(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】浴室用乾燥機
(51)【国際特許分類】
F26B 9/02 20060101AFI20240927BHJP
D06F 58/10 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
F26B9/02 A
D06F58/10 A
(21)【出願番号】P 2020173497
(22)【出願日】2020-10-14
【審査請求日】2023-05-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】今西 望
(72)【発明者】
【氏名】波多野 文美
【審査官】伊藤 紀史
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-089996(JP,A)
【文献】特開2009-183588(JP,A)
【文献】特開2009-089880(JP,A)
【文献】特開2016-202490(JP,A)
【文献】特開2002-221331(JP,A)
【文献】特開2013-210163(JP,A)
【文献】特開平11-319394(JP,A)
【文献】特開平10-099597(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F26B 9/02
D06F 58/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室内の空気を吸引して外部に排出する換気用送風部、前記浴室内の空気を吸引しかつその空気を前記浴室内に吹き出す循環用送風部、及び、前記循環用送風部にて通風される空気を加熱する空気加熱部を備えた浴室用乾燥部と、
前記浴室用乾燥部の作動を制御する運転制御部と、が設けられた浴室用乾燥機であって、
前記浴室内の乾燥対象物の存否を検出する乾燥対象検出部が設けられ、
前記運転制御部が、運転操作用のリモコンの乾燥指令部にて乾燥運転開始が指令されたときに、前記乾燥対象検出部の検出情報に基づいて前記乾燥対象物の存否を判定して、前記乾燥対象物が存在する場合には、予め設定した衣類乾燥用作動状態で前記浴室用乾燥部を作動させる衣類乾燥運転を実行し、前記乾燥対象物が非存在の場合には、予め設定した浴室乾燥用作動状態で前記浴室用乾燥部を作動させる浴室乾燥運転を実行し、
前記衣類乾燥用作動状態が、前記換気用送風部の換気送風量、及び、前記循環用送風部の循環送風量を、前記浴室乾燥用作動状態よりも多くする形態に定められており、
前記乾燥対象検出部が、赤外線検出センサであり、
前記運転制御部が、乾燥運転開始が指令されたときに、前記浴室内に温風を送風するように前記浴室用乾燥部を作動させる初期乾燥運転を実行し、且つ、前記赤外線検出センサの検出情報に基づいて前記乾燥対象物の存否を判定し、
前記運転制御部が、前記初期乾燥運転として、前記衣類乾燥用作動状態で前記浴室用乾燥部を作動させる浴室用乾燥機。
【請求項2】
前記循環用送風部にて前記浴室内に吹き出す空気の空気吹出方向を設定変更範囲の間で連続的に変更する空気吹出部が設けられ、
前記衣類乾燥用作動状態と前記浴室乾燥用作動状態とが、前記設定変更範囲を異なる範囲とするように設定されている請求項
1に記載の浴室用乾燥機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室内の空気を吸引して外部に排出する換気用送風部、前記浴室内の空気を吸引しかつその空気を前記浴室内に吹き出す循環用送風部、及び、前記循環用送風部にて通風される空気を加熱する空気加熱部を備えた浴室用乾燥部と、前記浴室用乾燥部の作動を制御する運転制御部と、が設けられた浴室用乾燥機に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる浴室用乾燥機は、浴室内を換気しながら、浴室内の空気を空気加熱部にて加熱して浴室内に吹き出すことにより、浴室内に存在する衣類等の乾燥対象物を乾燥する衣類乾燥運転や、入浴後の浴室を乾燥する浴室乾燥運転を行えるものである。
【0003】
ちなみに、浴室内の空気を吸引して外部に排出する換気用送風部が作動されると、浴室の出入用扉に設けたギャラリー等から、浴室に隣接する脱衣室の空気等、浴室外の外気が浴室内に流動して、浴室内が換気されることになり、この換気により、乾燥対象物から放出される水分や浴室の壁面から蒸発した水分が浴室外に排出されることになる。
尚、洗濯後の衣類等の乾燥対象物を乾燥する場合には、一般に、乾燥対象物を支持する物干しバーが浴室の対向する側壁の間に配置されて、その物干しバーに、乾燥対象物を直接支持することや、乾燥対象物を保持するハンガーを支持することが行われる。
