(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】情報処理装置、保険料決定方法、及びシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/08 20120101AFI20240927BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20240927BHJP
G16Y 10/50 20200101ALI20240927BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20240927BHJP
【FI】
G06Q40/08
H01M10/48 P
H01M10/48 301
G16Y10/50
G16Y20/20
(21)【出願番号】P 2020125767
(22)【出願日】2020-07-22
【審査請求日】2023-06-14
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】飯田 琢磨
(72)【発明者】
【氏名】星田 昌昭
(72)【発明者】
【氏名】山口 晃佑
【審査官】小山 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-060247(JP,A)
【文献】特開平11-072262(JP,A)
【文献】特開2011-258337(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
H01M 10/48
G16Y 10/50
G16Y 20/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される電池の発火因子に関する情報に基づいて前記電池が発火する危険性が指標化された危険度を算出する危険度算出部と、
前記車両にして設定される保険料を、前記危険度に応じ
て決定する保険料決定部と、を備
え、
前記発火因子に関する前記情報は、前記電池の製造工程に起因する前記発火因子の情報を含む、
情報処理装置。
【請求項2】
前記電池はリチウムイオン電池であり、
前記発火因子に関する前記情報は
、前記電池におけるリチウム析出量を含
む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記リチウム析出量は、充放電中の前記電池における電圧変化および電流変化から推定される、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記リチウム析出量は、
前記電池の満充電容量に対する残容量の割合である充電状態が所定範囲内にあって、充電電流が一定である時、及び放電電流が一定である時の電圧変化および電流変化を用いて推定される、
請求項
3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記情報は前記電池における微小短絡量を含み、
前記微小短絡量は、充放電が行われていないときの前記電池における電圧変化から推定される、
請求項1乃至請求項
4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記微小短絡量は、
前記電池の満充電容量に対する残容量の割合である充電状態が所定範囲内にあって、前記電池の温度が所定温度以上である時の電圧変化を用いて推定される、
請求項
5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記危険度と前記電池が発火する可能性との相関関係に基づいて前記電池の発火リスクを判定する発火リスク判定部を更に備え、
前記保険料決定部は、
前記発火リスクの判定結果に基づいて前記保険料を決定する、
請求項1乃至請求項
6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記保険料決定部は、
前記車両の運転を行う被保険者による前記電池の取り扱いに関する情報に基づいて前記保険料を決定する、
請求項1乃至請求項
7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記電池の取り扱いに関する情報は、
前記電池の満充電容量に対する残容量の割合である充電状態、及び前記電池の温度の少なくともいずれかの履歴を含む、
請求項
8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記保険料決定部は、
前記電池の取り扱いに関する情報に基づいて前記保険料の割引制度を適用するか否かを決定する、
請求項
8または請求項
9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記電池の取り扱いに関する情報を用いて決定した保険料が、更新前の保険料に比べて所定の割合を超えて増加していた場合に、前記電池の状態についての情報を前記被保険者に提示する情報提示部を更に備える、
請求項
8乃至請求項
10のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記情報提示部は、
提示対象の前記被保険者に前記電池の取り扱い方法についての情報を提示する、
請求項
11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記被保険者を一意に識別可能な識別情報と、前記電池の取り扱いに関する情報とを紐づけて管理する識別情報管理部を更に備え、
前記保険料は前記被保険者に対して設定される、
請求項
8乃至請求項
12のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記車両は、被保険者が加入する保険の契約対象の車両である、
請求項1乃至請求項13のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記情報処理装置はサーバ装置である、
請求項1乃至請求項14のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項16】
車両にして設定される保険料を決定する情報処理装置が行う保険料決定方法であって、
車両に搭載される電池の発火因子に関する情報に基づいて前記電池が発火する危険性が指標化された危険度を算出し、
前記危険度に応じて
前記保険料を決定
し、
前記発火因子に関する前記情報は、前記電池の製造工程に起因する前記発火因子の情報を含む、
保険料決定方法。
【請求項17】
前記電池はリチウムイオン電池であり、
前記発火因子に関する前記情報は、前記電池におけるリチウム析出量を含む、
請求項16に記載の保険料決定方法。
【請求項18】
車両に搭載される電池における電圧変化および電流変化に基づいて、前記電池の発火因子に関する情報を生成する情報生成部と、
前記情報に基づいて前記電池が発火する危険性が指標化された危険度を算出する危険度算出部と、
前記車両にして設定される保険料を、前記危険度に応じ
て決定する保険料決定部と、を備
え、
前記発火因子に関する前記情報は、前記電池におけるリチウム析出量を含む、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、保険料決定方法、及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車をはじめとする電動車両では、電池が原因の車両火災が発生するリスクがある。このような車両火災には、電池に負荷がかかる使われ方がなされたことに起因する場合、また、製造不具合等に起因する場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、現行の車両保険制度においては、上記のような電池の種々の状態が考慮されることなく一律の掛け金となっている。このため、車両火災が発生するリスクの高い電池が搭載された車両に対して、不適切に安価な保険料が設定されてしまう場合がある。
