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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-25
(45)【発行日】2024-10-03
(54)【発明の名称】玩具及び玩具セット
(51)【国際特許分類】
   A63H 15/00 20060101AFI20240926BHJP
   A63H 33/00 20060101ALI20240926BHJP
【FI】
A63H15/00 Z
A63H33/00 Z
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023050684
(22)【出願日】2023-03-27
【審査請求日】2024-01-23
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】吉澤 悠
(72)【発明者】
【氏名】庫本 有基子
【審査官】池田 剛志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0105578(US,A1)
【文献】実開昭49-148198(JP,U)
【文献】特開2006-312431(JP,A)
【文献】韓国登録実用新案第20-0344400(KR,Y1)
【文献】韓国公開特許第10-2006-0088331(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00-37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガイド部材に対して回転可能且つ前記ガイド部材に沿って移動可能な第一部材と、
前記第一部材の回転方向に沿って当該第一部材に対して相対移動可能な第二部材と、を備え、
前記第一部材は、前記ガイド部材と接する接触部および前記第二部材の前記回転方向に沿った移動を可能にする経路を有し、自重で前記ガイド部材に沿って移動可能であり、
前記第二部材は、前記ガイド部材とは非接触に構成され、前記経路を移動可能である、
玩具。
【請求項2】
請求項に記載の玩具であって、
前記第二部材は、前記第一部材に対して回転可能に構成される、
玩具。
【請求項3】
請求項に記載の玩具であって、
前記第二部材は、前記第一部材の回転半径よりも大きい回転半径を有する、
玩具。
【請求項4】
請求項に記載の玩具であって、
前記第二部材は、その回転中心を挟んで対向配置された一対の突出部を備える、
玩具。
【請求項5】
請求項に記載の玩具であって、
前記突出部は、回転の中心へ向かう方向と反対の方向に延在している、
玩具。
【請求項6】
請求項に記載の玩具であって、
前記第一部材の少なくとも一部は、キャラクターの顔部を模し、
前記第二部材の少なくとも一部は、前記キャラクターの腕部を模している、
玩具。
【請求項7】
請求項に記載の玩具であって、
前記経路は、複数設けられている、
玩具。
【請求項8】
請求項記載の玩具であって、
前記経路は、前記第二部材が見えるように少なくとも一部が光透過性の部材にて構成されている、
玩具。
【請求項9】
請求項の何れか一項に記載の玩具であって、
前記第二部材は、複数の粒状体にて構成されている、
玩具。
【請求項10】
請求項1~の何れか一項に記載の玩具と、
外周面に螺旋状の溝部を備えて前記第一部材を挿通する棒状の前記ガイド部材と、
前記ガイド部材を略鉛直方向に保持する台座部と、
を備える玩具セット。
【請求項11】
請求項10に記載の玩具セットであって、
前記台座部は、載置面に接する底面が当該載置面に向かって膨らむ湾曲面に構成されている、
玩具セット。
【請求項12】
請求項11に記載の玩具セットであって、
前記台座部は、前記玩具と接触する上面が平坦に構成されている、
玩具セット。
【請求項13】
請求項12に記載の玩具セットであって、
前記台座部と前記ガイド部材とは、着脱可能に構成されている、
玩具セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玩具及び玩具セットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、棒状の部材に挿通した部材が回転しながら降下する玩具がある。例えば特許文献1には、丸棒の周面部に設けたネジ状の螺旋段溝を、飾り物を付けた回転体が、ゆっくり波状に動きながら螺旋状に回転して下り、装飾物が波状に螺旋状回転して下りる構成、が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平10-85462号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1においては、回転体が降下と共に回転を行うものであり、回転体が丸棒の周りを単に回転するだけの構成であった。
