(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】灯具及び照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 8/04 20060101AFI20240927BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20240927BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20240927BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240927BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21V23/00 160
F21V23/00 150
F21V19/00 413
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2020144218
(22)【出願日】2020-08-28
【審査請求日】2023-04-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】小津 祥平
(72)【発明者】
【氏名】長尾 拓
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 康弘
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-029123(JP,A)
【文献】特開2016-207366(JP,A)
【文献】特開2019-160760(JP,A)
【文献】実開昭60-105019(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/04
F21V 23/00
F21V 19/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を発する発光部を有する光源部と、
前記発光部に電力を供給して前記発光部を点灯させる電源部と、
第1面と、前記第1面の反対側の面である第2面とを有し、前記第1面の側に前記光源部が配置され、前記第2面の側に前記電源部が配置される基台と、
前記基台の前記第1面と前記第2面とを貫く貫通孔を経由して配置され、一端部が前記光源部と電気的に接続され、他端部が前記電源部と電気的に接続される電線と、
前記基台に取り付けられ、前記電線を保持して前記電線を前記貫通孔の周縁から離間させる電線保持部と、前記第2面において前記電源部の一部を保持する電源保持部とを有する保持具と
を備え
、
前記貫通孔は、前記保持具と対応した形状を有する
灯具。
【請求項2】
前記電源部は、
電源装置と、
電源ケースと電源カバーとからなり、前記電源装置を収容する電源筺体と
を有し、
前記電源部の前記一部は、前記電源ケースの一端から突出するように設けられた差込片であり、
前記保持具の前記電源保持部は、前記差込片が挿入される差込片挿入孔である、
請求項1に記載の灯具。
【請求項3】
前記電源部は、
前記電源部の前記一部を除く他の部分が前記基台に固定されることによって、前記電源部の前記一部の前記保持具に対する保持状態が維持される、
請求項1又は請求項2に記載の灯具。
【請求項4】
前記保持具は、
前記電源部が前記基台に取り付けられた状態で前記基台に固定される、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の灯具。
【請求項5】
前記保持具は、
第1保持具と第2保持具との2つの部分から構成され、前記第1保持具と前記第2保持具とが一体化した状態で前記基台に固定される、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の灯具。
【請求項6】
前記電源部は、
前記保持具の前記第1保持具と前記第2保持具とが一体化した状態で前記保持具に保持される、
請求項5に記載の灯具。
【請求項7】
前記電線は、
前記保持具の前記第1保持具と前記第2保持具とが一体化した状態で前記保持具に保持される、
請求項5に記載の灯具。
【請求項8】
前記電線は、
前記保持具に保持された状態で、前記基台に取り付けられる、
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の灯具。
【請求項9】
前記保持具は、
電気絶縁性を有する材料を用いて構成されている、
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の灯具。
【請求項10】
光を発する発光部を有する光源部と、
前記発光部に電力を供給して前記発光部を点灯させる電源部と、
第1面と、前記第1面の反対側の面である第2面とを有し、前記第1面の側に前記光源部が配置され、前記第2面の側に前記電源部が配置される基台と、
前記基台の前記第1面と前記第2面とを貫く貫通孔を経由して配置され、一端部が前記光源部と電気的に接続され、他端部が前記電源部と電気的に接続される電線と、
前記基台に取り付けられ、前記電線を保持して前記電線を前記貫通孔の周縁から離間させる電線保持部と、前記第2面において前記電源部の一部を保持する電源保持部とを有する保持具と
を備え、
前記保持具は、
第1保持具と第2保持具との2つの部分から構成され、前記第1保持具と前記第2保持具とが一体化した状態で前記基台に固定され、
前記電源部は、
前記保持具の前記第1保持具と前記第2保持具とが一体化した状態で前記保持具に保持される
灯具。
【請求項11】
請求項1から請求項
10のいずれか1項に記載の灯具と、
被取付部に取り付けられ、前記灯具が装着される器具と
を備えた、照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電源部を備えた灯具、及び、灯具を備えた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板の一面側に実装されたLED(Light Emitting Diode)を有する光源ユニットと、当該基板の他面側に位置し、LEDの点灯を制御する点灯装置とを備えた照明器具が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示された照明器具においては、基板の一面側と基板の他面側とを連通する貫通孔に端子台が実装されている。端子台は、基板の一面側ではんだ付けによりLEDの配線パターンと接続される第一接続部と、基板の他面側でリード線と接続される第二接続部とを有する。リード線は、端子台の第二接続部と点灯装置とを接続する給電線である。点灯装置は、外部の交流電源から電力が供給され、リード線及び端子台を介して、LEDの点灯及び消灯を制御する電源部として機能する。点灯装置は、取付板の光源ユニットが固定された面と反対側の他面側に固定されている。また、特許文献1に開示された照明器具は、端子台カバーを有している。端子台カバーは、端子台の第二接続部を覆うように被せられ、取付板の他面側に固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された照明器具においては、点灯装置と端子台とが離れて配置されているため、点灯装置と端子台とを接続するリード線の線長が長い。そのため、灯具の組み立て時又は照明器具の施工時に、リード線が何かに引っ掛かってしまい、リード線が強く引っ張られると、リード線の接続部分に応力が加わる。その結果、リード線、或いは、当該接続部分に接続された端子台又は点灯装置等の各部品が損傷してしまう場合があった。或いは、リード線が、端子台又は点灯装置から外れて断線してしまう場合があった。
【0006】
また、特許文献1に記載された照明器具においては、点灯装置、端子台、及び、端子台カバーが、それぞれ、独立した別々の部品を用いて、取付板に対して別々に取り付けられている。つまり、特許文献1に記載された照明器具においては、点灯装置、端子台及び端子台カバーが、多くの部品を用いた複雑な組み立てを要する構成となっている。そのため、材料コスト、組み立てコスト、及び、組み立て作業量が多い。また、組み立て作業量が多い分、製品の品質にバラツキが生じやすい。従って、特許文献1に記載された照明器具は、材料コスト、組み立てコスト、組み立て作業量、及び、品質管理の観点からは、更なる改良が望まれる。なお、以下では、材料コスト、組み立てコスト、組み立て作業量、及び、品質管理をまとめて、組立性と呼ぶこととする。
【0007】
本開示は、かかる課題を解決するためになされたものであり、簡易な構成で電源部及び給電線を基台へ取り付けることを可能にすることで、組立性の向上を図る、灯具及び照明装置を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る灯具は、光を発する発光部を有する光源部と、前記発光部に電力を供給して前記発光部を点灯させる電源部と、第1面と、前記第1面の反対側の面である第2面とを有し、前記第1面の側に前記光源部が配置され、前記第2面の側に前記電源部が配置される基台と、前記基台の前記第1面と前記第2面とを貫く貫通孔を経由して配置され、一端部が前記光源部と電気的に接続され、他端部が前記電源部と電気的に接続される電線と、前記基台に取り付けられ、前記電線を保持して前記電線を前記貫通孔の周縁から離間させる電線保持部と、前記第2面において前記電源部の一部を保持する電源保持部とを有する保持具とを備え、前記貫通孔は、前記保持具と対応した形状を有するものである。
また、本開示に係る灯具は、光を発する発光部を有する光源部と、前記発光部に電力を供給して前記発光部を点灯させる電源部と、第1面と、前記第1面の反対側の面である第2面とを有し、前記第1面の側に前記光源部が配置され、前記第2面の側に前記電源部が配置される基台と、前記基台の前記第1面と前記第2面とを貫く貫通孔を経由して配置され、一端部が前記光源部と電気的に接続され、他端部が前記電源部と電気的に接続される電線と、前記基台に取り付けられ、前記電線を保持して前記電線を前記貫通孔の周縁から離間させる電線保持部と、前記第2面において前記電源部の一部を保持する電源保持部とを有する保持具とを備え、前記保持具は、第1保持具と第2保持具との2つの部分から構成され、前記第1保持具と前記第2保持具とが一体化した状態で前記基台に固定され、前記電源部は、前記保持具の前記第1保持具と前記第2保持具とが一体化した状態で前記保持具に保持されるものである。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る灯具及び照明装置によれば、電源部及び給電線の少なくとも一部が、共通の保持具を用いて基台に保持されるので、簡易な構成で電源部及び給電線を基台へ取り付けることができる。また、それにより、灯具及び照明装置の構成は簡素なものとなり、灯具及び照明装置の組立性が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態1に係る照明装置1の一構成例を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示した照明装置1の分解斜視図である。
【
図3】
図2に示した灯具3を被取付部9の側から見たときの斜視図である。
【
図5】実施の形態1に係る保持具50を説明するための灯具3の部分斜視図である。
【
図6】保持具50の第1保持具54の外観を示す斜視図である。
【
図7】保持具50の第1保持具54の内部構造を示す斜視図である。
【
図8】保持具50の第2保持具55の外観を示す斜視図である。
【
図9】保持具50の第2保持具55の内部構造を示す斜視図である。
【
図10】給電線38が保持された後で保持具50が基台34に取り付けられる前の状態を示す斜視図である。
【
図11】保持具50が基台34に取り付けられた後の状態を示す斜視図である。
【
図12】基板32が基台34に配置される前の状態を示す斜視図である。
【
図13】基板32が基台34に配置された状態を示す斜視図である。
【
図14】給電線38が保持される前の状態を示す保持具50の平面図である。
【
図17】給電線38が保持された後の状態を示す保持具50の平面図である。
【
図20】電源部40が基台34に固定される前の状態を示す斜視図である。
【
図21】電源部40が基台34に固定された状態を示す斜視図である。
【
図22】電源部40が基台34に固定される前の状態を示す斜視図である。
【
図23】電源部40が基台34に固定された状態を示す斜視図である。
【
図24】実施の形態2に係る保持具50aを説明するための灯具3の部分斜視図である。
【
図25】実施の形態2に係る保持具50aの第1保持具51の構成を示す部分拡大斜視図である。
【
図26】第1保持具51と第2保持具52との係合状態を電源部40と反対の側となる第2保持部524の側から視た背面図である。
【
図27】第1保持具51と第2保持具52との係合状態を示す係止部分付近の長手方向Xに沿った断面図である。
【
図28】第2保持具52の内部構造を示す斜視図である。
【
図29】第2保持具52の外観を示す斜視図である。
【
図30】実施の形態2に係る給電線38を示す部分斜視図である。
【
図31】給電線38が保持具50によって保持されている状態を示す斜視図である。
【
図32】給電線38が電源部40に接続された状態を示す斜視図である。
【
図33】灯具において第1保持具51と基台34との長手方向Xに沿った断面図である。
【
図34】
図33の第1保持具51に給電線38を配置した断面図である。
【
図35】
図34の給電線を電源部40の側に折り曲げた断面図である。
【
図36】第1保持具51に第2保持具52を取り付けた断面図である。
【
図37】実施の形態2に係る灯具3に設けられた保持具50aの電源保持部516の構成を示す斜視図である。
【
図38】実施の形態2に係る灯具3に設けられた保持具50aの電源保持部516の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態に係る灯具3及び照明装置1等について図面等を参照しながら説明する。なお、明細書に示す構成要素の形態は、あくまで例示であってこれらの記載に限定されるものではない。また、
図1を含む以下の図面では、各構成部材の相対的な寸法の関係及び形状等が実際のものとは異なる場合がある。また、断面図では、視認性に鑑みて、一部の図において、ハッチングを省略している。また、以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一、又はこれに相当するものであり、このことは明細書の全文において共通することとする。ここで、以下の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語或いは向きを適宜用いるが、それらの表記は、説明の便宜上用いる記載であり、装置、器具、或いは部品等の配置、方向及び向きを限定するものではない。方向或いは向きを表す用語は、例えば、上、下、右、左、前、後、表、又は裏等がある。
【0012】
実施の形態1.