【0005】
本開示は、電池の状態に応じて保険料を適正に設定することができる情報処理装置、保険料決定方法、及びシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示にかかる情報処理装置は、車両に搭載される電池の発火因子に関する情報に基づいて前記電池が発火する危険性が指標化された危険度を算出する危険度算出部と、前記車両にして設定される保険料を、前記危険度に応じて決定する保険料決定部と、を備え、前記発火因子に関する前記情報は、前記電池の製造工程に起因する前記発火因子の情報を含む。
【発明の効果】
【0007】
本開示にかかる情報処理装置、保険料決定方法、及びシステムによれば、電池の状態に応じて保険料を適正に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態1にかかる保険料決定システムの構成の一例を示す全体図である。
【
図2】
図2は、実施形態1にかかるBMU、CMU、及びバッテリの構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態1にかかるBMUの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態1にかかるサーバ装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、実施形態1にかかるサーバ装置による保険料決定処理の手順の一例を示すフロー図である。
【
図6】
図6は、実施形態2にかかる保険料決定システムの構成の一例を示す全体図である。
【
図7】
図7は、実施形態2にかかるサーバ装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、実施形態2にかかるサーバ装置による保険料決定処理の手順の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本開示にかかる情報処理装置、保険料決定方法、及びシステムの実施形態について説明する。
【0010】
[実施形態1]
実施形態1について図面を用いて説明する。
【0011】
(保険料決定システムの構成例)
図1は、実施形態1にかかる保険料決定システム1の構成の一例を示す全体図である。
図1に示すように、保険料決定システム1は、車両10に搭載された車両制御システム110、クラウド上に置かれたサーバ装置20、及び保険会社30の情報端末301を備える。
【0012】
複数の車両10は、例えば保険会社30に加入する被保険者によって所有されるなど、車両保険等の契約対象にあたる車両であり、保険会社30はこれらの車両10に対して保険料を設定する。複数の車両10のそれぞれは、ネットワークでサーバ装置20と接続された車両制御システム110を搭載している。
【0013】
車両10は、バッテリ130の電力を使用して駆動する電気自動車(EV:Electric Vehicle)である。ただし、車両10が、バッテリ130の電力と共に内燃機関等の動力を使用するハイブリッド車(HV:Hybrid Vehicle)等であってもよい。
【0014】
車両制御システム110は、TCU(Telematics Control Unit)104、CGW(Central Gateway)103、ECU(Electronic Control Unit)102、BMU(Battery Management Unit)101、複数のバッテリ(電池)130a~130n、及び充電装置105を備える。
【0015】
これらの構成は、車内ネットワーク120によって接続されている。車内ネットワーク120は、例えば、CAN(Controller Area Network)である。なお、車両制御システム110内において、1つの車内ネットワーク120に全ての構成が接続されてもよいし、複数チャネルの車内ネットワークに分割されて接続されてもよい。
【0016】
バッテリ130a~130nの各々は、車両10が駆動するための電力を供給する。本明細書では、個々のバッテリ130a~130nを区別しない場合は、単にバッテリ130と記載することがある。なお、バッテリ130は1台のみであってもよい。バッテリ130は、充電可能な二次電池であり、例えばリチウムイオン電池である。ただし、バッテリ130の種類は特に限定されるものではなく、例えばニッケル水素電池等であってもよい。
【0017】
充電装置106は、例えば車両10の外部から供給された電力、または回生電力をバッテリ130に充電する。
【0018】
情報生成部としてのBMU101は、バッテリ130の状態を示す種々のデータを収集し、取得した種々のデータからバッテリ130の状態を解析し、車内ネットワーク120を介してECU102に解析結果を送信する。BMU101は、BMS(Battery Management System)とも称される。
【0019】
BMU101が収集する電池情報は、電圧、電流、温度、及びバッテリ130の内部抵抗等の各種の計測値を含む。BMU101は、各種の計測値から、電池の劣化状態(SOH:State Of Health)、及び充電状態(SOC:State Of Charge)等を演算し、また、バッテリ130における発火因子の量等の発火因子の状態を推定する。
【0020】
SOHは、初期の満充電容量(Ah)に対して現在の満充電容量(Ah)が占める割合のパーセンテージである。SOHの値が100%に近いほど劣化の度合は低い。SOCは、満充電容量(Ah)に対して残容量(Ah)が占める割合のパーセンテージである。SOCの値が中央値である50%付近で使用されることが、バッテリ130の使用状態として理想的とされる。
【0021】
バッテリ130において発火因子となりうるものとしては、例えば微小短絡があり、また、バッテリ130がリチウムイオン電池である場合にはリチウム析出等がある。後述するように、リチウム析出量および微小短絡量が多い場合、バッテリ130が発熱し、最悪の場合、発火に至る可能性がある。
【0022】
なお、BMU101は、バッテリ130から情報を収集して演算および推定をするだけでなく、外部から電池に関する情報を収集し、外部から収取した情報に基づいて電池に関する情報を演算または推定してもよい。
【0023】
ECU102は、車両10全体を制御するVCU(Vehicle Control Unit)である。ECU102は、BMU101から取得したSOH、SOC、及び発火因子等の電池情報を、CGW103及びTCU104を介してサーバ装置20に送信する。
【0024】
TCU104は、外部装置との無線通信を実行する機能を有し、例えばサーバ装置20と無線通信を実行する。CGW103は、ECU102と外部とのデータ通信を中継する。
【0025】
情報処理装置としてのサーバ装置20は、例えば保険料の算出サービスを保険会社30に提供するサービス事業者によって所有される。サーバ装置20は、例えば、1台のサーバ装置によって構成されてもよいし、インターネットに接続された複数のサーバ装置によって構成されてもよい。
【0026】
サーバ装置20は、個々の車両10から送信されるバッテリ130に関する電池情報を受信して、その情報に基づいて個々の車両10に設定される保険料を決定する機能を有する。また、サーバ装置20は、決定した保険料の情報を、保険会社30の情報端末301に送信する。
【0027】
保険会社30は、サービス事業者による保険料の算出サービスを受ける。情報端末301は、保険会社30に設置されたPC(Personal Computer)またはタブレット端末等である。情報端末301は、サーバ装置20と無線または有線で接続し、サーバ装置20が決定した保険料の情報をサーバ装置20から受信する。
【0028】
(バッテリの構成例)
図2は、実施形態1にかかるBMU101、CMU131a~131n、及びバッテリ130a~130nの構成の一例を示す図である。
