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特許7561318ヒューズユニット及びヒューズユニットの製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】ヒューズユニット及びヒューズユニットの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01H 85/20 20060101AFI20240927BHJP
   H01R 13/696 20110101ALI20240927BHJP
   H01M 50/583 20210101ALI20240927BHJP
【FI】
H01H85/20 C
H01R13/696
H01M50/583
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2024520026
(86)(22)【出願日】2024-01-11
(86)【国際出願番号】 JP2024000420
【審査請求日】2024-04-02
(31)【優先権主張番号】P 2023090832
(32)【優先日】2023-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 秀夫
(72)【発明者】
【氏名】山田 悠平
(72)【発明者】
【氏名】林 城昭
(72)【発明者】
【氏名】中山 治
(72)【発明者】
【氏名】原 照雄
(72)【発明者】
【氏名】西谷 章弘
【審査官】片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/194967(WO,A1)
【文献】特開2014-013707(JP,A)
【文献】特開平09-139256(JP,A)
【文献】特開平11-185885(JP,A)
【文献】特開昭50-054860(JP,A)
【文献】特開2000-260534(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102015110593(DE,A1)
【文献】独国特許出願公開第102009052353(DE,A1)
【文献】特開2019-032928(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 85/20
H01R 13/696
H01M 50/583
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相手部材に電気的に接続される第1端子と、
配線部材に直接的にまたは間接的に電気的に接続される第2端子と、
前記第1端子の一部と前記第2端子の一部を覆う樹脂部と、
チップヒューズと、を備え、
前記樹脂部は、前記第1端子と前記第2端子との間隔を維持し、
前記第1端子は、前記樹脂部から露出する第1接続部を備え、
前記第2端子は、前記樹脂部から露出する第2接続部を備え、
前記チップヒューズは、前記第1接続部に実装される第1電極と、前記第2接続部に実装される第2電極と、を備え
前記第1端子または前記第2端子は、外縁部から凹む切り欠きを有し、
前記切り欠きは、前記第1接続部または前記第2接続部を画定している、ヒューズユニット。
【請求項2】
前記樹脂部は、前記第1接続部及び前記第2接続部よりも突出する部分を有し前記チップヒューズの周囲に配される周壁部を備える、請求項1に記載のヒューズユニット。
【請求項3】
前記周壁部は、前記第1接続部と、前記第2接続部とを囲む、請求項2に記載のヒューズユニット。
【請求項4】
前記チップヒューズを覆うカバー部材をさらに備える、請求項1に記載のヒューズユニット。
【請求項5】
前記配線部材が接続される第3端子をさらに備え、
前記第2端子は、前記第3端子に接続される第1端子接続部を備え、
前記第3端子は、前記第1端子接続部と嵌合により接続される第2端子接続部を備える、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のヒューズユニット。
【請求項6】
前記樹脂部に組み付けられて前記第3端子を保持するリテーナをさらに備える、請求項5に記載のヒューズユニット。
【請求項7】
前記樹脂部には、前記第1接続部及び第2接続部に対して凹む溝が形成され、
前記溝を構成する内面は、前記第1接続部及び前記第2接続部と連なっており、
前記溝の一部は前記切り欠きの内側に配されている、請求項1に記載のヒューズユニット。
【請求項8】
外縁部から凹む切り欠きを有する第1端子と外縁部から凹む切り欠きを有する第2端子とを形成する端子形成工程と、
インサート成形により、前記第1端子の一部と前記第2端子の一部とを覆う樹脂部であって、前記第1端子の外面を第1接続部として露出させるとともに前記第2端子の外面を第2接続部として露出させ、前記切り欠きが前記第1接続部または前記第2接続部を画定している樹脂部を形成する樹脂部形成工程と、
第1電極と第2電極とを備えるチップヒューズの前記第1電極を前記第1接続部に実装し、前記第2電極を前記第2接続部に実装する実装工程と、を備える、ヒューズユニットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ヒューズユニット及びヒューズユニットの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車やハイブリッド自動車等に用いられる高圧の電池パックは、通常、多数の電池セルが積層され、配線モジュールによって直列あるいは並列に電気接続されている。このような配線モジュールとして、従来、特開2019-32928号公報(下記特許文献1)に記載の導体モジュールが知られている。特許文献1に記載の導体モジュールは、配索材と、複数のバスバーと、を備える。配索材は、バスバーと電池モジュール監視ユニットとを電気的に接続する複数の配線と、配線の途中に設けられるヒューズと、を有する。特許文献1では、配索材として、フレキシブルプリント基板(FPC)が例示されている。配索材としてFPCを使用することで、実装によりヒューズを配索材に容易に設けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-32928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような導体モジュールにおいて、電池セルやバスバー等が変更された場合には、配索材を別途設計し、準備する必要がある。よって、配線材の製造コストを低減しにくい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示のヒューズユニットは、相手部材に電気的に接続される第1端子と、配線部材に直接的にまたは間接的に電気的に接続される第2端子と、前記第1端子の一部と前記第2端子の一部を覆う樹脂部と、チップヒューズと、を備え、前記樹脂部は、前記第1端子と前記第2端子との間隔を維持し、前記第1端子は、前記樹脂部から露出する第1接続部を備え、前記第2端子は、前記樹脂部から露出する第2接続部を備え、前記チップヒューズは、前記第1接続部に実装される第1電極と、前記第2接続部に実装される第2電極と、を備える、ヒューズユニットである。
【0006】
また、本開示のヒューズユニットの製造方法は、第1端子と第2端子とを形成する端子形成工程と、インサート成形により、前記第1端子の一部と前記第2端子の一部とを覆う樹脂部であって、前記第1端子の外面を第1接続部として露出させるとともに前記第2端子の外面を第2接続部として露出させる樹脂部を形成する樹脂部形成工程と、第1電極と第2電極とを備えるチップヒューズの前記第1電極を前記第1接続部に実装し、前記第2電極を前記第2接続部に実装する実装工程と、を備える、ヒューズユニットの製造方法である。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、製造コストの低減が可能なヒューズユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態1にかかるヒューズユニットの斜視図であって、ヒューズユニットが電線に接続された状態を示す図である。
