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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】洗車機
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240927BHJP
   B60S 3/04 20060101ALI20240927BHJP
   G06F 3/0482 20130101ALI20240927BHJP
   G06F 3/0488 20220101ALI20240927BHJP
   G07F 17/20 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
G06Q50/10
B60S3/04
G06F3/0482
G06F3/0488
G07F17/20
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020111861
(22)【出願日】2020-06-29
(65)【公開番号】P2022011012
(43)【公開日】2022-01-17
【審査請求日】2022-09-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000210595
【氏名又は名称】タケウチビユーテー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110002192
【氏名又は名称】弁理士法人落合特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中川 明博
(72)【発明者】
【氏名】橋本 忠弘
【審査官】原 忠
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-047932(JP,A)
【文献】特開2013-097537(JP,A)
【文献】特開2009-116658(JP,A)
【文献】特開2006-059249(JP,A)
【文献】特開2002-183831(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
B60S 3/04
G06F 3/0482
G06F 3/0488
G07F 17/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1回の洗車を識別する識別子を含み洗車の動作を特定するQRコードの画像を解読する読み取り手段と、
解読された前記識別子を記憶する記憶手段と、
解読に先立って前記記憶手段に記憶され過去の洗車を識別する使用済み識別子に、解読で取得された前記識別子を照らし合わせる照合手段と、
前記識別子が前記使用済み識別子に一致すると、洗車を回避する判定手段と
を備え、
解読で取得された前記識別子は、洗車の動作が完了した段階で前記記憶手段への記憶が確定し、洗車の動作中途の状態で終了した場合には前記記憶手段から削除されて、再度の使用が可能となることを特徴とする洗車機。
【請求項2】
1回の洗車を識別する識別子を含み洗車の動作を特定するQRコードの画像を解読する読み取り手段と、
解読された前記識別子を記憶する記憶手段と、
解読に先立って前記記憶手段に記憶され過去の洗車を識別する使用済み識別子に、解読で取得された前記識別子を照らし合わせる照合手段と、
前記識別子が前記使用済み識別子に一致すると、洗車を回避する判定手段と
を備え、
前記識別子は、洗車の動作が完了すると使用済み識別子とされ、洗車の動作中途の状態で終了した場合には使用済み識別子とはされないことを特徴とする洗車機。
【請求項3】
1回の洗車を識別する識別子を含み洗車の動作を特定するQRコードの画像を解読する読み取り手段と、
解読された前記識別子を記憶する記憶手段と、
解読に先立って前記記憶手段に記憶され過去の洗車を識別する使用済み識別子に、解読で取得された前記識別子を照らし合わせる照合手段と、
前記識別子が前記使用済み識別子に一致すると、洗車を回避する判定手段と
を備え、
前記識別子は、洗車動作開始後の洗車の動作に基づく予め設定されたタイミングで前記使用済み識別子とされることを特徴とする洗車機。
【請求項4】
請求項1~3の何れか1項に記載の洗車機において、前記読み取り手段は、前記QRコードの画像から、1つの洗車機を識別する洗車機識別子を解読し、前記判定手段は、解読された前記洗車機識別子が自機を特定する洗車機識別子に一致すると、洗車を許可することを特徴とする洗車機。
【請求項5】
請求項1~4の何れか1項に記載の洗車機において、前記使用済み識別子の発行日から予め決められた期間が経過すると、前記記憶手段から該当する前記使用済み識別子を消去する消去手段を備えることを特徴とする洗車機。
【請求項6】
物理的に分離した媒体から、1回の洗車を識別する識別子を特定し洗車の動作を特定する識別子データを読み取る読み取り手段と、
読み取った前記識別子を記憶する記憶手段と、
読み取りに先立って前記記憶手段に記憶され過去の洗車を識別する使用済み識別子に、読み取りで取得された前記識別子を照らし合わせる照合手段と、
前記識別子が前記使用済み識別子に一致すると、洗車を回避する判定手段と
を備え、
解読で取得された前記識別子は、洗車の動作が完了した段階で前記記憶手段への記憶が確定し、洗車の動作中途の状態で終了した場合には前記記憶手段から削除されて、再度の使用が可能となることを特徴とする洗車機。
【請求項7】
物理的に分離した媒体から、1回の洗車を識別する識別子を特定し洗車の動作を特定する識別子データを読み取る読み取り手段と、
読み取った前記識別子を記憶する記憶手段と、
読み取りに先立って前記記憶手段に記憶され過去の洗車を識別する使用済み識別子に、読み取りで取得された前記識別子を照らし合わせる照合手段と、
前記識別子が前記使用済み識別子に一致すると、洗車を回避する判定手段と
を備え、
前記識別子は、洗車の動作が完了すると使用済み識別子とされ、洗車の動作中途の状態で終了した場合には使用済み識別子とはされないことを特徴とする洗車機。