【0005】
本発明は、興趣性がある玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の玩具は、ガイド部材に対して回転可能且つ上記ガイド部材に沿って移動可能な第一部材と、上記第一部材に対して移動可能な第二部材と、を備える、ものである。また、本発明の一態様の玩具は、ガイド部材に対して回転可能且つ前記ガイド部材に沿って移動可能な第一部材と、前記第一部材の回転方向に沿って当該第一部材に対して相対移動可能な第二部材と、を備え、 前記第一部材は、前記ガイド部材と接する接触部および前記第二部材の前記回転方向に沿った移動を可能にする経路を有し、自重で前記ガイド部材に沿って移動可能であり、前記第二部材は、前記ガイド部材とは非接触に構成され、前記経路を移動可能である。
【0007】
本発明の一態様の玩具は、上記第一部材は、自重で上記ガイド部材に沿って移動可能である、ものである。
【0008】
本発明の一態様の玩具は、上記第一部材は、上記ガイド部材と接する接触部を有し、
上記第二部材は、上記ガイド部材とは非接触に構成されている、ものである。
【0009】
本発明の一態様の玩具は、上記第二部材は、上記第一部材に対して上記第一部材の回転方向に沿って相対移動可能に構成されている、ものである。
【0010】
本発明の一態様の玩具は、上記第二部材は、上記第一部材に対して回転可能に構成される、ものである。
【0011】
本発明の一態様の玩具は、上記第二部材は、上記第一部材の回転半径よりも大きい回転半径を有する、ものである。
【0012】
本発明の一態様の玩具は、上記第二部材は、その回転中心を挟んで対向配置された一対の突出部を備える、ものである。
【0013】
本発明の一態様の玩具は、上記突出部は、回転の中心へ向かう方向と反対の方向に延在している、ものである。
【0014】
本発明の一態様の玩具は、上記第一部材の少なくとも一部は、キャラクターの顔部を模し、上記第二部材の少なくとも一部は、上記キャラクターの腕部を模している、ものである。
【0015】
本発明の一態様の玩具は、上記第二部材は、上記回転方向に沿って設けられた経路の中を移動可能に配置されている、ものである。
【0016】
本発明の一態様の玩具は、上記経路は、上記第一部材内に設けられている、ものである。
【0017】
本発明の一態様の玩具は、上記経路は、複数設けられている、ものである。
【0018】
本発明の一態様の玩具は、上記経路は、上記第二部材が見えるように少なくとも一部が光透過性の部材にて構成されている、ものである。
【0019】
本発明の一態様の玩具は、上記第二部材は、複数の粒状体にて構成されている、ものである。
【0020】
本発明の一態様の玩具セットは、上記玩具と、外周面に螺旋状の溝部を備えて上記第一部材を挿通する棒状の上記ガイド部材と、上記ガイド部材を略鉛直方向に保持する台座部と、を備える、ものである。
【0021】
本発明の一態様の玩具セットは、上記台座部は、載置面に接する底面がその載置面に向かって膨らむ湾曲面に構成されている、ものである。
【0022】
本発明の一態様の玩具セットは、上記台座部は、上記玩具と接触する上面が平坦に構成されている、ものである。
【0023】
本発明の一態様の玩具セットは、上記台座部と上記ガイド部材とは、着脱可能に構成されている、ものである。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、興趣性がある玩具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の第1態様の玩具を上方側から見た斜視図である。
図2図2は、図1に示す玩具を下方側から見た斜視図である。
図3図1に示す玩具の側面図である。
図4図1に示す玩具の第一部材、及び第二部材の分解斜視図である。
図5図1に示す玩具の軸方向に沿った断面図である。
図6図1に示す玩具の動きを説明する斜視図である。
図7】本発明の第2態様の玩具の斜視図である。
図8図7に示す玩具の要部断面図である。
図9】第一部材の他の例を示す斜視図である。
図10】本発明の第3態様の玩具セットの斜視図である。
図11】玩具セットのガイド部材及び台座部の側面図である。
図12】玩具セットを用いた遊び方の一例を示す斜視図であって、玩具をガイド部材にセットした初期段階の動きを説明する斜視図である。
図13】玩具をガイド部材にセットした最終段階の動きを説明する斜視図である。
図14】玩具セットにおける玩具の取り外し方の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(第1態様)
