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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】ピッキング装置
(51)【国際特許分類】
   B25J 15/06 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
B25J15/06 A
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021151946
(22)【出願日】2021-09-17
(65)【公開番号】P2023044093
(43)【公開日】2023-03-30
【審査請求日】2023-12-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】100154014
【弁理士】
【氏名又は名称】正木 裕士
(74)【代理人】
【識別番号】100154520
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 祐子
(72)【発明者】
【氏名】田中 庸介
【審査官】杉山 悟史
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-239682(JP,A)
【文献】特開2021-094652(JP,A)
【文献】特開2011-000685(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 ~ 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピッキング用ロボット設備における3次元方向に移動可能な終段可動体に取り付けられるピッキング装置であって、前記終段可動体に上端側が取り付けられた上下垂直方向に長い縦長本体と、この縦長本体の下端側に取り付けられたピッキングヘッドを備え、当該ピッキングヘッドは、前記終段可動体に対して上下方向の垂直軸心の周りの正逆自転運動と水平軸心の周りの傾動運動とが可能に構成されているピッキング装置において、
前記縦長本体の下端には、水平軸心の周りに左右一定範囲内で傾動自在に傾動台が軸支され、この傾動台の下側に、当該傾動台に対する垂直軸心の周りに自転可能にピッキングヘッドが取り付けられ、前記縦長本体の下端から横側方に延出する前記傾動台の延出部に、前記ピッキングヘッドを前記垂直軸心の周りに自転させるピッキングヘッド単独自転駆動用モーターが取り付けられ、このピッキングヘッド単独自転駆動用モーターの上側に位置するように前記縦長本体の側部に、前記傾動台を傾動駆動させる傾動台駆動用モーターが取り付けられ、前記縦長本体は、その長さ方向と平行な垂直軸心の周りに自転可能に前記終段可動体に支持されると共に、この縦長本体を自転させる縦長本体自転駆動手段が前記終段可動体に設けられている、ピッキング装置。
【請求項2】
前記ピッキングヘッドは、傾動台の下側に軸支されて前記ピッキングヘッド単独自転駆動用モーターによって自転駆動される平面視三角形のピッキングヘッド支持台と、この三角形のピッキングヘッド支持台の3つの頂部下側のそれぞれに取り付けられた3つのピッキングヘッド単体から構成され、前記ピッキングヘッド支持台は、その自転軸心に対して前記ピッキングヘッド単独自転駆動用モーターのある側とは反対側の左右両側に2つのピッキングヘッド単体が左右対称に位置する状態から、左右両側に一定角度範囲内で正逆自転できるように構成されている、請求項1に記載のピッキング装置。
【請求項3】
前記3つのピッキングヘッド単体はそれぞれ負圧吸着タイプのものであって、これら3つのピッキングヘッド単体の内、前記左右対称に位置する2つのピッキングヘッド単体の吸気管は、前記ピッキングヘッド支持台上から前記傾動台の外側を経由して上方に導かれ、残りの1つのピッキングヘッド単体の吸気管は、前記傾動台とピッキングヘッド支持台とにわたって自転垂直軸心と同心状に設けられた中心開口部を経由して傾動台上方に導かれ、前記傾動台に対するピッキングヘッド支持台の自転範囲が、前記傾動台の外側で上方に導かれる2つの吸気管が当該傾動台と干渉しない範囲に制限されている、請求項2に記載のピッキング装置。
【請求項4】
前記縦長本体は、前記終段可動体に自転可能に支持される上端垂直軸部と、この上端垂直軸部の下端に連結された中空状本体部とを備え、前記上端垂直軸部の下端側には、横側方に延出する支持部材を介して取り付けられた吸気管中継器が設けられ、各ピッキングヘッド単体から上方に導かれた3本の吸気管は、前記中空状本体部内を経由して前記吸気管中継器に接続され、前記中空状本体部内には、前記傾動台の外側を通る2本の吸気管を上向きに付勢するスプリングが配設されている、請求項3に記載のピッキング装置。
【請求項5】
前記終段可動体には、当該終段可動体を移動自在に支持する水平ガイドレールに取り付けられたラックギヤに咬合するピニオンギヤと、このピニオンギヤの上側で当該ピニオンギヤを回転駆動する走行駆動用モーターが設けられ、前記縦長本体の上端部は、前記ピニオンギヤの下側で垂直軸心の周りに自転可能に支持され、前記縦長本体自転駆動手段は、前記縦長本体の上端部から前記ガイドレールに沿った方向に離れた位置で前記終段可動体に支持された縦長本体自転駆動用モーターと、この縦長本体自転駆動用モーターと前記縦長本体の上端部とを連動連結する伝動手段から構成されている、請求項1~4の何れか1項に記載のピッキング装置。
【請求項6】
前記縦長本体は、前記終段可動体に自転可能に支持される上端垂直軸部と、この上端垂直軸部の下端に連結手段を介して連結された本体部から構成され、前記連結手段は、前記上端垂直軸部と本体部とを連結する、過負荷時に破断するシャーピンと、このシャーピンが破断したときに前記上端垂直軸部からの本体部の落下を一定範囲内に抑止する落下防止具と、前記本体部の一定範囲内の下降を検出する下降検出器から構成されている、請求項1~5の何れか1項に記載のピッキング装置。
【請求項7】
前記落下防止具は、前記上端垂直軸部の下端部に取り付けられて左右両側に張り出す上側部材と、前記本体部の上端部に取り付けられて左右両側に張り出す下側部材と、前記上側部材の左右両端部から吊り下げられて下側部材の左右両端部を下方に貫通する吊下げ用ロッドと、これら吊下げ用ロッドの下端側に取り付けられた受止め具から構成され、前記シャーピンが破断したときに落下する前記本体部を、前記下側部材と受止め具を介して前記吊下げ用ロッドで受け止めるように構成されている、請求項6に記載のピッキング装置。
【請求項8】
前記縦長本体の上端側には、自転制限手段が併設され、この自転制限手段は、前記縦長本体と一体に自転する回転盤と、この回転盤の周辺一箇所に設けられた扇形切欠部内に90度範囲内で水平揺動自在に軸支された可動ストッパーと、この可動ストッパーの前記回転盤から外向きに突出する先端部の回動経路内に入り込むように前記終段可動体側に設けられた、平面視で互いに直角につながる2つの固定制止面から構成され、前記2つの固定制止面の内の一方は、縦長本体の正転時に前記可動ストッパーを前記扇形切欠部の一方の壁面との間で挟んで縦長本体を正転限で停止させ、他方の固定制止面は、縦長本体の逆転時に前記可動ストッパーを前記扇形切欠部の他方の壁面との間で挟んで縦長本体を逆転限で停止させるように構成されている、請求項1~7の何れか1項に記載のピッキング装置。
【請求項9】
前記可動ストッパーには、この可動ストッパーを前記扇形切欠部の2つの壁面から離間させるように付勢する付勢手段が併設されている、請求項8に記載のピッキング装置。
【請求項10】
前記付勢手段は、前記扇形切欠部の2つの壁面と、これら両壁面に対面する前記可動ストッパーの両側面とに埋設された合計4つの磁石から構成され、扇形切欠部の壁面側と可動ストッパーの側面側とで互いに対面し合う磁石は、互いに反発し合う極性となっている、請求項9に記載のピッキング装置。
【請求項11】
前記縦長本体は、その下端に一定範囲内で昇降自在に吊り下げられた可動本体部を備え、この可動本体部に前記傾動台と傾動台駆動用モーターが取り付けられ、前記可動本体部が下からの突き上げによって縦長本体に対し一定距離上昇したことを検出する上昇検出器が併設されている、請求項1~10の何れか1項に記載のピッキング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数個の物品がばら積み状態に収納されている上側解放の搬送用コンテナ内から物品を取り出すためのピッキング用ロボット設備における終段可動体に取り付けて活用できるピッキング装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記のようなピッキング用ロボット設備は、特許文献でも記載されているように、水平面上で互いに直交するX,Y両方向に移動可能で且つ鉛直Z方向に昇降可能な終段可動体を備えており、この終段可動体にピッキング装置が取り付けられる。このピッキング装置は、上端部が前記終段可動体に取り付けられ、下端には、荷の表面に負圧によって吸着する負圧吸着ヘッド、荷の磁性体表面に磁気吸着する磁気吸着ヘッド、荷を挟んで摘まみ上げる開閉指型ヘッドなどの各種ピッキングヘッドが取り付けられたもので、下端のピッキングヘッドが荷を収納している搬送用コンテナ内の底部付近に位置しているときに上端の終段可動体が当該コンテナより一定距離上方に位置する程度に、鉛直Z方向に長い棒状に構成されるものである。