【0029】
図2に示すように、CMU(Cell Monitoring Unit)131a~131nは、バッテリ130a~130nの各々に1対1で設けられる。本明細書では、個別のCMU131a~131nを区別しない場合は、単にCMU131と記載することがある。
【0030】
CMU131は、バッテリ130の状態を計測する電流センサ、電圧センサ、温度センサ等の各種のセンサを備える。なお、これらのセンサは、CMU131の外に設けられ、CMU131がこれらのセンサから計測値を取得してもよい。
【0031】
バッテリ130は例えば並列接続される。BMU10は、並列接続された個々のバッテリ130から、上記に述べた種々のデータを取得する。
【0032】
(BMUの機能構成例)
図3は、実施形態1にかかるBMU101の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、BMU101は、取得部111、演算部112、推定部113、判定部114、及び出力部115を備える。
【0033】
取得部111、演算部112、推定部113、判定部114、及び出力部115は、コンピュータによって実行可能な形式のプログラムとしてBMU101のメモリに記憶されて提供される。BMU101のプロセッサは、メモリからプログラムを読み出して実行することにより、上記各部に対応する機能を実現する。
【0034】
BMU101で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成されていてもよい。
【0035】
また、BMU101で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、BMU101で実行されるプログラムを、BMU101にダウンロードさせインストールさせることなく、インターネット等のネットワーク経由で実行させるように構成してもよい。
【0036】
あるいは、取得部111、演算部112、推定部113、判定部114、及び出力部115の一部または全部の機能が、専用のハードウェア回路で実現されてもよい。
【0037】
取得部111は、所定の収集条件に基づいて、CMU131から、バッテリ130の電圧、電流、温度等の計測値を取得する。収集条件は、例えば判定部114によって定められ、データを収集する収集周期、収集するデータの種類等を含む。取得部111は、取得した計測値を、演算部112、推定部113、および出力部115に送出する。
【0038】
演算部112は、取得部111によって取得された計測値に基づいて、バッテリ130の特性を表す演算値を算出する。一例として、演算部112は、各バッテリ130のSOH及びSOCを算出する。演算部112は、算出したSOH及びSOCを判定部114及び出力部115に送出する。
【0039】
推定部113は、取得部111によって取得された計測値に基づいて、バッテリ130の発火因子であるリチウム析出量および微小短絡量を推定する。
【0040】
バッテリ130がリチウムイオン電池である場合、充放電を繰り返すうちに、バッテリ130の内部におけるリチウム金属の析出が進行する。バッテリ130内部のリチウム析出量が増すと、析出したリチウムがバッテリ130のセパレータを突き破って内部短絡が発生する場合がある。バッテリ130は、内部短絡によって発熱し、最悪の場合、発火に至る。
【0041】
推定部113は、充放電中のバッテリ130の電圧変化および電流変化を収集し、開回路電圧(OCV:Open Circuit Voltage)推定法を用いて電圧と容量との関係を表す充放電曲線を求める。また、推定部113は、このときの電圧(V)を放電容量(Q)で微分してdQ/dV曲線を求めるdQ/dV解析によって、バッテリ130におけるリチウム析出量の推定を行う。
【0042】
なお、リチウム析出量の推定を行うにあたっては、収集された電圧変化および電流変化のうち、SOCが例えば5%程度の所定範囲にあるときのデータが用いられることが望ましい。SOCが例えば50%程度のときよりも、SOCが5%程度の場合においてバッテリ130の容量変化が電圧に反映されやすいからである。
【0043】
また、充電中に収集された電圧変化および電流変化のうち、充電電流を一定として充電されたときのデータが用いられることが望ましい。また、放電中に収集された電圧変化および電流変化のうち、放電電流が一定であるときのデータが用いられることが望ましい。
【0044】
このように、SOCが所定範囲内であって、充放電電流が一定となっているときにバッテリ130から収集されたデータを用いることで、より精度の高い推定が可能となる。
【0045】
また、上記データを定期または不定期に複数回、取得して、リチウム析出量の推定を繰り返すことで、リチウム析出量の継時変化を得ることができ、より精密にバッテリ130の状態を判別することができる。
【0046】
一方、バッテリ130内には、製造工程において金属片等の異物が混入する場合がある。このような金属片は、バッテリ130の内部で微小短絡を発生させることがある。また、金属片がバッテリ130のセパレータを突き破るようなことがあれば、上記と同様、バッテリ130が発火する場合もある。
【0047】
推定部113は、バッテリ130に負荷がかかっていない時、つまり、充放電中ではない時のバッテリ130の電圧変化を収集し、収集した電圧変化からバッテリ130における微小短絡量を推定する。バッテリ130において微小短絡が発生していると、放置状態のバッテリ130には電圧降下がみられる。この電圧降下の大きさから微小短絡量を推定することができる。なお、この微小短絡量には、金属片等の異物による短絡の他、析出したリチウムによる短絡も含まれ得る。
【0048】
微小短絡量の推定を行うにあたっては、収集された電圧変化のうち、SOCが例えば5%程度の所定範囲にあるときのデータが用いられることが望ましい。また、電圧変化はバッテリ130の温度によって影響を受けるので、バッテリ130が所定温度以下のときに収集されたデータが用いられることが望ましい。
【0049】
このように、SOCが所定範囲内であって、所定温度以下となっているときにバッテリ130から収集されたデータを用いることで、より精度の高い推定が可能となる。
【0050】
また、上記データを定期または不定期に複数回、取得して、微小短絡量の推定を繰り返すことで、微小短絡量の継時変化を得ることができ、より精密にバッテリ130の状態を判別することができる。
【0051】
判定部114は、バッテリ130の劣化状態に応じて収集条件を設定する。一例として、判定部114は、演算部112によって演算されたSOHの値、推定部113によって推定されたリチウム析出量の推定値、及び微小短絡量の推定値の少なくともいずれかからバッテリ130の劣化状態を判定し、劣化状態に応じて収集条件を設定する。
【0052】
このとき、判定部114は、複数のバッテリ130のSOH、リチウム析出量、または微小短絡量の平均値または中央値に基づいて劣化の有無を判定してもよいし、複数のバッテリ130のSOH、リチウム析出量、または微小短絡量のうち、最も悪い値に基づいて劣化の有無を判定してもよい。
【0053】
判定部114は、これらの値に基づいてバッテリ130の劣化状態を判定し、劣化が増すほど、収集条件に定義される収集周期を短くし、より高頻度にデータが収集されるように設定する。また、判定部114は、劣化が増すほど、収集条件に定義されるデータの種類の数を増やすように設定してもよい。
【0054】
最新の収集条件の内容は、判定部114によって、例えばBMU101のメモリに保存される。取得部111、演算部112、及び推定部113は、最新の収集条件をメモリから読み出して、読み出した収集条件に従って処理を実行する。
【0055】
出力部115は、取得部111、演算部112、及び推定部113によって取得され、演算され、また、推定された電池情報を、車内ネットワーク120を介してECU102に出力する。
【0056】
