(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】帳票作成支援システム、帳票作成支援方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/08 20120101AFI20240927BHJP
【FI】
G06Q50/08
(21)【出願番号】P 2023217059
(22)【出願日】2023-12-22
【審査請求日】2024-01-29
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和5年11月13日に、動画配信サイト(YouTube)(https://www.youtube.com/watch?v=SjYG-NM4CAY)にて動画が配信 令和5年11月14日に、日本経済新聞のウェブサイト(https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC07BMK0X01C23A1000000/)にて記事が公開 令和5年11月15日に、日本経済新聞に記事が掲載 令和5年11月15日に、日刊工業新聞のウェブサイト(https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00692484)にて記事が公開 令和5年11月15日に、日刊工業新聞に記事が掲載 令和5年11月15日に、建設工業新聞に記事が掲載 令和5年11月15日に、プレスリリース配信サイト(PRTIMES)(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000028.000058603.html)にて記事が公開 令和5年11月15日に、株式会社アルダグラムのウェブサイト(https://aldagram.com/news/press231115/)にて記事が公開 令和5年11月15日に、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(X)(https://twitter.com/aldagram_career/status/1724620529603432584?s=20)にて記事が公開 令和5年11月20日に、アエラホーム株式会社へ製品を販売 令和5年11月21日に、ArayZ Onlineのウェブサイト(https://arayz.com/news/kannna-report-20231121/)にて記事が公開 令和5年11月21日に、住宅新報のウェブサイト(https://www.jutaku-s.com/newsp/id/0000057410)にて記事が公開 令和5年11月21日に、住宅新報に記事が掲載 令和5年11月21日に、三井デザインテック株式会社へ製品を販売 令和5年11月21日に、エクスケアダクト株式会社へ製品を販売 令和5年11月24日に、住友電気工業株式会社へ製品を販売 令和5年11月30日に、株式会社インテリックス空間設計へ製品を販売
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和5年11月30日に、Thai TODA Corporation Ltd.へ製品を販売 令和5年12月4日に、リフォーム産業新聞のウェブサイト(https://www.reform-online.jp/news/distribution/23886.php)にて記事が公開 令和5年12月4日に、リフォーム産業新聞に記事が掲載 令和5年12月7日に、建通新聞に記事が掲載 令和5年12月8日に、株式会社宮工房へ製品を販売 令和5年12月8日に、株式会社住まい館へ製品を販売 令和5年12月11日に、全国賃貸住宅新聞のウェブサイト(https://www.zenchin.com/news/content-1482.php)にて記事が公開 令和5年12月11日に、全国賃貸住宅新聞に記事が掲載 令和5年12月11日に、ジオラフター株式会社へ製品を販売 令和5年12月12日に、プレスリリース配信サイト(PRTIMES)(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000033.000058603.html)にて記事が公開 令和5年12月12日に、株式会社アルダグラムのウェブサイト(https://aldagram.com/news/press231212/)にて記事が公開 令和5年12月12日に、株式会社アルダグラムのウェブサイト(https://aldagram.com/en/news/476mk9gijk/)にて記事が公開 令和5年12月12日に、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(X)(https://twitter.com/aldagram_career/status/1734390758021755201?s=20)にて記事が公開 令和5年12月13日に、第3回建設DX展にて発表 令和5年12月13日に、四国電設興業株式会社へ製品を販売
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和5年12月14日に、株式会社若港へ製品を販売 令和5年12月15日に、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(X)(https://twitter.com/aldagram_career/status/1735464726086513111?s=20)にて記事が公開 令和5年12月15日に、月刊建築技術1月号に記事が掲載 令和5年12月18日に、動画配信サイト(YouTube)(https://www.youtube.com/watch?v=9BKdGxEL1nU)にて動画が配信 令和5年12月18日に、動画配信サイト(YouTube)(https://www.youtube.com/watch?v=wUfSNY9G6bg)にて動画が配信 令和5年12月18日に、三宝精機工業株式会社へ製品を販売 令和5年12月18日に、株式会社エムズホームへ製品を販売 令和5年12月19日に、株式会社神谷商会へ製品を販売 令和5年12月19日に、紀森工事有限会社へ製品を販売 令和5年12月19日に、株式会社オルソへ製品を販売 令和5年12月19日に、北海電気工事株式会社へ製品を販売 令和5年12月20日に、有限会社ナンシーズへ製品を販売 令和5年12月21日に、若月電業有限会社へ製品を販売 令和5年12月22日に、株式会社LINKSへ製品を販売 令和5年12月22日に、合同会社大柿工業へ製品を販売
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520139240
