(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】指紋登録方法およびユーザ端末装置
(51)【国際特許分類】
G06V 40/12 20220101AFI20240927BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20240927BHJP
【FI】
G06V40/12
G06T7/00 530
(21)【出願番号】P 2021564065
(86)(22)【出願日】2020-12-11
(86)【国際出願番号】 JP2020046315
(87)【国際公開番号】W WO2021117877
(87)【国際公開日】2021-06-17
【審査請求日】2022-04-28
【審判番号】
【審判請求日】2023-11-27
(31)【優先権主張番号】P 2019224796
(32)【優先日】2019-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】渕上 竜司
【合議体】
【審判長】千葉 輝久
【審判官】伊藤 隆夫
【審判官】高橋 宣博
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-508888(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0165508(US,A1)
【文献】特開昭58-031478(JP,A)
【文献】特開2005-352623(JP,A)
【文献】特表2005-516290(JP,A)
【文献】国際公開第2018/079001(WO,A1)
【文献】特開2013-164717(JP,A)
【文献】“徹底解説-「PMC指紋認証マウス」”,TRONWARE,日本,パーソナルメディア株式会社,2003年04月10日,Vol.14,No.2,pp.64-67
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 1/00,7/00-7/90
G06V 10/00-10/98,40/12
A61B 5/1172
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スマートフォンまたはタブレット端末であるユーザ端末装置による指紋登録方法であって、
前記ユーザ端末装置が備えるカメラによって指先を非接触で撮像し、
前記カメラの撮像領域内に映る1以上の指のうち、1本の指を撮像するためのユーザの選択操作を受け付け、選択された指の指先を含む指先画像を
生成し、
前記指先画像の縦幅と前記指先画像を拡大した拡大画像が表示される前記ユーザ端末装置の表示領域の縦幅とに基づいて算出された縦方向の拡大倍率と、前記指先画像の横幅と前記表示領域の横幅に基づいて算出された横方向の拡大倍率とを比較し、いずれか小さい方の拡大倍率を用いて前記拡大画像を生成して表示し、
前記拡大画像に基づいて、前記指先画像を指紋認証用に登録するか否かのユーザ操作を受け付け、
前記ユーザ操作により登録操作された指先画像を指紋データとして外部サーバに送信する、
指紋登録方法。
【請求項2】
前記指紋データは、前記指先画像に基づいて、前記指紋認証を行うための指紋の特徴量を抽出したデータである、
請求項1に記載の指紋登録方法。
【請求項3】
前記拡大画像とともに、ユーザへの前記拡大画像の視認を要求する旨の通知を表示する、
請求項1に記載の指紋登録方法。
【請求項4】
前記指先画像に基づいて、前記指先画像に映る指紋にピントが合っているか否かを示す評価値を算出し、
前記拡大画像とともに、算出された前記評価値を表示する、
請求項1に記載の指紋登録方法。
【請求項5】
前記指先画像に基づいて、前記指先画像に映る指紋にピントが合っているか否かを示す評価値を算出し、
前記評価値が閾値を超えた場合、前記登録操作を受け付け可能にする、
請求項1に記載の指紋登録方法。
【請求項6】
前記指先画像に基づいて、前記指先画像に映る指紋にピントが合っているか否かを示す評価値を算出し、
前記評価値が閾値を超えない場合、指先画像の再生成とその再生成された指先画像に対応する前記評価値を再算出し、
再算出された前記評価値が前記閾値を超えるまで前記指先画像の再生成とその再生成された前記指先画像に基づく前記評価値の再算出とを繰り返す、
請求項1に記載の指紋登録方法。
【請求項7】
ユーザの撮像操作に基づいて前記指先を撮像する、
請求項1に記載の指紋登録方法。
【請求項8】
前記指紋データを送信した後、前記登録操作された前記指先画像を前記ユーザ端末装置から削除する、
請求項1に記載の指紋登録方法。
【請求項9】
前記カメラの撮像領域内に前記指先が映っていない場合に、前記指先が撮像領域内にない旨のアラートを出力する、
請求項1に記載の指紋登録方法。
【請求項10】
前記カメラの撮像領域内において前記指先の撮像位置を指示するガイドを重畳して表示する、
請求項1に記載の指紋登録方法。
【請求項11】
前記ガイドの周辺から前記指先が検知されない場合、前記指先が前記ガイドの周辺にない旨のアラートを出力する、
請求項1
0に記載の指紋登録方法。
【請求項12】
前記選択操作がない場合、前記1本の指が選択されていない旨のアラートを出力する、
請求項1に記載の指紋登録方法。
【請求項13】
前記カメラの撮像領域内に映る1以上の指のうち、1本の指を選択するための前記ユーザの選択操作を受け付け、前記選択操作により選択された指を拡大表示する、
請求項1に記載の指紋登録方法。
【請求項14】
前記カメラの撮像領域内に対するユーザの選択操作を受け付け、前記選択操作により選択された位置を拡大表示する、
請求項1に記載の指紋登録方法。
【請求項15】
外部サーバと通信可能に接続された
スマートフォンまたはタブレット端末であるユーザ端末装置であって、
指先を非接触で撮像するカメラと、
前記カメラによって撮像され、前記カメラの撮像領域内に映る1以上の指のうち、1本の指を撮像するためのユーザの選択操作を受け付け、選択された指の指先を含む指先画像を
生成し、前記指先画像の縦幅と前記指先画像を拡大した拡大画像が表示される前記ユーザ端末装置の表示領域の縦幅とに基づいて算出された縦方向の拡大倍率と、前記指先画像の横幅と前記表示領域の横幅に基づいて算出された横方向の拡大倍率とを比較し、いずれか小さい方の拡大倍率を用いて前記拡大画像を生成するプロセッサと、
生成された前記拡大画像を表示するモニタと、
前記指先画像を指紋認証用に登録するか否かのユーザ操作を受け付ける操作部と、
前記ユーザ操作により登録された前記指先画像を指紋データとして前記外部サーバに送信する通信部と、を備える、
ユーザ端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、指紋登録方法およびユーザ端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、バイオメトリックに基づいて本人認証を行う本人認証装置が開示されている。この本人認証装置は、非接触で身体の部位を撮影することによりバイオメトリック画像を取得し、取得されたバイオメトリック画像を表示するとともに、適正な撮影位置における部位の外形を示すガイド画像をバイオメトリック画像に重ねて表示する。また、本人認証装置は、部位が適正な撮影位置で撮影されたと判断された場合に、バイオメトリック画像に基づいて、バイオメトリック情報を抽出し、予め登録されたバイオメトリック情報と照合して本人認証を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の構成では、撮像される部位(例えば指)の大きさがユーザによって異なるため、表示されたガイド画像の外形にユーザの部位を合わせて撮像した場合の撮像位置(つまり、撮像に適した距離)は、本人認証装置に設定された部位ごとの適正な撮像位置とずれる可能性があった。これにより、本人認証装置により撮像されたバイオメトリック画像は、部位にピントが合わず、指紋認証に適するバイオメトリック情報を抽出できない可能性があった。
