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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】回路装置、及び、照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 23/00 20150101AFI20240927BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20240927BHJP
   F21V 21/35 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
F21V23/00 120
F21S2/00 390
F21V21/35
F21V23/00 110
F21V23/00 117
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023545152
(86)(22)【出願日】2022-07-21
(86)【国際出願番号】 JP2022028388
(87)【国際公開番号】W WO2023032512
(87)【国際公開日】2023-03-09
【審査請求日】2023-10-27
(31)【優先権主張番号】P 2021141979
(32)【優先日】2021-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】池田 敏
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-147002(JP,A)
【文献】特開2021-022430(JP,A)
【文献】特開2021-065048(JP,A)
【文献】特開2019-212629(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/00- 9/90
F21S 2/00-45/70
F21V 21/00-21/40
F21V 23/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線ダクトに取り付けられる回路装置であって、
前記回路装置を前記配線ダクトに取り付けるための取り付け機構と、
前記配線ダクトから供給される直流電力を変換する電力変換回路とを備え、
前記回路装置が前記配線ダクトに取り付けられた状態において、前記電力変換回路の少なくとも一部は、前記配線ダクトの内部に位置する
回路装置。
【請求項2】
さらに、前記電力変換回路が前記直流電力の供給を受けるために前記配線ダクトに電気的に接続される電極を備え、
前記電極の前記配線ダクトへの電気的な接続及び非接続は、前記取り付け機構と連動する
請求項1に記載の回路装置。
【請求項3】
前記電力変換回路は、スイッチング素子を含み、
前記スイッチング素子は、窒化ガリウム半導体によって形成される
請求項1に記載の回路装置。
【請求項4】
前記回路装置の定格電圧は、63V以下である
請求項1に記載の回路装置。
【請求項5】
さらに、前記電力変換回路によって変換された電力を用いてセンシングを行うセンサを備える
請求項1に記載の回路装置。
【請求項6】
さらに、前記電力変換回路によって変換された電力を他の機器に供給するために前記他の機器が接続される給電部を備える
請求項1に記載の回路装置。
【請求項7】
前記回路装置が前記配線ダクトに取り付けられた状態において、前記電力変換回路の全部は、前記配線ダクトの内部に位置する
請求項1に記載の回路装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の回路装置と、
前記電力変換回路によって変換された電力を用いて発光することにより前記回路装置の周囲を照らす光源装置とを備える
照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線ダクトに取り付けられる回路装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LED(Light Emitting Diode)を光源として備える照明装置(照明器具)が普及しつつある。例えば、特許文献1には、配線ダクトに取り付けられる照明器具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-119673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ユーザにとって視覚的なノイズとなりづらい回路装置、及び、これを備える照明装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る回路装置は、配線ダクトに取り付けられる回路装置であって、前記回路装置を前記配線ダクトに取り付けるための取り付け機構と、前記配線ダクトから供給される直流電力を変換する電力変換回路とを備え、前記回路装置が前記配線ダクトに取り付けられた状態において、前記電力変換回路の少なくとも一部は、前記配線ダクトの内部に位置する。
