(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】テスト装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/66 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
H01L21/66 B
H01L21/66 H
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020080947
(22)【出願日】2020-05-01
【審査請求日】2022-12-16
(32)【優先日】2019-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】520154195
【氏名又は名称】アフォア・オサケユキチュア
【氏名又は名称原語表記】AFORE OY
(73)【特許権者】
【識別番号】520154209
【氏名又は名称】ブルーフォース・オサケユキチュア
【氏名又は名称原語表記】BLUEFORS OY
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アキ・ジュネス
(72)【発明者】
【氏名】アリ・クウカラ
(72)【発明者】
【氏名】ティモ・サルミネン
(72)【発明者】
【氏名】ベサ・ヘントネン
(72)【発明者】
【氏名】マッティ・マンニネン
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド・グンナルソン
(72)【発明者】
【氏名】リーフ・ロッシア
【審査官】正山 旭
(56)【参考文献】
【文献】RUSSELL DAMON ET AL,Cryogenic probe station for on-wafer characterization of electrical devices,REVIEW OF SCIENTIFIC INSTRUMENTS,AIP,2012年04月09日,vol. 83, no.4,pages 44703 - 44703,DOI: 10.1063/1.3700213
【文献】CPS-150-LN2/LHe-HV,2017年04月02日,pages 1-3,https://web.archive.org/web/20170402144621if_/http://microxact.com/wp-content/uploads/2016/05/CPS-150-LN2LHe-HV.pdf
【文献】FWP6 Probe Station Operating Guide,2005年06月01日,pages 1-70,https://www.equipx.net/uploads/Lakeshore%20Cryogenics/LakeshoreCryogenicsFWP6Manual.pdf
【文献】MICHAEL CYBEREY ET AL,Closeout report for Advanced Materials and On-wafer Chip Evaluation: 2nd Generation ALMA Superconducting Mixers,ALMA DEVELOPMENT STUDIES (CYCLE 3),2017年03月,pages 1- 44,https://science.nrao.edu/facilities/alma/alma-develop-old-022217/licht.pdf
【文献】CHIAO MENG P ET AL,System design and implementation of the detector assembly of the Astro-H soft x-ray spectrometer,JOURNAL OF ASTRONOMICAL TELESCOPES, INSTRUMENTS,2018年03月19日,vol.4, no.2,pages 21404,DOI: 10.1117/1.JATIS.4.2.021404
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テスト装置であって、
-真空チャンバと、
-集積回路を含むウェハを保持するためのチャックと、
-前記ウェハ上の前記集積回路に電気的に接触するためのプローブカードと、
-前記プローブカードに対して前記チャックを移動するための手段と、
-前記真空チャンバ内に配置され、前記チャックおよび前記プローブカードを囲む第1の放射シールドと、
-前記第1の放射シールドに熱的に接続される冷却ユニットとを備え、
-前記プローブカードに対して前記チャックを移動するための手段は、第1の端部および第2の端部を有する支柱を含み、前記支柱の前記第1の端部は前記チャックに取り付けられ、
-前記第1の放射シールドは、前記支柱が通過するように構成される第1の開口部を有する第1の固定された部分と、前記支柱に取り付けられ、前記第1の開口部を覆うように構成される第1の可動部分とを含む、テスト装置。
【請求項2】
前記第1の可動部分は、前記支柱が通過するように構成される第2の開口部を有することを特徴とする、請求項1に記載のテスト装置。
【請求項3】
前記テスト装置は、前記真空チャンバ内に配置され、前記第1の放射シールドを囲む第2の放射シールドを備え、前記第2の放射シールドは、前記支柱が通過するように構成配される第3の開口部を有する第2の固定された部分と、前記支柱に取り付けられ、前記第3の開口部を覆うように構成される第2の可動部分とを含むことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のテスト装置。
