(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】便器装置
(51)【国際特許分類】
E03D 9/08 20060101AFI20240927BHJP
E03D 9/03 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
E03D9/08 A
E03D9/03
(21)【出願番号】P 2019216950
(22)【出願日】2019-11-29
【審査請求日】2022-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】作埜 絢子
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2008/044791(WO,A1)
【文献】特開2011-069127(JP,A)
【文献】特開2017-044002(JP,A)
【文献】特開2009-257025(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 9/00- 9/16
F16L 21/00-21/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
便鉢を有する便器本体と、
前記便器本体に設けられ、機能部品が設けられる機能部と、
前記機能部に設けられた液体タンクケースと、
前記便鉢に供給する液体が貯められ、前記液体タンクケースに対して着脱可能に収納され、前記液体タンクケースの上部によって支持される被支持部が上部に形成された液体タンクと、を備え、
前記機能部は、前記機能部品が取り付けられるベースプレートを有し、
前記液体タンクケースは、前記ベースプレートと一体で形成された下部品と、前記ベースプレートと別体で形成され、前記下部品の上部に固定される上部品とを備え、
前記被支持部が前記上部品に接触して支持されている
便器装置。
【請求項2】
便鉢を有する便器本体と、
前記便器本体に設けられ、機能部品が設けられる機能部と、
前記機能部に設けられた液体タンクケースと、
前記便鉢に供給する液体が貯められ、前記液体タンクケースに対して着脱可能に収納され、前記液体タンクケースの上部によって支持される被支持部が上部に形成された液体タンクと、
前記機能部の上部を覆い、前記液体タンクケースに対して移動可能に設けられる上カバーと、を備え、
前記液体タンクケースと前記上カバーとの間には、前記液体タンクケースに対する前記上カバーの移動時に前記上カバーが接触しながら移動可能な位置決め部が形成されている
便器装置。
【請求項3】
便鉢を有する便器本体と、
前記便器本体に設けられ、機能部品が設けられる機能部と、
前記機能部に設けられた液体タンクケースと、
前記便鉢に供給する液体が貯められ、前記液体タンクケースに対して着脱可能に収納され、前記液体タンクケースの上部によって支持される被支持部が上部に形成された液体タンクと、
前記便鉢に洗浄水を流す給水経路と、
前記給水経路に前記液体を供給する液体供給管と、
前記液体タンクの上部に取り付けられ、前記液体供給管と前記液体タンクとを接続するノズルと、を備え、
前記液体タン
クに前記ノズルを固定するノズル保持体が形成されている
便器装置。
【請求項4】
前記被支持部が、前記液体タンクの側面から突出して形成されている
請求項1から3のいずれか一項に記載の便器装置。
【請求項5】
前記液体タンクが前記液体タンクケースに収納されている状態で、前記液体タンクの下面の下方に隙間が形成されるように、前記液体タンクが前記液体タンクケースに収納される
請求項1から4のいずれか一項に記載の便器装置。
【請求項6】
前記機能部は、前記機能部品が取り付けられるベースプレートを有し、
前記液体タンクケースは、前記ベースプレートと一体で形成された下部品と、前記ベースプレートと別体で形成され、前記下部品の上部に固定される上部品とを備え、
前記被支持部が前記上部品に接触して支持されている
請求項2または請求項3に記載の便器装置。
【請求項7】
前記機能部の上部を覆い、前記液体タンクケースに対して移動可能に設けられる上カバーを備え、
前記液体タンクケースと前記上カバーとの間には、前記液体タンクケースに対する前記上カバーの移動時に前記上カバーが接触しながら移動可能な位置決め部が形成されている
請求項1または請求項3に記載の便器装置。
【請求項8】
前記便鉢に洗浄水を流す給水経路と、
前記給水経路に前記液体を供給する液体供給管と、
前記液体タンクの上部に取り付けられ、前記液体供給管と前記液体タンクとを接続するノズルと、
を備える請求項1または請求項2に記載の便器装置。
【請求項9】
前記液体タン
クに前記ノズルを固定するノズル保持体が形成されている
請求項8に記載の便器装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、便器装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水洗式便器装置では、便鉢内に洗浄水が溜められている。このような水洗式便器では、使用時、尿が洗浄水に着水する際に液の飛沫が生じる場合がある。水洗式便器の使用時の液飛沫を低減するため、特許文献1には、便鉢内の洗浄水の水面に泡を発生させた便器装置が開示されている。特許文献1の便器装置では、洗剤タンクを設け、洗剤タンクから供給される洗剤を含む洗浄水を便鉢に溜めるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