【0006】
本発明の一態様に係る照明装置は、前記回路装置と、前記電力変換回路によって変換された電力を用いて発光することにより前記回路装置の周囲を照らす光源装置とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザにとって視覚的なノイズとなりづらい回路装置、及び、これを備える照明装置が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施の形態1に係る回路装置の第一の外観斜視図である。
図2図2は、実施の形態1に係る回路装置の第二の外観斜視図である。
図3図3は、実施の形態1に係る回路装置の第三の外観斜視図である。
図4図4は、実施の形態1に係る回路装置の機能構成を示すブロック図である。
図5図5は、実施の形態1に係る回路装置が備える電力変換回路の回路構成の一例を示す図である。
図6図6は、実施の形態2に係る回路装置の外観斜視図である。
図7図7は、実施の形態2に係る回路装置の機能構成を示すブロック図である。
図8図8は、実施の形態3に係る照明装置の外観斜視図である。
図9図9は、実施の形態3に係る照明装置の機能構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0010】
また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0011】
また、以下の実施の形態で説明に用いられる図面においては座標軸が示される場合がある。Z軸方向は、照明装置の高さ方向として説明される。Z軸+側は、上側(上方)と表現され、Z軸-側は、下側(下方)と表現される場合がある。また、X軸方向及びY軸方向は、Z軸方向に垂直な平面上において、互いに直交する方向である。以下の実施の形態において、平面視とは、Z軸方向から見ることを意味する。
【0012】
(実施の形態1)
[構成]
以下、実施の形態1に係る回路装置の構成について説明する。図1図3は、実施の形態1に係る回路装置の外観斜視図である。図1は、回路装置10が備える係止片12b及び一対の電極12cが筐体11の内部に収容された状態を示す図である。図2は、回路装置10が備える係止片12b及び一対の電極12cが筐体11の外部に突出した状態を示す図である。図3は、回路装置10が配線ダクト50に取り付けられた状態を示す図である。図4は、回路装置10の機能構成を示すブロック図である。
【0013】
図1図4に示されるように、実施の形態1に係る回路装置10は、配線ダクト50に取り付けられ、配線ダクト50から直流電力の供給を受けて動作する。配線ダクト50は、ダクトレールまたはスライドコンセントなどと呼ばれることもある。配線ダクト50から供給される直流電力(直流電圧)は、例えば、10V以上63V以下であり、回路装置10の定格電圧は、63V以下である。回路装置10は、筐体11と、取り付け機構12と、電力変換回路13と、センサ14とを備える。
【0014】
まず、筐体11について説明する。筐体11は、電力変換回路13及びセンサ14を収容する。筐体11は、例えば、配線ダクト50の長手方向に沿って長い直方体状である。筐体11は、例えば、樹脂材料によって形成されるが、表面に絶縁処理が施された金属材料によって形成されてもよい。
【0015】
図3に示されるように、回路装置10が配線ダクト50に取り付けられた状態において、筐体11の全部は、配線ダクト50が有する溝51の内部に位置する。より具体的には、回路装置10が配線ダクト50に取り付けられた状態において筐体11の全部は、配線ダクト50の下面52よりも下方に突出していない。これにより、筐体11が視覚的なノイズとなることが抑制される。なお、筐体11の高さ(Z軸方向の長さ)は、例えば、15mm以下であり、筐体11の幅(X軸方向の長さ)は、例えば、14mm以下であり、筐体11の長さ(Y軸方向の長さ)は、例えば、200mm以下である。