【氏名又は名称】株式会社アルダグラム
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】小幡 洋介
【審査官】板垣 有紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-060287(JP,A)
【文献】特開2007-279965(JP,A)
【文献】特開2021-005328(JP,A)
【文献】特開2019-164441(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ファイル形式の第1帳票ファイル、及び、前記第1ファイル形式と異なる第2ファイル形式に変換された前記第1帳票ファイルである第2帳票ファイルを取得する取得部と、
前記第1帳票ファイルにおける入力欄の位置と、前記第2帳票ファイルにおける入力欄の位置との対応関係を示す入力欄対応情報を記憶する記憶部と、
取得された前記第2帳票ファイルを情報端末に表示するために、前記第2帳票ファイルを前記情報端末へ出力する出力部とを備え、
前記取得部は、前記情報端末によって前記第2帳票ファイルにおける入力欄に入力された第1データを取得し、
前記出力部は、取得された前記第1帳票ファイルと、取得された前記第1データと、前記入力欄対応情報とに基づいて、入力欄に前記第1データが入力された前記第1帳票ファイルを出力する
帳票作成支援システム。
【請求項2】
前記出力部により前記情報端末へ出力される前記第2帳票ファイルの入力欄には、入力ロジックが設定されている
請求項1に記載の帳票作成支援システム。
【請求項3】
前記第1帳票ファイルは、業務案件に関する帳票ファイルであり、
前記取得部は、さらに、前記業務案件を管理する業務管理システムから、前記業務案件に関する第2データを取得し、
前記出力部により前記情報端末へ出力される前記第2帳票ファイルの入力欄の少なくとも一部には、取得された前記第2データが入力されている
請求項1または2に記載の帳票作成支援システム。
【請求項4】
前記記憶部には、入力欄に前記第1データが入力された前記第1帳票ファイルが複数記憶され、
前記記憶部に記憶された複数の前記第1帳票ファイルのそれぞれには、数値が入力される数値入力欄が設けられ、
前記出力部は、複数の前記第1帳票ファイルのそれぞれの前記数値入力欄に入力された数値を統計処理した結果を表示するための情報を出力する
請求項1または2に記載の帳票作成支援システム。
【請求項5】
前記第1ファイル形式は、表計算ソフトウェア用のファイル形式であり、
前記第2ファイル形式は、画面表示用のファイル形式である
請求項1または2に記載の帳票作成支援システム。
【請求項6】
前記第2ファイル形式は、htmlファイル形式である
請求項1または2に記載の帳票作成支援システム。
【請求項7】
コンピュータシステムによって実行される帳票作成支援方法であって、
第1ファイル形式の第1帳票ファイル、及び、前記第1ファイル形式と異なる第2ファイル形式に変換された前記第1帳票ファイルである第2帳票ファイルを取得するステップと、
前記第1帳票ファイルにおける入力欄の位置と、前記第2帳票ファイルにおける入力欄の位置との対応関係を示す入力欄対応情報を記憶するステップと、
取得された前記第2帳票ファイルを情報端末に表示するために、前記第2帳票ファイルを前記情報端末へ出力するステップと、
前記情報端末によって前記第2帳票ファイルにおける入力欄に入力された第1データを取得するステップと、
取得された前記第1帳票ファイルと、取得された前記第1データと、前記入力欄対応情報とに基づいて、入力欄に前記第1データが入力された前記第1帳票ファイルを出力するステップとを含む
帳票作成支援方法。
【請求項8】
請求項
7に記載の帳票作成支援方法を前記コンピュータシステムに実行させるためのプログラム。
【請求項9】
情報端末によって実行される帳票作成支援方法であって、
第1ファイル形式の第1帳票ファイルをサーバシステムへ送信するステップと、
前記第1ファイル形式と異なる第2ファイル形式に変換された前記第1帳票ファイルである第2帳票ファイルを前記サーバシステムから受信するステップと、
受信された前記第2帳票ファイルを表示するステップと、
表示された前記第2帳票ファイルの入力欄に前記情報端末のユーザによって入力された第1データを前記サーバシステムへ送信するステップと、
前記サーバシステムにより、前記第1帳票ファイルにおける入力欄の位置と前記第2帳票ファイルにおける入力欄の位置との対応関係を示す入力欄対応情報に基づいて作成された、入力欄に前記第1データが入力された前記第1帳票ファイルを、前記サーバシステムから受信するステップとを含む
帳票作成支援方法。
【請求項10】
請求項
9に記載の帳票作成支援方法を前記情報端末に実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帳票作成支援システム、帳票作成支援方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
帳票の電子化に関する技術が提案されている。特許文献1には、帳票のデータを複数の拠点で電子データ化して保存する場合に、一拠点あたりのデータ保存量を削減することができる帳票データ保存管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、帳票ファイルへデータを入力するとき、及び、帳票ファイルを出力するときに、異なるファイル形式の帳票ファイルを使用することができる帳票作成支援システム等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る帳票作成支援システムは、第1ファイル形式の第1帳票ファイル、及び、前記第1ファイル形式と異なる第2ファイル形式に変換された前記第1帳票ファイルである第2帳票ファイルを取得する取得部と、前記第1帳票ファイルにおける入力欄の位置と、前記第2帳票ファイルにおける入力欄の位置との対応関係を示す入力欄対応情報を記憶する記憶部と、取得された前記第2帳票ファイルを情報端末に表示するために、前記第2帳票ファイルを前記情報端末へ出力する出力部とを備え、前記取得部は、前記情報端末によって前記第2帳票ファイルにおける入力欄に入力された第1データを取得し、前記出力部は、取得された前記第1帳票ファイルと、取得された前記第1データと、前記入力欄対応情報とに基づいて、入力欄に前記第1データが入力された前記第1帳票ファイルを出力する。
【0006】