【0004】
浴室用乾燥部を備える浴室用乾燥機は、浴室の天井部に設置されることが多いが、浴室の側壁部に設置されることもある。
そして、浴室用乾燥部に装備する空気加熱部としては、熱源機からの熱媒(例えば、70℃~80℃の温水)が循環供給される熱交換器が用いられることが多いが、電気ヒータを用いた電気式の加熱器が使用される場合もある。
【0005】
このような浴室用乾燥機の従来例として、運転操作用のリモコンに、衣類乾燥スイッチと浴室乾燥スイッチとを備えさせて、衣類乾燥スイッチの指令により衣類乾燥運転を行わせ、浴室乾燥スイッチの指令により、浴室乾燥運転を行わせるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
ちなみに、特許文献1には、衣類乾燥運転と浴室乾燥運転とは運転時間が異なっていると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
衣類乾燥スイッチと浴室乾燥スイッチとを運転操作用のリモコンに備えさせれば、衣類乾燥運転を行うときには、衣類乾燥スイッチにて衣類乾燥運転を指令することにより、衣類等の乾燥対象物の乾燥に適した衣類乾燥用作動状態で浴室用乾燥部を作動させることができ、浴室乾燥運転を行うときには、浴室乾燥スイッチにて浴室乾燥運転を指令することにより、浴室を乾燥するのに適した浴室乾燥用作動状態で浴室用乾燥部を作動させることができる。
【0008】
しかしながら、衣類乾燥スイッチと浴室乾燥スイッチとを運転操作用のリモコンに備えさせると、運転操作用のリモコンが大型化する等の不都合を生じる。したがって、運転操作用のリモコンには、乾燥運転の開始を指令する単一の乾燥指令部(乾燥スイッチ)を設けることが望まれる。
【0009】
しかしながら、乾燥運転の開始を指令する単一の乾燥指令部(乾燥スイッチ)を運転操作用のリモコンに設けた場合には、この乾燥指令部(乾燥スイッチ)の単なる押し操作では、衣類乾燥運転と浴室乾燥運転とを区別して指令することができないものとなるから、衣類乾燥運転と浴室乾燥運転との夫々において、浴室用乾燥部を同じ乾燥用作動状態で作動させなければならないことになる。
【0010】
この場合には、衣類乾燥運転を、衣類等の乾燥対象物の乾燥に適した衣類乾燥用作動状態で浴室用乾燥部を作動させることができないものとなり、また、浴室乾燥運転を、浴室を乾燥するのに適した浴室乾燥用作動状態で浴室用乾燥部を作動させることができないものとなる不都合が発生する。
【0011】
ちなみに、乾燥指令部(乾燥スイッチ)の短時間の押し操作によって、衣類乾燥運転を指令し、乾燥指令部(乾燥スイッチ)の長時間の押し操作(長押し)によって浴室乾燥運転を指令する等、乾燥指令部(乾燥スイッチ)の操作形態の差異よって、衣類乾燥運転と浴室乾燥運転とを区別して指令することが考えられるが、この場合、乾燥指令部(乾燥スイッチ)の操作が煩雑となるため、実用し難いものとなる。
【0012】
本発明は、上記実情に鑑みて為されたものであって、その目的は、運転操作用のリモコンには、乾燥運転の開始を指令する単一の乾燥指令部を備えさせるものでありながらも、衣類乾燥運転を乾燥対象物の乾燥に適した状態で行わせ、かつ、浴室乾燥運転を浴室の乾燥に適した状態で行わせる浴室用乾燥機を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の浴室用乾燥機は、浴室内の空気を吸引して外部に排出する換気用送風部、前記浴室内の空気を吸引しかつその空気を前記浴室内に吹き出す循環用送風部、及び、前記循環用送風部にて通風される空気を加熱する空気加熱部を備えた浴室用乾燥部と、
前記浴室用乾燥部の作動を制御する運転制御部と、が設けられたものであって、その特徴構成は、
前記浴室内の乾燥対象物の存否を検出する乾燥対象検出部が設けられ、
前記運転制御部が、運転操作用のリモコンの乾燥指令部にて乾燥運転開始が指令されたときに、前記乾燥対象検出部の検出情報に基づいて前記乾燥対象物の存否を判定して、前記乾燥対象物が存在する場合には、予め設定した衣類乾燥用作動状態で前記浴室用乾燥部を作動させる衣類乾燥運転を実行し、前記乾燥対象物が非存在の場合には、予め設定した浴室乾燥用作動状態で前記浴室用乾燥部を作動させる浴室乾燥運転を実行し、前記衣類乾燥用作動状態が、前記換気用送風部の換気送風量、及び、前記循環用送風部の循環送風量を、前記浴室乾燥用作動状態よりも多くする形態に定められており、前記乾燥対象検出部が、赤外線検出センサであり、前記運転制御部が、乾燥運転開始が指令されたときに、前記浴室内に温風を送風するように前記浴室用乾燥部を作動させる初期乾燥運転を実行し、且つ、前記赤外線検出センサの検出情報に基づいて前記乾燥対象物の存否を判定し、前記運転制御部が、前記初期乾燥運転として、前記衣類乾燥用作動状態で前記浴室用乾燥部を作動させる点にある。