ECU102は、BMU101から取得した電池情報を、TCU104及びCGW103を介してサーバ装置20に送信する。電池情報は、その電池情報が生成された車両10を一意に識別可能な車両ID等が付されてサーバ装置20に送信される。
【0057】
(サーバ装置の機能構成例)
図4は、実施形態1にかかるサーバ装置20の機能構成の一例を示すブロック図である。
図4に示すように、サーバ装置20は、受信部121、車両情報管理部122、危険度算出部123、発火リスク判定部124、保険料決定部125、送信部126、車両情報格納部129a、電池情報格納部129b、相関関係格納部129c、及び保険料額格納部129dを備える。
【0058】
サーバ装置20は、例えばマイコン(マイクロコントローラ:Microcontroller)を備えるコンピュータである。マイコンには、プロセッサ、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)等が含まれる。サーバ装置20を構成するマイコンが、入出力回路、及び記憶装置等を備えていてもよい。プロセッサがROM等に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、上記各部に対応する機能を実現する。
【0059】
サーバ装置20で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成されていてもよい。
【0060】
また、サーバ装置20で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、サーバ装置20で実行されるプログラムを、サーバ装置20にダウンロードさせインストールさせることなく、インターネット等のネットワーク経由で実行させるように構成してもよい。
【0061】
あるいは、受信部121、車両情報管理部122、危険度算出部123、発火リスク判定部124、保険料決定部125、送信部126、車両情報格納部129a、電池情報格納部129b、相関関係格納部129c、及び保険料額格納部129dの一部または全部の機能が、専用のハードウェア回路で実現されてもよい。
【0062】
受信部121は、車両10に搭載される車両制御システム110のBMU101により収集され、TCU104及びCGW103を介してECU102から送信されたバッテリ130に関する電池情報を受信する。受信部121は、受信した電池情報を電池情報格納部129bに格納する。
【0063】
電池情報格納部129bには、保険会社30の顧客である被保険者が所有する車両10のそれぞれから送信されてきた電池情報が車両IDと紐づけられて格納される。
【0064】
車両情報管理部122は、車両情報格納部129aに格納される車両情報を管理する。車両情報は、保険会社30の顧客である被保険者が所有する車両10のそれぞれについて、例えば保険会社30の情報端末301等によって生成され、車両IDが付されてサーバ装置20に送信される。車両情報管理部122は、送信されてきた車両情報を車両情報格納部129aに格納して管理する。
【0065】
車両情報管理部122は、保険料決定部125が保険料を決定するタイミングで、車両情報格納部129aに格納される複数の車両情報の中から、保険料の設定対象となっている車両10の車両IDに適合する車両情報を取得する。車両情報には、車種、年度、その車両に搭載されているバッテリ130のロット番号および種類、並びに現在その車両に適用されている保険の保険料額、タイプ、等級、及び割引サービス等の車両10に関する情報が含まれる。
【0066】
危険度算出部122は、保険料の設定対象となっている車両10の車両IDに適合する電池情報を、電池情報格納部129bから取得する。また、危険度算出部122は、取得した電池情報に含まれるリチウム析出量、微小短絡量等の発火因子に関する数値に基づいて危険度を算出する。
【0067】
危険度は、リチウム析出量、微小短絡量等の発火因子に関する数値から、車両火災に繋がる危険性を指標化したものであり、バッテリ130の発火の可能性と良好な相関性を示すように規定されている。発火因子に関する数値の指標化には、統計的な手法を用いたり、シミュレーション値を用いたりと、種々の方法を用いることができる。
【0068】
なお、危険度算出部122は、車両情報管理部122が取得した車両情報に含まれる車種および年度等に応じて、危険度の算出方法を異ならせてもよい。
【0069】
発火リスク判定部124は、相関関係格納部129bに格納される危険度とバッテリ130が発火する可能性との相関関係に、危険度算出部122が算出した危険度を当てはめて、バッテリ130が発火する可能性を推定する。また、発火リスク判定部124は、発火の可能性の推定結果から、その車両10におけるバッテリ130の発火リスクを判定する。
【0070】
なお、相関関係格納部129bには、車種および年度等に応じた複数の相関関係が格納されていてもよく、発火リスク判定部124は、車両情報管理部122が取得した車両情報に含まれる車種および年度等に対応する相関関係を用いて発火リスクを判定してもよい。
【0071】
保険料決定部125は、保険料額格納部129dに格納される保険額表を参照し、その車両10を所有する被保険者の等級などを加味しつつ、発火リスク判定部124の判定結果に基づいて、その車両10に設定する保険料を決定する。なお、被保険者の等級は、通常通り、被保険者の事故履歴および違反歴等に基づいて設定されてよい。
【0072】
保険料額格納部129dには、車種および年度等に応じた複数の保険料額表が格納されている。個々の保険料額表には、被保険者の等級および車両10の発火リスクに応じた保険料額が設定されている。
【0073】
なお、以上のように、サーバ装置20によって保険料が決定されるタイミングには、例えば新規加入時が挙げられるほか、更新日を基準として更新日の所定日数前または所定月数前等がある。
【0074】
送信部126は、保険料決定部125が決定した保険料の情報に車両IDを付して、保険会社30の情報端末301に送信する。これにより、保険会社30は、その車両IDに対応する被保険者の車両10に対して設定すべき保険料の提供サービスを受けることができる。
【0075】
ここで、サーバ装置20によって保険料が決定される際の例について幾つか説明する。
【0076】
保険料の設定対象の車両10が新車である場合、リチウム析出量および微小短絡量等の発火因子に関する数値には、同じ車種間ではそれほど大きなばらつきはないと考えられる。したがって、サーバ装置20は、新車に対しては、専ら車種および被保険者の等級等に応じて保険料を決定する。その後、車両10の年度が進むにつれて、バッテリ130の状態が保険料に反映されることとなる。
【0077】
一方。被保険者が、保険料の設定対象の車両10として中古車を購入した場合、それまでの中古車の使用履歴等から、リチウム析出量および微小短絡量等の発火因子に関する数値には、同じ車種間であってもばらつきがあることが考えられる。このため、これらの数値の悪い中古車を購入した被保険者は、高い保険料が設定されることとなり不利であるようにも思われる。
【0078】
しかし、その被保険者が、バッテリ130を傷めにくいような運転およびバッテリ130の使用を心がけた場合、更新時の保険料の値上がり率は低く抑えられることとなる。したがって、長い目で見れば、被保険者は、このような心がけに応じたメリットを得ることができる。
【0079】
(サーバ装置の保険料決定処理の例)
図5は、実施形態1にかかるサーバ装置20による保険料決定処理の手順の一例を示すフロー図である。
図5に示す処理を開始するにあたって、サーバ装置20は、保険会社30の顧客である被保険者に関し、車種、年度、並びに現在その車両に適用されている保険の保険料額、タイプ、等級、及び割引サービス等の車両情報を取得済みであり、取得した車両情報を車両情報格納部129aに格納済みであるものとする。
【0080】
