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特許7561733半導体パッケージ、および、半導体パッケージの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】半導体パッケージ、および、半導体パッケージの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/12 20060101AFI20240927BHJP
   H01L 23/14 20060101ALI20240927BHJP
   H01L 23/00 20060101ALI20240927BHJP
   H01L 23/02 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
H01L23/12 F
H01L23/14 X
H01L23/12 501C
H01L23/00 C
H01L23/02 F
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021522678
(86)(22)【出願日】2020-04-08
(86)【国際出願番号】 JP2020015779
(87)【国際公開番号】W WO2020241068
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2023-02-15
(31)【優先権主張番号】P 2019100901
(32)【優先日】2019-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112955
【弁理士】
【氏名又は名称】丸島 敏一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 優美
(72)【発明者】
【氏名】茅野 大祐
【審査官】鈴木 孝章
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-119133(JP,A)
【文献】国際公開第2017/081840(WO,A1)
【文献】特開2016-063015(JP,A)
【文献】特開2017-183629(JP,A)
【文献】特開2013-207059(JP,A)
【文献】特開2013-118206(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/12
H01L 23/14
H01L 23/00
H01L 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体集積回路と、
前記半導体集積回路と所定の外部端子とを接続する配線と、
前記配線と前記半導体集積回路との間に設けられた強磁性体と
を具備し、
前記半導体集積回路は、接合された一対の基板の一方に形成され、
前記強磁性体および前記配線は、前記一対の基板の他方に形成される
半導体パッケージ。
【請求項2】
前記配線は、前記一対の基板の他方の両面のうち接合面に対向する面に形成される
請求項記載の半導体パッケージ。
【請求項3】
前記半導体集積回路は、固体撮像素子である
請求項1記載の半導体パッケージ。
【請求項4】
前記強磁性体は、パーマロイである
請求項1記載の半導体パッケージ。
【請求項5】
前記強磁性体の厚みは、18乃至25マイクロメートルである
請求項1記載の半導体パッケージ。
【請求項6】
一対の基板の一方に強磁性体を形成する強磁性体形成手順と、
前記一対の基板の他方に半導体集積回路を形成する回路形成手順と、
前記半導体集積回路に接続される配線を前記強磁性体の表面に形成する配線手順と、
前記配線と接続される所定の外部端子を形成する外部端子形成手順と
を具備する半導体パッケージの製造方法。
【請求項7】
前記強磁性体および前記半導体集積回路が形成された後に前記一対の基板を接合する接合手順をさらに具備する
請求項記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項8】
前記強磁性体形成手順において、前記一対の基板が接合された後に前記一方に前記強磁性体を形成し、
前記回路形成手順において、前記一対の基板が接合された後に前記他方に半導体集積回路を形成する
請求項記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項9】
前記強磁性体形成手順、前記回路形成手順、前記配線手順および前記外部端子形成手順は、ウェハレベルプロセスにより実行される