【0016】
次に、取り付け機構12について説明する。取り付け機構12は、回路装置10を配線ダクト50に取り付けるための機構である。取り付け機構12は、つまみ12aと、係止片12bと、一対の電極12c(図2においては、一対の電極12cのうち一方のみ図示)とを有する。つまみ12a及び係止片12bは、例えば、樹脂材料によって形成され、一対の電極12cは、例えば、銅などの金属材料によって形成される。
【0017】
つまみ12aは、ユーザによって回動される構造体であり筐体11の下面に設けられている。つまみ12aは軸体(図示せず)によって係止片12b及び一対の電極12cと連結されている。ユーザは、つまみ12aを回動することで、係止片12b及び一対の電極12cが筐体11の内部に収容された状態(図1の状態)、及び、係止片12b及び一対の電極12cが筐体11の外部に突出した状態(図2の状態)を切り替えることができる。
【0018】
回路装置10を配線ダクト50に取り付ける際には、ユーザは、係止片12b及び電極12cが筐体11の内部に収容された状態で回路装置10を溝51へ押し入れ、つまみ12aを回動させる。これにより、筐体11の内部に収容された係止片12bは、筐体11の側面に設けられたスリット部から外部に突出し、配線ダクト50内部の底部53に引っ掛かる。また、一対の電極12cは、筐体11の側面に設けられたスリット部から外部に突出し、配線ダクト50の内部の一対の給電端子54に接触し、一対の電極12cと一対の給電端子54とが電気的に接続される。これにより、回路装置10は、一対の電極12cを介して配線ダクト50から直流電力の供給を受けることができる。
【0019】
一方、回路装置10を配線ダクト50から取り外す際には、ユーザは、つまみ12aを回動することにより、筐体11の側面から突出した係止片12b及び一対の電極12cを筐体11の内部に収容する。これにより、回路装置10を配線ダクト50から取り外すことができる。
【0020】
なお、取り付け機構12によれば、一対の電極12cの給電端子54(配線ダクト50)への電気的な接続及び非接続は、取り付け機構12と連動するが、必ずしも連動する必要はない。例えば、一対の電極12cの給電端子54(配線ダクト50)への電気的な接続及び非接続を切り替えるための別のつまみが設けられてもよい。
【0021】
また、取り付け機構12のように、つまみ12aの回動により、係止片12b及び一対の電極12cを動かす機構は一例である。例えば、取り付け機構12として、弾性部材により筐体11からピンまたは金具が押し出されるような機構が採用されてもよい。また、取り付け機構12として、特許文献1(特開2020-119673号公報)に開示されているような取り付け機構が採用されてもよい。
【0022】
次に、電力変換回路13について説明する。電力変換回路13は、配線ダクト50から供給される直流電力を、電圧の異なる直流電力に変換するDC(Direct Current)-DCコンバータである。電力変換回路13は、具体的には、非絶縁型のDC-DCコンバータであり、配線ダクト50から供給される、電圧が10V以上63V以下の直流電力をセンサ14の動作に適した電圧の直流電力に変換する。図5は、電力変換回路13の回路構成の一例を示す図である。なお、図5は、回路構成の一例を示しており、電力変換回路13には既存のどのような回路構成が採用されてもよい。
【0023】
電力変換回路13は、基板上に回路部品が実装されることにより実現される。図5に示されるように、電力変換回路13の回路部品には、制御回路13a、スイッチング素子S、ダイオードD、インダクタL、及び、平滑コンデンサCなどが含まれる。なお、図5では、一対の電極12c、及び、センサ14も合わせて図示されている。
【0024】
制御回路13aは、スイッチング素子Sのオン及びオフを制御する制御回路であり、具体的には、パッケージ化された集積回路(IC:Integrated Circuit)である。制御回路13aは、スイッチング素子Sのオン及びオフを制御することにより、一対の電極12cの間に印加される直流電圧をスイッチングする。これにより、高周波電圧がインダクタLに出力される。スイッチング素子Sは、例えば、FET(Field Effect Transistor)であるが、バイポーラトランジスタであってもよい。なお、スイッチング素子Sには、必要に応じて、窒化ガリウム(GaN)半導体によって形成されたスイッチング素子が採用されてもよい。
【0025】