図2図2は、実施形態1にかかる、電線に接続されたヒューズユニットの平面図である。
図3図3は、図2のA-A断面図である。
図4図4は、実施形態1にかかる第1端子及び第2端子の平面図である。
図5図5は、実施形態1にかかる中間成形体の平面図である。
図6図6は、実施形態1にかかるヒューズユニットの平面図である。
図7図7は、実施形態1にかかるヒューズユニットを含む配線モジュールの斜視図である。
図8図8は、実施形態2にかかるヒューズユニットの斜視図であって、ヒューズユニットが電線に接続された状態を示す図である。
図9図9は、実施形態2にかかるヒューズユニットの断面図であって、実施形態1の図3に対応する図である。
図10図10は、実施形態3にかかるヒューズユニットの斜視図であって、ヒューズユニットが電線に接続された状態を示す図である。
図11図11は、実施形態3にかかるヒューズユニットの断面図であって、実施形態1の図3に対応する図である。
図12図12は、実施形態4にかかるヒューズユニットの断面図であって、実施形態1の図3に対応する図である。
図13図13は、実施形態5にかかるヒューズユニットの斜視図であって、ヒューズユニットが電線に接続された状態を示す図である。
図14図14は、実施形態6にかかるヒューズユニットの平面図であって、ヒューズユニットが電線に接続された状態を示す図である。
図15図15は、図14のB-B断面図である。
図16図16は、実施形態7にかかるヒューズユニットの斜視図であって、ヒューズユニットが電線に接続された状態を示す図である。
図17図17は、実施形態7にかかる、電線に接続されたヒューズユニットの平面図である。
図18図18は、図17のC-C断面図である。
図19図19は、図17のC-C断面において、第3端子がキャビティに挿入される様子を示す図である。
図20図20は、図17のC-C断面において、第3端子がキャビティに挿入され、リテーナが仮係止位置にある状態を示す図である。
図21図21は、実施形態7にかかる、電線に接続されたヒューズユニットの側面図である。
図22図22は、図21のD-D断面図であり、図22においては、第2端子、第3端子、及び電線は省略している。
図23図23は、実施形態7にかかる、第3端子を除くヒューズユニットの側面図であって、リテーナが仮係止位置にある状態を示す図である。
図24図24は、図23のE-E断面図である。
図25図25は、実施形態7にかかる第1端子、第2端子、及び樹脂部の平面図である。
図26図26は、図25のF-F断面斜視図である。
図27図27は、図25のG-G断面図である。
図28図28は、実施形態7にかかる第1端子及び第2端子の平面図である。
図29図29は、実施形態1の変形例にかかるヒューズユニットの斜視図であって、ヒューズユニットが電線に接続された状態を示す図である。
図30図30は、他の実施形態にかかるヒューズユニットの斜視図であって、ヒューズユニットがフレキシブル基板に接続された状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列挙して説明する。
[1]本開示のヒューズユニットは、相手部材に電気的に接続される第1端子と、配線部材に直接的にまたは間接的に電気的に接続される第2端子と、前記第1端子の一部と前記第2端子の一部を覆う樹脂部と、チップヒューズと、を備え、前記樹脂部は、前記第1端子と前記第2端子との間隔を維持し、前記第1端子は、前記樹脂部から露出する第1接続部を備え、前記第2端子は、前記樹脂部から露出する第2接続部を備え、前記チップヒューズは、前記第1接続部に実装される第1電極と、前記第2接続部に実装される第2電極と、を備える。
【0010】
このような構成によると、実装により簡便にチップヒューズをヒューズユニットに含ませることができる。また、相手部材や配線部材が変更された場合でも、ヒューズユニットを再設計しなくてもよい場合があるから、ヒューズユニットの製造コストを低減することができる。
【0011】
[2]上記[1]において、前記樹脂部は、前記第1接続部及び前記第2接続部よりも突出する部分を有し前記チップヒューズの周囲に配される周壁部を備えることが好ましい。
【0012】
このような構成によると、周壁部によりチップヒューズを保護することができる。
【0013】
[3]上記[2]において、前記周壁部は、前記第1接続部と、前記第2接続部とを囲むことが好ましい。
【0014】
このような構成によると、周壁部によって、チップヒューズに異物等が接触することを抑制できるため、第1接続部と第1電極との接続部分、および、第2接続部と第2電極との接続部分に応力が生じることを抑制できる。
【0015】
[4]上記[1]から[3]のいずれか1つのヒューズユニットは、前記ヒューズを覆うカバー部材をさらに備えることが好ましい。
【0016】
このような構成によると、カバー部材が設けられることで、結露水等がチップヒューズに付着することを抑制することができる。よって、結露水等を介して第1電極と第2電極とが短絡することを抑制することができる。
【0017】
[5]上記[1]から[4]のいずれか1つのヒューズユニットは、前記配線部材が接続される第3端子をさらに備え、前記第2端子は、前記第3端子に接続される第1端子接続部を備え、前記第3端子は、前記第1端子接続部と嵌合により接続される第2端子接続部を備えることが好ましい。
【0018】
このような構成によると、配線部材と第2端子との接続が容易になる。
【0019】
[6]上記[5]のヒューズユニットは、前記樹脂部に組み付けられて前記第3端子を保持するリテーナをさらに備えることが好ましい。
【0020】
このような構成によると、第3端子を樹脂部に対して保持することができるため、樹脂部に対する第3端子の位置が決まりやすい。
【0021】
[7]上記[1]から[6]のいずれか1つにおいて、前記第1端子または前記第2端子は、外縁部から凹む切り欠きを有し、前記切り欠きは、前記第1接続部または前記第2接続部を画定していることが好ましい。
【0022】
このような構成によると、切り欠きにより第1接続部または第2接続部が画定されることで、第1接続部または第2接続部の大きさが適切に調整され、チップヒューズを実装する際に第1接続部または第2接続部からの熱引きを制御することができる。
【0023】
[8]上記[7]において、前記樹脂部には、前記第1接続部及び第2接続部に対して凹む溝が形成され、前記溝を構成する内面は、前記第1接続部及び前記第2接続部と連なっており、前記溝の一部は前記切り欠きの内側に配されていることが好ましい。
【0024】
このような構成によると、樹脂部を形成する際に、切り欠きを通して溶融状態の樹脂が第1接続部及び第2接続部の外面へと移動することを抑制することができる。これにより、第1接続部及び第2接続部にバリが発生することを抑制することができる。
【0025】
[9]本開示のヒューズユニットの製造方法は、第1端子と第2端子とを形成する端子形成工程と、インサート成形により、前記第1端子の一部と前記第2端子の一部とを覆う樹脂部であって、前記第1端子の外面を第1接続部として露出させるとともに前記第2端子の外面を第2接続部として露出させる樹脂部を形成する樹脂部形成工程と、第1電極と第2電極とを備えるチップヒューズの前記第1電極を前記第1接続部に実装し、前記第2電極を前記第2接続部に実装する実装工程と、を備える。
【0026】
このようなヒューズユニットの製造方法によると、樹脂部形成工程において第1接続部と第2接続部とを露出させる樹脂部を形成することにより、実装工程において簡便にチップヒューズをヒューズユニットに含ませることができる。また、第1端子及び第2端子がそれぞれ接続される相手側の部材が変更された場合でも、ヒューズユニットを再設計しなくてもよい場合があるから、ヒューズユニットの製造コストを低減することができる。
【0027】
[本開示の実施形態の詳細]
