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特許7561696核物質測定システム及び核物質の測定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】核物質測定システム及び核物質の測定方法
(51)【国際特許分類】
   G01T 1/167 20060101AFI20240927BHJP
   G21K 5/04 20060101ALI20240927BHJP
   G21K 5/08 20060101ALI20240927BHJP
   H05H 6/00 20060101ALI20240927BHJP
   G01T 3/00 20060101ALI20240927BHJP
   G21C 17/00 20060101ALI20240927BHJP
   G01N 23/222 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
G01T1/167 C
G21K5/04 E
G21K5/08 X
H05H6/00
G01T3/00
G01T1/167 D
G21C17/00 500
G01N23/222
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021100072
(22)【出願日】2021-06-16
(65)【公開番号】P2022191692
(43)【公開日】2022-12-28
【審査請求日】2024-02-02
(73)【特許権者】
【識別番号】507250427
【氏名又は名称】日立GEニュークリア・エナジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】田所 孝広
(72)【発明者】
【氏名】上野 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】岡田 聡
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 貴教
【審査官】坂上 大貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-082779(JP,A)
【文献】特開2010-048799(JP,A)
【文献】特開2020-094906(JP,A)
【文献】特表2012-512388(JP,A)
【文献】特開2000-249796(JP,A)
【文献】A. Murata et al.,Design of an electron-accelerator-driven compact neutron source for non-destructive assay,Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B,2017年,Vol.406,p.260-263
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01T 1/00-1/16
1/167-7/12
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(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子線加速器と、
前記電子線加速器から発せられたパルス高エネルギー電子線を受けてパルス制動放射線及びパルス高速中性子を発生させるターゲットと、
電圧を印加することにより中性子を測定する中性子検出器と、を備え、
前記パルス高エネルギー電子線の照射により前記ターゲットから放出される前記パルス制動放射線及び前記パルス高速中性子を測定対象物に照射する構成を有し、
前記中性子検出器は、前記パルス高速中性子の照射により前記測定対象物から放出される高速中性子を測定し、
前記パルス高エネルギー電子線を照射している時間帯には、前記中性子検出器に印加する前記電圧を所定値未満とし、
前記時間帯の経過後、前記中性子検出器に印加する前記電圧を所定値以上として前記中性子検出器を測定可能とする構成を有する、核物質測定システム。
【請求項2】
前記ターゲットは、前記パルス高エネルギー電子線を受けて前記パルス制動放射線を発生する重金属ターゲットと、前記パルス制動放射線を受けて前記パルス高速中性子を発生する軽元素ターゲットと、を含む、請求項1記載の核物質測定システム。
【請求項3】
前記重金属ターゲットは、タングステン、白金、金又は鉛を含み、
前記軽元素ターゲットは、ベリリウム又は重水素を含む、請求項2記載の核物質測定システム。
【請求項4】
前記中性子検出器の周囲には、中性子吸収材が設置されている、請求項1記載の核物質測定システム。
【請求項5】
透過制動放射線検出器アレイを更に備え、
前記パルス高エネルギー電子線の進行方向に前記ターゲット、前記測定対象物及び前記透過制動放射線検出器アレイがこの順に配置されている、請求項1記載の核物質測定システム。
【請求項6】
ガンマ線検出素子及び光電子増倍管を含むガンマ線検出器を更に備え、
