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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】情報処理装置及び表示制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04817 20220101AFI20240927BHJP
   G06F 3/04886 20220101ALI20240927BHJP
【FI】
G06F3/04817
G06F3/04886
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020214256
(22)【出願日】2020-12-23
(65)【公開番号】P2022100096
(43)【公開日】2022-07-05
【審査請求日】2023-08-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000001487
【氏名又は名称】フォルシアクラリオン・エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松下 祐樹
【審査官】遠藤 孝徳
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/151619(WO,A1)
【文献】特開2020-52542(JP,A)
【文献】特表2010-503130(JP,A)
【文献】特開2010-250768(JP,A)
【文献】特開2014-186532(JP,A)
【文献】特開2018-195178(JP,A)
【文献】特開2020-8946(JP,A)
【文献】特許第6723966(JP,B2)
【文献】特開2020-201664(JP,A)
【文献】特許第4759743(JP,B2)
【文献】特開2014-110054(JP,A)
【文献】特許第3460575(JP,B2)
【文献】特開2015-22567(JP,A)
【文献】特許第6002800(JP,B1)
【文献】特開2006-344046(JP,A)
【文献】国際公開第2020/227273(WO,A1)
【文献】特開2007-115180(JP,A)
【文献】特許第6034878(JP,B2)
【文献】特開2014-182519(JP,A)
【文献】特許第6003444(JP,B2)
【文献】特開2020-149329(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048 - 3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々機能が割り当てられた複数の機能割当領域を表示可能な表示部と、
前記表示部に対する操作を検出可能な操作検出部と、
前記表示部における表示内容を制御するとともに、前記操作検出部により検出された操作位置に基づく処理を行う制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記操作位置に対応する機能割当領域に割り当てられた機能を実行する機能使用モードと、前記機能割当領域の配置を変更する配置変更モードとを少なくとも切り替え可能であり、
前記機能使用モードでは、隣り合う前記機能割当領域の輪郭を接触状態とするか輪郭の間を接続する表示要素を設けることで、前記複数の機能割当領域を結合させて表示し、
前記配置変更モードでは、隣り合う前記機能割当領域の輪郭を非接触状態として輪郭の間を接続する表示要素を設けないことで、前記複数の機能割当領域を分離して表示する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
車両に搭載され、
前記操作検出部は、前記車両の乗員による操作を受け付け、
前記機能割当領域に割り当てられる機能は、複数の機能分類のいずれかに分類可能であり、
前記制御部は、同一の機能分類に属する機能を割り当てられた機能割当領域を結合させて表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記機能使用モードでは、前記複数の機能割当領域の輪郭を接触させることで結合させ、前記機能使用モードから前記配置変更モードに変更するときに、各機能割当領域の大きさと形状を維持しつつ、前記複数の機能割当領域の表示位置を互いに離隔する方向に移動させることで分離することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記機能使用モードでは、前記複数の機能割当領域の間に結合を示す表示態様による表示を行い、前記機能使用モードから前記配置変更モードに変更するときに前記結合が徐々に解除される遷移表示を行うことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、同一の機能分類に属する機能を割り当てられた機能割当領域を一括して同時に表示した状態で前記配置変更モードへの切替操作を受け付け、同一の機能分類に属する機能を割り当てられた機能割当領域の配置を変更することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記機能割当領域の配置に基づき、主操作画面で表示される機能割当領域が定まることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