以下に、本開示の実施形態について説明する。本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張または簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率については各図面で異なる場合がある。本明細書における「直交」や「平行」は、厳密に直交や平行の場合のみでなく、本実施形態における作用ならびに効果を奏する範囲内で概ね直交や平行の場合も含まれる。
【0028】
各図面では、互いに垂直な3方向を示し、当該3方向をそれぞれ第1方向D1、第2方向D2及び第3方向D3として示している。すなわち、第1方向D1と第2方向D2とは互いに垂直であり、第1方向D1と第3方向D3とは互いに垂直であり、第2方向D2と第3方向D3とは互いに垂直である。各方向を示す実線の両側に矢印を記載していることにより、符号が記載された側の矢印の方向のみならず、符号が記載されていない側の矢印の方向も当該方向を示すものとする。
【0029】
<実施形態1>
(ヒューズユニット10)
本開示の実施形態1について、図1から図7を参照しつつ説明する。図1から図3に示すように、本実施形態のヒューズユニット10は、第1端子20と、第2端子30と、樹脂部40と、チップヒューズ50と、を備える。なお、複数の同一部材については、一部の部材にのみ符号を付し、他の部材の符号を省略する場合がある。
【0030】
(第1端子20)
第1端子20は、導電性の金属から構成されている。図4に示すように、第1端子20は、矩形の板状をなす板状部21と、板状部21を貫通する貫通孔22と、を有する。貫通孔22は、板状部21の延び方向における端部寄りの位置に配されている。板状部21は、板状部21の幅方向(板状部21の延び方向及び板厚方向の双方に直交する方向)の両端に2つの凹部21Aを有する。凹部21Aは、板状部21の幅方向の端縁から凹んで形成されている。板状部21は、相手部材に電気的に接続される相手部材接続部23を備える。相手部材は、例えばバスバー60である(図7参照)。相手部材接続部23と相手部材との接続は、例えば溶接や半田付け等によりなされる。
【0031】
(第2端子30)
第2端子30は、導電性の金属から構成されている。第2端子30を構成する金属は、第1端子20を構成する金属と異なっていてもよい。図4に示すように、第2端子30は、矩形の板状をなす板状部31と、板状部31を貫通する貫通孔32と、バレル部33と、を備える。バレル部33は第2端子30の延び方向について板状部31に連なって形成されている。板状部31は、第2端子30の幅方向(第2端子30の延び方向及び板状部31の板厚方向の双方に直交する方向)の両端に2つの凹部31Aを有する。凹部31Aは、第2端子30の幅方向の端縁から凹んで形成されている。
【0032】
バレル部33は芯線圧着部33Aと、絶縁被覆圧着部33B(固定部の一例)と、を備える。芯線圧着部33Aは、第2端子30の延び方向について、板状部31と絶縁被覆圧着部33Bとの間に配されている。図3に示すように、芯線圧着部33Aは電線70(配線部材の一例)の芯線に圧着される。芯線圧着部33Aにより、第2端子30は電線70に電気的に接続される。絶縁被覆圧着部33Bは、電線70の絶縁被覆に圧着される。絶縁被覆圧着部33Bにより、電線70を第2端子30に固定することができる。絶縁被覆圧着部33Bは、例えば電線70に引っ張り応力が加わった場合に、芯線圧着部33Aにこの引っ張り応力が伝わることを抑制する。これにより、電線70と第2端子30との電気的接続を維持しやすくなっている。
【0033】
(樹脂部40)
樹脂部40は、絶縁性の合成樹脂から構成されている。図1から図3に示すように、樹脂部40は、第1端子20と第2端子30との間に配され、第1端子20の一部と第2端子30の一部とを覆っている。樹脂部40は、後述するように、インサート成形により、第1端子20及び第2端子30と一体的に形成されている。図2及び図3に示すように、インサート成形の際、樹脂部40の原料である溶融状態の樹脂が貫通孔22,32及び凹部21A,31Aの内部に充填されることにより、樹脂部40に対して第1端子20及び第2端子30が保持されている。樹脂部40により、第1端子20及び第2端子30は、互いに直接接触しないように位置決めされている。第1端子20と第2端子30とは第1方向D1に離間して配置されている。第1端子20は、第1端子20の板状部21の延び方向が第1方向D1となるように配置されている。第2端子30は、第2端子30の延び方向が第1方向D1となるように配置されている。
【0034】
(載置面41)
図3に示すように、樹脂部40は載置面41を有して形成される。載置面41は、第1端子20と第2端子30との間に位置する。載置面41は、チップヒューズ50が載置される面である。載置面41は第2方向D2(以下、上下方向として説明する)に直交している。第2方向D2は、板状部21,31の板厚方向と一致している。
【0035】
(第1接続部24)
載置面41からは板状部21の外面の一部である第1接続部24が露出している。第1接続部24は、載置面41の隣で樹脂部40から露出している。第1接続部24は、第1方向D1について第2端子30寄りの第1端子20の端部に配されている。第1接続部24は載置面41と面一に配されている。換言すると、第1接続部24は、載置面41と平行であって、載置面41と第2方向D2について同じ位置に配されている。第1接続部24は、第1方向D1に載置面41と連なっている。ここで、「面一」とは、2つの平行な面が段差なく滑らかに連なって配されている状態を意味しているが、本明細書においては、面一である状態に加えて、実質的に面一と認識される状態も含まれるものとする。実質的に面一と認識される状態とは、例えば、製造公差や熱膨張等の影響により、載置面41と第1接続部24との間に微細な段差が現れた状態や、載置面41と第1接続部24とが僅かに交差しており、厳密には平行配置になっていない状態のことである。
【0036】
(第2接続部34)
載置面41からは板状部31の外面の一部である第2接続部34が露出している。第2接続部34は、載置面41の隣で樹脂部40から露出している。第2接続部34は、第1方向D1について第1端子20寄りの第2端子30の端部に配されている。第2接続部34は載置面41と面一に配されている。
【0037】
(周壁部42)
図1に示すように、樹脂部40は、第1接続部24及び第2接続部34よりも突出する周壁部42を備える。周壁部42は、例えば、第1接続部24および第2接続部34と直交する方向に沿って突出している。また、周壁部42は、例えば、載置面41から第2方向D2の一方側(上方)に延びている。周壁部42は第2方向D2に直交する方向についてチップヒューズ50を包囲するように配されている。なお、周壁部42は、チップヒューズ50には接触しないように配置されている。図3に示すように、載置面41からの周壁部42の高さ(第2方向D2の寸法)は、チップヒューズ50の高さよりも大きくなっている。
【0038】
(チップヒューズ50)
図1に示すように、チップヒューズ50は、第1電極51と第2電極52とを備える。大電流が流れることによりチップヒューズ50が溶断すると、第1電極51と第2電極52とは電気的に絶縁される。チップヒューズ50は載置面41上に載置されている。第1電極51は第1接続部24の上に配され、第2電極52は第2接続部34の上に配されている。第1電極51と第1接続部24とは半田付けにより接続されている。第2電極52と第2接続部34とは半田付けにより接続されている。すなわち、チップヒューズ50は、第1端子20、第2端子30、及び樹脂部40から構成される中間成形体43(図5参照)に実装されている。したがって、実装工程により、簡便にチップヒューズ50をヒューズユニット10に組み込むことができる(図6参照)。
【0039】