前記ガンマ線検出素子は、前記測定対象物からのガンマ線を受けて光子を生成し、
前記光電子増倍管は、電極間電圧を印加することにより、前記ガンマ線検出素子にて生成された前記光子を電子に変換し、前記電子を増幅し、
前記パルス高エネルギー電子線を照射している前記時間帯には、前記光電子増倍管に印加する前記電極間電圧を所定値未満とし、
前記時間帯の経過後、前記光電子増倍管に印加する前記電極間電圧を所定値以上として測定可能とする構成を有する、請求項1記載の核物質測定システム。
【請求項7】
前記ターゲットの周囲に設置された遮蔽体を更に備え、
前記測定対象物は、前記ターゲットの内部に位置する所定の点から見た前記遮蔽体の開口部の立体角の範囲内に設置され、
前記中性子検出器は、前記立体角の範囲外に設置されている、請求項1記載の核物質測定システム。
【請求項8】
前記測定対象物は、回転可能に設置されている、請求項1記載の核物質測定システム。
【請求項9】
前記測定対象物は、回転可能に設置され、
前記透過制動放射線検出器アレイにより測定した透過制動放射線の強度分布のデータを用いて前記測定対象物の密度分布を算出し、前記密度分布から前記測定対象物に含まれる核物質の量を算出する、請求項5記載の核物質測定システム。
【請求項10】
前記測定対象物は、回転可能に設置され、
前記測定対象物からの前記高速中性子の測定データとガンマ線の波高値の測定データとを用いて、前記測定対象物に含まれる核物質の量を算出する、請求項6記載の核物質測定システム。
【請求項11】
電子線加速器からパルス高エネルギー電子線をターゲットに照射し、パルス制動放射線及びパルス高速中性子を発生させ、測定対象物に照射する工程と、
前記パルス高速中性子の照射により前記測定対象物から放出される高速中性子を中性子検出器により測定する工程と、を含み、
前記パルス高エネルギー電子線を照射している時間帯には、前記中性子検出器に印加する電圧を所定値未満とし、
前記時間帯の経過後、前記中性子検出器に印加する前記電圧を所定値以上として前記中性子検出器を測定可能とする、核物質の測定方法。
【請求項12】
前記測定対象物を透過する制動放射線を透過制動放射線検出器アレイにより測定する工程を更に含む、請求項11記載の核物質の測定方法。
【請求項13】
前記測定対象物を回転させる工程を更に含む、請求項11記載の核物質の測定方法。
【請求項14】
前記測定対象物からのガンマ線をガンマ線検出器により測定する工程を更に含み、
前記パルス高エネルギー電子線を照射している前記時間帯には、前記ガンマ線検出器の光電子増倍管に印加する電極間電圧を所定値未満とし、
前記時間帯の経過後、前記光電子増倍管に印加する前記電極間電圧を所定値以上として前記ガンマ線検出器を測定可能とする、請求項11記載の核物質の測定方法。
【請求項15】
前記透過制動放射線検出器アレイにより測定した透過制動放射線の強度分布のデータを用いて前記測定対象物の密度分布を算出し、前記密度分布から前記測定対象物に含まれる核物質の量を算出する工程を更に含む、請求項12記載の核物質の測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、核物質測定システム及び核物質の測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の手法として、測定対象物にパルス高速中性子を照射し、パルス高速中性子の照射時刻を基準とした、高速中性子及び測定対象物によりエネルギーを減速した中性子と核物質との反応(核分裂反応)により生成する核分裂中性子の生成率の経時変化を測定することで、核物質を検知測定する手法がある。
【0003】
特許文献1によれば、核分裂反応により生成する核分裂中性子は、ある一定の時定数(消滅時間)で指数関数的に減衰する。この消滅時間は、測定対象物内に含まれる物質の中性子吸収及び減速特性に依存し、核分裂中性子を中性子検出器で測定した総カウント数は、核分裂性物質の量に比例し、かつ、測定対象物内に含まれる物質の中性子吸収及び減速特性で変化する。そこで、事前に校正試験を行い、測定対象物内に含まれる物質の中性子吸収及び減速性能を示す物性値を変化させて、既知の核分裂性物質を既知の量含んだ状態で検出される核分裂性中性子の消滅時間と総カウント数の関係を求めておく。この関係をもとに、測定対象物中の未知の核分裂性物質の量を導出する手法である。
【0004】
特許文献2では、X線CT装置の利用による燃料デブリを対象とした核分裂性物質の計測方法が提案されている。破損あるいは溶融した核燃料中の核物質または同様に挙動する核種のガンマ線の測定結果を、X線CTによる密度測定結果で補正することで、核物質量を測定する手法である。
【0005】
特許文献3では、電子線形加速器及びX線発生用コンバータを用いて、X線CT、光核反応、光中性子混合線の利用、及び、中性子放射化分析法を組み合わせたシステムが提案されている。
【0006】
