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特許7561531忘れ物検出システム及び忘れ物検出プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】忘れ物検出システム及び忘れ物検出プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20240927BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20240927BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20240927BHJP
   G08B 21/24 20060101ALI20240927BHJP
   G06Q 50/40 20240101ALI20240927BHJP
【FI】
H04N7/18 D
G08B25/00 510M
G08B25/04 C
G08B21/24
G06Q50/40
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020115137
(22)【出願日】2020-07-02
(65)【公開番号】P2022012950
(43)【公開日】2022-01-18
【審査請求日】2023-05-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000004617
【氏名又は名称】日本車輌製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000534
【氏名又は名称】弁理士法人真明センチュリー
(72)【発明者】
【氏名】三浦 加奈代
【審査官】長谷川 素直
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-004252(JP,A)
【文献】特開2017-054367(JP,A)
【文献】特開2020-036211(JP,A)
【文献】特開2012-128527(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
G08B 25/00
G08B 21/00
G06Q 50/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視エリアの映像を取得する監視映像取得手段と、
その監視映像取得手段で取得された映像から忘れ物を検出する忘れ物検出手段と、
前記忘れ物検出手段により忘れ物が検出された場合に、前記監視映像取得手段で取得された映像から前記忘れ物に基づいて前記忘れ物の持ち主であるユーザを検出する持主検出手段と、
ユーザ操作によりユーザの個人IDを照合する照合装置の周辺の映像を取得する照合映像取得手段と、
前記持主検出手段によりユーザが検出された場合に、前記照合映像取得手段で取得された映像から、前記照合装置で個人IDを照合したユーザのうち、前記持主検出手段で検出されたユーザと同一のユーザを特定する特定手段と、
その特定手段で特定されたユーザについて、前記照合装置で照合された個人IDを特定するID特定手段と、
そのID特定手段で特定された個人IDのユーザに忘れ物に関する通知を行う通知手段とを備えていることを特徴とする忘れ物検出システム。
【請求項2】
前記忘れ物検出手段は、前記監視映像取得手段で取得された映像を遡って忘れ物を検出することを特徴とする請求項1記載の忘れ物検出システム。
【請求項3】
前記通知手段は、前記ID特定手段で特定された個人IDのユーザに忘れ物に関するメッセージを電子的に送信することで、忘れ物に関する通知を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の忘れ物検出システム。
【請求項4】
前記照合装置は、出力手段を有し、
前記通知手段は、前記照合装置に対して、前記ID特定手段で特定された個人IDが前記照合装置で照合された場合に、前記照合装置の出力手段に忘れ物に関する旨を出力することで、忘れ物に関する通知を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の忘れ物検出システム。
【請求項5】
前記監視エリアは、鉄道車両の客室内であり、
前記照合装置は、駅に設置された改札機であり、
その改札機は、IC乗車券から個人IDを取得して照合するものであり、
前記特定手段は、前記照合映像取得手段で取得した映像から、前記改札機でIC乗車券を利用したユーザのうち、前記持主検出手段で検出されたユーザと同一のユーザを特定することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の忘れ物検出システム。
【請求項6】
監視エリアの映像を取得する監視映像取得ステップと、
その監視映像取得ステップで取得された映像から忘れ物を検出する忘れ物検出ステップと、
