(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】キャップ及びキャップ付バイアル
(51)【国際特許分類】
B65D 51/20 20060101AFI20240927BHJP
B65D 51/00 20060101ALI20240927BHJP
A61J 1/05 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
B65D51/20
B65D51/00 100
A61J1/05 315D
(21)【出願番号】P 2021529182
(86)(22)【出願日】2020-07-02
(86)【国際出願番号】 JP2020026003
(87)【国際公開番号】W WO2021002427
(87)【国際公開日】2021-01-07
【審査請求日】2023-06-16
(31)【優先権主張番号】P 2019124057
(32)【優先日】2019-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000206185
【氏名又は名称】大成化工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】矢野 幸博
(72)【発明者】
【氏名】宮武 諭
(72)【発明者】
【氏名】小川 幸弘
(72)【発明者】
【氏名】内 薫徳
【審査官】加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-093586(JP,A)
【文献】国際公開第2015/029580(WO,A1)
【文献】実開平07-021564(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 51/20
B65D 51/00
A61J 1/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天側に位置する口部を有し、該口部の開口が栓により塞がれたバイアルに装着されるキャップであって、
前記バイアルの前記口部に外嵌可能な筒体、及び、該筒体が前記バイアルの前記口部に外嵌された状態において、該筒体の天側に配置されるとともに、前記栓の天側の面を露出する貫通孔が設けられる天板を含むキャップ本体と、
前記天板の天側に取り外し可能に取り付けられ
、前記キャップ本体の材質よりも柔らかい材質で構成される保護カバーと、
前記保護カバーと前記天板とを取り付ける取付手段と、を備え、
前記天板は、前記貫通孔の周りに配置される天板環状部を有し、
前記保護カバーは、前記天板に取り付けられた状態において、前記天板から離間して配置される下面を有するカバー本体部を含み、
前記取付手段は、
前記貫通孔の周りに環状に形成されるカバー取付部であって、前記カバー本体部の下面から前記天板環状部の天側に向けて突設されて前記保護カバーと前記天板とを取り付けるように構成されたカバー取付部と、
前記カバー本体部の下面から前記天板環状部の天側に向けて突設されたカバー突設部であって、前記カバー取付部の径方向における外側に配置されたカバー突設部と、を含み、
前記カバー取付部の下面と前記カバー突設部の下面とは、面一であり、前記天板の天側の面に取り付けられており、
前記天板の天側の面はフラット面である、キャップ。
【請求項2】
前記カバー突設部は、前記カバー取付部から径方向における外方に延びている、請求項1に記載のキャップ。
【請求項3】
前記天板は、前記天板環状部の下面から下方に突出する天板突出部を有し、
前記天板突出部は、前記天板の貫通孔を囲む環状に形成されている、請求項1又は2に記載のキャップ。
【請求項4】
前記キャップ本体の筒体の内周面に、該内周面から径内方向に突出し且つ下方に延びる複数の縦リブが設けられ、
前記複数の縦リブは、該縦リブの先端縁が栓の外周部分に当接するように構成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載のキャップ。
【請求項5】
天側に位置する口部を有し、該口部の開口が栓により塞がれたバイアルと、
前記バイアルに装着されるキャップと、を備え、
前記キャップは、
前記バイアルの前記口部に外嵌可能な筒体、及び、該筒体が前記バイアルの前記口部に外嵌された状態において、該筒体の天側に配置されるとともに、前記栓の天側の面を露出する貫通孔が設けられる天板を含むキャップ本体と、
前記天板の天側に取り外し可能に取り付けられ
、前記キャップ本体の材質よりも柔らかい材質で構成される保護カバーと、
前記保護カバーと前記天板とを取り付ける取付手段と、を備え、
前記天板は、前記貫通孔の周りに配置される天板環状部を有し、
前記保護カバーは、前記天板に取り付けられた状態において、前記天板から離間して配置される下面を有するカバー本体部を含み、
前記取付手段は、
前記貫通孔の周りに環状に形成されるカバー取付部であって、前記カバー本体部の下面から前記天板環状部の天側に向けて突設されて前記保護カバーと前記天板とを取り付けるように構成されたカバー取付部と、
前記カバー本体部の下面から前記天板環状部の天側に向けて突設されたカバー突設部であって、前記カバー取付部の径方向における外側に配置されたカバー突設部と、を含み、
前記カバー取付部の下面と前記カバー突設部の下面とは、面一であり、前記天板の天側の面に取り付けられており、
前記天板の天側の面はフラット面である、キャップ付バイアル。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、日本国特願2019-124057号の優先権を主張し、引用によって本願明細書の記載に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、薬剤を収容し且つ口部に栓が内嵌されるバイアルに装着され、薬剤の投与時まで栓を封止するキャップ及びキャップ付バイアルに関する。
【背景技術】
【0003】
従来、薬液を収容可能であり、且つ、口部が栓により塞がれるバイアルが用いられている。また、このようなバイアルを封止するためのキャップが知られている(特許文献1)。このキャップは、バイアルに取り付けられるキャップ本体と、キャップ本体に取り付けられる保護カバーと、を備える。キャップ本体は、中央に貫通孔が設けられた形状の天板(即ち、略円環状の天板)と、天板の外縁から下方に延びる筒部と、を有する。キャップ本体がバイアルに取り付けられた状態において、キャップ本体の貫通孔は栓を露出する。保護カバーは、略円板状であり、その下面が天板の上面の全域に接触した状態で、キャップ本体に取り付けられている。このようにキャップ本体に取り付けられることにより、保護カバーは、キャップ本体の貫通孔から露出した栓を封止する。また、キャップ本体の筒軸方向から視ると、保護カバーはキャップ本体の天板よりも僅かに外側まで広がっている。これにより、保護カバーの下方においてキャップの外縁部の外側に僅かな空間が生じている。
【0004】
このようなバイアルに収容された薬液を使用する際には、キャップ本体をバイアルに取り付けた状態で、保護カバーをキャップ本体から取り外す。例えば、作業者は、キャップ本体から保護カバーを指で押し上げることによって、保護カバーをキャップ本体から剥がして取り外す。その後、作業者は、キャップ本体の貫通孔から露出した栓に注射針を差し込んで、バイアル内から注射器内に吸い上げた薬液を使用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記キャップでは、保護カバーの下方におけるキャップ本体の外周部の外側にある空間が狭く、また、保護カバーの下面が天板の上面の全域に接触して接着している。そのため、このキャップでは、保護カバーをキャップ本体から剥がしにくかった。
