(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】通信システム、設定装置、設定方法、および設定プログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 41/22 20220101AFI20240927BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20240927BHJP
H04B 3/54 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
H04L41/22
H04Q9/00 311J
H04B3/54
(21)【出願番号】P 2021063057
(22)【出願日】2021-04-01
【審査請求日】2023-11-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】塚田 悠司
【審査官】羽岡 さやか
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-155201(JP,A)
【文献】特開2021-019259(JP,A)
【文献】特開2019-180066(JP,A)
【文献】特開2014-186629(JP,A)
【文献】特開2012-194631(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 41/00
H04Q 9/00
H04B 3/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の子機のうち登録された子機と電力線搬送通信を各々行う複数の親機に対する前記複数の子機の登録関係を示す情報と、前記複数の親機と前記複数の子機との設置場所における電気系統図とを含む表示画面を表示部に前記登録関係を変更可能に表示させる表示制御部と、
前記表示画面への操作によって前記登録関係が変更された場合に、前記登録関係の変更対象となる親機に通信対象となる子機を変更させるための処理を行う登録関係変更部と、を備える
ことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記表示制御部は、
前記登録関係を示す情報を前記電気系統図に重畳させた画面を前記表示画面として前記表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記登録関係を示す情報には、
前記複数の子機の各々を示す子機アイコンが含まれ、
前記表示制御部は、
前記子機アイコンを移動可能に前記表示画面に表示させる
ことを特徴とする請求項1または2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記子機アイコンに対応する子機の通信状態に基づいて前記子機アイコンの色を決定する表示処理部を備え、
前記表示制御部は、
前記表示処理部によって決定された色で前記子機アイコンを前記表示画面に表示する
ことを特徴とする請求項3に記載の通信システム。
【請求項5】
前記表示処理部は、
前記複数の子機のうち前記登録関係の誤りの可能性がある子機を判定し、前記登録関係の誤りの可能性があると判定した子機の子機アイコンの色と、前記登録関係の誤りの可能性があると判定した子機以外の子機の子機アイコンの色とを互いに異なる色に決定する
ことを特徴とする請求項4に記載の通信システム。
【請求項6】
前記表示制御部は、
前記子機アイコンが選択された場合に、選択された前記子機アイコンに対応する子機の通信結果および通信品質を前記表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項3から5のいずれか1つに記載の通信システム。
【請求項7】
前記表示制御部は、
前記子機および前記親機の識別情報を前記表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の通信システム。
【請求項8】
前記複数の子機のうち前記登録関係を有する子機の情報である登録子機リストを前記親機毎に含む登録関係リストを管理するリスト管理部を備え、
前記登録関係変更部は、
変更後の前記登録関係リストを前記リスト管理部へ出力し、
前記リスト管理部は、
変更後の前記登録関係リストに含まれる前記登録子機リストを前記複数の親機へ送信することによって、前記親機に通信対象となる子機を変更させる
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1つに記載の通信システム。
【請求項9】
前記複数の親機の情報と前記複数の子機の情報とを含み且つ前記登録関係のうち少なくとも一部が設定されていない機器リストに基づいて、前記複数の子機の各々を前記複数の親機のうち同一系統に接続された親機に登録して前記登録関係を示す登録関係リストを作成するリスト管理部を備える
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1つに記載の通信システム。
【請求項10】
前記リスト管理部は、
前記複数の親機のうち選択した親機である選択親機と前記機器リストで示される各子機との通信結果と通信品質とに基づいて前記選択親機に前記子機を登録する処理を登録した子機の情報を前記機器リストから除外しながら前記選択親機を変更することで前記登録関係リストを作成する
ことを特徴とする請求項9に記載の通信システム。
【請求項11】
前記複数の子機の各々は、
複数の電力量計のうち対応する電力量計から検針データを取得し、取得した前記検針データを前記複数の親機のうち前記登録関係にある親機へ送信し、
前記複数の親機の各々は、
前記複数の子機のうち前記登録関係にある子機から前記検針データを収集する
ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1つに記載の通信システム。
【請求項12】
複数の子機のうち登録された子機と電力線搬送通信を各々行う複数の親機に対する前記複数の子機の登録関係を示す情報と、前記複数の親機と前記複数の子機との設置場所における電気系統図とを含む表示画面を表示部に前記登録関係を変更可能に表示させる表示制御部と、
前記表示画面への操作によって前記登録関係が変更された場合に、前記登録関係の変更対象となる親機に通信対象となる子機を変更させるための処理を行う登録関係変更部と、を備える
ことを特徴とする設定装置。
【請求項13】
コンピュータが実行する設定方法であって、
複数の子機のうち登録された子機と電力線搬送通信を各々行う複数の親機に対する前記複数の子機の登録関係を示す情報と、前記複数の親機と前記複数の子機との設置場所における電気系統図とを含む表示画面を表示部に前記登録関係を変更可能に表示させる第1のステップと、
前記表示画面への操作によって前記登録関係が変更された場合に、前記登録関係の変更対象となる親機に通信対象となる子機を変更させるための処理を行う第2のステップと、を含む
ことを特徴とする設定方法。
【請求項14】
複数の子機のうち登録された子機と電力線搬送通信を各々行う複数の親機に対する前記複数の子機の登録関係を示す情報と、前記複数の親機と前記複数の子機との設置場所における電気系統図とを含む表示画面を表示部に前記登録関係を変更可能に表示させる第1のステップと、
前記表示画面への操作によって前記登録関係が変更された場合に、前記登録関係の変更対象となる親機に通信対象となる子機を変更させるための処理を行う第2のステップと、をコンピュータに実行させる
ことを特徴とする設定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電力線搬送通信(PLC:Power Line Communication)を行う複数の親機と複数の子機とを備える通信システム、設定装置、設定方法、および設定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電力線搬送通信によって親機と子機とがデータの送受信を行う通信システムが知られている。例えば、電力線搬送通信機能を有する子機に接続された電力量計で計測された電力使用量を示す検針データを子機から電力線搬送通信機能を有する親機が収集し、収集した検針データを検針員へサーバ経由で提供する集中自動検針システムが普及している。
【0003】
電力線搬送通信は、既設の電力線に高周波信号を重畳して行われる通信であり、高周波を利用している。そのため、電力線搬送通信では、トランスを跨いだ通信は行うことができず、通信範囲は同一の系統内となる。加えて、電力線搬送通信では、既設の電力線を利用することから、なりすましおよび盗聴などを防ぐため、親機には、通信を許可する子機が登録されている。
【0004】
親機への子機の登録は、例えば、施設などへの通信システムの導入の際に行われる。施設などに通信システムを導入する際に、複数の系統の各々に子機を設置する必要がある場合、設備管理者は、各親機に対し、同一系統の子機を登録する作業を行う必要があるが、系統が異なる子機に親機を誤って登録してしまう場合がある。そのため、設備管理者は、親機とかかる親機に登録した子機との間で通信ができているかどうかを親機と子機との組み合わせのすべてについて確認する必要がある。
【0005】
そこで、親機と子機との間の通信可否を視覚的に確認可能にするために、特許文献1には、親機と子機との接続状況を地図上に配置した画面を表示部に表示する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、親機と子機との接続状況を把握することができるがものの、親機に対して誤った子機を登録した場合、親機と子機との設置場所における電気系統図と親機の登録内容とを照らし合わせて、親機における子機の登録内容を修正しなければならない。
【0008】
親機の登録内容は、例えば、親機の運用管理を行うソフトウェアによって親機にアクセスして得られる情報を確認することによって行われ、さらに電気系統図も予め容易する必要があることから、親機における子機の登録内容の修正作業には時間がかかる。
【0009】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、電力線搬送通信を行う通信システムであって親機における子機の登録内容の修正作業を容易に行うことができる通信システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示の通信システムは、表示制御部と、登録関係変更部とを備える。表示制御部は、複数の子機のうち登録された子機と電力線搬送通信を各々行う複数の親機に対する複数の子機の登録関係を示す情報と、複数の親機と複数の子機との設置場所における電気系統図とを含む表示画面を表示部に登録関係を変更可能に表示させる。登録関係変更部は、表示画面への操作によって登録関係が変更された場合に、登録関係の変更対象となる親機に通信対象となる子機を変更させるための処理を行う。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、電力線搬送通信を行う通信システムにおいて親機における子機の登録内容の修正作業を容易に行うことができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施の形態1にかかるPLC検針システムの全体構成の一例を示す図
【
図2】実施の形態1にかかる通信システムにおけるPLC親機におけるPLC子機の登録内容を修正するための画面の生成の一例を示す図
【
図3】実施の形態1にかかる通信システムにおけるPLC親機におけるPLC子機の登録内容を修正するための処理の一例を示す図
【
図4】実施の形態1にかかるPLC親機の構成の一例を示す図
【
図5】実施の形態1にかかるPLC子機の構成の一例を示す図
【
図6】実施の形態1にかかるサーバの構成の一例を示す図
【
