(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 23/00 20060101AFI20240927BHJP
F25D 23/02 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
F25D23/00 305H
F25D23/02 306C
(21)【出願番号】P 2020205953
(22)【出願日】2020-12-11
【審査請求日】2023-08-03
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】守谷 雅秀
【審査官】森山 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-072370(JP,A)
【文献】国際公開第2019/016958(WO,A1)
【文献】特開2005-003320(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 23/00
F25D 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外郭を構成する冷蔵庫本体と、
前記冷蔵庫本体内から配線を導出する配線導出部と、
前記冷蔵庫本体の周囲環境の状況を検知する検知部と、
前記配線導出部を覆うカバー部と、
を備え、
前記検知部は、
前記冷蔵庫本体の上面において前記配線導出部の側方に配置され
、
前記カバー部は、前記冷蔵庫本体における内側となる側面に、空気が通過可能な開口を有し、
前記検知部よりも前記開口側に、前記開口の上端よりも高い第1壁部が備えられ、
前記検知部よりも前記開口とは反対側に、前記開口の上端よりも高く、且つ、前記第1壁部の上端よりも高い第2壁部が備えられている冷蔵庫。
【請求項2】
前記検知部は、複数の前記開口を仮想的に接続する仮想接続線上に配置されている請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記配線導出部から導出される前記配線は、前記配線導出部の後方を通り、さらに前記配線導出部の前方に向かって延びて前記検知部に接続されている請求項1または2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記検知部は、前記冷蔵庫本体の外面から離間した状態で配置されている請求項1から3の何れか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記検知部は、前記配線導出部とは別体に設けられる固定部に固定されている請求項1から4の何れか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記固定部は、前記配線導出部から導出される前記配線を支持する配線支持部を備えている請求項5に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記冷蔵庫本体は、放熱部を備えており、
前記検知部は、前記放熱部の直上を避けた非直上位置に配置されている請求項1から
6の何れか1項に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、冷蔵庫においては、その周囲環境の状況として「湿度」を検知するための湿度センサを備えたものが考えられている。この種の冷蔵庫は、湿度センサによって検知される湿度に応じてヒータの駆動を制御することにより、結露の発生を抑制するようにしている。ところで、この種の湿度センサを、貯蔵室の前面開口部を開閉する貯蔵室扉の下端部に設けた構成が考えられている。しかしながら、この構成では、例えば貯蔵室扉と貯蔵室の前面開口部との間をシールするガスケットが変形するなどして貯蔵室内から冷気が漏れ出すと、その漏れ出た冷気が貯蔵室扉の下端部に設けられている湿度センサの近傍に流れてしまい、誤検知が発生するおそれがある。
【0003】
そこで、近年では、例えば特許文献1に開示されているように、貯蔵室扉を回動可能に支持するヒンジ部のカバー部内に湿度センサを備えることが考えられている。この構成によれば、仮に貯蔵室内から冷気が漏れ出たとしても、その冷気が湿度センサまで到達してしまうことは殆ど無く、従って、誤検知の発生を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、冷蔵庫においては、ヒンジ部のカバー部内には種々の電気部品類に接続する配線やコネクタなどが収容されている。つまり、ヒンジ部のカバー部内には、多数の配線が混在した状態となっている。そのため、このような部位にさらに湿度センサを接続しようとすると、ヒンジ部のカバー部内がさらに多数の配線によって混雑化した状態となってしまう。