請求項記載の半導体パッケージの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、半導体パッケージに関する。詳しくは、ウェハレベルでパッケージングを行う半導体パッケージ、および、半導体パッケージの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、半導体集積回路の取り扱いを容易にするなどの目的で、その半導体集積回路を基板に実装して密閉した半導体パッケージが用いられている。半導体パッケージには様々な種類があるが、その中でも、高密度実装が可能であることから、ウェハレベルパッケージ(WL-CSP:Wafer Level-Chip Size Package)が注目されている。このウェハレベルパッケージは、再配線や電極形成からダイシングまでをウェハレベルプロセスにより行った半導体パッケージである。例えば、半導体基板の一方の面に固体撮像素子を形成した後に他方の面に再配線を形成し、その再配線により固体撮像素子を半田ボールに電気的に接続した構造のウェハレベルパッケージが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-158863号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のウェハレベルパッケージでは、ダイシングまでの工程をウェハレベルで行うことにより、パッケージの薄膜化や小型化を図っている。しかしながら、再配線が信号を伝送する際に、再配線の周囲に磁界が発生し、その磁界の変化により固体撮像素子に電磁ノイズが生じることがある。電磁ノイズが生じると、その電磁ノイズにより画像データの画質が低下してしまうという問題がある。
【0005】
本技術はこのような状況に鑑みて生み出されたものであり、再配線が設けられた半導体パッケージにおいて、電磁ノイズを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術は、上述の問題点を解消するためになされたものであり、その第1の側面は、半導体集積回路と、上記半導体集積回路と所定の外部端子とを接続する配線と、上記配線と上記半導体集積回路との間に設けられた強磁性体とを具備する半導体パッケージである。これにより、強磁性体によって磁界が遮断されるという作用をもたらす。
【0007】
また、この第1の側面において、上記半導体集積回路は、接合された一対の基板の一方に形成され、上記強磁性体および上記配線は、上記一対の基板の他方に形成されてもよい。これにより、基板に設けられた強磁性体によって磁界が遮断されるという作用をもたらす。
【0008】
また、この第1の側面において、上記配線は、上記一対の基板の他方の両面のうち接合面に対向する面に形成されてもよい。これにより、ウェハレベルプロセスにより製造された半導体パッケージにおいて強磁性体によって磁界が遮断されるという作用をもたらす。
【0009】
また、この第1の側面において、上記半導体集積回路は、固体撮像素子であってもよい。これにより、画像データの画質が向上するという作用をもたらす。
【0010】
また、この第1の側面において、上記強磁性体は、パーマロイであってもよい。これにより、パーマロイによって磁界が遮断されるという作用をもたらす。
【0011】
また、この第1の側面において、上記強磁性体の厚みは、18乃至25マイクロメートルであってもよい。これにより、18乃至25マイクロメートルの厚さの強磁性体によって磁界が遮断されるという作用をもたらす。
【0012】
また、本技術の第2の側面は一対の基板の一方に強磁性体を形成する強磁性体形成手順と、上記一対の基板の他方に半導体集積回路を形成する回路形成手順と、上記半導体集積回路に接続される配線を上記強磁性体の表面に形成する配線手順と、上記配線と接続される所定の外部端子を形成する外部端子形成手順とを具備する半導体パッケージの製造方法である。これにより、配線と半導体集積回路との間に強磁性体が設けられた半導体パッケージが製造されるという作用をもたらす。
【0013】
また、この第2の側面において、上記強磁性体および上記半導体集積回路が形成された後に上記一対の基板を接合する接合手順をさらに具備してもよい。これにより、一対の基板が常温接合されるという作用をもたらす。
【0014】
また、この第2の側面において、上記強磁性体形成手順において、上記一対の基板が接合された後に上記一方に上記強磁性体を形成し、上記回路形成手順において、上記一対の基板が接合された後に上記他方に半導体集積回路を形成してもよい。これにより、常温接合以外の接合により一対の基板が接合されるという作用をもたらす。
【0015】
また、この第2の側面において、上記強磁性体形成手順、上記回路形成手順、上記配線手順および上記外部端子形成手順は、ウェハレベルプロセスにより実行されてもよい。これにより、ウェハレベルプロセスにより半導体パッケージが製造されるという作用をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本技術の第1の実施の形態におけるウェハレベルパッケージの平面図および断面図の一例である。
図2】比較例におけるウェハレベルパッケージの断面図の一例である。
図3】本技術の第1の実施の形態における磁性体ウェハの平面図および断面図の一例である。