図5に示すように、サーバ装置20の受信部121は、所定の車両10の車両制御システム110から、BMU101によって生成された電池情報を受信する(ステップS101)。受信部121は、受信した電池情報を電池情報格納部129bに格納する(ステップS102)。受信部121は、保険料決定部125が保険料を決定するタイミングとなるまで(ステップS103)ステップS101,S102の処理を継続する。
【0081】
保険料決定部125が保険料を決定するタイミングになると(ステップS103:Yes)、車両情報管理部122は、保険料の決定対象の車両10に関する車両情報を車両情報格納部129aから取得する(ステップS104)。
【0082】
危険度算出部123は、電池情報格納部129bから保険料の決定対象の車両10の電池情報を取得し、取得した電池情報に含まれるリチウム析出量の推定値および微小短絡量の推定値から危険度を算出する(ステップS105)。
【0083】
発火リスク判定部124は、危険度算出部123が算出した危険度を、相関関係格納部129cに格納される相関関係に当てはめて、その車両10に搭載されるバッテリ130の発火の可能性を推定する(ステップS106)。
【0084】
また、発火リスク判定部124は、推定した発火の可能性に基づいて、その車両10の発火リスクを判定する(ステップS107)。
【0085】
保険料決定部125は、保険料額格納部129dから、車両情報管理部122が取得した車両情報の車種および年度に応じた保険料額表を取得し、車両情報が示す等級および発火リスク判定部124による判定結果に基づいて、保険料を決定する(ステップS108)。
【0086】
送信部126は、保険料決定部125により決定された保険料を含む情報を保険会社30の情報端末301に送信する(ステップS109)。
【0087】
以上により、実施形態1のサーバ装置20による保険料決定処理が終了する。
【0088】
(概括)
電気自動車を始めとする電動車両では、バッテリが原因となる車両火災が発生している。バッテリが原因となる火災には、車両およびバッテリの使われ方に起因する火災の他、製造不具合等に起因する火災がある。
【0089】
しかしながら、現行の保険制度では、ガソリン等を用いた内燃機関による車両に準じて、一律の掛け金で保険料が決定されてしまい、バッテリの状態に応じて掛け金が決められていない。このように、バッテリの発火の危険性を保険料に反映させる仕組みが構築されておらず、適正に保険料が設定できていない場合がある。
【0090】
実施形態1のサーバ装置20によれば、車両10に搭載されるバッテリ130の発火因子に関する情報に基づいて、バッテリ130が発火する危険性が指標化された危険度を算出し、危険度に応じて保険料を決定する。これにより、バッテリ130の状態に応じて保険料を適正に設定することができる。
【0091】
実施形態1のサーバ装置20によれば、発火因子に関する情報に、バッテリ130におけるリチウム析出量を含め、充放電中のバッテリ130における電圧変化および電流変化から推定されたリチウム析出量を取得する。これにより、バッテリ130の状態を適正に判定することができる。
【0092】
実施形態1のサーバ装置20によれば、バッテリ130のSOCが所定範囲内にあって、充電電流が一定である時、及び放電電流が一定である時の電圧変化および電流変化を用いて推定されたリチウム析出量を取得する。これにより、リチウム析出量について高精度の推定値を用いることができ、バッテリ130の状態をより適正に判定することができる。
【0093】
実施形態1のサーバ装置20によれば、発火因子に関する情報に、バッテリ130における微小短絡量を含め、充放電が行われていないときのバッテリ130における電圧変化から推定された微小短絡量を取得する。これにより、バッテリ130の状態を適正に判定することができる。
【0094】
実施形態1のサーバ装置20によれば、バッテリ130のSOCが所定範囲内にあって、バッテリ130の温度が所定温度以上である時の電圧変化を用いて推定された微小短絡量を取得する。これにより、微小短絡量について高精度の推定値を用いることができ、バッテリ130の状態をより適正に判定することができる。
【0095】
実施形態1のサーバ装置20によれば、危険度とバッテリ130が発火する可能性との相関関係に基づいてバッテリ130の発火リスクを判定し、発火リスクの判定結果に基づいて保険料を決定する。このように、バッテリ130が発火する可能性と高い相関性を有するよう指標化された危険度に基づいて保険料を決定するため、保険料の決定手順をより汎用化することができ、適正に保険料を決定することができる。
【0096】
なお、上述の実施形態1のサーバ装置20の機能に基づく保険料の情報を、中古車販売業者、中古車流通市場等に提供してもよい。これにより、例えば中古車両にその中古車両の保険料の情報を持たせて市場に出すことで、付加価値を付けることも可能である。
【0097】
[実施形態2]
実施形態2について図面を用いて説明する。実施形態2のサーバ装置は、被保険者によるバッテリの取り扱いに関する情報も保険料に反映させる点が、上述の実施形態1とは異なる。
【0098】
(保険料決定システムの構成例)
図6は、実施形態2にかかる保険料決定システム2の構成の一例を示す全体図である。
図6に示すように、車両10に搭載された車両制御システム110、保険会社30の情報端末321、被保険者40の情報端末401、及びクラウド上に置かれたサーバ装置220を備える。
【0099】
車両10、及び車両10に搭載された車両制御システム110は、上述の実施形態1と同様の構成を備える。車両制御システム110は、無線または有線のネットワークを介してサーバ装置220と通信する。
【0100】
被保険者40の情報端末401は、例えばスマートフォン、携帯電話、タブレット、PC等である。情報端末401は、サーバ装置220と無線または有線のネットワークを介して接続し、サーバ装置220に格納されるバッテリ130についての情報にアクセスすることができる。
【0101】
情報処理装置としてのサーバ装置220は、個々の車両10から送信されるバッテリ130に関する電池情報を受信して、その情報に基づいて個々の車両10に設定される保険料を決定する機能を有する。このとき、サーバ装置220は、被保険者40によるバッテリ130の取り扱いに関する情報も参照する。また、サーバ装置220は、決定した保険料の情報を、保険会社30の情報端末321に送信する。
【0102】
また、サーバ装置220は、例えば特定の被保険者40に提示するための情報を保険会社30の情報端末321から取得する。また、サーバ装置220は、取得した情報を提示対象の被保険者40に提示する。
【0103】
保険会社30が保有する情報端末321は、サーバ装置220と無線または有線で接続し、サーバ装置220が決定した保険料の情報をサーバ装置220から受信する。また、情報端末321は、特定の被保険者40に対して、その被保険者40に提示する情報を生成し、サーバ装置220に送信する。
【0104】
(サーバ装置の機能構成例)
図7は、実施形態2にかかるサーバ装置220の機能構成の一例を示すブロック図である。
図7に示すように、サーバ装置220は、受信部221、被保険者情報管理部222、危険度算出部223、発火リスク判定部224、取扱い判定部227、保険料決定部225、送信部226、情報提示部228、被保険者情報格納部229a、電池情報格納部229b、相関関係格納部229c、及び保険料額格納部229dを備える。
【0105】
サーバ装置220は、例えばプロセッサ、RAM、及びROMを含むマイコンを備えるコンピュータである。マイコンが、入出力回路、及び記憶装置等を備えていてもよい。プロセッサがROM等に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、上記各部に対応する機能を実現する。
【0106】
サーバ装置220で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成されていてもよい。
