(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】リモコン装置
(51)【国際特許分類】
E03D 9/08 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
E03D9/08 A
(21)【出願番号】P 2020037809
(22)【出願日】2020-03-05
【審査請求日】2023-01-04
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】井戸田 育哉
(72)【発明者】
【氏名】辻 賢太郎
(72)【発明者】
【氏名】赤▲崎▼ 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】大川 卓
(72)【発明者】
【氏名】広田 義人
(72)【発明者】
【氏名】今井 將椰
【審査官】油原 博
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-054443(JP,A)
【文献】特開平05-009967(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0096657(US,A1)
【文献】特開2019-053916(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 9/08
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器装置と通信可能なリモコン装置であって、
取り付け対象物に対して取り付けられる外殻を形成するケースと、
前記便器装置の使用時の通常モードの第1位置と、前記便器装置の設定を変更可能な設定変更モードの第2位置と、を切替え可能なモード切替えスイッチと、
前記モード切替えスイッチを覆う開閉カバーと、を備え、
前記開閉カバーは、閉状態のときに前記モード切替えスイッチを前記通常モードの前記第1位置で保持する保持部を有し、
前記開閉カバーが非全閉状態のときに、前記ケースを前記取り付け対象物に対して取り付けることが規制される、
リモコン装置。
【請求項2】
前記保持部は、前記開閉カバーにおける前記モード切替えスイッチを向く面に設けられ、前記開閉カバーが閉状態のときに前記モード切替えスイッチに当接して前記第1位置で保持する当接リブである、
請求項1に記載のリモコン装置。
【請求項3】
便器装置と通信可能なリモコン装置であって、
取り付け対象物に対して取付け治具を用いて取り付けられる外殻を形成するケースと、
前記便器装置の使用時の通常モードの第1位置と、前記便器装置の設定を変更可能な設定変更モードの第2位置と、を切替え可能なモード切替えスイッチと、
前記モード切替えスイッチを覆う開閉カバーと、
前記ケースが前記対象物に取り付けられた状態で、前記取付け治具の少なくとも一部が収容される収容開口部と、を備え、
前記収容開口部は、前記開閉カバーが閉状態のときに前記取付け治具が収容され、前記開閉カバーが開状態のときに前記取付け治具が前記開閉カバーに干渉するリモコン装置。
【請求項4】
前記開閉カバーは、閉状態のときに前記モード切替えスイッチを前記通常モードの前記第1位置で保持する保持部を有する、
請求項3に記載のリモコン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、リモコン装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、便器装置の洗浄装置や局部洗浄装置、便座の開閉装置などのトイレ機能装置を遠隔操作するリモコン装置(遠隔操作装置)がある。リモコン装置として、操作信号を送信するための電力を発電する発電装置を有するものが知られている。このようなリモコン装置では、操作ボタンに対して複数回、押下操作が行われると、通常モードから通常動作とは異なる特殊モードに切り替えられるモード切替えスイッチを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1のようなモード切替えスイッチを備えた従来のリモコン装置の場合には、モード切替えスイッチは壁面に取り付けられるリモコン装置の裏面側に設けられ、通常使用時において使用者によってモード切替えスイッチの操作ができないようになっている。さらに、モード切替えスイッチには開閉カバーが設けられており、その開閉カバーを開かないとスイッチ操作ができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来のようなモード切替えスイッチを備えたリモコン装置の場合には、モード切替えスイッチで設定変更モードから通常モードに戻し忘れた状態のまま、リモコン装置を壁面に取り付けてしまうおそれがあった。モード切替えスイッチに開閉カバーが設けられる場合にあっては、開閉カバーを閉め忘れる場合もあり、その点で改善の余地があった。