図4】本技術の第1の実施の形態におけるイメージセンサウェハの平面図および断面図の一例である。
図5】本技術の第1の実施の形態におけるウェハの貼り合わせまでの製造工程を説明するための図である。
図6】本技術の第1の実施の形態における再配線の形成までの製造工程を説明するための図である。
図7】本技術の第1の実施の形態におけるダイシングまでの製造工程を説明するための図である。
図8】本技術の第1の実施の形態におけるウェハレベルパッケージの製造方法の一例を示すフローチャートである。
図9】本技術の第2の実施の形態におけるウェハレベルパッケージの断面図の一例である。
図10】本技術の第2の実施の形態における光学膜層の形成までの製造工程を説明するための図である。
図11】本技術の第2の実施の形態における貫通孔の形成までの製造工程を説明するための図である。
図12】本技術の第2の実施の形態におけるダイシングまでの製造工程を説明するための図である。
図13】本技術の第2の実施の形態におけるウェハレベルパッケージの製造方法の一例を示すフローチャートである。
図14】車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
図15】撮像部の設置位置の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本技術を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)について説明する。説明は以下の順序により行う。
1.第1の実施の形態(固体撮像素子と再配線との間に強磁性体を設けた例)
2.第2の実施の形態(ウェハ接合の後に固体撮像素子と再配線との間に強磁性体を設けた例)
3.移動体への応用例
【0018】
<1.第1の実施の形態>
[ウェハレベルパッケージの構成例]
図1は、本技術の第1の実施の形態におけるウェハレベルパッケージ100の平面図および断面図の一例である。同図におけるaは、ウェハレベルパッケージ100の平面図の一例であり、同図におけるbは、ウェハレベルパッケージ100の断面図の一例である。
【0019】
同図におけるaに例示するように、ウェハレベルパッケージ100は矩形であり、両面のうち一方の面は、ソルダーマスク120により覆われ、複数の半田ボール121が配列されている。これらの半田ボール121は、ウェハレベルパッケージ100の外部の回路と、ウェハレベルパッケージ100内の回路とを電気的に接続するための外部端子として用いられる。なお、記載の便宜上、半田ボール121は9個のみが配置されているが、実際には、より多くの個数が配置される。
【0020】
以下、ウェハレベルパッケージ100の表面に平行な所定方向をX方向とし、その表面に垂直な方向をZ方向とする。また、X方向およびZ方向に垂直な方向をY方向とする。
【0021】
同図におけるbは、例えば、Y方向から見た断面図である。また、同図におけるbの矢印は、光の入射方向を示す。同図におけるbに例示するように、ウェハレベルパッケージ100の一方の面にガラス115が配置され、そのガラス115に、Z方向に沿って光が入射される。この光の入射面を以下、「受光面」とする。また、ウェハレベルパッケージ100の両面のうち受光面に対向する面には、上述のソルダーマスク120および半田ボール121が配置される。
【0022】
受光面への方向を下方として、ガラス115の上方には、シリコン基板113が設けられ、そのシリコン基板113の上面にはシリコン基板116の下面が接合される。このシリコン基板113の下面(すなわち、受光面側の面)には、固体撮像素子170が設けられる。また、シリコン基板113の下面のうち固体撮像素子170の周囲の領域とガラス115との間のスペースには、スペーサー樹脂114が充填される。
【0023】
固体撮像素子170は、光電変換により、画像データを生成するものである。固体撮像素子170として、例えば、裏面照射型のCIS(CMOS Image Sensor)が用いられる。この固体撮像素子170には、光学膜層156が設けられる。光学膜層156は、R(Red)、G(Green)およびB(Blue)などの可視光を透過するものであり、カラーフィルタやマイクロレンズにより構成される。
【0024】
また、シリコン基板113および116には、それらを貫通する複数の貫通孔が形成され、その貫通孔と固体撮像素子170との間には外部接続用配線117が配線される。また、貫通孔の内側に絶縁膜118が形成される。その絶縁膜118の内側には、再配線119が形成され、再配線119と外部接続用配線117とが接続される。
【0025】
シリコン基板116の上面のうち、固体撮像素子170の上方に位置する領域には、強磁性体112が配置される。強磁性体112として、例えば、パーマロイが用いられる。また、強磁性体112のZ方向における厚さは、18乃至25マイクロメートル(μm)程度が望ましい。
【0026】
なお、強磁性体112として、純鉄、ケイ素鋼、アモルファスなど、パーマロイ以外の磁性材料を用いることもできる。
