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特許7561269表示装置、表示パネル及び表示装置の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-25
(45)【発行日】2024-10-03
(54)【発明の名称】表示装置、表示パネル及び表示装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/302 20060101AFI20240926BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240926BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20240926BHJP
   H10K 59/121 20230101ALI20240926BHJP
   H10K 59/122 20230101ALI20240926BHJP
   H10K 59/35 20230101ALI20240926BHJP
   H10K 71/16 20230101ALI20240926BHJP
   H10K 71/20 20230101ALI20240926BHJP
【FI】
G09F9/302 C
G09F9/00 338
G09F9/30 365
H10K59/121
H10K59/122
H10K59/35
H10K71/16
H10K71/20
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2023506403
(86)(22)【出願日】2021-03-15
(86)【国際出願番号】 JP2021010390
(87)【国際公開番号】W WO2022195679
(87)【国際公開日】2022-09-22
【審査請求日】2023-07-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】山渕 浩二
【審査官】新井 重雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-160393(JP,A)
【文献】特開2019-159355(JP,A)
【文献】特開2018-124540(JP,A)
【文献】特開2018-112569(JP,A)
【文献】特開2016-075868(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0358982(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0001512(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0056531(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/302
G09F 9/00
G09F 9/30
H10K 59/121
H10K 59/122
H10K 59/35
H10K 71/16
H10K 71/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に、それぞれが、第1電極と、発光層を含む機能層と、第2電極とを、前記基板側からこの順に備えた、第1発光素子、第2発光素子及び第3発光素子と、
それぞれが、前記第1発光素子と、前記第2発光素子と、前記第3発光素子とを含む複数の画素と、を含み、
前記第1発光素子の前記第1電極と前記第1発光素子の前記機能層とが接触して形成される第1接触面と、前記第2発光素子の前記第1電極と前記第2発光素子の前記機能層とが接触して形成される第2接触面との間の第1方向に沿う最短幅W1は、前記第3発光素子の前記第1電極と前記第3発光素子の前記機能層とが接触して形成される第3接触面と前記第1接触面及び前記第2接触面の少なくとも一方との間の前記第1方向と直交する第2方向に沿う最短幅W2より小さい、表示装置。
【請求項2】
前記第1発光素子及び前記第2発光素子は、前記第1方向に沿うN-1行及びN行(前記Nは2以上の偶数である)のうちの一方に前記画素毎に互いに隣接するように配置され、
前記第3発光素子は、前記N-1行及び前記N行のうちの他方に前記画素毎に配置され、
前記第1発光素子は、前記発光層として、第1発光層を備え、
前記第2発光素子は、前記発光層として、前記第1発光層とは発光ピーク波長が異なる第2発光層を備え、
前記第3発光素子は、前記発光層として、前記第1発光層及び前記第2発光層とは発光ピーク波長が異なる第3発光層を備えている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第3接触面の前記第1方向における幅は、前記第1接触面の前記第1方向における幅及び前記第2接触面の前記第1方向における幅の何れか一方と前記最短幅W1とを合わせた幅より大きく、
前記第1発光素子及び前記第2発光素子は、前記N-1行及び前記N行のうちの前記一方に交互に配置されている、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第3接触面の大きさは、前記第1接触面の大きさ及び前記第2接触面の大きさより大きい、請求項2または3に記載の表示装置。
【請求項5】
第1画素、第2画素及び第3画素は、この順に前記第1方向に沿って配置された隣接する3つの画素であり、
前記第1画素及び前記第3画素の一方に含まれる前記第3接触面と前記第2画素に含まれる前記第3接触面との間の前記第1方向に沿う最短幅W3は、前記第1画素及び前記第3画素の他方に含まれる前記第3接触面と前記第2画素に含まれる前記第3接触面との間の前記第1方向に沿う最短幅W4より小さい、請求項2から4の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記最短幅W2/前記最短幅W1の値は、1.2以上、1.5以下である、請求項2から5の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1発光素子の前記第1電極、前記第2発光素子の前記第1電極及び前記第3発光素子の前記第1電極のそれぞれの端部を覆うエッジカバー層をさらに備え、
前記エッジカバー層は、前記第1接触面と同一形状の第1開口と、前記第2接触面と同一形状の第2開口と、前記第3接触面と同一形状の第3開口と、を含む、請求項2から6の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1発光層は、緑色光を発する発光層であり、
前記第2発光層は、赤色光を発する発光層であり、
前記第3発光層は、青色光を発する発光層である、請求項2から7の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
請求項1から8の何れか1項に記載の表示装置を複数個備え、
前記複数個の表示装置のそれぞれが備える前記基板は一体として形成されており、
前記複数個の表示装置は、第1表示装置、第2表示装置及び第3表示装置を含み、
前記第2表示装置の各画素における前記最短幅W2/前記最短幅W1の値は、前記第1表示装置の各画素における前記最短幅W2/前記最短幅W1の値及び前記第3表示装置の各画素における前記最短幅W2/前記最短幅W1の値より大きく、
前記第1表示装置は、一体として形成された前記基板の前記第1方向の一方側の端部に配置され、
前記第3表示装置は、一体として形成された前記基板の前記第1方向の他方側の端部に配置され、
前記第2表示装置は、前記第1表示装置と前記第3表示装置との間の中間位置に配置されており、
前記第2表示装置の各画素の開口の大きさは、前記第1表示装置の各画素の開口の大きさ及び前記第3表示装置の各画素の開口の大きさと同一であり、かつ、前記第2表示装置の各画素の開口の形状が、前記第1表示装置の各画素の開口の形状及び前記第3表示装置の各画素の開口の形状と異なっている、表示パネル。
【請求項10】
前記第1表示装置と前記第2表示装置との間と、前記第3表示装置と前記第2表示装置との間とには、それぞれ、前記複数個の表示装置がさらに備えられ、
前記第1表示装置と前記第2表示装置との間に備えられた前記複数個の表示装置それぞれの各画素における前記最短幅W2/前記最短幅W1の値は、前記第1表示装置から前記第2表示装置に近づく程、前記第2表示装置の各画素における前記最短幅W2/前記最短幅W1の値に段階的に近づき、
前記第3表示装置と前記第2表示装置との間に備えられた前記複数個の表示装置それぞれの各画素における前記最短幅W2/前記最短幅W1の値は、前記第3表示装置から前記第2表示装置に近づく程、前記第2表示装置の各画素における前記最短幅W2/前記最短幅W1の値に段階的に近づく、請求項9に記載の表示パネル。
【請求項11】
前記第1表示装置、前記第2表示装置及び前記第3表示装置を含む全ての前記表示装置のそれぞれにおいて、
前記第1接触面の大きさはそれぞれ同一であり、
前記第2接触面の大きさはそれぞれ同一であり、
前記第3接触面の大きさはそれぞれ同一である、請求項9または10に記載の表示パネル。
【請求項12】
前記第2表示装置の各画素における前記第1接触面の大きさと前記第2接触面の大きさと前記第3接触面の大きさとを合わせた大きさは、前記第1表示装置の各画素における前記第1接触面の大きさと前記第2接触面の大きさと前記第3接触面の大きさとを合わせた大きさ及び前記第3表示装置の各画素における前記第1接触面の大きさと前記第2接触面の大きさと前記第3接触面の大きさとを合わせた大きさより小さい、請求項9または10に記載の表示パネル。
【請求項13】
前記第2表示装置の各画素における前記第1接触面の大きさと前記第2接触面の大きさと前記第3接触面の大きさとを合わせた大きさは、前記第1表示装置の各画素における前記第1接触面の大きさと前記第2接触面の大きさと前記第3接触面の大きさとを合わせた大きさ及び前記第3表示装置の各画素における前記第1接触面の大きさと前記第2接触面の大きさと前記第3接触面の大きさとを合わせた大きさより小さく、
前記第1表示装置と前記第2表示装置との間に備えられた前記複数個の表示装置それぞれの各画素における前記第1接触面の大きさと前記第2接触面の大きさと前記第3接触面の大きさとを合わせた大きさは、前記第1表示装置から前記第2表示装置に近づく程、前記第2表示装置の各画素における前記第1接触面の大きさと前記第2接触面の大きさと前記第3接触面の大きさとを合わせた大きさに段階的に近づき、
前記第3表示装置と前記第2表示装置との間に備えられた前記複数個の表示装置それぞれの各画素における前記第1接触面の大きさと前記第2接触面の大きさと前記第3接触面の大きさとを合わせた大きさは、前記第3表示装置から前記第2表示装置に近づく程、前記第2表示装置の各画素における前記第1接触面の大きさと前記第2接触面の大きさと前記第3接触面の大きさとを合わせた大きさに段階的に近づく、請求項10に記載の表示パネル。
【請求項14】
基板上に、第1発光素子と、第2発光素子と、第3発光素子とを含む画素を複数個備えた表示装置の製造方法であって、
前記基板上に第1電極を形成する第1電極形成工程と、
前記第1発光素子の前記第1電極、前記第2発光素子の前記第1電極及び前記第3発光素子の前記第1電極のそれぞれの端部を覆うとともに、前記第1発光素子の前記第1電極の一部を露出させる第1開口と前記第2発光素子の前記第1電極の一部を露出させる第2開口と前記第3発光素子の前記第1電極の一部を露出させる第3開口とを含み、前記第1開口及び前記第2開口は、第1方向に沿うN-1行及びN行(前記Nは2以上の偶数である)のうちの一方に前記画素毎に互いに隣接するように配置され、前記第3開口は、前記N-1行及び前記N行のうちの他方に前記画素毎に配置され、前記第1開口と、前記第2開口との間の前記第1方向に沿う最短幅W1は、前記第3開口と前記第1開口及び前記第2開口の少なくとも一方との間の前記第1方向と直交する第2方向に沿う最短幅W2より小さいエッジカバー層を形成するエッジカバー層形成工程と、
前記第1発光素子の第1発光層と、前記第2発光素子の第2発光層と、前記第3発光素子の第3発光層とを、形成する発光層形成工程と、
前記第1発光素子の前記第1発光層上と、前記第2発光素子の前記第2発光層上と、前記第3発光素子の前記第3発光層上とに、第2電極を形成する第2電極形成工程と、を含む、表示装置の製造方法。
【請求項15】
前記発光層形成工程は、