又、前記ピッキングヘッドは、何れの形式のものであってもピッキング対象の荷の位置や姿勢に応じて、鉛直軸心の周りの自転運動と、当該鉛直軸心と直交する水平軸心の周りの傾動運動が可能に支持されるもので、常にピッキング対象の荷を確実に吸着又は把持できるように構成されるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-685号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなピッキング装置において、ピッキングヘッドとして、一般的なバラ積み荷を取り扱うのに好適な負圧吸着ヘッドを3本、平面視で三角形の各頂点に配置して使用する場合、各ピッキングヘッドから延出する3本の吸気管を前記終段可動体側の定位置に導かなければならない関係から、負圧吸着ヘッドを鉛直軸心の周りに自転させるとき、当該3本の吸気管を前記鉛直軸心の周りに捩じることになる。従って現実には、ピッキング装置全体を鉛直軸心の周りに正逆自転させることのできる角度範囲が大きく制限される。一方、ピッキングヘッドを水平軸心の周りに傾動運動させるためのモーターなどもピッキング装置の横側部に取り付けることになるが、この傾動用モーターがピッキング装置の上端側から横向きに張り出す場合は、ピッキング装置と一体に鉛直軸心の周りに回動する傾動用モーターが、このピッキング装置を支持している前記終段可動体やその支持レールなどと干渉するのを避けるために、ピッキング装置全体の自転範囲が制限されることになるばかりでなく、ピッキング装置上端側のモーターとピッキング装置下端側のピッキングヘッドの傾動軸との連動構造が複雑になり、コスト高になる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記のような従来の問題点を解消することのできるピッキング装置を提案するものであって、本発明に係るピッキング装置は、後述する実施例との関係を理解し易くするために、当該実施例の説明において使用した参照符号を括弧付きで付して示すと、ピッキング用ロボット設備における3次元方向に移動可能な終段可動体(1)に取り付けられるピッキング装置(11)であって、前記終段可動体(1)に上端側が取り付けられた上下垂直方向に長い縦長本体(12)と、この縦長本体(12)の下端側に取り付けられたピッキングヘッド(13)を備え、当該ピッキングヘッド(13)は、前記終段可動体(1)に対して上下方向の垂直軸心の周りの正逆自転運動と水平軸心の周りの傾動運動とが可能に構成されているピッキング装置において、
前記縦長本体(12)の下端には、水平軸心の周りに左右一定範囲内で傾動自在に傾動台(17)が軸支され、この傾動台(17)の下側に、当該傾動台(17)に対する垂直軸心の周りに自転可能にピッキングヘッド(13)が取り付けられ、前記縦長本体(12)の下端から横側方に延出する前記傾動台(17)の延出部(68a)に、前記ピッキングヘッド(13)を前記垂直軸心の周りに自転させるピッキングヘッド単独自転駆動用モーター(72)が取り付けられ、このピッキングヘッド単独自転駆動用モーター(72)の上側に位置するように前記縦長本体(12)の側部に、前記傾動台(17)を傾動駆動させる傾動台駆動用モーター(67)が取り付けられ、前記縦長本体(12)は、その長さ方向と平行な垂直軸心の周りに自転可能に前記終段可動体(1)に支持されると共に、この縦長本体(12)を自転させる縦長本体自転駆動手段(20)が前記終段可動体(1)に設けられた構成になっている。
【発明の効果】
【0006】
上記本発明に係るピッキング装置は、前記終段可動体の下端からピッキングヘッドの下端までの全長(全高)を、ピッキング対象の荷がばら積みされている搬送用コンテナの深さより大きくなるように構成して実用に供されるものであるが、実際の使用時には、ピッキングヘッドをピッキング対象の荷の位置に対応する高さまで、縦長本体を支持している前記終段可動体と共に下降させなければならないが、このとき縦長本体の下端部から横側方に突出しているピッキングヘッド傾動用の傾動台駆動用モーターとピッキングヘッド単独自転駆動用モーターが、搬送用コンテナ内部の周囲の壁面やピッキング対象ではない他の荷などに干渉しない向きとなるように、前記終段可動体が備えている縦長本体自転駆動手段によって縦長本体を垂直軸心周りに自転させることができる。勿論、このときには、ピッキングヘッドも縦長本体と一体に垂直軸心周りに自転することになるが、ピッキングヘッドの形式や形態によっては、ピッキングヘッド自体の垂直軸心周りの向きも、ピッキング対象の荷の位置や姿勢に応じて変更しなければならない場合があり、上記の縦長本体の自転によるピッキングヘッドの水平方向の向きが好ましくない場合には、当該ピッキングヘッドの向きを、ピッキングヘッド単独自転駆動用モーターの稼働によって縦長本体に対して変更して、ピッキングヘッドの水平方向の向きもピッキング対象の荷のピッキングに好適な向きに変更することができる。
【0007】
上記のように本発明の構成によれば、ピッキングヘッドを垂直軸心周りに自転させる駆動手段として、縦長本体と下端のピッキングヘッド、及び縦長本体の側部に突出するように取り付けられているモーターなど(傾動台駆動用モーターとピッキングヘッド単独自転駆動用モーター)を含むピッキング装置全体を垂直軸心周りに自転させる縦長本体自転駆動手段と、縦長本体に対してピッキングヘッドを単独に垂直軸心周りに自転させる駆動手段(ピッキングヘッド単独自転駆動用モーター)の二つを組み合わせている。
【0008】
従って、搬送用コンテナ内のピッキング対象の荷の近傍位置までピッキングヘッドを降下させるときには、先ず最初に、前記モーターなど(傾動台駆動用モーターとピッキングヘッド単独自転駆動用モーター)が他物と干渉するのを避ける向きとなるように、縦長本体自転駆動手段によってピッキング装置全体を垂直軸心周りに自転させ、このときの縦長本体の自転によって向きの変わったピッキングヘッドが、ピッキング対象の荷の位置や姿勢に適合しない向きとなっているときには、ピッキングヘッド単独自転駆動用モーターを稼働させて当該ピッキングヘッドのみを垂直軸心周りに自転させることができる。勿論、この縦長本体に対するピッキングヘッドの垂直軸心周りの自転の範囲も機構的に制限される場合があり、この制限によってピッキングヘッドを最適な向きに矯正することができない場合には、前記モーターなど(傾動台駆動用モーターとピッキングヘッド単独自転駆動用モーター)が他物と干渉しない範囲内で、縦長本体自転駆動手段によりピッキング装置全体を更に垂直軸心の周りに自転させて、ピッキングヘッドを最適な向きに矯正することもできる。
【0009】
本発明を実施する場合、前記ピッキングヘッド(13)は、傾動台(17)の下側に軸支されて前記ピッキングヘッド単独自転駆動用モーター(72)によって自転駆動される平面視三角形のピッキングヘッド支持台(60)と、この三角形のピッキングヘッド支持台(60)の3つの頂部下側のそれぞれに取り付けられた3つのピッキングヘッド単体(61~63)から構成し、前記ピッキングヘッド支持台(60)は、その自転軸心に対して前記ピッキングヘッド単独自転駆動用モーター(72)のある側とは反対側の左右両側に2つのピッキングヘッド単体(61,62)が左右対称に位置する状態から、左右両側に一定角度範囲内で正逆自転できるように構成することができる。
【0010】
先に述べたようにピッキングヘッドには各種の形式のものがあり、特に負圧吸着形式のものや磁気吸着形式のものは、大型の1つのピッキングヘッドを使用するよりも、小型の3つのピッキングヘッド単体を自転軸心の周りで周方向等間隔おきに配置する方が、各種サイズの荷をピッキングする場合に好都合である。このような構成を実現させる場合、上記のような構成によれば、傾動台、ピッキングヘッド支持台、3つのピッキングヘッド単体、及びピッキングヘッド単独自転駆動用モーターを含むピッキングヘッド全体の重量バランスが良くなるだけでなく、収納用コンテナの内壁面に隣接するように位置する荷に対して、ピッキングヘッドの内の少なくとも2つのピッキングヘッド単体を確実に対応させることができ、確実なピッキング操作が容易に行える。
【0011】
又、上記構成を採用する場合で、前記3つのピッキングヘッド単体(61~63)がそれぞれ負圧吸着タイプのものであるときには、これら3つのピッキングヘッド単体(61~63)の内、前記左右対称に位置する2つのピッキングヘッド単体(61,62)の各吸気管(86,87)は、前記ピッキングヘッド支持台(60)上から前記傾動台(17)の外側を経由して上方に導き、残りの1つのピッキングヘッド単体(63)の吸気管(89)は、前記傾動台(17)とピッキングヘッド支持台(60)とにわたって自転垂直軸心と同心状に設けられた中心開口部(76b,69a)を経由して傾動台(17)の上方に導き、前記傾動台(17)に対するピッキングヘッド支持台(60)の自転範囲が、前記傾動台(17)の外側で上方に導かれる2つの吸気管(86,87)が当該傾動台(17)と干渉しない範囲に制限されるように構成することができる。この構成によれば、負圧吸着形式のピッキングヘッドを活用する場合に、3つのピッキングヘッド単体に接続する3本の吸気管を無理なく配設することができる。
【0012】