【0027】
シリコン基板116の上面のうち強磁性体112の周囲の領域と、強磁性体112の表面とには、絶縁膜118が形成される。その絶縁膜118の表面には、再配線119が形成される。この再配線119は、外部接続用配線117と接続される。
【0028】
上述の構成により、固体撮像素子170と半田ボール121とは、再配線119および外部接続用配線117により電気的に接続される。また、固体撮像素子170と再配線119との間には、強磁性体112が配置される。固体撮像素子170は、接合されたシリコン基板113および116のうちシリコン基板113に形成され、再配線119および強磁性体112は、シリコン基板116に形成される。この再配線119は、シリコン基板116の両面のうち、接合面と対向する面(下面)に形成される。
【0029】
なお、ウェハレベルパッケージ100内に固体撮像素子170を配置しているが、この構成に限定されない。ToF(Time of Flight)センサや、GPS(Global Positioning System)センサなど、固体撮像素子170以外の半導体集積回路を配置することもできる。
【0030】
また、ウェハレベルパッケージ100は、特許請求の範囲に記載の半導体パッケージの一例である。シリコン基板113および116は、特許請求の範囲に記載の一対の基板の一例である。半田ボール121は、特許請求の範囲に記載の外部端子の一例である。固体撮像素子170は、特許請求の範囲に記載の半導体集積回路の一例であり、再配線119は、特許請求の範囲に記載の配線の一例である。
【0031】
ここで、強磁性体112を配置した効果について説明するために、比較例として、強磁性体112を設けない構成のウェハレベルパッケージを考える。
【0032】
図2は、比較例におけるウェハレベルパッケージの断面図の一例である。同図に例示するように、この比較例では、強磁性体112が配置されない。また、シリコン基板113にシリコン基板116は接合されず、シリコン基板113の上面に再配線119が形成される。
【0033】
このような比較例では、再配線119が信号を伝送する際に再配線119の周囲に磁界が発生し、その磁界の変化により固体撮像素子170に電磁ノイズが生じることがある。電磁ノイズが生じると、画像データの画質が低下してしまう。同図における矢印の付いた曲線は、磁界内の磁束を示す。
【0034】
これに対して、図1に例示したように固体撮像素子170と再配線119との間に強磁性体112を配置した構成では、強磁性体112が、再配線119の周囲に生じた磁界を遮断する磁気シールドとして機能する。このため、再配線119を発生源とする電磁ノイズを抑制することができる。したがって、比較例よりも画像データの画質を向上させることができる。
【0035】
次に、ウェハレベルパッケージ100の製造方法について説明する。このウェハレベルパッケージ100は、例えば、一対のウェハを貼り合わせて接合する手順を含む製造方法により製造される。これらのウェハの一方を以下、「磁性体ウェハ」と称し、他方を「イメージセンサウェハ」と称する。
【0036】
[磁性体ウェハの構成例]
図3は、本技術の第1の実施の形態における磁性体ウェハ206の平面図および断面図の一例である。同図におけるaは、磁性体ウェハ206の平面図であり、同図におけるbは、磁性体ウェハ206の断面図である。
【0037】
同図におけるaに例示するように、磁性体ウェハ206は、円盤状であり、その表面には複数の強磁性体112が形成される。同図におけるaの点線で囲まれた領域は、後述するダイシングにより個片化される領域の一例である。ただし、ダイシングは、半田ボールの形成の後に実行される。
【0038】
同図におけるbは、同図におけるaのX1-X2の線分に沿って磁性体ウェハ206を切断した場合のY方向から見た断面図である。同図におけるbのシリコン基板116は、同図におけるaの磁性体ウェハ206に該当する。以下、断面図の説明においては、ウェハを「基板」と称する。
【0039】
同図におけるbに例示するように、製造システムは、シリコン基板116(すなわち、磁性体ウェハ206)の表面に酸化膜160を成膜し、さらに、パーマロイなどの強磁性体112をスパッタ法により成膜する。また、製造システムは、高い透磁率を実現するために、400度以上の環境下でのアニールを行う。パーマロイとして、例えば、鉄(Fe)の比率が20パーセント(%)で、ニッケル(Ni)の比率が80パーセント(%)の合金が用いられる。
【0040】
[イメージセンサウェハの構成例]
図4は、本技術の第1の実施の形態におけるイメージセンサウェハ203の平面図および断面図の一例である。同図におけるaは、イメージセンサウェハ203の平面図の一例であり、同図におけるbは、イメージセンサウェハ203の断面図の一例である。
【0041】