図7】実施の形態1にかかるサーバの記憶部に記憶される登録関係リストの一例を示す図
【
図8】実施の形態1にかかる端末装置の構成の一例を示す図
【
図9】実施の形態1にかかる端末装置の表示部に表示される表示画面の一例を示す図
【
図10】実施の形態1にかかる描画エリアに電気系統図が背景画像として表示された表示画面の一例を示す図
【
図11】実施の形態1にかかる描画エリアにおいて電気系統図上に登録関係情報が重畳表示された表示画面の一例を示す図
【
図12】実施の形態1にかかる端末装置による処理の一例を示すフローチャート
【
図13】実施の形態1にかかるサーバによる処理の一例を示すフローチャート
【
図14】実施の形態1にかかるPLC親機による接続処理の一例を示すフローチャート
【
図15】実施の形態1にかかるPLC親機による接続更新処理の一例を示すフローチャート
【
図16】実施の形態1にかかるPLC子機による接続処理の一例を示すフローチャート
【
図17】実施の形態1にかかるサーバによる接続状況判定処理を示すフローチャート
【
図18】実施の形態1にかかる端末装置による処理の他の例を示すフローチャート
【
図19】実施の形態1にかかる端末装置のユーザによる登録内容修正作業の一例を示すフローチャート
【
図20】実施の形態1にかかる描画エリアにおいて電気系統図上に登録関係情報が重畳表示された表示画面の他の例を示す図
【
図21】実施の形態1にかかる通信履歴情報と通信統計情報とを含むポップアップ画面の一例を示す図
【
図22】実施の形態2にかかるPLC検針システムのサーバの構成の一例を示す図
【
図23】実施の形態2にかかる機器リストの一例を示す図
【
図24】実施の形態2にかかるサーバによる登録関係リストの自動作成処理の一例を示すフローチャート
【
図25】実施の形態2にかかるサーバによる第1通信状態判定処理の一例を示すフローチャート
【
図26】実施の形態2にかかるサーバによる第2通信状態判定処理の一例を示すフローチャート
【
図27】実施の形態1および実施の形態2にかかる処理部の各々が備える処理回路をプロセッサおよびメモリで実現する場合の処理回路の構成例を示す図
【
図28】実施の形態1および実施の形態2に係る処理部が備える処理回路を専用のハードウェアで構成する場合の処理回路の例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、実施の形態にかかる通信システム、設定装置、設定方法、および設定プログラムを図面に基づいて詳細に説明する。
【0014】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかるPLC検針システムの全体構成の一例を示す図である。
図1に示すPLC検針システム100は、複数の電力量計1と、複数のPLC子機2と、複数のPLC親機3と、複数のサーバ4と、端末装置5とを備え、複数の施設9の使用電力量を収集する。PLC検針システム100は、通信システムの一例である。端末装置5は、設定装置の一例である。PLC子機2は、電力線搬送通信を行う子機の一例であり、PLC親機3は、電力線搬送通信を行う親機の一例である。
【0015】
各施設9には、複数の電力量計1と、複数のPLC子機2と、複数のPLC親機3と、サーバ4とが配置される。施設9は、例えば、ビル、工場、またはプラントなどである。各電力量計1は複数のPLC子機2のうちの1つが接続されており、複数のPLC子機2は、電力線6に接続されており、同一系統の電力線6に接続されたPLC親機3との間で電力線搬送通信によって電力線6を介してデータの送受信が可能である。同一系統の電力線6は、トランスを跨がない電力線6である。
【0016】
各電力量計1によって計測された使用電力量のデータである検針データは、各電力量計1からPLC子機2へ出力される。PLC子機2は、電力線6に接続されており、同一系統の電力線6に接続されたPLC親機3へ電力線6を介して検針データを送信する。
【0017】
PLC親機3は、なりすましまたは盗聴などを防ぐため、通信を許可する子機が予め登録されている。PLC親機3は、同一系統の電力線6に接続されたPLC子機2のうち予め登録されているPLC子機2と電力線6を介して通信を行ってPLC子機2から検針データを受信する。
【0018】
サーバ4は、同一の施設9に設けられた各PLC親機3からネットワーク7を介して送信される検針データを収集し、収集した検針データに対するデータ加工を行い、データ加工を行った結果を記憶する。また、サーバ4は、PLC親機3に登録されているPLC子機2の情報をネットワーク7経由で取得する。
【0019】
端末装置5は、PC(Personal Computer)またはタブレットなどであり、PLC検針システム100のユーザUによって使用される。ユーザUは、例えば、検針員、施設9の管理者、またはPLC検針システム100の管理者などである。
【0020】
端末装置5は、ネットワーク8を介して各サーバ4と通信可能に接続されており、各サーバ4からデータを取得し、取得したデータを不図示の表示部に表示する。これにより、端末装置5のユーザUは、サーバ4による検針データの収集結果を容易に把握することができる。
【0021】
また、PLC検針システム100では、PLC親機3におけるPLC子機2の登録内容の修正作業を容易に行うことができるように構成されている。
図2は、実施の形態1にかかる通信システムにおけるPLC親機におけるPLC子機の登録内容を修正するための画面の生成の一例を示す図であり、
図3は、実施の形態1にかかる通信システムにおけるPLC親機におけるPLC子機の登録内容を修正するための処理の一例を示す図である。
【0022】
図2に示すように、サーバ4は、ネットワーク7を介して各PLC親機3から登録子機リストを収集する(ステップS1)。登録子機リストには、例えば、PLC親機3に登録されたPLC子機2のID(IDentifier)が含まれる。
【0023】
サーバ4は、複数のPLC親機3から収集した複数の登録子機リストを含む登録関係リストを端末装置5へネットワーク8を介して送信する(ステップS2)。端末装置5は、サーバ4から取得した登録関係リストに基づいて、PLC親機3とPLC子機2との登録関係を示す登録関係情報91と施設9の電気系統
図92とを含む表示画面50を変更可能に不図示の表示部に表示させる(ステップS3)。
【0024】
図2に示す登録関係情報91では、PLC親機3を示す親機アイコン93とPLC子機2を示す子機アイコン94とが示されており、PLC親機3に登録されているPLC子機2の子機アイコン94は、登録先のPLC親機3の親機アイコン93と接続線95で結ばれている。また、電気系統
図92では、同一の系統にあるPLC子機2の図形96が接続線97で結ばれている。
【0025】
端末装置5のユーザUは、表示画面50における登録関係情報91と電気系統
図92とを比較することで、PLC親機3とPLC子機2との登録関係に誤りがあるかを容易に把握することができる。
【0026】
また、表示画面50では、登録関係情報91がGUI(Graphical User Interface)などによって変更可能に表示されており、ユーザUが不図示の入力部への操作によって、登録関係情報91を変更可能である。ユーザUは、PLC親機3とPLC子機2との登録関係に誤りがある場合、不図示の入力部への操作によって、登録関係情報91を変更する。
【0027】
端末装置5は、
図3に示すように、登録関係情報91が変更された場合、変更後の登録関係情報91に対応する変更後の登録関係リストをサーバ4へ送信する(ステップS4)。サーバ4は、変更後の登録関係情報91に基づいて、登録子機リストを更新し、更新した登録子機リストをPLC親機3へ送信する(ステップS5)。これにより、PLC検針システム100では、表示画面50への操作によって登録関係情報91が変更された場合に、登録関係情報91の変更対象となるPLC親機3に通信対象となるPLC子機2を変更させることができる。
【0028】
このように、PLC検針システム100では、端末装置5のユーザUは、電気系統
図92を参照しながら、登録関係情報91を変更することで、遠隔でPLC親機3におけるPLC子機2の登録内容の修正作業を容易に行うことができる。
【0029】
以下、PLC検針システム100についてさらに詳細に説明する。
図4は、実施の形態1にかかるPLC親機の構成の一例を示す図である。
図4に示すように、PLC親機3は、通信部10と、記憶部11と、制御部12とを備える。
【0030】
通信部10は、PLC子機2との間で電力線搬送通信を行う第1通信部101と、サーバ4との間で通信を行う第2通信部102とを備える。第1通信部101は、制御部12により生成された各種命令を電力線搬送通信可能な通信フォーマットのデータに変換し、変換したデータを電力線6へ送信し、かつ電力線6から受信したデータを制御部12で解釈可能なデータ形式に変換する機能を備える。
【0031】
第2通信部102は、例えば、LAN(Local Area Network)ケーブルを介してネットワーク7に接続され、サーバ4との間でデータの送受信を行う。ネットワーク7は、例えば、LANであるが、LANに限定されない。
【0032】
記憶部11は、通信経路情報111と、親機ID112と、登録子機リスト113と、検針データ114とを記憶する。通信経路情報111には、PLC親機3と通信を行ったPLC子機2の子機IDと、PLC子機2が通信を行った際の通信情報が含まれる。
【0033】
親機ID112は、PLC親機3を一意に特定可能な固有の識別子であり、他のPLC親機3と区別するための識別子として使用される。登録子機リスト113には、PLC親機3との接続が許可されるPLC子機2の子機IDが含まれる。子機IDは、各PLC子機2を一意に特定可能な固有の識別子である。
【0034】
PLC親機3は、登録子機リスト113に子機IDが含まれるPLC子機2との間で通信を確立するが登録子機リスト113に子機IDが含まれていないPLC子機2との間で通信を確立しない。検針データ114は、同一系統の電力線6に接続されているPLC子機2を経由して電力量計1から収集した使用電力量のデータである。
【0035】
制御部12は、データ収集部121と、子機登録管理部122と、通信経路管理部123とを備える。データ収集部121は、登録関係にあるPLC子機2から電力線6を介して検針データ114などのデータを収集する。データ収集部121によるデータ収集は定期的に行われる。データ収集部121は、例えば、30分毎にPLC子機2と通信部10を介した電力線搬送通信を行い、電力量計1の検針データ114を収集する。
【0036】
子機登録管理部122は、登録子機リスト113に含まれる子機IDのPLC子機2との接続を許可し、登録子機リスト113に含まれていない子機IDのPLC子機2との接続を拒否する。
【0037】
通信経路管理部123は、記憶部11に記憶されている通信経路情報111に基づいて、登録子機リスト113に子機IDが登録されているPLC子機2との接続状態を把握して、必要に応じた処理を行う。例えば、通信経路管理部123は、登録子機リスト113に子機IDが登録されているPLC子機2のうち、通信に失敗しているPLC子機2については、登録子機リスト113のうちの別のPLC子機2を経由した接続の試行を行う。以下において、かかる別のPLC子機2を経由端末と記載する場合がある。
【0038】
通信経路管理部123によって選択される経由端末は、電力線搬送通信に失敗しているPLC子機2から通信可能な範囲のPLC子機2のうち、通信状況が良いPLC子機2、またはPLC親機3までの経由数が最も少なくなるようなPLC子機2を選択するなど、通信状況に基づく経路の制御を行う。
【0039】