【請求項8】
物理的に分離した媒体から、1回の洗車を識別する識別子を特定し洗車の動作を特定する識別子データを読み取る読み取り手段と、
読み取った前記識別子を記憶する記憶手段と、
読み取りに先立って前記記憶手段に記憶され過去の洗車を識別する使用済み識別子に、読み取りで取得された前記識別子を照らし合わせる照合手段と、
前記識別子が前記使用済み識別子に一致すると、洗車を回避する判定手段と
を備え、
前記識別子は、洗車動作開始後の洗車の動作に基づく予め設定されたタイミングで前記使用済み識別子とされることを特徴とする洗車機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗車の動作を実現する洗車機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は乗車券を処理する自動改札機を開示する。乗車券にはQRコード(登録商標)の画像が印刷される。QRコードは光学的に読み取られるだけなので、入場記録や出場記録といった情報は乗車券に書き込まれることはできない。したがって、使用済みの乗車券が使い回しされることが懸念される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-159793号公報
【文献】再表2019/39561号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、QRコードの画像を含む乗車券に変色部が形成される。自動改札機の通過時に乗車券の変色部は加熱に応じて変色する。変色の実現にあたって乗車券にはLC共振回路やコンデンサーが組み込まれる。乗車券の構造は複雑化してしまう。乗車券の製造コストは上昇する。変色の実現にあたって自動改札機の構造も複雑化してしまう。
【0005】
本発明は、ごくごく簡単な構成で、洗車の実施に用いられるQRコードの使い回しを回避することができる洗車機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1側面によれば、1回の洗車を識別する識別子を含み洗車の動作を特定するQRコードの画像を解読する読み取り手段と、解読された前記識別子を記憶する記憶手段と、解読に先立って前記記憶手段に記憶され過去の洗車を識別する使用済み識別子に、解読で取得された前記識別子を照らし合わせる照合手段と、前記識別子が前記使用済み識別子に一致すると、洗車を回避する判定手段とを備え、解読で取得された前記識別子は、洗車の動作が完了した段階で前記記憶手段への記憶が確定し、洗車の動作中途の状態で終了した場合には前記記憶手段から削除されて、再度の使用が可能となる洗車機は提供される。
【0007】
第2側面によれば、1回の洗車を識別する識別子を含み洗車の動作を特定するQRコードの画像を解読する読み取り手段と、解読された前記識別子を記憶する記憶手段と、解読に先立って前記記憶手段に記憶され過去の洗車を識別する使用済み識別子に、解読で取得された前記識別子を照らし合わせる照合手段と、前記識別子が前記使用済み識別子に一致すると、洗車を回避する判定手段とを備え、前記識別子は、洗車の動作が完了すると使用済み識別子とされ、洗車の動作中途の状態で終了した場合には使用済み識別子とはされない洗車機は提供される。
【0008】
第3側面によれば、1回の洗車を識別する識別子を含み洗車の動作を特定するQRコードの画像を解読する読み取り手段と、解読された前記識別子を記憶する記憶手段と、解読に先立って前記記憶手段に記憶され過去の洗車を識別する使用済み識別子に、解読で取得された前記識別子を照らし合わせる照合手段と、前記識別子が前記使用済み識別子に一致すると、洗車を回避する判定手段とを備え、前記識別子は、洗車動作開始後の洗車の動作に基づく予め設定されたタイミングで前記使用済み識別子とされる洗車機は提供される。
【0009】
側面によれば、第1~第3側面の何れかの構成に加えて、前記読み取り手段は、前記QRコードの画像から、1つの洗車機を識別する洗車機識別子を解読し、前記判定手段は、解読された前記洗車機識別子が自機を特定する洗車機識別子に一致すると、洗車を許可する。
【0010】
側面によれば、第1~第4側面の何れかの構成に加えて、洗車機は、前記使用済み識別子の発行日から予め決められた期間が経過すると、前記記憶手段から該当する前記使用済み識別子を消去する消去手段を備える。
【0011】
本発明の第6側面によれば、物理的に分離した媒体から、1回の洗車を識別する識別子を特定し洗車の動作を特定する識別子データを読み取る読み取り手段と、読み取った前記識別子を記憶する記憶手段と、読み取りに先立って前記記憶手段に記憶され過去の洗車を識別する使用済み識別子に、読み取りで取得された前記識別子を照らし合わせる照合手段と、前記識別子が前記使用済み識別子に一致すると、洗車を回避する判定手段とを備え、解読で取得された前記識別子は、洗車の動作が完了した段階で前記記憶手段への記憶が確定し、洗車の動作中途の状態で終了した場合には前記記憶手段から削除されて、再度の使用が可能となる洗車機は提供される。
【0012】
本発明の第7側面によれば、物理的に分離した媒体から、1回の洗車を識別する識別子を特定し洗車の動作を特定する識別子データを読み取る読み取り手段と、読み取った前記識別子を記憶する記憶手段と、読み取りに先立って前記記憶手段に記憶され過去の洗車を識別する使用済み識別子に、読み取りで取得された前記識別子を照らし合わせる照合手段と、前記識別子が前記使用済み識別子に一致すると、洗車を回避する判定手段とを備え、前記識別子は、洗車の動作が完了すると使用済み識別子とされ、洗車の動作中途の状態で終了した場合には使用済み識別子とはされない洗車機は提供される。
【0013】
本発明の第8側面によれば、物理的に分離した媒体から、1回の洗車を識別する識別子を特定し洗車の動作を特定する識別子データを読み取る読み取り手段と、読み取った前記識別子を記憶する記憶手段と、読み取りに先立って前記記憶手段に記憶され過去の洗車を識別する使用済み識別子に、読み取りで取得された前記識別子を照らし合わせる照合手段と、前記識別子が前記使用済み識別子に一致すると、洗車を回避する判定手段とを備え、前記識別子は、洗車動作開始後の洗車の動作に基づく予め設定されたタイミングで前記使用済み識別子とされる洗車機は提供される。