【0014】
すなわち、運転操作用のリモコンの乾燥指令部にて乾燥運転開始が指令されたときに、運転制御部が、乾燥対象検出部の検出情報に基づいて乾燥対象物の存否を判定する。
そして、運転制御部は、乾燥対象物が存在する場合には、予め設定した衣類乾燥用作動状態で浴室用乾燥部を作動させる衣類乾燥運転を実行する。また、乾燥対象物が非存在の場合には、予め設定した浴室乾燥用作動状態で浴室用乾燥部を作動させる浴室乾燥運転を実行することになる。
【0015】
そして、衣類乾燥用作動状態は、洗濯後の衣類等の乾燥対象物を乾燥するのに適した作動状態に定めることができ、また、浴室乾燥用作動状態は、入浴後等の浴室を乾燥するのに適した作動状態に定めることができる。
【0016】
したがって、運転操作用のリモコンには、単一の乾燥指令部を備えさせるものでありながらも、乾燥対象物が存在する場合には、衣類等の乾燥対象物の乾燥に適した衣類乾燥用作動状態で浴室用乾燥部を作動させる衣類乾燥運転を行わせ、また、乾燥対象物が非存在の場合には、浴室の乾燥に適した浴室乾燥用作動状態で浴室用乾燥部を作動させる浴室乾燥運転を行わせることができる。
つまり、単一の乾燥指令部を単に操作するだけで、衣類乾燥運転と浴室乾燥運転とを適切に選択しながら、乾燥対象物の乾燥や浴室の乾燥を良好に行うことができる。
【0017】
要するに、本発明の浴室用乾燥機の特徴構成によれば、運転操作用のリモコンには、乾燥運転の開始を指令する単一の乾燥指令部を備えさせるものでありながらも、衣類乾燥運転を乾燥対象物の乾燥に適した状態で行わせ、かつ、浴室乾燥運転を浴室の乾燥に適した状態で行わせることができる。
【0019】
また、乾燥運転開始が指令されたときに、運転制御部が、浴室内に温風を送風するように浴室用乾燥部を作動させる初期乾燥運転を実行する。
初期乾燥運転が実行されると、浴室内に乾燥対象物が存在する場合には、温風が乾燥対象物に対して流動する(接触する)ことにより、乾燥対象物の表面温度が上昇することになるから、その温度上昇が赤外線検出センサにて検出されることになり、運転制御部が、赤外線検出センサの検出情報に基づいて乾燥対象物の存否を判定することになる。
【0020】
ちなみに、温風が乾燥対象物に対して流動することにより、乾燥対象物は揺れ動くことになるから、赤外線検出センサにて検出される温度上昇部分(温度上昇範囲)が揺れ動くことになるため、運転制御部が、赤外線検出センサの検出情報に基づいて乾燥対象物の存否を判定する際に、赤外線検出センサにて検出される温度上昇部分(温度上昇範囲)が揺れ動くことを条件とすれば、乾燥対象物の存否を適切に判定できる。
【0021】
そして、赤外線検出センサは、小型であり、且つ、温風の吹出口の近くに設置する等、その設置も簡易に行えるものであるから、浴室内の乾燥対象物の存否を検出する乾燥対象検出部の簡素化を図ることができる。
【0022】
要するに、本発明の浴室用乾燥機の更なる特徴構成によれば、乾燥対象検出部の簡素化を図ることができる。
【0024】
また、運転制御部が、乾燥開始指令が指令されたときに、初期乾燥運転として、衣類乾燥用作動状態で浴室用乾燥部を作動させることになる。
そして、赤外線検出センサの検出情報に基づいて乾燥対象物が存在すると判定された場合には、引き続いて、衣類乾燥用作動状態で浴室用乾燥部を作動させる衣類乾燥運転が実行される。また、赤外線検出センサの検出情報に基づいて乾燥対象物の非存在であると判定された場合には、予め設定した浴室乾燥用作動状態で浴室用乾燥部を作動させる浴室乾燥運転が実行される。
【0025】
一般に、使用者が衣類乾燥運転を行う頻度と浴室乾燥運転を行う頻度とを比較すると、衣類乾燥運転を行う頻度の方が多い傾向にある。
また、衣類乾燥用作動状態と浴室乾燥用作動状態とを比較すると、洗濯後の濡れている衣類等の乾燥対象物を迅速に乾燥する必要上、乾燥能力は、衣類乾燥用作動状態の方が浴室乾燥用作動状態よりも高く設定されることになる。
言い換えれば、衣類乾燥用作動状態で浴室用乾燥部を作動させれば、衣類乾燥を良好に行え、かつ、浴室乾燥を乾燥能力の不足無く行えることになる。
【0026】
したがって、乾燥開始指令が指令されたときに、初期乾燥運転として、衣類乾燥用作動状態で浴室用乾燥部を作動させることにより、乾燥対象物の存否を判定するために初期乾燥運転を行うようにしながらも、衣類乾燥運転及び浴室乾燥運転を適切に行うことができる。
【0027】
要するに、本発明の浴室用乾燥機の更なる特徴構成によれば、乾燥対象物の存否を判定するために初期乾燥運転を行うようにしながらも、衣類乾燥運転及び浴室乾燥運転を適切に行うことができる。
【0029】