【0005】
本開示は、上述した従来の事情に鑑みて案出され、指紋認証に適合するように撮像された指先画像に基づく指紋データの登録を支援する指紋登録方法およびユーザ端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、スマートフォンまたはタブレット端末であるユーザ端末装置による指紋登録方法であって、前記ユーザ端末装置が備えるカメラによって指先を非接触で撮像し、前記カメラの撮像領域内に映る1以上の指のうち、1本の指を撮像するためのユーザの選択操作を受け付け、選択された指の指先を含む指先画像を生成し、前記指先画像の縦幅と前記指先画像を拡大した拡大画像が表示される前記ユーザ端末装置の表示領域の縦幅とに基づいて算出された縦方向の拡大倍率と、前記指先画像の横幅と前記表示領域の横幅に基づいて算出された横方向の拡大倍率とを比較し、いずれか小さい方の拡大倍率を用いて前記拡大画像を生成して表示し、前記拡大画像に基づいて、前記指先画像を指紋認証用に登録するか否かのユーザ操作を受け付け、前記ユーザ操作により登録操作された指先画像を指紋データとして外部サーバに送信する、指紋登録方法を提供する。
【0007】
また、本開示は、外部サーバと通信可能に接続されたスマートフォンまたはタブレット端末であるユーザ端末装置であって、指先を非接触で撮像するカメラと、前記カメラによって撮像され、前記カメラの撮像領域内に映る1以上の指のうち、1本の指を撮像するためのユーザの選択操作を受け付け、選択された指の指先を含む指先画像を生成し、前記指先画像の縦幅と前記指先画像を拡大した拡大画像が表示される前記ユーザ端末装置の表示領域の縦幅とに基づいて算出された縦方向の拡大倍率と、前記指先画像の横幅と前記表示領域の横幅に基づいて算出された横方向の拡大倍率とを比較し、いずれか小さい方の拡大倍率を用いて前記拡大画像を生成するプロセッサと、生成された前記拡大画像を表示するモニタと、前記指先画像を指紋認証用に登録するか否かのユーザ操作を受け付ける操作部と、前記ユーザ操作により登録された前記指先画像を指紋データとして前記外部サーバに送信する通信部と、を備える、ユーザ端末装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、指紋認証に適合するように撮像された指先画像に基づく指紋データの登録を支援できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1に係る指紋認証システムのユースケース例の説明図
【
図2】実施の形態1に係るユーザ端末装置およびサーバの内部構成例を示す図
【
図4】実施の形態1に係るユーザ端末装置の操作手順および動作手順例を示すシーケンス図
【
図5】実施の形態1に係るユーザ端末装置の操作手順および動作手順例を説明する図
【
図6】実施の形態2に係るユーザ端末装置の操作手順および動作手順例を示すシーケンス図
【
図7】実施の形態2に係るユーザ端末装置の操作手順および動作手順例を説明する図
【
図8】実施の形態3に係るユーザ端末装置の操作手順および動作手順例を示すシーケンス図
【
図9】実施の形態3に係るユーザ端末装置の操作手順および動作手順例を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0010】
(本開示に至る経緯)
従来、本人認証装置は、指紋認証のための指紋登録を行う場合、ユーザは、指紋認証を利用する施設(例えば、店舗,オフィスなど)に出向いて指紋を登録する必要があり、ユーザビリティが低かった。また、このような課題を解決する方法として、指紋登録をユーザが所有する端末装置で行う指紋登録方法がある。しかし、ユーザの端末装置(以下、ユーザ端末装置と表記)でユーザ自身の指先の指紋を撮像する場合、ユーザ端末装置は広角カメラを備えている。ユーザは、ユーザ端末装置に指先を近づけすぎて撮像すると指紋にピントが合わず、指先を遠ざけて撮像するとユーザ端末装置に表示される指先が小さくなり、指紋にピントが合っているか否かの視認が困難となるため、指紋にピントが合わせた指先の撮像が困難だった。
【0011】
よって、以下に示す各実施の形態においては、指紋認証に適合するように撮像された指先画像に基づく指紋データの登録を支援する指紋登録方法およびユーザ端末装置の例を説明する。
【0012】
以下、適宜図面を参照しながら、本開示に係る指紋登録方法およびユーザ端末装置の構成および作用を具体的に開示した各実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるものであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0013】
(実施の形態1)
図1および
図2を参照して、実施の形態1に係る指紋登録システム100のユースケースおよび内部構成について説明する。
図1は、実施の形態1に係る指紋登録システム100のユースケース例の説明図である。
図2は、実施の形態1に係るユーザ端末装置1およびサーバ2の内部構成例を示す図である。実施の形態1に係る指紋登録システム100は、ユーザ端末装置1と、サーバ2と、を含んで構成される。さらに非接触指紋認証装置3は、ユーザ端末装置1と、サーバ2とによって指紋登録された指紋を用いて、指紋認証を実行する装置である。実施の形態1に係る指紋登録システム100は、ユーザ端末装置1とサーバ2との間でネットワークを介して通信可能に接続され、データの送受信を行う。また、サーバ2と非接触指紋認証装置3との間においても同様にネットワークを介して通信可能に接続され、データの送受信を行う。
【0014】
実施の形態1に係る指紋登録システム100において、指紋登録は、ユーザ端末装置1およびサーバ2により実行される。また、指紋認証は、サーバ2および非接触指紋認証装置3により実行される。なお、
図1に示す非接触指紋認証装置3は、不特定多数のユーザが使用する観点から衛生的な非接触による指紋認証を実現可能な指紋認証装置であることが好ましいが、これに限定されなくてよい。
【0015】
実施の形態1に係る指紋登録システム100において、ユーザ端末装置1は、ユーザ操作に基づいて、ユーザの手全体あるいは少なくとも1本の指を撮像し、撮像された撮像画像に映る指先の指紋から指紋登録に使用するための指紋データを生成してサーバ2に送信する。ユーザ端末装置1は、例えばスマートフォン、タブレット端末などによって実現される。ユーザ端末装置1は、通信部10と、プロセッサ11と、メモリ12と、カメラ13と、モニタ14と、操作部15と、を含んで構成される。なお、ここでいう指紋データは、指紋の特徴量を示すデータである。
【0016】