同形状及び同ピッチで、前記第1開口の位置に対応して形成された複数の第1蒸着用開口を有するとともに、前記第1方向と前記第1方向の反対方向とに架張されている第1蒸着マスクを用いて、前記第1開口を介して露出する前記第1発光素子の前記第1電極上に第1発光層を形成する第1発光層形成工程と、
同形状及び同ピッチで、前記第2開口の位置に対応して形成された複数の第2蒸着用開口を有するとともに、前記第1方向と前記第1方向の反対方向とに架張されている第2蒸着マスクを用いて、前記第2開口を介して露出する前記第2発光素子の前記第1電極上に前記第1発光層とは発光ピーク波長が異なる第2発光層を形成する第2発光層形成工程と、
同形状及び同ピッチで、前記第3開口の位置に対応して形成された複数の第3蒸着用開口を有するとともに、前記第1方向と前記第1方向の反対方向とに架張されている第3蒸着マスクを用いて、前記第3開口を介して露出する前記第3発光素子の前記第1電極上に前記第1発光層及び前記第2発光層とは発光ピーク波長が異なる第3発光層を形成する第3発光層形成工程と、を含む、請求項14に記載の表示装置の製造方法。
【請求項16】
前記表示装置を複数個備え、
前記複数個の表示装置のそれぞれが備える前記基板は一体として形成されており、
前記複数個の表示装置は、第1表示装置、第2表示装置及び第3表示装置を含み、
前記第1表示装置は、一体として形成された前記基板の前記第1方向の一方側の端部に配置され、
前記第3表示装置は、一体として形成された前記基板の前記第1方向の他方側の端部に配置され、
前記第2表示装置は、前記第1表示装置と前記第3表示装置との間の中間位置に配置され、
前記エッジカバー層形成工程においては、前記第2表示装置の各画素における前記最短幅W2/前記最短幅W1の値が、前記第1表示装置の各画素における前記最短幅W2/前記最短幅W1の値及び前記第3表示装置の各画素における前記最短幅W2/前記最短幅W1の値より大きくなるように、前記エッジカバー層を形成し、
前記第1表示装置、前記第2表示装置及び前記第3表示装置を含む全ての表示装置を、表示装置毎に分断する分断工程をさらに含み、
前記第2表示装置の各画素の開口の大きさは、前記第1表示装置の各画素の開口の大きさ及び前記第3表示装置の各画素の開口の大きさと同一であり、かつ、前記第2表示装置の各画素の開口の形状が、前記第1表示装置の各画素の開口の形状及び前記第3表示装置の各画素の開口の形状と異なっている、請求項14または15に記載の表示装置の製造方法。
【請求項17】
前記第1表示装置と前記第2表示装置との間と、前記第3表示装置と前記第2表示装置との間とには、それぞれ、前記複数個の表示装置がさらに備えられ、
前記エッジカバー層形成工程においては、前記第1表示装置と前記第2表示装置との間に備えられた前記複数個の表示装置それぞれの各画素における前記最短幅W2/前記最短幅W1の値が、前記第1表示装置から前記第2表示装置に近づく程、前記第2表示装置の各画素における前記最短幅W2/前記最短幅W1の値に段階的に近づくとともに、前記第3表示装置と前記第2表示装置との間に備えられた前記複数個の表示装置それぞれの各画素における前記最短幅W2/前記最短幅W1の値が、前記第3表示装置から前記第2表示装置に近づく程、前記第2表示装置の各画素における前記最短幅W2/前記最短幅W1の値に段階的に近づくように、前記エッジカバー層を形成する、請求項16に記載の表示装置の製造方法。
【請求項18】
前記エッジカバー層形成工程においては、前記第1表示装置、前記第2表示装置及び前記第3表示装置を含む全ての前記表示装置のそれぞれにおいて、前記第1開口の大きさがそれぞれ同一となり、前記第2開口の大きさがそれぞれ同一となり、前記第3開口の大きさがそれぞれ同一となるように、前記エッジカバー層を形成する、請求項16または17に記載の表示装置の製造方法。
【請求項19】
前記エッジカバー層形成工程においては、前記第2表示装置の各画素における前記第1開口の大きさと前記第2開口の大きさと前記第3開口の大きさとを合わせた大きさが、前記第1表示装置の各画素における前記第1開口の大きさと前記第2開口の大きさと前記第3開口の大きさとを合わせた大きさ及び前記第3表示装置の各画素における前記第1開口の大きさと前記第2開口の大きさと前記第3開口の大きさとを合わせた大きさより小さくなるように、前記エッジカバー層を形成する、請求項16または17に記載の表示装置の製造方法。
【請求項20】
前記エッジカバー層形成工程においては、
前記第2表示装置の各画素における前記第1開口の大きさと前記第2開口の大きさと前記第3開口の大きさとを合わせた大きさが、前記第1表示装置の各画素における前記第1開口の大きさと前記第2開口の大きさと前記第3開口の大きさとを合わせた大きさ及び前記第3表示装置の各画素における前記第1開口の大きさと前記第2開口の大きさと前記第3開口の大きさとを合わせた大きさより小さくなるようにし、
前記第1表示装置と前記第2表示装置との間に備えられた前記複数個の表示装置それぞれの各画素における前記第1開口の大きさと前記第2開口の大きさと前記第3開口の大きさとを合わせた大きさが、前記第1表示装置から前記第2表示装置に近づく程、前記第2表示装置の各画素における前記第1開口の大きさと前記第2開口の大きさと前記第3開口の大きさとを合わせた大きさに段階的に近づくようにするとともに、
前記第3表示装置と前記第2表示装置との間に備えられた前記複数個の表示装置それぞれの各画素における前記第1開口の大きさと前記第2開口の大きさと前記第3開口の大きさとを合わせた大きさが、前記第3表示装置から前記第2表示装置に近づく程、前記第2表示装置の各画素における前記第1開口の大きさと前記第2開口の大きさと前記第3開口の大きさとを合わせた大きさに段階的に近づくように、前記エッジカバー層を形成する、請求項17に記載の表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置、表示パネル及び表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、発光素子を備えた様々な表示装置が開発されており、特に、OLED(Organic Light Emitting Diode:有機発光ダイオード)を備えた表示装置は、低消費電力化、薄型化及び高画質化などを実現できる点から、高い注目を浴びている。
【0003】
しかしながら、OLEDを備えた表示装置の製造工程においては、R/G/B画素塗分け精度に関して満足できる程の工程マージンを確保することができず、より広い工程マージン(製品の設計マージン)を確保するための研究が盛んになされている。
【0004】
例えば、特許文献1には、より広い工程マージン(製品の設計マージン)を確保できる、第1サブ画素と、第2サブ画素と、第3サブ画素とを含む画素の配列を有するOLEDを備えた表示装置について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】日本国特表2018-526683公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載されているOLEDを備えた表示装置の場合、第2サブ画素の端部である4辺から同距離に各辺に1つずつ合計4つの第1サブ画素が配置され、同様に、第3サブ画素の端部である4辺から同距離にも各辺に1つずつ合計4つの第1サブ画素が配置された画素構成を有する。
【0007】
一般的にOLEDの発光層の形成工程において用いられる蒸着マスクは、複数のディバイデッドマスクが架張方向に架張された状態でマスクフレームに固定されて形成される場合が多い。このような蒸着マスクの場合、各ディバイデッドマスクが有する複数の蒸着用開口の前記架張方向と直交する方向におけるアライメントのズレ(揺れ)量が前記架張方向におけるアライメントのズレ(揺れ)量より大きい。
【0008】
特許文献1に記載されているOLEDを備えた表示装置の場合、前記蒸着マスクに含まれる各ディバイデッドマスクが有する複数の蒸着用開口の前記架張方向と直交する方向におけるアライメントのズレ量が前記架張方向におけるアライメントのズレ量より大きいことについて全く考慮していないため、上述した画素構成となっている。したがって、特許文献1に記載されているOLEDを備えた表示装置においては、1画素内の発光領域の面積を不必要に狭くしながら工程マージン(製品の設計マージン)を広げているという問題がある。
【0009】
本開示の一態様は、前記の問題点に鑑みてなされたものであり、1画素内の発光領域の面積を不必要に狭くすることなく、より広い工程マージン(製品の設計マージン)を確保することができる表示装置と、表示パネルと、表示装置の製造方法とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の表示装置は、前記の課題を解決するために、
基板と、
前記基板上に、それぞれが、第1電極と、発光層を含む機能層と、第2電極とを、前記基板側からこの順に備えた、第1発光素子、第2発光素子及び第3発光素子と、
それぞれが、前記第1発光素子と、前記第2発光素子と、前記第3発光素子とを含む複数の画素と、を含み、
前記第1発光素子の前記第1電極と前記第1発光素子の前記機能層とが接触して形成される第1接触面と、前記第2発光素子の前記第1電極と前記第2発光素子の前記機能層とが接触して形成される第2接触面との間の第1方向に沿う最短幅W1は、前記第3発光素子の前記第1電極と前記第3発光素子の前記機能層とが接触して形成される第3接触面と前記第1接触面及び前記第2接触面の少なくとも一方との間の前記第1方向と直交する第2方向に沿う最短幅W2より小さい。
【0011】
本開示の表示パネルは、前記の課題を解決するために、
前記表示装置を複数個備え、
前記複数個の表示装置のそれぞれが備える前記基板は一体として形成されており、
前記複数個の表示装置は、第1表示装置、第2表示装置及び第3表示装置を含み、
前記第2表示装置の各画素における前記最短幅W2/前記最短幅W1の値は、前記第1表示装置の各画素における前記最短幅W2/前記最短幅W1の値及び前記第3表示装置の各画素における前記最短幅W2/前記最短幅W1の値より大きく、
前記第1表示装置は、一体として形成された前記基板の前記第1方向の一方側の端部に配置され、
前記第3表示装置は、一体として形成された前記基板の前記第1方向の他方側の端部に配置され、
前記第2表示装置は、前記第1表示装置と前記第3表示装置との間の中間位置に配置されている。
【0012】
本開示の表示装置の製造方法は、前記の課題を解決するために、
基板上に、第1発光素子と、第2発光素子と、第3発光素子とを含む画素を複数個備えた表示装置の製造方法であって、
前記基板上に第1電極を形成する第1電極形成工程と、
前記第1発光素子の前記第1電極、前記第2発光素子の前記第1電極及び前記第3発光素子の前記第1電極のそれぞれの端部を覆うとともに、前記第1発光素子の前記第1電極の一部を露出させる第1開口と前記第2発光素子の前記第1電極の一部を露出させる第2開口と前記第3発光素子の前記第1電極の一部を露出させる第3開口とを含み、前記第1開口及び前記第2開口は、第1方向に沿うN-1行及びN行(前記Nは2以上の偶数である)のうちの一方に前記画素毎に互いに隣接するように配置され、前記第3開口は、前記N-1行及び前記N行のうちの他方に前記画素毎に配置され、前記第1開口と、前記第2開口との間の前記第1方向に沿う最短幅W1は、前記第3開口と前記第1開口及び前記第2開口の少なくとも一方との間の前記第1方向と直交する第2方向に沿う最短幅W2より小さいエッジカバー層を形成するエッジカバー層形成工程と、
前記第1発光素子の第1発光層と、前記第2発光素子の第2発光層と、前記第3発光素子の第3発光層とを、形成する発光層形成工程と、
前記第1発光素子の前記第1発光層上と、前記第2発光素子の前記第2発光層上と、前記第3発光素子の前記第3発光層上とに、第2電極を形成する第2電極形成工程と、を含む。
【発明の効果】
【0013】
本開示の一態様は、1画素内の発光領域の面積を不必要に狭くすることなく、より広い工程マージン(製品の設計マージン)を確保することができる表示装置と、表示パネルと、表示装置の製造方法とを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】(a)は、実施形態1の表示装置の製造工程において用いられる蒸着マスクに含まれるディバイデッドマスクの概略的な構成を示す平面図であり、(b)は、実施形態1の表示装置の製造工程において用いられる蒸着マスクの概略的な構成を示す平面図であり、(c)は、(b)に示す蒸着マスクの各ディバイデッドマスクが有する複数の蒸着用開口の架張方向と直交する方向のずれ量と架張方向のずれ量とが異なることを示す図である。