前記忘れ物検出ステップにより忘れ物が検出された場合に、前記監視映像取得ステップで取得された映像から前記忘れ物に基づいて前記忘れ物の持ち主であるユーザを検出する持主検出ステップと、
ユーザ操作によりユーザの個人IDを照合する照合装置の周辺の映像を取得する照合映像取得ステップと、
前記持主検出ステップによりユーザが検出された場合に、前記照合映像取得ステップで取得された映像から、前記照合装置で個人IDを照合したユーザのうち、前記持主検出ステップで検出されたユーザと同一のユーザを特定する特定ステップと、
その特定ステップで特定されたユーザについて、前記照合装置で照合された個人IDを特定するID特定ステップと、
そのID特定ステップで特定された個人IDのユーザに忘れ物に関する通知を行う通知ステップとを、コンピュータに実行させることを特徴とする忘れ物検出プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、忘れ物検出システム及び忘れ物検出プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、検知エリア(ATMエリア30)内にエリア撮影カメラ300及び顔撮影カメラ400が設置され、エリア撮影カメラ300で撮影されたエリア撮影画像301によって物体20の置き去りが検知された場合、その物体20を置き去りにした人物10と物体20とのそれぞれの画像を、エリア撮影画像301と、顔撮影カメラ400で撮影された顔撮影画像401とから取得し、取得された画像を対応付けて表示装置170に表示することが開示されている。これによって、置き去りにされた物体20、即ち忘れ物と、その持ち主である人物10とを一目で把握できるので、忘れ物を人物10が取りに来た場合、その人物10がその忘れ物の持ち主かどうかを容易に識別できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-88072号公報(例えば、段落0015-0059,図5
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし特許文献1では、忘れ物と人物10とを表示するのみなので、人物10自身が忘れ物をしたことに気づき、忘れ物を管理する管理室等に取りに来るまでは、忘れ物を人物10に返却できないという問題点があった。
【0005】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、忘れ物をした旨を持ち主に通知することで、忘れ物を持ち主へ早期に返却できる忘れ物検出システム及び忘れ物検出プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために本発明の忘れ物検出システムは、監視エリアの映像を取得する監視映像取得手段と、その監視映像取得手段で取得された映像から忘れ物を検出する忘れ物検出手段と、前記忘れ物検出手段により忘れ物が検出された場合に、前記監視映像取得手段で取得された映像から前記忘れ物に基づいて前記忘れ物の持ち主であるユーザを検出する持主検出手段と、ユーザ操作によりユーザの個人IDを照合する照合装置の周辺の映像を取得する照合映像取得手段と、前記持主検出手段によりユーザが検出された場合に、前記照合映像取得手段で取得された映像から、前記照合装置で個人IDを照合したユーザのうち、前記持主検出手段で検出されたユーザと同一のユーザを特定する特定手段と、その特定手段で特定されたユーザについて、前記照合装置で照合された個人IDを特定するID特定手段と、そのID特定手段で特定された個人IDのユーザに忘れ物に関する通知を行う通知手段とを備えるものである。
【0007】
本発明の忘れ物検出プログラムは、監視エリアの映像を取得する監視映像取得ステップと、その監視映像取得ステップで取得された映像から忘れ物を検出する忘れ物検出ステップと、前記忘れ物検出ステップにより忘れ物が検出された場合に、前記監視映像取得ステップで取得された映像から前記忘れ物に基づいて前記忘れ物の持ち主であるユーザを検出する持主検出ステップと、ユーザ操作によりユーザの個人IDを照合する照合装置の周辺の映像を取得する照合映像取得ステップと、前記持主検出ステップによりユーザが検出された場合に、前記照合映像取得ステップで取得された映像から、前記照合装置で個人IDを照合したユーザのうち、前記持主検出ステップで検出されたユーザと同一のユーザを特定する特定ステップと、その特定ステップで特定されたユーザについて、前記照合装置で照合された個人IDを特定するID特定ステップと、そのID特定ステップで特定された個人IDのユーザに忘れ物に関する通知を行う通知ステップとを、コンピュータに実行させるものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の忘れ物検出システムによれば、監視エリアで取得された映像から、忘れ物検出手段によって忘れ物が検出され、忘れ物が検出された場合に、持主検出手段によって忘れ物に基づいて忘れ物の持ち主であるユーザが検出される。ユーザ操作によりユーザの個人IDを照合する照合装置の周辺の映像が取得される。持主検出手段によりユーザが検出された場合に、照合装置の周辺の映像から、照合装置で個人IDを照合したユーザのうち、持主検出手段で検出されたユーザと同一のユーザの個人IDが特定され、その特定された個人IDのユーザに忘れ物に関する通知が行われる。これにより、忘れ物を検出した時点でその忘れ物をしたユーザにその旨を通知できるので、忘れ物をユーザへ早期に返却できるという効果がある。