また、衣類乾燥用作動状態における換気用送風部の換気送風量、及び、循環用送風部の循環送風量が、浴室乾燥用作動状態における換気用送風部の換気送風量、及び、循環用送風部の循環送風量よりも多く定められているから、衣類乾燥運転の乾燥能力を十分に高くし、しかも、浴室乾燥運転の乾燥能力が、必要以上に高くなることを抑制できる。
【0030】
従って、衣類乾燥運転においては、洗濯後の濡れている衣類等の乾燥対象物を適切に乾燥することができ、また、浴室乾燥運転においては、乾燥能力が必要以上に高くなることを抑制して、省エネを図りながら、浴室の乾燥を良好に行うことができる。
【0031】
要するに、本発明の浴室用乾燥機の更なる特徴構成によれば、衣類乾燥運転において乾燥対象物を適切に乾燥でき、しかも、浴室乾燥運転において省エネを図りながら浴室の乾燥を良好に行うことができる。
【0032】
本発明の浴室用乾燥機の更なる特徴構成は、前記循環用送風部にて前記浴室内に吹き出す空気の空気吹出方向を設定変更範囲の間で連続的に変更する空気吹出部が設けられ、
前記衣類乾燥用作動状態と前記浴室乾燥用作動状態とが、前記設定変更範囲を異なる範囲とするように設定されている点にある。
【0033】
すなわち、循環用送風部にて浴室内に吹き出す空気の空気吹出方向を設定変更範囲の間で連続的に変更する空気吹出部が設けられているから、循環用送風部にて浴室内に吹き出す空気の空気吹出方向を同じ方向に維持させる場合に較べて、衣類乾燥運転においては、乾燥対象物の各部に向けて温風を流動させるようにし、また、浴室乾燥運転においては、浴室内の各部に向けて温風を流動させるようにしながら、衣類乾燥運転や浴室乾燥運転を良好に行うことができる。
【0034】
しかも、衣類乾燥用作動状態と浴室乾燥用作動状態とが、空気吹出方向が変更される設定変更範囲を異なる範囲とするように設定されているから、例えば、衣類乾燥運転においては、乾燥対象物が存在する箇所に向けて集中して温風を吹き出すようにし、浴室乾燥運転においては、浴室の全体に亘って温風を吹き出すようにする等、衣類乾燥運転や浴室乾燥運転に応じた状態で温風を良好に吹き出すことができる。
【0035】
要するに、本発明の浴室用乾燥機の更なる特徴構成によれば、衣類乾燥運転や浴室乾燥運転に応じた状態で温風を良好に吹き出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】浴室乾燥システムの全体構成を示す縦断側面図である。
【
図4】衣類乾燥運転における可動ルーバの向き変更範囲を示す図である。
【
図5】浴室乾燥運転における可動ルーバの向き変更範囲を示す図である。
【
図6】運転形態と可動ルーバの向きとの関係を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
〔実施形態〕
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
(浴室乾燥システムの全体構成)
図1に示すように、浴室用乾燥機Aが、浴室Yの天井Yaにおける浴槽Dの上方に相当する箇所に備えられ、浴室用乾燥機Aに対して熱媒を循環供給する熱源機Nが、浴室Yの外部に設けられて、浴室用乾燥機Aから乾燥用空気を吹出しかつ浴室内を換気する浴室乾燥システムが構成されている。
ちなみに、浴室用乾燥機Aは、乾燥運転として、浴室乾燥運転及び衣類乾燥運転を実行するように構成され、加えて、暖房運転、換気運転、涼風運転、及び、ミスト噴出運転を実行できるように構成されている。
【0038】
浴室Yの内部には、浴室用乾燥機Aの運転を制御する運転制御部1に対して各種の情報を指令する浴室リモコン2(運転操作用のリモコンの一例)が設置され、また、熱源機Nの運転を制御する熱源制御部3に各種の情報を指令する熱源機用リモコン4が設けられている。
ちなみに、図示は省略するが、一般には、浴室Yに隣接する脱衣室にも、浴室リモコン2と同様に構成された脱衣室リモコン(運転操作用のリモコンの一例)が装備されることになる。
【0039】
乾燥機用の運転制御部1と熱源機用の熱源制御部3とは、各種の情報を通信自在に接続されており、例えば、浴室リモコン2にて乾燥運転指令が運転制御部1に指令されると、運転制御部1が熱源制御部3に熱媒要求指令を通信し、また、運転制御部1が乾燥運転を停止する場合には、運転制御部1が熱源制御部3に熱媒不要指令を通信するように構成されている。
熱源制御部3は、熱媒要求指令が指令されると、熱媒往き管5及び熱媒戻り管6を通して、加熱した熱媒を浴室用乾燥機Aに循環供給する熱媒供給運転を実行し、熱媒不要指令が指令されると、熱媒供給運転を停止することになる。
【0040】
熱源機Nは、詳細な説明は省略するが、熱媒を循環供給する熱媒供給運転に加えて、一般給湯栓等に対する給湯運転を実行するように構成されるものであって、熱源機用リモコン4にて運転指令が指令されているときに、給湯要求指令があるときには、給湯運転を行うように構成されている。
