(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】見積りシステム、見積り方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20240927BHJP
【FI】
G06Q30/0601 310
G06Q30/0601 320
(21)【出願番号】P 2023536627
(86)(22)【出願日】2022-05-11
(86)【国際出願番号】 JP2022019941
(87)【国際公開番号】W WO2023002742
(87)【国際公開日】2023-01-26
【審査請求日】2023-11-28
(31)【優先権主張番号】P 2021120689
(32)【優先日】2021-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】真名子 健二
(72)【発明者】
【氏名】岡本 夕紀
【審査官】前田 侑香
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-091203(JP,A)
【文献】特開2007-286949(JP,A)
【文献】特開2010-211571(JP,A)
【文献】国際公開第2021/131622(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0201113(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第111311080(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによって行われる操作であって画面に表示された複数の収納ユニットの配置を指示する操作により、前記複数の収納ユニットの一方が有する第一の側板と前記複数の収納ユニットの他方が有する第二の側板とが接するように前記複数の収納ユニットが隣り合って配置された場合に、前記第一の側板の前記画面への表示をオンしたまま、前記第二の側板の前記画面への表示をオフ
する表示制御部と、
前記複数の収納ユニットそれぞれを構成する部材の単価を示す単価情報が記憶された記憶部と、
前記単価情報に基づいて、前記複数の収納ユニットそれぞれを構成する部材の単価の合計から前記第二の側板の単価を減額することで、表示中の前記複数の収納ユニットの見積り金額を
算出する算出部とを備え、
前記表示制御部は、算出された前記見積り金額を前記画面に表示する
見積りシステム。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記第二の側板よりも高さ方向の寸法が大きい前記第一の側板の前記画面への表示をオンしたまま、前記第二の側板の前記画面への表示をオフする
請求項1に記載の見積りシステム。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記第二の側板よりも奥行方向の寸法が大きい前記第一の側板の前記画面への表示をオンしたまま、前記第二の側板の前記画面への表示をオフする
請求項1に記載の見積りシステム。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記操作により、前記第一の側板と前記第二の側板とが接しないように前記複数の収納ユニットが隣り合って配置された場合に、前記第一の側板及び前記第二の側板の前記画面への表示をオンし、表示中の前記複数の収納ユニットの見積り金額を表示する
請求項1~3のいずれか1項に記載の見積りシステム。
【請求項5】
コンピュータによって実行される見積り方法であって、
ユーザによって行われる操作であって画面に表示された複数の収納ユニットの配置を指示する操作により、前記複数の収納ユニットの一方が有する第一の側板と前記複数の収納ユニットの他方が有する第二の側板とが接するように前記複数の収納ユニットが隣り合って配置された場合に、前記第一の側板の前記画面への表示をオンしたまま、前記第二の側板の前記画面への表示をオフ
するステップと、
前記複数の収納ユニットそれぞれを構成する部材の単価を示す単価情報が記憶された記憶部にアクセスし、前記単価情報に基づいて、前記複数の収納ユニットそれぞれを構成する部材の単価の合計から前記第二の側板の単価を減額することで、表示中の前記複数の収納ユニットの見積り金額を
算出するステップと、
算出された前記見積り金額を前記画面に表示する表示ステップ
とを含む
見積り方法。
【請求項6】
請求項5に記載の見積り方法を
前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納ユニットの見積りシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