[照明装置1]
図1は、実施の形態1に係る照明装置1の一構成例を示す斜視図である。
図2は、
図1に示した照明装置1の分解斜視図である。照明装置1は、照明空間を照明できる位置に設置され、照明空間を照らす装置である。照明空間とは、照明装置1が設置される空間であり、例えば居住空間、倉庫等の内部空間、ビル或いは公共施設等の内部空間、エレベータ或いは廊下等の共有空間、又は、電車或いは船舶等の乗り物内の空間等を意味している。
【0013】
照明装置1は、
図1及び
図2に示すように、器具2と、器具2に対して着脱自在に取り付けられる灯具3とを備えている。照明装置1は、灯具3を照明空間に向けた状態で、被取付部9に取り付けられる。被取付部9は、器具2が取り付けられる取付箇所であり、例えば、天井或いは壁等である。照明装置1は、灯具3を点灯させることによって灯具3から光を照射させ、照明空間を照らす。
【0014】
照明装置1は、器具端部21が逆富士山型をなしていることから、所謂逆富士タイプと称される照明装置である。照明装置1、器具2及び灯具3はいずれも長尺状に形成されている。なお、以下の説明において、照明装置1の長手側に沿った方向を、第1方向となる長手方向Xとする。また、長手方向Xに直交し、照明装置1の短手側に沿った方向を、第2方向となる短手方向Yとする。そして、長手方向X及び短手方向Yのいずれとも直交する方向を、第3方向となる上下方向Zとする。
【0015】
実施の形態1における上下方向Zは、例えば鉛直方向である。上下方向Zにおいて、照明装置1が取り付けられる被取付部9の側、すなわち天井、又は壁側へ向かう向きを、上向きZ1と呼ぶこととする。そして、上向きZ1と反対側への向きであり、照明装置1から光が照射される照射空間の側への向きを、下向きZ2と呼ぶこととする。ここで、上向きZ1は、灯具3が器具2に取り付けられる向きである。また、下向きZ2は、灯具3が器具2から取り外される向きである。
【0016】
[器具2]
器具2は、被取付部9に直接取り付けられる、所謂直付け型の照明器具である。器具2は、例えば、被取付部9に設けられた吊ボルト等の取付具(図示は省略)に取り付けられる。また、器具2は、灯具3が取り付けられる被取付部材である。そのため、器具2は、灯具装着具とも称する。器具2は、器具2に取り付けられた灯具3を保持し、灯具3に電力を供給する。
【0017】
器具2は、後述する灯具装着部22(
図2参照)の短手方向Yにおける両側にV字状になるように設けられた2つの傾斜面部202を有することから、所謂V字タイプと称される照明器具である。器具2は、これに限らず、傾斜面部202が設けられないトラフタイプ、笠付タイプ等の直付型照明器具の他、埋込型照明器具であってもよい。
【0018】
器具2は、金属製の板材(板金)を用いて、折り曲げ、ロールフォーミング、又は、プレスといった加工を施すことによって、予め設計された形状に形成される。或いは、器具2は、金属材料を用いた押出成形、又は3Dプリンティングのような三次元造形等の製造方法で形成されてもよい。
【0019】
器具2は、長尺状の長手方向Xに延びる器具本体部20と、器具本体部20の長手方向Xにおける両端部に取り付けられた器具端部21とを有する。器具端部21は、
図1及び
図2に示すように、台形形状を有している。器具端部21は、台形形状の長い方の辺が被取付部9の側に、台形形状の短い方の辺が照明空間の側に配置されている。
【0020】
(器具本体部20)
器具本体部20は、
図2に示すように、天面部200と、1対の側面部201と、1対の傾斜面部202とを有している。天面部200は、長手方向Xに沿って長尺かつ平板状に形成されている。天面部200は、器具本体部20の底面部とも称する。天面部200には、ネジ孔(図示は省略)及び電線挿通孔(図示は省略)が形成されている。天面部200は、天井等の被取付部9に対して略平行になるように配置される。
【0021】
1対の側面部201は、天面部200の短手方向Yの両端にそれぞれ配置されている。また、1対の傾斜面部202は、1対の側面部201の外側になるように、天面部200の短手方向Yの両端にそれぞれ配置されている。このように、器具本体部20において、1対の側面部201は内側に配置され、1対の傾斜面部202は外側に配置されている。1対の側面部201と、1対の傾斜面部202とは、器具本体部20の器具側部を構成している。
【0022】
側面部201の短手方向Yにおける両端のうち、一端は天面部200の側に配置され、他端は、天面部200と反対側の照明空間の側に配置される。側面部201の短手方向Yにおける一端は、天面部200の短手方向Yにおける一端に連結され、側面部201の短手方向Yにおける他端は、傾斜面部202の短手方向Yにおける一端に連結されている。側面部201は、天面部200の長手方向Xに沿って、天面部200の側縁部の全長に亘って設けられている。側面部201は、天面部200の側縁部から、被取付部9と離れる方向に向かって立ち上がっている。すなわち、側面部201は、天面部200の側縁部から、下向きZ2に突出している。
【0023】
傾斜面部202は、
図1に示すように、器具本体部20の傾斜部であり、照明装置1及び器具2の外観となる意匠部分である。傾斜面部202は、器具本体部20の長手方向Xに沿って延びている。傾斜面部202は、器具本体部20の側面を構成している。傾斜面部202の短手方向Yにおける一端は、上述したように、側面部201の短手方向Yにおける照明空間の側の一端に連結されている。傾斜面部202は、側面部201の長手方向Xに沿って、側面部201の短手方向Yの一端の全長に亘って設けられている。傾斜面部202は、後述する灯具装着部22の短手方向Yにおける両側に設けられている。
【0024】
傾斜面部202は、天井等の被取付部9に対して傾斜している。すなわち、傾斜面部202は、天面部200に対して傾斜している。傾斜面部202は、側面部201と一体で構成されていてもよい。その場合、傾斜面部202は、側面部201の下端から、斜め上方に向かって折り曲げて形成される。傾斜面部202は、被取付部9に向かうにつれて、側面部201から離れるように形成されている。傾斜面部202は、灯具3から照射される光の一部を反射させて側方に配光する機能を有していてもよい。
【0025】
器具本体部20は、
図2に示すように、内部に、灯具装着部22を有する。灯具装着部22は、灯具3の少なくとも一部分が収容される空間を形成する。灯具装着部22は、器具本体部20の天面部200及び一対の側面部201によって、凹形状に形成されている。また、灯具装着部22は、器具本体部20の天面部200、一対の側面部201及び一対の器具端部21によって、底面が開口した箱状に形成されている。
【0026】
灯具装着部22には、2つのバネ23と、端子台24と、器具側電線25とが設けられている。
【0027】
バネ23は、器具側連結具である。2つのバネ23は、器具本体部20の長手方向Xに沿って対になるように、天面部200に互いに離間して取り付けられている。バネ23は、灯具3が器具2に取り付けられる際に、灯具3に設けられた灯具側連結具であるバネ受具60と連結する。すなわち、バネ23とバネ受具60とが連結することによって、灯具3は器具2に取り付けられる。バネ23は、バネ受具60と係合することで灯具3を支持する。
【0028】
端子台24は、外部電源から供給された電力を灯具3に供給する中継装置となる。器具側電線25は、端子台24に電気的に接続されている。器具側電線25は、電力供給線及び制御信号線を含んでいる。器具2の外部から供給される電力及び制御信号は、端子台24及び器具側電線25を経由して、灯具3の電源部40に伝達される。
【0029】
(器具端部21)
1対の器具端部21は、器具本体部20の長手方向Xにおける両端に配置された板状の部材である。器具端部21の主面は、
図2に示すように、台形形状を有しており、上辺の長さが、下辺の長さより長い。器具端部21は、天面部200の長手方向Xにおける両端部及び傾斜面部202の長手方向Xにおける両端部に当接して連結されている。また、器具端部21のそれぞれには、ノックアウト部210が形成されている。
【0030】
ノックアウト部210は、器具端部21にノックアウト加工が施された部分である。ノックアウト部210は、器具端部21から簡単に取り外すことができるように形成されている。作業員は、照明装置を施工する際に、ノックアウト部210を叩いて外したり、或いは、切り取ったりすることにより、現場で簡単に器具端部21に貫通部を設けることができる。ノックアウト部210は、器具端部21から取り外されることで、例えば、隣接する複数の器具2どうしで受け渡しされる電源線(図示は省略)の挿入口として機能する。ノックアウト部210は、器具本体部20の長手方向Xにおける両端に配置されているため、作業員は、2つのノックアウト部210のうち、いずれか1つを選択して、器具端部21に貫通部を設けることもできる。この場合は、器具端部21に複数のノックアウト部210を設けておくことで、作業員が現場の施工環境に応じて、器具2に挿入される電力線の挿入口を自由に選択することができる。
【0031】
[灯具3]
図3は、
図2に示した灯具3を被取付部9の側から見たときの斜視図である。
図4は、
図3に示した灯具3の分解斜視図である。
図5は、実施の形態1に係る保持具50を説明するための灯具3の部分斜視図である。
図5においては、
図1~
図4とは、上下方向Zが逆向きになっている。すなわち、
図1~
図4の下向きZ2が、
図5では上向きの矢印で示されている。
図1~
図5を用いて灯具3について説明する。灯具3は、器具2の灯具装着部22に取り付けられた状態で、照明空間に向かって光を照射する。灯具3は、照明具、或いはライトユニット等とも称する。
【0032】
灯具3は、上述したように、器具2に取り付けられて使用される。実施の形態1の灯具3は、長尺状に形成されており、器具2に対して着脱自在に装着される。灯具3は、
図2に示すように、光源ユニット30と、透光性のある外郭部39とを有している。また、灯具3は、
図3に示すように、バネ受具60と、灯具側電線70と、電線配置具80と、保持具50とを有している。
【0033】
(光源ユニット30)
光源ユニット30は、
図2~
図5に示すように、点灯電力を生成する電源部40と、光源部31(
図2、
図4及び
図5参照)とを有する。光源ユニット30は、さらに、光源部31が配置される台座となる基台34(
図3~
図5参照)と、電源部40から光源部31に点灯電力を供給する給電線38(
図3~
図5参照)とを有する。
【0034】
(電源部40)
電源部40は、電源装置及び制御ユニットを構成している。電源部40には、器具2に配置された端子台24(
図2参照)を介して商用電源等の外部電源からの外部電力が供給される。電源部40は、当該外部電力を、光源部31の発光部33を点灯させるための点灯電力に変換して、光源部31(
図2参照)に供給する。
【0035】
実施の形態1の照明装置1では、
図4及び
図5に示すように、電源部40は、電源装置44(
図20及び
図21参照)と、この電源装置44を収容するために、電源ケース42と電源カバー43とを有している。電源ケース42及び電源カバー43は、内部に電源装置44を配置する電源筐体である。そして、電源ケース42は電源筐体の本体部であり、電源カバー43は電源筐体の蓋部である。電源ケース42は、
図4に示すように、基台34の第2面342に、ネジ等の固定具85を用いて取り付けられる。これにより、電源部40は、光源部31等と共に灯具装着部22に収容される。基台34には、
図4に示すように、ネジ挿通孔354と電源固定部356とが設けられている。電源固定部356は、上面視で円形形状を有しており、その中心部にネジ挿通孔354が形成されている。
図4に示すように、固定具85が上向きZ1の方向にネジ挿通孔354に挿入されて締結されることで、電源部40は基台34に固定される。電源部40は、長手方向Xに延びる直方体の箱形形状で、長手方向Xにおける一端に、出力端子41が設けられている。出力端子41は、後述する給電線38の芯線である導体382に電気的に接続される。電源部40は、灯具3が器具2に装着された状態で、基台34の第2面342と器具2との間に配置される。
【0036】
また、電源部40は、後述する
図20~
図22に示すように、電源ケース42に設けられた差込片420を有している。差込片420は、電源ケース42の長手方向Xの一端から、長手方向Xに向かって突出した突起部である。差込片420は、電源ケース42の長手方向Xの両端のうち、出力端子41が配置されている側の一端に配置される。電源部40は基台34に固定される際に、電源部40に設けられた差込片420が、後述する保持具50の電源保持部556(
図22参照)に差し込まれる。これにより、電源部40は、固定具85だけでなく、保持具50によっても基台34に固定されるので、基台34からの脱落がより確実に防止される。なお、電源部40と後述する保持具50との結合方法については、
図20~
図23を用いて後述する。
【0037】
(光源部31)
光源部31は、発光ユニットであり、光を発する。光源部31は、
図5に示すように、電源部から供給される点灯電力によって光を出射する発光部33と、発光部33が設けられた基板32と、点灯電力を発光部33に供給する受電部324とを有する。なお、発光部33は、
図2に示すように、基板32の一面である実装面に設けられている。
【0038】
発光部33は、電源部40から給電線38を介して供給される点灯電力を受けて光を出射する。発光部33は、面実装部品である。発光部33は、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode;LED)素子等の発光素子である。発光部33は、はんだ等の接続部材を用いて基板に実装される。実施の形態1においては、発光部33が発光素子の場合で説明するが、発光部33は発光素子に限らない。例えば、発光部33は、固体レーザ(Solid State Laser)、半導体レーザ(Semiconductor Laser)、有機EL(Electro Luminescence)、或いは、無機EL等の素子を用いてもよい。発光部33は、発光素子と他の光源とが組み合わされたものでもよい。
【0039】
基板32は、長手方向Xに沿って延びる長尺状に形成されている。基板32は板状形状を有しており、発光部33が配置された一面320と、一面320の反対側の面である他面321とを有する。一面320は、発光部33の実装面であり、照射空間の側の基板32の下面であり、照射空間の側に向く面である。
図1に示す構成例では、基板32の一面320には、複数の発光部33が列状に実装されている。ただし、発光部33の実装形態は、当該構成に限定されるものではない。他面321は、発光部33の非実装面であり、基板32の上面である。他面321は、基台34との接合面である。このように、他面321は光源ユニット30において被取付部9の側の面を構成する。
【0040】
基板32は、リジットタイプ、又はフレキシブルタイプのいずれのタイプを採用しても構わない。基板32は、例えば、ガラス-エポキシ基板(FR-4)、ガラス-コンポジット基板(CEM-3)、紙エポキシ基板(FR-3)、紙フェノール基板(XPC)、或いは、金属ベース基板等が用いられる。基板32は、他面321の側が基台34の第1面341に装着される。より詳細には、基板32は、他面321を基台34の第1面341に対向させた状態で、接着部材87を用いて基台34の第1面341に接着固定される。図示は省略するが、基板32は、基台34に対して、リベット、ネジ等の固定具を用いて固定されてもよいし、基台34の一部を切り起こすなどの加工を施して設けられた基板保持部によって固定されてもよい。
【0041】
基板32には、基板32を貫通する基板貫通孔322が形成されている。基板貫通孔322は、
図4及び
図5に示すように、給電線38の位置に合わせて形成されている。さらに詳細に言えば、基板貫通孔322は、基板32の一面320に対して垂直な方向、すなわち、上下方向Zにおいて、後述する保持具50の第1案内部543と重なる位置に形成されている。
【0042】