本発明の一態様に係る帳票作成支援方法は、コンピュータシステムによって実行される帳票作成支援方法であって、第1ファイル形式の第1帳票ファイル、及び、前記第1ファイル形式と異なる第2ファイル形式に変換された前記第1帳票ファイルである第2帳票ファイルを取得するステップと、前記第1帳票ファイルにおける入力欄の位置と、前記第2帳票ファイルにおける入力欄の位置との対応関係を示す入力欄対応情報を記憶するステップと、取得された前記第2帳票ファイルを情報端末に表示するために、前記第2帳票ファイルを前記情報端末へ出力するステップと、前記情報端末によって前記第2帳票ファイルにおける入力欄に入力された第1データを取得するステップと、取得された前記第1帳票ファイルと、取得された前記第1データと、前記入力欄対応情報とに基づいて、入力欄に前記第1データが入力された前記第1帳票ファイルを出力するステップとを含む。
【0007】
本発明の一態様に係るプログラムは、前記帳票作成支援方法を前記コンピュータシステムに実行させるためのプログラムである。
【0008】
本発明の一態様に係る帳票作成支援方法は、情報端末によって実行される帳票作成支援方法であって、第1ファイル形式の第1帳票ファイルをサーバシステムへ送信するステップと、前記第1ファイル形式と異なる第2ファイル形式に変換された前記第1帳票ファイルである第2帳票ファイルを前記サーバシステムから受信するステップと、受信された前記第2帳票ファイルを表示するステップと、表示された前記第2帳票ファイルの入力欄に前記情報端末のユーザによって入力された第1データを前記サーバシステムへ送信するステップと、前記サーバシステムにより、前記第1帳票ファイルにおける入力欄の位置と前記第2帳票ファイルにおける入力欄の位置との対応関係を示す入力欄対応情報に基づいて作成された、入力欄に前記第1データが入力された前記第1帳票ファイルを、前記サーバシステムから受信するステップとを含む。
【0009】
本発明の一態様に係るプログラムは、前記帳票作成支援方法を前記情報端末に実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の帳票作成支援システム等は、帳票ファイルへデータを入力するとき、及び、帳票ファイルを出力するときに、異なるファイル形式の帳票ファイルを使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る帳票作成支援システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る帳票作成支援システムの動作例1のシーケンス図である。
【
図3】
図3は、第2帳票ファイルが表示されたテンプレート作成画面の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施の形態に係る帳票作成支援システムの動作例2のシーケンス図である。
【
図5】
図5は、テンプレートが表示された入力画面の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、業務管理システムにアクセスしている情報端末の表示部に表示される表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0013】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0014】
(実施の形態)
[構成]
まず、実施の形態に係る帳票作成支援システムの構成について説明する。
図1は、実施の形態に係る帳票作成支援システムの機能構成を示すブロック図である。
【0015】
図1に示される帳票作成支援システム10は、企業または個人事業主等(以下、企業等とも記載される)による帳票の作成を支援することができるシステムである。ここでの帳票は、広義の意味であり、企業等の経営活動に関する書類全般を意味する。
【0016】
例えば、建設会社などの企業においては、工事現場において現場作業者が紙の帳票に対して必要事項を記入した後、事務作業者が紙の帳票の記載内容をPC(表計算用の電子ファイル)に入力し直す、といった業務が行われる。帳票作成支援システム10によれば、現場作業者が工事現場においてスマートフォンなどの情報端末20に対して必要事項を入力すると、帳票ファイルがサーバシステム30に保存される。このため、企業は、事務作業者が紙の帳票の記載内容をPCに入力し直すような作業を省略することができ、事務作業者の業務時間を削減することができる。
【0017】
また、帳票作成支援システム10においては、帳票は紙面ではなく電子ファイルとして保管されることから、企業は、紙面を保管するスペース、及び、紙面の管理コストなどを削減することができる。
【0018】
帳票作成支援システム10は、具体的には、複数の情報端末20と、サーバシステム30と、ファイル変換システム40とを備える。また、
図1には、帳票作成支援システム10と連携するシステムとして、業務管理システム50が図示されている。以下、情報端末20、サーバシステム30、ファイル変換システム40、及び、業務管理システム50について具体的に説明する。
【0019】
情報端末20は、企業の従業員(以下、ユーザとも記載する)が、サーバシステム30へアクセスするために使用する情報端末である。情報端末20は、例えば、スマートフォンまたはタブレット端末などの携帯型の情報端末であるが、パーソナルコンピュータなどの据え置き型の情報端末であってもよい。情報端末20は、操作受付部21と、表示部22と、情報処理部23と、記憶部24と、通信部25とを備える。
【0020】
操作受付部21は、利用者の操作を受け付ける。操作受付部21は、例えば、タッチパネルによって実現されるが、マウスまたはキーボードなどによって実現されてもよい。
【0021】
表示部22は、画像を表示する。表示部22は、例えば、液晶パネルまたは有機EL(Electro Luminescence)パネルなどの表示パネルによって実現される。
【0022】
情報処理部23は、操作受付部21によって受け付けられた入力に応じて表示部22へ画像を表示する処理などを行う。情報処理部23は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。情報処理部23の機能は、例えば、情報処理部23を構成するマイクロコンピュータまたはプロセッサ等が記憶部24に記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって実現される。
【0023】
記憶部24は、情報処理部23によって実行されるコンピュータプログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部24に記憶されるコンピュータプログラムには、情報端末20がサーバシステム30にアクセスするためのブラウザ及び専用のアプリケーションプラグラム(以下、アプリとも記載される)が含まれる。記憶部24は、例えば、半導体メモリによって実現される。