【0006】
そこで、本実施形態は、冷蔵庫本体の周囲環境の状況を検知するための検知部を、配線の混雑化を招くことなく配置できるようにした冷蔵庫を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施形態に係る冷蔵庫は、外郭を構成する冷蔵庫本体と、前記冷蔵庫本体内から配線を導出する配線導出部と、前記冷蔵庫本体の周囲環境の状況を検知する検知部と、前記配線導出部を覆うカバー部と、を備え、前記検知部は、前記冷蔵庫本体の上面において前記配線導出部の側方に配置され、前記カバー部は、前記冷蔵庫本体における内側となる側面に、空気が通過可能な開口を有し、前記検知部よりも前記開口側に、前記開口の上端よりも高い第1壁部が備えられ、前記検知部よりも前記開口とは反対側に、前記開口の上端よりも高く、且つ、前記第1壁部の上端よりも高い第2壁部が備えられている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る冷蔵庫の構成例を概略的に示す正面図
【
図2】本実施形態に係る冷蔵庫の上部の構成例を概略的に示す縦断側面図
【
図3】本実施形態に係る冷蔵庫のヒンジ部およびその周辺部分の構成例を前方側から概略的に示す斜視図
【
図4】本実施形態に係る冷蔵庫のヒンジ部の内部の構成例を前方側から概略的に示す斜視図
【
図5】本実施形態に係る冷蔵庫のヒンジ部の内部の構成例を後方側から概略的に示す斜視図
【
図6】本実施形態に係る冷蔵庫のヒンジ部の内部の構成例を概略的に示す平面図
【
図7】本実施形態に係る冷蔵庫のヒンジ部の構成例を概略的に示す分解斜視図
【
図8】本実施形態に係る冷蔵庫のヒンジ部およびその周辺部分の構成例を後方側から概略的に示す斜視図(その1)
【
図9】本実施形態に係る冷蔵庫のヒンジ部およびその周辺部分の構成例を後方側から概略的に示す斜視図(その2)
【
図10】本実施形態に係る冷蔵庫のヒンジ部の内部の構成例を概略的に示す縦断正面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、冷蔵庫に係る一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1に例示する冷蔵庫10は、その外郭を構成する矩形箱状の断熱箱体11の内部に、食品類が貯蔵される複数の貯蔵室を備えている。断熱箱体11は、冷蔵庫10の本体部を構成する冷蔵庫本体の一例であり、内箱と外箱との間に真空断熱パネルや発泡ウレタンなどの断熱材を備えた構成である。断熱箱体11には、例えば食品類などの貯蔵物を収容する貯蔵室として、冷蔵温度帯に維持される冷蔵室12が設けられている。
【0010】
冷蔵室12の前面開口部は、左右方向に回動する、いわゆる観音開き式の2つの冷蔵室扉12R,12Lによって開閉されるようになっている。
【0011】
冷蔵室扉12Rは、冷蔵室12の前面開口部を閉塞した閉塞状態において冷蔵庫10の正面から見て右側の端部がヒンジ部100Rによって回動可能に支持されている。よって、冷蔵室扉12Rは、冷蔵室12の前面開口部を閉塞した閉塞状態における右辺側が回動基端側となり、左辺側が回動自由端側となる。ヒンジ部100Rは、冷蔵室扉12Rを回動可能に支持する回動支持部の一例である。
【0012】
また、冷蔵室扉12Lは、冷蔵室12の前面開口部を閉塞した閉塞状態において冷蔵庫10の正面から見て左側の端部がヒンジ部100Lによって回動可能に支持されている。よって、冷蔵室扉12Lは、冷蔵室12の前面開口部を閉塞した閉塞状態における左辺側が回動基端側となり、右辺側が回動自由端側となる。ヒンジ部100Lは、冷蔵室扉12Lを回動可能に支持する回動支持部の一例である。
【0013】
また、本実施形態では、冷蔵室扉12R,12Lの縦方向つまり上下方向の寸法は、ほぼ或いは完全に同じ寸法となっている。しかし、冷蔵室扉12R,12Lの横方向つまり左右方向の寸法は、異なる寸法となっている。この場合、冷蔵室扉12Rの横方向の寸法は、冷蔵室扉12Lの横方向の寸法よりも長くなっている。以上の通り、冷蔵室扉12R,12Lは、それぞれ大きさが異なっている。
【0014】
また、断熱箱体11には、冷蔵室12以外の貯蔵室として、さらに、冷蔵温度帯に維持される野菜室13、冷凍温度帯に維持される冷凍室14、小冷凍室15、製氷室16などの各種の貯蔵室が設けられている。野菜室13は、引き出し式の野菜室扉13aによって開閉されるようになっている。冷凍室14は、引き出し式の冷凍室扉14aによって開閉されるようになっている。小冷凍室15は、引き出し式の小冷凍室扉15aによって開閉されるようになっている。製氷室16は、引き出し式の製氷室扉16aによって開閉されるようになっている。
