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特許7561692軸数記録装置、軸数決定装置、軸数決定システム、軸数決定方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】軸数記録装置、軸数決定装置、軸数決定システム、軸数決定方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/015 20060101AFI20240927BHJP
   G06Q 50/40 20240101ALI20240927BHJP
   G08G 1/017 20060101ALI20240927BHJP
   G08G 1/04 20060101ALI20240927BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20240927BHJP
   G16Y 40/10 20200101ALI20240927BHJP
   G07B 15/00 20110101ALN20240927BHJP
【FI】
G08G1/015 A
G06Q50/40
G08G1/017
G08G1/04 C
G16Y10/40
G16Y40/10
G07B15/00 P
G07B15/00 510
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021096056
(22)【出願日】2021-06-08
(65)【公開番号】P2022187849
(43)【公開日】2022-12-20
【審査請求日】2024-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】小島 洋平
(72)【発明者】
【氏名】中山 博之
(72)【発明者】
【氏名】尾張 伸行
(72)【発明者】
【氏名】山口 泰弘
【審査官】宮本 礼子
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-215946(JP,A)
【文献】特開2020-030574(JP,A)
【文献】特開2013-221889(JP,A)
【文献】特開2019-061506(JP,A)
【文献】特公昭58-012616(JP,B2)
【文献】特開平11-175785(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0269444(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G06Q 50/40
G16Y 10/40
G16Y 40/10
G07B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車線を走行する車両の後方ナンバープレートのナンバープレート情報を取得する第1後方ナンバープレート情報取得部と、
前記車両に搭載された車載器から、前記車両の軸数を含む車載器情報を取得する第1車載器情報取得部と、
車軸検知装置の検知情報に基づいて検出した前記車両の総軸数が、前記車載器情報に含まれる前記車両の軸数よりも大きい場合に、前記車両が牽引する被牽引車の軸数を検出する軸数検出部と、
前記被牽引車の前記ナンバープレート情報および前記被牽引車の軸数を関連付けた被牽引車情報を上位装置に送信する送信部と、
を備える軸数記録装置。
【請求項2】
前記軸数検出部は、前記車軸検知装置の検知情報に基づく前記車両の総軸数から、前記車載器情報に含まれる前記車両の軸数を減じて、前記被牽引車の軸数を検出する、
請求項1に記載の軸数記録装置。
【請求項3】
前記軸数検出部は、収受員が料金収受機を介して入力した情報に基づいて、前記被牽引車の軸数を検出する、
請求項1に記載の軸数記録装置。
【請求項4】
車線を走行する車両の後方ナンバープレートのナンバープレート情報を取得する第2後方ナンバープレート情報取得部と、
上位装置から、前記ナンバープレート情報に関連付けられた被牽引車の軸数を示す情報を含む被牽引車情報を取得して、前記車両が牽引する前記被牽引車の軸数を決定する軸数決定部と、
を備える軸数決定装置。
【請求項5】
前記車両に搭載された車載器から、前記車両が牽引装置を有しているか否かを示す情報を含む車載器情報を取得する第2車載器情報取得部をさらに備え、
前記軸数決定部は、前記車載器情報に前記車両が前記牽引装置を有していることを示す情報が含まれている場合、前記上位装置から前記被牽引車情報を取得する、
請求項4に記載の軸数決定装置。
【請求項6】
前記車両の前方ナンバープレートのナンバープレート情報を取得する前方ナンバープレート情報取得部をさらに備え、
前記軸数決定部は、前記車両の前記前方ナンバープレートおよび前記後方ナンバープレートのナンバープレート情報が異なっている場合、前記上位装置から前記被牽引車情報を取得する、
請求項4に記載の軸数決定装置。
【請求項7】
上位装置から配信された被牽引車情報テーブルを記憶媒体に記憶するテーブル記憶部と、
車線を走行する車両の後方ナンバープレートのナンバープレート情報を取得する第2後方ナンバープレート情報取得部と、
前記ナンバープレート情報に関連付けられた被牽引車の軸数を示す情報を含む被牽引車情報を前記被牽引車情報テーブルから取得して、前記車両が牽引する前記被牽引車の軸数を決定する軸数決定部と、
を備える軸数決定装置。
【請求項8】
請求項1から3のいずれか一項に記載の軸数記録装置と、
請求項4から6のいずれか一項に記載の軸数決定装置と、
前記軸数記録装置および前記軸数決定装置と通信可能に接続され、前記軸数記録装置から送信された前記被牽引車情報を記憶するとともに、前記軸数決定装置が指定するナンバープレート情報と関連付けられた前記被牽引車情報を前記軸数決定装置に送信する上位装置と、
を備える軸数決定システム。
【請求項9】
請求項1から3のいずれか一項に記載の軸数記録装置と、
請求項7に記載の軸数決定装置と、
前記軸数記録装置および前記軸数決定装置と通信可能に接続され、前記軸数記録装置から送信された複数の前記被牽引車情報からなる被牽引車情報テーブルを、前記軸数決定装置に配信する上位装置と、
を備える軸数決定システム。
【請求項10】
軸数記録装置と、軸数決定装置と、上位装置とを用いた軸数決定方法であって、
前記軸数記録装置が、第1料金所の車線を走行する車両の後方ナンバープレートのナンバープレート情報を取得するステップと、
前記軸数記録装置が、前記第1料金所の車線を走行する前記車両に搭載された車載器から、前記車両の軸数を含む車載器情報を取得するステップと、
前記軸数記録装置が、車軸検知装置の検知情報に基づいて検出した前記車両の総軸数が、前記車載器情報に含まれる前記車両の軸数よりも大きい場合に、前記車両が牽引する被牽引車の軸数を検出するステップと、
前記軸数記録装置が、前記被牽引車の前記ナンバープレート情報および前記軸数を関連付けた被牽引車情報を前記上位装置に送信するステップと、
前記軸数決定装置が、第2料金所の車線を走行する車両の後方ナンバープレートのナンバープレート情報を取得するステップと、
前記軸数決定装置が、前記上位装置から、前記ナンバープレート情報に関連付けられた被牽引車の軸数を示す情報を含む被牽引車情報を取得して、前記車両が牽引する前記被牽引車の軸数を決定するステップと、
を有する軸数決定方法。
【請求項11】
車線を走行する車両の後方ナンバープレートのナンバープレート情報を取得するステップと、
前記車両に搭載された車載器から、前記車両の軸数を含む車載器情報を取得するステップと、
車軸検知装置の検知情報に基づいて検出した前記車両の総軸数が、前記車載器情報に含まれる前記車両の軸数よりも大きい場合に、前記車両が牽引する被牽引車の軸数を検出するステップと、
前記被牽引車の前記ナンバープレート情報および前記軸数を関連付けた被牽引車情報を上位装置に送信するステップと、
を軸数記録装置のコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項12】
車線を走行する車両の後方ナンバープレートのナンバープレート情報を取得するステップと、
上位装置から、前記ナンバープレート情報に関連付けられた被牽引車の軸数を示す情報を含む被牽引車情報を取得して、前記車両が牽引する前記被牽引車の軸数を決定するステップと、
を軸数決定装置のコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、軸数記録装置、軸数決定装置、軸数決定システム、軸数決定方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
有料道路では、車両の車種に応じて異なる通行料金を課金する場合がある。車両の車種を判別する手法として、たとえば特許文献1には、複数のカメラで車両を撮影し、撮影した画像から車両のナンバープレート情報、軸数等を検出し、これら情報に基づいて車両の車種を判別することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-61506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、有料道路の全ての料金所に軸数を検知するための車軸検知装置(カメラ、踏板等)を設置する必要があった。しかしながら、十分な設置スペースが確保できない料金所などでは、車軸検知装置を設置することが困難な場合がある。