PLC子機2からPLC親機3への通信経路は、電力線搬送通信におけるマルチホップ通信経路を含んでおり、PLC子機2から直接PLC親機3までデータが届かない場合に、PLC子機2が自動で判断し、同一系統の他のPLC子機2を中継機として、データを中継させることができる。1回の中継でPLC親機3にデータが届かない場合は、複数回中継するマルチホップ動作により、PLC子機2からPLC親機3までの通信経路が確立される。
【0040】
PLC子機2が中継動作をするかどうかは、PLC親機3側から指示する必要はなく、PLC子機2は、他のPLC子機2からデータを受け取ったら、次に転送可能なPLC子機2を判断し、自動的にそのPLC子機2へデータを転送することができる。
【0041】
次に、PLC子機2について説明する。
図5は、実施の形態1にかかるPLC子機の構成の一例を示す図である。
図5に示すように、PLC子機2は、通信部20と、記憶部21と、制御部22とを備える。
【0042】
通信部20は、PLC親機3の間で通信を行う第1通信部201と、電力量計1の間で通信を行う第2通信部202とを備える。第1通信部201は、制御部22により生成された各種命令を電力線搬送通信可能な通信フォーマットのデータに変換し、変換したデータを電力線6へ送信し、かつ電力線6から受信したデータを制御部22で解釈可能なデータ形式に変換する機能を備える。第2通信部202は、例えば、シリアル通信などによって電力量計1と通信を行う。
【0043】
記憶部21は、子機ID211と、通信経路情報212とを記憶する。子機ID211は、各PLC子機2を一意に特定可能な固有の識別子である。通信経路情報212には、PLC子機2からPLC親機3へ至るまでの通信経路の機器IDが含まれる。例えば、PLC子機2からPLC親機3へ直接通信が可能な場合、通信経路情報212には、次の通信先として、PLC親機3の親機IDが含まれる。PLC親機3へ直接通信ができない場合は、通信経路情報212には、次の通信先として、送信元のPLC子機2から直接通信が可能なPLC子機2の子機IDが含まれる。
【0044】
制御部22は、データ収集部221と、登録管理部222と、通信経路管理部223とを備える。データ収集部221は、一定周期のタイミングまたはPLC親機3からの指令を受けたタイミングで、電力量計1から第2通信部202を経由して検針値などのデータを取得する。電力量計1は、電気の使用量である使用電力量の計量を行い、現在または過去の積算計量値を、PLC子機2からの要求に対して出力する。登録管理部222は、PLC親機3との接続処理の制御を行う。
【0045】
通信経路管理部223は、PLC親機3に至るための経路の制御を行う。例えば、通信経路管理部223は、通信経路情報212に基づいて、電力量計1から取得したデータをPLC親機3またはPLC子機2へ送信する。
【0046】
次に、サーバ4について説明する。
図6は、実施の形態1にかかるサーバの構成の一例を示す図である。
図6に示すように、サーバ4は、通信部30と、記憶部31と、制御部32とを備える。
【0047】
通信部30は、PLC親機3との間で通信を行う第1通信部301と、端末装置5との間で通信を行う第2通信部302とを備える。第1通信部301は、例えば、LANケーブルを介してネットワーク7に接続され、PLC親機3との間でデータの送受信を行う。第2通信部302は、例えば、LANケーブルを介してネットワーク8に接続され、端末装置5との間でデータの送受信を行う。ネットワーク8は、例えば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)およびLANなどを含む。
【0048】
記憶部31は、登録関係リスト311と、通信経路情報312と、検針データ313と、親機IDリスト314と、子機IDリスト315とを記憶する。登録関係リスト311は、PLC検針システム100内に存在するPLC親機3の親機IDと各PLC親機3と同一系統の電力線6に接続されるPLC子機2の子機IDとが含まれる。
【0049】
図7は、実施の形態1にかかるサーバの記憶部に記憶される登録関係リストの一例を示す図である。
図7に示すように、登録関係リスト311では、各PLC親機3の親機IDと、PLC親機3と同じ系統に接続されるPLC子機2の子機IDと紐付けされている。
【0050】
図6に示す通信経路情報312には、各PLC親機3が記憶する通信経路情報111が含まれる。検針データ313には、各PLC親機3から収集した検針データ114が含まれる。親機IDリスト314には、サーバ4と接続されるすべてのPLC親機3の親機IDが含まれ、かかる親機IDは、サーバ4と通信を行うPLC親機3の宛先情報として利用される。親機IDリスト314に含まれる親機IDは、登録関係リスト311に含まれる親機IDと同じである。
【0051】
子機IDリスト315には、サーバ4で検針データ114を収集するすべてのPLC子機2の子機IDが含まれる。子機IDリスト315に含まれる子機IDは、登録関係リスト311に含まれる子機IDと同じである。
【0052】
制御部32は、データ収集部321と、通信経路登録部322と、リスト管理部323と、表示処理部324とを備える。データ収集部321は、親機IDリスト314に親機IDが含まれるPLC親機3から定期的に検針データ114を取得し、記憶部31の検針データ313に追加する。
【0053】
通信経路登録部322は、PLC親機3が記憶する通信経路情報111を定期的に取得し、取得した通信経路情報111を記憶部31に記憶させ、取得した通信経路情報111を一定期間にわたって記憶部31に記憶させる。例えば、通信経路登録部322は、30分毎にPLC親機3から通信経路情報111を取得し、30日分程度の通信経路情報111を記憶部31に記憶させる。
【0054】
リスト管理部323は、登録関係リスト311を管理する。リスト管理部323は、例えば、端末装置5から送信され通信部30で受信された登録関係リスト311を通信部30から取得し、取得した登録関係リスト311と記憶部31に記憶された登録関係リスト311とを比較する。リスト管理部323は、比較結果に差異がある場合、端末装置5から送信された登録関係リスト311によって記憶部31に記憶された登録関係リスト311を更新し、更新した登録関係リスト311に含まれる登録子機リスト113をPLC親機3へ通信部30を介して送信する。登録子機リスト113は、リスト管理部323によって登録関係リスト311に基づいて作成されてもよい。
【0055】
表示処理部324は、記憶部31に記憶されている登録関係リスト311および通信経路情報312などに基づいて、画面描画を行うためのデータである描画データを生成し、生成した描画データを端末装置5へ第2通信部302を介して送信する。また、表示処理部324は、通信経路情報312に基づいて、描画データの変更が必要であると判定すると、変更した描画データを自動的に端末装置5へ第2通信部302を介して送信する。
【0056】
次に、端末装置5について説明する。
図8は、実施の形態1にかかる端末装置の構成の一例を示す図である。端末装置5は、通信部40と、表示部41と、入力部42と、ファイル入力部44と、処理部47とを備える。処理部47は、入力処理部43と、表示制御部45と、登録関係変更部46とを含む。
【0057】
通信部40は、ネットワーク8に接続されており、ネットワーク8を介してサーバ4との間で情報の送受信を行う。通信部40は、例えば、有線LANケーブルまたは無線LAN通信によってネットワーク8に接続される。
【0058】
表示部41は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)または有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイである。表示部41は、表示制御部45の制御に従って、画面の表示を行う。
【0059】
入力部42は、ユーザUにより操作され、表示部41に表示された画面を操作するためのユーザインターフェースである。入力部42は、例えば、キーボード、マウス、キーパッド、またはタッチパネルなどを含む。
【0060】
入力処理部43は、ユーザUが入力部42により表示部41に表示された画面を操作すると、かかる操作の情報に基づいて、表示制御部45で処理可能なデータ形式を作成し、作成したデータを表示制御部45へ出力する。
【0061】
ファイル入力部44は、単線結線図または幹線系統図などの電気系統
図92を、電子データとして取り込む。電気系統
図92のデータは、例えば、PDF(Portable Document Format)形式またはPNG(Portable Network Graphics)形式などの画像データである。
【0062】
表示制御部45は、サーバ4から通信部40を介して取得した描画データに応じた画面を表示部41に表示させる。また、表示制御部45は、ファイル入力部44によって取り込まれたデータを表示部41に表示可能なデータ形式と画像サイズに変更し、変更したデータに応じた画像を表示部41に表示する。
【0063】
また、表示制御部45は、入力処理部43から出力されるデータに応じて画面情報を変更し、変更した画面情報に応じた画面を表示部41に表示させる。さらに、表示制御部45は、入力処理部43から出力されるデータに応じて変化した画面情報を、通信部40を介してサーバ4へ送信する。
【0064】
登録関係変更部46は、表示画面50への操作によってPLC親機3とPLC子機2との登録関係が変更された場合に、変更後の登録関係リストをサーバ4へ送信し、登録関係の変更対象となるPLC親機3に通信対象となるPLC子機2を変更させる。
【0065】
つづいて、PLC検針システム100における初期登録処理、接続関連処理、および登録修正支援処理について、詳しく説明する。初期登録処理は、ユーザUがPLC検針システム100を立ち上げる際の登録に必要な各種設定を支援する処理を含む。接続関連処理は、初期登録処理による登録に基づくPLC親機3とPLC子機2との接続およびサーバ4によるPLC親機3からの通信経路情報111の取得などの処理を含む。登録修正支援処理は、サーバ4によるPLC親機3とPLC子機2との接続状況のチェックおよびユーザUによるPLC親機3とPLC子機2との登録関係の修正を支援する処理を含む。
【0066】
まず、初期登録処理について説明する。
図9は、実施の形態1にかかる端末装置の表示部に表示される表示画面の一例を示す図である。
図9に示す表示画面50は、背景図面選択エリア51と、登録関係リスト選択エリア52と、描画エリア53と、機器管理エリア54と、印刷ボタン55とを含む。
【0067】
背景図面選択エリア51には、ファイル選択ボタン51aが含まれる。ファイル選択ボタン51aは、電気系統
図92のデータを選択するためのボタンである。表示制御部45は、ユーザUが入力部42の操作によってファイル選択ボタン51aを押下した場合、端末装置5からアクセスが可能なフォルダにあるファイルを選択可能に表示部41に表示させる。ユーザUは、入力部42の操作によって、PLC検針システム100を導入する施設9の電気系統
図92として、例えば幹線系統図を選択する。
【0068】
ファイル入力部44は、ユーザUによる入力部42の操作によってファイルが選択された場合、フォルダから電気系統
図92のデータを取得し、取得した電気系統
図92のデータを表示制御部45へ出力する。表示制御部45は、ファイル入力部44から取得した電気系統
図92のデータに基づいて、電気系統
図92を表示部41の描画エリア53に背景画像として表示させる。
【0069】
図10は、実施の形態1にかかる描画エリアに電気系統図が背景画像として表示された表示画面の一例を示す図である。
図10に示すように、描画エリア53には電気系統
図92が背景画像として表示される。
図10に示す電気系統
図92では、同一の系統にあるPLC子機2の図形96が接続線97で結ばれている。ユーザUは、電気系統
図92のデータから、表示画面50に表示したい部分をトリミングして表示することもできる。かかるトリミングは、例えば、ファイル入力部44がユーザUによる入力部42への操作に基づいて行われる。