各々機能が割り当てられた複数の機能割当領域を表示部に表示する情報処理装置が、
前記表示部に対する操作位置に応じて前記機能割当領域に割り当てられた機能を実行する機能使用モードにおいて、隣り合う前記機能割当領域の輪郭を接触状態とするか輪郭の間を接続する表示要素を設けることで、前記複数の機能割当領域を結合させて表示するステップと、
前記機能使用モードから前記機能割当領域の配置を変更する配置変更モードに切り替えるステップと、
前記配置変更モードにおいて、隣り合う前記機能割当領域の輪郭を非接触状態として輪郭の間を接続する表示要素を設けないことで、前記複数の機能割当領域を分離して表示するステップと、
を含むことを特徴とする表示制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術として、特開2015-22567(以下、特許文献1と呼ぶ。)がある。特許文献1では、「画像が整列した配置位置に配置される画面を表示させる情報処理装置において、利用者の所望の位置に画像が再配置される情報処理装置を提供する。情報処理装置は、順位づけされた位置に配置される複数の画像を表示する画像表示部(211)と、前記画像を一つ含む配置領域内で、前記複数の画像から選択された画像の再配置の指示を指示手段から受けた際に、前記画像表示部に選択された画像を前記配置領域内の位置に再配置する配置手段(221)と、を備える。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-22567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、タブレット端末やパーソナルコンピュータ等の情報処理装置において、所定のソフトウェアと紐づけられた画像を利用者の所望の位置に再配置することができる。しかしながら、情報処理装置の用途などに合わせて、再配置に対する要求が異なることは考慮されていない。
【0005】
例えば、車載装置においても同様に、機能を割り当てた機能割当領域に画像を対応付けて表示し、その配置を変更可能とすることが考えられる。しかし、車載装置では、利用者による注視を避けるため、短時間で操作を完了させることや表示の大きさを確保することが強く求められる。これらのことから、同じように画像の再配置を行うにも、他の情報処理装置とは異なる操作が必要となる場合や、他の情報処理装置とは異なる制限が課される場合がある。この結果、利用者が他の情報処理装置での操作から類推して車載装置の操作を試みると、所望の操作を完了させることができず、かえって操作性が低下する事態となる。
【0006】
そこで、本発明では、機能等を割り当てた領域を再配置するに際し、操作性を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による情報処理装置は、各々機能が割り当てられた複数の機能割当領域を表示可能な表示部と、前記表示部に対する操作を検出可能な操作検出部と、前記表示部における表示内容を制御するとともに、前記操作検出部により検出された操作位置に基づく処理を行う制御部と、を備え、前記制御部は、前記操作位置に対応する機能割当領域に割り当てられた機能を実行する機能使用モードと、前記機能割当領域の配置を変更する配置変更モードとを少なくとも切り替え可能であり、前記機能使用モードでは、前記複数の機能割当領域を結合させて表示し、前記配置変更モードでは、前記複数の機能割当領域を分離して表示する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、機能等を割り当てた領域を再配置するに際し、操作性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る表示制御方法の説明図である。
図2】車載装置の構成を示す構成図である。
図3】車載装置による機能割当領域の配置変更処理を示すフローチャートである。
図4】表示の具体例についての説明図である。
図5】結合と分離の表示例である。(その1)
図6】結合と分離の表示例である。(その2)
図7】配置変更における操作の具体例である。
図8】配置変更における操作の変形例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。
【0011】
図1は、本発明の実施形態に係る表示制御方法の説明図である。実施形態に係る車載装置10は、経路案内や音楽再生などに関する各種機能を有する。また、車載装置10は、タッチパネルディスプレイを備え、各々機能が割り当てられた複数の機能割当領域を表示することができる。
【0012】
機能割当領域は、その領域の境界を視認可能に表示するとともに、文字や記号で当該領域に割り当てられた機能を示すものである。タッチパネルディスプレイを用いて機能割当領域を表示し、当該表示位置に対する操作を受け付けたときに割り当てられた機能を実行することで、機能割当領域は仮想的な操作ボタンとして動作する。また、割り当てられた機能を記号や図で示し、規格化された形状(例えば所定の大きさの正方形)を有する機能割当領域は、一般にアイコンと呼ばれる。
