(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】家具用脚
(51)【国際特許分類】
A47B 91/00 20060101AFI20240927BHJP
A47B 3/06 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
A47B91/00 Z
A47B3/06 Z
(21)【出願番号】P 2022080611
(22)【出願日】2022-05-17
【審査請求日】2023-09-06
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 開催日 A-1別紙に記載いたします 展示会名、開催場所 A-1別紙に記載いたします。 公開者 株式会社北菱 ウェブサイトの掲載日 B-1別紙に記載いたします。 ウェブサイトのアドレス 下記URLのretroism_officialのインスタラムアカウントでの投稿 https://www.instagram.com/retroism_official/ 公開者 株式会社北菱 ウェブサイトの掲載日 C-1別紙に記載いたします。 ウェブサイトのアドレス 下記URLのretroism_officialのFacebookアカウントでの投稿 https://www.facebook.com/Retroism_official-111285954542182 公開者 株式会社北菱 ウェブサイトの掲載日及び販売開始日 2021年9月15日 ウェブサイトのアドレス 下記URLのRETROISMのネットショップ https://retroism.base.shop 公開者 株式会社北菱 ウェブサイトの掲載日 E-1別紙に記載いたします。 ウェブサイトのアドレス 下記URLのfieldstyle_officialのインスタグラムアカウントでの投稿 https://www.instagram.com/fieldstyle_official/ 公開者 株式会社エムズカンパニー
(73)【特許権者】
【識別番号】591272114
【氏名又は名称】株式会社北菱
(74)【代理人】
【識別番号】100210295
【氏名又は名称】宮田 誠心
(74)【代理人】
【識別番号】100088133
【氏名又は名称】宮田 正道
(72)【発明者】
【氏名】谷口 直樹
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】実公昭08-003330(JP,Y1)
【文献】実開平06-072431(JP,U)
【文献】欧州特許出願公開第04049567(EP,A1)
【文献】意匠登録第0859660(JP,S)
【文献】実公昭38-012505(JP,Y1)
【文献】米国特許第01652942(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 91/00
A47B 3/06
A47C 7/00
日本意匠分類 D7-191
D7-294
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
三本の脚部材で脚を構成され、
各脚部材は、上端に内方に突出した水平連結部と外開きの支持脚部とを備え、
三本の脚部材の水平連結部を重合し、120度間隔で組立て・組外し可能となっており、
水平連結部に、他の脚部材の支持脚部の位置決め溝を備えることを特徴とする家具用脚。
【請求項2】
固定用リングを、
組み立てた3本の外開きの支持脚部に嵌着したことを特徴とする請求項1に記載の家具用脚。
【請求項3】
固定用リングは、脚部材の支持脚部を挟持する120度間隔の嵌合凹部を備えることを特徴とする請求項2に記載の家具用脚。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テーブル、棚等の家具に利用できる脚に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特開2021―065578号公報では、収納時はコンパクトにたたむことができ、使用時には簡単に脚部を開いて天板を支持してテーブル等とすることができる折り畳み式の支持脚が開示されている。
【0003】
また、特開2014-184016号公報では、脚体を強固に連結できる脚固定構造が開示され、特開2006-180967号公報では、単独で使用するときには脚部を必要数固定する一方、テーブルを連接するときには不要な脚部を省略することができる脚部取付構造が開示されている。