基板貫通孔322には、給電線38の一端部380(
図5参照)における導体382が挿通される。導体382は、給電線38の芯線である。
【0043】
基板32には、基板貫通孔322の周囲に受電部324が形成されている。すなわち、受電部324は、基板32に設けられている。受電部324は、基板32において、導体382が接続される接続部である。受電部324は、接続パッドとも称する。給電線38の一端部380における導体382は、はんだ等の接続部材(図示は省略)を用いて受電部324に接続される。受電部324は、電源部40から供給される点灯電力を光源部31に中継する電極の役目を果たす。受電部324は、基板32の一面320及び他面321のうち、少なくともいずれか一方に設けられている。
【0044】
(基台34)
基台34は、基板32の他面321に対向する面であって光源部31を支持する第1面341と、第1面341の反対側の面であって電源部40を支持する第2面342とを有する。第1面341は基台34のおもて面であり、光源配置面である。第1面341は、下向きZ2の側の面であり、基台34の下面とも称する。第1面341は、照射空間の側の面を構成し、外郭部39の透光部391と対向する。第2面342は、基台34のうら面であり、電源配置面である。第2面342は、上向きZ1の側の面であり、基台34の上面とも称する。第2面342は、照明装置1において被取付部9の側の面を構成し、灯具3が器具2に取り付けられた状態では器具本体部20の天面部200と対向する。基台34の第1面341には、光源部31が取り付けられる。
【0045】
基台34は、長手方向Xに延びた長尺状の構造体である。基台34は、配置部340と、上述した灯具3の外郭部39と組み合わされる側部343とを有する。配置部340は、板状に形成されており、光源部31を支持する第1面341と、電源部40を支持する第2面342とを有する。側部343は、配置部340の第2面342のY方向における端部から、被取付部9に向かって立ち上がっている。そのため、基台34の長手方向Xの端部の形状は、コの字形状になっている。基台34は、光源部31及び電源部40等のための台座であり、光源部31及び電源部40等の支持部材である。基台34は、台座、シャーシ、或いは取付部材とも称する。配置部340は、光源部31及び電源部40等が第1面341或いは第2面342に配置される基部である。
【0046】
図5に示すように、基台34には、基台34の配置部340を貫通する電線挿通孔363が形成されている。電線挿通孔363は、基台34の第1面341と第2面342とを貫く貫通孔である。電線挿通孔363は、電線保持具取付孔とも称する。
【0047】
基台34は、
図5に示すように、保持具取付部360を有する。保持具取付部360は、後述する保持具50が取り付けられる部分である。より詳細には、基台34の配置部340に、第2面342の側に突出する突出部361が形成されている。
図5においては、基台34の第1面341の側から見ているため、突出部361が窪み部(凹部)となっている。そして、突出部361の先端部である頂部362には、上述した電線挿通孔363が形成されている。突出部361、頂部362及び電線挿通孔363は、保持具取付部360を構成する。
【0048】
頂部362は、第1面341に対して垂直方向(上下方向Z)に視て、すなわち、平面視で、概略四角の枠状に形成されている。また、電線挿通孔363は、頂部362の縁部によって形成されており、平面視で、頂部362の縁部によって四角形状に形成されている。ただし、頂部362及び電線挿通孔363の形状は、保持具50の形状に対応した形状であればよく、当該形状に限定されるものではない。
【0049】
突出部361は、配置部340の第2面342の側に突出しており、第1面341の側においては、窪み部分(凹部)を形成する。すなわち、基台34の突出部361においては、頂部362と第1面341との間に段差が形成されている。つまり、頂部362は、第1面341に対して凹んでいる。一方、第2面342の側においては、突出部361は、第2面342に対して隆起する部分を形成している。すなわち、突出部361は、第2面342の側の配置部340において凸状に形成されている。基台34の突出部361においては、頂部362と第2面342との間に段差が形成されている。つまり、頂部362は、第2面342から、上下方向Zの上向きZ1に向かって突出している。
【0050】
ここで、基台34は、鋼板等の金属製の板材を折り曲げて形成されているものであり、ロールフォーミング、又はプレス成形等の加工方法等で曲げられ、剛性を得るものである。ただし、基台34は、金属製の板材を折り曲げて形成されたものに限定するものではなく、例えば、樹脂或いはセラミック等、金属以外の材料を用いて形成されたものでもよい。また、基台34は、押出成形、或いは、3Dプリンティングのような三次元造形等の加工方法で加工してもよい。さらに、図示は省略するが、放熱効率(熱放射率)、或いは、光の利用効率(反射率)等を向上させるために、基台34に表面処理を施してもよいし、或いは、基台34に機能部材を敷設してもよい。
【0051】
(給電線38)
給電線38は、
図4に示すように、電源部40から光源部31に点灯電力を供給するための供給経路となる。給電線38は、
図5に示すように、基台34に形成された貫通孔である電線挿通孔363を経由して配置され、電源部40と光源部31とを電気的に接続する。給電線38は、導体382が外装383で覆われて構成されている。外装383は、導体382を覆う電気絶縁性を有する被覆であり、導体382を絶縁する絶縁部である。
【0052】
給電線38は、電線挿通孔363を貫通するとともに、一端部380が光源部31と電気的に接続され、他端部381が第2面342の側に配置される。給電線38の一端部380の導体382は、基板32に形成された受電部324に接続される。
【0053】
保持具取付部360には、電線挿通孔363に嵌め込まれるようにして、保持具50が取り付けられる。保持具50は、電気絶縁性を有している。保持具50は、例えば、樹脂製である。給電線38は、保持具50によって保持される。保持具50は、給電線38と電線挿通孔363の頂部362との間に配置されるので、給電線38と頂部362との接触及び短絡を防止することができる。
【0054】
(外郭部39)
灯具3の外郭部39は、
図1及び
図4に示すように、灯具3の外郭を形成し、光源部31を覆うカバーである。外郭部39は、基板32を覆うように基台34に取り付けられる。外郭部39は、灯具3の長手方向Xに延びるカバー主部390と、カバー主部390の長手方向Xにおける両端部に設けられたカバー端部395とを有する。
【0055】
カバー主部390は、光源ユニット30から出射される光を透過する透光部391と、光源ユニット30と連結される取付部392とを有する。外郭部39は、基台34の第1面341に取り付けられた状態の光源部31を覆う。カバー主部390の長手方向Xの端部の形状(短手方向Yに沿った切断面の形状)は、概略U字形状になっているが、概略コの字形状、或いは概略V字形状等の形状であってもよい。
【0056】
透光部391は、
図1に示すように、少なくとも一部が外部に露出し、光源部31から発せられる光を透過して外部に対する照射を行う部分となる。また、透光部391は、光源部31等を保護する部分となる。このため、透光部391は、光源部31と接触しないように、光源部31との間に空隙を設けた状態で、光源部31に対向するように配置される。
【0057】
取付部392は、基台34に取り付けられる部分である。取付部392は、基台34の短手方向Yにおける両端側から配置部340と側部343とを抱え込むように基台34に取り付けられる。取付部392は、
図4に示すように、基台34の第1面341の側に配置されて配置部340を支持する第1取付部393と、基台34の側部343の外側に配置されて側部343の先端部に係合される第2取付部394とを有する。第1取付部393は、支持部ともいい、第2取付部394は、係止部とも称する。
【0058】
カバー端部395は、灯具3の長手方向Xにおける端部を覆う部分である。ここでは、カバー端部395は、別部材として形成し、溶着、又は接着等により、透光部391に取り付けられるものとする。カバー端部395は、外郭部39の透光部391と基台34の配置部340とによって形成される空間の端面開口に嵌まり込み、その端面開口を塞ぐ。ただし、外郭部39の構成は、当該構成に限定されるものではなく、外郭部39は、カバー端部395と透光部391及び取付部392とが一体に形成されてもよい。
【0059】
外郭部39は、透光性の材料として、ポリカーボネート(PC)、アクリル(PMMA)、或いは、ポリプロピレン(PP)等の合成樹脂、又はガラス等の材料を用いて形成することができる。外郭部39は、これらの材料を用いて、射出成形、ブロー成形、押出成形、或いは、3次元造形といった方法を採用して形成することができる。外郭部39は、照明装置1の仕様に応じて、少なくとも一部に拡散機能、波長弁別機能、或いは遮光機能のいずれかを有してもよい。
【0060】
(バネ受具60)
図3に示すバネ受具60は灯具側連結具である。バネ受具60と、器具側連結具であるバネ23(
図2参照)とは、灯具3を器具2に取り付ける連結具を構成する。バネ受具60は、基台34の配置部340に取り付けられる。基台34の第2面342の側には、
図4に示すように、バネ受具取付孔350とバネ受具固定部351とが設けられている。バネ受具60の一部分がバネ受具取付孔350に挿入されることで、バネ受具60がバネ受具固定部351に固定される。バネ受具60は、配置部340の第2面342から上下方向Zの上向きZ1に向かって立ち上がっており、照明装置1が使用状態にあるときは灯具装着部22に配置される。器具2のバネ23と、灯具3のバネ受具60とが連結されることによって、灯具3は器具2に固定される。
【0061】
(灯具側電線70)
図3に示す灯具側電線70は、電力供給線及び制御信号線を含んでいる。照明装置1においては、灯具3の灯具側電線70と器具2の器具側電線25(
図2参照)とが電気的に接続されている。
【0062】
(電線配置具80)
図3に示す電線配置具80は、電線保護具である。電線配置具80は、基台34における配置部340に取り付けられ、灯具側電線70を保持する。基台34の第2面342には、
図4に示すように、電線配置具取付孔352と電線配置具固定部353とが設けられている。電線配置具80は、その一部が電線配置具取付孔352に挿入された状態で、電線配置具固定部353によって固定される。
【0063】
(保持具50)
図3~
図5に示すように、保持具50は、第1保持具54と第2保持具55とを有している。
図6~
図9は、実施の形態1に係る保持具50を説明する斜視図である。
図6は、保持具50の第1保持具54の外観を示す斜視図である。
図7は、保持具50の第1保持具54の内部構造を示す斜視図である。
図8は、保持具50の第2保持具55の外観を示す斜視図である。
図9は、保持具50の第2保持具55の内部構造を示す斜視図である。また、
図20~
図23は、実施の形態1に係る灯具3が有する電源部40が保持具50の電源保持部556に保持されるための構成を示す斜視図である。
図20及び
図22は、電源部40が保持具50に保持される前の状態を示し、
図21及び
図23は、電源部40が保持具50に保持された状態を示す。
【0064】
【0065】
保持具50は、給電線38を保持するものである。保持具50は、給電線38を保持した状態で基台34に固定する電線固定具であり、電線ホルダとも称する。そして、保持具50は、電源部40の一部を保持した状態で基台34に固定する電源固定具であり、電源クランプとも称する。保持具50は、電気絶縁性を有する材料で形成されている。保持具50は、例えば、樹脂製である。保持具50は、貫通孔である電線挿通孔363を塞ぐように基台34に取り付けられる。
【0066】
保持具50には、基台34における第1面341の側に配置される保持具基部と、基台34における第2面342の側に配置される保持具本体部と、保持具基部と保持具本体部とを繋ぎ、電線挿通孔363の内部に配置される保持具接続部とを有する。
【0067】
実施の形態1では、保持具50は、
図5に示すように、電線挿通孔363を貫く方向に沿って2つに分割された第1保持具54及び第2保持具55から構成されており、第1保持具54及び第2保持具55は、基台34の長手方向Xに沿って並んで配置される。そして、
図6~
図9に示すように、保持具基部は後述する第1基部540と第2基部550とからなり、保持具本体部は後述する第1本体部541と第2本体部551とからなり、保持具接続部は後述する第1接続部542と第2接続部552とからなる。
【0068】
保持具50には、給電線38を保持する電線保持部として、第1案内部543(
図6及び
図7参照)、第1保持部544(
図7参照)、第2案内部553(
図8及び
図9参照)、及び、第2保持部554(
図9参照)等が形成されている。また、保持具50には、電源部40の少なくとも一部を保持する電源保持部556(
図22参照)が設けられている。以下、保持具50の各構成について説明する。
【0069】
まず、
図6及び
図7を用いて、第1保持具54について説明する。第1保持具54は、
図6及び
図7に示すように、平面視で概略矩形枠状に形成された第1基部540、概略直方体状に形成された第1本体部541、及び、第1基部540と第1本体部541とを接続する第1接続部542を有している。また、第1保持具54は、給電線38が保持される部分となる第1挿通部5431を有する第1案内部543を有する。第1案内部543は、後述する第2保持具55の第2対向部557(
図9参照)に対向させる第1対向部547に設けられる。第1挿通部5431は、第1基部540、第1本体部541、及び第1接続部542を貫くように形成された案内溝、又は案内孔である。第1挿通部5431は、第1保持具54の上下方向Zに沿って延びるように形成されている。
【0070】
第1案内部543の第1挿通部5431には、
図7に示すように、第1保持部544が形成されている。第1保持部544は、突起部である。第1保持部544は、第1挿通部5431において給電線38が保持される部分に形成されている。
図7の例では、各第1挿通部5431に対して、2つの第1保持部544が設けられているが、第1保持部544の個数はこれに限定されない。
【0071】
また、第1保持具54は、第2保持具55と係合するための構成として、
図7に示すように、第1係合部545と、係合爪挿入孔548と、係合爪係合部549とを有している。これらについては後述する。
【0072】
第1保持具54は、第2保持具55の第2対向部557(
図9参照)に対向するように配置される第1対向部547を有している。第1保持具54と第2保持具55とは、第1対向部547と第2対向部557とが対向する向きに組み合わされる。第1保持部544は、第1保持具54と第2保持具55とが組み合わされた状態において、一対の給電線38を第2保持具55に押圧する押圧部である。第1保持部544は、第1挿通部5431の内壁から突出するように形成された突起部である。第1保持部544は、一対の給電線38を押圧することによって、一対の給電線38の移動を規制する規制部として機能する。第1保持部544によって、給電線38は保持具50に保持され、動かないように基台34に固定される。
【0073】
次に、
図8及び
図9を用いて、第2保持具55について説明する。第2保持具55は、
図8及び
図9に示すように、平面視で概略矩形枠状に形成された第2基部550、概略直方体状に形成された第2本体部551、及び、第2基部550と第2本体部551とを接続する第2接続部552を有している。また、第2保持具55には、第2案内部553が形成されている。第2案内部553は、突出部である。第2案内部553は、第1保持具54の第1案内部543に形成された第1挿通部5431に挿入されることで、第1挿通部5431に給電線38を案内する。第2案内部553は、概略直方体状に形成されている。第2案内部553は、第2基部550、第2本体部551、及び第2接続部552の第2対向部557から突出する突出部である。第2案内部553は、第1案内部543に対する相補形状を有している。第2案内部553の長手方向は、第1挿通部5431の延びる方向、すなわち、上下方向Zに沿う方向である。
