IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ゲーエヌエス・ゲゼルシャフト・フューア・ヌクレアール−サービス・ミト・ベシュレンクテル・ハフツングの特許一覧

特許7561278輸送容器及び/又は貯蔵容器の支持バスケット用の支持バスケット部材を製造する方法
<>
  • 特許-輸送容器及び/又は貯蔵容器の支持バスケット用の支持バスケット部材を製造する方法 図1
  • 特許-輸送容器及び/又は貯蔵容器の支持バスケット用の支持バスケット部材を製造する方法 図2
  • 特許-輸送容器及び/又は貯蔵容器の支持バスケット用の支持バスケット部材を製造する方法 図3
  • 特許-輸送容器及び/又は貯蔵容器の支持バスケット用の支持バスケット部材を製造する方法 図4
  • 特許-輸送容器及び/又は貯蔵容器の支持バスケット用の支持バスケット部材を製造する方法 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-25
(45)【発行日】2024-10-03
(54)【発明の名称】輸送容器及び/又は貯蔵容器の支持バスケット用の支持バスケット部材を製造する方法
(51)【国際特許分類】
   G21F 5/012 20060101AFI20240926BHJP
   G21F 9/36 20060101ALI20240926BHJP
【FI】
G21F5/012
G21F9/36 501H
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2023536922
(86)(22)【出願日】2020-12-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-09
(86)【国際出願番号】 EP2020087288
(87)【国際公開番号】W WO2022128133
(87)【国際公開日】2022-06-23
【審査請求日】2023-11-27
(73)【特許権者】
【識別番号】514187202
【氏名又は名称】ゲーエヌエス・ゲゼルシャフト・フューア・ヌクレアール-サービス・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100191938
【弁理士】
【氏名又は名称】高原 昭典
(72)【発明者】
【氏名】バナーニ・アミン
【審査官】右▲高▼ 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-191569(JP,A)
【文献】特開2008-096149(JP,A)
【文献】特表2008-506101(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21F 5/012
G21F 9/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射性廃棄物、特に使用済燃料物質(4)用の輸送容器及び/又は貯蔵容器(3)の支持バスケット(2)用の支持バスケット部材(1)を製造する方法であって、
少なくとも2つの壁セグメント(5)と、前記壁セグメント(5)の結合用に設けられた少なくとも1つのウェブ(6)とを用意し、少なくとも2つの前記壁セグメント(5)は、複数の結合空所(7)を有し、少なくとも1つの前記ウェブ(6)は、前記壁セグメント(5)に割り当てられたそのウェブ側面(8,9)に、それぞれ複数の相補的な結合部材(10)を有し、
少なくとも1つの前記ウェブ(6)と、少なくとも1つの壁セグメント(5)、好ましくは、少なくとも2つの前記壁セグメント(5)との予備結合、特に差し込み結合を、少なくとも1つの前記結合部材(10)あるいは複数の前記結合部材(10)と、少なくとも1つの前記結合空所(7)あるいは複数の前記結合空所(7)との相互作用により形成し、
続いて、少なくとも1つのスタンピング工具により、少なくとも1つの前記結合部材(10)あるいは複数の前記結合部材(10)と、少なくとも1つの前記結合空所(7)あるいは複数の前記結合空所(7)との結合、特に摩擦力結合を形成すべく、少なくとも1つの前記結合空所(7)あるいは複数の前記結合空所(7)において、少なくとも1つの前記結合部材(10)あるいは複数の前記結合部材(10)のスタンピングを実施する、方法。
【請求項2】
ウェブ側面(8,9)に設けられた複数の前記結合部材(10)のスタンピングを、相前後して実施する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ウェブ側面(8,9)において互いに反対側に位置する少なくとも2つの結合部材(10)を、同時あるいは略同時にそれぞれ少なくとも1つのスタンピング工具により、割り当てられた結合空所(7)においてスタンピングし、好ましくは、少なくとも2つの前記壁セグメント(5)を同時あるいは略同時に前記ウェブ(6)あるいは前記ウェブ側面(8,9)に結合する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記結合部材(10)のスタンピングを、それぞれ、割り当てられた壁セグメント(5)の外面(11)から実施し、好ましくは、1つの前記結合部材あるいは複数の前記結合部材(10)の、前記外面(11)の方向を向いた面(12)を、スタンピング工具によりスタンピングする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つのスタンピング工具は、パンチ(13)であり、前記スタンピング工具あるいは前記パンチ(13)により、好ましくは、少なくとも1つの条溝(14)を、スタンピング加工部として前記結合部材(10)に刻設する、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記結合部材(10)のスタンピングのためのプレス力が、5t~50t、好ましくは、10t~40t、好ましくは、12t~30t、特に好ましくは、15t~25tである、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
放射性廃棄物、特に使用済燃料物質(4)用の輸送容器及び/又は貯蔵容器(3)の支持バスケット(2)用の支持バスケット部材であって
記支持バスケット部材(1)は、互いに平行あるいは略平行に配置される少なくとも2つの壁セグメント(5)と、前記壁セグメント(5)間に配置され、前記壁セグメント(5)を結合する少なくとも1つのウェブ(6)とを備え、
前記壁セグメント(5)は、それぞれ少なくとも1つの結合空所(7)を有し、前記結合空所(7)内には、前記ウェブ(6)の少なくとも1つの相補的な結合部材(10)が配置されており、
前記結合部材(10)は、スタンピング加工部を有し、これにより、それぞれ、割り当てられた結合空所(7)に結合、特に摩擦力結合式に結合されていて、
少なくとも2つの前記壁セグメント(5)は、複数の結合空所(7)を有し、少なくとも1つの前記ウェブ(6)は、両方のウェブ側面(8,9)に、複数の結合部材(10)を有する、
支持バスケット部材。
【請求項8】
少なくとも1つの前記ウェブ(6)の結合部材(10)は、溶接結合なしに前記壁セグメント(5)の結合空所(7)に結合されている、請求項7に記載の支持バスケット部材。
【請求項9】
前記結合空所(7)は、1つの前記壁セグメント(5)あるいは複数の前記壁セグメント(5)の長手方向(lW)で相並んで、特に等間隔に相並んで配置されており、特に好ましくは、1つの前記壁セグメント(5)あるいは複数の前記壁セグメント(5)の長さ(LW)の少なくとも70%にわたって、好ましくは、少なくとも80%にわたって、例えば、少なくとも90%にわたって延在する、請求項7又は8に記載の支持バスケット部材。
【請求項10】
