(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】掲示具
(51)【国際特許分類】
G09F 15/00 20060101AFI20240927BHJP
G09F 7/02 20060101ALI20240927BHJP
G09F 1/10 20060101ALN20240927BHJP
【FI】
G09F15/00 N
G09F7/02 D
G09F1/10 H
G09F1/10 U
(21)【出願番号】P 2021001542
(22)【出願日】2021-01-07
【審査請求日】2023-07-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平井 道太
【審査官】金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3013637(JP,U)
【文献】実開昭49-088694(JP,U)
【文献】登録実用新案第3044284(JP,U)
【文献】特開2014-016416(JP,A)
【文献】特開2020-187194(JP,A)
【文献】特開平08-063113(JP,A)
【文献】登録実用新案第3228040(JP,U)
【文献】実開昭62-024795(JP,U)
【文献】実開昭51-096390(JP,U)
【文献】登録実用新案第3078630(JP,U)
【文献】特開2015-064453(JP,A)
【文献】特開平07-013493(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0209261(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 1/10
G09F 7/00 - 7/22
G09F 15/00 - 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フックとポスターケースとを備え、
フックは、透明な仕切体の内側面に左右に間隔をおいて取り付けてあり、
ポスターケースは、透明であり、上端部の両側に設けた係止部をフックに係脱自在にしており、上下又は左右端部にポスターを挟む挟着部を有し、上下又は左右の挟着部に対応するポスターの上下又は左右端部をポスターケースの内周側から
各々挟着部に挿入して挟着部で挟んであることを特徴とする掲示具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掲示具に関する。
【背景技術】
【0002】
コンビニエンスストア等の店舗などで、窓ガラス(仕切体)にポスターを掲示したいという要望があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで、本発明は、店舗などの仕切体にポスターを掲示できる掲示具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1に記載の発明は、フックとポスターケースとを備え、フックは、透明な仕切体の内側面に左右に間隔をおいて取り付けてあり、ポスターケースは、透明であり、上端部の両側に設けた係止部をフックに係脱自在にしており、上下又は左右端部にポスターを挟む挟着部を有し、上下又は左右の挟着部に対応するポスターの上下又は左右端部をポスターケースの内周側から各々挟着部に挿入して挟着部で挟んであることを特徴とする掲示具である。
【発明の効果】
【0005】
請求項1に記載の発明によれば、ポスターを交換するときには、仕切体の内側面に取り付けてあるフックからポスターケースの係止部を取り外して、ポスターケースの上下又は左右の挟着部から挟んであるポスターを内周側から外した後、新たなポスターを挟着部に内周側から挟み、再びポスターケースの係止部をフックに係止すれば良いので、ポスターの交換が容易にできる。
ポスターは、ポスターケースの上下又は左右端部にある挟着部に内周側から抜き差しにより、外したり取り付けできるので、ポスターの脱着が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の実施形態にかかる掲示具の取り付け手順を示す図であり、(a)はポスターケースにポスターを装着する手順を示す斜視図、(b)はフックにポスターケースを取り付ける手順を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示す掲示具を仕切体に取り付けた状態を示す図であって、(a)は室外側から見た正面図、(b)は室内側から見た正面図である。
【
図4】掲示具を取り付けた店舗を室外側から見た正面図である。
【
図5】掲示具の変形例を示す図であり、(a)及び(b)はそれぞれフックの変形例を示す斜視図であり、(c)は係止部の変形例を示す斜視図である。
【
図6】係止部の他の変形例を示す図であり、(a)は係止部を形成する前の状態であって、ポスターケースの左上端部の斜視図であり、(b)は係止部を形成した後の状態であって、ポスターケースの左上端部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図4に示すように、本実施形態に係る掲示具1は、コンビニエンスストア等の店舗の仕切体(窓ガラス)3の外側にポスター2を表示する為のものであり、