ちなみに、熱源機用リモコン4は、通常は、台所や洗面所等に装備されることになる。
【0041】
本実施形態においては、
図1に示すように、浴室用乾燥機Aの直下方に相当する領域が衣類乾燥用の乾燥対象領域Eに設定され、衣類乾燥運転を行うときには、乾燥対象領域Eに、洗濯後の衣類等の乾燥対象物が乾燥に適した姿勢で置かれることになる。
つまり、乾燥対象領域Eには、乾燥対象物を支持するための一対の物干しバーBが、浴室Yの対向する壁面の間に設けられて、これら物干しバーBに、乾燥対象物を支持させることになる。
尚、物干しバーBは、浴室Yの壁面に設けた受具にて、その両端が支持された状態で架設されるものであって、非使用時には、受具から外して収納できるようになっている。
【0042】
(浴室用乾燥機の詳細)
図2に示すように、浴室用乾燥機Aは、浴室Yの天井Yaの裏側に設置される本体ケーシング7と、浴室Yの天井Yaの表側に設置されるグリル板8とを備えている。
グリル板8には、人感センサM(赤外線検出センサの一例)が装備されて、乾燥対象物の存否を検出するように構成されており、その詳細は後述する。
【0043】
本体ケーシング7の内部には、グリル板8に形成した循環用吸引口Kを通して浴室Yの内部の空気を吸引し、吸引した空気を浴室Y内に向けて吹出口Sを通して吹き出す循環用送風部としての循環ファン9、その循環ファン9にて通風される空気を加熱する空気加熱部としての空気加熱用熱交換器10、換気用吸引口Lを通して浴室Yの内部の空気を吸引して外部に排出する換気用送風部としての換気ファン11、給水路12を通して供給される湯水を浴室Yの内部に向けてミスト状に噴出する複数のミストノズル13、それらミストノズル13から噴出される湯水を加熱するミスト用熱交換器14、及び、吹出口Sから吹き出される空気の吹出方向を設定変更範囲の間で連続的に繰り返し変更する可動ルーバ15(空気吹出部の一例)が装備されている。
【0044】
空気加熱用熱交換器10は、縦向き姿勢の縦型熱交換部分10Aと、横倒れ姿勢の横型熱交換部分10Bとを備え、熱源機Nの熱媒往き管5に接続された熱媒供給管16を通して熱媒が供給され、そして、熱媒排出管17を通して熱交換済みの熱媒を熱源機Nに接続された熱媒戻り管6に戻すように構成されている。
熱媒供給管16には、熱媒供給を断続する熱動弁18が設けられており、この熱動弁18は、乾燥運転(衣類乾燥運転、浴室乾燥運転)や暖房運転を行うときには、開かれることになる。
【0045】
熱媒供給管16における熱動弁18の設置箇所よりも上手側箇所から、ミスト用供給管16Aが分岐されている。このミスト用供給管16Aは、上述したミスト用熱交換器14を経由したのち熱媒排出管17に接続されている。
また、上述した給水路12が、ミスト用熱交換器14を経由してミストノズル13に接続されるように配管されており、ミストノズル13に供給される湯水がミスト用熱交換器14にて加熱されるように構成されている。
【0046】
給水路12が、ミスト用熱交換器14を通過したのち、2つの分岐管12A、12Bに分岐され、それらの分岐管12A、12Bの夫々にミストノズル13が接続されている。
各分岐管12A、12Bには、ミスト用電磁弁19A、19Bが設けられており、これらミスト用電磁弁19A、19Bを選択的に開閉させることによって、2つのミストノズル13からのミスト噴出状態を調整できるように構成されている。
給水路12には、給水を断続する給水電磁弁20が設けられており、この給水電磁弁20は、ミストノズル13からミストを噴出するミスト運転を行うときには、開かれることになる。
【0047】
ちなみに、給水路12におけるミスト用熱交換器14と2つの分岐管12A、12Bの分岐箇所との間に位置する部分に、排水路21が接続され、その排水路21に、排水電磁弁22が設けられており、例えば、ミスト運転を開始する前に、設定時間の間、排水電磁弁22を開くことにより、ミスト運転を開始したときに冷たい湯水がミストノズル13に供給されることを抑制できることになる。
【0048】
また、ミスト用供給管16Aには、熱媒供給量を調整する電磁式の比例弁24が設けられている。この比例弁24は、ミストノズル13からミストを噴出するミスト運転を行うときには、熱媒を通流する状態に開かれるものであり、また、ミストノズル13に供給される湯水の温度が目標温度になるように開度が変更調整されるように構成されている。
【0049】
換気ファン11は、グリル板8の換気用吸引口Lより浴室Y内の空気を吸引し、そして、屋外に延出される排気ダクト25を通して、吸引した空気を外部に排気するように構成されている。
【0050】
浴室リモコン2には、