【0006】
本開示は、通常モードと設定変更モードとを切り替えるモード切替えスイッチの通常モードへの戻し忘れを防止することができるリモコン装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様のリモコン装置は、便器装置と通信可能なリモコン装置であって、取り付け対象物に対して取り付けられる外殻を形成するケースと、前記便器装置の使用時の通常モードの第1位置と、前記便器装置の設定を変更可能な設定変更モードの第2位置と、を切替え可能なモード切替えスイッチと、前記モード切替えスイッチを覆う開閉カバーと、を備え、前記開閉カバーは、閉状態のときに前記モード切替えスイッチを前記通常モードの前記第1位置で保持する保持部を有し、前記開閉カバーが非全閉状態のときに、前記ケースを前記取り付け対象物に対して取り付けることが規制されることを特徴とする。
【0008】
本開示の他の態様のリモコン装置は、便器装置と通信可能なリモコン装置であって、取り付け対象物に対して取付け治具を用いて取り付けられる外殻を形成するケースと、前記便器装置の使用時の通常モードの第1位置と、前記便器装置の設定を変更可能な設定変更モードの第2位置と、を切替え可能なモード切替えスイッチと、前記モード切替えスイッチを覆う開閉カバーと、前記ケースが前記対象物に取り付けられた状態で、前記取付け治具の少なくとも一部が収容される収容開口部と、を備え、前記収容開口部は、前記開閉カバーが閉状態のときに前記取付け治具が収容され、前記開閉カバーが開状態のときに前記取付け治具が前記開閉カバーに干渉する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態によるリモコン装置を斜め前方から見た斜視図である。
【
図2】本実施形態のリモコン装置の斜め前方から見た分解斜視図である。
【
図3】本実施形態のリモコン装置の斜め後方から見た分解斜視図である。
【
図4】ブラケットを外したリモコン装置を斜め後方から見た斜視図である。
【
図5】
図4に示すリモコン装置を後方から見た背面図である。
【
図6】モード切替操作部を後方から見た背面図であって、(a)は閉状態の図、(b)は開状態の図である。
【
図7】
図6(b)に示すA-A線断面図であって、開状態を示す図である。
【
図8】
図6(a)に示すB-B線断面図であって、閉状態を示す図である。
【
図9】モード切替操作部を斜め前方から見た一部破断斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1に示すように、本実施形態によるリモコン装置1は、便器装置(不図示)に設けられた局部洗浄装置(不図示)を遠隔操作するように構成されている。リモコン装置1は、発電式の電池レスリモコンであり、局部洗浄装置と無線通信可能に構成されている。リモコン装置1は、便器装置が設けられたトイレ空間を形成する壁面11(対象物)に設置され、壁面11に対向する使用者が使用するように構成されている。
【0011】
以下のリモコン装置1の説明では、壁面11に沿った水平方向を左右方向(図面の矢印Xの方向)とし、壁面11に直交する方向を前後方向(図面の矢印Yの方向)とする。前後方向Yのうち、使用者に対して壁面11側を後側、壁面11に対して使用者側を前側とする。左右方向Xのうち、使用者が前側からリモコン装置1を見た際の右側および左側をそのまま右側および左側とする。リモコン装置1の各部材の説明では、リモコン装置1が壁面11に取り付けられている姿勢であるものとする。
【0012】
図2及び
