(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】判定装置、試験システム、判定方法および判定プログラム
(51)【国際特許分類】
G01R 31/28 20060101AFI20240927BHJP
G01R 31/3183 20060101ALI20240927BHJP
G01R 31/26 20200101ALI20240927BHJP
H01L 21/66 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
G01R31/28 Y
G01R31/3183
G01R31/26 Z
H01L21/66 B
(21)【出願番号】P 2020041371
(22)【出願日】2020-03-10
【審査請求日】2022-12-16
(73)【特許権者】
【識別番号】390005175
【氏名又は名称】株式会社アドバンテスト
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 皓甫
(72)【発明者】
【氏名】杉村 一
【審査官】永井 皓喜
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-500737(JP,A)
【文献】特開2010-267689(JP,A)
【文献】特開平6-258387(JP,A)
【文献】特開2010-278073(JP,A)
【文献】特開2007-164256(JP,A)
【文献】特開2007-227618(JP,A)
【文献】特開2007-285906(JP,A)
【文献】特開2011-33423(JP,A)
【文献】特開2013-24671(JP,A)
【文献】特開2006-25100(JP,A)
【文献】特開2008-122362(JP,A)
【文献】特開2005-10069(JP,A)
【文献】特開2004-55837(JP,A)
【文献】特開2017-194448(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/28
G01R 31/26
H01L 21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定デバイスに対して行われる複数の項目の試験の試験結果を取得する結果取得部と、
予め複数の被測定デバイスそれぞれに前記試験を複数回行った場合での試験結果の再現性に基づいて、前記試験をフェイルした被測定デバイスに再試験を行うか否かを判定する第1判定部と、
前記複数の項目のそれぞれについて前記再現性を算出する算出部と、 を備え、
前記第1判定部は、前記再現性を学習した学習モデルを用い、前記複数の項目のそれぞれについての前記再現性に基づいて、対応する項目の試験をフェイルした被測定デバイスに再試験を行うか否かを判定する、判定装置。
【請求項2】
前記算出部は、
前記複数の項目の試験結果を入力したことに応じて、再試験の予測結果を出力する学習モデルと、
前記学習モデルに対し、前記結果取得部により取得された前記複数の項目の試験結果を供給する供給部と、
前記複数の項目の試験結果を前記学習モデルに供給したことに応じて前記学習モデルが出力する再試験の予測結果から前記再現性を取得する再現性取得部と、
を有する、請求項1に記載の判定装置。
【請求項3】
前記複数の項目のうち少なくともフェイルした項目の項目IDと、再試験の結果とを含む学習データを用いて前記学習モデルの学習処理を実行する学習処理部をさらに備える、請求項2に記載の判定装置。
【請求項4】
再試験の結果と、前記第1判定部の判定結果とを用いて、前記学習モデルを再学習するか否かを判定する第2判定部をさらに備え、
前記学習処理部は、前記第2判定部による判定結果に応じて前記学習モデルの学習処理を実行する、請求項3に記載の判定装置。
【請求項5】
被測定デバイスに対して行われる複数の項目の試験の試験結果を取得する結果取得部と、
予め複数の被測定デバイスそれぞれに前記試験を複数回行った場合での試験結果の再現性に基づいて、前記試験をフェイルした被測定デバイスに再試験を行うか否かを判定する第1判定部と、
前記複数の項目のそれぞれについて前記再現性を算出する算出部と、
再試験の結果と、前記第1判定部の判定結果とを用いて、前記再現性を更新するか否かを判定する第2判定部と、
を備え、
前記第1判定部は、前記複数の項目のそれぞれについての前記再現性に基づいて、対応する項目の試験をフェイルした被測定デバイスに再試験を行うか否かを判定し、
前記算出部は、複数の被測定デバイスに対する複数の前記試験の試験結果と、複数の再試験の試験結果とから、前記再現性を算出する
と共に、前記第2判定部による判定結果に応じて前記再現性を更新する、判定装置。
【請求項6】
基準数個おきのロットに含まれる被測定デバイスに対して前記試験が行われることに応じて前記第1判定部の判定結果によらず被測定デバイスに再試験を行う旨の判定を行う第3判定部をさらに備え、
前記第2判定部は、前記第3判定部により行われる再試験の結果を用いて判定を行う、請求項4または
5に記載の判定装置。
【請求項7】
判定装置であって、
被測定デバイスに対して行われる複数の項目の試験の試験結果を取得する結果取得部と、
予め複数の被測定デバイスそれぞれに前記試験を複数回行った場合での試験結果の再現性に基づいて、前記試験をフェイルした被測定デバイスに再試験を行うか否かを判定する第1判定部と、
を備え、
前記第1判定部は、前記複数の項目のそれぞれについての前記再現性に基づいて、対応する項目の試験をフェイルした被測定デバイスに再試験を行うか否かを判定し、
当該判定装置は、
前記試験をパスする被測定デバイスの割合の許容下限値を取得する下限値取得部と、
各項目の前記再現性に基づいて、対応する項目の試験にフェイルした被測定デバイスのうち、少なくとも当該項目の再試験をパスすると予測される被測定デバイスの予測パス個数を算出する予測部をさらに備え、
前記第1判定部は、各項目の前記再現性の大きさに従って、対応する前記予測パス個数を順に積算する場合に、前記許容下限値の対応個数に達するとき、または、達する直前の前記予測パス個数に対応する前記再現性に基づく値を判定の閾値として用いる、判定装置。
【請求項8】
被測定デバイスに対して行われる複数の項目の試験の試験結果を含むデータファイルを取得し、当該データファイルから各項目の試験結果を抽出する抽出部と、
前記抽出部により抽出された試験結果を記憶する記憶部と、
をさらに備え、
前記結果取得部は、前記記憶部から前記複数の項目の試験の試験結果を取得する、
請求項1から7の何れか一項に記載の判定装置。
【請求項9】
前記第1判定部は、前記試験をフェイルした被測定デバイスに再試験を行うか否かを、当該被測定デバイスとは異なる複数の被測定デバイスそれぞれに予め前記試験を複数回行った場合での試験結果の再現性に基づいて判定する、請求項1から
8の何れか一項に記載の判定装置。
【請求項10】
被測定デバイスに対して複数の項目の試験を行う試験装置と、
請求項1から9の何れか一項に記載の判定装置と、
を備え
る試験システム。
【請求項11】