【発明の効果】
【0014】
第1~第3側面によれば、QRコードは識別子を含む。識別子は1回の洗車を識別する。1つのQRコードで1回の洗車は実現されることができる。したがって、洗車機の利用者は新たな洗車を望むのであれば、新しいQRコードを入手する。過去の洗車で使用されたQRコードが再び読み取られると、洗車は回避されることができる。こうしてQRコードの再使用は防止されることができる。1つのQRコードで洗車は1回に制限されることができる。洗車にあたってQRコードの使い回しは回避されることができる。
【0015】
側面によれば、判定手段は、自機の洗車機識別子を含む使用済みのQRコードを判定に用いるだけで済む。したがって、照らし合わせに用いられる使用済み識別子は絞り込まれることができる。こうして判定の処理の負担は軽減されることができる。併せて記憶手段に記憶される使用済み識別子は絞り込まれることができる。記憶手段の記憶容量はできる限り抑制されることができる。照らし合わせの使用済み識別子も減少することから、プロセッサーの処理負担は軽減されることができる。照らし合わせの迅速化は実現されることができる。
【0016】
側面によれば、記憶手段では、特定の数量以上に使用済み識別子の増加は抑制されることができる。記憶される使用済み識別子の数量は絞り込まれることができる。記憶手段の記憶容量はできる限り抑制されることができる。照らし合わせの使用済み識別子も減少することから、プロセッサーの処理負担は軽減されることができる。照らし合わせの迅速化は実現されることができる。
【0017】
6~第8側面によれば、媒体は識別子を保持する。識別子は1回の洗車を識別する。1つの識別子データで1回の洗車は実現されることができる。したがって、洗車機の利用者は新たな洗車を望むのであれば、新しい識別子データを入手する。過去の洗車で使用された識別子データが再び読み取られると、洗車は回避されることができる。こうして識別子データの再使用は防止されることができる。1つの識別子データで洗車は1回に制限されることができる。洗車にあたって識別子データの使い回しは回避されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1実施形態に係る洗車システムの構成を概略的に示すブロック図である。
図2】スマートフォン端末のディスプレイパネルに表示され洗車機の選択肢を特定する画像の一具体例である。
図3】スマートフォン端末のディスプレイパネルに表示され「注意書き」を特定する画像の一具体例である。
図4】スマートフォン端末のディスプレイパネルに表示されるQRコードの一具体例を示す画像である。
図5】スマートフォン端末のディスプレイパネルに表示され「洗車の受付履歴」を特定する画像の一具体例である。
図6】本発明の第2実施形態に係る洗車システムの構成を概略的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態を説明する。
【0020】
図1は本発明の第1実施形態に係る洗車システム11の構成を概略的に示す。洗車システム11は、インターネット12に接続されてASP(アプリケーションサービスプロバイダー)によって運用されるASPサーバー13と、インターネット12に接続され、洗車の利用者によって所有されるインターネット端末(ユーザー端末)14と、携帯電話通信網15に接続され、洗車の利用者によって所有されるスマートフォン端末(ユーザー端末)16とを備える。インターネット端末14は、例えばアプリケーションプログラムの実行に応じてインターネット12経由でASPサーバー13に接続される。携帯電話通信網15は例えばゲートウエイを通じてインターネット12に接続される。スマートフォン端末16は、例えばモバイルアプリケーションプログラムの実行に応じて携帯電話通信網15およびインターネット12経由でASPサーバー13に接続される。ASPサーバー13は、インターネット端末14やスマートフォン端末16から供給される要求に応じて、個々の洗車機17Aa、17Ab、17Ac、17Ba、17Bb、17Caごとに洗車の動作を規定するQRコードを発行することができる。個々の洗車機17Aa、17Ab、17Ac、17Ba、17Bb、17CaはQRコードから解読される動作に従って洗車を実行する。3台の洗車機17Aa、17Ab、17Acは例えばAA洗車場18Aに設置される。2台の洗車機17Ba、17Bbは例えばBB洗車場18Bに設置される。1台の洗車機17Caは例えばCC洗車場18Cに設置される。
【0021】
ASPサーバー13は、受付手段21およびQRコード発行手段22として機能するプロセッサー(CPU)23と、プロセッサー23に接続されて、サーバーアプリケーションプログラム24、洗車予約データベース25、洗車機データベース26および会員データベース27を格納する記憶手段28とを備える。記憶手段28は例えばディスクアレイ装置といった大容量記憶装置で構成されることができる。
【0022】
洗車予約データベース25には、洗車機17Aa、17Ab、17Ac、17Ba、17Bb、17Caで実施される1つの洗車イベント(1台の洗車)を特定するイベントデータが登録される。1つのイベントデータは、後述されるように、「運営者ID」データ、「店舗ID」データ、「機種ID」データ、「洗車機ID」データ、「洗車コースID」データ、「オプションID」データ、「装備品ID」データ、「決済金額」データ、「発行日時」データ、「発行シリアルID」データ、「会員ID」データおよび「会員種別」データを含む。
【0023】
「運営者ID」データは、個々の洗車場を運営する運営者(例えば法人)を特定する。「運営者ID」は例えば半角英数字で構成されることができる。「運営者ID」は運営者ごとにASPから付与されることができる。「運営者ID」に基づき個々の運営者は識別されることができる。
【0024】
