(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】シフトレジスタユニット、ゲート駆動回路、表示装置及び駆動方法
(51)【国際特許分類】
G09G 3/3266 20160101AFI20240927BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20240927BHJP
G11C 19/28 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
G09G3/3266
G09G3/20 622E
G09G3/20 612T
G11C19/28 230
(21)【出願番号】P 2020560439
(86)(22)【出願日】2019-10-22
(86)【国際出願番号】 CN2019112498
(87)【国際公開番号】W WO2020083275
(87)【国際公開日】2020-04-30
【審査請求日】2022-10-11
(31)【優先権主張番号】201811246431.0
(32)【優先日】2018-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】512282165
【氏名又は名称】合肥▲シン▼晟光▲電▼科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】HEFEI XINSHENG OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Xinzhan Industrial Park,Hefei,Anhui,230012,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】▲馮▼ 雪▲歡▼
(72)【発明者】
【氏名】李 永▲謙▼
(72)【発明者】
【氏名】袁 粲
【審査官】佐藤 嘉純
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0337682(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0078978(KR,A)
【文献】国際公開第2011/074316(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第108682397(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/3266
G09G 3/20
G11C 19/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シフトレジスタユニットであって、ブランク入力回路と表示入力回路と出力回路と第1制御回路とを備え、
前記ブランク入力回路は、ブランク入力信号をプルアップ制御ノードに提供し、ブランクプルアップ信号(blanking pull-up signal)をプルアップノードに提供するように構成され、
前記ブランク入力回路は、
第2クロック信号に基づいて前記ブランク入力信号を前記プルアップ制御ノードに提供するように構成されるブランク入力信号受信サブ回路と、
前記ブランク入力信号受信サブ回路が提供する前記ブランク入力信号を記憶するように構成される記憶サブ回路と、
前記プルアップ制御ノードの電圧及び第1クロック信号の制御下で前記ブランクプルアップ信号を前記プルアップノードに提供するように構成される
第1サブ回路と、を備え、
前記
第1サブ回路は、前記プルアップノードと前記プルアップ制御ノードとの間に位置し、
前記プルアップ制御ノードは、前記ブランク入力信号受信サブ回路と前記
第1サブ回路との間に位置し、且つ前記記憶サブ回路に結合され、
前記プルアップノードは、前記ブランク入力回路と前記出力回路との間に位置し、且つ前記表示入力回路と前記出力回路との間に位置し、
前記表示入力回路は、表示入力信号に基づいて表示プルアップ信号(display pull-up signal)を前記プルアップノードに提供するように構成され、
前記出力回路は、前記プルアップノードの信号の制御下で出力信号をシフト信号出力端子及び画素信号出力端子に提供するように構成され、
前記第1制御回路は、前記表示入力信号に基づいて前記シフト信号出力端子を前記画素信号出力端子に結合するように構成されるシフトレジスタユニット。
【請求項2】
前記第1制御回路は第1トランジスタを備え、
前記表示入力信号を受信するように前記第1トランジスタの制御電極が表示入力信号端子に結合され、前記第1トランジスタの第1電極が前記シフト信号出力端子に結合され、前記第1トランジスタの第2電極が前記画素信号出力端子に結合される請求項1に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項3】
前記シフトレジスタユニットは更に第2制御回路を備え、
前記第2制御回路は前記第1クロック信号の制御下で前記シフト信号出力端子を前記画素信号出力端子に結合するように構成される請求項1又は2に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項4】
前記第2制御回路は第2トランジスタを備え、
前記第1クロック信号を受信するように前記第2トランジスタの制御電極が第1クロック信号端子に結合され、前記第2トランジスタの第1電極が前記シフト信号出力端子に結合され、前記第2トランジスタの第2電極が前記画素信号出力端子に結合される請求項3に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項5】
前記ブランク入力信号受信サブ回路は第3トランジスタを備え、前記第2クロック信号を受信するように前記第3トランジスタの制御電極が第2クロック信号端子に結合され、前記ブランク入力信号を受信するように前記第3トランジスタの第1電極がブランク入力信号端子に結合され、前記第3トランジスタの第2電極が前記プルアップ制御ノードに結合され、
前記記憶サブ回路は第1キャパシタを備え、前記第1キャパシタの第1電極が前記プルアップ制御ノードに結合され、第1電圧を受信するように前記第1キャパシタの第2電極が第1電圧端子に結合され、
前記
第1サブ回路は第4トランジスタ及び第5トランジスタを備え、
前記第4トランジスタ及び第5トランジスタは薄膜トランジスタであり、前記第4トランジスタの制御電極が前記プルアップ制御ノードに結合され、第3クロック信号を前記ブランクプルアップ信号として受信するように前記第4トランジスタの第1電極が第3クロック信号端子に結合され、前記第4トランジスタの第2電極が前記第5トランジスタの第1電極に結合され、前記第1クロック信号を受信するように前記第5トランジスタの制御電極が第1クロック信号端子に結合され、前記第5トランジスタの第2電極が前記プルアップノードに結合される請求項1に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項6】
前記表示入力回路は第6トランジスタを備え、
前記表示入力信号を受信するように前記第6トランジスタの制御電極が表示入力信号端子に結合され、第2電圧を前記表示プルアップ信号として受信するように前記第6トランジスタの第1電極が第2電圧端子に結合され、前記第6トランジスタの第2電極が前記プルアップノードに結合される請求項1~5のいずれか1項に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項7】
前記出力回路は第7トランジスタ、第8トランジスタ及び第2キャパシタを備え、
前記第7トランジスタの制御電極が前記プルアップノードに結合され、第4クロック信号を前記出力信号として受信するように前記第7トランジスタの第1電極が第4クロック信号端子に結合され、前記第7トランジスタの第2電極が前記シフト信号出力端子に結合され、
前記第8トランジスタの制御電極が前記プルアップノードに結合され、前記第4クロック信号を前記出力信号として受信するように前記第8トランジスタの第1電極が前記第4クロック信号端子に結合され、前記第8トランジスタの第2電極が前記画素信号出力端子に結合され、
前記第2キャパシタの第1電極が前記プルアップノードに結合され、前記第2キャパシタの第2電極が前記第7トランジスタの第2電極に結合される請求項1~6のいずれか1項に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項8】
プルダウン回路、第1プルダウン制御回路、第2プルダウン制御回路及びリセット回路を更に備え、
前記プルダウン回路はプルダウンノードの電圧の制御下で前記プルアップノード、前記シフト信号出力端子及び前記画素信号出力端子に対して騒音低減を行うように構成され、
前記第1プルダウン制御回路は前記プルアップノードの電圧の制御下で前記プルダウンノードの電圧を制御するように構成され、
前記第2プルダウン制御回路はブランクプルダウン制御信号及び表示プルダウン制御信号の制御下で前記プルダウンノードの電圧を制御するように構成され、
前記リセット回路はブランクリセット信号及び表示リセット信号の制御下で前記プルアップノードをリセットするように構成される請求項1~7のいずれか1項に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項9】
前記プルダウン回路は第9トランジスタ、第10トランジスタ及び第11トランジスタを備え、
前記第9トランジスタの制御電極が前記プルダウンノードに結合され、前記第9トランジスタの第1電極が前記プルアップノードに結合され、第1電圧を受信するように前記第9トランジスタの第2電極が第1電圧端子に結合され、
前記第10トランジスタの制御電極が前記プルダウンノードに結合され、前記第10トランジスタの第1電極が前記シフト信号出力端子に結合され、前記第1電圧を受信するように前記第10トランジスタの第2電極が前記第1電圧端子に結合され、
前記第11トランジスタの制御電極が前記プルダウンノードに結合され、前記第11トランジスタの第1電極が前記画素信号出力端子に結合され、第3電圧を受信するように前記第11トランジスタの第2電極が第3電圧端子に結合される請求項8に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項10】
前記第1プルダウン制御回路は第12トランジスタ、第13トランジスタ及び第14トランジスタを備え、
第4電圧を受信するように前記第12トランジスタの制御電極と第1電極が第4電圧端子に結合され、前記第12トランジスタの第2電極が前記プルダウンノードに結合され、
第5電圧を受信するように前記第13トランジスタの制御電極と第1電極が第5電圧端子に結合され、前記第13トランジスタの第2電極が前記プルダウンノードに結合され、
前記第14トランジスタの制御電極が前記プルアップノードに結合され、前記第14トランジスタの第1電極が前記プルダウンノードに結合され、第1電圧を受信するように前記第14トランジスタの第2電極が第1電圧端子に結合される請求項8又は9に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項11】
前記第2プルダウン制御回路は第15トランジスタ及び第16トランジスタを備え、
前記第1クロック信号を前記ブランクプルダウン制御信号として受信するように前記第15トランジスタの制御電極が第1クロック信号端子に結合され、前記第15トランジスタの第1電極が前記プルダウンノードに結合され、第1電圧を受信するように前記第15トランジスタの第2電極が第1電圧端子に結合され、