ヒューズユニット10は、フレキシブルプリント基板(FPC:Flexible Printed Circuits)を使用せずに、チップヒューズ50を実装する部材を構成している。すなわち、第1端子20、第2端子30、及び樹脂部40によって、チップヒューズ50を実装可能な第1接続部24及び第2接続部34を形成している。したがって、ヒューズユニット10の製造コストを低減しやすい。
【0040】
(配線モジュール1)
本実施形態のヒューズユニット10は、例えば、電気自動車またはハイブリッド自動車などの車両に搭載される蓄電モジュールに用いることができる。蓄電モジュールは、複数の蓄電素子(図示せず)と、複数の蓄電素子に取り付けられる配線モジュール1と、を備える。図7に示すように、配線モジュール1は、ヒューズユニット10と、第1端子20の相手部材接続部23に接続されるバスバー60と、第2端子30のバレル部33に接続される電線70と、を備える。バスバー60は複数の蓄電素子の電極端子に接続される。電線70はコネクタ(図示しない)を介してECU(Electronic Control Unit)等に接続されるようになっている。電線70は電圧検知線として機能する。
【0041】
ヒューズユニット10を含む配線モジュール1は、電圧検知線としてFPCの代わりに電線70を備える。よって、FPCが電圧検知線として使用された配線モジュールと比較して、低コストで配線モジュール1を製造することができる。
【0042】
(ヒューズユニット10の製造方法)
以上がヒューズユニット10の構成であって、以下、ヒューズユニット10の製造方法の一例について説明する。まず、金属板材をプレス加工することで、第1端子20と第2端子30とが形成される(端子形成工程、図4参照)。
【0043】
次に、第1端子20の一部と第2端子30の一部とをインサート部として、樹脂部40のインサート成形が行われる(樹脂部形成工程)。第1端子20及び第2端子30が金型内に配置され、樹脂部40の原料となる溶融状態の樹脂が金型内に充填される。この際、第1端子20と第2端子30とは直接接触しない配置とされる。また、樹脂部40から載置面41と隣り合う第1接続部24及び第2接続部34が露出し、且つ第1接続部24及び第2接続部34と載置面41とが面一となるように、第1端子20及び第2端子30が金型内に適切に位置決めされる。樹脂が硬化したら、金型が取り外され、中間成形体43が得られる(図5参照)。
【0044】
中間成形体43の載置面41にチップヒューズ50が載置され、第1電極51が第1接続部24に、第2電極52が第2接続部34にそれぞれ実装される(実装工程、図6参照)。以上により、ヒューズユニット10の製造が完了する。
【0045】
(実施形態1の作用効果)
(1-1)本開示のヒューズユニット10は、相手部材(バスバー60)に電気的に接続される第1端子20と、配線部材(電線70)に直接的にまたは間接的に電気的に接続される第2端子30と、第1端子20の一部と第2端子30の一部を覆う樹脂部40と、チップヒューズ50と、を備え、樹脂部40は、第1端子20と第2端子30との間隔を維持し、第1端子20は、樹脂部40から露出する第1接続部24を備え、第2端子30は、樹脂部40から露出する第2接続部34を備え、チップヒューズ50は、第1接続部24に実装される第1電極51と、第2接続部34に実装される第2電極52と、を備える。
【0046】
このような構成によると、実装により簡便にチップヒューズ50をヒューズユニット10に含ませることができる。また、相手部材や配線部材が変更された場合でも、ヒューズユニット10を再設計しなくてもよい場合があるから、ヒューズユニット10の製造コストを低減することができる。
【0047】
(1-2)実施形態1では、樹脂部40は、第1接続部24及び第2接続部34よりも突出する部分を有しチップヒューズ50の周囲に配される周壁部42を備える。
【0048】
このような構成によると、周壁部42によりチップヒューズ50を保護することができる。
【0049】
(1-3)実施形態1では、周壁部42は、第1接続部24と、第2接続部34とを囲む。
【0050】
このような構成によると、周壁部42によって、チップヒューズ50に異物等が接触することを抑制できるため、第1接続部24と第1電極51との接続部分、および、第2接続部34と第2電極52との接続部分に応力が生じることを抑制できる。
【0051】
(1-4)本開示のヒューズユニット10の製造方法は、第1端子20と第2端子30とを形成する端子形成工程と、インサート成形により、第1端子20の一部と第2端子30の一部とを覆う樹脂部40であって、第1端子20の外面を第1接続部24として露出させるとともに第2端子30の外面を第2接続部34として露出させる樹脂部40を形成する樹脂部形成工程と、第1電極51と第2電極52とを備えるチップヒューズ50の第1電極51を第1接続部24に実装し、第2電極52を第2接続部34に実装する実装工程と、を備える。
【0052】
このようなヒューズユニット10の製造方法によると、樹脂部形成工程において第1接続部24と第2接続部34と露出させる樹脂部40を形成することにより、実装工程において簡便にチップヒューズ50をヒューズユニット10に含ませることができる。また、第1端子20及び第2端子30がそれぞれ接続される相手側の部材が変更された場合でも、ヒューズユニット10を再設計しなくてもよい場合があるから、ヒューズユニット10の製造コストを低減することができる。
【0053】
<実施形態2>
本開示の実施形態2について、図8及び図9を参照しつつ説明する。実施形態2にかかるヒューズユニット110は蓋部144(カバー部材の一例)をさらに備える点を除いて、実施形態1と同様に構成されているため、実施形態1と同一の部材、作用効果については、説明を省略する。
【0054】
(蓋部144)
蓋部144は、絶縁性の合成樹脂や絶縁性のテープ等により構成されている。図9に示すように、蓋部144は、周壁部42の上端面に貼り付けられ、周壁部42により構成される開口部42Aを閉塞している。蓋部144とチップヒューズ50とは空間を隔てて配置されている。実施形態2のヒューズユニット110は、実施形態1のヒューズユニット10に蓋部144を貼り付けることにより、製造することができる。
【0055】
実施形態2の構成によれば、蓋部144により水滴が周壁部42の開口部42A内に浸入することを防止することができる。したがって、チップヒューズ50が溶断した後、水滴を介して第1接続部24と第2接続部34とが導通することを防ぐことができる。
【0056】
<実施形態3>
本開示の実施形態3について、図10及び図11を参照しつつ説明する。実施形態3にかかるヒューズユニット210は封止部245(カバー部材の一例)をさらに備える点を除いて、実施形態1と同様に構成されているため、実施形態1と同一の部材、作用効果については、説明を省略する。
【0057】
(封止部245)
封止部245は、硬化性の絶縁性樹脂から構成されている。封止部245は、樹脂部40を構成する合成樹脂と異なる樹脂から構成されていてもよい。封止部245は透明であってもよい。実施形態3の封止部245は、例えばポッティング剤である。図11に示すように、封止部245は周壁部42の開口部42A内の空間を埋めるように配されている。封止部245はチップヒューズ50の外面、第1接続部24、第2接続部34、及び載置面41に密着している。封止部245は、実装工程の後、硬化前の液状の絶縁性樹脂を開口部42A内に充填し、絶縁性樹脂を硬化させることにより、形成される。なお、周壁部42の内側には、周壁部42の内周面と、樹脂部40における第1端子20と第2端子30との間の部分の表面であって周壁部42の内側に露出する部分と、第1端子20における周壁部42の内側に露出する表面と、第2端子30における周壁部42の内側に露出する表面とによって有底状の凹部が形成されている。そのため、この凹部内に溶融した封止部245を配置することで、チップヒューズ50、第1接続部24と第1電極51との接続部分、並びに、第2接続部34と第2電極52との接続部分を、封止部245によって容易に覆うことができる。
【0058】
(貫通孔246)
