(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】部品切替シミュレーション装置、部品切替シミュレーション方法、及び部品切替シミュレーションプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/04 20120101AFI20240927BHJP
G05B 19/418 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
G06Q50/04
G05B19/418 Z
(21)【出願番号】P 2021109428
(22)【出願日】2021-06-30
【審査請求日】2023-12-19
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中峰 和哉
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】菅原 浩二
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-265085(JP,A)
【文献】特開2015-138393(JP,A)
【文献】特開2003-288110(JP,A)
【文献】特開2013-101489(JP,A)
【文献】特開2010-122902(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部及び制御部を備えた部品切替シミュレーション装置であって、
前記記憶部には、
切替元部品と、切替先部品を関連づけて登録したマスタと、
倉庫毎に、各部品の在庫数を登録した在庫情報と、
製造指示番号と、使用する部品と、倉庫と、当該部品の払出指示数を含む製造指示情報と、
が格納されており、
前記制御部は、
表示部に表示される照会画面において、前記マスタに登録されている切替元部品について、前記在庫情報及び前記製造指示情報を参照して、当該切替元部品を使用する製造指示情報について、製造指示番号、払出予定日、倉庫、払出指示数、在庫数-払出指示数である予定在庫数を含む切替対象候補払出指示の明細一覧を表示し、当該明細一覧で、オペレータの操作に応じて、前記マスタの前記切替元部品に対応する切替先部品に切り替える行を選択し、選択した行については切替元部品を切替先部品に切り替えて予定在庫数の再計算を行って明細一覧を更新するシミュレーション手段を備えたことを特徴とする部品切替シミュレーション装置。
【請求項2】
前記制御部は、さらに、
更新した明細一覧に基づいて、前記製造指示情報を一括で変更する変更手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の部品切替シミュレーション装置。
【請求項3】
制御部及び記憶部を備えた情報処理装置で実行される部品切替シミュレーション方法であって、
前記記憶部には、
切替元部品と、切替先部品を関連づけて登録したマスタと、
倉庫毎に、各部品の在庫数を登録した在庫情報と、
製造指示番号と、使用する部品と、倉庫と、当該部品の払出指示数を含む製造指示情報と、
が格納されており、
前記制御部において実行される、
表示部に表示される照会画面において、前記マスタに登録されている切替元部品について、前記在庫情報と前記製造指示情報を参照して、当該切替元部品を使用する製造指示情報について、製造指示番号、払出予定日、倉庫、払出指示数、在庫数-払出指示数である予定在庫数を含む切替対象候補払出指示の明細一覧を表示し、当該明細一覧で、オペレータの操作に応じて、前記マスタの前記切替元部品に対応する切替先部品に切り替える行を選択し、選択した行については切替元部品を切替先部品に切り替えて予定在庫数の再計算を行って明細一覧を更新するシミュレーション工程を含むことを特徴とする部品切替シミュレーション方法。
【請求項4】
制御部及び記憶部を備えた情報処理装置に実行させるための部品切替シミュレーションプログラムであって、
前記記憶部には、
切替元部品と、切替先部品を関連づけて登録したマスタと、
倉庫毎に、各部品の在庫数を登録した在庫情報と、
製造指示番号と、使用する部品と、倉庫と、当該部品の払出指示数を含む製造指示情報と、
が格納されており、
前記制御部において、
表示部に表示される照会画面において、前記マスタに登録されている切替元部品について、前記在庫情報と前記製造指示情報を参照して、当該切替元部品を使用する製造指示情報について、製造指示番号、払出予定日、倉庫、払出指示数、在庫数-払出指示数である予定在庫数を含む切替対象候補払出指示の明細一覧を表示し、当該明細一覧で、オペレータの操作に応じて、前記マスタの前記切替元部品に対応する切替先部品に切り替える行を選択し、選択した行については切替元部品を切替先部品に切り替えて予定在庫数の再計算を行って明細一覧を更新するシミュレーション工程を実行するための部品切替シミュレーションプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品切替シミュレーション装置、部品切替シミュレーション方法、及び部品切替シミュレーションプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、商品を製造する場合に使用する部品が製造中止になった場合、製造中止リストをもとに、1品番単位で受払予定照会画面より、在庫が不足する日を確認し、部品を切替する必要があった。