【請求項4】
前記第2の可動部分は、前記支柱が通過するように構成される第4の開口部を有することを特徴とする、請求項3に記載のテスト装置。
【請求項5】
前記冷却ユニットは、前記第1の放射シールドに熱的に接続される第1の温度段と、前記第2の放射シールドに熱的に接続される第2の温度段とを有することを特徴とする、請求項3または請求項4に記載のテスト装置。
【請求項6】
前記冷却ユニットは、前記チャックおよび前記プローブカードに熱的に接続される第3の温度段を有することを特徴とする、請求項5に記載のテスト装置。
【請求項7】
前記放射シールドの前記固定された部分は前記開口部の周りに第1のリップを含み、前記放射シールドの前記可動部分はその外縁に配置される第2のリップを含み、前記第1のリップおよび前記第2のリップは互いに向き合うように配置されることを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のテスト装置。
【請求項8】
前記放射シールドは、前記固定された部分または前記可動部分に取り付けられ、前記固定された部分と前記可動部分との間の間隙をシールドするためのシールを含むことを特徴とする、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載のテスト装置。
【請求項9】
前記放射シールドは、前記固定された部分に可撓性要素を用いて取り付けられ、前記固定された部分と前記可動部分との間の間隙を閉じるための中実リングを含むことを特徴とする、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載のテスト装置。
【請求項10】
互いに向き合う前記固定された部分および前記可動部分の表面の少なくとも一方は熱吸収性とされることを特徴とする、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のテスト装置。
【請求項11】
前記プローブカードに対して前記チャックを移動するための手段は、前記支柱の前記第2の端部に取り付けられ、前記支柱を3つの垂直方向に移動するための第1のアクチュエータを含むことを特徴とする、請求項1~請求項10のいずれか1項に記載のテスト装置。
【請求項12】
前記プローブカードに対して前記チャックを移動させるための手段は、前記支柱の前記第2の端部に取り付けられ、前記支柱をその長手方向軸の周りにおいて回転させるための第2のアクチュエータを含むことを特徴とする、請求項11に記載のテスト装置。
【請求項13】
前記支柱は1つまたは複数の管を含むことを特徴とする、請求項1~請求項12のいずれか1項に記載のテスト装置。
【請求項14】
前記管はシートメタルで形成されることを特徴とする、請求項13に記載のテスト装置。
【請求項15】
前記管の壁厚は0.05mm~0.3mmの範囲であることを特徴とする、請求項13または請求項14に記載のテスト装置。
【請求項16】
前記冷却ユニットは、閉ループヘリウム循環を用いる乾式クライオスタットであることを特徴とする、請求項1~請求項15のいずれか1項に記載のテスト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の技術分野
本発明は、特許請求の範囲の独立請求項の前文に係るテスト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
半導体デバイス製造は、フォトリソグラフィーおよび化学処理ステップの複数のステップシーケンスを用いて、半導体材料で形成されたウェハ上に集積回路を作成するために一般的に用いられるプロセスである。プロセスの一部として、ウェハ上に形成された集積回路は、通常、特別なテストパターンを適用されることにより、機能上の欠陥がないかテストされる。このテストは、ウェハプローバと呼ばれるテスト装置を用いて実行される。
【0003】
公知のウェハプローバの一例は、テストされるウェハを保持するためのチャックと、ウェハ上の集積回路に電気的に接触するためのプローブカードとを含む。プローブカードは、テストプログラムに従って集積回路を電気的にテストする電子テストユニットに電気的に接続されている。テストプログラムは、テストパターンの内容と、テストパターンが集積回路に適用される順序とを規定する。チャックおよびプローブカードはチャンバ内に配置されているため、制御された環境で集積回路をテストできる。電気的テストでは、チャックに取り付けられたウェハがテスト位置間を移動する間、プローブカードは所定の位置に保持される。各テスト位置で、プローブカードの接触要素は、集積回路の組の接触パッドと電気的に接触するように配置され、次いで、集積回路は、電子テストユニットで電気的にテストされる。
【0004】
公知のウエハプローバに関連する問題は、集積回路のテストは時間およびエネルギーを消費し、非常に低い温度、特に4K未満では困難または不可能でさえであるということである。これは、集積回路がテストされる空間がその周囲から熱的に充分にシールドされていないからである。さらに、公知のウェハプローバにおいては、テスト空間に発熱部品および構成要素があり、その冷却を困難にしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明の目的