【0007】
本発明は、保護カバーを剥がしやすいキャップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のキャップは、
天側に位置する口部を有し、該口部の開口が栓により塞がれたバイアルに装着されるキャップであって、
前記バイアルの前記口部に外嵌可能な筒体、及び、該筒体が前記バイアルの前記口部に外嵌された状態において、該筒体の天側に配置されるとともに、前記栓の天側の面を露出する貫通孔が設けられる天板を含むキャップ本体と、
前記天板の天側に取り外し可能に取り付けられる保護カバーと、
前記保護カバーと前記天板とを取り付ける取付手段と、を備え、
前記天板は、前記貫通孔の周りに配置される天板環状部を有し、
前記保護カバーは、前記天板に取り付けられた状態において、前記天板から離間して配置される下面を有するカバー本体部を含み、
前記取付手段は、前記貫通孔の周りに環状に形成されるカバー取付部であって、前記カバー本体部の下面から前記天板環状部の天側に向けて、又は、前記天板環状部の天側から前記カバー本体部の下面に向けて突設されて前記保護カバーと前記天板とを取り付けるように構成されたカバー取付部を含む。
【0009】
前記取付手段は、前記カバー取付部の径方向における外側に配置されたカバー突設部を含んでもよい。
【0010】
また、前記キャップでは、前記カバー突設部は、前記カバー取付部から径方向における外方に延びていてもよい。
【0011】
また、前記キャップでは、
前記天板は、前記天板環状部の下面から下方に突出する天板突出部を有し、
前記天板突出部は、前記天板の貫通孔を囲む環状に形成されていてもよい
【0012】
また、前記キャップでは、
前記キャップ本体の筒体の内周面に、該内周面から径内方向に突出し且つ下方に延びる複数の縦リブが設けられ、
前記複数の縦リブは、該縦リブの先端縁が栓の外周部分に当接するように構成されていてもよい。
【0013】
本発明のキャップ付バイアルは、
天側に位置する口部を有し、該口部の開口が栓により塞がれたバイアルと、
前記バイアルに装着されるキャップと、を備え、
前記キャップは、
前記バイアルの前記口部に外嵌可能な筒体、及び、該筒体が前記バイアルの前記口部に外嵌された状態において、該筒体の天側に配置されるとともに、前記栓の天側の面を露出する貫通孔が設けられる天板を含むキャップ本体と、
前記天板の天側に取り外し可能に取り付けられる保護カバーと、
前記保護カバーと前記天板とを取り付ける取付手段と、を備え、
前記天板は、前記貫通孔の周りに配置される天板環状部を有し、
前記保護カバーは、前記天板に取り付けられた状態において、前記天板から離間して配置される下面を有するカバー本体部を含み、
前記取付手段は、前記貫通孔の周りに環状に形成されるカバー取付部であって、前記カバー本体部の下面から前記天板環状部の天側に向けて、又は、前記天板環状部の天側から前記カバー本体部の下面に向けて突設されて前記保護カバーと前記天板とを取り付けるように構成されたカバー取付部を含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本実施形態に係るキャップが装着されたバイアルの正面図である。
【
図2】
図2は、前記キャップが装着されたバイアルの斜視図である。
【
図3】
図3は、前記キャップが装着されたバイアルの分解斜視図である。
【
図4】
図4は、前記キャップにおけるキャップ本体、カバー取付部、カバー突設部を説明するための平面図である。
【
図5】
図5は、前記キャップにおける保護カバーの背面図である。
【
図7】
図7は、変形例に係るキャップにおける保護カバーの背面図である。
【
図8】
図8は、変形例に係るキャップにおける保護カバーの背面図である。
【
図9】
図9は、変形例に係るキャップにおける保護カバーの背面図である。
【
図10】
図10は、変形例に係るキャップが装着されたバイアルの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態について、
図1~
図6を参照しつつ説明する。本実施形態に係るキャップ1は、
図1、
図2に示すように、バイアル2の口部20に装着される。キャップ1は、キャップ本体3と、保護カバー6と、保護カバー6とキャップ本体3とを取り付ける取付手段10と、を備える。以下、バイアル2の構成について説明した後に、キャップ1を構成するキャップ本体3や保護カバー6の構成について説明する。
【0016】
バイアル2は、薬剤、例えば、薬液を収容する容器である。バイアル2に収容される薬液は、例えば、冷凍状態または低温状態(例えば-85℃)で保管や輸送される薬液である。バイアル2の口部20は、天側(
図1、
図2における上側)に位置している。また、バイアル2は、
図3に示すように、薬液を収容する瓶21と、瓶21の口部20の開口を塞ぐ栓22と、を含む。以下、口部20の延びる方向(即ち、口部20の高さ方向(
図1~
図3における上下方向))を単に「高さ方向」と称する。また、高さ方向における天側と反対側を「下側」と称する。
【0017】
瓶21は、例えば、薬液を収容する部材である(
図3参照)。また、瓶21は、例えば、有底円筒状である。本実施形態の瓶21は、天側に位置し且つバイアル2の口部20を構成する瓶口部210と、瓶口部210と連続し且つ瓶口部210よりも径の大きい瓶本体部211と、を有する。本実施形態の瓶口部210は、瓶口部210の天側(頂側)の端部を構成するとともに、径方向における外側に突出したフランジ部212を有する。
【0018】
栓22は、瓶21を密封し、薬液を患者に投与する際に、注射針が刺し通される部材である。本実施形態の栓22は、口部20に内嵌されている。また、栓22は、略円盤状であり、例えば、天側に配置される栓大径部220と、栓大径部220から下方に突出し且つ栓大径部220よりも径の小さい栓小径部221と、を有する。栓22の材質としては、例えば、ブチルゴムなどの弾性体が挙げられる。
【0019】
栓大径部220は、瓶口部210のフランジ部212に載置される部位である。また、栓大径部220は、下側に位置する下面222と、天側に位置する天面223を有する。
【0020】
天面223は、径方向における中央に位置する天面中央部224と、天面中央部224よりも径方向における外側に位置し、且つ、天面中央部224よりも天側に位置する天面外周部225と、を含む。即ち、天面223は、天面中央部224が天面外周部225よりも一段下がった形状を有する。
【0021】
栓小径部221は、瓶口部210の内部に載置される部位である。栓小径部221は、栓大径部220の下面222から下方に延びる。例えば、栓小径部221は、円筒状である。
【0022】