更に、前記縦長本体(12)は、前記終段可動体(1)に自転可能に支持される上端垂直軸部(15)と、この上端垂直軸部(15)の下端に連結された中空状本体部(14)とを備えた構造とし、前記上端垂直軸部(15)の下端側には、横側方に延出するブラケット(93)を介して配管中継器(94)を設け、各ピッキングヘッド単体(61~63)から上方に導かれた3本の吸気管(86,87,89)は、前記中空状本体部(14)内を経由して前記配管中継器(94)に接続することになるが、前記中空状本体部(14)内には、前記傾動台(17)の外側を通る2本の吸気管(86,87)を上向きに付勢するスプリング(96)を配設することができる。この構成によれば、ピッキングヘッドを傾動台により左右両側に傾動させたとき、前記傾動台の外側を通る2本の吸気管の一方が前記中空状の下側本体部内から引き出されると共に他方の吸気管が前記中空状の下側本体部内へ押し戻される状況となる。このような状況において、前記スプリングの存在は、前記中空状の下側本体部内に対して押し引きされる吸気管の運動を円滑にすると共に、傾動台と前記中空状の下側本体部との間で吸気管が大きく外側へ張り出して、外部の他物と接触したり絡んだりするのを防止し、安全性を高めることができる。尚、前記スプリングを備えた2本の吸気管の前記中空状の下側本体部の外側で前記吸気管中継器に接続されるまでの領域に、収縮方向に付勢されたコイル状可撓管を使用することにより、より一層効果を高めることができる。
【0013】
前記終段可動体(1)は、Y方向/X方向に平行な水平ガイドレール(2)に移動自在に支持されるもので、当該終段可動体(1)を前記ガイドレール(2)に沿って走行駆動させる手段が必要になる。従来周知のように、前記終段可動体(1)を前記ガイドレール(2)に沿って走行駆動させる手段として、前記水平ガイドレール(2)に取り付けられたラックギヤ(6)に咬合するピニオンギヤ(7)と、このピニオンギヤ(7)の上側で当該ピニオンギヤ(7)を回転駆動する走行駆動用モーター(8)が前記終段可動体(1)に設けられる。このような構成において、前記縦長本体(12)の上端部は、前記ピニオンギヤ(7)の下側で垂直軸心の周りに自転可能に支持し、前記縦長本体自転駆動手段(20)は、前記縦長本体(12)の上端部から前記ガイドレール(2)に沿った方向に離れた位置で前記終段可動体(1)に支持された縦長本体自転駆動用モーター(21a)と、この縦長本体自転駆動用モーター(21a)と前記縦長本体(12)の上端部とを連動連結する伝動手段(20b)から構成することができる。この構成によれば、終段可動体の走行駆動手段を含めて、当該終段可動体とその下方に垂直に位置するピッキング装置の全体を上下垂直向きの1本の棒状に構成すると共に、終段可動体の走行方向の前後何れかに縦長本体自転駆動手段のモーターが並列する形態とすることができ、走行用の駆動手段とピッキング装置における縦長本体自転駆動用モーターを含む終段可動体の全体をコンパクトにまとめることができる。
【0014】
前記縦長本体(12)は、前記終段可動体(1)に自転可能に支持される上端垂直軸部(15)と、この上端垂直軸部(15)の下端に連結手段(41)を介して連結された本体部(14)から構成し、前記連結手段(41)は、前記上端垂直軸部(15)と本体部(14)とを連結する、過負荷時に破断するシャーピン(42)と、このシャーピン(42)が破断したときに前記本体部(14)の降下を一定範囲内に抑止する落下防止具(43)と、前記本体部(14)の一定範囲内の下降を検出する下降検出器(44)から構成することができる。この構成によれば、何らかの原因で縦長本体の下端側に過大な水平方向や垂直長さ方向の外力が作用したとき、これらの外力を前記シャーピンの破断によって吸収し、当該外力によって縦長本体やその他の構成部材の破損に及ぶのを回避できる。勿論、前記シャーピンの破断によって当該シャーピンで吊り下げられている部材の落下を未然に防止できると共に、その事態を下降検出器によって速やかに検知し、必要な安全対策を講じることができる。
【0015】
上記の構成を実施する場合、前記落下防止具(43)は、前記上端垂直軸部(15)の下端部に取り付けられて左右両側に張り出す上側部材(46a)と、前記本体部(14)の上端部に取り付けられて左右両側に張り出す下側部材(47a)と、前記上側部材(46a)の左右両端部から吊り下げられて下側部材(47a)の左右両端部を下方に貫通する吊下げ用ロッド(48)と、これら吊下げ用ロッド(48)の下端側に取り付けられた受止め具(49)から構成し、前記シャーピン(42)が破断したときに下降する前記本体部(14)を、前記下側部材(47a)と受止め具(49)を介して前記吊下げ用ロッド(48)で受け止めるように構成することができる。
【0016】
更に、前記縦長本体(12)の上端側には、自転制限手段(28)を併設することができる。例えばこの自転制限手段(28)は、前記縦長本体(12)と一体に自転する回転盤(29)と、この回転盤(29)の周辺一箇所に設けられた扇形切欠部(31)内に90度範囲内で水平揺動自在に軸支された可動ストッパー(30)と、この可動ストッパー(30)の前記回転盤(29)から外向きに突出する先端部の回動経路内に入り込むように前記終段可動体(1)側に設けられた、平面視で互いに直角につながる2つの固定制止面(35a,35b)から構成し、前記2つの固定制止面(35a,35b)の内の一方は、縦長本体(12)の正転時に前記可動ストッパー(30)を前記扇形切欠部(31)の一方の壁面(31a)との間で挟んで縦長本体(12)を正転限で停止させ、他方の固定制止面は、縦長本体(12)の逆転時に前記可動ストッパー(30)を前記扇形切欠部(31)の他方の壁面(31b)との間で挟んで縦長本体(12)を逆転限で停止させるように構成することができる。この構成によれば、縦長本体と一体に回動する一つの可動ストッパーと、平面視で互いに直角につながる2つの固定制止面のみから成る、構成部品点数の少ない極めて簡単な構成により、前記縦長本体の自転範囲をほぼ360度に制限することができる。通常考えられる手段で縦長本体の自転範囲を360度に制限しようとすれば、360度正転し終わったときに正転制止用固定制止面に当接する正転制止用ストッパーと、360度逆転し終わったときに逆転制止用固定制止面に当接する逆転制止用ストッパーとに分ける必要があり、位置の異なる2つのストッパーが必要になるところである。
【0017】
前記可動ストッパーは、扇形切欠部内に90度範囲内で水平揺動自在に軸支されたものであるから、その水平揺動範囲の中央位置にあるときが回転盤に対する突出量が最大になる。従って、若し可動ストッパーが正転/逆転制止作用時の姿勢のままにあると、回転盤に対する突出量が最小になり、次の逆転/正転制止作用時に、対応する固定制止面によって可動ストッパーが押し起こされないで、正確な制止作用を期待できなくなる恐れがある。これを避けるために、可動ストッパーの長さを長くしておくと、制止作用時に可動ストッパーに過大な負荷が生じる。このような事態を回避するために、前記可動ストッパー(30)には、この可動ストッパー(30)を前記扇形切欠部(31)の2つの壁面(31a,31b)から離間させるように付勢する付勢手段(34)を併設しておくことができる。この付勢手段(34)は、可動ストッパー(30)を扇形切欠部(31)の2つの壁面(31a,31b)から離間させるように付勢するスプリングで構成することもできるが、前記扇形切欠部(31)の2つの壁面(31a,31b)と、これら両壁面(31a,31b)に対面する前記可動ストッパー(30)の両側面とに埋設された、対面し合う磁石どうしが互いに反発し合う極性の磁石(32a~33b)から構成するのが望ましい。
【0018】
又、前記縦長本体(12)には、その下端に一定範囲内で昇降自在に吊り下げられた可動本体部(16)を設け、この可動本体部(16)に前記傾動台(17)と傾動台駆動用モーター(67)を取り付け、前記可動本体部(16)が下からの突き上げによって縦長本体(12)に対し一定距離上昇したことを検出する上昇検出器(57)を併設することができる。この構成によれば、操作ミスや誤動作で終段可動体に対して縦長本体を限界レベル以下に下降させてしまい、ピッキングヘッドをコンテナ内の底面やピッキング対象でない荷や搬送用コンテナの囲壁上端に衝突させたような場合、縦長本体部に対して前記可動本体部が相対的に上昇し、その状況を前記検出器の検出信号から判別できるので、直ちに動作を自動停止させるなどして機器の破損を未然に回避することができる。
【0019】
尚、以上に説明した具体的実施例の内、請求項1に記載の本発明の基本構成に係るピッキング装置でなくとも応用可能な実施例は、他の一般的なピッキング装置において活用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、ピッキング用ロボット設備における終段可動体に本発明のピッキング装置が取り付けられた状態を示す側面図である。
図2図2は、図1のA-A線断面図である。
図3図3は、カバーを取り外した状態の終段可動体を含むピッキング装置の上端部分の拡大正面図である。
図4図4は、図3の縦長本体自転駆動手段を示す横断平面図である。
図5図5は、ピッキング装置の支持構造を示す側面図である。
図6図6Aは、ピッキング装置と終段可動体との間に構成された縦長本体が待機中立位置にあるときの自転制限手段を示す横断平面図、図6Bは、図6Aの要部拡大横断面図である。
図7図7Aは、縦長本体が正方向180度の正転限位置にあるときの自転制限手段を示す横断平面図、図7Bは、図7Aの要部拡大横断面図である。
図8図8Aは、縦長本体が逆方向180度の逆転限位置にあるときの自転制限手段を示す横断平面図、図8Bは、図8Aの要部拡大横断面図である。