【0005】
本開示は、このような課題に鑑みてなされたものであって、車軸検知装置が設置されている料金所で検知された車両の軸数に関する情報を、車軸検知装置が設置されていない料金所で利用可能とする軸数記録装置、軸数決定装置、軸数決定システム、軸数決定方法、およびプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、軸数記録装置は、車線を走行する車両の後方ナンバープレートのナンバープレート情報を取得する第1後方ナンバープレート情報取得部と、前記車両に搭載された車載器から、前記車両の軸数を含む車載器情報を取得する第1車載器情報取得部と、車軸検知装置の検知情報に基づいて検出した前記車両の総軸数が、前記車載器情報に含まれる前記車両の軸数よりも大きい場合に、前記車両が牽引する被牽引車の軸数を検出する軸数検出部と、前記被牽引車の前記ナンバープレート情報および前記被牽引車の軸数を関連付けた被牽引車情報を上位装置に送信する送信部と、を備える。
【0007】
本開示の一態様によれば、軸数決定装置は、車線を走行する車両の後方ナンバープレートのナンバープレート情報を取得する第2後方ナンバープレート情報取得部と、上位装置から、前記ナンバープレート情報に関連付けられた被牽引車の軸数を示す情報を含む被牽引車情報を取得して、前記車両が牽引する前記被牽引車の軸数を決定する軸数決定部と、を備える。
【0008】
本開示の一態様によれば、軸数決定装置は、上位装置から配信された被牽引車情報テーブルを記憶媒体に記憶する記憶処理部と、車線を走行する車両の後方ナンバープレートのナンバープレート情報を取得する第2後方ナンバープレート情報取得部と、前記ナンバープレート情報に関連付けられた被牽引車の軸数を示す情報を含む被牽引車情報を前記被牽引車情報テーブルから取得して、前記車両が牽引する前記被牽引車の軸数を決定する軸数決定部と、を備える。
【0009】
本開示の一態様によれば、軸数決定システムは、軸数記録装置と、軸数決定装置と、前記軸数記録装置および前記軸数決定装置と通信可能に接続され、前記軸数記録装置から送信された被牽引車情報を記憶するとともに、前記軸数決定装置が指定するナンバープレート情報と関連付けられた前記被牽引車情報を前記軸数決定装置に送信する上位装置と、を備える。
【0010】
本開示の一態様によれば、軸数決定システムは、軸数記録装置と、軸数決定装置と、前記軸数記録装置および前記軸数決定装置と通信可能に接続され、前記軸数記録装置から送信された複数の前記被牽引車情報からなる被牽引車情報テーブルを、前記軸数決定装置に配信する上位装置と、を備える。
【0011】
本開示の一態様によれば、軸数記録装置と、軸数決定装置と、上位装置とを用いた軸数決定方法は、前記軸数記録装置が、第1料金所の車線を走行する車両の後方ナンバープレートのナンバープレート情報を取得するステップと、前記軸数記録装置が、前記第1料金所の車線を走行する前記車両に搭載された車載器から、前記車両の軸数を含む車載器情報を取得するステップと、前記軸数記録装置が、車軸検知装置の検知情報に基づいて検出した前記車両の総軸数が、前記車載器情報に含まれる前記車両の軸数よりも大きい場合に、前記車両が牽引する被牽引車の軸数を検出するステップと、前記軸数記録装置が、前記被牽引車の前記ナンバープレート情報および前記軸数を関連付けた被牽引車情報を前記上位装置に送信するステップと、前記軸数決定装置が、第2料金所の車線を走行する車両の後方ナンバープレートのナンバープレート情報を取得するステップと、前記軸数決定装置が、前記上位装置から、前記ナンバープレート情報に関連付けられた被牽引車の軸数を示す情報を含む被牽引車情報を取得して、前記車両が牽引する前記被牽引車の軸数を決定するステップと、を有する。
【0012】
本開示の一態様によれば、プログラムは、車線を走行する車両の後方ナンバープレートのナンバープレート情報を取得するステップと、前記車両に搭載された車載器から、前記車両の軸数を含む車載器情報を取得するステップと、車軸検知装置の検知情報に基づいて検出した前記車両の総軸数が、前記車載器情報に含まれる前記車両の軸数よりも大きい場合に、前記車両が牽引する被牽引車の軸数を検出するステップと、前記被牽引車の前記ナンバープレート情報および前記軸数を関連付けた被牽引車情報を上位装置に送信するステップと、を軸数記録装置のコンピュータに実行させる。
【0013】
本開示の一態様によれば、プログラムは、車線を走行する車両の後方ナンバープレートのナンバープレート情報を取得するステップと、上位装置から、前記ナンバープレート情報に関連付けられた被牽引車の軸数を示す情報を含む被牽引車情報を取得して、前記車両が牽引する前記被牽引車の軸数を決定するステップと、を軸数決定装置のコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0014】
本開示に係る軸数記録装置、軸数決定装置、軸数決定システム、軸数決定方法、およびプログラムによれば、車軸検知装置が設置されている料金所で検知された車両の軸数に関する情報が、車軸検知装置が設置されていない料金所で利用可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本開示の第1の実施形態に係る軸数決定システムの全体構成を示す図である。
図2】本開示の第1の実施形態に係る軸数記録装置の機能構成を示す図である。
図3】本開示の第1の実施形態に係る軸数決定装置の機能構成を示す図である。
図4】本開示の第1の実施形態に係る上位装置の機能構成を示す図である。
図5】本開示の第1の実施形態に係る軸数記録処理の一例を示すフローチャートである。
図6】本開示の第1の実施形態に係る軸数記録装置の機能を説明するための図である。
図7】本開示の第1の実施形態に係る被牽引車情報テーブルの一例を示す図である。
図8】本開示の第1の実施形態に係る軸数決定処理の一例を示すフローチャートである。
図9】本開示の第1の実施形態に係る軸数決定装置の機能を説明するための図である。
図10】本開示の第2の実施形態に係る軸数決定システムの全体構成を示す図である。
図11】本開示の第2の実施形態に係る軸数記録処理の一例を示すフローチャートである。
図12】本開示の第3の実施形態に係る軸数決定システムの全体構成を示す図である。
図13】本開示の第3の実施形態に係る軸数決定装置の機能構成を示す図である。
図14】本開示の第3の実施形態に係る軸数決定処理の一例を示すフローチャートである。
図15】本開示の変形例1に係る軸数決定システムの全体構成を示す図である。
図16】本開示の変形例2に係る軸数決定装置の機能構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<第1の実施形態>
以下、本開示の第1の実施形態に係る軸数決定システム1、軸数記録装置20、および軸数決定装置30について、図1図9を参照しながら説明する。
【0017】
(全体構成)
図1は、本開示の第1の実施形態に係る軸数決定システムの全体構成を示す図である。
図1に示すように、軸数決定システム1は、複数の第1料金所TB1それぞれに設置された第1料金所システム2と、複数の第2料金所TB2それぞれに設置された第2料金所システム3と、上位装置10とを備えている。なお、本実施形態において、第1料金所TB1は入口料金所であり、第2料金所TB2は出口料金所である。
【0018】
第1料金所システム2は、軸数記録装置20と、第1後撮カメラ21と、車両検知器22と、車軸検知装置23と、第1通信アンテナ24とを備えている。第1料金所TB1は、車軸検知装置23の設置が可能な料金所である。また、第1料金所システム2は、電子式料金収受システム(Electronic Toll Collection System;ETC(登録商標)。以下、「ETCシステム」とも記載する。)の技術を利用して、無線通信を介して、第1料金所TB1を通過する車両Aの車載器αに入口情報を書き込む。入口情報には、車両Aが通過した第1料金所TB1の料金所番号、通過日時などが含まれる。
【0019】
第1後撮カメラ21は、車線L1の最も上流側(-X側)において、下流側(+X側)を向くようにガントリ上に設置される。第1後撮カメラ21は、車線L1の上空から、車線L1を走行する車両Aの後方ナンバープレートを撮影する。第1後撮カメラ21が撮影した画像は、軸数記録装置20に送信され、軸数記録装置20により後方ナンバープレートのナンバープレート情報(以下、「NP情報」とも記載する。)を読み取る際に使用される。
【0020】