被測定デバイスに対して行われる複数の項目の試験の試験結果を取得する結果取得段階と、
前記複数の項目のそれぞれについて、予め複数の被測定デバイスそれぞれに前記試験を複数回行った場合での試験結果の再現性を算出する算出段階と、
前記再現性に基づいて、前記試験をフェイルした被測定デバイスに再試験を行うか否かを判定する第1判定段階と、
を備え、
前記第1判定段階では、前記再現性を学習した学習モデルを用い、前記複数の項目のそれぞれについての前記再現性に基づいて、対応する項目の試験をフェイルした被測定デバイスに再試験を行うか否かを判定する、判定方法。
【請求項12】
被測定デバイスに対して行われる複数の項目の試験の試験結果を取得する結果取得段階と、
前記複数の項目のそれぞれについて、予め複数の被測定デバイスそれぞれに前記試験を複数回行った場合での試験結果の再現性を算出する算出段階と、
前記再現性に基づいて、前記試験をフェイルした被測定デバイスに再試験を行うか否かを判定する第1判定段階と、
再試験の結果と、前記第1判定段階の判定結果とを用いて、前記再現性を更新するか否かを判定する第2判定段階と、
を備え、
前記第1判定段階では、前記複数の項目のそれぞれについての前記再現性に基づいて、対応する項目の試験をフェイルした被測定デバイスに再試験を行うか否かを判定し、
前記算出段階では、複数の被測定デバイスに対する複数の前記試験の試験結果と、複数の再試験の試験結果とから、前記再現性を算出する
と共に、前記第2判定段階による判定結果に応じて前記再現性を更新する、判定方法。
【請求項13】
判定方法であって、
被測定デバイスに対して行われる複数の項目の試験の試験結果を取得する結果取得段階と、
予め複数の被測定デバイスそれぞれに前記試験を複数回行った場合での試験結果の再現性に基づいて、前記試験をフェイルした被測定デバイスに再試験を行うか否かを判定する第1判定段階と、
を備え、
前記第1判定段階では、前記複数の項目のそれぞれについての前記再現性に基づいて、対応する項目の試験をフェイルした被測定デバイスに再試験を行うか否かを判定し、
当該判定方法は、
前記試験をパスする被測定デバイスの割合の許容下限値を取得する下限値取得段階と、
各項目の前記再現性に基づいて、対応する項目の試験にフェイルした被測定デバイスのうち、少なくとも当該項目の再試験をパスすると予測される被測定デバイスの予測パス個数を算出する予測段階とをさらに備え、
前記第1判定段階では、各項目の前記再現性の大きさに従って、対応する前記予測パス個数を順に積算する場合に、前記許容下限値の対応個数に達するとき、または、達する直前の前記予測パス個数に対応する前記再現性に基づく値を判定の閾値として用いる、判定方法。
【請求項14】
コンピュータにより実行されて、前記コンピュータを、
被測定デバイスに対して行われる複数の項目の試験の試験結果を取得する結果取得部と、
予め複数の被測定デバイスそれぞれに前記試験を複数回行った場合での試験結果の再現性に基づいて、前記試験をフェイルした被測定デバイスに再試験を行うか否かを判定する第1判定部と、
前記複数の項目のそれぞれについて前記再現性を算出する算出部と、
して機能させ、
前記第1判定部は、前記再現性を学習した学習モデルを用い、前記複数の項目のそれぞれについての前記再現性に基づいて、対応する項目の試験をフェイルした被測定デバイスに再試験を行うか否かを判定する、判定プログラム。
【請求項15】
コンピュータにより実行されて、前記コンピュータを、
被測定デバイスに対して行われる複数の項目の試験の試験結果を取得する結果取得部と、
予め複数の被測定デバイスそれぞれに前記試験を複数回行った場合での試験結果の再現性に基づいて、前記試験をフェイルした被測定デバイスに再試験を行うか否かを判定する第1判定部と、
前記複数の項目のそれぞれについて前記再現性を算出する算出部と、
再試験の結果と、前記第1判定部の判定結果とを用いて、前記再現性を更新するか否かを判定する第2判定部と、
して機能させ、
前記第1判定部は、前記複数の項目のそれぞれについての前記再現性に基づいて、対応する項目の試験をフェイルした被測定デバイスに再試験を行うか否かを判定し、
前記算出部は、複数の被測定デバイスに対する複数の前記試験の試験結果と、複数の再試験の試験結果とから、前記再現性を算出する
と共に、前記第2判定部による判定結果に応じて、前記再現性を更新する、判定プログラム。
【請求項16】
コンピュータにより実行されて、前記コンピュータを、
被測定デバイスに対して行われる複数の項目の試験の試験結果を取得する結果取得部と、
予め複数の被測定デバイスそれぞれに前記試験を複数回行った場合での試験結果の再現性に基づいて、前記試験をフェイルした被測定デバイスに再試験を行うか否かを判定する第1判定部と、
して機能させ、
前記第1判定部は、前記複数の項目のそれぞれについての前記再現性に基づいて、対応する項目の試験をフェイルした被測定デバイスに再試験を行うか否かを判定し、
前記コンピュータを、
前記試験をパスする被測定デバイスの割合の許容下限値を取得する下限値取得部と、
各項目の前記再現性に基づいて、対応する項目の試験にフェイルした被測定デバイスのうち、少なくとも当該項目の再試験をパスすると予測される被測定デバイスの予測パス個数を算出する予測部、
としてさらに機能させ、
前記第1判定部は、各項目の前記再現性の大きさに従って、対応する前記予測パス個数を順に積算する場合に、前記許容下限値の対応個数に達するとき、または、達する直前の前記予測パス個数に対応する前記再現性に基づく値を判定の閾値として用いる、判定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、判定装置、試験システム、判定方法および判定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
被測定デバイスに試験を行う場合には、接触不良などによって試験がフェイルしたと誤って判定される場合がある。そのため、従来より、試験にフェイルした被測定デバイスに対して再試験を行い、歩留まりの低下を防いでいる。
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様においては、判定装置を提供する。判定装置は、被測定デバイスに対して行われる複数の項目の試験の試験結果を取得する結果取得部を備えてよい。判定装置は、試験をフェイルした被測定デバイスに再試験を行うか否かを判定する第1判定部を備えてよい。第1判定部は、予め複数の被測定デバイスに試験を複数回行った場合での試験結果の再現性に基づいて判定を行ってよい。
【0004】
判定装置は、複数の項目のそれぞれについて再現性を算出する算出部をさらに備えてよい。第1判定部は、算出部により算出される再現性に基づいて、対応する項目の試験をフェイルした被測定デバイスに再試験を行うか否かを判定してよい。
【0005】
第1判定部は、再現性を学習した学習モデルを用いて判定を行ってよい。
【0006】
算出部は、複数の項目の試験結果を入力したことに応じて、再試験の予測結果を出力する学習モデルを有してよい。算出部は、学習モデルに対し、結果取得部により取得された複数の項目の試験結果を供給する供給部を有してよい。算出部は、複数の項目の試験結果を学習モデルに供給したことに応じて学習モデルが出力する再試験の予測結果から再現性を取得する再現性取得部を有してよい。