「店舗ID」データは個々の洗車場(ガソリンスタンドを含む)を特定する。「店舗ID」は例えば半角英数字で構成されることができる。「店舗ID」は店舗ごとにASPから付与されることができる。「店舗ID」に基づき個々の洗車場は識別されることができる。
【0025】
「機種ID」データは洗車機の機種を特定する。「機種ID」は例えば半角英数字で構成されることができる。「機種ID」は洗車機の機種ごとにASPから付与されることができる。「機種ID」に基づき個々の機種は識別されることができる。
【0026】
「洗車機ID」データは個々の洗車機ごとに号機番号を特定する。「洗車機ID」は例えば半角英数字で構成されることができる。「洗車機ID」は洗車機の製造会社から付与されることができる。「機種ID」で特定される機種ごとに連続番号が付与されてもよい。この場合には、「機種ID」および「洗車機ID」の組み合わせで洗車機識別子は形成される。「洗車機ID」に基づき個々の洗車機は識別されることができる。
【0027】
「洗車コースID」データは個々の洗車機ごとに実施可能な洗車コースを特定する。「洗車コースID」は例えば16進数で構成されることができる。洗車コースは個々の洗車機に(あるいは個々の機種に)固有に設定される。洗車コースごとに洗車の動作は指定される。「洗車コースID」に基づき個々の洗車コースは識別されることができる。
【0028】
「オプションID」データは個々の洗車機ごとに洗車コースに付加されて実施可能なオプションを特定する。「オプションID」は例えば16進数で構成されることができる。オプションは例えば個々の洗車機に(あるいは個々の機種に)固有に設定される。オプションごとに付加的な動作は指定される。「オプションID」に基づき個々のオプションは識別されることができる。
【0029】
「装備品ID」データは指定される装備品ごとに装備の有無を特定する。「装備品ID」は例えば16進数で構成されることができる。「装備品ID」に基づき、「格納不能なドアミラー」の有無や、「フェンダーポール」の有無、キャリアといった「ルーフ突起物」の有無、大型のフォグランプといった「フロント突起物」の有無、リアミラーといった「リア突起物」の有無、「左右にずれたナンバープレート」の有無は特定されることができる。
【0030】
「決済金額」データは、洗車の提供にあたって利用者に請求される代金を特定する。「決済金額」は例えば半角数字で構成されることができる。
【0031】
「発行日時」データはQRコードの発行日時を特定する。「発行日時」は、例えば4ケタの西暦「YYYY」、4ケタの月日「MMDD」および6ケタの時刻「hhmmss」を表現する半角数字で構成されることができる。
【0032】
「発行シリアルID」データは1つの洗車を特定する。「発行シリアルID」は決められたケタ数の連続番号で構成されることができる。「発行シリアルID」に基づき個々の洗車(洗車イベント)は識別されることができる。
【0033】
「会員ID」データは、洗車システムに登録された利用者を特定する。「会員ID」は例えば半角英数字で構成されることができる。「会員ID」は利用者ごとにASPから付与されることができる。「会員ID」に基づき個々の利用者は識別されることができる。
【0034】
「会員種別」データは利用者の種別を特定する。利用者の種別は、例えば「スポット会員」「プリペイド会員」「マンスリー会員」に分類されることができる。スポット会員は1つの洗車のたびに洗車の代金を決済する。プリペイド会員は前もって運営者に特定の金額の金銭価値を預ける。洗車のたびに預けられた金銭価値から洗車の代金は差し引かれる。ここでは、プリペイド会員は、例えば、950円の決済で1000円相当のポイントを購入することができ、1800円の決済で2000円相当のポイントを購入することができ、4250円の決済で5000円相当のポイントを購入することができる。マンスリー会員は1ヶ月ごとに決められた金額を支払うことで回数に制限なく洗車することができる。
【0035】
洗車機データベース26には、個々の洗車機ごとに「店舗ID」データ、「機種ID」データ、「洗車機ID」データ、「洗車コースID」データ、「オプションID」データおよび「装備品ID」データが登録される。会員データベース27には、個々の利用者ごとに「会員ID」データおよび「会員種別」データが登録される。洗車機データベース26および会員データベース27の管理にあたってASPの管理者はインターネット12に接続されるインターネット端末(図示されず)でASPサーバー13の記憶手段28にアクセスすることができる。
【0036】
ASPサーバー13でサーバーアプリケーションプログラム24が実行されると、ASPサーバー13では洗車管理アプリケーションが動作する。洗車管理アプリケーションの働きでプロセッサー23では受付手段21およびQRコード発行手段22が確立される。受付手段21は、インターネット12経由でインターネット端末14およびスマートフォン端末16に接続されて、インターネット端末14やスマートフォン端末16との間でテキストデータや画像データを送受信する。QRコード発行手段22は、受付手段21で受信されるテキストデータや、記憶手段28に格納される洗車機データベース26および会員データベース27に基づきイベントデータを生成する。
【0037】
QRコード発行手段22は1つのイベントデータに対して1つのQRコードを発行する。ここでは、個々に決められた文字数で順番に「運営者ID」の文字列、「店舗ID」の文字列、「機種ID」の文字列、「洗車機ID」の文字列、「洗車コースID」の文字列、「オプションID」の文字列、「装備品ID」の文字列、「決済金額」の文字列、「発行日時」の文字列、「発行シリアルID」の文字列、「会員ID」の文字列および「会員種別」の文字列がQRコードに暗号化される。したがって、QRコードは、1回の洗車を識別する識別子を含み洗車の動作を特定する。
【0038】