前記表示入力信号を前記表示プルダウン制御信号として受信するように前記第16トランジスタの制御電極が表示入力信号端子に結合され、前記第16トランジスタの第1電極が前記プルダウンノードに結合され、第1電圧を受信するように前記第16トランジスタの第2電極が第1電圧端子に結合される請求項8~10のいずれか1項に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項12】
前記リセット回路は第17トランジスタ及び第18トランジスタを備え、
第2クロック信号を前記ブランクリセット信号として受信するように前記第17トランジスタの制御電極が第2クロック信号端子に結合され、前記第17トランジスタの第1電極が前記プルアップノードに結合され、第1電圧を受信するように前記第17トランジスタの第2電極が第1電圧端子に結合され、
前記表示リセット信号を受信するように前記第18トランジスタの制御電極が表示リセット信号端子に結合され、前記第18トランジスタの第1電極が前記プルアップノードに結合され、第1電圧を受信するように前記第18トランジスタの第2電極が第1電圧端子に結合される請求項8~11のいずれか1項に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項13】
負荷キャパシタ及び負荷抵抗を更に備え、
前記負荷キャパシタの一端が前記画素信号出力端子に結合され、他端が接地され、
前記負荷抵抗の一端が前記画素信号出力端子に結合され、他端が接地される請求項1~7のいずれか1項に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項14】
ゲート駆動回路であって、
カスケード接続される請求項1~13のいずれか1項に記載のシフトレジスタユニットを複数備え、
第nレベルのシフトレジスタユニットのシフト信号出力端子が第n+1レベルのシフトレジスタユニットにブランク入力信号を提供し、
第nレベルのシフトレジスタユニットのシフト信号出力端子が第n+2レベルのシフトレジスタユニットに表示入力信号を提供し、
nが0より大きな整数であるゲート駆動回路。
【請求項15】
第1サブクロック信号線、第2サブクロック信号線、第3サブクロック信号線及び第4サブクロック信号線を更に備え、
前記第1サブクロック信号線が第4n-3レベルのシフトレジスタユニットに第4クロック信号を出力信号として提供し、
前記第2サブクロック信号線が第4n-2レベルのシフトレジスタユニットに第4クロック信号を出力信号として提供し、
前記第3サブクロック信号線が第4n-1レベルのシフトレジスタユニットに第4クロック信号を出力信号として提供し、
前記第4サブクロック信号線が第4nレベルのシフトレジスタユニットに第4クロック信号を出力信号として提供する請求項14に記載のゲート駆動回路。
【請求項16】
第5サブクロック信号線、第6サブクロック信号線及び第7サブクロック信号線を更に備え、
前記第5サブクロック信号線が第2n-1レベルのシフトレジスタユニットに第2クロック信号を提供し、第2nレベルのシフトレジスタユニットに第3クロック信号をブランクプルアップ信号として提供し、
前記第6サブクロック信号線が第2n-1レベルのシフトレジスタユニットに第3クロック信号をブランクプルアップ信号として提供し、第2nレベルのシフトレジスタユニットに第2クロック信号を提供し、
前記第7サブクロック信号線が各レベルのシフトレジスタユニットに第1クロック信号を提供する請求項15に記載のゲート駆動回路。
【請求項17】
第n+3レベルのシフトレジスタユニットのシフト信号出力端子が第nレベルのシフトレジスタユニットに表示リセット信号を提供する請求項14~16のいずれか1項に記載のゲート駆動回路。
【請求項18】
請求項14~17のいずれか1項に記載のゲート駆動回路を備える表示装置。
【請求項19】
請求項1~13のいずれか1項に記載のシフトレジスタユニットの駆動方法であって、
ブランク入力回路がブランク入力信号をプルアップ制御ノードに提供することと、
表示入力回路が表示入力信号に応答して表示プルアップ信号をプルアップノードに提供し、前記表示入力信号の制御下で、第1制御回路がシフト信号出力端子を画素信号出力端子に結合することと、
出力回路が前記プルアップノードの電圧の制御下で、表示出力信号を出力することと、
ブランク入力回路が前記プルアップ制御ノードの電圧及び第1クロック信号の制御下で、ブランクプルアップ信号を前記プルアップノードに提供することと、
前記出力回路が前記プルアップノードの電圧の制御下で、ブランク出力信号を出力することと、を含むシフトレジスタユニットの駆動方法。
【請求項20】
前記シフトレジスタユニットは更に第2制御回路を備え、前記第2制御回路は、第1クロック信号の制御下で前記シフト信号出力端子を前記画素信号出力端子に結合するように構成され、更に、
第2制御回路が第1クロック信号の制御下で、前記シフト信号出力端子を前記画素信号出力端子に結合することを含む請求項19に記載のシフトレジスタユニットの駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2018年10月25日に提出した中国特許出願第201811246431.0号の優先権を主張し、ここで、上記中国特許出願に開示されている全内容が本願の一部として援用される。
【0002】
[技術分野]
本開示は表示技術分野に関し、具体的に、シフトレジスタユニット、ゲート駆動回路、表示装置及び駆動方法に関する。
【背景技術】
【0003】
表示技術の発展に伴い、従来の液晶表示(LCD、Liquid Crystal Display)装置に比べて、新世代の有機発光ダイオード(OLED、Organic Light Emitting Diode)表示装置は製造コストがより低く、反応速度がより速く、コントラストがより高く、視野角がより広く、動作温度範囲がより広く、バックライトユニットを必要とせず、色が鮮やかで軽くて薄いという利点を有し、従って、OLED表示技術は現在発展速度が最も速い表示技術となる。
【0004】
OLEDパネルのプロセス的な集積度を向上しコストを低減するために、一般的にゲートドライバオンアレイ(GOA、Gate Driveron Array)技術で薄膜トランジスタ(TFT)のゲート駆動回路を表示パネルのアレイ基板に集積することにより、表示パネルに対する走査駆動を実現する。このようなGOA技術でアレイ基板に集積されるゲート駆動回路がGOAユニット又はシフトレジスタユニットとも称される。GOA回路を用いる表示装置は駆動回路に関連付けられる部分を除去したため、材料コスト及び製造プロセスの2つの面でコストを低減することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の実施例はシフトレジスタ及びその駆動方法、ゲート駆動回路及びその駆動方法、並びに表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1態様では、シフトレジスタユニットを提供する。シフトレジスタユニットはブランク入力回路、表示入力回路、出力回路及び第1制御回路を備える。ブランク入力回路はブランク入力信号をプルアップ制御ノードに提供し、ブランクプルアップ信号をプルアップノードに提供するように構成される。表示入力回路は表示入力信号に基づいて表示プルアップ信号をプルアップノードに提供するように構成される。出力回路はプルアップノードの電圧の制御下で出力信号をシフト信号出力端子及び画素信号出力端子に提供するように構成される。第1制御回路は表示入力信号に基づいてシフト信号出力端子を画素信号出力端子に結合するように構成される。
【0007】
本開示の実施例では、第1制御回路は第1トランジスタを備える。表示入力信号を受信するように第1トランジスタの制御電極が表示入力信号端子に結合され、第1トランジスタの第1電極がシフト信号出力端子に結合され、第1トランジスタの第2電極が画素信号出力端子に結合される。
【0008】
本開示の実施例では、シフトレジスタユニットは更に第2制御回路を備える。第2制御回路は、第1クロック信号の制御下で、シフト信号出力端子を画素信号出力端子に結合するように構成される。
【0009】
本開示の実施例では、第2制御回路は第2トランジスタを備える。第1クロック信号を受信するように第2トランジスタの制御電極が第1クロック信号端子に結合され、第2トランジスタの第1電極がシフト信号出力端子に結合され、第2トランジスタの第2電極が画素信号出力端子に結合される。
【0010】
本開示の実施例では、ブランク入力回路は充電サブ回路、記憶サブ回路及びアイソレータサブ回路を備える。充電サブ回路は、第2クロック信号に基づいて、ブランク入力信号をプルアップ制御ノードに提供するように構成される。記憶サブ回路は、充電サブ回路が提供するブランク入力信号を記憶するように構成される。アイソレータサブ回路は、プルアップ制御ノードの電圧及び第1クロック信号の制御下で、ブランクプルアップ信号をプルアップノードに提供するように構成される。
【0011】
本開示の実施例では、充電サブ回路は第3トランジスタを備え、第2クロック信号を受信するように第3トランジスタの制御電極が第2クロック信号端子に結合され、ブランク入力信号を受信するように第3トランジスタの第1電極がブランク入力信号端子に結合され、第3トランジスタの第2電極がプルアップ制御ノードに結合される。記憶サブ回路は第1キャパシタを備え、第1キャパシタの第1電極がプルアップ制御ノードに結合され、第1電圧を受信するように第1キャパシタの第2電極が第1電圧端子に結合される。アイソレータサブ回路は第4トランジスタ及び第5トランジスタを備え、第4トランジスタの制御電極がプルアップ制御ノードに結合され、第3クロック信号をブランクプルアップ信号として受信するように第4トランジスタの第1電極が第3クロック信号端子に結合され、第4トランジスタの第2電極が第5トランジスタの第1電極に結合され、第1クロック信号を受信するように第5トランジスタの制御電極が第1クロック信号端子に結合され、第5トランジスタの第2電極がプルアップノードに結合される。
【0012】
本開示の実施例では、表示入力回路は第6トランジスタを備える。表示入力信号を受信するように第6トランジスタの制御電極が表示入力信号端子に結合され、第2電圧を表示プルアップ信号として受信するように第6トランジスタの第1電極が第2電圧端子に結合され、第6トランジスタの第2電極がプルアップノードに結合される。
【0013】
本開示の実施例では、出力回路は第7トランジスタ、第8トランジスタ及び第2キャパシタを備える。第7トランジスタの制御電極がプルアップノードに結合され、第4クロック信号を出力信号として受信するように第7トランジスタの第1電極が第4クロック信号端子に結合され、第7トランジスタの第2電極がシフト信号出力端子に結合される。第8トランジスタの制御電極がプルアップノードに結合され、第4クロック信号を出力信号として受信するように第8トランジスタの第1電極が第4クロック信号端子に結合され、第8トランジスタの第2電極が画素信号出力端子に結合される。第2キャパシタの第1電極がプルアップノードに結合され、第2キャパシタの第2電極が第7トランジスタの第2電極に結合される。
【0014】
本開示の実施例では、シフトレジスタユニットは更にプルダウン回路、第1プルダウン制御回路、第2プルダウン制御回路及びリセット回路を備える。プルダウン回路は、プルダウンノードの電圧の制御下でプルアップノード、シフト信号出力端子及び画素信号出力端子に対して騒音低減を行うように構成される。第1プルダウン制御回路は、プルアップノードの電圧の制御下でプルダウンノードの電圧を制御するように構成される。第2プルダウン制御回路は、ブランクプルダウン制御信号及び表示プルダウン制御信号の制御下で、プルダウンノードの電圧を制御するように構成される。リセット回路は、ブランクリセット信号及び表示リセット信号の制御下で、プルアップノードをリセットするように構成される。
【0015】
