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特許7561604情報処理装置、三次元位置情報を取得する方法、コンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】情報処理装置、三次元位置情報を取得する方法、コンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 17/05 20110101AFI20240927BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
G06T17/05
G09B29/00 F
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020213298
(22)【出願日】2020-12-23
(65)【公開番号】P2022099505
(43)【公開日】2022-07-05
【審査請求日】2023-07-11
(73)【特許権者】
【識別番号】500578216
【氏名又は名称】株式会社ゼンリンデータコム
(74)【代理人】
【識別番号】100157277
【弁理士】
【氏名又は名称】板倉 幸恵
(74)【代理人】
【識別番号】100160691
【弁理士】
【氏名又は名称】田邊 淳也
(72)【発明者】
【氏名】森永 久之
【審査官】鈴木 肇
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-191770(JP,A)
【文献】国際公開第2015/163012(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 1/00
G06T 11/60
G06T 17/05
G06T 19/00 - 19/20
G09B 29/00 - 29/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、
三次元地図画像を表示させると共に、地表の基準点から、高さ方向に、かつ、垂直に描画されたオブジェクトを表示させる表示制御部と、
利用者による前記オブジェクト上の位置の指定を取得し、取得した前記位置が示す高さ情報と、前記基準点の位置情報との組を取得する三次元位置情報取得部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記表示制御部は、
表示された前記三次元地図画像のうち、地表面の任意の場所を指定する操作に応じて、前記操作により指定された場所を前記基準点として、前記オブジェクトを表示させる、情報処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記表示制御部は、
表示された前記三次元地図画像のうち、緯度経度方向における中心を前記基準点として前記オブジェクトを表示させる、情報処理装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記表示制御部は、
表示された前記オブジェクトにおける前記位置の指定の変化に応じて、当該位置が示す地表面からの高さに対応した縮尺へと前記三次元地図画像を変化させる、情報処理装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、さらに、
前記三次元地図画像が表す空間に付与された制限に関する情報を記憶する制限情報記憶部を備え、
前記表示制御部は、
前記オブジェクトのうちの少なくとも一部が、前記制限を有する空間に重複する場合、重複する部分と、重複しない部分とにおける前記オブジェクトの表示態様を変化させる、情報処理装置。
【請求項6】
三次元位置情報を取得する方法であって、情報処理装置が、
三次元地図画像を表示させると共に、地表の基準点から、高さ方向に、かつ、垂直に描画されたオブジェクトを表示させる工程と、
利用者による前記オブジェクト上の位置の指定を取得し、取得した前記位置が示す高さ情報と、前記基準点の位置情報との組を取得する工程と、
を備える、方法。
【請求項7】
コンピュータプログラムであって、情報処理装置に、
三次元地図画像を表示させると共に、地表の基準点から、高さ方向に、かつ、垂直に描画されたオブジェクトを表示させるステップと、
利用者による前記オブジェクト上の位置の指定を取得し、取得した前記位置が示す高さ情報と、前記基準点の位置情報との組を取得するステップと、
を実行させる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三次元位置情報を取得する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ドローン(無人航空機)が産業用途やホビー用途といった、種々の用途で用いられている。このようなドローンでは、コントローラを用いた手動操作のほか、予め指定した経路を進行させる自動操作が可能である。自動操作の場合、利用者は、出発地と目的地(1つ以上の経由地を含んでもよい)を指定し、ドローンは、指定された出発地から目的地までの経路を飛行する。以降、出発地、目的地、経由地を総称して「出発地等」とも呼ぶ。
【0003】