前記結合部材(10)は、前記ウェブ側面(8,9)から張り出す突出部として構成されており、特に横断面で見て長方形あるいは略長方形に形成されている、請求項7から9のいずれか一項に記載の支持バスケット部材。
【請求項11】
前記結合空所(7)は、結合溝として構成されており、前記結合溝は、好ましくは、前記壁セグメント(5)を完全に貫通する、請求項7から10のいずれか一項に記載の支持バスケット部材。
【請求項12】
前記結合部材(10)のスタンピング加工部は、少なくとも1つの条溝(14)として構成されており、前記条溝(14)は、好ましくは、前記結合部材(10)の長手方向(lV)で、かつ好ましくは、前記ウェブ(6)の長手方向で(lS)で、かつ/又は1つの前記壁セグメント(5)あるいは複数の前記壁セグメント(5)の長手方向(lW)で延在する、請求項7から11のいずれか一項に記載の支持バスケット部材。
【請求項13】
少なくとも1つの前記ウェブ(6)の平坦な延在部は、前記壁セグメント(5)の平坦な延在部に対して横方向、特に垂直あるいは略垂直に配置されている、請求項7から12のいずれか一項に記載の支持バスケット部材。
【請求項14】
少なくとも2つの前記壁セグメント(5)及び/又は少なくとも1つの前記ウェブ(6)は、少なくとも1種類の鋼をベースに形成されており、特に、少なくとも1種類の鋼からなり、あるいは実質的になり、前記鋼は、好ましくは、少なくとも1種類のオーステナイト系の鋼及び/又は少なくとも1種類の二相鋼あるいはオーステナイト-フェライト系の鋼、特に好ましくは、鋼1.4565及び/又は鋼1.4462及び/又は鋼SUS 329J3Lである、請求項7から13のいずれか一項に記載の支持バスケット部材。
【請求項15】
少なくとも1つの前記ウェブ(6)は、少なくとも1つ、好ましくは複数の流体通流開口(15)を有し、前記流体通流開口(15)は、好ましくは、前記ウェブ(6)の長手方向(lS)に対して横方向、特に垂直に、前記ウェブ(6)を貫いて延在する、請求項7から14のいずれか一項に記載の支持バスケット部材。
【請求項16】
放射性廃棄物、特に使用済燃料物質(4)用の輸送容器及び/又は貯蔵容器用の支持バスケットであって、
前記支持バスケット(2)は、交差する複数の壁(16)を備え、前記壁(16)は、前記支持バスケット(2)の長手方向(lT)で延在する、放射性の材料あるいは廃棄物用の収容シャフト(17)を形成し、
交差する前記壁(16)の少なくとも大部分、好ましくは、すべては、それぞれ、上下に配置される壁セグメント(5)を有し、
前記壁セグメント(5)は、支持バスケット部材(1)、特に、請求項7から15に記載の支持バスケット部材(1)の部品であり、
前記支持バスケット部材(1)あるいは交差する前記壁(16)あるいは壁セグメント(5)は、差し込み結合部(18)を介して互いに結合されている、
支持バスケット。
【請求項17】
請求項16に記載の支持バスケット(2)を備える、放射性廃棄物、特に使用済燃料物質(4)用の輸送容器及び/又は貯蔵容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射性廃棄物、特に使用済燃料物質用の輸送容器及び/又は貯蔵容器の支持バスケット用の支持バスケット部材を製造する方法であって、少なくとも2つの壁セグメントと、壁セグメントの結合用に設けられた少なくとも1つのウェブとを用意する、方法に関する。本発明は、さらに、放射性廃棄物用の輸送容器及び/又は貯蔵容器の支持バスケット用の支持バスケット部材、並びにこの種の輸送容器及び/又は貯蔵容器用の支持バスケットに関する。さらに本発明は、このような支持バスケットを備える輸送容器及び/又は貯蔵容器に関する。好ましくは、複数の支持バスケット部材から構成される支持バスケットを収容する輸送容器及び/又は貯蔵容器は、それ自体は公知の形式で、容器底部、容器胴部及び少なくとも1つの容器蓋部を備えている。合目的的には、容器あるいは容器内室は、円柱形あるいは略円柱形に形成されている。その際、支持バスケットが、円柱形の容器内室に適合されており、好ましくは、同じく円柱形あるいは略円柱形に形成されていることは、本発明の範囲内にある。
【背景技術】
【0002】
実際の使用において、支持バスケット、及び支持バスケットの支持バスケット部材、並びにこのような支持バスケット部材を製造する方法は、様々な実施形態において原則公知である。個々の支持バスケット部材での又はそれぞれの支持バスケット部材間の結合は、実際の使用において公知の手段では、通例、ねじ止め又は溶接される。特に溶接の場合、支持バスケット部材への入熱が行われ、入熱は、往々にして望ましくない材料歪み及び材料ストレスを引き起こす。さらに、放射性廃棄物を収容する公知の支持バスケットあるいは容器の場合、非臨界的な状態を維持すること、あるいは臨界安全性を保証することが必要である。支持バスケットは、それゆえ、支持バスケット部材が、注水可能な中間室を有するように構成されていることが多い。それにもかかわらず、支持バスケット部材は、十分な機械的な安定性あるいは強度を有していなければならない。例えば溶接工程の流れの中での入熱によって引き起こされるストレス及び材料歪みは、実際の使用において公知の方法では、手間のかかる、かつ特に時間とコストのかかる手段をもってしてのみ、回避される。公知の解決手段では、十分な臨界安全性、十分な機械的な安定性あるいは強度及びコスト効率の高い製造プロセスの特性は、通常、競合し合うので、ある要求あるいは特性を改善すれば、また別の要求あるいは特性を犠牲にしてしまうことになる。その点において改善の必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これに対して、本発明の根底にある技術的な課題は、支持バスケット部材を製造する方法であって、簡単に、かつ高い機能信頼性で実施可能であり、さらに、コスト効率が高く、かつその傍らで、結果として得られる支持バスケット部材が、満足のいく機械的な安定性あるいは強度を示し、それにもかかわらず、最適な臨界安全性を保証し得る、方法を提示することである。本発明の根底にある技術的な課題は、さらに、相応の支持バスケット部材、これらの支持バスケット部材からなる支持バスケット、及びこのような支持バスケットを備える輸送容器及び/又は貯蔵容器を提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記技術的な課題を解決すべく、本発明は、放射性廃棄物、特に使用済燃料物質用の輸送容器及び/又は貯蔵容器の支持バスケット用の支持バスケット部材を製造する方法であって、少なくとも2つの壁セグメントと、壁セグメントの結合用に設けられた少なくとも1つのウェブとを用意し、壁セグメントは、それぞれ少なくとも1つの結合空所を有し、少なくとも1つのウェブは、このウェブの壁セグメントに割り当てられたウェブ側面に、それぞれ少なくとも1つの相補的な結合部材を有し、
少なくとも1つのウェブと、少なくとも1つの壁セグメント、好ましくは、少なくとも2つの壁セグメントとの予備結合、特に差し込み結合を、少なくとも1つの結合部材あるいは複数の結合部材と、少なくとも1つの結合空所あるいは複数の結合空所との相互作用により形成し、
続いて、少なくとも1つのスタンピング工具により、少なくとも1つの結合部材あるいは複数の結合部材と、少なくとも1つの結合空所あるいは複数の結合空所との結合、特に摩擦力結合を形成すべく、少なくとも1つの結合空所あるいは複数の結合空所において、少なくとも1つの結合部材あるいは複数の結合部材のスタンピングを実施する、方法を教示する。
【0005】
合目的的に、少なくとも2つ、特に2つの壁セグメントを、少なくとも1つのウェブに、各ウェブ側面にそれぞれ1つの壁セグメントが配置されているように結合する。好ましい一実施形態によれば、結果として得られる支持バスケット部材は、横断面で見てH字形あるいは略H字形に形成されている。このような一実施形態の範囲内で、それぞれ1つの壁セグメントは、Hフランクを形成し、少なくとも1つのウェブは、両Hフランクを結合するHブリッジを形成する。