本開示の実施例では、プルダウン回路は第9トランジスタ、第10トランジスタ及び第11トランジスタを備える。第9トランジスタの制御電極がプルダウンノードに結合され、第9トランジスタの第1電極がプルアップノードに結合され、第1電圧を受信するように第9トランジスタの第2電極が第1電圧端子に結合される。第10トランジスタの制御電極がプルダウンノードに結合され、第10トランジスタの第1電極がシフト信号出力端子に結合され、第1電圧を受信するように第10トランジスタの第2電極が第1電圧端子に結合される。第11トランジスタの制御電極がプルダウンノードに結合され、第11トランジスタの第1電極が画素信号出力端子に結合され、第3電圧を受信するように第11トランジスタの第2電極が第3電圧端子に結合される。
【0016】
本開示の実施例では、第1プルダウン制御回路は第12トランジスタ、第13トランジスタ及び第14トランジスタを備える。第4電圧を受信するように第12トランジスタの制御電極と第1電極が第4電圧端子に結合され、第12トランジスタの第2電極がプルダウンノードに結合される。第5電圧を受信するように第13トランジスタの制御電極と第1電極が第5電圧端子に結合され、第13トランジスタの第2電極がプルダウンノードに結合される。第14トランジスタの制御電極がプルアップノードに結合され、第14トランジスタの第1電極がプルダウンノードに結合され、第1電圧を受信するように第14トランジスタの第2電極が第1電圧端子に結合される。
【0017】
本開示の実施例では、第2プルダウン制御回路は第15トランジスタ及び第16トランジスタを備える。第1クロック信号をブランクプルダウン制御信号として受信するように第15トランジスタの制御電極が第1クロック信号端子に結合され、第15トランジスタの第1電極がプルダウンノードに結合され、第1電圧を受信するように第15トランジスタの第2電極が第1電圧端子に結合される。表示入力信号を表示プルダウン制御信号として受信するように第16トランジスタの制御電極が表示入力信号端子に結合され、第16トランジスタの第1電極がプルダウンノードに結合され、第1電圧を受信するように第16トランジスタの第2電極が第1電圧端子に結合される。
【0018】
本開示の実施例では、リセット回路は第17トランジスタ及び第18トランジスタを備える。第2クロック信号をブランクリセット信号として受信するように第17トランジスタの制御電極が第2クロック信号端子に結合され、第17トランジスタの第1電極がプルアップノードに結合され、第1電圧を受信するように第17トランジスタの第2電極が第1電圧端子に結合される。表示リセット信号を受信するように第18トランジスタの制御電極が表示リセット信号端子に結合され、第18トランジスタの第1電極がプルアップノードに結合され、第1電圧を受信するように第18トランジスタの第2電極が第1電圧端子に結合される。
【0019】
本開示の実施例では、シフトレジスタユニットは更に負荷キャパシタ及び負荷抵抗を備える。負荷キャパシタの一端が画素信号出力端子に結合され、他端が接地される。負荷抵抗の一端が画素信号出力端子に結合され、他端が接地される。
【0020】
本開示の第2態様では、ゲート駆動回路を提供する。ゲート駆動回路はカスケード接続される本開示の第1態様に係るシフトレジスタユニットを複数備える。第nレベルのシフトレジスタユニットのシフト信号出力端子が第n+1レベルのシフトレジスタユニットにブランク入力信号を提供する。第nレベルのシフトレジスタユニットのシフト信号出力端子が第n+2レベルのシフトレジスタユニットに表示入力信号を提供する。nが0より大きな整数である。
【0021】
本開示の実施例では、ゲート駆動回路は更に第1サブクロック信号線、第2サブクロック信号線、第3サブクロック信号線及び第4サブクロック信号線を備える。第1サブクロック信号線が第4n-3レベルのシフトレジスタユニットに第4クロック信号を出力信号として提供し、第2サブクロック信号線が第4n-2レベルのシフトレジスタユニットに第4クロック信号を出力信号として提供し、第3サブクロック信号線が第4n-1レベルのシフトレジスタユニットに第4クロック信号を出力信号として提供し、第4サブクロック信号線が第4nレベルのシフトレジスタユニットに第4クロック信号を出力信号として提供する。
【0022】
本開示の実施例では、ゲート駆動回路は更に第5サブクロック信号線、第6サブクロック信号線及び第7サブクロック信号線を備える。第5サブクロック信号線が第2n-1レベルのシフトレジスタユニットに第2クロック信号を提供し、第2nレベルのシフトレジスタユニットに第3クロック信号をブランクプルアップ信号として提供する。第6サブクロック信号線が第2n-1レベルのシフトレジスタユニットに第3クロック信号をブランクプルアップ信号として提供し、第2nレベルのシフトレジスタユニットに第2クロック信号を提供する。第7サブクロック信号線が各レベルのシフトレジスタユニットに第1クロック信号を提供する。
【0023】
本開示の実施例では、第n+3レベルのシフトレジスタユニットのシフト信号出力端子が第nレベルのシフトレジスタユニットに表示リセット信号を提供する。
【0024】
本開示の第3態様では、表示装置を提供する。表示装置は本開示の第2態様に係るゲート駆動回路を備える。
【0025】
本開示の第4態様では、本開示の第1態様に係るシフトレジスタユニットの駆動方法を提供する。方法は、ブランク入力回路がブランク入力信号をプルアップ制御ノードに提供することと、表示入力回路が表示入力信号に応答して表示プルアップ信号をプルアップノードに提供し、表示入力信号の制御下で、第1制御回路がシフト信号出力端子を画素信号出力端子に結合することと、出力回路がプルアップノードの電圧の制御下で、表示出力信号を出力することと、ブランク入力回路がプルアップ制御ノードの電圧及び第1クロック信号の制御下で、ブランクプルアップ信号をプルアップノードに提供することと、出力回路がプルアップノードの電圧の制御下で、ブランク出力信号を出力することと、を含む。
【0026】
本開示の実施例では、方法は、更に、第2制御回路が第1クロック信号の制御下で、シフト信号出力端子を画素信号出力端子に結合することを含む。
【0027】
本開示の技術案をより明確に説明するために、以下に実施例の図面を簡単に説明する。理解されるように、以下に説明される図面は単に本開示の実施例の一例であり、本開示を制限するためのものではない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本開示の実施例に係るシフトレジスタユニットの例示的なブロック図である。
【
図2】本開示の実施例に係るブランク入力回路の例示的なブロック図である。
【
図3】本開示の実施例に係るシフトレジスタユニットの例示的なブロック図である。
【
図4】本開示の実施例に係るシフトレジスタユニットの例示的なブロック図である。
【
図5】本開示の実施例に係るシフトレジスタユニットの例示的なブロック図である。
【
図6】本開示の実施例に係るシフトレジスタユニットの例示的な回路図である。
【
図7】本開示の実施例に係るシフトレジスタユニットの例示的な回路図である。
【
図8】本開示の実施例に係るゲート駆動回路の模式図である。
【
図9】本開示の実施例に係るゲート駆動回路の動作過程における各信号のタイミングチャートである。
【
図10】本開示の実施例に係るシフトレジスタユニットの駆動方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本開示の実施例の技術案及び利点をより明確にするために、以下に本開示の実施例の図面を参照しながら本開示の実施例の技術案を明確且つ完全に説明する。明らかに、説明される実施例は本開示の実施例の一部であり、実施例のすべてではない。説明される本開示の実施例に基づき、当業者が進歩性のある労働を必要とせずに得られる他の実施例は、いずれも本開示の保護範囲に属する。
【0030】
特に定義しない限り、本開示に使用される技術用語又は科学用語は本開示の属する分野で当業者が理解する一般的な意味を有すべきである。本開示に使用される「第1」、「第2」及び類似の用語はいかなる順序、数又は重要性を示すことなく、異なる構成部分を区分するためのものである。同様に、「1つ」、「一」又は「該」等の類似の用語は数を制限するためのものではなく、少なくとも1つあることを示す。「包括」又は「包含」等の類似の用語は該用語の前に出現した素子又はオブジェクトが該用語の後で挙げられた素子又はオブジェクト及びその等価物を含むが、他の素子又はオブジェクトを排除しないことを意味する。「接続」又は「結合」等の類似の用語は物理的又は機械的接続に限らず、直接接続又は間接接続にかかわらず電気的接続を含んでもよい。「上」、「下」、「左」、「右」等は相対位置関係を示すことに用いられ、被説明対象の絶対位置が変化した後、該相対位置関係も対応して変化する可能性がある。
【0031】
表示分野、特に有機発光ダイオードOLED表示技術では、ゲート駆動回路が一般的に集積回路ICに集積される。集積回路ICの設計において、チップの面積がチップコストに影響する主な要素である。一般的に、ゲート駆動回路は検出回路、表示回路及びそれらの複合パルスを出力する接続回路(又は、ゲート回路)を備える。このような回路は構造が極めて複雑であるため、高解像度・狭額縁の要件を満たすことが困難である。
【0032】
OLED表示パネルのサブ画素ユニットを補償するとき、サブ画素ユニットに画素補償回路を設置することにより内部補償を行う以外に、更にセンストランジスタを設置することにより外部補償を行ってもよい。外部補償を行うとき、シフトレジスタユニットからなるゲート駆動回路はそれぞれ走査トランジスタ及びセンストランジスタのための駆動信号を表示パネルのサブ画素ユニットに提供する必要がある。例えば、1フレームの表示期間(Display)で走査トランジスタのための走査駆動信号を提供し、1フレームのブランク期間(Blank)でセンストランジスタのためのセンス駆動信号を提供する。
【0033】
本開示の実施例では、「1フレーム」、「各フレーム」又は「あるフレーム」は順に行われる表示期間及びブランク期間を含む。例えば、表示期間で、ゲート駆動回路が表示出力信号を出力し、第1行から最後の行までの走査を行うように該表示出力信号が表示パネルにおける走査トランジスタを駆動することに用いられてもよい。ブランク期間で、ゲート駆動回路がブランク出力信号を出力し、該行のサブ画素ユニットの外部補償を完了するように、該ブランク出力信号が表示パネルのある行のサブ画素ユニットにおけるセンストランジスタを駆動することに用いられてもよい。
【0034】
高い周波数でゲート駆動回路を駆動するとき、データ書き込み時間が短いため、複数の出力波形を重複させるようにゲート線を予め充電することができ、それによりデータ書き込み時間を延長する。ところが、高レベル書き込み段階において、ゲート駆動回路における各シフトレジスタユニットの出力端子に結合による騒音が生じやすい。
【0035】
本開示の実施例はシフトレジスタユニット及びその駆動方法、ゲート駆動回路及びその駆動方法、並びに表示装置を提供する。以下、図面を参照しながら本開示の実施例及びその例を詳しく説明する。
【0036】
図1は本開示の実施例に係るシフトレジスタユニットの例示的なブロック図である。
図1に示すように、シフトレジスタユニット10はブランク入力回路100、表示入力回路200、出力回路300及び第1制御回路400を備えてもよい。
【0037】
プルアップ制御ノードHの電圧を制御するよう、ブランク入力回路100はブランク入力信号をプルアップ制御ノードH(
図1に図示せず、
図2参照、以下に詳しく説明する)に提供することができる。プルアップノードQの電圧を制御するよう、ブランク入力回路100は更にブランクプルアップ信号をプルアップノードQに提供することができる。
【0038】