ここで、空中を飛行するというドローンの性質上、ドローンの自動操作における出発地等の指定には、地上を走行する車両の出発地等の指定に使用される二次元位置情報(例えば、緯度経度)に加えてさらに、高さ方向の位置情報を含んだ三次元位置情報が必要となる。この点、特許文献1には、ロボットのシミュレーションを行うために、三次元位置情報を入力する技術について開示されている。特許文献1に記載の方法では、まず、XY平面の画像を表示させてXY平面内の二次元座標を指定し、次に、YZ平面の画像を表示させてYZ平面内の二次元座標を指定することで、XYZの三次元位置情報を入力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-191770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の技術では、XY平面画像とYZ平面画像が個別に表示されるため、使い勝手が悪く、利用者のニーズに応じられていないという課題があった。具体的には、XY平面画像とYZ平面画像とを個別に表示した場合、利用者は、XYZ軸からなる三次元空間を脳内でイメージする必要が生じ、三次元空間上の位置が把握しづらい。このため、XY平面画像とYZ平面画像とを個別に表示する手法は、三次元CADデータ等が予め存在するロボットのシミュレーションには適しているものの、三次元空間上を(飛行禁止区域を除き)自由に飛行可能なドローンの出発地等の指定には適していない。なお、このような課題は、ドローンの出発地等の指定に限らず、利用者が何らかの目的で、三次元空間上の三次元位置を指定する場合に共通する課題であった。
【0006】
このため、情報処理装置において、三次元空間上の三次元位置を指定する際の利便性を向上させることが求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。情報処理装置であって、三次元地図画像を表示させると共に、地表の基準点から、高さ方向に、かつ、垂直に描画されたオブジェクトを表示させる表示制御部と、利用者による前記オブジェクト上の位置の指定を取得し、取得した前記位置が示す高さ情報と、前記基準点の位置情報との組を取得する三次元位置情報取得部と、を備える、情報処理装置。そのほか、本発明は、以下の形態としても実現可能である。
【0008】
(1)本発明の一形態によれば、情報処理装置が提供される。この情報処理装置は、三次元地図画像を表示させると共に、地表の基準点から、高さ方向に垂直に描画されたオブジェクトを表示させる表示制御部と、利用者による前記オブジェクト上の位置の指定を取得し、取得した前記位置が示す高さ情報と、前記基準点の位置情報との組を取得する三次元位置情報取得部と、を備える。
【0009】
この構成によれば、表示制御部は、三次元地図画像と、地表の基準点から高さ方向に垂直に描画されたオブジェクトとを表示させ、三次元位置情報取得部は、利用者によるオブジェクト上の位置の指定を取得し、取得した位置が示す高さ情報と、基準点の位置情報との組(三次元位置情報)を取得する。すなわち、情報処理装置の利用者は、三次元地図画像を確認しつつ位置の指定を行うことができるため、三次元空間上の三次元位置を把握しやすい。また、利用者は、地表の基準点から高さ方向に垂直に延びるオブジェクトを用いて三次元位置を指定するため、オブジェクトの下端に対応する「平面位置」と、オブジェクト上で自らが指定した位置に対応する「高さ位置」とを直感的に把握できる。これらの結果、本構成の情報処理装置によれば、三次元空間上の三次元位置を指定する際の利便性を向上させることができる。
【0010】
(2)上記形態の情報処理装置において、前記表示制御部は、表示された前記三次元地図画像のうち、地表面の任意の場所を指定する操作に応じて、前記操作により指定された場所を前記基準点として、前記オブジェクトを表示させてもよい。
この構成によれば、表示制御部は、表示された三次元地図画像のうち、地表面の任意の場所を指定する操作に応じて、操作により指定された場所を基準点として、オブジェクトを表示させる。このため利用者は、地表面の任意の場所(平面位置)を指定したのち、当該場所から高さ方向に表示されたオブジェクト上で、高さ位置を指定できる。
【0011】
(3)上記形態の情報処理装置において、前記表示制御部は、表示された前記三次元地図画像のうち、緯度経度方向における中心を前記基準点として前記オブジェクトを表示させてもよい。
この構成によれば、表示制御部は、表示された三次元地図画像のうち、緯度経度方向における中心を基準点としてオブジェクトを表示させる。このため利用者は、三次元地図画像の緯度経度方向における中心を所望の場所(平面位置)へと移動させた後、当該場所から高さ方向に表示されたオブジェクト上で、高さ位置を指定できる。
【0012】
(4)上記形態の情報処理装置において、前記表示制御部は、表示された前記オブジェクトにおける前記位置の指定の変化に応じて、当該位置が示す地表面からの高さに対応した縮尺へと前記三次元地図画像を変化させてもよい。
この構成によれば、表示制御部は、表示されたオブジェクトにおける位置の指定の変化に応じて、当該位置が示す地表面からの高さに対応した縮尺へと三次元地図画像を変化させる。換言すれば、三次元地図画像は、利用者がオブジェクト上で指定した地表面からの高さ(高さ位置)が高ければ高いほど広域表示とされ、低ければ低いほど狭域表示とされる。このため利用者は、三次元空間上の三次元位置をより一層容易に把握できる。
【0013】
(5)上記形態の情報処理装置では、さらに、前記三次元地図画像が表す空間に付与された制限に関する情報を記憶する制限情報記憶部を備え、前記表示制御部は、前記オブジェクトのうちの少なくとも一部が、前記制限を有する空間に重複する場合、重複する部分と、重複しない部分とにおける前記オブジェクトの表示態様を変化させてもよい。
