、第1次良粒22の流量(選別流量)の制御や、一対の第2次光学検出部55,55から送信された画像を記憶・管理し、その画像から第1次良粒22の良粒及び不良粒の判別を行うと共に、第1次良粒22の不良粒判定時、第2次エジェクタ57を動作させるように制御するものである。
【0015】
また、第2色彩選別機35は、良判定された第2次良粒24を給送手段14cに送るための第2次良粒排出管61aと、不良判定された第2次不良粒25を廃棄タンク63に送るための第2次不良粒排出管61bとを備える。
【0016】
色彩再選別機37は、第1色彩選別機33によって選別された粒状物21(第1次不良粒)を再選別するためのものであり、第1色彩選別機33による粒状物21の選別精度より精度を高くして第1次不良粒23の選別を行う。色彩再選別機37は、第1色彩選別機33より下流側に配置され、一対の光学再検出部65,65と、エジェクタ67と、制御部69とを少なくとも備えている。一対の光学再検出部65,65は、第1次不良粒23が通る経路を挟むように配置され、検出位置P3に達した第1次不良粒23を光学的に検出し、撮影するものであり、CCD等のラインセンサ、エリアセンサ等のセンサ(図示せず)などの機器が内装されている。一対の光学再検出部65,65によって撮影された画像は、制御部69に送信される。エジェクタ67は、第1次不良粒23の不良粒をエアの噴射により除去するエア式エジェクタであり、一対の光学再検出部65,65より下流側に配置されている。制御部69は、第1次不良粒23の選別流量の制御や、一対の光学再検出部65,65から送信された画像を記憶・管理し、その画像から第1次不良粒23の良粒及び不良粒の判別を行うと共に、第1次不良粒23の不良粒判定時、エジェクタ67を動作させるように制御するものである。ここで、色彩再選別機37による粒状物21の選別精度を高めることは、センサの検出精度を高めることのほか、例えば、粒状物21の選別流量を少なくして、処理速度を遅くすることなどで達成してもよい。
【0017】
また、色彩再選別機37は、良判定された良粒26を給送手段14bに送るための良粒排出管71aと、不良判定された不良粒27を廃棄タンク63に送るための不良粒排出管71bとを備える。
【0018】
第1タンク39は、給送手段14bから送られた粒状物21を貯留するためものであり、その下部に、粒状物21を案内手段43に導くガイド管40が設けられている。案内手段43は、粒状物21を第1色彩選別機33に送り出すためのものである。第2タンク41は、第1色彩選別機33によって選別された第1次不良粒23を貯留するためものであり、その下部に、第1次不良粒23を色彩再選別機37に導くガイド管42が設けられている。第1タンク39及び第2タンク41の排出口39a,41aの開閉及び案内手段43の駆動は、外部制御装置15(
図2参照)によって制御されている。
【0019】
次に、一実施形態に係る色彩選別装置31の動作について、
図2及び
図3を参照して説明する。
まず、第1色彩選別機33、第2色彩選別機35及び色彩再選別機37の選別流量を予め適宜設定する。具体的には、第1色彩選別機33及び第2色彩選別機35は、互いに同等の選別流量に設定する。色彩再選別機37は、その選別流量が第1色彩選別機33の選別流量より少なくするように設定されている。
【0020】
そして、
図2及び
図3に示すように、給送手段14bによって、予め粗選、粒径、石抜等の検査を通過した粒状物21を上方に送り、給送された粒状物21を第1タンク39に供給する(
図3に示すステップS1)。そして、第1タンク39内の粒状物21は、ガイド管40及び案内手段43を介して、第1色彩選別機33に送られる(
図3に示すステップS2)。
【0021】
次に、粒状物21は、第1色彩選別機33によって、良否を判定される、すなわち、良判定(第1次良粒22)と不良判定(第1次不良粒23)とに選別される(
図3に示すステップS3)。具体的には、粒状物21が検出位置P1に達したとき、第1色彩選別機33の一対の第1次光学検出部45,45が粒状物21を撮影して、粒状物21の撮影画像を第1次制御部49に送信する。そして、第1次制御部49は、粒状物21の撮影画像から色彩を確認して、第1次良粒22と第1次不良粒23とに判別する。このとき、粒状物21が第1次良粒22と判定された場合、第1次制御部49は第1次エジェクタ47を作動させず、粒状物21は第1次良粒排出管51aに送られる(第1次良粒ライン)。一方、粒状物21が第1次不良粒23と判定された場合、第1次制御部49は、第1次不良粒23が噴射位置Q1に達したときに、第1次エジェクタ47に動作信号を送信し、第1次エジェクタ47を作動させ、その粒状物21を選別除去する。このとき、第1色彩選別機33による粒状物21の選別流量が多いため、第1次不良粒23を選別した際に、第1次不良粒23近傍にある良粒と判定された粒状物21も選別除去されることがある。その結果、選別された粒状物21は、第1次不良粒排出管51bを通って、第2タンク41に送られる(第2次不良粒ライン)。
【0022】
次に、第1色彩選別機33によって、粒状物21が第1次良粒22と判定された場合、第1次良粒22は、第1次良粒排出管51aを通って、第2色彩選別機35に送られ、第2色彩選別機35によって、良判定(第2次良粒24)と不良判定(第2次不良粒25)とに判別される(
図3に示すステップS4)。具体的には、粒状物21が検出位置P2に達したとき、第2色彩選別機35の一対の第2次光学検出部55,55が第1次良粒22を撮影して、第1次良粒22の撮影画像を第2次制御部59に送信する。そして、第2次制御部59は、第1次良粒22の撮影画像から色彩を確認して、第2次良粒24と第2次不良粒25とに判別する。このとき、第1次良粒22が第2次良粒24と判定された場合、第2次制御部59は第2次エジェクタ57を作動させず、第2次良粒排出管61aを介して、第1次良粒22は給送手段14bに送られる(第2次良粒ライン、
