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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20240927BHJP
   G02F 1/1343 20060101ALI20240927BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20240927BHJP
   H01L 21/8234 20060101ALI20240927BHJP
   H01L 27/088 20060101ALI20240927BHJP
   H01L 21/8238 20060101ALI20240927BHJP
   H01L 27/092 20060101ALI20240927BHJP
   H01L 29/786 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
G09F9/30 348A
G02F1/1343
G02F1/1368
G09F9/30 320
G09F9/30 338
H01L27/088 A
H01L27/088 E
H01L27/088 331E
H01L27/092 A
H01L29/78 612C
H01L29/78 616V
H01L29/78 618B
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021056081
(22)【出願日】2021-03-29
(65)【公開番号】P2022153051
(43)【公開日】2022-10-12
【審査請求日】2023-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】尾関 芳孝
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】森口 幸志郎
【審査官】村上 遼太
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/181494(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0285090(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2011-0071313(KR,A)
【文献】特開2010-232651(JP,A)
【文献】国際公開第2012/077602(WO,A1)
【文献】特開2016-085366(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F1/1343-1/1345
1/135-1/1368
G09F9/00-9/46
H01L21/336
21/8232-21/8238
21/8249
27/06
27/07
27/085-27/092
27/118
29/786
H05B33/00-33/28
44/00
45/60
H10K50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化物半導体層、前記酸化物半導体層に対向するゲート配線、及び前記酸化物半導体層と前記ゲート配線との間のゲート絶縁層を備えた第1トランジスタと、
前記第1トランジスタ上の少なくとも1層の第1絶縁層上に設けられ、前記ゲート配線と重なる領域を含み、前記ゲート配線の外側の第1コンタクト領域で前記酸化物半導体層と接する第1透明導電層と、
前記第1透明導電層上の少なくとも1層の第2絶縁層上に設けられ、前記ゲート配線と重なる第2コンタクト領域で前記第1透明導電層と電気的に接続する第2透明導電層と、
前記第2透明導電層と前記少なくとも1層の第2絶縁層との間に設けられた第3透明導電層と、
前記第2透明導電層の上に設けられた第4透明導電層と、
前記第2透明導電層と前記第3透明導電層との間の第3絶縁層と、
前記第2透明導電層と前記第4透明導電層との間の第4絶縁層と、
を含み、
前記第3絶縁層は、前記第2コンタクト領域と重なる開口パターンを含む、
表示装置。
【請求項2】
前記第3透明導電層は、ストライプ状のパターンを有し、
前記第4透明導電層は、前記ストライプ状のパターンと少なくとも一部が重なるスリットパターンを含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記ゲート配線の外側の第3コンタクト領域で前記酸化物半導体層と接する第1配線をさらに有し、
前記第3透明導電層の前記ストライプ状のパターンは、第1方向に沿って設けられ、
前記第1配線は、前記第1方向と交差する第2方向に沿って設けられる、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
少なくとも前記第2コンタクト領域と重なるスペーサをさらに有する、請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1透明導電層は、前記第3コンタクト領域とは重ならない、請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第透明導電層と、前記第2透明導電層との間に、第5透明導電層をさらに有し、
前記第5透明導電層は、前記第3透明導電層と同じ透明導電膜から形成される、請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第5透明導電層と前記第1透明導電層とは、前記ゲート配線と重なる第4コンタクト領域で接する、請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第3絶縁層に設けられた前記開口パターンにおいて、前記第2透明導電層は、前記第5透明導電層と第5コンタクト領域で接する、請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第5コンタクト領域は、前記第4コンタクト領域の一部と重なる、請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第3絶縁層の膜厚は、前記第4絶縁層の膜厚よりも大きい、請求項1に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第3絶縁層の膜厚は、前記第4絶縁層の膜厚と略同一である、請求項1に記載の表示装置。
【請求項12】