インダクタLは、具体的には、チョークコイル(チョークトランス)であり、スイッチング素子Sのオン及びオフに応じた電流が流れる。なお、インダクタLには、必要に応じてシートコイルが採用されてもよい。
【0026】
ダイオードDは、スイッチング素子Sがオフであるときに電流を回生する還流ダイオードである。平滑コンデンサCは、インダクタLから出力される電流を平滑化する。センサ14へは平滑コンデンサCによって平滑化された電力が出力される。
【0027】
図5に示されるように、配線ダクト50から供給される電力が直流電力であるため、電力変換回路13は、交流電力から直流電力への変換に用いられる回路(整流回路及び平滑回路など)を備える必要がない。また、上述のように、配線ダクト50から供給される直流電力(直流電圧)は、例えば、10V以上63V以下であり、回路装置10の定格電圧は、63V以下である。そうすると、電力変換回路13を構成するために確保すべき絶縁距離(基板上の沿面距離)が短くなる。具体的には、回路装置10の定格電圧が63V以下の場合絶縁距離は、回路装置10の定格電圧が100Vの場合の絶縁距離の40%程度となる。
【0028】
以上のことから、電力変換回路13は、コンパクトに形成することができ、電力変換回路13の全部を配線ダクト50の内部に位置させることが可能となる。電力変換回路13が配線ダクト50の内部に位置するとは、電力変換回路13の少なくとも一部が溝51内に位置することを意味する。
【0029】
例えば、電力変換回路13が配線ダクト50の内部に位置する場合には、電力変換回路13の全体(全部)が溝51内に位置し、電力変換回路13(回路部品が実装された基板)の下端部が配線ダクト50の下面52よりも下方に突出しない場合が含まれる。電力変換回路13が配線ダクト50の内部に位置する場合には、電力変換回路13を実質的に構成する回路部品の全部が溝51内に位置し、配線ダクト50の下面52よりも下方に突出しない場合も含まれる。センサ14または無線通信部などが電力変換回路13と同一基板に実装されていても、これらは実質的な電力変換に寄与しないので、電力変換回路13を実質的に構成する回路部品には含まれない。
【0030】
なお、電力変換回路13が配線ダクト50の内部に位置する場合には、電力変換回路13の一部のみが溝51内に位置する場合も含まれる。例えば、電力変換回路13が溝51内に位置する場合には、例えば、電力変換回路13(回路部品が実装された基板)の体積の80%以上の部分が溝51内に位置する場合が含まれる。電力変換回路13が溝51内に位置する場合には、電力変換回路13の回路部品(制御回路13a、スイッチング素子S、ダイオードD、インダクタL、及び、平滑コンデンサCなど)のうち半数以上が溝51内に位置する場合も含まれる。
【0031】
なお、筐体11内で電力変換回路13をどのように配置するかは特に限定されない。電力変換回路13は、基板の主面がYZ平面に沿うように筐体11内に配置されてもよいし、基板の主面がXY平面に沿うように筐体11内に配置されてもよい。
【0032】
また、電力変換回路13は、DC-DCコンバータであると説明されたが、DC-AC(Alternating Current)コンバータ(インバータ)であってもよい。例えば、筐体11に内蔵される負荷がセンサ14ではなくモータなどである場合には、電力変換回路13としてDC-ACコンバータが採用される。DC-ACコンバータの回路構成については既存のどのような回路構成が採用されてもよい。
【0033】
次に、センサ14について説明する。センサ14は、電力変換回路13によって変換された電力を用いてセンシングを行う。センサ14は、例えば、温度センサ、湿度センサ、二酸化炭素濃度センサ、または、電界センサなどの回路装置10の周囲の環境を計測する環境センサである。センサ14は、例えば、電力変換回路13の基板に実装されるが、当該基板とは別の基板に実装されてもよい。なお、回路装置10が無線通信回路を備えるような場合には、センサ14の計測値は無線通信回路によって外部機器に送信される。回路装置10がディスプレイを備えるような場合には、センサ14の計測値は当該ディスプレイに表示されてもよい。
【0034】
[効果等]
以上説明したように、回路装置10は、配線ダクト50に取り付けられる回路装置である。回路装置10は、回路装置10を配線ダクト50に取り付けるための取り付け機構12と、配線ダクト50から供給される直流電力を変換する電力変換回路13とを備える。回路装置10が配線ダクト50に取り付けられた状態において、電力変換回路13の少なくとも一部は、配線ダクト50の内部に位置する。