便器装置の機能部は、水洗装置、おしり洗浄装置、局部洗浄装置、消臭装置等、多様な機能部材が配置される。便器装置全体の寸法の増加を抑えながらこれらの各種機能部材を機能部内に収めるため、機能部内は、効率良く各種機能部材が配置されている。このため、洗剤タンクも限られたスペースに収納している。一方、洗剤タンクを備える便器装置では、洗剤タンク内に洗剤が補充されないと、いずれ洗剤が無くなる。そのため、洗剤タンクは便器装置と別部材で形成され、便器装置の機能部に対して着脱可能に取り付けられている。洗剤タンクは樹脂等による成形品であり、製造時の寸法誤差が生じ得る。また、洗剤タンク内の洗剤の貯蔵量に応じて、洗剤タンクの僅かな変形が生じ得る。例えば、別部材で形成された洗剤タンクと機能部とに、それぞれ寸法誤差や微小な変形が生じると、洗剤タンクの取付時に、供給配管同士の位置ずれが生じ得る。この結果、ユーザが、洗剤タンクの取付操作に手間を要する。そこで、洗剤タンクへの洗剤の補充作業が容易に行える便器装置が望まれている。
【0005】
上記事情を踏まえ、本開示は、液体タンクを機能部に対して容易に位置決めできる便器装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る便器装置は、便鉢を有する便器と、前記便器本体の後方に設けられ、機能部品が設けられる機能部と、前記便鉢に洗浄水を流す給水経路と、前記機能部に設けられた液体タンクケースと、前記便鉢に供給する液体が貯められ、前記液体タンクケースに対して着脱可能に収納され、上部に前記液体タンクケースの上部と接触する被支持部が形成される液体タンクと、前記給水経路に前記液体を供給する液体供給管と、前記液体タンクの上部に取り付けられ、前記液体供給管と前記液体タンクとを接続するノズルと、を備え、前記機能部は、前記機能部品が取り付けられるベースプレートを有し、前記液体タンクケースは、前記ベースプレートと一体で形成された下部品と、前記ベースプレートと別体で形成され、前記下部品の上部に固定される上部品とを備え、前記被支持部が前記上部品に接触して支持されている。
本開示に係る便器装置は、便鉢を有する便器本体と、前記便器本体に設けられ、機能部品が設けられる機能部と、前記機能部に設けられた液体タンクケースと、前記便鉢に供給する液体が貯められ、前記液体タンクケースに対して着脱可能に収納され、前記液体タンクケースの上部によって支持される被支持部が上部に形成された液体タンクと、前記機能部の上部を覆い、前記液体タンクケースに対して移動可能に設けられる上カバーと、を備え、前記液体タンクケースと前記上カバーとの間には、前記液体タンクケースに対する前記上カバーの移動時に前記上カバーが接触しながら移動可能な位置決め部が形成されている。
本開示に係る便器装置は、便鉢を有する便器本体と、前記便器本体に設けられ、機能部品が設けられる機能部と、前記機能部に設けられた液体タンクケースと、前記便鉢に供給する液体が貯められ、前記液体タンクケースに対して着脱可能に収納され、前記液体タンクケースの上部によって支持される被支持部が上部に形成された液体タンクと、前記便鉢に洗浄水を流す給水経路と、前記給水経路に前記液体を供給する液体供給管と、前記液体タンクの上部に取り付けられ、前記液体供給管と前記液体タンクとを接続するノズルと、を備え、前記液体タンクケースに前記ノズルを固定するノズル保持体が形成されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図6】第一実施形態に係る液体タンクユニットの斜視図。
【
図7】第一実施形態に係る液体タンクユニットの平面図。
【
図8】第一実施形態に係る液体タンクユニットの平面図。
【
図14】第一実施形態のベースプレートおよび蓋部材の分解斜視図。
【
図15】第二実施形態の液体タンクケースの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、一実施形態に係る液体タンクユニット1および便器装置100について図面を参照して説明する。図面において、同一および類似の何れかの部分には同一の符号を付して、重複する説明を省く場合がある。以下の説明では、特に断らない限り、便器装置100が設置される床部から鉛直に延びる方向を縦方向Hと称し、縦方向Hに直交する一方向を幅方向Wと称し、縦方向H及び幅方向Wに直交する方向を前後方向Dと称する。前後方向Dは、便器装置100の使用者が便座に着座して向く方向を前方Fと称し、前方Fの逆方向で使用者の背側を後方Rと称する。
【0009】
図1は、便蓋104が開いた状態を示している。
図2は、液体タンクユニット1が便器装置100に取り付けられた状態を示す。
図2では、第一カバー105、便蓋104および便座103の図示を省略している。
図3は、機能部に液体タンクユニット1が取り付けられた状態を示す。
図3では、第一カバー105の記載を省略し、第二カバー106の一部を破断して示している。
【0010】