【0015】
図2に例示するように、冷蔵庫10は、断熱箱体11の外面、この場合、上面に放熱パイプ20を備えている。放熱パイプ20は、放熱部の一例であり、冷蔵庫10が備える周知の冷凍サイクル機構を構成する冷媒管の一部により構成されている。本実施形態では、放熱パイプ20は、断熱箱体11の上面のうちの前後方向におけるほぼ中央部において横方向に延びるように配設されている。そして、上述したヒンジ部100R,100Lは、何れも、放熱パイプ20の直上を避けた位置、この場合、放熱パイプ20よりも前側に配置されている。
【0016】
図3から
図7に例示するように、冷蔵庫10は、ヒンジ部100L内に湿度センサ101を備えている。湿度センサ101は、検知部の一例であり、この場合、断熱箱体11の周囲環境の状況として「湿度」を検知する周知の湿度検知用のセンサである。本実施形態に係る冷蔵庫10は、この湿度センサ101の配置態様に創意工夫を施している。次に、この湿度センサ101の配置態様について詳細に説明する。
【0017】
図3から
図7に例示するように、断熱箱体11は、ヒンジ部100Lが設けられる部分、この場合、断熱箱体11の上面のうち前部の左端部にハウジングケース102を備えている。ハウジングケース102は、配線導出部の一例であり、この場合、上面が開放したほぼ矩形箱状に形成されている。このハウジングケース102内には、断熱箱体11内から図示しない各種の配線が導出されている。そして、ハウジングケース102内から導出されている配線は、例えば冷蔵室扉12Lに設けられる各種の電気部品類に接続されている。
【0018】
ハウジングケース102内に導出されている各種の配線は、断熱箱体11内に設けられている図示しない制御装置に接続されている。制御装置は、例えばマイクロコンピュータを主体として構成されており、制御プログラムや設定情報などに基づき冷蔵庫10の動作全般を制御する。また、冷蔵室扉12Lに設けられる各種の電気部品類は、例えば、冷蔵室扉12Lの前面に設けられる操作パネルなどである。
【0019】
また、
図6に例示するように、ハウジングケース102内からは、湿度センサ用の配線103が導出されている。なお、配線103は、1本の単線であってもよいし、複数本の配線が束となった束線であってもよい。一方、湿度センサ101は、ハウジングケース102の側方、この場合、冷蔵庫10の正面側から見て右側方に配置されている。即ち、ハウジングケース102の後方には、放熱源である放熱パイプ20が存在している。そのため、本実施形態では、湿度センサ101は、このような放熱源が存在するハウジングケース102の後側方とは異なる右側方に配置されている。また、湿度センサ101は、その長手方向を冷蔵庫10の前後方向に沿わせるようにして配置されている。
【0020】
湿度センサ101は、ハウジングケース102とは別体に設けられる固定具110に固定されている。
図7に例示するように、固定具110は、矩形状に開口する開口部111と、開口部111の後部に設けられる配線支持部112と、開口部111の側方、この場合、冷蔵庫10の正面側から見て右側方に設けられるセンサ固定部113とを一体的に備えている。開口部111は、ハウジングケース102の上方に配置される。よって、この開口部111の後部に位置する配線支持部112は、ハウジングケース102の後側に配置され、開口部111の右方に位置するセンサ固定部113は、ハウジングケース102の右方に配置される。
【0021】
また、ヒンジ部100Lは、その外郭を構成するカバー部120を備えている。カバー部120は、少なくともハウジングケース102の全体およびその周辺部分を上方から覆っている。カバー部120の前端部には、冷蔵庫10の左右方向における一方側、この場合、冷蔵庫10の正面側から見て左側に突出する突出部121が設けられている。この突出部121は、冷蔵室扉12Lの回動軸12Laの上端部を上方から覆っている。
【0022】
また、カバー部120の側部、この場合、冷蔵庫10の正面側から見て右側の部分には、右方に延出する延出部122が形成されている。この延出部122は、カバー部120内に収容される固定具110のうち、湿度センサ101が固定されるセンサ固定部113およびその周辺部分を上方から覆っている。また、延出部122の側面、この場合、冷蔵庫10の正面側から見て右側の側面は、冷蔵庫10の前後方向に沿っている。また、延出部122の前面は、冷蔵庫10の前後方向および左右方向に対して傾斜している。