前記第3透明導電層は、前記第1方向に沿って延びる第1領域と、前記第1配線に重なり、前記第2方向に沿って伸びる第2領域と、を有する、請求項3に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態の一つは、表示装置に関する。特に、本発明の実施形態の一つは、酸化物半導体を有するトランジスタが用いられた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、アモルファスシリコン、低温ポリシリコン、および単結晶シリコンに替わり、酸化物半導体をチャネルに用いたトランジスタの開発が進められている(例えば、特許文献1、2)。酸化物半導体をチャネルに用いたトランジスタは、アモルファスシリコンをチャネルに用いたトランジスタと同様に単純な構造かつ低温プロセスで形成される。酸化物半導体をチャネルに用いたトランジスタは、アモルファスシリコンをチャネルに用いたトランジスタよりも高い移動度を有し、オフ電流が非常に低いことが知られている。
【0003】
近年、表示装置の画素サイズ縮小化が進められている。画素サイズの縮小化に伴い、配線幅やトランジスタサイズの縮小化が検討されている。しかし、これらの縮小化には限界があり、画素回路を構成する金属層及び半導体層の配置に起因して開口率が小さくなっている。そこで、トランジスタサイズが小さくても、画素回路の駆動に十分な特性を得ることができる酸化物半導体層がチャネルに用いられたトランジスタを画素回路のトランジスタに用いる開発が進められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-146819号公報
【文献】特開2015-159315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
表示装置の画素サイズ縮小化に伴い、画素電極は信号線による容量カップリングの影響を受けやすくなる。縮小化された画素を高速に駆動しようとすると、信号線の電位によって画素電極の電位が変化するクロストークの影響が顕在化するおそれがある。
【0006】
本発明の実施形態の一つは、表示装置において、微小化された画素におけるクロストークを低減することを課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る表示装置は、酸化物半導体層、酸化物半導体層に対向するゲート配線、及び酸化物半導体層とゲート配線との間のゲート絶縁層を備えた第1トランジスタと、第1トランジスタ上の少なくとも1層の第1絶縁層上に設けられ、ゲート配線と重なる領域を含み、ゲート配線の外側の第1コンタクト領域で酸化物半導体層と接する第1透明導電層と、第1透明導電層上の少なくとも1層の第2絶縁層上に設けられ、ゲート配線と重なる第2コンタクト領域で第1透明導電層と接する第2透明導電層と、第2透明導電層と少なくとも1層の第2絶縁層との間に設けられた第3透明導電層と、第2透明導電層の上に設けられた第4透明導電層と、第2透明導電層と第3透明導電層との間の第3絶縁層と、第2透明導電層と第4透明導電層との間の第4絶縁層と、を含み、第3絶縁層は、第2コンタクト領域と重なる開口パターンを含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る表示装置の概要を示す断面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る表示装置の概要を示す平面図である。
図3図2に示す表示装置のA1-A2線に沿って切断した断面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る表示装置において、各層のレイアウトを説明する平面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る表示装置において、各層のレイアウトを説明する平面図である。
図6】本発明の一実施形態に係る表示装置において、各層のレイアウトを説明する平面図である。
図7】本発明の一実施形態に係る表示装置において、各層のレイアウトを説明する平面図である。
図8】本発明の一実施形態に係る表示装置において、各層のレイアウトを説明する平面図である。
図9】本発明の一実施形態に係る表示装置において、各層のレイアウトを説明する平面図である。
図10】本発明の一実施形態に係る表示装置において、各層のレイアウトを説明する平面図である。
図11】本発明の一実施形態に係る表示装置において、各層のレイアウトを説明する平面図である。
図12】本発明の一実施形態に係る表示装置において、各層のレイアウトを説明する平面図である。
図13】本発明の一実施形態に係る表示装置において、各層のレイアウトを説明する平面図である。
図14】本発明の一実施形態に係る表示装置において、各層のレイアウトを説明する平面図である。
図15】本発明の一実施形態に係る表示装置において、各層のレイアウトを説明する平面図である。
図16】本発明の一実施形態に係る表示装置において、各層のレイアウトを説明する平面図である。
図17】本発明の一実施形態に係る表示装置の概要を示す断面図である。
図18】本発明の一実施形態に係る表示装置の概要を示す平面図である。
図19】本発明の一実施形態に係る表示装置の概要を示す平面図である。
図20】本発明の一実施形態に係る表示装置の概要を示す断面図である。
図21】本発明の一実施形態に係る表示装置の概要を示す平面図である。
図22】本発明の一実施形態に係る表示装置の概要を示す平面図である。
図23】本発明の一実施形態に係る表示装置の概要を示す断面図である。
図24】本発明の一実施形態に係る表示装置の概要を示す平面図である。
図25】本発明の一実施形態に係る表示装置の回路構成を示すブロック図である。
図26】本発明の一実施形態に係る表示装置の画素回路を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。以下の開示はあくまで一例にすぎない。当業者が、発明の主旨を保ちつつ、実施形態の構成を適宜変更することによって容易に想到し得る構成は、当然に本発明の範囲に含有される。図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合がある。しかし、図示された形状はあくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号の後にアルファベットを付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0010】