本実施形態では、液体タンクユニット1の液体タンク5に溜められる液体が洗剤である例を示す。便器装置100は、便鉢102内に溜められたボウル洗浄水の水面に泡を発生させる泡機能を備える。機能部170に液体タンクユニット1、不図示のポンプ及びエゼクタを備えている。ポンプの駆動力により、液体タンクユニット1内に溜められた洗剤がエゼクタに供給される。エゼクタは、洗剤、水および空気を混合し、微細気泡を含む混合液を生成する。生成された混合液がボウル洗浄水と共に供給される結果、便鉢102に溜まる水の水面に微細気泡が発生する。
【0011】
図1および
図2に示すように、便器装置100は、便器本体101と、機能部170と、を備える洋式便器装置である。便器本体101は、前部に便鉢102が設けられている。便鉢102の上部に便座103および便蓋104が取り付けられている。便座103および便蓋104は、便鉢102の上方で回動可能に取り付けられている。便鉢102の後方の上部に機能部170が設置される。便器装置100は、外部の水源から便鉢102に便器洗浄水を供給する給水経路110を有する。
【0012】
機能部170には、各種機能部品が設けられる。機能部170には、
図4に示すようなベースプレート151が設けられている。ベースプレート151は、機能部170内に取り付けられる成形部品である。機能部170は、ベースプレート151に各種機能部品が取り付けられ、ベースプレート151および機能部品の上部および側部を覆う第二カバー106が取り付けられ、さらに第一カバー105で上部が覆われて構成されている。第二カバー106は、上カバーに対応する。
【0013】
図4に示すように、ベースプレート151には、液体タンクケース160およびエゼクタ収容部157を備える。
【0014】
図2に示すように、第二カバー106の上面108には、液体タンクユニット1の収納開口109が開口している。第二カバー106の上面108には、収納開口109の他、エゼクタ等の部品が配置される複数の開口部が形成され、蓋で塞がれている。液体タンクケース160は、上部が覆われず、第一カバー105を開けると、液体タンクユニット1の上部が露出する。
【0015】
液体タンクケース160は、液体タンクユニット1を収納するケースである。
図9に、前後方向Dに沿う液体タンクケース160の縦断面を示す。
図9では、液体タンクユニット1は側面図で示している。液体タンクケース160は、上部品161と、下部品153とを備える。下部品153はベースプレート151と一体に形成されている。下部品153の上部に、上部品161が固定されている。
【0016】
下部品153は、側壁155と、底部158とを有する。下部品153は、側壁155と底部158とにより凹部が形成されている。凹部内に液体タンク5の下部が収納される。ベースプレート151の上面であり、下部品153の上部開口の外縁部に、固定部156が形成されている。固定部156は、上部品161が固定されている。
【0017】
図5に示すように、上部品161は、縦方向Hの上下に開口する略筒形状の部材である。上部品161の内面は、液体タンク5の上部の形状に相似した形状を有する。上部品161の筒形状の中空部内に液体タンク5の上部が収納される。上部品161は、供給管固定部165と、支持部164と、凹部166を有する。上部品161の下端部に3つの被固定部169を備える。3つの被固定部169は上部品161の下端部から横方向に延びる下面を有する。各被固定部169には、縦方向Hに貫通するビス孔901を有する。
【0018】
上部品161の内側には、支持部164が形成されている。支持部164は、後述する液体タンク5の被支持部53と当接する部分である。支持部164は、上部品161の内面から横方向に延びる面である。支持部164は、上部品161の内面の対向する位置に2箇所設けられている。
【0019】
上部品161の上部には、供給管固定部165を備える。供給管固定部165は、上部品161の外方に突出して設けられ、液体供給管171用の挿通孔が形成されている。供給管固定部165の外縁部には、縦方向Hに沿って開口するネジ固定部163が設けられている。
図3に示すように、ネジ固定部163には、管カバー173が取り付けられてネジ90で固定されている。
【0020】
供給管固定部165が設けられた上部品161の側面には、上方に開口する凹部166が形成されている。
【0021】
上部品161の各被固定部169がベースプレート151の各固定部156にネジ90により固定される。
図9に示すように、上部品161がベースプレート151に固定されると、上部品161と下部品153とが縦方向Hに沿って中空部を形成し、液体タンクケース160が構成される。
【0022】
液体タンクケース160は、ベースプレート151に固定されていればよい。液体タンクケースは、ベースプレートに一体に形成されていてもよく、液体タンクケースの少なくとも一部がベースプレートと別の部材で形成され、ベースプレートに固定されている構成であってもよい。
【0023】
エゼクタ収容部157は、ベースプレート151の幅方向Wの中央部に設けられている。液体タンクケース160は、ベースプレート151の幅方向Wの端部とエゼクタ収容部157との間に設けられている。
【0024】
図2および
図3に示すように、液体タンクユニット1とエゼクタ174との間に、液体供給管171が設けられている。液体供給管171の下流端179がエゼクタ174に固定されており、液体供給管171の上流端178がベースプレート151の供給管固定部165に固定されている。液体供給管171は、エゼクタ174に洗剤を供給する管である。