【0006】
少なくとも1つのウェブを、本発明に係る方法の範囲内で、少なくとも2つの壁セグメント、特に2つの壁セグメントに予備結合する、具体的には、結合部材と結合空所との相互作用、特に形状結合式の相互作用により予備結合する。予備結合は、合目的的には、差し込み結合であり、好ましくは、ウェブの結合部材をそれぞれ形状結合式に、壁セグメントの、割り当てられた結合空所に予備結合する。実証されているのは、予備結合が、解離可能な予備結合であることである。予備結合により、少なくとも2つの壁セグメントあるいは2つの壁セグメントと、少なくとも1つのウェブとからなるユニットを、いわばスタンピング工程のために準備する。本発明の範囲内で、予備結合は、原則的に、既に、予備結合がもはや解離不能であるか、あるいは極めて大きな力を要してのみ解離可能である程度に、強固であってもよい。このことは、例えば、ウェブ、あるいは少なくとも1つのウェブの結合部材を、壁セグメントの結合空所に圧入することにより達成され得る。
【0007】
結合空所での結合部材の続いてのスタンピングにより、結果として、結合部材の材料変形が生じ、その結果、結合部材は、好ましくは、少なくとも1つの外面でもって、結合空所の少なくとも1つの内面に圧接する。こうして、特に摩擦力結合が、結合部材と結合空所との間に生じる。スタンピングから結果として得られる結合は、予備結合と比較してもはや解離不能であるか、あるいは極めて大きな力を要してのみ解離可能である。材料変形により、個々の結合部材は、結合空所内に特に挟持状態で保持される。
【0008】
推奨するならば、少なくとも1つの壁セグメント、好ましくは、少なくとも2つの壁セグメントは、複数の結合空所を有し、少なくとも1つのウェブは、少なくとも一方のウェブ側面、好ましくは、両方のウェブ側面に、好ましくは、それぞれ複数の相補的な結合部材を有し、ウェブ側面に設けられた複数の結合部材のスタンピングを、特に好ましくは、相前後して実施する。このような一実施形態の範囲内で、両壁セグメントと、少なくとも1つのウェブとからなるユニットを、合目的的には、各スタンピング工程後、次にスタンピングすべき結合部材のところまで、少なくとも1つのスタンピング工具に向かって送り、かつ/又は少なくとも1つのスタンピング工具を、次にスタンピングすべき結合部材に向かって送る。好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの壁セグメント、好ましくは、少なくとも2つの壁セグメントは、それぞれ少なくとも2つ、好ましくは、少なくとも3つ、好ましくは、少なくとも4つ、特に好ましくは、少なくとも5つの結合空所を有している。推奨するならば、少なくとも1つのウェブは、少なくとも一方のウェブ側面、好ましくは、両方のウェブ側面に、それぞれ少なくとも2つ、好ましくは、少なくとも3つ、好ましくは、少なくとも4つ、特に好ましくは、少なくとも5つの相補的な結合部材を有している。
【0009】
本発明に係る方法の特に好ましい一実施形態は、ウェブ側面において互いに反対側に位置する少なくとも2つの結合部材を、同時あるいは略同時にそれぞれ少なくとも1つのスタンピング工具により、割り当てられた結合空所においてスタンピングし、好ましくは、少なくとも2つの壁セグメントを同時あるいは略同時にウェブあるいはウェブ側面に結合することを特徴とする。このような方法の範囲内で、互いに反対側に位置する少なくとも2つの結合部材を、それぞれ割り当てられた結合空所で同時あるいは略同時にスタンピングするために、好ましくは、少なくとも2つの、特に互いに対向するスタンピング工具が設けられている。合目的的には、少なくとも2つ、特に2つの壁セグメントと、少なくとも1つのウェブとからなるユニットを、互いに対向するスタンピング工具間に配置する。好ましい実施形態により、それぞれ複数の結合部材と結合空所とが設けられているとき、壁セグメントと、少なくとも1つのウェブとからなるユニットを、互いに反対側に位置する2つの結合部材の、それぞれ割り当てられた結合空所におけるスタンピングの後、互いに反対側に位置する結合部材の次のペアのところまで、1つのスタンピング工具あるいは複数のスタンピング工具に向かって送り、かつ/又は互いに対向するスタンピング工具を、次にスタンピングすべき互いに反対側に位置する結合部材のペアのところに送る。
【0010】
推奨するならば、結合部材のスタンピングを、それぞれ、割り当てられた壁セグメントの外面から実施し、好ましくは、1つの結合部材あるいは複数の結合部材の、この外面の方向を向いた面を、スタンピング工具によりスタンピングする。壁セグメントの外面とは、この関連において、特に、支持バスケット部材が予備結合あるいは結合された状態において、それぞれの壁セグメントの、反対側に位置する壁セグメントとは反対の側を意味している。本発明に係る方法の範囲内で、少なくとも2つ、特に2つの壁セグメントと、少なくとも1つのウェブとからなるユニットを、スタンピング工程中、壁セグメントの平坦な延在部が地面に対して平行あるいは略平行に配置されているように、配置しておくあるいは案内することが、好ましい。しかし、原則的に、少なくとも2つ、特に2つの壁セグメントと、少なくとも1つのウェブとからなるユニットを、スタンピング工程中、壁セグメントの平坦な延在部が地面に対して横方向、特に垂直あるいは略垂直に配置されているように、配置しておくあるいは案内することも、可能である。
【0011】
少なくとも1つのスタンピング工具が、パンチであり、スタンピング工具あるいはパンチにより、好ましくは、少なくとも1つの条溝を、スタンピング加工部として結合部材に刻設することは、本発明に係る方法の範囲内にある。
【0012】
推奨的に、結合部材のスタンピングのためのプレス力は、5t~50t、好ましくは、10t~40t、好ましくは、12t~30t、特に好ましくは、15t~25tである。好ましい実施形態により、互いに反対側に位置する少なくとも2つの結合部材を同時に、それぞれ1つのスタンピング工具により、割り当てられた結合空所でスタンピングするときは、この好ましいプレス力を合目的的には両側で印加する。
【0013】
本発明に係る方法の根底には、相補的な結合空所での結合部材のスタンピングと、これにより引き起こされる結合部材の材料変形とにより、特に摩擦力結合が、壁セグメントとウェブとの間に形成され、この摩擦力結合は、入熱を必要とせず、それにもかかわらず、結果として得られる支持バスケット部材の、意想外に高く、かつすべての要求を充足する機械的な安定性あるいは強度を保証するという認識がある。本発明に係る方法は、さらに、手間が少なく、ひいては、極めてコスト効率が高い。支持バスケット部材への入熱が生じないことで、材料歪み及び材料ストレスは回避され得る。さらに、種々異なる材料、具体的には、溶接のために通常は不適である材料も、本発明に係る方法の範囲内で、支持バスケット部材のために使用可能である。その他の点では、本方法が溶接ステップを含まないことが、本発明に係る方法の範囲内にある。
【0014】
推奨するならば、結合部材及び/又は結合空所をレーザビーム切断により製作する。しかし、原則的に、結合部材及び/又は結合空所を製作する別の方法、例えばフライス加工、打抜き、ウォータジェット切断及びこれに類する方法も可能である。
【0015】
上記技術的な課題を解決すべく、本発明は、さらに、放射性廃棄物、特に使用済燃料物質用の輸送容器及び/又は貯蔵容器の支持バスケット用の支持バスケット部材であって、支持バスケット部材は、好ましくは、前述の方法により製造されており、支持バスケット部材は、互いに平行あるいは略平行に配置される少なくとも2つの壁セグメントと、壁セグメント間に配置され、壁セグメントを結合する少なくとも1つのウェブとを備え、壁セグメントは、それぞれ少なくとも1つの結合空所を有し、結合空所内には、ウェブの少なくとも1つの相補的な結合部材が配置されており、結合部材は、スタンピング加工部を有し、これにより、それぞれ、割り当てられた結合空所に結合、特に摩擦力結合式に結合されている、支持バスケット部材を教示する。