家具の価格の見積りなどに関する技術が提案されている。特許文献1には、顧客の購入者が自由かつ容易に家具を設計できるシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、複数の収納ユニットを組み合わせることで得られる収納家具の外観と見積り金額とをユーザに提示することができる見積りシステム等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る見積りシステムは、ユーザによって行われる操作であって画面に表示された複数の収納ユニットの配置を指示する操作により、前記複数の収納ユニットの一方が有する第一の側板と前記複数の収納ユニットの他方が有する第二の側板とが接するように前記複数の収納ユニットが隣り合って配置された場合に、前記第一の側板の前記画面への表示をオンしたまま、前記第二の側板の前記画面への表示をオフし、表示中の前記複数の収納ユニットの見積り金額を表示する表示制御部を備える。
【0006】
本発明の一態様に係る見積り方法は、ユーザによって行われる操作であって画面に表示された複数の収納ユニットの配置を指示する操作により、前記複数の収納ユニットの一方が有する第一の側板と前記複数の収納ユニットの他方が有する第二の側板とが接するように前記複数の収納ユニットが隣り合って配置された場合に、前記第一の側板の前記画面への表示をオンしたまま、前記第二の側板の前記画面への表示をオフし、表示中の前記複数の収納ユニットの見積り金額を表示する表示ステップを含む。
【0007】
本発明の一態様に係るプログラムは、前記見積り方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の見積りシステム等は、複数の収納ユニットを組み合わせることで得られる収納家具の外観と見積り金額とをユーザに提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る見積りシステムの機能構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る見積りシステムの動作例のシーケンス図である。
【
図4】
図4は、実施の形態に係る見積りシステムの動作例における見積り画面を示す第一の図である。
【
図5】
図5は、実施の形態に係る見積りシステムの動作例における見積り画面を示す第二の図である。
【
図6】
図6は、第一収納ユニットとウォールユニットとを組み合わせる場合の見積り画面の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、高さ方向の寸法が同じであり、奥行き方向の寸法が異なる2つの収納ユニットの立体形状を示す図である。
【
図8】
図8は、高さ方向の寸法が同じであり、奥行き方向の寸法が異なる2つの収納ユニットを組み合わせた収納家具の立体形状を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0012】
(実施の形態)
[構成]
まず、実施の形態に係る見積りシステムの構成について説明する。
図1は、実施の形態に係る見積りシステムの機能構成を示すブロック図である。
【0013】
実施の形態に係る見積りシステム10は、複数の収納ユニットを組み合わせて得られる収納家具の見積り金額をユーザに提示することができるシステムである。収納ユニットとは、物品が収納される棚などを意味し、実施の形態では、いわゆる壁面収納用の収納家具の一部である。収納ユニットの中には、配線用ユニット、TV用ユニット、コーナーユニット、デスク用ユニット、及び、ウォールユニットなどが含まれる。
【0014】
例えば、ユーザが情報端末20にブラウザを実行させることによりサーバ装置30が提供する専用のWEBサイトにアクセスすると、情報端末20の表示部22には、
図2のような見積り画面が表示される。
図2は、見積り画面の一例を示す図である。
【0015】
ユーザは、
図2の見積り画面が表示されているときに、収納ユニットの配置を指示する操作を行う。ユーザは、具体的には、画面左側の領域22aに表示された収納ユニットのアイコン(
図2の例では6つのアイコン)の1つに対して選択操作を行うことで、配置したい収納ユニットを選択することができる。また、ユーザは、選択した収納ユニットを、画面右側の配置領域22bへドラッグアンドドロップ操作することにより、当該1つの収納ユニットを配置領域22bへ配置することができる。ユーザは、この操作を繰り返すことにより、複数の収納ユニットを配置領域22bへ配置することができる。
【0016】
配置領域22bに1つ以上収納ユニットが配置されると、配置領域22bの下方の左側には配置領域22bに配置された1つ以上の収納ユニットの立体
図22cが表示され、配置領域22bの下方の右側には、配置領域22bに配置された1つ以上の収納ユニットの上面
図22dが表示される。
【0017】