本発明の各実施の形態において、基板から酸化物半導体層に向かう方向を上又は上方という。逆に、酸化物半導体層から基板に向かう方向を下又は下方という。このように、説明の便宜上、上方又は下方という語句を用いて説明するが、例えば、基板と酸化物半導体層との上下関係が図示と逆になるように配置されてもよい。以下の説明で、例えば基板上の酸化物半導体層という表現は、上記のように基板と酸化物半導体層との上下関係を説明しているに過ぎず、基板と酸化物半導体層との間に他の部材が配置されていてもよい。上方又は下方は、複数の層が積層された構造における積層順を意味するものであり、トランジスタの上方の画素電極と表現する場合、平面視でトランジスタと画素電極とが重ならない位置関係であってもよい。一方、トランジスタの鉛直上方の画素電極と表現する場合は、平面視でトランジスタと画素電極とが重なる位置関係を意味する。
【0011】
「表示装置」とは、電気光学層を用いて映像を表示する構造体を指す。例えば、表示装置という用語は、電気光学層を含む表示パネルを指す場合もあり、又は表示セルに対して他の光学部材(例えば、偏光部材、バックライト、タッチパネル等)を装着した構造体を指す場合もある。「電気光学層」には、技術的な矛盾が生じない限り、液晶層、エレクトロルミネセンス(EL)層、エレクトロクロミック(EC)層、電気泳動層が含まれ得る。したがって、後述する実施形態について、表示装置として、液晶層を含む液晶表示装置を例示して説明するが、本実施形態における構造は、上述した他の電気光学層を含む表示装置へ適用することができる。
【0012】
本明細書において「αはA、B又はCを含む」、「αはA,B及びCのいずれかを含む」、「αはA,B及びCからなる群から選択される一つを含む」、といった表現は、特に明示が無い限り、αがA~Cの複数の組み合わせを含む場合を排除しない。さらに、これらの表現は、αが他の要素を含む場合も排除しない。
【0013】
なお、以下の各実施形態は、技術的な矛盾を生じない限り、互いに組み合わせることができる。
【0014】
[1.第1実施形態]
[1-1.表示装置10の構成]
図1図16を用いて、本発明の一実施形態に係る表示装置10の構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る表示装置の概要を示す断面図である。
【0015】
図1に示すように、表示装置10は基板SUBの上方に設けられている。表示装置10は、トランジスタTr1、トランジスタTr2、配線W、接続電極ZTCO、画素電極PTCO、共通電極CTCO1、共通補助電極CMTL、及び共通電極CTCO2を有する。なお、TCOはTransparent Conductive Oxide(透明導電性酸化物)の略称である。トランジスタTr1は表示装置10の画素回路に含まれるトランジスタである。トランジスタTr2は周辺回路に含まれるトランジスタである。なお、詳細は後述するが、周辺回路は画素回路を駆動する回路である。なお、図1の断面図は、表示装置10の層構造を説明するための図であり、周辺回路と画素回路が隣接して示されているが、実際には画素回路は表示領域内に、周辺回路は表示領域外の額縁領域に設けられており、これら回路同士が離間して設けられていることは言うまでもない。また、特に図1中の画素回路においては、画素領域中のコンタクトホール周辺部を中心に示されており、表示に寄与する透過領域(開口領域)については一部のみが示されている。なお、当該透過領域については図3に示されている。
【0016】
[1-2.トランジスタTr1の構成]
トランジスタTr1は、酸化物半導体層OS、ゲート絶縁層GI1、及びゲート電極GL1を有する。ゲート電極GL1は酸化物半導体層OSに対向する。ゲート絶縁層GI1は酸化物半導体層OSとゲート電極GL1との間に設けられている。本実施形態では、ゲート電極GL1よりも基板SUB側に酸化物半導体層OSが設けられたトップゲート型トランジスタが例示されているが、ゲート電極GL1と酸化物半導体層OSとの位置関係が逆であるボトムゲート型トランジスタが用いられてもよい。
【0017】
酸化物半導体層OSは、酸化物半導体層OS1、OS2を含む。酸化物半導体層OS1は、平面視でゲート電極GL1と重なる領域の酸化物半導体層である。酸化物半導体層OS1は、半導体層として機能し、ゲート電極GL1に供給される電圧に応じて導通状態と非導通状態とに切り替えられる。つまり、酸化物半導体層OS1はトランジスタTr1のチャネルとして機能する。酸化物半導体層OS2は導電層として機能する。酸化物半導体層OS1、OS2は同じ酸化物半導体層から形成された層である。例えば、酸化物半導体層OS2は、酸化物半導体層OS1と同じ物性の層に対して不純物をドーピングすることで低抵抗化された酸化物半導体層である。
【0018】
ゲート電極GL1の上に絶縁層IL2が設けられている。絶縁層IL2の上に配線W1が設けられている。配線W1は、絶縁層IL2及びゲート絶縁層GI1に設けられた開口WCONを介して酸化物半導体層OS2に接続されている。配線W1と酸化物半導体層OS2とが接する領域を第3コンタクト領域CON3という。第3コンタクト領域CON3は、開口WCONに設けられる。配線W1は、平面視でゲート電極GL1とは重ならない第3コンタクト領域CON3において酸化物半導体層OS2と接する。配線W1には、画素の階調に関連するデータ信号が伝達される。絶縁層IL2及び配線W1の上に絶縁層IL3が設けられている。絶縁層IL3の上に接続電極ZTCO(第1透明導電層ともいう)が設けられている。接続電極ZTCOは、絶縁層IL3、IL2、及びゲート絶縁層GI1に設けられた開口ZCONを介して酸化物半導体層OS2に接続されている。接続電極ZTCOは開口ZCONの底部において酸化物半導体層OS2と接している。接続電極ZTCOは、透明導電層である。
【0019】
接続電極ZTCOと酸化物半導体層OS2とが接する領域を第1コンタクト領域CON1という。第1コンタクト領域CON1は、開口ZCONに設けられる。詳細は後述するが、接続電極ZTCOは、平面視でゲート電極GL1及び配線W1とは重ならない第1コンタクト領域CON1において酸化物半導体層OS2と接する。また、平面視で第1コンタクト領域CON1は画素の表示領域に含まれる。また、接続電極ZTCOは、第3コンタクト領域CON3とは重ならない。
【0020】
ここで、例えばITO層などの透明導電層をシリコン層などの半導体層に接するように形成すると、ITO成膜時のプロセスガスや酸素イオンによって半導体層の表面が酸化する。半導体層の表面に形成された酸化層は高抵抗であるため、半導体層と透明導電層と間の接触抵抗が高くなってしまい、両者の電気的接触に不良が生じる。一方、上記の透明導電層を酸化物半導体層に接するように形成しても、酸化物半導体層の表面に上記のような高抵抗な酸化層は形成されないため、酸化物半導体層と透明導電層との間の電気的接触に不良は生じない。