以下、本発明の一側面を表す第一態様の玩具1について、図1図6を参照して説明する。
図1は、本発明の第1態様の玩具1を上方側から見た斜視図である。また、図2は、図1に示す玩具1を下方側から見た斜視図である。
【0027】
図1及び図2に示すように、玩具1A(1)は、例えば上端側が半球状で且下端側が円筒形状の釣り鐘形状を有する第一部材10と、第一部材10に後述するように移動可能に取り付けられた第二部材20と、を有している。第一部材10は、その中心の軸線CLにそって貫通する貫通孔10hが設けられている。この貫通孔10hの内周面には、対向するように一対の係合突起14が設けられている。
【0028】
図3は、図1に示す玩具1Aの側面図である。
ガイド部材40は、図3に示すように、例えば、その外周面に螺旋状の溝部41が設けられている。そして、玩具1Aは、ガイド部材40が略鉛直方向に設けられている時に、貫通孔10h内の係合突起14(図5参照)が係合する。これにより、玩具1は、その自重によってガイド部材40に沿って降下・移動すると共にガイド部材40の周りを回転する。
【0029】
第一部材10は、例えば、その上端側がキャラクターCの顔部11を模している。また、顔部11の下側に位置には、第二部材20が設けられ、第一部材10の外径よりも回転半径方向に延出された腕部21を模した形状となっている。第二部材20は、第一部材10に対して第一部材10の回転方向、すなわち、ガイド部材40の軸線CLの方向に対して直交する方向に沿って相対移動(回転)が可能(図1参照)に構成されている。この第二部材20は、前掲の腕部21の腕分が回転中心とは反対の方向に延在され、その両先端には例えば球形の手を模した突出部28が設けられている。この突出部28は、軸線CLの回転中心Pを挟んで対称な位置に対向配置されている。また、第二部材20の下側の第一部材10の下端部13は、底面が平坦面13bを構成している(図2参照)。
【0030】
図4は、玩具の第一部材10、及び第二部材20の分解斜視図である。図5は、図1に示す玩具1の軸線方向に沿った断面図である。
図4及び図5に示すように、第二部材20は、環状の環状体部20aが第一部材10の環状溝10g内に回転可能に嵌り込む構成となっている。そして、第一部材10は、ガイド部材40と接する接触部(係合突起14)を有するが、第二部材20は、ガイド部材40とは非接触で環状溝10g内において回動する。
【0031】
環状体部20aは、図4及び図5に示すように、内周壁22wと、外周壁23wと、両周壁22w,23wを連結する連結壁24wと、からなる横断面がH型形状の構造となっている。また、環状溝10gには、顔部11の下端縁11eと、下端部13の上端縁13eと、が対向している。そして、第二部材20は、上下端縁11e,13eが外周壁23wの上下両端縁23eに接触して支持される。
【0032】
また、内周壁22wの内周面22iは、環状溝10g内において貫通孔10hの周りを囲むように設けられた3つの円柱部10d(例えば、第一部材10の上下部材を固定するネジ用のボス部分)にガイドされる。このように、第二部材20は、第一部材10に対して、その接触面が小さく抑えられている。これにより、第二部材20は、回転時の摩擦力を小さくでき、回転し易い構成となっている。
【0033】
図6は、玩具1の動きを説明する斜視図である。(a)は、を説明する斜視図であり、(b)は、玩具の降下最終段階の動きを説明する斜視図である。
【0034】
図6に示すように、玩具1は、ガイド部材40を挿通するように嵌めたときは、玩具1A全体が溝部41に沿って回転しながら降下(矢印C方向)する。すなわち、玩具1Aの降下初期段階における動きは、第一部材10の回転(矢印D方向の回転)と第二部材20の回転(矢印E方向の回転)は、同期した状態となっている。そして、玩具1Aの下端部13の平坦面13bが何らかの降下停止部材に当接する。これにより、玩具1Aの降下は停止する。このとき、第一部材10は、降下の終了とともに回転が停止される。
【0035】
一方、第二部材20は、第一部材10の回転停止とは関係なく回転(矢印E方向の回転)が継続される。すなわち、第二部材20は、環状溝10gとの摩擦力により第一部材10と共に回転していた慣性力によって回転が継続される。しかも、環状溝10gとの摩擦について前掲のごとく小さく抑えられていることに加えて、第二部材20の先端側に設けられた突出部28の重みにより、第二部材20の回転は行きよい良く行われる。
【0036】
以上述べたように、本態様の玩具1は、ガイド部材40に沿って回転しながら移動する第一部材10と、この第一部材10に対して相対移動可能な第二部材20と、を備えているので、少なくとも2つの動きを同時に楽しむことができ、玩具1としての興趣性を高めることができる。