【0009】
請求項2記載の忘れ物検出システムによれば、請求項1記載の忘れ物検出システムの奏する効果に加え、次の効果を奏する。忘れ物検出手段は、監視映像取得手段で取得された映像を遡って忘れ物を検出する。これにより、過去における監視エリアでの忘れ物を適切に検出し、忘れ物の持ち主にその旨を通知できるという効果がある。
【0010】
請求項3記載の忘れ物検出システムによれば、請求項1又は2記載の忘れ物検出システムの奏する効果に加え、次の効果を奏する。ID特定手段で特定された個人IDのユーザに、忘れ物に関するメッセージを電子的に送信することで忘れ物に関する通知が行われる。ユーザに送信された忘れ物に関するメッセージによって、ユーザに忘れ物をしたことを好適に認識させることができる。これにより、忘れ物をユーザへ早期に返却できるという効果がある。なお、メッセージを電子的に送信する手段としては、電子メール、ショート・メッセージ・サービス(SMS)、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)等を例示できる。
【0011】
請求項4記載の忘れ物検出システムによれば、請求項1から3のいずれかに記載の忘れ物検出システムの奏する効果に加え、次の効果を奏する。照合装置は出力手段を有し、通知手段は照合装置に対して、ID特定手段で特定された個人IDが照合された場合に、出力手段に忘れ物に関する旨の出力を行うことで、忘れ物に関する通知が行われる。これにより、忘れ物をしたユーザが照合装置で照合した際に、その照合と同時に忘れ物に関する旨が出力されるので、ユーザに忘れ物をした旨を確実に認識させ、早期に忘れ物を返却できるという効果がある。
【0012】
請求項5記載の忘れ物検出システムによれば、請求項1から4のいずれかに記載の忘れ物検出システムの奏する効果に加え、次の効果を奏する。特定手段は、照合映像取得手段で取得した映像から、改札機でIC乗車券を利用したユーザのうち、持主検出手段で検出されたユーザと同一のユーザを特定する。これにより、鉄道車両内の忘れ物の持ち主が、鉄道車両を利用する際に通過する改札機の周辺の映像により特定されるので、鉄道車両内で忘れ物が検出された場合でも、その旨を持ち主に通知できるという効果がある。
【0013】
また、ユーザは鉄道車両の乗車前または乗車後に、改札機でIC乗車券を利用するので、照合映像取得手段で取得された映像には、忘れ物をする直前または忘れ物をした直後のユーザが撮影される。即ち持主検出手段で検出された忘れ物の持ち主との差異の小さなユーザが、照合映像取得手段で取得された映像に含まれる。このような照合映像取得手段で取得された映像を用いて、特定手段でユーザを特定することで、忘れ物を通知するユーザを精度良く特定できるという効果がある。
【0014】
請求項6記載の忘れ物検出プログラムによれば、請求項1記載の忘れ物検出システムと同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】忘れ物検出装置を表す模式図である。
図2】(a)は、鉄道車両の監視カメラから取得された映像において忘れ物を検出する場合を表す図であり、(b)は、鉄道車両の監視カメラから取得された映像において忘れ物及びその持ち主であるユーザを検出する場合を表す図であり、(c)は、改札機の監視カメラで取得された映像からユーザが入出場した改札機を特定する場合を表す図である。
図3】忘れ物検出装置の電気的構成を示すブロック図である。
図4】(a)は、車内映像データを模式的に示す図であり、(b)は、改札映像データを模式的に示す図であり、(c)は、入出場データを模式的に示す図であり、(d)は、個人情報データを模式的に示す図である。
図5】メイン処理のフローチャートである。
図6】(a)は、個人情報登録処理のフローチャートであり、(b)は、改札データ処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、忘れ物検出装置1を表す模式図である。忘れ物検出装置1は、監視エリアである鉄道車両T内の忘れ物Lを検出し、その忘れ物Lの持ち主であるユーザHを特定し、ユーザHに忘れ物をした旨のメッセージを含む電子メールを送信する装置(忘れ物検出システム)である。忘れ物検出装置1には、オペレータ(図示せず)からの指示が入力される入力装置2と、忘れ物Lの画像等が表示される表示装置3とが設けられる。
【0017】