【0024】
通信部25は、情報端末20が、サーバシステム30と広域通信ネットワーク60を介して通信を行うための通信回路(通信モジュール)である。通信部25は、例えば、無線通信を行う無線通信回路であるが、有線通信を行う有線通信回路であってもよい。通信部25が行う通信の通信規格については特に限定されない。
【0025】
サーバシステム30は、帳票の作成支援サービス、及び、帳票の保存(管理)サービスを提供するシステムである。サーバシステム30は、1つまたは複数のサーバ装置(クラウドサーバ)によって実現される。サーバシステム30は、具体的には、通信部31と、情報処理部32と、記憶部33とを備える。
【0026】
通信部31は、サーバシステム30が、複数の情報端末20及びファイル変換システム40とインターネットなどの広域通信ネットワーク60を介して通信を行うための通信回路(通信モジュール)である。通信部31は、例えば、有線通信を行う有線通信回路であるが、無線通信を行う無線通信回路であってもよい。通信部31が行う通信の通信規格については特に限定されない。
【0027】
情報処理部32は、帳票の作成支援、及び、帳票の保存に関する情報処理を行う。情報処理部32は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。情報処理部32は、機能的な構成要素として、取得部34、作成部35、及び、出力部36を備える。取得部34、作成部35、及び、出力部36の機能は、例えば、情報処理部32を構成するマイクロコンピュータまたはプロセッサ等(ハードウェア)が記憶部33に記憶されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することによって実現される。
【0028】
記憶部33は、情報処理部32によって実行されるコンピュータプログラムなど、上記の情報処理に必要な情報が記憶される記憶装置である。記憶部33は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)によって実現されるが、半導体メモリによって実現されてもよい。
【0029】
ファイル変換システム40は、帳票の電子ファイル(以下、帳票ファイルとも記載される)のファイル形式を変換するシステムである。ファイル変換システム40は、1つまたは複数のサーバ装置(クラウドサーバ)によって実現される。ファイル変換システム40は、エクセル(登録商標)ファイルなどの表計算ソフトウェア用のファイル形式の帳票ファイルを、htmlファイルなどの画面表示用のファイル形式の帳票ファイルに変換する。
【0030】
業務管理システム50は、企業の業務案件の管理を行うシステムである。業務管理システム50は、1つまたは複数のサーバ装置(クラウドサーバ)によって実現される。業務管理システム50のユーザは、ブラウザまたは専用のアプリを実行中の情報端末20を用いて業務管理システム50にアクセスすることで、スケジュール管理、企業の従業員間でのメッセージ交換(チャット)、及び、電子ファイルの共有などのサービスを受けることができる。
【0031】
[動作例1:テンプレートの作成動作]
帳票作成支援システム10は、企業が使用している既存の表計算ソフトウェア用のファイル形式の第1帳票ファイルをそのまま使用して、帳票のテンプレートを作成することができる。以下、このようなテンプレートの作成動作(動作例1)について説明する。
図2は、帳票作成支援システム10の動作例1のシーケンス図である。
【0032】
情報端末20の情報処理部23は、帳票のテンプレートを作成するためのテンプレート作成画面を表示部22に表示する(S11)。テンプレート作成画面を表示するために、操作受付部21は、ユーザ(企業等の従業者)から所定の操作を受け付け、通信部25は、必要に応じてサーバシステム30と通信を行うが、この点の図示は省略されている。この時点では、テンプレートの作成画面には、帳票ファイルは表示されていない。
【0033】
次に、情報処理部23は、通信部25を用いてサーバシステム30と通信することにより、第1帳票ファイルをサーバシステム30へ送信(アップロード)する(S12)。第1帳票ファイルは、あらかじめ記憶部24に記憶されていた、表計算ソフトウェア用のファイル形式の帳票ファイルである。第1帳票ファイルをサーバシステム30へ送信するために、操作受付部21は、ユーザから第1帳票ファイルのアップロードを指示する操作を受け付けるが、この点の図示は省略されている。
【0034】
サーバシステム30の通信部31は、第1帳票ファイルを受信し、取得部34は、受信された第1帳票ファイルを取得する(S13)。出力部36は、通信部31を用いてファイル変換システム40と通信することにより、取得された第1帳票ファイルのファイル形式の変換要求をファイル変換システム40へ出力(送信)する(S14)。変換要求には、第1帳票ファイルそのものが含まれる。
【0035】
ファイル変換システム40は、変換要求に含まれる第1帳票ファイルのファイル形式を表計算ソフトウェア用のファイル形式から画面表示用のファイル形式に変換する(S15)。ファイル変換システム40は、ファイル形式が変換された第1帳票ファイルである第2帳票ファイルをサーバシステム30へ送信する(S16)。なお、第2帳票ファイルを可視化した場合の見た目は、第1帳票ファイルを表計算用のソフトウェアで開いた場合の見た目と実質的に同一である。
【0036】
サーバシステム30の通信部31は、第2帳票ファイルを受信し、取得部34は、受信された第2帳票ファイルを取得する(S17)。出力部36は、通信部31を用いて情報端末20と通信することにより、取得された第2帳票ファイルを情報端末20へ出力(送信)する(S18)。ステップS18の処理は、取得された第2帳票ファイルを情報端末20に表示するために行われる。
【0037】
情報端末20の通信部25は、第2帳票ファイルを受信する。情報処理部23は、テンプレート作成画面に第2帳票ファイルを表示する(S19)。
図3は、第2帳票ファイルが表示されたテンプレート作成画面の一例を示す図である。
【0038】
次に、情報処理部23は、通信部25を用いてサーバシステム30と通信することにより、帳票のテンプレートの保存要求をサーバシステム30へ送信する(S20)。帳票のテンプレートは、例えば、第2帳票ファイルに入力ロジックが設定されたファイルである。テンプレートの保存要求は、例えば、操作受付部21がユーザから所定の操作を受け付けた後に送信されるがこの点の図示は省略されている。ここでの所定の操作には、入力欄に設定する入力ロジックを選択する操作、及び、テンプレートの作成(保存)を指示する操作などが含まれる。
【0039】