図3に示すように、種々の情報を表示するための表示部26、ミストサウナ運転を指令するミストスイッチ27、運転時間を変更設定するためのタイマー設定スイッチ28、乾燥運転開始を指令する乾燥指令部としての乾燥スイッチ30、可動ルーバ15による空気吹出方向を変更する風向スイッチ31、換気ファン11による換気運転を指令する換気スイッチ32、循環ファン9による涼風運転を指令する涼風スイッチ33、及び、各種の運転を停止する停止指令を指令する停止スイッチ34が装備されている。
ちなみに、図示は省略するが、脱衣室リモコンには、ミストサウナ運転を指令するミストスイッチ、運転時間を変更設定するためのタイマー設定スイッチ、乾燥運転開始を指令する乾燥指令部としての乾燥スイッチ、浴室Yの暖房を行う暖房運転を指令する暖房スイッチ、換気ファン11による換気運転を指令する換気スイッチ、及び、各種の運転を停止する停止指令を指令する停止スイッチが装備されている。
【0051】
また、乾燥スイッチ30が、押し操作されるごとに、自動運転、エコ運転、タイマー運転を順次指令するように構成されている。
つまり、乾燥運転としての衣類乾燥運転及び浴室乾燥運転の夫々について、自動運転、エコ運転、タイマー運転が選択されるように構成されている。
【0052】
(運転制御の詳細)
浴室用乾燥機Aは、浴室リモコン2や脱衣室リモコンの指令に基づいて、乾燥運転、暖房運転、換気運転、ミスト運転、涼風運転を行えるように構成されている。そして、乾燥運転として、浴室乾燥運転及び衣類乾燥運転を行えるように構成されている。
さらには、乾燥運転(衣類乾燥運転、浴室乾燥運転)として、自動運転、エコ運転、タイマー運転を行えるように構成されている。
【0053】
すなわち、運転制御部1が、浴室リモコン2や脱衣室リモコンの指令に基づいて、乾燥運転(衣類乾燥運転、浴室乾燥運転)、暖房運転、換気運転、ミスト運転、涼風運転を行なうべく、循環ファン9や換気ファン11等の機器類の作動を制御するように構成されている。
【0054】
具体的に説明すると、乾燥スイッチ30にて乾燥運転として自動運転やタイマー運転が指令されると、熱源機Nからの熱媒を空気加熱用熱交換器10に通流させた状態で、循環ファン9及び換気ファン11を作動させることにより、浴室内の空気を吸引して外部に排出し且つ浴室内の空気を吸引して加熱して乾燥用空気として浴室Yの内部の乾燥対象領域Eに吹き出す温風乾燥運転が行われることになる。
【0055】
そして、自動運転では、例えば、浴室内から吸引した空気の湿度を検出する湿度センサ(図示せず)にて検出される検出湿度の低下により、乾燥対象物の乾燥終了を判別すると、その後、設定時間が経過すると乾燥運転を終了する運転が行われることになる。
また、タイマー運転では、浴室リモコン2や脱衣室リモコンにて設定された乾燥時間が経過すると、乾燥運転を終了する運転が行われることになる。
【0056】
また、乾燥スイッチ30にて乾燥運転としてエコ運転が指令されると、熱源機Nからの熱媒を空気加熱用熱交換器10に通流させることを停止した状態で、循環ファン9及び換気ファン11を作動させることにより、浴室内の空気を吸引して外部に排出し且つ浴室内の空気を吸引して浴室Yの内部の乾燥対象領域Eに吹き出す冷風乾燥運転が行われることになる。
ただし、エコ運転においても、乾燥運転の終期において、例えば、浴室内から吸引した空気の湿度を検出する湿度センサ(図示せず)にて検出される検出湿度の低下により、乾燥対象物の乾燥終了を判別すると、その後、浴室内の空気を吸引して外部に排出し且つ浴室内の空気を吸引して加熱して乾燥用空気として浴室Yの内部の乾燥対象領域Eに吹き出す温風乾燥運転を、設定仕上げ時間の間行ってから乾燥運転が終了されることになる。
【0057】
ちなみに、本実施形態の浴室用乾燥機Aは、上述の如く、熱源機Nからの熱媒を空気加熱用熱交換器10に通流させた状態で、循環ファン9及び換気ファン11を作動させることにより乾燥運転を行うものであり、本実施形態では、浴室内の空気を吸引して外部に排出し且つ浴室内の空気を吸引して加熱したのち乾燥用空気として浴室内に吹き出す浴室用乾燥部Jが、循環ファン9、空気加熱用熱交換器10、及び、換気ファン11を主要部として構成されることになる。
【0058】
乾燥運転の一つである衣類乾燥運転は、予め設定した衣類乾燥用作動状態で浴室用乾燥部Jを作動させる運転である。乾燥運転の一つである浴室乾燥運転は、予め設定した浴室乾燥用作動状態で浴室用乾燥部を作動させる浴室乾燥運転である。
衣類乾燥用作動状態は、例えば、循環ファン9を作動させることにより、浴室内の空気を吸引して加熱して乾燥用空気として浴室内に吹き出す循環送風量を、6.9m3/分とし、換気ファン11を作動させることにより、浴室内の空気を吸引して外部に排出する換気送風量を、1.67m3/分にする状態に設定されている。
また、浴室乾燥用作動状態は、循環送風量を、5.5m3/分とし、換気送風量を、1.33m3/分にする状態に設定されている。