【0025】
機能部170には、上記泡機能の他に、おしり洗浄装置、局部洗浄装置、脱臭装置等、公知の装置が取り付けられていてもよい。
【0026】
液体タンクユニット1は、液体タンク5と、ノズル2と、ノズル保持体3と、レバー4とを備える。液体タンクユニット1は、機能部170内に着脱可能に収納される。液体タンクユニット1は、液体タンク5内に液体の洗剤が溜められ、洗剤がノズル2を通じて、機能部170のエゼクタへと供給可能に構成されている。
【0027】
液体タンク5は、
図6および
図9に示すように、上面50、側面52および下面51を有する立体形状の容器である。液体タンク5は、縦方向Hに長い形状を有する。液体タンク5の上面50にノズル2、ノズル保持体3、およびレバー4が設けられている。
【0028】
液体タンク5の上面50に抽出口56が形成されている。抽出口56にノズル保持体3が取り付けられている。
図10に示すように、ノズル保持体3は、液体タンク5内に収納される内ノズル38、および液体タンク5外に設けられるノズル2を保持する部材である。ノズル保持体3は、連結部31と、挿通管32と、ガイド溝33とを備える。
【0029】
連結部31は抽出口56と連結される。連結部31の下部に内ノズル38が設けられている。本実施形態では、内ノズル38は、ノズル保持体3と一体に形成されている。内ノズル38は、連結部31から液体タンク5の底部まで下方に延びている長尺なノズルである。
【0030】
挿通管32は、連結部31の上部から横方向に延びて設けられている管状部材である。挿通管32は、ノズル2が挿通可能な管路が形成されている。
図5に示すように、挿通管32の第一端321が連結部31に連結され、第二端322が液体タンク5の上面50の外周縁部に位置する。挿通管32の第二端322の先端開口34は、横方向に開口している。第二端322は、平面視において液体タンク5の外郭よりも内側に位置する。
【0031】
挿通管32の側面にはガイド溝33が形成されている。ガイド溝33は、ガイド部に対応する。
図2、および
図6~
図8に示すように、ガイド溝33は、挿通管32の側壁を貫通して形成されている。ガイド溝33は、挿通管32の中心軸O1に対して傾斜する方向に延びている。ガイド溝33は、挿通管32の第一端321側の第一溝端331と、挿通管32の第二端322側の第二溝端332との間に傾斜部333が形成されている。傾斜部333は、挿通管32の中心軸O1に対して傾斜している。
【0032】
ノズル2は、挿通管32に挿通され、連結部31内で内ノズル38と連通している長尺なノズルである。ノズル2は、便器装置100に備える液体供給管171と液体タンク5とを接続する。図示は省略するが、ノズル2は、長手軸方向X2の第一端が連結部31内で内ノズル38に連通している。ノズル2の長手軸方向X2の第二端22には吐出口21が形成されている。ノズル2の第二端22は、挿通管32の先端開口34の近傍に配置されている。ノズル2は、挿通管32に対して進退移動可能に設けられている。ノズル2は挿通管32の中心軸O1に沿って挿通されている。ノズル2は、後述するレバー4の操作により、挿通管32の中心軸O1に沿って進退する。したがって、ガイド溝33は、ノズル2の進退方向に対して傾斜する方向D33に延びている。
【0033】
図7に示すように、ノズル2の外面にレバー4が固定されている。レバー4は操作片に対応する。レバー4は、ノズル2のノズル保持体3に対する進退操作を行う操作部材である。レバー4の基部41がノズル2の外周に固定され、基部41から曲折した把持部42が形成されている。基部41は、ノズル2の径方向に沿って設けられている。把持部42は、ユーザが把持する部位である。把持部42は、
図8に示すように、ノズル2を長手軸方向X2に直交する方向から見たとき、において、ノズル2の中心軸O2に対して傾斜して設けられている。本実施形態では、ガイド溝33が挿通管32の上部に形成されているため、ノズル2を長手軸方向X2に直交する方向から見たとき、把持部42がノズル2の中心軸O2に対して傾斜している。
【0034】
ノズル2が挿通管32内に挿通され、レバー4がガイド溝33内に挿通されている。レバー4は、ガイド溝33に沿って移動可能に設けられている。具体的には、レバー4の基部41がガイド溝33に接触しながらスライドする。この構成により、ノズル2を長手軸方向X2に直交する方向から見たとき、レバー4は、挿通管39に対するノズル2の進退方向と異なる方向に移動する。レバー4の基部41の移動の軌跡を平面図に投影することによって形成される直線は、ノズル2のノズル保持体3に対する進退方向を平面図に投影することによって形成される直線と交差する。レバー4の基部41がノズル2の側面に固定され、ノズル2が挿通管32に対して進退可能であり、かつ、レバー4がガイド溝33に沿って移動する。この構成により、レバー4は、挿通管32の中心軸O32周りに螺旋状に移動する。この結果、レバー4が固定されているノズル2が挿通管32に対して進退移動する。
【0035】
挿通管32の先端開口34に抜け止め防止部材35が取り付けられている。抜け止め防止部材35は円環形状の部材であり、挿通管32の第二端322に同心状に配置されている。抜け止め防止部材35は、先端開口34の外縁に沿って開口する開口部351が形成されている。抜け止め防止部材35の開口部351内にノズル2の第二端22の近傍が支持されている。
