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特許7561546エネルギー管理装置、エネルギー管理システムおよびエネルギー管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】エネルギー管理装置、エネルギー管理システムおよびエネルギー管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20240927BHJP
   B64F 1/36 20240101ALI20240927BHJP
   B64F 1/22 20240101ALI20240927BHJP
   G06Q 50/06 20240101ALI20240927BHJP
   H02J 3/00 20060101ALI20240927BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20240927BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20240927BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
G06Q10/06
B64F1/36
B64F1/22
G06Q50/06
H02J3/00 170
H02J3/32
H02J3/38 110
H02J7/34 H
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020150500
(22)【出願日】2020-09-08
(65)【公開番号】P2022045029
(43)【公開日】2022-03-18
【審査請求日】2023-03-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】西尾 直樹
【審査官】松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-135877(JP,A)
【文献】特開2012-178909(JP,A)
【文献】特開2015-060570(JP,A)
【文献】特開2015-156785(JP,A)
【文献】国際公開第2013/145234(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/038264(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
B60L 1/00- 3/12
B60L 7/00-13/00
B60L 15/00-58/40
B64F 1/00- 5/60
H01M 8/04- 8/0668
H01M 10/42-10/48
H02J 3/00- 7/12
H02J 7/34- 7/36
H02J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機に搭載される蓄電池の残量を取得する取得部と、
空港に着陸予定の前記航空機である第1航空機の着陸時の前記蓄電池の残量を予測する残量予測部と、
前記残量予測部によって予測された予測値を用いて空港の設備である空港設備の電力の利用計画である電力利用計画を作成する計画作成部と、
を備え
前記残量予測部は、過去に運航された前記第1航空機または前記第1航空機以外の前記航空機である第2航空機の過去の飛行で取得された前記蓄電池の残量と対応する時刻とを示す情報と、飛行中の前記第1航空機から取得された前記蓄電池の残量を示す情報とに基づいて前記第1航空機の着陸時の前記蓄電池の残量を予測することを特徴とするエネルギー管理装置。
【請求項2】
前記空港設備は、前記空港における作業に用いられる電動化された車両を含み、
前記計画作成部は、前記蓄電池を放電させて前記車両を充電する充電計画を含むことを特徴とする請求項1に記載のエネルギー管理装置。
【請求項3】
前記計画作成部は、前記蓄電池を放電させて充電する前記車両である充電対象の車両を、前記航空機の着陸に関する作業で用いられる前記車両のなかから選択することを特徴とする請求項に記載のエネルギー管理装置。
【請求項4】
前記計画作成部は、前記車両の現在位置を取得し、前記現在位置と前記航空機の駐機場所とに基づいて、前記充電対象の車両を選択することを特徴とする請求項に記載のエネルギー管理装置。
【請求項5】
前記計画作成部は、前記駐機場所との距離が短い前記車両を優先して前記充電対象の車両として選択することを特徴とする請求項に記載のエネルギー管理装置。
【請求項6】
前記計画作成部は、前記車両の蓄電池の残量に基づいて、前記充電対象の車両を選択することを特徴とする請求項からのいずれか1つに記載のエネルギー管理装置。
【請求項7】
前記計画作成部は、さらに前記航空機の着陸に関する作業の前記車両ごとの作業時間に基づいて、前記充電対象の車両を選択することを特徴とする請求項に記載のエネルギー管理装置。
【請求項8】
前記計画作成部は、前記電力利用計画に基づいて、前記車両の運用計画である車両運用計画を作成することを特徴とする請求項からのいずれか1つに記載のエネルギー管理装置。
【請求項9】
前記電力利用計画は、前記空港に設けられて前記蓄電池以外を電源として前記車両の充電を行う充電設備を用いた前記車両の充電計画をさらに含むことを特徴とする請求項からのいずれか1つに記載のエネルギー管理装置。
【請求項10】
前記空港設備は、前記空港における空気調和設備、照明器具および通信機器のうち少なくとも1つを含み、
前記計画作成部は、災害発生時の前記電力利用計画である災害時電力利用計画を作成することを特徴とする請求項1に記載のエネルギー管理装置。
【請求項11】
前記計画作成部は、前記空港に設置される非常用発電機により発電された発電電力をさらに用いて前記災害時電力利用計画を作成することを特徴とする請求項1に記載のエネルギー管理装置。
【請求項12】
前記計画作成部は、前記空港が災害拠点となる期間である災害拠点期間における前記災害時電力利用計画を作成することを特徴とする請求項1に記載のエネルギー管理装置。
【請求項13】
前記残量予測部は、前記災害拠点期間に前記空港に着陸予定の前記第1航空機の着陸時の前記蓄電池の残量を予測し、
前記計画作成部は、
前記空港に着陸済みの前記航空機の前記蓄電池の残量と前記残量予測部によって予測された前記災害拠点期間に前記空港に着陸予定の前記第1航空機の着陸時の前記蓄電池の残量とを用いて前記災害拠点期間における前記災害時電力利用計画を作成することを特徴とする請求項1に記載のエネルギー管理装置。
【請求項14】
前記空港において収容可能な人数である収容人数を用いて、前記空港設備の消費電力を予測する消費電力予測部、
を備え、
前記計画作成部は、前記消費電力予測部により予測された消費電力を用いて、前記災害拠点期間における前記災害時電力利用計画を作成することを特徴とする請求項1または1に記載のエネルギー管理装置。
【請求項15】
前記計画作成部は、前記災害拠点期間における前記災害時電力利用計画において電力の余剰が生じる場合には、前記災害拠点期間および前記収容人数のうち少なくとも1つを増加させるように変更して前記災害時電力利用計画を再作成することを特徴とする請求項1に記載のエネルギー管理装置。
【請求項16】
前記空港設備は、前記空港における作業に用いられる電動化された車両を含み、
前記計画作成部は、前記災害拠点期間における前記災害時電力利用計画において電力不足が生じる場合には、前記車両の蓄電池の残量をさらに用いて前記災害時電力利用計画を作成することを特徴とする請求項1から1のいずれか1つに記載のエネルギー管理装置。
【請求項17】
空港の設備である空港設備と、
前記空港設備の電力を管理するエネルギー管理装置と、
を備え、
前記エネルギー管理装置は、
航空機に搭載される蓄電池の残量を取得する取得部と、
前記空港に着陸予定の前記航空機である第1航空機の着陸時の前記蓄電池の残量を予測する残量予測部と、
前記残量予測部によって予測された予測値を用いて前記空港設備の電力の利用計画である電力利用計画を作成する計画作成部と、
を備え
前記残量予測部は、過去に運航された前記第1航空機または前記第1航空機以外の前記航空機である第2航空機の過去の飛行で取得された前記蓄電池の残量と対応する時刻とを示す情報と、飛行中の前記第1航空機から取得された前記蓄電池の残量を示す情報とに基づいて前記第1航空機の着陸時の前記蓄電池の残量を予測することを特徴とするエネルギー管理システム。
【請求項18】
コンピュータに、
航空機に搭載される蓄電池の残量を取得する取得ステップと、
空港に着陸予定の前記航空機である第1航空機の着陸時の前記蓄電池の残量を予測する予測ステップと、
前記蓄電池の残量を用いて空港の設備である空港設備の電力の利用計画である電力利用計画を作成する計画作成ステップと、
を実行させ
前記予測ステップは、過去に運航された前記第1航空機または前記第1航空機以外の前記航空機である第2航空機の過去の飛行で取得された前記蓄電池の残量と対応する時刻とを示す情報と、飛行中の前記第1航空機から取得された前記蓄電池の残量を示す情報とに基づいて前記第1航空機の着陸時の前記蓄電池の残量を予測することを特徴とするエネルギー管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空港におけるエネルギーを管理するエネルギー管理装置、エネルギー管理システムおよびエネルギー管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
地球温暖化対策のために、近年、様々な分野で二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出量の削減が進められている。航空機そのものおよび空港においても、環境負荷の低減が求められている。
【0003】
