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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】植物の栽培方法
(51)【国際特許分類】
   A01G 7/00 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
A01G7/00 601C
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021556817
(86)(22)【出願日】2020-03-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-20
(86)【国際出願番号】 EP2020057427
(87)【国際公開番号】W WO2020193309
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2023-03-20
(31)【優先権主張番号】19164699.1
(32)【優先日】2019-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】521037411
【氏名又は名称】ベーアーエスエフ・エスエー
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【弁理士】
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(72)【発明者】
【氏名】マルティン・ケーネマン
(72)【発明者】
【氏名】ハンナ・シュテファニエ・マンゴルト
(72)【発明者】
【氏名】ブルーノ・ポレット
(72)【発明者】
【氏名】ソリン・イヴァノヴィチ
【審査官】吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-505009(JP,A)
【文献】特表2005-531610(JP,A)
【文献】特表2014-514684(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0345195(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
栽培植物の少なくとも1つの農業特性を改変する植物栽培方法であって、前記農業特性は前記植物の少なくとも一部に光を照射することによって改変されやすく、以下のステップ:
(a)300~900nmの波長を含む第1のスペクトルを放射する少なくとも1つの光源を用意するステップ;
(b)680~900nmの波長を含む第2のスペクトルを得るために、少なくとも1つの色変換器によって、前記第1のスペクトルを部分的又は完全な変換に供するステップであって、得られた第2のスペクトルは、前記第1のスペクトルの680~900nmの波長における光強度と比較して、680~900nmの波長においてより高い光強度を有する、ステップ;及び
(c)前記栽培植物の少なくとも一部にステップ(b)で得られた前記第2のスペクトルを照射するステップ
を含み、
前記少なくとも1つの色変換器が、ポリマーマトリックス材料中に、少なくとも1つの式(I)のテリレンジイミド化合物:
【化1】
(式中、
及びRは互いに独立に、水素、C~C24-アルキル、C~C24-ハロアルキル、C~C24-シクロアルキル、C~C24-アリール、及びC~C24-アリール-C~C10-アルキレンからなる群から選択され、最後に挙げた3つの基のシクロアルキル、アリール、及びアリール-アルキレンの環は、非置換であるか、又は1、2、3、4、もしくは5つの同一のもしくは異なる基Rで置換されており、かつ、C~C24-アルキル、C~C24-ハロアルキル、及びC~C24-アリール-C~C10-アルキレンのアルキレン部分は、O、S、及びNRから選択される1つ又は複数のヘテロ原子又はヘテロ原子基によって中断されていてもよく;
は、C~C24-アルキル、C~C24-フルオロアルキル、C~C24-アルコキシ、フッ素、塩素、又は臭素であり;
は、水素、C~C20-アルキル、C~C24-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘタリール、又はC~C24-アリールであり;
、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、及びR14は互いに独立に、水素、フッ素、塩素、C~C16-アルキル、1つもしくは複数の酸素によって中断されたC~C16-アルキル、C ~C16-アルコキシ及び~C10-アリールオキシからなる群から選択され、ここで、C ~C 10 -アリールオキシのアリール環は、非置換であるか又はフッ素、塩素、C ~C 16 -アルキル、1つもしくは複数の酸素によって中断されたC ~C 16 -アルキル、C ~C 16 -アルコキシ及び/又はC ~C 10 -アリールによって一置換もしくは多置換されており、ここで、C ~C 10 -アリールは非置換であるか又はC ~C -アルキル、C ~C -アルコキシ-C ~C -アルキル及びC ~C -アルコキシから選択される1、2、もしくは3つの基によって置換されている
を含み、
前記少なくとも1つの農業特性が、植物の成長及び発達、植物の健康、植物物質の濃度、又はこれらの組み合わせから選択される、方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの農業特性が、発芽、茎の成長、葉の成長、バイオマス、開花、作物の植物部分における成熟期、植物の休眠期間、及び/又は作物の植物部分の糖濃度から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
式(I)中のR及びRが互いに独立に、直鎖C~C24-アルキル、分岐C~C24-アルキル、C~C24-アリール、及びC~C24-アリール-C~C10-アルキレンからなる群から選択され、最後に挙げた2つの基のアリール及びアリール-アルキレンの環が、非置換であるか、又は1、2、3、4もしくは5つの同一のもしくは異なる基Rで置換されている、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
式(I)中のR、R、R、R、R、R11、R12、及びR14がそれぞれ水素であり、R、R、R10、及びR13が互いに独立に、水素、 ~C 16 -アルコキシ及びC ~C 10 -アリールオキシからなる群から選択され、ここで、C ~C 10 -アリールオキシのアリール環は、非置換であるか又はフッ素、塩素、C ~C 16 -アルキル、1つもしくは複数の酸素によって中断されたC ~C 16 -アルキル、C ~C 16 -アルコキシ及び/又はC ~C 10 -アリールによって一置換もしくは多置換されており、ここで、C ~C 10 -アリールは、非置換であるか又はC ~C 10 -アルキル、C ~C -アルコキシ-C ~C -アルキル及びC ~C -アルコキシから選択される1、2、もしくは3つの基によって置換されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
式(I)中のR、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、及びR14がそれぞれ水素である、あるいは式(I)中のR、R、R、R、R、R11、R12、及びR14がそれぞれ水素であり、かつ、R、R、R10及びR13がそれぞれ、非置換であるか又はC~C10-アルキルによって一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルオキシである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ポリマーマトリックス材料が、フルオロポリマー、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリアクリルアミド、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ(エチレン-2,5-フランジカルボキシレート)、又はこれらの任意の組み合わせを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
式(I)の化合物の濃度が、使用されるポリマーの総質量に基づいて、0.0001~1質量%である、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記ポリマーマトリックス材料が、UV吸収剤、ヒンダードアミン光安定剤、難燃剤、UV安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、可塑剤、防曇剤、核剤、帯電防止剤、充填剤又補強材料、散乱剤、及びこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの添加剤を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記色変換器が、400nm以上~680nm未満の波長を含む光を吸収し、かつ500~750nmの波長を含む光を放射することができる少なくとも1つの追加の着色剤Bをさらに含み、着色剤Bが以下のもの:
(B1)式(II)のシアノ化ナフトイルベンゾイミダゾール化合物:
【化2】
(式中、
21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、及びR210はそれぞれ独立に、水素、シアノ、あるいは、非置換であるか又は1つもしくは複数の同一のもしくは異なる置換基R2Arを有するアリールであり、
各R2Arは、シアノ、ヒドロキシル、メルカプト、ハロゲン、C~C20-アルコキシ、C~C20-アルキルチオ、ニトロ、-NR2Ar22Ar3、-NR2Ar2COR2Ar3、-CONR2Ar22Ar3、-SONR2Ar22Ar3、-COOR2Ar2、-SO2Ar2、C~C30-アルキル、C~C30-アルケニル、C~C30-アルキニル(後者の3つの基は、非置換であるか、又は1つもしくは複数のR2a基を有する)、C~C-シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル(後者2つの基は、非置換であるか、又は1つもしくは複数のR2b基を有する)、アリール、U-アリール、ヘテロアリール、及びU-ヘテロアリール(後者4つの基は、非置換であるか、又は1つもしくは複数のR2b基を有する)から独立に選択され、
各R2aは、シアノ、ヒドロキシル、オキソ、メルカプト、ハロゲン、C~C20-アルコキシ、C~C20-アルキルチオ、ニトロ、-NR2Ar2Ar3、-NR2Ar2COR2Ar3、-CONR2Ar2Ar3、-SONR2Ar2Ar3、-COOR2Ar2、-SO2Ar2、C~C-シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールから独立に選択され、前記のシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリール基は、非置換であるか、又は1つもしくは複数のR2b基を有し;
各R2bは、シアノ、ヒドロキシル、オキソ、メルカプト、ハロゲン、C~C20-アルコキシ、C~C20-アルキルチオ、ニトロ、-NR2Ar22Ar3、-NR2Ar2COR2Ar3、-CONR2Ar22Ar3、-SONR2Ar22Ar3、-COOR2Ar2、-SO2Ar2、C~C18-アルキル、C~C18-アルケニル、C~C18-アルキニル、C~C-シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールから独立に選択され、後者の4つの基は、非置換であるか、又は1つもしくは複数のR2b1基を有し、
各R2b1は、シアノ、ヒドロキシル、メルカプト、オキソ、ニトロ、ハロゲン、-NR2Ar22Ar3、-NR2Ar2COR2Ar3、-CONR2Ar22Ar3、-SONR2Ar22Ar3、-COOR2Ar2、-SO2Ar2、-SO2Ar2、C~C18-アルキル、C~C18-アルケニル、C~C18-アルキニル、C~C12-アルコキシ、及びC~C12-アルキルチオから独立に選択され、
Uは、-O-、-S-、-NR2Ar1-、-CO-、-SO-、又は-SO-部分であり;
2Ar1、R2Ar2、R2Ar3はそれぞれ独立に、水素、C~C18-アルキル、3~8員シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、アルキルは、非置換であるか、又は1つもしくは複数のR2a基を有し、3~8員シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、非置換であるか、又は1つもしくは複数のR2b基を有し;
但し、式(II)の化合物は少なくとも1つのシアノ基を含む)
及びその混合物;
(B2)式(III)のシアノ化ペリレン化合物:
【化3】
(式中、
置換基の1つはシアノであり、他のZ置換基は、CO39、CONR310311、C~C18-アルキル、C~C18-アルケニル、C~C18-アルキニル、C~C12-シクロアルキル、又はC~C14-アリールであり、ここで、
~C18-アルキル、C~C18-アルケニル、C~C18-アルキニルは、非置換であるか、又は1つもしくは複数の同一のもしくは異なるZ3a置換基を有し、
~C12-シクロアルキルは、非置換であるか、又は1つもしくは複数の同一のもしくは異なるZ3b置換基を有し、
~C14-アリールは、非置換であるか、又は1つもしくは複数の同一のもしくは異なるZ3Ar置換基を有し;
3*置換基の1つはシアノであり、他のZ3*置換基は、CO39、CONR310311、C~C18-アルキル、C~C18-アルケニル、C~C18-アルキニル、C~C12-シクロアルキル、又はC~C14-アリールであり、
~C18-アルキル、C~C18-アルケニル、C~C18-アルキニルは、非置換であるか、又は1つもしくは複数の同一のもしくは異なるZ3a置換基を有し、
~C12-シクロアルキルは、非置換であるか、又は1つもしくは複数の同一のもしくは異なるZ3b置換基を有し、
~C14-アリールは、非置換であるか、又は1つもしくは複数の同一のもしくは異なるZ3Ar置換基を有し;かつ、
31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、及びR38はそれぞれ独立に、水素、シアノ、臭素、及び塩素から選択され、
但し、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、又はR38置換基の1、2、3、4、5、6、7、又は8つはシアノであり;
39は、水素、C~C10-アルキル、C~C10-アルケニル、C~C10-アルキニル、C~C12-シクロアルキル、又はC~C14-アリールであり、ここで、
~C10-アルキル、C~C10-アルケニル、C~C10-アルキニルは、非置換であるか、又は1つもしくは複数の同一のもしくは異なるR3a置換基を有し、
~C12-シクロアルキルは、非置換であるか、又は1つもしくは複数の同一のもしくは異なるR3b置換基を有し、
~C14-アリールは、非置換であるか、又は1つもしくは複数の同一のもしくは異なるR3Ar置換基を有し;
310及びR311はそれぞれ独立に、水素、C~C10-アルキル、C~C10-アルケニル、C~C10-アルキニル、C~C12-シクロアルキル、又はC~C14-アリールであり、ここで、
~C10-アルキル、C~C10-アルケニル、C~C10-アルキニルは、非置換であるか、又は1つもしくは複数の同一のもしくは異なるR3a置換基を有し、
~C12-シクロアルキルは、非置換であるか、又は1つもしくは複数の同一のもしくは異なるR3b置換基を有し、かつ、
~C14-アリールは、非置換であるか、又は1つもしくは複数の同一のもしくは異なるR3Ar置換基を有し;
各Z3aは独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、NR310a311a、C~C10-アルコキシ、C~C10-ハロアルコキシ、C~C10-アルキルチオ、C~C12-シクロアルキル、C~C14-アリール、C(=O)R39a;C(=O)OR39a、又はC(O)NR310a311aであり、ここで、
~C12-シクロアルキルは、非置換であるか、又は1つもしくは複数の同一のもしくは異なるR3b置換基を有し、かつ、
~C14-アリールは、非置換であるか、又は1つもしくは複数の同一のもしくは異なるR3Ar置換基を有し;
各Z3b及び各Z3Arは独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、NR310a311a、C~C10-アルキル、C~C10-アルコキシ、C~C10-ハロアルコキシ、C~C10-アルキルチオ、C(=O)R39a;C(=O)OR39a、又はC(O)NR310a311aであり;
各R3aは独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、C~C10-アルコキシ、C~C12-シクロアルキル、又はC~C14-アリールであり;
各R3bは独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、C~C10-アルキル、C~C10-アルコキシ、C~C10-ハロアルコキシ、C~C10-アルキルチオ、C~C10-アルケニル、C~C10-アルキニル、C~C12-シクロアルキル、又はC~C14-アリールであり;
各R3Arは独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、C~C10-アルキル、C~C10-アルコキシ、C~C10-ハロアルコキシ、C~C10-アルキルチオ、C~C10-アルケニル、C~C10-アルキニル、C~C12-シクロアルキル、又はC~C14-アリールであり;
39aは、水素、C~C10-アルキル、C~C10-アルケニル、C~C10-アルキニル、C~C12-シクロアルキル、又はC~C14-アリールであり;
310a、R311aはそれぞれ独立に、水素、C~C10-アルキル、C~C10-アルケニル、C~C10-アルキニル、C~C12-シクロアルキル、又はC~C14-アリールである)
及びその混合物;
(B3)式(IV)のシアノ化化合物:
【化4】
(式中、
m4は、0、1、2、3、又は4であり;
各R41は互いに独立に、臭素、塩素、シアノ、-NR4a4b、C~C24-アルキル、C~C24-ハロアルキル、C~C24-アルコキシ、C~C24-ハロアルコキシ、C~C24-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、C~C24-アリール、C~C24-アリールオキシ、C~C24-アリール-C~C10-アルキレンから選択され、最後に挙げた6つの基のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリール、アリールオキシの環は、非置換であるか、又は1、2、3、4、もしくは5つの同一のもしくは異なる基R41aで置換されており、ここで、C~C24-アルキル、C~C24-ハロアルキル、C~C24-アルコキシ、及びC~C24-アリール-C~C10-アルキレンのアルキレン部分は、O、S、及びNR4cから選択される1つ又は複数の基によって中断されていてもよく;
基R42、R43、R44、及びR45のうちの少なくとも1つはCNであり、残りの基は互いに独立に、水素、塩素、及び臭素から選択され;
40は、O、S、SO、又はSOであり;
Aは、一般式(A.1)、(A.2)、(A.3)、及び(A.4)
【化5】
のジラジカルから選択されるジラジカルであり、
式中、
は、各場合に、分子の残りの部分への結合点を示し;
n4は、0、1、2、3、又は4であり;
o4は、0、1、2、又は3であり;
p4は、0、1、2、又は3であり;
46は、水素、C~C24-アルキル、C~C24-ハロアルキル、C~C24-シクロアルキル、C~C24-アリール、又はC~C24-アリール-C~C10-アルキレンであり、最後に挙げた3つの基のシクロアルキル、アリール、及びアリール-アルキレンの環は、非置換であるか、又は1、2、3、4、もしくは5つの同一のもしくは異なる基R46aで置換されており、ここで、C~C24-アルキル、C~C24-ハロアルキル、及びC~C24-アリール-C~C10-アルキレンのアルキレン部分は、O、S、及びNR4cから選択される1つ又は複数のヘテロ原子又はヘテロ原子基によって中断されていてもよく;
各R47は互いに独立に、臭素、塩素、シアノ、-NR4a4b、C~C24-アルキル、C~C24-ハロアルキル、C~C24-アルコキシ、C~C24-ハロアルコキシ、C~C24-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、C~C24-アリール、C~C24-アリールオキシ、C~C24-アリール-C~C10-アルキレンから選択され、ここで最後に挙げた6つの基のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリール、及びアリール-アルキレンの環は、非置換であるか、又は1、2、3、4、もしくは5つの同一のもしくは異なる基R47aで置換されており、ここで、C~C24-アルキル、C~C24-ハロアルキル、C~C24-アルコキシ、C~C24-ハロアルコキシ、及びC~C24-アリール-C~C10-アルキレンのアルキレン部分は、O、S、及びNR4cから選択される1つ又は複数の基によって中断されていてもよく;
各R48は互いに独立に、臭素、塩素、シアノ、NR4a4b、C~C24-アルキル、C~C24-ハロアルキル、C~C24-アルコキシ、C~C24-ハロアルコキシ、C~C24-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、C~C24-アリール、C~C24-アリールオキシ、C~C24-アリール-C~C10-アルキレンから選択され、ここで、最後に挙げた6つの基のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリール、及びアリール-アルキレンの環は、非置換であるか、又は1、2、3、4、もしくは5つの同一のもしくは異なる基R48aで置換されており、ここで、C~C24-アルキル、C~C24-ハロアルキル、C~C24-アルコキシ、C~C24-ハロアルコキシ、及びC~C24-アリール-C~C10-アルキレンのアルキレン部分は、O、S、及びNR4cから選択される1つ又は複数の基によって中断されていてもよく;