忘れ物Lを検出する鉄道車両Tの客室における天井には、監視カメラCtが設けられる。監視カメラCtは、車両(号車)毎に設けられ、鉄道車両T内の映像Pt(図2(a),(b)参照)を取得する装置である。監視カメラCtで取得された映像Ptは、ネットワークN(図3参照)経由で忘れ物検出装置1に送信され、その映像Ptに基づいて忘れ物Lが検出される。
【0018】
鉄道車両Tへの乗降が行われる各駅Stには、入出場するための照合装置である改札機G1,G2,・・・(以下まとめて「改札機G」と略す)が設けられる。改札機GにユーザHからICカード式の乗車券(以下「IC乗車券」と略す)がタッチされた場合に、そのIC乗車券による入出場情報がネットワークN経由で忘れ物検出装置1に送信される。入出場情報には、IC乗車券に予め割り当てられている識別番号である個人IDが含まれる。
【0019】
駅Stには、更に改札機G及び改札機Gを入出場する人物の映像Pg(図2(c)参照)を取得する監視カメラCgが設けられる。映像Pgは、駅St毎および改札機G毎に区別して撮影される。映像PgもネットワークN経由で忘れ物検出装置1に送信される。
【0020】
忘れ物検出装置1においては、鉄道車両Tの監視カメラCtから取得された映像Ptから、忘れ物Lとその持ち主であるユーザHを検出し、監視カメラCgから取得された映像PgからユーザHが入出場した改札機Gが特定される。特定された改札機GをユーザHが入出場した際の入出場情報からそのユーザHの個人IDが取得され、その個人IDに対応付けられているメールアドレスに忘れ物をした旨の電子メールが送信される。ユーザHは自身の携帯端末20で受信した電子メールを確認する。これにより、忘れ物Lを検出した時点で、その忘れ物Lの持ち主であるユーザHの携帯端末20にその旨が通知されるので、ユーザHへ忘れ物Lを早期に返却できる。
【0021】
次に図2を参照して、鉄道車両Tの監視カメラCtから取得された映像Ptからの忘れ物L及び持ち主であるユーザHの検出と、検出された持ち主であるユーザHが入出場した改札機Gを監視カメラCgで取得された映像Pgから特定する方式を説明する。図2(a)は、鉄道車両Tの監視カメラCtから取得された映像Ptにおいて忘れ物Lを検出する場合を表す図であり、図2(b)は、鉄道車両Tの監視カメラCtから取得された映像Ptにおいて忘れ物L及びその持ち主であるユーザHを検出する場合を表す図であり、図2(c)は、改札機Gの監視カメラCgで取得された映像PgからユーザHが入出場した改札機Gを特定する場合を表す図である。
【0022】
まず、鉄道車両Tの監視カメラCtから取得された映像Ptから、忘れ物Lを特定する(図2(a))。本実施形態では、映像Ptから忘れ物Lを特定する方式は、映像Ptにおいて、ユーザHを伴わない物体が一定時間(例えば5分間)、同一の位置に留まっている場合に、その物体が忘れ物Lであると特定される。
【0023】
映像Ptから忘れ物Lが特定された場合は、忘れ物Lが特定された時点から映像Ptを遡り、忘れ物Lの持ち主のユーザHを特定する(図2(b))。具体的には、映像Ptを遡ることで、忘れ物Lに伴うユーザHを検出した場合は、そのユーザHが忘れ物Lの持ち主であると特定される。そして、特定されたユーザHの顔付近の画像である持主画像Phtが取得される。
【0024】
次に、改札機Gの監視カメラCgで取得された映像Pgから、ユーザHが入出場した改札機Gが特定される。具体的には、図2(c)に示す通り、映像Pgから、改札機Gを通過したユーザHの顔付近の画像である顔画像Phgが取得され、その顔画像Phgと、映像Ptから取得した持主画像Phtとを照合する。その結果、顔画像PhgのユーザHと持主画像PhtのユーザHとが同一であると判定された場合は、映像Pgで顔画像Phgが取得された時点において、ユーザHが入出場した改札機Gの入出場情報から該当する個人IDが取得される。そして、取得された個人IDに該当するメールアドレスに、忘れ物を取得した旨の電子メールが送信される。
【0025】
次に図3,4を参照して、忘れ物検出装置1の電気的構成を説明する。図3は、忘れ物検出装置1の電気的構成を示すブロック図である。図3に示す通り、忘れ物検出装置1は、CPU10と、ハードディスクドライブ(以下「HDD」という)11と、RAM12とを有し、これらはバスライン13を介して入出力ポート14にそれぞれ接続されている。入出力ポート14には更に、上記した入力装置2及び表示装置3と、通信装置15とが接続される。
【0026】
CPU10は、バスライン13により接続された各部を制御する演算装置である。HDD11は、書き換え可能な不揮発性の記憶装置であり、忘れ物検出プログラム11aと、車内映像データ11bと、改札映像データ11cと、入出場データ11dと、個人情報データ11eと、忘れ物データ11fとがそれぞれ保存される。CPU10によって忘れ物検出プログラム11aが実行されると、図5のメイン処理が実行される。
【0027】
車内映像データ11bには、鉄道車両Tの監視カメラCtで取得された映像Ptが記憶され、改札映像データ11cには、駅Stの監視カメラCgで取得された映像Pgが記憶される。図4(a),(b)を参照して、車内映像データ11bと改札映像データ11cとを説明する。