つまり、衣類乾燥用作動状態が、換気送風量、及び、循環送風量を、浴室乾燥用作動状態よりも多くする形態に定められている。
【0059】
つまり、衣類乾燥運転における自動運転、タイマー運転、及び、エコ運転の終期の温風乾燥運転が、上記衣類乾燥用作動状態で浴室用乾燥部Jを作動させる形態で実行される。
また、浴室乾燥運転における自動運転、タイマー運転、及び、エコ運転の終期の温風乾燥運転が、上記浴室乾燥用作動状態で浴室用乾燥部Jを作動させる形態で実行される。
【0060】
暖房スイッチ31にて暖房運転が指令されると、換気ファン11を停止させかつ熱源機Nからの熱媒を空気加熱用熱交換器10に通流させた状態で、循環ファン9を作動させることにより、浴室内の空気を吸引して加熱して暖房用空気として浴室内に吹き出す暖房運転が行われる。
【0061】
換気スイッチ32にて換気運転が指令されると、循環ファン9を停止しかつ空気加熱用熱交換器10に対する熱媒の通流を停止させた状態で、換気ファン11を作動させることにより、浴室内の空気を吸引して外部に排出する換気運転が行われる。
【0062】
涼風スイッチ33にて涼風運転が指令されると、換気ファン11を停止しかつ空気加熱用熱交換器10に対する熱媒の通流を停止させた状態で、循環ファン9を作動させることにより、浴室内の空気を吸引して浴室内に吹き出す涼風運転が行われる。
【0063】
ミストスイッチ27にてミストサウナ運転が指令されると、熱源機Nからの熱媒をミスト用熱交換器14に通流させる状態にして、給水電磁弁20を開くことにより、給水路12からの湯水を加熱して噴出するミストサウナ運転が行われる。
【0064】
(可動ルーバの詳細)
可動ルーバ15は、乾燥運転を行うときに、向き変更用の電動モータ(図示せず)によって、水平方向に沿う回動軸心周りで往復揺動操作されて、
図4及び
図5に示すように、空気吹出方向を設定変更範囲Hの間で連続的に繰り返し変更するように構成されている。
また、可動ルーバ15は、回動軸心方向に沿って長尺状の筒状に形成されて、回転軸心方向に沿った広範囲に空気を吹き出すことができるように構成されている。
本実施形態では、可動ルーバ15の回動軸心が、乾燥対象領域Eに設置される物干しバーBの長手方向に平行な方向となるように構成されている。
【0065】
本実施形態では、可動ルーバ15の設定変更範囲Hが、衣類乾燥運転では、
図4に示すように、乾燥対象領域Eに対応する衣類乾燥用変更範囲Hc(揺動角度が約40度)に設定され、浴室乾燥運転では、
図5に示すように、乾燥対象領域Eに加えて洗い場を含む浴室乾燥用変更範囲Hy(揺動角度が約60度)に設定されるように構成されている。
つまり、衣類乾燥用変更範囲Hcが、衣類乾燥用作動状態の一つとして設定され、浴室乾燥用変更範囲Hyが、浴室乾燥用作動状態の一つとして設定されている。
尚、暖房運転及び涼風運転の際にも、浴室乾燥用変更範囲Hyにて可動ルーバ15が往復揺動されるように構成されている。
【0066】
ちなみに、衣類乾燥運転の際において、可動ルーバ15が衣類乾燥用変更範囲Hcを往復揺動する時間は、約44秒である。また、浴室乾燥運転の際に、可動ルーバ15が浴室乾燥用変更範囲Hyを往復揺動する時間は、約64秒である。
【0067】
また、可動ルーバ15は、上述の如く、基本的には、設定変更範囲Hにて往復揺動されることになるが、必要に応じて、風向スイッチ31を押し操作することにより、
図4及び
図5にて示す風向き位置(1)~(6)のいずれかの位置に向けた状態に維持できるように構成されている。つまり、風向スイッチ31を押し操作する毎に、風向き位置(1)~(6)を順次選択できるように構成されている。尚、
図4及び
図5においては、風向き位置(1)~(6)を、丸付き数字で記載する。
【0068】
尚、風向き位置(1)~(6)は、浴室乾燥運転、暖房運転、涼風運転と、衣類乾燥運転とでは、
図6の表に示すように、異なる向きとなるように設定されている。尚、
図6の表に示す角度は、可動ルーバ15の回動軸心を通る水平線に対して、半時計回りで可動ルーバ15を回転させた角度に相当する角度である。
ちなみに、衣類乾燥用変更範囲Hcは、風向き位置(2)~(6)に相当する範囲であり、浴室乾燥用変更範囲Hyは、風向き位置(1)~(6)に相当する範囲である。
【0069】
(乾燥運転の詳細)
運転制御部1が、自動運転やタイマー運転での乾燥運転開始が指令されたときに、浴室Y内に温風を送風するように浴室用乾燥部Jを作動させる初期乾燥運転を実行し、且つ、人感センサMの検出情報に基づいて乾燥対象物の存否を判定するように構成されている。
本実施形態では、運転制御部1が、初期乾燥運転として、衣類乾燥用作動状態で浴室用乾燥部Jを作動させるように構成されている。