図9図9Aは、縦長本体に組み込まれている連結手段を示す正面図、図9Bはその一部分の拡大図である。
図10図10Aは、図9Aの縦断正面図、図10Bは、使用されているシャーピンの外観図である。
図11図11は、図9Aの側面図である。
図12図12は、図11の横断平面図である。
図13図13は、縦長本体の長さ方向中間部分の構成を示す一部縦断側面図である。
図14図14は、図13に示された縦長本体の下端の可動本体部が上側の本体部に対して相対的に上昇した状態を示す要部の拡大一部縦断側面図である。
図15図15は、図13の要部の拡大横断平面図である。
図16図16は、縦長本体の下端の可動本体部とその下側の傾動台及びピッキングヘッドを示す側面図である。
図17図17は、図16に示す部分の正面図である。
図18図18は、傾動台とその下側ピッキングヘッド支持台、及びピッキングヘッドを示す縦断側面図である。
図19図19は、図18の縦断正面図である。
図20図20は、図18に示す部分の横断平面図である。
図21図21Aは、図18に示す部分の一部省略底面図、図21Bは、その省略された部分の底面図である。
図22図22Aは、縦長本体自転駆動手段とその下方に位置するピッキングヘッドを、前後に位置をずらして示すと共に、待機中立位置にあるピッキング装置全体が180度の範囲で正逆方向に自転する状態の説明図であり、図22Bは、待機中立位置にあるピッキング装置のピッキングヘッドのみが、正転方向に許容角度だけ自転する状態の説明図であり、図22Cは、待機中立位置にあるピッキング装置のピッキングヘッドのみが、逆転方向に許容角度だけ自転する状態の説明図である。
図23図23は、本発明のピッキング装置のコンテナ内角部での動作を説明する平面図である。
図24図24は、本発明のピッキング装置のピッキングヘッドの傾動動作を説明する正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係るピッキング装置の使用実施例を例示図に基づいて説明する。図1及び図2において、1はピッキング用ロボット設備における終段可動体であって、水平Y方向と平行な水平ガイドレール2にY方向に走行可能に支持されたものである。前記水平ガイドレール2は、従来周知のように、前記水平Y方向に対して直交する水平X方向の移動と、垂直Z方向の昇降とが可能に構成されたものである。従って、終段可動体1は、水平ガイドレール2上での水平Y方向の移動と、水平ガイドレール2の水平X方向の移動、及び水平ガイドレール2の垂直Z方向の昇降とによって、設定された一定サイズの3次元空間内で任意の位置に移動することができる。
【0022】
前記終段可動体1は、前記水平ガイドレール2に隣り合う位置で当該水平ガイドレール2と平行に垂直に起立する基板3を備え、この基板3の裏側に、前記水平ガイドレール2の上下両端面に敷設されたレール部材2a,2bに移動自在に嵌合する上下一対のスライダー4a,4bが取り付けられ、この終段可動体1が水平ガイドレール2に沿って自走するための走行用駆動手段5を備えている。この走行用駆動手段5は、水平ガイドレール2の側面に取り付けられたラックギヤ6に咬合するピニオンギヤ7と、このピニオンギヤ7を正逆回転駆動する走行駆動用モーター8から構成されている。走行駆動用モーター8は、基板3の上端二股部に嵌合する状態に取り付けられて基板3の表側に突出する架台部9に垂直向きに支持されており、当該架台部9から基板3の後ろ側に延出する上側スライダー支持部10aに上側のスライダー4aが取り付けられている。下側のスライダー4bは、基板3の下端裏側に取り付けられた下側スライダー支持部10bに支持されている。
【0023】
上記構成の終段可動体1に取り付けられる本発明のピッキング装置11は、縦長本体12とその下端に取り付けられたピッキングヘッド13を備えている。縦長本体12は、中空状本体部14、この中空状本体部14の上端から上方に垂直に起立する上端垂直軸部15、及び中空状本体部14の下端から一定範囲内で昇降自在に吊り下げられた可動本体部16から構成され、この可動本体部16の下端に取り付けられた傾動台17の下側にピッキングヘッド13が支持されている。図3図5に示されるように、縦長本体12の上端垂直軸部15は、基板3の表側に取り付けられた上下一対の軸受け18,19によって、その上方に位置するピニオンギヤ7と走行駆動用モーター8の垂直軸心と同心の垂直軸心zの周りに自転可能に支持されている。上端垂直軸部15の横側方、即ち、水平ガイドレール2と平行な方向に離れた位置には、縦長本体自転駆動手段20を構成する垂直縦向きモーター21aと、伝動手段21bが設けられている。
【0024】
伝動手段21bは、縦長本体自転駆動用モーター21aと前記上端垂直軸部15とを連動連結するものであって、この伝動手段21bは、縦長本体自転駆動用モーター20aの下端出力軸に取り付けられた伝動プーリー22と、上端垂直軸部15に取り付けられた受動プーリー23,及び両プーリー22,23間に掛張されたベルト24から構成されている。この伝動手段21bには、タイミングベルトを使用する形式のものが望ましい。前記縦長本体自転駆動用モーター21aの下端部を支持するモーター支持部材25は、図3及び図4に示すように、上端垂直軸部15を支持する上側の軸受け18の側辺延出部18aの下側に、前後2本の垂直向きボルト26で取り付けると共に、基板3に1本の水平向きボルト27で取り付けている。この場合、ベルト24の張力を調整できるように、前記2本の垂直向きボルト26が貫通する軸受け18側のボルト孔と前記水平向きボルト27が貫通する基板3側のボルト孔は、ベルト24の掛張方向に長い長孔とし、モーター支持部材25の取付け位置をベルト24の掛張方向に調整可能にしておくのが望ましい。尚、図1及び図2に示すように、終段可動体1の基板3には、その正面側のピニオンギヤ7や伝動手段21bなどを保護するためのカバー3bが取り付けられている。
【0025】
図3図5図8に示すように、縦長本体12の上端垂直軸部15には自転制限手段28が併設されている。この自転制限手段28は、縦長本体12の正逆自転の範囲を、図6に示す待機中立位置から図7に示す正方向180度の正転限位置と、図6に示す待機中立位置から図8に示す逆方向180度の逆転限位置との間の360度に制限するものであって、上端垂直軸部15を支承する下側軸受け19の直下位置で上端垂直軸部15に取り付けられた回転盤29と、この回転盤29の周辺一箇所に軸支された可動ストッパー30、及び基板3の下端に下向きに突出するように形成させた垂直柱状部3aによって構成されている。具体的に説明すると、回転盤29には、その周辺一箇所に上側から切り欠き形成した扇形切欠部31が設けられ、可動ストッパー30は、その基部が扇形切欠部31の奥端部に垂直支軸32の周りに水平方向90度の範囲内で揺動自在に軸支されたもので、図7Bに示すようにその長さは、当該可動ストッパー30が扇形切欠部31の周方向の中央位置にあるとき、全長の半分程度が回転盤29の周縁から外側に突出できる程度である。そしてこの可動ストッパー30の回転盤29の周縁から外側に突出できる領域(全長の半分強程度)の巾は、付け根側の巾より少し細くなっている。又、この可動ストッパー30自体は、扇形切欠部31の深さとほぼ同じ厚さのものになっている。
【0026】
従って、可動ストッパー30が扇形凹入部31内で90度の範囲内で揺動して、当該扇形切欠部31の互いに直角を成す2つの内壁面31a,31bに択一的に当接したとき、図7及び図8に示すように、可動ストッパー30の巾が細くなった部分と扇形切欠部31の内壁面31a,31bとの間には隙間が生じるように構成されている。更に、図6B図7B、及び図8Bに示すように、可動ストッパー30の巾が細くなった部分の両側面と扇形切欠部31の内壁面31a,31bとには、両者が互いに隙間を隔てて対面したときに極性が同一で互いに反発する向きの磁石32a,32b及び33a,33bが面一に埋設されている。この実施例では、これら4つの磁石32a~33bが、可動ストッパー30を90度の揺動範囲内の両端から中央側に付勢する付勢手段34を構成している。又、自転制限手段28を構成する基板3の垂直柱状部3aは、回転盤29のある側の角が回転盤29の周縁に接近して位置し、当該垂直柱状部3aの角の両側に位置する互いに直角を成す側面が、2つの固定制止面35a,35bを形成している。
【0027】
上記の自転制限手段28の構成によれば、縦長本体12(上端垂直軸部15)が正転限位置にあるとき、図7に示すように回転盤29の可動ストッパー30が、扇形切欠部31の一方の内壁面31aと基板3の垂直柱状部3aの一方の固定制止面35aとの間に挟まり、この正転限位置を超えて更に正転方向に自転することはできない。又、この正転限位置にある縦長本体12(上端垂直軸部15)が逆転方向に自転すると、図8に示すように縦長本体12(上端垂直軸部15)が逆転限位置に達したとき、回転盤29の可動ストッパー30が、扇形切欠部31の他方の内壁面31bと基板3の垂直柱状部3aの他方の固定制止面35bとの間に挟まり、この逆転限位置を超えて更に逆転方向に自転することはできない。縦長本体12(上端垂直軸部15)が図7に示す正転限位置又は図8に示す逆転限位置にあるときの何れも、回転盤29の軸心と可動ストッパー30の垂直支軸32の軸心を通る仮想直線の角度は同一となり、縦長本体12(上端垂直軸部15)が丁度360度の範囲で正逆自転していることになる。
【0028】