【0028】
図4(a)は、車内映像データ11bを模式的に示す図であり、図4(b)は、改札映像データ11cを模式的に示す図である。図4(a)に示す通り、車内映像データ11bには、鉄道車両Tの監視カメラCtで取得された映像Ptが、取得された日付、運行情報(始発時刻および発着地)および号車毎に対応付けられて記憶される。
【0029】
また図4(b)に示す通り、改札映像データ11cには、改札機Gの監視カメラCgで取得された映像Pgが、取得された日付、時間、および改札機Gの場所(図4(b)では「場所」と表す)毎に対応付けられて記憶される。図4(b)及び後述の図4(c)においては、「場所」を「T駅・改札機G」等と表す。
【0030】
図3に戻る。入出場データ11dには、改札機Gで入出場された際の個人IDが記憶される。図4(c)を参照して、入出場データ11dを説明する。
【0031】
図4(c)は、入出場データ11dを模式的に表す図である。入出場データ11dには、改札機Gで入出場した場合の日付、時刻、改札機Gの場所および個人IDが記憶される。個人IDには、改札機GでIC乗車券を用いて入出場した際に、そのIC乗車券に割り振られている個人IDが記憶される。切符やプリペイド式の乗車券等、個人IDが取得できない手段で改札機Gの入出場がされた場合は、その旨を表す「-」が記憶される。
【0032】
図3に戻る。個人情報データ11eには、ユーザHの個人ID毎に、ユーザHのメールアドレス等の個人情報が記憶される。図4(d)を参照して、個人情報データ11eを説明する。
【0033】
図4(d)は、個人情報データ11eを模式的に表す図である。個人情報データ11eには、ユーザHの個人ID毎に、その氏名およびメールアドレスが記憶される。なお、個人情報データ11eには、これに加え、任意でユーザHの電話番号や定期券の区間等の他の個人情報を記憶しても良い。
【0034】
図3に戻る。忘れ物データ11fには、忘れ物Lに関する情報が記憶される。具体的に忘れ物データ11fには、検出された忘れ物Lの画像と、その忘れ物Lが検出された日付、時刻および場所とが対応付けられて記憶され、更にこれらに加え、その忘れ物Lの持ち主であるユーザHが特定された場合には、そのユーザHの持主画像Pht、個人ID、メールアドレス及び氏名も対応付けられて記憶される。
【0035】
RAM12は、CPU10が忘れ物検出プログラム11aの実行時に各種のワークデータやフラグ等を書き換え可能に記憶するためのメモリであり、図2で上記した忘れ物Lの画像が記憶される忘れ物画像メモリ12aと、図2で上記した持主画像Phtが記憶される持主画像メモリ12bとが設けられる。
【0036】
通信装置15は、外部の機器と情報を送受信するための装置である。通信装置15はネットワークNに接続され、そのネットワークNには、鉄道車両T、駅St及びインターネットWに接続される。これにより、鉄道車両Tの監視カメラCtで取得された映像Ptや、駅Stの監視カメラCgで取得された映像Pgや改札機Gで取得された個人IDが、ネットワークN及び通信装置15を介して、忘れ物検出装置1に送信される。一方で、忘れ物検出装置1からユーザHに送信した電子メールが通信装置15、ネットワークN及びインターネットWを介してユーザHの携帯端末20(図1参照)に送信される。
【0037】
次に図5,6を参照して、忘れ物検出装置1のCPU10で実行されるメイン処理を説明する。図5は、メイン処理のフローチャートである。メイン処理は、忘れ物検出装置1の電源投入後に実行される処理である。メイン処理はまず、個人情報登録処理(S1)を行う。ここで図6(a)を参照して、個人情報登録処理を説明する。
【0038】
図6(a)は、個人情報登録処理のフローチャートである。個人情報登録処理はまず、入力装置2から個人情報の登録または更新の指示があったかを確認する(S30)。S30の処理において、個人情報の登録または更新の指示があった場合は(S30:Yes)、入力装置2から、IC乗車券に割り振られている個人IDと、ユーザHの氏名およびメールアドレスとを、個人情報データ11eに登録する(S31)。一方で、S30の処理において、個人情報の登録または更新の指示がなかった場合は(S30:No)、S31の処理をスキップする。S30,S31の処理の後、個人情報登録処理を終了する。
【0039】
図5に戻る。S1の個人情報登録処理の後、ネットワークN及び通信装置15を介して、鉄道車両Tの監視カメラCtから映像Ptを取得する(S2)。S2の処理の後、取得した映像Ptを、映像Ptを取得した日付、鉄道車両Tの運行情報および号車に対応付けて車内映像データ11bに保存する(S3)。
【0040】
S3の処理の後、改札データ処理(S4)を行う。図6(b)を参照して、改札データ処理を説明する。
【0041】
図6(b)は、改札データ処理のフローチャートである。改札データ処理はまず、ネットワークN及び通信装置15を介して、駅Stの監視カメラCgから映像Pgを取得する(S40)。S40の処理の後、取得した映像Pgを、映像Pgを取得した日付、時間および改札機Gの場所に対応付けて改札映像データ11cに保存する(S41)。