各R49は互いに独立に、臭素、塩素、シアノ、NR4a4b、C~C24-アルキル、C~C24-ハロアルキル、C~C24-アルコキシ、C~C24-ハロアルコキシ、C~C24-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、C~C24-アリール、C~C24-アリールオキシ、C~C24-アリール-C~C10-アルキレンから選択され、ここで、最後に挙げた6つの基のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリール、及びアリール-アルキレンの環は、非置換であるか、又は1、2、3、4、もしくは5つの同一のもしくは異なる基R49aで置換されており、ここで、C~C24-アルキル、C~C24-ハロアルキル、C~C24-アルコキシ、C~C24-ハロアルコキシ、及びC~C24-アリール-C~C10-アルキレンのアルキレン部分は、O、S、及びNR4cから選択される1つ又は複数の基によって中断されていてもよく;
41a、R46a、R47a、R48a、R49aは互いに独立に、C~C24-アルキル、C~C24-フルオロアルキル、C~C24-アルコキシ、フッ素、塩素、及び臭素から選択され;
4a、R4b、R4cは互いに独立に、水素、C~C20-アルキル、C~C24-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、及びC~C24-アリールから選択される)
及びその混合物;
(B4)式(V)のベンゾ(チオ)キサンテン化合物:
【化6】
(式中、
は、酸素又は硫黄であり;
51は、非置換であるか、又はハロゲン、R511、OR552、NHR552、及びNR552557から選択される1、2、3、4、もしくは5つの置換基を有するフェニルであり;
52、R53、R54、R55、R56、R57、R58、及びR59は互いに独立に、水素、ハロゲン、R553、OR553、NHR553、及びNR553554から選択され、
511は、C~C24-アルキル、C~C24-アリール及びヘテロアリールから選択され;ここで、
552及びR557は互いに独立に、C~C18-アルキル、C~C24-アリール、及びヘテロアリールから選択され;かつ、
553及びR554は互いに独立に、C~C18-アルキル、C~C24-アリール、及びヘテロアリールから選択される)
及びその混合物;
(B5)式(VIA)又は(VIB)のベンゾイミダゾキサンテンイソキノリン化合物:
【化7】
(式中、
は、酸素又は硫黄であり;
61、R62、R63、R64、R65、R66、R67、R68、R69、R610、R611、及びR612は互いに独立に、水素、ハロゲン、R661、OR661、NHR661、及びNR661662から選択され、ここで、
各R661は、C~C18-アルキル、C~C24-アリール、及びヘテロアリールから選択され;
各R662は、C~C18-アルキル、C~C24-アリール、及びヘテロアリールから選択される)
及びその混合物;
(B6)少なくとも1つの式(VII)の構造単位を含む蛍光化合物:
【化8】
(式中、示されるベンゾイミダゾール構造の6員環の1つ又は複数のCH基は窒素によって置き換えられていてもよく、記号はそれぞれ以下のように定義される:
n7は、式(VII)の各構造単位について0~(10-p7)の数であり;ここで、
p7は、示されているベンゾイミダゾール構造の6員環中の窒素によって置き換えられたCH単位の数であり、
X7は、化学結合、O、S、SO、SO、NR71であり;かつ
Rは、その各々が置換基を有していてもよい、脂肪族基、脂環式基、アリール、ヘテロアリール、
その各々が式(VII)の構造単位の他の芳香環に縮合している芳香族もしくはヘテロ芳香族の環又は環システムであり、
X7が化学結合でない場合は、F、Cl、Br、CN、Hであり;
ここで、
2つのR基が結合して1つの環状基を与えてもよく、
X7及びRは、n7>1の場合、同じでも異なっていてもよく;
71はそれぞれ独立に、水素、C~C18-アルキル、又はシクロアルキル(その炭素鎖は1つ又は複数の-O-、-S-、-CO-、-SO-、及び/又はSO-部分を含んでいてもよく、かつ、一置換又は多置換されていてもよい);
一置換もしくは多置換されていてもよいアリール又はヘテロアリールである)
及びその混合物;
(B7)式(VIII)又は(IX)のペリレン化合物:
【化9】
(式中、
81、R82はそれぞれ独立に、C~C30-アルキル、1つもしくは複数の酸素によって中断されているC~C30-アルキル、C~C-シクロアルキル、C~C10-アリール、ヘテロアリール、C~C10-アリール-C~C10-アルキレンであり、後者3つの基の芳香環は、非置換であるか、又はC~C10-アルキルによって一置換もしくは多置換されており;
92は、C~C30-アルキル、C~C-シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール-C~C10-アルキレンであり、後者3つの基の芳香環は、非置換であるか、又はC~C10-アルキルによって一置換もしくは多置換されている);
(B8)式(X)のナフタレンモノイミド化合物:
【化10】
(式中、
各R101は互いに独立に、水素、C~C30-アルキル、1つもしくは複数の酸素によって中断されているC~C30-アルキル、C~C-シクロアルキル、C~C10-アリール、ヘテロアリール、C~C10-アリール-C~C10-アルキレンであり、後者3つの基の芳香環は、非置換であるか、又はC~C10-アルキルによって一置換もしくは多置換されており;
102は、水素、C~C30-アルキル、1つもしくは複数の酸素によって中断されているC~C30-アルキル、C~C-シクロアルキル、C~C10-アリール、ヘテロアリール、C~C10-アリール-C~C10-アルキレンであり、後者3つの基の芳香環は、非置換であるか、又はC~C10-アルキルによって一置換もしくは多置換されている);
(B9)7-(ジエチルアミノ)-3-(5-メチルベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-2H-クロメン-2-オン;
(B10)式(XIA)又は(XIB)のペリレン化合物:
【化11】
(式中、
各R111は互いに独立に、C~C18-アルキル、C~Cシクロアルキル(これらはハロゲン又は直鎖もしくは分岐C~C18アルキルによって一置換又は多置換されていてもよい)、又はフェニルもしくはナフチル(ハロゲン又は直鎖もしくは分岐C~C18アルキルによって一置換又は多置換されていてもよい)である)
及びその混合物;
(B11)式(XIIA)又は(XIIB)のシアノ化ペリレン化合物:
【化12】
(式中、
各R121は互いに独立に、C~C18-アルキル、C~Cシクロアルキル(これらはハロゲン又は直鎖もしくは分岐C~C18アルキルによって一置換又は多置換されていてもよい)、又はフェニルもしくはナフチル(ハロゲン又は直鎖もしくは分岐C~C18アルキルによって一置換又は多置換されていてもよい)である)
及びその混合物;
(B12)式(XIII)のナフトイルベンゾイミダゾール化合物:
【化13】
(式中、
基R131、R132、R133、R134、R135、R136、R137、R138、R139、及びR1310の少なくとも1つは互いに独立に、1、2、又は3つのシアノ基、及び0、1、2、3又は4つの置換基RAr13を有するアリールであり、かつ、残りの基R131、R132、R133、R134、R135、R136、R137、R138、R139、及びR1310は互いに独立に、水素、及び非置換であるか又は1、2、3、4、もしくは5つの置換基RAr13を有するアリールから選択され、ここで、
Ar13は互いに独立に、かつ各出現ごとに独立に、ハロゲン、
~C30-アルキル、C~C30-アルケニル、C~C30-アルキニル(後者3つの基は、非置換であるか、又は1つもしくは複数のR13a基を有する)、
~C-シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル(後者2つの基は、非置換であるか、又は1つもしくは複数のR13b基を有する)、
アリール及びヘテロアリール(後者2つの基は、非置換であるか、又は1つもしくは複数のR13c基を有する)
から選択され、ここで、
13aは互いに独立に、かつ各出現ごとに独立に、シアノ、ハロゲン、C~C-シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールから選択され、ここで、C~C-シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリルは、非置換であるか、又は1つもしくは複数のR13b1基を有し、ここで、アリール及びヘテロアリールは、非置換であるか、又は1つもしくは複数のR13c1基を有し;
13bは互いに独立に、かつ各出現ごとに独立に、シアノ、ハロゲン、C~C18-アルキル、C~C-シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールから選択され、ここで、C~C-シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリルは、非置換であるか、又は1つもしくは複数のR13b1基を有し、ここで、アリール及びヘテロアリールは、非置換であるか、又は1つもしくは複数のR13c1基を有し;
13cは互いに独立に、かつ各出現ごとに独立に、シアノ、ハロゲン、C~C18-アルキル、C~C-シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールから選択され、ここで、C~C-シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリルは、非置換であるか、又は1つもしくは複数のR13b1基を有し、ここで、アリール及びヘテロアリールは、非置換であるか、又は1つもしくは複数のR13c1基を有し;
13b1は互いに独立に、かつ各出現ごとに独立に、ハロゲン、C~C18-アルキル、及びC~C18-ハロアルキルから選択され、
13c1は互いに独立に、かつ各出現ごとに独立に、ハロゲン、C~C18-アルキル、及びC~C18-ハロアルキルから選択される)
及びその混合物;
(B13)式(XIV)のペリレン化合物:
【化14】
(式中、
141及びR142は互いに独立に、水素、
各場合に、非置換もしくは置換C~C30-アルキル、ポリアルキレンオキシ、C~C30-アルコキシ、C~C30-アルキルチオ、C~C20-シクロアルキル、C~C20-シクロアルキルオキシ、C~C24-アリール、及びC~C24-アリールオキシから選択され;
143、R144、R145、R146、R147、R148、R149、R1410、R1411、R1412、R1413、R1414、R1415、R1416、R1417、及びR1418は互いに独立に、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、メルカプト、ニトロ、-NE141142、-NRAr141CORA142、-CONRAr141Ar142、-SONRA141A142、-COORAr141、-SOAr142、各場合に、非置換もしくは置換C~C30-アルキル、ポリアルキレンオキシ、C~C30-アルコキシ、C~C30-アルキルチオ、C~C20-シクロアルキル、C~C20-シクロアルキルオキシ、C~C24-アリール、C~C24-アリールオキシ、及びC~C24-アリールチオから選択され;ここで、
143とR144、R144とR145、R145とR146、R146とR147、R147とR148、R148とR149、R149とR1410、R1411とR1412、R1412とR1413、R1413とR1414、R1414とR1415、R1415とR1416、R1416とR1417、及び/又はR1417とR1418は、これらが結合しているビフェニリル部分の炭素原子と一緒になって、さらなる縮合芳香環又は非芳香環システムを形成してもよく、前記縮合芳香環又は非芳香環システムは非置換であるか、又は置換されており;ここで、
141及びE142は互いに独立に、水素、非置換もしくは置換C~C18-アルキル、非置換もしくは置換C~C18-アルケニル、非置換もしくは置換C~C18-アルキニル、非置換もしくは置換C~C20-シクロアルキル、又は非置換もしくは置換C~C10-アリールであり;
Ar141及びRAr142はそれぞれ互いに独立に、水素、非置換もしくは置換C~C18-アルキル、非置換もしくは置換C~C20-シクロアルキル、非置換もしくは置換ヘテロシクリル、非置換もしくは置換C~C20-アリール、又は非置換もしくは置換ヘテロアリールである)
及びその混合物;
(B14)式(XV)のペリレンビスイミド化合物:
【化15】
(式中、
p15は、1、2、3、又は4であり;
151及びR152は互いに独立に、C~C10-アルキル(これは非置換であるか、又はC~C10-アリールによって置換されており、これも同様に非置換であるか、又は1、2もしくは3つのC~C10-アリールによって置換されている)、
1つもしくは複数の酸素によって中断されているC~C20-アルキル、
非置換であるか、又は1、2、もしくは3つのC~C10-アルキルによって置換されているC~C-シクロアルキル、又は
非置換であるか、又は1、2、もしくは3つのC~C10-アルキルによって置換されているC~C10-アリールであり;
各R153は互いに独立に、フッ素、塩素、C~C16-アルキル、1つもしくは複数の酸素によって中断されたC~C16-アルキル、C~C16-アルコキシ、非置換であるか又はフッ素、塩素、C~C16-アルキル、1つもしくは複数の酸素によって中断されたC~C16-アルキル、C~C16-アルコキシ、又はC~C10-アリールによって一置換もしくは多置換されているC~C10-アリールオキシであり、C~C10-アリールは非置換であるか又はC~C-アルキル、C~C-アルコキシ-C~C-アルキル、及びC~C-アルコキシから選択される1、2、もしくは3つの基によって置換されており、
133基はによって示される位置にある)
及びその混合物;
(B15)式(XVI)のシアノアリール置換化合物:
【化16】
(式中、
mは、0、1、2、3、又は4であり;
各R161は互いに独立に、臭素、塩素、シアノ、-NR16a16b、C~C24-アルキル、C~C24-ハロアルキル、C~C24-アルコキシ、C~C24-ハロアルコキシ、C~C24-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、C~C24-アリール、C~C24-アリールオキシ、C~C24-アリール-C~C10-アルキレンから選択され、ここで、最後に挙げた6つの基のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリール、アリールオキシ、及び-アリール-アルキレンの環は、非置換であるか、又は1、2、3、4、もしくは5つの同一のもしくは異なる基R1aで置換されており、ここで、C~C24-アルキル、C~C24-ハロアルキル、C~C24-アルコキシ、及びC~C24-アリール-C~C10-アルキレンのアルキレン部分は、O、S、及びNR16cから選択される1つ又は複数の基によって中断されていてもよく;
162、R163、R164、及びR165は、水素、塩素、臭素、及び1、2又は3つのシアノ基を有するC~C24-アリールから選択され;
但し、基R161、R162、R163、R164、及びR165のうちの少なくとも1つは1、2、又は3つのシアノ基を有するC~C24-アリールであり;
Xは、O、S、SO、又はSOであり;
Aは、一般式(A.161)、(A.162)、(A.163)、及び(A.164)のジラジカル:
【化17】
から選択されるジラジカルであり、
は、各場合に、分子の残りの部分への結合点を示し;
nは、0、1、2、3、又は4であり;
oは、0、1、2、又は3であり;
pは、0、1、2、又は3であり;
166は、水素、C~C24-アルキル、C~C24-ハロアルキル、C~C24-シクロアルキル、C~C24-アリール、又はC~C24-アリール-C~C10-アルキレンであり、ここで、最後に挙げた3つの基のシクロアルキル、アリール、及びアリール-アルキレンの環は、非置換であるか、又は1、2、3、4、もしくは5つの同一のもしくは異なる基R166aで置換されており、ここで、C~C24-アルキル、C~C24-ハロアルキル、及びC~C24-アリール-C~C10-アルキレンのアルキレン部分は、O、S、及びNR16cから選択される1つ又は複数のヘテロ原子又はヘテロ原子基によって中断されていてもよく;
各R167は互いに独立に、臭素、塩素、シアノ、-NR16a16b、C~C24-アルキル、C~C24-ハロアルキル、C~C24-アルコキシ、C~C24-ハロアルコキシ、C~C24-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、C~C24-アリール、C~C24-アリールオキシ、C~C24-アリール-C~C10-アルキレンから選択され、ここで、最後に挙げた6つの基のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリール、及びアリール-アルキレンの環は、非置換であるか、又は1、2、3、4、もしくは5つの同一のもしくは異なる基R167aで置換されており、ここで、C~C24-アルキル、C~C24-ハロアルキル、C~C24-アルコキシ、C~C24-ハロアルコキシ、及びC~C24-アリール-C~C10-アルキレンのアルキレン部分は、O、S、及びNR16cから選択される1つ又は複数の基によって中断されていてもよく;
各R168は互いに独立に、臭素、塩素、シアノ、NR16a16b、C~C24-アルキル、C~C24-ハロアルキル、C~C24-アルコキシ、C~C24-ハロアルコキシ、C~C24-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、C~C24-アリール、C~C24-アリールオキシ、C~C24-アリール-C~C10-アルキレンから選択され、ここで、最後に挙げた6つの基のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリール、及びアリール-アルキレンの環は、非置換であるか、又は1、2、3、4、もしくは5つの同一のもしくは異なる基R168aで置換されており、ここで、C~C24-アルキル、C~C24-ハロアルキル、C~C24-アルコキシ、C~C24-ハロアルコキシ、及びC~C24-アリール-C~C10-アルキレンのアルキレン部分は、O、S、及びNR16cから選択される1つ又は複数の基によって中断されていてもよく;
各R169は互いに独立に、臭素、塩素、シアノ、NR16a16b、C~C24-アルキル、C~C24-ハロアルキル、C~C24-アルコキシ、C~C24-ハロアルコキシ、C~C24-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、C~C24-アリール、C~C24-アリールオキシ、C~C24-アリール-C~C10-アルキレンから選択され、ここで最後に挙げた6つの基のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリール、及びアリール-アルキレンの環は、非置換であるか、又は1、2、3、4、もしくは5つの同一のもしくは異なる基R169aで置換されており、ここで、C~C24-アルキル、C~C24-ハロアルキル、C~C24-アルコキシ、C~C24-ハロアルコキシ、及びC~C24-アリール-C~C10-アルキレンのアルキレン部分は、O、S、及びNR16cから選択される1つ又は複数の基によって中断されていてもよく;
161a、R166a、R167a、R168a、R169aは互いに独立に、C~C24-アルキル、C~C24-フルオロアルキル、C~C24-アルコキシ、フッ素、塩素、臭素、及びシアノから選択され;
16a、R16b、及びR16cは互いに独立に、水素、C~C20-アルキル、C~C24-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘタリール、及びC~C24-アリールから選択される)
及びその混合物、
から選択される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
第1のスペクトルを放射する光源が、自然昼光、又は400nm~480nmの間の発光中心波長を有する青色発光ダイオード(LED)、600nm~670nmの間の発光中心波長を有する赤色LED、もしくは2000K~20000Kの間の相関色温度を有するクールホワイトLEDから選択される発光ダイオード(LED)であり、前記少なくとも1つの色変換器が、前記LEDから離れた蛍光体配置内にある、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
ステップ(b)において得られる光強度の少なくとも20%が、300~900nmの波長範囲内の光強度の合計に基づいて、680~900nmの波長範囲内にある、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
ステップ(b)において得られた第2のスペクトルが、680~900nmの波長の他に、570nm以上~680nm未満の波長、及び300nm以上~500nm未満の波長も含み、570nm以上~680nm未満の波長範囲の光強度と680~900nmの波長範囲の光強度の合計と300nm以上~500nm未満の波長範囲の光強度の比が1:2~9:1の範囲内である、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
570nm以上~680nm未満の波長範囲の光強度と680~900nmの波長範囲の光強度の比が1:3~3:1の範囲内である、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記栽培植物が、アキノノゲシ属(Lactuca)種、キュウリ属(Cucumis)種、ナス属(Solanum)種、トマト属(Lycopersicon)種、トウガラシ属(Capsicum)種、及びバラ属(Rosa)種から選択される、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