図3に示すように、リモコン装置1は、ケース2と、6つのボタン3と、信号検出送信部4、発電装置5と、モード切替操作部6と、を有している。ケース2は、リモコン装置1の外殻となっている。6つのボタン3は、それぞれ前側から見て円形に形成され、それぞれケース2に形成されたボタン開口部から露出するように挿入され、使用者が壁面11に向かって後側に押して押下操作を行うように構成されている。6つのボタン3は、それぞれ前後方向Yに移動可能に構成され、押されていない初期状態では前側に位置し、ボタン押下状態では後側に位置している。
【0013】
信号検出送信部4は、操作されたボタン3に応じた信号を検出して送信する。発電装置5は、リンク機構30を介して接続されたボタン3が操作されると信号検出送信部4の電力を発電する。信号検出送信部4と発電装置5は、ケース2の内部に設けられている。リモコン装置1は、壁面11に取り付けられたブラケット7にケース2が取り付けられることで、壁面11に設置されている。
【0014】
リンク機構30は、後述する内部ケース20に配置され、ボタン3と発電装置5とを接続している。リンク機構30は、軸部32と、軸部32に取り付けられた複数のリンク部材33と、リンク部材33の発電装置5を作用する作用部34と、を有している。複数のリンク部材33は、それぞれボタン3の後側に配置されている。
【0015】
ケース2は、外形が直方体状の箱状に形成されている。ケース2は、後側に配置される後ケース21と、後ケース21の前側に着脱可能な前ケース22と、を有している。ケース2には、信号検出送信部4、発電装置5、リンク機構30等が搭載される内部ケース20が設けられている。
【0016】
後ケース21は、板面が長方形となる板状に形成されている。前ケース22は、箱状に形成されている。後ケース21は、ブラケット7に着脱可能に構成されている。後ケース21には、ブラケット7の突起部71が挿入される凹部211(
図4参照)が形成されている。
図4及び
図5に示すように、後ケース21の板面には、上下方向に縦長の開口部212が形成され、その開口部212を開閉するように後述する上下スライド式の開閉カバー62が設けられている。開口部212は、後述するモード切替えスイッチ61の前後方向Yの後方位置に設けられている。
【0017】
ブラケット7は、
図2及び
図3に示すように、複数(ここでは左右方向Xに離れた2つ)の固定ねじ12(
図7及び
図8参照)によって壁面11に固定される。この壁面11に固定されるブラケット7にケース2が支持されて壁掛けの状態になる。ブラケット7は、前後方向Yから見てケース2と略同形状の矩形板状の部材であり、各角部に前方に突出する前記突起部71が設けられ、壁面11にブラケット7を固定するための固定ねじ12を挿通可能なねじ穴72が形成されている。
【0018】
前ケース22は、板面が長方形となる板状に形成され後ケース21の前側に間隔をあけて配置される前板部23と、前板部23の上縁部から後側に延びる上板部24と、前板部23の下縁部から後側に延びる下板部25と、前板部23の左右方向の両側縁部それぞれから後側に延びる側板部26,26と、を有している。
【0019】
前板部23には、厚さ方向に貫通する6つの孔部231と、6つの孔部231それぞれの縁部から後側に突出する筒状部232(
図3参照)と、が形成されている。これらの孔部231および筒状部232の内部には、それぞれボタン3が挿入されるように構成されている。孔部231に挿入されたボタン3は、挿通されている筒状部232によって支持されている。
【0020】
後ケース21と前ケース22とは、前ケース22の孔部231及び筒状部232にボタン3が挿入されて、前ケース22に信号検出送信部4及び発電装置5が設置された状態で前後方向Yに重なり後ケース21の上縁部と前ケース22の上板部24とが突き合わせられ、後ケース21の下縁部と前ケース22の下板部25とが突き合わせられ、後ケース21の側縁部と前ケース22の側板部26,26が突き合わせられた状態で後側からネジで連結される。後ケース21と前ケース22とは、着脱可能に構成されている。ケース2には、ケース2の内部に入り込んだ水を排水するための孔部などの排水機構が設けられている。
【0021】
図1に示す6つのボタン3は、それぞれ局部洗浄装置の所望の機能に対応している。使用者は、6つのボタン3のうちの所望の機能に対応したボタン3を押すように構成されている。6つのボタン3は、例えば、乾燥ボタン、洗浄強さ増加ボタン、洗浄強さ減少ボタン、ビデ洗浄ボタン、おしり洗浄ボタン、および停止ボタンから構成されている。