特許文献4には、互いにエネルギ域が異なる2種類以上のX線を計測対象物に照射し、透過した透過X線を検出するX線CT装置と、計測対象物に中性子線を照射し、計測対象物から出射する中性子数を計数する中性子計測装置と、を備える核物質量計測装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特許第6179885号公報
【文献】特許第6468931号公報
【文献】特許第4649580号公報
【文献】特開2020-94906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1の手法では、測定対象物内に含まれる物質の中性子吸収及び減速性能を示す物性値のデータベースが無い場合は、核分裂性物質の量を導出することができない。特に、福島第一原子力発電所では、燃料集合体内の核分裂性物質が溶融状態となり、構造材、中性子吸収材及びコンクリート材が混合した状態であると想定されており、測定対象内に含まれる物質の中性子吸収及び減速性能を示す物性値のデータベースを事前に構築することは困難な状況となっている。
【0009】
特許文献2の手法では、X線CTによる密度補正をしても、核分裂性物質からのガンマ線のエネルギが低いことから、直接核分裂性物質を計測することは困難である。
【0010】
特許文献3の手法では、X線CTにおいては、密度分布情報のみで核分裂性物質を測定することは困難であり、光核反応においては、例えば、よう素129のような難測定核種の測定は可能であるが、核分裂性物質の計測は困難である。光中性子混合線の利用においては、光核反応で生成する中性子と中性子による核分裂反応により生成する中性子を区別して測定することが困難であることから、核分裂性物質の計測は困難である。中性子放射化分析法においては、塩素や鉛等の含有量の計測は可能であるが、やはり核分裂性物質の計測は困難である。
【0011】
特許文献4に記載の核物質量計測装置においては、X線CT装置と中性子計測装置との間に搬送機構が設けられ、計測対象物を移動してX線及び中性子の計測を別々に行うようになっている。このため、X線及び中性子が計測対象物に照射される際の条件を統一することは困難であり、システムも大型になる。
【0012】
X線CT及びアクティブ中性子法といった複数の測定手法を適用することは可能であるが、電子ビームの条件、及び、ターゲット等の変更を伴わない複数手法を適用した計測は困難であった。また、アクティブ法に用いる中性子源として、制動放射線を中性子発生用ターゲットに照射することで発生する中性子を用いた場合、制動放射線照射の影響で、中性子検出器が動作不可になってしまうという課題があった。
【0013】
以上のように、原子力プラントからの廃棄物及び保管物並びに破損・溶融燃料含有物質中の核分裂性物質(核物質)を検知・測定するシステム及び測定方法について、有効なものが提案されていない状況にある。
【0014】
本発明の目的は、原子力プラントからの廃棄物及び保管物並びに破損・溶融燃料含有物質に含まれる核物質を測定する際に検出器が動作不能になることを防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の核物質測定システムは、電子線加速器と、電子線加速器から発せられたパルス高エネルギー電子線を受けてパルス制動放射線及びパルス高速中性子を発生させるターゲットと、電圧を印加することにより中性子を測定する中性子検出器と、を備え、パルス高エネルギー電子線の照射によりターゲットから放出されるパルス制動放射線及びパルス高速中性子を測定対象物に照射する構成を有し、中性子検出器は、パルス高速中性子の照射により測定対象物から放出される高速中性子を測定し、パルス高エネルギー電子線を照射している時間帯には、中性子検出器に印加する電圧を所定値未満とし、その時間帯の経過後、中性子検出器に印加する電圧を所定値以上として中性子検出器を測定可能とする構成を有する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、原子力プラントからの廃棄物及び保管物並びに破損・溶融燃料含有物質に含まれる核物質を測定する際に検出器が動作不能になることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施例1の核物質測定システムを示す構成図である。
図2】電子線照射による制動放射線生成量の一例を示すグラフである。
図3A】ベリリウムに制動放射線を照射することにより中性子を1個生成する反応の反応断面積を示すグラフである。
図3B】重水素に制動放射線を照射することにより中性子を1個生成する反応の反応断面積を示すグラフである。
図4】実施例1に係る中性子検出器としてホウ素10(B-10)検出器を用いた場合の波高値スペクトルの一例を示すグラフである。
図5】実施例1に係る中性子検出器としてヘリウム3(He-3)検出器を用いた場合の波高値スペクトルの一例を示すグラフである。
図6】実施例1における高速中性子計数率の経時変化の一例を示すグラフである。
図7】実施例1における中性子検出器への印加電圧、トリガー信号、パルス高エネルギー電子線の強度、パルス制動放射線の強度及びパルス高速中性子の強度の経時変化の一例を示すグラフである。