特許文献1には、空港の設備の一例である乗客乗降用車両が、太陽電池を備え、補機を使用する際に太陽電池によって発電された電力を用いることで、エンジンを駆動させることなく補機を駆動させる技術が開示されている。これにより、特許文献1の技術では、燃料の消費を抑制することができ、環境負荷を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-133066号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
今後、地球温暖化対策のために、空港における業務車両の電動化が進むと考えられ、業務車両の充電のための電力消費が増えることが予想される。特許文献1に記載の技術では、太陽電池により発電された電力で補機を駆動させることはできるが、電動車両の走行に必要な電力を賄うことはできず、環境負荷の低減の効果は限定的である。空港におけるさらなる環境負荷の低減が求められている。
【0006】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、空港における環境負荷を抑制することができるエネルギー管理装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示にかかるエネルギー管理装置は、航空機に搭載される蓄電池の残量を取得する取得部と、空港に着陸予定の航空機である第1航空機の着陸時の蓄電池の残量を予測する残量予測部と、残量予測部によって予測された予測値を用いて空港の設備である空港設備の電力の利用計画である電力利用計画を作成する計画作成部と、を備え、残量予測部は、過去に運航された第1航空機または第1航空機以外の航空機である第2航空機の過去の飛行で取得された蓄電池の残量と対応する時刻とを示す情報と、飛行中の第1航空機から取得された蓄電池の残量を示す情報とに基づいて第1航空機の着陸時の蓄電池の残量を予測する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、空港における環境負荷を抑制することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1にかかるエネルギー管理システムの構成例を示す図
図2】実施の形態1のエネルギー管理装置におけるエネルギー管理処理手順の一例を示すフローチャート
図3】実施の形態1の第1残量情報の一例を示す図
図4】実施の形態1の第2残量情報の一例を示す図
図5】実施の形態1の車両位置情報の一例を示す図
図6】実施の形態1の過去に運航された航空機の蓄電池の残量の一例を示す模式図
図7】実施の形態1の電力利用計画の一例を示す図
図8】実施の形態1の空港における各設備の位置の一例を模式的に示す図
図9】実施の形態1の車両運用計画の一例を示す図
図10】実施の形態1のエネルギー管理装置を実現するコンピュータシステムの構成例を示す図
図11】実施の形態2にかかるエネルギー管理システムの構成例を示す図
図12】実施の形態2のエネルギー管理装置における災害発生時のエネルギー管理処理手順の一例を示すフローチャート
図13】実施の形態2の災害発生時の電力利用計画の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、実施の形態にかかるエネルギー管理装置、エネルギー管理システムおよびエネルギー管理プログラムを図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかるエネルギー管理システムの構成例を示す図である。本実施の形態のエネルギー管理システムは、空港のエネルギーを管理するエネルギー管理装置1と、蓄電池を備え空港における作業を行う車両2-1~2-nとを備える。nは2以上の整数である。
【0012】
本実施の形態では、環境負荷の低減のため、空港で用いられる作業車両の少なくとも一部が電動化され、航空機自体も電動化される。ここでは、電動化された航空機とは、航空機用燃料と電気エネルギーとの両方を用いて飛行するハイブリッド電動航空機であるとする。本実施の形態の航空機の一例として、シリーズパラレルパーシャルハイブリッドと呼ばれる方式があり、航空機燃料を燃焼させて推進力を得るとともに燃焼によりタービンを回転させて発電を行い、発電した電力を用いてモーターを駆動することで推進ファンを回転させる。航空機で発電された電力のうちモーターで使用されない余剰電力は、当該航空機に搭載される蓄電池に蓄電される。航空機に搭載された蓄電池に蓄えられた電力は、推進ファンの回転のために用いられることもあり、航空機内の他の電気機器で消費されることもある。なお、以下では、空港を発着する航空機が全てハイブリッド電動航空機である例を説明するが、空港を発着する航空機のうちの一部がハイブリッド電動航空機であってもよい。空港を発着する航空機のうちの一部がハイブリッド電動航空機である場合には、後述するエネルギー管理処理における処理対象となる航空機をハイブリッド電動航空機に限定すればよい。
【0013】
車両2-1~2-nは、空港の設備すなわち空港設備の一部であり、空港における作業に用いられる作業車両である。車両2-1~2-nは、GSE(Ground Support Equipment)と呼ばれる地上支援機材であり、空港における様々な作業を行う作業車両である。車両2-1~2-nは、一般には複数の種類の車両を含んでおり、例えば、搭乗橋、ランプバス、トーイングカー、マーシャリングカー、貨物ドーリー、冷暖房車、除雪作業車などである。車両2-1~2-nは、電動化された車両、すなわち電動車両または電気とガソリンなどの燃料との両方を用いるハイブリッド車両であり、蓄電池を備える。また、車両2-1~2-nは、通信機能を有し、蓄電池の残量を示す情報を第2残量情報としてエネルギー管理装置1へ送信する。車両2-1~2-nは、さらに、自身の現在位置を検出する位置検出機能を有し、現在位置を示す情報を車両位置情報としてエネルギー管理装置1へ送信する。車両2-1~2-nにおける位置検出はGPS(Global Positioning System)を用いたものであってもよいし、他の方法であってもよい。他の方法としては、空港内を複数の領域に分割して領域ごとに領域内を通信可能範囲とする通信装置を配置し、車両2-1~2-nが通信装置の識別子を受信することで自身がどの領域に存在するかを検出することで現在位置を領域単位で検出する方法が例示される。車両2-1~2-nにおける位置検出方法は、これらの例に限定されない。以下、車両2-1~2-nを個別に区別せずに示すときには、車両2と記載する。
【0014】
本実施の形態では、さらなる環境負荷の抑制のため、空港に着陸した航空機の蓄電池に蓄電された電力を用いて車両2を充電するように電力利用計画を作成し、電力利用計画にしたがって車両2の蓄電池の充電を実施する。すなわち、本実施の形態の電力利用計画は、航空機の蓄電池を放電させて車両2を充電する充電計画を含む。具体的には、エネルギー管理装置1が、空港に着陸予定の航空機の蓄電池の残量と、車両2の蓄電池の残量とに基づいて電力利用計画を作成する。電力利用計画は、空港に着陸する航空機の蓄電池の放電計画と、車両2の蓄電池の充電計画とを含む。エネルギー管理装置1は、さらに、電力利用計画を用いて、車両2の運用計画を作成する。
【0015】
なお、空港における作業車両として、車両2以外の車両、すなわち電動車両でもなくハイブリッド車両でもない車両である非電動車両が含まれていてもよい。非電動車両はエネルギー管理装置1が作成する電力使用計画における充電計画の対象外であるが、運用計画には非電動車両の運用の計画が含まれていてもよい。
【0016】
エネルギー管理装置1は、航空機の飛行を管理する航空管理センター3および運用管理システム4とそれぞれ通信を行うことが可能である。航空管理センター3は、航空交通管制に用いられるシステムであり、航空機の飛行計画を管理する。運用管理システム4は、航空機の運用を管理するシステムであり、航空機の状態を示すデータを管理する。また、エネルギー管理装置1は、車両2-1~2-nとそれぞれ通信を行うことが可能である。
【0017】
エネルギー管理装置1は、飛行計画受信部11、残量受信部12、残量予測部13、計画作成部14、車両通信部15、入力受付部16および記憶部17を備える。
【0018】
飛行計画受信部11は、航空管理センター3から、航空機の飛行計画を受信し、受信した飛行計画を記憶部17に格納する。飛行計画受信部11は、例えば、航空管理センター3に定期的に飛行計画の取得を要求することで、航空管理センター3が管理する各便の飛行計画を定期的に受信する。飛行計画受信部11は、航空管理センター3に新たな飛行計画が登録されたときおよび飛行計画が変更されたときに該当する飛行計画を送信するように要求しておくことで、新たな飛行計画および更新された飛行計画を受信してもよい。また、飛行計画受信部11は、航空管理センター3が管理している全ての便の飛行計画を受信してもよいし、空港に到着する時間が一定期間内の便の飛行計画を受信してもよい。一定期間は、例えば、現時点からX(Xは実数)時間までといった期間である。
【0019】
残量受信部12は、運用管理システム4から、航空機に搭載される蓄電池の残量を示す第1残量情報を受信し、受信した第1残量情報を記憶部17に格納する。すなわち、残量受信部12は、航空機に搭載される蓄電池の残量を取得する取得部である。なお、ここでは、エネルギー管理装置1が、航空管理センター3から通信回線により飛行計画を受信する例を説明するが、エネルギー管理装置1における飛行計画の取得方法は、これに限らず、例えば、航空管理センター3から受信した飛行計画を図示しない別の装置が表示し、表示された飛行計画を運用者がエネルギー管理装置1へ手動で入力してもよい。エネルギー管理装置1における第1残量情報の取得方法も同様に、通信回線により取得される方法に限定されず、運用者がエネルギー管理装置1へ手動で入力してもよい。また、第1残量情報は、飛行中の航空機から受信したものと飛行中にレコーダに記録されて着陸後に読みだされたものとを含む。ただし、第1残量情報は、飛行中の航空機から受信したものを含まず飛行中にレコーダに記録されて着陸後に読みだされたものだけであってもよい。