【0013】
車載装置10は、機能割当領域への操作を受け付けて、割り当てられた機能を実行する機能使用モードと、機能割当領域の配置を変更する配置変更モードとを少なくとも切り替え可能である。
【0014】
そして、車載装置10は、機能使用モードでは、複数の機能割当領域を結合させて表示し、配置変更モードでは、前記複数の機能割当領域を分離して表示する。具体的には、車載装置10は、機能使用モードでは、複数の機能割当領域の輪郭を接触させることで結合した状態を表現する。そして、機能使用モードから配置変更モードに変更するときに、複数の機能割当領域の表示位置を互いに離隔する方向に移動させることで、機能割当領域の分離を表現する。
【0015】
このように、機能割当領域が互いに遠ざかるように表示位置をずらすことで、機能割当領域の大きさと形状を維持しつつ、機能割当領域の分離と結合を表現することができる。そして、機能割当領域の分離と結合により、配置を変更可能であるか否かを操作者に認識させ、誤操作を防止することで、操作性の向上に寄与する。
【0016】
図2は、車載装置10の構成を示す構成図である。車載装置10は、タッチパネルディスプレイ41、スピーカ24、GPS(Global Positioning System)ユニット25、通信部26、車両接続部27、制御部30及び記憶部40を有する。
【0017】
タッチパネルディスプレイ21は、表示部22と操作検出部23とを組み合わせた入出力インタフェースである。スピーカ24は、音声の出力を行う出力インタフェースである。GPSユニット25は、GPS衛星からの電波を受信して、自装置の位置を測位する。通信部26は、車両外の装置や車両内の他の端末との通信を行う。車両接続部27は、車両から各種情報(速度、操舵角など)を取得する。
【0018】
記憶部40は、磁気ディスクやフラッシュメモリなどを記憶媒体として備え、データの格納を行う。記憶部40が格納するデータには、地図データ41やアイコン配置データ42が含まれる。地図データ41は、現在位置周辺の地図の表示、目的地の設定、経路の検索、経路の誘導などに用いられる。アイコン配置データ42は、機能割当領域の配置に係る設定を示すデータである。
【0019】
制御部30は、例えばCPU(Central Processing Unit)などであり、所定のプログラムを読み出して実行することで、モード切替部31、設定部32、運転支援処理部33及びコンテンツ出力処理部34として動作する。
【0020】
モード切替部31は、機能使用モードと配置変更モードを少なくとも含む複数の動作モードから、使用する動作モードを選択し、切り替えることができる。
【0021】
設定部32は、車載装置10に関する各種の設定を管理する処理部である。設定部32は、機能割当領域の配置を変更することができ、変更された配置をアイコン配置データ42に登録することで管理する。運転支援処理部33は、現在位置周辺の地図の表示、目的地の設定、経路の検索、経路の誘導などを行う。コンテンツ出力処理部34は、ラジオやテレビなどの放送を受信した出力する、所定の記録媒体から音楽や動画を読み出して再生する、などの処理を行う。
【0022】
図3は、車載装置10による機能割当領域の配置変更処理を示すフローチャートである。図3の処理手順における初期状態では、モード切替部31は、機能使用モードでの表示(ステップS101)を行っている。このため、モード切替部31は、複数の機能割当領域を結合させて表示部22に表示した状態である。
【0023】
モード切替部31は、配置変更モードへの移行操作を受け付けると(ステップS102)、複数の機能割当領域、すなわち複数のアイコンの表示位置を互いに離隔する方向に移動させることでアイコンを分離し、配置変更モードを開始する(ステップS103)。
【0024】
ステップS103の後、設定部32は、入替対象の機能割当領域の指定を受け付けたか否かを判定する(ステップS104)。入替対象の機能割当領域の指定を受け付けたならば(ステップS104;Yes)、設定部32は、指定された機能割当領域の表示位置を入れ替えることで配置を変更し、アイコン配置データ42を更新する(ステップS105)。
【0025】
ステップS105の後、もしくは入替対象の機能割当領域の指定を受け付けていない場合(ステップS104;No)、設定部32は、配置変更モードの終了操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS106)。
【0026】
配置変更モードの終了操作を受け付けていなければ(ステップS106;No)、設定部32は、ステップS104に戻る。配置変更モードの終了操作を受け付けたならば(ステップS106;Yes)、モード切替部31は、複数の機能割当領域、すなわち複数のアイコンの表示位置を接近させ、境界線を接触させることでアイコンを結合し、配置変更モードを終了する(ステップS107)。その後、モード切替部31は、機能使用モードの表示を行って、配置変更に係る処理を終了する(ステップS108)。
【0027】