図8】実施例2の核物質測定システムを示す構成図である。
図9】実施例2における中性子検出器への印加電圧、トリガー信号、パルス高エネルギー電子線の強度、パルス制動放射線の強度及びパルス高速中性子の強度の経時変化の一例を示すグラフである。
図10】実施例3の核物質測定システムを示す構成図である。
図11】実施例3における中性子検出器への印加電圧、トリガー信号、パルス高エネルギー電子線の強度、パルス制動放射線の強度及びパルス高速中性子の強度の経時変化の一例を示すグラフである。
図12】実施例4の核物質測定システムを示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、実施例について、図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0019】
実施例1は、図1図7に基づいて説明する。
【0020】
図1は、本実施例の核物質測定システムの構成の一例を示したものである。
【0021】
本図に示す核物質測定システムは、電子線加速器1と、電子線加速器制御装置2と、ターゲット20と、中性子検出器50と、スイッチング回路55と、データ処理・解析装置70と、を備えている。測定対象物30は、電子線加速器1からターゲット20に照射されるパルス高エネルギー電子線10の進行方向において、ターゲット20の下流側に設置されている。
【0022】
中性子検出器50には、中性子検出器用前置増幅器51aが接続されている。中性子検出器用前置増幅器51aは、中性子検出器用増幅器52aを介してデータ処理・解析装置70に接続されている。中性子検出器用前置増幅器用電源53aは、中性子検出器用前置増幅器51aの電源である。中性子検出器用高電圧電源54aは、中性子検出器用スイッチング回路55aを介して中性子検出器用前置増幅器51aに接続されている。
【0023】
電子線加速器1から発せられたパルス高エネルギー電子線10は、パルス制動放射線及びパルス高速中性子を発生させるためのターゲット20に照射される。これにより、パルス制動放射線21及びパルス高速中性子22が発生し、これらが測定対象物30に照射される。測定対象物30に照射されたパルス高速中性子22は、測定対象物30内で減速される。減速された高速中性子は、測定対象物30内の核物質と核反応を起こし、高速中性子を生成する。この高速中性子は、測定対象物30の外部に設置した中性子検出器50で測定される。
【0024】
ターゲット20は、タングステン、白金、金、鉛等の重金属で形成されたターゲット(重金属ターゲット)と、ベリリウムで形成されたターゲット(ベリリウムターゲット)とを組み合わせたものである。重金属ターゲットは前段(すなわちパルス高エネルギー電子線10の上流側)に設置し、ベリリウムターゲットは重金属ターゲットの後段に(すなわちパルス高エネルギー電子線10の下流側)に設置する。なお、ターゲット20の後段には、ベリリウムの代わりに、重水素を用いることができる。この場合においては、重水素は、他の金属元素に化合させ、重水素化物として固体状態で用いてもよい。また、重水といった液体状態で用いてもよい。本明細書においては、ベリリウム又は重水素を含む後段のターゲットを「軽元素ターゲット」と呼ぶ。
【0025】
電子線加速器制御装置2は、電子線加速器1に対して制御信号3を発するとともに、スイッチング回路55に対してトリガー信号4を発する。制御信号3を受信した電子線加速器1は、パルス高エネルギー電子線10を発するように構成されている。また、トリガー信号4を受けたスイッチング回路55は、ゲート信号5を中性子検出器用スイッチング回路55a及びデータ処理・解析装置70に発するように構成されている。中性子検出器50で測定されたデータは、中性子検出器用前置増幅器51a及び中性子検出器用増幅器52aを介してデータ処理・解析装置70に送られる。
【0026】
図2は、電子線照射による制動放射線生成量の一例を示すグラフである。
【0027】
本図に示すように、タングステンや白金等の重金属に電子線を照射すると、制動放射線が生成される。生成される制動放射線の最大エネルギーは、電子線のエネルギーとほぼ等しい値である。制動放射線は、低いエネルギーのものほど大量に発生する。
【0028】
図3Aは、ベリリウムに対する制動放射線照射により中性子を1個生成する反応の反応断面積を示すグラフである。横軸に制動放射線のエネルギー、縦軸に反応断面積σtotをとっている。
【0029】
本図に示すように、ベリリウムに一定のエネルギー以上の制動放射線を照射すると、中性子が生成される。
【0030】
ベリリウムの場合、比較的低いエネルギーの制動放射線を受けた場合においても、中性子を発生させる反応断面積がある。このため、ベリリウムは、電子線の加速エネルギーが数MeV以下と比較的低い場合においても、電子線照射により発生する制動放射線を受けて中性子を生成する。
【0031】
したがって、ターゲット20(図1)のように前段に重金属を配置し、重金属の後段にベリリウムを配置した部材に電子線を照射すると、制動放射線及び中性子の両方を生成することができる。
【0032】