【0007】
判定装置は、複数の項目のうち少なくともフェイルした項目の項目IDと、再試験の結果とを含む学習データを用いて学習モデルの学習処理を実行する学習処理部をさらに備えてよい。
【0008】
判定装置は、再試験の結果と、第1判定部の判定結果とを用いて、学習モデルを再学習するか否かを判定する第2判定部をさらに備えてよい。学習処理部は、第2判定部による判定結果に応じて学習モデルの学習処理を実行してよい。
【0009】
算出部は、複数の被測定デバイスに対する複数の試験の試験結果と、複数の再試験の試験結果とから、再現性を算出してよい。
【0010】
判定装置は、再試験の結果と、第1判定部の判定結果とを用いて、再現性を更新するか否かを判定する第2判定部をさらに備えてよい。算出部は、第2判定部による判定結果に応じて、再現性を更新してよい。
【0011】
判定装置は、基準数個おきのロットに含まれる被測定デバイスに対して試験が行われることに応じて第1判定部の判定結果によらず被測定デバイスに再試験を行う旨の判定を行う第3判定部をさらに備えてよい。第2判定部は、第3判定部により行われる再試験の結果を用いて判定を行ってよい。
【0012】
判定装置は、試験をパスする被測定デバイスの割合の許容下限値を取得する下限値取得部をさらに備えてよい。判定装置は、各項目の再現性に基づいて、対応する項目の試験にフェイルした被測定デバイスのうち、少なくとも当該項目の再試験をパスすると予測される被測定デバイスの予測パス個数を算出する予測部をさらに備えてよい。第1判定部は、各項目の再現性の大きさに従って、対応する予測パス個数を順に積算する場合に、許容下限値の対応個数に達するとき、または、達する直前の予測パス個数に対応する再現性に基づく値を判定の閾値として用いてよい。
【0013】
判定装置は、試験結果を含むデータファイルを取得し、当該データファイルから各項目の試験結果を抽出する抽出部をさらに備えてよい。判定装置は、抽出部により抽出された試験結果を記憶する記憶部をさらに備えてよい。結果取得部は、記憶部から複数の項目の試験結果を取得してよい。
【0014】
本発明の第2の態様においては、試験システムを提供する。試験システムは、第1の態様の判定装置を備えてよい。試験システムは、被測定デバイスに対して複数の項目の試験を行う試験装置を備えてよい。
【0015】
本発明の第3の態様においては、判定方法を提供する。判定方法は、被測定デバイスに対して行われる複数の項目の試験の試験結果を取得する結果取得段階を備えてよい。判定方法は、試験をフェイルした被測定デバイスに再試験を行うか否かを判定する第1判定段階を備えてよい。第1判定段階では、予め複数の被測定デバイスに試験を複数回行った場合での試験結果の再現性に基づいて判定を行ってよい。
【0016】
本発明の第4の態様においては、判定プログラムを提供する。判定プログラムは、コンピュータにより実行されて、コンピュータを、被測定デバイスに対して行われる複数の項目の試験の試験結果を取得する結果取得部として機能させてよい。判定プログラムは、コンピュータにより事項されて、コンピュータを、試験をフェイルした被測定デバイスに再試験を行うか否かを判定する第1判定部として機能させてよい。第1判定部は、予め複数の被測定デバイスに試験を複数回行った場合での試験結果の再現性に基づいて判定を行ってよい。
【0017】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図2】試験装置200をウエハ101とともに示す。
【
図3】判定装置300の動作を試験装置200の動作とともに示す。
【
図5】変形例に係る判定装置300Aを試験装置200や被測定デバイス100とともに示す。
【
図6】本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0020】
[1.試験システム1]
図1は、本実施形態に係る試験システム1を示す。試験システム1は、被測定デバイス100と、試験装置200と、判定装置300とを備える。試験装置200と判定装置300とは、単一の装置として一体的に形成されてもよい。
【0021】
[1-1.被測定デバイス100]
被測定デバイス100は、例えば、半導体やMicro Electro Mechanical Systems(MEMS)等の電子デバイスであってよい。被測定デバイス100は、1つのウエハ上に複数形成されていてもよいし、ウエハをダイシングして個片化されてベアチップ状になっていてもよいし、封止されてパッケージングされていてもよい。
【0022】
[1-2.試験装置200]
試験装置200は、1または複数の被測定デバイス100に対して試験を行う。試験装置200は、単一の項目の試験を行ってもよいし、複数の項目(一例として1000~2000項目)の試験を並行して、或いは順に行ってもよい。試験に含まれる複数の項目のうち何れか2以上の項目は、例えば被測定デバイス100がパッケージングされた電子デバイスである場合には、オーディオ機能などの同一のカテゴリに属する試験項目であってよい。本実施形態では一例として、試験装置200は、ウエハ上の複数の被測定デバイス100に対して複数の項目の試験を順に行う。
【0023】
試験装置200は、システムLSIテスタ、アナログテスタ、ロジックテスタ、または、メモリテスタ等のデバイス試験装置であってよい。試験装置200は、被測定デバイス100に様々なテスト信号を与え、被測定デバイス100から応答信号を取得する。試験装置200は、各項目の試験によって得られたデータファイルを、有線または無線を介して判定装置300に供給してよい。試験装置200から供給される試験のデータファイルは、本実施形態では一例としてSTDF(Standard Test Data Format)の形式であってよく、被測定デバイス100のロット番号やウエハ番号、被測定デバイス100のデバイスID、試験項目の項目ID、項目ごとの測定値、項目ごとの試験結果(本実施形態では一例としてパス/フェイルの判定値「0」,「1」)などを含んでよい。データファイルはデータログやテストログの形式であってもよい。
【0024】
ここで、試験装置200による試験では、被測定デバイス100の表面汚れ、試験装置200の接触不良などに起因して、試験結果に誤りが生じる場合があり、1回目の試験(初検とも称する)においてフェイルとされた被測定デバイス100でも、2回目の試験(再検,再試験とも称する)においてはパスとなる場合がある。そのため、従来の試験システムにおいては、初検をフェイルした被測定デバイスに対して再試験を行い、歩留まりの低下を防いでいる。
【0025】
しかしながら、初検をフェイルした被測定デバイスに一律に再試験を行うと、もともとパスするはずの無い不良品に対しても無駄に再試験を行うことになってしまう。そのため、本実施形態に係る試験システム1では、初検をフェイルした被測定デバイス100に対して再検を行うべきか否かを判定装置300で判定する。なお、試験にフェイルするとは、試験に含まれる少なくとも1つの項目にフェイルすることであってよい。再験とは、試験装置200を被測定デバイス100に接触させ直して改めて試験を行う、いわゆるリプローブであってよい。試験装置200に被測定デバイス100を固定してからプローブを被測定デバイス100に接触させる場合には、初検後に固定状態を解いてもよいし、解かなくてもよい。