スマートフォン端末16は、ASPサーバー13のプロセッサー23に接続されてプロセッサー23との間でデータを送受信するプロセッサー(演算処理装置)31と、プロセッサー31に接続されて、洗車予約アプリケーションプログラム(モバイルアプリプログラム)32やQRコードの画像データ33、その他のプログラムやデータを格納するメモリー34と、プロセッサー31に接続されて、画面上に画像を表示するディスプレイパネル35と、プロセッサー31に接続されて、プロセッサー31に向けて利用者の指示やデータを入力するユーザーインターフェイス36とを備える。ここでは、ユーザーインターフェイス36は、画像ごとに画面で検出される接触の座標値を特定するタッチスクリーンパネルを有する。タッチスクリーンパネルは、画面に表示される画像と、画面で検出される接触の座標値とに基づき、プロセッサー31に向けて利用者の指示やデータを入力する。プロセッサー31は通信回路37経由で携帯電話通信網15に無線で接続されることができる。その他、プロセッサー31はWiFi(登録商標)回路(図示されず)経由でWiFiルーターに無線で接続されることができる。WiFiルーターはインターネット12にWiFi回路を接続する。
【0039】
インターネット端末14は、同様に、ASPサーバー13のプロセッサー23に接続されてプロセッサー23との間でデータを送受信するCPU(中央演算処理装置)と、当該CPUに接続されて、洗車予約アプリケーションプログラムやQRコードの画像データ、その他のプログラムやデータを格納する記憶手段と、CPUに接続されて、画面上に画像を表示するディスプレイパネルと、CPUに接続されて、CPUに向けて利用者の指示やデータを入力するユーザーインターフェイスとを備えればよい。ここでは、ユーザーインターフェイスはキーボードやマウスを有する。CPUはLANボード経由でインターネット12に接続されることができる。
【0040】
インターネット端末14にはプリンター38が接続されることができる。プリンター38はテキストデータやイメージデータに基づき印刷用紙の紙面に文字列や画像を印刷することができる。テキストデータやイメージデータは例えばCPUからプリンター38に供給されることができる。
【0041】
個々の洗車機17Aa、17Ab、17Ac、17Ba、17Bb、17Caは、車両を水洗いする洗い装置41と、洗い装置41に接続されて、入力される指示に従って洗い装置41の動作を指定する受付装置42とを備える。洗い装置41では、例えば、車両を跨いで前後方向に車両に対して相対的に移動する門型フレームに、車両の前面および上面を洗浄するトップブラシと、車両の左右側面を洗浄する左右のサイドブラシと、車両の前面および上面に空気を吹き付けるトップノズルと、車両の左右側面に空気を吹き付けるサイドノズルとが支持される。ここでは、洗い装置41の構造は一般の洗車機と同様であって、詳細な説明は割愛される。
【0042】
受付装置42は、読み取り手段43、照合手段44および判定手段45として機能するプロセッサー(MPU)46と、プロセッサー46に接続されて、撮像素子に結像される像に基づき撮像信号を出力する撮像装置(カメラ)47と、プロセッサー46に接続されて、洗車受付プログラム48、洗車受付データベース49および洗車履歴データベース51を格納する記憶手段52と、プロセッサー46に接続されて、画面上に画像を表示するディスプレイパネル53と、プロセッサー46に接続されて、プロセッサー46に向けて利用者の指示を入力するユーザーインターフェイス54とを備える。洗車受付データベース49には1回の洗車を識別する識別子が登録される。ここでは、識別子には「発行シリアルID」データが用いられる。「発行シリアルID」データは過去の洗車で受け付けられたイベントデータから抽出される。洗車履歴データベース51には1回の洗車ごとに洗車機の動作を特定する洗車履歴データが登録される。洗車履歴データは、例えばトップブラシ、サイドブラシ、トップノズルおよびサイドノズルに対する制御信号に基づき作成されることができる。洗車履歴データは洗車受付データベース49で対応する識別子に紐付けられる。
【0043】
受付装置42で洗車受付プログラム48が実行されると、受付装置42では洗車受付アプリケーションが動作する。洗車受付アプリケーションの働きでプロセッサー46では読み取り手段43,照合手段44および判定手段45は確立される。読み取り手段43は、撮像装置47から出力される撮像信号に基づきQRコードを解読する。解読で取得されたイベントデータは例えばメモリー(図示されず)に一時的に記憶される。
【0044】
照合手段44は、自機に記憶される自機「機種ID」および自機「洗車機ID」に、QRコードの解読で取得された「機種ID」および「洗車機ID」を照らし合わせる。解読された「機種ID」および「洗車機ID」が自機を特定する「機種ID」および「洗車機ID」に一致すると、判定手段45は洗車を許可する。一致しなければ、判定手段45は洗車を回避する。判定手段45はディスプレイパネル53の画面に「この洗車機ではお取り扱いできません」といった文字列を表示する。
【0045】
加えて、照合手段44は、洗車受付データベース49に登録された識別子(以下「使用済み識別子」という)に、QRコードの解読で取得された識別子を照らし合わせる。メモリーに記憶された識別子が洗車受付データベース49に登録されたいずれかの使用済み識別子に一致すると、判定手段45は洗車を回避する。判定手段45はディスプレイパネル53の画面に「この洗車機ではお取り扱いできません。係員をお呼びください」といった文字列を表示する。一致しなければ、判定手段45は洗車を許可する。
【0046】
次に洗車システム11の動作を説明する。利用者がスマートフォン端末16で洗車予約アプリケーションプログラム32の実行に応じて洗車予約アプリケーション(以下「モバイルアプリ」という)を起動すると、利用者にはログインIDおよびパスワードの入力が促される。モバイルアプリは事前にスマートフォン端末16にインストールされる。ログインIDおよびパスワードが承認されると、スマートフォン端末16のモバイルアプリはASPサーバー13の洗車管理アプリケーションに接続される。こうしてスマートフォン端末16のプロセッサー31とASPサーバー13のプロセッサー23との間で暗号通信は実現される。