同図におけるaに例示するように、イメージセンサウェハ203は、円盤状であり、その表面には複数の光学膜層156が形成される。同図におけるaの点線で囲まれた領域は、後述するダイシングにより個片化される領域の一例である。また、同図におけるaにおいて、外部接続用配線117、スペーサー樹脂114およびガラス115は、記載の便宜上、省略されている。
【0042】
同図におけるbは、同図におけるaのX3-X4の線分に沿ってイメージセンサウェハ203を切断した場合のY方向から見た断面図である。同図におけるbのシリコン基板113は、同図におけるaのイメージセンサウェハ203に該当する。
【0043】
製造システムは、シリコン基板113(すなわち、イメージセンサウェハ203)の表面に、光学膜層156を含む固体撮像素子170を形成し、その周囲に外部接続用配線117およびスペーサー樹脂114をパターニングする。そして、製造システムは、スペーサー樹脂114により、イメージセンサウェハ203にガラス115を貼り合わせる。
【0044】
図5は、本技術の第1の実施の形態におけるウェハの貼り合わせまでの製造工程を説明するための図である。同図におけるaは、研磨の工程を説明するための断面図であり、同図におけるbは、ウェハの貼り合わせの工程を説明するための断面図である。
【0045】
同図におけるaに例示するように、製造システムは、シリコン基板113(イメージセンサウェハ203)の裏面を研磨する。ここで、イメージセンサウェハ203の裏面は、イメージセンサウェハ203の両面のうち固体撮像素子170が形成されていない方の面である。
【0046】
次に同図におけるbに例示するように、製造システムは、シリコン基板113(イメージセンサウェハ203)の裏面とシリコン基板116(磁性体ウェハ206)の裏面とを貼り合わせて接合する。ここで、磁性体ウェハ206の裏面は、磁性体ウェハ206の両面のうち強磁性体112が形成されていない方の面である。また、接合の際には、固体撮像素子170にダメージを与えないために、常温接合が行われる。常温接合において製造システムは、高真空中で基板表面にイオンビームなどをあてダングリングボンドを形成して活性化し、活性化した面同士を貼り合わせる。
【0047】
図6は、本技術の第1の実施の形態における再配線の形成までの製造工程を説明するための図である。同図におけるaは、絶縁膜118の成膜の工程を説明するための断面図であり、同図におけるbは、再配線119のパターニングの工程を説明するための断面図である。
【0048】
同図におけるaに例示するように、製造システムは、シリコン基板116側からシリコン層および絶縁層をエッチングし、外部接続用配線117まで達する貫通孔を形成する。そして、製造システムは、貫通孔の内壁と、シリコン基板116(磁性体ウェハ206)上の強磁性体112の表面と、その周囲とに絶縁膜118を成膜する。
【0049】
次に同図におけるbに例示するように、製造システムは、再配線119をパターニングする。
【0050】
図7は、本技術の第1の実施の形態におけるダイシングまでの製造工程を説明するための図である。同図におけるaは、ソルダーマスク120をパターニングする工程を説明するための断面図であり、同図におけるbは、半田ボール121の形成およびダイシングの工程を説明するための断面図である。
【0051】
同図におけるaに例示するように、製造システムは、シリコン基板116(磁性体ウェハ206)側において、ソルダーマスク120をパターニングする。
【0052】
次に、製造システムは、同図におけるbに例示するように半田ボール121を形成し、ダイシングにより複数のチップに個片化して、ウェハレベルパッケージ100を完成させる。
【0053】
図8は、本技術の第1の実施の形態におけるウェハレベルパッケージ100の製造方法の一例を示すフローチャートである。製造システムは、シリコン基板116(磁性体ウェハ206)の表面に強磁性体112をパターニングする(ステップS901)。その一方で、製造システムは、シリコン基板113(イメージセンサウェハ203)の表面に固体撮像素子170、外部接続用配線117やスペーサー樹脂114を形成し(ステップS902)、ガラス115と貼り合わせる(ステップS903)。このように、強磁性体112の成膜後に、固体撮像素子170が形成されるため、強磁性体112の成膜の際の高温処理により、固体撮像素子170(特に、光学膜層156)がダメージを受けることは無い。
【0054】
続いて製造システムは、シリコン基板113(イメージセンサウェハ203)の裏面を研磨し(ステップS904)、シリコン基板116(磁性体ウェハ206)と貼り合わせて接合する(ステップS905)。
【0055】
製造システムは、エッチングにより貫通孔を形成し(ステップS906)、絶縁膜118を成膜する(ステップ907)。次に、製造システムは、再配線119をパターニングする(ステップS908)。そして、製造システムは、ソルダーマスク120をパターニングする(ステップS909)。最後に製造システムは、半田ボール121を形成し、ダイシングにより個片化する(ステップS910)。
【0056】