【0023】
そして、カバー部120は、空気が通過可能な複数、この場合、3つの開口123a,123b,123cを有している。
【0024】
開口123a,123bは、冷蔵庫10の正面側から見てカバー部120の右側の側面に設けられている。より具体的には、開口123a,123bは、カバー部120のうち延出部122の右側の側面に設けられている。よって、開口123a,123bは、冷蔵庫10の前後方向に沿って配置されている。この場合、開口123a,123bは、冷蔵庫10の前後方向に沿う長尺な開口となっている。また、開口123a,123bは、上辺の寸法よりも下辺の寸法が長いほぼ台形状の開口となっている。
【0025】
また、開口123cは、カバー部120の後側の側面に設けられている。より具体的には、開口123cは、カバー部120のうち延出部122の後側の側面に設けられている。また、開口123cは、冷蔵庫10の左右方向に沿う長尺な開口となっている。また、開口123cは、上辺の寸法と下辺の寸法がほぼ或いは完全に同じであるほぼ矩形状の開口となっている。
【0026】
また、開口123a,123bの開口面積は、ほぼ或いは完全に同じ大きさとなっている。また、開口123a,123bの開口面積は、開口123cの開口面積よりも大きくなっている。なお、
図9に例示するように、カバー部120は、冷蔵庫10の正面側から見て左側の側面には開口を有していない。即ち、カバー部120は、冷蔵庫10全体として外側となる部位、つまり、冷蔵庫10全体としての外観上で視認されやすい部位には開口を有していない構成となっている。
【0027】
そして、
図6に例示するように、上述した湿度センサ101は、カバー部120内において、複数の開口123a,123cを仮想的に接続する仮想接続線L1上に配置されている。この場合、湿度センサ101は、ほぼ全体が仮想接続線L1上に配置されている。また、湿度センサ101は、カバー部120内において、複数の開口123b,123cを仮想的に接続する仮想接続線L2上にも配置されている。この場合、湿度センサ101は、その一部、この場合、後部が仮想接続線L2上に配置されている。
【0028】
また、ハウジングケース102内から導出される湿度センサ用の配線103は、ハウジングケース102の後方を通り、さらにハウジングケース102の前方に向かって延びて湿度センサ101に接続されている。即ち、ハウジングケース102内から導出される湿度センサ用の配線103は、固定具110の配線支持部112を通ってセンサ固定部113に延びて湿度センサ101に接続されている。なお、固定具110には、複数、この場合、2つのフック114が設けられている。これらフック114は、配線支持部の一例である。この場合、2つのフック114のうち一方は配線支持部112に設けられており、他方はセンサ固定部113に設けられている。これらフック114は、ハウジングケース102内から導出されて配線支持部112内およびセンサ固定部113内を通る配線103を支持する。
【0029】
また、
図10に例示するように、センサ固定部113の底部には、複数のリブ113aが設けられている。そして、湿度センサ101は、このリブ113aによって下方から支持された状態で配置されている。よって、湿度センサ101は、断熱箱体11の外面、この場合、上面から離間した状態で配置されている。また、センサ固定部113の底部には、当該底部を上下方向に貫通する孔部113bが設けられている。
【0030】
また、センサ固定部113の内面には、複数の爪部113cが設けられている。湿度センサ101は、センサ固定部113内において爪部113cが係止することによって強固に固定されている。
【0031】
また、固定具110は、湿度センサ101と開口123a,123bとの間に外壁部115を備えている。外壁部115は、その上端が開口123a,123bの上端よりも高い壁部となっている。また、固定具110は、さらに、湿度センサ101よりも内側に内壁部116を備えている。内壁部116は、その上端が開口123a,123bの上端よりも高く、さらに外壁部115の上端よりも高い壁部となっている。
【0032】
以上の通り、本実施形態に係る冷蔵庫10は、湿度センサ101を、ヒンジ部100Lの外郭を構成するカバー部120内に収容した構成となっている。また、本実施形態に係る冷蔵庫10は、湿度センサ101を、ヒンジ部100Lの外郭を構成するカバー部120内において固定具110によって固定した構成となっている。そして、上述した通り、ヒンジ部100Lは、放熱パイプ20の直上を避けた位置、この場合、放熱パイプ20よりも前側の位置に配置されている。よって、このヒンジ部100L内に設けられている湿度センサ101も、放熱パイプ20の直上を避けた非直上位置に配置された構成となっている。