【0047】
会員の認証に応じて、ASPサーバー13のQRコード発行手段22は会員データベース27に基づき「会員ID」および「会員種別」を認識することができる。ここでは、モバイルアプリは個々の洗車場18A、18B、18Cごとに提供される。モバイルアプリはディスプレイパネル35の画面に個々の洗車場18A、18B、18Cに固有の画像を表示する。モバイルアプリはスマートフォン端末16からASPサーバー13に向かって「店舗ID」データを送信する。したがって、ASPサーバー13のQRコード発行手段22は洗車機データベース26に基づき「運営者ID」「店舗ID」を特定することができる。「店舗ID」に基づき対象の洗車機は絞り込まれることができる。
【0048】
図2に示されるように、利用者には洗車機の選択が促される。受付手段21は、プロセッサー31に向けて、選択肢の洗車機を特定する画像データ(およびテキストデータ)を送信する。ディスプレイパネル35の画面には選択肢の画像55a、55b、55cが表示される。
【0049】
画像55aに基づき利用者は1つの洗車機17Aaを選択する。ユーザーインターフェイス36の操作に基づき選択は入力される。洗車機17Aaの選択はASPサーバー13の受付手段21に送信される。選択に基づきASPサーバー13のQRコード発行手段22は「機種ID」および「洗車機ID」を特定することができる。
【0050】
洗車機17Aaが選択されると、受付手段21は、プロセッサー31に向けて、「注意書き」を特定する画像データ(およびテキストデータ)を送信する。図3に示されるように、ディスプレイパネル35の画面には「注意書き」の画像56が表示される。こうして洗車にあたって「注意書き」は必ず利用者の目に触れる。利用者には洗車機17Aaの利用にあたって注意が喚起されることができる。
【0051】
洗車機17Aaが決定されると、受付手段21は洗車機データベース26に基づき洗車機17Aaに割り当てられた「洗車コースID」および「オプションID」を特定する。受付手段21は、プロセッサー31に向けて、選択肢の洗車コースを特定する画像データ(およびテキストデータ)や、選択肢のオプションを特定する画像データ(およびテキストデータ)を送信する。ディスプレイパネル35の画面には「洗車コース」の選択肢や「オプション」の選択肢が表示される。画像に基づき利用者は1つの「洗車コース」および「オプション」を選択する。ユーザーインターフェイス36の操作に基づき選択は入力される。こうしてASPサーバー13のQRコード発行手段22は「洗車コースID」および「オプションID」を特定することができる。
【0052】
受付手段21は洗車機データベース26に基づき洗車機17Aaに関連づけられた「装備品ID」を特定する。受付手段21は、プロセッサー31に向けて、装備品を特定する画像データ(およびテキストデータ)を送信する。ディスプレイパネル35の画面には装備品の選択肢が表示される。画像に基づき利用者は該当する装備品を選択する。ユーザーインターフェイス36の操作に基づき選択は入力される。こうしてASPサーバー13のQRコード発行手段22は「装備品ID」を特定することができる。
【0053】
受付手段21は、プロセッサー31に向けて、洗車イベントの確認画面を特定する画像データを送信する。ディスプレイパネル35の画面には「内容確認」の画像が表示される。ユーザーインターフェイス36の操作に基づき洗車イベントが承認されると、受付手段21は決済手続きを実行する。決済が完了すると、QRコード発行手段22は洗車予約データベース25にイベントデータを登録する。イベントデータの成立に応じてQRコード発行手段22はQRコードを発行する。発行されたQRコードの画像データはプロセッサー31に向けて送信される。QRコードの画像データ33はスマートフォン端末16のメモリー34に格納される。ここでは、QRコードの画像データ33は上書きされる。1つのスマートフォン端末16で新しいQRコードが発行されると、古いQRコードは消去される。図4に示されるように、QRコード57はディスプレイパネル35の画面に表示されることができる。
【0054】
洗車にあたって利用者は対象の洗車場18Aに車両を乗り付ける。このとき、利用者はスマートフォン端末16を持参する。インターネット端末14から洗車が予約された場合には、プリンター38でプリントアウトされたQRコードが持参されればよい。画面に表示されたQRコード57は受付装置42の撮像装置47に翳される。読み取り手段43は撮像装置47の撮像信号からQRコード57を解読する。イベントデータは復元される。イベントデータは一時的にメモリーに格納される。
【0055】
照合手段44は、自機「機種ID」および自機「洗車機ID」(自機を特定する洗車機識別子)に、解読で取得された「機種ID」および「洗車機ID」(洗車機識別子)を照らし合わせる。解読で取得された洗車機識別子が自機を特定する洗車機識別子に一致すると、判定手段45は洗車を許可する。一致しなければ、受付装置42は利用者に洗車不可を通知する。受付装置42のディスプレイパネル53は画面に「この洗車機ではお取り扱いできません」の文字列を表示する。
【0056】
同様に、照合手段44は、解読に先立って記憶手段52に記憶され過去の洗車を識別する使用済み「発行シリアルID」に、解読で取得された「発行シリアルID」を照らし合わせる。このとき解読された「発行シリアルID」が使用済み「発行シリアルID」のいずれにも一致しなければ、判定手段45は洗車を許可する。一致すると、判定手段45は洗車を回避する。受付装置42は利用者に洗車不可を通知する。受付装置42のディスプレイパネル53は画面に「この洗車機ではお取り扱いできません。係員をお呼びください」の文字列を表示する。
【0057】
