(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】塗布具付き容器、塗布液入り塗布具付き容器、交換容器および塗布液入り交換容器
(51)【国際特許分類】
A45D 34/00 20060101AFI20240927BHJP
A45D 34/04 20060101ALI20240927BHJP
B65D 83/00 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
A45D34/00 510Z
A45D34/04 515Z
B65D83/00 J
(21)【出願番号】P 2021027707
(22)【出願日】2021-02-24
【審査請求日】2023-12-22
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100120617
【氏名又は名称】浅野 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100187159
【氏名又は名称】前川 英明
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【氏名又は名称】小島 一真
(74)【代理人】
【識別番号】100198029
【氏名又は名称】綿貫 力
(72)【発明者】
【氏名】名越 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】小橋 佳彦
【審査官】高橋 祐介
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第211065394(CN,U)
【文献】実開昭58-084003(JP,U)
【文献】実開平05-013310(JP,U)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0114578(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0102192(US,A1)
【文献】特開平11-155629(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 34/00
A45D 34/04
B65D 83/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗布液を収容する液収容部と、前記液収容部の開口を形成する口筒部と、を有する液容器と、
前記口筒部に取り外し可能に取り付けられるキャップ部と、前記口筒部に取り付けられた前記キャップ部から前記液収容部内に延び入る塗布体と、を有する塗布具と、
前記液容器が挿入される開口が設けられ、当該開口から挿入された前記液容器を収容する容器収容部を有する外容器と、
前記容器収容部に取り外し可能に取り付けられ、前記液容器が前記容器収容部から抜け出ることを防止する抜出防止部材と、を備え、
前記液容器は、前記液収容部と前記口筒部の間に設けられた、前記液収容部よりも外側に突出した外側突出部を有し、
前記外側突出部の平面形状は、多角形形状になっており、前記容器収容部の内側部分の平
面形状も、多角形形状になっており、これにより、前記外側突出部は、前記液容器と前記外容器とが互いに対して回転不能になるように、前記容器収容部の内側部分と係合する、塗布具付き容器。
【請求項2】
塗布液を収容する液収容部と、前記液収容部の開口を形成する口筒部と、を有する液容器と、
前記口筒部に取り外し可能に取り付けられるキャップ部と、前記口筒部に取り付けられた前記キャップ部から前記液収容部内に延び入る塗布体と、を有する塗布具と、
前記液容器が挿入される開口が設けられ、当該開口から挿入された前記液容器を収容する容器収容部を有する外容器と、
前記容器収容部に取り外し可能に取り付けられ、前記液容器が前記容器収容部から抜け出ることを防止する抜出防止部材と、を備え、
前記液容器は、前記液収容部の外側部分に設けられたリブを有し、
前記外容器は、前記容器収容部の内側部分に設けられた回転防止部を有し、
前記回転防止部は、
前記容器収容部の内側部分に周方向に傾斜して延びるように設けられたスロープ部であって、前記リブと当接して前記リブを案内するスロープ部と、
前記容器収容部の内側部分に前記スロープ部が延びる方向と交差する方向に立ち上がるように設けられた壁部であって、前記スロープ部により案内された前記リブと当接する壁部と、を有し、これにより、前記回転防止部は、前記液容器と前記外容器とが互いに対して回転不能になるように、前記リブと係合する、塗布具付き容器。
【請求項3】
前記抜出防止部材は、筒部分と、前記筒部分の一端に設けられた板部分と、を有し、
前記筒部分が、前記容器収容部と係合し、
前記板部分に、前記口筒部が挿通される貫通孔が設けられ、
前記塗布体が延びる方向に沿う断面視において、前記貫通孔の幅寸法は、前記液収容部の外側部分の幅寸法よりも小さい、請求項1または2に記載の塗布具付き容器。
【請求項4】
前記液収容部は、一端が閉塞された円筒形状を有し、
前記貫通孔は、円形状を有し、
前記貫通孔の直径は、前記液収容部の外径よりも小さい、請求項3に記載の塗布具付き容器。
【請求項5】
前記容器収容部の外側部分に、雄ねじ部が形成され、
前記筒部分の内側部分に、雌ねじ部が形成され、
前記容器収容部の前記雄ねじ部と前記筒部分の前記雌ねじ部とが螺合して、前記筒部分が前記容器収容部と係合する、請求項3または4に記載の塗布具付き容器。
【請求項6】
前記口筒部の外側部分に、雄ねじ部が形成され、
前記キャップ部の内側部分に、雌ねじ部が形成され、
前記口筒部の前記雄ねじ部と前記キャップ部の前記雌ねじ部とが螺合して、前記口筒部に前記キャップ部が取り付けられる、請求項1~5のいずれか一項に記載の塗布具付き容器。
【請求項7】
前記外容器は、前記容器収容部の内側部分に設けられた、前記外側突出部を支持する支持部を有する、請求項1に記載の塗布具付き容器。
【請求項8】
前記液容器は、前記液収容部と前記口筒部の間に設けられた、前記口筒部よりも外側に突出した外側突出部を有し、
前記抜出防止部材は、前記外側突出部と係合する係合部を有する、請求項2に記載の塗布具付き容器。
【請求項9】
前記口筒部の内側に設けられた、内部に前記塗布体が挿通されたしごき部材を更に備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の塗布具付き容器。
【請求項10】
前記キャップ部の外側部分を覆うように前記塗布具に装着される外キャップを更に備える、請求項1~9のいずれか一項に記載の塗布具付き容器。
【請求項11】
前記キャップ部は、前記キャップ部の外側部分から外側に向かって突出した突起を有し、
前記外キャップが前記塗布具に装着される際、前記キャップ部の前記突起が前記外キャップの内側部分に係止される、請求項10に記載の塗布具付き容器。
【請求項12】
前記液容器および前記塗布具は使い捨てである、請求項1~11のいずれか一項に記載の塗布具付き容器。
【請求項13】
前記液容器は使い捨てである、請求項1~11のいずれか一項に記載の塗布具付き容器。
【請求項14】
前記塗布液は化粧品である、請求項1~13のいずれか一項に記載の塗布具付き容器。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の塗布具付き容器と、
前記液収容部に収容された前記塗布液と、を備える、塗布液入り塗布具付き容器。
【請求項16】
請求項1~14のいずれか一項に記載の塗布具付き容器に用いられる交換容器であって、
前記液容器を備える、交換容器。
【請求項17】
前記口筒部に取り外し可能に取り付けられた前記塗布具を更に備える、請求項16に記載の交換容器。
【請求項18】
前記口筒部に取り外し可能に取り付けられた仮キャップを更に備える、請求項16に記載の交換容器。
【請求項19】
請求項16~18のいずれか一項に記載の交換容器と、
前記液収容部に収容された前記塗布液と、を備える、塗布液入り交換容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布具付き容器、塗布液入り塗布具付き容器、交換容器および塗布液入り交換容器に関する。
【背景技術】
【0002】
マスカラやマニキュア等の塗布液を収容する液容器と、液容器内に塗布液を塗布するための塗布体が挿入された塗布具と、を備える塗布具付き容器が知られている。塗布具付き容器には、液容器が外容器に収容されるタイプのものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような塗布具付き容器において、例えば、使用者が塗布具を液容器から抜き出す際、液容器が外容器から抜け出る場合がある。この場合、塗布具付き容器の使用感が低下し得る。