ユーザは、画面左下の「金額を計算する」と記載された見積りアイコン22eを選択すると、当該見積りアイコン22eの下側に見積り金額が表示される。このように、見積りシステム10は、複数の収納ユニットを組み合わせて得られる収納家具の外観と見積り金額とをユーザに提示することができる。
【0018】
見積りシステム10は、具体的には、情報端末20と、サーバ装置30とを備える。まず、情報端末20について説明する。情報端末20は、収納ユニットの購入を検討しているユーザによって使用される情報端末である。情報端末20は、例えば、パーソナルコンピュータなどの据え置き型の情報端末であるが、スマートフォンまたはタブレット端末などの携帯型の情報端末であってもよい。情報端末20は、具体的には、操作受付部21と、表示部22と、制御部23と、記憶部24と、通信部25とを備える。
【0019】
操作受付部21は、ユーザの操作を受け付ける。操作受付部21は、例えば、上述のアイコンの選択操作、及び、ドラッグアンドドロップ操作をユーザから受け付ける。操作受付部21は、例えば、マウス及びキーボードなどによって実現されるが、タッチパネルによって実現されてもよい。
【0020】
表示部22は、
図2に示される見積り画面を表示する。表示部22は、例えば、液晶パネルまたは有機EL(Electro Luminescence)パネルなどの表示パネルによって実現される。
【0021】
制御部23は、
図2に示される見積り画面を表示部22へ表示し、かつ、操作受付部21によって受け付けられた操作に基づいて表示された見積り画面を更新する制御などを行う。制御部23は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。制御部23の機能は、例えば、制御部23を構成するマイクロコンピュータまたはプロセッサなどが記憶部24に記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって実現される。
【0022】
記憶部24は、制御部23によって実行されるコンピュータプログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部24は、例えば、半導体メモリなどによって実現される。
【0023】
通信部25は、情報端末20がサーバ装置30とインターネットなどの広域通信ネットワーク70を介して通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。通信部25は、例えば、操作受付部21によって受け付けられた操作の内容を示す操作情報をサーバ装置30へ送信し、応答として表示部22に表示される見積り画面を更新するための画面情報を受信する。通信部25によって行われる通信は、例えば、有線通信であるが、無線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格についても特に限定されない。
【0024】
次に、サーバ装置30について説明する。サーバ装置30は、
図2のような見積り画面を表示部22に表示するために画面情報を情報端末20へ提供するための情報処理を行うクラウドサーバ(サーバ装置)である。サーバ装置30は、通信部31と、情報処理部32と、記憶部33とを備える。
【0025】
通信部31は、サーバ装置30が情報端末20と広域通信ネットワーク70を介して通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。通信部31によって行われる通信は、例えば、有線通信であるが、無線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格についても特に限定されない。
【0026】
情報処理部32は、上記画面情報を生成し、生成した画面情報を情報端末20へ提供するための情報処理を行う。情報処理部32は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。情報処理部32は、機能的な構成要素として、表示制御部34、及び、算出部35を有する。表示制御部34は、通信部31が情報端末20から受信した操作情報に基づいて画面情報を生成する。算出部35は、通信部31が情報端末20から受信した操作情報が見積りアイコン22eが操作されたことを示す場合に、見積り金額を算出する。表示制御部34、及び、算出部35の機能は、例えば、情報処理部32を構成するマイクロコンピュータまたはプロセッサ等が記憶部33に記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって実現される。
【0027】
記憶部33は、情報処理部32によって実行されるコンピュータプログラム、及び、上記情報処理を行うために用いられる各種情報などが記憶される記憶装置である。記憶部33は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)などによって実現される。