680~900nmの範囲の波長を含む園芸用光を提供するための、色変換器における式(I)のテリレンジイミド化合物の使用
【化18】
(式中、
及びR は互いに独立に、水素、C ~C 24 -アルキル、C ~C 24 -ハロアルキル、C ~C 24 -シクロアルキル、C ~C 24 -アリール、及びC ~C 24 -アリール-C ~C 10 -アルキレンからなる群から選択され、最後に挙げた3つの基のシクロアルキル、アリール、及びアリール-アルキレンの環は、非置換であるか、又は1、2、3、4、もしくは5つの同一のもしくは異なる基R で置換されており、かつ、C ~C 24 -アルキル、C ~C 24 -ハロアルキル、及びC ~C 24 -アリール-C ~C 10 -アルキレンのアルキレン部分は、O、S、及びNR から選択される1つ又は複数のヘテロ原子又はヘテロ原子基によって中断されていてもよく;
は、C ~C 24 -アルキル、C ~C 24 -フルオロアルキル、C ~C 24 -アルコキシ、フッ素、塩素、又は臭素であり;
は、水素、C ~C 20 -アルキル、C ~C 24 -シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘタリール、又はC ~C 24 -アリールであり;
、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 10 、R 11 、R 12 、R 13 、及びR 14 は互いに独立に、水素、フッ素、塩素、C ~C 16 -アルキル、1つもしくは複数の酸素によって中断されたC ~C 16 -アルキル、C ~C 16 -アルコキシ及びC ~C 10 -アリールオキシからなる群から選択され、ここで、C ~C 10 -アリールオキシのアリール環は、非置換であるか又はフッ素、塩素、C ~C 16 -アルキル、1つもしくは複数の酸素によって中断されたC ~C 16 -アルキル、C ~C 16 -アルコキシ及び/又はC ~C 10 -アリールによって一置換もしくは多置換されており、ここで、C ~C 10 -アリールは非置換であるか又はC ~C -アルキル、C ~C -アルコキシ-C ~C -アルキル及びC ~C -アルコキシから選択される1、2、もしくは3つの基によって置換されている)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、栽培植物の少なくとも1つの農業特性を改変する方法であって、農業特性は植物の少なくとも一部に遠赤色光(680~900 nm)が濃縮された光を照射することによって改変されやすい方法に関する。遠赤色が濃縮された光は、ポリマーマトリックス材料中にテリレンジイミド化合物を含む色変換器によって、300~900 nmの波長を含む光を680~900 nmの波長を含む光に変換することによって得られる。本発明はまた、680~900 nmの波長を含む園芸用光を提供するための、色変換器におけるテリレンジイミド化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
植物は成長および発育のために光エネルギーを必要とする。重要な生理学的プロセス、例えば、光合成、光形態形成、光周性および光屈性は、植物と光との間の相互作用に基づいている。光合成は、光エネルギーの化学エネルギーへの変換を意味する。これは、光形態形成、光周性および光屈性とは完全に異なるプロセスである。光形態形成は、変化した植物の成長および発達の形態の光に対する植物の応答を意味し、光周性は、昼または夜の長さに対する植物の応答を意味し、光屈性は、光源に向かうまたは光源から離れる植物の成長を意味する。植物は、光の質、量および方向を感知し、評価し、これに応答するために様々な種類の光受容体を使用する。光受容体は、それらが知覚する光の波長によって特徴付けられる。光合成のために、植物は主に、光合成有効放射(PAR)と呼ばれる約400~700 nmの波長範囲、特に青色(300~500 nm未満)および赤色(570~680 nm未満)波長範囲の光を使用する。青色光は、光合成および気孔開閉、したがってバイオマス生産に不可欠である。赤色光は、光合成、したがってバイオマス生産に不可欠である。PAR放射は、主にクロロフィルaおよびbならびにカロテノイドによって知覚される。
【0003】
光合成に関連しない応答、すなわち、光形態形成、光周性および光屈性応答は、植物が環境に適応し、成長を最適化することを可能にする。電磁スペクトルの赤色(570~680 nm未満)および遠赤色(680~900 nm)部分の波長を有する光は、植物において光形態形成および光周性応答を誘導するのに有効である。この応答は、フィトクロム光化学系が重要な役割を果たす光受容体によって媒介される。フィトクロム光化学系は、赤色光吸収型Prおよび遠赤色吸収型Pfrの2つの相互変換可能な型で存在する。Pr型は、例えば、完全な太陽条件で見られる、約660 nmにピーク吸収を有し、フィトクロムのPfr型は、例えば、日陰を示す、約730 nmにピーク吸収を有する。赤色光を吸収すると、生物学的に不活性なPr型は生物学的に活性なPfr型に変わる。遠赤色光への曝露は、主として、Pfr型を生物学的に不活性なPr型に変換し戻す。長期間の絶え間ない暗がりの間の曝露も、Pfr型を不活性なPr型に変える。植物が光に曝露されると、Pr型とPfr型の吸収スペクトルが重なるため、両方のフィトクロム型が存在する。両方の型は、青色波長範囲(300~500 nm未満)にも弱い吸収を有する。フィトクロムは、植物の成長および発達、開花誘導、植物の健康、植物物質の濃度、種子発芽、脱黄化、日陰回避、概日リズム等を含む様々な光形態学的および光周性応答を媒介する。フィトクロムによって媒介される応答は、通常、赤色(R)対遠赤色(FR)比(R/FR)の感知に関連している。
【0004】
直射日光は赤色成分が豊富であるが、隣接する植生から反射された光は赤色光が少なく、遠赤色光が豊富である。この遠赤色濃縮光は、活性なPfr型の減少を引き起こし、植物の光形態形成応答、例えば、茎の伸長および葉の拡大を誘導して、隣接する植物による優勢伸長を防ぐ。ある状況では、伸長応答が望ましいが、観賞用の花の生産においてはそうではないことが多い。この遠赤色濃縮光はまた、早期開花を誘導する。低フルエンスの赤色光は、病気に対する植物の耐性を高めることができる。例えば、トマトでは、赤色光が真菌に対して役立ち得る。
【0005】
世界人口の増加により、気候的に好ましくない地域であっても、より多くの食品を生産し、さらに作物を栽培することがますます必要になっている。さらに、多くの消費者は、季節外れの果実、野菜、観賞植物および花を買いたがる。したがって、人工栽培システム、例えば、温室、無土壌システムおよび植物工場での商業植物栽培が、これらのニーズを満たす上で重要な役割を果たす。人工栽培システムは、人工光および日光(昼光)または人工光のみを必要とする。近年、従来の光源と比較して高効率であることから、人工光源として発光ダイオード(LED)および蛍光体変換LEDが使用されることが多い。蛍光体変換LEDを使用する利点は、選択された光受容体の吸収ピークとよく一致するようにピーク波長発光を調整することができることである。さらに、LEDベースの光源は、そのより低い熱出力のために、従来の光源よりも植物のはるかに近くに配置することができる。特に、LED技術は、自然の昼光なしで植物を成長させることを可能にする。蛍光体変換LEDにおける蛍光体は、無機または有機のものであり得る。現在、有機蛍光化合物は、蛍光体変換LEDの無機蛍光体に取って代わりつつある。さらに、有機蛍光染料は、高い質量特異的吸収によって区別され、これは、無機蛍光体の場合よりも効率的な変換に必要な材料がかなり少ないことを意味する。さらに、それらの発光スペクトルは、植物の光の要件を満たすように調整することができる。さらに、有機蛍光化合物は、ポリマーマトリックス材料に可溶化することができる染料であることが多い。
【0006】
園芸用照明は、光合成に最も有効な光を主にまたは排他的に提供するように設計されることが多い。光のスペクトル組成を変化させるために、ペリレン染料がドープされた蛍光ポリマーフィルムを使用することが知られている。ペリレン染料の発光スペクトルは、クロロフィルaおよびbのピーク吸収とよく重なる。このようなポリマーフィルムは、光合成速度を増加させ、結果としてバイオマス生産を刺激することを可能にする。
【0007】
Solar Energy Materials 21(1990), 17~23頁で、A.Nowoplanskyは、染料を含まないシートと比較して植物生産性の向上を達成するため、特にトマトの収量およびバラの茂みの開花枝の数を増加させるための温室カバーとして、Lumogen(登録商標)F-Red 300(N,N-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-1,6,7,12-テトラフェノキシペリレン-3,4:9,10-テトラカルボキシイミド)、BASF SEを含むシートを記載している。もたらされる光は、真昼の太陽における割合と比較して増加した赤色割合を有する。日陰のシグナルに対する植物の応答の排除は、いくつかの重要な作物植物においてより高い農業収量をもたらし得ると言われている。しかしながら、これらのフィルムは、トマトの平均成熟期が、Lumogen(登録商標)F-Red 300を含まない透明プラスチックシート下で成長させたトマト植物と比較して9%遅延したという欠点を有する。
【0008】
韓国特許第20130104551号明細書は、植物の光合成を増加させるペリレン化合物の効果を記載している。
【0009】
特開第2011171389号公報は、蛍光染料としてペリレン化合物、例えば、N,N-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-1,6,7,12-テトラフェノキシペリレン-3,4:9,10-テトラカルボキシイミドを含み得る植物光合成を促進させる装置を記載している。
【0010】
国際公開第2014/009865号パンフレットは、LEDと、ペリレン化合物であり得る有機染料を含む色変換器とを含む園芸用照明を記載している。
【0011】
先行技術のこれらの光は、植物の成長および発達の応答を導くために重要な680~900 nmの波長範囲の必須波長を欠いているという欠点を有する。
【0012】
したがって、特に680~900 nmの波長範囲の光強度を変化させることによって、植物の成長および発達に影響を及ぼす方法を提供する継続的な必要性がある。
【0013】
国際公開第2010/053341号パンフレットは、植物の光形態形成の必要性を満たすための無機蛍光体に基づく蛍光体変換発光ダイオードを記載している。放射された長波長光は遠赤色成分を含有するが、多くの光子がPfr型のフィトクロムの吸収範囲外で生成される。
【0014】
したがって、植物が曝露される光スペクトルに遠赤色光を加えることができる有機蛍光化合物が継続的に必要とされている。
【0015】
テリレンジイミド化合物は、通常、長波長吸収を有し、その発光の少なくとも一部が680 nmを超えることが知られている。これらは、高い熱安定性および酸化安定性を有する化合物としても知られている。
【0016】
Chem.Eur.J.,1997(3),219~225頁で、Frank O.Holtrup、Gert R.J.Mueller、Heribert Quante、Steven De Feyter、Frans C.De SchryverおよびKlaus Muellenは、650~700 nmの吸収極大および670~750 nmの発光極大を示すN,N’-ジアルキル置換テリレンジイミド化合物を記載している。吸収波長はベイ領域のフェノキシ基の数に影響される。これらの化合物は、高い熱的、化学的および光化学的安定性を有すると言われている。これらは、光電子工学の分野、光化学療法のための医療分野および分析分野、例えばレーザー蛍光測定での使用が示唆されている。
【0017】
国際公開第2003/104232号パンフレットは、1,6,9,12-四置換テリレンテトラカルボン酸ジイミドを記載している。前記化合物は、一般に、670~700 nmの波長範囲で吸収し、710~780 nmの波長範囲で発光する。様々な1,6,9,12-四置換テリレンテトラカルボン酸ジイミドは、ベイ非置換N,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)テリレンジイミド(国際公開第2003/10432号パンフレットの実施例4の化合物)から出発して調製することができる。
【0018】
国際公開第2005/070895号パンフレットは、ベイ非置換テリレン-3,4:11,12-テトラカルボン酸ジイミドを調製するための改良されたプロセスを記載している。
【0019】
国際公開第2007/006717号パンフレットは、有機および無機材料を着色するための、電磁放射を吸収および/または放射する水性ポリマー分散体を調製するための、赤外光を吸収し、人間の目には見えない模様および刻印を調製するための、熱管理用の赤外線吸収剤としての、IRレーザービーム吸収性材料のための、レーザーマーキングおよびレーザー刻印のための、有機エレクトロニクスのための、ディスプレイ用途のフィルタまたはエミッタとしての、化学発光用途のエミッタとしての、ならびに光起電力の活性成分としての、置換テリレン誘導体およびその使用を記載している。この文献の実施例2は、式
【化1】
の化合物を記載している。
【0020】
国際公開第2019/038354号パンフレットは、可視光通信用途での周波数変換器における有機蛍光染料としてのN,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)テリレンジイミド(国際公開第03/104232号パンフレットの実施例4の化合物)および国際公開第2007/006717号パンフレットの実施例2の化合物の使用を記載している。
【0021】
これらの文献のいずれも、植物の照射(照明)に使用するためのテリレンジイミド化合物の使用を記載していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【文献】韓国特許第20130104551号明細書
【文献】特開第2011/171389号公報
【文献】国際公開第2014/009865号
【文献】国際公開第2010/053341号
【文献】国際公開第2003/104232号
【文献】国際公開第2005/070895号
【文献】国際公開第2007/006717号
【文献】国際公開第2019/038354号
【文献】国際公開第03/104232号
【文献】国際公開第2007/006717号
【非特許文献】
【0023】
【文献】Frank O. Holtrup ら, Chem.Eur.J., 1997 (3), 219~225頁
【文献】A.Nowoplansky, Solar Energy Materials 21 (1990), 17~23頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
本発明の目的は、ポリマーマトリックス材料中に有機蛍光化合物を含む色変換器によって、680~900 nmの波長範囲で栽培植物が受ける光の強度を変化させることにより、栽培植物の少なくとも1つの農業特性を改変する方法を提供することである。本発明によって使用される有機蛍光染料は、フィトクロムの吸収スペクトルとよく一致する発光スペクトルを有するべきである。さらに、この有機蛍光染料は、高い熱安定性および光安定性、好ましくはポリマーマトリックス材料への良好な溶解性も有し、色変換器の長い寿命を保証するべきである。本発明により使用される有機蛍光染料はまた、好ましくは高い蛍光量子収率および高い吸収係数を有するべきである。
【0025】
特に、その方法は、以下の農業特性の1つまたは複数を改変することを可能にするべきである:
- 発芽;
- 植物の成長、例えばバイオマス、茎の高さ、葉の数、葉の大きさ;
- 植物の発達、例えば芽、開花;
- 開花時期;
- 植物物質、例えばスクロースの濃度;
- 作物の量;
- 作物の品質。
【0026】
特に、公知の方法と比較して短時間で果実、野菜または花の収量および量を改善する方法が必要とされている。本発明の方法はまた、植物の健康を改善することを可能にするべきである。
【0027】
驚くべきことに、上記の目的を、以下に定義されるポリマーマトリックス材料中にテリレンジイミド化合物を含む色変換器(color converter)を使用することによって達成することができることが分かった。
【課題を解決するための手段】
【0028】
第1の側面では、本発明は、栽培植物の少なくとも1つの農業特性を改変する植物栽培方法であって、農業特性は植物の少なくとも一部に光を照射することによって改変されやすく、
(a)300~900nmの波長、好ましくは400~900nmの波長を含む第1のスペクトルを放射する少なくとも1つの光源を用意するステップと、
(b)680~900nmの波長を含む第2のスペクトルを得るために、少なくとも1つの色変換器によって、前記第1のスペクトルを部分的または完全な変換に供するステップであって、得られた第2のスペクトルは、第1のスペクトルと比較して、680~900nmの波長でより高い光強度を有する、ステップと、
(c)栽培植物の少なくとも一部にステップ(b)で得られた第2のスペクトルを照射するステップと
を含み、
少なくとも1つの色変換器が、ポリマーマトリックス材料中に、少なくとも1つの式(I)のテリレンジイミド化合物
【化2】
(式中、
およびRは互いに独立に、水素、C~C24-アルキル、C~C24-ハロアルキル、C~C24-シクロアルキル、C~C24-アリール、およびC~C24-アリール-C~C10-アルキレンからなる群から選択され、最後に挙げた3つの基のシクロアルキル、アリールおよびアリール-アルキレンの環は、非置換であるか、または1、2、3、4もしくは5つの同一のもしくは異なる基Rで置換されており、C~C24-アルキル、C~C24-ハロアルキルおよびC~C24-アリール-C~C10-アルキレンのアルキレン部分は、O、SおよびNRから選択される1つまたは複数のヘテロ原子またはヘテロ原子基によって中断されていてもよく;
は、C~C24-アルキル、C~C24-フルオロアルキル、C~C24-アルコキシ、フッ素、塩素、または臭素であり;
は、水素、C~C20-アルキル、C~C24-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘタリール、またはC~C24-アリールであり;
、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、及びR14は互いに独立に、水素、フッ素、塩素、C~C16-アルキル、1つもしくは複数の酸素によって中断されたC~C16-アルキル、C ~C16-アルコキシ及び~C10-アリールオキシからなる群から選択され、ここで、C ~C 10 -アリールオキシのアリール環は、非置換であるか又はフッ素、塩素、C ~C 16 -アルキル、1つもしくは複数の酸素によって中断されたC ~C 16 -アルキル、C ~C 16 -アルコキシ及び/又はC ~C 10 -アリールによって一置換もしくは多置換されており、ここで、C ~C 10 -アリールは非置換であるか又はC ~C -アルキル、C ~C -アルコキシ-C ~C -アルキル及びC ~C -アルコキシから選択される1、2、もしくは3つの基によって置換されている)を含む方法に関する。
【0029】
公知の方法と比較して、本発明による方法は、植物の速い成長および発育を可能にし、したがって生産サイクルを短縮し、遠赤色吸収フィトクロムに適合する式(I)の化合物の好ましい発光スペクトルにより、開花期ならびに/または野菜もしくは果実作物もしくは花/観賞植物の品質および量を改変することを可能にする。
【0030】
本発明のさらなる態様では、栽培植物の少なくとも1つの農業特性を改変する植物栽培方法であって、農業特性は植物の少なくとも一部に光を照射することによって改変されやすく、(a)300~900nm、好ましくは400~900nmの波長を含む第1のスペクトルを放射する少なくとも1つの光源を用意するステップと、(b)680~900nmの波長を含む第2のスペクトルを得るために、少なくとも1つの色変換器によって、前記第1のスペクトルを部分的または完全な変換に供するステップであって、得られた第2のスペクトルは、第1のスペクトルと比較して、680~900nmの波長でより高い光強度を有する、ステップと、(c)栽培植物の少なくとも一部をステップ(b)で得られた第2のスペクトルに供するステップとを含み、少なくとも1つの色変換器は、ポリマーマトリックス材料中に、少なくとも1つの本明細書で定義される式(I)のテリレンジイミド化合物を含み、400~680nm未満の波長を含む光を吸収し、500~750nmの波長を含む光を放射することができる少なくとも1つの本明細書に定義される追加の着色剤Bをさらに含む方法が開示される。
【0031】
本発明のさらなる態様では、植物の少なくとも一部の少なくとも1つの農業特性を改変するための、680~900nmの範囲の波長を含む園芸用光を提供するための、上に定義される色変換器における式(I)のテリレンジイミド化合物の使用が開示される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】積分球内で測定されたFortimo青色LED(450 nm)の照射によって得られた、色変換器C1~C3の発光強度対波長を示す図である。
図2】積分球内で測定されたFortimo青色LED(450 nm)の照射によって得られた、色変換器C4~C6の発光強度対波長を示す図である。
図3】積分球内で測定されたFortimo青色LED(450 nm)の照射によって得られた、色変換器C7~C10の発光強度対波長を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明との関連において、単に「変換器」とも呼ばれる「色変換器」という用語は、特定の波長の光を吸収し、それを第2の異なる波長の光に変換することができる全ての物理デバイスを意味すると理解される。色変換器は、例えば、照明装置、特に、光源としてUV光またはLEDを利用する照明装置の一部である。
【0034】
本発明との関連において、「蛍光体」(「蛍光着色剤」または単に「着色剤」とも呼ばれる)という用語は、第1の波長の光を第2の異なる波長の光に変換する固体材料を指す。蛍光体は、無機であっても有機であってもよい。蛍光体は、光の色(光の波長)によって、緑色、黄色、赤色等に分類することができる。
【0035】
本発明との関連において、「着色剤」という用語は、顔料および染料を含む。