【0021】
接続電極ZTCOの上に絶縁層IL4が設けられている。絶縁層IL4は、絶縁層IL4よりも下層に設けられた構造体によって形成された段差を緩和する。絶縁層IL4を平坦化膜という場合がある。絶縁層IL4の上に共通電極CTCO1(第3透明導電層ともいう)が設けられている。図1では、駆動回路に共通電極CTCO1が設けられている様子を図示するが、共通電極CTCO1は、画素にも設けられている。画素に設けられる共通電極CTCO1については、後に詳述する。共通電極CTCO1の上に、絶縁層IL5(第1絶縁層ともいう)が設けられている。絶縁層IL5の上に画素電極PTCO(第2透明導電層ともいう)が設けられている。共通電極CTCO1と絶縁層IL5と画素電極PTCOとにより保持容量を構成することができる。画素電極PTCOは絶縁層IL5に設けられた開口ACON、絶縁層IL4に設けられたPCONを介して接続電極ZTCOに接続されている。接続電極ZTCOと画素電極PTCOとが接する領域を第2コンタクト領域CON2という。第2コンタクト領域CON2は、開口PCONと開口ACONとが重なる領域に設けられる。平面視で第2コンタクト領域CON2はゲート電極GL1と重なる。画素電極PTCOは、透明導電層である。画素電極PTCOの上に、絶縁層IL6が設けられている。ここで、絶縁層IL6の膜厚は、絶縁層IL5の膜厚よりも小さい。なお、絶縁層IL6の膜厚が絶縁層IL5の膜厚と略同一であってもよい。
【0022】
絶縁層IL6の上に共通補助電極CMTL及び共通電極CTCO2(第4透明導電層ともいう)が設けられている。詳細は後述するが、共通補助電極CMTLと共通電極CTCO2とは異なる平面パターンを有する。共通補助電極CMTLは金属層である。共通電極CTCO2は透明導電層である。共通電極CTCO2と絶縁層IL6と画素電極PTCOとにより保持容量を構成することができる。共通補助電極CMTLの電気抵抗は共通電極CTCO2の電気抵抗よりも低抵抗である。また、共通補助電極CMTLは遮光層としても機能し、例えば、隣接する画素からの光を遮光することで、混色の発生を抑制することができる。また、共通電極CTCO2は、周辺領域において、共通電極CTCO1と電気的に接続されている。共通電極CTCO2の上にスペーサSPが設けられている。スペーサSPは、少なくとも第2コンタクト領域CON2と重畳し、当該第2コンタクト領域CON2を埋めている。スペーサSPは、ゲート電極GL1及び画素電極PCTOと重畳していてもよい。
【0023】
スペーサSPは一部の画素に対して設けられている。例えば、スペーサSPは、青色画素、赤色画素、緑色画素のいずれか1の画素に対して設けられていてもよい。ただし、スペーサSPは全ての画素に設けられていてもよい。スペーサSPの高さは、セルギャップの半分の高さである。なお、対向基板にもスペーサが設けられており、対向基板のスペーサと上記のスペーサSPとは平面視で重なる。
【0024】
トランジスタTr1と基板SUBとの間に遮光層LSが設けられている。本実施形態では、遮光層LSとして、遮光層LS1、LS2が設けられている。ただし、遮光層LSは遮光層LS1のみ又は遮光層LS2のみで形成されていてもよい。平面視で、遮光層LSは、ゲート電極GL1と酸化物半導体層OSとが重なる領域に設けられている。つまり、平面視で、遮光層LSは酸化物半導体層OS1と重なる領域に設けられている。遮光層LSは、基板SUB側から入射した光が酸化物半導体層OS1に到達することを抑制する。遮光層LSとして導電層が用いられる場合、遮光層LSに電圧を印加して酸化物半導体層OS1を制御してもよい。遮光層LSに電圧が印加される場合、遮光層LSとゲート電極GL1とは、画素回路の周辺領域で接続されていてもよい。なお、平面視で、上記の第3コンタクト領域CON3及び第1コンタクト領域CON1は遮光層LS及びゲート電極GL1と重ならない領域に設けられている。
【0025】
[1-3.トランジスタTr2の構成]
トランジスタTr2は、p型のトランジスタTr2-1及びn型のトランジスタTr2-2を有する。
【0026】
p型のトランジスタTr2-1及びn型のトランジスタTr2-2は、いずれもゲート電極GL2、ゲート絶縁層GI2、半導体層Sを有する。ゲート電極GL2は半導体層Sに対向する。ゲート絶縁層GI2は半導体層Sとゲート電極GL2との間に設けられている。本実施形態では、半導体層Sよりも基板SUB側にゲート電極GL2が設けられたボトムゲート型トランジスタが例示されているが、半導体層Sとゲート電極GL2との位置関係が逆であるトップゲート型トランジスタが用いられてもよい。
【0027】
p型のトランジスタTr2-1の半導体層Sは、半導体層S1、S2を含む。n型のトランジスタTr2-2の半導体層Sは、半導体層S1、S2、S3を含む。半導体層S1は、平面視でゲート電極GL2と重なる領域の半導体層である。半導体層S1はトランジスタTr2-1のチャネルとして機能する。半導体層S2は導電層として機能する。半導体層S3は、半導体層S2よりも高抵抗な導電層として機能する。半導体層S3は、半導体層S1に向かって侵入するホットキャリアを減衰させることで、ホットキャリア劣化を抑制する。
【0028】
半導体層Sの上に絶縁層IL1及びゲート絶縁層GI1が設けられている。トランジスタTr2において、ゲート絶縁層GI1は単に層間膜として機能する。これらの絶縁層の上に配線W2が設けられている。配線W2は、絶縁層IL1及びゲート絶縁層GI1に設けられた開口を介して半導体層Sに接続されている。配線W2の上に絶縁層IL2が設けられている。絶縁層IL2の上に配線W1が設けられている。配線W1は、絶縁層IL2に設けられた開口を介して配線W2に接続されている。
【0029】
ゲート電極GL2と遮光層LS2とは同一層である。配線W2とゲート電極GL1とは同一層である。ここで、同一層とは、複数の部材が、1つの層がパターニングされることによって形成されたものであることを意味する。
【0030】
[1-4.表示装置10の平面レイアウト]
図2図4図16を用いて、表示装置10の画素の平面レイアウトを説明する。図3は、図2に示す表示装置10をA1-A2線で切断したときの断面図である。図2では、共通補助電極CMTL、共通電極CTCO2、及びスペーサSPは省略されている。画素電極PTCO、共通補助電極CMTL、及び共通電極CTCO2の平面レイアウトは、それぞれ図14図16に示されている。また、図2図16において、絶縁層IL1~絶縁層IL6については、開口が設けられた位置を示している。
【0031】