いくつかの実施例では、ブランク入力回路100はブランク入力信号を受信するようにブランク入力信号端子STU1に結合され、第1クロック信号を受信するように第1クロック信号端子CLKAに結合され、第2クロック信号を受信するように第2クロック信号端子CLKBに結合され、第3クロック信号を受信するように第3クロック信号端子CLKCに結合されてもよい。第3クロック信号がブランクプルアップ信号とされてもよい。
【0039】
例えば、ブランク入力回路100は第2クロック信号の制御下でブランク入力信号をプルアップ制御ノードHに提供することができる。ブランク入力回路100は更にプルアップ制御ノードHの電圧及び第1クロック信号の制御下でブランクプルアップ信号をプルアップノードQに提供することができる。
【0040】
例示的な実施例では、ブランク入力回路100は1フレームの表示期間でブランク入力信号を受信してブランク入力信号を記憶し、このフレームのブランク期間でブランク入力信号に基づいてプルアップノードQにブランクプルアップ信号を提供することができる。また、ブランク入力回路100は更に1フレームのブランク期間でブランク入力信号を受信してブランク入力信号を記憶し、次のフレームのブランク期間でブランク入力信号に基づいてプルアップノードQにブランクプルアップ信号を提供することができる。
【0041】
図2は本開示の実施例に係るブランク入力回路の例示的なブロック図である。
図2に示すように、ブランク入力回路100は充電サブ回路110、記憶サブ回路120及びアイソレータサブ回路130を備えてもよい。
【0042】
プルアップ制御ノードHの電圧を制御するよう、充電サブ回路110は第2クロック信号の制御下でブランク入力信号をプルアップ制御ノードHに提供することができる。例えば、充電サブ回路110は第2クロック信号を受信するように第2クロック信号端子CLKBに結合され、ブランク入力信号を受信するようにブランク入力信号端子STU1に結合されてもよい。
【0043】
記憶サブ回路120は充電サブ回路が提供するブランク入力信号を記憶することができる。例えば、記憶サブ回路120はプルアップ制御ノードHに結合され、第1電圧を受信するように第1電圧端子VGL1(図示せず)に結合されてもよい。実施例では、1フレームの表示期間で、記憶サブ回路120はプルアップ制御ノードHを高電位に充電することができる。これにより、プルアップ制御ノードHの高レベルが該フレームのブランク期間まで保持されるようにする。
【0044】
本開示の実施例では、第1電圧端子VGL1は直流・低レベル信号を提供することができ、すなわち第1電圧が低レベルである。
【0045】
プルアップノードQの電圧を制御するよう、アイソレータサブ回路130はプルアップ制御ノードHの電圧及び第1クロック信号の制御下で、ブランクプルアップ信号をプルアップノードQに提供することができる。例えば、アイソレータサブ回路130は、第1クロック信号を受信するように第1クロック信号端子CLKAに結合され、第3クロック信号をブランクプルアップ信号として受信するように第3クロック信号端子CLKCに結合されてもよい。
【0046】
アイソレータサブ回路130がプルアップノードQとプルアップ制御ノードHとの間に設置されるため、プルアップノードQとプルアップ制御ノードHとが互いに影響することを防止することができる。実施例では、例えば、ブランク期間で、アイソレータサブ回路130は、第1クロック信号の制御下でプルアップノードQと第3クロック信号端子CLKCとの接続を切断することができる。その間に、高レベルのブランクプルアップ信号がプルアップノードQの電圧に影響しない。
【0047】
図1に示すように、表示入力回路200は、表示入力信号の制御下で表示プルアップ信号をプルアップノードQに提供することができる。例えば、表示入力回路200は表示入力信号を受信するように表示入力信号端子STU2に結合され、第2電圧を表示プルアップ信号として受信するように第2電圧端子VDDに結合されてもよい。
【0048】
本開示の実施例では、第2電圧端子VDDは直流・高レベル信号を提供することができ、すなわち第2電圧が高レベルである。
【0049】
出力回路300は、プルアップノードQの電圧の制御下で出力信号をシフト信号出力端子CR及び画素信号出力端子OUTに提供することができる。例えば、第4クロック信号を出力信号として受信するように出力回路300が第4クロック信号端子CLKDに結合されてもよい。
【0050】
実施例では、出力信号は表示出力信号及びブランク出力信号を含んでもよく、1フレームの表示期間で、出力回路300は、プルアップノードQの電圧の制御下で、表示出力信号をシフト信号出力端子CR及び画素信号出力端子OUTに出力することができる。シフト信号出力端子CRから出力された表示出力信号は上下レベルのシフトレジスタユニットの走査シフトに使用されてもよい。画素信号出力端子OUTから出力された表示出力信号は表示パネルのサブ画素ユニットを駆動して走査表示を行うことに用いられてもよい。1フレームのブランク期間で、出力回路300はプルアップノードQの電圧の制御下で、ブランク出力信号をシフト信号出力端子CR及び画素信号出力端子OUTに出力することができる。シフト信号出力端子CRから出力されたブランク出力信号は、次のレベルのシフトレジスタユニットのブランク入力信号に使用されてもよい(以下に詳しく説明する)。画素信号出力端子OUTから出力されたブランク出力信号は、表示パネルのサブ画素ユニットにおけるトランジスタを制御することに用いられてもよい。
【0051】
なお、第1制御回路400は、表示入力信号の制御下でシフト信号出力端子CRを画素信号出力端子OUTに結合することができる。例えば、表示入力信号を受信するように第1制御回路400が表示入力信号端子STU2に結合されてもよい。実施例では、第1制御回路400は、表示入力信号の制御下でシフト信号出力端子CRを画素信号出力端子OUTに結合することにより、画素信号出力端子OUT側の負荷キャパシタ及び負荷抵抗(図示せず)によって、シフト信号出力端子CRに対して電圧安定化を行うことができる。負荷キャパシタは、独立して設置されたキャパシタであってもよく、画素信号出力端子OUTに結合される回路における寄生キャパシタであってもよい。負荷抵抗は、独立して設置された抵抗であってもよく、画素信号出力端子OUTに結合される回路における寄生抵抗であってもよい。表示段階において、プルアップノードQに高電圧を書き込むとき、シフト信号出力端子CRが画素信号出力端子OUTに結合される負荷キャパシタ及び負荷抵抗に結合され、これにより、負荷キャパシタ及び負荷抵抗のフィルタリング作用によって、シフト信号出力端子CRでの信号の騒音を低減する。この方式を用いることにより、高電圧書き込み過程におけるシフト信号出力端子CRの騒音を効果的に低減することができる。
【0052】
本開示の実施例に係るシフトレジスタユニット10によれば、異なる期間でブランク入力回路100及び表示入力回路200によってそれぞれプルアップノードQの電圧を制御することができ、表示出力信号及びブランク出力信号の両方の出力を実現するよう、ブランク入力回路100と表示入力回路200とが同じ出力回路300を共有する。また、高電圧書き込み過程におけるシフト信号出力端子CRに生じた騒音を低減するよう、第1制御回路400は出力回路300のシフト信号出力端子CRを画素信号出力端子OUTに結合するように制御することができる。
【0053】
図3は本開示の実施例に係るシフトレジスタユニットの例示的なブロック図である。
図3に示すように、シフトレジスタユニット15はブランク入力回路100、表示入力回路200、出力回路300、第1制御回路400、プルダウン回路500、第1プルダウン制御回路600、第2プルダウン制御回路700及びリセット回路800を備えてもよい。ブランク入力回路100、表示入力回路200、出力回路300、第1制御回路400は既に以上に詳しく説明されたため、ここで詳細な説明は省略する。
【0054】
実施例では、プルダウン回路500はプルダウンノードQBの電圧の制御下でプルアップノードQ、シフト信号出力端子CR及び画素信号出力端子OUTに対して騒音低減を行うことができる。例えば、プルダウン回路500は第1電圧を受信するように第1電圧端子VGL1に結合され、第3電圧を受信するように第3電圧端子VGL2に結合されてもよい。実施例では、プルダウン回路500はプルダウンノードQBの電圧の制御下で、第1電圧端子VGL1の第1電圧によってプルアップノードQ及びシフト信号出力端子CRの電圧を制御し、第3電圧端子VGL2によって画素信号出力端子OUTの電圧を制御することができる。これにより、プルダウン回路500はプルアップノードQ、シフト信号出力端子CR及び画素信号出力端子OUTの騒音を低減することができる。
【0055】
本開示の実施例では、第3電圧端子VGL2は直流・低レベル信号を提供することができ、すなわち第3電圧が低レベルである。
【0056】
第1プルダウン制御回路600は、プルアップノードQの電圧の制御下でプルダウンノードQBの電圧を制御することができる。例えば、第1プルダウン制御回路600は、第1電圧を受信するように第1電圧端子VGL1に結合され、第4電圧を受信するように第4電圧端子VDD_Aに結合されてもよい。実施例では、プルアップノードQが高レベルにある場合、第1プルダウン制御回路600は、第1電圧(例えば、低レベル)によってプルダウンノードQBの電圧を低レベルにプルダウンすることができる。プルアップノードQの電圧が低レベルにある場合、プルダウンノードQBを高レベルにプルアップするよう、第1プルダウン制御回路600は第4電圧(例えば、高レベル)を利用してプルダウンノードQBを充電することができる。
【0057】
他の例では、第5電圧(例えば、高レベル)を受信するように第1プルダウン制御回路600は更に第5電圧端子VDD_Bに結合されてもよい。例えば、第4電圧端子VDD_A及び第5電圧端子VDD_Bは、高レベルを交互に提供し、すなわち第4電圧端子VDD_Aが高レベルを提供する場合、第5電圧端子VDD_Bが低レベルを提供し、第4電圧端子VDD_Aが低レベルを提供する場合、第5電圧端子VDD_Bが高レベルを提供するように構成されてもよい。実施例では、プルアップノードQの電圧が低レベルにある場合、プルダウンノードQBを高レベルにプルアップするよう、第1プルダウン制御回路600は第4電圧又は第5電圧を利用してプルダウンノードQBを充電することができる。
【0058】
第2プルダウン制御回路700は、ブランクプルダウン制御信号の制御下でプルダウンノードQBの電圧を制御することができる。例えば、第2プルダウン制御回路700は、第1クロック信号をブランクプルダウン制御信号として受信するように第1クロック信号端子CLKAに結合され、第1電圧を受信するように第1電圧端子VGL1に結合されてもよい。実施例では、1フレームのブランク期間で、第2プルダウン制御回路700は第1クロック信号に応答してオンにされることができ、それにより第1電圧端子VGL1によって、プルダウンノードQBを低レベルにプルダウンすることができる。このような方式を用いることにより、ブランク期間で、プルダウンノードQBのプルアップノードQへの影響を低減して、ブランク入力回路100のプルアップノードQへの充電を十分に行うことができる。なお、本開示の実施例では、ブランクプルダウン制御信号を受信するように第2プルダウン制御回路700が更に他の信号端子に結合されてもよく、本開示は制限しない。
【0059】