【0070】
登録関係リスト選択エリア52には、ファイル選択ボタン52aと取得ボタン52bとが含まれる。ファイル選択ボタン52aは、登録関係リスト311を選択するためのボタンである。表示制御部45は、ユーザUが入力部42の操作によってファイル選択ボタン52aを押下した場合、端末装置5からアクセスが可能なフォルダにあるファイルを選択可能に表示部41に表示させる。
【0071】
表示制御部45は、ユーザUによる入力部42の操作によってファイルが選択された場合、登録関係リスト311を記録した不図示の記録媒体または通信部40を介して登録関係リスト311を取得する。表示制御部45は、取得した登録関係リスト311に基づいて、PLC親機3とPLC子機2との登録関係を示す登録関係情報91を表示部41の描画エリア53における電気系統
図92にユーザUが操作可能な状態で重畳表示させる。
【0072】
取得ボタン52bは、サーバ4から登録関係リスト311を取得するためのボタンである。サーバ4に登録関係リスト311がすでに記憶されている場合、ユーザUは、取得ボタン52bを操作することで、サーバ4から登録関係リスト311に基づく描画データを取得できる。
【0073】
表示制御部45は、ユーザUが入力部42の操作によって取得ボタン52bを押下した場合、サーバ4から通信部40を介して登録関係リスト311に基づく描画データを取得する。表示制御部45は、取得した描画データに基づいて、PLC親機3とPLC子機2との登録関係を示す登録関係情報91を表示部41の描画エリア53における電気系統
図92にユーザUが操作可能な状態で重畳表示させる。なお、表示制御部45は、サーバ4から登録関係リスト311を取得し、取得した登録関係リスト311に基づいて登録関係情報91を表示部41に表示させることもできる。
【0074】
図11は、実施の形態1にかかる描画エリアにおいて電気系統図上に登録関係情報が重畳表示された表示画面の一例を示す図である。
図11に示すように、描画エリア53には電気系統
図92上に登録関係情報91が重畳表示される。
【0075】
図11に示す登録関係情報91は、PLC親機3とPLC子機2との登録関係を示すトポロジー図であり、PLC親機3を示す親機アイコン93とPLC子機2を示す子機アイコン94とが示されている。また、PLC親機3に登録されているPLC子機2の子機アイコン94は、登録先のPLC親機3の親機アイコン93と接続線95で結ばれている。
【0076】
ユーザUは、入力部42への操作によって、背景画像として表示された電気系統
図92で示される配線と一致するように親機アイコン93および子機アイコン94を動かして、登録関係情報91を修正することができる。入力部42への操作は、マウスのドラッグアンドドロップ操作またはタッチパネルへのタッチ操作などである。描画エリア53では、親機アイコン93と子機アイコン94だけが操作可能であるが、接続線95を編集可能にしてもよい。
【0077】
また、表示制御部45は、ユーザUによる入力部42への操作によって範囲の選択が行われた場合、選択された範囲内での整列機能または左右どちらかへの整列など、親機アイコン93および子機アイコン94を整列することもできる。
【0078】
図11に示す表示画面50には、情報表示エリア56が含まれており、かかる情報表示エリア56には、情報表示ボタン56aが含まれている。表示制御部45は、ユーザUが入力部42の操作によって情報表示ボタン56aを押下した場合、親機アイコン93に対応した親機IDおよび子機アイコン94に対応した子機IDを描画エリア53に表示させる。これにより、ユーザUは、実際の配線上での配置とIDの対応関係とを把握することができる。
【0079】
また、表示制御部45は、ユーザUが入力部42の操作によって親機アイコン93をクリックした場合、親機アイコン93に対応した親機IDを描画エリア53に表示させ、ユーザUが入力部42の操作によって子機アイコン94をクリックした場合、子機アイコン94に対応した子機IDを描画エリア53に表示させることもできる。なお、親機IDは、親機アイコン93との関係が分かる態様で配置され、子機IDは、子機アイコン94との関係が分かる態様で配置される。
【0080】
図11に示す表示画面50には、機器管理エリア54が含まれており、機器管理エリア54には、登録情報反映ボタン54aが含まれる。ユーザUは、ファイル選択ボタン52aの押下によって登録関係リスト311を選択した場合、または登録関係情報91を変更した場合、入力部42への操作によって登録情報反映ボタン54aを押下する。
【0081】
表示制御部45は、登録情報反映ボタン54aが押下された場合、描画エリア53で表示されている登録関係情報91を登録関係変更部46へ出力する。登録関係変更部46は、登録関係情報91で示されるPLC親機3とPLC子機2との登録関係を変更後の登録関係リストとしてサーバ4へ通信部40を介して送信する。これにより、PLC親機3とPLC子機2との登録関係の初期登録が完了する。
【0082】
また、表示制御部45は、ユーザUによる入力部42の操作によって印刷ボタン55が押下された場合、表示画面50の印刷用データを不図示のプリンタへ通信部40を介して送信することができる。これにより、不図示のプリンタで表示画面50が印刷される。
【0083】
図12は、実施の形態1にかかる端末装置による処理の一例を示すフローチャートである。
図12に示すように、端末装置5の処理部47は、電気系統
図92のデータを選択するためのファイル選択操作があるか否かを判定する(ステップS10)。処理部47は、ファイル選択操作があると判定した場合(ステップS10:Yes)、ファイル入力部44に電気系統
図92のデータを取り込ませ(ステップS11)、かかる電気系統
図92のデータに基づいて、電気系統
図92を表示画面50の描画エリア53に背景画像として表示させる(ステップS12)。
【0084】
処理部47は、ステップS12の処理が終了した場合、またはファイル選択操作がないと判定した場合(ステップS10:No)、登録関係リスト311を取得するためのリスト選択操作またはリスト取得操作があるか否かを判定する(ステップS13)。処理部47は、リスト選択操作またはリスト取得操作があると判定した場合(ステップS13:Yes)、登録関係リスト311または描画データを取得し(ステップS14)、取得した登録関係リスト311または描画データに基づいて登録関係情報91を表示画面50の描画エリア53に表示させる(ステップS15)。
【0085】
処理部47は、ステップS15の処理が終了した場合、またはリスト選択操作またはリスト取得操作がないと判定した場合(ステップS13:No)、親機アイコン93または子機アイコン94の位置の変更操作である位置変更操作があるか否かを判定する(ステップS16)。処理部47は、位置変更操作があると判定した場合(ステップS16:Yes)、登録関係情報91を変更する(ステップS17)。
【0086】
処理部47は、ステップS17の処理が終了した場合、または位置変更操作がないと判定した場合(ステップS16:No)、登録操作があるか否かを判定する(ステップS18)。処理部47は、登録操作があると判定した場合(ステップS18:Yes)、変更後の登録関係情報91に基づいて、登録関係リスト311を変更し、変更後の登録関係リスト311をサーバ4へ通信部40に送信させる(ステップS19)。
【0087】
処理部47は、ステップS19の処理が終了した場合、または登録操作がないと判定した場合(ステップS18:No)、動作終了のタイミングになったか否かを判定する(ステップS20)。処理部47は、例えば、端末装置5の不図示の電源がオフされたと判定した場合または入力部42への動作終了の操作が行われたと判定した場合に、動作終了のタイミングになったと判定する。処理部47は、動作終了のタイミングになっていないと判定した場合(ステップS20:No)、処理をステップS10へ移行し、動作終了のタイミングになったと判定した場合(ステップS20:Yes)、
図12に示す処理を終了する。
【0088】
つづいて、接続関連処理について説明する。接続関連処理は、サーバ4が登録関係リスト311を端末装置5から取得してから、登録関係リスト311に応じた対応関係で各PLC親機3がPLC子機2と接続し、サーバ4が各PLC親機3から通信経路情報111を取得するまでの処理である。
【0089】
まず、登録関係リスト311を端末装置5から取得したサーバ4の処理について説明する。
図13は、実施の形態1にかかるサーバによる処理の一例を示すフローチャートである。
図13に示すように、サーバ4のリスト管理部323は、通信部30を介して端末装置5から登録関係リスト311を取得したか否かを判定する(ステップS30)。
【0090】
リスト管理部323は、登録関係リスト311を取得したと判定した場合(ステップS30:Yes)、端末装置5から取得した登録関係リスト311と記憶部31の登録関係リスト311とを比較し(ステップS31)、端末装置5から取得した登録関係リスト311と記憶部31の登録関係リスト311とが一致するか否かを判定する(ステップS32)。
【0091】
リスト管理部323は、端末装置5から取得した登録関係リスト311と記憶部31の登録関係リスト311とが一致しないと判定した場合(ステップS32:No)、端末装置5から取得した登録関係リスト311で記憶部31の登録関係リスト311を更新する(ステップS33)。そして、リスト管理部323は、更新した登録関係リスト311に基づいて、PLC親機3毎の登録子機リスト113を作成する(ステップS34)。
【0092】
リスト管理部323は、ステップS34で作成した登録子機リスト113を各PLC親機3へ通信部30を介して送信する(ステップS35)。リスト管理部323は、ステップS35の処理が終了した場合、登録関係リスト311を取得していないと判定した場合(ステップS30:No)、または登録関係リスト311が一致していると判定した場合(ステップS32:Yes)、動作終了のタイミングになったか否かを判定する(ステップS36)。
【0093】
リスト管理部323は、例えば、サーバ4の不図示の電源がオフされたと判定した場合または不図示の入力部への動作終了の操作が行われたと判定した場合に、動作終了のタイミングになったと判定する。リスト管理部323は、動作終了のタイミングになっていないと判定した場合(ステップS36:No)、処理をステップS30へ移行し、動作終了のタイミングになったと判定した場合(ステップS36:Yes)、
図13に示す処理を終了する。
【0094】
つづいて、PLC親機3がサーバ4から登録子機リスト113を取得してから、PLC子機2と接続するまでのPLC親機3の動作について説明する。
図14は、実施の形態1にかかるPLC親機による接続処理の一例を示すフローチャートである。
【0095】
図14に示すように、PLC親機3の子機登録管理部122は、PLC子機2からPLC親機3への接続要求を監視しており(ステップS50)、PLC子機2からの接続要求があるか否かを判定する(ステップS51)。子機登録管理部122は、PLC子機2からの接続要求がないと判定した場合(ステップS51:No)、ステップS50に移行して接続要求の監視を続ける。
【0096】
子機登録管理部122は、PLC子機2からの接続要求があると判定した場合(ステップS51:Yes)、接続要求からPLC子機2の子機IDを取得する(ステップS52)。そして、子機登録管理部122は、ステップS52で取得した子機IDを登録子機リスト113と照合する(ステップS53)。子機登録管理部122は、ステップS53の照合の結果、ステップS52で取得した子機IDが登録子機リスト113に含まれるか否かを判定する(ステップS54)。
【0097】