具体的には、乾燥運転開始が指令されると、設定された初期乾燥時間(例えば、10分~30分)の間は衣類乾燥用作動状態で浴室用乾燥部Jを作動させるように構成されている。
【0070】
運転制御部1が、初期乾燥運転が終了すると(設定初期運転時間が経過すると)、人感センサMの検出情報に基づいて乾燥対象物の存否を判定して、乾燥対象物が存在する場合には、予め設定した衣類乾燥用作動状態で浴室用乾燥部Jを作動させる衣類乾燥運転を実行し、乾燥対象物が非存在の場合には、予め設定した浴室乾燥用作動状態で浴室用乾燥部Jを作動させる浴室乾燥運転を実行するように構成されている。
【0071】
本実施形態では、人感センサMの検出情報に基づく乾燥対象物の存否の判定は、乾燥用空気の流動(接触)により乾燥対象物が昇温することによる、温度上昇部分の存在を検出し、かつ、乾燥用空気の流動(接触)により乾燥対象物が揺れ動くことに着目して、温度上昇部分が揺れ動く場合に、乾燥対象物が存在すると判定するように構成されている。
つまり、人感センサMの検出情報に基づいて、周辺よりも温度が上昇している温度上昇部分が存在し、かつ、その温度上昇部分が揺れ動いていると判定した場合には、乾燥対象物が存在すると判定し、それ以外の場合には、乾燥対象物が存在しないと判定するように構成されている。
【0072】
次に、
図7のフローチャートに基づいて、自動運転及びタイマー運転での乾燥運転における運転制御部1の制御作動(乾燥運転処理)について説明する。
すなわち、乾燥スイッチ30にて乾燥運転(自動運転、タイマー運転)の開始が指令されるまで待機し(#1)、乾燥運転開始が指令されると、先ず、衣類乾燥用作動状態で浴室用乾燥部Jを作動させる初期乾燥運転を実行する(#2)。
【0073】
次に、設定された初期乾燥時間(例えば、10分~30分)が経過したか否かを判別し(#3)、初期乾燥時間が経過するまでの間は初期乾燥運転を実行する(#2)。
#3にて、初期乾燥時間が経過したことが判別されると、人感センサMの検出情報に基づいて乾燥対象物が存在するか否かを判別する(#4)。
【0074】
#4にて、乾燥対象物が存在すると判別した場合には、衣類乾燥用作動状態で浴室用乾燥部Jを作動させる衣類乾燥運転を実行し(#5)、その後、乾燥対象物の乾燥が終了する衣類乾燥終了を判別すると(#6)、浴室用乾燥部Jや可動ルーバ15の作動を停止する運転停止を実行する(#7)。
【0075】
#4にて、乾燥対象物が存在しないと判別した場合には、浴室乾燥用作動状態で浴室用乾燥部Jを作動させる浴室乾燥運転を実行し(#8)、その後、浴室Yの乾燥が終了する浴室乾燥終了を判別すると(#9)、浴室用乾燥部Jや可動ルーバ15の作動を停止する運転停止を実行する(#7)。
【0076】
〔別実施形態〕
以下、別実施形態を列記する。
(1)上記実施形態では、ミスト噴出機能を備えた浴室用乾燥機Aに、本発明を適用する場合を例示したが、本発明は、ミスト噴出機能を備えない形態の浴室用乾燥機Aに適用してもよいことはもちろんである。
【0077】
(2)上記実施形態では、衣類乾燥運転と浴室乾燥運転とに切替える乾燥運転として、自動運転とタイマー運転とを備える形態を例示したが、例えば、衣類乾燥運転と浴室乾燥運転とに切替える乾燥運転として、自動運転のみを備える形態や、衣類乾燥運転と浴室乾燥運転とに切替える乾燥運転として、タイマー運転のみを備える形態に構成する等、衣類乾燥運転と浴室乾燥運転とに切替える乾燥運転の具体構成は各種変更できる。
【0078】
(3)上記実施形態では、浴室用乾燥機Aが、浴室Yの天井Yaに設置される場合を例示したが、浴室用乾燥機Aを、浴室Yの側壁等に設置する形態で実施してもよい。
【0079】
(4)上記実施形態では、空気加熱部として、熱媒が循環される空気加熱用熱交換器10を例示したが、空気加熱部としては、電気ヒータを備えた電気式の加熱器等でもよい。
【0080】
(5)上記実施形態では、赤外線検出センサとしての人感センサMを浴室用乾燥機Aのグリル板8に設ける場合を例示したが、例えば、人感センサMを浴室リモコン2に備えさせるようにする等、人感センサMの設置箇所は種々変更できる。
【0081】
(6)上記実施形態では、乾燥対象検出部として、人感センサM(赤外線検出センサ)を例示したが、浴室内撮像する撮像部の画像情報を処理して乾燥対象物の存在を検出する撮像式検出部や、物干しバーBを受ける受具に掛かる荷重を検出する重量センサを設ける等、乾燥対象検出部の具体構成は種々変更できる。
【0082】
なお、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【符号の説明】
【0083】
1 運転制御部
2 リモコン
9 循環用送風部
10 空気加熱部
11 換気用送風部
15 空気吹出部
J 浴室用乾燥部
M 乾燥対象検出部(赤外線検出センサ)
Y 浴室