【0074】
突出部である第2案内部553の先端部には、
図9に示すように、複数の第2保持部554が形成されている。第2保持部554は、第2案内部553の先端部の表面から突起した突起部である。第2保持部554は、給電線38を保持する部分に形成されている。
図9においては、1つの第2案内部553に対して、3つの第2保持部554が形成されているが、第2保持部554の個数は、これに限定されない。また、第2保持部554の位置は、上下方向Zにおいて、第1保持具54の第1保持部544の位置に対してずれた位置になっている。従って、第1保持具54と第2保持具55とが組み合わされた状態のときに、上下方向Zに沿って隣接する第2保持部554間に、第1保持具54の第1保持部544が配置される。すなわち、上下方向Zに沿って第1保持部544と第2保持部554とが入れ違いになるようにそれぞれ配置されている(後述する
図19参照)。
【0075】
第2保持部554は、第1保持具54と第2保持具55とが組み合わされた状態において、一対の給電線38を第1保持具54に押圧する押圧部である。第2保持部554は、一対の給電線38を押圧することによって、一対の給電線38の動きを規制する規制部として機能する。第2保持部554によって、給電線38は保持具50に保持され、動かないように基台34に固定される。
【0076】
第2保持具55は、第1保持具54と係合するための構成として、
図9に示すように、第2係合部555と、位置決め孔558と、位置決め部559とを有している。これらについては、後述する。
【0077】
(電線保持部)
上述したように、保持具50は、給電線38を保持する電線保持部として、第1案内部543(
図6及び
図7参照)、第1保持部544(
図7参照)、第2案内部553(
図8及び
図9参照)、及び、第2保持部554(
図9参照)を有している。実施の形態1の電線保持部は、保持部基部、保持部本体部、及び保持部接続部に形成されている。電線保持部は、給電線38を保持する。また、電線保持部は、給電線38と基台34との間に配置されることで、給電線38を、基台34の電線挿通孔363の周縁から離間させる。電線保持部は電気絶縁性を有しており、給電線38の導体382と基台34の電線挿通孔363とを電気的に絶縁させる。
【0078】
図14~
図19は、実施の形態1に係る給電線38の保持の状態を説明する図である。
図14は、給電線38が保持される前の状態を示す保持具50の平面図である。
図15は、
図14における保持具50のD-D断面図である。
図16は、
図14における保持具50のE-E断面図である。
図17は、給電線38が保持された後の状態を示す保持具50の平面図である。
図18は、
図17における保持具50のD-D断面図である。
図19は、
図17における保持具50のE-E断面図である。以下、
図14~
図19を用いて、実施の形態1に係る給電線38の保持の状態について説明する。
【0079】
給電線38は、
図14~
図16に示すように、まず、第1保持具54の第1挿通部5431と第2保持具55の第2案内部553との間に配置される。次に、第1挿通部5431と第2案内部553との間に給電線38が配置された状態で、第1保持具54と第2保持具55とを係合させる。このとき、給電線38は、
図17及び
図19に示すように、第1挿通部5431に形成された第1保持部544と、第2案内部553に形成された第2保持部554とによって、両側から押圧される。給電線38は、第1保持部544と第2保持部554とに押圧されることによって、保持具50に保持される。
【0080】
第1保持具54と第2保持具55とは、第1保持具54の第1対向部547(
図7参照)と第2保持具55の第2対向部557(
図9参照)とを対向させた状態で一体化され、給電線38を両側から保持する。第1対向部547は、保持具50の第1対向面であり、第2対向部557は、保持具50の第2対向面である。
【0081】
第1保持具54は、
図7に示すように、第1対向部547から突出するように形成された第1係合部545を有する。
図7では、4つの第1係合部545が設けられているが、第1係合部545の個数はこれに限定されない。第1係合部545は、第1保持具54と第2保持具55とを係合する際の位置決め部として機能する。第2保持具55の第2本体部551は、
図9及び
図15に示すように、第2対向部557から後退するように形成された位置決め孔558と、位置決め孔558の周囲に形成された位置決め部559とを有する。実施の形態1では、位置決め部559は、位置決め孔558の周縁部である。第1保持具54の第1係合部545は、位置決め突起であり、ボスである。一方、第2保持具55の位置決め孔558は、位置決め突起嵌入孔であり、ボス貫入孔である。位置決め部559は、位置決め突起と接触する位置決め突起接触部であり、ボスと接触するボス接触部である。
【0082】
第1保持具54と第2保持具55とは、第1保持具54の第1係合部545を、第2保持具55の位置決め孔558に嵌入させながら、一体化される。
【0083】
第1保持具54は、
図7及び
図15に示すように、第1対向部547から後退するように形成された係合爪挿入孔548と、係合爪挿入孔548の周囲に形成された係合爪係合部549とを有する。係合爪挿入孔548は、
図7に示すように、第1保持具54の中心部分に配置され、周囲に、4つの第1係合部545が配置されている。係合爪係合部549は、係合爪挿入孔548の周縁部である。一方、第2保持具55の第2本体部551は、
図9に示すように、第2対向部557から突出するように形成された第2係合部555を有する。第2係合部555は、係合爪として機能する。
【0084】
第1係合部545を位置決め孔558に嵌入させる際に、
図15に示されるように、第2係合部555が弾性変形を伴いながら係合爪挿入孔548に挿入される。このとき、第1対向部547と第2対向部557とが近づいて互いに当接すると、
図18に示されるように、第2係合部555は、係合爪挿入孔548を通過すると、弾性変形から開放されて係合爪係合部549と係合する。第2係合部555と係合爪係合部549とが係合すると、第1保持具54と第2保持具55とは、給電線38を保持する一体不可分の保持具50となる。なお、リワーク(修繕)等を想定して、保持具50には、第1保持具54と第2保持具55とを再度分離させるために、それらの係合を解除する機能を設けておいてもよい。
【0085】
(保持具固定部56)
次に、主に、
図20~
図23を用いて、保持具50に設けられた保持具固定部56について説明する。上述したように、
図20及び
図22は、電源部40が基台34に固定される前の状態を示す斜視図である。
図21及び
図23は、電源部40が基台34に固定された状態を示す斜視図である。
【0086】
保持具50の保持具接続部には、
図20~
図23に示すように、2つの保持具固定部56が設けられている。保持具固定部56は、第1保持具54に設けられる第1固定部560(
図6等参照)と第2保持具55に設けられる第2固定部561(
図7等参照)とからなる。
【0087】
図15、
図16、
図18、
図19に示すように、第1固定部560は、第1保持具54の第1接続部542に形成されている凹部(溝部)であり、第2固定部561は、第2保持具55の第2接続部552に形成されている凹部(溝部)である。第1固定部560は、第1保持具54の第1接続部542における、第2保持具55と反対側の端部に設けられており、第2固定部561は、第2保持具55の第2接続部552における、第1保持具54と反対側の端部に設けられている。
【0088】
図20~
図23に示すように、第1固定部560は、第1保持具54の第1接続部542における、第2保持具55と反対側の端部から長手方向Xに沿って第1対向部547の側にL1だけ後退しており、第2固定部561は、第2保持具55の第2接続部552における、第1保持具54と反対側の端部から長手方向Xに沿って第2対向部557の側にL2だけ後退している。
【0089】
保持具接続部である第1接続部542と第2接続部552とが電線挿通孔363に配置された状態で電源部40が基台34に固定されると、電源ケース42の長手方向Xにおける端部が、第2固定部561に挿入され保持具50に当接するまでスライド移動する。そして、保持具50は、長手方向Xにおける電源部40と反対側に向って、電線挿通孔363を形成する頂部362の縁部に第1接続部542が当接するまでスライド移動する。
【0090】
保持具50は、基台34の一部が第1固定部560に挟まれることによって、基台34に固定される。また、保持具50は、基台34に固定される電源部40の電源ケース42の一部が第2固定部561に挟まれることによって、基台34に固定される。
【0091】
詳しくは、第1接続部542が電線挿通孔363の縁部に当接した状態で、頂部362の少なくとも一部は第1固定部560に嵌め込まれる。つまり、電線挿通孔363の縁部である頂部362の少なくとも一部は保持具基部と保持具本体部との間に配置され、保持具50は、電線挿通孔363を貫く方向に沿った移動が規制され、基台34の配置部340に固定される。また、電源部40が基台34に固定された状態で、電源ケース42の長手方向Xにおける端部は第2固定部561に嵌め込まれる。つまり、基台34に固定された電源ケース42の少なくとも一部は保持具基部と保持具本体部との間に配置され、保持具50は、電線挿通孔363を貫く方向に沿った移動が規制され、基台34の配置部340に固定される。
【0092】
(電源保持部556)
次に、主に、
図20~
図23を用いて、保持具50に設けられた電源保持部556について説明する。上述したように、
図20~
図23は、実施の形態1に係る灯具3に設けられた保持具50の電源保持部556の構成を示す斜視図である。
図20及び
図22は、電源部40が保持具50に保持される前の状態を示し、
図21及び
図23は、電源部40が保持具50に保持された状態を示す。
【0093】
保持具50の保持具接続部には、
図8及び
図22に示すように、電源保持部556が設けられている。電源保持部556は、
図8及び
図22に示すように、保持具50の第2保持具55に形成されている凹部、又は貫通孔である。電源保持部556は、電源部40の少なくとも一部が挿入され、当該一部を保持する。電源部40には、
図20及び
図22に示すように、電源ケース42の保持具50の側の端部に差込片420が設けられている。電源保持部556は、差込片420に対する相補形状を有している。電源保持部556は、第2保持具55の第2接続部552における、第1保持具54と反対側の端部から長手方向Xに沿って第2対向部557の側にL2よりも大きく後退している。電源保持部556は、差込片420が挿入される差込片挿入孔として機能する。電源部40は基台34に取り付けられる際に、電源部40の差込片420が保持具50の電源保持部556に差し込まれる。
【0094】
さらに、上述したように、基台34には、
図4に示すように、ネジ挿通孔354と電源固定部356とが設けられている。また、電源ケース42には、
図4及び
図5に示すように、ネジ挿通孔421が設けられている。
図4及び
図5に示すように、ネジ等の固定具85を、基台34のネジ挿通孔354と電源ケース42のネジ挿通孔421とに挿入して締結する。電源ケース42は、保持具50の電源保持部556と固定具85との両方によって、基台34に固定される。
【0095】
このように、電源部40の一部である差込片420は、保持具50の電源保持部556によって保持される。また、電源部40の当該一部を除く他の部分は、固定具85によって基台34に固定される。このように、固定具85で基台34に電源部40の他の部分を固定することにより、電源部40の一部である差込片420の保持具50に対する保持状態が維持される。また、保持具50は、電源部40が基台34に取り付けられた状態で、基台34に固定される。これにより、電源部40の移動が規制される。
【0096】
(給電線38の保持及び接続の手順)
図5及び
図10~
図19を用いて、実施の形態1に係る給電線38の保持の手順を説明する。
図5は、給電線38が保持される前の状態を示している。
図10は、給電線38が保持された後で保持具50が基台34に取り付けられる前の状態を示す斜視図である。
図11は、保持具50が基台34に取り付けられた後の状態を示す斜視図である。
図12は、基板32が基台34に配置される前の状態を示す斜視図である。
図13は、基板32が基台34に配置された状態を示す斜視図である。
【0097】
(手順1)
図5に示すように、基台34に、保持具取付部360が形成される。保持具取付部360は、電線挿通孔363を含む。保持具50は、基台34の第1面341の側に突出しないように取り付けられる。そのため、基台34において、保持具50が取り付けられる部分には、絞り加工等によって第2面342の側に突出する突出部361が設けられ、突出部361の頂部362に、貫通孔である電線挿通孔363が設けられる。保持具50は、電線挿通孔363内に配置される。
【0098】
(手順2)
図5に示すように、給電線38を挟むように、第1保持具54と第2保持具55とが対向して配置される。その後、第1保持具54と第2保持具55とが係合される。この際に、第1保持具54に設けられた第1係合部545(
図7参照)が、第2保持具55に設けられた位置決め孔558(
図9参照)に嵌合される。これにより、第1保持具54と第2保持具55との間の位置決めが行われる。また、第1係合部545が位置決め孔558に嵌合される際に、第2保持具55に設けられた係合爪である第2係合部555(
図15参照)が、第1保持具54に設けられた係合爪挿入孔548(
図15参照)に挿入される。これにより、第2係合部555と係合爪挿入孔548とが係合される。その結果、第1保持具54と第2保持具55とは、
図10に示すように、一体不可分の保持具50となる。
【0099】
このとき、
図10に示すように、給電線38の一端部380が、保持具50から外側に向かって露出する。なお、
図10においては、給電線38の一端部380の外装383が除去され、導体382が外部に露出している。しかしながら、これに限らず、この段階においては外装383を残しておき、後述する手順5で、給電線38の一端部380の外装383を除去するようにしてもよい。また、給電線38の他端部381の外装383についても同様である。給電線38は、第1保持具54に設けられた第1保持部544(
図16参照)と第2保持具55に設けられた第2保持部554(
図16参照)とによって、
図19に示すように、両側から押圧され、動きが規制されている。従って、給電線38が保持具50から脱落することはない。
【0100】
(手順3)
図10及び
図11に示すように、保持具50が、基台34の第1面341の側から、基台34に設けられた保持具取付部360の電線挿通孔363に挿入される。保持具基部の最大寸法、すなわち、第1保持具54に設けられた第1基部540及び第2保持具55に設けられた第2基部550を合わせた最大寸法は、電線挿通孔363の最大寸法よりも大きい。そのため、保持具基部を構成する第1基部540と第2基部550とは、電線挿通孔363を通過しない。すなわち、保持具50は、第1基部540と第2基部550とが保持具取付部360の頂部362の縁部に当接することによって、基台34の第1面341の側に留まり、第2面342の側への移動が規制される。
【0101】
このとき、
図5に示すように、保持具取付部360の突出部361は、基台34の第1面341の側から第2面342の側に向かって突出している凸部である。従って、基台34の第1面341の側から見ると、突出部361は窪み部(凹部)になっている。保持具50の保持具基部である第1基部540と第2基部550とは、