図10に抜け止め防止部材35が取り付けられていない挿通管32およびノズル2を示す。
図10に示すように、ガイド溝33は、挿通管32の先端開口34に開口する開口部334を有する。ガイド溝33の開口部334がレバー挿入部として機能する。挿通管32にノズル2が挿入され、かつ、レバー4がガイド溝33に開口部334を通して挿入された状態で、抜け止め防止部材35が挿通管32に取り付けられる。この結果、レバー4およびノズル2が挿通管32の第二端322から抜け落ちることなく、挿通管32に対して進退可能となる。
図10に示すように、先端開口34とガイド溝33の第二溝端332と、開口部334との間には、係止部335が形成されている。係止部335は、第二溝端332から周方向に突出している。レバー4の装着時、係止部335によりレバー4の基部41を係止可能である。したがって、抜け止め防止部材35を取り付ける前に、レバー4が挿通管32から抜け落ちることを防ぎ、容易に液体タンクユニット1を円滑に組み立てられる。
【0036】
図6および
図11に示すように、液体タンクユニット1は、さらに、注入口55および注入蓋6を備え、液体タンク5内に洗剤を補充可能に構成されている。液体タンクユニット1は、注入口55から液体タンク5内に洗剤が溜められる。注入蓋6は注入口55に螺合する。注入口55に注入蓋6により開閉される。ノズル2がエゼクタに連結された状態で、ポンプにより洗剤がノズル2を介してエゼクタに供給される。
【0037】
液体タンク5は、上部に被支持部53が形成されている。被支持部53は、機能部170への収納時、液体タンクケース160の上部と接触し、液体タンク5が液体タンクケース160に支持される部分である。被支持部53は、液体タンク5の側面52から外方に突出して形成されている。被支持部53の下面は略水平方向に沿う平面である。被支持部53の下面は、被支持面531として液体タンクケースと接触する。
【0038】
図9に示すように、液体タンク5の縦方向Hの略中間部には、段部54が形成されている。液体タンク5は、段部54よりも下方において横方向の寸法が小さくなる。液体タンクユニット1を液体タンクケース160に収納した際、段部54の下部が下部品153の上面であるベースプレート151の上面152に接触し、上面152に液体タンク5が支持される。液体タンク5に段部54を備える構成および段部54をベースプレート151の上面152で支持する構成は必須の構成ではない。
【0039】
図2に示すように、ベースプレート151の上面に上部品161が固定されている。上部品161の供給管固定部165に、液体供給管171の上流端が挿入されて固定されている。供給管固定部165の上部は管カバー173に覆われている。液体供給管171の上流端は、管カバー173の下方において、幅方向Wに沿って外側を向いている。液体タンクユニット1が液体タンクケース160内に収納された状態では、ノズル2の吐出口21が供給管固定部165に対向する位置に配置される。レバー4の操作により、ノズル2が挿通管32から突出すると、吐出口21と液体供給管171の上流端とが係合し、液体供給管171とノズル2とが密着して連通する。液体供給管171とノズル2とが連通すると、液体タンク5内の洗剤が吐出口21から吐出され、エゼクタ174に供給可能な状態となる。
【0040】
次に、便器装置100の使用態様について説明する。液体タンクユニット1を機能部170に取り付ける手順について説明する。機能部170の第一カバー105を第二カバー106から取り外した状態では、
図2に示すように、第二カバー106の上面に液体タンクユニット1の収納開口109が開口している。収納開口109の開口縁に沿って、液体タンクケース160が配置されている。液体タンクケース160の開口内に液体タンクユニット1を挿入する。このとき、液体タンクユニット1のノズル2の吐出口21が挿通管32内に収納され、ノズル2は挿通管32の内側に収納されている。
【0041】
図2に示すように、収納開口109および液体タンクケース160の上部の開口形状は液体タンクユニット1の形状に相似している。液体タンクケース160の平面視の寸法は、幅方向Wと前後方向Dで異なり、ユーザが液体タンク5を液体タンクケース160内に挿入する向きを間違えると挿入できないように構成されている。
【0042】
液体タンクケース160内に液体タンク5を挿入すると、
図9に示すように、被支持面531が上部品161の支持部164に接触し、液体タンク5が液体タンクケース160に支持される。液体タンク5が液体タンクケース160に支持されるとき、液体タンク5の下面51は、液体タンクケース160の底部158から離れており、隙間Sが形成される。すなわち、液体タンク5の上部が液体タンクケース160に支持され、液体タンク5の下部は、液体タンクケース160から離れており、直接支持されない。
【0043】