【0020】
車両通信部15は、車両2-1~2-nのそれぞれと通信を行う。車両通信部15は、車両2-1~2-nの蓄電池の残量を示す第2残量情報を受信し、受信した第2残量情報を記憶部17に格納する。また、車両通信部15は、計画作成部14により作成されて記憶部17に記憶されている車両運用計画を読み出し、車両運用計画を車両2-1~2-nへ送信する。
【0021】
残量予測部13は、空港に着陸予定の航空機である第1航空機の着陸時の蓄電池の残量を予測する。詳細には、残量予測部13は、記憶部17に記憶されている第1残量情報を読み出し、読みだした第1残量情報を用いて、空港に着陸予定の航空機の蓄電池の残量を予測する。例えば、残量予測部13は、空港に着陸予定の航空機から取得された蓄電池の残量を示す第1残量情報と、当該航空機の便に機種、乗客数などの条件が類似する過去に運航された便の第1残量情報と、に基づいて、空港に着陸予定の航空機の蓄電池の残量を予測する。残量予測部13における予測方法の詳細については後述する。
【0022】
計画作成部14は、航空機の蓄電池の残量を用いて空港設備の電力利用計画を作成する。詳細には、計画作成部14は、記憶部17に記憶されている設備情報、第1残量情報および第2残量情報を読み出し、読みだした情報と残量予測部13によって予測された予測値と、を用いて空港の電力利用計画を作成し、作成した電力利用計画を記憶部17に格納する。設備情報は、空港における各設備の情報であり、例えば、各車両2の種類、空港における駐機場所、車両2の待機場所の位置、航空機の機体ごとの機種、搭載している蓄電池の容量などの情報、便ごとの機種、搭載貨物重量、乗客数などを含む。設備情報は、入力受付部16を介して運用者から入力され、記憶部17に格納される。空港における駐機場所は、エプロンとも呼ばれ、例えば、ターミナルビルに近接した固定の複数のスポットのうちのいずれか、またはターミナルビルから離れたオープンスポットと呼ばれる駐機場所である。なお、便ごとの機種、搭載貨物重量、乗客数などの情報は、設備情報とは別に運航情報として記憶部17に格納されてもよい。なお、ここでは、設備情報は運用者から入力される例を説明するが、図示しない他の装置からエネルギー管理装置1が通信回線を介して受信してもよい。運航情報は、運行管理センター3から受信されてもよいし、記憶部17に記憶されている運行計画に含まれていてもよい。また、計画作成部14は、記憶部17に記憶されている電力利用計画を読み出し、読みだした電力利用計画を用いて、車両2-1~2-nの車両運用計画を作成し、作成した車両運用計画を記憶部17に格納する。
【0023】
入力受付部16は、運用者からの入力を受け付け、入力された情報を記憶部17に格納する。記憶部17は、飛行計画、第1残量情報、第2残量情報、車両位置情報、設備情報、電力利用計画および車両運用計画を記憶する。
【0024】
次に、本実施の形態の動作について説明する。図2は、本実施の形態のエネルギー管理装置1におけるエネルギー管理処理手順の一例を示すフローチャートである。図2に示したエネルギー管理処理は、空港のエネルギー管理のために電力利用計画を作成する処理である。図2に示した例では、エネルギー管理装置1は、電力利用計画に加えて車両運用計画も作成するが、車両運用計画を作成せずに電力利用計画だけを作成してもよい。
【0025】
エネルギー管理装置1は、着陸一定時間前の航空機があるか否かを判断する(ステップS1)。詳細には、計画作成部14が記憶部17に格納されている飛行計画を参照して、現時点から一定時間後に到着する航空機の便があるか否かを判断する。
【0026】
着陸一定時間前の航空機がない場合(ステップS1 No)、エネルギー管理装置1は、ステップS1を繰り返す。着陸一定時間前の航空機がある場合(ステップS1 Yes)、エネルギー管理装置1は、航空機の蓄電池の残量を示す情報(第1残量情報)を取得する(ステップS2)。詳細には、計画作成部14は、現時点から一定時間後に到着する航空機があると判断すると、電力利用計画の作成を開始することを決定し、電力利用計画の作成の開始を残量受信部12、残量予測部13および車両通信部15へ通知する。現時点から一定時間後に到着する航空機に対応する便を処理対象便と呼び、処理対象便に対応する航空機を処理対象の航空機とも呼ぶ。残量受信部12は、処理対象の航空機の残量を示す第1残量情報、すなわち処理対象の航空機の飛行中の第1残量情報を運用管理システム4から受信し、記憶部17へ格納する。飛行中の航空機から得られる第1残量情報は、便の識別情報である便名と、蓄電池の残量と対応する時刻とを含む。残量は、一般にSOC(State Of Charge)として取得されることが多いため、ここでは残量はSOCであるとして説明するが、SOCと蓄電池の容量とがわかれば蓄電池の蓄電量を求めることができる。
【0027】
図3は、本実施の形態の第1残量情報の一例を示す図である。図3に示した例では、便名Aの便に関する第1残量情報の例を示しており、便名Aの便の飛行中に得られる第1残量情報に、機種、搭載貨物重量、乗客数、蓄電池容量といった、後述する蓄電池の残量の予測に用いる付加情報が付加されている。ここでは、付加情報は、設備情報に含まれているとし、残量受信部12が、運用管理システム4から受信する第1残量情報に、便ごとに対応する付加情報を記憶部17に格納されている設備情報から読み出して付加することとする。また、付加情報に航空機の機体を識別する機体識別情報が含まれていてもよい。前述したように、便ごとの乗客数などは運航情報として設備情報と別に記憶部17に格納されていてもよく、この場合には、残量受信部12は、記憶部17に格納されている設備情報および運行情報から対応する付加情報を読み出して付加すればよい。なお、搭載貨物重量および乗客数のかわりに、飛行計画に含まれる総重量が用いられてもよい。また、第1残量情報に付加情報が付加されていなくてもよく、付加情報が付加されていない場合には、後述する残量予測の処理において処理対象便に対応する付加情報が記憶部17に格納されている設備情報から読み出される。
【0028】
図2の説明に戻る。次に、エネルギー管理装置1は、車両2の蓄電池の残量を示す情報(第2残量情報)と車両の現在位置を示す車両位置情報とを取得する(ステップS3)。詳細には、電力利用計画の作成の開始の通知を受けた車両通信部15が、車両2-1~2-nに、第2残量情報と車両位置情報との取得を要求することで、車両2-1~2-nから第2残量情報と車両位置情報とを受信して記憶部17に格納する。これに限らず、車両通信部15が、電力利用計画の作成の開始のタイミングにかかわらず定期的に車両2-1~2-nから第2残量情報と車両位置情報とを受信し、電力利用計画の作成の開始の通知を受けると受信した第2残量情報と車両位置情報とを記憶部17に格納するようにしてもよい。
【0029】
図4は、本実施の形態の第2残量情報の一例を示す図である。図4では、時刻9:30に車両通信部15が車両2-1~2-nに第2残量情報および現在位置情報の取得を要求し、その応答として車両通信部15が車両2-1~2-nから受信した第2残量情報が示されている。各車両2から取得される第2残量情報には車両2を識別する情報と当該車両2の蓄電池の残量とが含まれる。また、図4に示した例では、各車両2の種類が第2残量情報に付加されている。各車両2の種類は、設備情報に含まれている。車両通信部15は、このように、後述する電力利用計画の生成の際に用いる情報である各車両2の種類を、車両2を識別する情報に基づき、記憶部17に格納されている設備情報から読み出して、第2残量情報に付加して記憶部17に格納してもよい。各車両2の種類は、第2残量情報に付加されなくてもよく、この場合には、後述する電力利用計画の生成時に、各車両2の種類が設備情報から抽出される。また、各車両から取得される第2残量情報には、蓄電池の残量が検出された時刻が含まれていてもよい。
【0030】
図5は、本実施の形態の車両位置情報の一例を示す図である。図5では、時刻9:30に車両通信部15が車両2-1~2-nに第2残量情報および現在位置情報の取得を要求し、その応答として車両通信部15が車両2-1~2-nから受信した車両位置情報が示されている。各車両2から取得される車両位置情報には車両2の識別情報と当該車両2の現在位置とが含まれる。
【0031】
図2の説明に戻る。次に、エネルギー管理装置1は、第1残量情報を用いて、航空機に搭載されている蓄電池の空港到着時の残量を予測する(ステップS4)。詳細には、計画作成部14から電力利用計画の作成の開始を通知された残量予測部13が、記憶部17に処理対象便、すなわち着陸一定時間前の航空機の第1残量情報が格納されると、当該第1残量情報と、記憶部17に格納されている過去の第1残量情報とを用いて、処理対象の航空機に搭載されている蓄電池の空港到着時の残量を予測する。残量予測部13は、予測した残量を計画作成部14へ出力する。
【0032】
上述したように、第1残量情報としては、飛行中の航空機に対応する情報だけでなく、過去に運航されてレコーダに記録された第1残量情報も含まれる。本実施の形態では、例えば、処理対象便の第1残量情報と、過去に運航された便のうち処理対象便に条件が類似する便の第1残量情報とを用いて、処理対象便の航空機の空港到着時の蓄電池の残量を予測する。条件が類似する便の例としては、総重量が一致または総重量の差が一定値以内の便が挙げられる。残量予測部13は、総重量を、第1残量情報に付加されている付加情報のうち、機種、乗客数および搭載貨物重量に基づいて算出することができる。機種ごとの機体の重量、および乗客一人当たりの重量については予め定められて記憶部17に設備情報として格納されているとする。また、上述したようにこれらの代わりに飛行計画に含まれる総重量が用いられてもよい。なお、条件として、総重量だけでなく、航空機に搭載される蓄電池の容量、蓄電池の種類、機種、航路のうち少なくとも1つが含まれていてもよい。例えば、処理対象便と、同一航路でかつ同一機種の航空機が用いられ、総重量の差が一定値以内の便を条件が類似する便としてもよい。なお、以下、類似には一致も含めることとする。図3に示したように、乗客数などの付加情報を第1残量情報に付加しておくと、計画作成部14は、これらの付加情報を用いて、処理対象便と条件が類似する便の第1残量情報を容易に抽出できる。