図11に示すように、当該窪み部(凹部)に収納される。その結果、保持具50の第1基部540及び第2基部550は、基台34の第1面341から、上下方向Zの下向きZ2方向に突出しない。
【0102】
(手順4)
図12及び
図13に示すように、基板32は、接着剤等の接着部材87を用いて、基台34の第1面341に接着固定される。この際、電源部40が基台34に固定されることによって決まる保持具50の位置に対応して、基板32の位置が決められる。詳しくは、長手方向X及び短手方向Yにおいて、第1保持具54の第1案内部543と、基板32に設けられた基板貫通孔322とが重なるように、基板32の位置が決められる。それにより、
図13に示すように、基板32の基板貫通孔322から、上下方向Zの下向きZ2に向かって、給電線38の導体382が突出する。なお、基板32と基台34との固定には、接着剤の代わりに、粘着シート等の他の接着部材、或いは、ネジ、リベット等の固定部材を用いるようにしてもよい。
【0103】
このとき、保持具50の保持具基部である第1基部540及び第2基部550は、上述したように、突出部361の第1面341の側の窪み部(凹部)に収納されているので、基板32の基台34に対する接着固定を妨げることがない。また、この状態において、保持具50の第1基部540及び第2基部550は、基台34と基板32との間に配置されている。そのため、基板32が基台34に接着固定されることによって、保持具50が基板32によって覆われるため、保持具50の基台34からの脱落を防止できる。
【0104】
(手順5)
給電線38の一端部380の導体382と、基板32の基板貫通孔322に取り付けられた受電部324とを、はんだ等の接続部材(図示は省略)を用いて電気的に接続する。受電部324は、上述したように、接続パッドである。なお、給電線38と受電部324との接続の際に、給電線38の一端部380が外装383に覆われたままである場合には、接続作業を開始する前に、給電線38の一端部380の外装383を除去して、導体382を外部に露出させる。
【0105】
このとき、給電線38は、基台34に固定された保持具50に保持されているため、導体382と受電部324との接続を安定して行うことができる。これにより、導体382と受電部324との接続部分は高い品質を得ることができる。
【0106】
また、このとき、給電線38と基台34との間には、保持具50が存在するため、給電線38と基台34とは接することがない。さらに詳細に言えば、給電線38は、保持具50によって、基台34に設けられた電線挿通孔363の縁部に接触することがない。これにより、電線挿通孔363の縁部による給電線38の外装383の損傷、及び、給電線38の導体382と電線挿通孔363の縁部との短絡を防止することができる。
【0107】
実施の形態1では、上述したように、給電線38の一端部380においては、導体382を露出させて、当該導体382と基板32の受電部324とを電気的に接続している。なお、給電線38と受電部324との接続は、これに限定されない。例えば、一端部380に、端子、又はコネクタ等の接続部品を予め取り付けておき、当該接続部品と基板32の受電部324とを電気的に接続するようにしてもよい。
【0108】
また、実施の形態1では、給電線38の一端部380は、基板32を貫通する構成を示している。しかしながら、給電線38と基板32との関係は、これに限定されない。例えば、給電線38の一端部380と受電部324とは、基板32を貫通しない経路で配置されてもよい。また、実施の形態1では、給電線38の一端部380と受電部324とは、基板32の一面320の側で接続される構成を示している。しかしながら、これに限定されない。例えば、給電線38の一端部380と受電部324とは、基板32の他面321の側で接続されていてもよい。
【0109】
(手順6)
図4の破線で示すように、給電線38の他端部381の導体382が、電源部40の出力端子41に差し込まれて、給電線38が電源部40に電気的に接続される。なお、給電線38の他端部381の導体382と電源部40の出力端子41との接続は、これに限定されない。例えば、他端部381に、端子、又はコネクタ等の接続部品を予め取り付けておき、当該接続部品と電源部40の出力端子41とを電気的に接続するようにしてもよい。
【0110】
以上のように、手順2において、給電線38が保持具50に保持される。給電線38は、その状態で、手順3において、基台34に固定される。また、手順4において、基板32が基台34に接着される。このように、給電線38は保持具50によって保持されているので、手順6の接続、灯具3の組み立て、及び、灯具3の使用に際し、給電線38と受電部324との接続部分にストレスが加わることを抑制することができる。
【0111】
このように、保持具50は、給電線38を保持した状態で基台34の保持具取付部360に取り付けられる。この際、
図10に示すように、保持具50から、給電線38の一端部380の導体382が露出する。また、第1保持具54の第1基部540と第2保持具55の第2基部550とは、
図11に示すように、基台34に形成された突出部361における第1面341の側の窪み部分(凹部)に収まる。そのため、
図13に示すように、基板32を基台34に取り付ける際に、第1基部540と第2基部550とが、基板32の取り付けを妨げることはない。
【0112】
基板32は、基板貫通孔322に給電線38の一端部380の導体382を貫通させた状態で、接着剤等の接着部材87を用いて、基台34の第1面341に接着固定される。
【0113】
保持具50は、第1挿通部5431を有する第1案内部543を備えた第1本体部511と、第2案内部553が形成された第2本体部551と、を有している。そして、給電線38が第1案内部543の第1挿通部5431に挿通された状態で、第1案内部543に第2案内部553が装着されることによって、給電線38の移動が規制される。
【0114】
第1案内部543と第2案内部553とは、保持具50が基台34に取り付けられた状態のとき、基台34の第1面341の長手方向Xに沿って隣接して配置される。
【0115】
(電源部40の保持の手順)
図20~
図23を用いて、実施の形態1に係る電源部40の保持の手順を説明する。
【0116】
(手順1)
図20に示すように、保持具50を基台34の保持具取付部360に配置する。
【0117】
(手順2)
次に、
図20及び
図21に示すように、電源部40を矢印Aの向きにスライド移動させて、電源部40の電源ケース42に設けられた差込片420を、保持具50の電源保持部556に挿入する。これにより、電源部40の電源ケース42と保持具50とが連結される。差込片420を電源保持部556に挿入した状態で、さらに電源部40を矢印Aの向きにスライド移動させて、保持具50を基台34の保持具取付部360に固定する。このとき、保持具取付部360(頂部362の縁部)と第1固定部560とは寸法L1だけ重なるようになっており、保持具50は、電線挿通孔363を貫く方向に沿った移動が規制される。このようにして、電源部40が連結された保持具50を基台34に固定する。
【0118】
(手順3)
次に、電源部40の電源ケース42と保持具50とを連結させた状態で、
図4及び
図5に示すように、ネジ等の固定具85を、電源固定部356のネジ挿通孔354に挿入し、電源ケース42のネジ挿通孔421に挿入して締結する。
【0119】
なお、上記の手順1及び手順2は、差込片420を電源保持部556に挿入してから保持具50を基台34に固定する手順を説明したが、これに限らず、手順1において基台34の保持具取付部360に配置した保持具50のみを、矢印Aの向きにスライド移動させて保持具取付部360に固定してもよい。この場合には、保持具取付部360に固定された保持具50の電源保持部556に電源部40の差込片420を連結する。
【0120】
また、
図20及び
図21に示すように、上記の手順1~手順3は、予め、電源部40の電源装置44及び電源カバー43を電源ケース42に装着した状態で、上記の手順1~手順3を行ってもよい。しかし、これに限定されず、
図22及び
図23に示すように、電源部40の電源装置44及び電源カバー43を電源ケース42に装着しない状態で、上記の手順1及び手順2を行ってもよい。この場合には、手順1~手順3の終了後に、電源部40の電源装置44及び電源カバー43を電源ケース42に装着する。そして、図示は省略するが、電源部40の電源カバー43のみを電源ケース42に装着しない状態で、上記の手順1~手順3を行ってもよい。この場合には、手順1~手順3の終了後に、電源部40の電源カバー43を電源ケース42に装着する。
【0121】
なお、
図20~
図23に示すように、実施の形態1では、電源部40が保持具50に連結された状態で、電源ケース42の差込片420以外の一部と保持具50の第2固定部561とは、長手方向Xに沿った寸法L2だけ重なるようになっている。
【0122】
[灯具3及び照明装置1の作用効果]
実施の形態1に係る灯具3は、保持具50を備えている。この保持具50には、給電線38を挿通させる第1挿通部5431が形成されている。また、灯具3及び照明装置1は、第1挿通部5431に配置された給電線38の移動を規制するための第1保持部544と、第2保持具55に形成された第2保持部554とからなる規制部を有する。そして、保持具50は、基台34に設けられた貫通孔である電線挿通孔363に対して、基台34の第1面341の側から挿入され、基台34の第2面342の側への移動が規制された状態で基台34に取り付けられる。
【0123】
実施の形態1に係る灯具3によれば、電源部40及び給電線38は、共用される保持具50を用いて基台34に保持されるので、灯具3及び照明装置1の構成は簡素なものとなり、灯具3及び照明装置1の組立性が改善される。
【0124】
また、保持具50は、電源部40の出力端子41の側に配置されている。そのため、
図3に示すように、電源部40の出力端子41と保持具50とは隣接して配置されている。その結果、出力端子41と保持具50との間に配置される給電線38の長さは、特許文献1等に記載の従来のリード線に比べて非常に短くなっている。そのため、灯具3の組み立て時又は照明装置1の施工時に給電線38が引っ張られる可能性は低くなる。
【0125】
また、灯具3の組み立て時又は照明装置1の施工時に、仮に、給電線38が引っ張られた場合であっても、保持具50は、給電線38と基板32との接続部分、及び、給電線38と電源部40との接続部分に応力が加わらないように給電線38を保持することができる。その結果、給電線38、或いは、給電線38と接続される電源部40といった各部品の損傷を防止することができる。また、給電線38が電源部40から外れることを防止でき、給電線38の断線を防止することができる。
【0126】
また、灯具3は、上記構成の保持具50を有することによって、電線挿通孔363の端縁による給電線38の外装383の損傷を防止でき、さらに、給電線38の導体382と電線挿通孔363の端縁との短絡を防止することができる。また、上記構成の保持具50を有することによって、給電線38における導体382の露出部分と基台34との絶縁性能を確保することができる。
【0127】
また、給電線38は、上記構成の保持具50に保持されて、基台34に固定されているので、灯具3を組み立てる際及び照明装置1を施工する際に、給電線38と受電部324との接続部分にストレスが加わらない。
【0128】
また、給電線38は、貫通孔である電線挿通孔363の縁部に接触しないように保持具50に取り付けられる。そのため、灯具3は、電線挿通孔363の端縁による給電線38の外装383の損傷を防止でき、また、給電線38の導体382と電線挿通孔363の端縁との短絡を防止することができる。また、上記構成の保持具50を有することによって、給電線38における導体382の露出部分と基台34との絶縁性能を確保することができる。
【0129】
また、保持具50は、貫通孔である電線挿通孔363を覆うように基台34に取り付けられる。保持具50の第1基部540の最大寸法は、電線挿通孔363の最大寸法よりも大きく形成されている。また、保持具50の第2本体部551の最大寸法は、電線挿通孔363の最大寸法よりも大きく形成されている。そのため、第1保持具54及び第2保持具55は、電線挿通孔363から脱落しない。すなわち、第1保持具54及び第2保持具55が電線挿通孔363の端縁部に当接することによって、保持具50は、基台34の第1面341の側に留まり、第2面342の側への移動が規制される。
【0130】
また、第1保持具54の第1本体部541及び第2保持具55の第2本体部551の上下方向Zに沿った長さ寸法は、基台34の厚さの寸法よりも大きく形成されている。そのため、電線挿通孔363の端縁と給電線38との間に、第1本体部541及び第2本体部551を配置することができる。その結果、電線挿通孔363の端縁による給電線38の外装383の損傷を防止でき、また、給電線38の導体382と電線挿通孔363の端縁との短絡を防止することができる。さらに、上記構成の保持具50を設けることによって、給電線38における導体382の露出部分と基台34との絶縁性能を確保することができる。
【0131】
また、保持具50においては、給電線38が第1挿通部5431に挿通された状態で、基台34に取り付けられる。そのため、灯具3の組み立て時、又は照明装置1の施工時に給電線38が引っ張られた場合であっても、給電線38、或いは、給電線38と接続される電源部40といった各部品の損傷を防止することができる。また、給電線38が電源部40から外れることを防止でき、給電線38の断線を防止できる。
【0132】
また、第1基部540及び第2基部550は、基台34と基板32との間に配置されている。第1基部540及び第2基部550が基板32によって覆われるため、第1基部540及び第2基部550が基台34から脱落することを防止できる。
【0133】
また、給電線38が第1案内部543の第1挿通部5431に挿通された状態で、第1案内部543内に第2本体部521が装着されることによって、給電線38の移動が規制される。そのため、灯具3においては、灯具3の組み立て時或いは照明装置1の施工時に、給電線38が引っ張られた場合であっても、給電線38、或いは、給電線38と接続される電源部40といった各部品の損傷を防止することができる。その結果、灯具3において、給電線38が電源部40から外れることを防止でき、給電線38の断線を防止することができる。
【0134】
また、第1案内部543と第2本体部551とは、保持具50が基台34に取り付けられた状態において、基台34の第2面342の長手方向Xに沿って隣接して配置される。保持具50を設けることによって、給電線38が保持されるともに、給電線38の導体382と基台34との間の絶縁が確保できるので、給電線38の敷設の向きを360°から自由に選択することができる。
【0135】
また、保持具50は、電源部40の一部を保持する電源保持部556を有している。保持具50が基台34に取り付けられた状態で、電源部40の一部が電源保持部556に挿入されることで、電源部40が基台34に保持される。さらに、電源部40の他の部分は、ネジ等の固定具85で、基台34に取り付けられる。このように、電源部40の他の部分を固定具85で固定することで、電源部40の一部と保持具50との保持状態が維持される。また、電源部40の一部を保持具50で保持することで、電源部40の姿勢が維持されやすいので、固定具85が経年変化で緩んでくることを防止できる。このように、電源保持部556と固定具85との相乗効果で、電源部40を安定して基台34に固定することができる。
【0136】
また、電源部40の当該一部は、電源ケース42に設けられた差込片420であり、電源保持部556は、当該差込片420を挿入する差込片挿入孔である。そのため、差込片420を電源保持部556に挿入するだけであるため、作業が容易である。また、差込片420は電源ケース42と一体成型できるため、容易かつ安価に形成することができる。
【0137】
また、照明装置1は、灯具3を備えているため、上述した灯具3の効果を発揮させることができる。
【0138】
実施の形態2.