なお、入力欄には、テキスト入力、ドロップダウン選択、日付選択、数値入力、手書き入力、印影(はんこ)入力、及び、写真添付などの入力ロジックを設定することができる。ユーザは、テンプレートの作成画面に表示される入力ロジックの選択肢の中から、入力欄に設定する入力ロジックを選択する。入力ロジックは、入力ルールまたは入力フォームなどと言い換えることができる。
【0040】
サーバシステム30の通信部31は、テンプレートの保存要求を受信する。作成部35は、受信されたテンプレートの保存要求に基づいてテンプレートを作成し、作成したテンプレートを記憶部33に保存(記憶)する(S21)。このとき、作成部35は、入力欄対応情報と、テンプレートのオリジナルファイルである第1帳票ファイルとをテンプレートに紐づけて記憶部33に記憶する。入力欄対応情報は、第1帳票ファイルにおける入力欄の位置と、第2帳票ファイル(テンプレート)における入力欄の位置との対応関係を示す情報である。入力欄の位置は、具体的には、座標などによって表される。入力欄対応情報は、後述の動作例2のステップS37において使用される。なお、テンプレートは、名称を設定して複数保存することができる。
【0041】
以上説明したように、帳票作成支援システム10は、企業が使用している既存の第1帳票ファイルをそのまま使用して、帳票のテンプレートを作成することができる。
【0042】
[動作例2:帳票ファイルの作成動作]
次に、上記のような帳票のテンプレートを用いた、帳票ファイルの作成動作(動作例2)について説明する。
図4は、帳票作成支援システム10の動作例2のシーケンス図である。なお、以下では、帳票作成支援システム10が建設会社などで使用される例について説明する。具体的には、工事現場などの現場において現場作業者が情報端末20aを用いて帳票ファイルを作成し、オフィスにおいて事務作業者が情報端末20bを用いて帳票ファイルをダウンロードする例について説明する。
【0043】
情報端末20aの情報処理部23は、帳票のテンプレートにデータを入力するための入力画面を表示部22に表示する(S31)。入力画面を表示するために、操作受付部21は、現場作業者から所定の操作を受け付け、通信部25は、必要に応じてサーバシステム30と通信を行うが、この点の図示は省略されている。この時点では、入力画面には、テンプレートは表示されていない。
【0044】
サーバシステム30の出力部36は、通信部31を用いて情報端末20と通信することにより、テンプレートを情報端末20へ出力(送信)する(S32)。ステップS32の処理は、テンプレートを情報端末20に表示するために行われる。
【0045】
情報端末20の通信部25は、テンプレートをサーバシステム30から受信する。上述のように、テンプレートは、入力ロジックが設定された第2帳票ファイルである。ステップS32においてテンプレートをサーバシステム30から受信するために、操作受付部21は、ユーザからテンプレートを選択する操作等を受け付け、通信部25は、必要に応じてサーバシステム30と通信を行うが、この点の図示は省略されている。
【0046】
情報処理部23は、入力画面にテンプレートを表示する(S33)。
図5は、テンプレートが表示された入力画面の一例を示す図である。
図5に示されるように、入力画面に表示されるテンプレートは、見た目は第1帳票ファイルを開くための表計算用のソフトウェアの表示画面と類似しているため、ユーザは既存の第1帳票ファイルを編集するときと同様に直感的にデータを入力することができる。
【0047】
現場作業者は、
図5のような入力画面が表示されているときに、データの入力操作を行い、操作受付部21は、入力操作を受け付ける(S34)。現場作業者は、入力欄のそれぞれに対して、当該入力欄に設定された入力ロジックにしたがってデータの入力を行う。
【0048】
ユーザによってデータが入力され、帳票ファイルが完成すると、情報処理部23は、通信部25を用いてサーバシステム30と通信することにより、帳票ファイルの保存要求をサーバシステム30へ送信する(S35)。帳票ファイルの保存要求には、テンプレートの入力欄に入力されたデータが含まれている。帳票ファイルの保存要求は、例えば、操作受付部21がユーザから所定の操作を受け付けた後に送信されるが、この点の図示は省略されている。
【0049】
サーバシステム30の通信部31は、帳票ファイルの保存要求を受信し、取得部34は、受信された保存要求に含まれる、テンプレートの入力欄に入力されたデータを取得する(S36)。言い換えれば、取得部34は、入力ロジックが設定された第2帳票ファイルにおける入力欄に入力されたデータであって、情報端末20a(より詳細には、情報端末20aのユーザである現場作業者)により入力されたデータを取得する。
【0050】
作成部35は、ステップS36において取得されたデータが入力された第1帳票ファイルを作成し、作成した第1帳票ファイルを記憶部33に保存(記憶)する(S37)。作成部35は、具体的には、ステップS21において記憶部33に記憶された、第1帳票ファイル(ステップS13において取得された、テンプレートのオリジナルファイル)、及び、入力欄対応情報を記憶部33から読み出す。ここでの第1帳票ファイル、及び、入力欄対応情報は、動作例1のステップS21においてテンプレートに紐づけて記憶部33に記憶されたものである。続いて、作成部35は、入力欄対応情報に基づいて、ステップS36において取得されたデータを、第1帳票ファイルのどの入力欄に入力すべきかを特定する。作成部35は、特定した入力欄にデータを入力することで、データが入力された第1帳票ファイルを作成し、記憶部33に保存することができる。
【0051】
なお、ステップS37においては、データが入力された第1帳票ファイルに加えて、データが入力された第2帳票ファイルが記憶部33に保存されてもよい。
【0052】
その後、情報端末20bの情報処理部23は、通信部25を用いてサーバシステム30と通信することにより、データが入力された第1帳票ファイル(完成後の第1帳票ファイル)の出力要求をサーバシステム30へ送信する(S38)。出力要求をサーバシステム30へ送信するために、操作受付部21は、事務作業者から所定の操作を受け付けるが、この点の図示は省略されている。
【0053】
サーバシステム30の通信部31は、第1帳票ファイルの出力要求を受信する。出力部36は、記憶部33に保存された、データが入力された第1帳票ファイルを読み出し、通信部31を用いて情報端末20bと通信することにより、読み出した第1帳票ファイルを情報端末20bへ出力(送信)する(S39)。上述のステップS37の処理とステップS39の処理を合わせると、出力部36は、ステップS13において取得された第1帳票ファイルと、ステップS36において取得されたデータと、ステップS21において記憶部33に記憶された入力欄対応情報とに基づいて、入力欄にデータが入力された第1帳票ファイルを出力していると考えることもできる。