また、第2プルダウン制御回路700は更に表示プルダウン制御信号の制御下で、プルダウンノードQBの電圧を制御することができる。例えば、第2プルダウン制御回路700は、表示入力信号を表示プルダウン制御信号として受信するように表示入力信号端子STU2に接続され、第1電圧を受信するように第1電圧端子VGL1に結合されてもよい。実施例では、1フレームの表示期間で、表示入力信号を表示入力回路200に提供してプルアップノードQを充電するとともに、該表示入力信号を第2プルダウン制御回路700に提供し、それにより第1電圧端子VGL1によってプルダウンノードQBを低レベルにプルダウンすることができる。このような方式を用いることにより、表示期間で、プルダウンノードQBのプルアップノードQへの影響を低減して、表示入力回路200のプルアップノードQへの充電を十分に行うことができる。なお、本開示の実施例では、表示プルダウン制御信号を受信するように第2プルダウン制御回路700が更に他の信号端子に結合されてもよく、本開示は制限しない。
【0060】
一方、リセット回路800は、ブランクリセット信号の制御下でプルアップノードQをリセットすることができる。例えば、リセット回路800は、第2クロック信号をブランクリセット信号として受信するように第2クロック信号端子CLKBに結合され、第1電圧を受信するように第1電圧端子VGL1に結合されてもよい。なお、本開示の実施例では、ブランクリセット信号を受信するようにリセット回路800が更に他の信号端子に結合されてもよく、本開示は制限しない。
【0061】
なお、リセット回路800は更に表示リセット信号の制御下でプルアップノードQをリセットすることができる。例えば、リセット回路800は表示リセット信号を受信するように表示リセット信号端子STDに結合され、第1電圧を受信するように第1電圧端子VGL1に結合されてもよい。
【0062】
当業者であれば理解されるように、
図3におけるシフトレジスタユニット10にはプルダウン回路500、第1プルダウン制御回路600、第2プルダウン制御回路700及びリセット回路800を示すが、上記例は本開示の保護範囲を制限するためのものではない。実際の応用では、当業者が状況に応じて上記各回路のうちの1つ又は複数を使用し又は使用しないことができ、上記各回路の様々な組み合わせ・変形はいずれも本開示の原理から逸脱することがなく、ここで詳細な説明は省略する。
【0063】
図4は本開示の他の実施例に係るシフトレジスタユニットの例示的なブロック図である。
図4に示すように、シフトレジスタユニット20はブランク入力回路100、表示入力回路200、出力回路300、第1制御回路400及び第2制御回路420を備えてもよい。以上は既にブランク入力回路100、表示入力回路200、出力回路300及び第1制御回路400を説明したため、ここで詳細な説明は省略する。
【0064】
第2制御回路420は、第1クロック信号の制御下でシフト信号出力端子CRを画素信号出力端子OUTに結合することができる。例えば、第1クロック信号を受信するように第2制御回路420が第1クロック信号端子CLKAに結合されてもよい。実施例では、第2制御回路420は、第1クロック信号の制御下でシフト信号出力端子CRを画素信号出力端子OUTに結合することができ、これにより、画素信号出力端子OUT側の負荷キャパシタ及び負荷抵抗(図示せず)によって、シフト信号出力端子CRに対して電圧安定化を行う。実施例では、例えば、ブランク期間で、アイソレータサブ回路130は、第1クロック信号に基づいてプルアップノードQと第3クロック信号端子CLKCとの接続を制御することができる。これにより、第1クロック信号に基づいてプルアップノードQと第3クロック信号端子CLKCとの接続を制御する過程において、ブランクプルアップ信号がプルアップノードQに対して高電圧書き込みを行うとき、負荷キャパシタ及び負荷抵抗によってシフト信号出力端子CRでの電圧による騒音を処理することができる。この方式を用いることにより、高電圧書き込み過程におけるシフト信号出力端子CRの騒音を効果的に低減することができる。
【0065】
それに対応して、
図5は本開示の実施例に係るシフトレジスタユニットの例示的な回路図である。
図5に示すように、シフトレジスタ25はブランク入力回路100、表示入力回路200、出力回路300、第1制御回路400、第2制御回路420、プルダウン回路500、第1プルダウン制御回路600、第2プルダウン制御回路700及びリセット回路800を備えてもよい。各回路はいずれも以上に詳しく説明されたため、ここで詳細な説明は省略する。
【0066】
本開示の実施例では、シフトレジスタユニットは更に負荷キャパシタ及び負荷抵抗(図示せず)を備えてもよい。負荷キャパシタの一端が画素信号出力端子に結合され、他端が接地される。負荷抵抗の一端が画素信号出力端子に結合され、他端が接地される。以上のように、負荷キャパシタは独立して設置されたキャパシタであってもよく、画素信号出力端子OUTに結合される回路における寄生キャパシタであってもよい。負荷抵抗は独立して設置された抵抗であってもよく、画素信号出力端子OUTに結合される回路における寄生抵抗であってもよい。
【0067】
以下、例示的な回路構造によって本開示に係るシフトレジスタユニットを説明する。
【0068】
図6は本開示の実施例に係るシフトレジスタユニットの例示的な回路図である。シフトレジスタユニットは例えば
図3に示されるシフトレジスタユニット15である。
図6に示すように、シフトレジスタユニットは第1トランジスタM1~第17トランジスタM17、第1キャパシタC1及び第2キャパシタC2、並びに負荷キャパシタC
L及び負荷抵抗R
Lを備えてもよい。
【0069】
なお、本開示の実施例に使用されるトランジスタは、いずれも薄膜トランジスタ又は電界効果トランジスタ又は他の同じ特性のスイッチデバイスであってもよい。本開示の実施例では、いずれも薄膜トランジスタを例として説明する。ここで使用されるトランジスタのソース、ドレインは構造的に対称なものであってもよく、従って、そのソース、ドレインは構造的に区別しないものであってもよい。本開示の実施例では、トランジスタのゲートを除く二極を区分するために、その一方が第1電極であるが、他方が第2電極であると直接説明される。トランジスタのゲートが制御電極と称されてもよい。また、トランジスタの特性によって区分すれば、トランジスタをN型及びP型トランジスタに分けてもよい。トランジスタがP型トランジスタである場合、オン電圧が低レベル電圧(例えば、0V、-5V、-10V又は他の適切な電圧)であり、オフ電圧が高レベル電圧(例えば、5V、10V又は他の適切な電圧)である。トランジスタがN型トランジスタである場合、オン電圧が高レベル電圧(例えば、5V、10V又は他の適切な電圧)であり、オフ電圧が低レベル電圧(例えば、0V、-5V、-10V又は他の適切な電圧)である。
【0070】
なお、本開示の実施例に係るシフトレジスタユニット10に使用されるトランジスタはいずれもN型トランジスタ(例えば、NMOSトランジスタ)を例として説明する。本開示の実施例はこれに限らず、例えばシフトレジスタユニット10のうちの少なくとも一部のトランジスタがP型トランジスタ(例えば、PMOSトランジスタ)を用いてもよい。
【0071】
図6に示すように、ブランク入力回路100の充電サブ回路110は第3トランジスタM3を備えてもよい。第2クロック信号を受信するように第3トランジスタM3のゲートが第2クロック信号端子CLKBに結合され、ブランク入力信号を受信するように第3トランジスタM3の第1電極がブランク入力信号端子STU1に結合され、第3トランジスタM3の第2電極がプルアップ制御ノードHに結合される。実施例では、第2クロック信号が高レベルである場合、第3トランジスタM3がオンにされ、これにより、充電のために、ブランク入力信号をプルアップ制御ノードHに提供することができる。
【0072】
ブランク入力回路100の記憶サブ回路120は第1キャパシタC1を備えてもよい。第1キャパシタC1の第1端子がプルアップ制御ノードHに結合され、第1電圧を受信するように第1キャパシタC1の第2端子が第1電圧端子VGL1に結合される。第1キャパシタC1を設置することにより、プルアップ制御ノードHの電圧を保持することができる。実施例では、1フレームの表示期間で、第3トランジスタM3はプルアップ制御ノードHを高レベルに充電することができ、第1キャパシタC1はプルアップ制御ノードHの高レベルを該フレームのブランク期間まで保持することができる。
【0073】
ブランク入力回路100のアイソレータサブ回路130は第4トランジスタM4及び第5トランジスタM5を備えてもよい。第4トランジスタM4のゲートがプルアップ制御ノードHに結合され、第3クロック信号をブランクプルアップ信号として受信するように第4トランジスタM4の第1電極が第3クロック信号端子CLKCに結合され、第4トランジスタM4の第2電極が第5トランジスタM5の第1電極に結合される。第1クロック信号を受信するように第5トランジスタM5のゲートが第1クロック信号端子CLKAに結合され、第5トランジスタM5の第2電極がプルアップノードQに結合される。実施例では、1フレームのブランク期間で、第4トランジスタM4はプルアップ制御ノードHの電圧の制御下でオンにされることができ、第1クロック信号が高レベルである場合、第5トランジスタM5がオンにされ、従って、第3クロック信号は、第4トランジスタM4及び第5トランジスタM5によってプルアップノードQを充電することができる。
【0074】
表示入力回路200は第6トランジスタM6を備えてもよい。表示入力信号を受信するように第6トランジスタM6のゲートが表示入力信号端子STU2に結合され、第2電圧を表示プルアップ信号として受信するように第6トランジスタM6の第1電極が第2電圧端子VDDに結合され、第6トランジスタM6の第2電極がプルアップノードQに結合される。実施例では、1フレームの表示期間で、第6トランジスタM6は表示入力信号の制御下でオンにされることができ、それにより第2電圧を利用してプルアップノードQを充電する。
【0075】
出力回路300は第7トランジスタM7、第8トランジスタM8及び第2キャパシタを備えてもよい。第7トランジスタM7のゲートがプルアップノードQに結合され、第4クロック信号を出力信号として受信するように第7トランジスタM7の第1電極が第4クロック信号端子CLKDに結合され、第7トランジスタM7の第2電極がシフト信号出力端子CRに結合される。第8トランジスタM8のゲートがプルアップノードQに結合され、第4クロック信号を出力信号として受信するように第8トランジスタM8の第1電極が第4クロック信号端子CLKDに結合され、第8トランジスタM8の第2電極が画素信号出力端子OUTに結合される。第2キャパシタC2の第1電極がプルアップノードQに結合され、第2キャパシタC2の第2電極が第7トランジスタM7の第2電極に結合される。実施例では、プルアップノードQの電圧が高レベルである場合、第7トランジスタM7及び第8トランジスタM8がオンにされ、それにより第4クロック信号を出力信号としてそれぞれシフト信号出力端子CR及び画素信号出力端子OUTに出力することができる。
【0076】
第1制御回路400は第1トランジスタM1を備えてもよい。表示入力信号を受信するように第1トランジスタM1のゲートが表示入力信号端子STU2に結合され、第1トランジスタM1の第1電極がシフト信号出力端子CRに結合され、第1トランジスタM1の第2電極が画素信号出力端子OUTに結合される。
【0077】
プルダウン回路500は第9トランジスタM9、第10トランジスタM10及び第11トランジスタM11を備えてもよい。第9トランジスタM9のゲートがプルダウンノードQBに結合され、第9トランジスタM9の第1電極がプルアップノードQに結合され、第1電圧を受信するように第9トランジスタM9の第2電極が第1電圧端子VGL1に結合される。第10トランジスタM10のゲートがプルダウンノードQBに結合され、第10トランジスタM10の第1電極がシフト信号出力端子CRに結合され、第1電圧を受信するように第10トランジスタM10の第2電極が第1電圧端子VGL1に結合される。第11トランジスタM11のゲートがプルダウンノードQBに結合され、第11トランジスタM11の第1電極が画素信号出力端子OUTに結合され、第3電圧を受信するように第11トランジスタM11の第2電極が第3電圧端子VGL2に結合される。