キャップ1では、キャップ本体3や保護カバー6の材質や形状により、保護カバー6と天板5とを取り付ける取付手段10が構成されている。具体的に、取付手段10において、保護カバー6と天板5との双方に密着力が生じ、保護カバー6と天板5とが密着することにより、保護カバー6と天板5とが取り付けられる。この密着力は、後述するキャップ本体3と保護カバー6との材質の組み合わせにより生じる。また、取付手段10は、後述するように、カバー本体部7の下面70から天板環状部51の天側に向けて、又は、天板環状部51の天側からカバー本体部7の下面70に向けて突設されて保護カバー6と天板5とを取り付け可能に構成されている。本実施形態の取付手段10は、カバー本体部7の下面70から天板環状部51の天側に向けて、突設されている。また、取付手段10は、後述するカバー取付部8やカバー突設部9を含む。なお、取付手段10は、天板環状部51の天側からカバー本体部7の下面70に向けて突設されてもよい。
【0023】
キャップ本体3は、瓶21から取り外されないよう、バイアル2の口部20に栓22が取り付けられる部位である。また、キャップ本体3は、バイアル2の口部20に外嵌可能な筒体4、及び、貫通孔50が設けられる天板5と、を含む。
【0024】
筒体4は、バイアル2の口部20に外嵌された際に、口部20の外周面を被覆する。本実施形態の筒体4は、円筒状である。この筒体4は、例えば、高さ方向において外径が均一である。本実施形態の筒体4の外径は、瓶21の瓶本体部211の外径と略等しい。また、筒体4の内面には瓶21のフランジ部212の下方に係合する爪部を有する。
【0025】
天板5は、筒体4の天側に配置される部位である。筒体4がバイアル2の口部20に外嵌された状態において、天板5は、栓22の天面223、例えば、天面外周部225を被覆する。さらに、天板5は、
図4に示すように、貫通孔50の周りに配置される天板環状部51を有する。本実施形態の天板5は、天板環状部51から径方向の外側に延びる天板延出部52を有する。また、天板5の天側の面はフラット面である。
【0026】
貫通孔50は、天板5を天板5の厚み方向(例えば、高さ方向)に貫通した貫通孔である。また、貫通孔50は、
図6に示すように、筒体4がバイアル2の口部20に外嵌された状態において、栓22の天面223の一部、例えば、天面中央部224を露出する。本実施形態の貫通孔50は、天板5の中央(例えば、筒体4の筒軸4Aを中心とする中央領域)に配置されている。
【0027】
天板環状部51は、貫通孔50の周りに設けられる部位である。また、天板環状部51は、例えば、筒軸4Aを中心とする円環状である(
図4参照)。本実施形態の天板環状部51は、天板5の中央に配置されている。さらに、天板環状部51は、径方向における内端部として孔縁部510を有する。
【0028】
孔縁部510は、貫通孔50を画定する部位である。また、孔縁部510は、例えば、筒軸4Aを中心とする円環状である。
【0029】
本実施形態の天板5には、例えば、天板環状部51から径方向に延びる三つの天板延出部52が設けられている。各天板延出部52は、周方向において互いに等間隔をあけて配置されている。天板延出部52の延出端520は、筒体4(例えば、筒体4の天側に位置する端縁)に接続している。
【0030】
本実施形態の天板5の外周部は、一部が欠けた円形状である。具体的に、天板5の外周部には、三つの開口53が設けられている。三つの開口53は、周方向において互いに等間隔をあけて配置されている。また、各天板延出部52の形状は同じである。
【0031】
さらに、本実施形態の天板5は、天板環状部51の下面から下方に突出する天板突出部54を有する。天板突出部54は、栓22の上面に食い込むことにより栓22の回転を防止する。本実施形態の天板突出部54は、複数設けられている。天板突出部54は、周方向において互いに等間隔をあけて配置されている。
【0032】
以上の構成により、天板5は、中央に貫通孔50が設けられ、且つ、外周部に複数の開口53が周方向において等間隔をあけて配置された円板状である。
【0033】
保護カバー6は、天板5の天側に取り外し可能に取り付けられるカバーである(
図1参照)。また、保護カバー6は、カバー本体部7と、保護カバー6と天板5とを取り付ける取付手段10として設けられるカバー取付部8であって、天板環状部51の天側に取り付けられるカバー取付部8と、を含む。本実施形態の保護カバー6は、さらに、取付手段10として設けられるカバー突設部9であって、カバー取付部8の径方向における外側に配置されたカバー突設部9を含む。
【0034】
カバー本体部7は、キャップ1の天側に位置する端部を構成する部位である。また、カバー本体部7は、保護カバー6が天板5に取り付けられた状態において、天板5から離間して配置される下面70を有する。この取付状態において、カバー本体部7は、天側に位置する天面71を有する。本実施形態のカバー本体部7は、厚みが不均一である。このカバー本体部7は、例えば、中央に位置し且つ厚みの厚い中央部72と、中央部72よりも外周側に位置し且つ厚みの薄い外周部73と、を含む(
図2参照)。即ち、カバー本体部7は、内周側に位置する厚肉部である中央部72と、外周側に位置する薄肉部である外周部73と、を含む。
【0035】
本実施形態の下面70は、中央に位置する中央下面700と、中央下面700よりも外周に位置する外周下面701と、を含む(
図6参照)。この下面70では、外周下面701の方が、中央下面700よりも天側に位置する形状を有する。中央下面700と外周下面701との間には、カバー取付部8が配置されている。
【0036】
本実施形態の天面71は、中央に位置する中央天面710と、中央天面710よりも外側に位置する外周天面711と、を含む。
【0037】
中央天面710は、下側に凹入した凹部位712と、天側に突出した凸部位713と、を含む。この中央天面710では、凹部位712は、凸部位713よりも中央側に配置されている。また、中央天面710は、天側に突出するとともに、凸部位713よりも外側に配置される補助凸部位714を含む。凹部位712は、円形状である(
図2参照)。補助凸部位714は、環状であり、例えば、円環状である。凸部位713は、環状であり、例えば、円環状である。本実施形態の凸部位713は、カバー取付部8に対応する位置(高さ方向から視たときカバー取付部8と重なる位置)に配置されている(
図6参照)。
【0038】
外周天面711は、カバー本体部7の天面71の外周縁部であり、且つ、天側に突出した縁部位715を含む。縁部位715は、環状であり、例えば、円環状である(
図2参照)。
【0039】
本実施形態の取付手段10は、
図5に示すように、貫通孔50の周りに環状に形成されるカバー取付部8である。また、カバー取付部8は、周方向に連続するとともに、周方向の全周にわたって途切れない形状を有する。例えば、カバー取付部8は、円環状である。また、カバー取付部8は、円筒状であり、内周面80と、外周面81と、を有する。本実施形態のカバー取付部8の内径および外径は、高さ方向におけるいずれの部位においても略均一である。また、カバー取付部8の径方向における厚さは、一定である。
【0040】
カバー取付部8は、キャップ本体3に取り付けられる。また、カバー取付部8は、カバー本体部7の下面70から、天板5の天板環状部51の天側に向けて突設されて、カバー本体部7の下面70及び天板環状部51の天側の双方を取り付けるように構成されている(
図6参照)。
【0041】
本実施形態のカバー取付部8は、カバー本体部7の中央部72と外周部73との境界に配置されている。また、本実施形態のカバー取付部8は、天板5の天板環状部51に取り付けられている(
図4参照)。具体的に、カバー取付部8は、貫通孔50と同心状に天板5の孔縁部510に取り付けられる。即ち、カバー取付部8の中心軸は、貫通孔50の中心軸と一致する。