【0016】
少なくとも2つの壁セグメント、特に2つの壁セグメントと、少なくとも1つのウェブとは、好ましい実施形態により、支持バスケット部材を形成し、支持バスケット部材は、推奨的には、横断面で見てH字形あるいは略H字形に構成されており、好ましくは、壁セグメントは、Hフランクを形成し、ウェブは、Hブリッジを形成している。横断面とは、この関連において、特に、支持バスケット部材の長手方向に対して横方向での横断面を意味している。
【0017】
好ましくは、少なくとも1つのウェブは、壁セグメントに結合された状態において、壁セグメントの高さを基準にして、40%~60%、特に約50%のところに配置されている。壁セグメントの高さとは、ここでは、特に、壁セグメントの長手方向lWに対して横方向、特に垂直方向での、壁セグメントの最大の高さを意味している。これにより、好ましくは、壁セグメントの結合空所も、壁セグメントの高さを基準にして、40%~60%、特に約50%のところに配置されている。
【0018】
本発明に係る支持バスケット部材の一実施形態によれば、支持バスケット部材は、少なくとも2つのウェブを備え、ウェブは、少なくとも2つの壁セグメントの結合用に設けられ、壁セグメントの結合された状態において、特に上下に配置されている。このような一実施形態の範囲内で、ウェブは、壁セグメントの高さを基準にして、例えば約25%のところと、約75%のところとに配置されていることができ、壁セグメントは、合目的的には、ウェブの結合部材を収容する相応の結合空所を有し、結合空所は、同じく壁セグメントの高さを基準にして、約25%のところと、約75%のところとに配置されている。原則的に、壁セグメントの結合された状態において、好ましくは、上下に配置される2つより多くのウェブが、壁セグメントの結合用に設けられていることも、本発明の範囲内にある。本発明の別の一実施形態は、支持バスケット部材の結合された状態において、1つの壁セグメントあるいは複数の壁セグメントの長手方向lWで相並んであるいは相前後して配置される複数の個別ウェブが、少なくとも2つ、特に2つの壁セグメントの結合用に設けられていることを特徴とする。
【0019】
本発明に係る支持バスケット部材の特に好ましい一実施形態は、少なくとも1つのウェブの結合部材が、溶接結合なしに壁セグメントの結合空所に結合されていることを特徴とする。本実施形態の根底には、壁セグメントの結合空所での結合部材のスタンピングにより、材料変形が実施され、材料変形は、結果として、少なくとも1つのウェブの結合部材と、壁セグメントの結合空所との間の特に摩擦力結合に至るという認識がある。こうして、ウェブと壁セグメントとの間の機械的に極めて安定な、支持バスケット部材への入熱を要しない結合が達成されることができ、その結果、入熱に基づくストレス及び歪みは、回避され得る。結果として得られる支持バスケット部材は、卓越した機械的な強度あるいは安定性の点で優れ、それにもかかわらず、結果として得られる支持バスケットの臨界安全性を、少なくとも1つのウェブにより結合される壁セグメント間の、注水可能な中間室に基づいて保証する。少なくとも1つのウェブの結合部材が、ねじ結合なしに壁セグメントの結合空所に結合されていることも、本発明の範囲内にある。原則、本発明の範囲内で、結合空所での結合部材の加圧変形加工後、安全溶接シームを、壁セグメントと、少なくとも1つのウェブとの間の結合境界に、特に壁セグメント内面側に、設けることが可能である。
【0020】
好ましくは、少なくとも1つの壁セグメント、好ましくは、少なくとも2つの壁セグメントは、複数の結合空所を有している。この好ましい実施形態により、少なくとも1つの壁セグメント、好ましくは、少なくとも2つの壁セグメントが、複数の結合空所を有しているとき、結合空所が、1つの壁セグメントあるいは複数の壁セグメントの長手方向lWで相並んで、特に等間隔に相並んで配置されており、好ましくは、1つの壁セグメントあるいは複数の壁セグメントの長さLWの少なくとも70%にわたって、好ましくは、少なくとも80%にわたって、特に好ましくは、少なくとも90%にわたって延在することは、本発明の範囲内にある。壁セグメントの長さLWとは、この関連において、壁セグメントの、その長手方向lWでの最大の延在寸法を意味している。壁セグメントの結合空所が、1つの壁セグメントあるいは複数の壁セグメントの長さLWの少なくとも70%にわたって、好ましくは、少なくとも80%にわたって、特に好ましくは、少なくとも90%にわたって延在するとは、特に、壁セグメントの最初の結合空所と、最後の結合空所との、壁セグメントの長手方向lWでの間隔が、壁セグメントの長さLWの少なくとも70%、好ましくは、少なくとも80%、特に好ましくは、少なくとも90%に相当することを意味している。結合空所は、例えばレーザビーム切断により作製されていてもよい。原則的に、結合空所を作製する別の作製方法、例えばウォータジェット切断、フライス加工、打抜き及びこれに類する方法も可能である。
【0021】
本発明に係る支持バスケット部材の特に好ましい一実施形態は、少なくとも1つのウェブが、少なくとも一方のウェブ側面、好ましくは、両方のウェブ側面に、複数の結合部材を有することを特徴とする。合目的的には、一方のウェブ側面に設けられる結合部材の数は、割り当てられる壁セグメントの結合空所の数に相当する。本発明の一実施形態により、複数の個別ウェブが、少なくとも2つ、特に2つの壁セグメント間に設けられているとき、一方の壁セグメントに割り当てられたウェブ側面に設けられた結合部材の総数は、合目的的には、割り当てられた壁セグメントの結合空所の数に相当する。好ましくは、少なくとも1つのウェブの両方のウェブ側面に設けられた結合部材の数は、同数であり、ひいては、推奨的には、少なくとも1つのウェブにより結合される少なくとも2つ、特に2つの壁セグメントの結合空所の数も、同数である。推奨するならば、少なくとも1つのウェブの結合部材は、それぞれ、対をなして互いに反対側に位置するように配置されており、かつ好ましくは、支持バスケット部材の結合された状態において、一方の壁セグメントのそれぞれ1つの結合空所は、他方の、対向する壁セグメントの結合空所とともに、一対の互いに対向する結合空所を形成する。
【0022】
本発明に係る支持バスケット部材の特に推奨する一実施形態によれば、結合部材は、ウェブ側面から張り出す突出部として構成されている。結合部材は、例えばレーザビーム切断により作製されていてもよい。原則、結合部材を作製する別の作製方法、例えばウォータジェット切断、フライス加工、打抜き及びこれに類する方法も可能である。合目的的には、結合部材は、横断面で見て長方形あるいは略長方形に形成されている。横断面とは、この関連において、特に、ウェブ中心から壁セグメントに向かう結合部材の延在部に対して横方向、特に垂直方向での横断面を意味している。結合部材が、好ましい実施形態により、横断面で見て長方形あるいは略長方形に形成されているとき、推奨すれば、長方形の長辺は、ウェブの長手方向lSで、かつ/又は支持バスケット部材の結合された状態において、1つの壁セグメントあるいは複数の壁セグメントの長手方向lWで延在する。原則的に、結合部材の別の幾何学形状あるいは横断面幾何学形状、例えば円形、正方形、多角形、オーバル及びこれに類する幾何学形状あるいは横断面幾何学形状も、本発明の範囲内にある。
【0023】