通信部10は、サーバ2における通信部20との間でネットワークを介して、データを通信可能に接続される。なお、通信部10は、サーバ2における通信部20との間で無線あるいは有線通信可能に接続されてよい。ここでいう無線通信は、例えばBluetooth(登録商標)、NFC(登録商標)などの近距離無線通信、またはWifi(登録商標)などの無線LAN(Local Area Network)を介した通信である。通信部10は、プロセッサ21によって生成されたユーザの指紋データ、ユーザの情報などをサーバ2における通信部20に送信する。
【0017】
プロセッサ11は、例えばCPU(Central Processing unit)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)を用いて構成されて、メモリ12と協働して、各種の処理および制御を行う。具体的には、プロセッサ11は、メモリ12に保持されたプログラムおよびデータを参照し、そのプログラムを実行することにより、指紋登録に関する機能(撮像画像に映る指紋から指紋データを生成してサーバ2に送信する)、撮像された撮像画像から指先画像を生成する機能などを実現する。
【0018】
プロセッサ11は、ユーザ操作により指紋登録を実行可能なアプリケーションが起動されると、カメラ13に撮像を開始させる制御指示を生成し、出力する。プロセッサ11は、カメラ13から撮像された撮像画像を入力される。プロセッサ11は、ユーザの手全体あるいは少なくとも1本の指を撮像した撮像画像から、いずれかの指先であって、少なくとも指先から第1関節までを含む指先の領域を含む指先画像を切り出す。ここで切り出される指先画像は、少なくとも指先から第1関節までが撮像された指であって、かつ最もピントが合う指、あるいは予め指定された指(例えば、撮像しやすく最も面積が大きい中指,非接触指紋認証装置3を利用するオフィス,店舗などによって指定された指など)であってよい。
【0019】
なお、カメラ13によって撮像された撮像画像内にユーザの手全体あるいは少なくとも1本の指がない場合、プロセッサ11は、撮像領域内にユーザの手全体あるいは少なくとも1本の指がない場合、指先が映っていない旨の通知を生成し、モニタ14に出力する。
【0020】
プロセッサ11は、入力された指先画像をユーザ端末装置1におけるモニタ14に設定された表示領域に応じて拡大する拡大処理を実行するとともに、入力された指先画像に映る指紋にピントが合っているかどうかを示す評価値を算出する。評価値は、種々の公知方法を用いて算出されてよく、例えば1~100,1~10などのように数値化して算出される。なお、実施の形態1に係る指紋登録システム100における評価値は、ピントが合っている状態を100,ピントが合っていない状態を1として説明するが、これに限定されないことは言うまでもない。プロセッサ11は、拡大処理された指先画像と、算出された評価値とをモニタ14に出力し、表示させる。プロセッサ11は、算出された評価値が、予め設定された閾値以上でない場合、撮像された指先画像の拡大処理、評価値の算出処理およびこれらの出力を繰り返し実行する。
【0021】
プロセッサ11は、算出された評価値が、閾値以上となる場合、拡大処理された指先画像と、算出された指先画像の評価値とをモニタ14に出力するとともに、この指先画像を用いて指紋登録を実行するか否かをユーザに選択させる登録ボタン(
図4,
図7,
図9参照)を表示させる制御指示を生成し、モニタ14に出力する。なお、閾値は、後述する指紋データを生成可能に設定された値である。
【0022】
プロセッサ11は、モニタ14に表示された登録ボタンに対するユーザ操作に基づいて、指先画像を用いて指紋登録のための指紋データの生成を実行する。ここでいう指紋データは、公知の技術(例えば、マニューシャ法,周波数特徴解析法など)を用いて抽出された指紋の特徴量を示すデータである。ここで、マニューシャ法は、指紋の隆線のうち指紋の線の切れ目を示す端点、あるいは分岐点(分かれ目)を検出することで、指紋の特徴量を抽出する方法である。また、周波数特徴解析法は、指紋の凹凸を周波数として変換された周波数の波形から指紋の特徴量を抽出する方法である。
【0023】
プロセッサ11は、抽出された指紋データをサーバ2に送信するとともに、指紋データの生成に用いた指紋画像を削除する。なお、実施の形態1に係る指紋登録システム100において、指紋登録に用いられるデータは、ネットワークを介してサーバ2に送信されるため、指先(指紋)画像をそのままサーバ2に送信した場合には、指先画像の流出によりユーザのプライバシーが侵害される可能性がある。しかしながら、ユーザ端末装置1は、指紋登録に用いられるデータとして指紋の特徴量を抽出して生成された指紋データを送信することにより、指紋データが流出した場合であっても、ユーザのプライバシーを侵害する可能性を極めて低くすることができる。よって、本実施の形態1に係る指紋登録システム100において、指紋登録に用いられるデータは、セキュリティ向上を目的として指先画像に映る指紋の特徴量を抽出して生成された指紋データを用いた指紋登録が実行されることが好ましいが、これに限定されない。例えば、ユーザ端末装置1は、予め設定された閾値以上の評価値が算出された指先画像のデータを送信して指紋登録を実行してもよい。このような場合、サーバ2は、ユーザ端末装置1から送信された指先画像のデータに基づいて、ユーザの指先(指紋)を検知し、検知された指紋の特徴量を抽出して指紋データを生成し、生成された指紋データを指紋登録する。また、これらの指紋登録に用いられるデータは、暗号化されて送信されることが好ましい。
【0024】
なお、実施の形態1に係る指紋登録システム100において、指紋データは、公知の複数の技術により認証可能に生成されてよい。例えば、指紋データは、マニューシャ法,周波数特徴解析法のそれぞれによって生成された複数の指紋データであってよい。これにより、指紋登録システム100は、非接触指紋認証装置3が指先(指紋)画像でなく、異なる方法で生成された指紋データを用いて指紋認証を実行する場合でも、対応する指紋データを用いて指紋認証を実行できる。また、これにより、実施の形態1に係る指紋登録システム100は、指先(指紋)画像を用いることなく指紋認証が実行可能となり、非接触指紋認証装置3からサーバ2にネットワークを介して送信される指先(指紋)画像の流出を防止し、セキュリティを向上できる。
【0025】
メモリ12は、例えばプロセッサ11の各処理を実行する際に用いられるワークメモリとしてのRAM(Random Access Memory)と、プロセッサ11の動作を規定したプログラムおよびデータを格納するROM(Read Only Memory)とを有する。RAMには、プロセッサ11により生成あるいは取得されたデータもしくは情報が一時的に保存される。ROMには、プロセッサ11の動作を規定するプログラムが書き込まれている。メモリ12は、指先画像の評価値に関する閾値、モニタ14の表示領域、サーバ2に送信されて指紋データと関連付けて記憶されるユーザに関する情報(例えば、ユーザ個人を特定可能な個人情報,社員番号,決済に使用するカード情報)などを記憶する。なお、ユーザに関する情報は、指紋データの送信時にユーザによって入力され、指紋データの送信完了に伴い削除されてよい。
【0026】
カメラ13は、少なくともレンズ(不図示)とイメージセンサ(不図示)とを有して構成される。イメージセンサは、例えばCCD(Charged-Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)の固体撮像素子であり、撮像面に結像した光学像を電気信号に変換する。カメラ13は、プロセッサ11によって入力された撮像開始の制御指示あるいはユーザによる撮像操作により、撮像を開始する。カメラ13は、撮像された撮像画像をプロセッサ11に出力する。