この構成によれば、表示制御部は、オブジェクトのうちの少なくとも一部が、制限を有する空間に重複する場合、重複する部分と、重複しない部分とにおけるオブジェクトの表示態様を変化させる。このため利用者が、例えばドローンにおける飛行禁止区域のような、何らかの制限を有する空間を、ドローンの出発地等に指定してしまうことを抑制できる。この結果、本構成の情報処理装置によれば、三次元空間上の三次元位置を指定する際の利便性を、より一層向上させることができる。
【0014】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、三次元位置情報を取得する情報処理装置、取得した三次元位置情報を出発地、目的地、経由地として経路を求める情報処理装置、これら情報処理装置において実行される方法、情報処理装置を含むシステム、これら各装置やシステムの機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを配布するためのサーバ装置、そのコンピュータプログラムを記憶した一時的でない記憶媒体等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態としての位置情報取得システム(情報処理装置)の概略構成を示す図である。
図2】位置情報取得処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図3】表示部に表示される画面の一例を示す図である。
図4】オブジェクトの表示態様について説明する図である。
図5】位置情報取得処理の変形について説明する図である。
図6】位置情報取得処理の他の変形について説明する図である。
図7】第2実施形態の位置情報取得処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図8】第2実施形態において表示部に表示される画面の一例を示す図である。
図9】第3実施形態の位置情報取得処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図10】第3実施形態において表示部に表示される画面の一例を示す図である。
図11】第4実施形態の位置情報取得システム(情報処理装置)の概略構成を示す図である。
図12】第4実施形態のオブジェクトの表示態様について説明する図である。
図13】第5実施形態の情報処理装置の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
A.第1実施形態:
図1は、本発明の一実施形態としての位置情報取得システム(情報処理装置)1の概略構成を示す図である。位置情報取得システム1は、三次元空間上の三次元位置の指定を取得するシステムである。ここで「三次元位置」とは、平面位置と、高さ位置との組み合わせによって特定される、三次元空間上の一点を意味する。「平面位置」は、地表面の任意の場所を意味し、「高さ位置」は、地表面からの高さを意味する。また、「三次元位置情報」とは、三次元位置(三次元空間上の一点)を表すための情報を意味する。以降、三次元位置情報として、平面位置を特定するための緯度経度情報と、高さ位置を表すメートル表記との組み合わせを例示する。なお、高さ位置には、地表面からの高さに代えて、海抜0メートル地点からの高さが使用されてもよい。
【0017】
位置情報取得システム1により取得された三次元位置は、例えば、ドローン(無人航空機)の自動操作における、出発地、目的地、経由地(以降総称して「出発地等」とも呼ぶ。)の指定のために用いられる。位置情報取得システム1により取得された三次元位置は、ドローンの出発地等の指定に限らず、利用者が何らかの目的で、三次元空間上の三次元位置を指定する場合にも適用可能である。
【0018】
位置情報取得システム1は、サーバ10と、クライアント20とを備えている。サーバ10は、線通信によりインターネットINTに接続されている。クライアント20は、通信キャリアBSを介した無線通信によってインターネットINTに接続されている。通信キャリアBSには、送受信アンテナや、無線基地局、交換局が含まれる。すなわち、サーバ10とクライアント20とは、インターネットINTを介して相互に通信することができる。
【0019】
サーバ10は、CPU110と、記憶部120と、通信部130と、ROM/RAM140と、入出力部150とを備えており、各部は図示しないバスにより相互に接続されている。
【0020】
CPU110は、ROM140に格納されているコンピュータプログラムをRAM140に展開して実行することにより、サーバ10の各部を制御する。CPU110は、表示制御部111、三次元位置取得部112としても機能する。表示制御部111と三次元位置取得部112とは、協働して、図2で説明する位置情報取得処理を実行する。位置情報取得処理において表示制御部111は、クライアント20の表示部(入出力部250)に三次元地図画像とオブジェクトを表示させる。位置情報取得処理において三次元位置取得部112は、クライアント20の利用者により指定された三次元位置情報を取得する。
【0021】