【0026】
[1-3.判定装置300]
判定装置300は、抽出部301と、記憶部303と、結果取得部305と、算出部307と、下限値取得部309と、予測部311と、閾値決定部313と、第1判定部315とを有する。
【0027】
[1-3-1.抽出部301]
抽出部301は、試験装置200から試験のデータファイル(本実施形態では一例としてSTDFファイル)を取得し、当該データファイルから各項目の試験結果(本実施形態では一例としてパス/フェイルの判定値)を抽出する。抽出部301は、データファイルから試験結果のほか、対応する試験の項目ID、および、被測定デバイス100のデバイスIDやロット番号などを予め抽出してCSV(comma-separated values)ファイルに変換してよい。抽出部301は、抽出したデータを記憶部303に供給してよい。
【0028】
[1-3-2.記憶部303]
記憶部303は、抽出部301により抽出された試験結果(本実施形態では一例としてパス/フェイルの判定値)を記憶する。記憶部303は、試験の項目ID、被測定デバイス100のデバイスIDおよびロット番号などを試験結果に対応付けてさらに記憶してよい。記憶部303に記憶されたデータは、結果取得部305によって読み出し可能であってよい。
【0029】
[1-3-3.結果取得部305]
結果取得部305は、被測定デバイス100に対して行われる複数の項目の試験結果を取得する。本実施形態では一例として、結果取得部305は、記憶部303から試験結果を取得してよい。結果取得部305は、各項目の試験結果とともに当該項目の項目IDおよび被測定デバイス100のデバイスIDを記憶部303から取得してよい。結果取得部305は、初検についての試験結果などを算出部307および第1判定部315に供給してよい。
【0030】
[1-3-4.算出部307]
算出部307は、予め複数の被測定デバイス100に試験を複数回(本実施形態では一例として2回)行った場合での試験結果の再現性を算出する。算出部307は、算出した再現性の値を第1判定部315および予測部311に供給してよい。
【0031】
再現性は、同じ試験結果(本実施形態では一例としてパス/フェイルの判定値)がどのくらい再現されるかを示す指標であってよく、例えば初検におけるフェイルの試験結果が再検においてどれくらい再現されるかを示す。再現性が高い程、再検がフェイルとなって再験に要した時間などが無駄になりやすいため、再現性は再験の非有効性を示す指標であってもよい。
【0032】
一例として、再現性は、フェイルの試験結果が再現される率(再現率とも称する)であってよい。これに代えて、再現性は、再験において予測されるフェイル数(再検予測フェイル数とも称する)であってもよい。再検予測フェイル数は、初検においてフェイルであった被測定デバイス100の個数(初検フェイル数とも称する)から、再検での予測パス数を引いた値であってよく、基準数の被測定デバイス100に対する初検でフェイルとなった被測定デバイス100の数と、再現率とを乗算した値であってよい。基準数は、ウエハに含まれる被測定デバイス100の数であってよく、一例として100~10000であってよい。
【0033】
再現性は、複数の項目のそれぞれについての値であってよく、一の項目において初検の結果がフェイルであった場合に、再検の結果がフェイルとなることを示してよい。本実施形態においては一例として、再検がフェイルとなるとは、試験に含まれる何れかの項目でフェイルとなることであってよいが、初検と同じ項目においてフェイルとなることであってもよい。
【0034】
本実施の形態においては、一例として算出部307は、学習モデル371を用いて再現性を算出する。算出部307は、学習モデル371と、供給部373と、再現性取得部375とを有する。
【0035】
[1-3-5(1).学習モデル371]
学習モデル371は、複数の項目の試験結果を入力したことに応じて、再験の予測結果を出力する。
【0036】
学習モデル371は、初検がフェイルであった被測定デバイス100に対して実行された再験の試験結果を含む学習データを用いた学習処理によって生成されてよい。学習データは、試験の各項目のうち少なくともフェイルした項目の項目IDと、再験の結果とを含んでよい。初検において一の項目の試験がフェイルであった場合に、その再験の試験結果は、当該一の項目の試験の結果のみを示してもよいし、各項目の試験の結果を示してもよいし、試験の全体としての結果のみを示してもよい。学習データには、ウエハ上での被測定デバイス100の位置や、測定値と理想値とのずれ量などが更に含まれてもよい。
【0037】
学習モデル371は、本実施形態では一例としてランダムフォレストの機械学習アルゴリズムであるが、サポートベクタマシン(SVM)やK近傍法、ロジスティック回帰などを含む他の機械学習アルゴリズムであってもよい。
【0038】
学習モデル371は、試験の各項目の結果についてパスを0、フェイルを1として学習されてよく、再験の結果がフェイルとなる可能性が高いほど、1に近い値を出力してよい。これにより、ある項目の試験についてフェイルを示す試験結果(つまり1)が入力される場合、再験の結果が改めてフェイルとなる可能性が高ければ出力値は1に近くなる。そのため、出力される予測結果は試験の項目別の再現性を示しうる。
【0039】
[1-3-5(2).供給部373]
供給部373は、学習モデル371に対し、結果取得部305により取得された複数の項目の試験結果(本実施形態では一例として初検の試験結果)を供給する。供給部373は、各項目の試験結果とともに当該項目の項目IDを供給してよい。
【0040】
[1-3-5(3).再現性取得部375]
再現性取得部375は、供給部373が複数の項目の試験結果を学習モデル371に供給したことに応じて学習モデル371が出力する再検の予測結果から再現性を取得する。再現性取得部375は、再検の予測結果の値に四則演算などを行って再現性を取得してもよいし、予測結果の値そのものを再現性として取得してもよい。
【0041】
再現性取得部375は、取得した再現性を予測部311および第1判定部315に供給する。本実施形態では一例として、初検の試験結果に関わらず各項目の再現性を予測部311に供給し、初検においてフェイルした項目(初検フェイル項目とも称する)の再現性を第1判定部315に供給する。
【0042】
[1-3-6.下限値取得部309]
下限値取得部309は、試験をパスする被測定デバイス100の割合の許容下限値を取得する。許容下限値は、試験をパスするべき被測定デバイス100の歩留まり等に基づいて、判定装置300のオペレータにより設定されてよい。許容下限値は、一例として10%であってよい。下限値取得部309は、取得した許容下限値を閾値決定部313に供給してよい。
【0043】
[1-3-6.予測部311]