図2】実施形態1の表示装置の概略的な構成を示す平面図である。
図3図2に示すA-A’線に沿った実施形態1の表示装置の概略的な構成を示す断面図である。
図4】実施形態1の表示装置に含まれる、第1開口、第2開口及び第3開口を含むエッジカバー層までが形成されたアクティブマトリクス基板の概略的な構成を示す平面図である。
図5図4に示すB-B’線に沿ったアクティブマトリクス基板の概略的な構成を示す断面図である。
図6図4及び図5に示すアクティブマトリクス基板上に、正孔輸送層と、緑色発光層と、赤色発光層と、青色発光層とを、この順に形成した後を示す図である。
図7】(a)、(b)及び(c)は、実施形態1の表示装置の赤色発光素子に備えられた赤色発光層の形成工程において、より広い工程マージンを確保できる理由を説明するための図である。
図8】(a)、(b)及び(c)は、実施形態1の表示装置の緑色発光素子に備えられた緑色発光層の形成工程において、より広い工程マージンを確保できる理由を説明するための図である。
図9】(a)、(b)及び(c)は、実施形態1の表示装置の青色発光素子に備えられた青色発光層の形成工程において、より広い工程マージンを確保できる理由を説明するための図である。
図10】実施形態2の表示パネルの製造工程において用いられる蒸着マスクに含まれるディバイデッドマスクの概略的な構成を示す平面図である。
図11】実施形態2の表示パネルの概略的な構成を示す平面図である。
図12】実施形態3の表示パネルの概略的な構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態について、図1から図12に基づいて説明すれば、次の通りである。以下、説明の便宜上、特定の実施形態にて説明した構成と同一の機能を有する構成については、同一の符号を付記し、その説明を省略する場合がある。
【0016】
〔実施形態1〕
図1の(a)は、実施形態1の表示装置1の製造工程において用いられる蒸着マスクMに含まれるディバイデッドマスクDMの概略的な構成を示す平面図である。
【0017】
図1の(a)に示すディバイデッドマスクDMは、例えば、ロール状の厚さ30μmのインバー薄板材に、図1の(a)のX部分の部分拡大図に示す蒸着用開口MKを形成するための露光、現像及びエッチング工程と、個別化のための切断工程とを行い得ることができる。なお、インバー薄板材の厚さは、10μm以上、50μm以下のものを用いることが好ましく、本実施形態においては、厚さ30μmのものを用いたが、これに限定されることはない。
【0018】
また、本実施形態においては、ディバイデッドマスクDMを、インバー薄板材を用いて形成した場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはなく、ディバイデッドマスクDMは、インバー薄板材以外の金属薄板材や合金薄板材を用いて形成してもよい。
【0019】
図1の(a)に示すように、ディバイデッドマスクDMを、図中の左右方向である第1方向XDに沿う、架張方向KDと、架張方向KDの反対方向である架張方向KD’とに、架張した場合、ディバイデッドマスクDMが有する複数の蒸着用開口MKの架張方向KD・KD’と直交する方向で第2方向YDにおけるアライメントのズレ(揺れ)量YD’は、架張方向KD・KD’である第1方向XDにおけるアライメントのズレ(揺れ)量XD’より大きい。
【0020】
本実施形態においては、図1の(a)に示すように、ディバイデッドマスクDMが、複数の蒸着用開口MKを含む第1蒸着用開口群R1と、複数の蒸着用開口MKを含む第2蒸着用開口群R2と、複数の蒸着用開口MKを含む第3蒸着用開口群R3と、複数の蒸着用開口MKを含む第4蒸着用開口群R4とを備えている場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはなく、蒸着用開口群の数は適宜決定することができる。
【0021】
一つの蒸着用開口群は、一つの表示装置に対応しているので、ディバイデッドマスクDMのように、第1蒸着用開口群R1~第4蒸着用開口群R4を備えている場合、一つのディバイデッドマスクDMは、4個の表示装置に対応している。
【0022】
また、複数の蒸着用開口MKの第2方向YDにおける蒸着時のアライメントのズレ量YD’は、ディバイデッドマスクDMの第1方向XDの両端から中央部分に行く程、大きくなる。すなわち、第2蒸着用開口群R2及び第3蒸着用開口群R3に属する複数の蒸着用開口MKの第2方向YDにおけるアライメントのズレ量YD’は、第1蒸着用開口群R1及び第4蒸着用開口群R4に属する複数の蒸着用開口MKの第2方向YDにおけるアライメントのズレ量YD’より大きい。一方、複数の蒸着用開口MKの第1方向XDにおけるアライメントのズレ(揺れ)量XD’は、マスク架張時の精度によって決まり、ディバイデッドマスクDMの第1方向XDの両端でも、中央部分でも大きな差がない。すなわち、第1蒸着用開口群R1、第2蒸着用開口群R2、第3蒸着用開口群R3及び第4蒸着用開口群R4に属する複数の蒸着用開口MKの第1方向XDにおけるアライメントのズレ(揺れ)量XD’は、大きな差がない。
【0023】
図1の(b)は、実施形態1の表示装置1の製造工程において用いられる蒸着マスクMの概略的な構成を示す平面図である。
【0024】
図1の(b)に示すように、蒸着マスクMは、複数個のディバイデッドマスクDMのそれぞれが、架張方向KD・KD’に架張された状態で、隙間なく、中央部に大きな開口を有する枠状のマスクフレームMFに固定部KBによって固定されて、形成される。
【0025】
図1の(b)に示す蒸着マスクMは、実施形態1の表示装置1の製造工程中において、緑色発光層を形成する工程で用いられる蒸着マスクであり、実施形態1の表示装置1の製造工程中には、図示してないが、図1の(b)に示す蒸着マスクMと同様に形成された、赤色発光層を形成する工程で用いられる蒸着マスクと、青色発光層を形成する工程で用いられる蒸着マスクとがさらに用いられる。
【0026】
図1の(c)は、図1の(b)に示す蒸着マスクMの各ディバイデッドマスクDMが有する複数の蒸着用開口MKの架張方向KD・KD’と直交する方向YDのズレ量YD’と架張方向KD・KD’のズレ量XD’とが蒸着アライメント時に異なることを示す図である。
【0027】
図1の(c)中の黒点及び灰色点は、何れも、実施形態1の表示装置1の製造工程中において、緑色発光層を形成する工程で用いられる蒸着マスクMの複数の蒸着用開口MKのズレ量の測定結果の一例であり、複数の蒸着用開口MKの第1方向XD及び第2方向YDのズレ量XD’・YD’の分布を示す。黒点は、蒸着マスクMの第2蒸着用開口群R2に属する複数の蒸着用開口MKの一部のズレ量XD’・YD’の結果であり、灰色点は、蒸着マスクMの第3蒸着用開口群R3に属する複数の蒸着用開口MKの一部のズレ量XD’・YD’の結果である。何れの結果においても、架張方向KD・KD’と直交する方向YDのズレ量YD’は、架張方向KD・KD’のズレ量XD’の2倍程度となっている。図示してないが、図1の(b)に示す蒸着マスクMと同様に形成された、実施形態1の表示装置1の製造工程中において、赤色発光層を形成する工程で用いられる蒸着マスクの蒸着用開口のズレ量の結果及び青色発光層を形成する工程で用いられる蒸着マスクの蒸着用開口のズレ量の結果も同様である。
【0028】
図2は、実施形態1の表示装置1の概略的な構成を示す平面図である。
【0029】
図2に示すように、表示装置1は、額縁領域NDAと、表示領域DAとを備えている。表示装置1の表示領域DAには、複数の画素PIXが備えられており、各画素PIXは、それぞれ、赤色サブ画素RSPと、緑色サブ画素GSPと、青色サブ画素BSPとを含む。本実施形態においては、1画素PIXが、赤色サブ画素RSPと、緑色サブ画素GSPと、青色サブ画素BSPとで構成される場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはない。例えば、1画素PIXは、赤色サブ画素RSP、緑色サブ画素GSP及び青色サブ画素BSPの他に、さらに他の色のサブ画素を含んでいてもよい。また、図2に示す1画素PIXを構成する赤色サブ画素RSP、緑色サブ画素GSP及び青色サブ画素BSPの配置位置や形状や大きさは、一例であるので、これに限定されることはなく、適宜決定することができる。
【0030】
図3は、図2に示すA-A’線に沿った実施形態1の表示装置1の概略的な構成を示す断面図である。
【0031】
図3に示すように、表示装置1の表示領域DAにおいては、基板12上に、バリア層3と、トランジスタTRを含む薄膜トランジスタ層4と、赤色発光素子5R、緑色発光素子5G、青色発光素子5B及びエッジカバー層23と、封止層6と、機能フィルム39とが、基板12側からこの順に備えられている。
【0032】
表示装置1の表示領域DAに備えられた緑色サブ画素GSPは緑色発光素子5G(第1発光素子)を含み、表示装置1の表示領域DAに備えられた赤色サブ画素RSPは赤色発光素子5R(第2発光素子)を含み、表示装置1の表示領域DAに備えられた青色サブ画素BSPは青色発光素子5B(第3発光素子)を含む。緑色サブ画素GSPに含まれる緑色発光素子5Gは、第1電極22(アノード)と、緑色発光層を含む機能層24Gと、第2電極25(カソード)とを含み、赤色サブ画素RSPに含まれる赤色発光素子5Rは、第1電極22(アノード)と、赤色発光層を含む機能層24Rと、第2電極25(カソード)とを含み、青色サブ画素BSPに含まれる青色発光素子5Bは、第1電極22(アノード)と、青色発光層を含む機能層24Bと、第2電極25(カソード)とを含む。
【0033】
基板12は、例えば、ポリイミドなどの樹脂材料からなる樹脂基板であってもよく、ガラス基板であってもよい。本実施形態においては、表示装置1を可撓性表示装置とするため、基板12として、ポリイミドなどの樹脂材料からなる樹脂基板を用いた場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはない。表示装置1を非可撓性表示装置とする場合には、基板12として、ガラス基板を用いることができる。
【0034】
バリア層3は、水、酸素などの異物がトランジスタTR、赤色発光素子5R、緑色発光素子5G及び青色発光素子5Bに侵入することを防ぐ層であり、例えば、CVD法により形成される、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、あるいは酸窒化シリコン膜、またはこれらの積層膜で構成することができる。
【0035】
トランジスタTRを含む薄膜トランジスタ層4のトランジスタTR部分は、半導体膜SEM及びドープされた半導体膜SEM’・SEM’’と、無機絶縁膜16と、ゲート電極Gと、無機絶縁膜18と、無機絶縁膜20と、ソース電極S及びドレイン電極Dと、平坦化膜21とを含み、トランジスタTRを含む薄膜トランジスタ層4のトランジスタTR部分以外の部分は、無機絶縁膜16と、無機絶縁膜18と、無機絶縁膜20と、平坦化膜21とを含む。
【0036】
半導体膜SEM・SEM’・SEM’’は、例えば、低温ポリシリコン(LTPS)あるいは酸化物半導体(例えば、In-Ga-Zn-O系の半導体)で構成してもよい。本実施形態においては、トランジスタTRがトップゲート構造である場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはなく、トランジスタTRは、ボトムゲート構造であってもよい。
【0037】
ゲート電極Gと、ソース電極S及びドレイン電極Dとは、例えば、アルミニウム、タングステン、モリブデン、タンタル、クロム、チタン、銅の少なくとも1つを含む金属の単層膜あるいは積層膜によって構成できる。
【0038】
無機絶縁膜16、無機絶縁膜18及び無機絶縁膜20は、例えば、CVD法によって形成された、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜または、これらの積層膜によって構成することができる。
【0039】
平坦化膜21は、例えば、ポリイミド、アクリルなどの塗布可能な有機材料によって構成することができる。
【0040】