従来、部品を切り替えるシステムとして、例えば、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1では、製造中止等により、切替元部品を切替先部品へ切り替えるタイミングを簡単に確認することに関して、何等記載されていない。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、製造中止等により、切替元部品を切替先部品へ切り替えるタイミングを簡単に確認することが可能な部品切替シミュレーション装置、部品切替シミュレーション方法、及び部品切替シミュレーションプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、記憶部及び制御部を備えた部品切替シミュレーション装置であって、前記記憶部には、切替元部品と、切替先部品を関連づけて登録したマスタと、倉庫毎に、各部品の在庫数を登録した在庫情報と、製造指示番号と、使用する部品と、倉庫と、当該部品の払出指示数を含む製造指示情報と、が格納されており、前記制御部は、表示部に表示される照会画面において、前記マスタに登録されている切替元部品について、前記在庫情報と前記製造指示情報を参照して、当該切替元部品を使用する製造指示情報について、製造指示番号、払出予定日、倉庫、払出指示数、在庫数-払出指示数である予定在庫数を含む切替対象候補払出指示の明細一覧を表示し、当該明細一覧で、オペレータの操作に応じて、前記マスタの切替元部品に対応する切替先部品に切り替える行を選択し、選択した行については切替元部品を切替先部品に切り替えて予定在庫数の再計算を行って明細一覧を更新するシミュレーション手段を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の一態様によれば、前記制御部は、さらに、更新した明細一覧に基づいて、前記製造指示情報を一括で変更する変更手段を備えることにしてもよい。
【0008】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部及び記憶部を備えた情報処理装置で実行される部品切替シミュレーション方法であって、前記記憶部には、切替元部品と、切替先部品を関連づけて登録したマスタと、倉庫毎に、各部品の在庫数を登録した在庫情報と、製造指示番号と、使用する部品と、倉庫と、当該部品の払出指示数を含む製造指示情報と、が格納されており、前記制御部において実行される、表示部に表示される照会画面において、前記マスタに登録されている切替元部品について、前記在庫情報と前記製造指示情報を参照して、当該切替元部品を使用する製造指示情報について、製造指示番号、払出予定日、倉庫、払出指示数、在庫数-払出指示数である予定在庫数を含む切替対象候補払出指示の明細一覧を表示し、当該明細一覧で、オペレータの操作に応じて、前記マスタの切替元部品に対応する切替先部品に切り替える行を選択し、選択した行については切替元部品を切替先部品に切り替えて予定在庫数の再計算を行って明細一覧を更新するシミュレーション工程を含むことを特徴とする。
【0009】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部及び記憶部を備えた情報処理装置に実行させるための部品切替シミュレーションプログラムであって、
前記記憶部には、切替元部品と、切替先部品を関連づけて登録したマスタと、倉庫毎に、各部品の在庫数を登録した在庫情報と、製造指示番号と、使用する部品と、倉庫と、当該部品の払出指示数を含む製造指示情報と、が格納されており、前記制御部において、表示部に表示される照会画面において、前記マスタに登録されている切替元部品について、前記在庫情報と前記製造指示情報を参照して、当該切替元部品を使用する製造指示情報について、製造指示番号、払出予定日、倉庫、払出指示数、在庫数-払出指示数である予定在庫数を含む切替対象候補払出指示の明細一覧を表示し、当該明細一覧で、オペレータの操作に応じて、前記マスタの切替元部品に対応する切替先部品に切り替える行を選択し、選択した行については切替元部品を切替先部品に切り替えて予定在庫数の再計算を行って明細一覧を更新するシミュレーション工程を実行するための部品切替シミュレーションプログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、製造中止等により、切替元部品を切替先部品へ切り替えるタイミングを簡単に確認することが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、部品切替の従来技術の概略を説明するための図である。
【
図2】
図2は、本実施の形態の部品切替の概略を説明するための図である。
【
図3】