【0033】
図6は、本実施の形態の過去に運航された航空機の蓄電池の残量の一例を示す模式図である。図6において横軸は時間を示し、縦軸は航空機の蓄電池の残量を示す。四角形で示した複数のデータ51は、過去に運航された便#1の航空機の蓄電池の残量を示し、三角形で示した複数のデータ52は、過去に運航された便#2の航空機の蓄電池の残量を示す。図6では、51と52の符号を1つずつ示しているが、四角形はいずれも複数のデータ51のうちの1つであり、三角形はいずれも複数のデータ52のうちの1つである。便#1と便#2は、処理対象便と条件が類似する便である。図6に示すように、例えば、残量予測部13は、処理対象便と条件が類似する過去の便の蓄電池の残量であるデータ51およびデータ52を用いて残量の時間変化を示す残量曲線53を求める。残量曲線53の算出方法は、回帰分析をはじめとした任意の方法を用いることができる。
【0034】
図6に示すように、一般に、定常飛行時には航空機において発電が行われることが影響して蓄電池の残量の変化は飛行ごとに異なることがあるが、着陸の一定時間前からは充電の影響は少なく概ね直線状に蓄電池の残量が減少すると予想される。このため、過去の条件が類似する便の残量の変化を元に、一定時間後に空港に着陸する航空機の蓄電池の残量を求めることができる。定常飛行時には、例えば、着陸から一定時間前に処理対象の航空機から取得した第1残量情報に含まれる残量をデータ54とすると、残量曲線53をデータ54と一致するまで縦軸方向に平行移動させることで、データ54に対応する時刻より後の処理対象の航空機の蓄電池の残量の予測曲線55を求める。なお、空港到着時の蓄電池の残量が予測できればよいため、残量曲線53を縦軸方向に平行移動させて予測曲線55とする場合には、残量曲線53上の着陸から一定時間前の残量をRとし、残量曲線53上の着陸時刻に対応する残量をRとし、データ54に対応する残量(着陸から一定時間前の残量)をRとするとき、残量予測部13は、処理対象の航空機の着陸時の蓄電池の残量をR-(R-R)により求めることになる。
【0035】
また、上記の例では、処理対象と条件が類似する便の過去の第1残量情報から求めた残量曲線53を用いたが、この残量曲線53を、総重量を用いて補正して使用してもよい。例えば、残量曲線53を用いる際に用いられた複数の便の総重量の平均値をMとし、処理対象の航空機の総重量をMとするとき、残量予測部13は、処理対象の航空機の着陸時の蓄電池の残量をR-(R-R)×(M/M)により求めてもよい。
【0036】
以上のように、残量予測部13は、着陸予定の第1航空機である処理対象の航空機に関し、過去に運航された第1航空機または第1航空機以外の航空機である第2航空機の過去の飛行で取得された蓄電池の残量と対応する時刻とを示す情報と、飛行中の第1航空機から取得された蓄電池の残量を示す情報とに基づいて第1航空機の着陸時の蓄電池の残量を予測する。
【0037】
なお、処理対象の航空機の着陸時の蓄電池残量の予測方法は上述した例に限定されない。例えば、あらかじめ、過去に運航された便の、着陸一定時間前の蓄電池の残量、機種、総重量など入力とし着陸時の蓄電池の残量を出力とするデータセットを教師データとして、ニューラルネットワークなどの機械学習を用いて機械学習モデルを生成して記憶部17に格納しておいてもよい。そして、残量予測部13は、この機械学習モデルに、処理対象の航空機の着陸一定時間前の蓄電池の残量、機種、総重量を入力することで、着陸時の蓄電池の残量を予測してもよい。
【0038】
また、上述した例では、処理対象の航空機の着陸から一定時間前の第1残量情報を処理対象の航空機の着陸時の蓄電池残量の予測に用いたが、飛行中の航空機から蓄電池の残量を用いずに、過去に運航された便の第1残量情報から処理対象の航空機の着陸時の蓄電池の残量を予測してもよい。例えば、残量予測部13は、記憶部17に格納されている過去に運航された便の第1蓄電池情報のうち、処理対象の航空機と条件が類似する便の第1蓄電池情報を用いて、処理対象の航空機と条件が類似する便の着陸時の蓄電池の残量の平均値、中央値などを求め、求めた値を処理対象の航空機の着陸時の蓄電池残量の予測値としてもよい。
【0039】
図2の説明に戻る。次に、エネルギー管理装置1は、予測された残量と第2残量情報と車両の現在位置とを用いて、電力利用計画を作成する(ステップS5)。詳細には、計画作成部14が、残量予測部13から受け取った予測された残量と、記憶部17に格納されている第2残量情報および車両位置情報とに基づいて電力利用計画を作成し、作成した電力利用計画を記憶部17に格納する。
【0040】
本実施の形態では、着陸した航空機に関する作業を行う車両2のうち少なくとも一部が、当該航空機の蓄電池を放電させることにより得られる電力で蓄電池の充電を行うように電力利用計画を作成する。これにより、車両2の充電のために売電する商用電力を低減させることができ環境負荷を抑制することができる。なお、車両2の蓄電池の充電を行うことを、以下、車両2の充電を行うとも記載する。
【0041】
また、着陸した航空機に関する作業を行う車両2は、一般に航空機の近傍に配置されることから、航空機の蓄電池に蓄電された電力を用いてこのような車両2の充電を行うことで、車両2の無駄な移動を抑制することができ車両2の電力消費を抑制することができる。すなわち、本実施の形態では、航空機の蓄電池を放電させて充電する車両2である充電対象の車両を、当該航空機の着陸に関する作業で用いられる車両2のなかから選択するので、車両2の無駄な移動を抑制することができる。また、一般に、航空機では、想定外の状況などに備えて冗長性を持たせるために、着陸時にある程度蓄電池の残量が残るように運用される。したがって、冗長性を持たせるために残される残量は使用されずに着陸することが多く、これらの残量が無駄になる。本実施の形態では、航空機の蓄電池の着陸時の残量を予測して、航空機の蓄電池を放電させて車両2を充電するように電力利用計画を作成するので、航空機の蓄電池に蓄電された電力を有効活用することができる。
【0042】
図7は、本実施の形態の電力利用計画の一例を示す図である。図7に示すように、電力利用計画は、便ごとの、航空機の着陸時の蓄電池から放電可能な電力量と、当該航空機の着陸に関する作業で用いられる車両2の蓄電池に充電する充電量とを含む。放電可能な電力量は、SOCである残量の予測値と、蓄電池の容量と、SOCの運用上の下限値とに基づいて算出される。例えば、放電可能な電力量は、残量の予測値からSOCの下限値を減じた値に蓄電池の容量を乗じることで算出される。
【0043】
ステップS5の電力計画の作成は例えば以下の手順で行われる。計画作成部14は、記憶部17に格納されている飛行計画から処理対象の航空機が着陸する駐機場所を読み出す。次に、計画作成部14は、読み出したスポットと、処理対象の航空機の機種などの情報を用いて、記憶部17に格納されている設備情報から、処理対象の航空機の着陸の作業に必要な車両2の数を、車両2の種類ごとに取得する。設備情報には、例えば、機種と駐機場所ごとに、着陸の作業に必要な車両2の数が車両2の種類ごとに格納されている。
【0044】
計画作成部14は、車両2の種類ごとの車両2の数と、各車両2の蓄電池の残量を示す第2残量情報と、各車両の現在位置を示す位置情報と、航空機の駐機場所とを用いて、処理対象の航空機の蓄電池を放電させることで充電を行う車両2を選択する。なお、このとき、計画作成部14は、記憶部17に後述する車両運用計画がすでに格納されている場合には、車両運用計画を参照し、処理対象の航空機の着陸に関する作業を行う時間帯で、別の航空機に関する作業で運用される予定の車両2は、充電対象の車両2から除外しておく。
【0045】
例えば、処理対象の航空機の着陸の作業に搭乗橋が1台必要である場合、車両2の種類が搭乗橋である車両2の蓄電池の残量のうち航空機の駐機場所との距離が一定値以内の車両2を抽出する。そして、計画作成部14は、抽出した車両2のうち最も残量の少ない車両2を当該航空機からの充電対象の車両2として選択する。このように、計画作成部14は、車両2の現在位置と航空機の駐機場所とに基づいて、充電対象の車両2を選択することで、車両2の移動距離を抑制することができる。または、車両2の蓄電池の容量も考慮して、航空機の駐機場所との距離が一定値以内の車両2の種類が搭乗橋である車両2のうち、満充電の容量と現在の蓄電量との差が最も大きい車両2を充電対象の車両2として選択してもよい。この例では、車両2の種類ごとの着陸の作業に必要な車両2の数が1つの場合を説明したが、複数台の車両2が必要な場合には、同様に、航空機の駐機場所との距離が一定値以内の車両2のうち残量の少ない順、または満充電の容量と現在の蓄電量との差が最も大きい順に、複数台を充電対象として選択すればよい。なお、車両2の蓄電池の残量が少なすぎる場合には、航空機の駐機場所まで到達できないことも考えられるため、航空機の駐機場所まで到達できない車両2はあらかじめ除いた上で、上記の充電対象の車両2の選択を行ってもよい。
【0046】