【0028】
[動作例]
以下、見積りシステム10の動作の具体例について
図3を参照しながら説明する。
図3は、見積りシステム10の動作例のシーケンス図である。
【0029】
まず、ユーザは、見積り画面の配置領域22bにおいて2つの収納ユニットが間隔をあけて隣り合うように配置されることを意図した操作を行い、情報端末20の操作受付部21は、このような操作を受け付ける(S11)。通信部25は、ユーザの操作が受け付けられると、このような操作の内容を示す操作情報をサーバ装置30へ送信する(S12)。
【0030】
サーバ装置30の通信部31は、操作情報を受信する。表示制御部34は、受信された操作情報に基づいて画面情報を生成し(S13)、生成した画面情報を情報端末20へ送信する(S14)。画面情報は、具体的には、通信部31によって情報端末20へ送信される。
【0031】
情報端末20の通信部25は、画面情報を受信する。制御部23は、受信された画面情報に基づいて
図4のような見積り画面を表示する(S15)。
図4は、本動作例における見積り画面を示す第一の図である。なお、
図4の見積り画面は、上記
図2に相当する画面であるが、説明のために簡略化されている。
【0032】
図4の見積り画面においては、2つの収納ユニットの見積り金額についても表示されている。なお、
図3のシーケンス図では詳細に図示されないが、見積り金額は、見積りアイコン22eへの操作に応じて算出部35によって算出され、表示制御部34によって生成される画面情報には、算出された見積り金額を表示するための情報が含められる。
【0033】
図4の例では、配置領域22bには、第一収納ユニット41及び第二収納ユニット42が間隔を空けて配置されている。第一収納ユニット41は、具体的には、右側の第一の側板41R、本体部41C(具体的には、背板及び棚板など)、及び、左側の第一の側板41Lを有する収納ユニットであり、第二収納ユニット42は、具体的には、右側の第二の側板42R、本体部42C(具体的には、背板及び棚板など)、及び、左側の第二の側板42Lを有する収納ユニットである。
【0034】
その後、ユーザは、配置領域22bにおいて第一収納ユニット41の右側の第一の側板41R、及び、第二収納ユニット42の左側の第二の側板42Lが接するように第一収納ユニット41及び第二収納ユニット42が隣り合って配置することを意図した操作を行い、情報端末20の操作受付部21は、このような操作を受け付ける(S16)。通信部25は、ユーザの操作が受け付けられると、このような操作の内容を示す操作情報をサーバ装置30へ送信する(S17)。
【0035】
サーバ装置30の通信部31は、操作情報を受信する。表示制御部34は、受信された操作情報に基づいて画面情報を生成し(S18)、生成した画面情報を情報端末20へ送信する(S19)。画面情報は、具体的には、通信部31によって情報端末20へ送信される。
【0036】
情報端末20の通信部25は、画面情報を受信する。制御部23は、受信された画面情報に基づいて
図5のような見積り画面を表示する(S20)。言い換えれば、見積り画面を更新する。
図5は、本動作例における見積り画面を示す第二の図である。なお、
図5の見積り画面は、上記
図2に相当する画面であるが、説明のために簡略化されている。
【0037】
図5の見積り画面の配置領域22bにおいては、ステップS16の操作の通りに互いに接触した側板がそのまま表示されるのではなく、互いに接触した側板の一方の表示がオフされる。具体的には、配置領域22bにおいては、第一の側板41Rの表示がオンされたまま、第二の側板42Lの表示がオフされる。なお、
図5においては図示されていないが、
図2の立体
図22c及び上面
図22dに相当する領域においても第一の側板41Rの表示がオンされたまま、第二の側板42Lの表示がオフされる。
【0038】
また、
図5の見積り画面に表示されている見積り金額は、
図4の見積り画面に表示されている見積り金額と異なっている。
図4の見積り画面に表示されている金額は、例えば、第一収納ユニット41の単価と第二収納ユニット42の単価とを単純に合計した金額である。これに対し、
図5の見積り画面に表示されている見積り金額は、表示中の収納家具(第一収納ユニット41及び第二収納ユニット42を第二の側板42Lが省略された状態で組み合わせることで得られる収納家具)の金額である。見積り金額は、具体的には、第二の側板42Lの部材費(単価)が減額され、第一の側板41Rに本体部41C及び本体部42Cの両方が接続されるものとして算出された金額である。なお、上述のように、見積り金額は、見積りアイコン22eへの操作に応じて算出部35によって算出される。
【0039】