図4は、表示の具体例についての説明図である。図4では、車載装置10は、主画面であるメインメニューでは、例えば2種類のメニューにおけるアイコンのうちいくつかを表示可能である。さらに、主画面であるメインメニューから2種類のメニューそれぞれにおけるすべてのアイコンが表示された各メニュー(図4では目的地メニューやAVメニュー)に遷移させることができる。メインメニューから遷移するメニューは2種類に限られない。例えば、メインメニューから3種類のメニューへ遷移することが可能なとき、1種類目のメニューに表示されるいくつかのアイコンと2種類目のメニューに表示されるいくつかのイコンと3種類目のメニューに表示されるいくつかのアイコンとをメインメニューに表示することができる。この場合、主画面であるメインメニューから1種類目のメニューに遷移させると、1種類目のメニューに表示されるすべてのアイコンが車載装置10に表示される。各アイコンは後述の機能分類が付与されて、機能分類ごとにまとめて1種類のメニューとして表示される。
目的地メニューは、目的地の設定に関わる機能を割り当てたアイコンを一括して同時に表示する画面である。例えば、自宅を目的地に設定する機能や、履歴を参照して目的地の選択を行う機能などを割り当てたアイコンが目的地メニューに表示される。
AVメニューは、音楽や映像などの出力に関わる機能を割り当てたアイコンを一括して同時に表示する画面である。例えば、ラジオ放送を受信する機能や、記録媒体に格納されたコンテンツを再生する機能などを割り当てたアイコンがAVメニューに表示される。
【0028】
目的地メニュー画面は、機能使用モードでは、8つのアイコンを結合した状態で表示し、さらに配置変更ボタンを含む。この状態で配置変更ボタンが操作されると、配置変更モードとなり、8つのアイコンは分離し、配置変更ボタンは配置変更終了ボタンに置き換えられる。
AVメニュー画面は、機能使用モードでは、8つのアイコンを結合した状態で表示し、さらに配置変更ボタンを含む。この状態で配置変更ボタンが操作されると、配置変更モードとなり、8つのアイコンは分離し、配置変更ボタンは配置変更終了ボタンに置き換えられる。
【0029】
メインメニュー画面は、目的地メニューで左側に配置された4つのアイコンと、AVメニューで右側に配置された4つのアイコンを表示する。すなわち、目的地メニューやAVメニューにおける8つのアイコンの配置の変更は、どのアイコンをメインメニューに表示するかの選択を兼ねる。
【0030】
このように、アイコンに割り当てられる機能は、「目的地」や「AV」などの機能分類のいずれかに分類可能であり、車載装置10の制御部30は、同一の機能分類に属する機能を割り当てられた機能割当領域を結合させて表示する。
【0031】
そして、制御部30は、同一の機能分類に属する機能を割り当てられた機能割当領域を一括して同時に表示した状態で配置変更モードへの切替操作を受け付け、同一の機能分類に属する機能を割り当てられた機能割当領域の配置を変更する。
このとき、配置変更モードの開始と終了が機能割当領域の分離と結合に連動する。
かかる制御により、同一の機能分類の範囲内で機能割当領域の配置を変更可能とする制限を設け、この制限を操作者に容易に認識させることができる。
【0032】
これまでの説明では、機能割当領域が互いに遠ざかるよう移動させることで分離を表現する場合を示したが、他の表現を採用してもよい。図5及び図6は、結合と分離の表示例である。
【0033】
図5では、機能使用モードにおいて、複数の機能割当領域の境界が接している。そして、機能使用モードから配置変更モードに変更するときに、機能割当領域の境界に対し切断を模したアニメーション処理を遷移表示として行う。その後、配置変更モードでは複数の機能割当領域を分離して表示する。なお、配置変更モードから機能使用モードへの遷移表示では、溶接などを模したアニメーション処理を用いればよい。
【0034】
図6では、機能使用モードにおいて、複数の機能割当領域の間に結合を示す表示態様による表示を行っている。そして、機能使用モードから前記配置変更モードに変更するときに結合の解除を示す遷移表示を行う。その後、配置変更モードでは複数の機能割当領域を分離して表示する。なお、配置変更モードから機能使用モードへの遷移表示では、結合が再度行われる表示を行えばよい。この他、鎖や線ファスナーなど、結合と分離を表現する任意の手法により、機能割当領域の分離と結合を示すことができる。
【0035】
図7は、配置変更における操作の具体例である。まず、機能使用モードでは、アイコンに対するタップ操作が行われると、制御部30は、そのアイコンに割り当てられた機能を実行する。一方、配置変更モードでは、制御部30は、アイコンに対するタップ操作を入替対象の指定として受け付ける。
【0036】
具体的には、図7に示すように、アイコン「A」をタップすると、アイコン「A」が入替対象となり、次にアイコン「G」をタップするとアイコン「A」とアイコン「G」の入れ替えが実行されることになる。
【0037】
図8は、配置変更における操作の変形例である。配置変更モードにおいて、目的地メニューのアイコン「B」の位置からアイコン「D」の位置までドラッグ操作が行われたならば、制御部30は、アイコン「B」の位置を動かす操作として受け付け、配置変更を実行する。
【0038】
一方、機能使用モードにおいて、目的地メニューのアイコン「B」の位置からアイコン「D」の位置までドラッグ操作が行われたならば、制御部30は、アイコンが結合したプレート全体を動かす操作として受け付け、メインメニューの表示に遷移する。