【0042】
カバー突設部9は、カバー取付部8と同様に、カバー本体部7の下面70から、天板5の天板環状部51の天側に向けて突設されている(
図6参照)。本実施形態のカバー突設部9は、カバー本体部7の薄肉部である外周部73に配置されている。なお、本実施形態のカバー突設部9の下面は、カバー取付部8の下面と面一である。
【0043】
本実施形態の保護カバー6には、4つのカバー突設部9が設けられている(
図5参照)。各カバー突設部9は、周方向において等間隔を空けて配置されている。即ち、複数のカバー突設部9が、放射状に配置されている。
【0044】
本実施形態のカバー突設部9は、カバー取付部8に接続し、例えば、カバー取付部8の外周面81に接続している。具体的に、カバー突設部9は、カバー取付部8の外周面81から径方向における外方に延びている。カバー突設部9は、カバー本体部7の外縁には至らず、カバー本体部7の径方向における外方の途中位置まで延びている。即ち、カバー突設部9は、カバー取付部8と連続する径内端部93と、径方向における外方の途中に位置する径外端部94と、を有する。本実施形態のカバー突設部9は、径内端部93から径外端部94まで途切れず連続している。
【0045】
例えば、各カバー突設部9は、いずれも、直線状のリブである。カバー突設部9の延出方向と直交する方向における幅は、均一である。保護カバー6に設けられる各カバー突設部9の長手方向における寸法は、等しくても異なっていてもよい。本実施形態の保護カバー6では、4つのカバー突設部9のうち1つの第一カバー突設部91の長手方向における寸法が、他の3つの第二カバー突設部92の長手方向における寸法よりも短い。なお、この保護カバー6では、カバー突設部9の長手方向は、カバー本体部7の径方向と一致している。
【0046】
カバー突設部9は、少なくとも天板5の天板環状部51に取り付けられている(
図4参照)。本実施形態のカバー突設部9の少なくとも一つは、天板環状部51から天板延出部52まで延びている。具体的に、第一カバー突設部91が、天板環状部51のみに取り付けられている。また、第二カバー突設部92は、天板環状部51から天板延出部52まで延びるとともに、天板環状部51や天板延出部52に取り付けられている。
【0047】
本実施形態のキャップ1では、周方向において隣り合う長さの長いカバー突設部9(例えば、第二カバー突設部92)の間に、天板5の開口53が一つずつ配置されている。
【0048】
以上のキャップ1では、カバー本体部7の下面70から下方向に沿って延出したカバー取付部8が、キャップ本体3の天側に取り付けられる。これにより、カバー本体部7の下面70が天板5から離間して、カバー取付部8の周りに隙間Cが生じる(
図6参照)。即ち、保護カバー6とキャップ本体3との間に隙間Cが生じる。
【0049】
本実施形態のキャップ1では、保護カバー6のカバー取付部8が、キャップ本体3の天板環状部51の孔縁部510に配置されている。そのため、隙間Cは、カバー取付部8を囲むように設けられる(
図4参照)。具体的に、隙間Cは、
図5におけるカバー取付部8の外周面81よりも径方向における外方に位置する領域であり、且つ、カバー突設部9が延びる領域以外の領域に設けられる。
【0050】
なお、キャップ1では、保護カバー6の材質は、キャップ本体3の材質よりも柔らかい。保護カバー6の材質は、例えば、スチレン系ブロック共重合体や直鎖状低密度ポリエチレンである。キャップ本体3の材質は、例えば、カーボネート系樹脂やポリプロピレン系樹脂である。
【0051】
本実施形態のキャップ1では、保護カバー6は、スチレンモノマーを構成単位として含み、該スチレンモノマーの含有比率が10~60質量%であるスチレン系ブロック共重合体を含有することが好ましい。
本実施形態のキャップ1では、キャップ本体3がカーボネート系樹脂を含有することが好ましい。
【0052】
キャップ本体3に含まれるカーボネート系樹脂としては、芳香族カーボネート系樹脂、脂肪族カーボネート系樹脂などが挙げられる。
前記芳香族カーボネート系樹脂としては、芳香族ジヒドロキシ化合物とホスゲン(COCl2)との重合体、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの重合体などが挙げられる。
芳香族ジヒドロキシ化合物とホスゲンとの重合体は、芳香族ジヒドロキシ化合物とホスゲンとの界面重合法などによって得ることができる。
芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの重合体は、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとのエステル交換反応などによって得ることができる。
芳香族ジヒドロキシ化合物としては、ビスフェノールA、ジメチルビスフェノールA、ビスフェノールZ、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン等が挙げられる。
炭酸ジエステルとしては、ジフェニルカーボネート等が挙げられる。
カーボネート系樹脂としては、本発明の効果を損ねない範囲内であれば、従来公知のカーボネート系樹脂を用いることができる。
カーボネート系樹脂の質量平均分子量は、好ましくは1万以上、より好ましくは2万以上である。また、カーボネート系樹脂の質量平均分子量の上限は特に限定されないが、カーボネート系樹脂の質量平均分子量は、100万以下が好ましい。
なお、本実施形態において、質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定し、ポリスチレン換算によって求めることができる。
キャップ本体3には、カーボネート系樹脂以外に、キャップ本体3の材料として公知の材料を本発明の効果を損ねない範囲内で含有させてもよい。
キャップ本体3の脆化温度は、好ましくは-70℃以下、より好ましくは-100℃以下である。なお、本実施形態において、脆化温度は、JIS K7216-1980に従って測定することができる。
【0053】
キャップ本体3は、カーボネート系樹脂を、好ましくは51~100質量%、より好ましくは80~100質量%含有する。
【0054】
保護カバー6は、本実施形態の保護カバー用組成物で形成されている。すなわち、保護カバー6は、本実施形態の保護カバー用組成物と同じ組成割合となっている。
本実施形態の保護カバー用組成物は、スチレンモノマーを構成単位として含み、該スチレンモノマーの含有比率が10~60質量%であるスチレン系ブロック共重合体(成分A)を含有することが好ましい。また、本実施形態の保護カバー用組成物は、オレフィン系樹脂(成分B)を含有することが好ましい。また、本実施形態の保護カバー用組成物は、滑剤(成分C)を含有することが好ましい。
【0055】
<成分A(スチレンモノマーの含有比率が10~60質量%であるスチレン系ブロック共重合体)>
成分Aはスチレン系ブロック共重合体であり、スチレン系ブロック共重合体中のスチレンモノマーの含有比率(単に「スチレン含有比率」ともいう。)が10~60質量%である。スチレン含有比率が10~60質量%であることにより、保護カバー6が低温下(例えば、-85℃下)でも脆くなり難く、且つ、保護カバー6がキャップ本体とほどよく接着し、更には取り外す際に保護カバーを適度な力でキャップ本体から取り外することができる。スチレン系ブロック共重合体は、エラストマーであることが好ましい。