たとえば、第1後撮カメラ21は、常時、車線L1を撮影し、車両Aの所定の画像処理により、撮影した画像から車両Aのナンバープレートが検出された場合に、この画像を軸数記録装置20に送信する。また、第1後撮カメラ21は、たとえば、後述の車両検知器22により、車線L1の車両検知位置X1において存在が検知されていた車両Aが非検知になったタイミングで、車両Aの後方ナンバープレートを撮影するようにしてもよい。この場合、第1後撮カメラ21の撮影範囲が車両検知位置X1を含むように、設置位置が調整される。
【0021】
車両検知器22は、車線L1の延びる方向(以下、「車線方向」とも記載する。)の車両検知位置X1において、車線L1の路側に設置される。車両検知器22は、車両検知位置X1における車両Aの存在の有無を示す車両検知信号を軸数記録装置20に出力する。車両検知器22は、いわゆる透過型の車両検知器であってもよいし、反射型の車両検知器であってもよい。
【0022】
車軸検知装置23は、車両Aの軸数を検出するための装置である。本実施形態に係る車軸検知装置23は、車両検知位置X1において、車線L1の路面に敷設された踏板である。車軸検知装置23は、車両検知器22が車両Aの存在を検出している期間、当該車両Aのタイヤによる踏み付けを検出して、車両Aの軸数を検出可能な検知情報(検知信号)を軸数記録装置20に出力する。なお、他の実施形態では、車軸検知装置23は、車両Aのタイヤを撮影するカメラ、または車両Aのタイヤを走査するレーザスキャナであってもよい。
【0023】
第1通信アンテナ24は、車両検知器22よりも車線方向の下流側(+X側)のガントリ上に設置される。第1通信アンテナ24は、車両Aに搭載された車載器αと無線通信を介して各種情報の送受信を行う。本実施形態に係る第1通信アンテナ24は、車載器αから車載器情報D2を受信する。車載器情報D2には、詳しくは後述するが、車両A(牽引車A1)に関する情報であって、NP情報、車種、軸数、牽引可否を示す情報(牽引装置の有無を示す情報)などが含まれる。また、第1通信アンテナ24は、車載器αに入口情報を書き込む。
【0024】
軸数記録装置20は、第1通信アンテナ24を介して取得した車載器情報D2に牽引可能であることを示す情報が含まれ、且つ、車軸検知装置23で検出された車両Aの軸数が車載器情報に含まれる軸数よりも多い場合、第1料金所TB1の車線L1を走行する車両Aが牽引車A1および被牽引車A2からなる連結車両であると判断し、被牽引車A2の軸数を検出する。また、軸数記録装置20は、検出した被牽引車A2の軸数を含む被牽引車情報D1を上位装置10に送信して記録する。
【0025】
第2料金所システム3は、出口料金所である第2料金所TB2において、ETCシステムの技術を利用して、車両Aから通行料金を収受する。第2料金所システム3は、軸数決定装置30と、第2後撮カメラ31と、第2通信アンテナ32と、車種判別装置33とを備えている。第2料金所TB2は、立地条件等の理由により、車種判別に用いる各種機器(特に車軸検知装置23)の設置が困難な料金所である。たとえば、第2料金所TB2は、高架橋上、車線L2の路面に車軸検知装置23(踏板)を敷設することが困難な場所に設けられた料金所である。
【0026】
第2後撮カメラ31は、車線L2の最も上流側(-X側)において、下流側(+X側)を向くようにガントリ上に設置される。第2後撮カメラ31は、車線L2の上空から、車線L2を走行する車両Aの後方ナンバープレートを撮影する。第2後撮カメラ31が撮影した画像は、軸数決定装置30に送信され、軸数決定装置30により後方ナンバープレートのNP情報(後方NP情報)を読み取る際に使用される。
【0027】
また、第2後撮カメラ31の撮影タイミングは、第1後撮カメラ21と同様である。たとえば、第2後撮カメラ31は、常時、車線L1を撮影するようにしてもよい。また、第2後撮カメラ31は、所定の車両検知位置を撮影範囲に設定し、車両検知器(不図示)により、車両検知位置において存在が検知されていた車両Aが非検知となったタイミングで撮影を行うようにしてもよい。
【0028】
第2通信アンテナ32は、第2後撮カメラ31よりも車線方向の下流側(+X側)のガントリ上に設置される。第2通信アンテナ32は、車両Aに搭載された車載器αと無線通信を介して各種情報の送受信を行う。本実施形態に係る第2通信アンテナ32は、車載器αから車載器情報D2を受信する。
【0029】
車種判別装置33は、車載器情報D2に含まれる車種、および後述の軸数決定装置30が決定した軸数に基づいて、車両Aの車種を判別する。
【0030】
軸数決定装置30は、第2後撮カメラ31が撮影した画像から読み取った後方NP情報と、車載器情報D2に含まれるNP情報とが一致しない場合、且つ、車載器情報D2に牽引可能であることを示す情報が含まれる場合に、車両Aが牽引車A1および被牽引車A2からなる連結車両であると判断する。この場合、軸数決定装置30は、第2後撮カメラ31が撮影した画像から読み取った後方NP情報に紐づく被牽引車情報D1を上位装置10から取得して、被牽引車A2の軸数、および車両Aの総軸数を決定する。
【0031】
上位装置10は、軸数記録装置20および軸数決定装置30と通信可能に接続され、軸数記録装置20から送信された被牽引車情報D1を記憶する。また、上位装置10は、軸数決定装置30が指定する後方NP情報と関連付けられた被牽引車情報D1を軸数決定装置30に送信する。
【0032】
(軸数記録装置の機能構成)
図2は、本開示の第1の実施形態に係る軸数記録装置の機能構成を示す図である。
図2に示すように、軸数記録装置20は、CPU200を備えている。CPU200は、軸数記録装置20の動作全体を司るプロセッサである。CPU200は、所定のプログラムにしたがって動作することにより、第1後方ナンバープレート情報取得部(第1後方NP情報取得部)201、第1車載器情報取得部202、軸数検出部203、送信部204としての機能を発揮する。
【0033】
第1後方NP情報取得部201は、第1後撮カメラ21が撮影した画像に所定の画像処理を施すことにより、車両Aの後方ナンバープレートのNP情報(後方NP情報)を取得する。NP情報は、ナンバープレート上に表記された地名、分類番号、コード、一連番号を含む。また、NP情報は、ナンバープレートのサイズ、色をさらに含んでもよい。
【0034】
牽引車A1および被牽引車A2には、それぞれ個別のナンバープレートが付されている。
牽引車A1に被牽引車A2が連結されている場合、第1後撮カメラ21により、被牽引車A2のナンバープレートが撮影される。したがって、この場合、第1後方NP情報取得部201が取得するNP情報は、被牽引車A2のNP情報である。
一方、被牽引車A2が連結されていない場合、第1後撮カメラ21により、牽引車A1のナンバープレートが撮影される。この場合、第1後方NP情報取得部201が取得するNP情報は、牽引車A1のNP情報である。
【0035】
第1車載器情報取得部202は、第1通信アンテナ24を介して、車両Aに搭載された車載器αから、車両Aの牽引可否を示す情報、および牽引車A1の軸数を示す情報を含む車載器情報D2を取得する。
【0036】
軸数検出部203は、車両Aの総軸数を検出する。また、軸数検出部203は、第1通信アンテナ24を介して取得した車載器情報D2に牽引可能を示す情報が含まれ、且つ、車軸検知装置23で検出された車両Aの軸数が車載器情報に含まれる軸数よりも多い場合に、車両Aが牽引車A1および被牽引車A2からなる連結車両であると判断する。この場合、軸数検出部203は、車軸検知装置23の検知情報に基づく車両Aの総軸数から、車載器情報D2に含まれる牽引車A1の軸数を差し引いて、被牽引車A2の軸数を検出する。
【0037】
送信部204は、被牽引車A2のNP情報(後方NP情報)および被牽引車A2の軸数を関連付けた被牽引車情報D1を上位装置10に送信する。
【0038】
(軸数決定装置の機能構成)
図3は、本開示の第1の実施形態に係る軸数決定装置の機能構成を示す図である。
図3に示すように、軸数決定装置30は、CPU300を備えている。CPU300は、軸数決定装置30の動作全体を司るプロセッサである。CPU300は、所定のプログラムにしたがって動作することにより、第2後方ナンバープレート情報取得部(第2後方NP情報取得部)301、第2車載器情報取得部302、軸数決定部303としての機能を発揮する。
【0039】
第2後方NP情報取得部301は、第2後撮カメラ31が撮影した画像に所定の画像処理を施すことにより、車両Aの後方ナンバープレートのNP情報(後方NP情報)を取得する。
牽引車A1に被牽引車A2が連結されている場合、第2後撮カメラ31により、被牽引車A2のナンバープレートが撮影される。したがって、この場合、第2後方NP情報取得部301が取得するNP情報は、被牽引車A2のNP情報である。
一方、被牽引車A2が連結されていない場合、第2後撮カメラ31により、牽引車A1のナンバープレートが撮影される。この場合、第2後方NP情報取得部301が取得するNP情報は、牽引車A1のNP情報である。
【0040】
第2車載器情報取得部302は、第2通信アンテナ32を介して、車両Aに搭載された車載器αから、車両Aの牽引可否を示す情報、牽引車A1の軸数を示す情報を含む車載器情報D2を取得する。