また、ここでは、航空機との駐機場所との距離が一定値以内の車両2のなかから蓄電池の残量を考慮して、充電対象の車両2を選択する例を説明したが、充電対象の車両2の選択方法は、この例に限定されない。例えば、計画作成部14は、駐機場所との距離と、残量の逆数と、を重み付け加算し、重み付け加算した結果を用いて充電対象の車両2を選択してもよい。同様に、駐機場所との距離と、満充電の容量と現在の蓄電量との差と、を重み付け加算し、重み付け加算した結果を用いて充電対象の車両2を選択してもよい。すなわち、計画作成部14は、車両2の蓄電池の残量を考慮しつつ、航空機の駐機場所との距離が短い車両2を優先して充電対象の車両2として選択するようにすればよい。また、ここでは、車両2の現在位置を用いて充電対象の車両2を選択したが、これに限らず、車両2の現在位置を用いずにすなわち駐機場所と車両2の距離にかかわらず、車両2の蓄電池の残量の少ない順、または満充電の容量と現在の蓄電量との差が最も大きい順に充電対象の車両2を選択してもよい。
【0047】
計画作成部14は、充電対象の車両2の数が、処理対象の航空機の蓄電池を放電されて車両2への充電を行う充放電器である航空機用充放電器の充電口の数以下である場合、充電対象の車両2の充電する電力量である充電電力量を算出し、電力利用計画に含める。例えば、車両2ごとに、車両2の蓄電池の充電電力と、処理対象の航空機が駐機場所に到着して当該航空機が次の場所に移動するまでの間である駐機時間と、に基づいて、駐機時間以下の充電時間と充電電力とを乗じることで、充電対象の車両2の充電電力量を算出する。各車両2の充電電力は設備計画に含まれており、計画作成部14は、記憶部17に格納されている設備計画から充電対象の車両2の充電電力を取得する。充電時間は、例えば、処理対象の航空機の作業における車両2ごとの作業時間とすることができる。例えば、車両2の計画作成部14は、車両2の種類ごとに、処理対象の航空機の搭載貨物重量、乗客数などに基づいて、車両2ごとに車両2が当該航空機の近傍で作業する作業時間を算出する。
【0048】
計画作成部14は、充電時間より短い時間で満充電となる車両2については、満充電となるまでの充電量を算出する。図7に示した例では、便名がAの便であるA便が10:05に着陸予定であるとき、A便の航空機の蓄電池に蓄電された電力で車両2-2,2-3が充電される計画であることを示している。計画作成部14は、駐機時間内で、充電対象の車両2の合計の充電電力量が、処理対象の航空機の蓄電池から放電可能な電力量以下となるように各車両2の充電電力量を決定する。なお、航空機用充放電器については、航空機内に設けられていてもよいし、空港に設けられていてもよい。
【0049】
以上の例では、各車両2の作業時間を充電時間としたが、処理対象の航空機が駐機している駐機時間を充電時間として、電力利用計画を作成してもよい。この場合も、計画作成部14は、駐機時間より短い時間で満充電となる車両2については、満充電となるまでの充電量を算出する。
【0050】
また、計画作成部14は、作業時間と充電電力に基づいて算出された充電電力量を用いて、充電対象の車両2を決定してもよい。または、作業時間に基づいて、充電対象の車両2を決定してもよい。例えば、作業時間の長い車両2を優先して充電対象として選択してもよいし、充電電力量の多い車両を優先して充電対象として選択してもよい。
【0051】
また、航空機用充放電器の充電口の数より充電対象の車両2が多い場合には、計画作成部14は、あらかじめ車両の種類などに応じて充電の優先度を定めておき、優先度の低い車両2は充電対象から除くようにしてもよいし、時分割で充電を行うことで、充電口の数より多い数の車両2に充電を行うように計画してもよい。
【0052】
図2の説明に戻る。次に、エネルギー管理装置1は、電力利用計画と設備情報とを用いて、車両運用計画を作成し(ステップS6)、処理を終了する。詳細には、計画作成部14が、記憶部17に格納されている電力利用計画および設備情報に基づいて車両運用計画を作成し、作成した車両運用計画を記憶部17に格納する。
【0053】
車両運用計画は、各車両2をどの便の作業で運用させるかを示す情報である。空港では、各車両2は、待機場所で待機している時間帯すなわち運用されない時間帯と、航空機が駐機している場所で作業する運用時間帯とがある。
【0054】
図8は、本実施の形態の空港における各設備の位置の一例を模式的に示す図である。図8に示した例では、空港には、航空機の固定の駐機場所であるスポット5-1~5-5と、車両2が待機する待機場所6-1,6-2とが設けられている。空港に着陸する航空機は、駐機場所としてスポット5-1~5-5のいずれかまたはオープンスポットと呼ばれるスポット5-1~5-5の場所が割り当てられる。上述したステップS5で充電対象に選択された車両2は、処理対象の航空機がスポット5-1~5-5またはオープンスポットに駐機しているときに、当該航空機に関する作業を行いながら当該航空機の蓄電池に蓄電された電力で充電を行う。
【0055】
図9は、本実施の形態の車両運用計画の一例を示す図である。図9に示すように、車両運用計画は、車両2ごとの各時間における運用の有無と、運用される場合の作業場所を示す情報とを含む。なお、図9では、作業場所であるスポット5-1などが示されている時間帯は運用されることを示しており、運用無の時間帯については待機場所の番号も併記されている。車両運用計画は、これに限らず、車両2ごとに運用される時間帯と対応する作業場所だけを含むものであってもよい。
【0056】
本実施の形態では、処理対象の航空機の蓄電池に蓄電された電力で充電を行う充電対象の車両2を、当該航空機に関する作業を行う車両2として運用することを前提として、電力利用計画が作成されている。したがって、上述した電力利用計画で充電対象に選択された車両2が、処理対象の航空機の作業で運用されるように車両運用計画が作成される。なお、車両運用計画には、処理対象の航空機に関する作業を行う車両2の車両運用計画だけでなく全ての車両2の車両運用計画が含まれていてもよい。初期状態では、車両運用計画において、全ての車両2が運用無の状態であり、各車両の待機場所は指定される。処理対象の航空機に関する作業を行う車両2が決定されると、車両運用計画が更新されることになる。また、車両運用計画には、車両2以外の非電動車両の車両運用計画が含まれていてもよい。非電動車両と電動車両である車両2とが混在する場合、車両2が優先して使用されるが、車両2だけでは数が足りない場合には、車両運用計画において非電動車両も用いるように計画が作成されてもよい。また、計画作成部14は上述した電力利用計画の作成時に、処理対象の航空機の蓄電池の残量が少ない場合に、非電動車両も用いるようにしてもよい。
【0057】
図9に示した例では、図7に示した電力利用計画で示されているように、車両2-2と車両2-3は、A便の航空機の充電対象として選択されている。このため、車両運用計画においても、車両2-2と車両2-3はA便の航空機の作業で運用されるよう計画される。車両2-1は、A便の航空機の作業では運用されない。このように、計画作成部14は、電力利用計画に基づいて、車両運用計画を作成する。また、計画作成部14は、運用しない車両2に関して待機場所を指定してもよく、この場合には、車両2の現在位置に基づいて待機場所を指定する。
【0058】
例えば、ステップS3で各車両2の現在位置をエネルギー管理装置1が取得した時点で、図8に示すように、車両2-1が待機場所6-2に存在し、車両2-2,2-3が待機場所6-1に存在していたとする。電力利用計画において、車両2-1は処理対象の航空機であるA便の航空機の充電対象には選択されなかった場合、計画作成部14は、車両2-1は現在位置から移動させずに待機場所6-2で待機させる。なお、待機場所6-1,6-2の位置は設備情報に含まれており、計画作成部14は、設備情報と車両2の現地位置とに基づいて、車両2がどの待機場所に位置するかを求めることができる。ここでは、A便の航空機はスポット5-1に駐機されるとし、車両2-2,2-3は、処理対象の航空機であるA便の航空機の駐機場所であるスポット5-1に近い待機場所6-1に存在している。このため、A便の航空機の充電対象に選択されており、車両運用計画においてもA便の航空機の作業で運用されるように計画される。
【0059】
以上述べた処理により、電力利用計画と車両2の車両運用計画が作成される。車両通信部15は、記憶部17から電力利用計画と車両運用計画とのうち各車両2に対応する部分を読み出して、各車両2へ送信する。これにより、各車両2では、受信した情報に基づいて充電と運用が行われる。なお、各車両2は、例えば、ディスプレイ、モニタなどの表示手段を有し、表示手段が、車両2に対応する電力利用計画と車両運用計画とを表示することで、車両2の運用者にこれらの計画に応じた充電と運用を実施させてもよいし、自動運転の車両2の場合には、これらの計画に基づいて車両2が移動を行ってもよい。
【0060】
なお、図2に示した処理手順は一例であり、例えば、ステップS2とステップS3は並列に行われてもよく、またはステップS2とステップS3の順序は逆であってもよい。このように、図2に示した処理と同等の結果が得られるような処理が行われればよく、具体的な処理は図2に示した例に限定されない。
【0061】
図2に示した処理は、着陸一定時間前の1つの航空機に関する処理であるが、エネルギー管理装置1はこの処理を繰り返すことで、次に着陸予定の航空機に関しても同様の処理を実施する。これにより、順次各航空機から充電を行う車両2が決定されていく。図7に示した例では、A便、A便およびA便の3つの便の航空機を処理対象として上述した各処理が行われた後の電力利用計画の例を示している。図9では、同様に、A便、A便およびA便の3つの便の航空機を処理対象として上述した各処理が行われた後の車両利用計画を示しているが、図9ではA便に対応する車両2の図示は省略されている。図7および図9に示すように、車両2-3については、A便で運用された後にA便で運用されている。なお、A便の航空機はスポット5-1に駐機され、A便の航空機がスポット5-5に駐機されるとしている。図8では、車両2-2の移動経路が破線で示され、車両2-3の移動経路が一点鎖線で示されている。このような移動経路がなるべく短くなるように電力利用計画および車両運用計画を作成することで、消費電力を抑制することができる。