予測部311は、各項目の再現性に基づいて、対応する項目の試験(本実施形態では一例として初検)にフェイルした被測定デバイス100のうち、少なくとも当該項目の再検をパスすると予測される被測定デバイス100の予測パス個数を算出する。例えば、予測部311は、再検の全体をパスすると予測される被測定デバイス100の予測パス個数を算出してよい。
【0044】
予測部311は、算出部307から供給される再現性に基づいて予測パス個数を算出してよい。予測部311は、項目ごとに、再現性と予測パス個数とを対応付けて閾値決定部313に供給してよい。
【0045】
[1-3-6.閾値決定部313]
閾値決定部313は、各項目の再現性および予測パス個数から、再検を行うか否かを判定するための閾値を決定する。本実施形態では一例として閾値は再現性の値であってよい。閾値決定部313は、決定した閾値を第1判定部315に供給してよい。
【0046】
[1-3-6.第1判定部315]
第1判定部315は、試験(本実施形態では一例として初検)をフェイルした被測定デバイス100に再検を行うか否かを判定する。試験をフェイルしたとは、試験に含まれる少なくとも1つの項目をフェイルしたことであってよい。第1判定部315は、再現性に基づいて判定を行ってよい。
【0047】
例えば、第1判定部315は、項目ごとの再現性に基づいて、対応する項目の試験をフェイルした被測定デバイス100に再検を行うか否かを判定してよい。本実施形態では一例として、第1判定部315は、結果取得部305から供給される各項目の試験結果と、当該項目の項目IDと、被測定デバイス100のデバイスIDとを用いて判定を行ってよい。第1判定部315は、再現性を学習した学習モデル371を用い、当該学習モデル371から出力される再現性に基づいて判定を行ってよい。第1判定部315は、閾値決定部313により決定された閾値を判定に用いてよい。
【0048】
第1判定部315は、再検を行う旨の判定を行った場合には、再検を行うべき被測定デバイス100のデバイスIDを試験装置200に供給してよい。これにより、試験装置200によって対象の被測定デバイス100に再検が行われる。再検は試験の全項目について改めて行われてよい。
【0049】
以上の判定装置300によれば、試験をフェイルした被測定デバイス100に対し再検を行うかを、試験結果の再現性に基づいて判定する。従って、再検してもフェイルする被測定デバイス100に対して無駄に再検を行う手間を省き、再検を効率的に行うことができる。
【0050】
また、各項目の再現性に基づいて、対応する項目の試験をフェイルした被測定デバイス100に再検を行うか否かを判定するので、無駄な再検を確実に省くことができる。
【0051】
また、項目ごとの再現性を学習した学習モデル371を用いて判定が行われるので、項目間での試験結果の潜在的な関連性を判定に反映することができる。従って、判定の精度を高め、再検を効率的に行うことができる。
【0052】
また、学習モデル371に複数の項目の試験結果を入力し、再現性を示す再検の予測結果を取得するので、精度の高い再現性を確実に取得して判定を行うことができる。
【0053】
また、試験のデータファイルから各項目の試験結果が抽出されて記憶部303に保存され、保存された試験結果が結果取得部305によって取得される。従って、結果取得部305が試験装置200から直接的にデータファイルを取得して試験結果を抽出する場合と異なり、結果取得部305による処理速度を速めることができる。
【0054】
[2.試験装置200]
図2は、試験装置200をウエハ101とともに示す。試験装置200は、テスタ本体201、テストヘッド203、および、プローバ205を備える。
【0055】
テスタ本体201は、試験装置200の本体部であり、各種試験の制御を行う。例えば、テスタ本体201は、被測定デバイス100の初検を行い、判定装置300からの信号に基づいて、被測定デバイス100の再検を行ってよい。
【0056】
テストヘッド203は、ケーブルを介してテスタ本体201に接続され、被測定デバイス100に対して試験を行う試験位置と、試験を行わない退避位置との間で駆動可能に構成されている。テストヘッド203は、試験を行う場合に、テスタ本体201による制御に基づいて、試験位置において被測定デバイス100にテスト信号を送信し、被測定デバイス100から応答信号を受信して、これをテスタ本体201へ中継する。テストヘッド203は、被測定デバイス100に接触して電気的なコンタクトをとる複数のプローブニードル231を有してよい。
【0057】
複数のプローブニードル231は、ウエハ101に形成された複数の被測定デバイス100のうちのいくつか(本実施形態においては、4つ)における複数の電極パッドのそれぞれに対応して配置されている。
【0058】
プローバ205は、ウエハ101を搬送してステージ上に載置し、ウエハ101とテストヘッド203との位置合わせを行う。
【0059】
[3.動作]
図3は、判定装置300の動作を試験装置200の動作とともに示す。判定装置300は、ステップS11~S25の処理を行うことにより、被測定デバイス100の再検の要否を判定する。なお、図中の破線枠は試験装置200による処理を示す。
【0060】
ステップS11において試験装置200は、複数の被測定デバイス100に対してそれぞれ試験を行う。本実施形態では一例として、試験装置200は、基準数の被測定デバイス100、つまりウエハ101上の全ての被測定デバイス100に対してそれぞれ試験を行う。ステップS11の処理が2回目以降に行われる場合には、試験装置200は、未だ試験が行われていない複数の被測定デバイス100に対して初検を行ってよい。
【0061】
ステップS13において抽出部301が試験装置200からデータファイル(本実施形態では一例としてSTDFファイル)を取得して各項目の試験結果を抽出し、記憶部303が当該試験結果を記憶する。本実施形態においては一例として、抽出部301により被測定デバイス100のデバイスIDおよび試験の項目IDなどがさらに抽出され、記憶部303に記憶されてよい。
【0062】
ステップS15において結果取得部305は、記憶部303から試験結果を取得する。結果取得部305は、試験結果とともに被測定デバイス100のデバイスIDや試験の項目IDなどをさらに取得してよい。
【0063】
ステップS17において、第1判定部315は、ステップS11で試験した基準数の被測定デバイス100の全てが試験にパスしたか否かを判定する。本実施形態では一例として、第1判定部315は、ウエハ101上の全ての被測定デバイス100が試験の全項目にパスしたか否かを判定する。ステップS17において全ての被測定デバイス100が試験にパスしたと判定された場合(ステップS17;Yes)には、ステップS11に処理が移行する。これにより、試験装置200によって次のウエハ101の被測定デバイス100に対して試験が行われる。ステップS17において全ての被測定デバイス100が試験にパスしなかったと判定された場合(ステップS17;No)にはステップS19に処理が移行する。
【0064】
ステップS19において第1判定部315は、ステップS11での試験をフェイルした被測定デバイス100に対して再検を行うか否かの判定処理を行う。このステップS19の処理の詳細は後述する。