洗車が許可されると、受付装置42はディスプレイパネル53の画面に「内容確認」の画像を表示する。ユーザーインターフェイス54の操作に応じて洗車イベントの内容が承認されると、洗車は開始される。受付装置42ではイベントデータから「発行シリアルID」が抽出される。「発行シリアルID」は洗車受付データベース49に登録される。洗車機17Aaの動作は洗車履歴データとして洗車履歴データベース51に登録される。ここでは、洗車履歴データは登録された「発行シリアルID」に紐付けられる。こうしてイベントデータは実際の洗車履歴に基づき検証されることができる。洗車の動作が中途の状態で中止された場合には、洗車受付データベース49から対応の「発行シリアルID」は削除される。「発行シリアルID」は記憶手段52から消去されればよい。こうして洗車が未了の場合には同一のQRコード57は再び使用されることができる。このとき、洗車の完了は、洗い装置41に組み込まれて車両に空気を吹き付ける乾燥装置の稼働が終了した時点で認定されることができる。また、洗い装置41から車両が退出した後に新たに車両の進入を促すようにゲートが開いた時点で洗車の完了は認定されてもよい。洗車機の動作に基づき洗車の完了のタイミングは任意に設定されることができる。ユーザーインターフェイス54の操作に応じて洗車の完了のタイミングは変更されることができてもよい。
【0058】
本実施形態に係るQRコード57は識別子「発行シリアルID」を含む。「発行シリアルID」は1回の洗車を識別する。1つのQRコード57で1回の洗車は実現されることができる。したがって、洗車機17Aaの利用者は新たな洗車を望むのであれば、新しいQRコード57を入手する。過去の洗車で使用されたQRコード57が再び読み取られると、洗車は回避される。こうしてQRコード57の再使用は防止されることができる。1つのQRコード57で洗車は1回に制限されることができる。洗車にあたってQRコード57の使い回しは回避されることができる。
【0059】
本実施形態では、受付装置42の判定手段45は、解読された洗車機識別子(「機種ID」および「洗車機ID」)が自機を特定する洗車機識別子に一致すると、洗車を許可する。判定手段45は、使い回しの防止にあたって、自機の洗車機識別子を含む使用済みのQRコードを判定に用いるだけで済む。したがって、照らし合わせに用いられる使用済み識別子は絞り込まれることができる。使用済み識別子の数量は減少する。こうして判定の処理の負担は軽減されることができる。併せて記憶手段52に記憶される使用済み識別子は絞り込まれることができる。記憶手段52の記憶容量はできる限り抑制されることができる。照らし合わせの使用済み識別子も減少することから、プロセッサー46の処理負担は軽減されることができる。照らし合わせの迅速化は実現されることができる。
【0060】
洗車機の受付装置42は、使用済み識別子の発行日から予め決められた期間が経過すると、記憶手段52から該当する使用済み識別子を消去する消去手段を備えてもよい。消去手段は、洗車受付プログラム48の実行に応じてプロセッサー46で確立されればよい。この場合には、洗車受付データベース49には、個々の使用済み識別子に紐付けられて「発行日時」データが登録される。消去手段は「発行日時」データに基づき使用済み識別子の有効期限を管理する。
【0061】
記憶手段52では、特定の数量以上に使用済み識別子の増加は抑制されることができる。記憶される使用済み識別子の数量は絞り込まれることができる。記憶手段52の記憶容量はできる限り抑制されることができる。照らし合わせの使用済み識別子も減少することから、プロセッサー46の処理負担は軽減されることができる。照らし合わせの迅速化は実現されることができる。
【0062】
洗車機の受付装置42は、使用済み識別子に紐付けられる利用者に、読み取り手段43で解読された利用者が一致すると、記憶手段52から該当する使用済み識別子を消去する消去手段を備えてもよい。消去手段は、洗車受付プログラム48の実行に応じてプロセッサー46で確立されればよい。この場合には、洗車受付データベース49には、個々の使用済み識別子に紐付けられて「会員ID」データが登録される。消去手段は、「会員ID」データに基づき利用者の同一性を判定する。
【0063】
こうして、記憶手段52では、特定の数量以上に使用済み識別子の増加は抑制されることができる。記憶される使用済み識別子の数量は絞り込まれることができる。記憶手段52の記憶容量はできる限り抑制されることができる。照らし合わせの使用済み識別子も減少することから、プロセッサー46の処理負担は軽減されることができる。照らし合わせの迅速化は実現されることができる。
【0064】
本実施形態では、イベントデータにさらに「使用期限日」データが設定されてもよい(追加されてもよい)。「使用期限日」データはQRコードの有効期限を特定する。「有効期限」は、例えば4ケタの西暦「YYYY」、4ケタの月日「MMDD」および6ケタの時刻「hhmmss」を表現する半角数字で構成されることができる。「有効期限」は例えば「発行日時」から1~30日で任意に設定されることができる。その他、「有効期限」が非作動に設定されると、「有効期限日」データには「0(ゼロ)」値が設定されてもよい。
【0065】
イベントデータにはさらに「未決済フラグ」データが設定されてもよい(追加されてもよい)。「未決済フラグ」データは決済の完了または未了を特定する。例えば、決済が完了すれば、「未決済フラグ」データには「0(ゼロ)」値が書き込まれる。決済が済んでいなければ「未決済フラグ」データには「1」値が書き込まれる。QRコードの発行にあたってASPサーバー13のQRコード発行手段22は決済手続きの完了または未了を判定する。「未決済フラグ」の確立にあたってスポット会員のスマートフォン端末16ではモバイルアプリの働きに応じてディスプレイパネル35の画面に決済または未決済を選択する画像が表示されればよい。ユーザーインターフェイス36の操作に応じて決済または未決済は選択されることができる。洗車機の受付装置42でQRコード57の解読に応じてイベントデータに「決済」が確認されると、そのまま洗車は開始される。イベントデータに「未決済」が確認されると、受付装置42はディスプレイパネル53の画面に現金決済を促す画像を表示する。利用者は、受付装置42に現金を投入することで決済を済ますことができる。こうして受付装置42で現金決済が確認されると、洗車は開始される。
【0066】