【0078】
第1プルダウン制御回路600は第12トランジスタM12、第13トランジスタM13及び第14トランジスタM14を備えてもよい。第4電圧を受信するように第12トランジスタM12のゲートと第1電極が第4電圧端子VDD_Aに結合され、第12トランジスタM12の第2電極がプルダウンノードQBに結合される。第5電圧を受信するように第13トランジスタM13のゲートと第1電極が第5電圧端子VDD_Bに結合され、第13トランジスタM13の第2電極がプルダウンノードQBに結合される。第14トランジスタM14のゲートがプルアップノードQに接続され、第14トランジスタM14の第1電極がプルダウンノードQBに結合され、第1電圧を受信するように第14トランジスタM14の第2電極が第1電圧端子VGL1に結合される。
【0079】
実施例では、第4電圧端子VDD_A及び第5電圧端子VDD_Bは高レベルを交互に提供するように構成されてもよい。すなわち第4電圧端子VDD_Aが高レベルを提供する場合、第5電圧端子VDD_Bが低レベルを提供し、第4電圧端子VDD_Aが低レベルを提供する場合、第5電圧端子VDD_Bが高レベルを提供する。従って、第12トランジスタM12及び第13トランジスタM13のうちの1つのみのトランジスタがオン状態にある。このように、トランジスタが長期間オンにされることによる性能ドリフトを回避することができる。第12トランジスタM12がオンにされる場合、第4電圧はプルダウンノードQBを充電することができ、又は、第13トランジスタM13がオンにされる場合、第5電圧はプルダウンノードQBを充電することができ、それによりプルダウンノードQBの電圧を高レベルにプルアップする。プルアップノードQの電圧が高レベルである場合、第14トランジスタM14がオンにされる。例えば、トランジスタの設計において、第14トランジスタM14及び第12トランジスタM12(又は、第13トランジスタM13)(例えば、それらの寸法比、閾値電圧等)は、M14とM12(M13)とがいずれもオンにされる場合、プルダウンノードQBの電圧が低レベルにプルダウンされるように構成されてもよく、該低レベルによって第9トランジスタM9、第10トランジスタM10及び第11トランジスタM11をオフに保持することができる。
【0080】
一方、プルダウンノードQBの電圧が高レベルである場合、プルダウン回路500における第9トランジスタM9及び第10トランジスタM10がオンにされ、これにより、プルアップノードQ及びシフト信号出力端子CRの騒音を低減するよう、第1電圧端子VGL1を利用してプルアップノードQ及びシフト信号出力端子CRをプルダウンすることができる。また、プルダウンノードQBの電圧が高レベルである場合、第11トランジスタM11もオンにされ、これにより、画素信号出力端子OUTの騒音を低減するよう、第3電圧端子VGL2を利用して画素信号出力端子OUTをプルダウンすることができる。
【0081】
一例では、第1電圧と第3電圧とが異なり、例えば第1電圧が-10Vとして設定されるが、第3電圧が-6Vとして設定されてもよい。他の例では、第3電圧端子VGL2を設置せずに、第1電圧を受信するように第11トランジスタM11の第2電極を第1電圧端子VGL1に結合してもよく、本開示の実施例は制限しない。
【0082】
図6に示すように、第2プルダウン制御回路700は第15トランジスタM15及び第16トランジスタM16を備えてもよい。
【0083】
第1クロック信号をブランクプルダウン制御信号として受信するように第15トランジスタM15のゲートが第1クロック信号端子CLKAに結合され、第15トランジスタM15の第1電極がプルダウンノードQBに結合され、第1電圧を受信するように第15トランジスタM15の第2電極が第1電圧端子VGL1に結合される。実施例では、第1クロック信号が高レベルである場合、第15トランジスタM15がオンにされ、それにより第1電圧端子VGL1を利用してプルダウンノードQBをプルダウンすることができる。このような方式を用いることにより、1フレームのブランク期間で、プルダウンノードQBのプルアップノードQへの影響を低減して、ブランク入力回路100のプルアップノードQへの充電を十分に行うことができる。
【0084】
表示入力信号を表示プルダウン制御信号として受信するように第16トランジスタM16のゲートが表示入力信号端子STU2に結合され、第16トランジスタM16の第1電極がプルダウンノードQBに結合され、第1電圧を受信するように第16トランジスタM16の第2電極が第1電圧端子VGL1に結合される。実施例では、表示入力信号が高レベルである場合、第16トランジスタM16がオンにされ、それにより第1電圧端子VGL1を利用してプルダウンノードQBをプルダウンすることができる。このような方式を用いることにより、1フレームの表示期間で、プルダウンノードQBのプルアップノードQへの影響を低減して、表示入力回路200のプルアップノードQへの充電を十分に行うことができる。
【0085】
図6に示すように、リセット回路800は第17トランジスタM17及び第18トランジスタM18を備えてもよい。
【0086】
第2クロック信号をブランクリセット信号として受信するように第17トランジスタM17のゲートが第2クロック信号端子CLKBに結合され、第17トランジスタM17の第1電極がプルアップノードQに結合され、第1電圧を受信するように第17トランジスタM17の第2電極が第1電圧端子VGL1に結合される。例えば、第2クロック信号が高レベルである場合、第17トランジスタM17がオンにされ、それにより第1電圧端子VGL1を利用してプルアップノードQをリセットすることができる。
【0087】
表示リセット信号を受信するように第18トランジスタM18のゲートが表示リセット信号端子STDに結合され、第18トランジスタM18の第1電極がプルアップノードQに結合され、第1電圧を受信するように第18トランジスタM18の第2電極が第1電圧端子VGL1に結合される。例えば、表示リセット信号が高レベルである場合、第18トランジスタM18がオンにされ、それにより第1電圧端子VGL1を利用してプルアップノードQをリセットすることができる。
【0088】
また、負荷キャパシタCLの一端が画素信号出力端子に結合され、他端が接地される。負荷抵抗RLの一端が画素信号出力端子に結合され、他端が接地される。
【0089】
以上によれば、本開示の実施例に係るシフトレジスタユニットにおいて、第1キャパシタC1を利用してプルアップ制御ノードHでの電圧を維持し、第2キャパシタC2を利用してプルアップノードQでの電圧を維持してもよい。第1キャパシタC1、第2キャパシタC2及び負荷キャパシタCLのうちの少なくとも1つが製造プロセスにより製造されたキャパシタデバイスであってもよく、例えば専用キャパシタ電極を製造することによりキャパシタデバイスを実現し、該キャパシタの各電極が金属層、半導体層(例えば、ドープポリシリコン)等により実現されてもよい。また、第1キャパシタC1、第2キャパシタC2及び負荷キャパシタCLのうちの少なくとも1つが各デバイスの間の寄生キャパシタにより実現されてもよい。また、第1キャパシタC1、第2キャパシタC2及び負荷キャパシタCLのうちの少なくとも1つの接続方式は以上に説明される方式に限らず、他の適切な接続方式であってもよい。
【0090】
図7は本開示の実施例に係るシフトレジスタユニットの例示的な回路図である。シフトレジスタユニットは例えば
図5に示されるシフトレジスタユニット25であり、ブランク入力回路100、表示入力回路200、出力回路300、第1制御回路400、プルダウン回路500、第1プルダウン制御回路600、第2プルダウン制御回路700、リセット回路800、負荷キャパシタ及び負荷抵抗(図示せず)の回路構造は
図6における対応回路の回路構造と同様であり、ここで詳細な説明は省略する。
【0091】
図7に示すように、第2制御回路420は第2トランジスタM2を備えてもよい。前記第1クロック信号を受信するように第2トランジスタM2のゲートが第1クロック信号端子CLKAに結合され、第2トランジスタM2の第1電極がシフト信号出力端子CRに結合され、第2トランジスタの第2電極が画素信号出力端子OUTに結合される。
【0092】
本開示の実施例は更にシフトレジスタユニットからなるゲート駆動回路を提供する。
【0093】
図8は本開示の実施例に係るゲート駆動回路の模式図である。ゲート駆動回路30はカスケード接続されるシフトレジスタユニットを複数備えてもよく、その中のいずれか1つ又は複数のシフトレジスタユニットは本開示の実施例に係るシフトレジスタユニット10、シフトレジスタユニット15、シフトレジスタユニット20又はシフトレジスタユニット25の構造又はその変形を用いてもよい。なお、
図5にはゲート駆動回路30の上位4つのレベルのシフトレジスタユニット(A1、A2、A3及びA4)のみを模式的に示す。理解されるように、ゲート駆動回路におけるシフトレジスタユニットがシフトレジスタユニット10及び20である場合、表示リセット信号端子STDを有しない。
【0094】
図8に示すように、ゲート駆動回路30は更に第1サブクロック信号線CLK_1、第2サブクロック信号線CLK_2、第3サブクロック信号線CLK_3及び第4サブクロック信号線CLK_4を備える。第1サブクロック信号線が第4n-3レベル(例えば、第1レベル、第5レベル、第9レベル等)のシフトレジスタユニットに第4クロック信号を提供する。第2サブクロック信号線が第4n-2レベル(例えば、第2レベル、第6レベル、第10レベル等)のシフトレジスタユニットに第4クロック信号を提供する。第3サブクロック信号線が第4n-1レベル(例えば、第3レベル、第7レベル、第11レベル等)のシフトレジスタユニットに第4クロック信号を提供する。第4サブクロック信号線が第4nレベル(例えば、第4レベル、第8レベル、第12レベル等)のシフトレジスタユニットに第4クロック信号を提供する。実施例では、第4クロック信号が出力可能信号とされる。
【0095】
実施例では、以上のように、シフトレジスタユニットは第4クロック信号端子CLKDを備えてもよい。
図8に示すように、第4n-3レベルのシフトレジスタユニットの第4クロック信号端子CLKDが第1サブクロック信号線CLK_1に結合され、第4n-2レベルのシフトレジスタユニットの第4クロック信号端子CLKDが第2サブクロック信号線CLK_2に結合され、第4n-1レベルのシフトレジスタユニットの第4クロック信号端子CLKDが第3サブクロック信号線CLK_3に結合され、第4nレベルのシフトレジスタユニットの第4クロック信号端子CLKDが第4サブクロック信号線CLK_4に結合される。nが0より大きな整数である。
【0096】
図8に示すように、ゲート駆動回路30は更に第5サブクロック信号線CLK_5及び第6サブクロック信号線CLK_6を備えてもよい。第5サブクロック信号線が第2n-1レベル(例えば、第1レベル、第3レベル、第5レベル等)のシフトレジスタユニットに第2クロック信号を提供し、第2nレベル(例えば、第2レベル、第4レベル、第8レベル等)のシフトレジスタユニットに第3クロック信号を提供する。第6サブクロック信号線が第2n-1レベルのシフトレジスタユニットに第3クロック信号を提供し、第2nレベルのシフトレジスタユニットに第2クロック信号を提供する。実施例では、第3クロック信号がブランクプルアップ信号とされてもよい。
【0097】
実施例では、以上のように、シフトレジスタユニットは第2クロック信号端子CLKB及び第3クロック信号端子CLKCを備えてもよい。
図8に示すように、第2n-1レベルのシフトレジスタユニットの第2クロック信号端子CLKBが第5サブクロック信号線CLK_5に結合され、第3クロック信号端子CLKCが第6サブクロック信号線CLK_6に結合される。第2nレベルのシフトレジスタユニットの第2クロック信号端子CLKBが第6サブクロック信号線CLK_6に結合され、第3クロック信号端子CLKCが第5サブクロック信号線CLK_5に結合される。nが0より大きな整数である。