【0005】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、液容器が外容器から抜け出ることを防止する塗布具付き容器、塗布液入り塗布具付き容器、交換容器および塗布液入り交換容器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、塗布液を収容する液収容部と、前記液収容部の開口を形成する口筒部と、を有する液容器と、前記口筒部に取り外し可能に取り付けられるキャップ部と、前記口筒部に取り付けられた前記キャップ部から前記液収容部内に延び入る塗布体と、を有する塗布具と、前記液容器が挿入される開口が設けられ、当該開口から挿入された前記液容器を収容する容器収容部を有する外容器と、前記容器収容部に取り外し可能に取り付けられ、前記液容器が前記容器収容部から抜け出ることを防止する抜出防止部材と、を備える、塗布具付き容器を提供する。
【0007】
上述した塗布具付き容器において、前記抜出防止部材は、筒部分と、前記筒部分の一端に設けられた板部分と、を有し、前記筒部分が、前記容器収容部と係合し、前記板部分に、前記口筒部が挿通される貫通孔が設けられ、前記塗布体が延びる方向に沿う断面視において、前記貫通孔の幅寸法は、前記液収容部の外側部分の幅寸法よりも小さい、ようにしてもよい。
【0008】
また、上述した塗布具付き容器において、前記液収容部は、一端が閉塞された円筒形状を有し、前記貫通孔は、円形状を有し、前記貫通孔の直径は、前記液収容部の外径よりも小さい、ようにしてもよい。
【0009】
また、上述した塗布具付き容器において、前記容器収容部の外側部分に、雄ねじ部が形成され、前記筒部分の内側部分に、雌ねじ部が形成され、前記容器収容部の前記雄ねじ部と前記筒部分の前記雌ねじ部とが螺合して、前記筒部分が前記容器収容部と係合する、ようにしてもよい。
【0010】
また、上述した塗布具付き容器において、前記口筒部の外側部分に、雄ねじ部が形成され、前記キャップ部の内側部分に、雌ねじ部が形成され、前記口筒部の前記雄ねじ部と前記キャップ部の前記雌ねじ部とが螺合して、前記口筒部に前記キャップ部が取り付けられる、ようにしてもよい。
【0011】
また、上述した塗布具付き容器において、前記液容器は、前記液収容部と前記口筒部の間に設けられた、前記液収容部よりも外側に突出した外側突出部を有する、ようにしてもよい。
【0012】
また、上述した塗布具付き容器において、前記外容器は、前記容器収容部の内側部分に設けられた、前記外側突出部を支持する支持部を有する、ようにしてもよい。
【0013】
また、上述した塗布具付き容器において、前記外側突出部は、前記液容器と前記外容器とが互いに対して回転不能になるように、前記容器収容部の内側部分と係合する、ようにしてもよい。
【0014】
また、上述した塗布具付き容器において、前記液容器は、前記液収容部と前記口筒部の間に設けられた、前記口筒部よりも外側に突出した外側突出部を有し、前記抜出防止部材は、前記外側突出部と係合する係合部を有する、ようにしてもよい。
【0015】
また、上述した塗布具付き容器において、前記液容器は、前記液収容部の外側部分に設けられたリブを有し、前記外容器は、前記容器収容部の内側部分に設けられた回転防止部であって、前記液容器と前記外容器とが互いに対して回転不能になるように、前記リブと係合する回転防止部を有する、ようにしてもよい。
【0016】
また、上述した塗布具付き容器において、前記口筒部の内側に設けられた、内部に前記塗布体が挿通されたしごき部材を更に備える、ようにしてもよい。
【0017】
また、上述した塗布具付き容器において、前記キャップ部の外側部分を覆うように前記塗布具に装着される外キャップを更に備える、ようにしてもよい。
【0018】
また、上述した塗布具付き容器において、前記キャップ部は、前記キャップ部の外側部分から外側に向かって突出した突起を有し、前記外キャップが前記塗布具に装着される際、前記キャップ部の前記突起が前記外キャップの内側部分に係止される、ようにしてもよい。
【0019】
また、上述した塗布具付き容器において、前記液容器および前記塗布具は使い捨てである、ようにしてもよい。
【0020】
また、上述した塗布具付き容器において、前記液容器は使い捨てである、ようにしてもよい。
【0021】
また、上述した塗布具付き容器において、前記塗布液は化粧品である、ようにしてもよい。
【0022】
また、本発明は、上述した塗布具付き容器と、前記液収容部に収容された前記塗布液と、を備える、塗布液入り塗布具付き容器を提供する。
【0023】
また、本発明は、上述した塗布具付き容器に用いられる交換容器であって、前記液容器を備える、交換容器を提供する。
【0024】
上述した交換容器において、前記口筒部に取り外し可能に取り付けられた前記塗布具を更に備える、ようにしてもよい。
【0025】
また、上述した交換容器において、前記口筒部に取り外し可能に取り付けられた仮キャップを更に備える、ようにしてもよい。
【0026】
また、本発明は、上述した交換容器と、前記液収容部に収容された前記塗布液と、を備える、塗布液入り交換容器を提供する。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、液容器が外容器から抜け出ることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、第1の実施の形態による塗布具付き容器の斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2の液容器およびしごき部材を示す正面断面図である。
【
図4】
図4は、
図2の液容器および外容器を示す上面図である。
【
図9】
図9は、第1の実施の形態による交換容器を示す斜視図である。
【
図11A】
図11Aは、
図9の交換容器の交換方法を説明するための図であって、外キャップを取り外す工程および外キャップを取り付ける工程を示す図である。
【
図11B】
図11Bは、
図9の交換容器の交換方法を説明するための図であって、抜出防止部材を取り外す工程および抜出防止部材を取り付ける工程を示す図である。
【
図11C】
図11Cは、
図9の交換容器の交換方法を説明するための図であって、使用済みの交換容器を抜き出す工程および塗布液入り交換容器を挿入する工程を示す図である。
【
図12】
図12は、第2の実施の形態による交換容器を示す斜視図である。
【
図14A】
図14Aは、
図12の交換容器の交換方法を説明するための図であって、塗布具を取り外す工程および塗布具を取り付ける工程を示す図である。
【
図14B】
図14Bは、
図12の交換容器の交換方法を説明するための図であって、抜出防止部材を取り外す工程および抜出防止部材を取り付ける工程を示す図である。
【
図14C】
図14Cは、
図12の交換容器の交換方法を説明するための図であって、使用済みの交換容器を抜き出す工程および塗布液入り交換容器を挿入する工程を示す図である。
【
図15】
図15は、第3の実施の形態による塗布具付き容器の正面断面図である。
【
図19A】
図19Aは、
図15の交換容器の交換方法を説明するための図であって、塗布具を取り外す工程を示す図である。
【
図19B】
図19Bは、
図15の交換容器の交換方法を説明するための図であって、使用済みの交換容器を抜き出す工程を示す図である。
【
図19C】
図19Cは、
図15の交換容器の交換方法を説明するための図であって、抜出防止部材を取り外す工程を示す図である。
【
図20A】
図20Aは、
図15の交換容器の交換方法を説明するための図であって、塗布液入り交換容器を挿入する工程を示す図である。
【
図20B】
図20Bは、
図15の交換容器の交換方法を説明するための図であって、抜出防止部材を取り付ける工程を示す図である。
【
図20C】
図20Cは、
図15の交換容器の交換方法を説明するための図であって、塗布具を取り付ける工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、理解のし易さの便宜上、適宜縮尺及び縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
【0030】
(第1の実施の形態)
図1~
図11を参照して、第1の実施の形態による塗布液入り塗布具付き容器、塗布具付き容器、塗布液入り交換容器および交換容器について説明する。
【0031】
まず、本実施の形態による塗布液入り塗布具付き容器および塗布具付き容器について説明する。
【0032】