記憶部120は、ハードディスク、フラッシュメモリ、メモリカードなどで構成される。記憶部120には、三次元地図データベース121が含まれている。以降の説明では、データベースを単に「DB」とも呼ぶ。三次元地図DB121は、三次元地図画像を表示するためのデータを格納するDBである。三次元地図DB121には、地物(地上にある自然/人工のすべての物)の形状を表すポリゴンデータ、地物の名称、地物の位置座標(例えば、代表点の緯度経度)等が含まれている。なお、三次元地図DB121には、付加的な情報(以降「付加情報」とも呼ぶ)が含まれていてもよい。付加情報とは、例えば、地形に関するデータ、統計データ等である。
【0022】
通信部130は、クライアント20など他の装置との間における、図示しない通信インターフェースを介した通信を制御する。入出力部150は、サーバ10と利用者との間の情報の入出力に使用される種々のインターフェースである。入出力部150としては、例えば、入力部としてのキーボード、タッチパネル、操作ボタン、マイク、出力部としての液晶パネル、タッチパネル、スピーカ、LED(Light Emitting Diode)インジケータ等を採用できる。
【0023】
クライアント20は、例えば、図示するパーソナルコンピュータのほか、スマートフォンや、ドローン本体、ドローンの制御装置(コントローラ)として構成してもよい。クライアント20は、CPU210と、記憶部220と、通信部230と、ROM/RAM240と、入出力部250とを備えており、各部は図示しないバスにより相互に接続されている。
【0024】
CPU210は、ROM240に格納されているコンピュータプログラムをRAM240に展開して実行することにより、クライアント20の各部を制御するほか、制御部211としても機能する。制御部211は、サーバ10に対して位置情報取得処理の実行を要求すると共に、位置情報取得処理における種々の画面を入出力部250に表示させ、位置情報取得処理において利用者からなされる操作を入出力部250から取得する。詳細は後述する。
【0025】
記憶部220は、ハードディスク、フラッシュメモリ、メモリカードなどで構成されている。通信部230は、サーバ10など他の装置との間における、図示しない通信インターフェースを介した通信を制御する。入出力部250は、クライアント20と利用者との間の情報の入出力に使用される種々のインターフェースである。入出力部250としては、例えば、入力部としてのキーボード、マウス、タッチパネル、操作ボタン、マイク、出力部(表示部)としての液晶パネル、タッチパネル、スピーカ等を採用できる。
【0026】
図2は、位置情報取得処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。位置情報取得処理は、三次元空間上の三次元位置の指定を取得する処理であり、任意のタイミングで実行され得る。例えば、位置情報取得処理は、クライアント20にインストールされている所定のアプリケーションが起動された際に、実行されてよい。アプリケーションが起動された後、クライアント20の制御部211は、サーバ10に対して、位置情報取得処理の実行要求と指定位置とを送信する。指定位置には、クライアント20の利用者により指定された住所等のほか、クライアント20の現在位置を表す現在位置情報が用いられてよい。また、指定位置は省略してもよい。
【0027】
ステップS10において、サーバ10の表示制御部111は、指定位置の三次元地図画像を表示させる。具体的には、表示制御部111は、三次元地図DB121を参照し、位置情報取得処理の実行要求と共にクライアント20から送信された指定位置を中心とした、三次元の地図画像を生成する。表示制御部111は、生成した三次元地図画像をクライアント20に送信する。クライアント20の制御部211は、受信した三次元地図画像を、表示部としての入出力部250に表示させる。なお、クライアント20からの指定位置の送信を省略する場合、表示制御部111は、任意に定められた規定の住所(または規定の緯度経度)を、指定位置として用いてもよい。
【0028】
図3は、表示部に表示される画面の一例を示す図である。ステップS10の結果、クライアント20の入出力部250には、図3(A)に例示する画面W1のうち、オブジェクトVPの表示がない三次元地図画像IMが表示される。クライアント20の利用者は、三次元地図画像IMの中から、三次元位置(平面位置、高さ位置)の平面位置として指定したい場所にポインタMPを移動させ、クリック・タップ等の選択操作をする。当該選択操作は、「地表面の任意の場所を指定する操作」に相当する。なお、表示制御部111及び制御部211は、三次元地図画像IMに重畳させて、ポインタMPがある位置の緯度経度を表示させてもよい。この場合、三次元地図画像IM上におけるポインタMPの移動に伴い、表示される緯度経度の値をリアルタイムに変化させてもよい。このようにすれば、利用者は、平面位置を把握しやすい。また、表示制御部111及び制御部211は、縮尺RSを変更する操作に応じて三次元地図画像IMの縮尺を変更してもよく、ポインタMPのスライド・フリック操作に応じて三次元地図画像IMの中心を移動させてもよい。
【0029】
図2のステップS12において、サーバ10の表示制御部111は、クライアント20の利用者により指定された基準点を取得する。具体的には、表示制御部111は、表示画面W1上においてクリック・タップ等の選択操作(地表面の任意の場所を指定する操作)がなされた点の緯度経度を取得し、当該緯度経度を「基準点」とする。
【0030】