【0054】
情報端末20bの通信部25は、第1帳票ファイルを受信する。このように、事務作業者は、データが入力された第1帳票ファイルをダウンロードすることができる。
【0055】
なお、入力欄にデータが入力された第1帳票ファイルの作成は、ステップS37において行われると説明した。しかしながら、ステップS37においては入力欄にデータが入力されたテンプレート(第2帳票ファイル)の保存が行われ、入力欄にデータが入力された第1帳票ファイルの作成は、出力要求に応じてステップS39において行われてもよい。
【0056】
また、情報端末20bに代えて情報端末20aに第1帳票ファイルをダウンロードすることも可能である。つまり、ステップS38、及び、ステップS39の処理は、情報端末20aとサーバシステム30との間で行われる処理に読み替えられてもよい。
【0057】
以上説明したように、帳票作成支援システム10においては、現場作業者により情報端末20aに対して必要事項(データ)が入力されると、第1帳票ファイルがサーバシステム30に保存される。このため、企業は、事務作業者が紙の帳票の記載内容をPCに入力し直すような作業を省略することができ、事務作業者の業務時間を削減することができる。
【0058】
また、帳票作成支援システム10においては、紙面ではなく第1帳票ファイル(電子ファイル)が保存されることから、企業は、紙面を保管するスペース、及び、紙面の管理コストなどを削減することができる。
【0059】
また、表計算ソフトウェア用のファイル形式の第1帳票ファイルに対してWEB上で情報端末20からデータを入力しようとすると、情報端末20にプラグインをインストールするなどの初期設定が必要となる場合がある。初期設定は、ユーザにとって手間がかかる。
【0060】
これに対し、帳票作成支援システム10は、画面表示用のファイル形式の第2帳票ファイルに対して入力されたデータを、入力欄対応情報を用いて第1帳票ファイルに移行することで、上記のような初期設定を省略することができる。
【0061】
[業務管理システムとの連携]
帳票作成支援システム10は、業務管理システム50と連携することで、ステップS33において情報端末20の表示部22に表示されるテンプレート(第2帳票ファイル)の入力欄の少なくとも一部に、データを自動入力することができる。
【0062】
例えば、ある企業が、帳票作成支援システム10を利用するための第1アカウント情報(ユーザID及びパスワード)と、業務管理システム50を利用するための第2アカウント情報とを所持している場合、帳票作成支援システム10及び業務管理システム50の少なくとも一方において、第1アカウント情報及び第2アカウント情報の紐付けが行われていれば、企業の業務案件に関する情報と、当該企業の帳票ファイルとが紐づけられる。このような紐付けにより、帳票作成支援システム10(サーバシステム30)は、帳票ファイルに自動入力するデータの取得先を特定することができる。
【0063】
図6は、業務管理システム50にアクセスしている情報端末20の表示部22に表示される表示画面の一例を示す図である。
図6に示されるように、業務管理システム50においては、業務案件ごとに当該業務案件に関する情報を管理している。企業が建設会社である場合、業務案件は、工事案件(
図6の山田様外壁工事などに相当)を意味する。
【0064】
例えば、第1帳票ファイルが、ある工事案件の工事完了報告書に相当する電子ファイルであり、当該工事案件の情報が業務管理システム50において管理されている場合、ユーザは、情報端末20を用いて、サーバシステム30に対して工事案件名を指定するなどの事前設定を行う。
【0065】
サーバシステム30の取得部34は、上記の事前設定に基づいて、業務管理システム50と通信を行うことにより、業務管理システム50から上記工事案件に関するデータを取得する。作成部35は、取得されたデータをテンプレートの入力欄の少なくとも一部に入力することで、一部のデータが入力されたテンプレートを作成する。
【0066】
上記動作例2のステップS32において、出力部36は、通信部31を用いて情報端末20aと通信することで、一部のデータが入力されたテンプレート(第2帳票ファイル)を情報端末20aに送信する。この結果、動作例2のステップS33において一部のデータが入力されたテンプレートが表示される。一部のデータは、例えば、
図5の、工事名、開始日、または、終了日などである。
【0067】
以上説明したように、第1帳票ファイルが、工事案件などの業務案件に関する帳票ファイルである場合、サーバシステム30の取得部34は、業務案件を管理する業務管理システム50から、業務案件に関するデータを取得することができる。この場合、帳票作成支援システム10(サーバシステム30)は、ステップS33において表示部22に表示されるテンプレート(言い換えれば、ステップS32において出力部36により情報端末20へ出力される第2帳票ファイル)の入力欄の少なくとも一部に、取得された業務案件に関するデータをあらかじめ自動入力することができる。これにより、帳票作成支援システム10は、ユーザがデータを入力する手間を省くことができる。
【0068】
[集計結果の出力]
帳票が作業の日報であるような場合、上記動作例2に基づいて、サーバシステム30の記憶部33には、データが入力された第1帳票ファイルが日々蓄積される。つまり、記憶部33には、データが入力された第1帳票ファイルが複数記憶される。
【0069】
ここで、記憶部33に記憶された複数の第1帳票ファイルのそれぞれに、数値が入力される数値入力欄が設けられているような場合、サーバシステム30の出力部36は、複数の第1帳票ファイルのそれぞれの数値入力欄に入力された数値の集計結果を表示するための情報を情報端末20へ出力することができる。
【0070】
例えば、情報端末20の情報処理部23は、通信部25を用いてサーバシステム30と通信することにより、複数の第1帳票ファイルにおける数値入力欄における数値の集計要求をサーバシステム30へ送信する。集計要求をサーバシステム30へ送信するために、操作受付部21は、ユーザから所定の操作を受け付ける。
【0071】
サーバシステム30の通信部31は、集計要求を受信する。出力部36は、記憶部33に保存された複数の第1帳票ファイルを参照し、複数の第1帳票ファイルのそれぞれの数値入力欄に入力された数値を集計する。数値入力欄は、例えば、複数の第1帳票ファイルのそれぞれにおいて同じ位置(座標)に設けられた入力欄である。
【0072】