塗布液入り塗布具付き容器1Lは、塗布具付き容器1と、塗布具付き容器1の液容器10に収容された塗布液Cと、を備えている。塗布液Cは、厳密な意味における液体だけでなく、液状物をも含む。塗布液Cは、粘性を有した液体を含む。塗布液Cは、液体中に固体が分散している懸濁液も含む。塗布液Cとして、化粧品が例示される。このような化粧品として、マスカラ、アイシャドウ、アイブロウ、アイライナー、コンシーラ、リップグロス、リップライナー、その他のメイクアップ製品、スキンケア製品、ヘアケア製品、マニキュア、ネイルファンデーション、その他のネイルケア製品、オーラルケア製品等が例示される。
【0033】
図1および
図2に示すように、塗布具付き容器1は、塗布液Cを収容する液容器10と、塗布液Cを塗布するための塗布具20と、液容器10の内側に設けられたしごき部材30と、を備えている。また、塗布具付き容器1は、塗布具20に装着される外キャップ40と、液容器10を収容する外容器50と、液容器10が外容器50から抜け出ることを防止する抜出防止部材60と、を備えている。
【0034】
まず、液容器10について説明する。液容器10は、塗布液Cを収容するように構成されている。
図2および
図3に示すように、液容器10は、塗布液Cを収容する液収容部12と、液収容部12の開口12oを形成する口筒部14と、液収容部12と口筒部14との間に設けられた外側突出部16と、を有している。
【0035】
図3に示すように、液収容部12は、一端(
図3における下側)が閉塞された筒形状を有しており、内部に塗布液Cを収容することができる。液収容部12は、一端が閉塞された円筒形状を有していてもよい。
【0036】
図3に示すように、口筒部14は、液収容部12の他端(
図3における上側)に設けられており、液収容部12の開口12oを形成している。口筒部14は、筒形状を有しており、内側部分14aと外側部分14bとを有している。口筒部14は、円筒形状を有していてもよい。
図2および
図3に示す断面視(後述する塗布体26が延びる方向に沿う断面視)において、口筒部14の内側部分14aの幅寸法w3は、液収容部12の内側部分12aの幅寸法w1よりも小さくなっている。換言すると、口筒部14の内径は、液収容部12の内径よりも小さくなっている。また、
図2および
図3に示す断面視において、口筒部14の外側部分14bの幅寸法w4は、液収容部12の外側部分12bの幅寸法w2よりも小さくなっている。換言すると、口筒部14の外径は、液収容部12の外径よりも小さくなっている。
図3に示すように、口筒部14の外側部分14bには、雄ねじ部14mが形成されている。口筒部14の雄ねじ部14mは、後述するキャップ部22の雌ねじ部22f(
図5参照)と螺合するようになっている。また、口筒部14の内側部分14aには、後述するしごき部材30が設けられている。
【0037】
図3に示すように、外側突出部16は、液収容部12と口筒部14との間に設けられている。外側突出部16は、液収容部12よりも外側に突出している。外側突出部16は、平板状であってもよい。外側突出部16は、後述する容器収容部52の内側部分52aに設けられた支持部54(
図7参照)に支持されるようになっている。
図4に示すように、外側突出部16の平面形状は、多角形形状になっていてもよい。また、後述する容器収容部52の内側部分52aの平面形状、より具体的には、内側部分52aのうち支持部54よりも上方(開口52oの側)の部分の平面形状も、外側突出部16と同様の多角形形状になっていてもよい。これにより、外側突出部16は、液容器10と外容器50とが互いに対して回転不能になるように、容器収容部52の内側部分52aと係合することができる。なお、上述した外側突出部16の形状は一例であり、外側突出部16は、容器収容部52の内側部分52aと係合することができれば、その他の任意の形状を有していてもよい。
【0038】
液収容部12、口筒部14および外側突出部16は、一体化していてもよい。すなわち、液収容部12、口筒部14および外側突出部16は、液容器10として、製造時に同一材料により一体的に継ぎ目なしに形成されてもよい。液容器10は、樹脂材料や金属材料により構成されていてもよい。
【0039】
続いて、塗布具20について説明する。塗布具20は、塗布液Cを塗布するために用いられる。
図2および
図5に示すように、塗布具20は、液容器10の口筒部14に取り外し可能に取り付けられるキャップ部22と、口筒部14に取り付けられたキャップ部22から液収容部12内に延び入る塗布体26と、を有している。
【0040】
図5に示すように、キャップ部22は、筒形状を有しており、内側部分22aと外側部分22bとを有している。キャップ部22は、円筒形状を有していてもよい。キャップ部22の内側部分22aには、雌ねじ部22fが形成されている。上述したように、キャップ部22の雌ねじ部22fは、口筒部14の雄ねじ部14m(
図3参照)と螺合するようになっている。これにより、キャップ部22は、液容器10の口筒部14に取り外し可能に取り付けられることができる。キャップ部22の外側部分22bの上部(液容器10とは反対の側)には、軸方向に沿って延びる複数の溝22gが形成されている(
図9参照)。溝22gは、後述する外キャップ40が塗布具20に装着される際、外キャップ40の内側部分40aに形成されたリブ40r(
図6参照)と係合するようになっている。また、
図5および
図9に示すように、キャップ部22の外側部分22bの下部(液容器10の側の部分)には、外側に向かって突出した突起23が形成されている。突起23は、外キャップ40が塗布具20に装着される際、後述する外キャップ40の内側部分40aに係止されるようになっている。また、キャップ部22は、中空の内部を横断するように設けられた基部24を有しており、この基部24から塗布体26が延び出ている。キャップ部22は、樹脂材料や金属材料により構成されていてもよい。
【0041】
図5に示すように、塗布体26は、キャップ部22の基部24から延び出る延出部27と、延出部27の先端(キャップ部22とは反対の側の端部)に設けられた先端部28と、を有している。延出部27は、直線状に延びていてもよいし、折れ曲がっていたり、湾曲していたりしてもよい。延出部27は、棒状または筒状に形成されていてもよい。先端部28は、塗布液Cを保持するように構成されている。先端部28は、延出部27よりも太くなっている。先端部28は、ブラシやスポンジにより構成されていてもよい。
【0042】
キャップ部22および塗布体26の延出部27は、一体化していてもよい。すなわち、キャップ部22および延出部27は、製造時に同一材料により一体的に継ぎ目なしに形成されてもよい。キャップ部22および延出部27は、樹脂材料や金属材料により構成されていてもよい。
【0043】
次に、しごき部材30について説明する。
図2および
図3に示すように、しごき部材30は、液容器10の口筒部14の内側に設けられており、内部に塗布体26が挿通されるように構成されている。
【0044】
図3に示すように、しごき部材30は、筒状本体部32と、筒状本体部32の一端(
図3における上側)の外周に設けられた第1フランジ部34と、筒状本体部32の他端(
図3における下側)の外周に設けられた第2フランジ部36と、筒状本体部32の他端に設けられたしごき部38と、を有している。筒状本体部32は、円筒形状を有していてもよい。筒状本体部32の外周面は、液容器10の口筒部14の内側部分14aと接触している。第1フランジ部34および第2フランジ部36はそれぞれ、筒状本体部32の外周面よりも外側に突出している。第1フランジ部34と第2フランジ部36とによって、口筒部14が挟持されている。これにより、しごき部材30が、口筒部14の内側に保持されている。しごき部38は、筒状本体部32の内周面よりも内側に突出している。塗布具20を液容器10から引き抜く際、塗布体26の先端部28が、このしごき部38と接触する。これにより、塗布体26の先端部28がしごかれ、塗布体26の先端部28に保持される塗布液Cの液量が調整される。
【0045】
筒状本体部32、第1フランジ部34、第2フランジ部36およびしごき部38は、一体化していてもよい。すなわち、筒状本体部32、第1フランジ部34、第2フランジ部36およびしごき部38は、しごき部材30として、製造時に同一材料により一体的に継ぎ目なしに形成されてもよい。しごき部材30は、ゴム材料や樹脂材料により構成されていてもよい。
【0046】
続いて、外キャップ40について説明する。
図2および
図6に示すように、外キャップ40は、キャップ部22の外側部分22bを覆うように塗布具20に装着されるように構成されている。
【0047】
図6に示すように、外キャップ40は、一端(
図6における上側)が閉塞された筒形状を有しており、内側部分40aと外側部分40bとを有している。外キャップ40は、一端が閉塞された円筒形状を有していてもよい。
図1に示すように、外キャップ40は外部に露出する。このため、外キャップ40の外側部分40bには、後述する外容器50と同様の加飾が施されていてもよい。
図6に示すように、外キャップ40の内側部分40aの上部(液容器10とは反対の側の部分)には、軸方向に沿って延びる複数のリブ40rが形成されている。上述したように、リブ40rは、外キャップ40が塗布具20に装着される際、キャップ部22の外側部分22bに形成された溝22gと係合するようになっている。これにより、外キャップ40とキャップ部22とが、互いに対して回転不能になっている。また、外キャップ40の内側部分40aの下部(液容器10の側の部分)には、窪み部40dと、窪み部40dの下方に形成された引掛り部40hと、が形成されている。引掛り部40hは、窪み部40dよりも内側に突出している。外キャップ40が塗布具20に装着される際、塗布具20のキャップ部22の外側部分22bに形成された突起23が、この窪み部40dに入り込む。窪み部40dに入り込んだ突起23は、引掛り部40hに引っ掛かり、窪み部40dから容易に抜け出ないようになっている。このようにして、外キャップ40が塗布具20に装着される際、キャップ部22の突起23が、外キャップ40の内側部分40aに係止される。
【0048】
外キャップ40は、製造時に同一材料により一体的に継ぎ目なしに形成されてもよい。外キャップ40は、樹脂材料や金属材料により構成されていてもよい。
【0049】
なお、外キャップ40は省略されてもよい。すなわち、塗布具付き容器1は、外キャップ40を備えていなくてもよい。この場合、塗布具20のキャップ部22が、外部に露出してもよく、外部に露出するキャップ部22の外側部分32bに、後述する外容器50と同様の加飾が施されていてもよい。
【0050】
次に、外容器50について説明する。外容器50は、塗布液Cを収容するように構成されている。
図2および
図7に示すように、外容器50は、液容器10を収容する容器収容部52を有している。
【0051】
図7に示すように、容器収容部52は、一端(
図7における下側)が閉塞された筒形状を有している。容器収容部52は、一端が閉塞された円筒形状を有していてもよい。容器収容部52の他端(
図7における上側)には、開口52oが設けられており、この開口52oから液容器10を挿入することができる。容器収容部52は、この開口52oから挿入された液容器10を収容することができる。容器収容部52は、内側部分52aと外側部分54bとを有している。
図1に示すように、外容器50は、外装容器として、外部に露出する。このため、容器収容部52の外側部分52bには、加飾が施されてもよい。例えば、図形、パターン、デザイン、色彩、絵、写真、キャラクター、マーク、ピクトグラム、文字や数字等の絵柄が、美観を向上させる意匠として、容器収容部52の外側部分52bに設けられてもよい。意匠に加えて又は意匠に代えて、機能や用途の説明が、容器収容部52の外側部分52bに設けられてもよい。容器収容部52の外側部分52bに設けられる加飾は、特に限定されず、種々の手法によって表現されてもよい。具体的には、容器収容部52の外側部分52bに設けられる加飾は、印刷等の表示によって表現されてもよいし、エンボス加工によって形成される凹凸によって表現されてもよい。
図7に示すように、容器収容部52の外側部分52bの上部(開口52oの側の部分)には、雄ねじ部52mが形成されている。容器収容部52の雄ねじ部52mは、後述する抜出防止部材60の筒部分62に形成された雌ねじ部62f(
図8参照)と螺合するようになっている。また、上述したように、容器収容部52の内側部分52aの上部には、液容器10の外側突出部16を支持する支持部54が設けられている。上述したように、容器収容部52の内側部分52aの平面形状、より具体的には、内側部分52aのうち支持部54よりも上方(開口52oの側)の部分の平面形状は、外側突出部16と同様の多角形形状になっていてもよい(
図4参照)。これにより、外側突出部16は、液容器10と外容器50とが互いに対して回転不能になるように、容器収容部52の内側部分52aと係合することができる。なお、上述した容器収容部52の内側部分52aの形状は一例であり、容器収容部52の内側部分52aは、外側突出部16と係合することができれば、その他の任意の形状を有していてもよい。
【0052】
外容器50は、製造時に同一材料により一体的に継ぎ目なしに形成されてもよい。外容器50は、樹脂材料や金属材料により構成されていてもよい。
【0053】
続いて、抜出防止部材60について説明する。抜出防止部材60は、外容器50の容器収容部52に取り外し可能に取り付けられ、液容器10が容器収容部52から抜け出ることを防止するように構成されている。
図2および
図8に示すように、抜出防止部材60は、筒部分62と、筒部分62の一端(
図2および
図8における上側)に設けられた板部分64と、を有している。
【0054】
図8に示すように、筒部分62は、筒形状を有しており、内側部分62aと外側部分62bとを有している。筒部分62は、円筒形状を有していてもよい。筒部分62の内側部分62aには、雌ねじ部62fが形成されている。上述したように、筒部分62の雌ねじ部62fは、容器収容部52の雄ねじ部52m(
図7参照)と螺合するようになっている。これにより、筒部分62は、外容器50の容器収容部52と係合することができる。
【0055】
図8に示すように、板部分64は、平板状になっている。板部分64は、円板形状を有していてもよい。板部分64の外径は、筒部分62の外径と等しくてもよい。板部分64には、口筒部14が挿通される貫通孔66が設けられている。貫通孔66は、円形状を有していてもよい。
図2および
図8に示す断面視(塗布体26が延びる方向に沿う断面視)において、貫通孔66の幅寸法w6は、筒部分62の開口62oの幅寸法w5よりも小さくなっている。換言すると、貫通孔66の直径は、筒部分62の開口62oの直径よりも小さくなっている。また、
図2および
図8に示す断面視において、貫通孔66の幅寸法w6は、液収容部12の外側部分12bの幅寸法w2(
図3参照)よりも小さくなっている。換言すると、貫通孔66の直径は、液収容部12の外径よりも小さくなっている。これにより、板部分64は、液容器10が貫通孔66から抜け出ることを防止することができる。
【0056】
筒部分62および板部分64は、一体化していてもよい。すなわち、筒部分62および板部分64は、抜出防止部材60として、製造時に同一材料により一体的に継ぎ目なしに形成されてもよい。抜出防止部材60は、樹脂材料や金属材料により構成されていてもよい。
【0057】
次に、本実施の形態による塗布液入り交換容器および交換容器について説明する。本実施の形態による塗布液入り交換容器は、上述した塗布具付き容器1の交換用容器として用いられる。
【0058】
塗布液入り交換容器100Lは、交換容器100と、交換容器100の液容器10に収容された塗布液Cと、を備えている。
【0059】
図9および
図10に示すように、交換容器100は、上述した液容器10と、液容器10の口筒部14に取り外し可能に取り付けられた上述した塗布具20と、液容器10の口筒部14の内側に設けられた上述したしごき部材30と、を備えている。
【0060】
すなわち、上述した塗布具付き容器1が使用され、液容器10内の塗布液Cが少なくなった場合、塗布具付き容器1に含まれる液容器10と塗布具20としごき部材30とが、交換容器100として交換される。
【0061】
交換容器100は、使い捨てであってもよい。すなわち、液容器10、塗布具20およびしごき部材30は、使い捨てであってもよい。そして、塗布具付き容器1に含まれる上述した外キャップ40、外容器50および抜出防止部材60は、再利用されてもよい。
【0062】
続いて、
図11A~
図11Cを用いて、上述した交換容器100の交換方法について説明する。
【0063】
本実施の形態による交換容器100の交換方法は、外容器50から使用済みの交換容器100(液容器10、塗布具20およびしごき部材30)を抜き出す抜出工程と、外容器50に塗布液入り交換容器100Lを装着する装着工程と、を備えている。
【0064】
抜出工程は、外キャップ40を取り外す工程と、抜出防止部材60を取り外す工程と、使用済みの交換容器100を抜き出す工程と、を備えている。
【0065】
まず、外キャップ40を取り外す工程においては、
図11Aに示すように、塗布具20から外キャップ40が取り外される。ここで、上述したように、塗布具20のキャップ部22に形成された突起23が、外キャップ40の内側部分40aに係止されている。このため、この係止を解除するように外キャップ40を上方に引き抜くことで、塗布具20から外キャップ40を取り外すことができる。
【0066】
続いて、抜出防止部材60を取り外す工程においては、
図11Bに示すように、外容器50から抜出防止部材60が取り外される。ここで、上述したように、外容器50の容器収容部52に形成された雄ねじ部52mと抜出防止部材60の筒部分62に形成された雌ねじ部62fとが螺合している。このため、抜出防止部材60を外容器50に対して回転させて、この螺合を解除することで、外容器50から抜出防止部材60を取り外すことができる。
【0067】
次に、使用済みの交換容器100を抜き出す工程においては、
図11Cに示すように、外容器50から使用済みの交換容器100が抜き出される。ここで、使用済みの交換容器100とは、塗布具付き容器1の使用により液容器10内の塗布液Cが少なくなった交換容器100を意味する。上述したように、交換容器100は、液容器10と、液容器10の口筒部14に取り付けられた塗布具20と、液容器10の口筒部14の内側に設けられたしごき部材30と、を備えている。このため、交換容器100として、液容器10、塗布具20およびしごき部材30が共に抜き出される。
【0068】
こうして、塗布具付き容器1から使用済みの交換容器100が抜き出される。
【0069】
装着工程は、上述した抜出工程と逆の手順により行われる。装着工程は、塗布液入り交換容器100Lを挿入する工程と、抜出防止部材60を取り付ける工程と、外キャップ40を取り付ける工程と、を含んでいる。
【0070】
まず、塗布液入り交換容器100Lを挿入する工程においては、
図11Cに示すように、外容器50内に塗布液入り交換容器100Lが挿入される。ここで、塗布液入り交換容器100Lは、未使用の塗布液入り交換容器100Lであってもよい。上述したように、塗布液入り交換容器100Lは、塗布液Cが収容された液容器10と、液容器10の口筒部14に取り付けられた塗布具20と、液容器10の口筒部14の内側に設けられたしごき部材30と、を備えている。このため、塗布液入り交換容器100Lとして、塗布液Cが収容された液容器10、塗布具20およびしごき部材30が共に挿入される。
【0071】
続いて、抜出防止部材60を取り付ける工程においては、
図11Bに示すように、外容器50に抜出防止部材60が取り付けられる。ここでは、外容器50の容器収容部52に形成された雄ねじ部52mと抜出防止部材60の筒部分62に形成された雌ねじ部62fとを螺合させて、外容器50に抜出防止部材60を取り付ける。
【0072】
次に、外キャップ40を取り付ける工程においては、
図11Aに示すように、塗布具20に外キャップ40が取り付けられる。外キャップ40は、塗布具20のキャップ部22の外側部分22bを覆うように塗布具20に装着される。ここで、外キャップ40が塗布具20に装着される際、外キャップ40の内側部分40aに形成されたリブ40rとキャップ部22の外側部分22bに形成された溝22gとが係合する。また、塗布具20のキャップ部22の外側部分22bに形成された突起23が、外キャップ40の内側部分40aに形成された窪み部40dに入り込む。これにより、キャップ部22の突起23が、外キャップ40の内側部分40aに係止される。
【0073】
こうして、塗布具付き容器1に塗布液入り交換容器100Lが装着される。
【0074】
このようにして、塗布具付き容器1において、使用済みの交換容器100を、塗布液入り交換容器100Lに交換することができる。これにより、使用者は、塗布液入り塗布具付き容器1Lを得ることができ、この塗布液入り塗布具付き容器1Lを用いて塗布液Cの塗布作業を行うことができる。
【0075】
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。ここでは、上述した塗布具付き容器1の使用方法について説明する。
【0076】
使用者は、塗布液Cの塗布作業を行う場合、まず、一方の手で外キャップ40を把持し、他方の手で外容器50を把持する。続いて、外キャップ40を外容器50に対して回転させる。これにより、塗布具20も液容器10に対して回転し、塗布具20のキャップ部22に形成された雌ねじ部22fと液容器10の口筒部14に形成された雄ねじ部14mとの螺合が解除される。次に、外キャップ40を上方に移動させることで、液容器10から塗布具20を引き抜く。この際、塗布具20の塗布体26の先端部28は、しごき部材30によりしごかれ、先端部28に保持された塗布液Cの液量が調整される。そして、使用者は、塗布体26の先端部28を塗布対象に接触させて、塗布対象に塗布液Cを塗布する塗布作業を行う。
【0077】
ここで、一般的な塗布具付き容器の場合、液容器から塗布具を引き抜く際、塗布具の塗布体が液容器の口筒部やしごき部材と接触して、塗布具と共に液容器も上方に移動し得る。この結果、液容器が外容器から抜け出てしまう場合がある。
【0078】
これに対して本実施の形態によれば、外容器50の容器収容部52に、液容器10が容器収容部52から抜け出ることを防止する抜出防止部材60が取り付けられている。このことにより、例えば、使用者が塗布具20を液容器10から抜き出す際、液容器10が外容器50から抜け出ることを防止することができる。このため、塗布具付き容器1の使用感を向上させることができる。
【0079】
また、本実施の形態によれば、塗布体26が延びる方向に沿う断面視において、抜出防止部材60の貫通孔66の幅寸法w6は、液収容部12の外側部分12bの幅寸法w2よりも小さい。このことにより、抜出防止部材60の板部分64が、液容器10が貫通孔66から抜け出ることを防止することができる。このため、液容器10が外容器50から抜け出ることを防止することができる。
【0080】
とりわけ、本実施の形態によれば、抜出防止部材60の貫通孔66の直径は、液収容部12の外径よりも小さい。このような構成により、液容器10が外容器50から抜け出ることを防止することができる。
【0081】
また、本実施の形態によれば、容器収容部52の雄ねじ部52mと筒部分62の雌ねじ部62fとが螺合して、筒部分62が容器収容部52と係合している。このことにより、抜出防止部材60の容器収容部52に対する取り付けおよび取り外しを容易化することができる。このため、交換容器100の交換を容易化することができる。
【0082】
また、本実施の形態によれば、口筒部14の雄ねじ部14mとキャップ部22の雌ねじ部22fとが螺合して、口筒部14にキャップ部22が取り付けられる。このことにより、塗布具20の口筒部14に対する取り付けおよび取り外しを容易化することができる。このため、塗布具付き容器1の使用感をより一層向上させることができる。
【0083】
また、本実施の形態によれば、外容器50は、容器収容部52の内側部分52aに設けられた、液容器10の外側突出部16を支持する支持部54を有している。このことにより、容器収容部52は、液容器10を安定して保持することができる。このため、塗布具付き容器1の使用感をより一層向上させることができる。
【0084】
また、本実施の形態によれば、外側突出部16は、液容器10と外容器50とが互いに対して回転不能になるように、容器収容部52の内側部分52aと係合する。このことにより、塗布具20の取り付けまたは取り外しのために外容器50を把持して塗布具20を回転させた際に、塗布具20と共に液容器10が回転してしまうことを防止することができる。このため、塗布具20の取り付けおよび取り外しを容易化することができる。この結果、塗布具付き容器1の使用感をより一層向上させることができる。
【0085】
また、本実施の形態によれば、液容器10の口筒部14の内側に、内部に塗布体26が挿通されたしごき部材30が設けられている。このことにより、塗布具20を液容器10から引き抜く際、塗布体26がしごき部材30にしごかれ、塗布体26に保持される塗布液Cの液量を調整することができる。このため、塗布具付き容器1の使用感をより一層向上させることができる。
【0086】
また、本実施の形態によれば、キャップ部22の外側部分22bを覆うように塗布具20に装着される外キャップ40が設けられている。このことにより、キャップ部22の外側部分22bが外キャップ40により覆われ、塗布具付き容器1の美観性を向上させることができる。
【0087】
また、本実施の形態によれば、キャップ部22は、キャップ部22の外側部分22bから外側に向かって突出した突起23を有し、外キャップ40が塗布具20に装着される際、キャップ部22の突起23が外キャップ40の内側部分40aに係止される。このことにより、外キャップ40が塗布具20に装着されると、外キャップ40と塗布具20とが一体化されることができる。このため、使用者は、外キャップ40を把持して、塗布具20の取り付けおよび取り外し、並びに塗布液Cの塗布作業を行うことができる。この結果、塗布具付き容器1の使用感をより一層向上させることができる。