尚、上記実施例の自転制限手段28が備える付勢手段34の存在により、縦長本体12(上端垂直軸部15)が図7に示す正転限位置から逆転し、又は図8に示す逆転限位置から正転して、可動ストッパー30が基板3の垂直柱状部3aから離れると、対面していた磁石32a,33a間又は磁石32b,33b間の反発力によって、この可動ストッパー30が扇形切欠部31の中央側に揺動することになる。又、この可動ストッパー30が扇形切欠部31の反対側に接近揺動することも、新たに接近対面することになる磁石32b,33b間又は磁石32b,33b間の反発力によって抑止されるので、結果的に可動ストッパー30は、扇形切欠部31の中間領域内に保持され、回転盤29からの突出量がほぼ最大に保たれる。従って、図6に示す待機中立位置にある縦長本体12(上端垂直軸部15)が正転又は逆転を開始した後、逆転限位置又は正転限位置に到達する直前まで、可動ストッパー30の先端部が回転盤29から最大に突出した状態が保たれるので、基板3の垂直柱状部3aにおける固定制止面35a/35bによって確実に相対的に押し倒されて、逆転限位置又は正転限位置で確実に制止される。
【0029】
縦長本体12の上端垂直軸部15は、前記自転制限手段28の回転盤29を同心状に組み込むために、図3及び図5に示すように、上端垂直軸部15の下端との間で回転盤29を挟持固定する延長軸部36を備えている。この延長軸部36は、回転盤29を挟持する側の大径軸部36aと反対側の小径中空軸部36bから構成されている。一方、上端垂直軸部15と連結される中空状本体部14は、図13図15に示すように、角筒状体37と、この角筒状体37の上端に取り付けられた上端小径中空軸部38と、角筒状体37の下端開口部を閉じる下端角栓体39と、角筒状体37の左右両側面に当接されてボルト及びビスによって固定された両側化粧板40から構成されている。上端小径中空軸部38は、角筒状体37の上端開口部内に嵌入してボルト止めされた角柱状部38aから一体に連設されたもので、上端垂直軸部15の下端に設けられた延長軸部36の小径中空軸部36bと同一サイズのものである。下端角栓体39は、角筒状体37の下端開口部を閉じる状態で両側化粧板40にビス止めされている。両側化粧板40は、角筒状体37に対し片側にのみ張り出す形状のものであって、角筒状体37の片側に、両側が両側化粧板40によって閉じられた下広がりの空間を形成している。
【0030】
図9図12に示すように、上記構成の中空状本体部14と上端垂直軸部15とは、連結手段41を介して連結されている。この連結手段41は、シャーピン42、中空状本体部14の落下防止具43、及び中空状本体部14の下降検出器44から構成されている。シャーピン42は、上端垂直軸部15の下端に位置する小径中空軸部36b内に挿入されてビス止めされる上端部42aと、中空状本体部14の上端から突出している上端小径中空軸部38内に挿入されてビス止めされる下端部42bと、この上下両端部間に形成された過負荷時破断作用部42cから構成されている。過負荷時破断作用部42cとしてシャーピン42の直径を小径に絞った構成のものを示したが、シャーピン42の両側に切欠部を形成した構成のものなど、種々の構成を採用可能である。シャーピン42の上下両端部42a,42bには、図10Bに示すように、上下2箇所の互いに直交する直径方向両側に円錐形凹窪部45が設けられ、上端垂直軸部15側の小径中空軸部36bと中空状本体部14側の上端小径中空軸部38には、シャーピン42の上下両端部42a,42bに設けられているそれぞれ4つの円錐形凹窪部45に対応して半径方向の貫通ネジ孔が設けられ、これら各貫通ネジ孔にねじ込んだ尖端付きビス45aの尖端を円錐形凹窪部45の底部に圧入させて、シャーピン42の上下両端部42a,42bを上端垂直軸部15側の小径中空軸部36bと中空状本体部14側の上端小径中空軸部38に固定している。尚、シャーピン42の上下両端部42a,42bに設けられたそれぞれ4つの円錐形凹窪部45は、上下2段の周方向に連続した凹溝に代えることもできる。
【0031】
中空状本体部14の落下防止具43は、上端垂直軸部15側の小径中空軸部36bの下端に、この小径中空軸部36bを両側から挟む状態で2本の締結用ボルトナット46a,46bで固定された一対の上側部材46c,46dと、中空状本体部14側の上端小径中空軸部38の上端に、この上端小径中空軸部38を両側から挟む状態で2本の締結用ボルトナット47a,47bで固定された一対の下側部材47c,47dと、上側部材46c,46dの両端部を下向きに貫通すると共に下端部が下側部材47c,47dの両端部を下向きに貫通して、頭部48aが上側部材46c,46dの上面で支持される合計4本の吊下げ用ロッド48と、各吊下げ用ロッド48の下端螺軸部に螺合締結させたナット利用の受止め具49から構成されている。この受止め具49は、下側部材47a,47bの下端面から下方に離れて位置し、下側部材47a,47bの下端面から受止め具49までの間隔が、中空状本体部14の落下許容距離となっている。
【0032】
中空状本体部14の下降検出器44は、図9A及び図9Bに示すように、片側の上側部材46cに上端部がネジ止めされた垂直支持板50の下端外側面に取り付けられており、この下降検出器44の下側に突出しているスイッチピン44aを押し込むための上下動操作片44bを備えている。この上下動操作片44bを操作するための操作ピン51は、上側部材46cの真下に位置する下側部材47cの下側にネジ止めされて下降検出器44の真下に延出する水平支持板52に、操作ピン51の螺軸部51aとナット51bを利用して垂直に起立設置されている。シャーピン42を介して中空状本体部14が上端垂直軸部15に正常に吊り下げられている状態では、図示のように操作ピン51が上下動操作片44bを介してスイッチピン44aを押し込んだ状態にある。この状態からシャーピン42の過負荷時破断作用部42cが何らかの過負荷によって破断したとき、中空状本体部14は、その上端小径中空軸部38と下側部材47c,47dと共に重力で落下しようとするが、その落下は、下側部材47c,47dが吊下げ用ロッド48の下端の受止め具49で受け止められることによって制止される。このとき下側部材47cと一体に操作ピン51が降下するので、下降検出器44の上下動操作片44bが下方に揺動し、スイッチピン44aの押込みが解除されて、内部のスイッチ回路が切り換わる。このスイッチ回路の切り換わりを利用して、異常事態の報知や機器の動作を非常停止させることができる。
【0033】
中空状本体部14の下端には、可動本体部16が一定範囲内で昇降自在に吊り下げられているが、この可動本体部16の吊下げ構造を説明すると、図16及び図17に示すように、厚板製の可動本体部16は、巾広帯状の本体16aの上端に狭巾柱状部16bが連設された形状のもので、この狭巾柱状部16bから本体16a側に延出する長さのスライドレール53が可動本体部16の上端部内側に垂直縦向きに取り付けられ、このスライドレール53にスライド自在に嵌合するスライダー54が、図13図15に示すように、中空状本体部14を構成する角筒状体37の下端部の両側化粧板40間に固定されたスライダー支持台55の外側に上下垂直向きに取り付けられている。又、可動本体部16の上端には、狭巾柱状部16bの外側面と狭巾柱状部16bの上面とに当接する状態でボルト止めされた逆L字形のストッパー部材56が設けられ、図13に示すように、このストッパー部材56の上端水平部56aが前記スライダー支持台55の上側で受け止められることにより、可動本体部16の下降限位置が決まることになる。
【0034】
可動本体部16が何らかの原因で上方に突き上げられると、図14に示すように当該可動本体部16の上端にあるストッパー部材56の上端水平部56aが中空状本体部14側にあるスライダー支持台55の上端から上方に浮上して、中空状本体部14に対する可動本体部16の上昇を許容することになる。この可動本体部16の一定距離以上の上昇を検出するための上昇検出器57が設けられている。この上昇検出器57は、図13図15に示すように、スライダー54と可動本体部16の上端の狭巾柱状部16bの片側に位置するように、片側の化粧板40の内側にビス止めされている。この上昇検出器57は、その下側に突出しているスイッチピン57aを押し込むための上下動操作片57bを備えている。この上下動操作片57bを操作するための操作ピン58は、可動本体部16の上端の狭巾柱状部16bの両側にある巾広帯状の本体16aの上端両肩部の内、上昇検出器57の真下に位置する上端肩部に、操作ピン58の螺軸部58aとナット58bを利用して垂直に起立設置されている。
【0035】
尚、可動本体部16には、ピッキングヘッド13を含めて、後述するように各種の機器が取り付けられているので、相応の重量がある。従って通常は可動本体部16に作用する重力により、ストッパー部材56の上端水平部56aが中空状本体部14側のスライダー支持台55の上側で受け止められる下降限位置に支持されて安定するが、必要に応じて中空状本体部14に対し可動本体部16を下向きに付勢する付勢手段を設けておくこともできる。簡単な一例を説明すると、図13及び図15に示すように、上昇検出器57のある側とは反対側で中空状本体部14側のスライダー支持台55の下端部に、水平前後方向に下穴を設けておき、この下穴にピアノ線のような弾性鋼線材59の一端部を圧入固定するなどして、この弾性鋼線材59の遊端部を、可動本体部16の上端の狭巾柱状部16bの両側にある巾広帯状の本体16aの上端両肩部の内、上昇検出器57のある側とは反対側の上端肩部上に当接させておく。この構成によれば、中空状本体部14に対して可動本体部16が上昇するとき、図14に示すように、可動本体部16の前記肩部が弾性鋼線材59を弾性に抗して上方に押し曲げる必要がある。換言すれば、中空状本体部14に対して可動本体部16が上昇するのを弾性鋼線材59の弾性によって抑止することができるので、下降限位置にある可動本体部16が不安定に上下動するのを防止することができる。又、可動本体部16を突き上げる外力が無くなったとき、可動本体部16を下降限位置まで確実に下降復帰させることができる。