【0022】
乾燥ボタンは、便器装置に対して局部乾燥を開始させるためのボタンである。洗浄強さ増加ボタンは、おしり洗浄またはビデ洗浄の吐水の強さを強くするためのボタンである。洗浄強さ減少ボタンは、おしり洗浄またはビデ洗浄の吐水の強さを弱くするためのボタンである。ビデ洗浄ボタンは、便器装置に対してビデ洗浄を開始させるためのボタンである。おしり洗浄ボタンは、便器装置に対しておしり洗浄を開始させるためのボタンである。停止ボタンは、便器装置に対しておしり洗浄、ビデ洗浄、および局部乾燥のうちの作動している機能を停止させるためのボタンである。
【0023】
本実施形態では、ボタン3が左右方向Xに並んで配置されるとともに、右から2番目に上下2つのボタン3が配置されている。これら上下2つのボタン3は、それぞれ前側から見た形状が略半円となるように形成されている。各ボタン3は、有頂筒状に形成され、頂部に孔部231から露出して前方を向いた状態で配置される円板部を有している。
【0024】
図6(a)、(b)、
図7及び
図8に示すように、モード切替操作部6は、リモコン装置1の設定変更可能な設定変更モードに切り替える操作が行えるように構成されている。モード切替操作部6は、モード切替えスイッチ61と、開閉カバー62と、を備えている。
【0025】
モード切替えスイッチ61は、上下方向に移動させて押し上げ、押し下げ操作することにより切り替え可能なスイッチであって、後ケース21内においてボタン3、信号検出送信部4及び発電装置5が搭載された内部ケース20の後面側に設けられている。内部ケース20におけるモード切替えスイッチ61は、信号検出送信部4及び発電装置5が配置されていない右上側に配置されている。モード切替えスイッチ61は、リモコン装置1の使用時の通常モードの第1位置P1と、リモコン装置1の設定を変更可能な設定変更モードの第2位置P2と、を切替え可能に設けられている。モード切替えスイッチ61において、押し上げた第1位置P1で通常モードとなり、押し下げた第2位置P2で設定変更モードとなる。モード切替えスイッチ61は、開口部212を通じてケース2の外側からアクセスして切り替えることが可能である。
【0026】
通常モードは、所定の設定にされたリモコン装置1を使用する際の設定状態である。通常モードのときには、開閉カバー62が閉じられて、ケース2はブラケット7を介して壁面11に取り付けられた状態となる。そのため、リモコン装置1の操作する使用者は、後面側に位置し、壁面11にほぼ当接した状態の開閉カバー62を開けることができないうえ、モード切替えスイッチ61を押し下げて通常モードの第1位置P1から設定変更モードの第2位置P2に切り替えられないようになっている。
【0027】
設定変更モードは、リモコン装置1の使用時の設定条件を変更可能な状態である。設定変更モードのときには、ケース2が壁面11から取り外された状態で、開閉カバー62を開けることができる。そのため、開閉カバー62を開けてモード切替えスイッチ61を押し下げて通常モードの第1位置P1から設定変更モードの第2位置P2に切り替え、リモコン装置1の設定を変更できるようになっている。
【0028】
開閉カバー62は、後ケース21に形成された上下方向に縦長の開口部212に設けられ、閉状態においてモード切替えスイッチ61をスイッチ操作不能に覆うとともに開閉可能に設けられ、閉状態のときにモード切替えスイッチ61を通常モードの第1位置P1で保持する構成となっている。
【0029】
後ケース21の後面2bにおける開口部212の下方には、ケース2の内外を連通し、リモコン装置1を壁面11に取り付けるための固定ねじ12(取付け治具)の頭部12aが収容される収納穴213(収容開口部)が形成されている。収納穴213は、縦長で設けられ前後方向Yから見た平面視で後ケース21に取り付けたブラケット7に形成されるねじ穴72の位置と一致している。収納穴213は、少なくとも固定ねじ12の頭部12aよりも大きな開口面積を有している。
【0030】
開閉カバー62を閉じた状態(閉状態T1)のときには、収納穴213が後ケース21の後面2bで露出し、収納穴213に固定ねじ12の頭部12aが収納可能な状態となる。開閉カバー62が開状態で少なくとも一部が開いているときには、下方にスライドした開閉カバー62によって収納穴213の一部が後方より覆われる。すなわち、収納穴213に進入させようとする固定ねじ12の頭部12aが開閉カバー62に干渉するため、収納穴213に固定ねじ12の頭部12aの進入が規制されて収納できない状態となる。