【0098】
また、ゲート駆動回路30は更に第7サブクロック信号線CLK_7を備えてもよく、第7サブクロック信号線が各レベルのシフトレジスタユニットに第1クロック信号を提供する。実施例では、各レベルのシフトレジスタユニットの第1クロック信号端子CLKAがいずれも第7サブクロック信号線CLK_7に結合される。
【0099】
本開示の実施例では、第1レベルのシフトレジスタユニットA1のブランク入力信号端子STU1及び表示入力信号端子STU2、並びに第2レベルのシフトレジスタユニットA2の表示入力信号端子STU2がいずれも入力信号線STU(図示せず)に結合され、例えばトリガー信号STVを受信する。
【0100】
また、第nレベルのシフトレジスタユニットのシフト信号出力端子が第n+1レベルのシフトレジスタユニットにブランク入力信号を提供する。例えば、第n+1レベルのシフトレジスタユニットのブランク入力信号端子STU1が第nレベルのシフトレジスタユニットのシフト信号出力端子CRに結合される。図示のように、第1レベルのシフトレジスタユニットA1のシフト信号出力端子CRが第2レベルのシフトレジスタユニットA2のブランク入力信号端子STU1に結合される。第2レベルのシフトレジスタユニットA2のシフト信号出力端子CRが第3レベルのシフトレジスタユニットA3のブランク入力信号端子STU1に結合される。第3レベルのシフトレジスタユニットA3のシフト信号出力端子CRが第4レベルのシフトレジスタユニットA4のブランク入力信号端子STU1に結合される。
【0101】
第nレベルのシフトレジスタユニットのシフト信号出力端子が第n+2レベルのシフトレジスタユニットに表示入力信号を提供する。例えば、第n+2レベルのシフトレジスタユニットの表示入力信号端子STU2が第nレベルのシフトレジスタユニットのシフト信号出力端子CRに結合される。図示のように、第1レベルのシフトレジスタユニットA1のシフト信号出力端子CRが第3レベルのシフトレジスタユニットA3の表示入力信号端子STU2に結合される。第2レベルのシフトレジスタユニットA2のシフト信号出力端子CRが第4レベルのシフトレジスタユニットA4の表示入力信号端子STU2に結合される。
【0102】
第n+3レベルのシフトレジスタユニットのシフト信号出力端子が第nレベルのシフトレジスタユニットに表示リセット信号を提供する。例えば、最後の3つのレベルのシフトレジスタユニットを除き、第nレベルのシフトレジスタユニットの表示リセット信号端子STDが第n+3レベルのシフトレジスタユニットのシフト信号出力端子CRに結合される。nが0より大きな整数である。図示のように、第1レベルのシフトレジスタユニットA1の表示リセット信号端子STDが第4レベルのシフトレジスタユニットA4のシフト信号出力端子CRに結合される。いくつかの実施例では、最後の3つのレベルのシフトレジスタユニットの表示リセット信号端子STDがダミー(dummy)シフトレジスタユニットのシフト信号出力端子又は表示リセット信号線STD(図示せず)に結合され、あるいはそれぞれ他の適切な信号線に接続されてもよい。
【0103】
理解されるように、
図8には各シフトレジスタユニット同士の接続関係を模式的に示すが、それらは制限のためのものではなく、更に他の図示しない適切な接続が存在してもよい。
【0104】
以下、
図9を参照しながら
図8に示されるゲート駆動回路30の動作過程を詳しく説明する。
【0105】
図9は
図8に示されるゲート駆動回路30の動作過程における各信号のタイミングチャートである。
図9では、Q<1>及びQ<2>がそれぞれゲート駆動回路30における第1レベルのシフトレジスタユニットA1及び第2レベルのシフトレジスタユニットA2のプルアップノードQの電圧を示す。OUT<1>、OUT<2>、OUT<3>及びOUT<4>がそれぞれゲート駆動回路30における第1レベルのシフトレジスタユニットA1、第2レベルのシフトレジスタユニットA2、第3レベルのシフトレジスタユニットA3及び第4レベルのシフトレジスタユニットA4における対応する画素信号出力端子OUTを示す。1F、2F、3F及び4Fがそれぞれ第1フレーム、第2フレーム、第3フレーム及び第4フレームを示す。Displayが1フレームにおける表示期間を示し、Blankが1フレームにおけるブランク期間を示す。なお、各レベルのシフトレジスタユニットのシフト信号出力端子CR及び画素信号出力端子OUTの電圧が同じであるため、
図9にシフト信号出力端子CRを示さない。
【0106】
理解されるように、
図9に示される信号のタイミングチャートにおける信号電圧は模式的なものに過ぎず、真の電圧値を示さない。また、一例では、第1電圧VGL1が低レベルであり、第2電圧VDDが高レベルであり、第3電圧VGL2が低レベルである。
【0107】
以下、
図9における信号のタイミングチャートを参照しながら、
図8に示されるゲート駆動回路30の動作過程を説明する。例えば、
図8に示されるゲート駆動回路30におけるシフトレジスタユニットは
図5及び
図6に示されるシフトレジスタユニットを用いてもよい。
【0108】
第1フレーム1Fが開始する前に、第5サブクロック信号線CLK_5及び第6サブクロック信号線CLK_6がいずれも高レベルを提供する。各レベルのシフトレジスタユニットの第2クロック信号端子CLKB及び第3クロック信号端子CLKCが第5サブクロック信号線CLK_5及び第6サブクロック信号線CLK_6に交互に接続されるため、各レベルのシフトレジスタユニットにおける第3トランジスタM3及び第17トランジスタM17がいずれもオンにされる。このとき、ブランク入力信号端子STUが低レベルを提供する。これにより、グローバルリセットを実現するよう、各レベルのシフトレジスタユニットにおけるプルアップ制御ノードH及びプルアップノードQをリセットすることができる。このとき、プルアップ制御ノードH及びプルアップノードQの電圧がいずれも低レベルである。
【0109】
次に、第1フレーム1Fが開始し、第6サブクロック信号線CLK_6の提供する信号が低レベルになり、第5サブクロック信号線CLK_5の提供する信号が高レベルを保持し続ける。
【0110】
第5電圧端子VDD_Bが高レベルを提供するため、第13トランジスタM13がオンにされ、プルダウンノードQBが高レベルに充電されるようにする。プルダウンノードQBの高レベルによって第9トランジスタM9をオンにし、それによりプルアップノードQを低レベルにプルダウンする。
【0111】
第1フレーム1Fの表示期間Displayで、第1レベルのシフトレジスタユニットA1の動作過程についての説明は以下のとおりである。
【0112】
第1段階1において、第1レベルのシフトレジスタユニットA1のブランク入力信号端子STU1及び表示入力信号端子STU2がいずれも入力信号線STUに接続されるため、ブランク入力信号端子STU1及び表示入力信号端子STU2がいずれも高レベルを入力する。第6トランジスタM6がオンにされ、第2電圧端子VDDの高レベル信号は第6トランジスタM6によってプルアップノードQ<1>を充電することができ、プルアップノードQが高レベルにプルアップされて第2キャパシタC2に記憶されるようにする。開始するとき、第5サブクロック信号線CLK_5が高レベルを入力し、それに接続される第2クロック信号端子CLKBも高レベルであるため、第3トランジスタM3がオンにされ、プルアップ制御ノードH<1>が高レベルに充電されて第1キャパシタC1に記憶される。第16トランジスタM16は表示入力信号端子STU2の高レベルによってオンにされることにより、プルダウンノードQBに対して補助プルダウンを行うことができる。
【0113】
次に、第5サブクロック信号線CLK_5が低レベルを提供し、第2クロック信号端子CLKBを低レベルにし、第3トランジスタM3をオフにする。以上に説明されるとおり、プルアップノードQ<1>の電圧が高レベルであり、第7トランジスタM7及び第8トランジスタM8をオンにする。第1サブクロック信号線CLK_1が低レベル信号を提供するため、それに接続される第4クロック信号端子CLKDが低レベル信号である。これにより、シフト信号出力端子CR及び画素信号出力端子OUTがいずれも低レベル信号を出力する。
【0114】
プルアップノードQ<1>に高レベルが書き込まれる瞬間に、第14トランジスタM14によってプルダウンノードQBを低レベルにプルダウンすることができ、これにより、第10トランジスタM10及び第11トランジスタM11をオフにする。このとき、表示入力信号端子STU2が高レベルを提供するように保持し、第1トランジスタM1がオンにされる。シフト信号出力端子CRを画素信号出力端子OUTに結合する。画素信号出力端子OUTに結合される負荷キャパシタCL及び負荷抵抗RLによって、シフト信号出力端子CRでの電圧に対して騒音低減処理を行う。これにより、シフト信号出力端子CRの電圧を安定化して、シフト信号出力端子CRの騒音を効果的に低減することができる。
【0115】
第2段階2において、第1サブクロック信号線CLK_1を介して第4クロック信号端子CLKDに高レベル信号を提供し、プルアップノードQ<1>の電圧がブートストラップ効果によって更にプルアップされるようにする。第7トランジスタM7及び第8トランジスタM8がオンを保持し、それによりシフト信号出力端子CR及び画素信号出力端子OUTがいずれも高レベル信号を出力する。例えば、シフト信号出力端子CRから出力された高レベル信号が上下レベルのシフトレジスタユニットの走査シフトに使用されてもよいが、画素信号出力端子OUTから出力された高レベル信号が表示パネルのサブ画素ユニットを駆動して表示することに用いられてもよい。
【0116】
第3段階3において、第1サブクロック信号線CLK_1を介して第4クロック信号端子CLKDに低レベル信号を提供し、シフト信号出力端子CR及び画素信号出力端子OUTがいずれも第4クロック信号端子CLKDによって放電できるようにし、それによりシフト信号出力端子CR及び画素信号出力端子OUTのリセットを完了する。シフト信号出力端子CR及び画素信号出力端子OUTが低レベルにリセットされるため、トランジスタ同士の結合作用によって、プルアップノードQ<1>の電圧が一段階降下することとなる。また、第1レベルのシフトレジスタユニットA1の表示リセット信号端子STDが第4レベルのシフトレジスタユニットのシフト信号出力端子CRに接続され、且つ第4レベルのシフトレジスタユニットのシフト信号出力端子CRがまだ高レベル信号を出力していないため、プルアップノードQ<1>をプルダウンすることがなく、プルアップノードQ<1>がより高いレベルに保持できるようにする。
【0117】
第4段階4において、第4レベルのシフトレジスタユニットA4のシフト信号出力端子CRが高レベルを出力し、第1レベルのシフトレジスタユニットA1の表示リセット信号端子STDも高レベル信号であるようにし、第18トランジスタM18がオンにされ、プルアップノードQ<1>が低レベルにプルダウンされ、プルアップノードQ<1>に対するリセットを完了する。
【0118】
上記過程を経て、第1レベルのプルアップノードQの電圧変化が「タワー状」を呈する。シフト信号出力端子CR及び画素信号出力端子OUTが高レベルにある場合、プルアップノードQの電圧がブートストラップ効果によって上昇する。これにより、シフト信号出力端子CR及び画素信号出力端子OUTがそれぞれ第7トランジスタM7及び第8トランジスタM8によって放電するとき、トランジスタを流れる電流がより大きく、放電速度がより速くてもよい。また、シフト信号出力端子CR及び画素信号出力端子OUTで蓄積される電荷がそれぞれ第7トランジスタM7及び第8トランジスタM8によって放電できるため、シフトレジスタユニットの占有する空間面積を減少させるよう、第8トランジスタM8及び第7トランジスタM7がより小さな寸法のトランジスタを用いてもよい。