【0107】
また、サーバ装置220で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードまたは実行させるように構成してもよい。
【0108】
あるいは、上記各部に対応する一部または全部の機能が、専用のハードウェア回路で実現されてもよい。
【0109】
受信部221は、車両10に搭載される車両制御システム110のBMU101により収集され、TCU104及びCGW103を介してECU102から送信されたバッテリ130に関する電池情報を受信する。受信部121は、受信した電池情報を電池情報格納部129bに格納する。
【0110】
また、受信部221は、特定の被保険者40に対して提示される情報を保険会社30の情報端末321から受信する。保険会社30の情報端末321は、特定の被保険者40に対して提示を希望する情報に、被保険者40を一意に識別可能な識別情報としてのドライバIDを付して、サーバ装置220に送信する。
【0111】
被保険者情報管理部222は、被保険者情報格納部229aに格納される被保険者情報を管理する。被保険者情報は、保険会社30の顧客である被保険者40のそれぞれについて、例えば保険会社30の情報端末321等によって生成され、ドライバIDが付されてサーバ220に送信される。被保険者情報管理部222は、送信されてきた被保険者情報を被保険者情報格納部229aに格納して管理する。
【0112】
また、被保険者情報管理部222は、保険料決定部225が保険料を決定するタイミングで、被保険者情報格納部229aに格納される複数の被保険者情報の中から、保険料の設定対象となっている車両10に対応するドライバID等に適合する被保険者情報を取得する。
【0113】
被保険者情報には、車両10から送信される電池情報に付される車両IDが被保険者40のドライバIDに紐づけられたうえで、被保険者40によって所有されるなど、車両保険等の契約対象にあたり、保険料の設定対象となる車両10の車種、年度、その車両に搭載されているバッテリ130のロット番号および種類、並びに現在その車両に適用されている保険の保険料額、タイプ、等級、及び割引サービス等の車両10に関する情報が含まれる。
【0114】
また、被保険者情報には、被保険者40の情報端末401からサーバ装置220へのアクセスを許可する際のパスワード等の情報が含まれる。また、保険会社30の情報端末321等により、特定の被保険者40に対して提示する情報が送信されてきた場合には、被保険者情報に、その情報が追加される。
【0115】
被保険者情報管理部222は、保険会社30の情報端末321から受信した特定の被保険者40に宛てた情報を、被保険者情報格納部229aに格納される複数の被保険者情報のうち、受信した情報に付されたドライバIDに適合する被保険者情報に付与して格納する。
【0116】
危険度算出部223、発火リスク判定部224、及び相関関係格納部229cは、上述の実施形態1の危険度算出部123、発火リスク判定部124、及び相関関係格納部129cと同様の構成および機能を備える。
【0117】
取扱い判定部227は、電池情報格納部229bに格納される複数の電池情報から、判定対象となっているドライバID及び車両IDに適合する電池情報を取得する。また、取扱い判定部227は、取得した電池情報から、バッテリ130の取り扱い状態に関する情報を抽出し、被保険者40によるバッテリ130の取り扱いの適正性について判定する。
【0118】
バッテリ130の取り扱い状態に関する情報として、取扱い判定部227は、例えばSOCの値の変化の履歴、バッテリ130の温度変化の履歴、急アクセル急ブレーキの使用頻度等を抽出する。
【0119】
リチウムイオン電池等のバッテリ130においては、SOCが50%前後の中央値で使用されることが好ましいとされ、例えばSOCが高い状態で長時間放置されるなどした場合、バッテリ130の劣化が進む恐れがある。また、バッテリ130が長時間、所定温度以上の高温状態に置かれるのも望ましくない。また、バッテリ130が所定温度以下の低温状態にあるときに、充放電を繰り返したり、急加速をすることもバッテリ130にダメージを与える恐れがある。
【0120】
取扱い判定部227は、電池情報から抽出した各種数値に基づいて、被保険者40によるバッテリ130の取り扱いが適正なものであるか、または、バッテリ130を痛めやすいような取扱いになっていないか、を判定する。
【0121】
保険料決定部225は、保険料額格納部229dに格納される保険額表を参照し、その車両10を所有する被保険者40の等級などを加味しつつ、発火リスク判定部224の判定結果および取扱い判定部227の判定結果に基づいて、その車両10に設定する保険料を決定する。なお、被保険者40の等級は、通常通り、被保険者40の事故履歴および違反歴等に基づいて設定されてよい。
【0122】
保険料額格納部229dには、車種および年度等に応じた複数の保険料額表が格納されている。個々の保険料額表には、被保険者40の等級、車両10の発火リスク、及びバッテリ130の取り扱い状態に応じた保険料額が設定されている。また、保険料額格納部229dには、バッテリ130の取り扱い状態に応じた保険料の割引制度に関する情報が格納されていてもよい。
【0123】
保険料決定部225は、個々の被保険者40について、保険料額格納部229dに格納される割引制度の適用対象となり得るか否かを決定し、バッテリ130を適正に取り扱っている被保険者40に対して割引制度を適用することとしてもよい。
【0124】
また、保険料決定部225は、最終的に確定された保険料と更新前の保険料とを比較する。保険料決定部225は、今回決定した保険料が、更新前の保険料と比べて所定の割合を超えて増加していた場合、保険会社30に送信する保険料の情報に、その情報も含める。
【0125】
送信部226は、保険料決定部125が決定した保険料の情報に車両IDを付して、保険会社30の情報端末321に送信する。保険料決定部225が、今回決定された保険料が前回の保険料より所定の割合を超えて増加している旨の情報を保険料の情報に追加していた場合には、送信部226は、保険料の増加についての情報も合わせて送信する。
【0126】
保険会社30の情報端末321は、サーバ装置220から受信した所定の被保険者40についての保険料の情報に、保険料の増加についての情報が含まれていた場合には、その被保険者40に提示する情報として、その被保険者40の車両10に搭載されるバッテリ130の現在の状態についての情報を生成し、サーバ装置220に送信する。
【0127】
今回の保険料が前回の保険料より所定の割合を超えて増加していた場合には、その被保険者40によるバッテリ130の取扱いが適切でなく、バッテリ130の劣化が通常よりも進んでいるなどの好ましくない状態になっていることが考えられる。バッテリ130の現在の状態を被保険者40に提示することで、被保険者40は、バッテリ130の劣化が進んでいることなどに気づくことができる。
【0128】
また、情報端末321は、被保険者40に提示する情報として、バッテリ130の適切な取り扱い方法を記したガイドライン等をサーバ装置220に送信してもよい。これにより、被保険者40にバッテリ130の正しい取り扱い方をコーチングすることができ、被保険者40は、バッテリ130を適正に取り扱うことができるようになる。
【0129】
情報端末321からサーバ装置220に送信された被保険者40向けの情報は、受信部221によって受信され、被保険者情報管理部222によって、その被保険者40の被保険者情報に追加され、被保険者情報格納部229aに格納される。
【0130】
情報提示部228は、被保険者40の情報端末401からのサーバ装置220へのアクセスを受け付ける。被保険者40は、自身が所有する情報端末401から、例えばドライバID及びパスワードを入力してサーバ装置220へアクセスすることができる。情報提示部228は、被保険者情報格納部229aを参照して、被保険者40の情報端末401から入力されたドライバID及びパスワードと適合する被保険者情報が存在するか否かを判定する。