図3は、本実施の形態に係る部品切替シミュレーション装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、本実施の形態に係る部品切替シミュレーション装置の制御部の全体の処理の流れを説明するためのフローを示す図である。
【
図5】
図5は、本実施の形態に係る部品切替シミュレーション装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図6】
図6は、本実施の形態に係る部品切替シミュレーション装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図7】
図7は、本実施の形態に係る部品切替シミュレーション装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図8】
図8は、本実施の形態に係る部品切替シミュレーション装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図9】
図9は、本実施の形態に係る部品切替シミュレーション装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図10】
図10は、本実施の形態に係る部品切替シミュレーション装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図11】
図11は、本実施の形態に係る部品切替シミュレーション装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施の形態により限定されるものではない。
【0013】
[1.概要]
例えば、商品を製造する場合に使用する部品が製造中止になった場合、製造中止リストに基づいて、1品番単位で受払予定照会画面より、在庫が不足する日を確認し、部品を切替する必要があった。
【0014】
図1は、部品切替の従来技術の概略を説明するための図である。
図1において、製造中止となった場合には、製造中止リスト(T1)を元に切替部品リスト(T2)を作成する。製造中止リストを元に予定在庫照会より在庫がなくなる日付を1品単位に確認する(T3)。在庫切れとなる日以降の製造指示に対して、使用する部品を切替部品リストを参照して、新部品に切り替える(T4)。これを部品毎に繰り返していた。
【0015】
そこで、本実施の形態では、製造中止品の切り替えをスムーズに行うために、照会画面(部品払出予定照会画面)より、切替元部品(旧部品)を使い切る製造指示のシミュレーションを可能とし、シミュレーション結果より、切替元部品から切替先部品(新部品)へ製造指示情報の一括変更を行えるようにした。
【0016】
図2は、本実施の形態の部品切替の概略を説明するための図である。
図2において、製造中止リスト(T11)を元に部品切替マスタ(T12)に切替元部品と切替先部品を登録しておく。切替部品払出予定照会画面より、切替元部品を使い切る製造指示のシミュレーションを行い、シミュレーション結果に基づいて、切替元部品から切替先部品へ製造指示情報の一括変更を行う(T13)。
【0017】
本実施の形態によれば、切替元部品を使い切る製造指示のシミュレーションを行うことで、切替元部品を切替先部品へ切り替えるタイミングを簡単に確認することが可能となる。また、製造指示情報を切替元部品から切替先部品へ一括で更新することが可能となる。
【0018】
本実施の形態の部品切替シミュレーション装置は、製造構成を組んで製造する業態やメーカー等で広く利用可能である。
【0019】
[2.構成]
図3を参照して、本実施の形態に係る部品切替シミュレーション装置の一例について説明する。
図3は、本実施の形態に係る部品切替シミュレーション装置の構成の一例を示すブロック図である。
図3において、部品切替シミュレーション装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、部品切替シミュレーション装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。部品切替シミュレーション装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。部品切替シミュレーション装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0020】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、部品切替シミュレーション装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、部品切替シミュレーション装置100と端末装置200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0021】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、および、マイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114として記載する場合がある。