【0062】
また、上述した例では、着陸一定時間前の航空機ごとに上記の処理を行ったが、ある期間内に着陸予定の複数の航空機に関して一度に電力利用計画および車両運用計画を策定してもよい。例えば、上記一定時間をTとし、現在時刻をtとするとき、時刻t+Tから時刻t+T+ΔTの間に到着する便が複数存在する場合、エネルギー管理装置1は、これらの複数の航空機について一度に考慮して電力利用計画を作成する。例えば、ステップS2では、これら複数の航空機に関して上述したA便の航空機とA便の航空機とに関して第1残量情報を取得し、上述したステップS4では、A便の航空機とA便の航空機とに関してそれぞれ蓄電池の残量を予測する。
【0063】
なお、このとき、現時点から着陸までの時間がA便の航空機とA便の航空機とで異なることになるが、残量曲線53を用いることで同様に残量の予測を行うことができる。着陸前までの時間を統一した処理を行う場合には、着陸が遅い便に関して着陸から一定時間前の第1残量情報が得られるまで待って予測処理を行うようにしてもよい。電力利用計画の作成時には、複数の航空機の蓄電池をそれぞれ放電させる前提で、各航空機から充電する車両2を、消費電力が少なくなるように選択する。例えば、充電対象の車両2を選択する際に、車両2の現在位置と航空機の駐機場所とに基づいて、車両2の移動が少なくなるように、各航空機の充電対象の車両2を選択する。
【0064】
また、図2に示した処理を航空機ごとに行い、後から着陸する航空機に関する電力利用計画を作成する際に、すでに作成されている航空機に関する電力利用計画を修正してもよい。例えば、A便の航空機に関して図2に示した処理を行って電力利用計画および車両運用計画を作成する。その後、A便の航空機に関して同様に図2に示した処理を実施する。上述した例では、A便の航空機が駐機している時間帯でA便の航空機の作業で運用されている車両2を充電対象から除外したが、ステップS5の電力利用計画の作成において、A便の航空機の充電計画を変更した方が総合的に消費電力が少なくなる場合にはA便の航空機の作業で運用することが計画されている車両2も充電対象に含めてもよい。
【0065】
例えば、A便の航空機の作業で運用予定のある車両2をA便の航空機の充電対象とし、運用無とされている別の車両2をA便の航空機の充電対象とした方が総合的な消費電力が抑えられる場合がある。この場合、計画作成部14は、A便の航空機の作業で運用予定の車両2をA便の航空機の充電対象としてA便の航空機に対応する電力利用計画を作成するとともに、運用無とされている別の車両2をA便の航空機の充電対象とするように、作成済みのA便の航空機に関する電力利用計画を更新する。これに合わせて作成済みのA便の航空機に関する車両運用計画も更新される。
【0066】
また、以上述べた例では、電力利用計画には、航空機の蓄電池を放電させる電力による車両2の充電計画が含まれていたが、さらに、空港に設けられた充電器を用いた車両2の充電計画も含まれていてもよい。航空機の蓄電池の残量によっては、着陸の作業で用いられる車両2の全てを充電できるとは限らない。このため、処理対象の航空機の作業に用いられるが航空機の蓄電池を放電させて得られる電力で充電を行わない車両2、および待機している車両2に関して、充電器7-1~7-3による充電を行う計画を電力利用計画に含めてもよい。図8に示すように、空港には車両2を充電することが可能な充電器7-1~7-3が設けられている。計画作成部14が、車両2の移動がなるべく少なくなるように、充電器7-1~7-3を用いた車両2の充電の計画も電力利用計画に含めることで総合的に消費電力を抑えた電力利用計画を作成することができる。充電器7-1~7-3は、空港に設けられて航空機の蓄電池以外を電源として車両2の充電を行う充電器であり、例えば商用電力を用いて充電を行う充電器であるがこれに限らず、空港に設けられた太陽光発電設備などで発電された電力を蓄電設備に蓄電して得られる電力を用いて充電を行う充電器であってもよい。
【0067】
次に、本実施の形態のエネルギー管理装置1のハードウェア構成について説明する。本実施の形態のエネルギー管理装置1は、例えば、コンピュータシステムにより実現される。エネルギー管理装置1は、1つのコンピュータシステムにより実現されてもよいし、複数のコンピュータシステムにより実現されてもよい。例えば、エネルギー管理装置1はクラウドシステムにより実現されてもよい。クラウドシステムでは、コンピュータシステムのハードウェアと、機能ごとのサーバ等の装置との切り分けを任意に設定できる。例えば、1台のコンピュータシステムが複数の装置としての機能を有していてもよいし、複数台のコンピュータシステムで1つの装置としての機能を有していてもよい。
【0068】
エネルギー管理装置1を実現するコンピュータシステムの構成例を説明する。図10は、本実施の形態のエネルギー管理装置1を実現するコンピュータシステムの構成例を示す図である。図10に示すように、このコンピュータシステムは、制御部101と入力部102と記憶部103と表示部104と通信部105と出力部106とを備え、これらはシステムバス107を介して接続されている。
【0069】
図10において、制御部101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等である。制御部101は、本実施の形態のエネルギー管理装置1が実施する各処理が記述されたエネルギー管理プログラムを実行する。入力部102は、たとえばキーボード、マウス等で構成され、コンピュータシステムのユーザが、各種情報の入力を行うために使用する。記憶部103は、RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)等の各種メモリおよびハードディスク等のストレージデバイスを含み、上記制御部101が実行すべきプログラム、処理の過程で得られた必要なデータ等を記憶する。また、記憶部103は、プログラムの一時的な記憶領域としても使用される。表示部104は、LCD(Liquid Crystal Display:液晶表示パネル)等で構成され、コンピュータシステムのユーザに対して各種画面を表示する。通信部105は、通信処理を実施する通信回路等である。通信部105は、複数の通信方式にそれぞれ対応する複数の通信回路で構成されていてもよい。出力部106は、プリンタ、外部記憶装置等の外部の装置へデータを出力する出力インタフェイスである。
【0070】
なお、図10は、一例であり、コンピュータシステムの構成は図10の例に限定されない。例えば、コンピュータシステムは出力部106を備えていなくてもよい。また、エネルギー管理装置1が複数のコンピュータシステムにより実現される場合、これらの全てのコンピュータシステムが図10に示したコンピュータシステムでなくてもよい。例えば、一部のコンピュータシステムは図10に示した表示部104、出力部106および入力部102のうち少なくとも1つを備えていなくてもよい。
【0071】
ここで、本実施の形態のエネルギー管理装置1の処理が記述されたエネルギー管理プログラムが実行可能な状態になるまでのコンピュータシステムの動作例について説明する。上述した構成をとるコンピュータシステムには、たとえば、図示しないCD(Compact Disc)-ROMドライブまたはDVD(Digital Versatile Disc)-ROMドライブにセットされたCD-ROMまたはDVD-ROMから、エネルギー管理プログラムが記憶部103にインストールされる。そして、エネルギー管理プログラムの実行時に、記憶部103から読み出されたエネルギー管理プログラムが記憶部103の主記憶装置となる領域に格納される。この状態で、制御部101は、記憶部103に格納されたエネルギー管理プログラムに従って、本実施の形態のエネルギー管理装置1としての処理を実行する。
【0072】
なお、上記の説明においては、CD-ROMまたはDVD-ROMを記録媒体として、エネルギー管理装置1における処理を記述したプログラムを提供しているが、これに限らず、コンピュータシステムの構成、提供するプログラムの容量等に応じて、たとえば、通信部105を経由してインターネット等の伝送媒体により提供されたプログラムを用いることとしてもよい。
【0073】
本実施のエネルギー管理プログラムは、コンピュータに、航空機に搭載される蓄電池の残量を取得する取得ステップと、蓄電池の残量を用いて空港設備の電力の利用計画である電力利用計画を作成する計画作成ステップと、を実行させる。
【0074】
図1に示した飛行計画受信部11、残量受信部12および車両通信部15は、図10に示した通信部105により実現され、図1に示した記憶部17は図10に示した記憶部103の一部であり、図1に示した残量予測部13及び計画作成部14は図10に示した制御部101により実現される。図1に示した入力受付部16は、図10に示した入力部102または通信部105により実現される。
【0075】
以上述べたように、本実施の形態のエネルギー管理装置1は、航空機に搭載される蓄電池の残量に基づいて空港到着時の航空機の蓄電池の残量を予測し、予測された残量を用いて航空機に搭載される蓄電池を放電させて車両2を充電する計画を含むように電力利用計画を作成する。これにより、車両2を充電するための商用電力を抑制することができ、環境負荷を抑制することができる。また、航空機の蓄電池の残量を有効活用することができる。また、航空機の作業に用いる車両2を当該航空機の充電対象として選択するため、車両2の移動が少なくなり消費電力を抑制することができる。さらに、車両2の現在位置に基づいて移動が少なくなるように、航空機の充電対象となる車両2を選択することで、さらに消費電力を抑制することができる。
【0076】
実施の形態2.