緑色発光素子5Gは、平坦化膜21よりも上層の第1電極22(アノード)と、緑色発光層を含む機能層24Gと、第2電極25(カソード)とを含み、赤色発光素子5Rは、平坦化膜21よりも上層の第1電極22(アノード)と、赤色発光層を含む機能層24Rと、第2電極25(カソード)とを含み、青色発光素子5Bは、平坦化膜21よりも上層の第1電極22(アノード)と、青色発光層を含む機能層24Bと、第2電極25(カソード)とを含む。なお、第1電極22(アノード)のエッジを覆う絶縁性のエッジカバー層23は、例えば、ポリイミドまたはアクリルなどの有機材料を塗布した後にフォトリソグラフィー法によってパターニングすることで形成できる。
【0041】
緑色発光層を含む機能層24Gは、例えば、第1電極22(アノード)側から順に、正孔注入層、正孔輸送層、緑色発光層、電子輸送層及び電子注入層を積層することで構成することができる。緑色発光層を含む機能層24Gのうち、緑色発光層以外の正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層及び電子注入層の1層以上を適宜省いてもよい。本実施形態においては、緑色発光層を含む機能層24Gを、第1電極22(アノード)側から順に、正孔注入層、正孔輸送層、緑色発光層、電子輸送層及び電子注入層を積層することで構成した場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはない。
【0042】
赤色発光層を含む機能層24Rは、例えば、第1電極22(アノード)側から順に、正孔注入層、正孔輸送層、赤色発光層、電子輸送層及び電子注入層を積層することで構成することができる。赤色発光層を含む機能層24Rのうち、赤色発光層以外の正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層及び電子注入層の1層以上を適宜省いてもよい。本実施形態においては、赤色発光層を含む機能層24Rを、第1電極22(アノード)側から順に、正孔注入層、正孔輸送層、赤色発光層、電子輸送層及び電子注入層を積層することで構成した場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはない。
【0043】
青色発光層を含む機能層24Bは、例えば、第1電極22(アノード)側から順に、正孔注入層、正孔輸送層、青色発光層、電子輸送層及び電子注入層を積層することで構成することができる。青色発光層を含む機能層24Bのうち、青色発光層以外の正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層及び電子注入層の1層以上を適宜省いてもよい。本実施形態においては、青色発光層を含む機能層24Bを、第1電極22(アノード)側から順に、正孔注入層、正孔輸送層、青色発光層、電子輸送層及び電子注入層を積層することで構成した場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはない。
【0044】
また、本実施形態においては、赤色発光層を含む機能層24R、緑色発光層を含む機能層24G及び青色発光層を含む機能層24Bのそれぞれが、同一材料を用いて同一工程で形成された正孔注入層と、同一材料を用いて同一工程で形成された正孔輸送層と、同一材料を用いて同一工程で形成された電子輸送層と、同一材料を用いて同一工程で形成された電子注入層とを備えている場合を一例に挙げて説明するがこれに限定されることはない。例えば、各機能層24R・24G・24Bに含まれるそれぞれの正孔注入層を、互いに異なる材料で形成してもよく、例えば、機能層24R・24G・24Bのうちの2つの機能層のそれぞれに含まれる正孔注入層は同一材料を用いて同一工程で形成し、残りの1つの機能層に含まれる正孔注入層のみを異なる材料を用いて別工程で形成してもよい。また、例えば、各機能層24R・24G・24Bに含まれるそれぞれの正孔輸送層を、互いに異なる材料で形成してもよく、例えば、機能層24R・24G・24Bのうちの2つの機能層のそれぞれに含まれる正孔輸送層は同一材料を用いて同一工程で形成し、残りの1つの機能層に含まれる正孔輸送層のみを異なる材料を用いて別工程で形成してもよい。また、例えば、各機能層24R・24G・24Bに含まれるそれぞれの電子輸送層を、互いに異なる材料で形成してもよく、例えば、機能層24R・24G・24Bのうちの2つの機能層のそれぞれに含まれる電子輸送層は同一材料を用いて同一工程で形成し、残りの1つの機能層に含まれる電子輸送層のみを異なる材料を用いて別工程で形成してもよい。さらに、例えば、各機能層24R・24G・24Bに含まれるそれぞれの電子注入層を、互いに異なる材料で形成してもよく、例えば、機能層24R・24G・24Bのうちの2つの機能層のそれぞれに含まれる電子注入層は同一材料を用いて同一工程で形成し、残りの1つの機能層に含まれる電子注入層のみを異なる材料を用いて別工程で形成してもよい。
【0045】
赤色発光素子5R、緑色発光素子5G及び青色発光素子5Bのそれぞれを制御するトランジスタTRを含む制御回路が、赤色サブ画素RSP、緑色サブ画素GSP及び青色サブ画素BSPごとにトランジスタTRを含む薄膜トランジスタ層4に設けられている。なお、赤色サブ画素RSP、緑色サブ画素GSP及び青色サブ画素BSPごとに設けられているトランジスタTRを含む制御回路と発光素子とを合わせてサブ画素回路ともいう。
【0046】
図3に示す赤色発光素子5R、緑色発光素子5G及び青色発光素子5Bは、トップエミッション型であっても、ボトムエミッション型であってもよい。赤色発光素子5R、緑色発光素子5G及び青色発光素子5Bは、基板12側から、第1電極22(アノード)と、機能層24R・24G・24Bと、第2電極25(カソード)とが、この順に形成された順積構造を有するので、第1電極22(アノード)より第2電極25(カソード)が上層として配置されるので、トップエミッション型にするためには、第1電極22(アノード)は可視光を反射する電極材料で形成し、第2電極25(カソード)は可視光を透過する電極材料で形成すればよく、ボトムエミッション型にするためには、第1電極22(アノード)は可視光を透過する電極材料で形成し、第2電極25(カソード)は可視光を反射する電極材料で形成すればよい。一方、図示してないが、赤色発光素子5R、緑色発光素子5G及び青色発光素子5Bが、基板12側から、第1電極22(カソード)と、機能層24R・24G・24Bと、第2電極25(アノード)とが、この順に形成された逆積構造を有する場合には、第1電極22(カソード)より第2電極25(アノード)が上層として配置されるので、トップエミッション型にするためには、第1電極22(カソード)は可視光を反射する電極材料で形成し、第2電極25(アノード)は可視光を透過する電極材料で形成すればよく、ボトムエミッション型にするためには、第2電極25(アノード)は可視光を反射する電極材料で形成し、第1電極22(カソード)は可視光を透過する電極材料で形成すればよい。
【0047】
可視光を反射する電極材料としては、可視光を反射でき、導電性を有するのであれば、特に限定されないが、例えば、Al、Mg、Li、Agなどの金属材料または、前記金属材料の合金または、前記金属材料と透明金属酸化物(例えば、indium tin oxide、indium zinc oxide、indium gallium zinc oxideなど)との積層体または、前記合金と前記透明金属酸化物との積層体などを挙げることができる。
【0048】
一方、可視光を透過する電極材料としては、可視光を透過でき、導電性を有するのであれば、特に限定されないが、例えば、透明金属酸化物(例えば、indium tin oxide、indium zinc oxide、indium gallium zinc oxideなど)または、Al、Mg、Li、Agなどの金属材料からなる薄膜などを挙げることができる。
【0049】
第1電極22(アノード)及び第2電極25(カソード)の成膜方法としては、一般的な電極の形成方法を用いることができ、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、EB蒸着法、イオンプレーティング法などの物理的蒸着(PVD)法、あるいは、化学的蒸着(CVD)法などを挙げることができる。また、第1電極22(アノード)及び第2電極25(カソード)のパターニング方法としては、所望のパターンに精度よく形成することができる方法であれば特に限定されるものではないが、具体的にはフォトリソグラフィー法やインクジェット法などを挙げることができる。
【0050】
封止層6は透光性膜であり、例えば、第2電極25(カソード)を覆う無機封止膜26と、無機封止膜26よりも上層の有機膜27と、有機膜27よりも上層の無機封止膜28とで構成することができる。封止層6は、水、酸素などの異物の赤色発光素子5R、緑色発光素子5G及び青色発光素子5Bへの浸透を防いでいる。
【0051】
無機封止膜26及び無機封止膜28はそれぞれ無機膜であり、例えば、CVD法により形成される、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、あるいは酸窒化シリコン膜、またはこれらの積層膜で構成することができる。有機膜27は、平坦化効果のある透光性有機膜であり、例えば、アクリルなどの塗布可能な有機材料によって構成することができる。有機膜27は、例えば、インクジェット法によって形成してもよい。本実施形態においては、封止層6を、2層の無機膜と2層の無機膜の間に設けられた1層の有機膜とで形成した場合を一例に挙げて説明したが、2層の無機膜と1層の有機膜の積層順はこれに限定されることはない。さらに、封止層6は、無機膜のみで構成されてもよく、有機膜のみで構成されてもよく、1層の無機膜と2層の有機膜とで構成されてもよく、2層以上の無機膜と2層以上の有機膜とで構成されてもよい。
【0052】
機能フィルム39は、例えば、光学補償機能、タッチセンサ機能、保護機能の少なくとも1つを有するフィルムである。
【0053】
図3に示すように、表示装置1においては、緑色発光素子5Gの第1電極22と緑色発光層を含む機能層24Gとが接触して形成される第1接触面と、緑色発光素子5Rの第1電極22と緑色発光層を含む機能層24Rとが接触して形成される第2接触面との間の第1方向XDに沿う最短幅W1は、青色発光素子5Bの第1電極22と青色発光層を含む機能層24Bとが接触して形成される第3接触面と前記第1接触面及び前記第2接触面の少なくとも一方との間の第1方向XDと直交する第2方向YDに沿う最短幅W2より小さい。
【0054】
表示装置1の場合、より広い工程マージン(製品の設計マージン)を確保するために、前記第3接触面と前記第1接触面及び前記第2接触面の少なくとも一方との間の第2方向YDに沿う最短幅W2を、例えば、22μmと比較的大きく設定し、一方、1画素内の発光領域の面積を不必要に狭くしないように、前記第1接触面と前記第2接触面との間の第1方向XDに沿う最短幅W1を、例えば、18μmと比較的小さく設定した。したがって、上述したような各ディバイデッドマスクDMが有する複数の蒸着用開口MKの架張方向KD・KD’と直交する第2方向YDのズレ量YD’が、架張方向KD・KD’である第1方向XDのズレ量XD’より大きい蒸着マスクを用いて、緑色発光層、赤色発光層及び青色発光層の少なくとも一つを形成する場合、1画素内の発光領域の面積を不必要に狭くすることなく、より広い工程マージン(製品の設計マージン)を確保することができる。なお、本実施形態においては、最短幅W2が22μmであり、最短幅W1が18μmである場合を一例に挙げて説明したが、これに限定されることはなく、最短幅W2が最短幅W1より大きければよく、最短幅W2/最短幅W1の値は、1.2以上、1.5以下であることが好ましい。
【0055】
図4は、実施形態1の表示装置1に含まれる、第1開口23K、第2開口23K’及び第3開口23K’’を含むエッジカバー層23までが形成されたアクティブマトリクス基板10の概略的な構成を示す平面図である。
【0056】
図5は、図4に示すB-B’線に沿ったアクティブマトリクス基板10の概略的な構成を示す断面図である。
【0057】
図6は、図4及び図5に示すアクティブマトリクス基板10上に、正孔輸送層24HTと、緑色発光層24GHと、赤色発光層24RHと、青色発光層24BHとを、この順に形成した後を示す図である。
【0058】