子機登録管理部122は、ステップS52で取得した子機IDが登録子機リスト113に含まれると判定した場合(ステップS54:Yes)、接続要求元のPLC子機2へ接続許可応答を送信する(ステップS55)。また、子機登録管理部122は、ステップS52で取得した子機IDが登録子機リスト113に含まれないと判定した場合(ステップS54:No)、接続要求元のPLC子機2へ接続拒否応答を送信する(ステップS56)。
【0098】
子機登録管理部122は、ステップS55の処理が終了した場合、またはステップS56の処理が終了した場合、動作終了のタイミングになったか否かを判定する(ステップS57)。子機登録管理部122は、例えば、PLC親機3の不図示の電源がオフされたと判定した場合に、動作終了のタイミングになったと判定する。子機登録管理部122は、動作終了のタイミングになっていないと判定した場合(ステップS57:No)、処理をステップS50へ移行し、動作終了のタイミングになったと判定した場合(ステップS57:Yes)、
図14に示す処理を終了する。
【0099】
つづいて、PLC親機3がサーバ4から更新された登録子機リスト113を取得した場合のPLC親機3の動作について説明する。
図15は、実施の形態1にかかるPLC親機による接続更新処理の一例を示すフローチャートである。
【0100】
図15に示すように、PLC親機3の子機登録管理部122は、一定間隔で登録子機リスト113の更新を監視し(ステップS60)、登録子機リスト113の更新があるか否かを判定する(ステップS61)。子機登録管理部122は、サーバ4から更新された登録子機リスト113が通信部10で受信された場合に、登録子機リスト113の更新があると判定する。子機登録管理部122は、登録子機リスト113の更新がないと判定した場合(ステップS61:No)、ステップS60に移行して登録子機リスト113の更新の監視を続ける。
【0101】
子機登録管理部122は、登録子機リスト113の更新があると判定した場合(ステップS61:Yes)、通信経路情報111から接続済みのPLC子機2の子機IDを選択する(ステップS62)。そして、子機登録管理部122は、ステップS62で選択した接続済み子機IDと更新された登録子機リスト113に含まれる子機IDとを比較する(ステップS63)。
【0102】
子機登録管理部122は、ステップS63の比較結果に基づいて、接続済み子機IDが登録子機リスト113にあるか否かを判定する(ステップS64)。子機登録管理部122は、接続済み子機IDが登録子機リスト113にないと判定した場合(ステップS64:No)、接続済み子機IDに対応するPLC子機2へ通信部10を介して接続拒否情報を送信する(ステップS65)。
【0103】
子機登録管理部122は、ステップS65の処理が終了した場合、または接続済み子機IDが登録子機リスト113にあると判定した場合(ステップS64:Yes)、未選択の接続済み子機IDがあるか否かを判定する(ステップS66)。子機登録管理部122は、未選択の接続済み子機IDがあると判定した場合(ステップS66:Yes)、処理をステップS62に移行する。
【0104】
子機登録管理部122は、未選択の接続済み子機IDがないと判定した場合(ステップS66:No)、ステップS57の処理と同様に、動作終了のタイミングになったか否かを判定する(ステップS67)。子機登録管理部122は、動作終了のタイミングになっていないと判定した場合(ステップS67:No)、処理をステップS60へ移行し、動作終了のタイミングになったと判定した場合(ステップS67:Yes)、
図15に示す処理を終了する。
【0105】
つづいて、PLC親機3が登録子機リスト113を取得後、PLC子機2がPLC親機3に接続されるまでのPLC子機2の動作について説明する。
図16は、実施の形態1にかかるPLC子機による接続処理の一例を示すフローチャートである。
【0106】
図16に示すように、PLC子機2の登録管理部222は、PLC親機3との接続状態チェックを行い(ステップS70)、PLC親機3と接続状態であるか否かを判定する(ステップS71)。登録管理部222は、PLC親機3と接続状態であると判定した場合(ステップS71:Yes)、ステップS70に移行し、PLC親機3との接続状態チェックを続ける。
【0107】
登録管理部222は、PLC親機3と接続状態ではないと判定した場合(ステップS71:No)、接続要求をPLC親機3へ通信部20を介して送信する(ステップS72)。そして、登録管理部222は、PLC親機3からの応答をチェックし(ステップS73)、PLC親機3からの応答が接続許可応答であるか否かを判定する(ステップS74)。
【0108】
登録管理部222は、PLC親機3からの応答が接続許可応答であると判定した場合(ステップS74:Yes)、接続許可応答を送信したPLC親機3を接続先とする処理を実行する(ステップS75)。登録管理部222は、PLC親機3からの応答が接続許可応答ではないと判定した場合(ステップS74:No)、別のPLC親機3に接続要求を送信し(ステップS76)、処理をステップS73へ移行する。
【0109】
登録管理部222は、ステップS75の処理が終了した場合、動作終了のタイミングになったか否かを判定する(ステップS77)。登録管理部222は、例えば、PLC子機2の不図示の電源がオフされたと判定した場合に、動作終了のタイミングになったと判定する。登録管理部222は、動作終了のタイミングになっていないと判定した場合(ステップS77:No)、処理をステップS70へ移行し、動作終了のタイミングになったと判定した場合(ステップS77:Yes)、
図16に示す処理を終了する。
【0110】
次に、通信経路情報111を収集するシーケンスを説明する。PLC子機2とPLC親機3とは、PLC親機3のデータ収集部121が通信部10を介してPLC子機2へ送信する要求によって、定期的に電力線搬送通信を行っている。定期的とは、例えば、30分に1回程度の周期である。
【0111】
PLC親機3の通信経路管理部123は、PLC子機2からの信号を受信した時に、通信結果と通信品質とを通信を要求した時刻と合わせて通信経路情報111として記憶部11に記憶させる。通信結果は、例えば、PLC親機3からの要求に対するPLC子機2からの応答有無などであり、通信品質は、例えば、PLC子機2から受信した信号のノイズレベルおよび信号対ノイズ比などである。
【0112】
サーバ4のデータ収集部321は、PLC親機3から通信経路情報111を定期的に収集する。データ収集部321は、通信経路情報111の収集元のPLC親機3の親機IDに関連付けて通信経路情報312として記憶部31に一定期間記憶させる。一定期間は、例えば30日程度の期間である。
【0113】
次に、PLC検針システム100で実行される登録修正支援処理について説明する。登録修正支援処理には、接続状況判定処理、接続状況反映処理、および修正支援処理が含まれる。接続状況判定処理は、サーバ4によって実行されるPLC親機3とPLC子機2との接続状況のチェック処理である。接続状況反映処理は、サーバ4による接続状況判定処理の結果を端末装置5の表示制御部45が表示画面50に反映させる処理である。登録修正支援処理は、ユーザUによるPLC親機3とPLC子機2との登録関係の修正を支援する処理である。
【0114】
まず、サーバ4による接続状況判定処理および端末装置5による接続状況反映処理について説明する。サーバ4の表示処理部324は、接続状況判定処理において、記憶部31に記憶されている通信経路情報312に基づいて、表示画面50の子機アイコン94の色を決定し、決定した色で着色した子機アイコン94を含む登録関係情報91を表示部41に描画するための描画データを生成する。
【0115】
そして、端末装置5の表示制御部45は、接続状況反映処理において生成された描画データに基づいて、表示処理部324によって決定された色で着色された子機アイコン94を含む登録関係情報91を表示部41に表示させる。なお、表示制御部45は、登録関係リスト311と表示処理部324で決定された色の情報である色情報とがサーバ4の表示処理部324から通信部30を介して端末装置5へ送信される場合、通信部40で受信された登録関係リスト311と色情報とに基づいて、表示処理部324によって決定された色で各子機アイコン94を着色した登録関係情報91を表示部41に表示させる。
【0116】
図17は、実施の形態1にかかるサーバによる接続状況判定処理を示すフローチャートである。
図17に示す処理は、表示画面50に含まれる子機アイコン94のPLC子機2毎に行われる。
図17に示す処理対象となるPLC子機2を対象子機と記載する場合がある。
【0117】
図17に示すように、サーバ4の表示処理部324は、対象子機の通信結果と通信品質とを記憶部31に記憶された通信経路情報312から取得する(ステップS80)。次に、表示処理部324は、対象子機とPLC親機3との通信成功回数がゼロであるか否かを判定する(ステップS81)。表示処理部324は、PLC親機3との通信成功回数がゼロであると判定した場合(ステップS81:Yes)、対象子機の子機アイコン94の色を、通信失敗を示す色に決定する(ステップS82)。
【0118】
表示処理部324は、PLC親機3との通信成功回数がゼロではないと判定した場合(ステップS81:No)、PLC親機3との通信成功回数がPLC親機3との通信失敗回数以上であるか否かを判定する(ステップS83)。表示処理部324は、通信成功回数が通信失敗回数以上であると判定した場合(ステップS83:Yes)、対象子機の子機アイコン94の色を、通信成功を示す色に決定する(ステップS84)。
【0119】
なお、表示処理部324による通信成功の判定方法は、通信成功回数と通信失敗回数との比較に限定されない。例えば、表示処理部324は、PLC検針システム100の動作として通信失敗が許容される回数と通信失敗回数とを比較し、通信失敗回数が、通信失敗が許容される回数未満であれば通信成功と判定する。例えば、6時間の間に行われる12回の通信のうち3回までの通信失敗が許容され、3回までの通信失敗までであればデータのリカバリ可能である場合、表示処理部324は、6時間の間に行われる12回の通信のうち通信失敗回数が3回以下であれば通信成功と判定することができる。
【0120】
表示処理部324は、PLC親機3との通信成功回数がPLC親機3との通信失敗回数未満であると判定した場合(ステップS83:No)、信号レベルが閾値未満であるか否かを判定する(ステップS85)。表示処理部324は、信号レベルが閾値未満ではないと判定した場合(ステップS85:No)、信号対ノイズ比が閾値未満であるか否かを判定する(ステップS86)。ここで、閾値は、実際に設置される配線の系統分岐数および通信距離などから理論的に求められる値に対し、通信可能なレベルとしてマージンを持ったせた値、または使用している通信方式から求められる理論的に通信可能な値とすることができる。なお、信号レベルおよび信号対ノイズ比は、PLC子機2で受信されるPLC親機3または経由端末の信号の信号レベルおよび信号対ノイズ比であるが、PLC親機3または経由端末で受信されるPLC子機2の信号の信号レベルおよび信号対ノイズ比であってもよい。
【0121】
表示処理部324は、信号レベルが閾値未満であると判定した場合(ステップS85:Yes)、または信号対ノイズ比が閾値未満であると判定した場合(ステップS86:Yes)、対象子機の子機アイコン94の色を、系統誤りの可能性を示す色に決定する(ステップS87)。系統誤りとは、対象子機が登録関係リスト311で登録されたPLC親機3と異なる系統に接続されていることを意味する。
【0122】
系統が異なるPLC親機3にPLC子機2を接続したにもかかわらず、PLC検針システム100の立ち上げ時には電力線6への接続機器が少なく通信環境もよいことから、束になった配線を通して別系統間で信号は弱いものの通信できてしまう場合がある。PLC親機3とPLC子機2との接続確認作業時には問題なしとしたものの、PLC検針システム100の運用開始後に設備が稼働し始めると通信ができなくなりデータが欠落するという事象が発生する。そこで、表示処理部324は、信号レベルが閾値未満のPLC子機2または信号対ノイズ比が閾値未満のPLC子機2を系統誤りの可能性があるPLC子機2として判定する。