図11は、実施の形態2にかかるエネルギー管理システムの構成例を示す図である。本実施の形態のエネルギー管理システムは、実施の形態1のエネルギー管理装置1の代わりにエネルギー管理装置1aを備える以外は、実施の形態1のエネルギー管理システムと同様である。実施の形態1と同様の機能を有する構成要素は、実施の形態1と同一の符号を付して重複する説明を省略する。以下、実施の形態1と異なる点を主に説明する。
【0077】
本実施の形態では、エネルギー管理装置1aは、災害発生時に災害拠点となる空港の空港設備の電力の管理を行う。本実施の形態のエネルギー管理装置1aは、通常時には、実施の形態1のエネルギー管理装置1と同様の動作を実施し、さらに、災害発生時には、空港に到着済みの航空機の蓄電池の残量と、空港に着陸予定の航空機の着陸時の残量の予測値とを用いて、空港の設備すなわち空港設備により消費される電力の少なくとも一部が航空機の蓄電池の放電により賄われるように電力利用計画を作成する。電力を消費する空港の設備は、例えば、ターミナルビルなど空港における建物の空気調和設備、照明器具、通信設備をはじめとする機器である。すなわち、本実施の形態の空港設備は、空港における空気調和設備、照明器具および通信機器のうち少なくとも1つを含む。
【0078】
災害発生時には、航空機が運休し、空港に多くの利用者が待機すると予想される。特に、大規模な災害の場合、災害拠点となる空港では、これらの利用者、空港の職員などが数日以上空港に滞在する可能性がある。さらに空港が災害拠点として機能する期間である災害拠点期間の間は、空港は他の場所にいる被災者を受け入れることも考えられる。
【0079】
停電を伴う大規模災害では、空港に商用電源が供給されなくなるため、空港では非常用発電機が用いられる。本実施の形態では、非常用発電機から供給される電力だけでなく、到着済みの航空機の蓄電池および着陸予定の航空機の蓄電池に蓄電された電力を、空港における様々な設備に供給する。これにより、非常用発電機の発電量を抑制することができ、環境負荷を抑制することができる。
【0080】
本実施の形態のエネルギー管理装置1aは、実施の形態1のエネルギー管理装置1に消費電力予測部18が追加され、残量予測部13および計画作成部14の代わりに残量予測部13aおよび計画作成部14aを備えている。
【0081】
本実施の形態の残量予測部13aは、実施の形態1の残量予測部13と同様の機能を有するとともに、災害発生時には、災害拠点期間において着陸する予定の航空機の蓄電池の残量を予測する。本実施の形態の計画作成部14aは、実施の形態1の計画作成部14と同様の機能を有するとともに、災害発生時には、災害拠点期間における電力利用計画を作成する。
【0082】
次に、本実施の形態の動作について説明する。本実施の形態のエネルギー管理装置1aの通常時の動作、すなわち災害が発生していないときの動作は、実施の形態1のエネルギー管理装置1と同様である。災害発生時には、例えば、入力受付部16が運用者から、災害発生時の電力利用計画である災害時電力利用計画を作成する指示の入力を受け付けることにより、エネルギー管理装置1aは、災害発生時の電力利用計画を作成する。
【0083】
図12は、本実施の形態のエネルギー管理装置1aにおける災害発生時のエネルギー管理処理手順の一例を示すフローチャートである。図12に示したエネルギー管理処理は、災害拠点となる空港のエネルギー管理のために電力利用計画(災害時電力利用計画)を作成する処理である。
【0084】
エネルギー管理装置1aは、まず、現在の空港内人数および空港の消費電力を取得する(ステップS11)。例えば、入力受付部16が、運用者から現在の空港内人数および空港の消費電力の入力を受け付け、受け付けた情報を消費電力予測部18へ出力する。空港内人数は、上述したように、航空機の運休により空港に滞在している利用者、空港の職員を含み、外部から被災者を受け入れている場合には被災者も含む。また、運用者は、空港の消費電力については、電力を計測する機器がある場合には当該機器の計測値を把握することで算出してもよいし、非常用発電機で空港内の電力を賄っている場合には非常用発電機の発電量を空港の消費電力としてもよいし、各機器の定格値などに基づいて全体の消費電力を算出してもよい。また、すでに、後述するように航空機の蓄電池を放電させて得られる電力が空港の設備による消費に用いられている場合には、非常用発電機の発電量と航空機の蓄電池を放電させて得られる電力とを加算して消費電力が算出されてもよい。
【0085】
次に、エネルギー管理装置1aは、飛行計画から災害拠点期間内に空港に到着する航空機を抽出する(ステップS12)。詳細には、計画作成部14aが、記憶部17に格納されている飛行計画から災害拠点期間内に空港に到着する航空機を抽出する。なお、飛行計画に関しては、エネルギー管理装置1aは、実施の形態1と同様の航空管理センター3から定期的または更新された場合などに受信する。この飛行計画は、災害時における飛行計画であるため、一般には通常とは異なっている。災害拠点期間では、飛行中の航空機は空港に着陸するが、乗客を乗せた航空機は空港から離陸しない前提とする。
【0086】
次に、エネルギー管理装置1aは、抽出した各航空機の蓄電池残量を予測する(ステップS13)。詳細には、計画作成部14aが、抽出した各航空機の蓄電池残量を、記憶部17に格納されている過去の第1残量情報を用いて予測し、予測した残量を計画作成部14aへ出力する。抽出した航空機のうち実施の形態1と同様に着陸一定時間前のものまたはこれに近い時間に到着予定のものについては実施の形態1と同様に、飛行中の航空機の蓄電池の残量を取得して、実施の形態1と同様に蓄電池残量を予測する。抽出した航空機のうち、着陸までにかなりの時間があり、実施の形態1と同様の方法で予測することが難しい航空機については、記憶部17に格納されている過去の第1残量情報のうち当該航空機と条件の類似する第1残量情報に基づいて、着陸時の蓄電池残量を予測する。例えば、予測対象の航空機と条件の類似する第1残量情報における着陸時の蓄電池の残量の平均値、中央値を予測値として用いる。
【0087】
次に、エネルギー管理装置1aは、災害拠点期間の収容人数を設定し、現在の空港内人数および空港の消費電力を用いて災害拠点期間の消費電力を予測する(ステップS14)。詳細には、消費電力予測部18は、災害拠点期間における収容人数を設定し、設定した収容人数と、ステップS11で入力された現在の空港内人数および空港の消費電力とに基づいて、災害拠点期間の消費電力を予測する。災害拠点期間における収容人数は、例えば、入力受付部16を介して運用者から入力される。収容人数は、上述した現在の空港内人数と同様に空港内に滞在する人の数であるが、利用者に関しては空港から移動することも考えられる。運用者は、これらを考慮して災害拠点期間における収容人数を仮定して入力する。または、運用者は、すでに自治体などから被災者の受け入れ人数を指定されている場合には、この被災者の人数も考慮して収容人数を決めてもよい。
【0088】
例えば、消費電力予測部18は、空港の全消費電力に対する収容人数に依存する部分の比Cと、空港の全消費電力に対する収容人数に依存しない部分の比Cと、ステップS11で入力された空港内人数および消費電力とを用いて災害拠点期間における消費電力を予測する。ステップS11で入力された空港内人数をNとし、ステップS11で入力された消費電力をPとし、ステップS14で設定された収容人数をNとすると、消費電力の予測値Pは、以下の式(1)で算出される。
=P×C×(N/N)+P×C ・・・(1)
【0089】
上記式(1)では、全消費電力に対する収容人数に依存する部分が人数に比例すると仮定しているがこれに限らず人数が増えると消費電力が増加する別の関数を用いて上記式(1)と同様に消費電力を予測してもよい。また、例えば、収容人数が1000人まではあるエリアを使用し、収容人数が1000人を超えると別のエリアを使用するなどといった場合には消費電力は、収容人数に関して階段状に変化することになる。このような場合には、例えば、収容人数の範囲と上記のC×(N/N)に代えて用いられる係数とをテーブルとして記憶部17に記憶しておき、この表を用いて収容人数に依存する部分の消費電力を求めてもよい。例えば、人数が1~1000人の範囲は係数Z、人数が1001人から3000人の範囲は係数Z、人数が3001人から5000人の範囲は係数Z、・・・といったように定めておき、消費電力予測部18は、ステップS11で入力された空港内人数に対応する係数とステップS14で設定された収容人数に対応する係数との比を用いて消費電力を予測する。
【0090】
また、災害拠点期間内で収容人数が変化する前提で電力利用計画を作成する場合には、ステップS14では、災害拠点期間を複数の時間帯に分けて時間帯ごとに収容人数が設定されてもよい。この場合、時間帯ごとに消費電力が予測されることになる。また、消費電力は一日のうちで変化することがあるためステップS12で入力される消費電力が時間帯ごとに入力されてもよい。この場合も、時間帯ごとに消費電力が予測されることになる。
【0091】
また、ステップS14では、収容人数は入力されなくてもよく、この場合、消費電力予測部18は、ステップS12で入力された現在の空港内人数を災害拠点期間の収容人数とする。したがって、この場合、消費電力の予測値はステップS12で入力された空港の消費電力と同一となる。
【0092】