【0088】
また、本実施の形態によれば、液容器10および塗布具20は使い捨てである。このことにより、塗布具付き容器1が使用され、液容器10内の塗布液Cが少なくなった場合、使用済みの液容器10および塗布具20を、新しい液容器10および塗布具20に交換することができる。この場合、塗布具付き容器1の他の部材(外キャップ40、外容器50および抜出防止部材60)を再利用することができる。このため、交換容器100の交換に伴う廃棄物の量を低減することができ、塗布具付き容器1の経済性を向上させることができるとともに、環境負荷を低減することができる。また、塗布具20が交換されるため、塗布具20の劣化による使用感の低下を抑制することができる。
【0089】
また、本実施の形態によれば、塗布液Cは化粧品である。本実施の形態による塗布具付き容器1は、このような化粧品用の塗布具付き容器として用いることができる。
【0090】
また、本実施の形態によれば、交換容器100は、液容器10の口筒部14に取り外し可能に取り付けられた塗布具20を備えている。すなわち、塗布具付き容器1が使用され、液容器10内の塗布液Cが少なくなった場合、交換容器100として、液容器10および塗布具20を交換することができる。このように、液容器10と共に塗布具20が交換されるため、塗布具20の劣化による使用感の低下を抑制することができる。
【0091】
以上において、具体例を参照しながら一実施の形態を説明してきたが、上述した具体例が一実施の形態を限定することを意図していない。上述した一実施の形態は、その他の様々な具体例で実施されることが可能であり、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、追加を行うことができる。
【0092】
例えば、上述した実施の形態においては、容器収容部52の雄ねじ部52mと筒部分62の雌ねじ部62fとが螺合して、筒部分62が容器収容部52と係合する例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、その他の任意の方法により筒部分62が容器収容部52と係合してもよい。例えば、筒部分62の内側部分62aに突起が設けられ、容器収容部52の外側部分52bに窪み部が設けられ、抜出防止部材60を容器収容部52に取り付ける際に、筒部分62の突起が容器収容部52の窪み部に入り込んで、筒部分62が容器収容部52と係合するようにしてもよい。
【0093】
また例えば、上述した実施の形態においては、口筒部14の雄ねじ部14mとキャップ部22の雌ねじ部22fとが螺合して、口筒部14にキャップ部22が取り付けられる例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、その他の任意の方法により口筒部14にキャップ部22が取り付けられてもよい。例えば、キャップ部22の内側部分22aに突起が設けられ、口筒部14の外側部分14bに窪み部が設けられ、キャップ部22を口筒部14に取り付ける際に、キャップ部22の突起が口筒部14の窪み部に入り込んで、口筒部14にキャップ部22が取り付けられるようにしてもよい。
【0094】
また例えば、上述した実施の形態においては、液容器10、塗布具20およびしごき部材30が使い捨てである例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、液容器10、塗布具20およびしごき部材30は、使い捨てでなくてもよい。例えば、液容器10内に塗布液Cが再び充填されて、それらが再利用されてもよい。
【0095】
(第2の実施の形態)
次に、
図12~
図14を参照して、第2の実施の形態による塗布具付き容器および交換容器について説明する。
【0096】
図12~
図14に示す第2の実施の形態においては、塗布具付き容器に用いられる交換容器が、口筒部に取り外し可能に取り付けられた仮キャップを備える点が主に異なり、他の構成は、
図1~
図11に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、
図12~
図14において、
図1~
図11に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0097】
本実施の形態においては、塗布液入り交換容器200Lは、交換容器200と、交換容器200の液容器10に収容された塗布液Cと、を備えている。
【0098】
図12および
図13に示すように、交換容器200は、上述した液容器10と、液容器10の口筒部14の内側に設けられた上述したしごき部材30と、液容器10の口筒部14に取り外し可能に取り付けられた仮キャップ70と、を備えている。本実施の形態においては、上述した第1の実施の形態とは異なり、交換容器200は、塗布具20を備えておらず、その代わりに、仮キャップ70を備えている。
【0099】
図13に示すように、仮キャップ70は、一端(
図13における上側)が閉塞された筒形状を有しており、内側部分70aと外側部分70bとを有している。仮キャップ70は、一端が閉塞された円筒形状を有していてもよい。仮キャップ70の内側部分70aには、雌ねじ部70fが形成されている。仮キャップ70の雌ねじ部70fは、口筒部14の雄ねじ部14mと螺合するようになっている。これにより、仮キャップ70は、液容器10の口筒部14に取り外し可能に取り付けられることができる。また、仮キャップ70は、一端側に設けられた基部72と、基部72から液収容部12内に延び入る延出部74と、を有している。延出部74は、棒状または筒状に形成されていてもよい。延出部74は、しごき部材30内を通過して、液収容部12内に延びている。これにより、液収容部12内の塗布液Cが口筒部14内(しごき部材30内)に流入することを抑制することができる。仮キャップ70は、交換容器200が外容器50に装着される際に、口筒部14から取り外される。仮キャップ70は、樹脂材料や金属材料により構成されていてもよい。
【0100】
本実施の形態においては、塗布具付き容器1が使用され、液容器10内の塗布液Cが少なくなった場合、塗布具付き容器1に含まれる液容器10としごき部材30とが、交換容器200として交換される。
【0101】
交換容器200は、使い捨てであってもよい。すなわち、液容器10およびしごき部材30は、使い捨てであってもよい。そして、塗布具付き容器1に含まれる上述した塗布具20、外キャップ40、外容器50および抜出防止部材60は、再利用されてもよい。
【0102】
本実施の形態による交換容器200の交換方法は、外容器50から使用済みの交換容器200(液容器10およびしごき部材30)を抜き出す抜出工程と、外容器50に塗布液入り交換容器200Lを装着する装着工程と、を備えている。
【0103】
抜出工程は、塗布具20を取り外す工程と、抜出防止部材60を取り外す工程と、使用済みの交換容器200を抜き出す工程と、を備えている。
【0104】
まず、塗布具20を取り外す工程においては、
図14Aに示すように、液容器10から塗布具20が取り外される。ここで、上述したように、塗布具20のキャップ部22に形成された突起23が、外キャップ40の内側部分40aに係止されている。また、上述したように、塗布具20のキャップ部22に形成された雌ねじ部22fが、液容器10の口筒部14に形成された雄ねじ部14mと螺合している。このため、外キャップ40を把持して、外キャップ40と共に塗布具20を液容器10に対して回転させて、この螺合を解除することで、液容器10から塗布具20を取り外すことができる。
【0105】
続いて、抜出防止部材60を取り外す工程においては、
図14Bに示すように、外容器50から抜出防止部材60が取り外される。ここで、上述したように、外容器50の容器収容部52に形成された雄ねじ部52mと抜出防止部材60の筒部分62に形成された雌ねじ部62fとが螺合している。このため、抜出防止部材60を外容器50に対して回転させて、この螺合を解除することで、外容器50から抜出防止部材60を取り外すことができる。
【0106】
次に、使用済みの交換容器200を抜き出す工程においては、
図14Cに示すように、外容器50から使用済みの交換容器200が抜き出される。ここで、使用済みの交換容器200とは、塗布具付き容器1の使用により液容器10内の塗布液Cが少なくなった交換容器200を意味する。上述したように、交換容器200は、液容器10と、液容器10の口筒部14の内側に設けられたしごき部材30と、を含んでいる。このため、交換容器200として、液容器10およびしごき部材30が共に抜き出される。