このように、同一の操作に対し、アイコンが分離していればアイコンを対象とした処理を行い、アイコンが結合してプレートとして表示されていればプレートを対象とした処理を行うことで、操作者に操作の結果を容易に推測させることができ、操作性の向上を図ることができる。
【0039】
上述してきたように、本実施形態によれば、情報処理装置である車載装置10は、各々機能が割り当てられた複数の機能割当領域を表示可能な表示部22と、前記表示部22に対する操作を検出可能な操作検出部23と、前記表示部22における表示内容を制御するとともに、前記操作検出部23により検出された操作位置に基づく処理を行う制御部30と、を備える。
そして、前記制御部30は、前記操作位置に対応する機能割当領域に割り当てられた機能を実行する機能使用モードと、前記機能割当領域の配置を変更する配置変更モードとを少なくとも切り替え可能であり、前記機能使用モードでは、前記複数の機能割当領域を結合させて表示し、前記配置変更モードでは、前記複数の機能割当領域を分離して表示する。
かかる構成及び動作により、配置変更の可否や制限を簡明に示すことができるので、情報処理装置は、機能等を割り当てた領域を再配置するに際し、操作性を向上することができる。
【0040】
例えば、車載装置では、利き手ではない手で操作するケースが多く、また、注視しての操作を避けるべきシチュエーションも多い。そのため、アイコン等の表示を大きくして視認性や操作性を向上すること、短時間で操作を完了させることなどの要求がある。これらの要求に従った設計の結果、他の情報処理装置とは異なる操作が必要となる場合や、他の情報処理装置とは異なる制限が課される場合があるが、本実施形態によれば、視認性や操作性を保ちつつ、操作に対する制限等を示すことができる。このため、操作者は自身の操作の結果を簡易に予測することができ、高い操作性を実現できるのである。
【0041】
また、本実施形態に係る情報処理装置は、車両に搭載され、前記操作検出部は、前記車両の乗員による操作を受け付け、前記機能割当領域に割り当てられる機能は、複数の機能分類のいずれかに分類可能であり、前記制御部は、同一の機能分類に属する機能を割り当てられた機能割当領域を結合させて表示する。
このように、車載装置における同一の機能分類の範囲内で機能割当領域を配置変更可能とすることで、機能分類の利便性を保ちつつ、利用者の所望の配置を実現することができる。
【0042】
結合と分離の一例として、前記制御部30は、前記機能使用モードでは、前記複数の機能割当領域の輪郭を接触させることで結合させ、前記機能使用モードから前記配置変更モードに変更するときに前記複数の機能割当領域の表示位置を互いに離隔する方向に移動させることで分離する。
他の一例として、前記制御部30は、前記機能使用モードでは、前記複数の機能割当領域の間に結合を示す表示態様による表示を行い、前記機能使用モードから前記配置変更モードに変更するときに前記結合の解除を示す表示制御を行う。
このように、各種の表示態様を活用して、機能割当領域の結合と分離を示すことにより、配置変更における制限と操作の結果を操作者に認識させ、操作性の向上に寄与することができる。
【0043】
また、前記制御部30は、同一の機能分類に属する機能を割り当てられた機能割当領域を一括して同時に表示した状態で前記配置変更モードへの切替操作を受け付け、同一の機能分類に属する機能を割り当てられた機能割当領域の配置を変更する。
かかる動作を採用することで、同一の機能分類の範囲内で配置の変更を行わせることができる。
【0044】
また、前記機能割当領域の配置に基づき、主操作画面で表示される機能割当領域が定まる構成では、どの機能割当領域をどこに表示するかは、単なる操作者の好みではなく、使用頻度の高い機能割当領域を選択して主操作画面に配置することにつながるため、配置変更の重要度が高まることになる。
【0045】
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、構成及び動作を適宜変形して実施することができる。
例えば、実施形態では車載装置を例示して説明を行ったが、コンピュータやタブレット端末を含めた任意の情報処理装置に適用可能であり、特に、専用性が高く、他の情報処理装置とは異なる制限が設けられる情報処理装置について本発明は高い効果を奏する。
例えば、操作検出部は必ずしも表示部と一体化したタッチパネルディスプレイである必要はなく、操作検出部と表示部は別体でもよい。この場合、上下左右の操作等のタッチ操作に対応する操作を入力可能なスティック状の筐体や、ロータリーエンコーダを含み、時計回り/反時計回りに筐体を回転させる、筐体を押し込む等によりタッチ操作に相当する操作を入力可能な筐体、ジェスチャを検出するもの等タッチ操作に対応する操作を入力可能なジェスチャ操作検出部等、が操作検出部として用いられる。
【符号の説明】
【0046】
10…車載装置、21…タッチパネルディスプレイ、22…表示部、23…操作検出部、24…スピーカ、25…GPSユニット、26…通信部、27…車両接続部、30…制御部、31…モード切替部、32…設定部、33…運転支援処理部、34…コンテンツ出力処理部、40…記憶部、41…地図データ、42…アイコン配置データ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8