図2及び図4に示すように、遮光層LSはD1方向に延びている。遮光層LSは、画素によって形状が異なっていてもよい。本実施形態では、D1方向に延びる遮光層LSの一部から、D2方向に突出する突出部PJTが設けられている。
【0032】
図2及び図5に示すように、酸化物半導体層OSはD2方向に延びている。ゲート電極GL1は、酸化物半導体層OSと交差するようにD1方向に延びている。
【0033】
図2及び図6に示すように、ゲート電極GL1のパターンは遮光層LSのパターンの内側に設けられている。図6に示すように、遮光層LSは、平面視でゲート電極GL1と酸化物半導体層OSとが重なる領域を含むように設けられている。なお、ゲート電極GL1を「ゲート線」ということもできる。
【0034】
図2及び図7に示すように、開口WCONは、酸化物半導体層OSのパターンの上端付近において設けられている。開口WCONは、ゲート絶縁層GI1及び絶縁層IL2に設けられている。開口WCONは、酸化物半導体層OSのパターンと重なる領域、かつ、ゲート電極GL1とは重ならない領域に設けられている。
【0035】
図2及び図8に示すように、複数の配線W1がD2方向に延びている。配線W1は、開口WCONにおいて酸化物半導体層OSと重なる領域(第3コンタクト領域CON3)に設けられる。隣接する配線をそれぞれ区別して説明する必要がある場合、隣接する配線W1を配線W1-1(第1配線)及び配線W1-2(第2配線)という。この場合、酸化物半導体層OSのメイン部分は、第1配線W1-1と第2配線W1-2との間において、D2方向に延び、ゲート電極GL1と交差している。酸化物半導体層OSのパターンのメイン部分は隣接する配線W1の間においてD2方向に延びている。また、酸化物半導体層OSのパターンの残りの部分は、当該メイン部分から開口WCONの領域に向かってD1方向及びD2方向に対して斜めの方向に延びている。
【0036】
図2及び図9に示すように、開口ZCONは酸化物半導体層OSのパターンの下端付近に設けられている。開口ZCONは、ゲート絶縁層GI1、絶縁層IL2、絶縁層IL3に設けられている。開口ZCONは、酸化物半導体層OSのパターンと重なる領域、かつ、ゲート電極GL1とは重ならない領域に設けられている。酸化物半導体層OSは、ゲート電極GL1に対して、開口ZCON(第1コンタクト領域CON1)とは反対側で配線W1と接する。また、開口ZCON(第1コンタクト領域CON1)は遮光層LSと重ならない。
【0037】
図2及び図10に示すように、接続電極ZTCOは開口ZCONと重なる領域に設けられている。接続電極ZTCOは、配線W1-1と配線W1-2との間において、ゲート電極GL1及び酸化物半導体層OSと重なる。よって、接続電極ZTCOは、ゲート電極GL1とは重ならない開口ZCON(第1コンタクト領域CON1)において酸化物半導体層OSと接する。
【0038】
図2及び図11に示すように、開口PCONは接続電極ZTCOのパターンの上端付近に設けられている。開口PCONは、絶縁層IL4に設けられている。開口PCONは、ゲート電極GL1のパターン及び接続電極ZTCOのパターンと重なる領域に設けられている。
【0039】
図2及び図12に示すように、共通電極CTCO1は、ストライプ状のパターンを有している。共通電極CTCO1は、D1方向に沿って、配線W1-1、配線W1-2と重なるように設けられている。共通電極CTCO1は、開口WCON(第3コンタクト領域CON3)と重なる。ストライプ状の共通電極CTCO1は、表示装置10における駆動回路が設けられる周辺領域において、電気的に接続される。
【0040】
図2及び図13に示すように、開口ACONは、開口PCONと重なるように設けられている。開口ACONは、絶縁層IL5に設けられている。開口ACONは、少なくとも一部がゲート電極GL1と重なるように設けられている。
【0041】
図2及び図14に示すように、画素電極PTCOは、配線W1-1と配線W1-2との間において、ゲート電極GL1、酸化物半導体層OS、及び接続電極ZTCOと重なる。画素電極PTCOは、ゲート電極GL1と重なる開口PCON(第2コンタクト領域CON2)において接続電極ZTCOと接する。また、画素電極PTCOは、絶縁層IL5を介して、共通電極CTCO1と重なる。画素電極PTCO、絶縁層IL5、及び接続電極ZTCOにより、保持容量が形成される。
【0042】
図2及び図15に示すように、共通補助電極CMTLは、画素領域の周囲を囲むように格子状に設けられている。つまり、共通補助電極CMTLは複数の画素に対して共通に設けられている。換言すると、共通補助電極CMTLは開口OPを有する。開口OPは画素電極PTCOを露出するように設けられている。開口OPのパターンは画素電極PTCOのパターンの内側に設けられている。なお、開口OPが設けられた領域が表示領域に相当する。つまり、開口ZCON(第1コンタクト領域CON1)は表示領域に含まれている。なお、表示領域とは、画素からの光をユーザが視認できる領域を意味し、例えば金属層によって遮光され、ユーザが光を視認できない領域は表示領域には含まれない。つまり、上記の表示領域を「透光領域」という場合がある。また、共通補助電極CMTLのD1方向に沿って延びる領域は、開口PCONと重畳する。ここで、図3に示すように、画素電極PTCOは、絶縁層IL5を介して共通電極CTCO1と重畳している。画素電極PTCOが絶縁層IL5を介して共通電極CTCO1と重畳する領域は、保持容量として機能する。
【0043】
図2及び図16に示すように、共通電極CTCO2は、複数の画素に対して共通に設けられており、上記開口OPに対応した領域にスリットSLが設けられている。スリットSLは湾曲した形状(縦に長いS字形状)を有しており、先端ほど延伸方向に対する幅が小さくなる形状を有している。ここで、共通電極CTCO2は、絶縁層IL6を介して画素電極PCTOと重畳している。共通電極CTCO2が絶縁層IL6を介して画素電極と重畳する領域は、保持容量として機能する(図3参照)。
【0044】
[1-5.表示装置10の各部材の材質]
基板SUBとして、ガラス基板、石英基板、およびサファイア基板など、透光性を有し、可撓性を有しない剛性基板を用いることができる。一方、基板SUBが可撓性を有する必要がある場合は、基板SUBとしてポリイミド基板、アクリル基板、シロキサン基板、またはフッ素樹脂基板など、樹脂を含み、可撓性を有するフレキシブル基板を用いることができる。基板SUBの耐熱性を向上させるために、上記の樹脂に不純物を導入してもよい。
【0045】