本実施例においては、電子線をパルス化し、パルス高エネルギー電子線10をターゲット20に照射することで、パルス制動放射線21とパルス高速中性子22の両方を生成することができる。
【0033】
生成したパルス制動放射線21及びパルス高速中性子22を測定対象物30に照射する。測定対象物30に照射されたパルス高速中性子22は、測定対象物30の内部または外部に中性子反射体を設置した場合は、それによっても減速される。ここで、中性子反射体としては、グラファイト(黒鉛)、鉛、鉄、炭化タングステン等が用いられる。
【0034】
減速されたパルス高速中性子22は、測定対象物30内の核物質と核反応を起こし、高速中性子を生成する。この高速中性子を、測定対象物の外部に設置した中性子検出器50で測定する。
【0035】
中性子検出器50の周囲は、測定対象物30中に混入していない中性子吸収材で囲い、中性子吸収材で吸収されない中性子を測定してもよい。ここで、中性子吸収材としては、ホウ素、カドミウム、キセノン、ハフニウム等が用いられる。
【0036】
パルス高速中性子22は、パルス高エネルギー電子線10の照射時刻及び照射時間幅に対応して生成される。このため、パルス高エネルギー電子線10のトリガー信号4を用いることで、パルス高速中性子22の生成時刻を基準にした中性子検出器50からの測定信号の波高値及び測定時刻を計測することができる。各測定時刻における波高値データを集めることで、中性子検出器50における波高値スペクトルの経時変化を取得する。各測定時刻における波高値データ数が少ない場合は、十分な量の波高値データを収集するまで、パルス高速中性子22の照射を複数回繰り返してもよい。
【0037】
図3Bは、重水素に制動放射線を照射することにより中性子を1個生成する反応の反応断面積を示すグラフである。横軸に制動放射線のエネルギー、縦軸に反応断面積σtotをとっている。
【0038】
本図に示すように、重水素の場合も、ベリリウムと同様に、一定のエネルギー以上の制動放射線を照射すると、中性子が生成される。また、比較的低いエネルギーの制動放射線を受けた場合においても、中性子を発生させる反応断面積がある。
【0039】
したがって、ターゲット20(図1)として、重金属の後段に重水素を配置し、電子線を照射すると、制動放射線及び中性子の両方を生成することができる。
【0040】
図4は、中性子検出器としてホウ素10(B-10)検出器を用いた場合の波高値スペクトルの一例を示すグラフである。横軸に波高値、縦軸に計数をとっている。B-10を検出器内壁に塗布した検出器であり、B-10と中性子との核反応により生成する荷電粒子であるアルファ粒子とリチウム7(Li-7)を測定した結果を示している。
【0041】
図5は、中性子検出器としてヘリウム3(He-3)検出器を用いた場合の波高値スペクトルの一例を示すグラフである。He-3ガスを検出器内部に封入した検出器であり、He-3と中性子との核反応により生成する荷電粒子である陽子とトリチウムを測定した結果を示している。
【0042】
中性子検出器50により測定される波高値スペクトルにおいては、波高値が一定値以下の範囲において、中性子による信号ではないノイズ信号が含まれる。ノイズ信号としては、電気的なノイズ信号に加えて、測定対象物30中に、ガンマ線を放出する核種が含まれている場合、このガンマ線によるノイズ信号も含まれる。このガンマ線によるノイズ信号も、電気的なノイズ信号と同様に、中性子による信号と比較して波高値が低いことから、予め測定しておいたノイズ信号の波高値以上の信号を計測する。
【0043】
図6は、本実施例における高速中性子計数率の経時変化の一例を示すグラフである。
【0044】
本図の曲線のうち、実線は、高速中性子計数率である。破線は、パルス制動放射線及びパルス高速中性子を発生させるターゲットからのパルス高速中性子である。一点鎖線は、測定対象物内の核物質と中性子による反応により生成した中性子である。二点鎖線は、測定対象物内に含まれる自発核分裂核種から生成された中性子である。実線の高速中性子計数率をもとに、破線、一点鎖線及び二点鎖線で示す中性子の計数率を算出する。
【0045】
予め測定しておいた核物質と中性子との反応により生成する中性子の量と、核物質の量との関係から核物質の量を算出する。
【0046】
中性子検出器の一例であるHe-3中性子検出器は、中空の円筒電極(陰極)の中心に細いワイヤーを電荷収集用の電極(陽極)として配置したものであり、内部にHe-3ガスが充填されている。中性子とHe-3との核反応により、トリチウムと陽子が生成し、生成したトリチウムと陽子によって気体中の電離が起こり、イオン・電子対が生じる。イオンは陰極に、電子は陽極に引き寄せられる。高電圧が印加されたワイヤー近傍で起こる電子のガス増幅作用によって、その生成数に比例して増幅される。これにより、大きな出力パルスが得られる。
【0047】
通常、He-3中性子検出器に入射する中性子束は、高くないことから、この出力パルスの波高値を測定することで、中性子1個1個を計測することができる。
【0048】