サーバ装置30の記憶部33には、第一収納ユニット41のモデル情報(3次元CAD(Computer-Aided Design)データなどの構造データ)として、右側の第一の側板41R、本体部41C、及び、左側の第一の側板41Lを区別して取り扱えるようなモデル情報が記憶されている。また、右側の第一の側板41R、本体部41C、及び、左側の第一の側板41Lのそれぞれには、当該部材の単価情報が紐づけられている。同様に、記憶部33には、第二収納ユニット42のモデル情報として、右側の第二の側板42R、本体部42C、及び、左側の第二の側板42Lを区別して取り扱えるようなモデル情報が記憶されている。また、右側の第二の側板42R、本体部42C、及び、左側の第二の側板42Lのそれぞれには、当該部材の単価情報が紐づけられている。
【0040】
このように記憶部33には、配置領域22bに配置される可能性のある複数の収納ユニットのそれぞれのモデル情報が、側板を分離して取り扱えるような態様で記憶されている。このため、表示制御部34は、互いに接触した側板の一方の表示がオフされた場合の画面情報を生成し、情報端末20(表示部22)に表示させることができる。また、算出部35は、互いに接触した側板の一方が無い場合の見積り金額を算出することができる。
【0041】
なお、
図5に示されるように第二の側板42Lの表示がオフされた状態で、第一収納ユニット41及び第二収納ユニット42を引き離すような操作が行われると、
図5の見積り画面が
図4の見積り画面のように更新される。つまり、第二の側板42Lの表示が再びオン(復元)され、これに応じた見積り金額が表示される。
【0042】
以上説明したように、見積りシステム10は、ユーザによって行われる操作であって画面に表示された複数の収納ユニットの配置を指示する操作により、複数の収納ユニットの一方が有する第一の側板41Rと複数の収納ユニットの他方が有する第二の側板42Lとが接するように複数の収納ユニットが隣り合って配置された場合に、第一の側板41Rの画面への表示をオンしたまま、第二の側板42Lの画面への表示をオフし、表示中の複数の収納ユニット全体の見積り金額を表示する(具体的には、画面情報を情報端末20へ送信する)表示制御部34を備える。
【0043】
このような見積りシステム10は、複数の収納ユニットを組み合わせることで得られる収納家具の外観と見積り金額とをユーザに提示することができる。実際に販売される収納家具が複数の収納ユニットの側板を共通化したものである場合には、ユーザは、特別な操作を行わなくても、収納家具の実物(実態)に即した情報の提示を受けることができる。
【0044】
なお、配置領域22bにおいて2つの収納ユニットの側板が接するように配置された場合に、2つの収納ユニットのどちらの側板を表示オフするかは、表示制御部34によって判断される。
図4及び
図5の例では、第一収納ユニット41及び第二収納ユニット42は、奥行き方向の寸法(図示せず)は同一であるが、高さ方向の寸法については、第一収納ユニット41のほうが第二収納ユニット42よりも大きい。この場合、表示制御部34は、第一収納ユニット41の第一の側板41Rの表示を優先し、第二収納ユニット42の第二の側板42Lの表示をオフする。
【0045】
仮に、第二収納ユニット42の第二の側板42Lの表示が優先され、第一収納ユニット41の第一の側板41Rの表示がオフされると、本体部43Cの右側の側板の一部が欠けてしまうことになり、見積り画面に表示される収納家具の仕様が実際に販売される収納家具と異なってしまう。つまり、表示制御部34は、高さ方向の寸法が大きい側板の表示を優先することで、収納家具の実物(実態)に即した表示を行うことができる。
【0046】
なお、
図4及び
図5の例では、第一収納ユニット41及び第二収納ユニット42は、いずれも床面に載置される収納ユニットであるが、収納ユニットの中には、
図6に示されるように床面と間隔を空けて設置されるウォールユニット43が含まれる。
図6は、第一収納ユニット41とウォールユニット43とを組み合わせる場合の見積り画面の一例を示す図である。ウォールユニット43は、右側の第二の側板43R、本体部43C(具体的には、背板及び棚板など)、左側の第二の側板43Lを有する収納ユニットである。
【0047】
第一収納ユニット41及びウォールユニット43は、奥行き方向の寸法は同一であるが、高さ方向の寸法については、第一収納ユニット41のほうがウォールユニット43よりも大きい。このため、第一収納ユニット41の右側の第一の側板41R、及び、ウォールユニット43の左側の第二の側板43Lが接するように第一収納ユニット41及びウォールユニット43が隣り合って配置することを意図した操作が行われると、表示制御部34は、第一収納ユニット41の第一の側板41Rの表示を優先し、ウォールユニット43の第二の側板43Lの表示をオフする。
【0048】