結合空所が、結合溝として構成されており、結合溝が、好ましくは、壁セグメントを完全に貫通することは、本発明の範囲内にある。結合空所は、いわば結合開口あるいは結合穴として構成されており、結合開口あるいは結合穴は、特に完全に1つの壁セグメントあるいは複数の壁セグメントを貫いて延在する。本発明により、結合空所は、結合部材に対して相補的に形成されている。好ましくは、結合空所あるいは結合溝の幾何学形状は、実質的に結合部材の横断面幾何学形状に相当する。こうして、少なくとも1つのウェブと、少なくとも1つの壁セグメント、好ましくは、少なくとも2つの壁セグメントとの間の予備結合のために、特に形状結合式の差し込み結合が、少なくとも1つのウェブと壁セグメントとの間で実施され得る。
【0024】
好ましい一実施形態によれば、結合空所は、長方形あるいは略長方形の溝として構成されており、溝は、好ましくは、壁セグメントを完全に貫通する。
【0025】
原則的に、結合部材の可能な横断面幾何学形状に適合されている結合空所あるいは結合溝の別の幾何学形状も考えられる。推奨するならば、結合部材は、支持バスケット部材の結合された状態及び/又は予備結合された状態において、壁セグメントの内面から壁セグメントの外面に向かって結合空所に係合する。合目的的には、結合部材は、壁セグメントの外面の方向を向いた面でもって、壁セグメントのそれぞれの外面と面一あるいは略面一に終端する。結合部材の、壁セグメントの外面の方向を向いた面であって、好ましくは、壁セグメントの外面と面一あるいは略面一に終端する面は、合目的的には、スタンピング加工部を有している。
【0026】
好ましくは、結合部材のスタンピング加工部は、少なくとも1つの条溝として構成されており、条溝は、好ましくは、結合部材の長手方向lVで、かつ好ましくは、ウェブの長手方向lSで、かつ/又は1つの壁セグメントあるいは複数の壁セグメントの長手方向lWで延在する。ここで、スタンピング加工部あるいは少なくとも1つの条溝の延在は、特に支持バスケット部材の結合された状態に関連する。好ましい一実施形態により、結合部材は、それぞれ、互いに平行あるいは略平行に延びる2つの条溝を、スタンピング加工部として有し、条溝は、好ましくは、結合部材の長手方向lVで、かつ好ましくは、ウェブの長手方向lSで、かつ/又は1つの壁セグメントあるいは複数の壁セグメントの長手方向lWで延在する。原則的に、本発明の範囲内において、スタンピング加工部は、別の形態及び方法で構成されていてもよい。スタンピング工具あるいはパンチは、スタンピング工具あるいはパンチの、結合部材あるいはスタンピングすべき面に割り当てられた側で、合目的的には、相応の形状あるいはパンチ形状を呈している。
【0027】
本発明の別の一実施形態により、結合空所の縁部に、結合空所を好ましくは完全に環囲するように、面取り部が設けられている。これらの結合空所での結合部材のスタンピングと、合目的的にこれにより引き起こされる材料変形とにより、結合部材の材料は、面取り部の領域内に押し込まれ、その結果、スタンピングされた結合部材は、結合空所の少なくとも1つの外面に押し付けられるとともに、面取り部の領域に押し込まれ、いわばリベットとして作用する。
【0028】
合目的的には、少なくとも1つのウェブの平坦な延在部は、壁セグメントの平坦な延在部に対して横方向、特に垂直あるいは略垂直に配置されている。壁セグメントと、少なくとも1つのウェブとのこのような配置から、結果として、結合された状態において支持バスケット部材の例えばH字形が生じ、壁セグメントは、Hフランクを形成し、少なくとも1つのウェブは、Hブリッジを形成する。
【0029】
本発明に係る支持バスケット部材の好ましい一実施形態によれば、少なくとも2つの壁セグメント及び/又は少なくとも1つのウェブは、少なくとも1種類の鋼をベースに形成されており、特に、少なくとも1種類の鋼からなるか、あるいは実質的に少なくとも1種類の鋼からなる。鋼は、合目的的には、少なくとも1種類のオーステナイト系の鋼及び/又は少なくとも1種類の二相鋼あるいはオーステナイト-フェライト系の鋼であり、かつ好ましくは、鋼1.4565及び/又は鋼1.4462及び/又は鋼SUS 329J3Lである。
【0030】
本発明は、少なくとも1つのウェブと、少なくとも2つ、特に2つの壁セグメントとの間のスタンピング結合により、これらの部材の結合のために入熱が不要であることを認識した。この理由から、本発明に係る方法により、溶接結合のために通常は不適である材料、例えばボロン鋼板等の材料を有するあるいはそのような材料からなる支持バスケット部材も提供することが可能である。
【0031】
好ましくは、少なくとも1つのウェブによる壁セグメントの離間により形成される両壁セグメント間の中間室は、注水可能である。これにより、両壁セグメント間には、注水が可能な層が設けられることができ、この層は、支持バスケット部材から構成される支持バスケットの臨界安全性を保証する。少なくとも1つのウェブが、少なくとも1つ、好ましくは複数の流体通流開口を有し、流体通流開口は、好ましくは、ウェブの長手方向lSに対して横方向、特に垂直に、ウェブを貫いて延在することは、本発明の範囲内にある。流体通流開口は、特に、流体、例えば水が少なくとも1つのウェブを通って通流することを可能にする。流体通流開口は、合目的的には、均等かつ/又は等間隔に、少なくとも1つのウェブに配置されている。
【0032】
上記技術的な課題を解決すべく、本発明は、さらに、放射性廃棄物、特に使用済燃料物質用の輸送容器及び/又は貯蔵容器用の支持バスケットであって、支持バスケットは、交差する複数の壁を備え、壁は、支持バスケットの長手方向lTで延在する、放射性の材料あるいは廃棄物用の収容シャフトを形成し、交差する壁の少なくとも大部分、好ましくは、すべては、それぞれ、上下に配置される壁セグメントを有し、壁セグメントは、好ましくは、前述の支持バスケット部材の部品であり、支持バスケット部材あるいは交差する壁あるいは壁セグメントは、差し込み結合部を介して互いに結合されている、支持バスケットを教示する。
【0033】
合目的的には、支持バスケットの鉛直の設置状態において、鉛直に上下に配置され、互いに一列に並んだ複数の壁セグメントは、補完し合って支持バスケットの1つの壁を形成する。交差する壁は、推奨的には、壁の交差する壁セグメントにより生じる。上下に配置され、交差する壁セグメントは、補完し合って、好ましくは、支持バスケットの収容シャフトを形成する。本発明により、壁を形成する支持バスケット部材は、相応の壁セグメントから構成されている。1つの支持バスケット部材の2つの壁セグメント間には、少なくとも1つのウェブにより壁セグメントが離間するので、特に中間室が設けられており、中間室は、注水可能である。こうして、個々の収容シャフトは、それぞれ、収容シャフトの周囲を環囲するように、支持バスケット部材の注水可能な中間室により取り囲まれている。支持バスケット部材の壁セグメントあるいは支持バスケットの壁は、特に、壁セグメントの、収容シャフトに面した外面に、少なくとも1つのコーティング、例えば炭化ホウ素及び/又はアルミニウムを含む炭化ホウ素からなるコーティングを有していることが可能である。本発明の好ましい実施形態により、支持バスケット部材の壁セグメントあるいは支持バスケットの壁には、特に、壁セグメントの、収容シャフトに面した外面に、少なくとも1つの金属板、特に、少なくとも1つの炭化ホウ素を含むアルミニウム板が配置されている。本実施形態の根底には、極めて満足のいく熱放出が可能であるという認識がある。
【0034】
既に前述したが、支持バスケット部材は、好ましくは、溶接結合なしに形成されている。さらに好ましくは、支持バスケット全体は、溶接結合なしに構成されている。合目的的には、支持バスケット部材あるいは交差する壁は、交差する壁セグメントあるいは支持バスケット部材との差し込み結合用のスリットを有している。好ましくは、スリットは、壁セグメントの上縁あるいは下縁に設けられており、好ましくは、壁セグメントの長手方向lWに対して横方向、特に垂直に延在する。
【0035】