パルス制動放射線の照射によっても、中性子検出器の内部に封入された気体の電離が起こり、イオン・電子対が生じる。パルス制動放射線の強度が非常に高いことから、パルスが出ている短時間の間に大量のイオン・電子対が生成する。高電圧が印加されたワイヤー近傍で起こる電子のガス増幅作用により、放電状態となる。これにより、中性子検出器が動作不能となる。
【0049】
パルス制動放射線が照射されなくなると、大量のイオン・電子対の生成がなくなることで放電状態ではなくなるが、もとの状態に戻るまでに、数ミリ秒程度の時間を要する。
【0050】
パルス制動放射線は、パルスの時間幅の範囲内で非常に高強度の制動放射線を生成し、パルスの時間幅の範囲外では生成されない。
【0051】
非常に高強度の制動放射線が照射されている時間幅の範囲内においては、印加電圧を低くする。この場合、印加電圧をゼロとしてもよい。これにより、ガス増幅作用を抑えることができ、したがって放電状態となることを防ぐことができ、中性子検出器が動作不能となることを防ぐことができる。
【0052】
図7は、中性子検出器への印加電圧、トリガー信号、パルス高エネルギー電子線の強度、パルス制動放射線の強度及びパルス高速中性子の強度の経時変化の一例を示すグラフである。
【0053】
本図に示すように、トリガー信号4に応じて、パルス高エネルギー電子線10がターゲット20に照射され、ターゲット20からパルス制動放射線21及びパルス高速中性子22が生成される。パルス高エネルギー電子線10を照射していない時間帯には、パルス制動放射線21とパルス高速中性子22のどちらも生成しない。パルス高エネルギー電子線10の照射時間は、数マイクロ秒から10マイクロ秒程度であり、一例としてパルスの繰り返し周波数を50Hzとした場合のパルス高エネルギー電子線10の照射時間間隔は、2ミリ秒である。
【0054】
図1に示すように、中性子検出器用高電圧電源54aからの高電圧を中性子検出器用スイッチング回路55aに入力し、中性子検出器用前置増幅器51aを介して中性子検出器50に入力する。また、電子線加速器制御装置2からのトリガー信号4をもとにスイッチング回路55で生成したゲート信号5を中性子検出器用スイッチング回路55aに入力する。中性子検出器用スイッチング回路55aでは、ゲート信号5が入力されている時間に高電圧が出力され、ゲート信号5が入力されていない時間には高電圧が出力されない。
【0055】
ゲート信号5の出力時間を、電子線加速器1からのパルス高エネルギー電子線10が出力されていない時間、すなわち、パルス制動放射線21が生成していない時間に設定することで、非常に高強度の制動放射線が照射されている時間帯において、中性子検出器50に対する高電圧の印加をゼロとすることができ、中性子検出器50が動作不能となることを防ぐことができる。
【0056】
中性子検出器50への高電圧の印加開始は、パルス制動放射線21を照射した直後でもよいし、図7に示すように150マイクロ秒程度遅れた時間からでもよい。印加停止時間は、次のパルス制動放射線21を照射する前であればよい。図7においては、1.8ミリ秒以下の時間で高速中性子を計測している。
【0057】
このようにして、パルス中性子の影響を受けることなく、減速された高速中性子と測定対象物30内の核物質との核反応により生成する高速中性子を検出することができる。
【実施例2】
【0058】
実施例2は、図8図9に基づいて説明する。
【0059】
本実施例においては、実施例1と異なる点についてのみ説明する。
【0060】
図8は、本実施例の核物質測定システムを示す構成図である。
【0061】
本図に示す核物質測定システムにおいては、電子線加速器1からターゲット20に照射されるパルス高エネルギー電子線10の進行方向において、ターゲット20の下流側に測定対象物30及び透過制動放射線検出器アレイ40がこの順に設置されている。すなわち、透過制動放射線検出器アレイ40が追加されている。言い換えると、パルス高エネルギー電子線10の進行方向にターゲット20、測定対象物30及び透過制動放射線検出器アレイ40がこの順に配置されている。
【0062】
透過制動放射線検出器アレイ40は、測定対象物30を透過し減衰した制動放射線を測定するものである。透過制動放射線検出器アレイ40は、データ処理・解析装置70に接続されている。
【0063】
図9は、中性子検出器への印加電圧、トリガー信号、パルス高エネルギー電子線の強度、パルス制動放射線の強度及びパルス高速中性子の強度の経時変化の一例を示すグラフである。
【0064】
本図において実施例1の図7と異なる点は、パルス制動放射線21の発生時間内に、透過制動放射線検出器アレイ40により測定対象物30を透過した制動放射線の強度分布を測定することである。
【0065】
測定対象物30内には、ガンマ線を放出する核種が含有している場合があると考えられる。このガンマ線は、一定の放出率で時刻によらず放出される。一方、パルス制動放射線21は、パルスの時間帯において非常に高い強度で生成され、パルスの時間帯以外においては生成されない。
【0066】