【0036】
次に、ピッキングヘッド13とその支持構造及び駆動構造について説明すると、可動本体部16の下端には水平軸心周りに傾動自在な傾動台17が設けられ、ピッキングヘッド13は、傾動台17に対して垂直な軸心周りに自転可能に傾動台17の下側に取り付けられたピッキングヘッド支持台60と、このピッキングヘッド支持台60の下側に取り付けられた3本のピッキングヘッド単体61~63から構成されている。可動本体部16の巾広帯状の本体16aの内側(スライドレール53が取り付けられている側)に、上から順番に第一平歯車64、第二平歯車65、及び第三平歯車66が互いに咬合する状態で、回転軸64a,65a,66aを介してそれぞれ自転可能に軸支され、上端の第一平歯車64が取り付けられた回転軸64aは、可動本体部16の外側に取り付けられた傾動台駆動用モーター67の出力軸に連動連結されている。第三平歯車66を支持する回転軸66aは、第三平歯車66から長く突出し得る長さを有する長尺回転軸となっている。
【0037】
傾動台17は、傾動台本体68とこの傾動台本体68の上に重ねられてボルト止めされるカバー板材69とを備え、このカバー板材69の上に軸受け70がボルト止めされている。この軸受け70は、可動本体部16のある側に前記第三平歯車66が複数本のボルト66bで固着されると共に、当該第三平歯車66の長尺回転軸66aが軸受け70の軸孔内に挿入された状態で当該軸受け70に締結ボルト70aによって固着されている。又、第三平歯車66は、傾動台の17の左右両側への傾動範囲を最大180度確保すれば良いので、当該第三平歯車66の周辺の下側不要領域が切除され、軸受け70は、この第三平歯車66の切除部に外嵌しているので、第三平歯車66と軸受け70とは完全に一体化されている。上記構成により、傾動台駆動用モーター67を稼働させて第一平歯車64を駆動すれば、その第一平歯車64の回転が、第二平歯車65、第三平歯車66、及び軸受け70を経由して傾動台17に伝達され、この傾動台17が図16に示す第三平歯車66(回転軸66a)の水平軸心66cの周りで左右に傾動することになる。
【0038】
前記傾動台17の傾動台本体68は、可動本体部16の真下位置よりも軸受け70のある側とは反対側へ延出する延出部68aを備えており、この延出部68aにピッキングヘッド駆動軸71が上下方向に貫通するように支承され、このピッキングヘッド駆動軸71を回転駆動するピッキングヘッド単独自転駆動用モーター72(図1及び図18参照)が、傾動台本体68の延出部68a上に設置されている。図18図21Aに示すように、ピッキングヘッド駆動軸71には、傾動台本体68の延出部68aの下側で第一平歯車73が取り付けられ、この第一平歯車73に係合する第二平歯車74と、この第二平歯車74に咬合する大径第三平歯車75が、傾動台本体68の長さ方向に配列されている。第二平歯車74は、前記ピッキングヘッド駆動軸71と平行に傾動台本体68に支承された回転軸74aの下端に取り付けられるが、大径第三平歯車75は、ピッキングヘッド支持台60の上に2本のボルト75aによって固定されて、当該ピッキングヘッド支持台60と一体になっている。ピッキングヘッド支持台60の回転軸心(大径第三平歯車75の回転軸心)60aは、傾動台17に対して上下垂直向きであり、傾動台17上の軸受け70より可動本体部16のある側とは反対側に離れて位置しており、このピッキングヘッド支持台60の回転軸心60aと同心状に鍔付き大径円筒軸体76が、傾動台本体68の上側から大径第三平歯車75を経由してピッキングヘッド支持台60の下端まで貫通した状態で、ピッキングヘッド支持台60にボルト76aによって固定されている。この鍔付き大径円筒軸体76は、大径第三平歯車75とピッキングヘッド支持台60に対しては固定された状態であり、傾動台本体68に対しては回転軸心60aの周りで相対回転自在となっている。尚、傾動台17のカバー板材69には、鍔付き大径円筒軸体76の内部空間76bと同心状に連通する開口部69aが設けられている。
【0039】
ピッキングヘッド支持台60に取り付けられる3本のピッキングヘッド単体61~63は、負圧吸着タイプのものであって、蛇腹状の伸縮自在な筒状吸着本体77と、この筒状吸着本体77の取付け座81、及び筒状吸着本体77内と連通する接続用ネジ管部82を備えている。この3本のピッキングヘッド単体61~63は、ピッキングヘッド支持台60の回転軸心60aを中心とする円周線上の120度間隔おきの位置に配置するために、ピッキングヘッド支持台60が、2つのピッキングヘッド単体61,62の取付け位置を備えた横長部分78と、1つのピッキングヘッド単体63の取付け位置を備えた三角形部分79とに、鍔付き大径円筒軸体76が嵌合する貫通孔を通る位置で分割され、この横長部分78と三角形部分79とを、ピッキングヘッド支持台60の回転軸心60aと同心状に位置する鍔付き大径円筒軸体76の下端部を両側から挟む状態で、2本の締結用ボルト80によって互いに締結されている。尚、大径第三平歯車75は、ピッキングヘッド支持台60に合わせて2つ割りに構成しないで、ピッキングヘッド単体63の三角形部分79側に2本のボルト75aによって前以て取り付けておき、この大径第三平歯車75が取り付けられているピッキングヘッド支持台60の三角形部分79を、傾動台本体68から突出している鍔付き大径円筒軸体76に大径第三平歯車75の軸孔を嵌合させるようにして、鍔付き大径円筒軸体76の片側に配置し、この後、大径第三平歯車75の下側でピッキングヘッド支持台60の横長部分78を、前記三角形部分79との間で鍔付き大径円筒軸体76を挟むように配置し、この三角形部分79と横長部分78とを2本の締結用ボルト80によって互いに締結すれば良い。
【0040】
ピッキングヘッド支持台60は、周方向120度間隔おきに3箇所のピッキングヘッド単体61~63の取付け位置を備えた平面視三角形のもので、各取付け位置には、ピッキングヘッド単体61~63の接続用ネジ管部82を捩じ込んで接続できる接続孔83~85(図21参照)が設けられている。一方、傾動台17の大径第三平歯車75に重なる端部17aは、当該傾動台17の表面に開口している開口部69aを中心として、傾動台17の長さ方向中心線に対して左右対称形にほぼ270度の領域を大径第三平歯車75と同一直径の部分円形盤状に形成されている。従って、ピッキングヘッド支持台60に設けられた前記3箇所の接続孔83~85の内、ピッキングヘッド支持台60の横長部分78に設けられている2つの接続孔83,84は、図20及び21Aに示すように平面視において、大径第三平歯車75及び傾動台17の部分円形盤状端部17aの外側において、ピッキングヘッド支持台60の上面に開口させ、その上端開口部には、吸気管86,87の接続金具86a,87aをネジ接続している。
【0041】
ピッキングヘッド支持台60の三角形部分79に設けられた接続孔85は、図18に示すように、鍔付き大径円筒軸体76の方に向かって直角に曲げた状態で、鍔付き大径円筒軸体76の下端から切り込んで形成した凹入開口部76cを経由して当該鍔付き大径円筒軸体76の内部空間76b内に上向きに入り込む吸気管接続用エルボ88を接続し、この吸気管接続用エルボ88の上向き接続孔に、カバー板材69の開口部69aを経由して鍔付き大径円筒軸体76内に挿入された吸気管89を接続している。以上の構成から明らかなように、ピッキングヘッド単独自転駆動用モーター72が正逆自転駆動前の待機状態では、図20及び21Aに示すように、ピッキングヘッド支持台60の横長部分78の両端に取り付けられている2つのピッキングヘッド単体61,62(それぞれの吸気管86,87)が、平面視において水平姿勢にある傾動台17の部分円形盤状端部17aの外側に左右対称状態で位置するように構成されている。従って、係る状態からピッキングヘッド単独自転駆動用モーター72を稼働させて、終段の大径第三平歯車75と共にピッキングヘッド支持台60を正転方向又は逆転方向に回転させると、3本のピッキングヘッド単体61~63がピッキングヘッド支持台60の回転軸心60aの周りを回動するが、その回転範囲は、傾動台17の部分円形盤状端部17aに沿って回転するピッキングヘッド単体61,62の吸気管86,87(接続金具86a,87a)が、傾動台17の部分円形盤状端部17aの周方向の両終端部17b,17c(図20参照)に達するまでの範囲に制限される。
【0042】
尚、ピッキングヘッド支持台60の下側中心位置には、ピッキングヘッド支持台60の回転軸心60aの延長線上にある荷やコンテナ内面など、他物までの距離を検出する測距センサーを取り付けることができる。図示の実施例では、図18図19、及び図21A,Bに示すように、平面形状がコ字形のセンサー取付け板90と、センサー支持板90の中央切込み空間を跨るように当該センサー取付け板90にビス止めにより架設されたセンサー取付け用アタッチメント91と、このセンサー取付け用アタッチメント91の下側に取り付けられた測距センサー92が使用されている。測距センサー92をピッキングヘッド支持台60の底面中央に取り付けるときは、センサー取付け板90の中央切込み空間が鍔付き大径円筒軸体76の内部空間76bの下端開口部と重なると共に測距センサー92が鍔付き大径円筒軸体76の内部空間76b内に入り込むように、ピッキングヘッド支持台60の三角形部分79にセンサー取付け板90をビス止めすれば良い。勿論、測距センサー92に代えて、ピッキングヘッドが対面するコンテナ内のエリアを撮像するカメラを取り付けることも可能である。