【0056】
成分Aは、スチレン含有比率が10~60質量%であれば、特に限定されない。
成分Aは、例えば、スチレン骨格含有化合物に由来する構成単位を主体とする重合体ブロックXの1個以上、好ましくは機械的特性の観点から2個以上と、共役ジエン化合物に由来する構成単位を主体とする重合体ブロックYの1個以上とを有するブロック共重合体である。成分Aとしては、例えば、X-Y、X-Y-X、Y-X-Y-X、及びX-Y-X-Y-X等の構造を有するブロック共重合体を挙げることができる。
また、成分Aとしては、上記構造を有するブロック共重合体の水素添加物、又はこれらの混合物も好ましく使用できる。すなわち、成分Aは、水素添加物も含む概念である。
【0057】
上記構造を有するスチレン系ブロック共重合体の水素添加物は、上記構造を有するスチレン系ブロック共重合体中の炭素・炭素二重結合に水素を添加して炭素・炭素単結合にすることにより得られる。上記水素添加は、公知の方法、例えば、不活性溶媒中で水素添加触媒を用いて、上記構造を有するスチレン系ブロック共重合体を水素処理することにより行うことができる。
【0058】
スチレン骨格含有化合物は、重合性の炭素・炭素二重結合と芳香環とを有する重合性モノマーである。上記スチレン骨格含有化合物としては、例えば、スチレン、t-ブチルスチレン、α-メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1-ジフェニルスチレン、N,N-ジエチル-p-アミノエチルスチレン、p-第3ブチルスチレン、炭素数1~8のアルキル基の少なくとも1個がベンゼン環に結合したアルキルスチレン等を挙げることができる。これらの中で、スチレン、炭素数1~8のアルキル基の少なくとも1個がベンゼン環に結合したアルキルスチレンが好ましい。上記スチレン骨格含有化合物としては、これらの1種以上を用いることができる。
【0059】
上記共役ジエン化合物は、2つの炭素・炭素二重結合が1つの炭素・炭素単結合により結合された構造を有する重合性モノマーである。上記共役ジエン化合物としては、例えば、1,3-ブタジエン、イソプレン(2-メチル-1,3-ブタジエン)、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、クロロプレン(2-クロロ-1,3-ブタジエン)等を挙げることができる。これらの中で、1,3-ブタジエン、イソプレンが好ましい。上記共役ジエン化合物としては、これらの1種以上を用いることができる。
【0060】
保護カバー6は、低温特性(耐寒性)の観点から、成分Aたるスチレン系ブロック共重合体(水素添加物も含む概念である。)のスチレン含有比率が10~60質量%であることが好ましく、20~50質量%であることがより好ましい。
また、保護カバー6は、キャップ本体との接着性の観点、キャップ本体からの取り外し易さの観点などからも、成分Aたるスチレン系ブロック共重合体(水素添加物も含む概念である。)のスチレン含有比率が10~60質量%であることが好ましく、20~50質量%であることがより好ましい。
【0061】
前記スチレン系ブロック共重合体としては、例えば、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS)、及びスチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)などを挙げることができる。
上記スチレン系ブロック共重合体のうちの水素添加物としては、例えば、スチレン-エチレン-ブテン共重合体(SEB)、スチレン-エチレン-プロピレン共重合体(SEP)、スチレン-エチレン-ブテン-スチレン共重合体(SEBS)、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレン共重合体(SEPS)、及びスチレン-エチレン-エチレン-プロピレン-スチレン共重合体(SEEPS)などを挙げることができる。
列記したスチレン系ブロック共重合体を1種で又は2種以上の混合物で用いることができる。
【0062】
成分Aたるスチレン系ブロック共重合体(水素添加物も含む概念である。)の質量平均分子量は、好ましくは50,000~500,000である。より好ましくは80,000~450,000、さらに好ましくは100,000~400,000である。この範囲内であれば、加工性、成形性が良好となる。本明細書において、質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定し、ポリスチレン換算によって求めることができる。
【0063】
保護カバー6は、成分Aたるスチレン系ブロック共重合体を、好ましくは50~100質量%、より好ましくは70~100質量%含有する。
【0064】
<成分B(オレフィン系樹脂)>
成分Bは、オレフィン系樹脂である。また、成分Bは、本実施形態の保護カバー用組成物の流動性を向上させ、成形性を改良すると共に、硬度の調整に効果を有するものである。
【0065】
成分Bとしては、例えば、エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂、1-ブテン系樹脂等を挙げることができる。
エチレン系樹脂としては、エチレンの単独重合体、共重合体が挙げられる。該単独重合体としては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等が挙げられる。前記共重合体としては、エチレンと、他のα-オレフィン(例えば、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン等)との共重合体が挙げられる。
プロピレン系樹脂としては、プロピレンの単独重合体、共重合体が挙げられる。該共重合体としては、プロピレンと他のα-オレフィン(例えば、エチレン、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテンなど)とのランダム共重合体、ブロック共重合体等を挙げることができる。
これらの中でも、エチレン系樹脂、およびプロピレン系樹脂が好ましく使用される。
【0066】
前記成分Bは、本実施形態の保護カバー用組成物に含まれる場合には、前記成分Bの配合量は、前記成分A100質量部に対して、好ましくは200質量部以下、より好ましくは5~100質量部、更により好ましくは8~80質量部である。前記成分Bが200質量部以下であることにより、保護カバーは低温での強度を保ちやすくなる。
なお、前記成分Bは、本実施形態の保護カバー用組成物に含まれなくてもよい。
【0067】
<成分C(滑剤)>
成分Cは滑剤である。
本実施形態の保護カバー用組成物は、保護カバーとキャップ本体との接着性、キャップ本体からの保護カバーの剥離性の観点から、成分Cを含有することが好ましい。
【0068】
前記成分Cは、特に制限されるものではなく、前記成分Cとしては、例えば、パラフィン系滑剤、炭化水素樹脂系滑剤、脂肪酸系滑剤、脂肪酸アマイド系滑剤、脂肪酸エステル系滑剤、脂肪酸ケトン系滑剤、シリコーン系滑剤などが挙げられる。これらの中でも、脂肪酸アマイド系滑剤が好ましく利用される。
【0069】
前記成分Cの配合量は、前記成分A100質量部に対して、好ましくは0.1~3質量部であり、より好ましくは0.3~1質量部である。前記成分Cがこの範囲にあると、保護カバーとキャップ本体との接着性、およびキャップ本体からの保護カバーの剥離性のバランスが良好となる。