本発明の主な目的は、上に提示された先行技術の問題を低減または排除しさえすることである。
【0006】
本発明の目的は、ウェハ上の集積回路を電気的にテストするためのテスト装置を提供することである。より詳細には、本発明の目的は、非常に低い温度で、さらには4K未満であっても、ウェハ上の集積回路を電気的にテストすることを可能にするテスト装置を提供することである。本発明のさらなる目的は、集積回路がテストされる空間を所望のテスト温度まで迅速かつエネルギー効率よく冷却し、最小量のエネルギーを用いてその温度を維持できるようにするテスト装置を提供することである。本発明のさらに別の目的は、集積回路がテストされる空間が、その周囲から十分に熱的にシールドされているテスト装置を提供することである。
【0007】
上記の目的を実現するために、本発明によるテスト装置は、特許請求の範囲の独立請求項の特徴部分に示されるものによって特徴付けられる。本発明の有利な実施形態は、従属請求項に記載されている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の説明
本発明によるテスト装置は、真空チャンバ、集積回路を含むウェハを保持するためのチャック、ウェハ上の集積回路に電気的に接触するためのプローブカード、プローブカードに対してチャックを移動させるための手段、真空チャンバ内に配置され、チャックとプローブカードとを囲む第1の放射シールド、および第1の放射シールドに熱的に接続される冷却ユニットを含む。本発明によるテスト装置では、プローブカードに対してチャックを移動させるための手段は、第1の端部および第2の端部を有する支柱を含み、支柱の第1の端部はチャックに取り付けられ、第1の放射シールドは、支柱が通過するように構成される第1の開口部を有する第1の固定された部分と、支柱に取り付けられ、第1の開口部を覆うように構成される第1の可動部分とを含む。
【0009】
本発明によるテスト装置は、ウェハ上の集積回路を電気的にテストするために用いることができる。テスト装置は、ウェハプローバと呼ぶことができる。テストされるウェハは、チャックに取り付けられ、チャックは、移動手段を用いて、テスト位置の間で移動される。各テスト位置で、プローブカードは1つ以上の集積回路と電気的に接触しており、集積回路は電気的にテストされることができる。
【0010】
チャックは、集積回路のテスト中にウェハを保持するために用いられる。チャックは、例えば、チャックのベースプレート上にウェハを保持するための複数の熱伝導ピンを含む機械的チャックであり得る。代替的に、チャックは、例えば、誘電材料の層でコーティングされた金属ベースプレートを含む静電チャックであり得る。金属ベースプレートとウェハとの間に電圧差を設けることにより、静電力がウェハをチャック上に保持する。ウェハの平坦性を維持し、ウェハからの熱の迅速な伝達を容易にするために、チャックは、銅または金などの熱伝導性材料でできていることが好ましい。チャックは金メッキされた銅で形成することができる。これらの材料は、充分な熱特性および性能を提供する。
【0011】
チャックは、移動手段によって、プローブカードに対して移動される。その動きは、支柱を介して、支柱の第1の端部に取り付けられているチャックに伝達される。チャックは、好ましくは平坦であり、支柱の長手方向軸に対して本質的に垂直に配置される。支柱の第2の端部は、第1の放射シールドから外に延びる。移動手段は、支柱、およびしたがって支柱の第1の端部に取り付けられたチャックも移動させるために支柱に取り付けられた1つ以上のアクチュエータを含む。1つ以上のアクチュエータは、それ(ら)が第1の放射シールドの外側にあるように支柱に取り付けられ、それにより、それ(ら)は、第1の放射シールドの内部を加熱しない。好ましくは、1つ以上のアクチュエータは、支柱の第2の端部に取り付けられ、支柱を異なる方向に移動させるように構成される。
【0012】
支柱はワンピースまたはマルチピースにすることができる。支柱は、支柱の長手方向に順次連続して配置された第1の柱部分と第2の柱部分とを含んでもよい。第1の柱部分の第1の端部は、チャックに取り付けられ得、第1の柱部分の第2の端部は、第1の可動部分に取り付けられ得る。第2の柱部分の第1の端部は、第1の可動部分に取り付けられ得、第2の柱部分の第2の端部は、アクチュエータまたは第2の放射シールドの第2の可動部分に取り付けられ得る。第2の柱部分の第2の端部が第2の可動部分に取り付けられる場合、支柱は、第1の端部が第2の可動部分に取り付けられ、第2の端部がアクチュエータに取り付けられ得る第3の柱部分を含み得る。支柱は管であることができ、第1の可動部分を通過するように構成することができる。支柱は、複数の管を備えることができ、それらは、互いに部分的に入れ子にするか、または支柱の長手方向に次々に連続的に配置することができる。第1の可動部分は、2つの連続した管の間に取り付けることができる。支柱は、ステンレス鋼などの金属、または良好な機械的特性および低い熱伝導率を有する他の材料で形成することができる。
【0013】
プローブカードは、ウェハ上の集積回路に電気的に接触するために用いられる。プローブカードは、プリント回路基板(PCB)と、集積回路の接触パッドと電気的に接触して配置することができる1つ以上の接触要素とを備えることができる。テスト装置は、プローブカード上の接触要素およびウェハ上の接触パッドの位置を光学的に突き止めるためのカメラを含み得る。この情報を用いることにより、テストされる集積回路の接触パッドをプローブカードの接触要素に整列させることができる。