したがって、パルス制動放射線21が発生している時間帯のみにおいて透過制動放射線を測定する。そして、ガンマ線を放出する核種からのガンマ線と比較することにより、パルス制動放射線21の値を測定することができる。これにより、ガンマ線を放出する核種からのガンマ線の影響を除去することができる。
【0067】
また、測定対象物30を測定対象物回転用台の上に設置し回転させることで、測定対象物30からの透過制動放射線の強度分布をさまざまな方向から測定することができる。言い換えると、測定対象物30は、回転可能に設置されている。360度の全方向からの透過制動放射線の強度分布データを用いて、測定対象物30の密度分布を算出することができる。
【0068】
まとめると、透過制動放射線検出器アレイ40により測定した透過制動放射線の強度分布のデータを用いて測定対象物30の密度分布を算出し、その密度分布から測定対象物30に含まれる核物質の量を算出する。
【0069】
測定対象物30内の密度分布から算出した核物質の量と、中性子の測定結果から算出した核物質の量とを比較してもよい。これらの測定結果の違いが一定の範囲内である場合、測定対象物30内の密度分布から算出した核物質の量、または、中性子の測定結果から算出した核物質の量を、測定対象物30内に含まれる核物質の量とすることができる。2つの測定結果の違いが一定の範囲を超えた場合は、核物質の量が多い方を、測定対象物30内に含まれる核物質の量としてもよい。
【実施例3】
【0070】
実施例3は、図10図11に基づいて説明する。
【0071】
本実施例においては、実施例1と異なる点についてのみ説明する。
【0072】
図10は、本実施例の核物質測定システムを示す構成図である。
【0073】
本図に示す核物質測定システムにおいては、測定対象物30の近傍に、ガンマ線検出素子60及び光電子増倍管61から成るガンマ線検出器が設置されている。
【0074】
光電子増倍管61から得られた信号は、ガンマ線検出器用前置増幅器51b及びガンマ線検出器用増幅器52bを介してデータ処理・解析装置70に送られる。ガンマ線検出器用前置増幅器51bには、ガンマ線検出器用前置増幅器用電源53bが接続されている。また、光電子増倍管61には、ガンマ線検出器用スイッチング回路55bが接続されている。ガンマ線検出器用スイッチング回路55bには、光電子増倍管用高電圧電源54bが接続されている。ガンマ線検出器用スイッチング回路55bは、スイッチング回路55からの信号を受信するように構成されている。
【0075】
光電子増倍管用高電圧電源54b、ガンマ線検出器用前置増幅器51b、ガンマ線検出器用前置増幅器用電源53b及びガンマ線検出器用スイッチング回路55bは、制動放射線が直接照射されない位置に設置することが望ましい。また、光電子増倍管用高電圧電源54b、ガンマ線検出器用前置増幅器51b、ガンマ線検出器用前置増幅器用電源53b及びガンマ線検出器用スイッチング回路55bの周囲を、鉛等の制動放射線遮蔽体で覆ってもよい。放射線がガンマ線検出素子60に入射すると、光子が生成される。生成された光子は、光電子増倍管61に入射し、電子に変換された後、電子が増幅され、電圧信号に変換される。パルス制動放射線がガンマ線検出素子60に入射すると、非常に大量の光子が短時間で生成される。生成された大量の光子が短時間に光電子増倍管61に入射し、大量の電子に変換された後、増幅されることで、光電子増倍管61が動作不能となってしまう。光電子増倍管61に高電圧の印加が無い場合、増幅されることが無いことから、光電子増倍管61は動作不能とならない。
【0076】
本図に示すように、光電子増倍管用高電圧電源54bからの高電圧をガンマ線検出器用スイッチング回路55bに入力し、その出力を光電子増倍管61に入力する。また、電子線加速器制御装置2からのトリガー信号4をもとにスイッチング回路55で生成したゲート信号5をガンマ線検出器用スイッチング回路55bに入力する。ガンマ線検出器用スイッチング回路55bでは、ゲート信号5が入力されている時間に高電圧が出力され、ゲート信号5が入力されていない時間には高電圧が出力されない。
【0077】
ゲート信号5の出力時間を、電子線加速器1からのパルス高エネルギー電子線10が出力されていない時間、すなわち、パルス制動放射線21が生成していない時間に設定することで、非常に高強度の制動放射線が照射されている時間帯において、光電子増倍管61に対する高電圧の印加をゼロとすることができ、光電子増倍管61が動作不能となることを防ぐことができる。中性子照射により、測定対象物内に含まれる元素と中性子との反応により、元素に特有のエネルギー、すなわち波高値を持つガンマ線が放出される。中性子との反応により、即座に生成するガンマ線(即発ガンマ線)の計数は、その時刻における中性子と元素との反応量を反映している。各時刻におけるガンマ線の波高値スペクトルにおいて、元素に特有のピークにおける計数率を算出し、その経時変化を取得する。このガンマ線のピーク計数率の経時変化のデータを用いて、中性子検出器50による中性子計数率の経時変化のデータを補正してもよい。
【0078】