【0107】
こうして、塗布具付き容器1から使用済みの交換容器200が抜き出される。
【0108】
装着工程は、塗布液入り交換容器200Lから仮キャップ70を取り外す工程と、塗布液入り交換容器200Lを挿入する工程と、抜出防止部材60を取り付ける工程と、塗布具20を取り付ける工程と、を含んでいる。
【0109】
まず、塗布液入り交換容器200Lから仮キャップ70を取り外す工程においては、
図12および
図13に示す仮キャップ70が、塗布液入り交換容器200Lの液容器10の口筒部14から取り外される。上述したように、仮キャップ70の雌ねじ部70fと口筒部14の雄ねじ部14mとが螺合している。このため、仮キャップ70を液容器10に対して回転させて、この螺合を解除することで、液容器10から仮キャップ70を取り外すことができる。
【0110】
続いて、塗布液入り交換容器200Lを挿入する工程においては、
図14Cに示すように、仮キャップ70が取り外された塗布液入り交換容器200Lが、外容器50内に挿入される。ここでは、塗布液入り交換容器200Lとして、塗布液Cが収容された液容器10、およびしごき部材30が共に挿入される。
【0111】
次に、抜出防止部材60を取り付ける工程においては、
図14Bに示すように、外容器50に抜出防止部材60が取り付けられる。ここでは、外容器50の容器収容部52に形成された雄ねじ部52mと抜出防止部材60の筒部分62に形成された雌ねじ部62fとを螺合させて、外容器50に抜出防止部材60を取り付ける。
【0112】
そして、塗布具20を取り付ける工程においては、
図14Aに示すように、外キャップ40が取り付けられた塗布具20が、液容器10の口筒部14に取り付けられる。ここでは、塗布具20の塗布体26を液容器10の液収容部12内に挿入し、口筒部14の雄ねじ部14mとキャップ部22の雌ねじ部22fとを螺合させて、口筒部14に塗布具20を取り付ける。
【0113】
こうして、塗布具付き容器1に塗布液入り交換容器200Lが装着される。
【0114】
このようにして、塗布具付き容器1において、使用済みの交換容器200を、塗布液入り交換容器200Lに交換することができる。これにより、使用者は、塗布液入り塗布具付き容器1Lを得ることができ、この塗布液入り塗布具付き容器1Lを用いて塗布液Cの塗布作業を行うことができる。
【0115】
本実施の形態においても、上述した第1の実施の形態と同様、外容器50に抜出防止部材60が取り付けられていることにより、例えば、使用者が塗布具20を液容器10から抜き出す際、液容器10が外容器50から抜け出ることを防止することができる。このため、塗布具付き容器1の使用感を向上させることができる。
【0116】
また、本実施の形態によれば、液容器10は使い捨てである。このことにより、塗布具付き容器1が使用され、液容器10内の塗布液Cが少なくなった場合、使用済みの液容器10を、新しい液容器10に交換することができる。この場合、塗布具付き容器1の他の部材(塗布具20、外キャップ40、外容器50および抜出防止部材60)を再利用することができる。このため、交換容器100の交換に伴う廃棄物の量を更に低減することができ、塗布具付き容器1の経済性をより一層向上させることができるとともに、環境負荷をより一層低減することができる。
【0117】
また、本実施の形態によれば、交換容器200は、液容器10の口筒部14に取り外し可能に取り付けられた仮キャップ70を備えている。このことにより、交換容器200の交換の際、液容器10から仮キャップ70を取り外すことで、液容器10に塗布具20を取り付けることができる。このため、液容器10を交換した場合でも、塗布具20を再利用することができ、塗布具付き容器1の経済性をより一層向上させることができるとともに、環境負荷をより一層低減することができる。
【0118】
(第3の実施の形態)
次に、
図15~
図20を参照して、第3の実施の形態による塗布具付き容器および交換容器について説明する。
【0119】
図15~
図20に示す第3の実施の形態においては、液容器は、液収容部と口筒部の間に設けられた、口筒部よりも外側に突出した外側突出部を有し、抜出防止部材は、外側突出部と係合する係合部を有する点が主に異なり、他の構成は、
図1~
図11に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、
図15~
図20において、
図1~
図11に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0120】
本実施の形態においては、
図15および
図16に示すように、液容器10は、液収容部12と口筒部14との間に設けられた外側突出部18を有している。
【0121】
図16に示すように、外側突出部18は、口筒部14よりも外側に突出している。外側突出部18は、液収容部12の外側部分12bよりも内側に位置づけられていてもよい。外側突出部18は、筒形状を有しており、内側部分18aと外側部分18bとを有している。外側突出部18は、円筒形状を有していてもよい。外側突出部18の内側部分18aは、口筒部14の内側部分14aとの間に段差が設けられることなく、口筒部14の内側部分14aに対して滑らかに連続的に形成されていてもよい。また、外側突出部18の外側部分18bは、液収容部12の側(
図16における下側)に向かって内側に傾斜していてもよい。すなわち、外側突出部18の外径は、液収容部12の側に向かうに連れて小さくなっていてもよい。これにより、外側突出部18の液収容部12の側の部分に、溝部18gが設けられる。なお、上述した外側突出部18の形状は一例であり、外側突出部18は、その他の任意の形状を有していてもよい。
【0122】
液収容部12、口筒部14および外側突出部18は、一体化していてもよい。すなわち、液収容部12、口筒部14および外側突出部18は、液容器10として、製造時に同一材料により一体的に継ぎ目なしに形成されてもよい。液容器10は、樹脂材料や金属材料により構成されていてもよい。
【0123】
また、本実施の形態においては、
図15および
図16に示すように、抜出防止部材60は、外側突出部18と係合する係合部68を有している。
【0124】
図16に示すように、係合部68は、外容器50に抜出防止部材60が取り付けられた状態において、外側突出部18の外側部分18bと対向する位置に設けられる。係合部68は、抜出防止部材60の板部分64の貫通孔66を画定する内周部から液収容部12の側(
図16における下側)に向かって延びるように設けられていてもよい。係合部68は、径方向(
図16における左右方向)に撓むように構成されていてもよい。これにより、抜出防止部材60が取り付けられた際、係合部68は、外側突出部18に付勢される。また、係合部68には、内側に突出した引掛り部68hが形成されていてもよい。この引掛り部68hが、外側突出部18の溝部18gに入り込むことで、係合部68が外側突出部18と係合するようになっていてもよい。
【0125】
筒部分62、板部分64および係合部68は、一体化していてもよい。すなわち、筒部分62、板部分64および係合部68は、抜出防止部材60として、製造時に同一材料により一体的に継ぎ目なしに形成されてもよい。抜出防止部材60は、樹脂材料や金属材料により構成されていてもよい。
【0126】
また、本実施の形態においては、
図15および
図17に示すように、液容器10は、液収容部12の外側部分12bに設けられたリブ12rを有している。
【0127】
図17に示すように、リブ12rは、液収容部12の底部12e、すなわち液収容部12の開口12oとは反対の側の端部に形成されていてもよい。リブ12rは、複数設けられていてもよい。この場合、各リブ12rは、周方向に等間隔で配置されていてもよい。
図17に示す例においては、2つのリブ12rが、周方向に等間隔で配置されている。すなわち、2つのリブ12rが、軸方向に対して互いに対称になるように配置されている。
【0128】
また、本実施の形態においては、
図15および
図18に示すように、外容器50は、容器収容部52の内側部分52aに設けられた回転防止部56を有している。
【0129】
図18に示すように、回転防止部56は、容器収容部52の底部52e、すなわち容器収容部52の開口52oとは反対の側の端部に設けられていてもよい。回転防止部56は、液容器10と外容器50とが互いに対して回転不能になるように、リブ12rと係合するように構成されている。