仮に、ウォールユニット43の第二の側板43Lの表示が優先され、第一収納ユニット41の第一の側板41Rの表示がオフされると、本体部42Cの右側の側板の一部が欠けてしまうことになり、見積り画面に表示される収納家具の仕様が実際に販売される収納家具と異なってしまう。つまり、表示制御部34は、高さ方向の寸法が大きい側板の表示を優先することで、収納家具の実物(実態)に即した表示を行うことができる。
【0049】
また、2つの収納ユニットの高さ方向の寸法が同じであり、奥行き方向の寸法が異なる場合も考えられる。
図7は、このような2つの収納ユニット(第一収納ユニット41及び第二収納ユニット44)の立体形状を示す図である。具体的には、
図7の(a)は、第一収納ユニット41及び第二収納ユニット44の上面図であり、
図7の(b)は、第一収納ユニット41及び第二収納ユニット44の正面図である。なお、第二収納ユニット44は、右側の第二の側板44R、本体部44C(具体的には、背板及び棚板など)、及び、左側の第二の側板44Lを有する収納ユニットである。
【0050】
第一収納ユニット41及び第二収納ユニット44は、高さ方向の寸法は同一であるが、奥行き方向の寸法については、第一収納ユニット41のほうが第二収納ユニット44よりも大きい。第一収納ユニット41の右側の第一の側板41R、及び、第二収納ユニット44の左側の第二の側板44Lが接するように第一収納ユニット41及び第二収納ユニット44が隣り合って配置することを意図した操作が行われると、表示制御部34は、第一収納ユニット41の第一の側板41Rの表示を優先し、第二収納ユニット44の第二の側板44Lの表示をオフする。つまり、表示制御部34は、奥行き方向の寸法が大きい側板の表示を優先する。
【0051】
第一収納ユニット41及び第二収納ユニット44を組み合わせることで得られる収納家具の実物の立体形状は、
図8のようになると考えられる。
図8は、第一収納ユニット41及び第二収納ユニット44を組み合わせた収納ユニットの立体形状を示す図である。具体的には、
図8の(a)は、第一収納ユニット41及び第二収納ユニット44の上面図であり、
図8の(b)は、第一収納ユニット41及び第二収納ユニット44の正面図である。
【0052】
表示制御部34は、奥行き方向の寸法が大きい側板の表示を優先することで、配置領域22bに
図8の(b)のような画像を表示することができる。つまり、表示制御部34は、収納家具の実物(実態)に即した表示を行うことができる。
【0053】
なお、図示されないが、共通化される側板の形状及び大きさが同一である場合にどちらの側板が優先して表示されるかは、あらかじめルール(左側を残すなど)によって定められていればよい。また、見積りシステム10においては、実物として考えた場合に当該実物の収納家具の機能が十分でない(例えば、側板の一部が欠けてしまうなど)ような複数の収納ユニットの配置が指示された場合には、エラーとなり見積り金額が表示されないような仕組みとなっている。見積りシステム10は、実物として考えた場合に当該実物の収納家具の機能が十分でないような複数の収納ユニットの配置については、このような配置を意図した操作自体が許容されないような仕組みを有してもよい。
【0054】
[効果等]
以上説明したように、見積りシステム10は、ユーザによって行われる操作であって画面に表示された複数の収納ユニットの配置を指示する操作により、複数の収納ユニットの一方が有する第一の側板41Rと複数の収納ユニットの他方が有する第二の側板42Lとが接するように複数の収納ユニットが隣り合って配置された場合に、第一の側板41Rの画面への表示をオンしたまま、第二の側板42Lの画面への表示をオフし、表示中の複数の収納ユニットの見積り金額を表示する表示制御部34を備える。ここでの画面は、例えば、上記実施の形態の見積り画面である。
【0055】
このような見積りシステム10は、複数の収納ユニットを組み合わせることで得られる収納家具の外観と見積り金額とをユーザに提示することができる。
【0056】
また、例えば、表示制御部34は、第二の側板42Lよりも高さ方向の寸法が大きい第一の側板41Rの画面への表示をオンしたまま、第二の側板42Lの画面への表示をオフする。
【0057】
このような見積りシステム10は、第一の側板41R及び第二の側板42Lのうち、高さ方向の寸法が大きい第一の側板41Rを優先して表示することで、実態に即した収納家具の外観と見積り金額とをユーザに提示することができる。
【0058】
また、例えば、表示制御部34は、ユーザによって行われる操作であって画面に表示された複数の収納ユニットの配置を指示する操作により、複数の収納ユニットの一方が有する第一の側板41Rと複数の収納ユニットの他方が有する第二の側板44Lとが接するように複数の収納ユニットが隣り合って配置された場合に、第二の側板44Lよりも奥行方向の寸法が大きい第一の側板41Rの画面への表示をオンしたまま、第二の側板44Lの画面への表示をオフする。
【0059】