【0070】
<その他の成分>
本発明のキャップ用の保護カバー用組成物は、上記の成分の他に、本発明の特性を害さない範囲で、例えば、その他ポリマー成分、ゴム用軟化剤、ブロッキング防止剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、増粘材、老化防止剤、充填剤等を含有してもよい。
【0071】
また、キャップ1は、インサート成形法や二色成形法によって一体的に成形される。例えば、キャップ本体3を射出成形法により成形した後、保護カバー6を成形するための保護カバー射出成形金型内にキャップ本体3をインサートして、保護カバー6を射出成形法により成形する。なお、保護カバー6を成形した後、キャップ本体3を成形するための金型内に保護カバー6をインサートし、キャップ本体3を射出成形法により成形してもよい。
【0072】
このようなキャップ1は、次のように、バイアル2に取り付けられる。まず、バイアル2の瓶21内に薬液を収容し、バイアル2の口部20に栓22を内嵌させた状態で、栓22を下方に押し付ける、即ち、栓22を瓶21に打栓して取り付ける。さらに、バイアル2の口部20にキャップ本体3を外嵌させた状態で、保護カバー6を下方に押し付ける、即ち、キャップ1をバイアル2に打栓して取り付ける。なお、栓22やキャップ1の打栓は、例えば、自動打栓装置を用いて行われる。
【0073】
また、バイアル2に取り付けられたキャップ1の保護カバー6を外す際には、カバー本体部7とキャップ本体3との隙間に指を入れ、外周部73を摘まむ。カバー本体部7の外周部73の厚みが薄いため、外周部73が曲がりやすく(めくれやすく)、カバー本体部7を容易に剥がし始めることができる。また、カバー本体部7を径方向における中央側に向かって剥がし続ける、例えば、めくれた外周部73を把持して(摘まんで)引き上げると、カバー取付部8が剥がれる。カバー突設部9が設けられている場合はカバー突設部9が径外端部94から径内端部93にかけて連続して剥がれ、さらに、カバー突設部9の径内端部93からカバー取付部8が剥がれて、カバー本体部7の中央部72も剥がれる。即ち、カバー突設部9は、カバー取付部8の剥がれを引き起こす部位である。カバー本体部7の中央部72はその厚みが厚く曲がりにくいため、カバー取付部8は一気に剥がれることになる。
【0074】
以上のキャップ1によれば、保護カバー6のカバー本体部7の下面70から天板環状部51の天側に向かってカバー取付部8が突設されているため、保護カバー6がキャップ本体3に取り付けられた状態において、カバー本体部7の下面70が天板5から離間して、カバー取付部8の周りに隙間Cが生じる。そのため、使用者は、この隙間Cから保護カバー6に指を掛けて保護カバー6を摘まんで作業しやすく、保護カバー6をキャップ本体3から容易に剥がすことができる。しかも、カバー取付部8が環状であるため、保護カバー6がキャップ本体3に取り付けられた状態において、カバー本体部7の下面70から環状に延びるカバー取付部8が、キャップ本体3の貫通孔50を囲むことで、栓22の貫通孔50から露出した部分を封止することができ、汚染を防止することができる。また、キャップ本体3の天板5の天側の面は凹凸のないフラット面であるため、保護カバー6を引き剥がした後、アルコール綿で清拭する場合に、拭きやすく、毛羽立ちが起こらないため、衛生的である。
【0075】
本実施形態のキャップ1では、カバー突設部9が、カバー本体部7の下方、且つ、カバー取付部8の径方向における外側に配置されている。そのため、例えば、複数のキャップ1を箱や袋に詰めて輸送する場合に、あるキャップ1において、保護カバー6とキャップ本体3の天板5との間の隙間Cに別のキャップ1の保護カバー6の端部が入り込もうとしても、カバー突設部9がこの侵入を防ぐことができる。これにより、キャップ1の保護カバー6が別のキャップ1によりこじ開けられることを防ぐことができる。
【0076】
また、本実施形態のキャップ1では、カバー突設部9が、カバー取付部8の径方向における外側において、カバー取付部8と連続して延びているため、保護カバー6をキャップ本体3から剥がす際に、カバー突設部9からカバー取付部8に剥がす力が順に伝わることにより、スムーズに保護カバー6を剥がすことができる。
【0077】
さらに、本実施形態のキャップ1では、天板環状部51は、天板5の中央に配置されているため、カバー取付部8の周りに均一に隙間Cが設けられる。そのため、保護カバー6の外周部の周方向におけるいずれの領域に指をかけても、保護カバー6をキャップ本体3から剥がしやすい。
【0078】
本実施形態のキャップ1では、天板環状部51は、貫通孔50を画定する孔縁部510を有し、カバー取付部8が、この孔縁部510に取り付けられる。そのため、保護カバー6の周縁からカバー取付部8までの距離(即ち、カバー取付部8の周りに配置される隙間C)が十分に大きい。そのため、保護カバー6を剥がすときに、カバー本体部7の外周部73がめくれやすく、カバー取付部8にかかる力が大きくなり、これにより、保護カバー6をキャップ本体3から剥がしやすい。
【0079】
また、本実施形態のキャップ1では、保護カバー6の天面(例えば、カバー本体部7の天面71)の凸部位713は、カバー取付部8と対応する領域に設けられている。そのため、保護カバー6の天板環状部51の天側に載る部位が、カバー取付部8及び凸部位713を有することにより、この部位において保護カバー6の厚みが厚くなっている。これにより、キャップ1をバイアル2に打栓する際に凸部位713を天板に押し付けても、保護カバー6が破損しにくい。
【0080】
さらに、本実施形態のキャップ1では、カバー突設部9は、周方向において等間隔をあけて、即ち、周方向において均一に配置されている。そのため、保護カバー6とキャップ本体3の天板5との間の隙間Cに別のキャップ1の保護カバー6の端部が入り込もうとしても、この侵入を効率的に防ぐことができ、キャップ1同士の嵌まりこみや保護カバー6の不慮の剥がれを防止できる。
【0081】
また、本実施形態のキャップ1では、カバー本体部7の天面71の外周縁部として、天側に突出した縁部位715が設けられている。そのため、例えば、複数のキャップ1を箱や袋に詰めて輸送する場合に、あるキャップ1の端部が、別のキャップ1の保護カバー6とキャップ本体3の天板5との間の隙間Cに入り込もうとしても、カバー本体部7の外周部73が厚いため、隙間Cへの侵入が生じにくい。さらに、外周下面701から縁部位715の頂部までの高さがカバー取付部8の高さもしくは隙間Cの高さより大きい方が侵入を効果的に防ぐことができる。
【0082】
また、本実施形態のキャップ1では、中央天面710は天側に突出し且つ凸部位713よりも外側に配置された補助凸部位714を有するため、保護カバー6を剥がす力がスムーズに伝わりやすく、また、保護カバー6自体の強度を調整することができる。
【0083】
本実施形態の保護カバー用組成物は、口部が栓により塞がれたバイアルに装着されるキャップの作製に用いられる。具体的には、本実施形態の保護カバー用組成物は、前記保護カバーの作製に用いられる。
本実施形態の保護カバー用組成物は、スチレンモノマーを構成単位として含み、該スチレンモノマーの含有比率が10~60質量%であるスチレン系ブロック共重合体を含有することが好ましい。
【0084】
尚、本発明のキャップは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。