【0022】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、および、ファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等を用いることができる。また、記憶部106は、切替部品マスタ106aと、データファイル106bと、を備えている。
【0023】
切替部品マスタ106aは、切替元部品と切替先部品を設定するためのマスタであり、切替元部品コード、切替元部品名、切替先部品コード、切替先部品名を関連づけて登録したテーブル等で構成することができる(
図9参照)。
図9に示す切替部品マスタ106aの例では、1行目は、切替元部品コード「KIKAI-BUHIN-A」、切替元部品名「機械部品A」、切替先部品コード「KIKAI-BUHIN-A2」、切替先部品名「機械部品A2(新)」となっている。
【0024】
データファイル106bは、在庫情報や製造指示情報等の各種データを格納するためのファイルである。在庫情報は、倉庫コード、部品コード、現在庫数を含んでいてもよい(
図10参照)。
図10に示す在庫情報の例では、倉庫コード「01002:茨城部品倉庫」、部品コード「KIKAI-BUHIN-A:機械部品A」、現在庫数「10」となっている。
【0025】
製造指示情報は、製造指示データ、製造指示受入明細データ、製造指示払出明細データで構成されてもよい。製造指示データは、製造指示番号、製造指示日、倉庫コードを含んでいてもよい(
図11参照)。製造指示受入明細データは、製造指示番号、製造開始日、製造納期、商品コード、受入指示数を含んでいてもよい(
図11参照)。製造指示払出明細データは、製造指示番号、行、倉庫コード、商品コード、払出指示数を含んでいてもよい(
図11参照)。
【0026】
図3に戻り、制御部102は、部品切替シミュレーション装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、データ登録部102aと、マスタメンテ部102bと、シミュレーション部102cと、変更部102dと、画面表示制御部102eと、を備えている。
【0027】
データ登録部102aは、例えば、モニタ114に表示される不図示の入力画面上でのオペレータの操作に応じて、製造指示情報や在庫情報等を入力して、データファイル106bに登録する。
【0028】
マスタメンテ部102bは、例えば、モニタ114に表示されるマスタメンテ画面(5参照)上でのオペレータの操作に応じて、切替部品マスタ106aに対するデータの入力・追加・変更等の設定を行うためのものである。
【0029】
シミュレーション部102cは、例えば、モニタ114に表示される部品払出予定照会画面(
図6参照)において、切替部品マスタ106aに登録されている切替元部品について、データファイル106bの在庫情報及び製造指示情報を参照して、当該切替元部品を使用する製造指示情報について、製造指示番号、払出予定日、倉庫、払出指示数、在庫数-払出指示数である予定在庫数を含む切替対象候補払出指示の明細一覧を表示し、当該明細一覧で、オペレータの操作に応じて、切替部品マスタ106aの切替元部品に対応する切替先部品に切り替える行を選択し、選択した行については切替元部品を切替先部品に切り替えて予定在庫数の再計算を行って、明細一覧を更新する。
【0030】
変更部102dは、更新した明細一覧に基づいて、製造指示情報を一括で変更する。
【0031】
画面表示制御部102eは、例えば、モニタ114に表示する各種画面(例えば、部品払出予定照会画面、マスタメンテ画面等)の表示及びその入力の受付を制御する。
【0032】
[3.具体例]
本実施の形態に係る部品切替シミュレーション装置100の制御部102の処理の具体例について、
図3~
図11を参照して説明する。
図4は、本実施の形態に係る部品切替シミュレーション装置100の制御部102の全体の処理の流れを説明するためのフローを示す図である。
図5~
図10は、本実施の形態に係る部品切替シミュレーション装置100の制御部102の処理の具体例を説明するための図である。
【0033】
(3-1.全体の処理)
図4を参照して、本実施の形態に係る部品切替シミュレーション装置100の全体の処理の流れを説明する。
図4において、マスタメンテ部102bは、マスタメンテ処理を実行する(ステップS1)。具体的には、マスタメンテ処理では、マスタメンテ部102bは、例えば、モニタ114に表示されるマスタメンテ画面(5参照)上でのオペレータの操作に応じて、切替部品マスタ106aに対するデータの設定を行う。
【0034】
シミュレーション部102cは、部品切替シミュレーション処理を実行する(ステップS2)。具体的には、部品切替シミュレーション処理では、シミュレーション部102cは、例えば、モニタ114に表示される切替部品払出予定照会画面(
図6参照)において、切替部品マスタ106aに登録されている切替元部品について、データファイル106bの在庫情報及び製造指示情報を参照して、当該切替元部品を使用する製造指示情報について、製造指示番号、払出予定日、倉庫、払出指示数、在庫数-払出指示数である予定在庫数を含む切替対象候補払出指示の明細一覧を表示し、当該明細一覧で、オペレータの操作に応じて、切替部品マスタ106aの当該切替元部品に対応する切替先部品に切り替える行を選択し、選択した行については切替元部品を切替先部品に切り替えて予定在庫数の再計算を行って明細一覧を更新する。