【0131】
情報提示部228は、入力されたドライバID及びパスワードと適合する被保険者情報があった場合には、その被保険者40によるサーバ装置220へのアクセスを許可する。また、入力されたドライバID及びパスワードと適合する被保険者情報に、その被保険者40に提示する情報が含まれていた場合には、その情報を被保険者40の情報端末401に表示させる。
【0132】
これにより、被保険者40は、サーバ装置220を介して保険会社30からの情報を確認することができる。
【0133】
(サーバ装置の保険料決定処理の例)
図8は、実施形態2にかかるサーバ装置220による保険料決定処理の手順の一例を示すフロー図である。
図8に示す処理を開始するにあたって、サーバ装置220は、保険会社30の顧客である被保険者40に関し、被保険者情報のうち、パスワード、車種、年度、並びに現在その車両に適用されている保険の保険料額、タイプ、等級、及び割引サービス等の基本的な情報を取得済みであり、取得した被保険者情報を被保険者情報格納部229aに格納済みであるものとする。
【0134】
図8に示すように、サーバ装置220の受信部221は、所定の車両10の車両制御システム110から、BMU101によって生成された電池情報を受信し(ステップS201)、受信した電池情報を電池情報格納部229bに格納する(ステップS202)。保険料の決定タイミングまで(ステップS203)、ステップS201,S202の処理が繰り返される。
【0135】
保険料の決定タイミングになると(ステップS203:Yes)、被保険者情報管理部222は、保険料の決定対象の車両10の被保険者40に関する被保険者情報を被保険者情報格納部229aから取得する(ステップS204)。
【0136】
危険度算出部223は、保険料の決定対象の車両10のリチウム析出量の推定値および微小短絡量の推定値から危険度を算出し(ステップS205)、発火リスク判定部224は、算出された危険度を発火の可能性との相関関係に当てはめて、発火の可能性を推定し(ステップS206)、推定した発火の可能性に基づいて、その車両10の発火リスクを判定する(ステップS207)。
【0137】
取扱い判定部227は、電池情報格納部129bから保険料の決定対象の車両10の電池情報を取得し、取得した電池情報に含まれるSOCの値の変化の履歴、バッテリ130の温度変化の履歴、急アクセル急ブレーキ等の使用頻度等の情報から、保険料の決定対象の車両10の被保険者40によるバッテリ130の取り扱いの適正性を判定する(ステップS208)。
【0138】
保険料決定部225は、取扱い判定部227の判定結果および発火リスク判定部224の判定結果に基づいて、対象となっている車両10に設定する保険料を決定する(ステップS209)。
【0139】
また、保険料決定部225は、取扱い判定部227の判定結果に基づいて、保険料額格納部229dに格納される各種割引制度の中から、対象となっている車両10に適用することが可能な割引制度があるか否かを判定する(ステップS210)。
【0140】
被保険者40がバッテリ130を適正に取り扱っており、取扱い判定部227による判定結果がよいことなどにより、適用可能な割引制度がある場合には(ステップS210:Yes)、保険料決定部225は、その割引制度を適用して決定した保険料からの割引を行う(ステップS211)。
【0141】
適用可能な割引制度がない場合には(ステップS210:No)、保険料決定部225は、割引することなく次のステップS212に処理を進める。
【0142】
保険料決定部225は、今回決定した保険料が、更新前の保険料に比べて所定の割合を超えて増加しているか否かを判定する(ステップS212)。今回の保険料が更新前の保険料より所定の割合を超えて増加していた場合には(ステップS212:Yes)、保険料決定部225は、保険料の増加に関する情報を追加して保険料に関する情報を生成する(ステップS213)。
【0143】
今回の保険料が更新前の保険料より所定の割合を超えて増加してはいなかった場合には(ステップS212:No)、保険料決定部225は、追加の情報を付加することなく保険料に関する情報を生成する。
【0144】
送信部226は、保険料決定部225により生成された保険料に関する情報を保険会社30の情報端末321に送信する(ステップS214)。
【0145】
受信部221は、今回の保険料が更新前の保険料より所定の割合を超えて増加していた被保険者40に対して提示する情報が保険会社30の情報端末321から送信されるのを待ち受ける(ステップS215)。
【0146】
情報端末321から被保険者40に対して提示する情報を受信部221が受信した場合には(ステップS215:Yes)、被保険者情報管理部222は、その情報を対応する被保険者情報に追加して、被保険者情報格納部229aに格納する(ステップS216)。
【0147】
情報提示部228は、被保険者40の情報端末401からのサーバ装置220へのアクセスを待ち受ける(ステップS217)。情報端末401からドライバID及びパスワードが入力されてサーバ装置220へのアクセスがあると(ステップS217:Yes)、情報提示部228は、被保険者情報格納部229aを参照して、入力されたドライバID及びパスワードの照合を行う(ステップS218)。
【0148】
入力されたドライバID及びパスワードが適合しない場合は(ステップS218:No)、情報提示部228は、その情報端末401からのサーバ装置220へのアクセスを許可することなく、情報端末401からのアクセスの待ち受けを継続する(ステップS217)。
【0149】
入力されたドライバID及びパスワードの認証に成功した場合は(ステップS218:Yes)、情報提示部228は、その情報端末401からのサーバ装置220へのアクセスを許可する(ステップS219)。
【0150】
情報提示部228は、アクセス許可を与えた情報端末401を有する被保険者40に提示する情報があるか否かを判定する(ステップS220)。提示情報がある場合には(ステップS220:Yes)、情報提示部228は、情報端末401に情報を表示させる(ステップS221)。
【0151】
提示情報がない場合には(ステップS220:No)、情報提示部228は、情報端末401に情報を表示させることなく処理を終了する。
【0152】
以上により、実施形態2のサーバ装置220による保険料決定処理が終了する。
【0153】
(概括)
電動車両で発生しているバッテリ起因の車両火災には、上述のように、バッテリが不適切に使用された場合のように被保険者に原因がある火災の他、製造不具合等の被保険者に責めを負わせることが適当ではない火災もある。しかしながら、現行の保険制度では、被保険者のバッテリの使い方、及び購入時のバッテリの状態に応じて掛け金が決められていない。このため、適正なバッテリの使い方をしている被保険者が不公平感を抱く場合がある。
【0154】
実施形態2のサーバ装置220によれば、被保険者40によるバッテリ130の取り扱いに関する情報に基づいて保険料を決定する。これにより、バッテリ130の状態に応じて保険料を適正に設定することができる。また、バッテリ130を適正に取り扱っている被保険者40の車両10に低額の保険料が適用される等のメリットが生じ、被保険者の不公平感を緩和することができる。
【0155】
実施形態2のサーバ装置220によれば、バッテリ130の取り扱いに関する情報は、バッテリ130のSOC、及びバッテリ130の温度の少なくともいずれかの履歴を含む。これにより、被保険者40によるバッテリ130の取り扱い方を精度よく判定することができる。
【0156】
実施形態2のサーバ装置220によれば、バッテリ130の取り扱いに関する情報に基づいて保険料の割引制度を適用するか否かを決定する。これにより、バッテリ130を適正に取り扱っている被保険者40の保険料が割引され、被保険者の不公平感が緩和される。