【0065】
ステップS21において第1判定部315は、再検を行う旨の判定を行ったか否かを判定する。全ての被測定デバイス100に対して再検を行わない旨の判定が行われた場合(ステップS21;Yes)には、ステップS11に処理が移行する。これにより、試験装置200によって次のウエハ101の被測定デバイス100に対して試験が行われる。ステップS21において少なくとも1つの被測定デバイス100に対して再検を行う旨の判定が行われた場合(ステップS21;Yes)には、ステップS23に処理が移行する。
【0066】
ステップS23において試験装置200は、再検を行う旨の判定が行われた1または複数の被測定デバイス100に対する再検を行う。再検は試験の各項目について行われてよい。
【0067】
試験装置200がいっぺんに複数の被測定デバイス100に対して試験を行うことが可能である場合には、試験装置200は、これらの被測定デバイス100のうち、再検を行うと判定された被測定デバイス100のみに対して試験を行ってよい。一例として、試験装置200の複数のプローブニードル231が別々の被測定デバイス100に対して接触可能である場合には、試験装置200は、各プローブニードル231を対応位置の各被測定デバイス100に接触させ、再検を行う被測定デバイス100に接触するプローブニードル231のみに電流を流してよい。
【0068】
ステップS25において、上述のステップS13と同様にして、抽出部301が試験装置200からデータファイル(本実施形態では一例としてSTDFファイル)を取得して各項目の試験結果を抽出し、記憶部303が当該試験結果を記憶する。ステップS25の処理が終了したら、ステップS11に処理が移行してよい。これにより、試験装置200によって次のウエハ101の被測定デバイス100に対して試験が行われる。
【0069】
[4-1.第1判定処理]
図4は、第1判定処理を示す。判定装置300は、ステップS101~S107の処理を行うことにより、被測定デバイス100に対して再検を行うか否かを判定する。
【0070】
ステップS101において、下限値取得部309は、判定装置300のオペレータにより予め設定された許容下限値を取得する。許容下限値が判定装置300に内部記憶されている場合には、下限値取得部309は当該許容下限値を取得してよい。
【0071】
ステップS102において、算出部307は、複数の項目のそれぞれについて再現性を算出する。算出部307は、学習モデル371を用いて再現性を算出してよい。
【0072】
ステップS103において予測部311は、各項目の再現性に基づいて、項目ごとの予測パス個数を算出する。一例として、再現性がフェイルの再現率を示す場合には、予測部311は、各項目について次の式(1)から予測パス個数を算出してよい。再現性が再検予測フェイル数を示す場合には、予測部311は、各項目について次の式(2)から予測パス個数を算出してよい。
【0073】
予測パス個数=初検フェイル数×(1-再現率) (1)
予測パス個数=初検フェイル数-再検予測フェイル数 (2)
【0074】
ステップS105において閾値決定部313は、各項目の再現性および予測パス個数から、再検を行うか否かを判定するための閾値を決定する。例えば、閾値決定部313は、各項目の再現性の大きさに従って、対応する予測パス個数を順に積算する場合に、積算結果が許容下限値の対応個数に達するときの予測パス個数を検出してよい。これに代えて、閾値決定部313は、積算結果が許容下限値の対応個数に達する直前の予測パス個数を検出してもよい。閾値決定部313は、検出した予測パス個数に対応する再現性に基づく値を閾値として決定してよい。
【0075】
ここで、再現性の大きさに従って予測パス個数を順に積算するとは、再現性の大きい順または小さい順に予測パス個数を積算することであってよく、本実施形態では一例として、再現性の大きい順に予測パス個数を積算することである。再現性に基づく値とは、再現性の値に四則演算などを行って得られる値であってよいが、本実施形態においては一例として、再現性の値そのものである。この場合には、閾値と、各項目の再現性とを比較することで、当該項目をフェイルした被測定デバイス100に再検を行うか否かを判定することができる。
【0076】
ステップS107において第1判定部315は、項目ごとに、当該項目の試験をフェイルした被測定デバイス100に再検を行うか否かを判定する。第1判定部315は、算出部307の再現性取得部375から供給された各初検フェイル項目についての再現性と、閾値決定部313から供給された再現性についての閾値とを用いて判定を行ってよい。
【0077】
第1判定部315は、初検フェイル項目の再現性が閾値よりも大きい場合には、その項目にフェイルした被測定デバイス100に対して再検を行わないと判定し、初検フェイル項目の再現性が閾値よりも小さい場合には、その項目にフェイルした被測定デバイス100に対して再検を行うと判定してよい。第1判定部315は、結果取得部305から取得した各デバイスIDのうち、初検フェイル項目の再現性が閾値よりも小さい再現性の項目をフェイルした被測定デバイス100のデバイスIDを検出し、再検の対象として試験装置200に供給してよい。
【0078】
以上の第1判定処理によれば、各再現性の大きさに従って各項目の予測パス個数が順に積算される場合に、パス割合の許容下限値の対応個数に達するとき、またはその直前の予測パス個数に対応する再現性が検出されるので、許容下限値を満たすのに再検が不要な閾値が検出される。従って、この閾値を用いて再検の要否判定を行うことにより、試験にパスする被測定デバイス100の割合を許容下限値以上にすることができる。
【0079】
なお、試験の再現性は、被測定デバイス100に施された処理工程によって相違しうる。例えば、低温処理を経た被測定デバイス100と、高温処理を経た被測定デバイス100とでは、再現性が異なる場合がある。そのため、別々の処理工程が施された被測定デバイス100が試験対象に含まれる場合には、施された処理工程ごとに別個の学習モデル371を用いて第1判定処理が行われることが好ましい。
【0080】
[5.変形例]
図5は、変形例に係る判定装置300Aを試験装置200や被測定デバイス100とともに示す。判定装置300Aは、第1判定部315Aと、結果取得部305Aと、第3判定部317と、第2判定部319と、学習処理部321とをさらに有する。なお、本変形例に係る判定装置300Aにおいて、
図1に示された判定装置300と略同一のものには同一の符号を付け、説明を省略する。
【0081】
[5-2.第1判定部315A]
第1判定部315Aは、上記の第1判定部315と同様の構成であるが、判定結果を第2判定部319にも供給するようになっている。
【0082】
[5-3.結果取得部305A]
結果取得部305Aは、上記の結果取得部305と同様の構成であるが、試験結果などとともに被測定デバイス100のロット番号を記憶部303からさらに取得する。また、結果取得部305Aは、ロット番号と、デバイスIDとを対応付けて第3判定部317に供給する。また、結果取得部305Aは、第3判定部317から供給されるデバイスIDに対応する初検の試験結果、および、再検の試験結果を、試験項目の項目IDと対応付けて記憶部303から取得し、第2判定部319に供給する。