【0014】
プローブカードは、薄肉ステンレス鋼管のような断熱支持部で第1の放射シールドの第1の固定された部分に機械的に取り付けられるプローブカードホルダに熱的および機械的に取り付けることができる。プローブカードは、例えば、接触要素の形状および形態に応じて、針、垂直ピン、またはMEMS(マイクロエレクトロメカニカルシステム)タイプのプローブカードとすることができる。プローブカードの接触要素は、例えば、タングステンまたはタングステン/レニウム合金で形成することができる。集積回路の接触パッドは、例えば、アルミニウム、銅、銅合金、または鉛-スズおよびスズ-銀などの多くのタイプのはんだで形成することができる。典型的には、プローブカードは、ウェハ上の各集積回路を電気的にテストできるように、ウェハのタイプごとに特注で形成される。
【0015】
チャックおよびプローブカードは、2つのシールド部分を含む第1の放射シールドの内側に配置される。第1のシールド部分、すなわち第1の固定された部分は、支柱の第1の端部が第1の放射シールドの内部に延びるように、支柱が通過するように構成される第1の開口部を有する。第1の開口部は、好ましくは、支柱がチャックのいかなる位置においても第1の固定された部分に接触しないように寸法決めされる。好ましくは、第1の開口部の形状は円形である。第2のシールド部分、すなわち第1の可動部分は、支柱に取り付けられ、チャックの任意の位置で第1の開口部を覆うように構成される。第1の開口部は、第1の可動部分を用いて閉じることができる。
【0016】
第1の放射シールドは熱シールドとして作用し、熱伝達を低減する。言い換えれば、第1の放射シールドは熱放射シールドである。第1の放射シールドは、チャックおよびプローブカードが配置される本質的に囲まれた空間を規定する。好ましくは、光子が第1の放射シールドによって囲まれた空間に入ることができる唯一の経路は、第1の開口部と接続状態の、第1の固定された部分と第1の可動部分との間の間隙である。間隙から漏れる光子の数は、ジオメトリによって、および表面の放射率を調整することによって、低減することができる。
【0017】
第1の固定された部分は、薄肉ステンレス鋼管などの断熱支持材を用いて、真空チャンバまたは第1の放射シールドを囲む別の放射シールドに機械的に取り付けることができる。第1の固定された部分は、円筒形の側壁、周囲を側壁の上縁に取り付けられた上端壁、および第1の開口部が設けられ、周囲を側壁の下縁に取り付けられた下端壁を含むことができる。第1の可動部分は、第1の開口部を覆うよう、第1の固定された部分の下端壁の下に位置決めされる円形プレートを含むことができる。第1の固定された部分の下端壁には、第1の開口部の周りに第1のリップを設けることができ、第1の可動部分の円形プレートには、その外縁に配置され第1のリップに面する第2のリップを設けることができる。第1のリップおよび第2のリップは、下端壁および円形プレートとともにラビリンスシールを形成し、光子に曲がりくねった経路を提供して、第1の放射シールドへの熱放射の量を制限する。第1の放射シールドの第1の固定された部分および第1の可動部分は、例えば、アルミニウムで形成することができる。
【0018】
冷却ユニットは、第1の放射シールドに熱的に接続される。本明細書において、「熱的に接続される」という表現は、2つの部材がそれらの間で熱を伝導できるように接続されていることを意味する。冷却ユニットは、第1の放射シールドの内部を所望のテスト温度に冷却するため、および集積回路のテスト中にテスト温度を維持するために用いられる。第1の放射シールド内のテスト温度は、例えば、1K~4Kの範囲であり得る。熱は、第1の放射シールドから、冷却ユニットと第1の放射シールドとの間に接続される1つ以上の熱リンクを通して伝達される。熱リンクは、例えば、銅もしくはアルミニウムで形成されるケーブルまたはバーであり得る。好ましくは、冷却ユニットは、第1の固定された部分および第1の可動部分の両方に熱的に接続される。冷却ユニットは、それが熱的に接続されている部分に特定の温度を与えるように各々が構成される1つ以上の温度段を含むことができる。冷却ユニットは、ヘリウムをベースにした閉ループ循環冷却器とすることができる。
【0019】
真空チャンバにより、制御された環境で集積回路をテストできる。真空チャンバ内の圧力および温度などの条件をさまざまな装置で制御することができる。テスト装置は、例えば、圧力を制御するために真空チャンバに取り付けられた真空ポンプと、真空チャンバ内の温度を制御するために真空チャンバに取り付けられた冷却ユニットとを備えることができる。真空チャンバは、例えば、ステンレス鋼またはアルミニウムで形成することができる。集積回路をテストする場合、真空チャンバ内の圧力は通常10E-4mbar未満である。
【0020】
テスト装置は、ウェハ上の集積回路を電気的にテストするための電子テストユニットを含む。電子テストユニットは、プローブカードに電気的に接続される。プローブカードは、電子テストユニットとウェハ上の集積回路との間に電気経路を提供し、それにより集積回路のテストおよび検証を可能にする。電子テストユニットは、テストパターンの内容とテストパターンが集積回路に適用される順序とを規定するテストプログラムに従って、集積回路をテストする。電子テストユニットは、プロセッサと、コンピュータプログラムコードを含むメモリとを備えてもよく、メモリおよびコンピュータプログラムコードは、プロセッサとともに、電子テストユニットに集積回路を電気的にテストさせるように構成される。