【0043】
ピッキングヘッド支持台60から上向きに引き出されている2本の吸気管86,87と、傾動台17の部分円形盤状端部17aの中心にある開口部69aから上向きに引き出されている吸気管89、即ち、3本のピッキングヘッド単体61~63に接続されている3本の吸気管86,87,89は、縦長本体12における角筒状体37の下端の下端角栓体39に設けられている3本の上下方向貫通孔39a~39c(図14及び図15参照)を経由して、角筒状体37内に導入されている。このとき図1に示すように、左右2本の吸気管86,87は、縦長本体12における下端の可動本体部16のある後ろ側に寄せられて、下端角栓体39の左右両側の後ろ寄りに位置する貫通孔39a,39bに挿入され、残りの吸気管89は、左右2本の吸気管86,87の間を前側に寄せられた後に下端角栓体39の中央前寄りにある貫通孔39cに挿入される。
【0044】
図13に示すように、角筒状体37の可動本体部16が取り付けられる背面側板には、この背面側板に取り付けられているスライダー支持台55の直上位置から、この角筒状体37の上端内に嵌合している角柱状部38aの直下位置までの領域が切除されて、縦長開口窓37aが形成されている。而して、角筒状体37内に下端側から挿入された3本の吸気管の内、中央1本の吸気管89(ピッキングヘッド単体63の吸気管89)は、そのまま縦長開口窓37aを経由して、図1及び図5に示すように、上端垂直軸部15の下端部にブラケット93を介して取り付けられている配管中継器94の下側中央1本の中継管路94cに接続されている。この配管中継器94には、残りの2本の吸気管86,87を中継するための上側左右2本の中継管路94a,94bを備えている。又、この配管中継器94を支持するブラケット93は、配管中継器94が下側に取り付けられる帯状水平板部93aと、この帯状水平板部93aの基端に連設された垂直板状の取付け板部93bを備えており、この取付け板部93bが、上端垂直軸部15の下端の延長軸部36における大径軸部36aに形成されている切欠平坦面36c(図3図9A、及び図10A参照)にネジ止めされている。
【0045】
角筒状体37内に下端側から挿入された残り2本の吸気管86,87は、図2及び図13に示すように、それぞれ2つの管路接続用エルボ95a、95bと角筒状体37の縦長開口窓37aを経由して角筒状体37の外側で垂直上向きに転向されるが、後段の管路接続用エルボ95bから前記配管中継器94の上側左右2本の中継管路94a,94bまでの管路は、収縮方向に付勢されたコイル状可撓管86b,87bに置換している。更に、図13に示すように、前段の管路接続用エルボ95aまで角筒状体37内を垂直縦向きに配置される2本の吸気管86,87には、圧縮コイルスプリング96がそれぞれ外嵌装着されて、引き上げ方向に付勢されている。3本のピッキングヘッド単体61~63に接続された3本の吸気管86,87,89は、配管中継器94と、最上段の終段可動体1の前記カバー3bの外側に取り付けられた配管中継器97との間の3本の中継吸気管98~100を経由して、配管中継器97に接続された最終段吸気管101~103に接続されている。配管中継器94,97間の中継吸気管98~100は、配管中継器94が縦長本体12の垂直軸心周りに自転することになるので、長尺の吸気管を使用して横側方に大きく迂回するように配置しなければならない。
【0046】
以上に説明した縦長本体12の構成では、縦長本体自転駆動手段20と自転制限手段28の構成により、縦長本体12が自転前の待機中立位置から左右それぞれ180度の範囲内で正逆自転できるので、この縦長本体12の正逆自転を許容させるためには、前記中継吸気管98~100に必要な長さが非常に長くなる。この中継吸気管98~100に必要な長さを短くするために、例えば上端垂直軸部15の延長軸部36に、その周りを相対回転自在な回転体を追加し、この回転体に前記ブラケット93を介して配管中継器94を取り付けると共に、当該ブラケット93の向きを、縦長本体12が図1に示す自転前の待機中立位置にあるときに、終段可動体1側の配管中継器97の真下位置に配管中継器94を維持させる向きに弾性力で保持する付勢手段を併設し、中継吸気管98~100の長さで吸収できる以上に縦長本体12の正転又は逆転の自転角度が大きくなったとき、ブラケット93と共に配管中継器94が、中立向きに保持する弾性力に抗して縦長本体12の自転方向とは逆方向に相対移動して、中継吸気管94,97間の距離の増大を抑制できるように構成して、中継吸気管98~100の長さ不足を補うように構成することが可能である。
【0047】
以上のように構成された本発明のピッキング装置では、傾動台17が水平状態であって、図22Aに示すように、この傾動台17の長さ方向中心線CL、即ち、ピッキングヘッド支持台60の自転軸心(鍔付き大径円筒軸体76の軸心)とピッキングヘッド駆動軸71(第一平歯車73)の軸心を通る中心線CLが、平面視において水平ガイドレール2の長さ方向に対して直交する向きにあり、そしてピッキングヘッド支持台60に軸支されている3つのピッキングヘッド単体61~63の内、傾動台17の部分円形盤状端部17aの左右両側を吸気管86,87が上向きに通る2つのピッキングヘッド単体61,62が、前記傾動台17の長さ方向中心線CLの左右両側に対称に位置している状態を、ピッキング装置11の待機中立状態に設定されている。勿論これは一例であって、傾動台17の長さ方向中心線CLが水平ガイドレール2と平行な向き、若しくは一定の角度だけ斜めになっている状態を、待機中立状態に設定しても良い。
【0048】
上記の待機中立状態にあるピッキング装置11は、終段可動体1をX方向、Y方向、及びZ方向の3次元方向に移動させることによって、一定の3次元空間内の所定の位置に移動させることができる。一方、待機中立状態にあるピッキング装置11は、終段可動体1に搭載されている縦長本体自転駆動手段20の縦長本体自転駆動用モーター21aを稼働させて縦長本体12を、先に説明した自転制限手段28によって許容される自転範囲、即ち、待機中立位置から正逆任意の方向に180度の範囲内で自転させることができる。即ち、図22Aに示すように、ピッキングヘッド13の前側2つのピッキングヘッド単体61,62が傾動台17の中心線CLの左右両側対称に位置する待機中立状態を保ったまま、縦長本体12から下端のピッキングヘッド13までの全体を正逆任意の方向に180度の範囲内で自転させることができるのである。
【0049】
一方、ピッキングヘッド単独自転駆動用モーター72を稼働させて、傾動台17に対しピッキングヘッド支持台60をその回転軸心60aの周りに回転させることにより、ピッキングヘッド13の3つのピッキングヘッド単体61~63を、その中心に位置する鍔付き大径円筒軸体76を中心に自転させることができる。このピッキングヘッド単独自転の範囲は、先に説明したように、前側2つのピッキングヘッド単体61,62の内、正転時にはその正転方向側に位置するピッキングヘッド単体61の吸気管86(接続金具86a)が、図22Bに示すように傾動台17における部分円形盤状端部17aの正転方向側の終端部17bに達するまでの範囲(+θ)に限定され、逆転時にはその逆転方向側に位置するピッキングヘッド単体62の吸気管87(接続金具87a)が、傾動台17における部分円形盤状端部17aの逆転方向側に位置する終端部17cに達するまでの範囲(-θ)に限定される。このピッキングヘッド単独自転のとき、前側2つのピッキングヘッド単体61,62の吸気管86,87が、ピッキングヘッド支持台60から中空状本体部14の下端の下端角栓体39までの間の部分が、自転の範囲内(正逆θ角度範囲内)で振り回されるが、ピッキングヘッド単体63の吸気管89は、自転するピッキングヘッド支持台60の自転軸心とほぼ同心状に直立しているだけで、振り回されることはない。
【0050】
上記の終段可動体1によるピッキング装置11全体の3次元移動により、図23に示すように、定位置にセットされた搬送用コンテナC内の任意の位置にピッキングヘッド13を降下させることができる。この場合、基本的には傾動台17とピッキングヘッド13は、先に説明した待機中立位置にあるので、搬送用コンテナC内のピッキング対象の荷の水平上面にピッキングヘッド13の3つのピッキングヘッド単体61~63を押し当てるとき、例えば搬送用コンテナCの囲壁W1~W4やピッキング対象でない荷などに待機中立位置にある傾動台17が衝突する恐れのあるときは、傾動台17がその恐れを解消できる向きになるようにピッキング装置11の全体を、縦長本体自転駆動手段20の縦長本体自転駆動用モーター20aを稼働させて垂直軸心zの周りに自転させれば良い。
【0051】