【0036】
有機蛍光着色剤は、有機蛍光顔料または有機蛍光染料であり得る。好ましくは、これらは有機蛍光染料である。
【0037】
本発明との関連において、「緑色蛍光体」という用語はまた、実施形態では、複数の緑色蛍光体に関し得る。
【0038】
本発明との関連において、「赤色蛍光体」という用語はまた、実施形態では、複数の赤色蛍光体に関し得る。
【0039】
本発明との関連において、「遠赤色蛍光体」という用語はまた、実施形態では、複数の遠赤色蛍光体に関し得る。
【0040】
本発明との関連において、「黄色蛍光体」という用語はまた、実施形態では、複数の黄色蛍光体に関し得る。
【0041】
本発明との関連において、「青色波長範囲」または「青色発光」とも呼ばれる「青色光」という用語は、300~500 nm未満の範囲の波長、好ましくは300~500 nm未満の範囲の中心波長を有する光を意味する。
【0042】
本発明との関連において、「緑色波長範囲」または「緑色発光」とも呼ばれる「緑色光」という用語は、500~570 nm未満の範囲の波長、好ましくは500~570 nm未満の範囲の中心波長を有する光を意味する。
【0043】
本発明との関連において、「赤色波長範囲」または「赤色発光」とも呼ばれる「赤色光」という用語は、570~680 nm未満の範囲の波長、好ましくは570~680 nm未満の範囲の中心波長を有する光を意味する。
【0044】
本発明との関連において、「遠赤色波長範囲」または「遠赤色発光」とも呼ばれる「遠赤色光」という用語は、680~900 nmの範囲の波長、好ましくは680~800 nmの範囲の中心波長を有する光を意味する。
【0045】
本発明との関連において、「ポリマーマトリックス材料」という用語、「ポリマーマトリックス」という用語および用語「ポリマーマトリックス材料」という用語は、変換材料が分散または分子的に溶解されているポリマーを指す。
【0046】
本発明との関連において、「ピーク波長」という用語は、スペクトルがその最高強度に達する波長として定義される。
【0047】
本発明との関連において、所与の分光分布F(λ)の「中心波長」という用語は、以下の平均:λc=∫λ・F(λ)dλ/∫F(λ)dλとして定義される。
【0048】
本発明との関連において、「半値全幅(FWHM)」という用語は、その最大振幅の半分でのライン形状の幅を意味する。
【0049】
本発明との関連において、「蛍光量子収率(QY)」という用語は、放射された光子の数と吸収された光子の数の比として定義される。
【0050】
LED(発光ダイオード)は、狭い波長スペクトルを放射する。例えば、青色LEDは、400~480 nm、好ましくは420~480、より好ましくは440~470 nm、最も好ましくは440~460 nmの範囲の発光中心波長を有する電磁スペクトルの青色範囲の光を発するLEDである。適切な半導体材料は、炭化ケイ素、セレン化亜鉛および窒化物、例えば、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウム(InN)および窒化インジウムガリウム(InGaN)である。LEDは、典型的には、それらのピーク波長をしっかりと中心とする狭い波長分布を有する。標準的なInGaN系青色LEDは、サファイア基板上に作製され、ピーク発光波長は、通常、445~455 nmを中心とする。
【0051】
赤色LEDは、典型的には、600~670 nmの範囲の発光中心波長を有する電磁スペクトルの赤色範囲の光を発する。
【0052】
LED(発光ダイオード)を使用して白色光を生成する2つの手法がある。1つの手法は、青色、緑色および赤色LEDの光を混合することである。さらなる手法は、色変換器と組み合わせた蛍光体変換LED、典型的には青色LEDの使用である。色変換器は、典型的には、ポリマーマトリックス材料と、波長変換材料としての1つまたは複数の蛍光体と、通常、散乱剤とを含む。波長変換材料は、LED光源から放射された光を第2のより長い波長を有する光に変換し、例えば、LEDからの青色放射は緑色または赤色放射に変換され、透過された青色光と変換された光の混合により白色光を生じる。蛍光体は、LEDチップ上に直接適用することができる。この構成は、蛍光体オンチップ(phosphor on chip)構成と呼ばれる。この構成は、蛍光体の非常に高い熱安定性および光化学安定性を必要とするため、蛍光体は通常、無機蛍光体であり、最も一般的には、希土類イオンがドープされた無機酸化物である。あるいは、蛍光体が、LEDチップから分離して、またはLEDチップに対して遠隔に配置されてもよい。この構成は、「リモート蛍光体」構成と呼ばれる。これらの用途では、最も一般的に使用される蛍光体材料は有機材料である。
【0053】
白色LEDは、人間の目に白色として知覚される光を発する。例としては、その発光が混合されて白色光を形成する赤色、緑色および青色LEDからなるマルチLED(RGB LEDシステムとも呼ばれる)がある。さらなる例としては、蛍光体材料を含む色変換器を光が通過する青色LEDおよびUV-LEDがある。無機蛍光体材料、特に黄色蛍光体材料、例えば、セリウムドープイットリウムアルミニウムガーネット(YAG)、または蛍光体の組み合わせ、例えば、黄色蛍光体と赤色蛍光体でコーティングされた青色LEDが好ましい。同様に、無機蛍光体材料、特に黄色蛍光体、例えば、YAG、および少なくとも1つの有機蛍光染料を含むリモート蛍光体構成の追加の蛍光体層でコーティングされた青色LEDが好ましい。
【0054】
UV-LEDは、紫外線電磁放射、すなわち400 nm未満、例えば350~400 nmの範囲の波長を有する電磁放射を放射する発光ダイオードである。
【0055】
本発明との関連において、「白色光」という用語は、2000~20000 K、特に2500~20000 Kの間の相関色温度(CCT)を有する光に関する。市販の白色LEDは、通常、3000 K以上、例えば3000~20000 Kまたは40000~20000 Kの範囲の相関色温度を有する。
【0056】
本発明との関連において、「相関色温度(CCT)」という用語は、電気光源から発せられる白色光の色外観を説明し、ケルビンで測定される。光源と同じ白色光を発すると人間の目によって知覚されるのは、黒体放射体の温度である。
【0057】
本発明との関連において、「自然昼光」または「自然光」は、「日光」とも呼ばれる。太陽の放射のスペクトル分布は、地球の表面で測定した場合、約300 nm~1000 nmの間の広い波長帯を有する。
【0058】
本発明との関連において、「園芸用」および「農業用」という用語は互換的に使用される。
【0059】
本発明との関連において、「温室」は、主に透明材料で作られた壁および屋根を有する構造である。温室は、プラスチックハウス、ガラスハウス、ネットハウスまたはマルチスパン温室であり得る。
【0060】
本発明との関連において、「植物工場」は、全ての光が人工光源によって提供される屋内垂直農法システムである。
【0061】
本発明との関連において、「溶液処理可能」という用語は、液体媒体に溶解、分散、および/または堆積することができることを意味する。
【0062】
本発明との関連において、「フィルム」は、本質的に二次元の伸長を有する平坦な構造を有する。
【0063】
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、単数形(外国語明細書中の「a」、「an」および「the」)は、内容が明確に他のことを指示しない限り、複数の言及を含み、逆もまた同様である。
【0064】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、ある値が、その値を決定するために使用されている装置または方法の誤差の標準偏差を含むことを示すために使用される。
【0065】
本明細書で使用される場合、範囲の数値との関連における「未満」という用語は、記載される範囲最小値~記載される範囲最大値より下のありとあらゆる数値を含むと理解される。
【0066】
本発明との関連における「本質的に」という用語は、「完全に」、「全体的に」および「全て」という単語を包含する。この単語は、90%以上、例えば、95%以上、特に99%または100%の割合を包含する。
【0067】
「少なくとも」という用語は、1または2以上、例えば1、2、3、4または5以上を定義することを意味する。
【0068】
「場合により置換された」という用語は、それが言及する基が非置換であるか、または置換されていることを意味する。
【0069】
本出願との関連における「(メタ)アクリレート」という用語は、アクリレートならびに対応するメタクリレートを指すことを意味する。
【0070】
上記の式で指定される可変要素の定義は、一般にそれぞれの置換基を表す総称を使用する。定義Cn~Cmは、各場合で、それぞれの置換基または置換基部分において可能な炭素原子の数を与える。
【0071】
「ハロゲン」という表現は、各場合で、フッ素、臭素、塩素またはヨウ素、特に塩素、臭化物またはヨウ素を表す。
【0072】
本発明との関連において、「各場合で、非置換または置換アルキル、シクロアルキルおよびアリール」という表現は、非置換または置換アルキル、非置換または置換シクロアルキルおよび非置換または置換アリールを表す。
【0073】
同様に、本発明との関連において、「各場合で、非置換または置換C1~C30-アルキル、ポリアルキレンオキシ、C1~C30-アルコキシ、C1~C30-アルキルチオ、C3~C20-シクロアルキル、C3~C20-シクロアルキルオキシ、C6~C24-アリールおよびC6~C24-アリールオキシ」という表現は、非置換または置換C1~C30-アルキル、非置換または置換ポリアルキレンオキシ、非置換または置換C1~C30-アルコキシ、非置換または置換C1~C30-アルキルチオ、非置換または置換C3~C20-シクロアルキル、非置換または置換C3~C20-シクロアルキルオキシ、非置換または置換C6~C24-アリールおよび非置換または置換C6~C24-アリールオキシを表す。
【0074】
本発明の目的のために、「脂肪族基」という用語は、非環式の飽和または不飽和の、直鎖または分岐炭化水素基を指す。通常、脂肪族基は1~100個の炭素原子を有する。脂肪族基の例としては、アルキル、アルケニルおよびアルキニルがある。
【0075】
本発明の目的のために、「脂環式基」という用語は、通常3~20個の環炭素原子を有する環状の非芳香族の飽和または不飽和炭化水素基を指す。例としては、シクロアルカン、シクロアルケンおよびシクロアルキンがある。脂環式基はまた、N、O、SまたはSO2から選択されるヘテロ原子またはヘテロ原子基を含み得る。
【0076】
本明細書およびアルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニルなどのアルキル部分で使用される「アルキル」という用語は、通常1~100個(「C1~C100-アルキル」)、1~30個(「C1~C30-アルキル」)、1~18個(「C1~C18-アルキル」)、1~10個(「C1~C10-アルキル」)、1~8個(「C1~C8-アルキル」)または1~6個(「C1~C6-アルキル」)または1~4個(「C1~C4-アルキル」)の炭素原子を有する飽和の直鎖または分岐炭化水素基を指す。アルキルは、好ましくはC1~C30-アルキル、より好ましくはC1~C20-アルキルである。C1~C4-アルキルの例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、2-ブチル(=sec-ブチル)、イソブチルおよびtert-ブチルがある。C1~C6-アルキルの例としては、C1~C4-アルキルについて述べたものとは別に、n-ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、n-ヘキシル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,2,2-トリメチルプロピル、1-エチル-1-メチルプロピルおよび1-エチル-2-メチルプロピルがある。C1~C10-アルキルの例としては、C1~C6-アルキルについて述べたものとは別に、n-ヘプチル、1-メチルヘキシル、2-メチルヘキシル、3-メチルヘキシル、4-メチルヘキシル、5-メチルヘキシル、1-エチルペンチル、2-エチルペンチル、3-エチルペンチル、n-オクチル、1-メチルオクチル、2-メチルヘプチル、1-エチルヘキシル、2-エチルヘキシル、1,2-ジメチルヘキシル、1-プロピルペンチル、2-プロピルペンチル、ノニル、デシル、2-プロピルヘプチルおよび3-プロピルヘプチルがある。
【0077】
置換アルキル基は、アルキル鎖の長さに応じて、1つまたは複数(例えば、1、2、3、4、5または6以上)の置換基を有する。これらは、好ましくは、互いに独立に、非置換または置換シクロアルキル、非置換または置換シクロアルキルオキシ、非置換または置換シクロアルキルチオ、非置換または置換ヘテロシクロアルキル、非置換または置換アリール、非置換または置換アリールオキシ、非置換または置換アリールチオ、非置換または置換ヘタリール、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシル、メルカプト、非置換または置換アルコキシ、非置換または置換ポリアルキレンオキシ、非置換または置換アルキルチオ、非置換または置換シクロアルキルオキシ、非置換または置換アリールオキシ、非置換または置換アリールチオ、シアノ、ニトロ、非置換または置換アルキルカルボニル-オキシ、ホルミル、アシル、COOH、カルボキシレート、-COORAr1、NE1E2、-NRAr1CORAr2、-CONRAr1RAr2、-SO2NRAr1RAr2および-SO3RAr2(式中、E1およびE2は、水素、非置換もしくは置換C1~C18-アルキル、非置換もしくは置換C2~C18-アルケニル、非置換もしくは置換C2~C18-アルキニル、非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキルまたは非置換もしくは置換C6~C10-アリールであり、RAr1およびRAr2は互いに独立に、水素、非置換もしくは置換C1~C18-アルキル、非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキル、非置換もしくは置換ヘテロシクリル、非置換もしくは置換C6~C20-アリールまたは非置換もしくは置換ヘテロアリールである)から選択される。特に、置換アルキル基は、非置換または置換シクロアルキル、非置換または置換アリール、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシル、アルコキシ、ポリアルキレンオキシ、メルカプト、アルキルチオ、シアノ、ニトロ、NE1E2、-NRAr1CORAr2、-CONRAr1RAr2、-SO2NRAr1RAr2および-SO3RAr2(式中、E1、E2は互いに独立に、水素、非置換もしくは置換C1~C18-アルキル、非置換もしくは置換C2~C18-アルケニル、非置換もしくは置換C2~C18-アルキニル、非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキルまたは非置換もしくは置換C6~C10-アリールであり、RAr1およびRAr2はそれぞれ互いに独立に、水素、非置換もしくは置換C1~C18-アルキル、非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキル、非置換もしくは置換ヘテロシクリル、非置換もしくは置換C6~C20-アリールまたは非置換もしくは置換ヘテロアリールである)から選択される1つまたは複数、例えば1、2または3つの置換基を有する。
【0078】
本明細書で使用される「アルキレン」(またはアルカンジイル)という用語は、各場合で、炭素骨格の任意の位置の1個の水素原子が1個のさらなる結合部位によって置き換えられ、したがって二価部分を形成する、上に定義されるアルキル基を表す。
【0079】
置換アルキル基の特別な実施形態は、1個の水素原子がアリール基、特にフェニル基によって置き換えられているアルキル基(以下、アリールアルキルまたはアリールアルキレンとも呼ばれる「アラルキル」)である。したがって、アリールアルキルは、アルキル基を介して分子の残りに結合したアリールを指す。アリール基も同様に、非置換であるか、または置換されていてもよく、適切な置換基はアリールについて以下に述べられる置換基である。アリールアルキルの特定の例としては、フェニル-C1~C4-アルキル、例えば、ベンジル、1-フェニルエチル、2-フェニルエチル(フェネチル)、1-フェニルプロピル、2-フェニルプロピル、3-フェニル-1-プロピル、2-フェニル-2-プロピル、およびナフチル-C1~C4-アルキル、例えば、1-ナフチルメチル、1-ナフチルエチル、2-ナフチルメチル、2-ナフチルエチルが挙げられる。
【0080】
「ヒドロキシ-C1~C10-アルキル」という用語は、1個または2個の水素原子がヒドロキシ(OH)基によって置き換えられているアルキル基を指す。好ましくは、ヒドロキシ-C1~C10-アルキルがモノヒドロキシ-C4~C10-アルキル基である。
【0081】
本明細書で使用される「アルコキシ」という用語は、各場合で、酸素原子を通して結合した直鎖または分岐アルキル基を指す、すなわち、「アルコキシ」基はアルキルが上に定義される通りである-O-アルキルとして表され得る。C1~C2-アルコキシはメトキシまたはエトキシである。C1~C4-アルコキシはさらに、例えば、n-プロポキシ、1-メチルエトキシ(イソプロポキシ)、ブトキシ、1-メチルプロポキシ(sec-ブトキシ)、2-メチルプロポキシ(イソブトキシ)または1,1-ジメチルエトキシ(tert-ブトキシ)である。C1~C6-アルコキシはさらに、例えば、ペントキシ、1-メチルブトキシ、2-メチルブトキシ、3-メチルブトキシ、1,1-ジメチルプロポキシ、1,2-ジメチルプロポキシ、2,2-ジメチルプロポキシ、1-エチルプロポキシ、ヘキソキシ、1-メチルペントキシ、2-メチルペントキシ、3-メチルペントキシ、4-メチルペントキシ、1,1-ジメチルブトキシ、1,2-ジメチルブトキシ、1,3-ジメチルブトキシ、2,2-ジメチルブトキシ、2,3-ジメチルブトキシ、3,3-ジメチルブトキシ、1-エチルブトキシ、2-エチルブトキシ、1,1,2-トリメチルプロポキシ、1,2,2-トリメチルプロポキシ、1-エチル-1-メチルプロポキシまたは1-エチル-2-メチルプロポキシである。
【0082】
C1~C8-アルコキシはさらに、例えば、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、2-エチルヘキシルオキシおよびその位置異性体である。
【0083】
したがって、本明細書で使用される「非置換または置換アルコキシ」という用語は、アルキルが非置換であるか、または上に定義されるように置換されている-O-アルキルを指す。
【0084】
本明細書で使用される「ポリオキシアルキレン」という用語は、アルキルが1つまたは複数の非隣接酸素原子によって中断されており、アルキルが上に定義される通りである、酸素原子を通して分子の残りに結合したアルキル基を指す。
【0085】
したがって、本明細書で使用される「非置換または置換ポリアルキレンオキシ」という用語は、アルキルが1つまたは複数の非隣接酸素原子によって中断されており、アルキルが非置換であるか、または上に定義されるように置換されている-O-アルキルを指す。
【0086】
本明細書で使用される「アルキルチオ」という用語は、硫黄原子を通して結合したアルキル基を指す、すなわち、「アルキルチオ」基は、アルキルが上に定義される通りである-S-アルキルとして表され得る。C1~C2-アルキルチオは、メチルチオまたはエチルチオである。C1~C4-アルキルチオは、例えば、メチルチオ、エチルチオ、n-プロピルチオ、1-メチルエチルチオ(イソプロピルチオ)、ブチルチオ、1-メチルプロピルチオ(sec-ブチルチオ)、2-メチルプロピルチオ(イソブチルチオ)または1,1-ジメチルエチルチオ(tert-ブチルチオ)である。
【0087】
したがって、本明細書で使用される「非置換または置換アルキルチオ」という用語は、アルキルが非置換であるか、または上に定義されるように置換されている-S-アルキルを指す。
【0088】
置換アルキル基のさらなる特別な実施形態は、これらの基の水素原子の一部または全部が上記のハロゲン原子によって置き換えられていてもよいアルキル基、例えばC1~C4-ハロアルキルである。
【0089】
本明細書で使用される「アルケニル」という用語は、通常2~100個(「C2~C100-アルケニル」)、2~18個(「C2~C18-アルケニル」)、2~10個(「C2~C10-アルケニル」)、2~8個(「C2~C8-アルケニル」)または2~6個(「C2~C6-アルケニル」)の炭素原子および任意の位置に1つまたは複数、例えば2つまたは3つの二重結合を有する直鎖または分岐炭化水素基を指す。置換アルケニル基は、アルケニル鎖の長さに応じて、1つまたは複数(例えば、1、2、3、4、5または6以上)の置換基を有する。これらは、好ましくは、互いに独立に、非置換または置換シクロアルキル、非置換または置換シクロアルキルオキシ、非置換または置換シクロアルキルチオ、非置換または置換ヘテロシクロアルキル、非置換または置換アリール、非置換または置換アリールオキシ、非置換または置換アリールチオ、非置換または置換ヘタリール、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシル、メルカプト、非置換または置換アルコキシ、非置換または置換ポリアルキレンオキシ、非置換または置換アルキルチオ、非置換または置換シクロアルキルオキシ、非置換または置換アリールオキシ、非置換または置換アリールチオ、シアノ、ニトロ、非置換または置換アルキルカルボニル-オキシ、ホルミル、アシル、COOH、カルボキシレート、-COORAr1、NE1E2、-NRAr1CORAr2、-CONRAr1RAr2、-SO2NRAr1RAr2および-SO3RAr2(式中、E1およびE2は、水素、非置換もしくは置換C1~C18-アルキル、非置換もしくは置換C2~C18-アルケニル、非置換もしくは置換C2~C18-アルキニル、非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキルまたは非置換もしくは置換C6~C10-アリールであり、RAr1およびRAr2は互いに独立に、水素、非置換もしくは置換C1~C18-アルキル、非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキル、非置換もしくは置換ヘテロシクリル、非置換もしくは置換C6~C20-アリールまたは非置換もしくは置換ヘテロアリールである)から選択される。特に、置換アルケニル基は、非置換または置換シクロアルキル、非置換または置換アリール、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシル、アルコキシ、ポリアルキレンオキシ、メルカプト、アルキルチオ、シアノ、ニトロ、NE1E2、-NRAr1CORAr2、-CONRAr1RAr2、-SO2NRAr1RAr2および-SO3RAr2(式中、E1、E2は互いに独立に、水素、非置換もしくは置換C1~C18-アルキル、非置換もしくは置換C2~C18-アルケニル、非置換もしくは置換C2~C18-アルキニル、非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキルまたは非置換もしくは置換C6~C10-アリールであり、RAr1およびRAr2はそれぞれ互いに独立に、水素、非置換もしくは置換C1~C18-アルキル、非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキル、非置換もしくは置換ヘテロシクリル、非置換もしくは置換C6~C20-アリールまたは非置換もしくは置換ヘテロアリールである)から選択される1つまたは複数、例えば1、2または3つの置換基を有する。