ステップS14において、サーバ10の表示制御部111は、ステップS12で取得した基準点から、高さ方向にオブジェクトを表示させる。具体的には、表示制御部111は、オブジェクトVPを重畳させた三次元地図画像IMを生成し、クライアント20に送信する。ここで、オブジェクトVPは、図3(A)に示すように、三次元地図画像IM上の基準点に対応する位置P1から上空に向かって、高さ方向に垂直に描画された画像である。図示の例では、オブジェクトVPは、細長い棒状である。なお、オブジェクトVPは、平面的な画像(二次元画像)であってもよく、立体的な画像(三次元画像)であってもよい。
【0031】
図4は、オブジェクトの表示態様について説明する図である。表示制御部111は、種々の態様のオブジェクトVPを採用することができる。例えば表示制御部111は、図4に例示するオブジェクトVP1~VP5を表示させてもよい。オブジェクトVP1は、内側が彩色された半透明の細長い棒状である。内側を半透明としたオブジェクトVP1を採用すれば、利用者は、三次元地図画像IMを視認しやすい。オブジェクトVP2は、内側が透明の細長い棒状である。オブジェクトVP3は、線状である。オブジェクトVP4は、目盛状である。オブジェクトVP5は、地表面からの高さが併記された目盛状である。オブジェクトVP5を採用すれば、利用者は、地表面からの高さを認識しやすい。なお、図4に例示したオブジェクトVP1~VP5はあくまで一例であり、表示制御部111は、任意の態様のオブジェクトVPを採用してよい。
【0032】
図2のステップS14の結果、クライアント20の入出力部250には、図3(A)に示す画面W1が表示される。クライアント20の利用者は、オブジェクトVP上においてポインタMPを移動させ、三次元位置(平面位置、高さ位置)の高さ位置として指定したい場所でクリック・タップ等の選択操作をする。当該選択操作は、「オブジェクト上の位置を指定する操作」に相当する。なお、表示制御部111及び制御部211は、オブジェクトVPに重畳させて、ポインタMPがある位置の高さを表示させてもよい。この場合、オブジェクトVP上におけるポインタMPの移動に伴い、表示される高さの値をリアルタイムに変化させてもよい。具体的には例えば、図3(A)に示すように、オブジェクトVPの下端にポインタMPがある場合、ポインタMPの近傍に高さ「0m」との吹き出しが表示され、図3(B)に示すように、オブジェクトVP上でポインタMPが上に移動した際には、ポインタMPの近傍に高さ「200m」との吹き出しが表示される。このようにすれば、利用者は、高さ位置を把握しやすい。
【0033】
図2のステップS16において、サーバ10の三次元位置取得部112は、クライアント20の利用者により指定されたオブジェクト上の位置を取得する。ステップS18において、サーバ10の三次元位置取得部112は、三次元位置情報を取得する。具体的には、三次元位置取得部112は、ステップS12で取得した基準点を表す緯度経度を「平面位置情報」とし、かつ、ステップS16で取得したオブジェクト上の位置が示す高さを「高さ情報」とした、三次元位置情報を取得する。その後、三次元位置取得部112は、処理を終了させる。
【0034】
上述の通り、ステップS18で取得された三次元位置情報(平面位置情報、高さ情報)は、例えば、ドローンの自動操作における、出発地、目的地、経由地の指定のために用いられ得る。このため、サーバ10はさらに、出発地から目的地までの経路を探索する経路探索部を備え、三次元位置取得部112は経路探索部へと、求めた三次元位置情報を送信してもよい。なお、図3では山間部を例示したが、位置情報取得処理は、市街地、海、島等の任意の場所で実行できる。海の場合、地表面からの高さに代えて、海抜0メートル地点からの高さが使用されるとよい。
【0035】
以上のように、第1実施形態の位置情報取得システム(情報処理装置)1によれば、表示制御部111は、三次元地図画像IMと、地表の基準点P1から高さ方向に垂直に描画されたオブジェクトVPとを表示させ、三次元位置取得部112は、利用者によるオブジェクトVP上の位置の指定を取得し、取得した位置が示す高さ情報と、基準点の位置情報(平面位置情報)との組を、三次元位置情報として取得する。すなわち、位置情報取得システム1の利用者は、画面W1に表示された三次元地図画像IMを確認しつつ位置の指定を行うことができるため、三次元空間上の三次元位置を把握しやすい。また、利用者は、地表の基準点P1から高さ方向に垂直に延びるオブジェクトVPを用いて三次元位置を指定するため、オブジェクトVPの下端P1に対応する「平面位置(基準点)」と、オブジェクトVP上で自らが指定した位置に対応する「高さ位置」とを直感的に把握できる。これらの結果、第1実施形態の位置情報取得システム1によれば、三次元空間上の三次元位置を指定する際の利便性を向上させることができる。
【0036】
また、第1実施形態の位置情報取得システム(情報処理装置)1によれば、表示制御部111は、表示された三次元地図画像IMのうち、地表面の任意の場所を指定する操作(図2:ステップS12)に応じて、操作により指定された場所を基準点として、オブジェクトVPを表示させる(図2:ステップS14)。このため利用者は、地表面の任意の場所(平面位置)を指定したのち、当該場所から高さ方向に表示されたオブジェクトVP上で、高さ位置を指定できる。
【0037】