液体タンクユニット1は、液体タンク5の上部に、ノズル保持体3、ノズル2が取り付けられ、ノズル2が横方向に移動して液体供給管171と接続する構成を有する。したがって、レバー4の操作のみで円滑にノズル2を液体供給管171に接続するために、挿通管32からノズル2が突出する高さと、液体供給管171の上流端の高さとを精度よく位置決めできることが望ましい。液体タンク5は、液体タンクユニット1の占有領域が大きい。例えば、液体タンク5の下部を液体タンクケース160上に載せると、製造上生じた液体タンク5の寸法誤差の影響を受け、ノズル2と液体供給管171との位置決めに誤差が生じる。液体タンクユニット1では、液体タンク5の上部が液体タンクケース160と接触して支持され、液体タンク5の下部が液体タンクケース160から離れているため、液体タンクケース160に対する液体タンク5の高さが液体タンク5の上部の被支持面531と支持部164とで位置決めされる。この結果、ノズル2を液体供給管171の高さに精度よく位置決めできる。
【0044】
次に、ノズル2を液体供給管171に接続させる。ユーザがレバー4の把持部42を把持し、ガイド溝33の傾斜部333に沿ってレバー4をスライドさせる。つまり、ノズル2の中心軸O2に対して傾斜する方向にレバー4をスライドさせる。レバー4をスライドさせるとき、上部品161に凹部166が形成されているため、把持部42を把持したユーザの手が上部品161と干渉せず、円滑に操作できる。
【0045】
レバー4の把持部42は、ノズル2の中心軸O2に対して傾斜している。レバー4の把持部42は、ガイド溝33の傾斜部333に近似して傾斜している。加えて、ガイド溝33は、挿通管32の上部に形成されており、ユーザが上方からガイド溝33を目視できる。したがって、ユーザが、レバー4の把持部42を把持して、レバー4の基部41をガイド溝33の第二溝端332まで移動させる操作を直感的に認識できる。レバー4の基部41がガイド溝33の第二溝端332まで移動すると、ノズル2の吐出口21が挿通管32の先端開口34から突出する。ノズル2が突出すると、液体供給管171の上流端の開口部に係合されて、液体供給管171とノズル2とが連通する。以上の操作で、液体タンクユニット1を機能部170に取り付ける作業が完了する。液体供給管171とノズル2とが連通した状態で機能部170のポンプが駆動すると、エゼクタ174に洗剤が供給される。
【0046】
次に、液体タンクユニット1を取り外す手順について説明する。液体タンク5に洗剤を補充する場合等、液体タンクユニット1を機能部170から取り外す。ノズル2と液体供給管171とが接続されているときは、液体タンク5は、液体タンクケース160から取り外すことができない。まず、ノズル2を挿通管32の内部に収納する。ユーザがレバー4の把持部42を把持し、ガイド溝33の傾斜部333に沿ってレバー4をスライドさせる。レバー4の基部41が第一溝端331まで移動すると、ノズル2の吐出口21が挿通管32の内部に収納され、液体供給管171とノズル2との接続が解除される。
【0047】
液体タンクケース160から液体タンク5を取り出した後、注入蓋6を開け、洗剤を補充する。その後、再び注入蓋6を閉め、上述の手順と同様に液体タンク5を液体タンクケース160に収納し、ノズル2を液体供給管171に接続し、洗剤の補充作業が終了する。
【0048】
図6および
図7に示すように、ノズル2が突出しているとき、レバー4の把持部42は、注入蓋6の上方にオーバーラップする位置に配置される。
図2に示すように挿通管32の第二端322よりも幅方向Wの中央部側には管カバー173が設けられている。そのため、挿通管32から突出したノズル2は、
管カバー173に覆われ、ユーザがノズル2の突出状態を目視できない。レバー4がガイド溝33の第二溝端332に位置するときは、ノズル2が突出位置にある。ノズル2の突出時にレバー4が注入蓋6の上方の近い位置でオーバーラップして配置されるため、注入蓋6の開封動作が妨げられる。すなわち、ノズル2の突出と、注入蓋6の開栓動作が同時に行えない。この結果、ユーザは、液体タンク5を機能部170から取り外す際、ノズル2を第一溝端331側にスライドさせる動作が必要であることが直感的に認識できる。一方、ノズル2がノズル保持体3内に収納されたとき、ノズル2の第二端22は、平面視において液体タンク5の外郭よりも内側に位置する。そのため、ノズル2が液体タンクユニット1を着脱する動作を妨げない。したがって、液体タンク5を取り外す作業が円滑に行える。
【0049】
図11から
図13は、第二カバー106の着脱時の態様を示す前後方向Dに沿う縦断面図である。第二カバー106には、液体タンクユニット1を配置する部位に、液体タンクケース160の形状と相似形の内壁部107が形成されている。
【0050】
液体タンクケース160と第二カバー106との間には、リブ111が形成されている。リブ111は、位置決め部に対応する。リブ111は、液体タンクケース160の外周面および第二カバー106の内周面の少なくとも一方に形成されている。図示する例では、各リブ111は、第二カバー106の内周面に縦方向Hに沿って形成されている。複数のリブ111は、第二カバー106の内周面に横方向に間隔を空けて設けられている。第二カバー106の着脱時に第二カバー106がリブ111に接触しながら移動可能に構成されている。この構成により、第二カバー106を便器本体101に対して着脱する際、液体タンクケース160の外周部167は、第二カバー106の取付ガイドとして機能する。第二カバー106を取り付ける際、ユーザは第二カバー106を機能部170の上方から近付ける。このとき、第二カバー106の外周部167のリブ111と、上部品161の外周部167とが接触しながら摺動する。この結果、ベースプレート151に対する第二カバー106の位置が円滑に位置決めされる。この結果、第二カバー106を容易に取り付けられる。