【0027】
モニタ14は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)もしくは有機EL(Electroluminescence)を用いて構成される。モニタ14は、カメラ13によって撮像された撮像画像、あるいはプロセッサ11によって拡大処理された指先画像、評価値、登録ボタン(
図4,
図7,
図9参照)等を表示する。また、モニタ14は、プロセッサ11からユーザに指先を撮像する旨のアラートを入力されると、このアラートを表示あるいはスピーカ(不図示)により音声出力する。
【0028】
モニタ14は、ユーザ端末装置1に備えられ、タッチパネルによって構成されたタッチインターフェースであってよい。このような場合、モニタ14は、操作部15としての機能を備え、ユーザの入力操作を受け付け、ユーザによる入力操作の結果をプロセッサ11に出力する。
【0029】
操作部15は、アプリケーションの起動操作、カメラ13の撮像操作、指紋登録に用いる指あるいは指先画像の選択(登録)操作、ユーザに関する情報の入力操作などのユーザ操作を受け付け可能であり、入力操作の結果をプロセッサ11に出力する。操作部15は、上述したモニタ14のタッチパネルとして実現されてよい。また、操作部15は、マイク(不図示)を備え、ユーザの音声に基づく音声入力操作を受け付けてよい。
【0030】
実施の形態1に係る指紋登録システム100における外部サーバの一例としてのサーバ2は、ユーザ端末装置1から受信された指紋データとユーザに関する情報とを関連付けて記憶する(つまり、指紋登録)とともに、非接触指紋認証装置3から受信された指紋データあるいは指先(指紋)画像に基づいて、記憶された複数の指紋データのそれぞれのうち照合し、受信された指紋データについて認証の可否を判定する(つまり、指紋認証)。サーバ2は、通信部20と、プロセッサ21と、メモリ22と、指紋データベース23と、を含んで構成される。
【0031】
通信部20は、ユーザ端末装置1における通信部10および非接触指紋認証装置3との間でネットワークを介してデータを通信可能に接続される。なお、通信部20は、ユーザ端末装置1における通信部10との間で無線通信可能に接続されてよい。ここでいう無線通信は、例えばBluetooth(登録商標)、NFC(登録商標)などの近距離無線通信、またはWifi(登録商標)などの無線LAN(Local Area Network)を介した通信である。通信部20は、ユーザ端末装置1における通信部10から指紋データおよびユーザに関する情報を受信する。また、通信部20は、非接触指紋認証装置3から照合する指紋データを受信し、受信された指紋データについて認証の可否情報を送信する。
【0032】
プロセッサ21は、例えばCPU(Central Processing Unit)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)を用いて構成されて、メモリ22と協働して、各種の処理および制御を行う。具体的には、プロセッサ21は、メモリ22に保持されたプログラムおよびデータを参照し、そのプログラムを実行することにより、指紋登録に関する機能としてユーザ端末装置1から受信された指紋データとユーザに関する情報とを関連付けて記憶する機能と、指紋認証に関する機能として非接触指紋認証装置3から受信された指紋データの認証の可否を判定する機能とを実現する。
【0033】
プロセッサ21は、ユーザ端末装置1から受信された指紋データとユーザに関する情報とを関連付け、指紋データベース23に出力し、記憶させる。
【0034】
また、プロセッサ21は、非接触指紋認証装置3から指紋データを受信すると、指紋データベース23を参照し、記憶された複数の指紋データのそれぞれのうち、受信された指紋データと照合する指紋データがあるか否かを判定する。プロセッサ21は、判定の結果、照合する指紋データがある場合には、認証可能であることを示す通知を生成し、通信部20を介して非接触指紋認証装置3に送信する。一方、プロセッサ21は、判定の結果、照合する指紋データがない場合には、認証不可であることを示す通知を生成し、通信部20を介して非接触指紋認証装置3に送信する。
【0035】
メモリ22は、例えばプロセッサ21の各処理を実行する際に用いられるワークメモリとしてのRAM(Random Access Memory)と、プロセッサ21の動作を規定したプログラムおよびデータを格納するROM(Read Only Memory)とを有する。RAMには、プロセッサ21により生成あるいは取得されたデータもしくは情報が一時的に保存される。ROMには、プロセッサ21の動作を規定するプログラムが書き込まれている。
【0036】
指紋データベース23は、所謂ストレージであり、プロセッサ21から入力された指紋データを、ユーザに関する情報および指紋データをユーザごとに記憶する。なお、指紋データベース23は、サーバ2と外部接続され、別体で構成された外部ストレージにより構成されてもよい。
【0037】
非接触指紋認証装置3は、例えば指紋認証を行う施設(オフィス,店舗など)に設置され、非接触状態で取得されたユーザの指先(指紋)画像あるいは指紋データをサーバ2に送信し、照合することにより指紋認証を実行する。なお、
図1に示す非接触指紋認証装置3は、非接触状態でユーザの指先(指紋)画像あるいは指紋データを取得可能な例について説明したが、これに限定されず、指紋認証が実行可能であればよい。なお、
図1に示す、非接触指紋認証装置3は、上述した機能を実行可能とするための通信部,プロセッサ,メモリおよび指紋を撮像可能なカメラ,指紋センサなどを備えるが、これらの図示および説明を省略する。
【0038】
次に、
図3を参照して、ユーザ端末装置1において実行される指先画像Fg2の拡大処理について説明する。
図3は、指先画像Fg2の拡大表示例を説明する図である。
図3は、プロセッサ11によって少なくとも第1関節を含んで切り出された指先画像Fg2をユーザ端末装置1の表示領域Ar1に応じて拡大する例を示す。
【0039】
図3に示す指先画像Fg2は、プロセッサ11によって切出し領域Ar0(縦幅H
f,横幅W
f)で切り出される。また、
図3に示すユーザ端末装置1のモニタ14は、拡大された指先画像Fg2が表示される表示領域Ar1(縦幅H
d,横幅W
d)が設定される。ここでいう表示領域Ar1は、ユーザ端末装置1におけるモニタ14の全領域に対して予め設定された所定の領域であって、指先画像Fg2を拡大して表示するための領域である。
【0040】
プロセッサ11は、指先画像Fg2の縦幅が表示領域Ar1の縦幅に対応する、あるいは指先画像Fg2の横幅が表示領域Ar1の横幅に対応するように、指先画像Fg2のアスペクト比を維持したまま拡大処理を実行する。ここで、指先画像Fg2の拡大処理における拡大倍率α1の算出方法について、説明する。
【0041】
まず、プロセッサ11は、指先画像Fg2の縦方向の倍率αHと、横方向の倍率αWとを算出する。縦方向の倍率αHは、(表示領域Ar1の縦幅Hd)/(指先画像Fg2の縦幅Hf)によって算出される。横方向の倍率αWは、(表示領域Ar1の横幅Wd)/(指先画像Fg2の横幅Wf)によって算出される。次に、プロセッサ11は、算出された縦方向の倍率αHと横方向の倍率αWとを比較し、いずれか小さい方の倍率を指先画像Fg2の拡大倍率α1をとして採用し、指先画像Fg2の拡大処理を実行する。なお、同値の場合は、縦方向の倍率αHが採用されても、横方向の倍率αWが採用されてもよい。