【0083】
[5-4.第3判定部317]
第3判定部317は、被測定デバイス100に再検を行うか否かの判定を行う。第3判定部317は、第1判定部315の判定結果によらず再検を行う旨の判定を行ってよい。第3判定部317は、基準数(本実施形態では一例として4)個おきのロットに含まれる被測定デバイス100に対して試験が行われることに応じて再検を行う旨の判定を行ってよい。例えば、第3判定部317は、基準数個のロットの次のロット(本実施形態では一例として5番目のロット)に含まれる各被測定デバイス100に対して初検が行われる場合に、当該被測定デバイス100に対して再検を行う旨の判定を行ってよい。一例として、第3判定部317は、上述のステップS15と、ステップS17との間で判定を行ってよい。
【0084】
第3判定部317は、結果取得部305Aから供給されるロット番号に基づいて、ロット番号の切り替わりを検出し、試験済みのロット数をカウントしてよい。第3判定部317は、試験済みのロット数が基準数(本実施形態においては4)に達してから、次の数(本実施形態においては5)に達するまでの間に初検が行われる被測定デバイス100に対し、再検を行う旨の判定を行ってよい。第3判定部317は、結果取得部305Aから供給されるデバイスIDから、再検を行うべき被測定デバイス100のデバイスIDを抽出し、試験装置200に供給してよい。これにより、試験装置200によって対象の被測定デバイス100に再検が行われる。
【0085】
第3判定部317は、再検を行うべき被測定デバイス100のデバイスIDを、結果取得部305Aにも供給してよい。これにより、当該デバイスIDに対応する初検の試験結果、および、再検の試験結果が試験の各項目の項目IDと対応付けられて第2判定部319に供給される。
【0086】
[5-5.第2判定部319]
第2判定部319は、再検の結果と、第1判定部315の判定結果とを用いて、学習モデル371を再学習するか否かを判定する。第2判定部319により用いられる再検の結果とは、第3判定部317により行われる再検の結果であってよいが、第1判定部315により行われる再検の結果であってもよい。
【0087】
第2判定部319は、第1判定部315の判定結果(本実施形態では一例として再検の対象と判定した被測定デバイス100のデバイスID)と、結果取得部305Aから供給されるデバイスIDごとの再検の試験結果とから、TP(True Positive)、TN(True Negative)、FP(False Positive)、FN(False Negative)の値を算出してよい。TPは、再検を行うと判定され、再検をパスした被測定デバイス100の個数であってよい。TNは、再検を行わないと判定され、再検をフェイルした被測定デバイス100の個数であってよい。FPは、再検を行うと判定され、再検をフェイルした被測定デバイス100の個数であってよい。FNは、再検を行わないと判定され、再検をパスした被測定デバイス100の個数であってよい。
【0088】
第2判定部319は、歩留まりの低下を防ぐための条件(歩留まり条件とも称する)と、再検数を減らすための条件(再験低減条件とも称する)との少なくとも一方の条件が満たされない場合に、再学習する旨の判定を行ってよい。なお、歩留まりとは、試験に供される全ての被測定デバイス100のうち、試験(または再検)をパスする被測定デバイス100の割合であってよい。
【0089】
歩留まり条件は、全ての被測定デバイス100を再検した場合にパスする被測定デバイス100の数(FN+TP)と、再検を行うと判定して再検にパスした被測定デバイス100の個数(TP)との比が閾値より大きい、という条件であってよい。すなわち、歩留まり条件は、閾値(TH1)を用いてTP/(FN+TP)≧TH1で表されてよい。
【0090】
再検低減条件は、初検でフェイルした被測定デバイス100の個数(TN+FP+FN+TP)と、再検を行わなかった被測定デバイス100の個数(TN+FN)との比が閾値より大きい、という条件であってよい。すなわち、再検低減条件は、閾値(TH2)を用いて(TN+FN)/(TN+FP+FN+TP)≧TH2で表されてよい。
【0091】
第2判定部319は、再学習をする旨の判定を行った場合には、結果取得部305Aから取得したデータから抽出される学習データを学習処理部321に供給してよい。
【0092】
[5-6.学習処理部321]
学習処理部321は、試験の各項目のうち少なくともフェイルした項目の項目IDと、再験の結果とを含む学習データを用いて学習モデル371の学習処理を実行する。学習処理部321は、第2判定部319による判定結果に応じて学習モデル371の学習処理を実行してよい。一例として、学習処理部321は、第2判定部319から学習データが供給されることに応じて学習処理を行ってよい。学習処理部321は、ウエハ上での被測定デバイス100の位置や、測定値と理想値とのずれ量などを更に含む学習データをさらに用いて学習処理を実行してもよい。学習処理部321は、これらのデータを結果取得部305Aや第2判定部319から取得してよい。
【0093】
以上の判定装置300Aによれば、学習処理部321によって学習モデル371の学習処理が行われるので、再現性の精度をいっそう高めることができる。
【0094】
また、第2判定部319により再検の結果と、第1判定部315の判定結果とを用いて、学習モデル371を再学習するか否かが判定される。従って、第1判定部315の判定精度が低い場合に、学習モデル371を再学習して、第1判定部315の判定精度を高めることができる。
【0095】
また、基準ロット数の被測定デバイス100の試験が行われるごとに強制的に再検が行われるので、再現性の精度や学習モデル371の学習精度を確実に高く維持することができる。
【0096】
[6.他の変形例]
なお、上記の実施形態および変形例においては、判定装置300は、算出部307と、下限値取得部309と、予測部311と、閾値決定部313とを有することとして説明したが、これらを有しないこととしてもよい。例えば、判定装置300は、外部接続された算出部307や予測部311、閾値決定部313から、再現性や予測パス個数、閾値の算出結果を取得してもよい。また、判定装置300は、予測パス個数や閾値を用いずに第1判定部315による判定を行ってもよい。一例として、第1判定部315は、再現性が大きい基準数の項目にフェイルした被測定デバイスに再検を行わない旨の判定を行ってもよい。
【0097】
また、結果取得部305は、抽出部301および記憶部303を介して試験装置200から試験結果などを取得することとして説明したが、試験装置200から直接的に取得してもよい。この場合には、結果取得部305は、データファイル(一例としてSTDFファイル)の試験データを取得して、当該データファイルから試験結果などを抽出してよい。この場合には、判定装置300は抽出部301を有しなくてもよい。
【0098】