出力部36は、通信部31を用いて情報端末20と通信することにより、数値の集計結果を表示するための集計結果情報を情報端末20へ出力(送信)する。情報端末20の通信部25は、集計結果情報をサーバシステム30から受信し、情報処理部23は、受信された集計結果情報に基づいて、表示部22に集計結果を表示する。
【0073】
例えば、帳票に工事作業によって運び出した砂利の量を入力する数値入力欄がある場合、出力部36は、複数の第1帳票ファイルのそれぞれの数値入力欄に入力された砂利の量を集計し、集計結果情報を情報端末20へ出力する。情報端末20の表示部22には、運び出した砂利の総量が表示され、ユーザは、運び出した砂利の総量を容易に把握することができる。
【0074】
このように、帳票作成支援システム10は、複数の第1帳票ファイルの数値入力欄に入力された数値を集計し、集計結果を情報端末20に表示することができる。なお、数値を集計(合計)する処理は、統計処理の一例である。帳票作成支援システム10(サーバシステム30)は、統計処理として、複数の第1帳票ファイルの数値入力欄に入力された数値の、平均値、最大値、中央値、最小値、または、標準偏差などを算出し、統計処理の結果を情報端末20に表示してもよい。
【0075】
[変形例]
上記実施の形態では、第1帳票ファイルは、表計算ソフトウェア用のファイル形式の帳票ファイルであり、第2帳票ファイルは、画面表示用のファイル形式の帳票ファイルであると説明された。しかしながら、第1帳票ファイル及び第2帳票ファイルそれぞれのファイル形式については特に限定されない。帳票作成支援システム10においては、あるファイル形式の帳票ファイルが他のファイル形式の帳票ファイルに変換されればよい。
【0076】
また、上記実施の形態の動作例1において、第1帳票ファイルの第2帳票ファイルへの変換(ファイル形式の変換)は、ファイル変換システム40によって行われたが、サーバシステム30によって行われてもよい。
【0077】
また、上記実施の形態の動作例2においては、第1帳票ファイル(表計算ソフトウェア用のファイル形式の帳票ファイル)が情報端末20bにダウンロードされる例について説明された。しかしながら、第2帳票ファイル(画像表示用のファイル形式の帳票ファイル)が情報端末20bにダウンロードされてもよいし、PDFファイルなどの他の形式の第3帳票ファイルが情報端末20bにダウンロードされてもよい。この場合、サーバシステム30は、第1帳票ファイルまたは第2帳票ファイルを第3帳票ファイルに変換する処理を行う。
【0078】
また、上記実施の形態において、帳票作成支援システム10のサーバシステム30と、業務管理システム50とは互いに異なる別のシステムであったが、同一のシステムであってもよい。この場合、ユーザが帳票作成支援システム10を利用するために情報端末20にインストールする専用のアプリと、ユーザが業務管理システム50を利用するために情報端末20にインストールする専用のアプリとは同一のアプリであってもよい。
【0079】
また、上記実施の形態では、帳票作成支援システム10を利用する企業が建設会社である場合の例について説明されたが、帳票作成支援システム10は、不動産、製造業、及び、インフラストラクチャーなどの様々な業種の企業が利用することができる。
【0080】
[効果等]
以下、本明細書の開示内容から得られる発明を例示し、例示される発明から得られる効果等について説明する。
【0081】
発明1は、第1ファイル形式の第1帳票ファイル、及び、第1ファイル形式と異なる第2ファイル形式に変換された第1帳票ファイルである第2帳票ファイルを取得する取得部34と、第1帳票ファイルにおける入力欄の位置と、第2帳票ファイルにおける入力欄の位置との対応関係を示す入力欄対応情報を記憶する記憶部33と、取得された第2帳票ファイルを情報端末20に表示するために、第2帳票ファイルを情報端末20へ出力する出力部36とを備え、取得部34は、情報端末20によって第2帳票ファイルにおける入力欄に入力された第1データを取得し、出力部36は、取得された第1帳票ファイルと、取得された第1データと、入力欄対応情報とに基づいて、入力欄に第1データが入力された第1帳票ファイルを出力する、帳票作成支援システム10である。
【0082】
このような帳票作成支援システム10は、データの移行のために入力欄対応情報を記憶しておくことで、帳票ファイルへデータを入力するとき、及び、帳票ファイルを出力するときに、異なるファイル形式の帳票ファイルを使用することができる。例えば、第1ファイル形式がWEB上でのデータ入力に適していないような場合に、帳票作成支援システム10は、帳票ファイルにデータを入力するときにはWEB上でのデータ入力に適した第2ファイル形式を使用し、帳票ファイルを出力するときには第1ファイル形式を使用することができる。
【0083】
発明2は、出力部36により情報端末20へ出力される第2帳票ファイルの入力欄には、入力ロジックが設定されている、発明1の帳票作成支援システム10である。
【0084】
このような帳票作成支援システム10は、入力ロジックを設定することで、ユーザが第1データを一から入力する手間を省くことができる。
【0085】
発明3は、第1帳票ファイルは、業務案件に関する帳票ファイルであり、取得部34は、さらに、業務案件を管理する業務管理システム50から、業務案件に関する第2データを取得し、出力部36により情報端末20へ出力される第2帳票ファイルの入力欄の少なくとも一部には、取得された第2データが入力されている、発明1または2の帳票作成支援システム10である。
【0086】
このような帳票作成支援システム10は、ユーザが第2データを入力する手間を省くことができる。
【0087】
発明4は、記憶部33には、入力欄に第1データが入力された第1帳票ファイルが複数記憶され、記憶部33に記憶された複数の第1帳票ファイルのそれぞれには、数値が入力される数値入力欄が設けられ、出力部36は、複数の第1帳票ファイルのそれぞれの数値入力欄に入力された数値を統計処理した結果を表示するための情報を出力する、発明1~3のいずれかの帳票作成支援システム10である。
【0088】
このような帳票作成支援システム10は、ユーザが複数の第1帳票ファイルのそれぞれの数値入力欄に入力された数値を統計処理する手間を省くことができる。
【0089】
発明5は、第1ファイル形式は、表計算ソフトウェア用のファイル形式であり、第2ファイル形式は、画面表示用のファイル形式である、発明1~4のいずれかの帳票作成支援システム10である。
【0090】
このような帳票作成支援システム10は、帳票ファイルへデータを入力するときに画面表示用のファイル形式を使用し、及び、帳票ファイルを出力するときに表計算ソフトウェア用のファイル形式を使用することができる。
【0091】