図5は、位置情報取得処理の変形について説明する図である。図2のステップS14で表示された画面W2において、クライアント20の利用者は、オブジェクトVP上でポインタMPを移動させる。表示制御部111及び制御部211は、オブジェクトVP上でのポインタMPの移動(位置の指定の変化)に応じて、ポインタMPの位置が示す地表面からの高さに対応した縮尺へと、三次元地図画像IMの縮尺を変化させる。具体的には、表示制御部111及び制御部211は、ポインタMPが示す地表面からの高さ(高さ位置)が高ければ高いほど、三次元地図画像IMを相対的に広域表示とする。一方、表示制御部111及び制御部211は、ポインタMPが示す地表面からの高さ(高さ位置)が低ければ低いほど、三次元地図画像IMを相対的に狭域表示とする。図示の例では、ポインタMPが示す地表面からの高さ「800m」に応じて、図3よりも広域な「2km」の縮尺RSとされた三次元地図画像IMが表示されている。
【0038】
このように、位置情報取得処理は種々の変更が可能であり、表示制御部111は、表示されたオブジェクトVPにおける位置の指定の変化(換言すれば、オブジェクトVP上でのポインタMPの位置の変化)に応じて、当該ポインタMPの位置が示す地表面からの高さに対応した縮尺RSへと三次元地図画像IMを変化させる。換言すれば、三次元地図画像IMは、利用者がオブジェクトVP上で指定した地表面からの高さ(高さ位置)が高ければ高いほど広域表示とされ、低ければ低いほど狭域表示とされる。このため利用者は、三次元空間上の三次元位置をより一層容易に把握できる。
【0039】
図6は、位置情報取得処理の他の変形について説明する図である。表示制御部111及び三次元位置取得部112は、利用者からの出発地、目的地、経由地の指定を順次取得するために、図2のステップS18終了後に、処理をステップS10に遷移させて、図2で説明した位置情報取得処理を繰り返す。図6には、3回目のステップS10によって、クライアント20の入出力部250に表示された画面W3を示している。画面W3には、1回目の位置情報取得処理の履歴D1,C1と、2回目の位置情報取得処理の履歴D2,C2とが、さらに表示されている。履歴D1は、1回目の位置情報取得処理により、クライアント20により指定された三次元位置(平面位置、高さ位置)の場所を表す画像である。履歴C1は、1回目の位置情報取得処理により取得された三次元位置情報(平面位置情報、高さ情報)である。同様に、履歴D2は、2回目の位置情報取得処理により、クライアント20により指定された三次元位置の場所を表す画像である。履歴C2は、1回目の位置情報取得処理により取得された三次元位置情報である。
【0040】
このように、位置情報取得処理は種々の変更が可能であり、表示制御部111は、繰り返し実施された位置情報取得処理の履歴を、三次元地図画像IMに重畳して表示させてもよい。このようにすれば、位置情報取得システム1の利用者は、例えばドローンの出発地、目的地、経由地等、自身が指定した三次元位置に関する情報を容易に把握できる。また、表示制御部111は、履歴D1,C1,D2,C2に代えて、または、履歴D1,C1,D2,C2と共に、指定された出発地、目的地、経由地から求めた経路を、三次元地図画像IMに重畳して表示させてもよい。このようにすれば、位置情報取得システム1の利用者は経路を容易に把握できる。
【0041】
B.第2実施形態:
図7は、第2実施形態の位置情報取得処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。図8は、第2実施形態において表示部に表示される画面の一例を示す図である。第2実施形態では、第1実施形態とは異なる方法で、オブジェクトVPを表示させる。第2実施形態の位置情報取得システム1は、第1実施形態で説明した構成において、表示制御部111に代えて表示制御部111aを備える。
【0042】
図7のステップS10aにおいて、表示制御部111aは、指定位置の三次元地図画像と、オブジェクトとを表示させる。具体的には、表示制御部111aは、図8(A)に示すように、緯度経度方向における中心にオブジェクトVPが表示された状態の、三次元地図画像IMを生成する。なお、三次元地図画像IMそのものの生成方法は、図2のステップS10と同様である。表示制御部111aは、生成したオブジェクトVPを含む三次元地図画像IMを、クライアント20に送信する。クライアント20の制御部211は、受信した三次元地図画像IMを、表示部としての入出力部250に表示させる。この結果、入出力部250には、図8(A)に示す画面W4が表示される。画面W4において、クライアント20の利用者は、ポインタMPをスライド・フリック操作することで、三次元地図画像IMの中心を移動させることができる。このとき、表示制御部111a及び制御部211は、三次元地図画像IMの中心である平面位置(緯度経度の地点)から、常にオブジェクトVPが延びるように、オブジェクトVPの表示を制御する。なお、表示制御部111a及び制御部211は、三次元地図画像IMの中心である平面位置(緯度経度の地点)の緯度経度を表示させてもよい。
【0043】
図7のステップS12aにおいて、表示制御部111aは、クライアント20の利用者により指定された基準点を取得する。具体的には、表示制御部111aは、ダブルクリック・ダブルタップ等の選択操作(Enterキーなど所定のキーの押下操作でもよい)がされた際に、その時点での三次元地図画像IMの中心である平面位置(換言すれば、オブジェクトVPの下端)を取得し、当該平面位置を「基準点」とする。その後、表示制御部111aは、処理をステップS16に遷移させ、オブジェクトVP上での位置の指定を取得する。以降の処理は、第1実施形態と同様である。