【0042】
S41の処理の後、ネットワークN及び通信装置15を介して、駅Stの改札機Gから入出場情報を取得し(S42)、取得した入出場情報の個人IDと、入出場した日付および時刻と、入出場した改札機Gの場所とを対応付けて入出場データ11dに保存する(S43)。
【0043】
具体的には、改札機GにIC乗車券がタッチされた場合、または切符が投入された場合に、それぞれに応じた入出場情報が改札機Gから取得され、入出場データ11dに保存される。この際、上記した通り、改札機GにIC乗車券がタッチされた場合は、そのIC乗車券の個人IDが取得されて入出場データ11dに記憶され、一方で、改札機Gに切符が投入される等して個人IDが取得できない場合は、入出場データ11dに「-」が記憶される。なお、改札機Gから個人IDが取得できない場合は、入出場データ11dへの入出場情報の追加自体を省略しても良い。S43の処理の後、改札データ処理を終了する。
【0044】
図5に戻る。S4の改札データ処理の後、車内映像データ11bの映像Ptから忘れ物Lを検出したかを確認する(S5)。具体的には、車内映像データ11bの映像Ptを遡ることで検出されたユーザHを伴わない物体が、一定時間、同一の位置に留まっている場合に、その物体が忘れ物Lであると検出される。
【0045】
S5の処理において、車内映像データ11bから忘れ物Lを検出した場合は(S5:Yes)、その忘れ物Lの画像を忘れ物画像メモリ12aに保存する(S6)。S6の処理の後、車内映像データ11bの映像Ptから、忘れ物画像メモリ12aの忘れ物Lの持ち主であるユーザHを特定できたかを確認する(S7)。
【0046】
具体的には、S5の処理で忘れ物Lが検出された車内映像データ11bの映像Ptを、忘れ物画像メモリ12aの画像を参照しながら遡ることで、忘れ物Lに伴うユーザHが特定される。S7の処理において、車内映像データ11bの映像Ptから忘れ物画像メモリ12aの忘れ物Lの持ち主であるユーザHを特定できた場合は(S7:Yes)、そのユーザHの顔画像である持主画像Phtを、持主画像メモリ12bに保存する(S8)。
【0047】
S8の処理の後、持主画像メモリ12bの持主画像Phtと、改札映像データ11cに記憶される映像Pgとを照合することで、映像Pgから持主画像メモリ12bの持主画像PhtのユーザHと同一の人物が撮影された顔画像Phgを検索する(S9)。S9の処理による検索としては、持主画像メモリ12bに記憶される画像データをそのまま映像Pgと比較することが挙げられるが、例えば、持主画像メモリ12bに記憶される画像データからユーザHの顔の輪郭等の特徴量を抽出し、その特徴量に基づいて映像Pgから同一人物の顔画像を検索しても良い。或いは、周知の顔認証技術を用いても良い。
【0048】
S9の処理の後、S9の処理において同一人物の顔画像Phgが検索されたかを確認する(S10)。S10の処理において、同一人物の顔画像Phgが検索された場合は(S10:Yes)、入出場データ11dに、ユーザHが改札機Gを通過したデータが存在するかを確認する(S11)。具体的には、検索された映像Pgにおいて、その顔画像Phgが撮影された日付および時刻と、改札機Gの場所とを改札映像データ11cから取得し、取得された日付および時刻と改札機Gの場所とを、入出場データ11dで参照し、一致するものがあるかを確認する。
【0049】
S11の処理において、入出場データ11dに、一致した顔画像PhgのユーザHが改札機Gを通過したデータが存在する場合は(S11:Yes)、入出場データ11dからその個人IDを取得する(S12)。これによって、忘れ物Lの持ち主であるユーザHの個人IDが特定される。
【0050】
S12の処理の後、個人情報データ11eからS12の処理で取得した個人IDに該当するメールアドレスを取得し、そのアドレスに忘れ物Lを検出した旨の電子メールを送信する(S13)。この際、送信する電子メールにS6の処理で取得された忘れ物Lの画像や、S7又はS8の処理で特定された持主画像Phtを添付しても良いし、S7又はS8の処理で、持ち主であるユーザHが特定された日時を車内映像データ11bから取得して、電子メールの文面に加えても良い。
【0051】
以上より、鉄道車両Tの監視カメラCtで取得された映像Ptから忘れ物Lが特定され、その忘れ物Lの持ち主であるユーザHが特定される。そして、駅Stの監視カメラCgで取得された映像PgからユーザHを検索し、ユーザHが検索された場合は、映像PgにそのユーザHが撮影された時点で、改札機Gで取得された個人IDが取得される。そして、その個人IDに該当するメールアドレスに忘れ物をした旨の電子メールが送信される。これにより、鉄道車両T内の忘れ物Lを検出した時点でその旨が持ち主であるユーザHに通知されるので、忘れ物Lを持ち主へ早期に返却できる。
【0052】