図3に示すステップS5)。一方、第1次良粒22が第2次不良粒25と判定された場合、第2次制御部59は、第2次不良粒25が噴射位置Q2に達したときに、第2次エジェクタ57に動作信号を送信し、第2次エジェクタ57を作動させ、その第2次不良粒25を選別除去する。これにより、第2次不良粒25は、第2次不良粒排出管61bを介して、廃棄タンク63に送られる(第2次不良粒ライン、
図3に示すステップS6)。
【0023】
一方、第1色彩選別機33によって、粒状物21が第1次不良粒23と判定された場合、第1次不良粒23は、第1次不良粒排出管51bを介して、第2タンク41に貯留される(
図3のステップ7)。そして、貯留された第1次不良粒23は、ガイド管42を介して、色彩再選別機37に送られ、色彩再選別機37によって、良判定(良粒26)と不良判定(不良粒27)とに判別される(
図3に示すステップS8)。具体的には、第1次不良粒23が検出位置P3に達したとき、色彩再選別機37の一対の光学再検出部65,65が第1次不良粒23を撮影して、第1次不良粒23の撮影画像を制御部69に送信する。そして、制御部69は、第1次不良粒23の撮影画像から色彩を確認して、第1次不良粒23の良粒26及び不良粒27を判別する。このとき、第1次不良粒23が良粒26と判定された場合、制御部69はエジェクタ67を作動させず、良粒26は、良粒排出管71aを介して、給送手段14bに送られる(再良粒ライン)。その結果、良粒26は、給送手段14bを介して、第1色彩選別機33に再給送される。一方、第1次不良粒23が不良粒27と判定された場合、制御部69は、不良粒27が噴射位置Q3に達したときに、エジェクタ67に動作信号を送信し、エジェクタ67を作動させ、不良粒27を選別除去する。これにより、不良粒27は、不良粒排出管71bを介して、廃棄タンク63に送られる(不良粒ライン、
図3に示すステップS6)。
【0024】
ここで、第1色彩選別機33による良否判定では、不良判定される粒状物21(第1次不良粒23)が少量であるので、色彩再選別機37は、第1色彩選別機33の選別流量より少ない選別流量で再選別処理することが可能である。しかしながら、第1色彩選別機33から色彩再選別機37に給送される粒状物21が滞留した場合には、外部制御装置15によって、原料の供給を減じることで、第1色彩選別機33への粒状物21の給送を減らす。その結果、第1色彩選別機33によって、第2タンク41に送られる、第1次不良粒と判定された粒状物21が減り、色彩再選別機37によって、滞留した第1次不良粒23が順次選別される。そして、第2タンク41内の第1次不良粒23の残留量が所定量になると、外部制御装置15によって、原料の供給量を元に戻す。これにより、第1次不良粒23が第2タンク41に送られても溢れるのを防ぐことができる。なお、原料の供給を減じることは、原料の供給を停止することも含まれる。
【0025】
上記構成を有する色彩選別装置31によれば、次のような作用効果を得ることができる。
第1色彩選別機33による選別では、粒状物21の選別流量が多いので、第1次エジェクタ47によって、第1次不良粒23を選別除去する際、第1次不良粒23近傍にある良判定された粒状物21も選別除去されることがあるが、選別された粒状物21は、第1次不良粒排出管51b、第2タンク41及びガイド管42を介して、色彩再選別機37に送られ、再度選別検査が行わる。色彩再選別機37では、第1色彩選別機33による粒状物21の選別精度より高くなっている、すなわち、センサの検出精度を高めることのほか、例えば、粒状物21の選別流量を少なくして、処理速度を遅くすることなどで選別精度を高めているため、より正確に選別することができ、色彩再選別機37によって、良粒26の判定を受けた粒状物21が給送手段14bを介して、第1タンク39に送られるため、選別ラインに再度戻ることができる。これにより、粒状物21のロス率(選別に伴う廃棄率)を減らすことができる。
【0026】
また、色彩選別装置31は、第1色彩選別機33及び第2色彩選別機35による2段階検査を行っているため、精度よく良粒及び不良粒に選別することができる。
【0027】
さらに、色彩選別装置31の第1色彩選別機33の第1次不良粒ラインに色彩再選別機37による選別ラインを設けて、色彩再選別機37によって、選別された良粒の粒状物21を第1色彩選別機33に戻るようにしているため、既存の設備に容易に設置することができる。
【0028】
色彩再選別機37は、その選別流量が第1色彩選別機33による粒状物21の選別流量より少なくしているので、小型化にすることができ、また、処理速度が遅いので、エジェクタ67による良粒である粒状物21の巻き込みを防ぐことができる。
【0029】
なお、色彩選別装置31の第1色彩選別機33、第2色彩選別機35及び色彩再選別機37では、粒状物21の色彩を検査して、良粒と不良粒とに選別しているが、各光学検出部45,55,65によって撮影された粒状物21の画像から粒状物21の形状を検査して、良粒と不良粒とに選別することも可能である。
【0030】
また、第2色彩選別機35によって選別除去された第2次不良粒25は、第2次不良粒排出管61bを介して廃棄タンク63に送られているが、第2次不良粒25を給送手段14bに送るようにしてもよい。
【符号の説明】
【0031】
14b…給送手段、21…粒状物、31…色彩選別装置、33…第1色彩選別機、35…第2色彩選別機、37…色彩再選別機、47…第1次エジェクタ(エジェクタ)、67…エジェクタ