【0123】
表示処理部324は、信号対ノイズ比が閾値未満ではないと判定した場合(ステップS86:No)、対象子機の子機アイコン94の色を、通信成功を示す色に決定する(ステップS88)。表示処理部324は、ステップS82の処理が終了した場合、ステップS84の処理が終了した場合、ステップS87の処理が終了した場合、またはステップS88の処理が終了した場合、
図17に示す処理を終了する。
【0124】
図17に示す処理は、一定周期でサーバ4により自動的に実行されるか、またはユーザUによる端末装置5からの指示により任意のタイミングで実施される。また、
図17に示す処理は、すべてのPLC子機2、または選択されたPLC子機2に対して実行される。
【0125】
つぎに、修正支援処理について説明する。
図18は、実施の形態1にかかる端末装置による処理の他の例を示すフローチャートである。
図18に示すステップS90~S93,S96~S99,S101の処理は、
図12に示すステップS10~S13,S16~S20の処理と同じであるため、説明を省略する。
【0126】
図18に示すように、端末装置5の処理部47は、リスト選択操作またはリスト取得操作があると判定した場合(ステップS93:Yes)、登録関係リスト311と色情報とをサーバ4または外部装置などから取得し(ステップS94)、取得した登録関係リスト311と色情報とに基づいて登録関係情報91を表示画面50の描画エリア53に表示させる(ステップS95)。なお、処理部47は、ステップS94,S95の処理において、登録関係リスト311および色情報に代えて、描画データをサーバ4から取得して描画データに基づいて登録関係情報91を表示画面50の描画エリア53に表示させることもできる。
【0127】
また、処理部47は、ステップS99の処理において変更後の登録関係リスト311をサーバ4へ通信部40に送信させた後、サーバ4から登録関係リスト311と色情報を取得し、取得した登録関係リスト311と色情報とに基づいて登録関係情報91を更新する(ステップS100)。なお、処理部47は、ステップS100の処理において、登録関係リスト311および色情報に代えて、描画データをサーバ4から取得して描画データに基づいて登録関係情報91を表示画面50の描画エリア53に表示させることもできる。
【0128】
つぎに、ユーザUが電力線搬送通信ネットワークの接続状況をチェックし登録内容を修正する登録内容修正作業の流れを説明する。
図19は、実施の形態1にかかる端末装置のユーザによる登録内容修正作業の一例を示すフローチャートである。
【0129】
ユーザUは、表示部41に表示されている表示画面50における子機アイコン94の色がすべて通信成功を示す色であるかを確認する(ステップS110)。ユーザUは、子機アイコン94の色のいずれかが通信成功を示す色ではない場合(ステップS110:No)、入力部42へのドラッグアンドドロップ操作によって、通信失敗を示す色または系統誤りの可能性を示す色の子機アイコン94を別の親機アイコン93との接続位置へと移動させる(ステップS111)。また、ユーザUは、子機アイコン94の色がすべて通信成功を示す色である場合(ステップS110:Yes)、
図19に示す登録内容修正作業を終了する。
【0130】
表示制御部45は、例えば、
図11に示す情報表示ボタン56aの押下操作または子機アイコン94へのクリック操作がある場合、PLC子機2の通信履歴情報と通信統計情報とを表示画面50に表示したり、PLC子機2が通信を試行したPLC親機3の通信IDなどを表示画面50に表示させたりすることができる。これにより、ユーザUは、登録が行われていないPLC親機3の判別を容易に行うことができる。
【0131】
図20は、実施の形態1にかかる描画エリアにおいて電気系統図上に登録関係情報が重畳表示された表示画面の他の例を示す図である。
図20に示す登録関係情報91は、親機アイコン93が電気系統
図92におけるPLC親機3に対応した位置に配置され、子機アイコン94が電気系統
図92におけるPLC親機3に対応した位置に配置される点で、
図11に示す登録関係情報91と異なる。
【0132】
図20に示す表示画面50において、ユーザUが入力部42への操作によって、通信履歴情報と通信統計情報とを表示させたい子機アイコン94をクリックすると、表示制御部45は、通信履歴情報と通信統計情報とを含むポップアップ画面を表示画面50上に表示させる。
図21は、実施の形態1にかかる通信履歴情報と通信統計情報とを含むポップアップ画面の一例を示す図である。
図21に示すポップアップ画面98において、通信履歴情報は、通信対象のPLC親機3の親機ID、PLC親機3との通信結果、信号レベル、信号対ノイズ比、および通信時刻などが含まれる。
【0133】
信号レベルおよび信号対ノイズ比は、PLC子機2で受信されるPLC親機3または経由端末の信号の信号レベルおよび信号対ノイズ比であるが、PLC親機3または経由端末で受信されるPLC子機2の信号の信号レベルおよび信号対ノイズ比であってもよい。
【0134】
また、
図21に示すポップアップ画面98において、通信統計情報は、PLC親機3毎に、総通信回数、通信成功回数、通信失敗回数、信号レベル、および信号対ノイズ比などが含まれる。
図21に示す通信統計情報では、信号レベルおよび信号対ノイズ比が最大値、平均値、および最小値で示される。
【0135】
図19に戻って、ユーザUによる登録内容修正作業の説明をつづける。ユーザUは、ステップS111の処理が終了した後、入力部42への操作によって
図21に示す登録情報反映ボタン54aを押下する(ステップS112)。これにより、端末装置5の登録関係変更部46から、登録情報反映ボタン54aが押下された時点の内容での登録関係リスト311がサーバ4へ送信される。サーバ4では、
図13および
図17に示す処理が行われ、PLC親機3およびPLC子機2は、
図14~
図16の処理が変更された登録関係リスト311における登録子機リスト113に基づいて自動で実行される。
【0136】
これにより、PLC検針システム100では、例えば、初期登録処理におけるPLC親機3とPLC子機2との登録関係の設定に誤りがある場合、または電気系統
図92が実配線されている系統と一致しない場合などにおいて、PLC親機3とPLC子機2との登録関係を容易に修正することができる。
【0137】
以上のように、実施の形態1にかかるPLC検針システム100は、表示制御部45と、登録関係変更部46とを備える。PLC検針システム100は、通信システムの一例である。表示制御部45は、複数のPLC子機2のうち登録されたPLC子機2と電力線搬送通信を各々行う複数のPLC親機3に対する複数のPLC子機2との登録関係を示す情報と、複数のPLC親機3と複数のPLC子機2との設置場所における電気系統
図92とを含む表示画面50を表示部41に登録関係を変更可能に表示させる。PLC子機2は、子機の一例であり、PLC親機3は、親機の一例である。登録関係変更部46は、表示画面50への操作によって登録関係が変更された場合に、登録関係の変更対象となるPLC親機3に通信対象となるPLC子機2を変更させるための処理を行う。これにより、PLC検針システム100では、PLC親機3とPLC子機2との登録関係と電気系統
図92とが同一の表示画面50に表示されることから、PLC親機3とPLC子機2との登録関係の確認のために紙の系統図を用いたPLC親機3とPLC子機2との登録関係の照合作業を行う必要がなくなる。そのため、PLC検針システム100では、PLC親機3におけるPLC子機2の登録内容の修正作業を容易に行うことができる。また、PLC検針システム100では、表示画面50上で登録関係を編集することで、PLC親機3とPLC子機2との登録関係も自動的に反映されるため、ユーザUは、登録用の別ソフトウェアなどを利用しなくても一つの画面で表示の確認と制御を行うことが可能となる。
【0138】
また、表示制御部45は、登録関係を示す情報である登録関係情報91を電気系統
図92に重畳させた画面を表示画面50として表示部41に表示させる。これにより、PLC検針システム100では、電気系統
図92を背景画像として表示部41に表示させることができ、ユーザUは、登録関係情報91の編集を容易に行うことができる。
【0139】
また、登録関係情報91には、複数のPLC子機2の各々を示す子機アイコン94が含まれる。表示制御部45は、子機アイコン94を移動可能に表示画面50に表示させる。これにより、PLC検針システム100では、ユーザUは、登録関係情報91の編集を容易に行うことができる。
【0140】
また、PLC検針システム100は、表示処理部324を備える。表示処理部324は、子機アイコン94に対応するPLC子機2と子機アイコン94に対応するPLC子機2と登録関係情報91で対応付けられたPLC親機3との通信状態に基づいて子機アイコン94の色を決定する。表示制御部45は、表示処理部324によって決定された色で子機アイコン94を表示画面50に表示する。これにより、PLC検針システム100では、ユーザUは、登録関係に誤りがあるか否かを容易に把握でき、登録関係情報91の編集を容易に行うことができる。
【0141】
また、表示処理部324は、複数のPLC子機2のうち登録関係の誤りの可能性があるPLC子機2を判定し、登録関係の誤りの可能性があると判定したPLC子機2の子機アイコン94の色と、登録関係の誤りの可能性があると判定したPLC子機2以外のPLC子機2の子機アイコン94の色とを互いに異なる色に決定する。これにより、PLC検針システム100では、ユーザUは、疑似的に通信ができてしまっている系統誤りのケースになっていないかを容易に把握でき、登録関係情報91の編集を容易に行うことができる。
【0142】
また、表示制御部45は、子機アイコン94が選択された場合に、選択された子機アイコン94に対応するPLC子機2の通信結果および通信品質を表示部41に表示させる。これにより、PLC検針システム100では、ユーザUは、登録関係に誤りがあることを通信結果および通信品質などから把握することができる。
【0143】
また、PLC検針システム100は、複数のPLC子機2のうち登録関係を有するPLC子機2の情報である登録子機リスト113をPLC親機3毎に含む登録関係リスト311を管理するリスト管理部323を備える。登録関係変更部46は、変更後の登録関係リスト311をリスト管理部323へ出力する。リスト管理部323は、変更後の登録関係リスト311に含まれる登録子機リスト113を複数のPLC親機3へ送信することによって、PLC親機3に通信対象となるPLC2子機を変更させる。これにより、表示画面50上で登録関係を編集することで、PLC検針システム100では、PLC親機3とPLC子機2との登録関係を自動的に変更することができる。
【0144】
また、表示制御部45は、PLC子機2の子機IDおよびPLC親機3の親機IDを表示部41に表示させる。子機IDは、PLC子機2の識別情報であり、親機IDはPLC親機3の識別情報である。これにより、PLC検針システム100では、ユーザUは、PLC子機2とPLC親機3とがどこに設置されているかを容易に把握することができる。
【0145】
複数のPLC子機2の各々は、複数の電力量計1のうち対応する電力量計1から検針データを取得し、取得した検針データを複数のPLC親機3のうち登録関係にあるPLC親機3へ送信する。複数のPLC親機3の各々は、複数のPLC子機2のうち登録関係にあるPLC子機2から検針データを収集する。これにより、PLC検針システム100において、ユーザUは、登録関係情報91の編集を容易に行うことができる。
【0146】
実施の形態2.