基板12上に、緑色発光素子5Gと、赤色発光素子5Rと、青色発光素子5Bとを含む画素PIXを複数個備えた表示装置1の製造方法は、図5に示すように、基板12上に第1電極22を形成する第1電極形成工程と、図4及び図5に示すように、エッジカバー層23を形成するエッジカバー層形成工程と、図6に示すように、緑色発光素子5Gの緑色発光層24GHと、赤色発光素子5Rの赤色発光層24RHと、青色発光素子5Bの青色発光層24BHとを、形成する発光層形成工程と、図3に示すように、緑色発光素子5Gの緑色発光層24GHを含む機能層24G上と、赤色発光素子5Rの赤色発光層24RHを含む機能層24R上と、青色発光素子5Bの青色発光層24BHを含む機能層24B上とに、第2電極25を形成する第2電極形成工程と、を含む。
【0059】
図4及び図5に示すように、エッジカバー層23を形成するエッジカバー層形成工程においては、緑色発光素子5Gの第1電極22、赤色発光素子5Rの第1電極22及び青色発光素子5Bの第1電極22のそれぞれの端部を覆うとともに、緑色発光素子5Gの第1電極22の一部を露出させる第1開口23Kと赤色発光素子5Rの第1電極22の一部を露出させる第2開口23K’と青色発光素子5Bの第1電極22の一部を露出させる第3開口23K’’とを含み、第1開口23K及び第2開口23K’は、第1方向XDに沿うN-1行及びN行(前記Nは2以上の偶数である)のうちの一方に画素PIX毎に互いに隣接するように配置され、第3開口23K’’は、前記N-1行及び前記N行のうちの他方に画素PIX毎に配置され、第1開口23Kと、第2開口23K’との間の第1方向XDに沿う最短幅W1は、第3開口23K’’と第1開口23K及び第2開口23K’の少なくとも一方との間の第1方向XDと直交する第2方向YDに沿う最短幅W2より小さいエッジカバー層23を形成する。
【0060】
なお、エッジカバー層23の第1開口23Kは、上述した緑色発光素子5Gの第1電極22と緑色発光層を含む機能層24Gとが接触して形成される第1接触面と同一形状であり、エッジカバー層23の第2開口23K’は、上述した赤色発光素子5Rの第1電極22と赤色発光層を含む機能層24Rとが接触して形成される第2接触面と同一形状であり、エッジカバー層23の第3開口23K’’は、上述した青色発光素子5Bの第1電極22と青色発光層を含む機能層24Bとが接触して形成される第3接触面と同一形状である。
【0061】
したがって、前記第1接触面を含む緑色発光素子5G及び前記第2接触面を含む赤色発光素子5Rは、第1方向XDに沿うN-1行及びN行(前記Nは2以上の偶数である)のうちの一方に画素PIX毎に互いに隣接するように配置され、前記第3接触面を含む青色発光素子5Bは、前記N-1行及び前記N行のうちの他方に画素PIX毎に配置されている。
【0062】
以上のように、より広い工程マージン(製品の設計マージン)を確保するために、第3開口23K’’と第1開口23K及び第2開口23K’の少なくとも一方との間の第2方向YDに沿う最短幅W2を、例えば、22μmと比較的大きく設定し、一方、1画素内の発光領域の面積を不必要に狭くしないように、第1開口23Kと第2開口23K’との間の第1方向XDに沿う最短幅W1を、例えば、18μmと比較的小さく設定した。したがって、表示装置1の製造方法においては、上述したような各ディバイデッドマスクDMが有する複数の蒸着用開口MKの架張方向KD・KD’と直交する第2方向YDのズレ量YD’が、架張方向KD・KD’である第1方向XDのズレ量XD’より大きい蒸着マスクを用いて、緑色発光層、赤色発光層及び青色発光層の少なくとも一つを形成する場合、1画素内の発光領域の面積を不必要に狭くすることなく、より広い工程マージン(製品の設計マージン)を確保することができる。なお、本実施形態においては、第3開口23K’’と第1開口23K及び第2開口23K’の少なくとも一方との間の第2方向YDに沿う最短幅W2が22μmであり、第1開口23Kと第2開口23K’との間の第1方向XDに沿う最短幅W1が18μmである場合を一例に挙げて説明したが、これに限定されることはなく、最短幅W2が最短幅W1より大きければよく、最短幅W2/最短幅W1の値は、1.2以上、1.5以下であることが好ましい。
【0063】
本実施形態においては、図4に示すように、第1開口23K及び第2開口23K’を、第1方向XDに沿う、第1行GY1、第3行GY3、第5行GY5、第7行GY7及び第9行GY9などの奇数行に画素PIX毎に互いに隣接するように配置し、第3開口23K’’を、第1方向XDに沿う、第2行GY2、第4行GY4、第6行GY6、第8行GY8及び第10行GY10などの偶数行に画素PIX毎に配置した場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはない。
【0064】
本実施形態においては、図4に示すように、エッジカバー層23の第3開口23K’’の第1方向XDにおける幅は、エッジカバー層23の第1開口23Kの第1方向XDにおける幅及びエッジカバー層23の第2開口23K’の第1方向XDにおける幅の何れか一方と第1開口23Kと第2開口23K’との間の第1方向XDに沿う最短幅W1とを合わせた幅より大きく、第1開口23K及び第2開口23K’は、第1方向XDに沿う、第1行GY1、第3行GY3、第5行GY5、第7行GY7及び第9行GY9などの奇数行に交互に配置されている。すなわち、上述した青色発光素子5Bの第1電極22と青色発光層を含む機能層24Bとが接触して形成される第3接触面の第1方向XDにおける幅は、上述した緑色発光素子5Gの第1電極22と緑色発光層を含む機能層24Gとが接触して形成される第1接触面の第1方向XDにおける幅及び上述した赤色発光素子5Rの第1電極22と赤色発光層を含む機能層24Rとが接触して形成される第2接触面の第1方向XDにおける幅の何れか一方と前記第1接触面と前記第2接触面との間の第1方向XDに沿う最短幅W1とを合わせた幅より大きく、前記第1接触面を含む緑色発光素子5G及び前記第2接触面を含む赤色発光素子5Rは、第1方向XDに沿う、第1行GY1、第3行GY3、第5行GY5、第7行GY7及び第9行GY9などの奇数行に交互に配置されている場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはない。
【0065】
また、本実施形態においては、図4に示すように、エッジカバー層23の第3開口23K’’の大きさは、エッジカバー層23の第1開口23Kの大きさ及びエッジカバー層23の第2開口23K’の大きさより大きい。すなわち、上述した青色発光素子5Bの第1電極22と青色発光層を含む機能層24Bとが接触して形成される第3接触面の大きさは、上述した緑色発光素子5Gの第1電極22と緑色発光層を含む機能層24Gとが接触して形成される第1接触面の大きさ及び上述した赤色発光素子5Rの第1電極22と赤色発光層を含む機能層24Rとが接触して形成される第2接触面の大きさより大きい場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはない。
【0066】
さらに、本実施形態においては、図4に示すように、第1画素PIX、第2画素PIX及び第3画素PIXが、この順に第1方向XDに沿って配置された隣接する3つの画素である場合、第1画素PIX及び第3画素PIXの一方に含まれるエッジカバー層23の第3開口23K’’と第2画素PIXに含まれるエッジカバー層23の第3開口23K’’との間の第1方向XDに沿う最短幅W3は、第1画素PIX及び第3画素PIXの他方に含まれるエッジカバー層23の第3開口23K’’と第2画素PIXに含まれるエッジカバー層23の第3開口23K’’との間の第1方向XDに沿う最短幅W4より小さい。すなわち、第1画素PIX、第2画素PIX及び第3画素PIXが、この順に第1方向XDに沿って配置された隣接する3つの画素である場合、第1画素PIX及び第3画素PIXの一方に含まれる上述した青色発光素子5Bの第1電極22と青色発光層を含む機能層24Bとが接触して形成される第3接触面と第2画素PIXに含まれる上述した青色発光素子5Bの第1電極22と青色発光層を含む機能層24Bとが接触して形成される第3接触面との間の第1方向XDに沿う最短幅W3は、第1画素PIX及び第3画素PIXの他方に含まれる上述した青色発光素子5Bの第1電極22と青色発光層を含む機能層24Bとが接触して形成される第3接触面と第2画素PIXに含まれる上述した青色発光素子5Bの第1電極22と青色発光層を含む機能層24Bとが接触して形成される第3接触面との間の第1方向XDに沿う最短幅W4より小さい場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはない。
【0067】
図6に示すように、図4及び図5に示すアクティブマトリクス基板10上に、正孔輸送層24HTを表示領域DAの全面に形成した後、緑色発光層24GHと、赤色発光層24RHと、青色発光層24BHとを、以下のように、この順に形成した。
【0068】
緑色発光層24GHを形成する工程では、図1の(b)に示すように、同形状及び同ピッチで、エッジカバー層23の第1開口23Kの位置に対応して形成された複数の蒸着用開口MKを有するとともに、第1方向XDと第1方向XDの反対方向とに架張されている蒸着マスクMを用いて、第1開口23Kを介して露出する緑色発光素子5Gの第1電極22上に緑色発光層24GHを形成した。図6において、緑色発光層24GHの蒸着領域は点線で図示している。
【0069】
赤色発光層24RHを形成する工程では、図1の(b)に示す蒸着マスクMと同様に形成された、同形状及び同ピッチで、エッジカバー層23の第2開口23K’の位置に対応して形成された複数の蒸着用開口を有するとともに、第1方向XDと第1方向XDの反対方向とに架張されている赤色発光層24RH用の蒸着マスクを用いて、第2開口23K’を介して露出する赤色発光素子5Rの第1電極22上に赤色発光層24RHを形成した。図6において、赤色発光層24RHの蒸着領域は点線で図示している。
【0070】
青色発光層24BHを形成する工程では、図1の(b)に示す蒸着マスクMと同様に形成された、同形状及び同ピッチで、エッジカバー層23の第3開口23K’’の位置に対応して形成された複数の蒸着用開口を有するとともに、第1方向XDと第1方向XDの反対方向とに架張されている青色発光層24BH用の蒸着マスクを用いて、第3開口23K’’を介して露出する青色発光素子5Bの第1電極22上に青色発光層24BHを形成した。図6において、青色発光層24BHの蒸着領域は点線で図示している。
【0071】
本実施形態においては、緑色発光層24GHと、赤色発光層24RHと、青色発光層24BHとを、この順に形成した場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはなく、発光層はどのような順序で形成されてもよい。
【0072】
図7の(a)、図7の(b)及び図7の(c)は、実施形態1の表示装置1の赤色発光素子5Rに備えられた赤色発光層24RHの形成工程において、より広い工程マージンを確保できる理由を説明するための図である。
【0073】
図7の(a)は、赤色発光層24RH用の蒸着マスクの複数の蒸着用開口の第2方向YDにおけるアライメントのズレ(揺れ)量YD’が殆どない場合の赤色発光層24RHの蒸着領域を示す。
【0074】
図7の(b)は、赤色発光層24RH用の蒸着マスクの複数の蒸着用開口の第2方向YDにおけるアライメントのズレ(揺れ)量YD’が図中の上方向の許容最大値である場合の赤色発光層24RHの蒸着領域を示す。この許容最大値を超えた場合には、赤色発光層24RHがエッジカバー層23の第3開口23K’’に蒸着され、青色発光素子5Bで混色が発生したり、エッジカバー層23の第2開口23K’の一部に赤色発光層24RHが蒸着されず、赤色発光素子5Rの発光領域が狭くなってしまう。
【0075】
図7の(c)は、赤色発光層24RH用の蒸着マスクの複数の蒸着用開口の第2方向YDにおけるアライメントのズレ(揺れ)量YD’が図中の下方向の許容最大値である場合の赤色発光層24RHの蒸着領域を示す。この許容最大値を超えた場合には、赤色発光層24RHがエッジカバー層23の第3開口23K’’に蒸着され、青色発光素子5Bで混色が発生したり、エッジカバー層23の第2開口23K’の一部に赤色発光層24RHが蒸着されず、赤色発光素子5Rの発光領域が狭くなってしまう。
【0076】
本実施形態においては、第3開口23K’’と第1開口23K及び第2開口23K’の少なくとも一方との間の第2方向YDに沿う最短幅W2を、例えば、22μmと比較的大きく設定しているので、赤色発光層24RHを形成する工程において、より広い工程マージン(製品の設計マージン)を確保できる。