【0042】
これにより、実施の形態1に係る指紋登録システム100は、ユーザの指先画像Fg2をユーザ端末装置1における表示領域Ar1に対応して拡大処理でき、ユーザによる撮像された指先画像Fg2のピントが合っているか否かの視認を容易にする。したがって、実施の形態1に係る指紋登録システム100は、ユーザ端末装置1によって撮像される指先画像Fg2(指紋画像)を用いた指紋登録において、指紋認証に適合するための指先画像Fg2(指紋画像)の撮像を支援できる。さらに、ユーザは、表示領域Ar1に拡大表示された指先画像Fg2を視認しながら、ユーザ端末装置1によって撮像される指先の撮像角度,撮像距離を調整可能となり、指先(指紋)画像の撮像を容易に行うことができる。
【0043】
以上、モニタ14の指先画像の表示領域Ar1に、拡大された指先画像Fg2を表示する例について説明したが、指先画像Fg2の拡大表示処理例はこれに限定されない。次に、表示領域Ar1に対してさらに表示領域を限定する例(言い換えると、表示領域Ar1に表示される指先画像Fg2の拡大/縮小表示処理の例)について説明する。
【0044】
表示領域Ar1に対してさらに表示領域を限定する場合、プロセッサ11は、上述した拡大倍率α1に対して予め設定された拡大/縮小倍率β(0<β≦1)を乗算し、表示領域を拡大/縮小する。これにより、指先画像Fg2は、拡大/縮小倍率βにより拡大/縮小された表示領域に応じた大きさでモニタ14に表示される。なお、拡大/縮小倍率βは、ユーザ操作により設定されてよい。
【0045】
ここで、
図3に示す例において、切出し領域Ar0および表示領域Ar1の縦幅と横幅との関係は、縦幅H
d>縦幅H
f,横幅W
d>横幅W
fの例が示されているが、これに限定されないことは言うまでもない。切出し領域Ar0および表示領域Ar1の縦幅と横幅との関係が、縦幅H
d<縦幅H
f,横幅W
d<横幅W
fとなる場合、プロセッサ11は、縮小処理を実行してよい。
【0046】
縮小処理の実行において、まず、プロセッサ11は(表示領域Ar1の縦幅Hd)/(指先画像Fg2の縦幅Hf)により縦方向の倍率αHを算出し、(表示領域Ar1の横幅Wd)/(指先画像Fg2の横幅Wf)により横方向の倍率αWを算出する。プロセッサ11は、算出された縦方向の倍率αHと横方向の倍率αWとを比較し、いずれか小さい方の倍率を指先画像Fg2の縮小倍率α2をとして採用し、指先画像Fg2の縮小処理を実行する。
【0047】
図4および
図5を参照して、実施の形態1に係るユーザ端末装置1の操作手順および動作手順例について説明する。
図4は、実施の形態1に係るユーザ端末装置1の操作手順および動作手順例を示すシーケンス図である。
図5は、実施の形態1に係るユーザ端末装置1の操作手順および動作手順例を説明する図である。
図5に示す例において、閾値は、評価値1~100のうち評価値80に設定されている。
【0048】
まず、ユーザは、ユーザ端末装置1を操作し、指紋登録を実行可能なアプリケーションを起動する(St1)。ユーザ端末装置1は、ユーザ操作に基づいてアプリケーションの起動を実行し、カメラ13に撮像を開始する制御指示を生成し、出力する。ユーザは、ユーザ端末装置1が備えるカメラ13の撮像領域内にユーザの手全体あるいは少なくとも第1関節を含む1本の指をかざす(St2)。
【0049】
カメラ13は、撮像された撮像画像H1をプロセッサ11に出力する。プロセッサ11は、カメラ13によって撮像された撮像画像H1を取得し(St3)、モニタ14に表示させる。また、プロセッサ11は、撮像画像H1を画像解析し、少なくとも第1関節を含む指先を検知する(St4)。なお、
図5に示すステップSt4において、ユーザ端末装置1は、ユーザの手U1を撮像した撮像画像H1を表示するとともに、少なくとも第1関節を含む指先の検知を実行する。
【0050】
プロセッサ11は、ステップSt4の処理において、撮像画像H1から少なくとも第1関節を含む指先が検知された場合(St4,YES)、少なくとも第1関節を含む切出し領域Ar0を決定して切り出し、指先画像Fg1を生成する(St5)。
【0051】
一方、プロセッサ11は、ステップSt4の処理において、
図5に示す撮像画像H2のように少なくとも第1関節を含む指先が検知されない場合(St4,NO)、指先が検知されない旨の通知としてアラートMsg1「指先を映してください」を生成し、モニタ14に出力し、表示させる(St6)。なお、このアラートMsg1は、音声出力されてもよい。プロセッサ11は、ステップSt6の処理の後、ステップSt3の処理に移行し、再度カメラ13から撮像画像を取得する。
【0052】
プロセッサ11は、指先画像Fg1の切出し領域Ar0における縦幅Hfおよび横幅Wfと、メモリ12に記憶された表示領域Ar1における縦幅Hdおよび横幅Wdとに基づいて、拡大倍率α1を算出し、指先画像Fg1に対する拡大処理を実行する。プロセッサ11は、拡大された指先画像Fg1をモニタ14に出力し、表示させる(St7)。
【0053】
また、プロセッサ11は、指先画像Fg1に映る指紋にピントが合っているかどうかを示す評価値を算出し、算出された評価値をモニタ14に出力して表示させる(St8)。なお、ここで表示される評価値は、
図5に示す評価結果Sc1の「50 NG」,評価結果Sc2の「90 OK」のように、後述するステップSt10で実行される処理(つまり、算出された評価値が設定された閾値以上か否かの判定処理)の結果を含んで表示されてよい。これにより、ユーザは、指先画像Fg1に映る指紋にピントが合っているかどうかを指先画像Fg2および評価結果Sc1,Sc2により視認できる。
【0054】
ユーザは、モニタ14に表示された指先画像と評価値とを視認しながら、評価値が大きくなる方向に手を動かす(St9)。
【0055】
ここで、
図5に示す例において、閾値は評価値80に設定されている。プロセッサ11は、ステップSt10の処理において、
図5に示すステップSt11で示される例のように評価値が90と算出され、設定された閾値以上(つまり、撮像された指紋に対して十分にピントが合っている状態)である場合(St10,YES)、登録画面W1および登録画面W2に示すように、モニタ14にユーザによる入力操作を受け付け可能であって、閾値以上の評価値が算出された指先画像Fg2を用いて指紋登録を実行するための登録ボタンRCの入力操作を可能にする(St11)。なお、プロセッサ11は、指先画像Fg2を用いて指紋登録を実行しない場合の入力操作を受け付け可能な戻るボタンBK(
図5参照)を表示させてもよい。更に、プロセッサ11は、ユーザに指先画像Fg2を視認させるとともに、ユーザに指先画像Fg2を用いて指紋登録を実行するか否かを問う旨のメッセージMsg2を生成し、モニタ14に表示させてよい。なお、プロセッサ11は、
図5に示すメッセージMsg2とともに、指先画像Fg2(つまり拡大画像)の視認を要求する旨のメッセージあるいは通知(例えば「きちんと指紋が映っていますか?」など)を生成して、モニタ14に表示させてもよい。
【0056】
一方、プロセッサ11は、ステップSt10の処理において、
図5に示すステップSt10で示される例のように指先画像Fg1の評価値が50と算出され、設定された閾値に満たない(つまり、撮像された指紋に対して十分にピントが合っていない状態)である場合(St10,NO)、ステップSt3の処理に移行し、再度カメラ13から撮像画像を取得する。なお、このような場合、