【0041】
軸数決定部303は、上位装置10から、車両Aの後方NP情報に関連付けられた被牽引車情報D1を取得して、被牽引車A2の軸数を決定する。また、軸数決定部303は、車載器情報D2に含まれる牽引車A1の軸数と、被牽引車情報D1に含まれる被牽引車A2の軸数とを合計して、車両Aの総軸数をさらに決定する。
【0042】
(上位装置の機能構成)
図4は、本開示の第1の実施形態に係る上位装置の機能構成を示す図である。
図4に示すように、上位装置10は、CPU100と、記憶媒体110とを備えている。
【0043】
CPU100は、上位装置10の動作全体を司るプロセッサである。CPU100は、所定のプログラムにしたがって動作することにより、記録処理部101、検索処理部102としての機能を発揮する。
【0044】
記録処理部101は、複数の第1料金所TB1に設置された軸数記録装置20それぞれから受信した被牽引車情報D1を、記憶媒体110の被牽引車情報テーブルT1に追加して記憶する。
【0045】
検索処理部102は、記憶媒体110の被牽引車情報テーブルT1から、軸数決定装置30から指定された後方NP情報に関連付けられた被牽引車情報D1を検索して、軸数決定装置30に送信する。
【0046】
記憶媒体110には、被牽引車情報テーブルT1が記憶される。
【0047】
(軸数記録処理のフロー)
図5は、本開示の第1の実施形態に係る軸数記録処理の一例を示すフローチャートである。
図6は、本開示の第1の実施形態に係る軸数記録装置の機能を説明するための図である。
以下、図5図6を参照しながら、被牽引車A2の軸数を記憶する処理の流れについて説明する。
【0048】
車両Aが第1料金所TB1に到来すると、第1後撮カメラ21により、当該車両Aの後方ナンバープレートが撮影される。そうすると、第1後方NP情報取得部201は、第1後撮カメラ21が撮影した画像に所定の画像処理を施して、車両Aの後方ナンバープレートのNP情報(後方NP情報)を取得する(ステップS100)。
【0049】
次に、第1車載器情報取得部202は、第1通信アンテナ24を介して、車両Aの車載器αから車載器情報D2を取得する(ステップS101)。
【0050】
図6に示すように、車載器情報D2には、「車載器ID」と、「NP情報」と、「車種」と、「牽引フラグ」と、「軸数」とが含まれる。「車載器ID」は、車載器αを特定可能な識別情報である。「NP情報」は、車載器αが搭載されている車両(牽引車A1)のNP情報である。「車種」は、車両Aの車種(特大車、大型車、中型車、普通車等)を示す情報である。「車種」には単独車両としての車種(すなわち、牽引車A1の車種)が設定される。「牽引フラグ」は、車両Aが被牽引車A2を牽引するための牽引装置を有しているか否かを示す情報である。「軸数」は、車両Aの軸数を示す情報である。「軸数」には単独車両としての軸数(すなわち、牽引車A1の軸数)が設定される。
【0051】
次に、軸数検出部203は、車両検知器22が車両Aの存在を検出している期間に車軸検知装置23から取得した検知情報に基づいて、車両Aの各軸のタイヤによる踏み付け回数をカウントして、車両Aの総軸数を検出する(ステップS102)。車両検知器22は、連結車両であっても、牽引車A1の車頭から被牽引車A2の車尾が車両検知位置X1を通過するまで継続して車両検知信号を出力する。このとき、軸数検出部203は、牽引車A1および被牽引車A2を一台の車両として認識するので、牽引車A1および被牽引車A2の両方のタイヤによる踏み付け回数をカウントして、車両Aの総軸数を検出する。したがって、連結車両の総軸数は、牽引車A1の軸数と被牽引車A2の軸数とを合計した数となる。
【0052】
なお、車軸検知装置23がカメラまたはレーザスキャナである場合は、機械学習、パターンマッチング等の技術を使用して、カメラが撮影した画像またはレーザスキャナのスキャン結果から、車両Aのタイヤを検出する。軸数検出部203は、検出されたタイヤの個数に基づいて、車両Aの総軸数を検出する。
【0053】
また、軸数検出部203は、車両Aが被牽引車A2を牽引しているか(連結車両であるか)否かを判断する(ステップS103)。軸数検出部203は、検出した車両Aの総軸数と、車載器情報D2に含まれる軸数とが同数である場合、当該車両Aは被牽引車A2を牽引していないと判断して(ステップS103:NO)、車両Aに対する処理を終える。つまり、軸数検出部203は、車載器情報D2に含まれる牽引フラグが「牽引装置あり」であっても、車両Aの実際の総軸数と、車載器情報D2に含まれる軸数が同数であれば、牽引車A1が単独走行していると判断する。
【0054】
一方、軸数検出部203は、車載器情報D2に含まれる牽引フラグが「牽引装置あり」であり、且つ、検出した車両Aの総軸数が、車載器情報D2に含まれる軸数よりも多い場合、当該車両Aは被牽引車A2を牽引していると判断する(ステップS103:YES)。たとえば、図6に示すように、車載器情報D2には、車両A(牽引車A1)の軸数は「2」であると設定されていたとする。一方、軸数検出部203が検出した車両Aの総軸数は「4」であったとする。この場合、車載器情報D2に設定されていた車両Aの軸数よりも、実際に検出された車両Aの総軸数の方が多いので、軸数検出部203は、車両Aが被牽引車A2を牽引していると判断する。この場合、軸数検出部203は、検出した総軸数から、車載器情報D2に含まれる牽引車A1の軸数を減じて、被牽引車A2の軸数を検出する(ステップS104)。図6の例では、被牽引車A2の軸数は、「総軸数(4)-牽引車A1の軸数(2)=2」である。
【0055】
また、軸数検出部203は、検出した被牽引車A2の軸数と、第1後方NP情報取得部201が取得した被牽引車A2のNP情報(後方NP情報)とを関連付けた被牽引車情報D1を作成し、上位装置10に送信して(ステップS105)、車両Aに対する処理を終える。
【0056】
また、上位装置10の記録処理部101は、軸数記録装置20から被牽引車情報D1を受信すると(ステップS110)、この被牽引車情報D1を被牽引車情報テーブルT1に記録する。
【0057】
図7は、本開示の第1の実施形態に係る被牽引車情報テーブルの一例を示す図である。
図7に示すように、被牽引車情報テーブルT1には、「NP情報(後方NP情報)」と、「被牽引車軸数情報」とが関連付けられた情報が記録されている。「被牽引車軸数情報」は、被牽引車A2の軸数がn軸(たとえば、1軸、2軸、または3軸)であると検出された回数を示す情報である。記録処理部101は、軸数記録装置20から受信した被牽引車情報D1に基づいて、NP情報で特定される被牽引車A2それぞれの軸数の検出回数を記録する。図6図7の例のように、軸数記録装置20から受信した被牽引車情報D1は、被牽引車A2のNP情報が「神戸100あ12-34」であり、被牽引車軸数が「2」であったとする。この場合、記録処理部101は、被牽引車情報D1のNP情報と一致するNP情報を検索し、検索された項目(図7のNo.1)の「2軸」の検出回数に1を加算して、被牽引車軸数情報を更新する(ステップS111)。なお、被牽引車情報テーブルT1に、被牽引車情報D1のNP情報と同一のものが登録されていない場合、記録処理部101は、被牽引車情報テーブルT1に新たなNP情報および被牽引車軸数情報を追加する。
【0058】
また、被牽引車A2は、リフトアスクル機構を有している場合がある。リフトアスクル機構は、被牽引車A2の積荷の重量に応じて、被牽引車A2の一部の車軸のタイヤをリフトアップする機構である。リフトアスクル機構を有する被牽引車A2は、走行毎に軸数記録装置20により検出される軸数が異なる可能性がある。このため、記録処理部101は、各被牽引車A2について、どの軸数が何回検出されたかを被牽引車情報テーブルT1に記録している。これにより、被牽引車情報テーブルT1に異なる軸数が検出されたことが記録されている場合、この被牽引車A2はリフトアスクル機構により軸数が変化する車両であることを知ることができる。図7の例では、No.2に記録された被牽引車A2は、1軸および2軸の両方の被牽引車軸数が検出されている。したがって、No.2に記録された被牽引車A2は、リフトアスクル機構により、1軸で走行するケースと、2軸で走行するケースとがあることが分かる。
【0059】
軸数記録装置20は、第1料金所TB1に車両Aが到来する度に、図5に示す一連の処理を実行する。また、上位装置10は、軸数記録装置20から被牽引車情報D1を受信する度に、図5に示す一連の処理を実行する。
【0060】
(軸数決定処理のフロー)
図8は、本開示の第1の実施形態に係る軸数決定処理の一例を示すフローチャートである。
図9は、本開示の第1の実施形態に係る軸数決定装置の機能を説明するための図である。
以下、図8図9を参照しながら、被牽引車A2の軸数を決定する処理の流れについて説明する。
【0061】
車両Aが第2料金所TB2に到来すると、第2後撮カメラ31により、当該車両Aの後方ナンバープレートが撮影される。そうすると、第2後方NP情報取得部301は、第2後撮カメラ31が撮影した画像に所定の画像処理を施して、車両Aの後方ナンバープレートのNP情報(後方NP情報)を取得する(ステップS120)。