図1(b)に示すように、フック5と、ポスターケース7とを備えている。仕切体3は、透明な窓ガラスであり、室内側を内側面3a、室外側を外側面3bとしている。
【0008】
ポスター2は、表面に画像や文字を表示したものであり、印刷された紙や樹脂製シートである。このポスター2は、人々の目につきやすい公共の場所に掲示される広告、宣伝ビラ、貼り紙のほか各種案内が掲示するものを含む。
仕切体3は、透明なものであれば、ガラスの他に、アクリル等の樹脂製のものでも良く、また、窓のほかに、店舗のドアや、店舗内の間仕切りを含む。
【0009】
フック5は、透明な仕切体3の内側面3aに左右に間隔をおいて取り付けてあり、ポスターケース7の係止部9(後述する)を上から掛けるように上が開口する鉤状に形成されている。
本実施形態では、フック5は吸盤6に取り付けてあり、吸盤6を仕切体3の内側面3aに吸着により脱着自在に固定している。
【0010】
ポスターケース7は、透明であり、面状の本体面7c(
図1(a)参照)と、上端部7aの両側に設けた係止部9を備え、係止部9により、フック5に係脱自在としてある。
係止部9は、ポスターケース7の上端部7aから左右に突設してあり、本実施形態では、上端部7aに挿通した棒材8の左右端部である。棒材8は、アルミニウム製の丸棒である。
ポスターケース7には、上端部7a及び下端部7bにポスター2を挟む上下の挟着部11、13が設けてあり、上挟着部11と下挟着部13間にポスター2を内周側から差し込んで挟んである。
【0011】
ポスターケース7は、一枚の透明な樹脂製の板材でできており、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)製であり、上下の挟着部11、13は、上下端部7a、7bをそれぞれ折返片15で折り返して、本体面7cに重ねて形成されている。各折返片15の内周側端には室内側を向いて傾斜してポスター2の差し込みを案内するガイド部15a(
図3参照)が形成されている。
図3に示すように、上挟着部11では折返片15の上端部には、上述した棒材8を挿通する側面視円弧状の棒材挿通空間17が形成されている。
尚、ポスターケース7の左右端部7d、7d(
図1(a)参照)はそれぞれ本体面7cの縁としてある。
【0012】
次に、ポスター2の掲示方法について説明する。
図1(b)に示すように、フック5を仕切体3の内側面3aに左右に間隔をあけて取り付ける。フック5の取り付けは、吸盤6を内側面3aに吸着して取り付ける。左右のフック5、5間の間隔は、ポスターケース7における左右の係止部9、9の間隔と一致させる。
一方、ポスターケース7では、
図1(a)に示すように、ポスターケース7の上挟着部11の上端部に棒材8を左右の一方から挿通して取り付け、本体面7cの左右にはみ出した棒材8の端部をそれぞれ係止部9、9とする。
【0013】
次に、ポスターケース7にポスター2を取り付ける。ポスター2の取り付けは、ポスターケース7において、折返片15がある側から本体面7cにポスター2の表面(掲示面)が対面するように配置し、矢印Eで示すようにポスター2の上端2aを上挟着部11に下側(ポスタケースの内周側)から挟み入れ、次に、矢印Fで示すようにポスター2の下端2bを下挟着部13に上側(ポスタケースの内周側)から挟み入れる。これにより、
図3に示すように、ポスター2の上端2aは上挟着部11において、ポスターケース7の本体面7cと折返片15との間に挟み、ポスター2の下端2bは下挟着部13において、上挟着部11と同様に、ポスターケース7の本体面7cと折返片15との間に挟む。
【0014】
次に、
図1(b)に示すように、ポスターケース7を、折返片15がある側を室内側に向けて、仕切体3に取り付けた左右のフック5、5に対応する係止部9を上から掛けて係止する。
これにより、
図2及び
図3に示すように、ポスターケース7は左右のフック5、5に吊り下げた状態になる。
そして、
図2(a)に示すように、フック5、5にポスターケース7を係止した状態では店舗の室外側からポスター2を見ると、ポスター2の掲示面が見え、
図2(b)に示すように、店舗の室内側にポスター2の裏面が向いた状態になる。
【0015】
ポスター2を交換する場合には、
図3に示すようにフック5にポスターケース7が吊下った状態から、ポスターケース7を上げて左右のフック5、5からポスターケース7の係止部9、9をそれぞれ外す。
次に、ポスターケース7に棒材8を装着したまま、
図1(a)に示す矢印Fとは反対側になるように、ポスター2の下端2bを上側(ポスターケースの内周側)に引いて下挟着部13から外し、矢印Eとは反対になるように上端2aを下側(ポスターケースの内周側)に引いて上挟着部11から外して、ポスターケース7からポスター2を外す。
このように、ポスター2は内周側に引くことで、上挟着部11及び下挟着部13から外すことができるから、例えば、上下方向中間部2cをポスターケース7の本体面7cから離れるように引くことで、上挟着部11及び下挟着部13の内周側にポスター2を引いて、上挟着部11及び下挟着部13から同時に外しても良い。