【0119】
上記第1フレームの表示期間で、第1クロック信号端子CLKA(第7サブクロック信号線CLK_7に接続される)が常に低レベルを保持するため、第5トランジスタM5がオフを保持する。第5トランジスタM5は、プルアップ制御ノードHに予め記憶される高レベルの表示期間におけるプルアップノードQへの影響を隔離することができる。
【0120】
第1レベルのシフトレジスタユニットが表示パネルの第1行のサブ画素を駆動して表示を完了した後、順に類推し、第2レベル、第3レベル等のシフトレジスタユニットが表示パネルのサブ画素ユニットを1行ずつ駆動して1フレームの表示駆動を完了する。ここで、第1フレームの表示期間が終了する。
【0121】
また、対応する第18トランジスタM18をオンにするよう、表示リセット信号線STDは各フレームの表示期間Displayで、最後の3つのレベルのシフトレジスタユニットの表示サービス信号端子に表示リセット信号を提供することができ、それによりプルアップノードQをプルダウンする。
【0122】
第1フレーム1Fのブランク期間Blankで、第1レベルのシフトレジスタユニットA1の動作過程についての説明は以下のとおりである。
【0123】
第5段階5において、プルアップ制御ノードHが第1キャパシタC1の記憶によって表示期間における高レベルを保持する。このとき、第1クロック信号端子CLKA(第7サブクロック信号線CLK_7に接続される)及び第3クロック信号端子CLKC(第6サブクロック信号線CLK_6に接続される)が高レベル信号を入力し、第4トランジスタM4及び第5トランジスタM5がオンにされる。従って、第3クロック信号端子CLKCの高レベルはプルアップノードQ<1>を充電して、プルアップノードQ<1>を高レベルにプルアップすることができる。第14トランジスタM14がプルアップノードQ<1>の制御下でオンにされ、プルダウンノードQBが低レベルにプルダウンされるようにする。第15トランジスタM15も第1クロック信号端子CLKAの制御下でオンにされ、プルダウンノードQBを更にプルダウンすることができる。
【0124】
実施例では、第1クロック信号端子CLKAが高レベルを提供し、第2トランジスタM2がオンにされる。これにより、第2トランジスタM2はシフト信号出力端子CRを画素信号出力端子OUTに結合することができ、それにより画素信号出力端子OUTに結合される負荷キャパシタCL及び負荷抵抗RLによって、シフト信号出力端子CRでの信号に対して騒音低減処理を行うことができる。これにより、シフト信号出力端子CRの電圧を安定化して、シフト信号出力端子CRの騒音を効果的に低減することができる。
【0125】
第6段階6において、第1クロック信号端子CLKAが低レベル信号を入力し、第5トランジスタM5がオフにされる。第4クロック信号端子CLKD(第1サブクロック信号線CLK_1に接続される)が高レベル信号を入力し、プルアップノードQ<1>の電圧がブートストラップ効果によって更にプルアップされ、第7トランジスタM7及び第8トランジスタM8がオンにされ、第4クロック信号端子CLKDから入力された高レベル信号がシフト信号出力端子CR及び画素信号出力端子OUTに出力されてもよい。
【0126】
また、第2レベルのシフトレジスタユニットA2の第2クロック信号端子CLKBが第6サブクロック信号線CLK_6に接続され、第2レベルのシフトレジスタユニットA2のブランク入力信号端子STU1が第1レベルのシフトレジスタユニットA1のシフト信号出力端子CRに接続されるため、第2レベルのシフトレジスタユニットA2における第3トランジスタM3がオンにされ、それにより第2レベルのシフトレジスタユニットA2におけるプルアップ制御ノードH<2>が高レベルにプルアップされるようにする。
【0127】
第2レベルのシフトレジスタユニットにおけるプルアップ制御ノードH<2>に高レベルが十分に書き込まれた後、第7段階7において、第6サブクロック信号線CLK_6が低レベル信号を入力する。同時に、第1レベルのシフトレジスタユニットA1の第4クロック信号端子CLKD(第1サブクロック信号線CLK_1に接続される)が高レベルを入力し続け、従って、シフト信号出力端子CR及び画素信号出力端子OUTが高レベル信号を出力するように保持する。この過程において、第1クロック信号端子CLKA(第7サブクロック信号線CLK_7に接続される)が低レベルにあり、第5トランジスタM5がオフ状態を保持し、従って、プルアップノードQ<1>が第5トランジスタM5から漏電することを回避することができる。
【0128】
第8段階8において、第5サブクロック信号線CLK_5が高レベル信号を入力し、奇数レベルのシフトレジスタユニットの第2クロック信号端子CLKBがいずれも第5サブクロック信号線CLK_5に接続されるため、すべての奇数レベルのシフトレジスタユニットにおけるプルアップ制御ノードH及びプルアップノードQに対するリセットを完了することができる。
【0129】
図9に示すように、第2フレーム2Fの表示期間Displayで、ゲート駆動回路30は第1フレームの表示期間と同様の操作を繰り返し、ここで詳細な説明は省略する。
【0130】
第2フレーム2Fのブランク期間Blankで、第2レベルのシフトレジスタユニットA2において、第3クロック信号端子CLKCが第5サブクロック信号線CLK_5に接続される。ブランク期間が開始するとき、第2レベルのシフトレジスタユニットA2の第1クロック信号端子CLKA及び第3クロック信号端子CLKCがいずれも高レベル信号を入力し、第4トランジスタM4及び第5トランジスタM5がオンにされる。第3クロック信号端子CLKCから入力された高レベルはプルアップノードQ<2>を充電して、プルアップノードQ<2>を高レベルにプルアップすることができる。次に、第2サブクロック信号線CLK_2が高レベル信号を入力する場合、シフト信号出力端子CR及び画素信号出力端子OUTが高レベル信号を出力するとともに、第3レベルのシフトレジスタユニットにおけるプルアップ制御ノードH<3>を充電する。第2フレームブランク期間の最後の段階において、第6サブクロック信号線CLK_6が高レベル信号を入力する。偶数レベルのシフトレジスタユニットの第2クロック信号端子CLKBがいずれも第6サブクロック信号線CLK_6に接続されるため、すべての偶数レベルのシフトレジスタユニットにおけるプルアップ制御ノードH及びプルアップノードQに対するリセットを完了することができる。
【0131】
次に、第3フレーム、第4フレーム、第5フレーム等のより多くの段階においてゲート駆動回路に対する駆動は上記説明を参照してもよく、ここで詳細な説明は省略する。
【0132】
以上のように、各フレームのブランク期間で、ゲート駆動回路から出力されたブランク出力信号は、表示パネルのサブ画素ユニットにおけるセンストランジスタを駆動することに用いられてもよい。図示のように、該駆動信号が1行ずつ順に提供するものである。例えば、第1フレームのブランク期間で、ゲート駆動回路が表示パネルの第1行のサブ画素ユニットのための駆動信号を出力する。第2フレームのブランク期間で、ゲート駆動回路が表示パネルの第2行のサブ画素ユニットのための駆動信号を出力し、順に類推し、1行ずつ順に補償を行う。
【0133】
一方、本開示の実施例は更に表示装置を提供する。表示装置は本開示の実施例に係るゲート駆動回路30を備えてもよい。実施例では、表示装置は液晶パネル、液晶テレビ、ディスプレイ、OLEDパネル、OLEDテレビ、電子ペーパー表示装置、携帯電話、タブレットコンピュータ、ノートパソコン、デジタルフォトフレーム、カーナビゲーション等の表示機能を持ついかなる製品又は部材であってもよい。
【0134】
また、本開示の実施例は更にシフトレジスタユニット及びゲート駆動回路の駆動方法を提供する。
【0135】
図10は本開示の実施例に係るシフトレジスタユニットの駆動方法のフローチャートである。シフトレジスタユニットは本開示の実施例に係るいかなる適用可能なシフトレジスタユニット、例えばシフトレジスタユニット10、シフトレジスタユニット15、シフトレジスタユニット20及びシフトレジスタユニット25のうちの少なくとも1つであってもよい。
【0136】
図10に示すように、方法では、ステップ910において、ブランク入力回路100は、第2クロック信号に応答して、ブランク入力信号をプルアップ制御ノードHに提供することができる。実施例では、ブランク入力回路100はプルアップ制御ノードHの電圧を記憶することができる。
【0137】
ステップ920において、表示入力回路200は、表示入力信号に応答して、表示プルアップ信号をプルアップノードQに提供することができる。表示入力信号の制御下で、第1制御回路400はシフト信号出力端子CRを画素信号出力端子OUTに結合することができる。これにより、画素信号出力端子OUTに結合される負荷キャパシタCL及び負荷抵抗RLによってシフト信号出力端子CRの電圧に対して騒音低減処理を行うことができ、それによりシフト信号出力端子CRの電圧を安定化して、シフト信号出力端子CRの騒音を効果的に低減する。
【0138】
ステップ930において、出力回路300は、プルアップノードQの電圧の制御下で、表示出力信号を出力することができる。例えば、表示出力信号は表示パネルのサブ画素ユニットを駆動して表示することに用いられてもよい。
【0139】
実施例では、ステップ920及びステップ930は1フレームの表示期間で行われてもよい。
【0140】
ステップ940において、ブランク入力回路100は、プルアップ制御ノードHの電圧及び第1クロック信号の制御下で、ブランクプルアップ信号をプルアップノードQに提供することができる。
【0141】
実施例では、第2制御回路420は、第1クロック信号の制御下でシフト信号出力端子CRを画素信号出力端子OUTに結合することができる。これにより、画素信号出力端子OUTに結合される負荷キャパシタCL及び負荷抵抗RLによってシフト信号出力端子CRでの電圧に対して騒音低減処理を行うことができ、それによりシフト信号出力端子CRの電圧を安定化して、シフト信号出力端子CRの騒音を効果的に低減する。
【0142】
ステップ950において、出力回路300は、プルアップノードQの電圧の制御下で、ブランク出力信号を出力することができる。例えば、ブランク出力信号は表示パネルのサブ画素ユニットを駆動して外部補償を行うことに用いられてもよい。
【0143】
実施例では、ステップ910は1フレームのブランク期間で行われてもよく、ステップ940及びステップ950は次のフレームのブランク期間で行われてもよい。また、他の実施例では、例えばゲート駆動回路における第1レベルのシフトレジスタユニットについて、ステップ910は1フレームの表示期間で行われてもよく、ステップ940及びステップ950は同じフレームのブランク期間で行われてもよい。
【0144】
当業者であれば理解されるように、以上の各ステップは順序に従って説明されたが、方法の順序を制限するためのものではなく、本開示の実施例はいかなる他の適切な順序に従って実施されてもよい。
【0145】
以上は本開示のいくつかの実施形態を詳しく説明したが、本開示の保護範囲はこれに限らない。明らかに、当業者であれば、本開示の趣旨や範囲を逸脱せずに、本開示の実施例に対して種々の修正、置換や変形を行うことができる。本開示の保護範囲は添付の特許請求の範囲により限定される。
【符号の説明】
【0146】
100 ブランク入力回路
110 充電サブ回路
120 記憶サブ回路
130 アイソレータサブ回路
200 表示入力回路
300 出力回路
400 第1制御回路
420 第2制御回路
500 プルダウン回路
600 第1プルダウン制御回路
700 第2プルダウン制御回路
800 リセット回路