実施の形態1と実施の形態2とは保持具50の構成が異なる。以下では、実施の形態2に係る光源ユニット30及び保持具50を、実施の形態1の光源ユニット30及び保持具50と区別して、光源ユニット30a及び保持具50aと呼ぶこととする。実施の形態2に係る灯具3の他の構成は、実施の形態1と同様であるため、同一符号を付して示し、ここでは、その説明を省略する。
【0139】
(保持具50a)
図24は、実施の形態2に係る保持具50aを説明するための灯具3の部分斜視図である。但し、
図24は、
図1及び
図2とは上下方向Zが逆向きになっており、すなわち、
図24では、上下方向Zの上向きZ1が下向きの矢印で示され、上下方向Zの下向きZ2が上向きの矢印で示されている。
図25は、実施の形態2に係る保持具50aの第1保持具51の構成を示す部分拡大斜視図である。
図26は、第1保持具51と第2保持具52との係合状態を電源部40と反対の側となる第2保持部524の側から視た背面図である。
図27は、第1保持具51と第2保持具52との係合状態を示す係止部分付近の長手方向Xに沿った断面図である。
【0140】
保持具50aには、給電線38を保持する電線保持部として、
図24に示すように、第1案内部513、第1保持部514、第2案内部523、及び、第2保持部524等が形成されている。これらについては後述する。また、保持具50aには、電源部40の一部を保持する電源保持部516(
図37参照)が設けられている。実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、電線保持部は、給電線38を保持し、また、給電線38を基台34の電線挿通孔363の周縁から離間させる。これにより、給電線38と基台34の電線挿通孔363との間が電気的に絶縁される。
【0141】
図30は、実施の形態2に係る給電線38を示す部分斜視図である。
図30は、保持具50aの第1保持具51と第2保持具52との係合の手順を示し、給電線38が保持具50によって保持される前の状態を示している。
図31は、給電線38が保持具50によって保持されている状態を示す斜視図である。
図32は、給電線38が電源部40に接続された状態を示す斜視図である。
【0142】
図37~
図38は、実施の形態2に係る灯具3に設けられた保持具50aの電源保持部516の構成を示す斜視図である。
図37は、電源部40が保持具50aに保持される前の状態を示し、
図38は、電源部40が保持具50aに保持された状態を示す。
【0143】
【0144】
保持具50aは、基台34における第1面341の側に配置される保持具基部と、基台34における第2面342の側に配置される保持具本体部と、保持具基部と保持具本体部とを繋ぎ、電線挿通孔363の内部に配置される保持具接続部とを有する。
【0145】
保持具50aは、給電線38を保持し、給電線38を保持した状態で基台34に固定する電線固定具であり、電線ホルダとも称する。そして、保持具50aは、電源部40の一部を保持した状態で基台34に固定する電源固定具であり、電源クランプとも称する。保持具50aは、電気絶縁性を有する材料で形成されている。保持具50aは、例えば、樹脂製である。保持具50aは、貫通孔である電線挿通孔363を塞ぐように基台34に取り付けられる。
【0146】
実施の形態2の保持具50aは、
図24に示すように、基台34の第1面341の側に取り付けられる第1保持具51と、基台34の第2面342の側に取り付けられる第2保持具52とを有する。第1保持具51は、第1ホルダともいい、第2保持具52は、第2ホルダとも称する。上記の実施の形態1においては、保持具50が上下方向Zに沿って左右2つに分割されていたが、実施の形態2においては、保持具50aは上下方向Zに垂直な水平方向に沿って上下2つに分割されている。
【0147】
(第1保持具51)
はじめに、第1保持具51について説明する。第1保持具51は、第1基部510と、第1本体部511と、第1接続部512とを有する。第1基部510と第1本体部511とは、第1接続部512を間にして接続されており一体的に形成されている。第1保持具51は、基台34に形成された突出部361の第1面341の側の保持具取付部360の窪み部分(凹部)に収まるように配置され、第1保持具51の一部が電線挿通孔363を挿通し、第2面342から突出するように構成されている。第1保持具51は、第1本体部511の、第1基部510の側の端部に、第1基部510と第1本体部511とを接続する部分である、第1接続部512が形成されている。
【0148】
第1基部510は、基台34において第1面341の側に配置される保持具基部である。第1基部510は、第1ベース部、或いは基部側延設部とも称する。第1基部510は、平板状に形成されている。第1基部510は、
図25に示すように、第1本体部511の上下方向Zの端部において、第1本体部511の端部から外側に向かって、鍔状に水平方向に延びている。すなわち、第1基部510は、第1本体部511の上下方向Zの端部において、第1本体部511の端部から、長手方向X且つ短手方向Yに延びるように形成されている。このように、保持具基部である第1基部510は、保持具接続部である第1本体部511の端部から基台34の第1面341に平行な方向に延設され、第1本体部511に対して鍔状に形成されている。
【0149】
第1基部510は、保持具取付部360の突出部361により形成された窪み部分(凹部)に収納される。第1基部510は、平面視で、配置部340の表面に沿った方向における最大寸法が、貫通孔である電線挿通孔363の最大寸法よりも大きく形成されている。そのため、第1基部510は、保持具50aが基台34に取り付けられると、頂部362と対向し、頂部362と当接する。保持具50aは、第1基部510が頂部362と当接することによって、上下方向Zの上向きZ1への移動、すなわち、天井等の被取付部9の側への移動が規制される。
【0150】
第1本体部511は、概略直方体の外観形状をなすように形成されている。第1本体部511は、基台34の第2面342の側に配置される保持具本体部である。第1本体部511は、本体部側延設部ともいう。保持具本体部である第1本体部511は、保持具接続部の第2面342の側の端部から基台34の第2面342に沿った方向に延設されている。第1本体部511は、第1保持具51を基台34に取り付ける際に電線挿通孔363を挿通する。このため、第1保持具51の第1本体部511は、電線挿通孔363を貫く方向に視て、配置部340に沿った方向における最大寸法が、貫通孔である電線挿通孔363の最大寸法よりも小さく形成されている。つまり、第1本体部511は、電線挿通孔363に沿った方向に視て、配置部340に沿った方向における最大寸法が、第1基部510の最大寸法よりも小さくなるように形成されている。
【0151】
第1接続部512は、保持具基部である第1基部510と、保持具本体部である第1本体部511とを繋ぐ保持具接続部である。第1接続部512は、電線挿通孔363の内部に配置される。このため、第1接続部512は、電線挿通孔363を貫く方向に視て、配置部340に沿った方向における最大寸法が、貫通孔である電線挿通孔363の最大寸法よりも小さく形成されている。そして、第1接続部512は、電線挿通孔363を貫く方向に視て、配置部340に沿った方向における最小寸法が、保持具本体部である第1本体部511の最大寸法よりも小さく形成されている。
【0152】
また、保持具接続部である第1接続部512の電線挿通孔363を貫く方向に沿った長さの寸法は、基台34の厚さの寸法よりも大きく形成されている。そのため、第1接続部512は、電線挿通孔363を挿通し、少なくとも一部は電線挿通孔363の内部に配置される。したがって、保持具50aが基台34に取り付けられた場合に、第1保持具51の第1本体部511は第2面342の側に突出する。
【0153】
第1保持具51は、給電線38の移動を規制するための第1規制部である第1保持部5
14を有する。第1保持部514は、第1本体部511の上面部5111の一部分には、
図23に示すように、突起状に形成された第1保持部514が形成されている。第1保持部514は、第1本体部511において、第1基部510の形成側とは反対側の面に形成されている。第1保持部514は、第1本体部511の上面部5111から、上下方向Zの上向きZ1方向に突出している。第1保持部514は、第1保持具51と第2保持具52とが組み合わされた状態において、第2保持具52に形成された第2規制部とによって一対の給電線38を押圧する押圧部である。そして、第1保持部514は、当該押圧によって、一対の給電線38の移動を規制する規制部である。この第1保持部514によって、給電線38は保持具50aに保持され、動かないように基台34に固定される。
【0154】
第1保持具51の第1本体部511は、電線挿通孔363を貫く方向に視て、配置部340に沿った方向における最大寸法が、第2保持具52の第2本体部521の最大寸法よりも小さく形成されている。したがって、第1本体部511は、第2本体部521の内部に配置される。第1本体部511には、
図30の矢印Bで示すように、第2本体部521がスライド装着される。
【0155】
保持具接続部である第1接続部512のうち、短手方向Yにおける両側面には、
図26に示すように、溝状に形成された係合溝部519が形成されている。係合溝部519は、第1基部510と第1本体部511との間に形成された内側に向かって凹む溝であり、照明装置1の長手方向Xに沿って延びるように形成されている。係合溝部519には、後述する第2保持具52の第2係合部525である係合鍔部529が係合される。係合溝部519は第1係合部515を構成する。そして、本体部側延設部である第1本体部511の第1基部510が配置されている側の端部は、第1係合部515として機能する。
【0156】
第1保持具51には、第1基部510、第1接続部512、及び、第1本体部511を貫くように第1案内部513が形成されている。第1案内部513には、上下方向Zに沿って給電線38を挿通させるための挿通部である第1挿通部5131が形成されている。第1挿通部5131には、給電線38が挿通される。第1挿通部5131は、給電線38を案内する案内孔、或いは案内溝である。
図24に示すように、第1案内部513は筒状をなし、第1本体部511の内部に形成されており、第1本体部511と一体に形成されている。第1挿通部5131は、第1案内部513の筒軸方向に沿って形成されている。給電線38は、第1案内部513を経由して、一端部380が配置部340の第1面341の側に配置され、他端部381が配置部340の第2面342の側に配置される。給電線38の他端部381は、第1案内部513を経由して第1保持部514へ案内される。また、給電線38の他端部381は、第1案内部513を経由して第2保持部524へ案内される。第1案内部513における第1基部510と反対側の端部5132の一部は、第2規制部とともに給電線38の保持する第1規制部として機能する。
【0157】
(第2保持具52)
次に、第2保持具52について説明する。
図28は、第2保持具52の内部構造を示す斜視図である。
図29は、第2保持具52の外観を示す斜視図である。第2保持具52は、
図24に示すように、長手方向Xに対して垂直な断面において、全体として概略C字形状に形成されている。第2保持具52は、長手方向Xに対して垂直な断面において、U字形状に形成されている第2本体部521を有する。第2本体部521は、本体部側延設部ともいう。第2本体部521は、基台34において第2面342の側に配置される。第2本体部521は、給電線38を保護するための電線保護部であり、保持具50を基台34に固定するための固定部である。保持具50は、電線保護部である第2本体部521が第2面342の側に配置された状態で基台34に取り付けられる。
【0158】
第2保持具52の第2本体部521は、電線挿通孔363を貫く方向に視て、配置部340に沿った方向における最大寸法が、第1保持具51の第1本体部511の最大寸法よりも大きく形成されている。そのため、第1保持具51と第2保持具52とが組み合わされた状態において、第2本体部521は、第1本体部511の外部に配置され、第2本体部521は、第1本体部511を覆う。
【0159】
そして、第2保持具52の第2本体部521は、電線挿通孔363を貫く方向に視て、
配置部340に沿った方向における最大寸法が、貫通孔である電線挿通孔363の最大寸法よりも大きく形成されている。そのため、保持具50aが基台34に取り付けられた状態では、第2本体部521は頂部362と対向し、頂部362と当接する。保持具50aは、第2本体部521は頂部362と対向し、頂部362と当接することによって、上下方向Zの下向きZ2への移動、すなわち、照明対象空間の側への移動が規制される。
【0160】
第2本体部521は、平面視で概略矩形状に形成されており、
図24に示すように、矩形の平板状に形成された第2基部520と、第2基部520の対向する2つの側辺からそれぞれ立ち上がる一対の第2側部526とを有する。
【0161】
第2基部520は、第2保持具52が第1保持具51に取り付けられた際に、第1本体部511の上面部5111と対向する位置に配置される壁を構成する天面部527と、天面部527における第1保持部514と対向する位置に形成される貫通孔である第2案内部523と、天面部527から上面部5111に向かって突出する第2保持部524とを有する。
【0162】
天面部527は、概略矩形状に形成されており、且つ、平板状に形成されている。第2保持部524は、天面部527に一部分に設けられた突起であり、天面部527との間に段差を形成する。第2保持部524は、第2基部520において、電源部40の配置側とは反対側の端部に沿って形成されている。天面部527の内側には、第1保持具51の上面部5111に向って突出するように係合爪部528が形成されている。
【0163】
なお、実施の形態2では、1つの係合爪部528が、第1保持具51の第1保持部514に係止されるように、天面部527の内側に形成された態様を例示している。第2保持具52は、これ以外に、例えば、2つの係合爪を第2側部526の内側に形成し、第1保持具51は、第1本体部511における両側面に2つの被係合爪部を形成してもよい。第1保持具51と第2保持具52との係合は、2つの係合爪と2つの被係合爪部とが相互に係止する構成を採用してもよい。
【0164】
第2保持部524は、第1保持具51と第2保持具52とが組み合わされた状態において、第2保持具52に形成された第2規制部とによって一対の給電線38を第1保持具51に押圧する押圧部である。そして、第2保持部524は、当該押圧によって、一対の給電線38の動きを規制する規制部である。この第2保持部524によって、給電線38は保持具50aに保持され、動かないように基台34に固定される。
【0165】
第2基部520に形成された第2案内部523は、第2保持具52が第1保持具51に取り付けられた際に、給電線38の他端部381の側を電源部40の配置側に向かうように捕捉する。第2案内部523は、給電線38を電源部40の側に向かわせる案内孔、或いは案内溝である。
【0166】
第2案内部523における電源部40の側の電源部側縁部5231は、第1保持具51と第2保持具52とが組み合わされた状態において、第1保持具51に形成された第1規制部とによって一対の給電線38を第1保持具51に押圧する押圧部である。電源部側縁部5231は、第1規制部とともに一対の給電線38を押圧することによって、一対の給電線38の動きを規制する規制部である。この電源部側縁部5231によって、給電線38は保持具50に保持され、動かないように基台34に固定される。
【0167】
第2側部526は、第2保持具52の側壁を形成する。第2側部526は、第2保持具52が第1保持具51に取り付けられた際に、第1保持具51の第1本体部511の長手方向Xに沿った側面部5112と対向する。第2側部526は、長手方向Xに沿って形成されており、第2基部520の対向する2つの側辺から、上下方向Zの下向きZ2の方向に延びるように形成されている。第2側部526における第2基部520と反対側の端部には、係合鍔部529が形成されている。係合鍔部529は、第2側部526における第2基部520と反対側の端部から、内側に向かって、第2基部520に沿った方向に延設された突状部である。そして、本体部側延設部である第2本体部521の、第1基部510が配置されている側の端部は、第2保持具52の第2係合部525として機能する。
【0168】