【0016】
その後、
図1(a)に示すように、新たなポスター2の上端2aと下端2bをそれぞれ矢印E、Fで示すように、対応する上挟着部11と下挟着部13とに内周側から差し込んで取り付ける。
次に、
図1(b)に示すように、ポスターケース7を、折返片15がある側を室内側にして、仕切体3に取り付けた左右のフック5、5に対応する係止部9、9を上から掛けて吊り下げる。
【0017】
次に、本実施形態に係る掲示具1の作用効果について説明する。
図1に示すように、第1実施形態に係る掲示具1によれば、ポスター2を交換するときには、仕切体3の内側面3aに取り付けてある左右のフック5、5からポスターケース7の対応する係止部9、9を取り外して、ポスターケース7の上下の挟着部11、13から挟んであるポスター2を内周側から外した後、新たなポスター2を上下の挟着部11,13に内周側から挟んだ後、再びポスターケース7の左右の係止部9、9をそれぞれフック5、5に係止すれば良いので、ポスター2の交換が容易にできる。
ポスター2は、ポスターケース7の上下の端部にある挟着部11、13に内周側から抜き差しにより、外したり取り付けできるので、ポスター2の脱着が容易である。
【0018】
ポスターケース7は、透明な一枚板の上下の端部7a、7bをそれぞれ折り返して上下の各挟着部11、13を形成しているので、挟着部11、13の加工が容易である。
ポスターケース7の上端部7aに棒材8を通して、棒材8の左右端部を係止部9、9としてあるから、上端部7aに棒材8を通すだけで、係止部9、9を簡単に形成できる。
フック5は吸盤6に取り付けてあり、吸盤6で仕切体3の内側面3aに吸着により取り付けているので、フック5の取り付け位置を変えたり、外す場合でも、仕切体3にフック5の取り付け跡が残らない。また、フック5を仕切体3の任意の位置に取り付けできる。
【0019】
本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
例えば、
図5(a)に示すように、フック5は樹脂材等で室外側部5aと室内側部5bとで略U字形状に形成すると共に室外側部5aを略垂直に形成して、室外側部5aの裏面(室外側面)に両面テープ等の接着材19で仕切体3の内側面3aに接着により取り付けてもよい。尚、
図5(a)に示す例では、フック5の略U字の室内側部5bの上端部には室内側に傾斜して開口を広くしたガイド部5cを形成して、係止部9(
図1(b)参照)の挿入を案内するようにしてある。係止部9は、室外側部5aと室内側部5bが形成する略U字の溝内に上から挿入して係止される。
この
図5(a)に示す変形例では、フック5を樹脂材等から簡単に形成できると共に、接着材19により仕切体3に簡単に取り付けできる。
【0020】
図5(b)に示すように、フック5は、鋼材等の金属板材を、室外側部5aと室内側部5bとで略V字形状に曲げて形成すると共に室外側部5aを略垂直に形成して、室外側部5aの裏面(室外側面)に両面テープ等の接着材19で仕切体3の内側面に接着により取り付けてもよい。係止部9(
図1(b)参照)は、室外側部5aと室内側部5bが形成する略V字の溝内に上から挿入して係止される。
この
図5(b)に示す変形例では、フック5を、金属板材を略V字形状に曲げて簡単に形成できると共に、接着材19により仕切体3に簡単に取り付けできる。更に、略V字形状に形成することで、室内側部5bの上側が室内側に向けて傾斜するので、ポスターケース7の係止部9の抜き差しがし易い。
【0021】
図5(c)に示すように、ポスターケース7の上端部7aに形成する棒材挿通空間17を、第1実施形態よりも上下に巾の広い形状とし、棒材8をアルミニウム製の丸棒に変えて、アルミニウム製の板状部材としても良い。この変形例では、棒材8の左右端部の係止部9は、好ましくは、
図5(a)に示すフック5に示すフック5に上から挿入して係止される。
【0022】
図6(a)に示すように、
図5(c)の変形例と同様に、ポスターケース7の上端部7aに形成する棒材挿通空間17を、第1実施形態よりも上下に巾の広い形状とし、上端部7aの左右において、上端部7aを残した状態で、その下方にある上挟着部11の左右側の各端部11a及び本体面7cを
図6(b)に二点鎖線で示すように寸法Lだけ切除して、上端部7aをポスターケース7の本体面7cの左右から寸法Lだけ突設する係止部9としても良い。この変形例の係止部9は、好ましくは、
図5(a)に示すフック5に上から挿入して係止される。
この
図6に示す変形例では、棒材8(
図1(a)参照)を用いないで、左右の係止部9、9を形成することができる。
【0023】
また、ポスターケース7において、挟着部11、13は、上下に設けることに限らず、左右に形成しても良い。この場合、ポスターケース7の上端部7aに棒材8を接着テープ等で取り付けて、その左右端部を係止部9としても良い。
ポスターケース7を、フック5からの抜き差しを容易にする為に、ポスターケース7の上端部には、図示しない摘みを設けても良い。
【符号の説明】
【0024】
1 掲示具
2 ポスター
3 仕切体
3a 内側面
3b 外側面
5 フック
7 ポスターケース
9 係止部
11 上挟着部
13 下挟着部