また、樹脂部40には貫通孔246を形成してもよい。この貫通孔246は、載置面41と樹脂部40の下面とを貫通している。貫通孔246は、チップヒューズ50のうち第1電極51及び第2電極52と異なる部分の外面の一部を外部に露出している。すなわち、チップヒューズ50の外面の全体が、封止部245と樹脂部40とによって、覆われているわけではない。第1電極51及び第2電極52は、貫通孔246を介して外部に露出されていない。貫通孔246は、例えば、樹脂部形成工程において形成されてもよく、樹脂部形成工程の後で形成されてもよい。
【0059】
実施形態3の構成によれば、封止部245により水滴が周壁部42の開口部42A内に浸入することを防止することができる。したがって、チップヒューズ50が溶断した後、水滴を介して第1接続部24と第2接続部34とが導通することを防ぐことができる。
【0060】
<実施形態4>
本開示の実施形態4について、図12を参照しつつ説明する。実施形態4にかかるヒューズユニット310は、封止部345(カバー部材の一例)の構成を除いて、実施形態3と略同様に構成されているため、実施形態1,3と同一の部材、作用効果については、説明を省略する。
【0061】
(封止部345)
実施形態4の封止部345は、例えば防湿コーティング剤である。封止部345は、周壁部42の開口部42A内において、チップヒューズ50の外面、第1接続部24、第2接続部34、及び載置面41に密着している。封止部345は、開口部42A内の空間全体に充填されなくてもよい。
【0062】
<実施形態5>
本開示の実施形態5について、図13を参照しつつ説明する。実施形態5にかかるヒューズユニット410は第2端子430の構成を除いて、実施形態1と略同様に構成されているため、実施形態1と同一の部材、作用効果については、説明を省略する。
【0063】
(電線押さえ部435)
第2端子430は、板状部31と、電線接続部434と、電線押さえ部435(固定部の一例)と、を備える。電線接続部434は、板状部31から第1方向D1に延びる板状の部材である。電線接続部434は、半田付けによって電線70の芯線に接続される。電線押さえ部435は、電線接続部434に対して板状部31と反対側に配されている。電線押さえ部435は、電線接続部434から第1方向D1に連続して形成される基部435Aと、基部435Aから第3方向D3(第2端子430の幅方向)に片持ち状に延出される延出部435Bと、を備える。電線70の絶縁被覆は、基部435Aと、基部435Aに近づくように折り曲げられた延出部435Bと、によって、挟持される。これにより、第2端子430に電線70を固定することができる。なお、第2端子430は、電線押さえ部435を備えなくてもよい。
【0064】
<実施形態6>
本開示の実施形態6について、図14及び図15を参照しつつ説明する。実施形態6にかかるヒューズユニット510は周壁部42が設けられない点、及び板状部521,531の構成を除いて、実施形態1と略同様に構成されているため、実施形態1と同一の部材、作用効果については、説明を省略する。
【0065】
ヒューズユニット510は、第1端子520と、第2端子530と、樹脂部540と、チップヒューズ50と、を備える。図15に示すように、樹脂部540には、周壁部42が形成されていない。樹脂部540の上面が載置面41となっている。
【0066】
第1端子520の板状部521は、第1板部521Aと、第2板部521Bと、第3板部521Cと、を備える。第2板部521B及び第3板部521Cは、第1板部521Aと比べて幅狭に形成されている(図14参照)。第1板部521Aは相手部材接続部23と第1方向D1に連なる板状の部材である。第2板部521Bは、第1板部521Aの第1方向D1における相手部材接続部23と反対側の端部から上方に延びている。第3板部521Cは、第2板部521Bの上端から第1方向D1に延びている。第2板部521Bに対して、第3板部521Cと第1板部521Aとは、第1方向D1について互いに反対側に延びている。第3板部521Cの上面は第1接続部24とされている。
【0067】
第2端子530の板状部531は、第1板部531Aと、第2板部531Bと、第3板部531Cと、を備える。第2板部531B及び第3板部531Cは、第1板部531Aと比べて幅狭に形成されている(図14参照)。第1板部531Aはバレル部33と第1方向D1に連なる部分である。第2板部531Bは、第1板部531Aの第1方向D1におけるバレル部33と反対側の端部から上方に延びている。第3板部531Cは、第2板部531Bの上端から第1方向D1に延びている。第2板部531Bに対して、第3板部531Cと第1板部531Aとは、第1方向D1について互いに反対側に延びている。第3板部531Cの上面は第2接続部34とされている。
【0068】
<実施形態7>
本開示の実施形態7について、図16から図28を参照しつつ説明する。上記実施形態1~6と異なり、実施形態7にかかるヒューズユニット610は第3端子680をさらに備え、第3端子680を介して第2端子630と電線70とが接続されるようになっている。以下、実施形態1と同一の部材、作用効果については、説明を省略する場合がある。
【0069】
図16及び図17に示すように、ヒューズユニット610は、第1端子620と、第2端子630と、樹脂部640と、チップヒューズ50と、を備える。また、図18に示すように、ヒューズユニット610は、樹脂部640の内部に配される第3端子680を備える。第3端子680は電線70に接続されている。
【0070】
(第1端子620、切り欠き625)
図28に示すように、第1端子620は、実施形態1の第1端子20と同様に、板状部21と、貫通孔22と、2つの凹部21Aと、相手部材接続部23と、第1接続部24と、を有する。また、第1端子620は、実施形態1の第1端子20と異なる構成として、切り欠き625を有する。切り欠き625は、第1端子620の延び方向における一方側の外縁部から凹んで一対形成されている。第1接続部24は切り欠き625により画定されている。言い換えると、第1端子620の幅方向において、第1接続部24と切り欠き625とが隣接している。切り欠き625により、平面視における第1接続部24の面積が適切に設定されている。
【0071】
切り欠き625が設けられない場合、チップヒューズ50の第1電極51と第1接続部24とを半田付けにより接続する際、第1端子620への熱引きが大きくなる場合がありうる。しかし、本実施形態では、切り欠き625により第1接続部24の大きさを適切に調整することにより、第1端子620への熱引きを適切に制御することができる。
【0072】
(第2端子630、タブ部633)
第2端子630は、実施形態1の第2端子30と同様に、板状部31と、貫通孔32と、2つの凹部31Aと、第2接続部34と、を有する。板状部31は、第2端子30の幅方向(第2端子30の延び方向及び板状部31の板厚方向の双方に直交する方向)の両端に2つの凹部31Aを有する。凹部31Aは、第2端子30の幅方向の端縁から凹んで形成されている。また、第2端子630は、タブ部633(第1端子接続部の一例)を備える。タブ部633は、第2端子630の延び方向について板状部31に連なって形成されている。タブ部633は棒状をなし、板状部31の端縁から第2端子630の延び方向に延びている。
【0073】
(切り欠き635)
第2端子630には、第1端子620と同様に、切り欠き635が設けられている。切り欠き635は、第2端子630の延び方向におけるタブ部633と反対側の外縁部から凹んで一対形成されている。第2接続部34は切り欠き635により画定されている。言い換えると、第2端子630の幅方向において、第2接続部34と切り欠き635とが隣接している。切り欠き635により、平面視における第2接続部34の面積が適切に設定されている。切り欠き635により第2接続部34の大きさを適切に調整することにより、第2端子630への熱引きを適切に制御することができる。
【0074】
(第3端子680)