また、ユーザHは、鉄道車両Tの乗車前または乗車後に改札機GにIC乗車券をタッチするので、駅Stの監視カメラCgで取得される映像Pgには、忘れ物をする直前または忘れ物をした直後のユーザHが撮影される。従って、かかる映像Pgと、忘れ物Lの持ち主であるユーザHを検出する映像Ptとの撮影時間の差を小さくできる。即ち持主画像メモリ12bの持主画像Phtとの服装や顔色等の差異の小さなユーザHを、映像Pgに含めることができる。このような映像Pgを用いて、S8の処理で持主画像メモリ12bの持主画像Phtと同一人物の顔画像Phgを検索することで、忘れ物を検出した旨を通知するユーザHを精度良く検索できる。
【0053】
S7の処理において、車内映像データ11bの映像Ptから忘れ物画像メモリ12aの忘れ物Lの持ち主であるユーザHを特定できなかった場合(S7:No)、S10の処理において同一人物の顔画像Phgが検索されなかった場合(S10:No)、S11の処理において入出場データ11dに一致した顔画像PhgのユーザHが改札機Gを通過したデータが存在しない場合(S11:No)、またはS13の処理の後、忘れ物を検出した旨を作業員に通知する(S14)。忘れ物検出装置1から通知を受けた作業員は、忘れ物を検出した鉄道車両Tから忘れ物を回収し、保管場所へ保存する。
【0054】
S14の処理の後、忘れ物Lに関する情報を忘れ物データ11fへ追加する(S15)。具体的には、忘れ物データ11fに、忘れ物画像メモリ12aの忘れ物Lの画像と、その忘れ物Lが検出された日付、時刻および場所とを対応付けて記憶し、S7の処理でその忘れ物Lの持ち主であるユーザHが特定された場合は(S7:Yes)、これらに加え、持主画像メモリ12bの持主画像Phtも忘れ物データ11fに記憶する。更にS11の処理で入出場データ11dに、一致した顔画像PhgのユーザHが改札機Gを通過したデータが存在した場合は(S11:Yes)、これらに加え、S12,13の処理で取得したそのユーザHの個人ID及びメールアドレスと、個人情報データ11eから取得したそのユーザHの個人IDに該当する氏名とを、忘れ物データ11fに対応付けて記憶する。
【0055】
忘れ物データ11fに記憶された忘れ物Lに関する情報を、表示装置3に表示する等して出力することで、作業員は今回および過去に検出された忘れ物Lに関する情報を容易に参照することができる。なお、S15の処理は、忘れ物データ11fに持主画像Phtを記憶するものに限られず、例えば、忘れ物データ11fにユーザHの顔画像Phgを記憶しても良いし、持主画像Phtと顔画像Phgとを両方記憶しても良い。
【0056】
S5の処理において車内映像データ11bから忘れ物Lを検出されない場合(S5:No)、またはS15の処理の後、S1以下の処理を繰り返す。
【0057】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
【0058】
上記実施形態では、個人情報データ11e(図4(d)参照)の個人ID毎にメールアドレスを記憶し、図5のS12の処理で、特定された個人IDのメールアドレスに電子メールを送信した。しかし、特定された個人IDへの通知手段は、電子メールに限られず、例えば、ショート・メッセージ・サービス(SMS)やソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)でも良いし、ファクシミリや電話でも良いし、他の手段を用いても良い。その場合は、個人情報データ11eには、メールアドレスの代わりに、SMSのアドレスやSNSのアカウント、電話番号等の通知手段に応じた連絡先を記憶すれば良い。
【0059】
また、図6(b)のS42,S43の処理において、改札機Gで取得された入出場情報の個人IDが、過去の図5のS11の処理によって忘れ物Lの持ち主であるユーザHと特定されている場合は、改札機Gにその個人IDが取得された時点で、改札機Gの表示装置に忘れ物Lに関するメッセージを表示しても良い。これにより、忘れ物Lの持ち主に、改札機Gで忘れ物Lに関する旨を通知できるので、持ち主に忘れ物Lをした旨を確実に認識させ、早期に忘れ物Lを返却できる。
【0060】
上記実施形態では、図5のS7の処理によって特定された忘れ物Lの持ち主に対して、S12の処理で該当する個人IDのメールアドレスに、忘れ物Lを検出した旨の電子メールを送信した。しかし、これに限られず、例えば、S7の処理で持ち主が複数特定された場合、忘れ物Lと特定された持ち主との距離が最も近い持ち主のみに、忘れ物Lを検出した旨の電子メールを送信しても良いし、特定された持ち主全員に電子メールを送信しても良いし、いずれの持ち主にも電子メールを送信しなくても良い。
【0061】
また、S8の処理において、映像Pgから持主画像メモリ12bの持主画像Phtと同一人物が複数検出された場合も、持主画像Phtに最も近似するユーザHに電子メールを送信しても良いし、検出されたユーザH全員に電子メールを送信しても良いし、いずれの持ち主にも電子メールを送信しなくても良い。
【0062】