【0085】
上記実施形態の取付手段10は、カバー本体部7の下面70に、天板5の天板環状部51の天側に向けて突設されるカバー取付部8及びカバー突設部9を含んでいたが、カバー取付部8のみを含んでいてもよい。この場合、例えば、保護カバー6は、カバー本体部7及び環状のカバー取付部8を含むことが考えられる。この場合であっても、保護カバー6がキャップ本体3に取り付けられた状態において、使用者は、カバー取付部8の周りの隙間Cから保護カバー6に指を掛けやすく、保護カバー6をキャップ本体3から容易に剥がすことができる。しかも、カバー取付部8が環状であるため、保護カバー6がキャップ本体3に取り付けられた状態において、カバー取付部8がキャップ本体3の貫通孔50を囲むことで、栓22の貫通孔50から露出した部分を封止することができる。
【0086】
また、取付手段10は、天板5の天板環状部51の天側に、カバー本体部7の下面70に向けて突設されるカバー取付部やカバー突設部を含んでいてもよい。このカバー取付部は、天板5の天板環状部51の天側、及び、カバー本体部7の下面70の双方を取り付けるように構成される。
【0087】
上記実施形態の保護カバー6では、4つのカバー突設部9が設けられていたが、少なくとも一つのカバー突設部9が設けられていればよい。例えば、
図7に示すように、6つのカバー突設部9が設けられることが考えられる。複数のカバー突設部9は、放射状に延びている。また、カバー突設部9は、長手方向における長さが短い第一カバー突設部91と、長手方向における長さが長い第二カバー突設部92と、を含む。
【0088】
また、上記実施形態の保護カバー6では、カバー突設部9が、径方向における外側に直線状に延びていたが、径方向における外方に曲線状に延びていたり、蛇行して延びていたりしてもよい。また、カバー突設部9が、
図8に示すように、径方向における外方以外の方向に延びていてもよい。例えば、径方向に延びるカバー突設部9から、別の方向に延びるカバー突設部9が延びることも考えられる。具体的に、長さの長い第二カバー突設部92から、さらに、カバー突設部9として補助突設部920が枝状に延びることが考えられる。このような枝状の補助突設部920により、あるキャップ1において、保護カバー6とキャップ本体3の天板5との間の隙間Cに別のキャップ1の保護カバー6の端部が入り込もうとしても、カバー突設部9がこの侵入を確実に防ぐことができる。
【0089】
なお、補助突設部920は、第二カバー突設部92の径内端部93と径外端部94との間の位置から、第二カバー突設部92の延びる方向と交差する方向に延びている。具体的に、補助突設部920は、第二カバー突設部92から第二カバー突設部92の幅方向(例えば、第二カバー突設部92の長手方向と直交する方向)における両側に延びている。
【0090】
また、上記実施形態の保護カバー6では、カバー突設部9の幅が均一であったが、この幅が不均一であってもよい。例えば、
図9に示すように、カバー突設部9の幅が、径方向における外側ほど狭くてもよい。即ち、カバー突設部9が、先細り形状を有してもよい。具体的に、カバー突設部9の幅は、径内端部93に近い部位ほど狭く、径外端部94に近い部位ほど広いことが考えられる。このような先細り形状を有するカバー突設部9であれば、保護カバー6を剥がし始める際の力が小さくてもよい。また、カバー突設部9の幅が径方向における外方に位置するにつれて徐々に広くなるので、保護カバー6を剥がす力がスムーズに伝わりやすい。
【0091】
また、上記実施形態の保護カバー6では、カバー突設部9が、カバー取付部8と連続して延びていたが、カバー取付部8と非連続であってもよい。
【0092】
上記実施形態の保護カバー6では、カバー取付部8は、円筒状であったが、別の形状、例えば、楕円筒状や角筒状等であってもよい。また、カバー取付部8は、二重の環状等の、複数重ねられた環状であってもよい。
【0093】
また、カバー取付部8は、カバー本体部7の下面70から下方向に突設されていたが、この下面70から下方向に沿って突設されていればよい。例えば、カバー取付部8は、カバー本体部7の下面70から下方向に湾曲した状態で突設されたり、下面70から下斜め方向に突設されたりすることが考えられる。カバー取付部8が、カバー本体部7の下面70から下斜め方向に突設される場合、カバー取付部8がテーパー筒状となる。
【0094】
上記実施形態の保護カバー6では、カバー本体部7の下面70は、中央下面700よりも外周下面701の方が天側に位置する形状を有していたが、さらに、外周下面701の外周縁部が他の部位よりも下方に突出した形状を有してもよい。この場合、例えば、複数のキャップ1を箱や袋に詰めて輸送する場合に、あるキャップ1において、保護カバー6とキャップ本体3との間の隙間Cに別のキャップ1の保護カバー6の端部が入り込もうとしても、カバー本体部7の外周下面701の外周縁部がこの侵入を防ぐことができる。
【0095】
上記実施形態のキャップ本体3では、天板5が、中央に貫通孔50が設けられ、且つ、周方向において等間隔をあけて外周部に開口53が配置された円板状あったが、貫通孔50を設けられていれば、他の部分の形状は問わない。例えば、上記実施形態の天板5では、天板環状部51から三つの天板延出部52が延びていたが、三つ以外の少なくとも一つの天板延出部52が延びていてもよい。
【0096】
また、
図10乃至
図12に示すように、キャップ本体3の筒体4の内周面に、下方に延びる複数の縦リブ40が設けられてもよい。このキャップ本体3では、それぞれ複数の縦リブ40で構成される縦リブ40の組(縦リブ群と称する)が複数設けられており、複数の縦リブ群が、筒体4の内周面に、周方向において間隔を空けて配置されている。具体的に、縦リブ群は、筒体4の内周面のうち周方向において等間隔をあけた三か所(天板延出部52に対応した三か所)に設けられており、各縦リブ群には、五本の縦リブ40が含まれている。
【0097】
縦リブ40は、筒体4の内周面から径内方向に突出した縦長のリブである。縦リブ40は、筒体4の上端から下方に沿って延びている。縦リブ40の上端部は、天板延出部52と連続している。縦リブ40の下端部は、下側ほど突出高さが小さくなったテーパ形状である。また、各縦リブ40の径方向における寸法(径内方向への突出量)は同じである。各縦リブ40の径内方向における端縁(突出方向の先端縁)を通る仮想円の直径は、栓22の外径よりも小さくなっている。即ち、縦リブ40は、栓22を筒体4内の挿入すると、該栓22の外周部分に先端縁が当接するように構成されている。従って、該栓2の外周部分に縦リブ40が食込むように、弾性変形可能な栓22を筒体4内に圧入することによって、キャップ本体3内に栓22を保持することができる。このように、筒体4に栓22を圧入して保持することが出来るような縦リブ40を設けることで、キャップ1に栓22を保持した状態で、バイアル2に打栓することができる。即ち、バイアル2に薬剤を収容し、キャップ1を嵌合する際の打栓回数を1回とすることができる。
【0098】
さらに、上記実施形態の天板5では、回転防止用の天板突出部54は、複数設けられていたが、一つであってもよい。この場合、
図12に示すように、天板突出部54は、天板5の貫通孔を囲む環状に形成されることが考えられる。この構成では、回転防止用の天板突出部54を全周に亘る環状に形成することで、栓22の天面中央部224と保護カバー6で形成される空間が密封状態であるため、使用前まで栓22の天面中央部224の無菌性を担保することができる。