第3端子680は、導電性の金属から構成されている。第3端子680を構成する金属は、第1端子620を構成する金属及び第2端子630を構成する金属と異なっていてもよい。図19に示すように、第3端子680は、第2端子630に接続される接続筒部681(第2端子接続部の一例)と、バレル部682と、を備える。バレル部682は第3端子680の延び方向について接続筒部681に連なって形成されている。バレル部682は、電線70の芯線に圧着される芯線圧着部682Aと、電線70の絶縁被覆に圧着される絶縁被覆圧着部682Bと、を備える。
【0075】
(接続筒部681)
接続筒部681は、例えば角筒状をなす筒壁部683と、筒壁部683の内部に形成される弾性接触片684と、を備える。筒壁部683は第1方向D1に開口している。弾性接触片684は、筒壁部683の内面から延出され、第1方向D1に直交する方向に弾性変形可能とされている。また、接続筒部681は筒壁部683を貫通して形成される係止孔683Aを有する。図18から図20に示すように、筒壁部683の内部に第2端子630のタブ部633が挿入され、弾性接触片684がタブ部633に接触することによって、第3端子680と第2端子630とが電気的に接続される。すなわち、接続筒部681とタブ部633とが嵌合により電気的に接続される。したがって、第3端子680を介して第2端子630と電線70とが電気的に接続される。
【0076】
本実施形態では、第2端子630が電線70に直接的に接続されるのではなく、第3端子680を介して第2端子630と電線70とが間接的に接続されるようになっている。このため、例えばヒューズユニット610と電線70とを電気的に接続する場合に、チップヒューズ50と第2端子630との接続部分が応力等により損傷することを抑制することができる。したがって、ヒューズユニット610と電線70との電気的接続の信頼性を担保しやすくなっている。
【0077】
(樹脂部640)
図25に示すように、樹脂部640は、第1端子620の一部と第2端子630の一部とを覆っている。樹脂部640は、実施形態1と同様に、インサート成形によって、第1端子620及び第2端子630と一体的に形成されている。第1端子620及び第2端子630は、それぞれ樹脂部640に対して固定されている。樹脂部640は、第1方向D1について第1端子620と第2端子630との間に配される中間部641を有する。樹脂部640は、第1端子620と第2端子630との間隔を維持している。樹脂部640は、板状部21の外面の一部である第1接続部24と、板状部31の外面の一部である第2接続部34と、を露出している。第1接続部24と第2接続部34とは、樹脂部640により第1方向D1に所定の間隔を空けて配置されている。また、樹脂部640は相手部材接続部23を外部に露出している。
【0078】
図26に示すように、中間部641の第2方向D2における一方側(上方)の端面は、基準面641Aとされている。基準面641Aは、第1接続部24(板状部21の外面)及び第2接続部34(板状部31の外面)と面一に配されている。基準面641Aは第2方向D2(上下方向)に直交している。第2方向D2は、板状部21,31の板厚方向と一致している。
【0079】
図18に示すように、樹脂部640は、実施形態3と同様に、貫通孔246を有してもよい。貫通孔246は、中間部641を第2方向D2に貫通している。
【0080】
図26及び図27に示すように、樹脂部640は、実施形態1と同様に、周壁部42を備える。周壁部42は、基準面641Aから第2方向D2の一方側(上方)に延びている。すなわち、周壁部42は、第1接続部24及び第2接続部34よりも上方に突出する部分を有する。周壁部42は、チップヒューズ50の周囲に配されている。また、周壁部42は、第2方向D2に直交する方向について、第1接続部24と、第2接続部34と、を囲んでいる。
【0081】
(溝641B)
中間部641は基準面641Aから第2方向D2における他方側(下方)に凹む溝641Bを有する。溝641Bは、第1接続部24及び第2接続部34に対して下方に凹んでいる。図26に示すように、溝641Bは、基準面641Aと略平行である底面BSと、底面BSと第1接続部24とを繋ぐ第1内面S1と、底面BSと第2接続部34とを繋ぐ第2内面S2と、底面BSと基準面641Aとを繋ぐ第3内面S3と、から構成されている。そして、溝641Bは、第1接続部24及び第2接続部34と直交する方向(第2方向D2)から見て、第1接続部24及び第2接続部34の各々と隣接している。図18に示すように、底面BSは第2方向D2についてチップヒューズ50と対向している。底面BSとチップヒューズ50との間には隙間が設けられている。図26及び図27に示すように、溝641Bの一部は切り欠き625,635の内側に配されている。
【0082】
図27に示すように、樹脂部640に溝641Bが設けられることで、第1接続部24の外縁から連続する第1端子620の側面の一部(以下、第1側面部SP1)が、樹脂部640から露出していてもよい。そして、第1接続部24と第1内面S1とが、第1側面部SP1を介して連なっていてもよい。同様に、樹脂部640に溝641Bが設けられることで、第2接続部34の外縁から連続する第2端子630の側面の一部(以下、第2側面部)が、樹脂部640から露出していてもよい。そして、第2接続部34と第2内面S2とが、第2側面部を介して連なっていてもよい。
【0083】
なお、第1接続部24と溝641の内面とは直接的に連なっていてもよい。第2接続部34と溝641の内面とは直接的に連なっていてもよい。
【0084】
溝641Bが設けられない場合には、インサート成形により樹脂部640を形成する際、溶融状態の樹脂が第1接続部24及び第2接続部34の外面(上面)へと移動し、第1接続部24及び第2接続部34の上にバリが発生することがありうる。このような場合、バリによって、第1接続部24と第1電極51との電気的な接続または第2接続部34と第2電極52との電気的な接続が不良となるおそれがある。しかしながら、本実施形態では、中間部641に溝641Bが設けられるため、樹脂部640を形成する際、溶融状態の樹脂は第1接続部24及び第2接続部34の上面よりも溝641B内へと移動しやすくなる。よって、第1接続部24及び第2接続部34にバリが発生することを抑制することができる。
【0085】
図18及び図25に示すように、樹脂部640は、中間部641及び周壁部42と連続して形成されるハウジング部643を備える。ハウジング部643は、中間部641に対して第1端子620と反対側に延びている。ハウジング部643は、第3端子680が収容されるキャビティ644を有する。キャビティ644は、第1方向D1に延びており、第1方向D1における一方側(図示右側)に開口している。キャビティ644の第1方向D1における他方側(図示左側)の端部には、第2端子630のタブ部633及びタブ部633の基端部である板状部31の一部が配されている。
【0086】
図25に示すように、ハウジング部643は、底壁643A(図18参照)と、一対の側壁643Bと、天井壁643Cと、を備える。図22に示すように、一対の側壁643Bは、底壁643Aの第3方向D3における両端部から第2方向D2における一方側(上方)に延びている。図18に示すように、天井壁643Cは、底壁643Aと第2方向D2に対向している。図25に示すように、天井壁643Cは、一対の側壁643Bの第2方向D2における一方側の端部(上端部)を接続している。キャビティ644は、底壁643A、一対の側壁643B、及び天井壁643Cにより構成される内部空間である。
【0087】
図18に示すように、天井壁643Cの中間部641寄りの部分には第1連通孔643C1が設けられている。第1連通孔643C1は天井壁643Cを第2方向D2に貫通し、キャビティ644と連通している。底壁643Aの中間部641寄りの端部には第2連通孔643A1が設けられている。第2連通孔643A1は底壁643Aを第2方向D2に貫通し、キャビティ644と連通している。
【0088】