【0062】
次に、第2車載器情報取得部302は、第2通信アンテナ32を介して、車両Aの車載器αから車載器情報D2を取得する(ステップS121)。
【0063】
また、軸数決定部303は、車両Aが連結車両である可能性があるか否かを判断する(ステップS122A、ステップS122B)。まず、軸数決定部303は、車両Aの後方NP情報と、車載器情報D2に含まれるNP情報とが一致する場合、車両Aは単独車両である(連結車両ではない)と判断する(ステップS122A:YES)。この場合、軸数決定部303は、牽引なし、すなわち、被牽引車軸数は「0」であると決定して(ステップS127)、車両Aに対する処理を終了する。たとえば、車両Aがトレーラヘッドなどの牽引車A1単体で走行していた場合、後方NP情報と、車載器情報D2のNP情報とが一致する。このように、軸数決定部303は、車両Aがトレーラヘッドのように牽引の有無が変化する車両であったとしても、NP情報に基づいて単独車両であるか連結車両であるかを識別することができる。
【0064】
後方NP情報と車載器情報D2に含まれるNP情報とが一致しない場合(ステップS122A:NO)、軸数決定部303は、車載器情報D2の牽引フラグをさらに参照する(ステップS122B)。
軸数決定部303は、後方NP情報と車載器情報D2のNP情報とが一致せず、且つ、車載器情報D2の牽引フラグが「牽引装置なし」である場合(ステップS122A:NO、且つ、S122B:NO)、車両Aの後方NP情報または車載器情報D2が異常の可能性があると判断する。この場合、軸数決定部303は、監視員に被牽引車A2の有無を確認し、車両Aの軸数を入力するように促す通知を行う(ステップS128)。監視員は、料金所事務所に設置された監視装置(不図示)を介して、第2料金所TB2の監視カメラ(不図示)の映像を確認し、被牽引車A2の有無、被牽引車A2の軸数などの入力操作を行う。軸数決定部303は、監視員に入力された情報に基づき被牽引車A2の有無、および被牽引車A2の軸数を決定する(ステップS129)。
【0065】
一方、軸数決定部303は、後方NP情報と車載器情報D2に含まれるNP情報とが一致せず、且つ、車載器情報D2に車両Aが牽引装置を有していることを示す情報が含まれている場合(ステップS122A:NO、且つ、S122B:YES)、車両Aは連結車両であると判断する。この場合、軸数決定部303は、ステップS120で取得したNP情報に関連する被牽引車情報D1を上位装置10に要求する(ステップS123)。
【0066】
上位装置10の検索処理部102は、軸数決定装置30から要求を受信すると(ステップS130)、被牽引車情報テーブルT1(図7)を参照し、軸数決定装置30に指定されたNP情報が存在するか判断する(ステップS131)。
【0067】
検索処理部102は、被牽引車情報テーブルT1に軸数決定装置30に指定されたNP情報が記録されている場合(ステップS131:YES)、このNP情報と、検出回数が1以上の軸数とを組み合わせた被牽引車情報D1を軸数決定装置30に送信する(ステップS132)。たとえば、軸数決定装置30から指定されたNP情報が「神戸100あ12-34」であったとする。また、図7の例では、被牽引車情報テーブルT1のNo.1に当該NP情報に関連する被牽引車A2の情報が記録されている。このNo.1の被牽引車A2については、「2軸」の検出回数が10回であり、「1軸」および「3軸」の検出回数が0回である。したがって、当該被牽引車A2の軸数は「2」である。このとき、検索処理部102は、図9に示すように、被牽引車情報テーブルT1から抽出したNP情報「神戸100あ12-34」および軸数「2」からなる被牽引車情報D1を、軸数決定装置30に送信する。
【0068】
また、図7の例では、被牽引車情報テーブルT1のNo.2に関連する被牽引車A2については、「1軸」と「2軸」の両方が検出されたことが記録されている。この場合、検索処理部102は、被牽引車情報D1の軸数に複数の値(「1または2」)を含めて軸数決定装置30に送信する。また、他の実施形態では、検索処理部102は、検出回数が多い方の値(図7の例では「2」)を採用してもよい。さらに他の実施形態では、検索処理部102は、検出回数が1以上の軸数のうち、軸数が多い方の値(図7の例では「2」)、または少ない方の値(図7の例では「1」)を採用してもよい。複数の値を採用するか、いずれか一方の値を採用するかは、有料道路の管理者等により、任意に設定可能である。
【0069】
一方、検索処理部102は、被牽引車情報テーブルT1に軸数決定装置30に指定されたNP情報が記録されていない場合(ステップS131:NO)、被牽引車軸数の記録が無いことを示す被牽引車情報D1(たとえば、軸数の値が無効値)を軸数決定装置30に送信する(ステップS133)。
【0070】
次に、軸数決定装置30の軸数決定部303は、上位装置10から被牽引車情報D1を取得する(ステップS124)。
【0071】
軸数決定部303は、車両Aが連結車両である場合(ステップS122A:NO、且つ、S122B:YES)、上位装置10から取得した被牽引車情報D1から、被牽引車A2の軸数を特定できるか判断する(ステップS125)。たとえば、被牽引車軸数の記録がない場合(ステップS125:NO)、すなわち、被牽引車情報D1の軸数の値が無効値である場合、車両Aの後方NP情報の誤認識などの異常が生じた可能性があると判断する。この場合、軸数決定部303は、監視員に被牽引車A2の有無を確認し、被牽引車A2の軸数を入力するように促す通知を行う(ステップS128)。軸数決定部303は、監視員に入力された情報に基づき被牽引車A2の有無および被牽引車A2の軸数を決定する(ステップS129)。
【0072】
また、軸数決定部303は、被牽引車情報D1の軸数に複数の値が含まれており、被牽引車A2の軸数を特定できない場合(ステップS125:NO)、監視員に被牽引車A2を確認して、正しい軸数を選択するように促す通知を行う(ステップS128)。軸数決定部303は、監視員に入力(選択)された情報に基づき被牽引車A2の軸数を決定する(ステップS129)。
【0073】
一方、軸数決定部303は、被牽引車A2の軸数が特定できる場合(ステップS125:YES)、すなわち、被牽引車情報D1の軸数の値が一つのみ入力されている場合、軸数決定部303は、被牽引車情報D1に含まれる軸数が被牽引車A2の軸数であると決定する(ステップS126)。
【0074】
図8の一連の処理において軸数決定装置30が決定した車両Aの被牽引車軸数、および車載器αから取得した車載器情報D2は、車種判別装置33に送信され、車両Aの車種を判別する処理に用いられる。車種判別装置33は、既知の技術を利用して、車両Aの車種を判別する。たとえば、車種判別装置33は、車両Aが被牽引車を牽引していない単独車両である場合、車載器情報D2に含まれる車種に基づいて、車両Aの車種を特定する。また、車種判別装置25は、車両Aが連結車両である場合、車載器情報D2に含まれる車種(すなわち、牽引車A1の車種)を、被牽引車A2の軸数に応じてランクアップさせて、車両Aの車種を特定する。
【0075】
なお、本実施形態では、被牽引車情報D1の軸数に複数の値が含まれている場合、軸数決定部303が監視員に通知して正しい軸数を選択させる態様を例として説明したが、これに限られることはない。他の実施形態では、軸数決定部303は、いずれか一方の軸数(たとえば、少ない方の軸数)を、被牽引車A2の軸数であると仮に決定してもよい。この場合、軸数決定部303は、決定した被牽引車A2の軸数に、被牽引車A2の軸数が異なっている可能性があることを示すフラグを付して、車種判別装置33および上位装置10に送信する。車種判別装置33は、一旦、軸数決定部303が決定した被牽引車A2の軸数に基づいて車種判別を行う。また、フラグ付きの車両Aについては、被牽引車A2の軸数、および車種判別装置33が判別した車両Aの車種と、監視カメラの画像とを上位装置10の記憶媒体110に保存しておき、集計処理の際にまとめて軸数及び車種を訂正する処理を行うようにしてもよい。このようにすることで、車両Aがリフトアスクル機構により軸数が可変の被牽引車A2を牽引していた場合であっても、車両Aの正しい軸数および車種に基づく通行料金を課金することが可能となる。
【0076】
軸数決定装置30は、第2料金所TB2に車両Aが到来する度に、図8に示す一連の処理を実行する。また、上位装置10は、軸数決定装置30から被牽引車情報D1を要求される度に、図8に示す一連の処理を実行する。
【0077】
(作用効果)
以上のように、本実施形態に係る軸数記録装置20は、第1料金所TB1の車線L1を走行する車両Aの後方ナンバープレートのNP情報を取得する第1後方NP情報取得部201と、車両Aに搭載された車載器αから車載器情報D2を取得する第1車載器情報取得部202と、車軸検知装置23の検知情報に基づいて検出した車両Aの総軸数が、車載器情報D2に含まれる車両Aの軸数よりも大きい場合に、車両Aが牽引する被牽引車A2の軸数を検出する軸数検出部203と、被牽引車A2のNP情報および被牽引車A2の軸数を関連付けた被牽引車情報D1を上位装置10に送信する送信部204と、を備える。