2つの係合鍔部529は、対向して配置され、短手方向Yに沿って、互いに近づく向きに突出するように形成されている。また、係合鍔部529は、長手方向Xに延びるように直方体状に形成されている。係合鍔部529は、第1保持具51の第1接続部512のうち、短手方向Yにおける両側面に形成された溝部である係合溝部519と係合する。係合溝部519と係合鍔部529とが係合することによって、第2保持具52と第1保持具51とが互いに固定される。また、保持具50aは、保持具基部である第1保持具51の第1基部510と第2保持具52の第2本体部521との間に基台34の少なくとも一部が配置された状態で基台34に取り付けられる。
【0169】
第2保持具52は、基台34の第2面342から突出した第1保持具51の第1本体部511を覆うようにスライド装着される。この際、係合溝部519と係合鍔部529とは相互に係合する。第2保持具52が第1保持具51に装着されると、第1保持具51と第2保持具52とによって、基台34に設けられた保持具取付部360の突出部361の頂部362が挟持され、保持具50aは、基台34の電線挿通孔363を覆うように取り付けられる。より詳細には、第2保持具52が第1保持具51に装着されると、第1保持具51の第1基部510と、第2保持具52の第2本体部521とによって、突出部361の頂部362が挟持される。
【0170】
図26に示すように、第1保持具51に対して第2保持具52がスライド装着され、第1保持具51の係合溝部519(第1係合部515)と第2保持具52の係合鍔部529(第2係合部525)とが相互に係合する。保持具50aは、第1保持具51の係合溝部519(第1係合部515)と第2保持具52の係合鍔部529(第2係合部525)とが相互に係合することによって、電線挿通孔363から外れなくなり基台34に固定される。
【0171】
上述したように、第2保持具52は、天面部527から上面部5111に向って突出するように形成された係合爪部528を有する。
図27に示すように、係合爪部528は、第2保持具52が第1保持具51にスライド装着され、第1保持具51と第2保持具52とが組み合わされた状態において、第1保持具51の第1保持部514に係止される。つまり、第1保持部514は第1保持具51の第1係合部515として機能し、係合爪部528は第2保持具52の第2係合部525として機能する。この係合爪部528と第1保持部514とによって第2保持具52の第1保持具51に対するスライド方向の移動が規制され、第2保持具52は第1保持具51に対して固定される。給電線38は、相互に固定された第1保持具51と第2保持具52とによって保持され、動かないように基台34に固定される。
【0172】
保持具50aは、上述した構成によって、給電線38を挿通させる第1挿通部5131が形成されており、第1挿通部5131に配置された給電線38の移動を規制するための第1保持部514と第2保持部524とからなる規制部を有する。また、保持具50aは、第1保持部514と第2保持部524とは、給電線38を両側から押圧することで、給電線38の移動を規制する。そして、保持具50aは、基台34に設けられた貫通孔である電線挿通孔363に挿通され、基台34の第2面342の側への移動が規制された状態で基台34に取り付けられる。換言すれば、保持具50aは、貫通孔である電線挿通孔363に取り付けられた状態で第2面342の側への移動が規制される。
【0173】
このように、第1本体部511に第2本体部521が装着された状態では、突出部361の頂部362に形成された電線挿通孔363の縁部の少なくとも一部が、第1基部510と第2本体部521との間に配置されることによって、保持具50aは電線挿通孔363を貫く方向に沿った移動が規制され、配置部340に取り付けられる。
【0174】
保持具50aは、第1挿通部5131が形成された第1案内部513と案内孔である第2案内部523とからなる案内部、及び、第1保持部が形成された第1本体部511と第2保持部524が形成された第2本体部521とからなる規制部を有している。給電線38は、第1案内部513及び第2案内部523によって案内される。そして、給電線38は、第1案内部513の第1挿通部5131に挿通された状態で、第1本体部511に第2本体部521が装着されることによって移動が規制される。さらに、給電線38は、第1保持部514と第2保持部524とによって、両側から押圧されることで移動が記載され、給電線38が保持具50aから脱落することを防止できる。
図24に示すように、第1保持具51の第1保持部514と、第2保持具52の第2保持部524とは、給電線38を間に挟んで、対向する位置にそれぞれ配置されている。給電線38は、第1挿通部5131が形成された第1案内部513と案内孔である第2案内部523とからなる案内部とによって、第1面341の側と第2面342の側とを繋ぐように案内される。
【0175】
図33は、灯具3において第1保持具51と基台34との長手方向Xに沿った断面図である。
図34は、
図33の第1保持具51に給電線38を配置した断面図である。
図35は、
図34の給電線38を折り曲げた断面図である。
図36は、第1保持具51に第2保持具52を取り付けた断面図である。
図33~
図36を用いて、更に保持具50aに対する給電線38の保持の詳細について説明する。
【0176】
図33に示すように、第1保持具51は、第1基部510が基台34に形成された突出部361の第1面341の側の窪み部(凹部)に収まるように保持具取付部360に取り付けられる。
【0177】
図34に示すように、予め、一端部380の側の外装383が除去された給電線38を、導体382が露出した状態で、一端部380を基台34の第2面342側から第1面341の側に向かって、第1保持具51の第1挿通部5131に挿通させる。なお、先に基板32が基台34に固定されてもよく、この場合、給電線38の一端部380を基台34の第2面342側から基板32の一面320の側に向かって、第1保持具51の第1挿通部5131と基板貫通孔322とに挿通させる。
【0178】
図35に示すように、給電線38は、第1挿通部5131の第1基部510と反対の側の端部5132付近で電源部40の側に向かって屈曲される。給電線38は、第1挿通部5131に挿通される方向(Z)と交わる方向に向かって屈曲されるため、一端部380が第1挿通部5131に挿通される方向(Z)と交わる方向に沿う張力を受けても第1挿通部5131から外れない。また、給電線38は、第1挿通部5131に挿通される方向(Z)と交わる方向に向かって屈曲されるため、他端部381が第1挿通部5131に挿通される方向(Z)に沿う張力を受けても第1挿通部5131から外れない。このように、第1挿通部5131の第1基部510と反対の側の端部5132は、給電線38の移動を規制する規制部(第1規制部)として機能する。
【0179】
第1保持具51に対して第2保持具52がスライド装着された状態では、給電線38は、第1案内部513である第1挿通部5131と第2案内部523とによって配線の経路(配置される場所)が決まる。そして、給電線38は、第1挿通部5131の第1基部510と反対の側の端部5132(第1規制部)と第2保持部524(第2規制部)とによって保持されて移動が規制される。また、給電線38は、第2保持部524(第2規制部)と第1保持部514(第1規制部)とによって保持されて移動が規制される。更に、給電線38は、第1保持部514(第1規制部)と第2案内部523における電源部40の側の電源部側縁部5231(第2規制部)とによって保持されて移動が規制される。第1保持具51に対して第2保持具52が装着されることによって、保持具50aは、基台34に固定される。給電線38は、規制部が基台34に固定された状態で、基台34からの移動が規制される。
【0180】
(保持具固定部56a)
次に、
図24を用いて、保持具固定部56aについて説明する。上述のように、第2保持具52の第2本体部521は、電線挿通孔363を貫く方向に視て、配置部340に沿った方向における最大寸法が、貫通孔である電線挿通孔363の最大寸法よりも大きく形成されているので、第1保持具51に対して第2保持具52が装着されることによって、保持具50aは、基台34に固定される。すなわち、実施の形態2の保持具50aにおいて、第2保持部524は保持具固定部56aとして機能する。
【0181】
詳しくは、保持具固定部56aは、
図26及び
図27に示すように、第2保持具52の第2本体部521が有する係合鍔部529(第2係合部525)、係合鍔部529のうち、第1本体部511よりも長手方向Xに沿って張り出している第1張出部530、及び、第2側部526のうち、係合爪部528よりも長手方向Xに沿って電源部40の側に張り出している第2張出部531から構成されている。
【0182】
第2保持具52が第1保持具51に取り付けられた状態で、第1張出部530は、電線挿通孔363を貫く方向に沿って電線挿通孔363を形成する頂部362の縁部と重なる。つまり、電線挿通孔363の縁部である頂部362の少なくとも一部は第1基部と第1張出部530との間に配置され、保持具50aは、電線挿通孔363を貫く方向に沿った移動が規制され、基台34の配置部340に固定される。
【0183】
また、電源部40が基台34に固定された状態で、第2張出部531は、電線挿通孔363を貫く方向に沿って電源ケース42の長手方向Xにおける端部と重なる。つまり、基台34に固定された電源ケース42の少なくとも一部は第2張出部531と頂部362との間に配置され、保持具50aは、電線挿通孔363を貫く方向に沿った移動が規制され、基台34の配置部340に固定される。第2張出部531は、
図27~
図29及び
図37に示すように、第1張出部530の電源部40の側の端部から、電源部40の側にL3だけ張り出している。
【0184】
(電源保持部556)
次に、
図37及び
図38を用いて、電源保持部516について説明する。
図37は、電源部40が保持具50aに保持される前の状態を示し、
図38は、電源部40が保持具50aに保持された状態を示す。
【0185】
保持具50aの保持具接続部には、
図37に示すように、電源保持部5510が設けられている。電源保持部516は、
図37に示すように、保持具50aの第1保持具51に形成されている凹部、又は貫通孔である。電源保持部516は、電源部40の少なくとも一部が挿入され、当該一部を保持する。電源部40には、
図37に示すように、電源ケース42の保持具50の側の端部に差込片420が設けられている。電源保持部516は、差込片420に対する相補形状を有している。電源保持部516は、差込片420が挿入される差込片挿入孔として機能する。電源部40は基台34に取り付けられる際に、電源部40の差込片420が保持具50aの電源保持部516に差し込まれる。
【0186】
さらに、実施の形態1で説明したように、基台34には、
図4に示すように、ネジ挿通孔354と電源固定部356とが設けられている。また、電源ケース42には、
図4及び
図5に示すように、ネジ挿通孔421が設けられている。
図4及び
図5に示すように、ネジ等の固定具85を、ネジ挿通孔354及びネジ挿通孔421に挿入して締結する。電源ケース42は、電源保持部5110と固定具85との両方によって、基台34に固定される。
【0187】
このように、電源部40の一部である差込片420は、保持具50aの電源保持部5110によって保持される。また、電源部40の当該一部を除く他の部分は、固定具85によって基台34に固定される。このように、固定具85で基台34に電源部40の他の部分を固定することにより、電源部40の一部である差込片420の保持具50aに対する保持状態が維持される。また、保持具50aは、電源部40が基台34に取り付けられた状態で、基台34に固定される。これにより、電源部40の移動が規制される。
【0188】
(給電線38の保持及び接続の手順)
給電線38の保持及び接続の手順について、
図24~
図32を用いて説明する。
【0189】
(手順1)
図24に示すように、基台34には、保持具取付部360が形成される。保持具取付部360は、電線挿通孔363を含む。保持具50aは、基台34の第1面341の側に突出しないように取り付けられる。そのため、基台34において、保持具50aが取り付けられる部分は、絞り加工等によって第2面342の側に突出する突出部361が設けられ、突出部361の頂部362に電線挿通孔363が設けられる。
【0190】
(手順2)
図25の矢印で示される方向に、基台34の第1面341の側に第1保持具51が取り付けられる。なお、
図25では、給電線38の図示を省略している。第1保持具51は、第1基部510が基台34に形成された突出部361の第1面341の側の窪み部(凹部)に収まるように保持具取付部360に取り付けられる。この状態で、第1保持具51の一部である第1本体部511は、電線挿通孔363を挿通し、基台34の第2面342の側に突出する。
【0191】
なお、第1基部510の最大寸法は、電線挿通孔363の最大寸法よりも大きくなるように形成されているので、第1基部510は、電線挿通孔363を通過しない。すなわち、第1保持具51は、第1基部510が電線挿通孔363を形成する頂部362の縁部に引っ掛かることによって、基台34の第1面341の側に留まり、第2面342の側への移動が規制される。
【0192】
(手順3)
基板32は、接着剤等の接着部材87(
図12参照)を用いて、基台34の第1面341に接着固定される。この際、
図24に示すように、電線挿通孔363を貫く方向において、第1保持具51の第1案内部513に設けられた貫通孔である第1挿通部5131と、基板32に設けられた基板貫通孔322とが重なるように、基板32の位置が決められる。なお、基板32と基台34との固定は、接着剤の代わりに粘着シート、ネジ、リベット等を使用してもよい。
【0193】
第1保持具51の第1基部510は、突出部361の第1面341の側の窪み部分(凹部)に収まるように形成されているため、基板32の基台34に対する接着固定を妨げることがない。この状態において、保持具基部である第1基部510は、基台34と光源部31の基板32との間に配置されている。そして、基板32が基台34に接着固定されることによって、第1保持具51が基台34から取り外される方向において、第1保持具51は、基板32によって覆われるため、第1保持具51は、基台34から脱落しない状態となる。
【0194】
(手順4)
給電線38の一端部380の側の外装383を除去し、導体382を露出させた状態で、一端部380を基台34の第2面342の側から、第1保持具51の第1挿通部5131と基板32の基板貫通孔322とに挿通させる。すなわち、給電線38の一端部380は、第1保持具51の第1挿通部5131と、基板32の基板貫通孔322とを貫通する。給電線38は、一端部380の導体382が基板32の一面320の側に露出するように基板貫通孔322に挿通される。
【0195】
この際、給電線38は、第1保持具51内に配置された状態で基台34の電線挿通孔363を貫通する。給電線38と、電線挿通孔363を形成する基台34の縁部との間には第1保持具51が存在するため、給電線38と、電線挿通孔363を形成する基台34の縁部とは接することがない。すなわち、給電線38は、貫通孔である電線挿通孔363の縁部に接触しないように保持具50aに取り付けられる。換言すれば、保持具50aは、貫通孔である電線挿通孔363の縁部に給電線38が接触しないように基台34に取り付けられる。
【0196】
実施の形態2では、給電線38の一端部380は、露出させた導体382を基板32の受電部324に接続する構成を示している。なお、給電線38と受電部324との接続は当該構成に限定されるものではない。例えば、灯具3は、予め、端子、或いはコネクタといった接続部品を一端部380に取り付け、基板32に実装された端子、或いはコネクタといった実装部品と接続部品とが接続される構成でもよい。
【0197】
実施の形態2では、給電線38の一端部380は、基板32を貫通する構成を示している。なお、給電線38と基板32との関係は当該構成に限定されるものではない。例えば、給電線38の一端部380は、基板32を貫通しない経路で配置されてもよい。
【0198】
(手順5)
基板32の一面320の側に給電線38の導体382が露出した状態を維持しながら、
図30の矢印Bで示すように、第2保持具52を第1保持具51の第1本体部511にスライド装着して、
図31に示す状態にする。この状態で、保持具50aは、給電線38を保持した状態で、基台34に固定される。
【0199】
第1保持具51の第1本体部511と第2保持具52とには、互いに係合する係合機構が設けられている。この係合機構は、
図25に示す、第1本体部511に形成された第1係合部515と、