【0077】
図8の(a)、図8の(b)及び図8の(c)は、実施形態1の表示装置1の緑色発光素子5Gに備えられた緑色発光層24GHの形成工程において、より広い工程マージンを確保できる理由を説明するための図である。
【0078】
図8の(a)は、緑色発光層24GH用の蒸着マスクMの複数の蒸着用開口MKの第2方向YDにおけるアライメントのズレ(揺れ)量YD’が殆どない場合の緑色発光層24GHの蒸着領域を示す。
【0079】
図8の(b)は、緑色発光層24GH用の蒸着マスクMの複数の蒸着用開口MKの第2方向YDにおけるアライメントのズレ(揺れ)量YD’が図中の上方向の許容最大値である場合の緑色発光層24GHの蒸着領域を示す。この許容最大値を超えた場合には、緑色発光層24GHがエッジカバー層23の第3開口23K’’に蒸着され、青色発光素子5Bで混色が発生したり、エッジカバー層23の第1開口23Kの一部に緑色発光層24GHが蒸着されず、緑色発光素子5Gの発光領域が狭くなってしまう。
【0080】
図8の(c)は、緑色発光層24GH用の蒸着マスクMの複数の蒸着用開口MKの第2方向YDにおけるアライメントのズレ(揺れ)量YD’が図中の下方向の許容最大値である場合の緑色発光層24GHの蒸着領域を示す。この許容最大値を超えた場合には、緑色発光層24GHがエッジカバー層23の第3開口23K’’に蒸着され、青色発光素子5Bで混色が発生したり、エッジカバー層23の第1開口23Kの一部に緑色発光層24GHが蒸着されず、緑色発光素子5Gの発光領域が狭くなってしまう。
【0081】
本実施形態においては、第3開口23K’’と第1開口23K及び第2開口23K’の少なくとも一方との間の第2方向YDに沿う最短幅W2を、例えば、22μmと比較的大きく設定しているので、緑色発光層24GHを形成する工程において、より広い工程マージン(製品の設計マージン)を確保できる。
【0082】
図9の(a)、図9の(b)及び図9の(c)は、実施形態1の表示装置1の青色発光素子5Bに備えられた青色発光層24BHの形成工程において、より広い工程マージンを確保できる理由を説明するための図である。
【0083】
図9の(a)は、青色発光層24BH用の蒸着マスクの複数の蒸着用開口の第2方向YDにおけるアライメントのズレ(揺れ)量YD’が殆どない場合の青色発光層24BHの蒸着領域を示す。
【0084】
図9の(b)は、青色発光層24BH用の蒸着マスクの複数の蒸着用開口の第2方向YDにおけるアライメントのズレ(揺れ)量YD’が図中の上方向の許容最大値である場合の青色発光層24BHの蒸着領域を示す。この許容最大値を超えた場合には、青色発光層24BHがエッジカバー層23の第1開口23K及び第2開口23K’に蒸着され、緑色発光素子5G及び赤色発光素子5Rで混色が発生したり、エッジカバー層23の第3開口23K’’の一部に青色発光層24BHが蒸着されず、青色発光素子5Bの発光領域が狭くなってしまう。
【0085】
図9の(c)は、青色発光層24BH用の蒸着マスクの複数の蒸着用開口の第2方向YDにおけるアライメントのズレ(揺れ)量YD’が図中の下方向の許容最大値である場合の青色発光層24BHの蒸着領域を示す。この許容最大値を超えた場合には、青色発光層24BHがエッジカバー層23の第1開口23K及び第2開口23K’に蒸着され、緑色発光素子5G及び赤色発光素子5Rで混色が発生したり、エッジカバー層23の第3開口23K’’の一部に青色発光層24BHが蒸着されず、青色発光素子5Bの発光領域が狭くなってしまう。
【0086】
本実施形態においては、第3開口23K’’と第1開口23K及び第2開口23K’の少なくとも一方との間の第2方向YDに沿う最短幅W2を、例えば、22μmと比較的大きく設定しているので、青色発光層24BHを形成する工程において、より広い工程マージン(製品の設計マージン)を確保できる。
【0087】
本実施形態においては、上述したように、図1の(b)に示すような大きさの3枚の蒸着マスク(緑色発光層用蒸着マスク、赤色発光層用蒸着マスク及び青色発光層用蒸着マスク)を用いて、緑色発光層24GHと、赤色発光層24RHと、青色発光層24BHとを、大型の表示パネルに形成した。大型の表示パネルは複数の表示装置1を含み、このような大型の表示パネルを分断する分断工程を行うことで、複数の表示装置1を得ることができる。
【0088】
本実施形態においては、大型の表示パネルに含まれるそれぞれの表示装置1において、第3開口23K’’と第1開口23K及び第2開口23K’の少なくとも一方との間の第2方向YDに沿う最短幅W2が22μmで、第1開口23Kと第2開口23K’との間の第1方向XDに沿う最短幅W1が18μmである場合、すなわち、最短幅W2/最短幅W1の値が、大型の表示パネルに含まれるそれぞれの表示装置1において、同じである場合を一例に挙げて説明したが、これに限定されることはなく、後述する実施形態2及び3のように、最短幅W2が最短幅W1より大きいのであれば、大型の表示パネルに含まれるそれぞれの表示装置の最短幅W2/最短幅W1の値は、異なってもよい。
【0089】
〔実施形態2〕
次に、図10及び図11に基づき、本発明の実施形態2について説明する。本実施形態の大型の表示パネル50に含まれる表示装置1A~1Hそれぞれにおいては、一部の表示装置の最短幅W2/最短幅W1の値が異なっている点において、上述した実施形成1とは異なる。その他については実施形態1において説明したとおりである。説明の便宜上、実施形態1の図面に示した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0090】
図10は、実施形態2の表示パネル50の製造工程において用いられる蒸着マスクに含まれるディバイデッドマスクDM’の概略的な構成を示す平面図である。
【0091】
図10に示すディバイデッドマスクDM’は、第1蒸着用開口群R1~第8蒸着用開口群R8を備えているので、一つのディバイデッドマスクDM’は、8個の表示装置に対応している。
【0092】
図10に示すディバイデッドマスクDM’を複数個含む蒸着マスクの製造方法については、実施形態1で既に説明したディバイデッドマスクDMを複数個含む蒸着マスクMの製造方法と同様であるので、ここでは、その説明は省略する。
【0093】
図10に示すディバイデッドマスクDM’の場合、ディバイデッドマスクDM’が有する複数の蒸着用開口の第2方向YDにおけるアライメントのズレ量YD’は、ディバイデッドマスクDM’の第1方向XDの両端から中央部分に行く程、大きくなる。すなわち、第4蒸着用開口群R4及び第5蒸着用開口群R5に属する複数の蒸着用開口の第2方向YDにおけるアライメントのズレ量YD’は、第1蒸着用開口群R1及び第8蒸着用開口群R8に属する複数の蒸着用開口の第2方向YDにおけるアライメントのズレ量YD’より大きい。さらに、第2蒸着用開口群R2及び第7蒸着用開口群R7に属する複数の蒸着用開口の第2方向YDにおけるアライメントのズレ量YD’は、第1蒸着用開口群R1及び第8蒸着用開口群R8に属する複数の蒸着用開口の第2方向YDにおけるアライメントのズレ量YD’より大きく、第3蒸着用開口群R3及び第6蒸着用開口群R6に属する複数の蒸着用開口の第2方向YDにおけるアライメントのズレ量YD’は、第2蒸着用開口群R2及び第7蒸着用開口群R7に属する複数の蒸着用開口の第2方向YDにおけるアライメントのズレ量YD’より大きい。一方、ディバイデッドマスクDM’が有する複数の蒸着用開口の第1方向XDにおけるアライメントのズレ(揺れ)量XD’は、ディバイデッドマスクDM’の第1方向XDの両端でも、中央部分でも大きな差がない。すなわち、第1蒸着用開口群R1~第8蒸着用開口群R8に属する複数の蒸着用開口の第1方向XDにおけるアライメントのズレ(揺れ)量XD’は、大きな差がない。
【0094】
本実施形態においては、図10に示すディバイデッドマスクDM’を複数個含む蒸着マスクを用いる場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはなく、例えば、図1の(b)に示すディバイデッドマスクDMを複数個含む蒸着マスクMを用いてもよい。
【0095】
図11は、実施形態2の表示パネル50の概略的な構成を示す平面図である。
【0096】
図11に示すように、表示パネル50は、複数個の表示装置1A~1Hを含む。そして、複数個の表示装置1A~1Hのそれぞれが備える基板は一体として形成されている。
【0097】
複数個の表示装置1A~1Hは、第1表示装置である表示装置1Aと、第2表示装置である表示装置1D及び表示装置1Eと、第3表示装置である表示装置1Hとを含み、第2表示装置である表示装置1D及び表示装置1Eの各画素PIXにおける最短幅W2/最短幅W1の値は、第1表示装置である表示装置1Aの各画素PIXにおける最短幅W2’/最短幅W1’の値及び第3表示装置である表示装置1Hの各画素PIXにおける最短幅W2’/最短幅W1’の値より大きく、第1表示装置である表示装置1Aは、一体として形成された前記基板の第1方向XDの一方側の端部に配置され、第3表示装置である表示装置1Hは、一体として形成された前記基板の第1方向XDの他方側の端部に配置され、第2表示装置である表示装置1D及び表示装置1Eは、第1表示装置である表示装置1Aと第3表示装置である表示装置1Hとの間の中間位置に配置されている。
【0098】
図11に示すように、第2表示装置である表示装置1D及び表示装置1Eの各画素PIXにおいては、第3開口23K’’と第1開口23K及び第2開口23K’の少なくとも一方との間の第2方向YDに沿う最短幅W2が27μmで、第1開口23Kと第2開口23K’との間の第1方向XDに沿う最短幅W1が18μmである。すなわち、最短幅W2/最短幅W1の値を、1.5に設定した。一方、第1表示装置である表示装置1A及び第3表示装置である表示装置1Hにおいては、第3開口23L’’と第1開口23L及び第2開口23L’の少なくとも一方との間の第2方向YDに沿う最短幅W2’が22μmで、第1開口23Lと第2開口23L’との間の第1方向XDに沿う最短幅W1’が18μmである。すなわち、最短幅W2’/最短幅W1’の値を、約1.2に設定した。
【0099】
図11に示すように、第1表示装置である表示装置1Aと第2表示装置である表示装置1Dとの間には、表示装置1B及び表示装置1Cがさらに備えられ、第3表示装置である表示装置1Hと第2表示装置である表示装置1Eとの間には、表示装置1F及び表示装置1Gがさらに備えられている。例えば、表示装置1Bの各画素PIXにおける最短幅W2/最短幅W1の値を1.3に設定し、表示装置1Cの各画素PIXにおける最短幅W2/最短幅W1の値を1.4に設定し、表示装置1Aから表示装置1Dに近づく程、表示装置1B及び表示装置1Cの各画素PIXにおける最短幅W2/最短幅W1の値が、表示装置1Dの各画素PIXにおける最短幅W2/最短幅W1の値である1.5に段階的に近づくようにしてもよい。同様に、例えば、表示装置1Gの各画素PIXにおける最短幅W2/最短幅W1の値を1.3に設定し、表示装置1Fの各画素PIXにおける最短幅W2/最短幅W1の値を1.4に設定し、表示装置1Hから表示装置1Eに近づく程、表示装置1F及び表示装置1Gの各画素PIXにおける最短幅W2/最短幅W1の値が、表示装置1Eの各画素PIXにおける最短幅W2/最短幅W1の値である1.5に段階的に近づくようにしてもよい。
【0100】
図11に示すように、表示装置1A~1Hの各画素PIXにおいては、第1開口23K・23Lの大きさ、すなわち、緑色発光素子5Gの第1電極22と緑色発光層を含む機能層24Gとが接触して形成される第1接触面の大きさはそれぞれ同一であり、第2開口23K’・23L’の大きさ、すなわち、赤色発光素子5Rの第1電極22と赤色発光層を含む機能層24Rとが接触して形成される第2接触面の大きさはそれぞれ同一であり、第3開口23K’’・23L’’の大きさ、すなわち、青色発光素子5Bの第1電極22と青色発光層を含む機能層24Bとが接触して形成される第3接触面の大きさはそれぞれ同一である。
【0101】
なお、表示装置1A~1Hの各画素PIXにおいては、第1開口23K・23Lの形状、すなわち、緑色発光素子5Gの第1電極22と緑色発光層を含む機能層24Gとが接触して形成される第1接触面の形状はそれぞれ異なり、第2開口23K’・23L’の形状、すなわち、赤色発光素子5Rの第1電極22と赤色発光層を含む機能層24Rとが接触して形成される第2接触面の形状はそれぞれ異なり、第3開口23K’’・23L’’の形状、すなわち、青色発光素子5Bの第1電極22と青色発光層を含む機能層24Bとが接触して形成される第3接触面の形状はそれぞれ異なる。