このように、本技術の第1の実施の形態によれば、再配線119と固体撮像素子170との間に強磁性体112を配置したため、再配線119の周囲の磁界を強磁性体112が遮断することができる。これにより、磁界の変化による電磁ノイズを抑制し、その電磁ノイズに起因する画像データの画質低下を防止することができる。
【0057】
<2.第2の実施の形態>
上述の第1の実施の形態では、イメージセンサウェハ203および磁性体ウェハ206を貼り合わせて常温接合していたが、常温接合を行う際には、一般に高い真空度が要求され、製造コストが増大するおそれがある。この第2の実施の形態のウェハレベルパッケージ100は、常温接合以外の接合方法により製造される点において第1の実施の形態と異なる。
【0058】
図9は、本技術の第2の実施の形態におけるウェハレベルパッケージ100の断面図の一例である。この第2の実施の形態のウェハレベルパッケージ100は、シリコン基板113および116の代わりに、センサ回路基板150および支持基板151を備える点において第1の実施の形態と異なる。
【0059】
センサ回路基板150として、円盤状のシリコン基板(言い換えれば、シリコンウェハ)などの半導体基板が用いられる。
【0060】
支持基板151として、シリコン基板などの半導体基板が用いられる。なお、支持基板151は、半導体基板に限定されず、強磁性体を形成することができるものであれば、半導体基板以外の基板であってもよい。
【0061】
なお、センサ回路基板150および支持基板151は、特許請求の範囲における一対の基板の一例である。
【0062】
図10は、本技術の第2の実施の形態における光学膜層156の形成までの製造工程を説明するための図である。同図におけるaは、強磁性体112のパターニングの工程を説明するための断面図であり、同図におけるbは、仮接着の工程を説明するための断面図である。同図におけるcは、固体撮像素子170の形成の工程を説明するための断面図である。
【0063】
製造システムは、まず、センサ回路基板150に支持基板151を接合する。これらの基板は、拡散接合や溶融接合などにより接合される。
【0064】
そして、同図におけるaに例示するように、製造システムは、支持基板151の表面にパーマロイなどの強磁性体112をスパッタ法によりパターニングし、400度以上のアニールを行う。
【0065】
次に、同図におけるbに例示するように、製造システムは、仮接着剤152により、支持基板151に仮基板153を仮接着する。
【0066】
そして、同図におけるcに例示するように、製造システムは、センサ回路基板150の表面に、光学膜層156を含む固体撮像素子170を形成し、外部接続用配線117のパターニングを行う。
【0067】
上述したように、センサ回路基板150および支持基板151の接合は、固体撮像素子170の形成前に行われるため、それらの基板同士の接合に、常温接合以外の接合を用いることができる。これにより、製造コストを削減することができる。
【0068】
図11は、本技術の第2の実施の形態における貫通孔の形成までの製造工程を説明するための図である。同図におけるaは、スペーサー樹脂114のパターニングおよびガラス115の貼り合わせの工程を説明するための断面図である。同図におけるbは、仮基板153の除去の工程を説明するための断面図である。同図におけるcは、貫通孔の形成の工程を説明するための断面図である。
【0069】
同図におけるaに例示するように、製造システムは、光学膜層156の周囲にスペーサー樹脂114をパターニングし、ガラス115を貼り合わせる。
【0070】
次に同図におけるbに例示するように、製造システムは、仮基板153を除去する。続いて、製造システムは、同図におけるcに例示するように、支持基板151側からシリコンおよび絶縁層をエッチングし、外部接続用配線117まで貫通する貫通孔を形成する。
【0071】
図12は、本技術の第2の実施の形態におけるダイシングまでの製造工程を説明するための図である。同図におけるaは、絶縁膜118の形成および再配線119のパターニングの工程を説明するための断面図である。同図におけるbは、ソルダーマスク120および半田ボール121の形成とダイシングとの工程を説明するための断面図である。
【0072】
同図におけるaに例示するように、製造システムは、貫通孔等に絶縁膜118を製膜し、再配線119をパターニングする。
【0073】
次に同図におけるbに例示するように、製造システムは、ソルダーマスク120をパターニングし、半田ボール121を形成する。そして、製造システムは、ダイシングにより複数のチップに個片化する。
【0074】
図13は、本技術の第2の実施の形態におけるウェハレベルパッケージ100の製造方法の一例を示すフローチャートである。
【0075】
製造システムは、センサ回路基板150および支持基板151を接合した後に支持基板151の表面に強磁性体112をパターニングする(ステップS911)。そして製造システムは、仮接着剤152により、支持基板151に仮基板153を仮接着する(ステップS912)。
【0076】
製造システムは、センサ回路基板150の表面に、固体撮像素子170や外部接続用配線117を形成し(ステップS913)、スペーサー樹脂114のパターニングとガラス115の貼り合わせとを行う(ステップS914)。
【0077】
続いて製造システムは、仮基板153を除去し(ステップS915)、エッチングにより貫通孔を形成する(ステップS916)。製造システムは、貫通孔等に絶縁膜118を製膜し(ステップS917)、再配線119をパターニングする(ステップS918)。そして、製造システムは、ソルダーマスク120をパターニングし(ステップS919)、ダイシングにより複数のチップに個片化する(ステップS920)。
【0078】
このように、本技術の第2の実施の形態によれば、製造システムが、センサ回路基板150および支持基板151を接合した後に強磁性体112および固体撮像素子170を形成するため、拡散接合などにより、基板同士を接合することができる。これにより、高い真空度を要する常温接合を行う第1の実施の形態と比較して、接合を容易に行うことができる。
【0079】
<3.移動体への応用例>
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット等のいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
【0080】
図14は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
【0081】
車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。図14に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、及び統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、及び車載ネットワークI/F(interface)12053が図示されている。
【0082】
駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
【0083】
ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
【0084】
車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。
【0085】
撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であっても良いし、赤外線等の非可視光であっても良い。
【0086】
車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
【0087】
マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
【0088】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0089】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12020に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検知した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
【0090】
音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。図14の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062及びインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0091】
図15は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
【0092】
図15では、撮像部12031として、撮像部12101,12102,12103,12104,12105を有する。
【0093】
撮像部12101,12102,12103,12104,12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102,12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
【0094】
なお、図15には、撮像部12101ないし12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112,12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102,12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101ないし12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
【0095】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
【0096】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111ないし12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0097】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
【0098】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101ないし12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
【0099】
以上、本開示に係る技術が適用され得る車両制御システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、例えば、撮像部12031に適用され得る。具体的には、図1のウェハレベルパッケージ100は、撮像部12031に適用することができる。撮像部12031に本開示に係る技術を適用することにより、電磁ノイズを抑制して、より見やすい撮影画像を得ることができるため、ドライバの疲労を軽減することが可能になる。
【0100】
なお、上述の実施の形態は本技術を具現化するための一例を示したものであり、実施の形態における事項と、特許請求の範囲における発明特定事項とはそれぞれ対応関係を有する。同様に、特許請求の範囲における発明特定事項と、これと同一名称を付した本技術の実施の形態における事項とはそれぞれ対応関係を有する。ただし、本技術は実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において実施の形態に種々の変形を施すことにより具現化することができる。
【0101】
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって、限定されるものではなく、また、他の効果があってもよい。
【0102】
なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
(1)半導体集積回路と、
前記半導体集積回路と所定の外部端子とを接続する配線と、
前記配線と前記半導体集積回路との間に設けられた強磁性体と
を具備する半導体パッケージ。
(2)前記半導体集積回路は、接合された一対の基板の一方に形成され、
前記強磁性体および前記配線は、前記一対の基板の他方に形成される
前記(1)記載の半導体パッケージ。
(3)前記配線は、前記一対の基板の他方の両面のうち接合面に対向する面に形成される
前記(2)記載の半導体パッケージ。
(4)前記半導体集積回路は、固体撮像素子である
前記(1)から(3)のいずれかに記載の半導体パッケージ。
(5)前記強磁性体は、パーマロイである
前記(1)から(4)のいずれかに記載の半導体パッケージ。
(6)前記強磁性体の厚みは、18乃至25マイクロメートルである
前記(1)から(5)のいずれかに記載の半導体パッケージ。
(7)一対の基板の一方に強磁性体を形成する強磁性体形成手順と、
前記一対の基板の他方に半導体集積回路を形成する回路形成手順と、
前記半導体集積回路に接続される配線を前記強磁性体の表面に形成する配線手順と、
前記配線と接続される所定の外部端子を形成する外部端子形成手順と
を具備する半導体パッケージの製造方法。
(8)前記強磁性体および前記半導体集積回路が形成された後に前記一対の基板を接合する接合手順をさらに具備する
前記(7)記載の半導体パッケージの製造方法。
(9)前記強磁性体形成手順において、前記一対の基板が接合された後に前記一方に前記強磁性体を形成し、
前記回路形成手順において、前記一対の基板が接合された後に前記他方に半導体集積回路を形成する
前記(7)記載の半導体パッケージの製造方法。
(10)前記強磁性体形成手順、前記回路形成手順、前記配線手順および前記外部端子形成手順は、ウェハレベルプロセスにより実行される
前記(7)から(9)のいずれかに記載の半導体パッケージの製造方法。
【符号の説明】
【0103】
100 ウェハレベルパッケージ
112 強磁性体
113、116 シリコン基板
114 スペーサ―樹脂
115 ガラス
117 外部接続用配線
118 絶縁膜
119 再配線
120 ソルダーマスク
121 半田ボール
150 センサ回路基板
151 支持基板
152 仮接着剤
153 仮基板
156 光学膜層
160 酸化膜
170 固体撮像素子
203 イメージセンサウェハ
206 磁性体ウェハ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15