図5に示すように登録ボタンRCは、ユーザの入力操作を受け付け不可に表示されてよい。
【0057】
なお、ユーザ端末装置1は、ステップSt10の処理において算出された評価値が閾値以上となるまで、ステップSt3~ステップSt8の処理を繰り返し実行する。よって、ユーザは、評価値が設定された閾値に満たない場合、モニタ14に表示される拡大された指先画像と、指先画像の評価値とを視認しながら、ステップSt9に示す動作を行う。これにより、ユーザは、拡大された指先画像で指紋にピントが合っているか否かを視認できるとともに、表示された評価値が示す数値によりピントが合っているか否かを視認できる。
【0058】
ユーザは、閾値以上の評価値が算出された指先画像Fg2を用いて指紋登録を実行する場合、登録ボタンRCを押下する(St12)。
【0059】
プロセッサ11は、ユーザによって登録ボタンRCが押下されたか否かを判定する(St11)。プロセッサ11は、登録ボタンRCが押下された場合(St11,YES)、指先画像Fg2に映る指紋の特徴量を抽出する(St12)。一方、プロセッサ11は、登録ボタンRCが押下されない場合(St11,NO)、ステップSt3の処理に移行し、再度カメラ13から撮像画像を取得する。なお、プロセッサ11は、ステップSt11の処理において、戻るボタンBKがユーザ操作により押下された場合にもステップSt3の処理に移行する。
【0060】
プロセッサ11は、抽出された指紋の特徴量をデータ化し、指紋登録のための指紋データを生成する。プロセッサ11は、生成された指紋データをサーバ2に送信し(St15)、指紋データの生成に用いられた指先画像Fg2を削除する。
【0061】
以上により、実施の形態1に係る指紋登録システム100は、ユーザの指先画像Fg2をユーザ端末装置1における表示領域に対応して拡大処理でき、ユーザによる撮像された指先画像のピントが合っているか否かの視認を容易にする。また、実施の形態1に係る指紋登録システム100は、ユーザ端末装置1によって撮像される指先(指紋)画像に基づく指紋データを用いた指紋登録において、指紋認証に適合する指先(指紋)画像の撮像を支援できる。さらに、ユーザは、評価値が閾値以下の場合、表示領域に拡大表示された指先画像を視認しながら、ユーザ端末装置1に撮像される指先の撮像角度,撮像距離,ピントが合っているか否かなどを調整可能となり、指先(指紋)画像の撮像を容易に行うことができる。
【0062】
以上により、実施の形態1に係る指紋登録システム100は、ユーザ端末装置1による指紋登録方法を実現可能なシステムであって、ユーザ端末装置1が備えるカメラ13によって指紋登録をする人物の指先を撮像し、撮像された指先を含む指先画像を拡大した拡大画像を生成して表示し、拡大画像に基づいて指先画像を指紋認証用に登録するか否かのユーザ操作を受け付け、ユーザ操作により登録操作された指先画像を指紋データとして外部サーバ(つまり、サーバ2)に送信する。
【0063】
これにより、実施の形態1に係る指紋登録システム100は、ユーザの指先画像を拡大して表示することで、ユーザによる指先画像の指紋にピントが合っているか否かの視認を容易にする。また、実施の形態1に係る指紋登録システム100は、ユーザ端末装置1によって撮像される指先(指紋)画像に基づく指紋データを用いた指紋登録において、指紋認証に適合する指先(指紋)画像の撮像を支援できる。
【0064】
また、指紋データは、指先画像に基づいて、指紋認証を行うための指紋の特徴量を抽出したデータである。これにより、実施の形態1に係る指紋登録システム100は、指紋画像そのものでなく指紋画像から抽出された指紋データを利用することで、指紋が映る指先画像そのものの流出を防止でき、セキュリティを向上できる。
【0065】
また、実施の形態1に係る指紋登録システム100は、拡大画像とともに、ユーザへの拡大画像の視認を要求する旨の通知(メッセージ)を表示する。これにより、実施の形態1に係る指紋登録システム100は、ユーザによる指先画像の指紋にピントが合っているか否かを視認させた指先(指紋)画像に基づく指紋データを用いた指紋登録を実行できる。
【0066】
また、実施の形態1に係る指紋登録システム100は、指先画像に基づいて、指先画像に映る指紋にピントが合っているか否かを示す評価値を算出し、拡大画像とともに、算出された評価値を表示する。これにより、実施の形態1に係る指紋登録システム100は、指紋認証に適合するか否かを評価値により可視化できるとともに、評価値と拡大画像とを表示することで、指紋登録に適合する指先(指紋)画像か否かのユーザ判断を支援できる。したがって、ユーザは、評価値と拡大画像とにより、効率的に指紋登録できる。
【0067】
また、実施の形態1に係る指紋登録システム100は、指先画像に基づいて、指先画像に映る指紋にピントが合っているか否かを示す評価値を算出し、評価値が閾値を超えた場合、登録操作を受け付け可能にする。これにより、実施の形態1に係る指紋登録システム100は、指紋認証に適合するようにピントが合った状態で撮像されたと判定された指先(指紋)画像のみを指紋登録可能にでき、指紋(指先)画像に基づく、指紋データを用いた指紋登録を効率化して支援できる。
【0068】
また、実施の形態1に係る指紋登録システム100は、指先画像に基づいて、指先画像に映る指紋にピントが合っているか否かを示す評価値を算出し、評価値が閾値を超えない場合、指先画像の再生成とその再生成された指先画像に対応する評価値を再算出し、再算出された評価値が閾値を超えるまで指先画像の再生成とその再生成された指先画像に基づく評価値の再算出とを繰り返す。これにより、実施の形態1に係る指紋登録システム100は、指紋認証に適合するようにピントが合った状態で撮像されたと判定されるまで撮像と評価値の算出を繰り返すため、効率的な指紋(指先)画像に基づく、指紋データを用いた指紋登録を効率化して支援できる。
【0069】
また、実施の形態1に係る指紋登録システム100は、ユーザの撮像操作に基づいて指先を撮像する。これにより、実施の形態1に係る指紋登録システム100は、ユーザの撮像操作に基づいて撮像された指先を含む指先画像に基づく指紋データを生成できる。
【0070】
また、実施の形態1に係る指紋登録システム100は、指先画像の縦幅と拡大画像が表示されるユーザ端末装置の表示領域の縦幅とに基づいて算出された縦方向の拡大倍率と、指先画像の横幅と表示領域の横幅に基づいて算出された横方向の拡大倍率とを比較し、いずれか小さい方の拡大倍率を用いて指先画像を拡大して生成する。これにより、実施の形態1に係る指紋登録システム100は、指先画像のアスペクト比を維持したまま、かつユーザ端末装置1の表示領域内に収まるように指先画像を拡大でき、ユーザの視認をより容易にできる。
【0071】
また、実施の形態1に係る指紋登録システム100は、外部サーバに指紋データを送信した後、登録操作された指先画像をユーザ端末装置1から削除する。これにより、実施の形態1に係る指紋登録システム100は、ユーザ端末装置1内に記憶された指先画像がユーザあるいはユーザ以外の人物によって再利用されることを防止でき、登録された指紋データにおけるセキュリティを向上できる。
【0072】
また、実施の形態1に係る指紋登録システム100は、カメラ13の撮像領域内にユーザの指先が映っていない場合に、指先が撮像領域内にない旨のアラートを出力する。これにより、指紋登録システム100は、ユーザに指先が撮像されていないことを通知できる。
【0073】