図18に示すように、回転防止部56は、スロープ部56sと、壁部56wと、を有していてもよい。スロープ部56sは、リブ12rと当接して、リブ12rを壁部56wに案内するように構成されている。スロープ部56sは、容器収容部52の雄ねじ部52mと同じ方向に、同じ傾斜角度で傾斜していてもよい。壁部56wは、スロープ部56sに案内されたリブ12rと当接するように構成されている。これにより、回転防止部56は、液容器10と外容器50とが互いに対して回転不能になるように、リブ12rと係合することができる。
図18に示す例においては、
図17の2つのリブ12rに対応して、2つのスロープ部56sと2つの壁部56wが設けられている。
【0130】
容器収容部52および回転防止部56(スロープ部56sおよび壁部56w)は、一体化していてもよい。すなわち、容器収容部52および回転防止部56は、外容器50として、製造時に同一材料により一体的に継ぎ目なしに形成されてもよい。外容器50は、樹脂材料や金属材料により構成されていてもよい。
【0131】
本実施の形態においては、塗布具付き容器1が使用され、液容器10内の塗布液Cが少なくなった場合、塗布具付き容器1に含まれる液容器10としごき部材30とが、交換容器300として交換される。
【0132】
交換容器300は、使い捨てであってもよい。すなわち、液容器10およびしごき部材30は、使い捨てであってもよい。そして、塗布具付き容器1に含まれる上述した塗布具20、外キャップ40、外容器50および抜出防止部材60は、再利用されてもよい。
【0133】
本実施の形態による交換容器300の交換方法は、外容器50から使用済みの交換容器300(液容器10およびしごき部材30)を抜き出す抜出工程と、外容器50に塗布液入り交換容器300Lを装着する装着工程と、を備えている。
【0134】
抜出工程は、塗布具20を取り外す工程と、使用済みの交換容器300を抜き出す工程と、抜出防止部材60を取り外す工程と、を備えている。
【0135】
まず、塗布具20を取り外す工程においては、
図19Aに示すように、液容器10から塗布具20が取り外される。ここで、上述したように、塗布具20のキャップ部22に形成された突起23が、外キャップ40の内側部分40aに係止されている。また、上述したように、塗布具20のキャップ部22に形成された雌ねじ部22fが、液容器10の口筒部14に形成された雄ねじ部14mと螺合している。このため、外キャップ40を把持して、外キャップ40と共に塗布具20を液容器10に対して回転させて、この螺合を解除することで、液容器10から塗布具20を取り外すことができる。
【0136】
続いて、使用済みの交換容器300を抜き出す工程においては、
図19Bに示すように、外容器50から使用済みの交換容器300が抜き出される。ここで、使用済みの交換容器300とは、塗布具付き容器1の使用により液容器10内の塗布液Cが少なくなった交換容器300を意味する。上述したように、交換容器300は、液容器10と、液容器10の口筒部14の内側に設けられたしごき部材30と、を含んでいる。このため、交換容器300として、液容器10およびしごき部材30が共に抜き出される。また、ここでは、抜出防止部材60の係合部68が、液容器10の外側突出部18と係合している。このため、抜出防止部材60が、交換容器300と共に抜き出される。この場合において、使用者は、抜出防止部材60を把持して、交換容器300を抜き出すことができる。
【0137】
次に、抜出防止部材60を取り外す工程においては、
図19Cに示すように、交換容器300(液容器10)から抜出防止部材60が取り外される。ここで、上述したように、抜出防止部材60の係合部68が、液容器10の外側突出部18と係合している。このため、この係合を解除するように抜出防止部材60を上方に引き抜くことで、交換容器300から抜出防止部材60を取り外すことができる。
【0138】
こうして、塗布具付き容器1から使用済みの交換容器300が抜き出される。
【0139】
装着工程は、塗布液入り交換容器300Lを挿入する工程と、抜出防止部材60を取り付ける工程と、塗布具20を取り付ける工程と、を含んでいる。
【0140】
まず、塗布液入り交換容器300Lを挿入する工程においては、
図20Aに示すように、塗布液入り交換容器300Lが、外容器50内に挿入される。ここでは、塗布液入り交換容器300Lとして、塗布液Cが収容された液容器10、およびしごき部材30が共に挿入される。
【0141】
続いて、抜出防止部材60を取り付ける工程においては、
図20Bに示すように、外容器50に抜出防止部材60が取り付けられる。ここでは、外容器50の容器収容部52に形成された雄ねじ部52mと抜出防止部材60の筒部分62に形成された雌ねじ部62fとを螺合させて、外容器50に抜出防止部材60を取り付ける。また、抜出防止部材60の係合部68を液容器10の外側突出部18と係合させて、液容器10に抜出防止部材60を取り付ける。
【0142】
次に、塗布具20を取り付ける工程においては、
図20Cに示すように、外キャップ40が取り付けられた塗布具20が、液容器10の口筒部14に取り付けられる。ここでは、塗布具20の塗布体26を液容器10の液収容部12内に挿入し、口筒部14の雄ねじ部14mとキャップ部22の雌ねじ部22fとを螺合させて、口筒部14に塗布具20を取り付ける。
【0143】
こうして、塗布具付き容器1に塗布液入り交換容器300Lが装着される。
【0144】
このようにして、塗布具付き容器1において、使用済みの交換容器300を、塗布液入り交換容器300Lに交換することができる。これにより、使用者は、塗布液入り塗布具付き容器1Lを得ることができ、この塗布液入り塗布具付き容器1Lを用いて塗布液Cの塗布作業を行うことができる。
【0145】
本実施の形態においても、上述した第1の実施の形態と同様、外容器50に抜出防止部材60が取り付けられていることにより、例えば、使用者が塗布具20を液容器10から抜き出す際、液容器10が外容器50から抜け出ることを防止することができる。このため、塗布具付き容器1の使用感を向上させることができる。
【0146】
また、本実施の形態によれば、抜出防止部材60は、液容器10の外側突出部18と係合する係合部68を有している。塗布液Cの塗布作業を行う際、使用者は、液収容部12の開口12oの近傍で、塗布体26の先端部28に保持される塗布液Cの液量を調整する場合がある。この場合、液容器10の口筒部14内に塗布液Cが滞留し得る。このため、塗布具20を口筒部14に取り付けた際、口筒部14内に滞留していた塗布液Cが口筒部14内から溢れ、口筒部14の外側部分14bに付着する場合がある。この場合、交換容器300の交換時、使用者が口筒部14を把持すると、使用者の手に塗布液Cが付着するおそれがある。これに対して本実施の形態によれば、抜出防止部材60の係合部68が液容器10の外側突出部18と係合していることにより、交換容器300の交換時、使用者は、抜出防止部材60を把持して、交換容器300を抜き出すことができる。このことにより、交換容器300の交換時、使用者が液容器10の口筒部14に触れることを回避することができ、使用者の手に塗布液Cが付着することを防止することができる。このため、塗布具付き容器1の使用感をより一層向上させることができる。
【0147】
また、本実施の形態によれば、液容器10は、液収容部12の外側部分12bに設けられたリブ12rを有し、外容器50は、容器収容部52の内側部分52aに設けられた回転防止部56であって、液容器10と外容器50とが互いに対して回転不能になるように、リブ12rと係合する回転防止部56を有している。このことにより、塗布具20の取り付けまたは取り外しのために外容器50を把持して塗布具20を回転させた際に、塗布具20と共に液容器10が回転してしまうことを防止することができる。このため、塗布具20の取り付けおよび取り外しを容易化することができる。この結果、塗布具付き容器1の使用感をより一層向上させることができる。
【0148】
以上述べた実施の形態によれば、液容器が外容器から抜け出ることを防止することができる。
【0149】
以上において、いくつかの実施の形態とその変形例を説明してきたが、当然に、複数の実施の形態又は複数の変形例を少なくとも部分的に適宜組み合わせて適用することも可能である。
【符号の説明】
【0150】
1:塗布具付き容器、1L:塗布液入り塗布具付き容器、10:液容器、12:液収容部、12r:リブ、14:口筒部、14m:雄ねじ部、16,18:外側突出部、20:塗布具、22:キャップ部、22f:雌ねじ部、23:突起、26:塗布体、30:しごき部材、40:外キャップ、50:外容器、52:容器収容部、52m:雄ねじ部、54:支持部、56:回転防止部、60:抜出防止部材、62:筒部分、62f:雌ねじ部、64:板部分、66:貫通孔、68:係合部、70:仮キャップ、100,200,300:交換容器、100L,200L,300L:塗布液入り交換容器