その他、図5に示されるように、利用者はスマートフォン端末16で洗車の受付履歴を確認することができる。スマートフォン端末16のモバイルアプリはディスプレイパネル35の画面に「受付履歴」の画像59を表示する。画像59は、決められた構図に従って、「予約の受付日」の年月日を特定する文字列61、QRコードの「使用期限日」の年月日を特定する文字列62、「洗車コース」を特定する文字列63、「オプション」を特定する文字列64、「店舗」を特定する文字列65、「会員種別」を特定する文字列66、「決済金額」を特定する文字列67、「履歴を利用した予約」を特定するボタン68、「使用済み」を特定するチェックボックス69を含むことができる。「予約の受付日」「使用期限日」「洗車コース」「オプション」「店舗」「会員種別」「決済金額」はそれぞれ例えばイベントデータの「発行日時」データ、「使用期限日」データ、「洗車コースID」データ、「オプションID」データ、「店舗ID」データ、「会員種別」データ、「決済金額」データから取得されることができる。
【0067】
「履歴を利用した予約」ボタン68には例えば「この内容でもう一度受付する」の文字列が付される。ユーザーインターフェイス36に基づき「履歴を利用した予約」ボタン68がタップされると、スマートフォン端末16のモバイルアプリは、「履歴を利用した予約」ボタン68に紐付けられたイベントデータに基づきQRコード発行手段22にQRコードの発行を要求する。QRコード発行手段22は履歴に係るイベントデータに基づきQRコード57を生成する。こうして洗車の予約にあたって利用者は1から手順を繰り返さなくとも過去の洗車に倣って洗車を予約することができる。利用者の手間は省かれることができる。履歴に係るイベントデータはスマートフォン端末16のメモリー34に保存されればよい。個々のイベントデータはQRコードとともにメモリー34に登録されてもよい。
【0068】
「使用済み」を特定するチェックボックス69はユーザーインターフェイス36の操作に応じて「使用済み」または「未使用」で切り替えられることができる。このとき、例えばスマートフォン端末16のメモリー34では履歴に係るイベントデータに「使用済み」または「未使用」を特定する「使用済みフラグ」データが付加されればよい。利用者はチェックボックス69の表示に応じてQRコードの「使用済み」または「未使用」を識別することができる。
【0069】
1つの洗車場18A、18Bでは1つの受付装置42だけが設置されてもよい。1つの受付装置42に複数の洗い装置41は接続される。この場合には、QRコードの発行にあたってイベントデータの「洗車機ID」データは省略されてもよい。洗車の予約にあたってモバイルアプリは洗車機17Aa、17Ab、17Ac、17Ba、17Bbの選択を省略することができる。受付装置42の照合手段44は自店舗を特定する「店舗ID」データ(または「運営者ID」データ)に、解読で取得された「店舗ID」データ(または「運営者ID」データ)を照らし合わせる。解読で取得された「店舗ID」が自店舗を特定する「店舗ID」に一致すると、判定手段45は洗車を許可する。
【0070】
図6は本発明の第2実施形態に係る洗車システム11aの構成を概略的に示す。第1実施形態と同様な機能を実現する構成には同様の参照符号が付され重複する説明は省略される。ここでは、個々の受付装置42はインターネット12経由でASPサーバー13に接続される。受付装置42には、ASPサーバー13から、洗車予約データベース25に登録されたイベントデータが供給される。イベントデータの供給に応じて少なくとも「発行シリアルID」データは記憶手段52に記憶される。受付装置42には、「機種ID」および「洗車機ID」で該当するイベントデータが供給されればよい。受付装置42は、ASPサーバー13から供給される「発行シリアルID」データにQRコードの解読で得られた「発行シリアルID」データを照らし合わせる。ASPサーバー13から供給される「発行シリアルID」データのいずれか1にQRコードの解読で得られた「発行シリアルID」データが一致すれば、判定手段45は洗車を許可する。このとき、受付装置42はASPサーバー13から供給される「発行シリアルID」データを消去すればよい。洗車が完了したら、受付装置42はASPサーバー13に洗車の完了を通知することができる。こうしてASPサーバー13では洗車の完了後に決済処理を実施することができる。
【0071】
ASPサーバー13から供給される「発行シリアルID」データのいずれか1にQRコードの解読で得られた「発行シリアルID」データが一致しなければ、判定手段45は洗車を回避する。判定手段45はディスプレイパネル53の画面に「この洗車機ではお取り扱いできません」といった文字列を表示する。
【0072】
本実施形態では、ASPサーバー13から洗車機の受付装置42に有効なイベントデータが供給されるので、QRコードの解読で取得されるイベントデータが照らし合わせられることでQRコードの使い回しは防止されることができる。記憶手段52では使用済み識別子の保存は割愛されることができる。記憶手段52の記憶容量は縮小されることができる。しかも、洗車の完了後に洗車の代金は決済されることができる。
【0073】
本実施形態では、前述と同様に、受付装置42の記憶手段52に洗車受付データベース49が保持されてもよい。例えば受付装置42がインターネット12から分断されると、照合手段44は、過去の洗車を識別する使用済み「発行シリアルID」に、QRコード57の解読で取得された「発行シリアルID」を照らし合わせる。したがって、受付装置42は、ASPサーバー13から「発行シリアルID」データの供給を受けなくても、洗車受付データベース49内の「発行シリアルID」データに基づきQRコードの再使用を防止することができる。
【符号の説明】
【0074】
16…媒体(スマートフォン端末)、17Aa…洗車機、17Ab…洗車機、17Ac…洗車機、17Ba…洗車機、17Bb…洗車機、17Ca…洗車機、43…読み取り手段、44…照合手段、45…判定手段、52…記憶手段、57…QRコード。
図1
図2
図3
図4
図5
図6