以上により、実施の形態1に係る指紋登録システム100におけるユーザ端末装置1は、外部サーバと通信可能に接続されたユーザ端末装置1であって、指先を撮像するカメラ13と、カメラ13によって撮像された指先を含む指先画像を拡大した拡大画像を生成するプロセッサ11と、生成された拡大画像を表示するモニタ14と、指先画像を指紋認証用に登録するか否かのユーザ操作を受け付ける操作部15と、指紋認証を行うための指紋データを外部サーバに送信する通信部10と、を備える。また、ユーザ端末装置1におけるプロセッサ11は、操作部15によってユーザによる指先画像の登録操作が受け付けられた指先画像に映る指紋を検知し、指紋の画像に基づいて、指紋認証を行うための指紋の特徴量を抽出して指紋データを生成する。
【0074】
これにより、実施の形態1に係る指紋登録システム100におけるユーザ端末装置1は、ユーザの指先画像を拡大して表示することで、ユーザによる指先画像の指紋にピントが合っているか否かの視認を容易にする。また、ユーザ端末装置1は、撮像される指先(指紋)画像に基づく指紋データを用いた指紋登録において、指紋認証に適合する指先(指紋)画像の撮像を支援するとともに、指紋画像そのものでなく指紋画像から抽出された指紋データを利用することで、指紋が映る指先画像そのものの流出を防止でき、セキュリティを向上できる。よって、ユーザ端末装置1は、ユーザが指紋認証を利用する施設に出向くことなく、指紋認証に適合するように撮像された指先画像に基づく指紋データの登録を支援できる。
【0075】
(実施の形態2)
実施の形態1に係る指紋登録システム100は、撮像された撮像画像に映る手全体あるいは指から、少なくとも第1関節を含む1本の指先を検知する例を示した。実施の形態2に係る指紋登録システム100では、モニタ14に表示された撮像画像に、少なくとも第1関節を含み、指紋を登録する1本の指先の撮像位置を示すガイドを重畳して表示し、ガイドの周辺領域を含む領域の指先を検知する例について説明する。
【0076】
図6および
図7を参照して、実施の形態2に係るユーザ端末装置1の操作手順および動作手順例について説明する。
図6は、実施の形態2に係るユーザ端末装置1の操作手順および動作手順例を示すシーケンス図である。
図7は、実施の形態2に係るユーザ端末装置1の操作手順および動作手順例を説明する図である。
図7に示す例において、閾値は、評価値1~100のうち評価値80に設定されている。なお、実施の形態2に係るユーザ端末装置1の操作手順および動作手順例は、ステップSt1~ステップSt3およびステップSt7~ステップSt15において、
図4に示す実施の形態1に係るユーザ端末装置1の操作手順および動作手順例とほぼ同一の処理が実行される。よって、実施の形態1と同一の操作手順あるいは動作手順については同一の符号を用いることで、その説明を省略する。
【0077】
プロセッサ11は、ステップSt3において、カメラ13から取得された撮像画像H3に、少なくとも第1関節を含む1本の指先の撮像位置を示すガイドGuを重畳し、モニタ14に出力して表示させる(St3A)。なお、ここでガイドGuの重畳位置は、撮像画像H3から検出された任意の指先の位置に重畳されてもよいし、アプリの起動後にユーザからの撮像する指の選択(設定)操作を受け付け、選択(設定)操作された位置に重畳されてもよい。また、
図7に示すガイドGuの形状は、円形であるが、ガイドGuの形状はこれに限定されず、例えば楕円形状、長方形状、正方形状などであってよいことは言うまでもない。さらに、実施の形態2においてプロセッサ11は、メモリ12に記憶されたユーザ端末装置1が備えるカメラ13の画角に基づいて、ガイドGuの外形の大きさを変化させてよい。また、プロセッサ11は、撮像する指についてのユーザによる選択(設定)操作があった場合には、選択(設定)された指に応じて、ガイドGuの外形の大きさを変化させてよい。
【0078】
ユーザは、表示されたガイドGuが示す撮像位置に指先が位置するように、手をかざす(St2A)。
【0079】
プロセッサ11は、ガイドGuの周辺領域を含む領域に少なくとも第1関節を含む1本の指先があるか否かを検知する(St4A)。なお、プロセッサ11は、
図7に示すステップSt4Aで示される例のように、ガイドGuに指先が位置するように撮像する指示を示すメッセージMsg3「ガイド上に指先を映してください」を生成し、表示させてよい。なお、メッセージMsg3は、音声出力されてもよい。
【0080】
プロセッサ11は、ステップSt4Aの処理において、ガイドGu内に少なくとも第1関節を含む指先を検知した場合(St4A,YES)、撮像画像H3に重畳されたガイドGuが示す撮像領域を含む切出し領域Ar0を切り出し、指先画像Fg1を生成する(St5A)。
【0081】
一方、プロセッサ11は、ステップSt4Aの処理において、
図7に示すステップSt6Aに示される撮像画像H4のように、ガイドGu内に少なくとも第1関節を含む指先を検知しない場合(St4A,NO)、指先が検知されない旨の通知としてアラートMsg4「ガイド内に指先を映してください」を生成し、モニタ14に出力し、表示させる(St6A)。なお、アラートMsg4は、音声出力されてもよい。プロセッサ11は、ステップSt6Aの処理の後、ステップSt3の処理に移行し、再度カメラ13から撮像画像を取得する。
【0082】
なお、
図6に示すシーケンス図には示していないが、ユーザ端末装置1は、ステップSt2Aの処理において、選択された指先を含む領域を切り出してモニタ14に拡大表示してもよい。また、ユーザ端末装置1は、ステップSt2Aの処理において、選択された位置を含む領域を切り出してモニタ14に拡大表示してもよい。これにより、ユーザは、指紋登録に使用する指を決めることができる。また、ユーザは、現在の指先の状態(例えば、傷、汚れなど)を確認した後に指紋登録に使用する指を決めることができるため、指紋登録をより効率的に行うことができる。
【0083】
以上により、実施の形態2に係る指紋登録システム100は、撮像画像にガイドを重畳表示できるとともに、ユーザに撮像位置を示すことができる。これにより、ユーザは、撮像する指先がガイドGu周辺領域を含む領域に位置するように手をかざすことにより、容易に指先(指紋)画像を撮像できる。
【0084】
また、実施の形態2に係る指紋登録システム100は、カメラ13の撮像領域内において指先の撮像位置を指示するガイドを重畳して表示する。これにより、指紋登録システム100は、カメラ13によって撮像された撮像画像のうち、ガイドの周辺領域を含む領域から指先を容易に検知できるとともに、検知された領域に映る指先の指紋についてのみ、指紋の特徴量の抽出および指紋データの生成を実行するため、指紋データの生成までに要する各処理(つまり、指先の検出処理、指紋の特徴量抽出処理、指紋データの生成処理など)の負荷を低減できる。また、ユーザは、ガイドが表示されることにより、指紋登録したい指の指先がガイドの周辺領域を含む領域に位置するように撮像することで、指紋を登録したい指を選択でき、傷がある指あるいは皮のめくれている指を避けて登録することが可能となる。つまり、ユーザは、現在の指先の状態(例えば、傷、汚れなど)を確認した後に指紋登録に使用する指を決めることができるため、指紋登録をより効率的に行うことができる。
【0085】
また、実施の形態2に係る指紋登録システム100は、ガイドの周辺から指先が検知されない場合、指先がガイドの周辺にない旨のアラートを出力する。これにより、指紋登録システム100は、ユーザに指先がガイドの周辺領域を含む領域に映っていないことを通知できる。