ピッキング対象の荷が、図23に示す搬送用コンテナC内の4つのコーナーC1~C4の何れかに隣接して位置している場合、例えばコーナーC1に隣接して位置している場合には、そのコーナーC1に前側2つのピッキングヘッド単体61,62の内の1つが嵌まり込むと共に、当該コーナーC1の両側の囲壁W1,W4の内の例えば囲壁W1に2つのピッキングヘッド単体61,62が隣接するように、ピッキング装置11の全体を、縦長本体自転駆動手段20の縦長本体自転駆動用モーター20aを稼働させて垂直軸心zの周りに自転させた後に、前記コーナーC1に向かってピッキングヘッド13を移動させれば良い。この要領で、搬送用コンテナC内の他のコーナーC2~C4に隣接する荷に対しても対応することができるが、この方法では、待機中立位置にある傾動台17は、図23に中心線CLで示すように、前側2つのピッキングヘッド単体61,62が隣接する囲壁W1~W4、例えば囲壁W1に対し直角につながっている囲壁W4に隣り合うように並列することになる。
【0052】
ピッキングヘッド13だけを見れば上記の操作で問題なくピッキング操作を行うことができるが、このとき待機中立位置にある傾動台17が、ピッキング対象でない他の荷などと干渉して、ピッキングヘッド13を所定高さまで降下させることができない状況も考えられる。このような場合には、前側2つのピッキングヘッド単体61,62を所定の位置に移動させることができる向きにピッキング装置11の全体を自転させると共に、図23に仮想線で示すように、ピッキングヘッド単独自転駆動用モーター72を稼働させて、傾動台17に対するピッキングヘッド支持台60の正逆自転許容範囲内でピッキングヘッド支持台60に対し傾動台17を相対的に水平揺動させ、上記の問題点を解消できる向きに傾動台17の向きを修正することができる。勿論、最初に縦長本体自転駆動手段20の縦長本体自転駆動用モーター21aによりピッキング装置11の全体を自転させて向きを設定するときに、待機中立位置にある傾動台17の向きを、図23に仮想線で示すピッキング動作時の好適な向きに矯正しておき、この後、ピッキングヘッド単独自転駆動用モーター72を稼働させて、傾動台17に対するピッキングヘッド支持台60の正逆自転許容範囲内でピッキングヘッド支持台60を、図23に実線で示す向きに自転矯正させることもできる。
【0053】
以上の説明は、図24の中央位置に例示するように、ピッキング対象の荷Lが搬送用コンテナCの水平底面CB上に正立載置されている状況(荷Lの上面も水平)であることを前提にしているが、搬送用コンテナC内にバラ積みされている荷Lは、他の荷Lとの位置関係や壁面W1~W4との位置関係などで、図24の左右両側に例示するように、荷L自体が傾斜して上面が水平で無いことが多い。このような状況では、傾動台駆動用モーター67を稼働させて、縦長本体12に対して傾動台17をピッキングヘッド13と一体に水平軸心66cの周りに正逆各90度の許容範囲内で傾動させ、ピッキングヘッド13(3本のピッキングヘッド単体61~63)の吸着面を、ピッキング対象の荷Lの上面の傾斜に合わせて傾斜させた状態で、当該ピッキングヘッド13をピッキング対象の荷Lの上面に向けて接近移動させて押圧させることができる。勿論この場合も、ピッキング対象の荷Lの位置などに合わせて、傾動した傾動台17に対しピッキングヘッド13を正逆許容範囲内で自転させることもできる。
【0054】
上記のように傾動台17を水平軸心66cの周りに傾動させたとき、ピッキングヘッド13から中空状本体部14の下端角栓体39までの空中に露出している3本の吸気管86,87,89の内、ピッキングヘッド13の中央軸心と同心状で傾動台17の上面の開口部69aから引き出されている吸気管89(ピッキングヘッド単体63の吸気管89)は、傾動台17の傾動による経路長さの変化は小さいが、前側2つのピッキングヘッド単体61,62の吸気管86,87は、傾動台17ではなくピッキングヘッド支持台60から直接引き出されていて、傾動台17の傾動軸心(水平軸心66cから左右両側に離れているので、傾動台17の傾動方向側の吸気管86/87は中空状本体部14の方に押し戻され、反対側の吸気管87/86は中空状本体部14の方から引き出されることになる。先に説明した実施例では、前側2つのピッキングヘッド単体61,62の吸気管86,87は、中空状本体部14内で圧縮コイルスプリング96によって引き上げ方向に付勢されているので、中空状本体部14から引き出される側の吸気管87/86は、前記圧縮コイルスプリング96を圧縮させながら引き出され、中空状本体部14の方に押し戻される吸気管86/87は、圧縮コイルスプリング96の付勢力で引き上げられるので、吸気管86/87の上方への移動は円滑に行われ、空中に露出している領域部分が横側方へ湾曲して張り出すような状況には至らない。勿論、傾動台17に対してピッキングヘッド13が正逆許容範囲内で自転運動するときも、前側2本の吸気管86,87には多少の押し引き力が作用するが、この動作に対しても圧縮コイルスプリング96が上記のように機能するので、3本の吸気管86,87,89を中空状本体部14に収容されるまでの間で空中に露出させる簡単な構成でありながら、傾動台17の傾動運動や当該傾動台17に対するピッキングヘッド支持台60の自転運動を円滑に行わせることができる。
【0055】
ピッキングヘッド13の3本のピッキングヘッド単体61~63を荷Lの上面に押圧吸着させた後は、当該ピッキングヘッド13を荷Lの上面に対する直角向きに後退/上昇移動させ、傾動台17を傾動させたときには、適当距離だけピッキングヘッド13を後退/上昇移動させた後に、又は後退移動と共に、傾動台17を水平姿勢に復帰させ、更にピッキングヘッド支持台60を自転させたときは、適当距離だけピッキングヘッド13を後退移動させた後に、又は後退/上昇移動と共に、ピッキングヘッド支持台60を元の位置まで逆転させて戻し、最終的には、搬送用コンテナCの上方まで荷Lを引き上げた後に、必要に応じて縦長本体12を元の待機中立位置まで逆転復帰させた状態で、終段可動体1を制御して、荷Lを吸着しているピッキングヘッド13を荷降ろし位置まで移動させれば良い。荷Lの上面サイズなどにより、3本のピッキングヘッド単体61~63の全てを荷Lの上面に吸着させることができない状況が予測できるようなときは、例えば各ピッキングヘッド単体61~63の吸気系の負圧を個別に計測し、荷Lの上面に圧接できないために負圧が発生しないピッキングヘッド単体に対しては吸気を遮断し、負圧が働いているピッキングヘッド単体のみでピッキング動作を行わせることも可能である。
【0056】
又、本発明の実施例では、ピッキングヘッド13として、荷の表面に負圧によって吸着する負圧吸着タイプのものを示したが、荷の磁性体表面に磁気吸着する磁気吸着タイプや、荷を挟んで摘まみ上げる開閉指型タイプなど、種々の形式のものを利用できる。又、負圧吸着タイプや磁気吸着タイプなどは、1つのピッキングヘッドを複数本のピッキングヘッド単体で構成することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明のピッキング装置は、多数個の物品がばら積み状態に収納されている上側解放の搬送用コンテナ内から物品を取り出すためのピッキング用ロボット設備における終段可動体に取り付けて活用できる。
【符号の説明】
【0058】
1 終段可動体
2 水平ガイドレール
2a,2b レール部材
3 基板
3a 垂直柱状部
3b カバー
4a,4b スライダー
5 走行用駆動手段
6 ラックギヤ
7 ピニオンギヤ
8 走行駆動用モーター
9 架台部
11 ピッキング装置
12 縦長本体
13 ピッキングヘッド
14 中空状本体部
15 上端垂直軸部
16 可動本体部
17 傾動台
17a 部分円形盤状端部
18a 側辺延出部
20 縦長本体自転駆動手段
21a 縦長本体自転駆動用モーター
21b 伝動手段
25 モーター支持部材
28 自転制限手段
29 回転盤
30 可動ストッパー
31 扇形切欠部
31a,31b 内壁面
32a~33b 磁石
34 付勢手段
35a,35b 固定制止面
36 延長軸部
37 角筒状体
37a 縦長開口窓
38 上端小径中空軸部
38a 角柱状部
39 下端角栓体
40 両側化粧板
41 連結手段
42 シャーピン
42c 過負荷時破断作用部
43 中空状本体部の落下防止具
44 中空状本体部の下降検出器
45 円錐形凹窪部
45a 尖端付きビス
46c,46d 上側部材
47c,47d 下側部材
48 吊下げ用ロッド
49 受止め具
51 操作ピン
53 スライドレール
54 スライダー
55 スライダー支持台
56 ストッパー部材
56a 上端水平部
57 上昇検出器
58 操作ピン
59 弾性鋼線材
60 ピッキングヘッド支持台
61~63 ピッキングヘッド単体
64~66,73,74 平歯車
67 傾動台駆動用モーター
68 傾動台本体
68a 延出部
69 カバー板材
69a 開口部
70 軸受け
71 ピッキングヘッド駆動軸
72 ピッキングヘッド単独自転駆動用モーター
75 大径第三平歯車
76 鍔付き大径円筒軸体
76b 内部空間
76c 凹入開口部
77 筒状吸着本体
78 ピッキングヘッド支持台の横長部分
79 ピッキングヘッド支持台の三角形部分
80 締結用ボルト
81 取付け座
82 接続用ネジ管部
83~85 接続孔
86,87,89 吸気管
86a,87a 接続金具
86b,87b 収縮方向に付勢されたコイル状可撓管
88 吸気管接続用エルボ
92 測距センサー
94,97 配管中継器
94a~94c 中継管路
95a,95b 管路接続用エルボ
96 圧縮コイルスプリング
98~100 中継吸気管
101~103 最終段吸気管
C 搬送用コンテナ
C1~C4 搬送用コンテナ内のコーナー部
CB 搬送用コンテナ内の底面
CL 傾動台の長さ方向中心線
L 荷
W1~W4 搬送用コンテナの囲壁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24