このような見積りシステム10は、第一の側板41R及び第二の側板44Lのうち、奥行き方向の寸法が大きい第一の側板41Rを優先して表示することで、実態に即した収納家具の外観と見積り金額とをユーザに提示することができる。
【0060】
また、例えば、表示制御部34は、上記操作により、第一の側板41Rと第二の側板42Lとが接しないように複数の収納ユニットが隣り合って配置された場合に、第一の側板41R及び第二の側板42Lの画面への表示をオンし、表示中の複数の収納ユニットの見積り金額を表示する。
【0061】
このような見積りシステム10は、ユーザの操作に応じて、第二の側板42Lの画面への表示を元に戻すことができる。
【0062】
また、見積りシステム10などのコンピュータによって実行される見積り方法は、ユーザによって行われる操作であって画面に表示された複数の収納ユニットの配置を指示する操作により、複数の収納ユニットの一方が有する第一の側板41Rと複数の収納ユニットの他方が有する第二の側板42Lとが接するように複数の収納ユニットが隣り合って配置された場合に、第一の側板41Rの画面への表示をオンしたまま、第二の側板42Lの画面への表示をオフし、表示中の複数の収納ユニットの見積り金額を表示する表示ステップを含む。
【0063】
このような見積り方法は、複数の収納ユニットを組み合わせることで得られる収納家具の外観と見積り金額とをユーザに提示することができる。
【0064】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0065】
例えば、上記実施の形態では、見積りシステムは、壁面収納用の収納家具を対象としたが、その他の収納家具を対象としてもよい。
【0066】
また、上記実施の形態では、見積り画面は、情報端末がブラウザを実行することにより表示されたが、情報端末が専用のアプリケーションプログラムを実行することにより表示されてもよい。
【0067】
また、上記実施の形態において、配置領域に収納ユニットを配置するための操作方法、及び、見積り金額を算出するための操作方法などは一例であり、他の操作方法が採用されてもよい。例えば、上記実施の形態では、見積り金額は、見積りアイコンの選択操作に基づいて算出されたが、このような選択操作が省略され、配置領域に収納ユニットが配置されるごとに自動的に見積り金額が算出されてもよい。
【0068】
また、上記実施の形態では、見積りシステムは、複数の装置によって実現されたが、単一の装置として実現されてもよい。例えば、見積りシステムは、サーバ装置に相当する単一の装置として実現されてもよい。見積りシステムが複数の装置によって実現される場合、見積りシステムが備える構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。例えば、サーバ装置が有する機能的な構成要素(表示制御部及び算出部)の一部または全部は、情報端末によって備えられてもよい。
【0069】
また、上記実施の形態における装置間の通信方法については特に限定されるものではない。また、装置間の通信においては、図示されない中継装置が介在してもよい。
【0070】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。例えば、上記実施の形態において、サーバ装置が実行する処理の一部または全部を情報端末が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0071】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0072】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0073】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0074】
例えば、本発明は、見積りシステムなどのコンピュータが実行する見積り方法として実現されてもよいし、このような見積り方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。また、本発明は、汎用のコンピュータを上記実施の形態の情報端末として動作させるためのアプリケーションプログラムとして実現されてもよい。本発明は、これらのプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0075】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0076】
10 見積りシステム
34 表示制御部
35 算出部
41 第一収納ユニット(複数の収納ユニットの一方)
41R 第一の側板
42、44 第二収納ユニット(複数の収納ユニットの他方)
42L、44L、43L 第二の側板
43 ウォールユニット(複数の収納ユニットの他方)