【0086】
(実施の形態3)
実施の形態2に係る指紋登録システム100は、指紋を登録する1本の指先の撮像位置を示すガイドを重畳して表示し、ガイドの周辺領域を含む領域の指先を検知する例を示した。実施の形態3に係る指紋登録システム100では、指紋を登録する1本の指についてユーザによる選択操作を受け付け、選択された指の指先を検知する例について説明する。
【0087】
図8および
図9を参照して、実施の形態3に係るユーザ端末装置1の操作手順および動作手順例について説明する。
図8は、実施の形態3に係るユーザ端末装置1の操作手順および動作手順例を示すシーケンス図である。
図9は、実施の形態3に係るユーザ端末装置1の操作手順および動作手順例を説明する図である。
図9に示す例において、閾値は、評価値1~100のうち評価値80に設定されている。なお、実施の形態3に係るユーザ端末装置1の操作手順および動作手順例は、ステップSt1~ステップSt3、ステップSt7~ステップSt9およびステップSt11~ステップSt15において、
図4に示す実施の形態1に係るユーザ端末装置1の操作手順および動作手順例とほぼ同一の処理が実行される。よって、実施の形態1と同一の操作手順あるいは動作手順については同一の符号を用いることで、その説明を省略する。
【0088】
ユーザは、ステップSt3において、モニタ14に表示された撮像画像H5に対して、指紋登録を行う指を選択する(St2B)。なお、ここでプロセッサ11は、
図9に示すステップSt4Bで示される例のように、指紋登録に使用する指を選択する指示を示すメッセージMsg5「使用する指を選択してください」を生成し、表示させてよい。なお、メッセージMsg5は、音声出力されてもよい。
【0089】
プロセッサ11は、ユーザによって指紋を登録する1本の指が選択されたか否かを判定する(St3B)。プロセッサ11は、ステップSt3Bの処理において、ユーザによる指の選択操作があった場合(St3B,YES)、選択された指を画像解析により検知し、さらに選択された指の少なくとも第1関節を含む指先を検知する(St4B)。
【0090】
一方、プロセッサ11は、ステップSt3Bの処理において、ユーザによる指の選択操作がなかった場合(St3B,NO)、
図9に示すステップSt6Bで示される例のように、操作部15の入力に基づいて、登録する指の選択操作が検知されない旨の通知としてアラートMsg6「登録する指を選択してください」を生成し、撮像画像H6とともにモニタ14に出力し、表示させる(St6B)。なお、アラートMsg4は、音声出力されてもよい。プロセッサ11は、ステップSt6Bの処理の後、ステップSt3の処理に移行し、再度カメラ13から撮像画像を取得する。
【0091】
プロセッサ11は、ステップSt4Bの処理において、ユーザにより選択操作された指の指先を検知した場合(St4B,YES)、
図9におけるステップSt5Bに示す例のように検知された指先Gu2を含む撮像領域を含む切出し領域Ar0を切り出し、指先画像Fg1を生成する(St5B)。
【0092】
一方、プロセッサ11は、ステップSt4Bの処理において、ユーザにより選択操作された指の指先が検知されない場合(St4B,NO)、指先が検知されない旨の通知としてアラートMsg1「指先を映してください」を生成し、モニタ14に出力し、表示させる(St6)。なお、このアラートMsg1は、音声出力されてもよい。プロセッサ11は、ステップSt6の処理の後、ステップSt3の処理に移行し、再度カメラ13から撮像画像を取得する。
【0093】
なお、
図8に示すシーケンス図には示していないが、ユーザ端末装置1は、ステップSt2Bの処理において、選択された指先を含む領域を切り出してモニタ14に拡大表示してもよい。また、ユーザ端末装置1は、ステップSt2Bの処理において、選択された位置を含む領域を切り出してモニタ14に拡大表示してもよい。これにより、ユーザは、所謂タッチパネルとしての機能を有するモニタ14上に表示された複数の指のうち、指紋登録に使用する指を直感的に決める(選択する)ことができる。
【0094】
以上により、実施の形態3に係る指紋登録システム100は、ユーザによって選択操作された指の指紋登録を実行できる。これにより、ユーザは、ユーザが希望する指について指紋登録を実行できるとともに、怪我などにより指紋登録に適さない指がある場合などにおいても容易に指紋登録ができる。
【0095】
また、実施の形態3に係る指紋登録システム100は、カメラの撮像領域内に映る1以上の指のうち、1本の指を撮像するためのユーザの選択操作を受け付け、選択操作により選択された指の指先を撮像する。これにより、指紋登録システム100は、指紋認証に適合するように撮像された指先画像に基づく指紋データの登録を支援できる。また、ユーザは、複数の指のうち指紋登録に使用する指を直感的に決める(選択する)ことができる。
【0096】
また、実施の形態3に係る指紋登録システム100は、選択操作がない場合、1本の指が選択されていない旨のアラートを出力する。これにより、指紋登録システム100は、ユーザに指先がガイドの周辺領域を含む領域に映っていないことを通知できる。
【0097】
また、実施の形態3に係る指紋登録システム100は、カメラの撮像領域内に映る1以上の指のうち、1本の指を選択するためのユーザの選択操作を受け付け、選択操作により選択された指を拡大表示する。これにより、ユーザは、現在の指先の状態(例えば、傷、汚れなど)に応じて、指紋登録に使用する指を決める(選択する)ことができる。また、ユーザは、現在の指先の状態(例えば、傷、汚れなど)を確認した後に指紋登録に使用する指を決めることができるため、指紋登録をより効率的に行うことができる。
【0098】
また、実施の形態3に係る指紋登録システム100は、カメラの撮像領域内に対するユーザの選択操作を受け付け、選択操作により選択された位置を拡大表示する。これにより、ユーザは、現在の指先の状態(例えば、傷、汚れなど)に応じて、指紋登録に使用する指を決めることができる。また、ユーザは、現在の指先の状態(例えば、傷、汚れなど)を確認した後に指紋登録に使用する指を決めることができるため、指紋登録をより効率的に行うことができる。
【0099】
以上、添付図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても本開示の技術的範囲に属すると了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各種の実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【0100】
なお、本出願は、2019年12月12日出願の日本特許出願(特願2019-224796)に基づくものであり、その内容は本出願の中に参照として援用される。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本開示は、指紋認証に適合するように撮像された指先画像に基づく指紋データの登録を支援する指紋登録方法およびユーザ端末装置の提示として有用である。
【符号の説明】
【0102】
1 ユーザ端末装置
10,20 通信部
11,21 プロセッサ
12,22 メモリ
13 カメラ
14 モニタ
15 操作部
2 サーバ
23 指紋データベース
Ar0 切出し領域
Ar1 表示領域
Gu ガイド
Fg1,Fg2 指先画像
Msg1,Msg4,Msg6 アラート
RC 登録ボタン