実施の形態2にかかるPLC検針システムは、PLC親機とPLC子機との登録関係が設定されていない機器リストに基づいて、登録関係リストを自動生成する点で、実施の形態1にかかるPLC検針システム100と異なる。以下においては、実施の形態1と同様の機能を有する構成要素については同一符号を付して説明を省略し、実施の形態1のPLC検針システム100と異なる点を中心に説明する。
【0147】
図22は、実施の形態2にかかるPLC検針システムのサーバの構成の一例を示す図である。
図22に示すように、実施の形態2にかかるPLC検針システムのサーバ4Aは、記憶部31および制御部32に代えて、記憶部31Aおよび制御部32Aを備える点で、実施の形態1にかかるサーバ4と異なる。
【0148】
記憶部31Aは、機器リスト316をさらに記憶する点で、記憶部31と異なる。機器リスト316は、複数のPLC親機3の親機IDと複数のPLC子機2の子機IDとを含むが、親機IDと子機IDとは対応付けられていない。
図23は、実施の形態2にかかる機器リストの一例を示す図である。
図23に示すように、機器リスト316には、複数の親機IDと複数の子機IDとが含まれている。
【0149】
制御部32Aは、リスト管理部323に代えて、リスト管理部323Aを備える点で、制御部32と異なる。リスト管理部323Aは、端末装置5またはその他の装置から機器リスト316を取得し、取得した機器リスト316に基づいて、登録関係リスト311を自動作成する機能をさらに有する点で、リスト管理部323と異なる。
【0150】
リスト管理部323Aは、例えば、端末装置5またはその他の装置から送信される機器リスト316をネットワーク8および通信部30を介して受信し、受信した機器リスト316を記憶部31Aに記憶させる。そして、リスト管理部323Aは、機器リスト316に基づいて、登録関係リスト311を自動作成する自動登録処理を行う。
【0151】
リスト管理部323Aは、自動登録処理において、複数のPLC親機3のうち選択した親機である選択親機と機器リスト316で示される各PLC子機2との通信結果と通信品質とに基づいて選択親機にPLC子機2を登録する子機登録処理で登録したPLC子機2の情報を機器リスト316から除外しながら選択親機を変更することで登録関係リスト311を作成する。
【0152】
かかる自動登録処理では、機器リスト316を送信するPLC親機3を変えながらPLC親機3へのPLC子機2の登録を行っていくため、PLC親機3へ登録時のPLC子機2と接続確立の時間と通信経路情報111の作成の時間とが必要となり、すべてのPLC親機3にPLC子機2を登録するまでに長い時間がかかる場合がある。
【0153】
例えば、実施の形態2にかかるPLC検針システムで用いられる電力線搬送通信が、10~450kHzの周波数帯を用いる低速電力線搬送通信であり、実施の形態2にかかるPLC検針システムに、4台のPLC親機3および400台のPLC子機2が含まれ、各PLC親機3と同一系統に接続されたPLC子機2が100台であり、PLC親機3が通信経路情報111を収集するのに3時間かかるとする。
【0154】
この場合、上述した子機登録処理毎に登録されるPLC子機2が50台であるとしても、すべてのPLC親機3にPLC子機2を登録するのに要する時間は、6時間×8回試行=48時間である。実際のシステム立ち上げにおいては、設定を行ってから通信を確認するまでは、工期などの関係で日数を確保できない場合があり、すてべてのPLC親機3およびPLC子機2を自動登録する場合は登録工程完了までの時間が長くなる場合がある。
【0155】
そこで、実施の形態2にかかる端末装置5の表示制御部45は、ユーザUが、接続系統が明らかなPLC子機2は入力部42への操作によって予めPLC親機3に登録することができるように、機器リスト316に基づいて、登録設定画面を表示部41に表示させる。登録設定画面には、機器リスト316に親機IDおよび子機IDが含まれるPLC親機3およびPLC子機2の各々の情報が含まれ、例えば、上述した親機アイコン93および子機アイコン94などが含まれる。
【0156】
そして、表示制御部45は、PLC子機2が登録されたPLC親機3の親機IDとかかるPLC親機3に登録されたPLC子機2の子機IDとを含む登録子機リスト113を作成し、生成した登録子機リスト113をサーバ4Aへ通信部40およびネットワーク8を介して送信する。また、表示制御部45は、作成した登録子機リスト113に含まれる子機IDを除外した機器リスト316をサーバ4Aへ通信部40およびネットワーク8を介して送信する。
【0157】
これにより、実施の形態2にかかるPLC検針システムでは、自動登録処理時にPLC親機3に登録するPLC子機2の数を削減することができ、すべてのPLC親機3に対してPLC子機2の登録が完了するまでの時間の短縮を図ることができる。
【0158】
例えば、同一系統内で10%のPLC子機2の割り付けが不明な場合、登録時間を36分に短縮できる。そして、PLC親機3が4台、PLC子機2が各PLC親機3に100台接続されるようなシステムでは、毎回の試行で50台のPLC子機2を確定できるとすると、0.6時間×4+3時間×4=14.4時間で登録完了することができる。これは、例えば、ある程度系統が判明しており、一部区間のみ増設または入れ替え工事などが図面に反映されておらずに系統が不明であるような場合に有効となる。
【0159】
また、リスト管理部323Aは、自動登録処理により1つのPLC子機2の登録の設定または変更を行う毎に登録関係リスト311を更新し、更新した登録関係リスト311を端末装置5へ通信部30およびネットワーク8を介して送信する。端末装置5の表示制御部45は、更新された登録関係リスト311に基づく登録関係情報91を表示部41に表示させる処理を登録関係リスト311が更新される毎に行う。
【0160】
これにより、実施の形態2にかかるPLC検針システムでは、自動登録処理に連動して登録関係情報91が変更されることから、ユーザUへ現在の自動登録の進捗状況を視覚的に伝達することができる。そのため、ユーザUは、完了までのおおよその時間を画面から把握することができ、システム導入時の他工程とのスケジュール調整を効率的に行うことができる。
【0161】
図24は、実施の形態2にかかるサーバによる登録関係リストの自動作成処理の一例を示すフローチャートである。
図24に示すように、サーバ4Aのリスト管理部323Aは、端末装置5またはその他の装置から機器リスト316をネットワーク8および通信部30を介して取得し、取得した機器リスト316を記憶部31Aに記憶させる(ステップS120)。
【0162】
次に、リスト管理部323Aは、機器リスト316に親機IDが含まれる複数のPLC親機3のうち未選択のPLC親機3を1つ選択する(ステップS121)。リスト管理部323Aは、機器リスト316に含まれるすべての子機IDを含む登録子機リスト113を通信部30およびネットワーク7を介してステップS121で選択したPLC親機3へ送信する(ステップS122)。
【0163】
そして、リスト管理部323Aは、登録子機リスト113の送信先のPLC親機3からデータ収集部321が通信経路情報111を一定のサンプル数分取得するまで待機する(ステップS123)。一定のサンプル数分は、例えば、6サンプルであり、PLC親機3とPLC子機2との通信が30分毎に行われる場合、リスト管理部323Aは、3時間待機する。
【0164】
次に、リスト管理部323Aは、第1通信状態判定処理を行う(ステップS124)。ステップS124に示す第1通信状態判定処理は、
図25に示すステップS130~S138の処理であり、後で詳述する。
【0165】
次に、リスト管理部323Aは、通信経路情報111に子機IDが含まれる複数のPLC子機2のうち通信失敗を示すPLC子機2または系統誤りの可能性を示すPLC子機2があるか否かを判定する(ステップS125)。リスト管理部323Aは、通信失敗を示すPLC子機2または系統誤りの可能性を示すPLC子機2があると判定した場合(ステップS125:Yes)、ステップS121において未選択のPLC親機3があるか否かを判定する(ステップS126)。
【0166】
リスト管理部323Aは、未選択のPLC親機3があると判定した場合(ステップS126:Yes)、通信失敗を示すPLC子機2または系統誤りの可能性を示すPLC子機2の子機IDを削除した登録子機リスト113を選択しているPLC親機3へネットワーク7および通信部30を介して送信する(ステップS127)。リスト管理部323Aは、未選択のPLC親機3がないと判定した場合(ステップS126:No)であっても、機器リスト316に最初に含まれていた子機IDの数に対する通信失敗を示すPLC子機2または系統誤りの可能性を示すPLC子機2の数の割合が予め設定された値以上である場合、ステップS127へ移行することができる。
【0167】
また、リスト管理部323Aは、未選択のPLC親機3の1つを選択し、通信失敗または系統誤りの可能性を示すすべてのPLC子機2の子機IDを含む登録子機リスト113を選択したPLC親機3へネットワーク7および通信部30を介して送信し(ステップS128)、処理をステップS123へ移行する。
【0168】
リスト管理部323Aは、未選択のPLC親機3がないと判定した場合(ステップS126:No)、第2通信状態判定処理を行う(ステップS129)。ステップS129に示す第2通信状態判定処理は、
図26に示すステップS140~S145の処理であり、後で詳述する。
【0169】
リスト管理部323Aは、ステップS129の処理が終了した場合、または、通信失敗を示すPLC子機2または系統誤りの可能性を示すPLC子機2がないと判定した場合(ステップS125:No)、
図24に示す処理を終了する。
【0170】
図25は、実施の形態2にかかるサーバによる第1通信状態判定処理の一例を示すフローチャートである。