好ましい実施形態によれば、少なくとも1つのウェブに設けられた流体通流開口は、壁セグメントあるいは支持バスケット部材の差し込み結合の領域あるいは差し込み結合用に設けられたスリットの領域にのみ配置されていることが可能である。
【0036】
上記技術的な課題を解決すべく、本発明は、さらに、前述の支持バスケットを備える、放射性廃棄物、特に使用済燃料物質用の輸送容器及び/又は貯蔵容器を教示する。容器は、容器底部、容器胴部及び少なくとも1つの容器蓋部を備え、容器の容器内室には、本発明に係る支持バスケットが配置されている。合目的的には、支持バスケットは、形状結合式あるいは略形状結合式に容器内に収容されている。
【0037】
本発明の根底には、本発明に係る方法により、放射性廃棄物用の輸送容器及び/又は貯蔵容器の支持バスケット用の支持バスケット部材であって、簡単に、かつ高いコスト効率で製造可能であり、同時に、卓越した機械的な強度あるいは安定性の点で優れ、それにもかかわらず、支持バスケット部材から構成される支持バスケットの臨界安全性を保証することができる、支持バスケット部材が提供され得るという認識がある。その点では、本発明に係る方法により、あるいは本発明に係る支持バスケット部材により、コスト効率と、支持バスケット部材の機械的な安定性と、結果として得られる支持バスケットの十分な臨界安全性との要求間の満足のいく折衷が達成される。本発明は、その際、本発明によるスタンピング法により、少なくとも1つのウェブと、少なくとも2つ、特に2つの壁セグメントとの間の極めて信頼性の高い安定な結合が達成されることができ、その結果、機械的に安定な支持バスケット部材が生じ、少なくとも1つのウェブと壁セグメントとの結合は、入熱なしに実現され得ることを認識した。こうして、材料ストレス及び材料歪みは、高い機能信頼性で回避され得る。それにもかかわらず、支持バスケット部材での結合は、その安定性及び強度に関して、実際の使用において公知の結合、例えば溶接結合及び/又はねじ結合に匹敵する。さらに、強調すべき点として、入熱なしの支持バスケット部材の構成部品の機械的に安定な結合に基づいて、溶接結合を予定する方法の範囲内では通常は使用できない材料を支持バスケット部材のために使用する可能性が生じる。本発明に係る方法は、これにより、コスト効率が高く、しかも、極めてフレキシブルであり、かつ結果として得られる支持バスケット部材は、それにもかかわらず、すべての要求を満たす。さらに付言しておかなければならない点は、本発明による手段が、比較的僅かな手間で実現可能であることである。
【0038】
以下に、本発明について、一実施例のみを示した図面を基に詳しく説明する。図面は、概略図で示してある。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】本発明に係る支持バスケット部材のスタンピング工程の斜視図である。
図2】本発明に係る支持バスケット部材の斜視図である。
図3】本発明に係る支持バスケット部材の端部区間の拡大図である。
図4】本発明に係る支持バスケット部材を配置して、1つの支持バスケットを形成する様子を示す図である。
図5】本発明に係る支持バスケットを備える本発明に係る輸送容器及び/又は貯蔵容器を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1は、本発明に係る支持バスケット部材1を製造する方法であって、2つの壁セグメント5と、壁セグメントの結合用に設けられたウェブ6とを用意し、壁セグメント5は、それぞれ複数の結合空所7を有し、ウェブ6は、ウェブ6の、壁セグメント5に割り当てられたウェブ側面8,9に、それぞれ複数の相補的な結合部材10を有する、方法を示している。
【0041】
本発明により、少なくとも2つの壁セグメント5とのウェブ6の予備結合、合目的的には、かつ本実施例では、差し込み結合を、結合空所7との結合部材10の相互作用、特に形状結合(formschluessig)式の相互作用により形成し、続いて、推奨的には、かつ本実施例では、パンチ13として構成される2つのスタンピング工具により、結合部材10と結合空所7との結合、特に摩擦力結合(kraftschluessige Verbindung)を形成すべく、結合空所7において結合部材10のスタンピングを実施する。
【0042】
合目的的には、かつ本実施例では、ウェブ側面8,9に設けられた複数の結合部材10のスタンピングを相前後して実施する。推奨的には、かつ図1に示す実施例では、互いに反対側に位置する2つの結合部材10を、同時あるいは略同時にそれぞれ1つのスタンピング工具あるいはパンチ13により、割り当てられた結合空所7でスタンピングし、その結果、合目的的に、2つの壁セグメント5を、この領域において同時あるいは略同時にウェブ6あるいはウェブ側面8,9に結合する。
【0043】
本発明の範囲内で、かつ本実施例では、結合部材10のスタンピングを、それぞれ、割り当てられた壁セグメント5の外面11から実施する。好ましくは、かつ本実施例では、その際、結合部材10の、この外面11の方向を向いた面12を、スタンピング工具あるいはパンチ13によりスタンピングする。合目的的には、パンチ13として構成される1つのスタンピング工具あるいはパンチ13として構成される2つのスタンピング工具により、少なくとも1つの条溝14を、スタンピング加工部として結合部材10に刻設する。推奨的には、かつ本実施例では、互いに平行に延びる2つの条溝14を、スタンピング加工部として結合部材10に刻設する(図3)。結合部材10のスタンピングのためのプレス力は、推奨的には、10t~40tである。本実施例では、両スタンピング工具あるいは両パンチ13のプレス力は、それぞれ、15t~20tであってもよい。
【0044】
本発明により、まず、少なくとも2つの壁セグメント5と、少なくとも1つのウェブ6との予備結合、好ましくは、かつ本実施例では、差し込み結合が実現される。この予備結合は、合目的的には、解離可能である。結合空所7での結合部材10のスタンピングにより、結合部材10の材料変形が実施され、結合部材10と結合空所7との結合、特に摩擦力結合が実現される。その際、結合部材10の少なくとも1つの外面、好ましくは、すべての外面は、結合空所7の少なくとも1つの内面、好ましくは、すべての内面に圧接される。こうして形成された結合は、合目的的には、もはや解離不能であるか、あるいは極めて大きな力を要してのみ解離可能である。結合部材10は、スタンピング後、いわば挟持状態で結合空所7内に保持されている。
【0045】
本発明に係る支持バスケット部材1は、合目的的には、かつ本実施例(特に図2参照)では、互いに平行あるいは略平行に配置される2つの壁セグメント5と、壁セグメント5間に配置され、壁セグメント5を結合する1つのウェブ6とを備えている。壁セグメント5は、合目的的には、かつ図面に示した実施例では、複数の結合空所7を有し、これらの結合空所7内には、ウェブ6の複数の相補的な結合部材10が配置されている。結合部材10は、スタンピング加工部を有し、これにより、それぞれ、割り当てられた結合空所7に結合、特に摩擦力結合式に結合されている。
【0046】
合目的的には、かつ本実施例では、ウェブ6の結合部材10は、溶接結合なしに壁セグメント5の結合空所7に結合されている。ウェブ6の結合部材10は、その他の点でもねじ結合なしに壁セグメント5の結合空所7に結合されている。
【0047】
2つの壁セグメント5は、好ましくは、かつ本実施例では、複数の結合空所7を有し、結合空所7は、合目的的には、壁セグメント5の長手方向lWで相並んで、好ましくは、かつ本実施例では、等間隔あるいは略等間隔に相並んで配置されている。結合空所7は、合目的的には、壁セグメント5の長さLWの少なくとも70%にわたって延在している。本実施例において、結合空所7は、壁セグメント5の長さLWの少なくとも90%にわたって延在していてもよい。図面に示す実施例では、かつ本発明に係る支持バスケット部材1の好ましい実施形態によれば、結合空所7は、結合溝として構成されており、結合溝は、好ましくは、かつ本実施例では、壁セグメント5を完全に貫通し、あるいは完全に壁セグメント5を貫いて延在している。結合空所7は、好ましくは、かつ本実施例では、長方形あるいは略長方形の幾何学形状を呈している。