【0004】
そして、実用新案登録第3150879号では、固定具を用いずに組み立てる組立式家具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2021―065578号公報
【文献】特開2014-184016号公報
【文献】特開2006-180967号公報
【文献】実用新案登録第3150879号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、その具体的目的により、種々の脚の構成や天板等との固定構造が開示されている。
【0007】
しかし、組立ての容易性や、解体も可能で持ち運び易さを主目的とし、脚としての安定性や剛性も充分に得られる脚自体を対象としたものは少ない。
【0008】
そこで、本発明は組立てが容易で安定性があり、解体も可能で、取り扱いや持ち運びも容易な家具用の脚を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の家具用脚は、三本の脚部材で脚を構成され、各脚部材は、上端に内方に突出した水平連結部と外開きの支持脚部とを備え、三本の脚部材の水平連結部を重合し、120度間隔で組立て・組外し可能となっており、水平連結部に、他の脚部材の支持脚部の位置決め溝を備えることを特徴とするものである。
【0010】
固定用リングを、組み立てた3本の外開きの支持脚部に嵌着したこと、固定用リングは、脚部材の支持脚部を挟持する120度間隔の嵌合凹部を備えることとしてもよい。
【発明の効果】
【0011】
三本の脚部材の水平連結部を重合し、120度間隔で組立て・組外しを可能とするため、構成が簡易で取り扱いも容易となる効果を有する。
【0012】
また、脚は120度間隔の三本の脚部材で構成するため、設置面の状況への対応が良好で安定性があり、屋外での使用にも対応できるものとなる効果を発揮する。
【0013】
支持脚部の下部は、下方へ稍湾曲して外開きと成って接地部に至るため、支持力と安定性を得られる効果を奏する。
【0014】
固定用リングを支持脚部に嵌着することで、支持脚部の開きを抑制し、形態が安定して支承力も増す効果を発揮する。
【0015】
さらに、脚部材の支持脚部を挟持する120度間隔の嵌合凹部を備えるものとすれば、三本の支持脚部の位置関係を更に安定化できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態の家具用脚を示す斜視図である。
【
図2】
図1の分解した三本の脚部材を示す概略正面図である。
【
図3】
図1の家具用脚の水平連結部付近を拡大した斜視図である。
【
図4】
図1の家具用脚で天板及び棚板を支承した状態を示す正面図である。
【
図5】
図1の家具用脚で天板及び棚板を支承した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の家具用脚を図面に基づいて説明する。
【0018】
図1は本発明の一実施の形態を示す家具用脚1である。
【0019】
三本の略同一の脚部材2が120度間隔で組み立てられ家具用脚1を構成する。
【0020】
家具用脚1は金属製で、各脚部材2は、上端に内方へ突出した水平連結部3と外開きの支持脚部21とを備える。
【0021】
家具用脚1は120度間隔の三本の脚部材2で構成するため、設置面の状況への対応が良好で安定性があり、凹凸のある屋外での接地面での使用にも対応しやすくなっている。
【0022】
脚部材2の支持脚部21は平板で形成される。
図1に示すように、支持脚部21の上端部22(
図2を参照)、は、内方の中心点方向に屈曲している。上端部22が水平連結部3を把持するように嵌合した状態で、上端部22に水平連結部3が一体に溶着されている。
【0023】
支持脚部21の下部は、下方へ稍湾曲して外開きと成って接地部23(
図2を参照)に至る形状となっている。この形状は、支持力と安定性を考慮したもので、直線状に開いた形状としても同様の作用効果を奏するものである。
【0024】
図3に示すように、脚部材2は、支持脚部21と一体と成った水平連結部3を重合するために、水平連結部3の中心まわりに上端部22が溶着されている位置から家具用脚1の中心軸周りに120度、240度の間隔で、水平連結部3に位置決め溝31,31を設ける。
【0025】
3つの脚部材2の水平連結部3が重合しても、一つの脚部材2の水平連結部3の位置決め溝31,31にそれぞれ、残りの二つの支持脚部21の上端部22が、それぞれ位置決め溝31,31に緩挿された状態となる。これにより、3つの脚部材2の支持脚部21の上端部22が互いに水平連結部3を重合させる場合の支障とはならない。