図25に示すように、ハウジング部643の第1方向D1における他方側(図示左側)の略三分の二の領域には、後述するリテーナ690を装着するための装着凹部645が形成されている。装着凹部645は、天井壁643Cの外面から凹む第1装着凹部645Aと、一対の側壁643Bの外面から凹む第2装着凹部645Bと、を有する。なお、第1装着凹部645Aの中間部641寄りの端部は、周壁部42に及んでいる。図18に示すように、第1装着凹部645Aは第1連通孔643C1と連通している。
【0089】
図25に示すように、第2装着凹部645Bは第1装着凹部645Aと連通している。ハウジング部643は、第2装着凹部645Bの内壁から第3方向D3に突出する軸部646、仮係止部647、及び本係止部648を備える。軸部646は概ね円柱状をなしている。軸部646は第2装着凹部645Bの内壁のうち第1方向D1について中間部641寄りの部分に配されている。仮係止部647及び本係止部648は第2装着凹部645Bの内壁のうち第1方向D1について中間部641と反対側の端部に配されている。仮係止部647及び本係止部648は互いに近接して配置されている。仮係止部647は本係止部648に対して第1方向D1における一方側(図示右側)に配されている。また、図22に示すように、仮係止部647は本係止部648に対して第2方向D2における一方側(上方)に配されている。
【0090】
(リテーナ690)
図16から図18に示すように、本実施形態のヒューズユニット610は、樹脂部640に組み付けられるリテーナ690を備える。リテーナ690は絶縁性の合成樹脂から構成されている。リテーナ690は、樹脂部640に対して、仮係止位置(図23参照)と、本係止位置(図21参照)と、に組み付けられるようになっている。図22に示すように、第1方向D1から見て、リテーナ690は略門形状をなしている。図16に示すように、リテーナ690は、本体部691と、一対のロック片692と、一対の側壁693と、を備える。一対のロック片692及び一対の側壁693は、本体部691の第3方向D3における両端部から延びている。ロック片692は側壁693に対して第1方向D1における一方側(図示右側)に配されている。図22に示すように、本体部691は第1装着凹部645Aに収容されるようになっている。一対のロック片692及び一対の側壁693は、第2装着凹部645Bに収容されるようになっている。
【0091】
図18に示すように、リテーナ690は、ランス694と、抜止部695と、を備える。ランス694は本体部691から第1方向D1における他方側(図示左側)に延びるとともに第2方向D2における他方側(下方)に延びている。ランス694は本体部691に対して弾性変形可能とされている。抜止部695は本体部691から第2方向D2における他方側(下方)に突出している。抜止部695は略ブロック状をなしている。
【0092】
図19及び図20に示すように、リテーナ690が仮係止位置にある状態で、抜止部695はキャビティ644内に進入しておらず、ランス694は先端部のみが第1連通孔643C1を介してキャビティ644内に進入している。リテーナ690が仮係止位置にあるとき、キャビティ644の第1方向D1における一方側(図示右側)の開口から第3端子680を挿入することが許容されるようになっている。なぜならば、抜止部695は第3端子680と干渉する位置に配されておらず、ランス694は第3端子680と干渉しても弾性変形できるからである。
【0093】
図18に示すように、リテーナ690が本係止位置にある状態で、ランス694及び抜止部695は第1連通孔643C1を介してキャビティ644内に配されている。第3端子680がキャビティ644内の正規位置に配されると、ランス694は第3端子680の係止孔683Aの内壁に係止する。抜止部695は接続筒部681の第1方向D1における一方側(図示右側)の端部に係止する。これにより、第3端子680をキャビティ644内に保持することができる。すなわち、第3端子680を樹脂部640に対して保持することができる。なお、第3端子680はキャビティ644内に配される第2端子630の板状部31の端縁(図25参照)と当接することにより、キャビティ644内の正規位置から第1方向D1における他方側(図示左側)への移動を規制されている。第3端子680がキャビティ644内の正規位置にあるか半挿入状態であるかは、第2連通孔643A1により確認することができる。
【0094】
図21及び図23に示すように、リテーナ690には、側壁693を第3方向D3に貫通する挿通孔693Aが設けられている。挿通孔693Aには軸部646が挿通されるようになっている。リテーナ690は軸部646を中心として回動可能とされ、仮係止位置と本係止位置との間で移動可能となっている。
【0095】
図24に示すように、リテーナ690は、ロック片692の先端部から第2装着凹部645Bの内壁に向かって突出する係止突起692Aを備える。係止突起692Aが仮係止部647と本係止部648との間に配されることで、リテーナ690が仮係止位置に保持されるようになっている。図22に示すように、係止突起692Aが本係止部648に対して第2方向D2における他方側(下方)に配されることで、リテーナ690が本係止位置に保持されるようになっている。詳細には、リテーナ690が本係止位置にある場合、係止突起692Aと本係止部648とが係止することで、リテーナ690が本係止位置から図21において反時計回りに回動することが抑制される。また、本体部691と第1装着凹部645Aの内壁とが係止することで、リテーナ690が本係止位置から図21において時計回りに回動することが抑制される。
【0096】
(ヒューズユニット610の製造方法)
以上がヒューズユニット610の構成であって、以下、ヒューズユニット610の製造方法の一例について説明する。まず、実施形態1のヒューズユニット10の製造方法の一例と同様に、インサート成形によって第1端子620及び第2端子630に対して樹脂部640を一体成形する(図25参照)。そして、第1接続部24及び第2接続部34に対してチップヒューズ50の第1電極51及び第2電極52をそれぞれ実装する。
【0097】
次に、樹脂部640にリテーナ690を装着し、リテーナ690を仮係止位置に配置する。すなわち、挿通孔693Aに対して軸部646を挿通するとともに、係止突起692Aを仮係止部647と本係止部648との間の隙間に配置する。
【0098】
リテーナ690が仮係止位置にある状態で、予め金属板材から形成され、電線70に接続された第3端子680を挿入する(図19参照)。第3端子680の挿入の途中で、ランス694は接続筒部681に干渉して弾性変形する。第3端子680がキャビティ644内の正規位置に挿入されると、ランス694は弾性復帰し、係止孔683Aの内部に進入する(図20参照)。
【0099】
第3端子680がキャビティ644内の正規位置に配されたら、リテーナ690を本係止位置に移動させる。リテーナ690を仮係止位置から図23において時計回りに回動させると、ロック片692が弾性変形し、係止突起692Aが本係止部648を乗り越える。係止突起692Aが本係止部648に対して第2方向D2における他方側(下方)に移動すると、ロック片692が弾性復帰し、リテーナ690が本係止位置に至る(図22参照)。この間に、ランス694は係止孔683Aの奥方に入り込み、ランス694と係止孔683Aの内壁とが係止可能に配される(図18参照)。また、抜止部695は、接続筒部681に対して第1方向D1における一方側(図示右側)に配されて、接続筒部681に係止可能に配される。これにより、第3端子680がキャビティ644内に保持される。以上により、ヒューズユニット610の製造が完了する。
【0100】
(実施形態7の作用効果)
(7-1)実施形態7にかかるヒューズユニット610は、配線部材(電線70)が接続される第3端子680をさらに備え、第2端子630は、第3端子680に接続される第1端子接続部(タブ部633)を備え、第3端子680は、第1端子接続部と嵌合により接続される第2端子接続部(接続筒部681)を備える。
【0101】
このような構成によると、配線部材と第2端子630との接続が容易になる。