ゲート電極GL1、GL2、配線W1、W2、遮光層LS、及び共通補助電極CMTLとして、一般的な金属材料を用いることができる。例えば、これらの部材として、例えば、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ビスマス(Bi)、銀(Ag)、及びこれらの合金又は化合物が用いられる。上記の部材として、上記の材料が単層で用いられてもよく、積層で用いられてもよい。
【0046】
例えば、ゲート電極GL1として、Ti/Al/Tiの積層構造が用いられる。本実施形態において、上記の積層構造のゲート電極GL1のパターン端部の断面形状は順テーパ形状である。
【0047】
ゲート絶縁層GI1、GI2及び絶縁層IL1~IL5として、一般的な絶縁層性材料を用いることができる。例えば、絶縁層IL1~IL3、IL5として、として、酸化シリコン(SiOx)、酸化窒化シリコン(SiOxy)、窒化シリコン(SiNx)、窒化酸化シリコン(SiNxy)、酸化アルミニウム(AlOx)、酸化窒化アルミニウム(AlOxy)、窒化酸化アルミニウム(AlNxy)、窒化アルミニウム(AlNx)などの無機絶縁層を用いることができる。これらの絶縁層として、欠陥が少ない絶縁層を用いることができる。絶縁層IL4として、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、又はシロキサン樹脂などの有機絶縁材料を用いることができる。なお、ゲート絶縁層GI1、GI2及び絶縁層IL1~IL3、IL5、IL6として、上記の有機絶縁材料が用いられてもよい。上記の部材として、上記の材料が単層で用いられてもよく、積層で用いられてもよい。
【0048】
なお、上記の絶縁層の一例として、ゲート絶縁層GI1として厚さが100nmのSiOxが用いられる。また、絶縁層IL1として総厚さが600nm~700nmのSiOx/SiNx/SiOxが用いられる。ゲート絶縁層GI2として総厚さが60~100nmのSiOx/SiNxが用いられる。絶縁層IL2として総厚さが300nm~500nmのSiOx/SiNx/SiOxが用いられる。絶縁層IL3として総厚さが200nm~500nmのSiOx(単層)、SiNx(単層)、又はこれらの積層が用いられる。絶縁層IL4として厚さが2μm~4μmの有機層が用いられる。絶縁層IL5として厚さが50nm~150nmのSiNx(単層)が用いられる。
【0049】
上記のSiOxy及びAlOxyは、酸素(O)よりも少ない比率(x>y)の窒素(N)を含有するシリコン化合物及びアルミニウム化合物である。また、SiNxy及びAlNxyは、窒素よりも少ない比率(x>y)の酸素を含有するシリコン化合物及びアルミニウム化合物である。
【0050】
酸化物半導体層OSとして、半導体の特性を有する酸化金属を用いることができる。酸化物半導体層OSは透光性を有する。例えば、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、及び酸素(O)を含む酸化物半導体を用いることができる。特に、In:Ga:Zn:O=1:1:1:4の組成比を有する酸化物半導体を用いることができる。ただし、本実施形態で使用されるIn、Ga、Zn、及びOを含む酸化物半導体は上記の組成に限定されるものではなく、上記とは異なる組成の酸化物半導体を用いることもできる。例えば、移動度を向上させるためにInの比率を上記より大きくしてもよい。また、バンドギャップを大きくし、光照射による影響を小さくするためにGaの比率を上記より大きくしてもよい。
【0051】
In、Ga、Zn、及びOを含む酸化物半導体に他の元素が添加されていてもよい。例えば、当該酸化物半導体にAl、Snなどの金属元素が添加されていてもよい。上記の酸化物半導体以外にもIn及びGaを含む酸化物半導体(IGO)、In及びZnを含む酸化物半導体(IZO)、In、Sn及びZnを含む酸化物半導体(ITZO)、並びにIn及びWを含む酸化物半導体などが酸化物半導体層OSとして用いられてもよい。酸化物半導体層OSはアモルファスであってもよく、結晶性であってもよい。酸化物半導体層OSはアモルファスと結晶の混相であってもよい。
【0052】
接続電極ZTCO、共通電極CTCO1、画素電極PTCO、及び共通電極CTCO2として、透明導電層が用いられる。当該透明導電層として、酸化インジウム及び酸化スズの混合物(ITO)及び酸化インジウム及び酸化亜鉛の混合物(IZO)を用いることができる。当該透明導電層として、上記以外の材料が用いられてもよい。
【0053】
以上のように、本実施形態に係る表示装置10によると、トランジスタTr1の酸化物半導体層OSと接続電極ZTCOとを直接接触させることで両者間の導通を確保することができる。したがって、酸化物半導体層OSと接続電極ZTCOとの間に金属層を設ける必要がない。よって、開口ZCON(第1コンタクト領域CON1)において遮光されないため、開口率の低下を抑制することができる。また、表示領域に露出される層は、透光性を有し、シリコン層のような透過光のムラが生じにくい酸化物半導体層OSなので、表示ムラの発生を抑制することができる。
【0054】
また、表示装置の画素サイズ縮小化に伴い、画素電極は信号線による容量カップリングの影響を受けやすくなる。縮小化された画素を高速に駆動しようとすると、信号線の電位によって画素電極の電位が変化するクロストークの影響が顕在化するおそれがある。
【0055】
本発明の一実施形態に係る表示装置10では、D2方向に延びる配線W1-1、配線W1-2と交差するように、共通電極CTCO1が設けられている。共通電極CTCO1は、複数の画素を横切るようにD1方向に沿って設けられている。これにより、配線W1-1、1-2と画素電極との間を、共通電極CTCO1によって、遮蔽することができる。よって、配線W1-1、1-2と画素電極との間の容量カップリングを低減することができる。また、画素の表示領域おいて、画素電極PTCOと絶縁層IL6と共通電極CTCO2とによる保持容量に、画素電極PTCOと絶縁層IL5と共通電極CTCO1とによる保持容量を加えることができる。これにより、保持容量を大きくすることができるため、容量カップリングによる電位の影響を小さくすることができる。このように、表示装置10では、縮小化された画素において、容量カップリングによる電位の影響を低減することができるため、クロストークを低減することができる。
【0056】
[2.第2実施形態]
図17図19を用いて、本発明の一実施形態に係る表示装置10Aの構成について説明する。図17は、本発明の一実施形態に係る表示装置10Aを示す断面図である。図18は、表示装置10Aの画素の平面レイアウトである。図18では、共通補助電極CMTL、共通電極CTCO2、及びスペーサSPは省略されている。図19は、共通電極CTCO1-1~CTCO1-4の平面レイアウトである。図17図19に示す表示装置10Aは、図1に示す表示装置10と類似しているが、開口PCONにおける電極の構成が相違する。なお、表示装置10と同じ構成の要素については、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0057】
図17に示すように、開口PCONの内部に、共通電極CTCO1-2(第5透明導電層ともいう)が設けられていてもよい。共通電極CTCO1―2は、接続電極ZTCOと画素電極PCTOとの間に設けられている。共通電極CTCO1-2は、共通電極CTCO1-1と同じ透明導電膜から形成される。共通電極CTCO1-2は、開口PCONにおいて、絶縁層IL4に接して設けられている。共通電極CTCO1-2は、開口PCONを介して、接続電極ZTCOと接続される。共通電極CTCO1-2と接続電極ZTCOとが接する領域を、第4コンタクト領域CON4という。第4コンタクト領域CON4は、開口PCONに設けられる。第4コンタクト領域CON4は、ゲート電極GL1と重なる領域に設けられる。図18及び図19に示すように、共通電極CTCO1-1、CTCO1-3、CTCO1-4は、D1方向に沿って、配線W1-1、配線W1-2と重なるように設けられている。共通電極CTCO1-2は、共通電極CTCO1-1と離間して設けられている。
【0058】
共通電極CTCO1-1、CTCO1-2の上に、絶縁層IL5が設けられている。また、絶縁層IL5の上に画素電極PTCOが設けられている。画素電極PTCOは、絶縁層IL5に設けられた開口ACONを介して共通電極CTCO1-2と接続されている。つまり、開口ACONにおいて、画素電極PTCOと共通電極CTCO1-2とが接する領域を、第5コンタクト領域CON5という。第5コンタクト領域CON5は、開口ACONに設けられる。上記のように、画素電極PTCOを共通電極CTCO2の上方に設けてもよい。開口ACONの一部は、開口PCONと重なるように設けられている。つまり、第5コンタクト領域CON5は、第4コンタクト領域CON4と少なくとも一部が重なる。
【0059】
本実施形態に係る表示装置10Aによると、第1実施形態に係る表示装置10と同様の効果を得ることができる。また、表示装置10Aでは、絶縁層IL4に設けられた開口PCON内部に、共通電極CTCO1-2が設けられている。開口PCON内部に設けられた共通電極CTCO1-2は、外部から侵入する水素をブロッキングする役目を果たす。これにより、酸化物半導体層OSに、水素が侵入することを抑制することができる。そのため、酸化物半導体層OSに水素が侵入することによってトランジスタTr1の特性が変動することを抑制することができる。
【0060】
[3.第3実施形態]
図20図21を用いて、本発明の一実施形態に係る表示装置10Bの構成について説明する。図20は、本発明の一実施形態に係る表示装置を示す断面図である。図21は、表示装置10Bの画素の平面レイアウトである。図21では、共通補助電極CMTL、共通電極CTCO2、及びスペーサSPは省略されている。図20図21に示す表示装置10Bは、図17に示す表示装置10と類似しているが、開口PCONにおける電極の構成が相違する。なお、表示装置10と同じ構成の要素については、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0061】
図20図21に示すように、開口PCONの内部に共通電極CTCO1-2が設けられている。共通電極CTCO1-1、CTCO1-2の上に、絶縁層IL5が設けられている。絶縁層IL5は、開口ACONを有している。画素電極PTCOは、開口ACONを介して共通電極CTCO1-2と接続されている。開口ACONは、開口PCONの内部で重なるように設けられている。したがって、接続電極ZTCOと共通電極CTCO1-2と重なる第4コンタクト領域と、共通電極CTCO1-2と画素電極PCTOと重なる第5コンタクト領域とは重なっている。表示装置10と比較して、表示領域内における第4コンタクト領域及び第5コンタクト領域と共通電極CTCO1-1とをより離間して配置することができる。これにより、D1方向に延びる共通電極CTCO1-1、CTCO1-3、CTCO1-4の面積をより大きくすることができる。共通電極CTCO1-1、CTCO1-3、CTCO1-4の面積を大きくすることで、共通電極CTCO1-1、CTCO1-3、CTCO1-4のシールド性をより高めることができる。
【0062】
本実施形態に係る表示装置10Bによると、第1実施形態に係る表示装置10と同様の効果を得ることができる。
【0063】
[4.第4実施形態]
図22を用いて、本発明の一実施形態に係る表示装置10Cの構成について説明する。図22は、表示装置10Cの画素の平面レイアウトである。図22では、共通補助電極CMTL、共通電極CTCO2、及びスペーサSPは省略されている。図22に示す表示装置10Cは、図17に示す表示装置10Bと類似しているが、共通電極CTCO1-1の形状が相違する。図17では、共通電極CTCO2なお、表示装置10と同じ構成の要素については、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0064】
図22に示すように、共通電極CTCO1は、D1方向に延びる第1領域と、D2方向に延びる第2領域を有する。第1領域は、配線W1及び配線W2と重なり、D1方向に延びる領域である。また、第2領域は、配線W1及び配線W2に沿って延びる領域である。第2領域は、配線W1と重なるように設けられている。また、第2領域においてD1方向における幅は、配線W1の幅よりも小さくなるように設けられているが、配線W1の幅よりも大きくなるように設けられていてもよい。
【0065】
本実施形態に係る表示装置10Cによると、第1実施形態に係る表示装置10と同様の効果を得ることができる。さらに、共通電極CTCO1において第2領域を設けることにより、共通電極CTCO1全体の抵抗を低減することができる。また、共通電極CTCO1に第2領域を設けることにより、画素電極PTCOが、配線W1及び配線W2からうける電位の影響を小さくすることができる。
【0066】
[5.第5実施形態]
図23を用いて、本発明の一実施形態に係る表示装置10Dの構成について説明する。図23は、本発明の一実施形態に係る表示装置の概要を示す断面図である。図23に示す表示装置10Dは、図1に示す表示装置10と類似しているが、画素電極PTCOと共通電極CTCO2との位置関係が相違する。
【0067】