【0044】
このように、位置情報取得処理は種々の変更が可能であり、表示制御部111aは、三次元地図画像IMのうち、緯度経度方向における中心を基準点としてオブジェクトVPを表示させてもよい。このような第2実施形態の位置情報取得システム(情報処理装置)1によっても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。また、第2実施形態の位置情報取得システム1によれば、表示制御部111aは、表示された三次元地図画像IMのうち、緯度経度方向における中心を基準点としてオブジェクトVPを表示させる。このため利用者は、三次元地図画像IMの緯度経度方向における中心を所望の場所(平面位置)へと移動させた後、当該場所から高さ方向に表示されたオブジェクトVP上で、高さ位置を指定できる。
【0045】
C.第3実施形態:
図9は、第3実施形態の位置情報取得処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。図10は、第3実施形態において表示部に表示される画面の一例を示す図である。第3実施形態では、第1実施形態とは異なる方法で、オブジェクトVPを表示させる。第3実施形態の位置情報取得システム1は、第1実施形態で説明した構成において、表示制御部111に代えて表示制御部111aを備える。
【0046】
図9のステップS10bにおいて、表示制御部111bは、指定位置の三次元地図画像と、オブジェクトとを表示させる。具体的には、表示制御部111bは、図10(A)に示すように、ポインタMPにオブジェクトVPを重畳させた状態と、三次元地図画像IMを生成する。なお、三次元地図画像IMそのものの生成方法は、図2のステップS10と同様である。表示制御部111bは、生成したオブジェクトVPを含む三次元地図画像IMを、クライアント20に送信する。クライアント20の制御部211は、受信した三次元地図画像IMを、表示部としての入出力部250に表示させる。この結果、入出力部250には、図10(A)に示す画面W5が表示される。画面W5において、ポインタMPを移動させることで、オブジェクトVPを移動させることができる。このとき、表示制御部111b及び制御部211は、ポインタMPの一部からオブジェクトVPが延びるように、オブジェクトVPの表示を制御する。
【0047】
図9のステップS12bにおいて、表示制御部111bは、クライアント20の利用者により指定された基準点を取得する。具体的には、表示制御部111bは、クリック・タップ等の選択操作(Enterキーなど所定のキーの押下操作でもよい)がされた際に、その時点においてポインタMPの先端がある平面位置(オブジェクトVPの下端がある平面位置でもよい)を取得し、当該平面位置を「基準点」とする。その後、表示制御部111bは、処理をステップS16に遷移させ、オブジェクトVP上での位置の指定を取得する。以降の処理は、第1実施形態と同様である。
【0048】
このように、位置情報取得処理は種々の変更が可能であり、表示制御部111bは、ポインタMPに重畳させてオブジェクトVPを表示させてもよい。このような第3実施形態の位置情報取得システム(情報処理装置)1によっても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0049】
D.第4実施形態:
図11は、第4実施形態の位置情報取得システム(情報処理装置)1cの概略構成を示す図である。第4実施形態では、三次元空間に付与された制限に応じて、オブジェクトVPの表示を変化させる。第4実施形態の位置情報取得システム1cは、第1実施形態で説明した構成において、サーバ10に代えてサーバ10cを備える。サーバ10cは、第1実施形態で説明した表示制御部111に代えて表示制御部111cを備えると共に、記憶部120に代えて記憶部120cを備える。
【0050】
表示制御部111cは、位置情報取得処理の内容が第1実施形態と一部相違する。詳細は後述する。記憶部120cにはさらに、制限情報DB122が記憶されている。制限情報DB122は、三次元地図DB121の三次元地図画像が表す三次元空間に付された「制限」に関する情報を記憶するデータベースである。具体的には、制限情報DB122には、航空法で定められた飛行禁止区域を特定するための情報、小型無人機等飛行禁止法で定められた飛行禁止区域を特定するための情報、史跡・公園・市町村による規制により定められた飛行禁止区域を特定するための情報等が含まれている。なお、制限情報DB122は「制限情報記憶部」に相当する。
【0051】
図12は、第4実施形態のオブジェクトの表示態様について説明する図である。位置情報取得処理(図2)のステップS14において、表示制御部111cは、制限情報DB122を考慮したオブジェクトVP(図3)を表示させる。具体的には、表示制御部111cは、制限情報DB122を参照し、オブジェクトVP(図3)のうちの少なくとも一部分が、制限情報DB122に記憶された制限区域(飛行禁止区域)に重複するか否かを判定する。重複しない場合、表示制御部111cは、図3で説明した通りのオブジェクトVPを表示させる。重複する場合、表示制御部111cは、制限区域に重複する部分と重複しない部分とにおいて表示態様を変化させたオブジェクトVP11~VP13(図12)を表示させる。
【0052】