【0102】
(7-2)実施形態7にかかるヒューズユニット610は、樹脂部640に組み付けられて第3端子680を保持するリテーナ690をさらに備える。
【0103】
このような構成によると、第3端子680を樹脂部640に対して保持することができるため、樹脂部640に対する第3端子680の位置が決まりやすい。
【0104】
(7-3)実施形態7では、第1端子620または第2端子630は、外縁部から凹む切り欠き625,635を有し、切り欠き625,635は、第1接続部24または第2接続部34を画定している。
【0105】
このような構成によると、切り欠き625,635により第1接続部24または第2接続部34が画定されることで、第1接続部24または第2接続部34の大きさが適切に調整され、チップヒューズ50を実装する際に第1接続部24または第2接続部34からの熱引きを制御することができる。
【0106】
(7-4)実施形態7では、樹脂部640には、第1接続部24及び第2接続部34に対して凹む溝641Bが形成され、溝641Bを構成する内面(第1内面S1及び第2内面S2)は、第1接続部24及び第2接続部34と連なっており、溝641Bの一部は切り欠き625,635の内側に配されている。
【0107】
このような構成によると、樹脂部640を形成する際に、切り欠き625,635を通して溶融状態の樹脂が第1接続部24及び第2接続部34の外面へと移動することを抑制することができる。これにより、第1接続部24及び第2接続部34にバリが発生することを抑制することができる。
【0108】
(他の実施形態)
上記実施形態1~7は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態1~7及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0109】
・第1端子、第2端子、及び樹脂部の形状や、これらの相対配置は、上記実施形態1~7に記載のものに限られず、本開示の目的が達成可能な範囲において適宜修正することができる。
【0110】
・上記実施形態1では、第1端子20及び第2端子30の第3方向D3における端面は樹脂部40の第3方向D3における端面と略面一であったが(図1参照)、第1端子及び第2端子の第3方向D3における端面は樹脂部の第3方向D3における端面と略面一でなくてもよい。例えば、実施形態1の変形例として、図29に示すように、樹脂部40が第1端子20及び第2端子30の第3方向D3における端面を覆っている態様を採用してもよい。
【0111】
・上記実施形態1では、相手部材はバスバー60であったが、相手部材はバスバーでなくてもよく、例えば電極端子であってもよい。
【0112】
・上記実施形態1では、配線部材は電線70であったが、配線部材は電線でなくてもよい。例えば、図30に示すように、ヒューズユニット710は、配線部材の一例であるフレキシブル基板770に接続される第2端子730を備えてもよい。ここで、フレキシブル基板770とは、例えばフレキシブルプリント基板やフレキシブルフラットケーブルである。フレキシブル基板770と第2端子730とは、例えば半田付けにより接続されていてもよい。
【0113】
・上記実施形態1では、樹脂部40の載置面41は第1端子20の第1接続部24及び第2端子30の第2接続部34と面一に配されていたが、載置面は第1接続部及び第2接続部に対して段差を有して形成されていてもよい。
【0114】
・上記実施形態1では、樹脂部40はチップヒューズ50が載置される載置面41を備えていたが、樹脂部は載置面を備えていなくてもよい。すなわち、樹脂部はチップヒューズに接触する面を有さなくてもよく、チップヒューズの第1電極及び第2電極がそれぞれ第1端子の第1接続部及び第2端子の第2接続部に接続されていればよい。
【0115】
・上記実施形態7では、ヒューズユニット610は樹脂部640に組み付けられるリテーナ690を備えていたが、ヒューズユニットはリテーナを備えなくてもよい。リテーナを設けない場合、ハウジング部に第3端子をキャビティ内に保持するための抜止部を設けてもよい。
【0116】
・上記実施形態7では、第1端子接続部としてタブ部633が例示され、第2端子接続部として接続筒部681が例示されたが、例えば、第1端子接続部が接続筒部とされ、第2端子接続部がタブ部とされてもよい。
【0117】
・上記実施形態7のリテーナ690の形状は一例であり、樹脂部に対して第3端子を固定する機能を有する限り、リテーナの形状は任意に変更してもよい。例えば、上記実施形態7では、リテーナ690は樹脂部640に対して仮係止位置と本係止位置とに保持されるようになっていたが、本係止位置のみ設定し、仮係止位置は省略してもよい。また、リテーナは樹脂部に対して回動するのではなく、直線的に移動する態様でもよい。
【符号の説明】
【0118】
1: 配線モジュール
10: ヒューズユニット
20: 第1端子
21: 板状部
21A: 凹部
22: 貫通孔
23: 相手部材接続部
24: 第1接続部
30: 第2端子
31: 板状部
31A: 凹部
32: 貫通孔
33: バレル部
33A: 芯線圧着部
33B: 絶縁被覆圧着部(固定部)
34: 第2接続部
40: 樹脂部
41: 載置面
42: 周壁部
43: 中間成形体
50: チップヒューズ
51: 第1電極
52: 第2電極
60: バスバー(相手部材)
70: 電線(配線部材)
110: ヒューズユニット
144: 蓋部(カバー部材)
210: ヒューズユニット
245: 封止部(カバー部材)
246: 貫通孔
310: ヒューズユニット
345: 封止部(カバー部材)
410: ヒューズユニット
430: 第2端子
434: 電線接続部
435: 電線押さえ部(固定部)
435A: 基部
435B: 延出部
510: ヒューズユニット
520: 第1端子
521: 板状部
521A: 第1板部
521B: 第2板部
521C: 第3板部
530: 第2端子
531: 板状部
531A: 第1板部
531B: 第2板部
531C: 第3板部
540: 樹脂部
610: ヒューズユニット
620: 第1端子
625: 切り欠き
630: 第2端子
633: タブ部(第1端子接続部)
635: 切り欠き
640: 樹脂部
641: 中間部
641A: 基準面
641B: 溝
643: ハウジング部
643A: 底壁
643A1: 第2連通孔
643B: 側壁
643C: 天井壁
643C1: 第1連通孔
644: キャビティ
645: 装着凹部
645A: 第1装着凹部
645B: 第2装着凹部
646: 軸部
647: 仮係止部
648: 本係止部
680: 第3端子
681: 接続筒部(第2端子接続部)
682: バレル部
682A: 芯線圧着部
682B: 絶縁被覆圧着部
683: 筒壁部
683A: 係止孔
684: 弾性接触片
690: リテーナ
691: 本体部
692: ロック片
692A: 係止突起
693: 側壁
693A: 挿通孔
694: ランス
695: 抜止部
710: ヒューズユニット
730: 第2端子
770: フレキシブル基板(配線部材)
BS: 底面
S1: 第1内面
S2: 第2内面
S3: 第3内面
SP1: 第1側面部
D1: 第1方向
D2: 第2方向
D3: 第3方向
【要約】
ヒューズユニット10は、相手部材に電気的に接続される第1端子20と、配線部材に直接的にまたは間接的に電気的に接続される第2端子30と、第1端子20の一部と第2端子30の一部を覆う樹脂部40と、チップヒューズ50と、を備え、樹脂部40は、第1端子20と第2端子30との間隔を維持し、第1端子20は、樹脂部40から露出する第1接続部24を備え、第2端子30は、樹脂部40から露出する第2接続部34を備え、チップヒューズ50は、第1接続部24に実装される第1電極51と、第2接続部34に実装される第2電極52と、を備える。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30