【0021】
本発明によるテスト装置の利点は、非常に低い温度、および4K未満であっても、ウェハ上の集積回路を電気的にテストすることを可能にすることである。本発明によるテスト装置の別の利点は、集積回路がテストされる空間、つまり、第1の放射シールドの内部が、迅速かつエネルギー効率よく所望のテスト温度まで冷却され、最小量のエネルギーを用いてその温度を維持できることである。本発明によるテスト装置のさらに別の利点は、集積回路がテストされる空間がその周囲から十分に熱的にシールドされることである。
【0022】
本発明の一実施形態によれば、第1の可動部分は、支柱が通過するように構成される第2の開口部を有する。第1の可動部分は、支柱と第1の可動部分との間に間隙がないか、または最小であるように、支柱に取り付けられる。好ましくは、この実施形態では、支柱はワンピースの管である。第2の開口部の形状は、好ましくは円形である。
【0023】
本発明の実施形態によれば、テスト装置は、真空チャンバの内側に配置され、第1の放射シールドを囲む第2の放射シールドを備え、第2の放射シールドは、支柱が通過するように構成される第3の開口部を有する第2の固定された部分と、支柱に取り付けられ、第3の開口部を覆うように構成される第2の可動部分とを含む。
【0024】
第2の放射シールドは、2つのシールド部分を含む。第1のシールド部分、すなわち第2の固定された部分は、支柱の第2の端部が第2の放射シールドから延びるように、支柱が通過するように構成される第3の開口部を有する。第3の開口部は、好ましくは、支柱がチャックのいかなる位置においても第2の固定された部分に接触しないように寸法決めされる。好ましくは、第3の開口部の形状は円形である。第2のシールド部分、すなわち第2の可動部分は、支柱に取り付けられ、チャックの任意の位置で第3の開口部を覆うように構成される。第3の開口部は、第2の可動部分で閉じることができる。
【0025】
第2の放射シールドは熱シールドとして機能し、熱伝達を低減する。言い換えれば、第2の放射シールドは熱放射シールドである。第2の放射シールドは、第1の放射シールドが配置される本質的に囲まれた空間を規定する。好ましくは、光子が第2の放射シールドによって囲まれた空間に入ることができる唯一の経路は、第3の開口部と接続状態の、第2の固定された部分と第2の可動部分との間の間隙である。間隙から漏れる光子の数は、ジオメトリによって、および表面の放射率を調整することによって低減することができる。
【0026】
第2の固定された部分は、薄肉ステンレス鋼管などの断熱支持材で真空チャンバまたは第2の放射シールドを囲む別の放射シールドに機械的に取り付けることができる。第2の固定された部分は、円筒形の側壁と、周囲を側壁の上縁に取り付けられた上端壁と、第3の開口部を設けられ、周囲を側壁の下縁に取り付けられた下端壁とを含むことができる。第2の可動部分は、第2の固定された部分の下端壁の上に位置決めされて、第3の開口部を覆う円形プレートを含むことができる。第2の固定された部分の下端壁には、第3の開口部の周りに第1のリップを設けることができ、第2の可動部分の円形プレートには、その外縁に配置され、第1のリップに面する第2のリップを設けることができる。第1のリップと第2のリップとは、下端壁と円形プレートとともにラビリンスシールを形成し、光子に曲がりくねった経路を提供して、第2放射シールドへの熱放射の量を制限する。第2の放射シールドの第2の固定された部分および第2の可動部分は、例えば、アルミニウムで形成することができる。
【0027】
第2の放射シールドの利点は、テスト装置の遮熱性をさらに向上させ、それによって、1つの放射シールドしか持たないテスト装置と比較して、より少ないエネルギー量で第1の放射シールド内の所望のテスト温度を達成および維持できることである。
【0028】
本発明の一実施形態によれば、第2の可動部分は、支柱が通過するように構成される第4の開口部を有する。第2の可動部分は、支柱と第2の可動部分との間に間隙がないかまたは最小限になるように、支柱に取り付けられる。好ましくは、この実施形態では、支柱はワンピースの管である。第4の開口部の形状は、好ましくは円形である。
【0029】
本発明の一実施形態によれば、冷却ユニットは、第1の放射シールドに熱的に接続される第1の温度段と、第2の放射シールドに熱的に接続される第2の温度段とを有する。冷却ユニットの温度段は、放射シールドに異なる温度を与えるように構成される。第1の温度段で達成できる温度は、第2の温度段で達成できる温度よりも低い。第1の温度段によって与えられる温度は、例えば、3K~5Kの範囲または約4Kであり得、第2の温度段によって与えられる温度は、例えば、45K~55Kの範囲または約50Kであり得る。熱は、第1の放射シールドから、第1の温度段と第1の放射シールドとの間に接続される1つ以上の熱リンクを介して伝達される。熱は、第2の放射シールドから、第2の温度段と第2の放射シールドとの間に接続される1つ以上の熱リンクを介して伝達される。熱リンクは、例えば、銅もしくはアルミニウムで形成されるケーブルまたはバーであり得る。好ましくは、第1の温度段は、第1の固定された部分および第1の可動部分の両方に熱的に接続され、第2の温度段は、第2の固定された部分および第2の可動部分の両方に熱的に接続される。
【0030】
2つの温度段を有する冷却ユニットの利点は、集積回路がテストされる空間、すなわち第1の放射シールドの内部を、より迅速に、およびエネルギー効率よく所望のテスト温度に冷却できることである。