【0033】
以上に例示した本実施形態に係る冷蔵庫10によれば、湿度センサ101は、各種の配線が導出されるハウジングケース102の側方、この場合、冷蔵庫10の正面側から見て右側方に配置されている。この構成によれば、湿度センサ用の配線103を他の配線に混在させることなく別個に取り扱うことができる。よって、湿度センサ101を配線の混雑化を招くことなく配置することができる。
【0034】
また、仮に湿度センサ101をハウジングケース102の上方に重ねるように配置する構成とした場合には、カバー部120の高さ寸法を大きくする必要があり、その結果、ヒンジ部100L全体としての高さ寸法が大きくなってしまうという課題がある。本実施形態に係る冷蔵庫10によれば、湿度センサ101をハウジングケース102の側方に配置した構成としたので、カバー部120の高さ寸法を大きくする必要がなく、ひいては、ヒンジ部100Lの高さ寸法を大きくする必要もない。
【0035】
また、冷蔵庫10によれば、湿度センサ100は、カバー部120が有する複数の開口123a,123cを仮想的に接続する仮想接続線L1上、および、カバー部120が有する複数の開口123b,123cを仮想的に接続する仮想接続線L2上に配置されている。ヒンジ部100Lに対し、空気は、開口123a,123b,123cを介してカバー部120内に流入し或いは流出する。具体的には、空気は、開口123a或いは開口123bから流入して開口123cから流出したり、開口123cから流入して開口123a或いは開口123bから流出したり、開口123aから流入して開口123b或いは開口123cから流出したり、開口123bから流入して開口123a或いは開口123cから流出したりする。そのため、これら開口123a,123b,123cのうち少なくとも何れか2つを仮想的に接続する仮想接続線L1,L2上に沿うように湿度センサ101を配置した本実施形態に係る冷蔵庫10の構成例によれば、カバー部120内に流入した空気を湿度センサ101に接触させやすくすることができ、湿度センサ101による湿度の検知を効率良く且つ精度良く行うことができる。
【0036】
また、冷蔵庫10によれば、カバー部120に複数の開口123a,123b,123cを形成しているので、これらの開口123a,123b,123cを通してカバー部120内外への空気の流入および流出を行うことができ、カバー部120内に空気が滞留してしまうこと、ひいては、カバー部120内に湿気が滞留してしまうことを回避することができる。よって、湿度センサ101による湿度の検知を精度良く行うことができる。
【0037】
また、冷蔵庫10によれば、ハウジングケース102内から導出される湿度センサ用の配線103は、ハウジングケース102の後方を通り、さらにハウジングケース102の前方に向かって延びて湿度センサ101に接続されている。このように、湿度センサ用の配線103を湿度センサ101の後方側に配置することにより、湿度センサ101を極力前方側、つまり、放熱パイプ20から極力離れた位置に配置しやすくすることができる。よって、放熱パイプ20が発生する熱の影響を湿度センサ101に作用しにくくすることができる。
【0038】
また、冷蔵庫10によれば、湿度センサ101は、断熱箱体11の外面、この場合、上面から離間した状態で配置されている。この構成によれば、湿度センサ101の下方にも空気が行き渡りやすくなり、湿度センサ101の下部を含む全体に空気が供給されやすい状態を形成することができる。よって、湿度センサ101による湿度の検知効率および検知精度の一層の向上を図ることができる。
【0039】
また、冷蔵庫10によれば、湿度センサ101は、ハウジングケース102とは別体に設けられる固定具110に固定されている。この構成によれば、湿度センサ101を、専用の固定具110によって安定した状態で配置することができる。また、カバー部120が有する複数の開口123a,123b,123cに対する湿度センサ101の位置ずれを抑制することができ、複数の開口123a,123b,123cを介して流入或いは流出する空気を湿度センサ101に適切に接触させることができる。よって、湿度センサ101による湿度の検知効率および検知精度の一層の向上を図ることができる。また、冷蔵庫10によれば、専用の固定具110を用いて湿度センサ101を固定する構成としたので、湿度センサ101を固定するために例えばハウジングケース102などといった周辺の構成要素の大きさ、形状、配置位置などを変更する必要が無く、従って、周辺の構成要素については既存のものをそのまま用いることができる。