【0031】
開閉カバー62は、後方から見た平面視で上下方向に長い長方形状に形成され、後ケース21の開口部212を塞ぐ閉状態T1と、開口部212のうち少なくともモード切替えスイッチ61を露出した状態で開く開状態T2と、の間で上下方向にスライド可能に後ケース21に対して設けられている。開閉カバー62の表面62aは、後ケース21の後面21aと面一となっている。
【0032】
開閉カバー62の裏面62bには、閉状態T1でモード切替えスイッチ61に下方から当接して通常モードの第1位置P1に切り替える当接リブ63(保持部)が設けられている。当接リブ63は、開閉カバー62の裏面62bから前方に突出して設けられ、上面がモード切替えスイッチ61の下面61aに当接して押し上げ可能な保持面63aとなっている。開閉カバー62の裏面62bにおける当接リブ63の上下方向の位置は、閉状態T1において保持面63aがモード切替えスイッチ61を通常モードの第1位置P1に押し上げて当接する高さに設定されている。つまり、開閉カバー62を下方に移動させて開くときには当接リブ63に干渉するものはない。モード切替えスイッチ61が設定変更モードの第2位置P2になっている状態で、開状態T2から上方に移動させて閉じる際に、当接リブ63の保持面63aがモード切替えスイッチ61の下面61aに当接し、そのまま上方に向けて押圧し、モード切替えスイッチ61が通常モードの第1位置P1に押し上げられて切り替えられる。
【0033】
開閉カバー62の上端には、開閉カバー62を閉状態T1のときに開口部212の上縁部に設けられる被係止部214に着脱可能に係止し、上方に突出する係止片64が設けられている。被係止部214に対する係止片64による係止状態は、開閉カバー62の上部を前方に押し込むことでその係止が解除されて、開閉カバー62を下方に移動させることができる。
【0034】
次に、本実施形態によるリモコン装置1の作用について、図面に基づいて詳細に説明する。
図3及び
図5に示すように、本実施形態では、リモコン装置1において設定の変更を行う際には、開閉カバー62を開いてケース2内のモード切替えスイッチ61が開閉カバー62によって形成される開口部212から露出させた後、モード切替えスイッチ61を通常モードの第1位置P1から設定変更モードの第2位置P2に切り替えることで設定変更を行うことができる。そして、設定変更が完了した後にはモード切替えスイッチ61を第2位置P2から第1位置P1に戻してリモコン装置1を使用する。
【0035】
この場合、第1位置P1に戻した後に開閉カバー62を全閉状態(閉状態T1)に戻す。この閉状態T1のときには、開閉カバー62に設けられる当接リブ63によって、モード切替えスイッチ61が第1位置P1で保持された状態で維持される。つまり、モード切替えスイッチ61を通常モードである第1位置P1に戻し忘れた場合には開閉カバー62の当接リブ63がモード切替えスイッチ61に接触するので、モード切替えスイッチ61の戻し忘れに気付くことができる。さらに、当接リブ63が第1位置P1で保持されるので、戻し忘れたモード切替えスイッチ61が開閉カバー62の開閉とともに移動する当接リブ63によって第1位置P1側に押し込まれて第1位置P1に戻される。このため、開閉カバー62を閉じることで、モード切替えスイッチ61の戻し忘れを確実に防止できる。
【0036】
とくに、本実施形態の場合には、当接リブ63が開閉カバー62の裏面62bに設けられ、閉状態T1でモード切替えスイッチ61に当接して設定変更モードの第2位置P2から通常モードの第1位置P1に切り替える構成であるので、予め当接リブ63を第1位置の位置に合せて開閉カバー62の裏面62bに配置しておくことで、簡単な構成により上述したようなモード切替えスイッチ61における通常モードの第1位置P1の保持状態を維持できる構成を実現できる。
【0037】