【0035】
変更部102dは、一括更新処理を実行する(ステップS3)。具体的には、一括更新処理では、変更部102dは、シミュレーション部102cで更新された明細一覧に基づいて、製造指示情報を一括で変更する。
【0036】
(3-2.マスタメンテ処理)
図5は、マスタメンテ処理を説明するための図である。
図5(A)は、製造中止リストの例、
図5(B)は、マスタメンテ画面の例、
図5(C)は、切替部品マスタ106aの登録例を示している。
【0037】
オペレータは、
図5(A)に示す製造中止リストを元に、
図5(B)に示すマスタメンテ画面上で、切替元部品と切替先部品を登録すると、
図5(C)に示すように、切替部品マスタ106aに切替元部品と切替先部品が設定される。
【0038】
図5(C)に示す切替部品マスタ106aの例では、切替元部品コード「KIKAI-BUHIN-A」、切替元部品名「機械部品A」、切替先部品コード「KIKAI-BUHIN-A2」、切替先部品名「機械部品A2(新)」となっている。
【0039】
(3-2.部品切替シミュレーション処理及び一括変更処理)
図6~
図9は、部品切替シミュレーション処理及び一括変更処理を説明するための図であり、切替部品払出予定照会画面の表示例を示している。ここでは、
図9の切替部品マスタ106a、
図10の在庫情報、
図11(A)、(B)、(C)の製造指示情報(製造指示データ、製造指示受入明細データ、製造指示払出明細データ)のサンプルデータを使用した場合のシミュレーションの例を説明する。
【0040】
シミュレーション部102cは、切替部品払出予定照会画面において、指定される倉庫及び切替元部品について、データファイル106bの在庫情報及び製造指示情報を参照して、当該切替元部品を使用する製造指示情報について、製造指示番号、払出予定日、倉庫、払出指示数、予定在庫数(=在庫情報の在庫数-払出指示数)を含む切替対象候補払出指示の明細一覧をする。
【0041】
図6に示す切替部品払出予定照会画面の例では、事業所、倉庫、切替元部品を指定するヘッダエリアと、指定された倉庫及び切替元部品の照会結果の明細一覧エリアを備えている。明細一覧には、切替元部品を切替先部品に切り替える行を選択するための切替チェックボックス、払出予定日、製造指示番号、行、倉庫、商品、払出指示数、予定在庫数(在庫情報の在庫数-払出指示数)が表示される。
【0042】
1行目には、指定された倉庫及び切替元部品の在庫情報の現在庫が表示される。明細一覧は、切替チェックボックスのみオペレーションでの変更が可能となっている。但し、1行目の現在庫行の切替チェックボックスは選択不可と表示される。払出予定日は製造開始日とリンクしている。
【0043】
ここでは、倉庫「01002:茨城部品倉庫」、切替元部品「KIKAI-BUHIN-A:機械部品A」を指定した場合の例を説明する。
【0044】
図6に示す例では、明細一覧には、1行目に、倉庫「01002:茨城部品倉庫」、切替元部品「KIKAI-BUHIN-A:機械部品A」、予定在庫数「10」が表示される。2行目は、払出予定日「2021/04/20 製造指示番号「SSS100000200」、倉庫「01002:茨城部品倉庫」、部品「KIKAI-BUHIN-A:機械部品A」、払出指示数「6」、予定在庫数「4」となっている。3行目は、払出予定日「2021/04/30」、製造指示番号「SSS100000300」、倉庫「01002:茨城部品倉庫」、部品「KIKAI-BUHIN-A:機械部品A」、払出指示数「7」、予定在庫数「-3」となっており、予定在庫数がマイナスなっているため、切替元部品を切替先部品に切り替える必要がある。
【0045】
オペレータが切替チェックボックスをチェックして、不図示の実行ボタンを押すと、シミュレーション部102cは、選択行については、切替部品マスタ106aの切替先部品に表示を切り替えて除外して予定在庫数の再計算を行って明細一覧を更新する。これにより、切替元部品を使い切る製造指示のシミュレーションが可能となる。この例では、切替先部品「KIKAI-BUHIN-A2 機械部品A2(新)」に切り替わる。
【0046】
図7は、シミュレーション結果の表示例を示している。ここでは、3行目と、4行目の選択チックボックスをチェックして、製造指示番号「SSS100000300」、「SSS100000301」を切替先商品に切り替えることで、予定在庫数「0」として切替前商品を使い切るシミュレーションを行うことができる。
【0047】
図8において、シミュレーション結果で問題なければ、オペレータは、登録ボタンを押下することで、製造指示情報の払出商品を切替元部品から切替先部品に変更することができる。変更部102dは、登録ボタンが押されると、更新した明細一覧(シミュレーション結果)に基づいて、製造指示情報を一括で変更する。
【0048】
(3-4.サンプルデータ)
図9は、切替部品マスタ106aのサンプルデータ、