【0031】
本発明の一実施形態によれば、冷却ユニットは、チャックおよびプローブカードに熱的に接続される第3の温度段を有する。好ましくは、第3の温度段は、プローブカードホルダを介してプローブカードに熱的に接続される。第3の温度段で達成できる温度は、第1の温度段で達成できる温度よりも低い。第3の温度段によって与えられる温度は、例えば、0.8K~1.2Kの範囲または約1Kであり得る。熱は、第3の温度段とチャックとの間に接続される1つ以上の熱リンクを通して、チャックから離れるように伝達される。熱は、第3温度段とプローブカードの間に接続される1つ以上の熱リンクを介して、プローブカードから離れるように伝達される。熱リンクは、例えば、銅もしくはアルミニウムで形成されるケーブルまたはバーであり得る。
【0032】
チャックが冷却ユニットによって冷却されると、チャック上に取り付けられたウェハからの熱が伝導によってチャックに伝達され得る。それに対応して、プローブカードが冷却ユニットによって冷却されると、プローブカードが集積回路と電気的に接触しているときに、ウェハからの熱がプローブカードに伝わり得る。熱は、集積回路の接触パッドとプローブカードの接触要素とを介して伝導によって伝達される。したがって、冷却ユニットは、チャックおよびプローブカードを介してウェハを効率的に冷却することを可能にする。
【0033】
冷却ユニットの第3の温度段を用いてチャックおよびプローブカードを冷却することの利点は、集積回路がテストされる空間、つまり第1の放射シールドの内部をより迅速に、エネルギー効率よく所望のテスト温度に冷却できることである。
【0034】
本発明の一実施形態によれば、テスト装置は、第1の放射シールドの内側に配置され、チャックおよびプローブカードを囲む第3の放射シールドを備え、第3の放射シールドは、冷却ユニットの第3の温度段に熱的に接続される。
【0035】
本発明の一実施形態によれば、放射シールドの固定された部分は、開口部の周りの第1のリップを含み、放射シールドの可動部分は、その外縁に配置された第2のリップを含み、第1および第2のリップは、互いに面するように配置される。第1のリップおよび/または第2のリップは、金属被覆されたプラスチックなどの不透明材料で形成されるシールを設けられることができる。第1および第2のリップの利点は、放射シールドの固定された部分と可動部分との間にラビリンスシールが形成されることである。これは光子に曲がりくねった経路を提供し、したがって放射シールドへの熱放射の量を制限する。
【0036】
本発明の一実施形態によれば、放射シールドは、固定された部分と可動部分との間の間隙をシールドするために、固定された部分または可動部分に取り付けられたシールを含む。シールは、固定された部分に取り付けられて、固定された部分において開口部を取り囲むことができる。固定された部分は、開口部の周りに、シールが取り付けられるリップを含むことができる。シールは可動部分の外縁に取り付けることができる。可動部分は、その外縁に、シールが取り付けられるリップを含むことができる。
【0037】
本発明の一実施形態によれば、放射シールドは、固定された部分と可動部分との間の間隙を閉じるために、固定された部分に可撓性要素を用いて取り付けられた中実リングを含む。可撓性要素は、固定された部分の開口部を取り囲んでいる。
【0038】
輻射熱伝達(放出/吸収)は、放射シールドの表面および真空チャンバの内側面を反射性にすることによって低減することができる。熱反射面は、例えば、研磨された金属とすることができる。熱反射面の割合を最大化することができ、表面を局所的に熱吸収性にすることにより、形状の非理想性のみが補償される。
【0039】
本発明の一実施形態によれば、互いに向き合っている固定された部分および可動部分の表面の少なくとも1つは、熱吸収性にされる。熱吸収面は、光子が、開口部と接続状態の、固定された部分と可動部分との間の間隙を通って、高温側から低温側に侵入できないことを保証する。熱吸収面は、例えば、黒色陽極処理または黒色塗装することができる。
【0040】
本発明の一実施形態によれば、チャックをプローブカードに対して移動させる手段は、支柱を3つの垂直方向に移動させるために支柱の第2の端部に取り付けられた第1のアクチュエータを含む。その運動は、支柱を介して、支柱の第1の端部に取り付けられるチャックに伝達される。第1のアクチュエータを用いることにより、チャックを水平および垂直に移動させることができる。第1のアクチュエータは、真空チャンバの外側、または真空チャンバの内側であるが放射シールドの外側に配置することができる。第1のアクチュエータは、例えば、回転運動を線形運動に変換する、ねじを操作する電気モータとすることができる。放射シールドの外側に第1のアクチュエータを有することの利点は、第1のアクチュエータによって生成される熱が、集積回路がテストされる空間、すなわち第1の放射シールドの内部を加熱しないことである。
【0041】
本発明の一実施形態によれば、プローブカードに対してチャックを移動するための手段は、支柱をその長手方向軸の周りで回転させるために支柱の第2の端部に取り付けられる第2のアクチュエータを含む。その運動は、支柱を介して、支柱の第1の端部に取り付けられるチャックに伝達される。第2のアクチュエータは、真空チャンバの外側、または真空チャンバの内側であるが放射シールドの外側に配置することができる。第2のアクチュエータは、例えば、回転運動を線形運動に変換し、線形運動を支柱の回転運動に戻す、ねじを操作する電気モータとすることができる。放射シールドの外側に第2のアクチュエータを有することの利点は、第2のアクチュエータによって生成される熱が、集積回路がテストされる空間、すなわち第1の放射シールドの内部を加熱しないことである。