【0037】
また、本態様の玩具1では、第一部材10は、その自重でガイド部材40に沿って移動可能であるので、特に動力を必要せず、重力で動く玩具1を感覚的に認識できる。
【0038】
また、本態様の玩具1では、第一部材10は、ガイド部材40と接する接触部を有する一方、第二部材20は、ガイド部材40とは非接触であるので、ガイド部材40の構造とは関係のない動きが可能となる。例えば、第二部材20が第一部材10に対して同じ回転方向に沿って相対移動することで、第一部材10の回転と第二部材20の回転を楽しむことができる。
【0039】
本態様の玩具1では、第二部材20の回転半径が第一部材10の回転半径よりも大きく構成されているので、同じ方向の回転付勢であっても慣性力を大きい第二部材20が回転しやすくなる。また、回転半径の大きい第二部材20は、第一部材10よりも外周端の周速度を大きくできる。
【0040】
また、本態様の玩具1では、第二部材20が回転中心を挟んで対向配置されて回転半径の外方向に延在する突出部28であるので、回転バランスをよくでき、その動きを楽しむことができる。例えば、第一部材10がキャラクターCの顔部11で、第二部材20が腕部21を模していることで、回転当初においては顔部11と腕部21とが同時に回転する。しかし、顔部11の回転が止まった後でも腕部21の回転動が継続されるので、キャラクターCの動きに変化を与えることができ、面白さを演出することができる。
【0041】
(第2態様)
以下、第2態様について、図7図9を参照して説明する。
図7は、本発明の第2態様の玩具1B(1)の斜視図である。図8は、図7に示す玩具1Bの要部断面図である。
【0042】
図7、及び図8に示すように、玩具1Bは、第一部材10B(10)が内部空間を備える環状胴部15にて構成されている。また、内部空間には、複数の粒状体(ビーズ状)の第二部材20B(20)が設けられている。この内部空間は、第一部材10Bの回転方向に沿って第二部材20Bが移動可能な環状の経路30を構成している。なお、環状胴部15の貫通孔10h内には、第1態様と同様の係合突起14が設けられている。したがって、第一部材10Bは、貫通孔10hにガイド部材40が貫通されることで、第1態様の第一部材10と同様に回転する。
【0043】
経路30は、図8に示すように、環状胴部15内に回転軸方向と直交する仕切板31が配置されて2つ設けられている。なお、粒状体の第二部材20Bは、図示においては、球形状となっている。第二部材20Bは、球形状となっていることで、両経路30内において、自在に移動することができる。この第二部材20Bが経路30内を移動する時に、移動する音が発生する。
なお、環状胴部15は、不透明の部材にて構成されている。しかし、環状胴部15は、その全体或いは一部が光透過性の素材にて構成されていてもよい。環状胴部15は、光透過性の部材にて構成されていると、その内部の第二部材20Bの動きを目視することができる。
【0044】
第二部材20Bは、球形状に限定されず、例えば、一方の経路30に球形とする一方、他方の経路30に非球状のものを配置することができる。これにより、例えば、球形状の第二部材20Bと非球形状の第二部材20Bの挙動が異なる(慣性により回転する時間が異なる)ことにより、音に変化を与えることができる。
【0045】
図9は、第二部材20Bの他の例を示す斜視図である。
第一部材10Bは、図9に示すように、その外径部分の形状については、平面視で凹部16c、凸部16dを有する星形形状となっている。この場合の経路30は、外径部分の形状に沿った星形の経路となる。また、この星形の第一部材10Bの場合、図中において、上の半分が光透過性の素材にて構成されており、経路30の全周に亘って内部が見える。
【0046】
図8に戻って説明すると、玩具1Bは、ガイド部材40に挿通したとき、溝部41に沿って回転する。この時、球形状の第二部材20Bは、回転当初においては、第一部材10Bと同期することなく、第一部材10Bよりも低速で回転するので擦れ音が発生する。その後、第一部材10Bと同期するように回転することで音は静かになる。
【0047】
そして、第一部材10Bが降下停止部材に当接することで降下が停止して回転も停止する。一方、第二部材20Bは、第一部材10Bの回転停止とは関係なく経路30内を回転移動する。第二部材20Bが経路30内を移動する擦れ音は、第一部材10Bが回転し始めの時と、回転が終了した時とで第二部材20Bの挙動が異なることで、異なる音を発生することができる。また、第二部材20Bが見えるように構成されている場合は、その動きを見ることができる。
【0048】