上記実施形態では、図5のS5の処理において、車内映像データ11bからの忘れ物Lを演算により検出した。これに限られず、作業員が車内映像データ11bの映像Ptを遡って確認することで、忘れ物Lを検出しても良い。その際、作業員によって検出された忘れ物Lの画像を、忘れ物画像メモリ12aに記憶すれば良い。この場合、作業員によって検出された忘れ物Lの画像を取得して忘れ物画像メモリ12aに記憶することが、特許請求の範囲における「忘れ物検出手段」及び「忘れ物検出ステップ」に該当する。
【0063】
また、S7の処理においても演算により持ち主を特定したが、これに限られず、作業員が車内映像データ11bの映像Ptを遡って確認することで、忘れ物Lの持ち主を特定しても良い。この場合も、作業員によって特定された持ち主の顔画像を持主画像メモリ12bに記憶すれば良い。この場合、作業員によって特定された持ち主の顔画像を取得して持主画像メモリ12bに記憶することが、特許請求の範囲における「持主検出手段」及び「持主検出ステップ」に該当する。
【0064】
上記実施形態では、図6(a)の個人情報登録処理によって、個人情報データ11eに個人ID毎のメールアドレスを登録した。しかしこれに限られず、IC乗車券に個人IDと共にメールアドレスが記憶されている場合は、IC乗車券を改札機Gにタッチした場合にIC乗車券から個人IDとメールアドレスとを取得し、取得したメールアドレスを個人情報データ11eに記憶しても良い。
【0065】
上記実施形態では、改札機GにIC乗車券をタッチすることで、改札機GでIC乗車券の個人IDを取得した。改札機GでIC乗車券の個人IDを取得する手法は、これに限られず、例えば、ユーザHがIC乗車券を持って改札機Gを通過するだけで、IC乗車券から個人IDを取得しても良いし、ユーザHを表すIC乗車券以外のものをタッチしたり、ユーザHを表す券面等を改札機Gに投入することで、そのユーザHに該当する個人IDを取得しても良い。また、改札機Gを通過するユーザHの画像に基づいて、そのユーザHに該当する個人IDを取得しても良いし、改札機Gで指紋や静脈、虹彩等のユーザHの生体情報を読み取ることで、該当するユーザHの個人情報を取得しても良い。
【0066】
上記実施形態では、鉄道車両Tに監視カメラCtを設け、駅Stの改札機G付近に監視カメラCgを設けた。しかし、監視カメラCtおよび監視カメラCgを設ける場所は、これらに限られず、例えば、監視カメラCtを路線バスの客室に設置し、監視カメラCgを路線バスの料金箱付近に設置しても良い。これにより、路線バスの客室における忘れ物Lを検出し、その持ち主であるユーザHに忘れ物Lを検出した旨の連絡をすることができる。更にこの場合、路線バスの客室と料金箱付近とを1台のカメラで撮影し、撮影された映像のうち客室の映像を映像Pt、料金箱付近の映像を映像Pgとして用いても良い。また、監視カメラCtを駅St構内や駅Stのホームに設置しても良い。
【0067】
上記実施形態では、忘れ物検出装置1によって、図5のS2,S3,S5~S7の処理による監視カメラCtからの映像Ptの取得と、忘れ物Lの検出および持ち主の特定とを実行した。しかし、S2,S3,S5~S7の処理を行うのは忘れ物検出装置1に限られず、例えば、鉄道車両Tで実行しても良い。この場合、図3の忘れ物検出プログラム11a及び車内映像データ11bと、忘れ物画像メモリ12a及び持主画像メモリ12bとをそれぞれ鉄道車両Tに設け、鉄道車両TでS2,S3,S5~S7の処理を実行することで取得された忘れ物Lの画像と持ち主の画像とを合わせて忘れ物検出装置1に送信し、忘れ物検出装置1において鉄道車両Tから受信した忘れ物Lの画像と持ち主の画像とを用いて、図5のS8以降の処理を実行すれば良い。
【0068】
上記実施形態では、忘れ物検出プログラム11aが組み込まれた忘れ物検出装置1を例示したが、これに限られず、パーソナルコンピュータやスマートフォン、タブレット端末等の情報処理装置(コンピュータ)で忘れ物検出プログラム11aを実行する構成としても良い。また、忘れ物検出装置1又は忘れ物検出プログラム11aが組み込まれた情報処理装置に表示装置3を複数設け、これら忘れ物検出装置1又は情報処理装置を、各駅Stや、鉄道車両T内や駅St内の忘れ物Lや落とし物の管理を行う所謂「落とし物センター」に設置しても良い。これにより、各駅Stや落とし物センターにおいても、忘れ物データ11fの忘れ物Lに関する情報を参照することができる。
【符号の説明】
【0069】
1 忘れ物検出装置(忘れ物検出システム)
11a 忘れ物検出プログラム
T 鉄道車両(監視エリア)
G 改札機(照合装置)
L 忘れ物
H ユーザ
Pt,Pg 映像
S2 監視映像取得手段、監視映像取得ステップ
S5,S6 忘れ物検出手段、忘れ物検出ステップ
S7 持主検出手段、持主検出ステップ
S40 照合映像取得手段、照合映像取得ステップ
S9~S11 特定手段、特定ステップ
S12 ID特定手段、ID特定ステップ
S13 通知手段、通知ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6