【0042】
本発明の一実施形態によれば、支柱は、1つまたは複数の管を含む。複数の管は、互いに部分的に入れ子にするか、または支柱の長手方向に次々に連続して配置することができる。可動部分は、2つの連続した管の間に取り付けることができる。支柱は、可動部分を通過するように構成される管とすることができる。この場合、好ましくは、支柱は、管の内側の熱放射を遮断するために、管の内側に熱放射シールドを設けられる。支柱は、ワンピースまたはマルチピースの管とすることができる。好ましくは、管は円形の断面を有する。支柱は、ステンレス鋼などの金属、または良好な機械的特性および低い熱伝導率を有する他の材料で形成することができる。1つ以上の管からなる支柱の利点は、支柱を通る熱伝達が最小であることである。
【0043】
本発明の一実施形態によれば、管はシートメタルで形成される。シートメタルの利点は、それを簡単に管に成形できることである。
【0044】
本発明の一実施形態によれば、管の壁厚は、0.05mmから0.3mmの範囲である。管の壁厚をこの範囲内にすることの利点は、支柱を介した熱伝達が最小限であり、支柱がその形状を保持するのに十分な剛性があることを保証することである。
【0045】
本発明の一実施形態によれば、冷却ユニットは、閉ループヘリウム循環を用いる乾式クライオスタットである。乾式クライオスタットを用いる場合、真空チャンバは室温に保たれ(液体窒素浴または液体ヘリウム浴内ではない)、すべての低温構成要素は真空チャンバ内に配置される。乾燥クライオスタットは、複数の温度段、例えば、50K、4Kおよび1K段を含み得る。乾式クライオスタットの利点は、システム全体を液体ヘリウム浴に浸漬することなく、集積回路がテストされる空間、つまり第1の放射シールドの内部を、4K未満の温度に冷却できることである。
【0046】
本明細書に提示されている本発明の例示的な実施形態は、特許請求の範囲の適用性に制限を課すものとして解釈されない。「備える/含む」という動詞は、本明細書においては、記載されていない特徴の存在も排除しない開いた限定として、用いられる。従属請求項に記載される特徴は、特に明記されない限り、相互に自由に組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係るテスト装置の断面図である。
【
図2】本発明の第2の実施形態に係るテスト装置の断面図である。
【
図3A】放射シールドの例示的な構造を示す図である。
【
図3B】放射シールドの例示的な構造を示す図である。
【
図3C】放射シールドの例示的な構造を示す図である。
【
図3D】放射シールドの例示的な構造を示す図である。
【
図3E】放射シールドの例示的な構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図面の詳細な説明
異なる実施形態において、同じ参照符号が、同じであるかまたは同様の構成要素に用いられる。
【0049】
図1は、本発明の第1の実施形態によるテスト装置の断面図を示す。テスト装置100は、集積回路を含むウェハ102を保持するためのチャック101と、プローブカードホルダ104に取り付けられ、ウェハ102上の集積回路と電気的に接触するためのプローブカード103とを備える。プローブカード103は接触要素105を含み、接触要素105は、集積回路の接触パッドと電気的に接触状態になるよう構成することができる。集積回路の電気的テストは、プローブカード103に電気的に接続される電子テストユニット106で行われる。プローブカード103は、電子テストユニット106とウェハ102上の集積回路との間に電気経路を提供する。
【0050】
チャック101は、第1の端部および第2の端部を有する支柱107を含む移動手段を用いて、プローブカード103に対して移動されることができる。支柱107の第1の端部は、チャック101が支柱107の長手方向軸に対して垂直になるようにチャック101に取り付けられる。移動手段は、支柱107を3つの垂直方向に移動するための第1のアクチュエータ108、および支柱107をその長手方向軸の周りに回転させるための第2のアクチュエータ109も含む。第1のアクチュエータ108および第2のアクチュエータ109は、支柱107の第2の端部に取り付けられており、その運動は、支柱107を介してチャック101に伝達される。
【0051】
チャック101およびプローブカード103は、第1の固定された部分111および第1の可動部分112を含む第1の放射シールド110の内部に配置される。第1の固定された部分111は、支柱107の第1の端部が第1の放射シールド110の内部へと延びるように支柱107が通過するよう構成される第1の開口部113を有する。第1の可動部分112は、支柱107が通過するように構成される第2の開口部114を有する。第1の可動部分112は、第1の固定された部分111の下端壁の下方に位置決めされ、第1の開口部113を覆うように支柱107に取り付けられている。第1の固定された部分111の下端壁には、第1の開口部113の周りにリップ115が設けられており、第1の可動部分112には、その外縁に配置され、リップ115に面するリップ116が設けられている。