【0040】
また、冷蔵庫10によれば、固定具110は、ハウジングケース102内から導出される湿度センサ用の配線103を支持するフック114を備えている。この構成によれば、湿度センサ用の配線103を安定した状態で支持することができ、配線103の位置ずれや、配線103が湿度センサ101から外れてしまうことを抑制することができる。また、配線103を安定した状態で支持することにより、例えば組立時において配線103がカバー部120などの周辺部品に挟まれて断線してしまうことを回避することができる。
【0041】
また、冷蔵庫10によれば、湿度センサ101と開口123a,123bとの間に、これら開口123a,123bの上端よりも高い外壁部115を備えている。この構成によれば、仮に、開口123a,123bを介してカバー部120内に液体が流入したとしても、その液体が湿度センサ101に接触することを外壁部115によって阻止することができる。
【0042】
また、冷蔵庫10によれば、湿度センサ101よりも内側に、外壁部115よりも高い内壁部116を備えている。この構成によれば、開口123a,123bを介してカバー部120内に流入した空気を、内壁部116によって湿度センサ101に沿う方向に流れるように案内することができる。よって、開口123a,123bを介してカバー部120内に流入した空気を湿度センサ101に接触させやすくでき、湿度センサ101による湿度の検知精度および検知効率の一層の向上を図ることができる。
【0043】
また、冷蔵庫10によれば、湿度センサ101は、放熱パイプ20の直上を避けた非直上位置に配置されている。この構成によれば、放熱パイプ20が発生する熱の影響を湿度センサ101に作用しにくくすることができ、湿度センサ101による誤検知の発生を抑制することができる。なお、非直上位置は、放熱パイプ20よりも前側の位置に限られるものではなく、例えば、放熱パイプ20よりも後側の位置や放熱パイプ20よりも右側或いは左側の位置などであってもよい。但し、冷蔵庫10は、例えば電源基板などといった放熱パイプ20以外の放熱源も備えている。そのため、湿度センサ101の配置位置は、このような放熱パイプ20以外の放熱源との位置関係も考慮して決定するとよい。
【0044】
なお、本実施形態は、上述した一実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変形や拡張を行うことができる。例えば、検知部は、断熱箱体11の周囲環境の状況として「湿度」を検知する湿度センサに限られるものではなく、例えば、断熱箱体11の周囲環境の状況として「温度」を検知する温度センサであってもよい。また、検知部は、断熱箱体11の周囲環境の状況を検知可能なセンサ類であれば、種々のセンサ類を適用することができる。
【0045】
また、検知部の配置位置は、ハウジングケース102の右側方に限られるものではなく、ハウジングケース102の側方であれば、例えば、前側方、後側方、左側方であってもよい。
【0046】
また、カバー部120は、少なくとも2つ以上の開口、つまり、空気の入口となる開口と空気の出口となる開口を有していればよく、従って、開口123a,123b,123cのうちの1つを有さない構成としてもよい。また、カバー部120は、4つ以上の複数の開口を有する構成としてもよい。また、カバー部120は、冷蔵庫10の正面側から見て左側の側面に開口を有する構成としてもよい。また、カバー部120は、延出部122の前部を構成する傾斜面に開口を有する構成としてもよい。また、カバー部120に形成される複数の開口の開口面積や開口形状は、全ての開口について同じとしてもよいし、異ならせてもよい。また、カバー部120に形成される開口の位置、形状、数などに関わらず、検知部は、複数の開口のうち少なくとも2つを仮想的に接続する仮想接続線上に配置するとよい。
【0047】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本実施形態は、一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。本実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0048】
図面中、10は冷蔵庫、11は断熱箱体(冷蔵庫本体)、20は放熱パイプ(放熱部)、101は湿度センサ(検知部)、102はハウジングケース(配線導出部)、103は配線、110は固定具(固定部)、114はフック(配線支持部)、115は外壁部(壁部)、120はカバー部、123a,123b,123cは開口、を示す。