【0102】
なお、本実施形態においては、一つの表示装置1A~1H内の各画素PIXでは、最短幅W2/最短幅W1の値が同一となるようにしているが、これに限定されることはない。
【0103】
以上のように、表示パネル50に含まれる複数個の表示装置1A~1Hのそれぞれの各画素PIXにおいては、各色の発光層の発光面積を同一にすることができ、大型の表示パネル50を分断する分断工程を行うことで、得られる表示装置1A~1Hそれぞれは、同一グレードの表示装置となる。
【0104】
〔実施形態3〕
次に、図12に基づき、本発明の実施形態3について説明する。本実施形態の大型の表示パネル50’に含まれる表示装置1A’~1H’それぞれにおいては、一部の表示装置の各画素PIXにおける各色の発光層の発光面積が異なる点において、上述した実施形成2とは異なる。その他については実施形態2において説明したとおりである。説明の便宜上、実施形態2の図面に示した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0105】
本実施形態においては、図10に示すディバイデッドマスクDM’を複数個含む蒸着マスクを用いる場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはなく、例えば、図1の(b)に示すディバイデッドマスクDMを複数個含む蒸着マスクMを用いてもよい。
【0106】
図12は、実施形態3の表示パネル50’の概略的な構成を示す平面図である。
【0107】
図12に示すように、表示パネル50’は、複数個の表示装置1A’~1H’を含む。そして、複数個の表示装置1A’~1H’のそれぞれが備える基板は一体として形成されている。
【0108】
複数個の表示装置1A’~1H’は、第1表示装置である表示装置1A’と、第2表示装置である表示装置1D’及び表示装置1E’と、第3表示装置である表示装置1H’とを含み、第2表示装置である表示装置1D’及び表示装置1E’の各画素PIXにおける最短幅W2’’/最短幅W1’’の値は、第1表示装置である表示装置1A’の各画素PIXにおける最短幅W2’’’/最短幅W1’’’の値及び第3表示装置である表示装置1H’の各画素PIXにおける最短幅W2’’’/最短幅W1’’’の値より大きく、第1表示装置である表示装置1A’は、一体として形成された前記基板の第1方向XDの一方側の端部に配置され、第3表示装置である表示装置1H’は、一体として形成された前記基板の第1方向XDの他方側の端部に配置され、第2表示装置である表示装置1D’及び表示装置1E’は、第1表示装置である表示装置1A’と第3表示装置である表示装置1H’との間の中間位置に配置されている。
【0109】
第2表示装置である表示装置1D’及び表示装置1E’の各画素PIXにおける、第1開口23Mの大きさ、すなわち、緑色発光素子5Gの第1電極22と緑色発光層を含む機能層24Gとが接触して形成される第1接触面の大きさと、第2開口23M’の大きさ、すなわち、赤色発光素子5Rの第1電極22と赤色発光層を含む機能層24Rとが接触して形成される第2接触面の大きさと、第3開口23M’’の大きさ、すなわち、青色発光素子5Bの第1電極22と青色発光層を含む機能層24Bとが接触して形成される第3接触面の大きさとを合わせた大きさは、第1表示装置である表示装置1A’及び第3表示装置である表示装置1H’の各画素PIXにおける、第1開口23Nの大きさ、すなわち、緑色発光素子5Gの第1電極22と緑色発光層を含む機能層24Gとが接触して形成される第1接触面の大きさと、第2開口23N’の大きさ、すなわち、赤色発光素子5Rの第1電極22と赤色発光層を含む機能層24Rとが接触して形成される第2接触面の大きさと、第3開口23N’’の大きさ、すなわち、青色発光素子5Bの第1電極22と青色発光層を含む機能層24Bとが接触して形成される第3接触面の大きさとを合わせた大きさより小さい。
【0110】
図12に示すように、第2表示装置である表示装置1D’及び表示装置1E’の各画素PIXにおいては、第3開口23M’’と第1開口23M及び第2開口23M’の少なくとも一方との間の第2方向YDに沿う最短幅W2’’が27μmで、第1開口23Mと第2開口23M’との間の第1方向XDに沿う最短幅W1’’が18μmである。すなわち、最短幅W2’’/最短幅W1’’の値を、1.5に設定した。一方、第1表示装置である表示装置1A’及び第3表示装置である表示装置1H’においては、第3開口23N’’と第1開口23N及び第2開口23N’の少なくとも一方との間の第2方向YDに沿う最短幅W2’’’が22μmで、第1開口23Nと第2開口23N’との間の第1方向XDに沿う最短幅W1’’’が18μmである。すなわち、最短幅W2’’’/最短幅W1’’’の値を、約1.2に設定した。
【0111】
図12に示すように、第1表示装置である表示装置1A’と第2表示装置である表示装置1D’との間には、表示装置1B’及び表示装置1C’がさらに備えられ、第3表示装置である表示装置1H’と第2表示装置である表示装置1E’との間には、表示装置1F’及び表示装置1G’がさらに備えられている。例えば、表示装置1B’の各画素PIXにおける最短幅W2/最短幅W1の値を1.3に設定し、表示装置1C’の各画素PIXにおける最短幅W2/最短幅W1の値を1.4に設定し、表示装置1A’から表示装置1D’に近づく程、表示装置1B’及び表示装置1C’の各画素PIXにおける最短幅W2/最短幅W1の値が、表示装置1D’の各画素PIXにおける最短幅W2’’/最短幅W1’’の値である1.5に段階的に近づくようにしてもよい。同様に、例えば、表示装置1G’の各画素PIXにおける最短幅W2/最短幅W1の値を1.3に設定し、表示装置1F’の各画素PIXにおける最短幅W2/最短幅W1の値を1.4に設定し、表示装置1H’から表示装置1E’に近づく程、表示装置1F’及び表示装置1G’の各画素PIXにおける最短幅W2/最短幅W1の値が、表示装置1E’の各画素PIXにおける最短幅W2’’/最短幅W1’’の値である1.5に段階的に近づくようにしてもよい。
【0112】
図12に示すように、第1表示装置である表示装置1A’と第2表示装置である表示装置1D’との間に備えられた表示装置1B’及び表示装置1C’の各画素PIXにおける、第1開口の大きさ、すなわち、緑色発光素子5Gの第1電極22と緑色発光層を含む機能層24Gとが接触して形成される第1接触面の大きさと、第2開口の大きさ、すなわち、赤色発光素子5Rの第1電極22と赤色発光層を含む機能層24Rとが接触して形成される第2接触面の大きさと、第3開口の大きさ、すなわち、青色発光素子5Bの第1電極22と青色発光層を含む機能層24Bとが接触して形成される第3接触面の大きさとを合わせた大きさは、表示装置1A’から表示装置1D’に近づく程、表示装置1D’の各画素PIXにおける前記第1接触面の大きさと前記第2接触面の大きさと前記第3接触面の大きさとを合わせた大きさに段階的に近づくようにしてもよい。同様に、第3表示装置である表示装置1H’と第2表示装置である表示装置1E’との間に備えられた表示装置1F’及び表示装置1G’の各画素PIXにおける、第1開口の大きさ、すなわち、緑色発光素子5Gの第1電極22と緑色発光層を含む機能層24Gとが接触して形成される第1接触面の大きさと、第2開口の大きさ、すなわち、赤色発光素子5Rの第1電極22と赤色発光層を含む機能層24Rとが接触して形成される第2接触面の大きさと、第3開口の大きさ、すなわち、青色発光素子5Bの第1電極22と青色発光層を含む機能層24Bとが接触して形成される第3接触面の大きさとを合わせた大きさは、表示装置1H’から表示装置1E’に近づく程、表示装置1E’の各画素PIXにおける前記第1接触面の大きさと前記第2接触面の大きさと前記第3接触面の大きさとを合わせた大きさに段階的に近づくようにしてもよい。
【0113】
なお、本実施形態においては、一つの表示装置1A’~1H’内の各画素PIXでは、最短幅W2/最短幅W1の値が同一となるようにしているが、これに限定されることはない。
【0114】
以上のように、表示パネル50’に含まれる複数個の表示装置1A’~1H’のそれぞれの各画素PIXにおいては、各色の発光層の発光面積を異なるようにすることができ、大型の表示パネル50’を分断する分断工程を行うことで、得られる表示装置1A’~1H’それぞれの少なくとも一部を異なるグレードの表示装置とすることができる。
【0115】
〔まとめ〕
〔態様1〕
基板と、
前記基板上に、それぞれが、第1電極と、発光層を含む機能層と、第2電極とを、前記基板側からこの順に備えた、第1発光素子、第2発光素子及び第3発光素子と、
それぞれが、前記第1発光素子と、前記第2発光素子と、前記第3発光素子とを含む複数の画素と、を含み、
前記第1発光素子の前記第1電極と前記第1発光素子の前記機能層とが接触して形成される第1接触面と、前記第2発光素子の前記第1電極と前記第2発光素子の前記機能層とが接触して形成される第2接触面との間の第1方向に沿う最短幅W1は、前記第3発光素子の前記第1電極と前記第3発光素子の前記機能層とが接触して形成される第3接触面と前記第1接触面及び前記第2接触面の少なくとも一方との間の前記第1方向と直交する第2方向に沿う最短幅W2より小さい、表示装置。
【0116】
〔態様2〕
前記第1発光素子及び前記第2発光素子は、前記第1方向に沿うN-1行及びN行(前記Nは2以上の偶数である)のうちの一方に前記画素毎に互いに隣接するように配置され、
前記第3発光素子は、前記N-1行及び前記N行のうちの他方に前記画素毎に配置され、
前記第1発光素子は、前記発光層として、第1発光層を備え、
前記第2発光素子は、前記発光層として、前記第1発光層とは発光ピーク波長が異なる第2発光層を備え、
前記第3発光素子は、前記発光層として、前記第1発光層及び前記第2発光層とは発光ピーク波長が異なる第3発光層を備えている、態様1に記載の表示装置。
【0117】
〔態様3〕
前記第3接触面の前記第1方向における幅は、前記第1接触面の前記第1方向における幅及び前記第2接触面の前記第1方向における幅の何れか一方と前記最短幅W1とを合わせた幅より大きく、
前記第1発光素子及び前記第2発光素子は、前記N-1行及び前記N行のうちの前記一方に交互に配置されている、態様2に記載の表示装置。
【0118】
〔態様4〕
前記第3接触面の大きさは、前記第1接触面の大きさ及び前記第2接触面の大きさより大きい、態様2または3に記載の表示装置。
【0119】
〔態様5〕
第1画素、第2画素及び第3画素は、この順に前記第1方向に沿って配置された隣接する3つの画素であり、
前記第1画素及び前記第3画素の一方に含まれる前記第3接触面と前記第2画素に含まれる前記第3接触面との間の前記第1方向に沿う最短幅W3は、前記第1画素及び前記第3画素の他方に含まれる前記第3接触面と前記第2画素に含まれる前記第3接触面との間の前記第1方向に沿う最短幅W4より小さい、態様2から4の何れかに記載の表示装置。
【0120】
〔態様6〕
前記最短幅W2/前記最短幅W1の値は、1.2以上、1.5以下である、態様2から5の何れかに記載の表示装置。
【0121】
〔態様7〕
前記第1発光素子の前記第1電極、前記第2発光素子の前記第1電極及び前記第3発光素子の前記第1電極のそれぞれの端部を覆うエッジカバー層をさらに備え、
前記エッジカバー層は、前記第1接触面と同一形状の第1開口と、前記第2接触面と同一形状の第2開口と、前記第3接触面と同一形状の第3開口と、を含む、態様2から6の何れかに記載の表示装置。
【0122】
〔態様8〕
前記第1発光層は、緑色光を発する発光層であり、
前記第2発光層は、赤色光を発する発光層であり、
前記第3発光層は、青色光を発する発光層である、態様2から7の何れかに記載の表示装置。
【0123】
〔態様9〕
態様1から8の何れかに記載の表示装置を複数個備え、
前記複数個の表示装置のそれぞれが備える前記基板は一体として形成されており、
前記複数個の表示装置は、第1表示装置、第2表示装置及び第3表示装置を含み、
前記第2表示装置の各画素における前記最短幅W2/前記最短幅W1の値は、前記第1表示装置の各画素における前記最短幅W2/前記最短幅W1の値及び前記第3表示装置の各画素における前記最短幅W2/前記最短幅W1の値より大きく、