図12の例では、オブジェクトVP11は、制限区域(飛行禁止区域)DM2を黒塗りとし、制限のない区域DM1を他の色に彩色した細長い棒状である。オブジェクトVP12は、制限区域DM2に目印(図示の例ではバツ印)を重畳し、制限のない区域DM1に目印を重畳しない細長い棒状である。オブジェクトVP13は、制限区域DM2を透明とし、制限のない区域DM1を彩色した細長い棒状である。なお、図12に例示したオブジェクトVP11~VP13はあくまで一例であり、表示制御部111cは、任意の態様のオブジェクトVP11~VP13を採用してよい。例えば、表示制御部111cは、ドローンの飛行に適した高さと、適さない高さとが区別可能なように、色分け等(表示態様の変更)を行ったオブジェクトVP11~VP13を採用してもよい。
【0053】
このように、位置情報取得処理は種々の変更が可能であり、表示制御部111cは、三次元空間に付与された制限に応じて、オブジェクトVP11~VP13の表示を変化させてもよい。このような第4実施形態の位置情報取得システム(情報処理装置)1cによっても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。また、第4実施形態の位置情報取得システム1cによれば、表示制御部111cは、オブジェクトVPのうちの少なくとも一部が、制限を有する空間(制限区域、飛行禁止区域)に重複する場合、重複する部分DM2と、重複しない部分DM1とにおけるオブジェクトの表示態様を変化させる。このため利用者が、例えばドローンにおける飛行禁止区域のような、何らかの制限を有する空間を、ドローンの出発地等に指定してしまうことを抑制できる。この結果、第4実施形態の位置情報取得システム1cによれば、三次元空間上の三次元位置を指定する際の利便性を、より一層向上させることができる。
【0054】
E.第5実施形態:
図13は、第5実施形態の情報処理装置1dの概略構成を示す図である。第5実施形態の情報処理装置1dは、1第の装置(例えば、パーソナルコンピュータ)により構成されている。情報処理装置1dは、第1実施形態のサーバ10の構成において、表示制御部111に代えて表示制御部111dを備えている。表示制御部111dは、位置情報取得処理(図2)において、クライアント20の入出力部250に代えて、入出力部150に対して情報を入出力する。このようにすれば、スタンドアロンの構成で、情報処理装置1dの機能を実現できる。なお、情報処理装置1dは、パーソナルコンピュータ以外の構成(例えば、スマートフォンや、ドローン本体、ドローンの制御装置、ウェアラブルデバイス、ゲーム機等)であってもよい。
【0055】
F.変形例:
上記実施形態において、ハードウェアによって実現されるとした構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されるとした構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。その他、以下のような変形も可能である。
【0056】
・変形例1:
上記実施形態では、情報処理装置の構成の一例を示した。しかし、情報処理装置の構成は任意の態様を採用できる。例えば、三次元地図DB121や制限情報DB122は、クライアント20(図1)や、情報処理装置1d(図13)と通信可能に接続された他の装置(例えばクラウドサーバ上)に記憶されていてもよい。
【0057】
・変形例2:
上記実施形態では、位置情報取得処理(図2図7図9)について、処理手順の一例を挙げて説明した。しかし、これらの処理手順は種々の変更が可能であり、各ステップにおける処理内容の追加、省略、変更をしてもよく、各ステップの実行順序を変更してもよい。例えば、表示制御部111は、オブジェクトVPを拡張現実(AR:Augmented Reality)によって表示させてもよい。この場合、表示制御部111は、クライアント20としてのスマートフォンのカメラで撮影された実世界の画像を、三次元地図画像IMとして用いることで、三次元地図画像IMの生成を省略してもよい。また、表示制御部111は、クライアント20としての透過型ヘッドマウントディスプレイを透過する実世界の像を、三次元地図画像IMとして用いることで、三次元地図画像IMの生成及び表示を省略してもよい。
【0058】
例えば、表示制御部111は、地表の基準点から地下に向かって、高さ方向に垂直に描画されたオブジェクトを表示させてもよい。そうすれば、地下街の中、洞窟内、海中等の三次元位置を指定する情報処理装置を実現できる。同様に、表示制御部111は、地表の基準点から、上空と地下との両方向に向かって、高さ方向に垂直に描画されたオブジェクトを表示させてもよい。
【0059】
・変形例3:
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0060】
1,1c…位置情報取得システム、情報処理装置
1d…情報処理装置
10,10c…サーバ
20…クライアント
110…CPU
111,111a~111d…表示制御部
112…三次元位置取得部
120,120c…記憶部
121…三次元地図データベース
130…通信部
140…ROM/RAM
150…入出力部
210…CPU
211…制御部
220…記憶部
230…通信部
240…ROM/RAM
250…入出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図13