本実施形態では、開閉カバー62が全閉状態のときに固定ねじ12の頭部12aが開閉カバー62に干渉することなく収納穴213に収容することができ、開閉カバー62が非全閉状態のときには開閉カバー62が下方に移動して収納穴213の少なくとも一部を塞ぐこととなり、固定ねじ12の頭部12aが開閉カバー62に干渉して収納穴213に収納することができず、ケース2を壁面11に取り付けることができない。つまり、第2位置P2にしてリモコン装置1の設定を変更した後にケース2を壁面11に取り付ける際に、固定ねじ12の頭部12aが収納穴213に入らないときには、開閉カバー62が開いた状態で閉め忘れを確認できる。その場合には、モード切替えスイッチ61が第1位置P1に戻っていることを確認して開閉カバー62を閉状態T1とすることで、収納穴213が開口した状態となる。そのため、ブラケット7を壁面11に取り付けた固定ねじ12の頭部12aが収納穴213に収納させることができ、これによりケース2をブラケット7を介して壁面11に取り付けることができる。
【0038】
本実施形態によるリモコン装置1では、通常モードの第1位置P1と設定変更モードの第2位置P2とを切り替えるモード切替えスイッチ61の第1位置P1への戻し忘れを防止することができる。
【0039】
以上、本開示によるリモコン装置の実施形態について説明した。本開示は上記の実施形態に限定されるものではない。
【0040】
例えば、本実施形態のリモコン装置1では、開閉カバー62の裏面62bにモード切替えスイッチ61を通常モードの第1位置P1の位置で保持するための当接リブ63を設けた構成としている。このような当接リブ63を設けることに限定されることはなく、省略することも可能である。その場合、固定ねじ12の頭部12aが収容される収納穴213(収容開口部)が、開閉カバー62が全閉状態のときに固定ねじ12が収容可能に設けられ、開閉カバー62が非全閉状態のときに固定ねじ12が開閉カバー62に干渉して収納を規制する構成であることが必須となる。
【0041】
本実施形態のリモコン装置1では、ケース2に収納穴213(収容開口部)を設けて、開閉カバー62が全閉状態のときにこの収納穴213に固定ねじ12の頭部12aが収容される構成としている。このような構成に限定されることはなく、収容開口部を省略することも可能である。収容開口部を省略する場合には、開閉カバー62に当接リブ63等の保持部が設けられる構成であることが必須である。
【0042】
さらに、保持部の構成として、本実施形態のような当接リブ63であることに限定されることはなく、他の形状、構成の部材を採用することも可能である。要は、開閉カバー62を全閉にした状態で、モード切替えスイッチ61が通常モードの第1位置P1の位置で保持される構成であればよい。例えば開閉カバー62を全閉状態としたときに凸部を押し、その押された凸部と一体又は別体の保持部が第1位置P1の位置を保持するような機構とすることも可能である。
【0043】
さらに本実施形態では、開閉カバー62が上下方向にスライドし、上にスライドしたときに閉まる構成となっている。スライド方向は特に限定されることはなく、下に移動したときに全閉となる構成であってもかまわない。上下方向のだけではなく、左右方向にスライドする開閉カバーであってもよい。
【0044】
例えば、上記の実施形態では、リモコン装置1は、トイレ空間に設置され、便器装置に設けられた局部洗浄装置を遠隔操作するように構成されている。リモコン装置1は、トイレ空間以外に設置されてよく、遠隔操作する装置も適宜設定されてよい。上記の実施形態では、リモコン装置1は、壁面11に設置されている。壁面11以外に設置されてもよい。上記の実施形態では、リモコン装置1は、6つのボタン3を有している。ボタン3の数は適宜設定されてよい。ボタン3の形状や位置も適宜設定されてよい。
【0045】
上記の実施形態によるリモコン装置1では、ケース2がブラケット7を介して壁面11に着脱可能に取り付けられている。ブラケット7を設けることなく、ケース2が直接壁面11に固定されていてもよい。
【0046】
その他、上記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
【符号の説明】
【0047】
1…リモコン装置、2…ケース、3…ボタン、4…信号検出送信部、5…発電装置、6…モード切替え操作部、61…モード切替えスイッチ、62…開閉カバー、63…当接リブ(保持部)、7…ブラケット、11…壁面(対象物)、21…後ケース、22…前ケース、P1…第1位置、P2…第2位置、T1…閉状態、T2…開状態、X…左右方向、Y…前後方向