また、星形形状の第一部材10Bの場合には、第二部材20Bは、第一部材10Bとの相対移動によって凹凸形状によって挙動が変化する。すなわち、第二部材20Bは、第一部材10Bの回転し始めの時と、回転が終了した時には、凹凸形状によってその挙動が単に回転移動にとどまらずに複雑な動きとなる。また、擦れ音についても、図8に示すものとは異なる音を発生させることができる。
【0049】
第2態様の玩具1Bにおいては、第二部材20Bが第一部材10Bの回転方向に沿って設けられた経路30の中を移動可能に設けられ且つ経路30内が見えるように構成されていることで、第二部材20Bの第一部材10とは異なる動きを楽しむことができる。しかも、経路30が第一部材10B内に設けられていることで、第二部材20Bの動きの多様性を演出することができる。特に、経路30が複数設けられていること、経路30が変形していることで、第二部材20Bの動きの変化を楽しむことができる。
【0050】
第2態様の玩具1Bによれば、第二部材20Bが粒状体であることで、経路30内を移動しやすくでき、また、複数の形の異なる粒状体の動きによって生じる音を楽しむことができる。
【0051】
(第3態様)
以下、第3態様について、図10図14を参照して説明する。
図10は、本発明の第3態様の玩具セット80の斜視図である。図11は、玩具セット80のガイド部材40及び台座部50の側面図である。
【0052】
図10に示す玩具セット80は、前掲の玩具1A,1Bと、外周面に螺旋状の溝部41を備えて貫通孔10hを挿通する棒状のガイド部材40と、ガイド部材40を略鉛直方向に保持する台座部50と、を備える。
【0053】
この玩具セット80における台座部50は、図11に示すように、その台座底面50bが載置面70に向かって膨らむ湾曲面に構成されている。すなわち、載置面70と台座底面50bとは略点接触となっている。また、台座部50の上面50aは、玩具1の平坦面13bと接触する部分が平らな上面50aに構成されている。また、ガイド部材40は、その下端部40bが台座部50の嵌合凹部50cに着脱可能に構成されている。
【0054】
図12は、玩具セット80を用いた遊び方の一例を示す斜視図であって、玩具1Aをガイド部材40にセットした初期段階の動きを説明する斜視図である。
【0055】
図12に示すように、玩具1Aは、ガイド部材40を挿通するように嵌めたときには、玩具1A全体が回転しながら降下する。この玩具1Aにおける降下・回転の動作は、前掲した場合と同じである。
【0056】
しかし、ガイド部材40及び台座部50は、図12に示すように、玩具1Aの回転方向(矢印D方向の回転)とは反対方向の向きに回転(矢印F方向の回転)をする。また、ガイド部材40は、矢印F方向の回転と同時に、その先端部40aが矢印D方向と同じ向きで首を振る首振り回転動(矢印G方向の回転)が発生する。そして、玩具1Aの平坦面13bが台座部50の上面50aに当接する。これにより、玩具1Aは、その降下が終了し、第一部材10の回転が停止される。
【0057】
図13は、玩具1Aをガイド部材40にセットした最終段階の動きを説明する斜視図である。
前掲のように、第一部材10は回転が停止される。しかし、第二部材20は、第一部材10の回転停止とは関係なく慣性力によって回転が継続される。また、台座部50は、第一部材10が停止したときに慣性力が付与される。この力によって、台座部50はそれまでの回転方向(矢印G方向)とは反対方向(矢印H方向の回転)が付与されて停止する。
【0058】
図14は、玩具セット80における玩具1A、1Bの取り外し方の一例を示す斜視図である。
ガイド部材40は、前掲のように、下端部40bが台座部5の中央の嵌合凹部50cに着脱自在に構成されている。したがって、図14に示すように、例えば、玩具1A、1B等の複数をガイド部材40に挿通して遊んだ後、ガイド部材40を台座部50から外す。これによって、玩具1A、1Bがガイド部材40から一度に外れる。
【0059】
第3態様の玩具セット80においては、台座部50の台座底面50bが湾曲面に構成されていることで、回転降下する玩具1の回転時において、ガイド部材40の首振り動作等を生じさせることができ、面白い動作を演出することができる。また、台座底面50bが湾曲面に構成されていることで、台座部50の底面と載置面70との摩擦力を小さくすることができるので、玩具1が回転移動する際に、台座部50を含む部分が反対方向に回転させることができ、より面白い動きを演出することができる。
【0060】
第3態様の玩具セット80では、回転しながら降下した玩具1が台座部50の上面50aに接して停止したときに当該台座部50に回転停止時の反動を付与することができる。これにより、台座部50、及びガイド部材40の動きを変化させることができる。