【0051】
内壁部107のリブ111と、上部品161の外周部167とが接触しながら摺動する構成は、清掃時に効果を奏する。便器本体101の清掃時、第一カバー105と第二カバー106とを便器本体101から上方に持ち上げ、便器本体101と第二カバー106との対向面間の領域を清掃する。リブ111と上部品161の外周部167とが接触する構成により、第一カバー105および第二カバー106の昇降時および上昇位置での停止時、ベースプレート151に対して第二カバー106が位置決めされる。上述の構成により、第二カバー106の縦方向Hの移動時のぶれを防止できる。
【0052】
液体タンクユニット1が機能部170に設けられない場合、
図14に示すように、ベースプレート151のネジ固定部163には、液体タンクケース160の開口を覆う蓋200が取り付けられてもよい。この結果、液体タンクユニット1を設けない場合も、ベースプレート151を共通部品として利用できる。
【0053】
上記液体タンクユニット1は、ノズル2を長手軸X2に直交する方向から見たときにノズル2のノズル保持体3に対する進退方向と異なる方向に移動可能なレバー4の操作に伴い、ノズル2がノズル保持体3に対して進退可能である。したがって、ノズル2の進退時の操作性に優れる。
【0054】
液体タンクユニット1は、ノズル保持体3に挿通管32およびガイド溝33を備え、ノズル保持体3の挿通管32にノズル2が挿通され、レバー4の移動方向が挿通管32のガイド溝33によりガイドされる。つまり、ノズル2およびレバー4がそれぞれ挿通管32に対して移動する。この結果、ノズル2の進退機構が挿通管32付近に集約され、装置を小型化できる。
【0055】
液体タンクユニット1は、ノズル2の吐出口21が挿通管32から突出する位置と、挿通管32内に収納された位置との間で進退する。この構成により、ノズル2が挿通管32内に収納されたときは、ノズル2が挿通管32により覆われる。
【0056】
ノズル2と液体供給管171との連結が解除された状態で液体タンク5を着脱する。このとき、ノズル2が挿通管32内に収納されるため、機能部170に対する液体タンク5の着脱操作時に、ノズル2が機能部170との間で干渉せず、円滑に液体タンク5を着脱できる。
【0057】
液体タンクユニット1は、ガイド溝33が挿通管32に貫通し、かつガイド溝33がノズル2の進退方向に対して傾斜する方向に延びて形成されており、レバー4がノズル2に固定されてガイド溝33内に配置されているため、簡易な構成でノズル2を進退操作できる。すなわち、ノズル2の外周に固定されたレバー4が挿通管32のガイド溝33に挿通されているため、レバー4をガイド溝33に沿って移動させると、ノズル2およびレバー4が挿通管32に対して相対移動する。このような簡易な構成によりノズル2をノズル保持体3に対して容易に進退操作できる。このような構成により、ノズル2の進退機構の小型化を実現できる。
【0058】
液体タンクユニット1は、レバー形状の操作片を備え、ノズル2を長手軸X3に直交する方向から見たとき、レバー4がノズル2の進退方向に対して傾斜して配置されている。この結果、ユーザがレバー4の操作方法を直感的に認識できる。この他、レバー4の移動方向に沿ってレバー4を傾斜させて配置すると、ユーザがレバー4を押す力が、レバー4がガイド溝33内を移動する方向に近似し、円滑に操作できる。
【0059】
液体タンクユニット1は、ノズル保持体3およびレバー4が液体タンク5に設けられているため、液体タンク5をベースプレート151から着脱する操作が円滑に行える。すなわち、ノズル2、ノズル保持体3およびレバー4の、液体タンク5に対する位置が固定されるため、液体タンク5を液体タンクケース160に取り付け後、レバー4の操作によりノズル2が挿通管32から突出して円滑に操作できる。この他、ノズル2を進退させるレバー4が液体タンク5に設けられているため、ユーザが液体タンク5を機能部170に取り付ける際、レバー4の操作が液体タンクユニット1の操作に必要であることが直感的に認識できる。
【0060】
液体タンクユニット1は、挿通管32の先端開口34に、レバー4の抜け止め防止部材35が設けられているため、挿通管32の先端からノズル2が脱落せず、ノズル2の進退動作が安定する。
【0061】
上記便器装置100は、液体タンクユニット1の着脱操作が容易に行える。上記便器装置は、液体タンクユニット1のノズル2を液体供給管171に着脱する操作が容易に行える。上記便器装置は、ユーザが液体タンク5の着脱操作を直感的に認識でき、簡便な操作で液体タンク5に液体の補充作業が行える。
【0062】
上記便器装置100は、機能部170の液体タンクケース160に液体タンクユニット1が着脱可能に収納され、液体タンク5の上部が液体タンクケース160の上部と接触することにより、液体タンクユニット1が液体タンクケース160に支持される。そのため、液体タンク5を機能部170に対して精度よく位置決めできる。具体的には、便器装置100は、機能部170に対する液体タンク5の位置が、被支持部53と上部品161の上部の支持部164との接触により位置決めされる。例えば、液体タンク5の下面51を液体タンクケース160の底面に載せて収納する場合、製造上の寸法誤差に起因し、ノズル2の吐出口21の位置と、液体供給管171の開口との高さがずれる場合がある。これに対し、上記便器装置100は、液体タンクケース160に対する液体タンク5の保持位置が、ノズル2の近くに設けられているため、寸法誤差の影響を受け難い。