図25に示すステップS131,S132,S133,S135,S136の処理は、
図17に示すステップS80,S81,S83,S85,S86の処理と同じであるため、説明を省略する。リスト管理部323Aは、
図25の処理を通信経路情報312に子機IDが含まれるすべてのPLC子機2に対して行う。
【0171】
図25に示すように、リスト管理部323Aは、PLC親機3との通信成功回数がゼロであると判定した場合(ステップS131:Yes)、対象子機が通信失敗を示すPLC子機2であると判定する(ステップS132)。
【0172】
また、リスト管理部323Aは、通信成功回数が通信失敗回数以上であると判定した場合(ステップS133:Yes)、対象子機が通信成功を示すPLC子機2であると判定する(ステップS134)。また、リスト管理部323Aは、信号レベルが閾値未満であると判定した場合(ステップS135:Yes)、または信号対ノイズ比が閾値未満であると判定した場合(ステップS136:Yes)、対象子機が系統誤りの可能性を示すPLC子機2であると判定する(ステップS137)。
【0173】
また、リスト管理部323Aは、信号対ノイズ比が閾値未満ではないと判定した場合(ステップS136:No)、対象子機が通信成功を示すPLC子機2であると判定する(ステップS138)。
【0174】
図26は、実施の形態2にかかるサーバによる第2通信状態判定処理の一例を示すフローチャートである。
図26に示すように、リスト管理部323Aは、通信失敗を示すPLC子機2または系統誤りの可能性を示すPLC子機2を対象子機とし、ステップS123で取得した各PLC親機3の通信経路情報111に基づいて、通信失敗を示すPLC子機2または系統誤りの可能性を示すPLC子機2の各PLC親機3への登録時の信号レベルを比較する(ステップS140)。
【0175】
リスト管理部323Aは、ステップS140における信号レベルの比較の結果、他のPLC親機3に登録時よりも高い信号レベルのPLC親機3があるか否かを判定する(ステップS141)。リスト管理部323Aは、他のPLC親機3に登録時よりも高い信号レベルのPLC親機3がないと判定した場合(ステップS141:No)、通信失敗を示すPLC子機2または系統誤りの可能性を示すPLC子機2の各PLC親機3への登録時の信号対ノイズ比を比較する(ステップS142)。
【0176】
リスト管理部323Aは、ステップS142における信号対ノイズ比の比較の結果、他のPLC親機3に登録時よりも高い信号対ノイズ比のPLC親機3があるか否かを判定する(ステップS143)。リスト管理部323Aは、他のPLC親機3に登録時よりも高い信号対ノイズ比のPLC親機3がないと判定した場合(ステップS143:No)、通信失敗を示すPLC子機2または系統誤りの可能性を示すPLC子機2の子機アイコン94の色をPLC親機3間で通信品質に差がないことを示す色に変更する(ステップS144)。
【0177】
リスト管理部323Aは、他のPLC親機3に登録時よりも高い信号レベルのPLC親機3が存在すると判定した場合(ステップS141:Yes)、または他のPLC親機3に登録時よりも高い信号対ノイズ比のPLC親機3があると判定した場合(ステップS143:Yes)、該当するPLC親機3を、通信失敗を示すPLC子機2または系統誤りの可能性を示すPLC子機2の登録先として確定する(ステップS145)。リスト管理部323Aは、ステップS144の処理が終了した場合、またはステップS145の処理が終了した場合、
図26に示す処理を終了する。
【0178】
PLC親機3間で通信品質に差がないPLC子機2に関しては、そのままデータ収集を継続し、さらに多くのデータから判定を行うか、電気図面である系統図と実機の配置位置の確認やラインチェッカによる導通チェックなど、ユーザUによる調査により接続系統を確定させることで作業を完了させる。
【0179】
以上のように、実施の形態2にかかるPLC検針システムのサーバ4Aは、リスト管理部323Aを備える。リスト管理部323Aは、複数のPLC親機3の情報と複数のPLC子機2の情報とを含み且つ登録関係のうち少なくとも一部が設定されていない機器リスト316に基づいて、複数のPLC子機2の各々を複数のPLC親機3のうち同一系統に接続されたPLC親機3に登録して登録関係を示す登録関係リスト311を作成する。これにより、実施の形態2にかかるPLC検針システムでは、ユーザUの作業負担を軽減することができる。
【0180】
また、リスト管理部323Aは、複数のPLC親機3のうち選択したPLC親機3である選択親機と機器リスト316で示される各PLC子機2との通信結果と通信品質とに基づいて選択親機にPLC子機2を登録する処理で登録したPLC子機2の情報を機器リスト316から除外しながら選択親機を変更することで登録関係リスト311を作成する。これにより、実施の形態2にかかるPLC検針システムでは、登録関係リスト311を適切に作成することができる。
【0181】
なお、端末装置5の機能の一部または全部がサーバ4またはサーバ4Aにあってもよく、サーバ4の機能の一部の全部が端末装置5にあってもよい。また、サーバ4またはサーバ4Aは、複数の装置で構成されてもよい。
【0182】
実施の形態1および実施の形態2で説明した制御部12,22,32,32Aおよび処理部47のハードウェア構成について説明する。制御部12,22,32,32Aおよび処理部47は、処理回路により実現される。処理回路は、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサおよびメモリであってもよいし、専用のハードウェアであってもよい。処理回路は制御回路とも呼ばれる。
【0183】
図27は、実施の形態1および実施の形態2にかかる処理部の各々が備える処理回路をプロセッサおよびメモリで実現する場合の処理回路の構成例を示す図である。
図27に示す処理回路60は制御回路であり、プロセッサ61およびメモリ62を備える。処理回路60がプロセッサ61およびメモリ62で構成される場合、処理回路60の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアまたはファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ62に格納される。処理回路60では、メモリ62に記憶されたプログラムをプロセッサ61が読み出して実行することにより、各機能を実現する。すなわち、処理回路60は、制御部12,22,32,32Aおよび処理部47のいずれかの処理が結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ62を備える。このプログラムは、処理回路60により実現される各機能を制御部12,22,32,32Aおよび処理部47のいずれかに実行させるためのプログラムであるともいえる。このプログラムは、プログラムが記録された記録媒体により提供されてもよいし、通信媒体など他の手段により提供されてもよい。
【0184】
ここで、プロセッサ61は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、またはDSP(Digital Signal Processor)などである。また、メモリ62は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(登録商標)(Electrically EPROM)などの、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、またはDVD(Digital Versatile Disc)などが該当する。
【0185】
図28は、実施の形態1および実施の形態2に係る処理部が備える処理回路を専用のハードウェアで構成する場合の処理回路の例を示す図である。
図28に示す処理回路63は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものが該当する。処理回路については、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。このように、処理回路は、専用のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
【0186】
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
【符号の説明】
【0187】
1 電力量計、2 PLC子機、3 PLC親機、4,4A サーバ、5 端末装置、6 電力線、7,8 ネットワーク、9 施設、10,20,30,40 通信部、11,21,31,31A 記憶部、12,22,32,32A 制御部、41 表示部、42 入力部、43 入力処理部、44 ファイル入力部、45 表示制御部、46 登録関係変更部、47 処理部、50 表示画面、51 背景図面選択エリア、51a,52a ファイル選択ボタン、52 登録関係リスト選択エリア、52b 取得ボタン、53 描画エリア、54 機器管理エリア、54a 登録情報反映ボタン、55 印刷ボタン、56 情報表示エリア、56a 情報表示ボタン、91 登録関係情報、92 電気系統図、93 親機アイコン、94 子機アイコン、95,97 接続線、96 図形、98 ポップアップ画面、100 PLC検針システム、101,201,301 第1通信部、102,202,302 第2通信部、111,212,312 通信経路情報、112 親機ID、113 登録子機リスト、114,313 検針データ、121,221,321 データ収集部、122 子機登録管理部、123,223 通信経路管理部、211 子機ID、222 登録管理部、311 登録関係リスト、314 親機IDリスト、315 子機IDリスト、316 機器リスト、322 通信経路登録部、323,323A リスト管理部、324 表示処理部。