【0061】
第3態様の玩具セット80においては、ガイド部材40と台座部50とが分離できることで、ガイド部材40の下端側に位置している玩具1をガイド部材40から外すことが容易になる。
【0062】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はその技術思想の範囲で適宜変更することができる。例えば、上記態様においては、第二部材20は、軸線CLに対して直交する方向に回転する構成としたが、これに限るものではなく、例えば軸線CLに対して傾斜する回転向きであっても良い。
【0063】
以上のように、本明細書には以下の事項が記載されている。
【0064】
(1)
ガイド部材に対して回転可能且つ上記ガイド部材に沿って移動可能な第一部材と、
上記第一部材に対して移動可能な第二部材と、を備える、
玩具。
【0065】
(2)
(1)に記載の玩具であって、
上記第一部材は、自重で上記ガイド部材に沿って移動可能である、
玩具。
【0066】
(3)
(1)又は(2)に記載の玩具であって、
上記第一部材は、上記ガイド部材と接する接触部を有し、
上記第二部材は、上記ガイド部材とは非接触に構成されている、
玩具。
【0067】
(4)
(1)から(3)のいずれかに記載の玩具であって、
上記第二部材は、上記第一部材に対して上記第一部材の回転方向に沿って相対移動可能に構成されている、
玩具。
【0068】
(5)
(4)に記載の玩具であって、
上記第二部材は、上記第一部材に対して回転可能に構成される、
玩具。
【0069】
(6)
(5)に記載の玩具であって、
上記第二部材は、上記第一部材の回転半径よりも大きい回転半径を有する、
玩具。
【0070】
(7)
(5)又は(6)に記載の玩具であって、
上記第二部材は、その回転中心を挟んで対向配置された一対の突出部を備える、
玩具。
【0071】
(8)
(7)に記載の玩具であって、
上記突出部は、回転の中心へ向かう方向と反対の方向に延在している、
玩具。
【0072】
(9)
(5)~(8)のいずれかに記載の玩具であって、
上記第一部材の少なくとも一部は、キャラクターの顔部を模し、
上記第二部材の少なくとも一部は、上記キャラクターの腕部を模している、
玩具。
【0073】
(10)
(4)に記載の玩具であって、
上記第二部材は、上記回転方向に沿って設けられた経路の中を移動可能に配置されている、
玩具。
【0074】
(11)
(10)に記載の玩具であって、
上記経路は、上記第一部材内に設けられている、
玩具。
【0075】
(12)
(10)又は(11)に記載の玩具であって、
上記経路は、複数設けられている、
玩具。
【0076】
(13)
(10)~(12)のいずれかに記載の玩具であって、
上記経路は、上記第二部材が見えるように少なくとも一部が光透過性の部材にて構成されている、
玩具。
【0077】
(14)
(10)~(13)の何れか一項に記載の玩具であって、
上記第二部材は、複数の粒状体にて構成されている、
玩具。
【0078】
(15)
(1)~(14)の何れか一項に記載の玩具と、
外周面に螺旋状の溝部を備えて上記第一部材を挿通する棒状の上記ガイド部材と、
上記ガイド部材を略鉛直方向に保持する台座部と、
を備える玩具セット。
【0079】
(16)
(15)に記載の玩具セットであって、
上記台座部は、載置面に接する底面がその載置面に向かって膨らむ湾曲面に構成されている、
玩具セット。
【0080】
(17)
(15)又は(16)に記載の玩具セットであって、
上記台座部は、上記玩具と接触する上面が平坦に構成されている、
玩具セット。
【0081】
(18)
(15)から(17)のいずれかに記載の玩具セットであって、
上記台座部と上記ガイド部材とは、着脱可能に構成されている、
玩具セット。
【符号の説明】
【0082】
1 玩具
10 第一部材
20 第二部材
28 突出部
30 経路
40 ガイド部材
50 台座部
50a 上面
50b 台座底面
70 載置面
80 玩具セット
C キャラクター
【要約】
【課題】興趣性がある玩具を提供する。
【解決手段】ガイド部材40に対して回転可能且つガイド部材40に沿って移動可能な第一部材10と、第一部材10に対して移動可能な第二部材20と、を備える、玩具1である。このように、ガイド部材40に沿って回転しながら移動する第一部材10と、この第一部材10に対して相対移動可能な第二部材20と、を備えているので、少なくとも2つの動きを同時に楽しむことができ、玩具1としての興趣性を高めることができる。
【選択図】図5

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14