【0026】
さらに、3つの脚部材2は、互いの上端部22が位置決め溝31,31に緩挿して互いの水平連結部3の位置関係が決まる作用を奏する。そのため、3つの脚部材2を組み立てるときの目印ともなる。
【0027】
また、
図2に示すように、3つの脚部材2において、支持脚部21の上端部22で水平連結部3が一体に溶着されている上下方向の位置は、各脚部材2により異なっている。
【0028】
すなわち、上端部22で水平連結部3が一体に溶着されている上下方向の位置は、上端部22の上下幅の中間において、脚部材ごとに、水平連結部3の厚さ(上下長さ)分の間隔で異なる高さ位置に形成されている。
【0029】
したがって、3つの脚部材2の水平連結部3を互いに重合させた場合において、3つの脚部材2のそれぞれの接地部23を水平面上に一致させることができる。
【0030】
そして、重合した水平連結部3には互いに対応して固定用透孔32が施されており、ボルト・ナット等の締結する固定手段で固定できるようになっている。家具用脚1は、3つの脚部材2の水平連結部3を重合し、120度間隔で組立て・組外しが可能となる。
【0031】
図4に示すように、また、組み立てて重合した水平連結部3には、支承する家具の天板10に取り付けるために必要なプレート等のアタッチメント5が付設されるものである。
【0032】
さらに、
図1、
図4及び
図5に示すように、外開きの支持脚部21に固定用リング4が嵌着されている。
【0033】
固定用リング4は、組み立てた3つの脚部材2の上方から嵌挿でき、支持脚部21の外開きの中間で引っ掛かって支持脚部21を挟着するリング形状を有する。
【0034】
図4に示すように支承する家具の天板10の加わる重力の影響によって、組み立てた3つの脚部材2は、それぞれの接地部23が、外側に互いに離れるよう開く方向に力が働く。
【0035】
固定用リング4を嵌着することで、それぞれの接地部23の開きを抑制する作用を奏し、形態が安定して支承力も増すものである。
【0036】
固定用リング4は、脚部材2の支持脚部21を挟持する120度間隔の嵌合凹部41を備える三叉状とすれば、組み立てた3つの脚部材2の位置関係を更に安定化できる作用を奏する。
【0037】
また、固定用リング4は、棚板11の台座としても利用が可能である。この場合は固定用リング4に棚板11の荷重が加わるため、組み立てた3つの脚部材2の位置関係の安定化に一層資するものとなる。
【0038】
以上、本発明を図面に基づいて説明した上記の具体的な構成は、実施の形態に一例であり、実施の形態により同様の作用効果を得られる構成または手段を排除するものではない。
【0039】
上記実施形態では、家具用脚1は金属製である場合について説明したが、これに限定されることはない。家具用脚は、例えば、木材等の別素材製であってもよい。
【0040】
上記実施形態では、重合した水平連結部3には互いに対応して固定用透孔32が施されておりボルト・ナット等の締結する固定手段で固定する場合について説明したが、これに限定されることはない。例えば、重合した状態で一番下の位置の水平連結部からにネジ部が上に突出しており、そのネジ部が他の水平連結部の固定用透孔を貫通して、重合した水平連結部をボルトで固定可能となっている等、重合した水平連結部の固定方法は自由に選択することができる。
【0041】
上記実施形態では、固定用リング4は、脚部材2の支持脚部21を挟持する120度間隔の嵌合凹部41を備える三叉状である場合について説明したが、これに限定されることはない。固定用リングの形状は、固定用リング4を嵌着することで、組み立てた3つの脚部材2の上方から嵌挿でき、支持脚部21の外開きの中間で引っ掛かって支持脚部21を挟着するリング形状であれば、どのような形状となっていてもよい。
【0042】
上記実施形態では、
図4及び
図5に示すように、2つの家具用脚で、それぞれアタッチメント5を介してテーブルの天板を支承する場合について説明したが、これに限定されることはない。例えば1つ、または3つ以上の家具用脚で、テーブル以外の家具を支承してもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 家具用脚
2 脚部材
3 水平連結部
4 固定用リング
5 アタッチメント
10 天板
11 棚板
21 支持脚部
22 上端部
23 接地部
31 溝
32 固定用透孔
41 嵌合凹部