また、予測部311により算出される項目ごとの予測パス個数を、当該項目の初検にフェイルした被測定デバイス100のうち、当該項目の再検をパスすると予測される被測定デバイス100の数として説明したが、他の値を示す数としてもよい。例えば、項目ごとの予測パス個数は、当該項目の初検にフェイルした被測定デバイスのうち、再検の全体をパスすると予測される被測定デバイス100の数であってもよい。
【0099】
また、再現性を試験の項目ごとの値として説明したが、試験全体に対応する値としてもよい。この場合に再現性は、初検の結果がフェイルであった場合に、再検の結果がフェイルとなることを示してよい。
【0100】
また、算出部307は学習モデル371を用いて再現性を算出することとして説明したが、学習モデル371を用いずに再現性を算出してよい。例えば、算出部307は、複数の被測定デバイス100に対する複数の試験の試験結果と、複数の再検の試験結果とから、再現性を算出してよい。一例として、算出部307は、複数の被測定デバイス100に対する初検および再検の結果を用い、項目ごとに初検でのフェイル数と、再検でのフェイル数との比から、再現率を算出してよい。これにより、複数の被測定デバイス100に対する初検の結果に基づく統計的な再現率を取得することができる。学習モデル371を用いずに再現性を算出する場合には、都度、被測定デバイス100ごとに初検の試験結果を学習モデル371に入力する必要がないため、予め項目ごとに再現率を算出して判定装置300に内部記憶させてよい。また、第2判定部319は再検の結果と、第1判定部315の判定結果とを用いて、算出済みの再現性を更新するか否かを判定してよい。この場合、算出部307は、第2判定部319による判定結果に応じて再現性を更新してよい。なお、第2判定部319による判定手法は、上記の変形例と同様であってよい。
【0101】
なお、試験システム1の試験装置200や判定装置300,300Aにおける少なくとも一部の機能部は、プログラムを実行するコンピュータで実現されてよい。コンピュータは、あらかじめ作成したプログラムに従って計算や論理的処理を行うものであってよく、一例としてマイクロプロセッサを有する特殊目的の専用コンピュータでもよいし、汎用コンピュータでもよいし、他のコンピュータでもよい。
【0102】
本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0103】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0104】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0105】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のコンピュータ等のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0106】
図6は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、および/またはコンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
【0107】
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、およびディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インターフェイス2222、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230およびキーボード2242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ2240を介して入/出力コントローラ2220に接続されている。
【0108】
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
【0109】
通信インターフェイス2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD-ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD-ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0110】
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ2240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ2220に接続してよい。
【0111】
プログラムが、DVD-ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
【0112】
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インターフェイス2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インターフェイス2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROM2201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0113】
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226(DVD-ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
【0114】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0115】
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
【0116】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0117】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0118】
1 試験システム
100 被測定デバイス
101 ウエハ
200 試験装置
201 テスタ本体
203 テストヘッド
205 プローバ
231 プローブニードル
300 判定装置
301 抽出部
303 記憶部
305 結果取得部
307 算出部
309 下限値取得部
311 予測部
313 閾値決定部
315 第1判定部
317 第3判定部
319 第2判定部
321 学習処理部
371 学習モデル
373 供給部
375 再現性取得部
2200 コンピュータ
2201 DVD-ROM
2210 ホストコントローラ
2212 CPU
2214 RAM
2216 グラフィックコントローラ
2218 ディスプレイデバイス
2220 入/出力コントローラ
2222 通信インターフェイス
2224 ハードディスクドライブ
2226 DVD-ROMドライブ
2230 ROM
2240 入/出力チップ
2242 キーボード