【0157】
実施形態2のサーバ装置220によれば、バッテリ130の取り扱いに関する情報を用いて決定した保険料が、更新前の保険料に比べて所定の割合を超えて増加していた場合に、バッテリ130の状態についての情報を被保険者40に提示する。これにより、自分のバッテリ130の取り扱い方が不適切であることを被保険者40に認識させることができ、被保険者40に取扱いの改善を促すことができる。したがって、バッテリ130の劣化を抑制してバッテリ130が起因となる車両火災のリスクを低減することができる。
【0158】
実施形態2のサーバ装置220によれば、被保険者40にバッテリ130の取り扱い方法についての情報を提示する。これにより、被保険者40がバッテリ130の適正な取り扱い方を知ることができ、バッテリ130の劣化を抑制してバッテリ130が起因となる車両火災のリスクを低減することができる。
【0159】
なお、上述の実施形態2においては、保険料決定部225が今回の保険料の増加率を算出し、所定の割合を超えて保険料が増加していた被保険者40に対して情報知事部228が情報を提示することとした。しかし、例えば取扱い判定部が、バッテリの取り扱いが不適切な被保険者を定期または不定期に抽出することとし、それらの被保険者に対して情報が提示されてもよい。
【0160】
また、上述の実施形態2においては、被保険者40が情報端末401を用いてサーバ装置220にアクセスし、自分宛てのバッテリ130の状態についての情報等を確認することとした。しかし、特定の被保険者40に対する情報の提示方法はこれに限られない。
【0161】
例えば、サーバ装置が、被保険者情報等の中に被保険者40のメールアドレス情報等を有し、保険会社30の情報端末321から特定の被保険者40に提示する情報を取得した場合、該当する被保険者40のメールアドレス宛てにその情報を送信してもよい。この場合、保険会社30は、このような被保険者40のメールアドレスの使用について、被保険者40から事前に承諾を得ているものとする。
【0162】
また、上述の実施形態2においては、保険会社30の情報端末321が、被保険者40に提示する情報を生成し、サーバ装置220に送信することとした。しかし、サーバ装置が、被保険者40向けの情報を生成してもよい。
【0163】
この場合、サーバ装置は、保険会社30の情報端末に生成した情報を送信してもよく、または、保険会社30からの承認を得たうえで、サーバ装置にアクセスしてきた被保険者40の情報端末401に情報を提示してもよく、あるいは、被保険者40の情報端末401に情報を送信してもよい。
【0164】
(変形例1)
次に、実施形態2の変形例1のサーバ装置について説明する。変形例1のサーバ装置は、被保険者に対して設定される保険料を決定する点が、上述の実施形態2とは異なる。
【0165】
変形例1の情報処理装置としてのサーバ装置が備える識別情報管理部としての被保険者情報管理部は、被保険者の識別情報としてのドライバIDと、その被保険者によるバッテリの取り扱いに関する情報とを紐付けて管理する。
【0166】
変形例1のサーバ装置が備える保険料決定部は、被保険者によるバッテリの取り扱いに関する情報に基づいて、その被保険者に対して設定される保険料を決定する。なお、被保険者は、企業等の法人、組織、または団体等であってもよい。
【0167】
変形例1のサーバ装置が対象とする保険は、友人・知人の車両を借用して運転する場合、ライドシェアまたはカーシェアなどの車両を運転する場合等に、運転者自身に適用されるドライバ保険、1日自動車保険等であってよい。この場合、保険の契約対象となる車両は、例えば友人・知人からの借用車両、ライドシェアまたはカーシェア等であてがわれる配車車両、配送業務等の物流に用いられる車両、リース車両等であってよい。保険の契約対象となる車両がリース車両である場合、リース業者向けに情報を提供することで、例えばリース業者が、保険料の多寡をリース価格に反映させること等によって、提供された情報を様々に活用することができる。
【0168】
変形例1のサーバ装置によれば、被保険者を一意に識別可能なドライバIDと、バッテリの取り扱いに関する情報とを紐づけて管理し、サーバ装置が決定する保険料は被保険者に対して設定される。これにより、ドライバ保険および1日自動車保険等にも対応して保険料を決定することができ、被保険者の利便性が向上する。
【0169】
(変形例2)
次に、実施形態2の変形例2のサーバ装置について説明する。変形例2のサーバ装置には、バッテリの取り扱い状態に応じた保険料の加算制度が適用される。
【0170】
変形例2の保険料額格納部には、上述の実施形態2の保険料額格納部229dと同様の各種情報が格納されている。また、変形例2の保険料額格納部には、バッテリの取り扱い状態に応じた保険料の加算制度に関する情報が格納されていてもよい。
【0171】
変形例2の保険料決定部は、個々の被保険者について、当該被保険者が、保険料額格納部に格納される加算制度の適用対象となり得るか否かを決定し、バッテリを粗く取り扱っている被保険者に対して加算制度を適用することとしてもよい。
【0172】
一般的に、本開示にかかる情報処理装置、サーバ装置、保険料決定方法、及びシステムを導入していない場合、バッテリの状態に応じて保険料が設定されないため、バッテリに優しい車両の使い方をしていても車両保険は一律に設定されることとなり、そのような被保険者には不公平感があった。
【0173】
変形例2のサーバ装置によれば、保険料にバッテリの状態(使われ方)が反映され、被保険者によっては保険料が高く設定され得る。つまり、バッテリの取り扱いが粗く、バッテリが発火リスクの高い状態になりやすい使い方をする被保険者に対しては保険料が高くなり、バッテリの取り扱いが粗くなく、バッテリが発火リスクの高い状態になり難い使い方をする被保険者に対しては保険料が安くなる。
【0174】
このように、バッテリの取り扱いに応じて被保険者の保険料が設定されるため、保険料に関する被保険者の公平感が高まる。さらに、車両の取り扱いが粗く、バッテリを痛めやすい使い方をする被保険者も、車両を適切に扱って保険料を安くしたいというモチベーションが高まる。よって、このような被保険者もバッテリに優しい使い方に改めるようになるので、バッテリの長寿命化を図ることができ、結果的に、被保険者またはリース業者等の利便性を高めることが可能となる。
【0175】
なお、上述の実施形態1,2及びその変形例1,2のサーバ装置の機能構成、及びBMU101の機能構成は、単なる例示であって、サーバ装置およびBMU101が上述の全ての機能構成を有していなくともよく、また、上述の機能構成に加えて他の機能構成を有していてもよい。また、サーバ装置の一部または全部の機能構成をECUまたはBMUが有していてもよく、BMUの一部または全部の機能構成をサーバ装置が有していてもよい。すなわち、本開示の情報処理装置は、上述の実施形態1,2及びその変形例1,2のサーバ装置のほか、ECUまたはBMU等であってもよい。
【0176】
本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態およびその変形例は、発明の範囲および要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0177】
1,2 保険料決定システム
10 車両
20,220 サーバ装置
30 保険会社
40 被保険者
101 BMU
110 車両制御システム
130a~130n バッテリ
121,221 受信部
122 車両情報格納部
123,223 危険度算出部
124,224 発火リスク判定部
125,225 保険料決定部
126,226 送信部
227 取扱い判定部
228 情報提示部
129a 車両情報格納部
129b,229b 電池情報格納部
129c,229c 相関関係格納部
129d,229d 保険料額格納部
301,321 情報端末
401 情報端末