【0099】
上記実施形態のバイアル2に収容される薬剤は、薬液であったが、例えば、凍結乾燥された薬剤でもよい。この場合、凍結乾燥された薬剤を使用する場合、この薬剤に希釈液や溶媒を加えることで液状に戻した上で、患者に投与することができる。
【実施例1】
【0100】
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。
【0101】
(実施例及び比較例)
キャップ本体を射出成形法により成形した後、保護カバーを成形するための保護カバー射出成形金型内にキャップ本体をインサートして、保護カバー用組成物を用いて保護カバーを射出成形法により成形し、実施例及び比較例のキャップを作製した。
なお、保護カバー(保護カバー用組成物)、及び、キャップ本体は、下記表1及び以下に示す組成となるように作製した。また、キャップは、下記表1及び以下に示す形状で、且つ、バイアル(容量:10mL)に装着できる大きさで作製した。
<保護カバーの組成>
・(A)スチレン系ブロック共重合体(スチレン含有比率:10~60質量%)
(A-1)SBS:スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(スチレン含有比率:40質量%)(TR-2000、JSR株式会社製)
(A-2)SEBS:スチレン-エチレン・ブテン‐スチレンブロック共重合体(スチレン含有比率:33質量%)(セプトン8006、株式会社クラレ製)
・(B)オレフィン系樹脂
(B-1)HDPE:高密度ポリエチレン(ノバテックHD HJ490、日本ポリエチレン株式会社製)
・(C)滑剤
(C-1)脂肪酸アマイド系滑剤(イソステアリルアマイド)(INCROSLIP SL、クローダー製)
<キャップ本体の組成>
・PC:カーボネート系樹脂
<キャップの形状>
・A:
図1~6に示す形状
・B:国際公開2015/029580号公報の
図1~4に示す形状
【0102】
(デュポン式衝撃試験(温度条件:-85℃、23℃))
デュポン式衝撃試験機(JIS K5600-5-3:1999)を用いて、キャップに衝撃を与えて目視にてキャップの保護カバーの状態を確認した。
具体的には、まず、キャップを-85℃又は23℃下に30分間平置きした。その後すぐに、キャップの保護カバーの上に打ち型(丸型、半径:6mm)を置き、300gの重りを500mmの高さから前記打ち型の上に落下させた。そして、目視にてキャップの保護カバーの状態を以下の基準で評価を行った。
〇:変化なし。
×:割れ、欠けの発生が確認された。
結果を下記表1に示す。
【0103】
(剥離試験1)
口部がゴム栓に塞がれたバイアル(容量:10mL)にキャップを装着させた。
次に、キャップ付きのバイアルから保護カバーを手で剥がし、以下の基準で評価した。
〇:大きな力を掛けずとも綺麗に保護カバーが剥がれた。
×:保護カバーが欠けたり、或いは、キャップ本体に保護カバーの一部が残った。
(保護カバーを剥がすのに大きな力が必要であった。)
結果を下記表1に示す。
【0104】
(剥離試験2)
口部がゴム栓に塞がれたバイアル(容量:10mL)にキャップを装着させた。
次に、保護カバーに2箇所に穴を空け、これらの穴にワイヤーを通し引っ掛けた。
そして、プッシュプルゲージにキャップ付きのバイアルをセットし、ワイヤーでキャップ付きのバイアルから保護カバーを引っ張り(スピード:60mm/min)、保護カバーが剥がれるまでの最大の力(「フリップオフフォース」ともいう。)を読み取った。
この測定は、5回行った。
フリップオフフォースの平均値、最大値、及び、最小値を下記表1に示す。
【0105】
【0106】
表1、に示すように、キャップ本体にポリカーボネート系樹脂を含有させ、保護カバーにスチレン系エラストマーを含有させることにより、低温下でも脆くなり難く、且つ、キャップ本体と保護カバーとがほどよく接着しているキャップを提供しやすくなる。
【0107】
本発明によれば、保護カバーを剥がしやすいキャップを提供することができる。
【0108】
本発明のキャップは、
天側に位置する口部を有し、該口部の開口が栓により塞がれたバイアルに装着されるキャップであって、
前記バイアルの前記口部に外嵌可能な筒体、及び、該筒体が前記バイアルの前記口部に外嵌された状態において、該筒体の天側に配置されるとともに、前記栓の天側の面を露出する貫通孔が設けられる天板を含むキャップ本体と、
前記天板の天側に取り外し可能に取り付けられる保護カバーと、
前記保護カバーと前記天板とを取り付ける取付手段と、を備え、
前記天板は、前記貫通孔の周りに配置される天板環状部を有し、
前記保護カバーは、前記天板に取り付けられた状態において、前記天板から離間して配置される下面を有するカバー本体部を含み、
前記取付手段は、前記貫通孔の周りに環状に形成されるカバー取付部であって、前記カバー本体部の下面及び前記天板環状部の天側の一方に、前記カバー本体部の下面及び前記天板環状部の天側の他方に向けて突設されて前記カバー本体部の下面及び前記天板環状部の天側の双方を取り付けるように構成されたカバー取付部を含む。
【0109】
かかる構成によれば、保護カバーがキャップ本体に取り付けられた状態において、カバー取付部により保護カバーがキャップ本体の天板環状部に取り付けられることにより、カバー本体部の下面が天板から離間してカバー取付部の周りに隙間が生じるため、使用者は、この隙間から保護カバーに指を掛けて保護カバーを摘まんで作業しやすく、保護カバーをキャップ本体から容易に剥がすことができる。
【0110】
また、前記キャップでは、
前記取付手段は、前記カバー取付部の径方向における外側に配置されたカバー突設部を含んでもよい。
【0111】
かかる構成によれば、カバー突設部がカバー本体部の下方且つカバー取付部の外側に配置されているため、例えば、複数のキャップを箱や袋に詰めて輸送する場合に、あるキャップにおいて、保護カバーとキャップ本体の天板との間の隙間に別のキャップの保護カバーの端部が入り込もうとしても、カバー突設部がこの侵入を防ぐことができる。
【0112】
また、前記キャップでは、前記カバー突設部は、前記カバー取付部から径方向における外方に延びていてもよい。
【0113】
かかる構成によれば、カバー突設部がカバー取付部の外側にカバー取付部と連続して延びているため、保護カバーをキャップ本体から剥がす際に、カバー突設部からカバー取付部に剥がす力が順に伝わることにより、スムーズに保護カバーを剥がすことができる。
【符号の説明】
【0114】
1…キャップ、2…バイアル、3…キャップ本体、4…筒体、5…天板、6…保護カバー、7…カバー本体部、8…カバー取付部、9…カバー突設部、10…取付手段、20…口部、21…瓶、22…栓、40…縦リブ、50…貫通孔、51…天板環状部、52…天板延出部、53…開口、70…下面、72…中央部、73…外周部、80…内周面、81…外周面、54…天板突出部、90…カバー突設部、91…第一カバー突設部、92…第二カバー突設部、210…瓶口部、211…瓶本体部、212…フランジ部、220…栓大径部、221…栓小径部、222…下面、223…天面、224…天面中央部、225…天面外周部、510…孔縁部、520…延出端、700…中央下面、701…外周下面、710…中央天面、711…外周天面、712…凹部位、713…凸部位、714…補助凸部位、715…縁部位、920…補助突設部、4A…筒軸、C…隙間