まとめると、ガンマ線検出素子60は、測定対象物30からのガンマ線を受けて光子を生成し、光電子増倍管61は、内蔵されている電極の間に所定の電圧(電極間電圧)を印加することにより、ガンマ線検出素子60にて生成された光子を電子に変換し、その電子を増幅し、パルス高エネルギー電子線10を照射している時間帯には、光電子増倍管61に印加する電極間電圧を所定値未満とし、上記の時間帯の経過後、中性子検出器50に印加する電極間電圧を所定値以上として測定可能とする構成を有する。
【0079】
また、測定対象物30からの高速中性子の測定データとガンマ線の波高値の測定データとを用いて、測定対象物30に含まれる核物質の量を算出してもよい。
【0080】
図11は、中性子検出器への印加電圧、トリガー信号、パルス高エネルギー電子線の強度、パルス制動放射線の強度及びパルス高速中性子の強度の経時変化の一例を示すグラフである。
【0081】
本図において実施例1の図7と異なる点は、パルスが発生していない時間帯において、高速中性子の計測をする代わりに、ガンマ線の計測をすることである。
【実施例4】
【0082】
実施例4は、図12に基づいて説明する。
【0083】
図12は、本実施例の核物質測定システムを示す構成図である。
【0084】
本図においては、ターゲット20の周囲に遮蔽体25を設置している。パルス高エネルギー電子線10がターゲット20に照射されることによりパルス制動放射線21及びパルス高速中性子22が発生すると考えられる点から見た遮蔽体25の開口部の立体角(図中、2本の一点鎖線で表す。)の範囲内に測定対象物30を設置し、その立体角の範囲外に中性子検出器50を設置している。遮蔽体25によって、パルス制動放射線21が、直接、中性子検出器50に照射されることが無くなるため、中性子検出器50が動作不能となることを防ぐことができる。
【0085】
なお、ターゲット20の内部にあると考えられる上記の点は、ターゲット20の重心に位置すると仮定してもよい。
【0086】
以下、核物質の測定方法について、まとめて説明する。
【0087】
核物質の測定方法は、電子線加速器からパルス高エネルギー電子線をターゲットに照射し、パルス制動放射線及びパルス高速中性子を発生させ、測定対象物に照射する工程と、
パルス高速中性子の照射により測定対象物から放出される高速中性子を中性子検出器により測定する工程と、を含み、パルス高エネルギー電子線を照射している時間帯には、中性子検出器に印加する電圧を所定値未満とし、上記の時間帯の経過後、中性子検出器に印加する電圧を所定値以上として中性子検出器を測定可能とする。
【0088】
核物質の測定方法は、測定対象物を透過する制動放射線を透過制動放射線検出器アレイにより測定する工程を更に含むことが望ましい。
【0089】
核物質の測定方法は、測定対象物を回転させる工程を更に含むことが望ましい。
【0090】
核物質の測定方法は、測定対象物からのガンマ線をガンマ線検出器により測定する工程を更に含み、パルス高エネルギー電子線を照射している時間帯には、ガンマ線検出器の光電子増倍管に印加する電極間電圧を所定値未満とし、上記の時間帯の経過後、光電子増倍管に印加する電極間電圧を所定値以上としてガンマ線検出器を測定可能とすることが望ましい。
【0091】
核物質の測定方法は、透過制動放射線検出器アレイにより測定した透過制動放射線の強度分布のデータを用いて測定対象物の密度分布を算出し、密度分布から測定対象物に含まれる核物質の量を算出する工程を更に含むことが望ましい。
【0092】
本開示に係る核物質測定システム及び核物質の測定方法によれば、次の効果も得られる。
【0093】
電子線加速器を用いたアクティブ中性子法の適用システムにおいて、中性子検出器が動作不能になること無く、パルス高速中性子の発生時刻を基準とした高速中性子の計数率の時刻変化が測定できる。また、透過制動放射線検出器を用いることで、同時に、測定対象物を透過する制動放射線の強度分布を測定することができ、電子ビーム条件、ターゲット及び測定体系を変えることなく、アクティブ中性子法とX線CTといった複数の測定手法による原子力プラントからの廃棄物及び保管物、及び、破損・溶融燃料含有物質中の核物質を測定することが可能となる。
【符号の説明】
【0094】
1:電子線加速器、2:電子線加速器制御装置、3:制御信号、4:トリガー信号、5:ゲート信号、10:パルス高エネルギー電子線、20:ターゲット、21:パルス制動放射線、22:パルス高速中性子、25:遮蔽体、30:測定対象物、40:透過制動放射線検出器アレイ、50:中性子検出器、51a:中性子検出器用前置増幅器、51b:ガンマ線検出器用前置増幅器、52a:中性子検出器用増幅器、52b:ガンマ線検出器用増幅器、53a:中性子検出器用前置増幅器用電源、53b:ガンマ線検出器用前置増幅器用電源、54a:中性子検出器用高電圧電源、54b:光電子増倍管用高電圧電源、55:スイッチング回路、55a:中性子検出器用スイッチング回路、55b:ガンマ線検出器用スイッチング回路、60:ガンマ線検出素子、61:光電子増倍管、70:データ処理・解析装置。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12