【0090】
本明細書で使用される「アルキニル」という用語(その炭素鎖が1つまたは複数の三重結合を含み得るアルキルとも呼ばれる)は、通常2~100個(「C2~C100-アルキニル」)、2~18個(「C2~C18-アルキルニル」)、2~10個(「C2~C10-アルキニル」)、2~8個(「C2~C8-アルキニル」)、または2~6個(「C2~C6-アルキニル」)の炭素原子および任意の位置に1つまたは複数、例えば2つまたは3つの三重結合を有する直鎖または分岐炭化水素基を指す。置換アルキニル基は、アルキニル鎖の長さに応じて、1つまたは複数(例えば、1、2、3、4、5または6以上)の置換基を有する。これらは、好ましくは、互いに独立に、非置換または置換シクロアルキル、非置換または置換シクロアルキルオキシ、非置換または置換シクロアルキルチオ、非置換または置換ヘテロシクロアルキル、非置換または置換アリール、非置換または置換アリールオキシ、非置換または置換アリールチオ、非置換または置換ヘタリール、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシル、メルカプト、非置換または置換アルコキシ、非置換または置換ポリアルキレンオキシ、非置換または置換アルキルチオ、非置換または置換シクロアルキルオキシ、非置換または置換アリールオキシ、非置換または置換アリールチオ、シアノ、ニトロ、アルキルカルボニルオキシ、ホルミル、アシル、COOH、カルボキシレート、-COORAr1、NE1E2、-NRAr1CORAr2、-CONRAr1RAr2、-SO2NRAr1RAr2および-SO3RAr2(式中、E1およびE2は、水素、非置換もしくは置換C1~C18-アルキル、非置換もしくは置換C2~C18-アルケニル、非置換もしくは置換C2~C18-アルキニル、非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキルまたは非置換もしくは置換C6~C10-アリールであり、RAr1およびRAr2は互いに独立に、水素、非置換もしくは置換C1~C18-アルキル、非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキル、非置換もしくは置換ヘテロシクリル、非置換もしくは置換C6~C20-アリールまたは非置換もしくは置換ヘテロアリールである)から選択される。特に、置換アルキニル基は、非置換または置換シクロアルキル、非置換または置換アリール、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシル、アルコキシ、ポリアルキレンオキシ、メルカプト、アルキルチオ、シアノ、ニトロ、NE1E2、-NRAr1CORAr2、-CONRAr1RAr2、-SO2NRAr1RAr2および-SO3RAr2(式中、E1、E2は互いに独立に、水素、非置換もしくは置換C1~C18-アルキル、非置換もしくは置換C2~C18-アルケニル、非置換もしくは置換C2~C18-アルキニル、非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキルまたは非置換もしくは置換C6~C10-アリールであり、RAr1およびRAr2はそれぞれ互いに独立に、水素、非置換もしくは置換C1~C18-アルキル、非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキル、非置換もしくは置換ヘテロシクリル、非置換もしくは置換C6~C20-アリールまたは非置換もしくは置換ヘテロアリールである)から選択される1つまたは複数、例えば1、2または3つの置換基を有する。
【0091】
本明細書で使用される「シクロアルキル」という用語は、各場合で、通常3~24個(C3~C24-シクロアルキル)、3~20個(「C3~C20-シクロアルキル」)の原子、好ましくは3~8個(「C3~C8-シクロアルキル」)または3~6個の炭素原子(「C3~C6-シクロアルキル」)を有する単環式または二環式または多環式飽和炭化水素基を表す。3~6個の炭素原子を有する単環式基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられる。3~8個の炭素原子を有する単環式基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルが挙げられる。7~12個の炭素原子を有する二環式基の例としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[3.1.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.3.0]オクチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[3.3.1]ノニル、ビシクロ[4.2.1]ノニル、ビシクロ[4.3.1]デシル、ビシクロ[3.3.2]デシル、ビシクロ[4.4.0]デシル、ビシクロ[4.2.2]デシル、ビシクロ[4.3.2]ウンデシル、ビシクロ[3.3.3]ウンデシル、ビシクロ[4.3.3]ドデシルおよびペルヒドロナフチルが挙げられる。多環式環の例としては、ペルヒドロアントラシル、ペルヒドロフルオレニル、ペルヒドロクリセニル、ペルヒドロピセニルおよびアダマンチルがある。
【0092】
置換シクロアルキル基は、環の大きさに応じて、1つまたは複数(例えば、1、2、3、4、5または6以上)の置換基を有し得る。これらは、好ましくは、互いに独立に、非置換または置換アルキル、非置換または置換アルケニル、非置換または置換アルキニル、非置換または置換シクロアルキル、非置換または置換シクロアルキルオキシ、非置換または置換シクロアルキルチオ、非置換または置換ヘテロシクロアルキル、非置換または置換アリール、非置換または置換アリールオキシ、非置換または置換アリールチオ、非置換または置換ヘタリール、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシル、メルカプト、非置換または置換アルコキシ、非置換または置換ポリアルキレンオキシ、非置換または置換アルキルチオ、非置換または置換シクロアルキルオキシ、非置換または置換アリールオキシ、非置換または置換アリールチオ、シアノ、ニトロ、非置換または置換アルキルカルボニル-オキシ、ホルミル、アシル、COOH、カルボキシレート、-COORAr1、-NE1E2、-NRAr1CORAr2、-CONRAr1RAr2、-SO2NRAr1RAr2および-SO3RAr2(式中、E1およびE2は、水素、非置換もしくは置換C1~C18-アルキル、非置換もしくは置換C2~C18-アルケニル、非置換もしくは置換C2~C18-アルキニル、非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキルまたは非置換もしくは置換C6~C10-アリールであり、RAr1およびRAr2は互いに独立に、水素、非置換もしくは置換C1~C18-アルキル、非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキル、非置換もしくは置換ヘテロシクリル、非置換もしくは置換C6~C20-アリールまたは非置換もしくは置換ヘテロアリールである)から選択される。特に、置換シクロアルキル基は、非置換または置換アルキル、非置換または置換シクロアルキル、非置換または置換アリール、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシル、アルコキシ、ポリアルキレンオキシ、メルカプト、アルキルチオ、シアノ、ニトロ、NE1E2、-NRAr1CORAr2、-CONRAr1RAr2、-SO2NRAr1RAr2および-SO3RAr2(式中、E1、E2は互いに独立に、水素、非置換もしくは置換C1~C18-アルキル、非置換もしくは置換C2~C18-アルケニル、非置換もしくは置換C2~C18-アルキニル、非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキルまたは非置換もしくは置換C6~C10-アリールであり、RAr1およびRAr2はそれぞれ互いに独立に、水素、非置換もしくは置換C1~C18-アルキル、非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキル、非置換もしくは置換ヘテロシクリル、非置換もしくは置換C6~C20-アリールまたは非置換もしくは置換ヘテロアリールである)から選択される1つまたは複数、例えば1、2または3つの置換基を有する。
【0093】
本明細書で使用される「シクロアルキルオキシ」という用語は、酸素原子を通して結合したシクロアルキル基を指す、すなわち、「シクロアルキルオキシ」基はシクロアルキルが上に定義される通りである-O-シクロアルキルとして表され得る。
【0094】
したがって、本明細書で使用される「非置換または置換シクロアルキルオキシ」という用語は、シクロアルキルが非置換であるか、または上に定義されるように置換されている-O-シクロアルキルを指す。
【0095】
本明細書で使用される「シクロアルキルチオ」という用語は、硫黄原子を通して結合したシクロアルキル基を指す、すなわち、「シクロアルキルチオ」基はシクロアルキルが上に定義される通りである-S-シクロアルキルとして表され得る。
【0096】
したがって、本明細書で使用される「非置換または置換シクロアルキルチオ」という用語は、シクロアルキルが非置換であるか、または上に定義されるように置換されている-S-シクロアルキルを指す。
【0097】
「ヘテロシクロアルキル」という用語は、環員としての炭素原子以外に、環員としてのO、N、NRcc、S、SOおよびS(O)2(式中、Rccは水素、C1~C20-アルキル、C3~C24-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C6~C24-アリールまたはヘテロアリールである)から選択される1、2、3または4個のヘテロ原子またはヘテロ原子含有基を含む、一般に5~8個の環員、好ましくは5個または6個の環員を有する非芳香族の部分不飽和または完全飽和複素環を指す。ヘテロシクロアルキル基の例としては、特にピロリジニル、ピペリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロチエン-2-イル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラン-2-イル、テトラヒドロピラニル、2-オキサゾリニル、3-オキサゾリニル、4-オキサゾリニルおよびジオキサニルがある。
【0098】
置換ヘテロシクロアルキル基は、環の大きさに応じて、1つまたは複数(例えば、1、2、3、4、5または6以上)の置換基を有し得る。これらは、好ましくは、互いに独立に、非置換または置換アルキル、非置換または置換アルケニル、非置換または置換アルキニル、非置換または置換シクロアルキル、非置換または置換シクロアルキルオキシ、非置換または置換シクロアルキルチオ、非置換または置換ヘテロシクロアルキル、非置換または置換アリール、非置換または置換アリールオキシ、非置換または置換アリールチオ、非置換または置換ヘタリール、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシル、メルカプト、非置換または置換アルコキシ、非置換または置換ポリアルキレンオキシ、非置換または置換アルキルチオ、非置換または置換シクロアルキルオキシ、非置換または置換アリールオキシ、非置換または置換アリールチオ、シアノ、ニトロ、非置換または置換アルキルカルボニル-オキシ、ホルミル、アシル、COOH、カルボキシレート、-COORAr1、-NE1E2、-NRAr1CORAr2、-CONRAr1RAr2、-SO2NRAr1RAr2および-SO3RAr2(式中、E1およびE2は、水素、非置換もしくは置換C1~C18-アルキル、非置換もしくは置換C2~C18-アルケニル、非置換もしくは置換C2~C18-アルキニル、非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキルまたは非置換もしくは置換C6~C10-アリールであり、RAr1およびRAr2は互いに独立に、水素、非置換もしくは置換C1~C18-アルキル、非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキル、非置換もしくは置換ヘテロシクリル、非置換もしくは置換C6~C20-アリールまたは非置換もしくは置換ヘテロアリールである)から選択される。特に、置換ヘテロシクロアルキル基は、非置換または置換アルキル、非置換または置換シクロアルキル、非置換または置換アリール、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシル、アルコキシ、ポリアルキレンオキシ、メルカプト、アルキルチオ、シアノ、ニトロ、NE1E2、-NRAr1CORAr2、-CONRAr1RAr2、-SO2NRAr1RAr2および-SO3RAr2(式中、E1、E2は互いに独立に、水素、非置換もしくは置換C1~C18-アルキル、非置換もしくは置換C2~C18-アルケニル、非置換もしくは置換C2~C18-アルキニル、非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキルまたは非置換もしくは置換C6~C10-アリールであり、RAr1およびRAr2はそれぞれ互いに独立に、水素、非置換もしくは置換C1~C18-アルキル、非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキル、非置換もしくは置換ヘテロシクリル、非置換もしくは置換C6~C20-アリールまたは非置換もしくは置換ヘテロアリールである)から選択される1つまたは複数、例えば1、2または3つの置換基を有する。
【0099】
本発明の目的のために、「アリール」という用語は、単環式芳香族炭化水素基(すなわち、フェニル)または少なくとも1つの縮合フェニル環を有する縮合二環式、三環式もしくは多環式芳香族炭化水素基を指す。アリール基の炭素環原子の数は様々であり得るが、通常、6~24個である。アリールが単環式芳香族炭化水素基、すなわちフェニルでない場合、この用語は、縮合環については飽和形態(ペルヒドロ形態)、部分不飽和形態(例えばジヒドロ形態もしくはテトラヒドロ形態)または芳香族形態を含む。「アリール」という用語は、例えば、両方の環が芳香族である二環式芳香族基および1つの環のみが芳香族である二環式芳香族基を含む。二環式または三環式芳香族炭素環の例としては、ナフチル、1,2-ジヒドロナフチル、1,4-ジヒドロナフチル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、インダニル、インデニル、アントラセニル、フルオレニル等が挙げられる。好ましくは、「アリール」という用語は、フェニルおよびナフチル(C6~C10-アリール)を表す。
【0100】
置換アリールは、その環系の数および大きさに応じて、1つまたは複数(例えば、1、2、3、4、5または6以上)の置換基を有し得る。これらは、好ましくは、互いに独立に、非置換または置換アルキル、非置換または置換アルケニル、非置換または置換アルキニル、非置換または置換シクロアルキル、非置換または置換シクロアルキルオキシ、非置換または置換シクロアルキルチオ、非置換または置換ヘテロシクロアルキル、非置換または置換アリール、非置換または置換アリールオキシ、非置換または置換アリールチオ、非置換または置換ヘタリール、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシル、メルカプト、非置換または置換アルコキシ、非置換または置換ポリアルキレンオキシ、非置換または置換アルキルチオ、非置換または置換シクロアルキルオキシ、非置換または置換アリールオキシ、非置換または置換アリールチオ、シアノ、ニトロ、非置換または置換アルキルカルボニル-オキシ、ホルミル、アシル、COOH、カルボキシレート、-COORAr1、-NE1E2、-NRAr1CORAr2、-CONRAr1RAr2、-SO2NRAr1RAr2および-SO3RAr2(式中、E1およびE2は、水素、非置換もしくは置換C1~C18-アルキル、非置換もしくは置換C2~C18-アルケニル、非置換もしくは置換C2~C18-アルキニル、非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキルまたは非置換もしくは置換C6~C10-アリールであり、RAr1およびRAr2は互いに独立に、水素、非置換もしくは置換C1~C18-アルキル、非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキル、非置換もしくは置換ヘテロシクリル、非置換もしくは置換C6~C20-アリールまたは非置換もしくは置換ヘテロアリールである)から選択される。特に、置換アリール基は、非置換または置換アルキル、非置換または置換シクロアルキル、非置換または置換アリール、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシル、アルコキシ、ポリアルキレンオキシ、メルカプト、アルキルチオ、シアノ、ニトロ、NE1E2、-NRAr1CORAr2、-CONRAr1RAr2、-SO2NRAr1RAr2および-SO3RAr2(式中、E1、E2は互いに独立に、水素、非置換もしくは置換C1~C18-アルキル、非置換もしくは置換C2~C18-アルケニル、非置換もしくは置換C2~C18-アルキニル、非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキルまたは非置換もしくは置換C6~C10-アリールであり、RAr1およびRAr2はそれぞれ互いに独立に、水素、非置換もしくは置換C1~C18-アルキル、非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキル、非置換もしくは置換ヘテロシクリル、非置換もしくは置換C6~C20-アリールまたは非置換もしくは置換ヘテロアリールである)から選択される1つまたは複数、例えば1、2または3つの置換基を有する。
【0101】
置換アリールは、好ましくは、少なくとも1つのアルキル基によって置換されたアリール(以下アルキルアリールとも呼ばれる、「アルカリール」)である。アルカリール基は、芳香環系の大きさに応じて、1つまたは複数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10以上)のアルキル置換基を有し得る。アルキル置換基は非置換であっても置換されていてもよい。これに関して、非置換および置換アルキルに関する上記の記述が参照される。特別な実施形態は、アルキルが非置換であるアルカリール基に関する。アルカリールは、好ましくは、1、2、3、4または5つ、好ましくは1、2または3つ、より好ましくは1つまたは2つのアルキル置換基を有するフェニルである。1つまたは複数のアルキル基を有するアリールは、例えば、2-、3-および4-メチルフェニル、2,4-、2,5-、3,5-および2,6-ジメチルフェニル、2,4,6-トリメチルフェニル、2-、3-および4-エチルフェニル、2,4-、2,5-、3,5-および2,6-ジエチルフェニル、2,4,6-トリエチルフェニル、2-、3-および4-n-プロピルフェニル、2-、3-および4-イソプロピルフェニル、2,4-、2,5-、3,5-および2,6-ジ-n-プロピルフェニル、2,4,6-トリプロピルフェニル、2-、3-および4-イソプロピルフェニル、2,4-、2,5-、3,5-および2,6-ジイソプロピルフェニル、2,4,6-トリイソプロピルフェニル、2-、3-および4-ブチルフェニル、2,4-、2,5-、3,5-および2,6-ジブチルフェニル、2,4,6-トリブチルフェニル、2-、3-および4-イソブチルフェニル、2,4-、2,5-、3,5-および2,6-ジイソブチルフェニル、2,4,6-トリイソブチルフェニル、2-、3-および4-sec-ブチルフェニル、2,4-、2,5-、3,5-および2,6-ジ-sec-ブチルフェニル、2,4,6-トリ-sec-ブチルフェニル、2-、3-および4-tert-ブチルフェニル、2,4-、2,5-、3,5-および2,6-ジ-tert-ブチルフェニルならびに2,4,6-トリ-tert-ブチルフェニルである。
【0102】
C6~C24-アリールオキシ:酸素原子(-O-)を介して骨格に結合している、上に定義されるC6~C24-アリール。フェノキシおよびナフチルオキシが好ましい。
【0103】
したがって、本明細書で使用される「非置換または置換アリールオキシ」という用語は、アリールが非置換であるか、または上に定義されるように置換されている-O-アリールを指す。
【0104】
C6~C24-アリールチオ:硫黄原子(-S-)を介して骨格に結合している、上に定義されるC6~C24-アリール。フェニルチオおよびナフチルチオが好ましい。
【0105】
したがって、本明細書で使用される「非置換または置換アリールチオ」という用語は、アリールが非置換であるか、または上に定義されるように置換されている-S-アリールを指す。