【0048】
本発明の範囲内で、かつ本実施例では、ウェブ6は、ウェブ6のウェブ側面8,9に複数の結合部材10を有し、結合部材10は、合目的的には、かつ本実施例では、ウェブ側面8,9から張り出す突出部として構成されている(例えば図1)。図面に示す実施例では、結合部材10は、横断面で見て長方形あるいは略長方形に形成されている。結合部材10の横断面幾何学形状は、これにより、実質的に結合空所7の幾何学形状に相当し、その結果、ウェブ6との壁セグメント5の予備結合のための差し込み結合、特に形状結合式の差し込み結合が実現され得る。その際、ウェブ6の結合部材10は、合目的的には、かつ本実施例では、壁セグメント5の内面から壁セグメント5の外面11に向かって結合空所7に係合し、合目的的には、かつ本実施例では、壁セグメント5の外面11と面一あるいは略面一に終端している。結合部材10の、壁セグメント5の外面11の方向を向いた面12は、推奨的には、かつ本実施例では、スタンピング加工部あるいは条溝14を有し、あるいは本発明に係る方法の範囲内で、この面12は、少なくとも1つのスタンピング工具あるいは少なくとも1つのパンチ13によりスタンピングされる。
【0049】
推奨的には、かつ本実施例では、ウェブ6の、ウェブ側面8,9において互いに反対側に位置する2つの結合部材10は、一対の結合部材を形成し、支持バスケット部材1が結合された状態において、これらの結合部材10に割り当てられた結合空所7は、合目的的には、かつ本実施例では、同じく対をなして、互いに対向するように配置されている。
【0050】
既に述べたが、結合部材10のスタンピング加工部は、合目的的には、かつ本実施例では、互いに平行あるいは略平行に延びる2つの条溝14の形態で構成されている。条溝14は、推奨的には、かつ本実施例では、それぞれの結合部材10の長手方向lVで延在し、好ましくは、ウェブ6の長手方向lSで、かつ支持バスケット部材1の結合された状態において、壁セグメント5の長手方向lWで延在している。
【0051】
図面に示す実施例では、かつ本発明の範囲内で、ウェブ6の平坦な延在部は、壁セグメント5の平坦な延在部に対して横方向、特に垂直あるいは略垂直に配置されている。本実施例では、結果として、横断面で見てH字形に形成されている支持バスケット部材1が生じ、壁セグメント5は、Hの縦棒部であるHフランクを形成し、ウェブ6は、Hの横棒部であるHブリッジを形成している。合目的的には、ウェブ6は、その他の点では、壁セグメント5の高さHを基準にして、支持バスケット部材1の結合された状態において、40%~60%、好ましくは、かつ本実施例では、約50%のところに配置されている。壁セグメント5の高さHとは、壁セグメント5の長手方向lWに対して横方向、特に垂直方向での、壁セグメントの最大の延在寸法を意味している。これに応じて、結合部材10及び結合空所7も、支持バスケット部材1の結合された状態において、壁セグメント5の高さHを基準にして、40%~60%、好ましくは、かつ本実施例では、約50%のところに配置されている。
【0052】
本発明の範囲内で、壁セグメント5及びウェブ6は、少なくとも1種類の鋼からなるあるいは実質的になる。この鋼は、合目的的には、かつ本実施例では、鋼1.4565である。
【0053】
さらに好ましくは、かつ本実施例では、ウェブ6は、複数の流体通流開口15を有している。このことは、特に図2に看取可能である。流体通流開口15は、好ましくは、かつ本実施例では、ウェブ6の長手方向lSに対して横方向、特に垂直に、ウェブ6を貫いて延在している。両壁セグメント5間には、ウェブ6により壁セグメントが離間しているので、中間室19が生じ、中間室19は、注水可能である。水は、流体通流開口15を通して通流可能である。
【0054】
図4及び5は、本発明に係る支持バスケット部材1を結合して、放射性廃棄物、特に使用済燃料物質4用の輸送容器及び/又は貯蔵容器用の支持バスケット2を形成する様子を示している。支持バスケット2は、本発明により、交差する複数の壁16を備え、壁16は、支持バスケット2の長手方向lTで延在する、放射性の材料あるいは廃棄物用の収容シャフト17を形成する。交差する壁16の少なくとも大部分、好ましくは、すべては、それぞれ、上下に配置される壁セグメント5を有し、壁セグメント5は、支持バスケット部材1の部品であり、支持バスケット部材1あるいは交差する壁16あるいは壁セグメント5は、差し込み結合部18を介して互いに結合されている。このことは、図4及び5に看取可能である。支持バスケット2の鉛直の設置状態において、鉛直に上下に配置され、互いに一列に並んだ複数の壁セグメント5は、補完し合って支持バスケット2の1つの壁16を形成する。上下に配置され、交差する壁セグメント5あるいは支持バスケット部材1は、補完し合って支持バスケットの収容シャフト17を形成する。
【0055】
支持バスケット部材1の、ウェブ6を介して結合された2つの壁セグメント5間には、中間室19が配置されており、中間室19は注水可能である。個々の収容シャフト17は、これにより、合目的的には、かつ本実施例では、収容シャフト17の周囲に沿って、差し込み結合部18により結合された支持バスケット部材1の中間室19により完全に取り囲まれている。支持バスケット部材1あるいは壁セグメント5の結合用に、個々の壁セグメント5あるいは支持バスケット部材1は、スリット20を有している。スリット20は、合目的的には、かつ本実施例では、壁セグメント5あるいは支持バスケット部材1の上縁あるいは下縁に設けられており、好ましくは、壁セグメント5の長手方向lWに対して横方向、特に垂直に延在している。スリット20により、支持バスケット部材1あるいは交差する壁16あるいは壁セグメント5の差し込み結合部18が実現される。
【0056】
図5は、放射性廃棄物、特に使用済燃料物質4用の輸送容器及び/又は貯蔵容器3であって、本発明に係る支持バスケット部材1から構成されている本発明に係る支持バスケット2を備える、輸送容器及び/又は貯蔵容器3を示している。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の態様として以下を含む。
1.
放射性廃棄物、特に使用済燃料物質(4)用の輸送容器及び/又は貯蔵容器(3)の支持バスケット(2)用の支持バスケット部材(1)を製造する方法であって、
少なくとも2つの壁セグメント(5)と、前記壁セグメント(5)の結合用に設けられた少なくとも1つのウェブ(6)とを用意し、前記壁セグメント(5)は、それぞれ少なくとも1つの結合空所(7)を有し、少なくとも1つの前記ウェブ(6)は、前記壁セグメント(5)に割り当てられたそのウェブ側面(8,9)に、それぞれ少なくとも1つの相補的な結合部材(10)を有し、
少なくとも1つの前記ウェブ(6)と、少なくとも1つの壁セグメント(5)、好ましくは、少なくとも2つの前記壁セグメント(5)との予備結合、特に差し込み結合を、少なくとも1つの前記結合部材(10)あるいは複数の前記結合部材(10)と、少なくとも1つの前記結合空所(7)あるいは複数の前記結合空所(7)との相互作用により形成し、
続いて、少なくとも1つのスタンピング工具により、少なくとも1つの前記結合部材(10)あるいは複数の前記結合部材(10)と、少なくとも1つの前記結合空所(7)あるいは複数の前記結合空所(7)との結合、特に摩擦力結合を形成すべく、少なくとも1つの前記結合空所(7)あるいは複数の前記結合空所(7)において、少なくとも1つの前記結合部材(10)あるいは複数の前記結合部材(10)のスタンピングを実施する、方法。
2.