前記第1表示装置は、一体として形成された前記基板の前記第1方向の一方側の端部に配置され、
前記第3表示装置は、一体として形成された前記基板の前記第1方向の他方側の端部に配置され、
前記第2表示装置は、前記第1表示装置と前記第3表示装置との間の中間位置に配置されている、表示パネル。
【0124】
〔態様10〕
前記第1表示装置と前記第2表示装置との間と、前記第3表示装置と前記第2表示装置との間とには、それぞれ、前記複数個の表示装置がさらに備えられ、
前記第1表示装置と前記第2表示装置との間に備えられた前記複数個の表示装置それぞれの各画素における前記最短幅W2/前記最短幅W1の値は、前記第1表示装置から前記第2表示装置に近づく程、前記第2表示装置の各画素における前記最短幅W2/前記最短幅W1の値に段階的に近づき、
前記第3表示装置と前記第2表示装置との間に備えられた前記複数個の表示装置それぞれの各画素における前記最短幅W2/前記最短幅W1の値は、前記第3表示装置から前記第2表示装置に近づく程、前記第2表示装置の各画素における前記最短幅W2/前記最短幅W1の値に段階的に近づく、態様9に記載の表示パネル。
【0125】
〔態様11〕
前記第1表示装置、前記第2表示装置及び前記第3表示装置を含む全ての前記表示装置のそれぞれにおいて、
前記第1接触面の大きさはそれぞれ同一であり、
前記第2接触面の大きさはそれぞれ同一であり、
前記第3接触面の大きさはそれぞれ同一である、態様9または10に記載の表示パネル。
【0126】
〔態様12〕
前記第2表示装置の各画素における前記第1接触面の大きさと前記第2接触面の大きさと前記第3接触面の大きさとを合わせた大きさは、前記第1表示装置の各画素における前記第1接触面の大きさと前記第2接触面の大きさと前記第3接触面の大きさとを合わせた大きさ及び前記第3表示装置の各画素における前記第1接触面の大きさと前記第2接触面の大きさと前記第3接触面の大きさとを合わせた大きさより小さい、態様9または10に記載の表示パネル。
【0127】
〔態様13〕
前記第2表示装置の各画素における前記第1接触面の大きさと前記第2接触面の大きさと前記第3接触面の大きさとを合わせた大きさは、前記第1表示装置の各画素における前記第1接触面の大きさと前記第2接触面の大きさと前記第3接触面の大きさとを合わせた大きさ及び前記第3表示装置の各画素における前記第1接触面の大きさと前記第2接触面の大きさと前記第3接触面の大きさとを合わせた大きさより小さく、
前記第1表示装置と前記第2表示装置との間に備えられた前記複数個の表示装置それぞれの各画素における前記第1接触面の大きさと前記第2接触面の大きさと前記第3接触面の大きさとを合わせた大きさは、前記第1表示装置から前記第2表示装置に近づく程、前記第2表示装置の各画素における前記第1接触面の大きさと前記第2接触面の大きさと前記第3接触面の大きさとを合わせた大きさに段階的に近づき、
前記第3表示装置と前記第2表示装置との間に備えられた前記複数個の表示装置それぞれの各画素における前記第1接触面の大きさと前記第2接触面の大きさと前記第3接触面の大きさとを合わせた大きさは、前記第3表示装置から前記第2表示装置に近づく程、前記第2表示装置の各画素における前記第1接触面の大きさと前記第2接触面の大きさと前記第3接触面の大きさとを合わせた大きさに段階的に近づく、態様10に記載の表示パネル。
【0128】
〔態様14〕
基板上に、第1発光素子と、第2発光素子と、第3発光素子とを含む画素を複数個備えた表示装置の製造方法であって、
前記基板上に第1電極を形成する第1電極形成工程と、
前記第1発光素子の前記第1電極、前記第2発光素子の前記第1電極及び前記第3発光素子の前記第1電極のそれぞれの端部を覆うとともに、前記第1発光素子の前記第1電極の一部を露出させる第1開口と前記第2発光素子の前記第1電極の一部を露出させる第2開口と前記第3発光素子の前記第1電極の一部を露出させる第3開口とを含み、前記第1開口及び前記第2開口は、第1方向に沿うN-1行及びN行(前記Nは2以上の偶数である)のうちの一方に前記画素毎に互いに隣接するように配置され、前記第3開口は、前記N-1行及び前記N行のうちの他方に前記画素毎に配置され、前記第1開口と、前記第2開口との間の前記第1方向に沿う最短幅W1は、前記第3開口と前記第1開口及び前記第2開口の少なくとも一方との間の前記第1方向と直交する第2方向に沿う最短幅W2より小さいエッジカバー層を形成するエッジカバー層形成工程と、
前記第1発光素子の第1発光層と、前記第2発光素子の第2発光層と、前記第3発光素子の第3発光層とを、形成する発光層形成工程と、
前記第1発光素子の前記第1発光層上と、前記第2発光素子の前記第2発光層上と、前記第3発光素子の前記第3発光層上とに、第2電極を形成する第2電極形成工程と、を含む、表示装置の製造方法。
【0129】
〔態様15〕
前記発光層形成工程は、
同形状及び同ピッチで、前記第1開口の位置に対応して形成された複数の第1蒸着用開口を有するとともに、前記第1方向と前記第1方向の反対方向とに架張されている第1蒸着マスクを用いて、前記第1開口を介して露出する前記第1発光素子の前記第1電極上に第1発光層を形成する第1発光層形成工程と、
同形状及び同ピッチで、前記第2開口の位置に対応して形成された複数の第2蒸着用開口を有するとともに、前記第1方向と前記第1方向の反対方向とに架張されている第2蒸着マスクを用いて、前記第2開口を介して露出する前記第2発光素子の前記第1電極上に前記第1発光層とは発光ピーク波長が異なる第2発光層を形成する第2発光層形成工程と、
同形状及び同ピッチで、前記第3開口の位置に対応して形成された複数の第3蒸着用開口を有するとともに、前記第1方向と前記第1方向の反対方向とに架張されている第3蒸着マスクを用いて、前記第3開口を介して露出する前記第3発光素子の前記第1電極上に前記第1発光層及び前記第2発光層とは発光ピーク波長が異なる第3発光層を形成する第3発光層形成工程と、を含む、態様14に記載の表示装置の製造方法。
【0130】
〔態様16〕
前記表示装置を複数個備え、
前記複数個の表示装置のそれぞれが備える前記基板は一体として形成されており、
前記複数個の表示装置は、第1表示装置、第2表示装置及び第3表示装置を含み、
前記第1表示装置は、一体として形成された前記基板の前記第1方向の一方側の端部に配置され、
前記第3表示装置は、一体として形成された前記基板の前記第1方向の他方側の端部に配置され、
前記第2表示装置は、前記第1表示装置と前記第3表示装置との間の中間位置に配置され、
前記エッジカバー層形成工程においては、前記第2表示装置の各画素における前記最短幅W2/前記最短幅W1の値が、前記第1表示装置の各画素における前記最短幅W2/前記最短幅W1の値及び前記第3表示装置の各画素における前記最短幅W2/前記最短幅W1の値より大きくなるように、前記エッジカバー層を形成し、
前記第1表示装置、前記第2表示装置及び前記第3表示装置を含む全ての表示装置を、表示装置毎に分断する分断工程をさらに含む、態様14または15に記載の表示装置の製造方法。
【0131】
〔態様17〕
前記第1表示装置と前記第2表示装置との間と、前記第3表示装置と前記第2表示装置との間とには、それぞれ、前記複数個の表示装置がさらに備えられ、
前記エッジカバー層形成工程においては、前記第1表示装置と前記第2表示装置との間に備えられた前記複数個の表示装置それぞれの各画素における前記最短幅W2/前記最短幅W1の値が、前記第1表示装置から前記第2表示装置に近づく程、前記第2表示装置の各画素における前記最短幅W2/前記最短幅W1の値に段階的に近づくとともに、前記第3表示装置と前記第2表示装置との間に備えられた前記複数個の表示装置それぞれの各画素における前記最短幅W2/前記最短幅W1の値が、前記第3表示装置から前記第2表示装置に近づく程、前記第2表示装置の各画素における前記最短幅W2/前記最短幅W1の値に段階的に近づくように、前記エッジカバー層を形成する、態様16に記載の表示装置の製造方法。
【0132】
〔態様18〕
前記エッジカバー層形成工程においては、前記第1表示装置、前記第2表示装置及び前記第3表示装置を含む全ての前記表示装置のそれぞれにおいて、前記第1開口の大きさがそれぞれ同一となり、前記第2開口の大きさがそれぞれ同一となり、前記第3開口の大きさがそれぞれ同一となるように、前記エッジカバー層を形成する、態様16または17に記載の表示装置の製造方法。
【0133】
〔態様19〕
前記エッジカバー層形成工程においては、前記第2表示装置の各画素における前記第1開口の大きさと前記第2開口の大きさと前記第3開口の大きさとを合わせた大きさが、前記第1表示装置の各画素における前記第1開口の大きさと前記第2開口の大きさと前記第3開口の大きさとを合わせた大きさ及び前記第3表示装置の各画素における前記第1開口の大きさと前記第2開口の大きさと前記第3開口の大きさとを合わせた大きさより小さくなるように、前記エッジカバー層を形成する、態様16または17に記載の表示装置の製造方法。
【0134】
〔態様20〕
前記エッジカバー層形成工程においては、
前記第2表示装置の各画素における前記第1開口の大きさと前記第2開口の大きさと前記第3開口の大きさとを合わせた大きさが、前記第1表示装置の各画素における前記第1開口の大きさと前記第2開口の大きさと前記第3開口の大きさとを合わせた大きさ及び前記第3表示装置の各画素における前記第1開口の大きさと前記第2開口の大きさと前記第3開口の大きさとを合わせた大きさより小さくなるようにし、
前記第1表示装置と前記第2表示装置との間に備えられた前記複数個の表示装置それぞれの各画素における前記第1開口の大きさと前記第2開口の大きさと前記第3開口の大きさとを合わせた大きさが、前記第1表示装置から前記第2表示装置に近づく程、前記第2表示装置の各画素における前記第1開口の大きさと前記第2開口の大きさと前記第3開口の大きさとを合わせた大きさに段階的に近づくようにするとともに、
前記第3表示装置と前記第2表示装置との間に備えられた前記複数個の表示装置それぞれの各画素における前記第1開口の大きさと前記第2開口の大きさと前記第3開口の大きさとを合わせた大きさが、前記第3表示装置から前記第2表示装置に近づく程、前記第2表示装置の各画素における前記第1開口の大きさと前記第2開口の大きさと前記第3開口の大きさとを合わせた大きさに段階的に近づくように、前記エッジカバー層を形成する、態様17に記載の表示装置の製造方法。
【0135】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0136】
本発明は、表示装置、表示パネル及び表示装置の製造方法に利用することができる。
【符号の説明】
【0137】
1、1A~1H 表示装置
3 バリア層
4 薄膜トランジスタ層
5R 赤色発光素子(発光素子)
5G 緑色発光素子(発光素子)
5B 青色発光素子(発光素子)
6 封止層
10 アクティブマトリクス基板
12 基板
16、18、20 無機絶縁膜
21 平坦化膜
22 第1電極
23 エッジカバー層
23K、23L、23M、23N 第1開口
23K’、23L’、23M’、23N’ 第2開口
23K’’、23L’’、23M’’、23N’’ 第3開口
24R 赤色発光層を含む機能層
24G 緑色発光層を含む機能層
24B 青色発光層を含む機能層
24HT 正孔輸送層
24RH 赤色発光層
24GH 緑色発光層
24BH 青色発光層
25 第2電極
26、28 無機膜
27 有機膜
39 機能フィルム
50、50’ 表示パネル
W1、W3、W4 第1方向に沿う最短幅
W2 第2方向に沿う最短幅
W1’、W1’’、W1’’’ 第1方向に沿う最短幅
W2’、W2’’、W2’’’ 第2方向に沿う最短幅
GY1~GY10 第1方向に沿う行
DA 表示領域
NDA 額縁領域
RSP 赤色サブ画素
GSP 緑色サブ画素
BSP 青色サブ画素
PIX 画素
TR トランジスタ
SEM、SEM’、SEM’’ 半導体膜
G ゲート電極
D ドレイン電極
S ソース電極
M 蒸着マスク
MF マスクフレーム
MK 蒸着用開口
DM、DM’ ディバイデッドマスク
XD 第1方向
YD 第2方向
XD’ 第1方向の蒸着用開口のズレ量
YD’ 第2方向の蒸着用開口のズレ量
KD、KD’ 架張方向
KB 固定部
R1~R8 第1蒸着用開口群~第8蒸着用開口群
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12