【0106】
本発明との関連において、「ヘタリール」(ヘテロアリールとも呼ばれる)という表現は、複素芳香族の単環式または多環式基を含む。これらは、環炭素原子に加えて、環員として1、2、3、4または5個以上のヘテロ原子を有する。ヘテロ原子は、好ましくは、酸素、窒素、セレンおよび硫黄から選択される。ヘタリール基は、好ましくは5~18個、例えば5、6、8、9、10、11、12、13または14個の環原子を有する。
【0107】
単環式ヘタリール基は、好ましくは、5員または6員ヘタリール基、例えば、2-フリル(フラン-2-イル)、3-フリル(フラン-3-イル)、2-チエニル(チオフェン-2-イル)、3-チエニル(チオフェン-3-イル)、1H-ピロール-2-イル、1H-ピロール-3-イル、ピロール-1-イル、イミダゾール-2-イル、イミダゾール-1-イル、イミダゾール-4-イル、ピラゾール-1-イル、ピラゾール-3-イル、ピラゾール-4-イル、ピラゾール-5-イル、3-イソオキサゾリル、4-イソオキサゾリル、5-イソオキサゾリル、3-イソチアゾリル、4-イソチアゾリル、5-イソチアゾリル、2-オキサゾリル、4-オキサゾリル、5-オキサゾリル、2-チアゾリル、4-チアゾリル、5-チアゾリル、1,2,4-オキサジアゾール-3-イル、1,2,4-オキサジアゾール-5-イル、1,3,4-オキサジアゾール-2-イル、1,2,4-チアジアゾール-3-イル、1,2,4-チアジアゾール-5-イル、1,3,4-チアジアゾール-2-イル、4H-[1,2,4]-トリアゾール-3-イル、1,3,4-トリアゾール-2-イル、1,2,3-トリアゾール-1-イル、1,2,4-トリアゾール-1-イル、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル、ピリジン-4-イル、3-ピリダジニル、4-ピリダジニル、2-ピリミジニル、4-ピリミジニル、5-ピリミジニル、2-ピラジニル、1,3,5-トリアジン-2-イルおよび1,2,4-トリアジン-3-イルである。
【0108】
多環式ヘタリール基は、2、3、4または5個以上の縮合環を有する。縮合環は、芳香族、飽和または部分不飽和であり得る。多環式ヘタリール基の例としては、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、イソインドリル、インドリジニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾオキサジニル、ベンゾピラゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾトリアジニル、ベンゾセレノフェニル、チエノチオフェニル、チエノピリミジル、チアゾロチアゾリル、ジベンゾピロリル(カルバゾリル)、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、ナフト[2,3-b]チオフェニル、ナフタ[2,3-b]フリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロインドリジニル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロキノリニルおよびジヒドロイソキノリニルがある。
【0109】
置換ヘタリール基は、その環系の数および大きさに応じて、1つまたは複数(例えば、1、2、3、4、5または6以上)の置換基を有し得る。これらは、好ましくは、互いに独立に、非置換または置換アルキル、非置換または置換アルケニル、非置換または置換アルキニル、非置換または置換シクロアルキル、非置換または置換シクロアルキルオキシ、非置換または置換シクロアルキルチオ、非置換または置換ヘテロシクロアルキル、非置換または置換アリール、非置換または置換アリールオキシ、非置換または置換アリールチオ、非置換または置換ヘタリール、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシル、メルカプト、非置換または置換アルコキシ、非置換または置換ポリアルキレンオキシ、非置換または置換アルキルチオ、非置換または置換シクロアルキルオキシ、非置換または置換アリールオキシ、非置換または置換アリールチオ、シアノ、ニトロ、非置換または置換アルキルカルボニル-オキシ、ホルミル、アシル、COOH、カルボキシレート、-COORAr1、-NE1E2、-NRAr1CORAr2、-CONRAr1RAr2、-SO2NRAr1RAr2および-SO3RAr2(式中、E1およびE2は、水素、非置換もしくは置換C1~C18-アルキル、非置換もしくは置換C2~C18-アルケニル、非置換もしくは置換C2~C18-アルキニル、非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキルまたは非置換もしくは置換C6~C10-アリールであり、RAr1およびRAr2は互いに独立に、水素、非置換もしくは置換C1~C18-アルキル、非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキル、非置換もしくは置換ヘテロシクリル、非置換もしくは置換C6~C20-アリールまたは非置換もしくは置換ヘテロアリールである)から選択される。特に、置換ヘタリール基は、非置換または置換アルキル、非置換または置換シクロアルキル、非置換または置換アリール、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシル、アルコキシ、ポリアルキレンオキシ、メルカプト、アルキルチオ、シアノ、ニトロ、NE1E2、-NRAr1CORAr2、-CONRAr1RAr2、-SO2NRAr1RAr2、および-SO3RAr2(式中、E1、E2、RAr1およびRAr2は上に定義される通りである)から選択される1つまたは複数、例えば1、2または3つの置換基を有する。
【0110】
縮合環系は、脂環式、脂肪族複素環式、芳香環および複素芳香環ならびにこれらの組み合わせ、縮合によって結合されたヒドロ芳香族を含むことができる。縮合環系は、2個、3個またはそれを超える(例えば、4、5、6、7または8個の)環を含む。縮合環系の環が結合される方法に応じて、オルト縮合、すなわち、各環が各隣接環と少なくとも1つのエッジまたは2個の原子を共有しているのと、炭素原子が3つ以上の環に属するペリ縮合との間で区別がなされる。好ましい縮合環系は、オルト縮合環系である。
【0111】
本発明の化合物の部分構造を示す式中に#またはが現れる場合、それは残りの分子中の結合部位を表す。
【0112】
好ましくは、少なくとも1つの農業特性が、植物の成長および発達、植物の健康、植物の一部に天然に存在する植物物質(例えば、糖)の濃度またはこれらの組み合わせから選択される。
【0113】
好ましくは、ステップ(b)で得られた第2のスペクトルでの植物の照射が、茎の成長を改変し、好ましくは先行技術の園芸用光源で照射された場合の茎の成長と比較して増加した茎の成長となる。同様に、特に、ステップ(b)で得られた第2のスペクトルでの植物の照射が、葉の成長を改変し、好ましくは先行技術の園芸用光源で照射された場合の葉の成長と比較して大きな葉となる。同様に、特に、ステップ(b)で得られた第2のスペクトルでの植物の照射が、バイオマスを改変し、好ましくは先行技術の園芸用光源で照射された場合のバイオマスと比較して大きなバイオマスとなる。同様に、特に、ステップ(b)で得られた第2のスペクトルでの植物の照射が、開花を改変し、好ましくは先行技術の園芸用光源で照射された場合の開花と比較して早い開花または増加した開花、さらに特に早く増加した開花となる。
【0114】
同様に、特に、ステップ(b)で得られた第2のスペクトルでの植物の照射が、先行技術の園芸用光源で照射された場合の休眠期間と比較して植物の休眠期間を改変する。
【0115】
同様に、特に、ステップ(b)で得られた第2のスペクトルでの植物の照射が、野菜または果実作物の成熟期を改変し、好ましくは先行技術の園芸光源で照射された場合の成熟と比較して早い成熟期となる。
【0116】
同様に、特に、ステップ(b)で得られた第2のスペクトルでの植物の照射が、先行技術の園芸用光源で照射された場合の植物部分の濃度と比較して植物部分の濃度、好ましくは植物または果実作物の糖(スクロース)濃度を改変する。
【0117】
換言すれば、本発明による方法のプラスの効果は、例えば、バイオマスの増加、花または葉の数の増加、果実の数の増加、植物の一部に天然に存在する成分の含有量の改善、早期開花、早期の収穫開始、健康の改善として測定することができる。
【0118】
好ましくは、本発明による方法は、上述の2つ、3つまたは4つ以上の農業特性を改善することを可能にする。特に、本発明による方法は、先行技術の園芸用光源で照射された場合の開花および果実の成熟と比較して早期開花および早期の果実成熟を可能にする。換言すれば、本発明による方法は、より速い植物サイクルを可能にする。
【0119】
<ステップ(a)>
ステップ(a)では、300~900 nm、好ましくは400~900 nmの波長を含む第1のスペクトルを放射する光源が用意される。光源は、自然昼光(日光)であってもよく、または人工光源、例えば、LED、好ましくは複数のLEDであってもよい。使用されるLEDの数に特に上限はない。好ましくは、LEDは、400 nm~480 nmの間の発光中心波長を有する青色LED、600 nm~670 nmの間の発光中心波長を有する赤色LED、または2000 K~20000 Kの間の相関色温度を有するクールホワイトLEDから選択され、少なくとも1つの色変換器は、光源から離れた蛍光体配置にある。
【0120】
2000 K~20000 Kの間の相関色温度を有する白色LEDによって放射される光のスペクトルは、通常、2つの成分(青色および赤色;または青色および緑色)または3つの成分(青色、緑色および赤色)のいずれかを含有する。このスペクトルは、植物の光生理学に関連する波長を含む少なくとも1つのスペクトル成分を含有し得る。
【0121】
300~900 nm、好ましくは400~900 nmの波長を含む第1のスペクトルを放射する複数の異なる光源を組み合わせて使用することも可能である。
【0122】
好ましい実施形態では、光源が自然昼光である。同様に好ましくは、光源が複数の青色LEDである。同様に好ましくは、光源が複数の赤色LEDである。
【0123】
<ステップ(b)>
ステップ(b)では、色変換器を使用して、ステップ(a)の光源によって用意された300~900 nm、好ましくは400~900 nmの波長を含む第1のスペクトルの少なくとも一部を、680~900 nmの波長を含む第2のスペクトルに変換し、それによって、得られた第2のスペクトルは、第1のスペクトルと比較して、680~900 nmの波長で高い光強度を有する。
【0124】
本発明によると、色変換器は、ポリマーマトリックス材料中に、式(I)の少なくとも1つのテリレンジイミド化合物を含む。式(I)の化合物は、480~750 nm、好ましくは550~750 nmの波長を含む光を吸収し、約650~900 nmの波長を含む光を放射することができる。式(I)の化合物の発光スペクトルは、フィトクロムPfrの吸収スペクトルと少なくとも部分的に重なる。
【0125】
式(I)中、互いに同じであっても、異なっていてもよい各R1およびR2は、好ましくは直鎖C1~C24-アルキル、分岐C3~C24-アルキル、C6~C24-アリールおよびC6~C24-アリール-C1~C10-アルキレンからなる群から選択され、最後に述べられる2つの基のアリールおよびアリール-アルキレンの環は、非置換であるか、または1、2、3、4もしくは5つの同一のもしくは異なる基Raで置換されている。
【0126】
より好ましくは、R1およびR2は互いに独立に、直鎖C1~C24-アルキル、式(A.1)の基、式(A.2)の基、式(A.3)の基、式(B.1)の基または式(B.2)の基
【化3】
(式中、
#はイミド窒素原子への結合部位を表し;
式(A.1)中のRc、RdおよびReは、C1~C21-アルキルから独立に選択され、Rc、RdおよびRe基の炭素原子の和は3~23の整数であり;
式(A.2)中のRfおよびRgは、C1~C21-アルキルから独立に選択され、RfおよびRg基の炭素原子の和は2~22の整数であり;
式(A.3)中のRhおよびRiは互いに独立に、C1~C22-アルキルから選択され、RhおよびRi基の炭素原子の和は2~23の整数であり;
Bは、式(B.1)および(B.2)中に存在する場合、-O-および-S-から選択される1つまたは複数の非隣接基によって中断されていてもよいC1~C10-アルキレン基であり;
yは0または1であり;
Rkは互いに独立に、C1~C24-アルキル、C1~C24-アルコキシ、C1~C24-フルオロアルキル、フッ素、塩素または臭素から選択され;
式B.2中のxは、1、2、3、4または5である)
からなる群から選択される。
【0127】
式(A.1)、(A.2)および(A.3)の基の中でも、式(A.3)の基が好ましい。基(A.3)との関連において、RhおよびRiは互いに独立に、好ましくは直鎖C4~C10-アルキルから選択される。
【0128】
式(B.1)および(B.2)の基の中でも、yが0である、すなわち、可変要素Bが存在しないものが好ましい。式(B.2)中の可変要素xは、好ましくは1、2または3である。その出現にかかわらず、Rkは、好ましくはC1~C24-アルキル、より好ましくは直鎖C1~C10-アルキルまたは分岐C3~C10-アルキル、特にイソプロピルまたはtert-ブチルから選択される。特に、式(B.2)の基が好ましい。式(B.2)の基の具体例としては、2,6-ジメチルフェニル、2,4-ジ(tert-ブチル)フェニル、2,6-ジイソプロピルフェニルまたは2,6-ジ(tert-ブチル)フェニルがある。
【0129】
好ましくは、R1およびR2が同じ意味を有する。
【0130】
好ましくは、式(I)中のR、R、R、R、R、R11、R12、及びR14がそれぞれ水素であり、R、R、R10、及びR13が互いに独立に、水素、 ~C 16 -アルコキシ及びC ~C 10 -アリールオキシからなる群から選択され、ここで、C ~C 10 -アリールオキシのアリール環は、非置換であるか又はフッ素、塩素、C ~C 16 -アルキル、1つもしくは複数の酸素によって中断されたC ~C 16 -アルキル、C ~C 16 -アルコキシ及び/又はC ~C 10 -アリールによって一置換もしくは多置換されており、ここで、C ~C 10 -アリールは、非置換であるか又はC ~C 10 -アルキル、C ~C -アルコキシ-C ~C -アルキル及びC ~C -アルコキシから選択される1、2、もしくは3つの基によって置換されている。
【0131】
より好ましくは、式(I)中のR3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13およびR14がそれぞれ水素である。
【0132】
同様に、より好ましくは、式(I)中のR3、R5、R6、R8、R9、R11、R12およびR14がそれぞれ水素であり、R4、R7、R10およびR13の少なくとも1つが、非置換であるか、またはC1~C10-アルキルによって一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルオキシであり、残りの基R4、R7、R10およびR13が水素である。特に、式(I)中のR3、R5、R6、R8、R9、R11、R12およびR14がそれぞれ水素であり、R4、R7、R10およびR13がそれぞれ、非置換であるか、またはC1~C10-アルキルによって一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルオキシである。
【0133】
特に、式(I)の化合物は、化合物(I-1)
【化4】
(式中、
x1は1、2、または3であり;
y2は1、2、または3であり;
RkはC1~C4-アルキルである)
から選択される。
【0134】
好ましくは、x1が2である。好ましくは、y2が2である。好ましくは、各Rkが同じ意味を有し、イソプロピルまたはtert-ブチルから選択される。
【0135】
同様に、特に、式(I)の化合物は、化合物(I-2)
【化5】
(式中、
x1は1、2、または3であり;
y2は1、2、または3であり;
RkはC1~C4-アルキルである)
から選択される。
【0136】
好ましくは、x1が2である。好ましくは、y2が2である。好ましくは、各Rkが同じ意味を有し、イソプロピルまたはtert-ブチルから選択される。
【0137】
同様に、特に、式(I)の化合物は、化合物(I-3)
【化6】
(式中、
x1は1、2、または3であり;
y2は1、2、または3であり;
RkはC1~C4-アルキルである)
から選択される。
【0138】
好ましくは、x1が2である。好ましくは、y2が2である。好ましくは、各Rkが同じ意味を有し、イソプロピルまたはtert-ブチルから選択される。
【0139】
一般に、式(I)の化合物は有機蛍光染料である。
【0140】
一般に、式(I)の化合物は、0.01質量%の濃度でポリマーフィルム中で測定して、少なくとも50%の蛍光量子収率を有する。
【0141】
有利には、式(I)の化合物は、照射条件下で高い蛍光量子収率、高い熱安定性および酸化安定性ならびに高い光安定性を有する。式(I)の化合物は、典型的には、一般的なポリマーへの良好な溶解性および/またはポリマーマトリックスへの良好な押出加工性を有する有機蛍光染料である。
【0142】
上記の式(I)の化合物は本質的に公知であり、公知の方法によって調製することができる。化合物の調製は、例えば、Chem.Eur.J.,1997, 3, 219~225頁、ドイツ特許第102011018815号明細書、国際公開第03/104232号パンフレット、国際公開第2005/070895号パンフレット、国際公開第2007/006717号パンフレットおよび国際公開第2007/031446号パンフレットに開示されている。
【0143】
原則として、約300~1000 nmの波長範囲の光に対して合理的な透過率を有する全てのポリマーがポリマーマトリックス材料として適している。好ましくは、ポリマーマトリックスが、フルオロポリマー、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリアクリルアミド、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ(エチレン-2,5-フランジカルボキシレート)またはこれらの任意の組み合わせを含む。式(I)の化合物は、フルオロポリマー、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリアクリルアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ(エチレン-2,5-フランジカルボキシレート)、ポリ塩化ビニルまたはこれらの任意の組み合わせに良好な溶解性を有することが分かっている。
【0144】
好ましい実施形態では、色変換器のマトリックスが、本質的にまたは完全にフルオロポリマーからなる。
【0145】
さらに好ましい実施形態では、色変換器のマトリックスが、本質的にまたは完全にポリカーボネートからなる。ポリカーボネートは、芳香族または脂肪族ジヒドロキシル化合物を有する炭酸のポリエステルである。好ましいジヒドロキシル化合物は、例えば、メチレンジフェニレンジヒドロキシル化合物、例えばビスフェノールAである。ポリカーボネートを調製する1つの手段は、界面重合での適切なジヒドロキシル化合物とホスゲンの反応である。別の手段は、縮合重合での炭酸のジエステル、例えば、ジフェニルカーボネートとの反応である。適切なポリカーボネートの調製は、例えば、Elias,Macromolecules,Weinheim 2007,343~347頁に記載されている。
【0146】
ポリスチレンは、ここでは、とりわけ、スチレンおよび/またはスチレンの誘導体の重合から生じる全てのホモポリマーまたは共重合体を意味すると理解される。スチレンの誘導体は、例えば、アルキルスチレン、例えばα-メチルスチレン、オルト-、メタ-、パラ-メチルスチレン、パラ-ブチルスチレン、特にパラ-tert-ブチルスチレン、アルコキシスチレン、例えばパラ-メトキシスチレン、パラ-ブトキシスチレン、パラ-tert-ブトキシスチレンである。一般に、適切なポリスチレンは、10000~1000000 g/mol(GPCによって決定)、好ましくは20000~750000 g/mol、より好ましくは30000~500000 g/molの平均モル質量Mnを有する。
【0147】
好ましい実施形態では、色変換器のマトリックスが、本質的にまたは完全に、スチレンまたはスチレン誘導体のホモポリマーからなる。さらに特に、ポリマーがポリスチレンからなる。
【0148】
本発明のさらに好ましい実施形態では、マトリックスが、本質的にまたは完全にスチレン共重合体からなり、これは同様に本出願との関連においてポリスチレンと見なされる。スチレン共重合体は、さらなる構成成分として、例えば、ブタジエン、アクリロニトリル、無水マレイン酸、ビニルカルバゾール、またはモノマーとしてのアクリル酸、メタクリル酸もしくはイタコン酸のエステルを含み得る。適切なスチレン共重合体は、一般に、少なくとも20質量%のスチレン、好ましくは少なくとも40質量%、より好ましくは少なくとも60質量%のスチレンを含む。別の実施形態では、これらが、少なくとも90質量%のスチレンを含む。
【0149】
好ましいスチレン共重合体は、スチレン-アクリロニトリル共重合体(SAN)およびアクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)、スチレン-1,1’-ジフェニルエテン共重合体、アクリル酸エステル-スチレン-アクリロニトリル共重合体(ASA)、メチルメタクリレート-アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(MABS)である。さらに好ましいポリマーは、α-メチルスチレン-アクリロニトリル共重合体(AMSAN)である。スチレンのホモポリマーまたは共重合体は、例えば、フリーラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合によって、または有機金属触媒(例えば、チーグラー・ナッタ触媒作用)の影響下で調製することができる。これは、アイソタクチック、シンジオタクチックまたはアタクチックポリスチレン、または共重合体をもたらし得る。これらは、好ましくはフリーラジカル重合によって調製される。重合は、懸濁重合、乳化重合、溶液重合または塊状重合として実施することができる。適切なポリスチレンの調製は、例えば、Oscar Nuyken,Polystyrenes and Other Aromatic Polyvinyl Compounds,Kricheldorf,Nuyken,Swift,ニューヨーク 2005,73~150頁およびその中に引用される参考文献;ならびにElias,Macromolecules,Weinheim 2007,269~275頁に記載されている。