【0035】
このような回路装置10は、配線ダクト50から突出する部分が低減されるので、ユーザにとって視覚的なノイズとなりづらい回路装置であるといえる。
【0036】
また、例えば、回路装置10は、さらに、電力変換回路13が直流電力の供給を受けるために配線ダクト50に電気的に接続される電極12cを備える。電極12cの配線ダクト50への電気的な接続及び非接続は、取り付け機構12と連動する。
【0037】
このような回路装置10は、取り付けと連動して配線ダクト50に電気的に接続されることが可能である。
【0038】
また、例えば、電力変換回路13は、スイッチング素子Sを含み、スイッチング素子Sは、窒化ガリウム半導体によって形成される。
【0039】
このような回路装置10は、電力変換回路13の高出力化かつ小型化を実現することができる。
【0040】
また、例えば、回路装置10の定格電圧は、63V以下である。
【0041】
このような回路装置10は、電力変換回路13において確保することが必要な絶縁距離が比較的短いため、電力変換回路13の小型化を実現することができる。
【0042】
また、例えば、回路装置10は、さらに、電力変換回路13によって変換された電力を用いてセンシングを行うセンサ14を備える。
【0043】
このような回路装置10は、センシングに使用することができる。
【0044】
また、例えば、回路装置10が配線ダクト50に取り付けられた状態において、電力変換回路13の全部は、配線ダクト50の内部に位置する。
【0045】
このような回路装置10は、配線ダクト50から突出する部分が顕著に低減されるので、ユーザにとって視覚的なノイズとなりづらい回路装置であるといえる。
【0046】
(実施の形態2)
[構成]
以下、実施の形態2に係る回路装置の構成について説明する。図6は、実施の形態2に係る回路装置の外観斜視図である。図7は、実施の形態2に係る回路装置の機能構成を示すブロック図である。なお、以下の実施の形態2では、実施の形態1との相違点を中心に説明が行われ、既出事項については適宜説明が省略される。
【0047】
図6及び図7に示されるように、実施の形態2に係る回路装置10aは、配線ダクト50に取り付けられ、配線ダクト50から直流電力の供給を受けて動作する。回路装置10aは、筐体11と、取り付け機構12と、電力変換回路13と、給電部15とを備える。なお、回路装置10aは、センサ14をさらに備えてもよい。筐体11、取り付け機構12、及び、電力変換回路13については回路装置10と同様の構成であるため詳細な説明が省略される。
【0048】
給電部15は、電力変換回路13によって変換された電力を他の機器に供給するために当該他の機器が構造的かつ電気的に接続される端子構造である。給電部15は、例えば、筐体11の下面に1つ設けられるが、2つ以上設けられてもよい。また、給電部15は、筐体11の下面ではなく、筐体11から引き出されるケーブルの先端部に設けられてもよい。
【0049】
給電部15は、例えば、USB(Universal Serial Bus)コネクタによって実現される。USBコネクタには、USB Type-A、USB Type-B、USB Type-C、Mini USB Type-B、micro USB Type-B、Lightningなどの各種コネクタが含まれる。給電部15がUSBコネクタによって実現される場合、電力変換回路13は、配線ダクト50から供給される直流電力を5Vの直流電力に変換し、給電部15へ電圧が5Vの直流電力を出力する。
【0050】
なお、給電部15がUSBコネクタによって実現されることは必須ではない。給電部15は、例えば、イーサネット(登録商標)の規格に準拠したRJ-45型のコネクタ(いわゆるLAN(Local Area Network)ケーブルが接続されるコネクタ)によって実現されてもよい。
【0051】
また、給電部15は、ACコンセントによって実現されてもよい。給電部15がACコンセントによって実現される場合、電力変換回路13は、配線ダクト50から供給される直流電力を交流電力に変換するDC-ACコンバータ(インバータ)である。
【0052】
また、回路装置10aが2つ以上の給電部15を備える場合、2つ以上の給電部15は、全て同種の端子構造であってもよいし、2つ以上の給電部15には、異種の端子構造(例えば、USBコネクタとACコンセントなど)が含まれてもよい。
【0053】
[効果等]