少なくとも1つの壁セグメント(5)、好ましくは、少なくとも2つの前記壁セグメント(5)は、複数の結合空所(7)を有し、少なくとも1つの前記ウェブ(6)は、少なくとも一方のウェブ側面(8,9)、好ましくは、両方のウェブ側面(8,9)に、好ましくは、それぞれ複数の相補的な結合部材(10)を有し、ウェブ側面(8,9)に設けられた複数の前記結合部材(10)のスタンピングを、特に好ましくは、相前後して実施する、上記1の方法。
3.
前記ウェブ側面(8,9)において互いに反対側に位置する少なくとも2つの結合部材(10)を、同時あるいは略同時にそれぞれ少なくとも1つのスタンピング工具により、割り当てられた結合空所(7)においてスタンピングし、好ましくは、少なくとも2つの前記壁セグメント(5)を同時あるいは略同時に前記ウェブ(6)あるいは前記ウェブ側面(8,9)に結合する、上記1又は2の方法。
4.
前記結合部材(10)のスタンピングを、それぞれ、割り当てられた壁セグメント(5)の外面(11)から実施し、好ましくは、1つの前記結合部材あるいは複数の前記結合部材(10)の、前記外面(11)の方向を向いた面(12)を、スタンピング工具によりスタンピングする、上記1から3のいずれか一つの方法。
5.
少なくとも1つのスタンピング工具は、パンチ(13)であり、前記スタンピング工具あるいは前記パンチ(13)により、好ましくは、少なくとも1つの条溝(14)を、スタンピング加工部として前記結合部材(10)に刻設する、上記1から4のいずれか一つの方法。
6.
前記結合部材(10)のスタンピングのためのプレス力が、5t~50t、好ましくは、10t~40t、好ましくは、12t~30t、特に好ましくは、15t~25tである、上記1から5のいずれか一つの方法。
7.
放射性廃棄物、特に使用済燃料物質(4)用の輸送容器及び/又は貯蔵容器(3)の支持バスケット(2)用の支持バスケット部材であって、
前記支持バスケット部材(1)は、好ましくは、上記1から6のいずれか一つの方法により製造されており、
前記支持バスケット部材(1)は、互いに平行あるいは略平行に配置される少なくとも2つの壁セグメント(5)と、前記壁セグメント(5)間に配置され、前記壁セグメント(5)を結合する少なくとも1つのウェブ(6)とを備え、
前記壁セグメント(5)は、それぞれ少なくとも1つの結合空所(7)を有し、前記結合空所(7)内には、前記ウェブ(6)の少なくとも1つの相補的な結合部材(10)が配置されており、
前記結合部材(10)は、スタンピング加工部を有し、これにより、それぞれ、割り当てられた結合空所(7)に結合、特に摩擦力結合式に結合されている、
支持バスケット部材。
8.
少なくとも1つの前記ウェブ(6)の結合部材(10)は、溶接結合なしに前記壁セグメント(5)の結合空所(7)に結合されている、上記7の支持バスケット部材。
9.
少なくとも1つの壁セグメント(5)、好ましくは、少なくとも2つの前記壁セグメント(5)は、複数の結合空所(7)を有し、前記結合空所(7)は、好ましくは、1つの前記壁セグメント(5)あるいは複数の前記壁セグメント(5)の長手方向(lW)で相並んで、特に等間隔に相並んで配置されており、特に好ましくは、1つの前記壁セグメント(5)あるいは複数の前記壁セグメント(5)の長さ(LW)の少なくとも70%にわたって、好ましくは、少なくとも80%にわたって、例えば、少なくとも90%にわたって延在する、上記7又は8の支持バスケット部材。
10.
少なくとも1つの前記ウェブ(6)は、少なくとも一方のウェブ側面(8,9)、好ましくは、両方のウェブ側面(8,9)に、複数の結合部材(10)を有し、前記結合部材(10)は、好ましくは、前記ウェブ側面(8,9)から張り出す突出部として構成されており、特に横断面で見て長方形あるいは略長方形に形成されている、上記7から9のいずれか一つの支持バスケット部材。
11.
前記結合空所(7)は、結合溝として構成されており、前記結合溝は、好ましくは、前記壁セグメント(5)を完全に貫通する、上記7から10のいずれか一つの支持バスケット部材。
12.
前記結合部材(10)のスタンピング加工部は、少なくとも1つの条溝(14)として構成されており、前記条溝(14)は、好ましくは、前記結合部材(10)の長手方向(lV)で、かつ好ましくは、前記ウェブ(6)の長手方向で(lS)で、かつ/又は1つの前記壁セグメント(5)あるいは複数の前記壁セグメント(5)の長手方向(lW)で延在する、上記7から11のいずれか一つの支持バスケット部材。
13.
少なくとも1つの前記ウェブ(6)の平坦な延在部は、前記壁セグメント(5)の平坦な延在部に対して横方向、特に垂直あるいは略垂直に配置されている、上記7から12のいずれか一つの支持バスケット部材。
14.
少なくとも2つの前記壁セグメント(5)及び/又は少なくとも1つの前記ウェブ(6)は、少なくとも1種類の鋼をベースに形成されており、特に、少なくとも1種類の鋼からなり、あるいは実質的になり、前記鋼は、好ましくは、少なくとも1種類のオーステナイト系の鋼及び/又は少なくとも1種類の二相鋼あるいはオーステナイト-フェライト系の鋼、特に好ましくは、鋼1.4565及び/又は鋼1.4462及び/又は鋼SUS 329J3Lである、上記7から13のいずれか一つの支持バスケット部材。
15.
少なくとも1つの前記ウェブ(6)は、少なくとも1つ、好ましくは複数の流体通流開口(15)を有し、前記流体通流開口(15)は、好ましくは、前記ウェブ(6)の長手方向(lS)に対して横方向、特に垂直に、前記ウェブ(6)を貫いて延在する、上記7から14のいずれか一つの支持バスケット部材。
16.
放射性廃棄物、特に使用済燃料物質(4)用の輸送容器及び/又は貯蔵容器用の支持バスケットであって、
前記支持バスケット(2)は、交差する複数の壁(16)を備え、前記壁(16)は、前記支持バスケット(2)の長手方向(lT)で延在する、放射性の材料あるいは廃棄物用の収容シャフト(17)を形成し、
交差する前記壁(16)の少なくとも大部分、好ましくは、すべては、それぞれ、上下に配置される壁セグメント(5)を有し、
前記壁セグメント(5)は、支持バスケット部材(1)、特に、上記7から15の支持バスケット部材(1)の部品であり、
前記支持バスケット部材(1)あるいは交差する前記壁(16)あるいは壁セグメント(5)は、差し込み結合部(18)を介して互いに結合されている、
支持バスケット。
17.
上記16の支持バスケット(2)を備える、放射性廃棄物、特に使用済燃料物質(4)用の輸送容器及び/又は貯蔵容器。
図1
図2
図3
図4
図5