【0063】
上記便器装置100によれば、被支持部53が液体タンク5から突出して形成され、液体タンクケース160の支持部164に液体タンク5が支持されるため、液体タンク5を液体タンクケース160に挿入する操作を行い、被支持部53が支持部164に接触すると、液体タンク5の収納が完了する。この状態で、ノズル2の液体供給管171に対する位置決めができる。したがって、簡単な操作で液体タンク5のノズル2と液体供給管171とを位置決めできる。
【0064】
上記便器装置100によれば、液体タンクケース160の下部品153と上部品161とが別体で形成されており、支持部164が上部品161に設けられている。そのため、ベースプレート151と液体タンクケース160とを一体に形成する場合に比べて、上部品161を小さい部品で形成できる。その結果、液体タンク5を支持する部品を小型部品で構成でき、製造上の寸法誤差の影響を受け難い。
【0065】
上記便器装置100によれば、液体タンク5の支持部164と、供給管固定部165とが上部品161に一体に形成されているため、液体タンク5の被支持部53を支持部164に接触させて支持させると、液体供給管171とノズル2との位置決めが精度よく行える。
【0066】
次に第二実施形態に係る便器装置について
図15を参照して説明する。以下の説明において既に説明したものと共通の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。第一実施形態では、ノズル2、ノズル保持体3およびレバー4を液体タンク5に設ける例を示した。ノズル2等をベースプレート151に設けてもよい。本実施形態に係る便器装置は、ノズル2、ノズル保持体3およびレバー4が液体タンクケース160Aに取り付けられる例である。
【0067】
便器装置は、供給管固定部165に、ノズル保持体3Aおよびレバー4が設けられ、ノズル2が挿入されている。ノズル2は、第一実施形態と同様にレバー4を操作すると、上部品161側から液体タンク5側に向かって突出する。液体タンク5の上部に抽出口が設けられている。抽出口は、内ノズル38と連通し、ノズル2との連結可能に構成されている。ノズル2が液体タンク5側に向かって突出すると、ノズル2が液体タンク5の抽出口に押し込まれて連結するように構成される。注出口とノズル2とが連結し、エゼクタ174に洗剤が供給可能な状態となる。液体タンク5を取り外すときは、第一実施形態と同様にレバー4を操作し、ノズル2を挿通管32の内部に収納すると、液体タンク5を取り外すことができる。
【0068】
本実施形態に係る液体タンクユニットは、第一実施形態と同様に、液体タンク5への液体の補充作業、および液体タンク5の着脱操作が容易に行える。
【0069】
本実施形態に係る液体タンクユニットは、ノズル2、ノズル保持体3、およびレバー4が機能部170側に設けられているため、液体タンク5を軽量化できる。
【0070】
上記実施形態では、ノズルユニットが液体タンクの上面に設けられる例を示した。ノズルユニットおよび液体タンクの配置は上述の例に限定されない。例えば、ノズルユニットが液体タンクの上部の側面に沿って設けられ、ノズルが縦方向Hに進退し、縦方向Hに沿って配置されたチューブに接続される構成であってもよい。
【0071】
上記実施形態では、液体タンクに溜める液体の例として、泡を生成するための洗剤を挙げた。液体タンクに溜める液体はこれに限定されない。液体タンクに溜める液体は、例えば、消臭機能、除菌機能、清掃機能等、便鉢に流すボウル洗浄水に機能を付加する各種機能液であってもよい。
【0072】
上記実施形態では、液体タンク5の上面に注入口55を設ける例を示した。注入口55の位置はこれに限定されず、液体タンク5の側面の上部に形成されていてもよい。注入蓋6の上方とは、注入蓋6が開けられる時に移動する方向を指し、縦方向Hに限定されない。
【0073】
上記実施形態では、液体タンクユニット1に注入口55および注入蓋6を備える例を示した。注入口55および注入蓋6は必須の構成ではない。例えば、洗剤が無くなったら液体タンクを取り換える使い捨て方式の液体タンクユニットの場合、注入口55および注入蓋6を備えず、工場で抽出口56から洗剤を注入すればよい。
【0074】
上記実施形態では、平面状の被支持部53の下面が液体タンクケースの上部と面接触する例を示した。被支持部53はこの構成に限定されない。例えば、側面から突出する複数の突部が液体タンクケースと点接触して、液体タンクが液体タンクケースに支持される構成であってもよい。
【0075】
以上、本開示の実施形態について図面を参照して詳述した。具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、設計変更等も含まれる。上述の実施形態において示した構成要素は適宜に組み合わせて構成することが可能である。
【符号の説明】
【0076】
1…液体タンクユニット、2…ノズル、3…ノズル保持体、4…レバー、102…便鉢、5…液体タンク、6…注入蓋、32…挿通管、33…ガイド溝、35…抜け止め防止部材、53…被支持部、100…便器装置、151…ベースプレート、153…下部品、161…上部品、170…機能部