以上説明したように、回路装置10aは、配線ダクト50に取り付けられる回路装置であって、回路装置10aを配線ダクト50に取り付けるための取り付け機構12と、配線ダクト50から供給される直流電力を変換する電力変換回路13と、電力変換回路13によって変換された電力を他の機器に供給するために他の機器が接続される給電部15とを備える。回路装置10aが配線ダクト50に取り付けられた状態において、電力変換回路13の少なくとも一部は、配線ダクト50の内部に位置する。
【0054】
このような回路装置10aは、配線ダクト50から突出する部分が低減されるので、ユーザにとって視覚的なノイズとなりづらい電力変換装置(変換後の電力を他の機器への供給する装置)であるといえる。
【0055】
(実施の形態3)
[構成]
以下、実施の形態3に係る照明装置の構成について説明する。図8は、実施の形態3に係る照明装置の外観斜視図である。図9は、実施の形態3に係る照明装置の機能構成を示すブロック図である。なお、以下の実施の形態3では、実施の形態1及び実施の形態2との相違点を中心に説明が行われ、既出事項については適宜説明が省略される。
【0056】
図8及び図9に示されるように、実施の形態3に係る照明装置30は、いわゆるスポットライトであり、回路装置10bと、光源装置20とを備える。なお、本発明は、ペンダントライトなどスポットライト以外の照明装置として実現されてもよい。
【0057】
回路装置10bは、配線ダクト50に取り付けられ、配線ダクト50から直流電力の供給を受けて動作する。回路装置10bは、筐体11と、取り付け機構12と、電力変換回路13とを備える。なお、回路装置10bは、センサ14及び給電部15の少なくとも一方をさらに備えてもよい。筐体11、取り付け機構12、及び、電力変換回路13については回路装置10と同様の構成であるため詳細な説明が省略される。
【0058】
光源装置20は、電力変換回路13によって変換された電力を用いて発光することにより回路装置10bの周囲を照らす。光源装置20は、筐体11の下面に設けられる。光源装置20は、具体的には、電力変換回路13によって供給される直流電力を用いて発光する発光モジュール、及び、発光モジュールが発する光を拡散または平行化するためのレンズなどによって実現される。
【0059】
発光モジュールは、例えば、基板上にLED素子が実装されることによって形成され、白色光を発する。発光モジュールは、COB(Chip On Board)型の発光モジュールであってもよいし、SMD(Surface Mount Device)型の発光モジュールであってもよい。発光モジュールは、有機EL(Electro-Luminescence)素子などのLED素子以外の発光素子によって実現されてもよい。レンズは、例えば、フレネルレンズなどの凸レンズである。
【0060】
[効果等]
以上説明したように、照明装置30は、回路装置10bと、電力変換回路13によって変換された電力を用いて発光することにより回路装置10bの周囲を照らす光源装置20とを備える。回路装置10bは、配線ダクト50に取り付けられる回路装置であり、回路装置10bを配線ダクト50に取り付けるための取り付け機構12と、配線ダクト50から供給される直流電力を変換する電力変換回路13とを備える。回路装置10bが配線ダクト50に取り付けられた状態において、電力変換回路13は、配線ダクト50の内部に位置する。
【0061】
このような照明装置30は、配線ダクト50から突出する部分が低減されるので、ユーザにとって視覚的なノイズとなりづらい照明装置であるといえる。
【0062】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0063】
例えば、本発明の全般的または具体的な態様は、システムまたは装置のいずれによって実現されてもよい。例えば、本発明は、上記実施の形態に係る回路装置と、配線ダクトとを備えるシステムとして実現されてもよい。
【0064】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0065】
10、10a、10b 回路装置
11 筐体
12 取り付け機構
12b 係止片
12c 電極
13 電力変換回路
13a 制御回路
14 センサ
15 給電部
20 光源装置
30 照明装置
50 配線ダクト
51 溝
52 下面
53 底部
54 給電端子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9