【0052】
第1の放射シールド110は、第2の固定された部分118および第2の可動部分119を含む第2の放射シールド117の内側に配置される。第1の放射シールド110の第1の固定された部分111は、第2の放射シールド117の第2の固定された部分118に機械的に取り付けられるが、それから断熱される。第2の固定された部分118は、支柱107が通過するように配置される第3の開口部120を有し、それにより、支柱107の第2の端部が第2の放射シールド117から延在する。第2の可動部分119は、支柱107が通過するように構成される第4の開口部121を有する。第2の可動部分119は、第2の固定された部分118の下端壁の上方に位置し、第3の開口部120を覆うように支柱107に取り付けられている。第2の固定された部分118の下端壁には、第3の開口部120の周りにリップ122が設けられ、第2の可動部分119には、その外縁に配置され、リップ122に面するリップ123が設けられている。
【0053】
第2の放射シールド117は、真空チャンバ124の内側に配置される。第2の放射シールド117の第2の固定された部分118は、真空チャンバ124に取り付けられる。真空チャンバ124により、集積回路を制御された環境でテストすることができる。真空チャンバ124内の圧力は、真空ポンプ125で制御される。
【0054】
テスト装置は、ウェハ102を所望のテスト温度に冷却し、集積回路のテスト中にテスト温度を維持するための冷却ユニット126を含む。冷却ユニット126は、3つの温度段127、128、および129を含み、その各々は、それが熱的に接続される部分に特定の温度を与えるように構成される。第1の温度段127は第1の放射シールド110に熱的に接続され、第2の温度段128は第2の放射シールド117に熱的に接続される。第1の温度段127で達成できる温度は、第2の温度段128で達成できる温度よりも低い。熱は、第1の放射シールド110から、第1の温度段127と第1の放射シールド110との間に接続される熱リンク130を介して伝達される。熱は、第2の放射シールド117から、第2の温度段128と第2の放射シールド117との間に接続される熱リンク131を介して伝達される。第3の温度段129は、チャック101およびプローブカード103に熱的に接続される。第3の温度段129で達成できる温度は、第1の温度段127で達成できる温度よりも低い。熱は、第3の温度段129とチャック101およびプローブカードホルダ104との間に接続される熱リンク132を介して、チャック101およびプローブカード103から離れるように伝達される。
【0055】
図2は、本発明の第2の実施形態に係るテスト装置の断面図を示す。
図2のテスト装置が
図2のテスト装置と異なるのは、支柱107が3つの柱部分201、202、203を含む点、ならびに第1の可動部分112および第2の可動部分119が、開口部を有さない点である。柱部分201の第1の端部はチャック101に取り付けられ、柱部分201の第2の端部は第1の可動部分112に取り付けられている。柱部分202の第1の端部は第1の可動部分112に取り付けられており、柱部分202の第2の端部は第2の可動部分119に取り付けられている。柱部分203の第1の端部は第2の可動部分119に取り付けられており、柱部分203の第2の端部はアクチュエータ108および109に取り付けられている。
【0056】
図3A~
図3Eは、放射シールドの例示的な構造を示す。より具体的には、
図3A~
図3Eは、放射シールドの第1の固定された部分111と第1の可動部分112との間の閉じられた間隙の拡大図を示す。
図3Aにおいて、第1の開口部113を取り囲むように第1の固定された部分111に取り付けられたシール301が示されている。シール301は、第1の可動部分112に対して押圧され、第1の固定された部分111と第1の可動部分112との間の間隙は閉じられる。
図3Bの放射シールドが
図3Aの放射シールドと異なる点は、第1の可動部分112が、間隙を介して漏洩する光子の数を低減するように、その外縁に配置されたリップ116を含むことである。
図3Cの放射シールドが
図3Aの放射シールドと異なる点は、第1の固定された部分111が、シール301が取り付けられるリップ115を含むことである。
図3Dの放射シールドが
図3Cの放射シールドと異なる点は、第1の可動部分112が、間隙を介して漏洩する光子の数を低減するように、その外縁に配置されたリップ116を含むことである。
図3Eには、第1の固定された部分111と第1の可動部分112との間の間隙が、第1の固定された部分111に可撓性要素303を用いて取り付けられる中実リング302によって閉じられた構造が示されている。可撓性要素303は、第1の開口部113を取り囲む。
【0057】
本発明の有利な例示的実施形態のみが図に記載されている。本発明が上に提示された例のみに限定されず、本発明が以下に提示される特許請求の範囲内で変化し得ることは、当業者には明らかである。本発明のいくつかの可能な実施形態は、従属請求項に記載されており、それらは、本発明の保護の範囲をそのようなものとして制限するものと見なされるべきではない。
【符号の説明】
【0058】
100 テスト装置、101 チャック、102 ウェハ、103 プローブカード、107 支柱、110 第1の放射シールド、111 第1の固定された部分、112 第1の可動部分、113 第1の開口部、124 真空チャンバ、126 冷却ユニット、201、202、203 支柱。