さらには、ステップS11の現在の空港内人数および空港の消費電力の入力を行わずに、あらかじめ空港における人数に応じた消費電力を記憶部17にテーブルまたは人数に応じた関数を計算する計算式として記憶しておき、消費電力予測部18は、ステップS14で設定される災害拠点期間の収容人数とテーブルまたは計算式とを用いて消費電力を予測してもよい。
【0093】
次に、エネルギー管理装置1aは、消費電力の予測値と、各航空機の蓄電池残量の予測値とを用いて電力利用計画を作成する(ステップS15)。詳細には、計画作成部14aが、消費電力予測部18から出力された消費電力の予測値と、残量予測部13aから出力された各航空機の蓄電池残量の予測値とを用いて災害拠点期間の電力利用計画を作成する。なお、このとき、災害発生時には、通常の乗客を乗せた航空機は運休することから、車両2の充電には航空機の蓄電池から放電させる電力は使用しない前提で電力利用計画を作成することとする。また、非電動車両がある場合には、災害発生時には非電動車両を優先して使用するようにしてもよい。すでに着陸済みの航空機に関しては、当該航空機から取得した蓄電池の残量を用いて電力利用計画を作成する。また、非常用発電機が燃料を用いて発電する発電機である場合、燃料の残量も考慮して電力利用計画を作成する。燃料の残量は、標準的な備蓄量があらかじめ記憶部17に設備情報として格納されていてもよいし、ステップS12において、運用者から入力されてもよい。
【0094】
図13は、本実施の形態の災害発生時の電力利用計画の一例を示す図である。図13に示すように、災害発生時の電力利用計画は、時間帯ごとの供給電力/供給可能電力(電力量)と、消費電力(電力量)と、差分とを含む。差分は、供給可能電力から消費電力を減算した値を示し、正の値は供給可能量が消費電力を上回り余剰電力が発生することを示し、負の値は電力不足が発生することを示す。図13では、航空機の蓄電池に関しては、50/300といったように、供給電力/供給可能電力の形式で示している。供給電力はその時間帯で供給予定すなわち航空機の蓄電池から放電予定の電力量を示し、供給可能量は蓄電池の残量に相当する電力量を示す。非常用発電機については、供給可能量は、最大発電量として定格値として定められているため記載を省略しており、供給予定の電力量すなわち供給電力だけを示している。図13に示した例では、非常用発電機の最大発電量すなわち供給可能電力を1000としている。
【0095】
図12の説明に戻る。次に、エネルギー管理装置1aは、電力不足が発生するか否かを判断する(ステップS16)。詳細には、計画作成部14aは、ステップS15で作成した電力利用計画を参照し、供給可能電力から消費電力を減算した差分が負となる時間帯があるか否かを判断する。
【0096】
電力不足が発生する場合(ステップS16 Yes)、エネルギー管理装置1aは、車両2の蓄電池の残量を取得する(ステップS18)。車両2の蓄電池の残量の取得方法は、実施の形態1と同様である。
【0097】
次に、エネルギー管理装置1aは、消費電力の予測値と、各航空機の蓄電池残量の予測値と、車両の蓄電池の残量とを用いて電力利用計画を作成し(ステップS19)、処理を終了する。詳細には、計画作成部14aは、ステップS15と同様に電力利用計画を作成するが、このときさらに、車両2の蓄電池についても、航空機の蓄電池と同様に蓄電池の残量に基づいて供給可能電力を求め、時間帯ごとの供給電力を決定する。電力利用計画における差分についても、航空機の蓄電池と同様に車両2の供給可能電力もさらに考慮して、供給可能電力から消費電力を減算した値を算出する。なお、全ての車両2の蓄電池を放電させても電力不足が解消しない場合もあるが、その場合には、エネルギー管理装置1aは、電力不足が解消しない旨を表示するなどによって運用者に通知してもよい。これにより、運用者は収容人数を制限したり節電を行ったりといった対応を行う。
【0098】
電力不足が発生しない場合(ステップS16 No)、エネルギー管理装置1aは、余剰電力が発生するか否かを判断する(ステップS17)。詳細には、計画作成部14aは、ステップS15で作成した電力利用計画を参照し、供給可能電力から消費電力を減算した差分が全ての時間帯において正となっているか否かを判断する。
【0099】
余剰電力が発生する場合(ステップS17 Yes)、エネルギー管理装置1aは、収容人数および災害拠点期間のうち少なくとも一方を変更して、消費電力の予測値を更新し(ステップS20)、ステップS15からの処理を再度実施する。詳細には、ステップS20では、計画作成部14aは、収容人数および災害拠点期間の少なくとも一方を増加させるように収容人数および災害拠点期間の少なくとも一方を増加させる。このように、災害拠点期間における災害時電力利用計画において電力の余剰が生じる場合には、災害拠点期間および収容人数のうち少なくとも1つを増加させるように変更して災害時電力利用計画を再作成することで、災害拠点期間における収容人数を増加させる、または災害拠点期間を長くすることができる。
【0100】
余剰電力が発生しない場合(ステップS17 No)、エネルギー管理装置1aは、処理を終了する。なお、図12に示した例では、ステップS19の後に処理を終了しているが、ステップS19の後に、ステップS17以降の処理を行い、車両2の蓄電池を用いることで余剰電力が生じる場合には、収容人数および災害拠点期間の少なくとも一方を増加させてもよい。
【0101】
なお、図12に示した処理手順は一例であり、例えば、ステップS11とステップS12は並列に行われてもよく、またはステップS11とステップS12の順序は逆であってもよい。このように、図12に示した処理と同等の結果が得られるような処理が行われればよく、具体的な処理は図12に示した例に限定されない。
【0102】
また、上述した例では、航空機の蓄電池に蓄電された電力で車両2の充電を行わない前提であったが、乗客を乗せた航空機については実施の形態1と同様に車両2の充電を行う前提で電力利用計画を作成してもよい。
【0103】
また、ステップS16で電力不足が発生する場合、またはステップS19で作成した電力利用計画において電力不足が発生する場合、エネルギー管理装置1aは、航空管理センター3へ、他の空港に着陸予定の航空機または他の空港で待機している航空機を、エネルギー管理装置1aの管理対象の空港に着陸するように飛行計画の変更を依頼してもよい。災害発生時には、災害拠点となる空港に、当該空港が受け入れ可能な範囲で運休している航空機を集約することで、より多くの航空機の蓄電池を電力供給源として使用することができる。
【0104】
また、上述した例では、通常時には実施の形態1と同様の動作を行い、災害発生時に図12に示した処理を行ったが、これに限らず、通常時の実施の形態1の動作を行わず、災害発生時の図12に示した処理を行うようにエネルギー管理装置を構成してもよい。この場合、エネルギー管理装置は、実施の形態1の処理を行う機能を有していなくてもよい。
【0105】
また、空港が非常用発電機を備えない場合には、供給電力として非常用発電機を用いずに航空機の蓄電池を放電させる電力だけを考慮して、災害時電力利用計画を作成してもよい。すなわち、本実施の形態では、計画作成部14aは、航空機の蓄電池の残量を用いた災害時の電力利用計画を作成すればよい。計画作成部14aは、上述の例のように、非常用発電機により発電された発電電力をさらに用いて災害時電力利用計画を作成してもよい。また、計画作成部14aは、上述の例のように、電力不足が発生する場合は、車両2の蓄電池の残量をさらに用いて災害時電力利用計画を作成してもよい。また、上述した例では、災害発生時に商用電源が停電する前提であったが、停電が発生していない場合には商用電源も供給電力として考慮しつつ商用電源から供給される電力を一定値以下に抑制するように電力利用計画を作成してもよい。
【0106】
本実施の形態のエネルギー管理装置1aのハードウェア構成は実施の形態1と同様である。本実施の形態の消費電力予測部18、残量予測部13aおよび計画作成部14aは、例えば、図10に示した制御部101により実現される。本実施の形態の処理を実現するためのエネルギー管理プログラムの実行方法、実施の形態の処理を実現するためのエネルギー管理プログラムの提供方法についても実施の形態1と同様である。
【0107】
以上の処理により、本実施の形態では、航空機の蓄電池に蓄電された電力を用いて災害時の電力利用計画を作成することができる。これにより、航空機の蓄電池に蓄電された電力を有効活用できるともに、災害拠点となった空港において供給可能な電力を増加させることができる。また、航空機の蓄電池に蓄電された電力の分を非常用発電機の発電量を減らすように、電力利用計画を作成すれば、非常用発電機の発電量の削減により環境負荷を抑制することができる。さらに、車両2の蓄電池に蓄電された電力を使用すれば、さらに環境負荷を抑制することができる。また、航空機の蓄電池に蓄電された電力を用いることにより、災害拠点である空港において収容人数を増やすことができ被災者等をより多く受け付けることができる。また、航空機の蓄電池に蓄電された電力を用いることにより災害拠点期間となる期間を延ばすことができる。
【0108】
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
【符号の説明】
【0109】
1,1a エネルギー管理装置、2-1~2-n 車両、3 航空管理センター、4 運用管理システム、11 飛行計画受信部、12 残量受信部、13,13a 残量予測部、14,14a 計画作成部、15 車両通信部、16 入力受付部、17 記憶部、18 消費電力予測部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13