図10は在庫情報のサンプルデータ、
図11(A)、(B)、(C)は、製造指示情報(製造指示データ、製造指示受入明細データ、製造指示払出明細データ)のサンプルデータ、
図11(D)、(E)、(F)は、一括変更された製造指示情報(製造指示データ、製造指示受入明細データ、製造指示払出明細データ)のサンプルデータを示している。
【0049】
図9において、切替部品マスタ106aの1行目の切替元部品「KIKAI-BUHIN-A 機械部品A」を部品切替シミュレーション処理(切替部品払出予定照会)の対象とする。
図11(A)、(B)、(C)に示す製造指示情報(製造指示データ、製造指示受入明細データ、製造指示払出明細データ)において、〇で示した行が切替部品払出予定照会画面の明細一覧の一括出力対象となる。
図11(A)、(B)、(C)に示す製造指示情報(製造指示データ、製造指示受入明細データ、製造指示払出明細データ)は、上記
図8のシミュレーション結果(更新した明細一覧)の一括変更により、
図11(D)、(E)、(F)に示すように変更される。
【0050】
以上説明したように、本実施の形態によれば、切替元部品と、切替先部品を関連づけて登録した切替部品マスタ106aと、切替部品払出予定照会画面において、切替部品マスタ106aに登録されている切替元部品について、在庫情報と製造指示情報を参照して、当該切替元部品を使用する製造指示情報について、製造指示番号、払出予定日、倉庫、払出指示数、在庫数-払出指示数である予定在庫数を含む切替対象候補払出指示の明細一覧を表示し、当該明細一覧で、オペレータの操作に応じて、前記マスタの切替元部品に対応する切替先部品に切り替える行を選択し、選択した行については切替元部品を切替先部品に切り替えて予定在庫数の再計算を行って明細一覧を更新するシミュレーション部102cを備えているので、製造中止等により、切替元部品を切替先部品へ切り替えるタイミングを簡単に確認することが可能となる。
【0051】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0052】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0053】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0054】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0055】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0056】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0057】
また、部品切替シミュレーション装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0058】
例えば、部品切替シミュレーション装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて部品切替シミュレーション装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部106などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部102を構成する。
【0059】
また、このコンピュータプログラムは、部品切替シミュレーション装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0060】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0061】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0062】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0063】
また、部品切替シミュレーション装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、部品切替シミュレーション装置100は、当該情報処理装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0064】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能付加に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【符号の説明】
【0065】
100 部品切替シミュレーション装置
102 制御部
102a データ登録部
102b マスタメンテ部
102c シミュレーション部
102d 変更部
102e 画面表示制御部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 切替部品マスタ
106b データファイル
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク