(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】チャープパルス増幅および適合パルス列を有する超短パルスレーザ発生源
(51)【国際特許分類】
H01S 3/10 20060101AFI20240927BHJP
H01S 3/11 20230101ALI20240927BHJP
H01S 3/067 20060101ALI20240927BHJP
G02F 1/37 20060101ALN20240927BHJP
【FI】
H01S3/10 Z
H01S3/11
H01S3/067
G02F1/37
(21)【出願番号】P 2021544626
(86)(22)【出願日】2020-01-31
(86)【国際出願番号】 US2020016121
(87)【国際公開番号】W WO2020160415
(87)【国際公開日】2020-08-06
【審査請求日】2023-01-30
(32)【優先日】2019-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】501012517
【氏名又は名称】アイピージー フォトニクス コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アレックス・ユシム
(72)【発明者】
【氏名】イゴール・サマルツェフ
(72)【発明者】
【氏名】マニュエル・ジェイ・レオナルド
(72)【発明者】
【氏名】ヴァディム・アイ・スミルノフ
(72)【発明者】
【氏名】パンカジ・カドワニ
(72)【発明者】
【氏名】アレクセイ・アヴドキン
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス・ヴォーペル
【審査官】右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/158261(WO,A1)
【文献】特表2009-524232(JP,A)
【文献】特開2008-270510(JP,A)
【文献】国際公開第2019/023015(WO,A1)
【文献】特開平10-333194(JP,A)
【文献】特開2007-317708(JP,A)
【文献】特表2010-510660(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0034115(US,A1)
【文献】中国実用新案第202093291(CN,U)
【文献】国際公開第2018/108900(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 3/00 - 3/30
G02F 1/00 - 1/125
G02F 1/21 - 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1ナノ秒未満の初期パルス持続時間および少なくとも1MHzのパルス繰り返し率を有する入力パルスの入力列を提供するように構成されるモードロックレーザ発生源と、
前記モードロックレーザ発生源に光学的に結合されて、前記入力パルスの入力列のパルス持続時間を伸ばし伸張レーザパルスの列を生成するように構成される光パルス伸張器と、
前記光パルス伸張器に光学的に結合され、前記伸張レーザパルスの列のパルス繰り返し率より高いパルス繰り返し率を有する、レーザ光の修正パルス列を生成するように前記伸張レーザパルスの列を複製するように構成されるパルス複製モジュールと、
前記パルス複製モジュールに光学的に結合され、前記修正パルス列を増幅して増幅レーザパルスを生成するように構成されるファイバパワー増幅器であって、前記増幅レーザパルスが30未満のピーク平均パワー比率を有する、ファイバパワー増幅器と、
前記ファイバパワー増幅器に光学的に結合され、前記増幅レーザパルスを時間的に圧縮して増幅圧縮レーザパルスを生成するように構成されるパルス圧縮器と、
前記パルス圧縮器に光学的に結合され、周波数変換のために前記増幅圧縮レーザパルスを受け取るように構成される、少なくとも1つの非線形周波数変換段と、
を備え、
前記非線形周波数変換段が、少なくとも15%の変換効率を有するように構成され、かつ、少なくとも200ワットの平均パワーを有する紫外線(UV)レーザ光を出力する、ファイバベースレーザシステム。
【請求項2】
前記入力パルスの入力列が、10fsから100psの範囲の初期パルス持続時間を有し、前記増幅圧縮レーザパルスが、前記初期パルス持続時間より短いパルス持続時間を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記光パルス伸張器が、前記増幅圧縮レーザパルスが1psから25psの範囲の持続時間を有するように前記初期パルス持続時間を伸ばすように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記モードロックレーザ発生源が受動モードロックファイバリングキャビティとして構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記受動モードロックファイバリングキャビティが、前記入力パルスとして、巨大なチャープパルスを生成するように構成される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
1ナノ秒未満の初期パルス持続時間および少なくとも1MHzのパルス繰り返し率を有する入力パルスの入力列を生成するステップと、
前記入力パルスの前記初期パルス持続時間を伸ばし伸張レーザパルスの列を生成するステップと、
前記伸張レーザパルスを複製して、前記伸張レーザパルスの列のパルス繰り返し率より高いパルス繰り返し率を有する修正パルス列を生成するステップと、
前記修正パルス列を増幅して増幅レーザパルスを生成するステップと、
前記増幅レーザパルスを圧縮するステップであって、これにより増幅圧縮レーザパルスを生成する、ステップと、
前記増幅圧縮レーザパルスを、
少なくとも15%の変換効率を有する非線形周波数変換段により少なくとも200ワットの平均パワーを有する紫外線光へと周波数変換するステップと、
を含む、方法。
【請求項7】
アモルファス基板材料を前記紫外線光で多結晶形へとアニールするステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記入力パルスの入力列を生成するように構成される受動モードロックファイバリングキャビティを有するモードロックレーザ発生源を設けるステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記伸張レーザパルスを複製するステップが、前記伸張レーザパルスを少なくとも1つのパルス複製モジュールを通過させるステップを含み、前記パルス複製モジュールが、入力溶融ファイバ光カプラ、出力溶融ファイバ光カプラ、および前記入力溶融ファイバ光カプラと前記出力溶融ファイバ光カプラの間に配設される少なくとも1つの光ファイバ遅延線を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記パルス複製モジュールが、入力溶融ファイバ光カプラ、出力溶融ファイバ光カプラ、および前記入力溶融ファイバ光カプラと前記出力溶融ファイバ光カプラの間に配設される少なくとも1つの光ファイバ遅延線を備える、少なくとも2つの溶融ファイバ光カプラを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記パルス複製モジュールが、各連続段が前記修正パルス列に時間遅延を導入するように各々が光ファイバ遅延線を含む複数の段を含み、時間遅延した複製パルスの列が、前記出力溶融ファイバ光カプラの出力において前記修正パルス列として提供される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記光パルス伸張器が、前記初期パルス持続時間を、数ナノ秒の程度のパルス持続時間に伸ばすように構成され、前記増幅圧縮レーザパルスが、前記初期パルス持続時間より短いパルス持続時間を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記パルス複製モジュールが、前記伸張レーザパルスの列の前記パルス繰り返し率を、数十MHzおよび数GHzレベルに増加させるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記パルス圧縮器が、少なくとも1つのビームスプリッタおよび少なくとも2つの体積ブラッグ格子(VBG)を備える、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年1月31日に出願された「ULTRASHORT PULSE LASER SOURCE WITH CHIRPED PULSE AMPLIFICATION AND TAILORED PULSE TRAIN」という題名の米国仮特許出願第62/799492号、および2019年6月21日に出願された「ULTRASHORT PULSE LASER SOURCE WITH CHIRPED PULSE AMPLIFICATION AND TAILORED PULSE TRAIN」という題名の米国特許出願第62/864834号に関係する。
【0002】
本技術分野は、一般的にレーザシステムに関し、より詳細には、高い繰り返し率の超短パルスを有し、高い平均パワーを有するレーザ光を生成することが可能なレーザシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
レーザは、種々多様な産業用途で使用されており、いくつかのレーザシステムは、1つのデバイス中で切断、穿孔、測定、および/または溶接などといった、複数の材料処理タスクを実施することが可能である。より短い波長、より短いパルス持続時間、および高いビーム品質を有するレーザシステムは、微細加工用途でますます重要となっており、次第に小さくより複雑になる幾何形状によって、より高度な製造プロセスが必要となる。紫外線(UV)レーザシステムにより提供されるより短い波長およびより小さいスポットサイズによって、より高い空間分解能、ならびに透明で反射性の材料を処理する能力が可能になる。短いパルス幅と組み合わせたUV波長で利用可能な高いエネルギ吸収によって、熱影響部(HAZ)および炭化など他の熱の影響がやはり最小化される。UVレーザ光を生成する従来の方法は、高価で高い維持費用のかかるエキシマレーザの使用を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】PCT出願第PCT/US2015/014248号
【文献】PCT出願第PCT/US2018/025152号
【文献】米国特許出願第15/536,170号
【文献】米国特許第10/193,296号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つまたは複数の実施形態によれば、レーザシステムが提供される。レーザシステムは、入力パルスの入力列のパルス持続時間を伸ばし、伸張レーザパルスの列を生成するように構成される光パルス伸張器と、光パルス伸張器に光学的に結合され、伸張レーザパルスの列のパルス繰り返し率を増加させ、レーザ光の修正パルス列を生成するように構成されるパルス複製モジュールと、パルス複製モジュールに光学的に結合され、修正パルス列を増幅して増幅レーザパルスを生成するように構成されるファイバパワー増幅器と、ファイバパワー増幅器に光学的に結合され、増幅レーザパルスを時間的に圧縮して増幅圧縮レーザパルスを生成するように構成されるパルス圧縮器とを備える。
【0006】
一例によれば、パルス複製モジュールは、入力溶融ファイバ光カプラ、出力溶融ファイバ光カプラ、および入力溶融ファイバ光カプラと出力溶融ファイバ光カプラの間に配設される少なくとも1つの光ファイバ遅延線を備える、少なくとも2つの溶融ファイバ光カプラを含む。さらなる例によれば、パルス複製モジュールは、各連続段が修正パルス列に時間遅延を導入するように各々が光ファイバ遅延線を含む複数の段を含み、時間遅延した複製パルスの列が、出力溶融ファイバ光カプラの出力において修正パルス列として提供される。一例では、時間遅延は、各連続段で予め規定された量だけ増減される。別の例では、時間遅延の予め規定された量は、複数の段のうちの他の段についてとは少なくとも1つの段について異なる。
【0007】
一例によれば、入力パルスの入力列は、1ナノ秒未満の初期パルス持続時間および最低1メガヘルツ(MHz)の初期パルス繰り返し率を有する。別の例では、光パルス伸張器は、初期パルス持続時間を、数ナノ秒の程度のパルス持続時間に伸ばすように構成され、増幅圧縮レーザパルスは、初期パルス持続時間より短いパルス持続時間を有する。別の例によれば、パルス複製モジュールは、伸張レーザパルスの列のパルス繰り返し率を、数十MHzおよび数GHzレベルに増加させるように構成される。
【0008】
一例では、レーザシステムは、入力パルスの入力列を生成するように構成される、受動モードロックレーザ発生源をさらに備える。
【0009】
別の実施形態によれば、ファイバベースレーザシステムが提供される。ファイバベースレーザシステムは、1ナノ秒未満の初期パルス持続時間および少なくとも1MHzのパルス繰り返し率を有する入力パルスの入力列を提供するように構成されるモードロックレーザ発生源と、モードロックレーザ発生源に光学的に結合されて、入力パルスの入力列のパルス持続時間を伸ばし伸張レーザパルスの列を生成するように構成される光パルス伸張器と、光パルス伸張器に光学的に結合され、伸張レーザパルスの列のパルス繰り返し率を増加させ、レーザ光の修正パルス列を生成するように構成されるパルス複製モジュールと、パルス複製モジュールに光学的に結合され、修正パルス列を増幅して増幅レーザパルスを生成するように構成されるファイバパワー増幅器であって、増幅レーザパルスが30未満のピーク対平均パワー比率を有する、ファイバパワー増幅器と、ファイバパワー増幅器に光学的に結合され、増幅レーザパルスを時間的に圧縮して増幅圧縮レーザパルスを生成するように構成されるパルス圧縮器とを備える。
【0010】
一例によれば、システムは、パルス圧縮器に光学的に結合され、周波数変換のために増幅圧縮レーザパルスを受け取るように構成される、少なくとも1つの非線形周波数変換段をさらに備える。
【0011】
一例では、非線形周波数変換段は、少なくとも15%の変換効率を有するように構成される。
【0012】
一例によれば、少なくとも1つの非線形周波数変換段は、少なくとも200ワットの平均パワーを有する紫外線(UV)レーザ光を出力する。
【0013】
少なくとも1つの例によれば、パルスの入力列が、10fsから100psの範囲の初期パルス持続時間を有し、増幅圧縮レーザパルスが、初期パルス持続時間より短いパルス持続時間を有する。
【0014】
別の例によれば、パルス複製モジュールは、入力溶融ファイバ光カプラおよび出力溶融ファイバ光カプラを含む少なくとも2つの溶融ファイバ光カプラ、ならびに、入力溶融ファイバ光カプラと出力溶融ファイバ光カプラの間に配設される少なくとも1つの光ファイバ遅延線を含む。さらなる例によれば、パルス複製モジュールは、各連続段が修正パルス列に時間遅延を導入するように各々が光ファイバ遅延線を含む複数の段を含み、時間遅延した複製パルスの列が、出力溶融ファイバ光カプラの出力において修正パルス列として提供される。一例では、時間遅延は、各連続段で予め規定された量だけ増減される。別の例では、時間遅延の予め規定された量は、複数の段のうちの他の段についてとは少なくとも1つの段について異なる。
【0015】
少なくとも1つの例によれば、光パルス伸張器がチャープファイバブラッグ格子(CFBG)として構成され、パルス圧縮器が、チャープ体積ブラッグ格子(CVBG)、Treacy構成格子圧縮器、またはMartinez構成のうちの1つとして構成される。
【0016】
一例によれば、パルス圧縮器は、少なくとも1つのビームスプリッタおよび少なくとも2つの体積ブラッグ格子を備える。
【0017】
一例では、モードロックレーザ発生源は、受動モードロックファイバリングキャビティとして構成される。さらなる例では、受動モードロックファイバリングキャビティは、入力パルスとして、巨大なチャープパルスを生成するように構成される。
【0018】
別の態様によれば、方法が提供される。方法は、1ナノ秒未満の初期パルス持続時間および少なくとも1MHzのパルス繰り返し率を有する入力パルスの入力列を生成するステップと、入力パルスのパルス持続時間を伸ばし伸張レーザパルスの列を生成するステップと、伸張レーザパルスを複製して、伸張レーザパルスの列のパルス繰り返し率より高いパルス繰り返し率を有する修正パルス列を生成するステップと、修正パルス列を増幅して増幅レーザパルスを生成するステップと、増幅レーザパルスを圧縮して、増幅圧縮レーザパルスを生成するステップとを含む。
【0019】
一例では、方法は、増幅圧縮レーザパルスを紫外線光へと周波数変換するステップをさらに含む。一例によれば、方法は、アモルファス基板材料を紫外線光で多結晶形へとアニールするステップをさらに含む。
【0020】
別の例によれば、方法は、入力パルスの入力列を生成するように構成される受動モードロックファイバリングキャビティを有するモードロックレーザ発生源を設けるステップをさらに含む。
【0021】
一例では、伸張レーザパルスを複製するステップは、伸張レーザパルスに少なくとも1つのパルス複製モジュールを通過させるステップを含み、パルス複製モジュールは、入力溶融ファイバ光カプラ、出力溶融ファイバ光カプラ、および入力溶融ファイバ光カプラと出力溶融ファイバ光カプラの間に配設される少なくとも1つの光ファイバ遅延線を含む。
【0022】
さらに他の態様、実施形態、ならびに、これらの例示的な態様および実施形態の利点は、下で詳細に議論される。さらに、上述の情報および以下の詳細な記載の両方は、様々な態様および実施形態の単に説明上の例であって、特許請求される態様および実施形態の性質および特性を理解するための概要または枠組みを提供することが意図されることを理解されたい。本明細書で開示される実施形態は、他の実施形態と組み合わせることができる。また、「実施形態」、「例」、「いくつかの実施形態」、「いくつかの例」、「代替実施形態」、「様々な実施形態」、「1つの実施形態」、「少なくとも1つの実施形態」、「これおよび他の実施形態」、「ある種の実施形態」などへの言及は、必ずしも相互に排他的ではなく、記載される特定の特徴、構造、または特性を少なくとも1つの実施形態に含むことができることを示すことが意図される。本明細書においてそのような用語が現れるとき、必ずしも、すべてが同じ実施形態に言及していない。
【0023】
少なくとも1つの実施形態の様々な態様が、添付図面を参照して、下で議論される。添付図面は、原寸に比例することは意図していない。図は、様々な態様および実施形態の説明およびさらなる理解をもたらすために含まれており、本明細書に組み込まれて本明細書の一部をなすが、何らかの特定の実施形態の制限を規定するものとは意図されていない。図面は、本明細書の残りの部分と一緒に、記載され特許請求される態様および実施形態の原理および動作を説明する役割を果たす。図では、様々な図に図示される各々が同一またはほぼ同一の構成要素は、同様の数字によって表される。分かりやすくするために、あらゆる構成要素があらゆる図中でラベル付けされるわけではない場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の態様にしたがった、レーザシステムの概略図である。
【
図2】本発明の別の態様にしたがった、ファイバベースレーザシステムの概略図である。
【
図3】本発明の態様にしたがった、ファイバベースレーザシステムの別の概略図である。
【
図4】本発明の態様にしたがった、パルス複製モジュールの一例の概略図である。
【
図5】本発明の態様にしたがった、パルス複製モジュールの別の例の概略図である。
【
図6】本発明の態様にしたがった、増幅器で使用される能動ファイバの概略図である。
【
図7】本発明の態様にしたがった、パルス圧縮器構成の一例の概略図である。
【
図8】本発明の態様にしたがった、パルス圧縮器構成の別の例の概略図である。
【
図9】本発明の態様にしたがった、パルス圧縮器構成のさらに別の例の概略図である。
【
図10】周波数変換の前に増幅および圧縮される修正パルスの時間プロットである。
【
図11A】本発明の態様にしたがった、CFBGパルス伸張器の一例を示す図である。
【
図11B】本発明の態様にしたがった、CFBGパルス伸張器の一例を示す図である。
【
図11C】本発明の態様にしたがった、CFBGパルス伸張器の一例を示す図である。
【
図12A】本発明の態様にしたがった、ファイバベースレーザシステムのパルス伸張器構成要素を使用して、1ps~25psの範囲の持続時間を有するように調整された圧縮パルスの例を示す図である。
【
図12B】本発明の態様にしたがった、ファイバベースレーザシステムのパルス伸張器構成要素を使用して、1ps~25psの範囲の持続時間を有するように調整された圧縮パルスの例を示す図である。
【
図12C】本発明の態様にしたがった、ファイバベースレーザシステムのパルス伸張器構成要素を使用して、1ps~25psの範囲の持続時間を有するように調整された圧縮パルスの例を示す図である。
【
図12D】本発明の態様にしたがった、ファイバベースレーザシステムのパルス伸張器構成要素を使用して、1ps~25psの範囲の持続時間を有するように調整された圧縮パルスの例を示す図である。
【
図12E】本発明の態様にしたがった、ファイバベースレーザシステムのパルス伸張器構成要素を使用して、1ps~25psの範囲の持続時間を有するように調整された圧縮パルスの例を示す図である。
【
図12F】本発明の態様にしたがった、ファイバベースレーザシステムのパルス伸張器構成要素を使用して、1ps~25psの範囲の持続時間を有するように調整された圧縮パルスの例を示す図である。
【
図13】本発明の態様にしたがった、受動モードロックファイバレーザの一例の概略図である。
【
図14A】本発明の態様にしたがった、体積ブラッグ格子(VBG)を使用するパルス圧縮器の一例の概略図である。
【
図14B】本発明の態様にしたがった、別の例示的なパルス圧縮器の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
多くの材料処理用途が、高い繰り返し率および高い平均パワーを有する超短パルスレーザ光から恩恵を被ることができる。たとえば、パルス持続時間を減らすことによって、一般的に、アブレーション閾値が減少し、このことは、パルス持続時間が減ると必要なパルスエネルギが減ることを意味する。パルスエネルギがより低くなると、有機ポリマなどといった感熱性材料を処理するときに重要となる場合がある、不要な加熱が少なくなる。超短レーザパルスは、材料が蒸発するまで材料を加熱する光熱反応の代わりに、光アブレーション機構もトリガする。光アブレーションは、分子結合を直接破壊することによる材料除去を含み、したがって、熱効果を誘起しない。非線形吸収に基づくガラス材料のレーザ溶接を含む多くの溶接用途で、より低いエネルギ毎パルスによって特徴づけられる超短パルスレーザエネルギからやはり恩恵を被ることができる。高いパルス繰り返し率は、超短パルスレーザ光の列についての平均パワー出力を増加させるだけでなく、より速い処理速度も可能にする。
【0026】
本開示の様々な態様は、パルス複製と組み合わせたチャープパルス増幅(CPA)と組み合わせるレーザシステムを対象とする。そのようなシステムは、高いパルス繰り返し率および超高いパルス繰り返し率を有し、無損失を誘起するピークパワーである一方で、依然として高い平均パワーを有するレーザ光を生成するのに有益である。そのようなシステムの例は、
図1に示されており、全体的に100で示される。システム100は、パルス伸張器130、パルス複製モジュール140、ファイバパワー増幅器150、およびパルス圧縮器170を含む。入力レーザパルス112は、パルス伸張器130を使用して時間を伸ばされ、ファイバパワー増幅器150および任意選択の前置増幅器154を含む増幅段で増幅されて、パルス圧縮器170を使用して圧縮される。増幅の前に、パルス複製モジュール140を使用して伸張パルス132が複製される。
【0027】
入力パルス112の入力列は、変調CWレーザおよびシードパルス発生源を含むいくつかの異なるレーザ発生源のうちの任意の1つから発信することができる。いくつかの事例では、入力パルス112は、受動モードロックレーザ発生源を含むモードロックレーザ発生源によって提供される。受動モードロックファイバレーザ発生源の例は下に記載される。固体レーザまたは半導体レーザなどといった他のタイプのレーザも使用することができる。Qスイッチレーザおよび利得スイッチレーザを含むモードロックレーザ以外の他のタイプのパルスレーザ発生源も好適である。いくつかの実施形態によれば、入力パルス112は、1ナノ秒未満のパルス持続時間を有し、ピコ秒(ps)またはフェムト秒(fs)の程度であってよい。入力パルス112は、少なくとも1MHzの初期パルス繰り返し率をやはり有する。
【0028】
パルス伸張器130、ファイバパワー増幅器150、およびパルス圧縮器170は、CPAシステムの構成要素を備える。パルスの時間伸張および圧縮は、パルス中の異なる波長を、異なる時間量だけ遅延させることに基づく。伸張器130では、短い波長のパルスが長い波長のパルスに対して遅延することまたはその逆ができ、圧縮器170では、この効果が再び元に戻される。バルク格子、プリズム、ファイバ、チャープファイバブラッグ格子(CFBG)、またはチャープ体積ブラッグ格子(CVBG)が、パルスを伸ばすように機能する、強分散素子の例である。
【0029】
パルス伸張器130は、パルス112の入力列のパルス持続時間を伸ばし、ピークパワーを減らした伸張パルス132の列を生成するように構成される。いくつかの実施形態によれば、パルス伸張器130は、初期パルス列112のパルスを数ナノ秒の程度のパルス持続時間に伸ばし、いくつかの事例では、10nsであってよい。他の実施形態では、初期パルス列112のパルスは、約100ps~1nsの範囲のパルス持続時間に伸ばされる。
【0030】
伸張レーザパルス132の繰り返し率は、パルス複製モジュール140によって増加させることができ、パルス複製モジュール140は、伸張レーザパルス132の光の波形を時間的に複製して、修正パルス列148を生成する。パルス伸張器130によって出力される、伸張レーザパルス132の列の時間プロットは、tのパルス周期および1/tのパルス繰り返し率を有する。いくつかの実施形態によれば、パルス複製器140は、修正パルス列148のレーザエネルギが連続的に見える程度にtが減少されるように、伸張レーザパルスを複製するために使用することができる。修正パルス列148のほぼ連続波の特性は、パルス伸張器130によって実施される伸張と、パルス複製モジュール140によって実施される複製の両方の関数である。そのようなレーザ光を利用するシステムの例が、下でより詳細に議論される。パルス複製器140は、伸張レーザパルス132の繰り返し率を数十MHzおよび数GHzのレベルに増加させるように構成することができる。パルス伸張器130および/またはパルス複製モジュール140は、所望のピーク対平均パワー比率を有する修正パルス148を生成するように構成することができる。一例が下で議論される。繰り返し率を増加させるのは、アニール用途で有利な態様を有する。一例を挙げると、個々のパルスエネルギが減少し、このことによって、未処理材料への損傷の可能性が減少する。しかし、非線形周波数変換の効率はピークパワーに比例する、すなわち、高いピークパワーによって、より高い変換効率がもたらされる。第2に、繰り返し率が増加すると、レーザパルス間の時間が、処理サイト外へと拡散する吸収されるレーザ放射にとっての時間より短くなり、このことによって熱が蓄積する、すなわち、より高い繰り返し率では、サンプルはパルス間で冷える時間を有さない。したがって、レーザ照射面の冷却時間が、連続するパルス間の時間より長いことが望ましい。パルス複製モジュールは、下でさらに詳細に説明するように、効率的な繰り返し率と組み合わせて、損傷がないが高い変換効率のピークパワー間のバランスを達成するレーザパルスを出力するように調整することができる。
【0031】
パルス複製モジュール140は、入力溶融ファイバ光カプラおよび出力ファイバ光カプラを含む少なくとも2つのファイバ光カプラ、ならびに、入力溶融ファイバ光カプラと出力溶融ファイバ光カプラの間に配設される少なくとも1つの光ファイバ遅延線を備える全ファイバデバイスである。全ファイバ光カプラは、偏波保存性である。ファイバ光カプラは、単一モード(SM)非偏波保存性溶融ファイバ光カプラとして構成することもできる。パルス伸張器130およびパルス複製モジュール140の構成要素は、調整した(高い)繰り返し率でパルスを出力するように構成することができる。パルス複製器の非限定の例は、
図4および
図5を参照して、下で記載される。
【0032】
図1中のシステム100のファイバパワー増幅器150は、パルス変調器140からの修正パルス列148のレーザパルスを増幅するために使用される。この例では、前置増幅器154は、予め増幅したレーザパルス155を生成するために、修正レーザパルス列148を受け取って増幅するように設けられる。ファイバパワー増幅器150は、増幅レーザパルス153を生成するために、修正レーザパルスをさらに増幅するように設けられる。いくつかの実装形態では、増幅するためにファイバパワー増幅器150へと修正パルス148が直接供給されるように、前置増幅器154を取り除くことができる。前置増幅器154および増幅器150は、ドープした光ファイバで実装され、このことによってシステムが小型、堅牢、および低コストになる。パルス複製モジュール140とファイバパワー増幅器150の間に光アイソレータ160がやはり配設される。
【0033】
パルス圧縮器170は、チャープ増幅パルス153のパルス幅を圧縮する。パルス圧縮器の非限定の例としては、CVBGおよびTreacy圧縮器などといった格子圧縮器、ならびにMartinez圧縮器およびプリズム圧縮器が挙げられる。
【0034】
パルス圧縮器170から出力される増幅圧縮レーザパルス174は、高い繰り返し率および高い平均パワーを有する超短パルスレーザ光として特徴づけることができる。この出力についての具体的な用途としては、高い平均パワーのUVレーザ放射の発生が挙げられ、下で議論される。
【0035】
高い平均パワー(すなわちワットの程度)のUVレーザ放射は、表面改質、材料処理、ならびにレーザ直接結像(LDI)を含む検査、太陽電池製造、ウェハスクライビングおよびパターン形成、低温多結晶(LTPS)ディスプレイアニールなどといったアニールプロセス、レーザリフトオフ(LLO)、ならびに半導体ウェハおよびマスク検査に関係する種々の産業用途で使用することができる。本明細書で使用する、UVとは、335nm~370nmの範囲の波長を有する放射のことをいう。上で確認したように、UVレーザ光を生成するための従来方法は、エキシマレーザの使用が挙げられるが、これには、様々な欠点がある。少なくとも1つの実施形態によれば、本明細書に記載される方法およびシステムは、アモルファス基板材料を紫外線光で多結晶形へとアニールするために使用することができる。
【0036】
従来型の連続波(CW)ファイバレーザは、単一モード(SM)ビーム品質を有する、近赤外線光の非常に高い平均パワーを提供することが可能であり、これは、非線形光学結晶を使用してUV光へと変換することができる。本明細書で使用する、「単一モード」および「マルチモード」(MM)という用語は、横モードのことをいう。効率的な周波数変換は、狭い帯域幅および/または高いピークパワーのいずれかを有するレーザ発生源を使用することが必要である。狭い帯域幅を有する従来型CWファイバレーザは、誘導ブリルアン散乱(SBS)およびモード不安定性(MI)などといった非線形効果に起因して、パワーおよび信頼性が制限される。
【0037】
狭い線幅のシードレーザ発生源で構成されるパルスファイバレーザシステムは、上で述べたものと同じ非線形効果によってやはり制限される。加えて、狭い線幅は、ある種の用途では空間ノイズおよび干渉効果を増加させる。モードロックファイバレーザなどといったより広い線幅のシードレーザ発生源を使用することによって、空間ノイズおよびビーム干渉効果が減少するが、他の問題がもたらされる。これらのより広い線幅のレーザ発生源が直接増幅されると、たとえば、自己位相変調(SPM)、誘導ラマン散乱(SRS)、および4波混合(FWM)などといった他の非線形効果がもたらされ、次いで、このことによって、ピークパワーが制限される。良好な周波数変換を得るために、レーザビームが、非線形結晶中にしっかりと合焦され、結果としてもたらされる高い光学的強度が結晶寿命を短くする。チャープパルス増幅(CPA)法を介してなどといった、より広い線幅のレーザ発生源の間接的増幅によって、より高いピークパワー値がもたらされるが、これらは、直接増幅を介して経験される同様の非線形効果、すなわち、SPM、SRS、およびFWMに起因して、ファイバ増幅器中では制限される。さらに、ある種の用途では、未処理材料への損傷を回避するために、UV波長範囲中で低いピークパワーが必要となる。
【0038】
本開示の態様は、高い平均パワーのUVレーザ光を生成する能力に関して上で提起された多くの問題に対処して克服することが意図される。本開示のシステムおよび方法の態様は、CPAおよびパルス複製モジュールと組み合わせて動作するモードロックレーザ発生源を有するファイバベースレーザシステムを利用する。モードロックレーザ発生源は、高いパルス繰り返し率、すなわち少なくとも1MHzで、サブナノ秒領域の超短パルスを提供する。サブナノ秒パルスは、パルス伸張器を使用して予め規定された中心波長の周りで光チャープを介して時間的に伸ばすことができ、ほぼCW構成をシミュレーションするパルス持続時間および繰り返し率へとパルス複製モジュールを使用して複製することができる。これによって、ピークパワーが減少し、SPM、SRS、およびFWMなどといった光学的非線形性に関連する問題が緩和される。これらの修正レーザパルスが増幅器で増幅され、増幅後に、パルスがサブナノ秒領域のパルス持続時間に戻して圧縮され、それによって、周波数変換効率を向上させるため、ピークパワーが増加する。伸張パルスの伸張および繰り返し率は、ピークパワーが非線形材料および/または未処理材料への損傷を回避するのに十分低いが、依然として効果的な周波数変換を確実にするのに十分高いように調整することができる。同時に、繰り返し率は、サンプルがパルス間に冷却する時間がないように、十分高い。これは、アニール用途で重要である。
【0039】
本発明の態様にしたがったファイバベースレーザシステムの一例が、
図2に描かれる概略図中で、全体的に200で示される。本明細書で使用する「ファイバベース」または「ファイバ」レーザという用語は、個々の構成要素内のまたは少なくともレーザ構成要素の入出力を含む、光エネルギを送信するために使用されるかなりの数のファイバ要素を有するレーザのことをいう。システム200は、
図1のシステム100に含まれるものと同様のCPAおよびパルス複製構成要素を含み、レーザ発生源および周波数変換段をやはり含む。この例によれば、システム200は、モードロックレーザ発生源110、パルス伸張器130、パルス複製モジュール140、ファイバパワー増幅器150、パルス圧縮器170、および少なくとも1つの非線形周波数変換段180を含む。
【0040】
モードロックレーザ発生源110は、本明細書ではパルス発生器とも呼ばれる場合があるが、1ナノ秒未満の初期パルス持続時間(半値全幅で測定時)および少なくとも1MHzのパルス繰り返し率を有する入力パルス112の入力列を提供するように構成される。「モードロック」という用語は、一般的に、光パルスの例を発生させるように、レーザキャビティの共振縦モードが位相は同期する、すなわち、一緒に位相ロックするレーザ発生源のことをいう。モードロックの結果として、レーザ(縦)モードが干渉し、レーザは、たとえば、サブナノ秒領域といった非常に短い持続時間のレーザパルスの形で出力される光を発生させられ、これは、いくつかの事例では、ピコ秒またはフェムト秒の程度であってよい。
【0041】
モードロック法は、2つのクラス、すなわち能動型と受動型へと分けることができる。本明細書で議論される実施形態は、モードロックファイバレーザの受動クラスに関する。出力受動モードロックを担持する最も一般的に使用されるアーキテクチャとしては、可飽和吸収体、非線形偏波回転(NPR)、および干渉計構造が挙げられ、そのすべては、非線形光学系に根ざしており、様々な非線形効果によって説明される。ある種の受動型アーキテクチャは、半導体可飽和吸収体またはミラー(SESAM)の形で現実の吸収体を使用する。SESAMの少なくとも1つの制限は、それらの損傷閾値、具体的には、1μmの波長範囲にある。SESAMは、チャープ-チャープ間の再現性が低いことに起因して信頼できない場合もあり、しばしば、共振キャビティ内に配置した後にだけ製造上の欠陥を識別することができる。
【0042】
NPRと干渉計受動モードロックアーキテクチャの両方は、リング共振器を備えるファイバレーザに関連する。特に、これらのアーキテクチャは、自己位相変調(SPM)非線形効果に起因する、狭いパルス幅の取得に好都合な条件を作成するように動作される。NPRシステムは、超高エネルギパルスを生成することが可能である一方で、偏波コントローラは、微調整システムでの複雑なフィードバックが必要であり、NPRプロセスは、環境変化および実装条件に敏感である。結果として、周期性条件、すなわち、キャビティ中でレーザの各往復後に一致した場所でのパルス特性の再現性を満足させるのは困難である。
【0043】
様々な実施形態によれば、モードロックレーザ発生源110は、受動モードロックファイバレーザ発生源を含む、モードロックファイバレーザ発生源として構成される。一実施形態では、モードロックレーザ発生源110は、受動モードロックファイバリングキャビティとして構成される。そのような受動モードロック構成は、リングキャビティ中の、ピーク強度の増加に対する非線形応答を有する少なくとも1つの構成要素の存在に依拠する。そのような構成の具体的な例は、下でさらに議論される。固体レーザおよび半導体レーザを含むファイバレーザ以外の他のタイプのレーザは、本開示の範囲内にやはり入る。モードロックレーザ発生源110は、1μm波長範囲中で、SM入力パルス112を放出する。
【0044】
代替実施形態によれば、調和型モードロックレーザ発生源をレーザ発生源110として使用することができる。そのようなデバイスは、ギガヘルツおよび数ギガヘルツ領域の、高いパルス繰り返し率を有するパルス列を生成することが可能であり、したがって、パルス複製モジュール140を取り除くことができる。しかし、これらのレーザ発生源は、パルス間ジッタおよびスーパーモードをもたらす、レーザキャビティ中に一度に複数のパルスを有することに依拠し、したがって、モード抑制およびジッタ制御が必要であり、このことによってシステムに複雑さと費用が追加される。
【0045】
モードロックレーザのパルス繰り返し率は、その共振器長に反比例し、したがって、より長いキャビティはより低いパルス繰り返し率をもたらし、その結果、同じ平均出力パワーでより高いパルスエネルギをもたらす。モードロックレーザ発生源110は、低い繰り返し率を発生させるために、比較的長いキャビティ長を有する。様々な実施形態によれば、モードロックレーザ発生源110は、少なくとも1MHzの初期パルス繰り返し率を有する入力パルスの入力列112を提供する。いくつかの実施形態によれば、入力列112は、5MHzから約15MHzの範囲のパルス繰り返し率を有する。入力列112の入力パルスは、1ナノ秒未満の初期パルス持続時間を有する。いくつかの実施形態によれば、入力パルス112は、フェムト秒(fs)からピコ秒(ps)の範囲の初期パルス持続時間を有する。たとえば、いくつかの用途では、入力パルス112は、10fs~100psの範囲の初期パルス持続時間を有し、いくつかの事例では、初期パルス持続時間は数psである。別の態様によれば、入力列112中のパルス間の時間間隔は、50nsの最小値を有し、ある種の事例では、10nsの最小値を有する。
【0046】
パルス伸張器130は、光パルスおよびその長さに単方向線形チャープを10倍以上課す。少なくとも1つの実施形態によれば、パルス伸張器130は、初期パルス列112のパルスを、50ps~5nsの範囲のパルス持続時間に伸ばす。別の実施形態によれば、初期パルス列112のパルスは、約100ps~1nsの範囲のパルス持続時間に伸ばされる。いくつかの実施形態では、パルス伸張器130は、数百psの程度の持続時間を有する伸張パルスを生成する。
【0047】
いくつかの実施形態では、パルス伸張器130は、
図3に示されるような、光ファイバリード付きサーキュレータ120aに搭載される線形CFBGとして構成され、これには、小型サイズで位置合せに過敏でない利点がある。初期パルス列112は、入口ポート122から光サーキュレータ120aを介して、サーキュレータポート124に接続されるCFBG伸張器130に経路指定される。光サーキュレータ120aが反射光を後に向け、そこで光は、伸張レーザパルス132の列としてポート126でサーキュレータを出る。代替実施形態によれば、ファイバカプラは、CFBGと組み合わせて使用することができる。
【0048】
代替実装形態では、
図3の光サーキュレータ120aは、ビームをポート122からポート124を介してポート126に伝達するための、簡単な偏波ビームスプリッタおよび1/4波板と置き換えることができる。そのような実装形態は、当業界ではよく知られており、本明細書では示されない。さらに別の代替形態として、固体コアファイバ、ホーリーファイバ、または空気孔ファイバをパルス伸張器として組み込むことができる。
【0049】
図1~
図3に明示的には示されないが、入力パルス112は、光帯域幅を減らすために、スペクトルフィルタを通過させることができる。たとえば
図2のシステム200および
図3のシステム300では、モードロックレーザ発生源110から下流にスペクトルフィルタを配設することができる。いくつかの実装形態では、入力パルスは、1~50nmの幅を有することができ、少なくとも1つの実施形態によれば、入力パルス112の線幅は、スペクトルフィルタによって5nm未満に減らすことができ、いくつかの事例では、約1nmであってよい。一実施形態によれば、CFBG伸張器130自体は、入力パルス112の光帯域幅を減らすように構成することができる。
【0050】
伸張レーザパルスの繰り返し率は、パルス複製モジュール140によって、数十MHzおよび数GHzレベルに増加させることができる。ある種の実施形態では、パルス繰り返し率は、100MHzと50GHzの間であってよい。様々な態様によれば、修正パルス列148のレーザエネルギは、連続して見える。時間間隙に充填することによって、ほぼ連続した波形が作成され、ピーク対平均パワー比率が減少し、このことによって、SRSおよびSPM効果がやはり減少する。一実施形態では、修正パルス列148中のパルス間に時間間隔は、10nsの最大値を有し、いくつかの事例では、1nsまたは1ns未満である。少なくとも1つの実施形態によれば、修正パルス列148のピーク対平均パワー比率(PAPR)は、予め規定された閾値または最大値より低い値を有する。一実施形態によれば、この閾値は、30未満であってよく、いくつかの実施形態では、25未満であってよく、他の事例では、20未満であってよい。PAPRは、パルス幅および繰り返し率の関数であり、したがって、上限は、ファイバに対する損傷閾値より低いピークパワーをやはり反映するこれらのパラメータについての好適な値を示す。好適なパラメータ値の例が下で記載される。
【0051】
図4は、パルス複製モジュール440の第1の例の概略図である。この構成によれば、入力溶融ファイバ光カプラ442は、ファイバ光スプリッタとして構成される。出力ファイバ光カプラ443の結合領域を出る2つのファイバのうちの1つは、修正パルス列148を含む出力436を形成する。光ビームスプリッタ442が入力434を有し、この事例では、入力434は、光パルス伸張器130に接続され、さもなくば光パルス伸張器130に結合され、出力カプラ443の出力436は、ファイバパワー増幅器150に接続され、さもなくばファイバパワー増幅器150に結合される(
図1、
図2、および
図3を参照)。パルス複製モジュール440は、入力カプラ442と出力カプラ443の間に配設される少なくとも1つのファイバ光カプラ444をやはり含み、例が、3つのそのようなカプラを含んで
図4に示される。
【0052】
入力スプリッタ442の出力のうちの1つに、単一モードファイバの好適な長さ(すなわち、光ファイバ遅延線445)を使用して、遅延τが加えられ、その結果、対のうちの1つの足または出力セグメント(445)は、他の足446と異なる(より長い)光学路長を有することになる。このことによって、スプリッタ442の両方の出力ファイバ4451および4461にτだけ分離した2つのパルスが発生される。次いで、これらの2つの出力がカプラ444の中で組み合わせられると、2τの遅延がこれらの経路のうちの1つに入れられて、2組の4つのパルスが生成される。このプロセスは、所望の数の複製が得られるまで、2つの経路間の異なる遅延を倍にすることによって繰り返すことができる。次いで、2つの経路は、コンバイナ443を使用して組み合わされる。遅延τの長さは、パルスが重なり合い干渉するのを回避するために、レーザパルスの長さよりわずかに長く選択することができる。
【0053】
パルス複製器440は、各連続段が伸張レーザパルス132に時間遅延をもたらすように、各々が光ファイバ遅延線445を含む複数の段449を備える。
図4に示される例では、パルス複製器440は4つの段449
1、449
2、449
3、および449
4を含み、各段において、信号パワーが分割され、固定時間遅延で再び組み合わされる。複製の数が各段449(すなわち、50:50カプラ)で倍になるために、コンバイナ443へと伝播する2つの出力445
4および446
4は、各々が2
xの複製を含む。ここで、xは使用される段数である(この例では、x=4)。こうして、パルス複製器440は、多段受動パルス複製器として構成される。ここで、各連続段が伸張レーザパルス132に固定時間遅延をもたらす。時間遅延は、各連続段で予め規定された量だけ増減することができる。
【0054】
複製器440の最終段445
4および446
4の出力は、出力436において修正パルス列148として時間遅延複製パルスの列を生成するために、コンバイナ443中で組み合わされる。
図4に見られるように、ファイバの足445
4および446
4の8個の複製パルスの各々は、16個のパルスを生成するためにコンバイナ443中で組み合わされる。これらの16個のパルスは、パルスのバーストとして構成され、したがって、修正パルス列148は、各々が16個のパルスを含む一連のパルスのバーストを含む。遅延線445
1~445
4の長さは、バースト繰り返し率(すなわち、バースト間時間間隔)を規定する。
【0055】
わかるように、パルス伸張器130およびパルス複製モジュール140の構成要素は、調整した繰り返し率でパルスを出力するように構成することができる。繰り返し率は、ピークパワーが不要な損傷を回避するのに十分低いが、効率的な周波数変換のために十分高く、たとえばアニール用途で、効果的な処理結果をもたらすのに十分高いように選択することができる。ファイバカプラおよびパルス複製モジュールのファイバ遅延線は、様々なパルス形式を作成するために使用することができ、
図5は、パルス複製モジュール540の別の例の概略図である。いくつかの実施形態によれば、パルス複製モジュールは、各々別個に構成できる一連のサブモジュールを含むことができる。たとえば、
図5に示されるパルス複製モジュール540は、入力として、
図4のパルス複製モジュール440からの出力を使用するが、複製モジュール540は、単独で使用すること、または他の構成を有するサブモジュールと組み合わせて使用することもできることを理解されたい。
【0056】
図4の複製モジュール440と同様の様式で、パルス複製モジュール540は、入力溶融ファイバ光カプラ542および出力ファイバ光カプラ543をやはり含む。入力カプラ542と出力カプラ543の間には、中間ファイバカプラ(544)、(547a)、および(547b)がある。各段549からの遅延線を隣接する(下流の)段に向ける代わりに、
図5の構成に示されるように、少なくとも1つの遅延線が1つまたは複数の下流段をバイパスする。この例によれば、遅延線545
4は、第1の段549
1の出力における中間カプラ544から出力コンバイナ543に向けられ、それによって、第2の段549
2および第3の段549
3をバイパスして第4の段549
4の遅延線を形成する。そのため、各連続段に導入される時間遅延が増加し、すべてが互いに等しいとは限らない。
図5に示されるように、この構成によって、9nsの合計持続時間(エンベロープ)を有する初期の16個のパルスバーストが、4個の段549
1~549
4を介して90nsのエンベロープを有する160個のパルスバーストに変換されることが可能になり、ここでは、各パルス持続時間が0.45nsであり、パルスは0.56nsだけ分離される。下のTable 1(表1)は、各段を概説する。
【0057】
【0058】
図4および
図5に示されるパルス複製器の例は、制限することを意味せず、他の構成がやはり本開示の範囲内であることを理解されたい。
【0059】
少なくとも1つの実施形態によれば、システム200の1つまたは複数の構成要素は、パルスのバーストを発生させるように構成することができる。たとえば、パルス発生器110、パルス伸張器130、またはパルス複製器140は、パルスのバーストを発生させるように構成することができる。
【0060】
ここで
図1~
図3に戻って、前置増幅器154および増幅器150は1~2μmの範囲で動作し、コントローラ195中の1つまたは複数のポンプドライバによって駆動できるポンプ156および152によってそれぞれポンピングされる。コントローラ195は、ハードウェア(たとえば、汎用コンピュータ)、ならびに、ポンプ156および152を含むシステムの構成要素を制御するのに使用できるソフトウェアを含む。ポンプ156および154は、SMもしくはMMレーザダイオード、または、CWモードで動作するファイバレーザポンプによって実装することができ、側面励起または端面励起構成で配置することができる。いくつかの実施形態によれば、修正レーザパルス148は、SM受動ファイバを介して、イッテルビウム、エルビウム、および/またはツリウムなどといった1つまたは複数の希土類元素イオンでドープされ、少なくとも1つのクラッドによって囲まれるMMコアを有する増幅器150の能動ファイバに送達されるSM光である。
図6を参照すると、ファイバパワー増幅器150は、複数の横モードをサポートし、少なくとも1つのクラッド3によって囲まれ、増幅器の対向する端部間に延在するモノリシック(一体型)MMコア1で構成することができる。コア1は、所望の基本波長における、単一の基本モードだけをサポートするように構成される。これは、MMコア1のモードフィールド直径(MFD)を、修正レーザ光148をそのコア4に沿って案内するSM受動ファイバ2と、出力受動SMファイバ9との両方のものと合致させることによって実現される。側面励起のとき、ポンプ156からのポンプ光は、中心コア領域5に結合される。
【0061】
光学的非線形効果についての閾値をさらに高めるために、コア1は、
図6に示されるように、2重ボトルネック形状の断面を有する。一様に寸法決定される入力コア端6は、受動ファイバ2のSMコア4のものと等しい幾何学直径を有することができる。基本波長におけるSM光は、コアの入力端6へと結合されると、その強度プロファイルが純粋SMのガウシアン強度プロファイルとほぼ合致する基本モードだけを励起する。コア1は、断熱的に延びるモード変換コア領域7Aを通して案内された基本モードを受け取る、大きい直径で一様に寸法決定されたモード変換コア部5をさらに含む。しかし、中心コア領域5の大きい直径によって、SPM、SRS、およびFWMなどといった光学的非線形効果についての閾値を上昇させる、この部分内のパワー密度を増大することなく、より大きい増幅ポンプパワーを受け取ることが可能になる。出力モード変換コア領域7Bは、コア領域7Aと同様に構成されて、基本周波数における増幅ポンプ光のモードフィールド直径を断熱的に減らすことができる。増幅SM光は、次いで、出力SM受動ファイバ9へと結合される。
【0062】
図2に戻って参照すると、様々な実施形態によれば、増幅レーザパルス153のピーク対平均パワー比率(PAPR)は、予め規定された閾値より小さい値を有する。修正パルス列148のピーク対平均パワー比率と同様に、増幅レーザパルス153のピーク対平均パワー比率についての閾値は、30未満であってよい。他の実施形態によれば、閾値は、25未満であってよく、いくつかの事例では、20未満であってよい。30の閾値PAPR値および100MHzの繰り返し率を例にすると、伸張パルス持続時間は、333psから10nsの範囲にあってよい。1GHzの繰り返し率では、伸張パルス持続時間は、33psから1nsの範囲にあってよい。これらの値によって、ピークパワーが、ある種の用途についてのファイバの損傷閾値である500kW以下の値にやはり保たれる。いくつかの用途では、さらに低いピークパワー値を必要とする場合がある。
【0063】
別の態様によれば、システム100および200(および300)の1つまたは複数のファイバは、大実効モード面積(LMA)ファイバとして設けられる。たとえば、パワーファイバ増幅器150および/または前置増幅器154は、レーザダイオードまたはファイバレーザによって側面励起または端面励起されるLMAファイバとして構成することができる。
【0064】
図2に戻って、チャープ増幅パルス153は、パルス圧縮器170によって圧縮される。パルス複製器が存在することに起因して、圧縮器170は、レーザパルスを、(伸張する以前に)初期パルス持続時間よりも短い持続時間に実際に圧縮する。少なくとも1つの実施形態では、パルス圧縮器170がパルスを約1psの持続時間に圧縮する。いくつかの実施形態によれば、パルス圧縮器170は、パルスを約1psから約25psの範囲の持続時間に圧縮する。圧縮レーザパルスは、増幅パルス153のものと同様のパルス繰り返し率を有することができる。
【0065】
いくつかの実施形態によれば、パルス圧縮器170は、
図3に示されるように、CVBGとして構成され、より大きいビームサイズに適応するために1つまたは複数の寸法で変倍することができる。いくつかの実施形態では、圧縮器170は、高い平均パワーを取り扱うことが可能な透過型回折格子で構成される。たとえば、透過型回折格子は、欠陥および不完全性を最小化するように調節された、ホログラフィック手順およびエッチングプロセスを使用してシリカから形成することができる。
【0066】
図7は、増幅パルス153を圧縮するためのCVBG圧縮器770の使用の一例を図示する。CVBG圧縮器770と非線形周波数変換段180の間の伝達経路は、描かれるようにミラー172aおよび172bを含むことができ、または、ファイバ光学系、より多いもしくは少ないミラー、プリズム、レンズ、または他の好適な光学素子などといった他の変形形態を含むことができる。たとえば、
図8は、増幅パルス153を圧縮するために使用することができ、合焦のために使用されるレンズ176aおよび176bを含む、CVBG圧縮器870の使用の別の例を図示する。
図9は、パルス圧縮器のためのMartinez構成を図示しており、全体的に970で示され、偏波器177、1/4波板171、第1の格子178a、第1のレンズ179a、第2のレンズ179b、第2の格子178b、およびミラー175を含む。
【0067】
いくつかの実施形態では、パルス圧縮器170は、より高い平均パワーにおける、熱レンズ問題を制限する、さもなくば最小化するように構成される。たとえば、圧縮器は、横方向に2Dまたは3D吸収プロファイルで構成される、光熱屈折性ガラス(PTG)から構築されるVBGであってよい。最大強度を有するレーザビーム出力の部分(たとえば、ピーク領域)は、最小の吸収率を有する格子の区域を通って伝播することができ、レーザビームのより低い強度部分(たとえば、肩)は、より大きい吸収率を有する格子区域を通って伝播することができる。
【0068】
本発明の別の態様によれば、パルス圧縮器170自体は、特にVBGとして構成されるとき、高い平均パワーにおいて、熱レンズ問題を経験する場合がある。これを回避するために、増幅パルスを含む増幅器150からの出力ビーム153は、複数のより低いパワーのビームへと分割され、複数のVBGを使用して圧縮され、次いで、再び組み合わすことができる。いくつかの実施形態によれば、パルス圧縮器170は、少なくとも1つのビームスプリッタおよび少なくとも2つの体積ブラッグ格子を備える。
【0069】
図14Aおよび
図14Bは、本手法の2つの非限定の異なる実装形態を示し、全体的に、
図14Aにおいてパルス圧縮器1470a、
図14Bにおいてパルス圧縮器1470bとして示される。
図14Aでは、増幅パルスビーム153は偏波ビームスプリッタ(PBS)1467bを通過する。偏波ビームスプリッタ(PBS)1467bは、ビーム153を等しいエネルギを有する2つの成分、すなわち、ビーム経路AおよびBへと分割する。これらのビーム経路AおよびBの各々は、それぞれ、それらが圧縮されるVBG1465aおよび1465bに向けられ、次いで各経路から反射されるレーザエネルギは、PBS1467aによって再び組み合わされ、非線形変換段180へと外部に向けられる。例として、1kWの入力レーザエネルギを使用して、光線経路AおよびBの各々が、500Wのレーザエネルギを向ける。これは、この例では、それぞれのVBGについての熱レンズ閾値より低い。
図14Bは、
図14Aと同様の構成であるが、この事例では、元の入力レーザエネルギは、偏波ビームスプリッタ1467a、1467b、および1467cを使用して4つのビーム経路A、B、C、およびDへと分割される。各光線経路は250Wのレーザエネルギをサポートし、次いでこれらは4つのそれぞれのVBG1465a、1465b、1465c、および1465dへと送られる。
図14Aおよび
図14Bに示される技法は、ビーム経路長が互いに合致することをやはり必要とする。すなわち、
図14Aでは、Aについての経路長とBについての経路長が互いに合致し、
図14Bでは、ビーム経路A、B、C、およびDが互いに合致する。
図14Aおよび
図14Bに示される手法に対する代替実施形態は、波長分割多重(WDM)手法を使用して、波長に基づいてビームを分割することである。この手法に対する1つの利点は、ビーム経路長が互いに合致する必要がないことである。
【0070】
図10は、その後に増幅段で増幅され次いで圧縮される修正パルス148の一例の時間プロットを示す。この例によれば、16個のパルスバースト、9nsのエンベロープ、1mWの平均パワー、11MHzのパルス繰り返し率、および450psのパルス持続時間を有する修正パルス148は、増幅および圧縮されて、(同じ9nsのエンベロープを有する)37Wの平均パワー、37マイクロジュールのパルスエネルギ、1MHzの繰り返し率、および1.5ps未満のパルス持続時間を有することになる。
【0071】
増幅圧縮レーザパルス174を、非線形周波数変換段180に印可して、UV光出力を生成することができる。非線形周波数変換段180は、入力放射174をより高い高調波周波数へ変換するための、少なくとも1つの非線形結晶(たとえば、182、184)を内蔵する。非線形材料の非限定の例としては、ニオブ酸リチウムLiNbO3、三ホウ酸リチウム(LBO)、ベータ型ホウ酸バリウム(BBO)、セシウムリチウムホウ酸塩(CLBO)、リン酸二水素カリウム(KDP)およびその同型体、ならびにヨウ素酸リチウム(LiIO3)の結晶が挙げられる。非線形結晶182は、2次高調波生成(SHG)変換のために構成されるLBO結晶であってよく、これは、LBOから作られる非線形結晶184が追従して3次高調波生成(THG)のために構成することができる。
【0072】
非線形変換段180は、緑の光またはUV光のいずれかを生成するために使用することができる。SHG結晶182は、基本波長10xxnm(たとえば1030nm)の増幅圧縮IR光174を、5xxnm波長(たとえば532nm)の緑の光に変換する。THG結晶182は、緑の光を、3xxnm波長(たとえば343nm)のUV光へと変換する。これは、
図2で出力UV放射190として示される。様々な態様によれば、非線形結晶182および184は、少なくとも15%の変換効率を発生させるように構成され、いくつかの事例では、変換効率は、少なくとも20%である。いくつかの構成では、変換効率は、少なくとも25%である。いくつかの実施形態によれば、UV放射190は、少なくとも200Wの平均パワーを有しており、50Wから5kWの範囲であってよい。一実施形態では、UV放射190は、200ワットの平均パワーを有する。具体的な例として本明細書ではUV光出力が議論されるが、システムがTHG結晶184を取り除いて緑の光を出力できることを理解されたい。
【0073】
以下では、本明細書に記載されるレーザ光発生器についてのシステムパラメータのいくつかの非限定の例を提供する。
【0074】
一例によれば、入力放射112が、パルス伸張器130中で1nsのパルス持続時間に伸ばされ、パルス複製器によって1GHzの繰り返し率に複製されて、結果として得られる修正パルス放射148は、ほぼ連続的と特徴づけることができる。この放射は、増幅器150中で1kW以上に増幅し、パルス圧縮器170によって1psの持続時間を有するパルスに圧縮することができる。これによって、圧縮器の出力で約1MWのピークパワーがもたらされる。このことは、非線形周波数変換段180による、25%超の変換効率での少なくとも200Wの平均パワーを有するUV光への変換に十分である。
【0075】
第2の例によれば、入力放射112を、100psのパルス持続時間に伸ばし、10GHzの繰り返し率に複製することができる。一度少なくとも1kWに増幅され、1psのパルス持続時間に再び圧縮されると、パルスピークパワーは、約100kWの程度で、少なくとも25%の変換効率を有し、UV光の平均パワーは約250Wとなる。
【0076】
第3の例によれば、入力放射112を、2nsのパルス持続時間に伸ばし、50MHzの繰り返し率に複製し、少なくとも1kWに増幅することができ、ピークパワーは、ファイバパワー増幅器150中で10kWの程度である。1psに圧縮すると、ピークパワーは、20マイクロジュールのエネルギ毎パルスで20MWにさらに増加する。(25%の変換効率での)UVへの周波数変換後、平均パワーは、250Wの程度であり、ピークパワーは、5マイクロジュールのエネルギ毎パルスで5MWとなることができる。
【0077】
本発明の少なくとも1つの態様によれば、パルス伸張器130は、圧縮(および増幅)したレーザパルス174のパルス持続時間が1psから25psの範囲にあるように調整できるように、入力パルス112を伸ばすように構成される調節可能CFBGである。調節可能CFBGは、熱的、機械的、電気的、もしくは磁気的手段、および/または当技術分野で知られている他の方法を介して、その長さを変えることによって、所望のパルス持続時間をもたらす。たとえば、ファイバを伸ばすことによって、CFBGへの変化をもたらし、それによって、屈折率変調の周期を変えることができる。CFBGを加熱することで、屈折率プロファイル中の変化を通して同じことを行う。熱または歪(すなわち、機械的な引っ張り)誘起技法でのCFBGの非限定の例は、その各々が出願人によって所有され、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる特許文献1および特許文献2に議論される。
【0078】
一実施形態によれば、線形チャープFBGは、ファイバの長さの変化をもたらすために、熱的手段と機械的手段の両方を使用する。たとえば、「粗い」パルス持続時間調節は、CFBGの選択された部分を加熱することによって達成することができ、「細かい」パルス持続時間調節は、圧電素子を使用して達成することができる。そのような組合せによって、伸張メカニズムのうちのただ1つで構成される従来型CFBGを超えるより堅牢な調節能力が可能になる。たとえば、粗い調節メカニズムを最初に実施して、その後に細かい調節が続いてよい。
【0079】
ファイバの長さを変えるために熱的メカニズムと機械的メカニズムの両方を有する16チャネルCFBG伸張器の一例が
図11A~
図11Cに示される。
図11Aおよび
図11Bは、特許文献2で議論される少なくとも1つの例と同じ機能性のうちのいくつかを有する、16チャネル摂動コームを特徴とする。
図11Cは、組み立てたCFBGデバイスを示す。コームは、それぞれの周波数に対応した複数(16)の離間したセグメントで構成される。コームは、単一片の熱伝導材料(たとえば、ステンレススチール)から構築することができ、離間したセグメントを支持するベースを含む。FBGファイバは、セグメントのそれぞれの上部に形成され位置合せされた凹部中に配置される。粗い調節制御は、各セグメントの温度を独立して制御するために、コームのそれぞれのセグメントに結合される、抵抗器ヒータおよび温度センサ(図示せず)を介して達成される。個々の抵抗器は、コントローラ(図には明示せず)によって選択的に作動され、これが次にそれぞれのセグメントに熱を印可し、それによって、FBGファイバの屈折率に変化をもたらす。2つのサーミスタがさらなる温度測定および制御を実現する。少なくとも1つの熱電冷却器がやはり含まれ、セグメントの冷却における熱的安定性および速度を実現するために、セグメントの少なくとも一部に熱的に結合される。
【0080】
1対の圧電変換器がFBGのファイバに機械的歪を誘起し、セグメントの微調節能力を実装する目的で、構造物の中にやはり含まれる。圧電アクチュエータは、コントローラによってやはり制御され、特許文献1中に記載されるものと同様の機能性を有する。パルス持続時間の調整は、FBGファイバを保持する機械的屈曲取付具で実装される。圧電素子は、屈曲部または枢支点の周りにFBGの伸張を最大化させる場所に配置される。圧電変位は、取付具中の枢支点の周りの枢動によって、ファイバにおいて増倍される。
図11A~
図11Cに示される例では、枢支点は、取付具の底部における半円形切欠き近くに位置決めされる。これは、ファイバにより直接結合される従来型圧電ベース構造とは対照的であり、従来型圧電ベース構造は、制限された変位を行い、したがって、非線形チャープFBGの使用を必要とする。したがって、より従来型の設計を超えた、FBGの長さのはるかに大きい変化が、本開示の構造を使用して実現可能である。6nm帯域幅を有する線形チャープFBGの使用を実施する1つの例によれば、パルス持続時間は、開示される構造によって、100マイクロ秒未満の切換時間で400fsから1.5psに調節することができる。この機能は、OLEDアニールを含むアニールなどといったある種の用途で有用であり、OLEDアニールでは、狭いプロセスウィンドウがあって、細かい分解能でパルス持続時間を調整する能力は、複数の処理上の利点をもたらす。
【0081】
図11A~
図11Cに示される例は16チャネルで構成されるが、32チャネル(または、より多いもしくは少ない)構成などといった他の構成が本開示によってやはり含有されることを理解されたい。CFBGデバイスは、特定の用途のために変倍することが可能である。
【0082】
図12A~
図12Fは、
図11A~
図11Cに示されるものと同様であるが、32チャネル(100mmFBG)で6nm帯域幅を有して構成されるCFBG伸張器130を使用して得られた、6個の別個の実験結果の時間プロファイルを示す。CFBG伸張器130は、パルス圧縮器170を出る圧縮パルス174が、1.5ps(
図12A)、5.8ps(
図12B)、10.3ps(
図12C)、15.1ps(
図12D)、19ps(
図12E)、および24ps(
図12F)のパルス持続時間を有するように、入力パルス112を伸ばすように構成される。各時間プロファイルは、生の測定データと関連する近似曲線の両方を示す。そのような同調性は、アニール用途におけるパルスピークパワーを制御するのに重要であり、ここでは、周波数変換は、緑の光エネルギまたはUV光エネルギを達成するために使用される。レーザパルスの長さを増やすことによって、パルスの平均パワーが大きく損失することなくパルスピークパワーを減らすための能力が可能になる。微調節機能、特に(本明細書で記載されるような)速い微調節機能と適正なフィードバック制御の組合せによって、最適化した材料修正処理が可能になる。したがって、正確な量のエネルギを、均一な修正材料を作成する目的で材料に送達することができる。フィードバックは、温度、波長、および/または分散(たとえば、2次分散)測定を含む様々なパラメータを介して実現することができる。
【0083】
いくつかの実施形態によれば、UV(または緑の)光放射190は、繰り返し率をさらに増加させるために少なくとも1つのさらなるパルス複製モジュール、および/またはさらなる増幅のための追加増幅段を通過することができる。代替実施形態では、出力UV光のピークパワーは、周波数変換段180から下流に配置される第2のパルス伸張器を使用することによって低減することができる。いくつかの実施形態によれば、パルス複製モジュールは、(周波数変換の前の)増幅段間に使用することもできる。
【0084】
上で述べたように、モードロックレーザ発生源110は、受動モードロックファイバリングキャビティとして構成することができる。この構成は、リングキャビティ中に、ピーク強度の増加に対する非線形応答を有する少なくとも1つの構成要素を含む。少なくとも1つの実施形態によれば、モードロックレーザ発生源110は、サブナノ秒巨大チャープパルスを生成するように構成される、受動モードロックファイバリングキャビティとして構成される。リングファイバ導波路またはキャビティは、複数のファイバ増幅器、チャープファイバ構成要素、および、リングキャビティ中で誘起される非線形プロセスに応じてリングキャビティに沿って光の漏れをもたらすように異なる中心波長を中心とするスペクトルバンドパスで構成されるスペクトルフィルタを含む。フィルタは互いと組み合わされて働き、非線形応答を生じる。このことによって、安定なモードロックモードの動作が可能になる。そのような構成の一例は、参照によって本明細書に組み込まれ、「170出願」として言及される、共有で同時係属であり、特許文献3、今では特許文献4に記載される。
【0085】
図13は、特許文献3に記載されるパルス発生器の概略図であり、本発明の実施形態に好適なモードロックレーザ発生源110の例である。全ファイバアーキテクチャは、レーザ発生源110に環境安定性を加え、リングファイバ導波路または一方向へのキャビティ案内光として構成される。ファイバアイソレータ28は、リングファイバ導波路内での光伝播の所望の方向性を実現する。リングキャビティは、第1のファイバ増幅器12および第2のファイバ増幅器20のうちの1つの出力が他のファイバ増幅器の因子を供給するように構成する。第1の増幅器12と第2の増幅器20の間で、ファイバ要素のうちの2つ以上の同一のグループまたは連鎖が一緒に結合されてリングキャビティを規定する。ファイバ増幅器以外に、各連鎖は、それぞれに信号の周期的スペクトルおよび時間的な広がりをもたらすファイバコイル16、22、ならびに、広がった信号をスペクトル的にフィルタ処理するように動作するナローラインフィルタ18、24を含む。こうして、リングレーザキャビティ全体は、2つのキャビティ、線形サブキャビティを含み、互いに非常に弱い因子を供給する。リングレーザキャビティ全体は、両方のフィルタの透過率の範囲内で、信号が強く減衰するために、縦モードを有さず、このことは、自発的CWレーザ発振に対する識別のために必要である。
【0086】
本明細書では、より一般的な用語で全体のアーキテクチャが記載され、より多くの記載が下に含まれる。ファイバ増幅器12、20のうちの1つは、他の増幅器よりはるかに高い利得をもたらすように構成される。高ポンプ増幅器は、SPMに起因して、強いパルス広がりのための条件を作り、正にチャープし広くて滑らかなスペクトルを有するパルスを作る。このスペクトルは、フィルタの下流に配置されるフィルタの通過帯域を完全に満たし、その結果、その複製が、後でキャビティ中に発生する。他の低ポンプ増幅器は、安定な性能を確実にする。すなわち、安定な平衡状態からの小さい偏移によって、レーザを目標の状態に戻す行為が行われるとき、レーザを安定な平衡状態にロックする。低ポンプ増幅器から下流のフィルタに達するスペクトルは、このフィルタの通過帯域を完全には満たさず、このことによって、偏移が生じるときに、レーザを目標の状態に戻す力が作られる。レーザパルスがリングキャビティ内で循環して発生するため、その強度は、パルスが非線形スペクトル広がりを経験し、各々がキャビティを通過した後に強度を回復するのに十分でなければならない。弱いスペクトル重複を有する2つのフィルタ18、24の組合せは、効果的な可飽和吸収体として働く。弱いスペクトル重複によって、スペクトル広がりに十分な強度を有するパルスに有利なように、CWに対する識別が可能になる。ピーク強度がパルスをスペクトル的に広げるのに十分なレベルに達すると、新たに取得したスペクトル成分についての損失は、これらの成分が、フィルタの通過帯域の中心に向けて広がるので、小さくなる。キャビティに沿ったパルスの安定で再現性のある循環は、フィルタ18、24のスペクトル重複なしに生じることができるが、重複によってレーザパルスを開始するのを容易にすることができることを理解されたい。
【0087】
フィルタ18および24は、各々が、所望のスペクトル範囲だけを通し、必要に応じて、通常または特異な分散のいずれかを導入するように構成される。フィルタのうちの1つは、他のフィルタの帯域より、多くて5倍広い帯域で構成することができる。さらに、フィルタの各々の帯域は、出力パルス55のものより2~10倍狭い場合がある。しかし、いくつかの場合に、所望のパルス幅は、フィルタの帯域より狭い場合がある。スペクトル広がりおよびフィルタ処理のシーケンスによって、所望のスペクトル幅、パルス持続時間、およびエネルギを有する巨大チャープでパルスが生成される。
【0088】
リング導波路は、リング導波路の外側にチャープパルス55を案内するファイバコイル16からすぐ下流に位置決めされる出力カプラ30をさらに含む。増幅器の中間の利得において所望の反転分布を生じさせるため、すなわち、パルス発生器の動作を開始するため、1つまたは2つのCWポンプ26は、それぞれの増幅器に光学的に結合される。上で議論した構成要素のすべてが、単一横モード(SM)ファイバによって相互接続される。
【0089】
始動期間に、ポンプによる人工的に誘起されたノイズから(または任意選択で、入力カプラ32を介して外部シード発生源46から)放たれたエタロンパルスに応じて生成される自然放出が、第1のファイバ増幅器12中で増幅される。この自然放出は、CW成分およびピッチ成分によって特徴づけられる所望のスペクトル範囲内である。第1のファイバコイル16を通って伝播すると、ピッチはスペクトル的および時間的にやや広がり、さらに、第1のフィルタ18でスペクトル的にフィルタ処理される。たとえば、ピッチの長波長サブ領域は、所望の方向へのさらなる伝播からフィルタ除去される。フィルタ処理したパルス成分は、第2のファイバコイル22を通して伝播する間に、自己位相変調(SPM)非線形効果を誘起するのに十分なピーク強度へと第2の増幅器20でさらに増幅される。SPMは、中心成分の周りの新しい周波数成分またはモードの生成により明示される、パルス成分のスペクトル的および時間的な広がりによって明示される。新たに発生した周波数成分のうちのいくつかは、第2のフィルタ24の周波数帯域と部分的に重複し、第1のフィルタ18とは対照的に、ピッチの短波長サブ領域を除外する。新しいスペクトル成分の生成は、自己位相変調現象を誘起するのに十分な、ピッチのある種のピーク強度、すなわち同期モードを有するピッチでだけ可能となる。ピッチの循環は、発現するパルス成分をそれぞれ増幅し、スペクトル的および時間的に広げて最終的にフィルタ除去するように再び構成される、第1の増幅器12、ファイバコイル16、およびフィルタ18の組合せの第1のグループを介して続けることができる。こうして発現するピッチは、第2のフィルタ24の帯域を完全にカバーする、そのようなピッチの拡大における助けとなる、所望のピーク強度へと第2の増幅器20で最終的に増幅される。この点において、ピッチは、第2のフィルタ24中で失われるが、後続の第1の増幅器12で完全に補償される、いくらか減ったピーク強度を有する所望の信号へとスペクトル的に発現する。第1のファイバコイル16中における後続のスペクトル的および時間的に拡大した信号の予め規定された割合が、所望のスペクトル幅、強度、およびエネルギを有するパルスとして、リング導波路の外側に案内される。
【0090】
散逸ソリトンまたはシミラリトンの生成の、安定な自己開始体制では、
図13に示されるパルス発生器は、各々が個々の非線形要素を有するNOLM/NALMおよびNPRなどといった他のリングアーキテクチャと同様の様式で動作する。これは、安定な体制では、そのような非線形要素はパルスの発生にほぼ影響を及ぼさないが、ノイズからのパルス形成にだけ必要だからである。しかし、安定な体制では、パルス発生器は、各往復につき多くて一度、所望のチャープパルスを出力するように動作可能であり、これは、信号光がキャビティを繰り返し通過する線形キャビティと対照的である。そのような出力の実現は、ファイバコイル16および22のいずれかからのすぐ下流に位置決めされる1つの出力カプラ30、または、それぞれのファイバコイル16および22からすぐ下流に配置される2つの出力カプラのいずれかを含む。2つの出力カプラの場合には、チャープパルスは、往復の半分毎に、リング導波路の外へ結合される。
【0091】
本発明にしたがって本明細書に開示される態様は、それらの用途において、以下の説明に記載される、または添付図面に図示される、構築の詳細および構成要素の配置に限定されない。これらの態様は、他の実施形態を仮定すること、および様々な方法で実施することまたは実行することが可能である。具体的な実装の例は、説明目的のためだけに本明細書に与えられており、制限する意図はない。特に、いずれか1つまたは複数の実施形態に関して議論される行為、構成要素、要素、および特徴は、任意の他の実施形態における同様の役割から除外されることは意図していない。
【0092】
また、本明細書で使用する語句および用語は、説明する目的であり、制限するものとして考えるべきではない。本明細書で単数形で言及されるシステムおよび方法の例、実施形態、構成要素、要素、または行為に対する何らかの参照は、複数を含む実施形態をやはり包含することができ、本明細書での任意の実施形態、構成要素、要素、または行為に対する複数形での何らかの参照は、単数だけを含む実施形態をやはり包含することができる。単数形または複数形での参照は、本開示のシステムまたは方法、それらの構成要素、行為、または要素を制限する意図はない。「含む(including)」、「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含む(containing)」、「含む(involving)」、およびそれらの変形体の本明細書での使用は、その後にリスト化される項目、およびそれらの等価物、ならびに追加項目を包含することを意味する。「または、もしくは(or)」への言及は、「または、もしくは(or)」を使用して記載される任意のものは、1つ、1つより多く、および記載されるものの全部のいずれかを示すことができる。加えて、本文書と、参照によって本明細書に組み込まれる文書との間で、用語の使用の不一致がある場合には、組み込まれる参照物中の用語使用は、本文書のものの補助であり、相容れない不一致については、本文書中の用語使用が優先する。
【0093】
こうして、少なくとも1つの例のいくつかの態様を記載してきたが、当業者には、様々な代替形態、修正形態、および改善形態が容易に想到されることを理解されたい。たとえば、本明細書に開示される例は、他の文脈でやはり使用することができる。そのような代替形態、修正形態、および改善形態は、本開示の部分であることが意図され、本明細書で議論される例の範囲内であることが意図される。したがって、上の記載および図面は、例のためだけにある。
【符号の説明】
【0094】
1 モノリシック(一体型)MMコア
2 SM受動ファイバ
3 クラッド
4 SMコア
5 中心コア領域、モード変換コア部
6 入力コア端、入力端
7A モード変換コア領域
7B 出力モード変換コア領域
9 出力受動SMファイバ
12 第1のファイバ増幅器
16 ファイバコイル
18 ナローラインフィルタ、第1のフィルタ
20 第2のファイバ増幅器
22 ファイバコイル、第2のファイバコイル
24 ナローラインフィルタ、第2のフィルタ
26 CWポンプ
28 ファイバアイソレータ
30 出力カプラ
32 入力カプラ
46 外部シード発生源
55 出力パルス、チャープパルス
100 システム
110 モードロックレーザ発生源
112 入力レーザパルス、初期パルス列、SM入力パルス、入力放射、入力列
120a 光ファイバリード付きサーキュレータ、光サーキュレータ
122 入口ポート
124 サーキュレータポート
126 ポート
130 パルス伸張器、CFBG伸張器
132 伸張パルス、伸張レーザパルス
140 パルス複製モジュール、パルス複製器、パルス変調器
148 修正パルス列、修正パルス、修正レーザパルス列、修正パルス放射
150 ファイバパワー増幅器
152 ポンプ
153 増幅レーザパルス、チャープ増幅パルス
154 前置増幅器、ポンプ
155 予め増幅したレーザパルス
156 ポンプ156
160 光アイソレータ
170 パルス圧縮器
171 1/4波板
172a ミラー
172b ミラー
174 増幅圧縮レーザパルス、入力放射
175 ミラー
176a レンズ
176b レンズ
177 偏波器
178a 第1の格子
178b 第2の格子
179a 第1のレンズ
179b 第2のレンズ
180 非線形周波数変換段
182 非線形結晶、SHG結晶
184 非線形結晶、THG結晶
190 出力UV放射、UV(または緑の)光放射
195 コントローラ
200 システム
300 システム
434 入力
436 出力
440 パルス複製モジュール、パルス複製器
442 入力溶融ファイバ光カプラ、光ビームスプリッタ
443 出力ファイバ光カプラ、コンバイナ
444 ファイバ光カプラ
445 光ファイバ遅延線、出力セグメント
4451 遅延線、出力ファイバ
4452 遅延線
4453 遅延線
4454 遅延線、出力、最終段、ファイバの足
446 足
4461 出力ファイバ
4464 出力、最終段、ファイバの足
449 段
4491 段
4492 段
4493 段
4494 段
540 パルス複製モジュール
542 入力溶融ファイバ光カプラ
543 出力ファイバ光カプラ、出力コンバイナ
544 中間ファイバカプラ
5454 遅延線
547a 中間ファイバカプラ
547b 中間ファイバカプラ
549 段
5491 第1の段
5492 第2の段
5493 第3の段
5494 第4の段
770 CVBG圧縮器
870 CVBG圧縮器
970 Martinez構成パルス圧縮器
1465a VBG
1465b VBG
1465c VBG
1465d VBG
1467a PBS、偏波ビームスプリッタ
1467b 偏波ビームスプリッタ
1467c 変場ビームスプリッタ
1470a パルス圧縮器
1470b パルス圧縮器