【0078】
このようにすることで、軸数記録装置20は、被牽引車A2の軸数を含む被牽引車情報D1を、上位装置10を介して複数の料金所と共有することができる。これにより、車軸検知装置23を設置できない料金所においても、この被牽引車情報D1を参照して、被牽引車A2の軸数を知ることが可能となる。
【0079】
また、軸数検出部203は、車軸検知装置23の検知情報に基づく車両Aの総軸数から、車載器情報D2に含まれる牽引車A1の軸数を減じて、被牽引車A2の軸数を検出する。
【0080】
このようにすることで、軸数記録装置20は、被牽引車A2の軸数を自動的に検出することができる。
【0081】
また、本実施形態に係る軸数決定装置30は、第2料金所TB2の車線L2を走行する車両Aの後方ナンバープレートのNP情報を取得する第2後方NP情報取得部301と、上位装置10からNP情報に関連付けられた被牽引車情報D1を取得して、被牽引車A2の軸数を決定する軸数決定部303と、を備える。
【0082】
このようにすることで、軸数決定装置30は、立地条件等の理由で車軸検知装置が設置困難な第2料金所TB2であっても、他の料金所で検出された被牽引車A2の軸数を、上位装置10を介して知ることができる。
【0083】
また、軸数決定装置30は、車両Aに搭載された車載器αから車載器情報D2を取得する第2車載器情報取得部302をさらに備える。軸数決定部は、車載器情報D2に含まれる牽引車A1の軸数と、被牽引車情報D1に含まれる被牽引車A2の軸数とを合計して、車両Aの総軸数をさらに決定する。
【0084】
従来の技術では、車載器情報には牽引車の軸数しか含まれていないので、車軸検知装置がなければ、被牽引車の軸数および車両の総軸数を検出することができなかった。したがって、従来の技術では、料金所に車軸検知装置を設置することが必須であった。しかしながら、本実施形態に係る軸数決定装置30は、上記した構成を有していることにより、車軸検知装置を使わずに、被牽引車A2の軸数および車両Aの総軸数を特定することができる。
【0085】
また、軸数決定部303は、車載器情報D2に車両Aが牽引装置を有していることを示す情報が含まれている場合、上位装置10から被牽引車情報D1を取得する。
【0086】
このようにすることで、軸数決定装置30は、車両Aが牽引装置を有しており、被牽引車A2を牽引している可能性が高い場合のみ、上位装置10から被牽引車情報D1を取得するので、上位装置10との間の通信を低減させることができる。
【0087】
また、軸数決定部303は、後方NP情報と車載器情報D2のNP情報が一致し、且つ、車載器情報D2に車両Aが牽引装置を有していることを示す情報が含まれていない場合、被牽引車A2の軸数は「0」であり、車両Aの総軸数は車載器情報D2に含まれる軸数と同数であると決定する。
【0088】
このようにすることで、軸数決定装置30は、後方NP情報および車載器情報D2から、車両Aが単独車両であることを識別することができる。また、車両Aが単独車両である場合には、上位装置10との通信を行わないので、上位装置10との不要な通信を抑制することができる。また、軸数決定装置30は、上位装置10からの応答を待つ必要がないので、処理時間を短縮することができる。
【0089】
<第2の実施形態>
次に、本開示の第2の実施形態に係る軸数決定システム1および軸数記録装置20について、図10を参照しながら説明する。第1の実施形態と共通の構成要素には同一の符号を付して詳細説明を省略する。
【0090】
(全体構成)
図10は、本開示の第2の実施形態に係る軸数決定システムの全体構成を示す図である。
図10に示すように、本実施形態に係る軸数決定システム1において、第1料金所システム2は、第1通信アンテナ24に代えて、有人ブースに設置された料金収受機26を備えている。
【0091】
料金収受機26は、有人ブースに駐在する収受員が、車両Aの通行料金を収受する際に操作する機器である。料金収受機26は、軸数記録装置20および車種判別装置25と通信可能に接続されており、軸数記録装置20が取得した車両Aの後方NP情報および総軸数と、車種判別装置25が判別した車両Aの車種とを受信する。料金収受機26は、車種判別装置25から受信した車両Aの車種に基づいて、車両Aの通行料金を計算する。料金収受機26は、軸数記録装置20および車種判別装置25から受信した各種情報と、算出した通行料金とをモニタに表示して、収受員に通知する。収受員は通知された通行料金を車両Aの搭乗者から収受する。
【0092】
また、収受員は、料金収受機26に表示された情報と、有人ブースの位置で停車した車両Aとを目視確認し、車両Aが被牽引車A2を牽引している場合、被牽引車A2の軸数を料金収受機26に入力する。料金収受機26は、入力された被牽引車A2の軸数を軸数記録装置20に送信する。また、収受員は、車両Aの車種が誤っている場合、料金収受機26に正しい車種を入力する操作を行ってもよい。このとき、料金収受機26は、収受員により入力された訂正後の車種に基づいて、車両Aの通行料金を再計算する。
【0093】
本実施形態に係る軸数記録装置20において、軸数検出部203は、料金収受機26から受信した情報に基づいて、被牽引車A2の軸数を検出する。
【0094】
(軸数記録処理のフロー)
図11は、本開示の第2の実施形態に係る軸数記録処理の一例を示すフローチャートである。
以下、図11を参照しながら、被牽引車A2の軸数を記憶する処理の流れについて説明する。
【0095】
まず、第1後方NP情報取得部201は、第1後撮カメラ21が撮影した画像から車両Aの後方ナンバープレートのNP情報(後方NP情報)を取得する(ステップS200)。当該処理は第1の実施形態における処理(図5のステップS100)と同様である。
【0096】
次に、軸数検出部203は、車軸検知装置23から取得した検知情報に基づいて、車両Aの総軸数を検出する(ステップS201)。当該処理は第1の実施形態における処理(図5のステップS102)と同様である。また、軸数検出部203は、検出した車両Aの総軸数を、車種判別装置25および料金収受機26に送信する。
【0097】
また、軸数記録装置20の処理と並行して、料金収受機26は、車種判別装置25が判別した車両Aの車種に応じた通行料金を計算する(ステップS210)。
【0098】
収受員は、有人ブースの前に停車している車両Aを目視確認し、車両Aが被牽引車A2を牽引している場合、料金収受機26に被牽引車A2の軸数を入力する操作を行う。料金収受機26は、被牽引車A2の軸数の入力を受け付けた場合(ステップS211:YES)、軸数記録装置20に被牽引車A2があることを示す通知と、被牽引車A2の軸数と送信する(ステップS212)。
【0099】
一方、料金収受機26は、被牽引車A2の軸数の入力を受け付けなかった場合(ステップS211:NO)、軸数記録装置20に被牽引車A2がないこと通知する(ステップS213)。たとえば、収受員は、車両Aが被牽引車A2を牽引していない場合、通行料金を確定する操作を行う。この場合、料金収受機26は、被牽引車A2の軸数の入力を受け付けなかったと判断して、被牽引車なしの通知を行う。
【0100】
料金収受機26は、収受員より通行料金を確定する操作を受け付けると、算出した通行料金を収受する処理(現金等による支払いの受け付け、領収書の発行などの処理)を行い(ステップS214)、車両Aに対する処理を終了する。
【0101】
また、軸数記録装置20の軸数検出部203は、料金収受機26から被牽引車A2の有無を示す通知を受信する(ステップS202)。
【0102】
軸数検出部203は、被牽引車A2がないと通知された場合(ステップS203:NO)、車両Aに対する処理を終了する。
【0103】
一方、軸数検出部203は、被牽引車A2があると通知された場合(ステップS203:YES)、料金収受機26から受信した通知から、被牽引車A2の軸数を取得(検出)する(ステップS204)。
【0104】
また、軸数検出部203は、検出した被牽引車A2の軸数と、第1後方NP情報取得部201が取得した被牽引車A2のNP情報(後方NP情報)とを関連付けた被牽引車情報D1を作成し、上位装置10に送信して(ステップS205)、車両Aに対する処理を終える。
【0105】
上位装置10の処理は、第1の実施形態(図5)と同様であるため、説明を省略する。
【0106】
軸数記録装置20および料金収受機26は、第1料金所TB1に車両Aが到来する度に、図11に示す一連の処理を実行する。
【0107】
(作用効果)
以上のように、本実施形態に係る軸数記録装置20において、軸数検出部203は、第1料金所TB1の収受員が料金収受機26を介して入力した情報に基づいて、被牽引車A2の軸数を検出する。
【0108】
このようにすることで、軸数記録装置20は、車両AがETCシステム(第1の実施形態に係る第1料金所システム2)が設けられた車線を走行しなかった場合、または、車両Aが車載器αを搭載していない場合であっても、収受員によって入力された被牽引車A2の軸数を検出して記録することができる。
【0109】
<第3の実施形態>
次に、本開示の第3の実施形態に係る軸数決定システム1および軸数決定装置30について、図12図13を参照しながら説明する。第1および第2の実施形態と共通の構成要素には同一の符号を付して詳細説明を省略する。
【0110】
(全体構成)
図12は、本開示の第3の実施形態に係る軸数決定システムの全体構成を示す図である。
図12に示すように、本実施形態に係る軸数決定システム1において、第2料金所システム3は、第2通信アンテナ32に代えて、前撮カメラ34を備えている。
【0111】
前撮カメラ34は、第2後撮カメラ31よりも車線L2の下流側(+X側)において、上流側(-X側)を向くようにガントリ上に設置される。前撮カメラ34は、車線L2の上空から、車線L2を走行する車両Aの前方ナンバープレートを撮影する。前撮カメラ34が撮影した画像は、軸数決定装置30に送信され、軸数決定装置30により前方ナンバープレートのNP情報(前方NP情報)を読み取る際に使用される。
【0112】
(軸数決定装置の機能構成)
図13は、本開示の第3の実施形態に係る軸数決定装置の機能構成を示す図である。
図13に示すように、本実施形態に係る軸数決定装置30のCPU300は、前方ナンバープレート情報取得部(前方NP情報取得部)304をさらに有している。
【0113】
前方NP情報取得部304は、前撮カメラ34が撮影した画像に所定の画像処理を施すことにより、車両Aの前方ナンバープレートのNP情報(前方NP情報)を取得する。前方NP情報取得部304は、車両Aが連結車両であるか単独車両であるかに関わらず、車両A(牽引車A1)のNP情報を取得する。
【0114】
図14は、本開示の第3の実施形態に係る軸数決定処理の一例を示すフローチャートである。
以下、図14を参照しながら、被牽引車A2の軸数、および車両Aの総軸数を決定する処理の流れについて説明する。
【0115】
車両Aが第2料金所TB2に到来すると、第2後方NP情報取得部301は、第2後撮カメラ31が撮影した画像から車両Aの後方ナンバープレートのNP情報(後方NP情報)を取得する(ステップS300)。当該処理は、第1の実施形態の処理(図8のステップS120)と同様である。
【0116】
また、前方NP情報取得部304は、前撮カメラ34が撮影した画像から車両Aの前方ナンバープレートのNP情報(前方NP情報)を取得する(ステップS301)。
【0117】
次に、軸数決定部303は、車両Aが連結車両であるか否かを判断する(ステップS302)。本実施形態に係る軸数決定部303は、前方NP情報と後方NP情報が同一である場合(ステップS302:NO)、車両Aは単独車両であると判断する。以降の処理(ステップS307)は、第1の実施形態の処理(図8のステップS127)と同様である。
【0118】
一方、軸数決定部303は、前方NP情報と後方NP情報が異なる場合(ステップS302:YES)、車両Aは連結車両であると判断する。以降の被牽引車A2の軸数を決定する処理(ステップS303~S306、S308~S309)は、第1の実施形態の処理(図8のステップS123~S126、S128~S129)と同様である。なお、車種判別装置33は、前方NP情報および被牽引車A2の軸数に基づいて、車両Aの車種を判別する。車種判別装置33は、車両Aの車種が特定できない場合は、監視員に通知して、監視員による車種の入力を受け付けるようにしてもよい。
【0119】
(作用効果)
以上のように、本実施形態に係る軸数決定装置30は、車両Aの前方ナンバープレートのNP情報を取得する前方NP情報取得部304をさらに備える。軸数決定部303は、車両Aの前方NP情報と後方NP情報とが異なっている場合、上位装置10から被牽引車情報D1を取得する。
【0120】
このようにすることで、軸数決定装置30は、車両Aが車載器αを搭載していない場合であっても、車両Aが被牽引車A2を牽引しているか否かを検出することができる。また、軸数決定装置30は、前方NP情報と後方NP情報とが異なっている場合は、車両Aが被牽引車A2を牽引していると確定することができる。軸数決定装置30は、車両Aが連結車両である場合のみ、上位装置10へ被牽引車情報D1を要求するので、上位装置10との間の通信を必要最低限に抑えることができる。
【0121】
上述の各実施形態においては、軸数記録装置20、軸数決定装置30、および上位装置10の各種処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって上記各種処理が行われる。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
【0122】
上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。更に、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0123】
以上のとおり、本開示に係るいくつかの実施形態を説明したが、これら全ての実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態及びその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。たとえば、以下に説明するような変形例が考えられる。
【0124】
<変形例1>
上述の各実施形態に係る軸数記録装置20は、被牽引車A2が第1料金所TB1を利用した場合に、当該被牽引車A2の軸数を記録していた。これに対し、本変形例のように、軸数記録装置20は、有料道路の利用者から事前に被牽引車情報D1(被牽引車A2のNP情報および軸数)の登録を受け付けるようにしてもよい。
【0125】
図15は、本開示の変形例1に係る軸数決定システムの全体構成を示す図である。
図15に示すように、本変形例に係る軸数決定システム1は、利用者端末40をさらに備える。利用者端末40は、たとえば、有料道路の利用者が所持するコンピュータ、スマートフォン等である。
【0126】
利用者端末40は、利用者の操作を受け付けて、当該利用者が所有する被牽引車A2のNP情報および軸数(被牽引車情報D1)を軸数記録装置20に登録する利用者登録処理を行う。
【0127】
軸数記録装置20は、利用者端末40から被牽引車A2の被牽引車情報D1の登録を要求されると、これを上位装置10に送信して記録する。
【0128】
このようにすることで、軸数記録装置20は、被牽引車A2が第1料金所TB1利用していなくとも、当該被牽引車A2の被牽引車情報D1を上位装置10に記録しておくことができる。このため、被牽引車A2が第1料金所TB1を利用する前に、第2料金所TB2を利用してしまった場合でも、軸数決定装置30は、当該被牽引車A2の被牽引車情報D1を取得することが可能となる。
【0129】
<変形例2>
また、上述の各実施形態では、上位装置10が被牽引車情報テーブルT1を記憶しており、軸数決定装置30から要求を受け付ける度に、被牽引車情報D1を検索して軸数決定装置30に送信する態様を例として記載したが、これに限られることはない。本変形例で説明するように、被牽引車情報テーブルT1は上位装置10から軸数決定装置30に配信されてもよい。
【0130】
本変形例2に係る上位装置10の記録処理部101は、被牽引車情報テーブルT1を更新する度に、複数の第2料金所TB2それぞれに設置された軸数決定装置30に更新された被牽引車情報テーブルT1を配信する。軸数決定装置30は、配信された被牽引車情報テーブルT1を自装置内に記憶する。なお、本変形例2に係る上位装置10は、検索処理部102を省略してもよい。
【0131】
図16は、本開示の変形例2に係る軸数決定装置の機能構成を示す図である。
図16に示すように、軸数決定装置30は、記憶媒体310をさらに備えている。また、軸数決定装置30のCPU300は、テーブル記憶部305をさらに有している。
【0132】
テーブル記憶部305は、上位装置10から被牽引車情報テーブルT1が配信されると、これを自装置の記憶媒体310に記憶する。
【0133】
また、本変形例において、軸数決定部303は、図8のステップS123を省略するとともに、ステップS124において記憶媒体310に記憶された被牽引車情報テーブルT1を検索して、被牽引車情報D1を取得する。
【0134】
このようにすることで、軸数決定装置30は、上位装置10への問い合わせに要する時間をなくすことができ、被牽引車A2の軸数を決定する処理にかかる時間を短縮することができる。これにより、第2料金所TB2における料金収受処理全体の処理時間を短縮することができる。
【0135】
<付記>
上述の実施形態に記載の軸数記録装置、軸数決定装置、軸数決定システム、軸数決定方法、およびプログラムは、例えば以下のように把握される。
【0136】
本開示の第1の態様によれば、軸数記録装置(20)は、車線を走行する車両の後方ナンバープレートのナンバープレート情報を取得する第1後方ナンバープレート情報取得部(201)と、前記車両に搭載された車載器から、前記車両の軸数を含む車載器情報を取得する第1車載器情報取得部(202)と、車軸検知装置(23)の検知情報に基づいて検出した前記車両の総軸数が、前記車載器情報に含まれる前記車両の軸数よりも大きい場合に、前記車両が牽引する被牽引車の軸数を検出する軸数検出部(203)と、前記被牽引車の前記ナンバープレート情報および前記被牽引車の軸数を関連付けた被牽引車情報を上位装置(10)に送信する送信部(204)と、を備える。
【0137】
このようにすることで、軸数記録装置は、被牽引車の軸数を含む被牽引車情報を、上位装置を介して複数の料金所と共有することができる。これにより、車軸検知装置を設置できない料金所においても、この被牽引車情報を参照して、被牽引車の軸数を知ることが可能となる。
【0138】
本開示の第2の態様によれば、第1の態様に係る軸数記録装置(20)において、前記軸数検出部(203)は、前記車軸検知装置(23)の検知情報に基づく前記車両の総軸数から、前記車載器情報に含まれる前記車両の軸数を減じて、前記被牽引車の軸数を検出する。
【0139】
このようにすることで、軸数記録装置は、被牽引車の軸数を自動的に検出することができる。
【0140】
本開示の第3の態様によれば、第1の態様に係る軸数記録装置(20)において、前記軸数検出部(203)は、収受員が料金収受機を介して入力した情報に基づいて、前記被牽引車の軸数を検出する。
【0141】
このようにすることで、軸数記録装置は、収受員によって入力された被牽引車の軸数を検出して記録することができる。
【0142】
本開示の第4の態様によれば、軸数決定装置(30)は、車線を走行する車両の後方ナンバープレートのナンバープレート情報を取得する第2後方ナンバープレート情報取得部(301)と、上位装置(10)から、前記ナンバープレート情報に関連付けられた被牽引車の軸数を示す情報を含む被牽引車情報を取得して、前記車両が牽引する前記被牽引車の軸数を決定する軸数決定部(303)と、を備える。
【0143】
このようにすることで、軸数決定装置は、立地条件等の理由で車軸検知装置が設置困難な料金所であっても、他の料金所で検出された被牽引車の軸数を、上位装置を介して知ることができる。
【0144】
本開示の第5の態様によれば、第4の態様に係る軸数決定装置(30)は、前記車両に搭載された車載器から、前記車両が牽引装置を有しているか否かを示す情報を含む車載器情報を取得する第2車載器情報取得部(302)をさらに備え、前記軸数決定部(303)は、前記車載器情報に前記車両が前記牽引装置を有していることを示す情報が含まれている場合、前記上位装置(10)から前記被牽引車情報を取得する。
【0145】
このようにすることで、軸数決定装置は、車両が牽引装置を有しており、被牽引車を牽引している可能性が高い場合のみ、上位装置から被牽引車情報を取得するので、上位装置との間の通信を低減させることができる。
【0146】
本開示の第6の態様によれば、第4の態様に係る軸数決定装置(30)は、前記車両の前方ナンバープレートのナンバープレート情報を取得する前方ナンバープレート情報取得部(304)をさらに備え、前記軸数決定部(303)は、前記車両の前記前方ナンバープレートおよび前記後方ナンバープレートのナンバープレート情報が異なっている場合、前記上位装置(10)から前記被牽引車情報を取得する。
【0147】
このようにすることで、軸数決定装置は、車両が車載器を搭載していない場合であっても、車両が被牽引車を牽引しているか否かを検出することができる。また、軸数決定装置は、前方NP情報と後方NP情報とが異なっている場合は、車両が被牽引車を牽引していると確定することができる。軸数決定装置は、車両が連結車両である場合のみ、上位装置へ被牽引車情報を要求するので、上位装置との間の通信を必要最低限に抑えることができる。
【0148】
本開示の第7の態様によれば、軸数決定装置(30)は、上位装置(10)から配信された被牽引車情報テーブルを記憶媒体(310)に記憶するテーブル記憶部(305)と、車線を走行する車両の後方ナンバープレートのナンバープレート情報を取得する第2後方ナンバープレート情報取得部(301)と、前記ナンバープレート情報に関連付けられた被牽引車の軸数を示す情報を含む被牽引車情報を前記被牽引車情報テーブルから取得して、前記車両が牽引する前記被牽引車の軸数を決定する軸数決定部(303)と、を備える。
【0149】
このようにすることで、軸数決定装置は、上位装置への問い合わせに要する時間をなくすことができ、被牽引車の軸数を決定する処理にかかる時間を短縮することができる。
【0150】
本開示の第8の態様によれば、軸数決定システム(1)は、第1から第3のいずれか一の態様に係る軸数記録装置(20)と、第4から第6のいずれか一の態様に係る軸数決定装置(30)と、前記軸数記録装置(20)および前記軸数決定装置(30)と通信可能に接続され、前記軸数記録装置(20)から送信された前記被牽引車情報を記憶するとともに、前記軸数決定装置(30)が指定するナンバープレート情報と関連付けられた前記被牽引車情報を前記軸数決定装置(30)に送信する上位装置(10)と、を備える。
【0151】
本開示の第9の態様によれば、軸数決定システム(1)は、第1から第3のいずれか一の態様に係る軸数記録装置(20)と、第7の態様に係る軸数決定装置(30)と、前記軸数記録装置(20)および前記軸数決定装置(30)と通信可能に接続され、前記軸数記録装置(20)から送信された複数の前記被牽引車情報からなる被牽引車情報テーブルを、前記軸数決定装置(30)に配信する上位装置(10)と、を備える。
【0152】
本開示の第10の態様によれば、軸数記録装置(20)と、軸数決定装置(30)と、上位装置(10)とを用いた軸数決定方法は、前記軸数記録装置(20)が、第1料金所の車線を走行する車両の後方ナンバープレートのナンバープレート情報を取得するステップと、前記軸数記録装置(20)が、前記第1料金所の車線を走行する前記車両に搭載された車載器から、前記車両の軸数を含む車載器情報を取得するステップと、前記軸数記録装置(20)が、車軸検知装置(23)の検知情報に基づいて検出した前記車両の総軸数が、前記車載器情報に含まれる前記車両の軸数よりも大きい場合に、前記車両が牽引する被牽引車の軸数を検出するステップと、前記軸数記録装置(20)が、前記被牽引車の前記ナンバープレート情報および前記軸数を関連付けた被牽引車情報を前記上位装置(10)に送信するステップと、前記軸数決定装置(30)が、第2料金所の車線を走行する車両の後方ナンバープレートのナンバープレート情報を取得するステップと、前記軸数決定装置(30)が、前記上位装置(10)から、前記ナンバープレート情報に関連付けられた被牽引車の軸数を示す情報を含む被牽引車情報を取得して、前記車両が牽引する前記被牽引車の軸数を決定するステップと、を有する。
【0153】
本開示の第11の態様によれば、プログラムは、車線を走行する車両の後方ナンバープレートのナンバープレート情報を取得するステップと、前記車両に搭載された車載器から、前記車両の軸数を含む車載器情報を取得するステップと、車軸検知装置(23)の検知情報に基づいて検出した前記車両の総軸数が、前記車載器情報に含まれる前記車両の軸数よりも大きい場合に、前記車両が牽引する被牽引車の軸数を検出するステップと、前記被牽引車の前記ナンバープレート情報および前記軸数を関連付けた被牽引車情報を上位装置(10)に送信するステップと、を軸数記録装置(20)のコンピュータに実行させる。
【0154】
本開示の第12の態様によれば、プログラムは、車線を走行する車両の後方ナンバープレートのナンバープレート情報を取得するステップと、上位装置(10)から、前記ナンバープレート情報に関連付けられた被牽引車の軸数を示す情報を含む被牽引車情報を取得して、前記車両が牽引する前記被牽引車の軸数を決定するステップと、を軸数決定装置(30)のコンピュータに実行させる。
【符号の説明】
【0155】
1 軸数決定システム
2 第1料金所システム
3 第2料金所システム
10 上位装置
100 CPU
101 記録処理部
102 検索処理部
110 記憶媒体
20 軸数記録装置
200 CPU
201 第1後方ナンバープレート情報取得部(第1後方NP情報取得部)
202 第1車載器情報取得部
203 軸数検出部
204 送信部
21 第1後撮カメラ
22 車両検知器
23 車軸検知装置
24 第1通信アンテナ
25 車種判別装置
26 料金収受機
30 軸数決定装置
300 CPU
301 第2後方ナンバープレート情報取得部(第2後方NP情報取得部)
302 第2車載器情報取得部
303 軸数決定部
304 前方ナンバープレート情報取得部(前方NP情報取得部)
305 テーブル記憶部
310 記憶媒体
31 第2後撮カメラ
32 第2通信アンテナ
33 車種判別装置
34 前撮カメラ
40 利用者端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16