図24に示す、第2保持具52に形成された第2係合部525である。第1係合部515が溝状に形成され、第2係合部525が突状に形成されている。第2保持具52を第1保持具51にスライド装着させる際に、突状に形成された第2係合部525が、溝状に形成された第1係合部515に案内される。これにより、第2保持具52は第1保持具51に対して正しい位置に装着される。
【0200】
第2保持具52の最大寸法は、電線挿通孔363の最大寸法よりも大きくなるように形成されているので、第2保持具52は、電線挿通孔363を通過しない。すなわち、第2保持具52は、第1保持具51の第1本体部511に装着された状態で、電線挿通孔363の縁部に引っ掛かることによって基台34の第2面342の側に留まり、第1面341の側への移動が規制される。
【0201】
保持具50aは、第2保持具52を第1保持具51の第1本体部511に装着することによって、基板32が基台34の第1面341に接着固定されていなくても、保持具50aの基台34に対する取り付け状態は維持される。
【0202】
(手順6)
給電線38の他端部381の側の導体382が、
図32に示すように、上下方向Zの下向きZ2に向かって緩やかに折り曲げられる。その後、導体382は、電源部40の出力端子41に差し込まれて、給電線38が電源部40に接続される。なお、導体382と出力端子41との接続は、導体382が出力端子41に差し込まれる態様に限定されるものではない。
【0203】
(手順7)
基板32の一面320の側では、上述した
図13に示すように、給電線38の一端部380の側の導体382が、基板32の一面320から露出している。当該露出した導体382の先端は、受電部324に近付くように、受電部324の側に折り曲げられる。
【0204】
手順7は、導体382と受電部324との接続において、レーザを用いてはんだ付け、溶接といった接続を行う場合に、保持具50a、或いは給電線38を保護するために行う手順である。手順7は、レーザが基板貫通孔322を通過して、基板32の他面321の側に配置されている保持具50a、或いは給電線38の外装383を損傷させることがないように、基板貫通孔322から離れた位置で接続を行うための工夫である。
【0205】
(手順8)
図24に示すように、はんだ等の接続部材(図示は省略)を用いて、給電線38の一端部380の側の導体382が受電部324に接続される。なお、導体382と受電部324との接続は、はんだの他、異方性導電部材を用いた接続、或いは溶接による接続を採用することができる。
【0206】
手順7及び手順8に示すように、実施の形態2では、給電線38の一端部380は、基板32の一面320の側で受電部324に接続される構成を示している。なお、給電線38の一端部380と受電部324との接続は、当該構成に限定されるものではない。例えば、給電線38の一端部380は、基板32の他面321の側で受電部324と接続されてもよい。
【0207】
灯具3は、手順5によって、給電線38が保持具50aに保持された状態で基台34に固定されており、手順7及び手順8を完了した後に手順6を実施しても給電線38と受電部324との接続部分にストレスが加わらない。
【0208】
また、灯具3は、手順5を完了した後であれば、手順6と手順7及び手順8との順番を限定することなく灯具3の組み立て作業を行うことができる。
【0209】
なお、上記の実施の形態1においては、給電線38と電源部40との接続方法、及び、給電線38と受電部324との接続方法についての説明を省略した。しかしながら、実施の形態1においても、実施の形態2の手順6~手順8と同様の処理を行って、給電線38と電源部40との接続、及び、給電線38と受電部324との接続を行うようにすればよい。
【0210】
また、実施の形態1及び実施の形態2のいずれにおいても、保持具50及び50aは、電源部40が基台34に取り付けられた状態で基台34に固定される。しかしながら、この場合に限らず、電源部40が、保持具50及び50aが基台34に取り付けられた状態で基台34に固定されるようにしてもよい。すなわち、電源部40、又は電源ケース42を基台34に取り付けた後に、保持具50及び50aを取り付けてもよい。或いは、逆に、保持具50及び50aを取り付けた後に、電源部40、又は電源ケース42を基台34に取り付けてもよい。
【0211】
(電源部40の保持の手順)
図37及び
図38を用いて、実施の形態2に係る電源部40の保持の手順を説明する。
【0212】
(手順1)
図37に示すように、電源部40の電源ケース42に設けられた差込片420を、矢印Cの方向に移動させて、保持具50aの電源保持部5110に挿入する。それにより、
図38に示すように、電源部40の電源ケース42と保持具50aとが連結される。
【0213】
(手順2)
次に、電源部40の電源ケース42と保持具50aとを連結させた状態で、
図4及び
図5に示すように、ネジ等の固定具85を、電源固定部356のネジ挿通孔354に挿入し、電源ケース42のネジ挿通孔421に挿入して締結する。
【0214】
なお、
図31及び
図32に示すように、上記の手順1及び手順2は、予め、電源部40の電源装置44及び電源カバー43を電源ケース42に装着した状態で、上記の手順1及び手順2を行ってもよい。しかし、これに限定されず、
図37及び
図38に示すように、電源部40の電源装置44及び電源カバー43を電源ケース42に装着しない状態で、上記の手順1及び手順2を行ってもよい。この場合には、手順1及び手順2の終了後に、電源部40の電源装置44及び電源カバー43を電源ケース42に装着する。また、図示は省略するが、電源部40の電源カバー43のみを電源ケース42に装着しない状態で、上記の手順1及び手順2を行ってもよい。この場合には、手順1及び手順2の終了後に、電源部40の電源カバー43を電源ケース42に装着する。
【0215】
なお、
図37及び
図38に示すように、実施の形態2では、電源部40が保持具50aに連結された状態で、電源ケース42の差込片420以外の一部と保持具50aの第2張出部531とは、長手方向Xに沿った寸法L3だけ重なるようになっている。
【0216】
[灯具3及び照明装置1の作用効果]
灯具3は、保持具50aを備えている。この保持具50aは、給電線38を挿通させる第1挿通部5131が形成されており、第1挿通部5131に配置された給電線38の移動を規制するための第1保持部514と第2保持部524とからなる規制部を有する。そして、保持具50aは、貫通孔である電線挿通孔363に挿通され基台34の第2面342の側への移動が規制された状態で基台34に取り付けられる。
【0217】
灯具3は、上記構成の保持具50aを有することによって、灯具3の組み立て時、或いは照明装置1の施工時に給電線38が引っ張られた場合であっても、給電線38と基板32との接続部分に応力が加わらないように給電線38を保持することができる。そのため、灯具3は、組み立て時、或いは照明装置1の施工時に給電線38が引っ張られた場合であっても、給電線38、或いは第2面342の側に配置されて給電線38と接続される電源部40といった部品の損傷を防止することができる。また、灯具3は、給電線38が電源部40から外れることを防止でき、給電線38の断線を防止できる。
【0218】
また、灯具3は、上記構成の保持具50aを有することによって、電線挿通孔363の端縁による給電線38の外装383の損傷、及び給電線38の導体382と電線挿通孔363の端縁との短絡を防止することができる。また、上記構成の保持具50aを有することによって、給電線38における導体382の露出部分と基台34との絶縁性能を確保することができる。
【0219】
また、給電線38は、上記構成の保持具50aに保持されて、基台34に固定されているので、灯具3を組み立てる際、及び照明装置1を施工する際に、給電線38と受電部324との接続部分にストレスが加わらない。
【0220】
また、給電線38は、貫通孔である電線挿通孔363の縁部に接触しないように保持具50aに取り付けられる。そのため、灯具3は、電線挿通孔363の端縁による給電線38の外装383の損傷、及び給電線38の導体382と電線挿通孔363の端縁との短絡を防止することができる。また、上記構成の保持具50aを有することによって、給電線38における導体382の露出部分と基台34との絶縁性能を確保することができる。
【0221】
また、保持具50aは、貫通孔である電線挿通孔363を塞ぐように基台34に取り付けられる。そのため、灯具3は、電線挿通孔363の端縁による給電線38の外装383の損傷、及び給電線38の導体382と電線挿通孔363の端縁との短絡を防止することができる。また、上記構成の保持具50aを有することによって、給電線38における導体382の露出部分と基台34との絶縁性能を確保することができる。
【0222】
また、保持具基部である第1基部510の最大寸法は、電線挿通孔363の最大寸法よりも大きく形成されており、保持具本体部である第2本体部521の最大寸法は、電線挿通孔363の最大寸法よりも大きく形成されている。また、保持具接続部である第1本体部511の最大寸法は、保持具本体部である第2本体部521の最大寸法よりも小さく形成されている。そのため、第2保持具52は電線挿通孔363を通過しない。すなわち、第2保持具52は、第1保持具51の第1本体部511に装着された状態で、電線挿通孔363の端縁部に引っ掛かることによって基台34の第2面342の側に留まり、第1面341の側への移動が規制される。また、保持具50aは、第1保持具51と第2保持具52とによって、基台34が挟持され、保持具50aは、基台34の電線挿通孔363を塞ぐように取り付けられる。
【0223】
また、保持具接続部である第1本体部511の電線挿通孔363を貫通する方向に沿った長さ寸法は、基台34の厚さの寸法よりも大きく形成されている。灯具3は、当該構成により、電線挿通孔363の端縁と給電線38の外装383との間に第1本体部511を配置することができる。その結果、灯具3は、電線挿通孔363の端縁による給電線38の外装383の損傷、及び給電線38の導体382と電線挿通孔363の端縁との短絡を防止することができる。また、上記構成の保持具50aを有することによって、給電線38における導体382の露出部分と基台34との絶縁性能を確保することができる。
【0224】
また、保持具50aは、保持具基部である第1基部510と第2係合部525との間に基台34の少なくとも一部が配置された状態で基台34に取り付けられる。そのため、灯具3は、組み立て時、或いは照明装置1の施工時に給電線38が引っ張られた場合であっても、給電線38、或いは第2面342の側に配置されて給電線38と接続される電源部40といった部品の損傷を防止することができる。また、灯具3は、給電線38が電源部40から外れることを防止でき、給電線38の断線を防止できる。
【0225】
また、保持具基部である第1基部510は、基台34と光源部31との間に配置されている。第1保持具51が基台34から取り外される方向において、保持具50aは、第1基部510が光源部31によって覆われるため、第1保持具51が基台34から脱落することを防止できる。
【0226】
また、給電線38は、第1案内部513の第1挿通部5131に挿通された状態で、第1案内部513に固定部である第2本体部521が装着されることによって移動が規制される。そのため、灯具3は、組み立て時、或いは照明装置1の施工時に給電線38が引っ張られた場合であっても、給電線38、或いは第2面342の側に配置されて給電線38と接続される電源部40といった部品の損傷を防止することができる。また、灯具3は、給電線38が電源部40から外れることを防止でき、給電線38の断線を防止できる。
【0227】
また、第1案内部513と固定部である第2本体部521とは、保持具50aが基台34に取り付けられた状態で、貫通孔である電線挿通孔363を貫通する方向に沿った方向に隣接して配置される。そのため、保持具50aは、第2保持具52を第1保持具51にスライド装着させることができる。また、保持具50aは、上記構成によって、給電線38を電源部40の方向に向かって配線することができる。灯具3は、上記構成によって、組み立て時、或いは照明装置1の施工時に給電線38が引っ張られた場合であっても、給電線38、或いは第2面342の側に配置されて給電線38と接続される電源部40といった部品の損傷を防止することができる。また、灯具3は、給電線38が電源部40から外れることを防止でき、給電線38の断線を防止できる。
【0228】
また、照明装置1は、灯具3が器具2に装着された状態で、基台34の第2面342と器具2との間には、光源部31に電力を供給する電源部40が配置されており、給電線38の他端部381は、電源部40と電気的に接続される。照明装置1は、保持具50aを有するため、組み立て時、或いは照明装置1の施工時に給電線38が引っ張られた場合であっても、給電線38、或いは第2面342の側に配置されて給電線38と接続される電源部40といった部品の損傷を防止することができる。また、照明装置1は、給電線38が電源部40から外れることを防止でき、給電線38の断線を防止できる。
【0229】
また、保持具50aは、電源部40の一部を保持する電源保持部5110を有している。保持具50aが基台34に取り付けられた状態で、電源部40の一部が電源保持部5110に挿入されることで、電源部40が基台34に保持される。さらに、電源部40の他の部分は、ネジ等の固定具85で、基台34に取り付けられる。このように、電源部40の他の部分を固定具85で固定することで、電源部40の一部と保持具50aとの保持状態が維持される。また、電源部40の一部を保持具50aで保持することで、電源部40の姿勢が維持されやすいので、固定具85が経年変化で緩んでくることを防止できる。このように、電源保持部556と固定具85との相乗効果で、電源部40を安定して基台34に固定することができる。
【0230】
また、電源部40の当該一部は、電源ケース42に設けられた差込片420であり、電源保持部556は、当該差込片420を挿入する差込片挿入孔である。そのため、差込片420を電源保持部5110に挿入するだけであるため、作業が容易である。また、差込片420は電源ケース42と一体成型できるため、容易かつ安価に形成することができる。
【0231】
また、照明装置1は、灯具3を備えているため、上述した灯具3の効果を発揮させることができる。
【符号の説明】
【0232】
1 照明装置、2 器具、3 灯具、9 被取付部、20 器具本体部、21 器具端部、22 灯具装着部、23 バネ、24 端子台、25 器具側電線、30 光源ユニット、30a 光源ユニット、31 光源部、32 基板、33 発光部、34 基台、38 給電線、39 外郭部、40 電源部、41 出力端子、42 電源ケース、43 電源カバー、44 電源装置、50 保持具、50a 保持具、51 第1保持具、52 第2保持具、54 第1保持具、55 第2保持具、56 保持具固定部、60 バネ受具、70 灯具側電線、80 電線配置具、85 固定具、87 接着部材、200 天面部、201 側面部、202 傾斜面部、210 ノックアウト部、320 一面、321 他面、322 基板貫通孔、324 受電部、340 配置部、341 第1面、342 第2面、343 側部、350 バネ受具取付孔、351 バネ受具固定部、352 電線配置具取付孔、353 電線配置具固定部、354 ネジ挿通孔、356 電源固定部、360 保持具取付部、361 突出部、362 頂部、363 電線挿通孔、380 一端部、381 他端部、382 導体、383 外装、390 カバー主部、391 透光部、392 取付部、393 第1取付部、394 第2取付部、395 カバー端部、420 差込片、421 ネジ挿通孔、510 第1基部、511 第1本体部、512 第1接続部、513 第1案内部、514 第1保持部、515 第1係合部、516 電源保持部、519 係合溝部、520 第2基部、521 第2本体部、522 第2接続部、523 第2案内部、524 第2保持部、525 第2係合部、526 第2側部、527 天面部、528 係合爪部、529 係合鍔部、530 第1張出部、531 第2張出部、540 第1基部、541 第1本体部、542 第1接続部、543 第1案内部、544 第1保持部、545 第1係合部、546 保持具固定部、547 第1対向部、548 係合爪挿入孔、549 係合爪係合部、550 第2基部、551 第2本体部、552 第2接続部、553 第2案内部、554 第2保持部、555 第2係合部、556 電源保持部、557 第2対向部、558 位置決め孔、559 位置決め部、560 第1固定部、561 第2固定部、5111 上面部、5131 第1挿通部、5132 端部、5431 第1挿通部、5510 電源保持部。