【0150】
さらに好ましい実施形態では、色変換器のマトリックスが、本質的にまたは完全にポリメチルメタクリレートからなる。
【0151】
好ましい実施形態では、酸素を排除して重合されたポリマーが使用される。好ましくは、重合中のモノマーが、合計で1000 ppm以下、より好ましくは100 ppm以下、特に好ましくは10 ppm以下の酸素を含んでいた。
【0152】
別の好ましい実施形態では、ポリマーマトリックス材料が、本質的にまたは完全にポリエチレンテレフタレートからなる。ポリエチレンテレフタレートは、エチレングリコールとテレフタル酸の縮合によって得ることができる。
【0153】
別の好ましい実施形態では、ポリマーマトリックス材料が、本質的にまたは完全にポリエチレンナフタレートからなる。
【0154】
別の好ましい実施形態では、ポリマーマトリックス材料が、本質的にまたは完全に、米国特許第2551731号明細書に記載されるように得ることができるポリ(エチレン-2,5-フランジカルボキシレート)からなる。
【0155】
本発明の一実施形態では、適切なポリマーが透明ポリマーである。別の実施形態では、適切なポリマーが不透明ポリマーである。
【0156】
上記のポリマーは、少なくとも1つの式(I)の化合物および存在する場合は、他の変換材料のマトリックス材料として機能する。式(I)の蛍光化合物だけでなく、場合により他の変換材料も、ポリマーに溶解されてもよく、または均質に分布した混合物の形態であってもよい。好ましい実施形態では、全ての蛍光着色剤がポリマーに溶解される。
【0157】
ポリマーマトリックス中の上に定義される式(I)の化合物および適切な場合には、さらなる着色剤の濃度は、色変換器の厚さおよびポリマーの種類の関数として設定される。薄いポリマー層を使用する場合、式(I)の化合物の濃度および適切な場合には、さらなる着色剤の濃度は、一般に、厚いポリマー層の場合よりも高い。
【0158】
本発明による式(I)の化合物の濃度は、式(I)の化合物の発光スペクトルが植物において光形態形成または光周性効果を刺激するように選択される。典型的には、式(I)の化合物の濃度は、使用されるポリマーの質量に基づいて1質量%以下、例えば0.0001~1.0質量%、好ましくは0.0005~0.5質量%、より好ましくは0.001~0.25質量%である。
【0159】
式(I)の化合物の発光スペクトルは、その強度が濃度に依存する振動帯を有し得る。テリレンコアに置換基を有さない式(I)の化合物、すなわち、R3~R14がそれぞれ水素である式(I)の化合物は、通常、ポリカーボネートで測定して3つの振動帯を有する。第2および第3の振動帯は遠赤色波長範囲に位置し、第1の振動帯は赤色波長範囲に位置する。前記振動帯の相対強度は、式(I)の化合物の濃度に依存する。式(I)の化合物の濃度が高いほど、式(I)の化合物の濃度が増加すると、第1の振動帯に対する第2および第3の振動帯の強度の寄与が増加する。これにより、植物の必要性に応じてPr型またはPfr型のどちらが主に励起されるかを制御することができる。
【0160】
R4、R7、R10およびR13が水素とは異なり、R3、R5、R6、R8、R9、R11およびR12がそれぞれ水素である式(I)の化合物は全て、遠赤色波長範囲で発光する。
【0161】
ポリマーマトリックス材料は、少なくとも1つの添加剤を含むことができる。少なくとも1つの添加剤は、通常、色変換器の機械的もしくは物理的特性および/またはその経年劣化挙動を変化させるか、または改善するのに役立つ。好ましくは、少なくとも1つの添加剤が、UV吸収剤、ヒンダードアミン光安定剤、難燃剤、UV安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、可塑剤、防曇剤、核剤、帯電防止剤、充填剤または補強材料、散乱剤またはこれらの組み合わせから選択される。
【0162】
ヒンダードアミン光安定剤、UV安定剤および熱安定剤は当業者に公知である。適切な酸化防止剤またはフリーラジカル捕捉剤は、例えば、フェノール、特に立体障害フェノール、例えば、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)またはブチルヒドロキシトルエン(BHT)、または立体障害アミン(HALS)である。この種の安定剤は、例えばBASFによりIrganox(登録商標)の商品名で販売されている。場合によっては、酸化防止剤およびフリーラジカル捕捉剤が、例えばBASFによりIrgafos(登録商標)の商品名で販売されているホスファイトまたはホスホナイトなどの二次安定剤を補充され得る。
【0163】
適切なUV吸収剤は、例えば、ベンゾトリアゾール、例えば2-(2-ヒドロキシフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール(BTZ)、トリアジン、例えば(2-ヒドロキシフェニル)-s-トリアジン(HPT)、ヒドロキシベンゾフェノン(BP)またはオキサラニリドである。この種のUV吸収剤は、例えば、BASFによりUvinul(登録商標)の商品名で販売されている。
【0164】
本発明の好ましい実施形態では、適切なポリマーが、酸化防止剤またはフリーラジカル捕捉剤を含まない。
【0165】
フルオロポリマーが使用されない場合、ステップ(b)で得られた光の良好な拡散は、ポリマーマトリックス材料に散乱剤を組み込むことによって達成することができる。したがって、本発明の好ましい実施形態では、ポリマーマトリックス材料が散乱剤を含む。適切な光散乱剤は、DIN 13320による平均粒径が0.01~10 μm、好ましくは0.1~1 μm、より好ましくは0.15~0.4 μmである無機白色顔料、例えば、二酸化チタン、硫酸バリウム、リトポン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸カルシウムである。これらの光散乱剤は、各場合で、散乱体を含む層のポリマーに基づいて、典型的には0.01~2.0質量%、好ましくは0.05~1.0質量%、より好ましくは0.1~0.6質量%の量で含まれる。
【0166】
適切な有機光散乱剤の例としては、散乱ポリマー、例えば、ポリ(アクリレート);ポリ(アルキルメタクリレート)、例えばポリ(メチルメタクリレート)(PMMA);ポリ(テトラフルオロエチレン)(PTFE)に基づくもの;シリコーン系散乱剤、例えば加水分解ポリ(アルキルトリアルコキシシラン)、およびこれらの混合物が挙げられる。これらの光散乱剤のサイズ(平均径-質量平均)は、通常、0.5~50 μm、好ましくは1~10 μmの範囲である。これらの光散乱剤は、典型的には、各場合で、散乱体を含む層のポリマーに基づいて、1~10質量%の量で含まれる。有用な光散乱剤は、例えば、3~5質量%のPMMA系散乱剤と1.5~2質量%のシリコーン系散乱剤の混合物である。
【0167】
欧州特許第634445号明細書に記載される、TiO2と組み合わせてコア/シェル形態を有するビニルアクリレートに基づくポリマー粒子を含有する光散乱組成物も適している。
【0168】
式(I)のテリレンジイミドを含むマトリックス材料がフィルムの形態である場合、フィルムは通常、10 μm~1 cmの厚さを有する。好ましくは、フィルムが25 μm~0.5 cmの厚さを有する。同様に好ましくは、フィルムが0.5超~1 cmの厚さを有する。
【0169】
特別な実施形態では、フィルムが、少なくとも1つの層に1つまたは複数の式(I)の化合物を含有するいくつかのポリマー層の多層構造であり得る。
【0170】
好ましくは、ポリマーマトリックス材料が、少なくとも50%の光透過率を有する。
【0171】
色変換器は、屋外ならびに屋内、例えば温室または植物工場で使用することができる。式(I)のテリレンジイミドを含む色変換器は、農業用ホイル、農業用ネット、温室スクリーン、照明装置の一部であってもよく、またはガラスによって支持される。同様に、農業用ホイル、農業用ネットまたは温室スクリーンが、本発明により使用される色変換器からなることが可能である。
【0172】
式(I)の化合物は、550~750 nmの波長を含む光によって効率的に励起される。励起光は、自然昼光によって、またはLEDによって生成された人工光によって、または色変換器内に存在するさらなる着色剤、例えばさらなる有機蛍光染料によって提供され得る。
【0173】
本発明による色変換器は、励起光から式(I)の化合物へのエネルギー移動効率を高めるために、式(I)の化合物とは異なる有機蛍光化合物をさらに含有してもよい。例えば、色変換器は、式(I)の化合物にエネルギーを伝達する役割を果たすことができる増感剤を含むことができる。この場合、式(I)の化合物は、フェルスター共鳴エネルギー移動(FRET)の意味で受け取った励起子を使用して、または放射および再吸収によって発光し得る。
【0174】
追加的または代替的に、色変換器は、その発光スペクトルが式(I)の化合物の吸収スペクトルと部分的に重なる少なくとも1つのさらなる有機蛍光化合物を含むことができる。
【0175】
本発明の範囲内で、任意のさらなる選択的光強度改変が本発明のものと同時に起こり、例えば、青色領域(300~500 nm未満)、緑色領域(500~570未満)および/または赤色領域(570~680 nm未満)のスペクトル分布および強度(量)の変化をもたらしてもよい。
【0176】
さらなる有機蛍光化合物は、好ましくは以下に定義される群(B1)、(B2)、(B3)、(B4)、(B5)、(B6)、(B7)、(B8)、(B9)、(B10)、(B11)、(B12)、(B13)、(B14)、(B15)の着色剤のいずれかまたはこれらの混合物である。好ましくは、群(B1)~(B15)の着色剤は有機蛍光染料である。群(B1)~(B15)の化合物は、400~680 nm未満の範囲の波長を含む光を吸収し、吸収した光を、植物の光生理学にも関連する波長範囲である500超~680 nm未満の波長で放射することができる。
【0177】
したがって、本発明の好ましい方法によると、色変換器は、
(B1)式(II)のシアノ化ナフトイルベンゾイミダゾール化合物
【化7】
(式中、
R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29およびR210はそれぞれ独立に、水素、シアノ、あるいは、非置換であるか、または1つもしくは複数の同一のもしくは異なる置換基R2Arを有するアリールであり、
各R2Arは、シアノ、ヒドロキシル、メルカプト、ハロゲン、C1~C20-アルコキシ、C1~C20-アルキルチオ、ニトロ、-NR2Ar2R2Ar3、-NR2Ar2COR2Ar3、-CONR2Ar2R2Ar3、-SO2NR2Ar2R2Ar3、-COOR2Ar2、-SO3R2Ar2
C1~C30-アルキル、C2~C30-アルケニル、C2~C30-アルキニル(後者3つの基は、非置換であるか、または1つもしくは複数のR2a基を有する)
C3~C8-シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル(後者2つの基は、非置換であるか、または1つもしくは複数のR2b基を有する)
アリール、U-アリール、ヘテロアリールおよびU-ヘテロアリール(後者4つの基は、非置換であるか、または1つもしくは複数のR2b基を有する)
から独立に選択され、
各R2aは、シアノ、ヒドロキシル、オキソ、メルカプト、ハロゲン、C1~C20-アルコキシ、C1~C20-アルキルチオ、ニトロ、-NR2Ar2RAr3、-NR2Ar2COR2Ar3、-CONR2Ar2RAr3、-SO2NR2Ar2RAr3、-COOR2Ar2、-SO3R2Ar2、C3~C8-シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから独立に選択され、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリール基は、非置換であるか、または1つもしくは複数のR2b基を有し;
各R2bは、シアノ、ヒドロキシル、オキソ、メルカプト、ハロゲン、C1~C20-アルコキシ、C1~C20-アルキルチオ、ニトロ、-NR2Ar2R2Ar3、-NR2Ar2COR2Ar3、-CONR2Ar2R2Ar3、-SO2NR2Ar2R2Ar3、-COOR2Ar2、-SO3R2Ar2、C1~C18-アルキル、C2~C18-アルケニル、C2~C18-アルキニル、C3~C8-シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから独立に選択され、後者4つの基は、非置換であるか、または1つもしくは複数のR2b1基を有し、
各R2b1は、シアノ、ヒドロキシル、メルカプト、オキソ、ニトロ、ハロゲン、-NR2Ar2R2Ar3、-NR2Ar2COR2Ar3、-CONR2Ar2R2Ar3、-SO2NR2Ar2R2Ar3、-COOR2Ar2、-SO3R2Ar2、-SO3R2Ar2、C1~C18-アルキル、C2~C18-アルケニル、C2~C18-アルキニル、C1~C12-アルコキシおよびC1~C12-アルキルチオから独立に選択され、
Uは-O-、-S-、-NR2Ar1-、-CO-、-SO-または-SO2-部分であり;
R2Ar1、R2Ar2、R2Ar3はそれぞれ独立に、水素、C1~C18-アルキル、3~8員シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールであり、アルキルは、非置換であるか、または1つもしくは複数のR2a基を有し、3~8員シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは、非置換であるか、または1つもしくは複数のR2b基を有し;
但し、式(II)の化合物は少なくとも1つのシアノ基を含む)
およびその混合物;
【0178】
(B2)式(III)のシアノ化ペリレン化合物
【化8】
(式中、
Z3置換基の1つはシアノであり、他のZ3置換基は、CO2R39、CONR310R311、C1~C18-アルキル、C2~C18-アルケニル、C2~C18-アルキニル、C3~C12-シクロアルキルまたはC6~C14-アリールであり、
C1~C18-アルキル、C2~C18-アルケニル、C2~C18-アルキニルは、非置換であるか、または1つもしくは複数の同一のもしくは異なるZ3a置換基を有し、
C3~C12-シクロアルキルは、非置換であるか、または1つもしくは複数の同一のもしくは異なるZ3b置換基を有し、
C6~C14-アリールは、非置換であるか、または1つもしくは複数の同一のもしくは異なるZ3Ar置換基を有し;
Z3*置換基の1つはシアノであり、他のZ3*置換基は、CO2R39、CONR310R311、C1~C18-アルキル、C2~C18-アルケニル、C2~C18-アルキニル、C3~C12-シクロアルキルまたはC6~C14-アリールであり、
C1~C18-アルキル、C2~C18-アルケニル、C2~C18-アルキニルは、非置換であるか、または1つもしくは複数の同一のもしくは異なるZ3a置換基を有し、
C3~C12-シクロアルキルは、非置換であるか、または1つもしくは複数の同一のもしくは異なるZ3b置換基を有し、
C6~C14-アリールは、非置換であるか、または1つもしくは複数の同一のもしくは異なるZ3Ar置換基を有し;
R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37およびR38はそれぞれ独立に、水素、シアノ、臭素および塩素から選択され、
但し、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37またはR38置換基の1、2、3、4、5、6、7または8つはシアノであり;
R39は、水素、C1~C10-アルキル、C2~C10-アルケニル、C2~C10-アルキニル、C3~C12-シクロアルキルまたはC6~C14-アリールであり、
C1~C10-アルキル、C2~C10-アルケニル、C2~C10-アルキニルは、非置換であるか、または1つもしくは複数の同一のもしくは異なるR3a置換基を有し、
C3~C12-シクロアルキルは、非置換であるか、または1つもしくは複数の同一のもしくは異なるR3b置換基を有し、
C6~C14-アリールは、非置換であるか、または1つもしくは複数の同一のもしくは異なるR3Ar置換基を有し;
R310およびR311はそれぞれ独立に、水素、C1~C10-アルキル、C2~C10-アルケニル、C2~C10-アルキニル、C3~C12-シクロアルキルまたはC6~C14-アリールであり、
C1~C10-アルキル、C2~C10-アルケニル、C2~C10-アルキニルは、非置換であるか、または1つもしくは複数の同一のもしくは異なるR3a置換基を有し、
C3~C12-シクロアルキルは、非置換であるか、または1つもしくは複数の同一のもしくは異なるR3b置換基を有し、
C6~C14-アリールは、非置換であるか、または1つもしくは複数の同一のもしくは異なるR3Ar置換基を有し;
各Z3aは独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、NR310aR311a、C1~C10-アルコキシ、C1~C10-ハロアルコキシ、C1~C10-アルキルチオ、C3~C12-シクロアルキル、C6~C14-アリール、C(=O)R39a;C(=O)OR39aまたはC(O)NR310aR311aであり、
C3~C12-シクロアルキルは、非置換であるか、または1つもしくは複数の同一のもしくは異なるR3b置換基を有し、
C6~C14-アリールは、非置換であるか、または1つもしくは複数の同一のもしくは異なるR3Ar置換基を有し;
各Z3bおよび各Z3Arは独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、NR310aR311a、C1~C10-アルキル、C1~C10-アルコキシ、C1~C10-ハロアルコキシ、C1~C10-アルキルチオ、C(=O)R39a;C(=O)OR39aまたはC(O)NR310aR311aであり;
各R3aは独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、C1~C10-アルコキシ、C3~C12-シクロアルキルまたはC6~C14-アリールであり;
各R3bは独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、C1~C10-アルキル、C1~C10-アルコキシ、C1~C10-ハロアルコキシ、C1~C10-アルキルチオ、C2~C10-アルケニル、C2~C10-アルキニル、C3~C12-シクロアルキルまたはC6~C14-アリールであり;
各R3Arは独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、C1~C10-アルキル、C1~C10-アルコキシ、C1~C10-ハロアルコキシ、C1~C10-アルキルチオ、C2~C10-アルケニル、C2~C10-アルキニル、C3~C12-シクロアルキルまたはC6~C14-アリールであり;
R39aは、水素、C1~C10-アルキル、C2~C10-アルケニル、C2~C10-アルキニル、C3~C12-シクロアルキルまたはC6~C14-アリールであり;
R310a、R311aはそれぞれ独立に、水素、C1~C10-アルキル、C2~C10-アルケニル、C2~C10-アルキニル、C3~C12-シクロアルキルまたはC6~C14-アリールである)
およびその混合物;
【0179】
(B3)式(IV)のシアノ化化合物
【化9】
(式中、
m4は、0、1、2、3または4であり;
各R41は互いに独立に、臭素、塩素、シアノ、-NR4aR4b、C1~C24-アルキル、C1~C24-ハロアルキル、C1~C24-アルコキシ、C1~C24-ハロアルコキシ、C3~C24-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、C6~C24-アリール、C6~C24-アリールオキシ、C6~C24-アリール-C1~C10-アルキレンから選択され、最後に述べられる6つの基のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリール、アリールオキシの環は、非置換であるか、または1、2、3、4もしくは5つの同一のもしくは異なる基R41aで置換されており、C1~C24-アルキル、C1~C24-ハロアルキル、C1~C24-アルコキシ、およびC6~C24-アリール-C1~C10-アルキレンのアルキレン部分は、O、SおよびNR4cから選択される1つまたは複数の基によって中断されていてもよく;
基R42、R43、R44およびR45のうちの少なくとも1つはCNであり、残りの基は互いに独立に、水素、塩素および臭素から選択され;
X40は、O、S、SOまたはSO2であり;
Aは、一般式(A.1)、(A.2)、(A.3)および(A.4)のジラジカル
【化10】
から選択されるジラジカルであり、
は、各場合で、分子の残りへの結合点を示し;
n4は、0、1、2、3または4であり;
o4は、0、1、2または3であり;
p4は、0、1、2または3であり;
R46は、水素、C1~C24-アルキル、C1~C24-ハロアルキル、C3~C24-シクロアルキル、C6~C24-アリールまたはC6~C24-アリール-C1~C10-アルキレンであり、最後に述べられる3つの基のシクロアルキル、アリールおよびアリール-アルキレンの環は、非置換であるか、または1、2、3、4もしくは5つの同一のもしくは異なる基R46aで置換されており、C1~C24-アルキル、C1~C24-ハロアルキル、およびC6~C24-アリール-C1~C10-アルキレンのアルキレン部分は、O、SおよびNR4cから選択される1つまたは複数のヘテロ原子またはヘテロ原子基によって中断されていてもよく;