発明6は、コンピュータシステムによって実行される帳票作成支援方法であって、第1ファイル形式の第1帳票ファイル、及び、第1ファイル形式と異なる第2ファイル形式に変換された第1帳票ファイルである第2帳票ファイルを取得するステップS13、S17と、第1帳票ファイルにおける入力欄の位置と、第2帳票ファイルにおける入力欄の位置との対応関係を示す入力欄対応情報を記憶するステップS21と、取得された第2帳票ファイルを情報端末20に表示するために、第2帳票ファイルを情報端末20へ出力するステップS32と、情報端末20によって第2帳票ファイルにおける入力欄に入力された第1データを取得するステップS36と、取得された第1帳票ファイルと、取得された第1データと、入力欄対応情報とに基づいて、入力欄に第1データが入力された第1帳票ファイルを出力するステップS37とを含む、帳票作成支援方法である。
【0092】
このような帳票作成支援方法は、データの移行のために入力欄対応情報を記憶しておくことで、帳票ファイルへデータを入力するとき、及び、帳票ファイルを出力するときに、異なるファイル形式の帳票ファイルを使用することができる。
【0093】
発明7は、発明6の帳票作成支援方法をコンピュータシステムに実行させるためのプログラムである。
【0094】
このような帳票作成支援方法によれば、コンピュータシステムは、データの移行のために入力欄対応情報を記憶しておくことで、帳票ファイルへデータを入力するとき、及び、帳票ファイルを出力するときに、異なるファイル形式の帳票ファイルを使用することができる。
【0095】
発明8は、情報端末20によって実行される帳票作成支援方法であって、第1ファイル形式の第1帳票ファイルをサーバシステム30へ送信するステップS12と、第1ファイル形式と異なる第2ファイル形式に変換された第1帳票ファイルである第2帳票ファイルをサーバシステム30から受信するステップS32と、受信された第2帳票ファイルを表示するステップS33と、表示された第2帳票ファイルの入力欄に情報端末20のユーザによって入力された第1データをサーバシステム30へ送信するステップS35と、サーバシステム30により、第1帳票ファイルにおける入力欄の位置と第2帳票ファイルにおける入力欄の位置との対応関係を示す入力欄対応情報に基づいて作成された、入力欄に第1データが入力された第1帳票ファイルを、サーバシステム30から受信するステップS39とを含む、帳票作成支援方法である。
【0096】
このような帳票作成支援方法は、帳票ファイルへデータを入力するとき、及び、帳票ファイルを出力するときに、異なるファイル形式の帳票ファイルを使用することができる。
【0097】
発明9は、発明8の帳票作成支援方法を情報端末20に実行させるためのプログラムである。
【0098】
このような帳票作成支援方法によれば、情報端末20は、データの移行のために入力欄対応情報を記憶しておくことで、帳票ファイルへデータを入力するとき、及び、帳票ファイルを出力するときに、異なるファイル形式の帳票ファイルを使用することができる。
【0099】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0100】
例えば、上記実施の形態では、帳票作成支援システムは、複数の装置によって実現されたが、単一の装置として実現されてもよい。このように、本明細書におけるシステムは、単一の装置によって構成される場合もあるし、複数の装置によって構成される場合もある。システムが複数の装置によって実現される場合、システムが備える構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。
【0101】
また、上記実施の形態における装置間の通信方法については特に限定されるものではない。また、装置間の通信においては、図示されない中継装置(例えば、無線ルータなど)が介在してもよい。
【0102】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0103】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0104】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として一つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0105】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0106】
例えば、本発明は、情報端末、サーバシステム、または、帳票作成支援システムとして実現されてもよい。本発明は、サーバシステムなどのコンピュータシステムが実行する帳票作成支援方法として実現されてもよいし、帳票作成支援方法をコンピュータシステムに実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。
【0107】
本発明は、情報端末が実行する帳票作成支援方法として実現されてもよいし、帳票作成支援方法を情報端末に実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。本発明は、このようなプログラムには、情報端末にインストールされる専用のアプリケーションプログラムが含まれる。また、本発明は、これらのプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0108】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0109】
10 帳票作成支援システム
20、20a、20b 情報端末
21 操作受付部
22 表示部
23、32 情報処理部
24、33 記憶部
25、31 通信部
30 サーバシステム
34 取得部
35 作成部
36 出力部
40 ファイル変換システム
50 業務管理システム
60 広域通信ネットワーク
【要約】
【課題】帳票ファイルへデータを入力するとき、及び、帳票ファイルを出力するときに、異なるファイル形式の帳票ファイルを使用することができる帳票作成支援システムを提供する。
【解決手段】帳票作成支援システム10は、第1ファイル形式の第1帳票ファイル、及び、第2ファイル形式に変換された第1帳票ファイルである第2帳票ファイルを取得する取得部34と、入力欄の位置の対応関係を示す入力欄対応情報を記憶する記憶部33と、取得された第2帳票ファイルを情報端末20に表示するために、第2帳票ファイルを情報端末20へ出力する出力部36とを備える。取得部34は、情報端末20によって第2帳票ファイルにおける入力欄に入力されたデータを取得し、出力部36は、取得された第1帳票ファイルと、取得されたデータと、入力欄対応情報とに基づいて、入力欄に第1データが入力された第1帳票ファイルを出力する。
【選択図】
図1