図23に示すように、共通補助電極CMTL及び共通電極CTCO2の上に絶縁層IL6が設けられている。絶縁層IL6の上に画素電極PTCOが設けられている。画素電極PTCOは、絶縁層IL4、IL6に設けられた開口PCONを介して接続電極ZTCOに接続されている。上記のように、画素電極PTCOを共通電極CTCO2の上方に設けてもよい。
【0068】
本実施形態に係る表示装置10Dによると、第1実施形態に係る表示装置10と同様の効果を得ることができる。
【0069】
[6.第6実施形態]
図24図26を用いて、上記の第1実施形態及び第2実施形態で説明した表示装置の全体構成について説明する。
【0070】
[6-1.表示装置20Bの概要]
図24は、本発明の一実施形態に係る表示装置の概要を示す平面図である。図24に示すように、表示装置20Bは、アレイ基板300B、シール部400B、対向基板500B、フレキシブルプリント回路基板600B(FPC600B)、およびICチップ700Bを有する。アレイ基板300Bおよび対向基板500Bはシール部400Bによって貼り合わせられている。シール部400Bに囲まれた液晶領域22Bには、複数の画素回路310Bがマトリクス状に配置されている。液晶領域22Bは、後述する液晶素子410Bと平面視で重なる領域である。
【0071】
シール部400Bが設けられたシール領域24Bは、液晶領域22Bの周囲の領域である。FPC600Bは端子領域26Bに設けられている。端子領域26Bはアレイ基板300Bが対向基板500Bから露出された領域であり、シール領域24Bの外側に設けられている。なお、シール領域24Bの外側とは、シール部400Bが設けられた領域及びシール部400Bによって囲まれた領域の外側を意味する。ICチップ700BはFPC600B上に設けられている。ICチップ700Bは各画素回路310Bを駆動させるための信号を供給する。
【0072】
[6-2.表示装置20Bの回路構成]
図25は、本発明の一実施形態に係る表示装置の回路構成を示すブロック図である。図25に示すように、画素回路310Bが配置された液晶領域22Bに対してD1方向(列方向)に隣接する位置にはソースドライバ回路320Bが設けられており、液晶領域22Bに対してD2方向(行方向)に隣接する位置にはゲートドライバ回路330Bが設けられている。ソースドライバ回路320B及びゲートドライバ回路330Bは、上記のシール領域24Bに設けられている。ただし、ソースドライバ回路320B及びゲートドライバ回路330Bが設けられる領域はシール領域24Bに限定されず、画素回路310Bが設けられた領域の外側であれば、どの領域でもよい。
【0073】
ソースドライバ回路320Bからソース配線321BがD1方向に延びており、D1方向に配列された複数の画素回路310Bに接続されている。ゲートドライバ回路330Bからゲート配線331BがD2方向に延びており、D2方向に配列された複数の画素回路310Bに接続されている。
【0074】
端子領域26Bには端子部333Bが設けられている。端子部333Bとソースドライバ回路320Bとは接続配線341Bで接続されている。同様に、端子部333Bとゲートドライバ回路330Bとは接続配線341Bで接続されている。FPC600Bが端子部333Bに接続されることで、FPC600Bが接続された外部機器と表示装置20Bとが接続され、外部機器からの信号によって表示装置20Bに設けられた各画素回路310Bが駆動する。
【0075】
第1実施形態及び第2実施形態に示すトランジスタTr1は、画素回路310Bに用いられる。第1実施形態及び第2実施形態に示すトランジスタTr2は、ソースドライバ回路320B及びゲートドライバ回路330Bに含まれるトランジスタに適用される。
【0076】
[表示装置20Bの画素回路310B]
図26は、本発明の一実施形態に係る表示装置の画素回路を示す回路図である。図26に示すように、画素回路310Bはトランジスタ800B、保持容量890B、及び液晶素子410Bなどの素子を含む。トランジスタ800Bは第1ゲート電極810B、第1ソース電極830B、及び第1ドレイン電極840Bを有する。第1ゲート電極810Bはゲート配線331Bに接続されている。第1ソース電極830Bはソース配線321Bに接続されている。第1ドレイン電極840Bは保持容量890B及び液晶素子410Bに接続されている。第1実施形態及び第2実施形態に示すトランジスタTr1は、図26に示すトランジスタ800Bに適用される。なお、本実施形態では、説明の便宜上、830Bをソース電極といい、840Bをドレイン電極というが、それぞれの電極のソースとしての機能とドレインとしての機能とが入れ替わってもよい。
【0077】
本発明の実施形態として上述した各実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。また、各実施形態の表示装置を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0078】
上述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、又は、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0079】
10:表示装置、 20B:表示装置、 22B:液晶領域、 24B:シール領域、 26B:端子領域、 300B:アレイ基板、 310B:画素回路、 320B:ソースドライバ回路、 321B:ソース配線、 330B:ゲートドライバ回路、 331B:ゲート配線、 333B:端子部、 341B:接続配線、 400B:シール部、 410B:液晶素子、 500B:対向基板、 600B:フレキシブルプリント回路基板、 700B:チップ、 800B:トランジスタ、 810B:第1ゲート電極、 830B:第1ソース電極、 840B:第1ドレイン電極、 890B:保持容量、 CMTL:共通補助電極、 CON1:第1コンタクト領域、 CON2:第2コンタクト領域、 CON3:第3コンタクト領域、 CON4:第4コンタクト領域、 CON5:第5コンタクト領域、 CTCO1、CTCO2:共通電極、 GI1、GI2:ゲート絶縁層、 GL1、GL2:ゲート電極、 IL1~IL5:絶縁層、 LS:遮光層、 OP:開口、 OS:酸化物半導体層、 PCON、WCON、ZCON:開口、 PJT:突出部、 PTCO:画素電極、 S:半導体層、 SL:スリット、 SP:スペーサ、 SUB:基板、 Tr1、Tr2:トランジスタ、 W:配線、 ZTCO:接続電極
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26