各R47は互いに独立に、臭素、塩素、シアノ、-NR4aR4b、C1~C24-アルキル、C1~C24-ハロアルキル、C1~C24-アルコキシ、C1~C24-ハロアルコキシ、C3~C24-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、C6~C24-アリール、C6~C24-アリールオキシ、C6~C24-アリール-C1~C10-アルキレンから選択され、最後に述べられる6つの基のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリールおよびアリール-アルキレンの環は、非置換であるか、または1、2、3、4もしくは5つの同一のもしくは異なる基R47aで置換されており、C1~C24-アルキル、C1~C24-ハロアルキル、C1~C24-アルコキシ、C1~C24-ハロアルコキシ、およびC6~C24-アリール-C1~C10-アルキレンのアルキレン部分は、O、SおよびNR4cから選択される1つまたは複数の基によって中断されていてもよく;
各R48は互いに独立に、臭素、塩素、シアノ、NR4aR4b、C1~C24-アルキル、C1~C24-ハロアルキル、C1~C24-アルコキシ、C1~C24-ハロアルコキシ、C3~C24-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、C6~C24-アリール、C6~C24-アリールオキシ、C6~C24-アリール-C1~C10-アルキレンから選択され、最後に述べられる6つの基のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリールおよびアリール-アルキレンの環は、非置換であるか、または1、2、3、4もしくは5つの同一のもしくは異なる基R48aで置換されており、C1~C24-アルキル、C1~C24-ハロアルキル、C1~C24-アルコキシ、C1~C24-ハロアルコキシ、およびC6~C24-アリール-C1~C10-アルキレンのアルキレン部分は、O、SおよびNR4cから選択される1つまたは複数の基によって中断されていてもよく;
各R49は互いに独立に、臭素、塩素、シアノ、NR4aR4b、C1~C24-アルキル、C1~C24-ハロアルキル、C1~C24-アルコキシ、C1~C24-ハロアルコキシ、C3~C24-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、C6~C24-アリール、C6~C24-アリールオキシ、C6~C24-アリール-C1~C10-アルキレンから選択され、最後に述べられる6つの基のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリールおよびアリール-アルキレンの環は、非置換であるか、または1、2、3、4もしくは5つの同一のもしくは異なる基R49aで置換されており、C1~C24-アルキル、C1~C24-ハロアルキル、C1~C24-アルコキシ、C1~C24-ハロアルコキシ、およびC6~C24-アリール-C1~C10-アルキレンのアルキレン部分は、O、SおよびNR4cから選択される1つまたは複数の基によって中断されていてもよく;
R41a、R46a、R47a、R48a、R49aは互いに独立に、C1~C24-アルキル、C1~C24-フルオロアルキル、C1~C24-アルコキシ、フッ素、塩素、および臭素から選択され;
R4a、R4b、R4cは互いに独立に、水素、C1~C20-アルキル、C3~C24-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールおよびC6~C24-アリールから選択される)
およびその混合物;
【0180】
(B4)式(V)のベンゾ(チオ)キサンテン化合物
【化11】
(式中、
X5は、酸素または硫黄であり;
R51は、非置換であるか、またはハロゲン、R511、OR552、NHR552およびNR552R557から選択される1、2、3、4もしくは5つの置換基を有するフェニルであり;
R52、R53、R54、R55、R56、R57、R58およびR59は互いに独立に、水素、ハロゲン、R553、OR553、NHR553およびNR553R554から選択され、
R511は、C1~C24-アルキル、C6~C24-アリールおよびヘテロアリールから選択され;
R552およびR557は互いに独立に、C1~C18-アルキル、C6~C24-アリールおよびヘテロアリールから選択され;
R553およびR554は互いに独立に、C1~C18-アルキル、C6~C24-アリールおよびヘテロアリールから選択される)
およびその混合物;
【0181】
(B5)式(VIA)または(VIB)のベンゾイミダゾキサンテンイソキノリン化合物
【化12】
(式中、
X6は、酸素または硫黄であり;
R61、R62、R63、R64、R65、R66、R67、R68、R69、R610、R611およびR612は互いに独立に、水素、ハロゲン、R661、OR661、NHR661およびNR661R662から選択され、
各R661は、C1~C18-アルキル、C6~C24-アリールおよびヘテロアリールから選択され;
各R662は、C1~C18-アルキル、C6~C24-アリールおよびヘテロアリールから選択される)
およびその混合物;
【0182】
(B6)少なくとも1つの式(VII)の構造単位を含む蛍光化合物
【化13】
(式中、示されるベンゾイミダゾール構造の6員環の1つまたは複数のCH基は窒素によって置き換えられていてもよく、記号はそれぞれ以下のように定義される:
n7は、式(VII)の各構造単位について0~(10-p7)の数であり;
p7は、示されるベンゾイミダゾール構造の6員環中の窒素によって置き換えられたCH単位の数であり、
X7は、化学結合、O、S、SO、SO2、NR71であり;
Rは、その各々が置換基を有していてもよい脂肪族基、脂環式基、アリール、ヘテロアリール、
その各々が式(VII)の構造単位の他の芳香環に融合している芳香環もしくは複素芳香環または環系であり、
X7が化学結合でない場合、F、Cl、Br、CN、Hであり;
2つのR基が結合して1つの環状基を与えてもよく、
X7およびRは、n7>1の場合、同じでも異なっていてもよく;
R71はそれぞれ独立に、水素、C1~C18-アルキルまたはシクロアルキル(その炭素鎖は1つまたは複数の-O-、-S-、-CO-、-SO-および/または-SO2-部分を含んでいてもよく、一置換または多置換されていてもよい);
一置換もしくは多置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリールである)
およびその混合物;
【0183】
(B7)式(VIII)または(IX)のペリレン化合物
【化14】
(式中、
R81、R82はそれぞれ独立に、C1~C30-アルキル、1つもしくは複数の酸素によって中断されているC2~C30-アルキル、C3~C8-シクロアルキル、C6~C10-アリール、ヘテロアリール、C6~C10-アリール-C1~C10-アルキレンであり、後者3つの基の芳香環は、非置換であるか、またはC1~C10-アルキルによって一置換もしくは多置換されており;
R92は、C1~C30-アルキル、C3~C8-シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール-C1~C10-アルキレンであり、後者3つの基の芳香環は、非置換であるか、またはC1~C10-アルキルによって一置換もしくは多置換されている);
【0184】
(B8)式(X)のナフタレンモノイミド化合物
【化15】
(式中、
各R101は互いに独立に、水素、C1~C30-アルキル、1つもしくは複数の酸素によって中断されているC2~C30-アルキル、C3~C8-シクロアルキル、C6~C10-アリール、ヘテロアリール、C6~C10-アリール-C1~C10-アルキレンであり、後者3つの基の芳香環は、非置換であるか、またはC1~C10-アルキルによって一置換もしくは多置換されており;
R102は、水素、C1~C30-アルキル、1つもしくは複数の酸素によって中断されているC2~C30-アルキル、C3~C8-シクロアルキル、C6~C10-アリール、ヘテロアリール、C6~C10-アリール-C1~C10-アルキレンであり、後者3つの基の芳香環は、非置換であるか、またはC1~C10-アルキルによって一置換もしくは多置換されている)
【0185】
(B9)7-(ジエチルアミノ)-3-(5-メチルベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-2H-クロメン-2-オン;
【0186】
(B10)式(XIA)または(XIB)のペリレン化合物
【化16】
(式中、
各R111は互いに独立に、C1~C18-アルキル、C4~C8シクロアルキル(ハロゲンまたは直鎖もしくは分岐C1~C18アルキルによって一置換または多置換されていてもよい)、またはフェニルもしくはナフチル(ハロゲンまたは直鎖もしくは分岐C1~C18アルキルによって一置換または多置換されていてもよい)である)
およびその混合物;
【0187】
(B11)式(XIIA)または(XIIB)のシアノ化ペリレン化合物
【化17】
(式中、
各R121は互いに独立に、C1~C18-アルキル、C4~C8シクロアルキル(ハロゲンまたは直鎖もしくは分岐C1~C18アルキルによって一置換または多置換されていてもよい)、またはフェニルもしくはナフチル(ハロゲンまたは直鎖もしくは分岐C1~C18アルキルによって一置換または多置換されていてもよい)である)
およびその混合物;
【0188】
(B12)式(XIII)のナフトイルベンゾイミダゾール化合物
【化18】
(式中、
基R131、R132、R133、R134、R135、R136、R137、R138、R139およびR1310の少なくとも1つは互いに独立に、1、2または3つのシアノ基、および0、1、2、3または4つの置換基RAr13を有するアリールであり、残りの基R131、R132、R133、R134、R135、R136、R137、R138、R139およびR1310は互いに独立に、水素、および非置換であるか、または1、2、3、4もしくは5つの置換基RAr13を有するアリールから選択され、
RAr13は互いに独立に、各出現と独立に、ハロゲン、
C1~C30-アルキル、C2~C30-アルケニル、C2~C30-アルキニル(後者3つの基は、非置換であるか、または1つもしくは複数のR13a基を有する)、
C3~C8-シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル(後者2つの基は、非置換であるか、または1つもしくは複数のR13b基を有する)、
アリールおよびヘテロアリール(後者2つの基は、非置換であるか、または1つもしくは複数のR13c基を有する)
から選択され、
R13aは互いに独立に、各出現と独立に、シアノ、ハロゲン、C3~C8-シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから選択され、C3~C8-シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリルは、非置換であるか、または1つもしくは複数のR13b1基を有し、アリールおよびヘテロアリールは、非置換であるか、または1つもしくは複数のR13c1基を有し;
R13bは互いに独立に、各出現と独立に、シアノ、ハロゲン、C1~C18-アルキル、C3~C8-シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから選択され、C3~C8-シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリルは、非置換であるか、または1つもしくは複数のR13b1基を有し、アリールおよびヘテロアリールは、非置換であるか、または1つもしくは複数のR13c1基を有し;
R13cは互いに独立に、各出現と独立に、シアノ、ハロゲン、C1~C18-アルキル、C3~C8-シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから選択され、C3~C8-シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリルは、非置換であるか、または1つもしくは複数のR13b1基を有し、アリールおよびヘテロアリールは、非置換であるか、または1つもしくは複数のR13c1基を有し;
R13b1は互いに独立に、各出現と独立に、ハロゲン、C1~C18-アルキルおよびC1~C18-ハロアルキルから選択され、
R13c1は互いに独立に、各出現と独立に、ハロゲン、C1~C18-アルキルおよびC1~C18-ハロアルキルから選択される)
およびその混合物;
【0189】
(B13)式(XIV)のペリレン化合物
【化19】
(式中、
R141およびR142は互いに独立に、水素、
各場合で、非置換もしくは置換C1~C30-アルキル、ポリアルキレンオキシ、C1~C30-アルコキシ、C1~C30-アルキルチオ、C3~C20-シクロアルキル、C3~C20-シクロアルキルオキシ、C6~C24-アリールおよびC6~C24-アリールオキシから選択され;
R143、R144、R145、R146、R147、R148、R149、R1410、R1411、R1412、R1413、R1414、R1415、R1416、R1417およびR1418は互いに独立に、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、メルカプト、ニトロ、-NE141E142、-NRAr141CORA142、-CONRAr141RAr142、-SO2NRA141RA142、-COORAr141、-SO3RAr142
各場合で、非置換もしくは置換C1~C30-アルキル、ポリアルキレンオキシ、C1~C30-アルコキシ、C1~C30-アルキルチオ、C3~C20-シクロアルキル、C3~C20-シクロアルキルオキシ、C6~C24-アリール、C6~C24-アリールオキシおよびC6~C24-アリールチオから選択され;
R143とR144、R144とR145、R145とR146、R146とR147、R147とR148、R148とR149、R149とR1410、R1411とR1412、R1412とR1413、R1413とR1414、R1414とR1415、R1415とR1416、R1416とR1417および/またはR1417とR1418は、これらが結合しているビフェニリル部分の炭素原子と一緒になって、さらなる縮合芳香環または非芳香環系を形成してもよく、縮合環系は非置換であるか、または置換されており;
E141およびE142は互いに独立に、水素、非置換もしくは置換C1~C18-アルキル、非置換もしくは置換C2~C18-アルケニル、非置換もしくは置換C2~C18-アルキニル、非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキルまたは非置換もしくは置換C6~C10-アリールであり;
RAr141およびRAr142はそれぞれ互いに独立に、水素、非置換もしくは置換C1~C18-アルキル、非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキル、非置換もしくは置換ヘテロシクリル、非置換もしくは置換C6~C20-アリールまたは非置換もしくは置換ヘテロアリールである)
およびその混合物;
【0190】
(B14)式(XV)のペリレンビスイミド化合物
【化20】
(式中、
p15は、1、2、3または4であり;
R151およびR152は互いに独立に、C1~C10-アルキル(非置換であるか、またはC6~C10-アリールによって置換されており、これも同様に非置換であるか、または1、2もしくは3つのC1~C10-アリールによって置換されている)、
1つもしくは複数の酸素によって中断されているC2~C20-アルキル、
非置換であるか、または1、2もしくは3つのC1~C10-アルキルによって置換されているC3~C8-シクロアルキル、または
非置換であるか、または1、2もしくは3つのC1~C10-アルキルによって置換されているC6~C10-アリールであり;
各R153は互いに独立に、フッ素、塩素、C1~C16-アルキル、1つもしくは複数の酸素によって中断されたC2~C16-アルキル、非置換であるか、またはフッ素、塩素、C1~C16-アルキル、1つもしくは複数の酸素によって中断されたC2~C16-アルキルによって一置換もしくは多置換されているC1~C16-アルコキシ、C6~C10-アリールオキシ、非置換であるか、またはC1~C6-アルキル、C1~C6-アルコキシ-C1~C6-アルキルおよびC1~C6-アルコキシから選択される1、2もしくは3つの基によって置換されているC1~C16-アルコキシまたはC6~C10-アリールであり、
R133基はによって示される位置にある)
およびその混合物;
【0191】
(B15)式(XVI)のシアノアリール置換化合物
【化21】
(式中、
mは、0、1、2、3または4であり;
各R161は互いに独立に、臭素、塩素、シアノ、-NR16aR16b、C1~C24-アルキル、C1~C24-ハロアルキル、C1~C24-アルコキシ、C1~C24-ハロアルコキシ、C3~C24-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、C6~C24-アリール、C6~C24-アリールオキシ、C6~C24-アリール-C1~C10-アルキレンから選択され、最後に述べられる6つの基のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリール、アリールオキシおよび-アリール-アルキレンの環は、非置換であるか、または1、2、3、4もしくは5つの同一のもしくは異なる基R1aで置換されており、C1~C24-アルキル、C1~C24-ハロアルキル、C1~C24-アルコキシ、およびC6~C24-アリール-C1~C10-アルキレンのアルキレン部分は、O、SおよびNR16cから選択される1つまたは複数の基によって中断されていてもよく;
R162、R163、R164およびR165は、水素、塩素、臭素、および1、2または3つのシアノ基を有するC6~C24-アリールから選択され;
但し、基R161、R162、R163、R164およびR165のうちの少なくとも1つは1、2または3つのシアノ基を有するC6~C24-アリールであり;
Xは、O、S、SOまたはSO2であり;
Aは、一般式(A.161)、(A.162)、(A.163)および(A.164)のジラジカル
【化22】
から選択されるジラジカルであり、
は、各場合で、分子の残りへの結合点を示し;
nは、0、1、2、3または4であり;
oは、0、1、2または3であり;
pは、0、1、2または3であり;
R166は、水素、C1~C24-アルキル、C1~C24-ハロアルキル、C3~C24-シクロアルキル、C6~C24-アリールまたはC6~C24-アリール-C1~C10-アルキレンであり、最後に述べられる3つの基のシクロアルキル、アリールおよびアリール-アルキレンの環は、非置換であるか、または1、2、3、4もしくは5つの同一のもしくは異なる基R166aで置換されており、C1~C24-アルキル、C1~C24-ハロアルキル、およびC6~C24-アリール-C1~C10-アルキレンのアルキレン部分は、O、SおよびNR16cから選択される1つまたは複数のヘテロ原子またはヘテロ原子基によって中断されていてもよく;
各R167は互いに独立に、臭素、塩素、シアノ、-NR16aR16b、C1~C24-アルキル、C1~C24-ハロアルキル、C1~C24-アルコキシ、C1~C24-ハロアルコキシ、C3~C24-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、C6~C24-アリール、C6~C24-アリールオキシ、C6~C24-アリール-C1~C10-アルキレンから選択され、最後に述べられる6つの基のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリールおよびアリール-アルキレンの環は、非置換であるか、または1、2、3、4もしくは5つの同一のもしくは異なる基R167aで置換されており、C1~C24-アルキル、C1~C24-ハロアルキル、C1~C24-アルコキシ、C1~C24-ハロアルコキシ、およびC6~C24-アリール-C1~C10-アルキレンのアルキレン部分は、O、SおよびNR16cから選択される1つまたは複数の基によって中断されていてもよく;
各R168は互いに独立に、臭素、塩素、シアノ、NR16aR16b、C1~C24-アルキル、C1~C24-ハロアルキル、C1~C24-アルコキシ、C1~C24-ハロアルコキシ、C3~C24-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、C6~C24-アリール、C6~C24-アリールオキシ、C6~C24-アリール-C1~C10-アルキレンから選択され、最後に述べられる6つの基のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリールおよびアリール-アルキレンの環は、非置換であるか、または1、2、3、4もしくは5つの同一のもしくは異なる基R168aで置換されており、C1~C24-アルキル、C1~C24-ハロアルキル、C1~C24-アルコキシ、C1~C24-ハロアルコキシ、およびC6~C24-アリール-C1~C10-アルキレンのアルキレン部分は、O、SおよびNR16cから選択される1つまたは複数の基によって中断されていてもよく;
各R169は互いに独立に、臭素、塩素、シアノ、NR16aR16b、C1~C24-アルキル、C1~C24-ハロアルキル、C1~C24-アルコキシ、C1~C24-ハロアルコキシ、C3~C24-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、C6~C24-アリール、C6~C24-アリールオキシ、C6~C24-アリール-C1~C10-アルキレンから選択され、最後に述べられる6つの基のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリールおよびアリール-アルキレンの環は、非置換であるか、または1、2、3、4もしくは5つの同一のもしくは異なる基R169aで置換されており、C1~C24-アルキル、C1~C24-ハロアルキル、C1~C24-アルコキシ、C1~C24-ハロアルコキシ、およびC6~C24-アリール-C1~C10-アルキレンのアルキレン部分は、O、SおよびNR16cから選択される1つまたは複数の基によって中断されていてもよく;
R161a、R166a、R167a、R168a、R169aは互いに独立に、C1~C24-アルキル、C1~C24-フルオロアルキル、C1~C24-アルコキシ、フッ素、塩素、臭素およびシアノから選択され;
R16a、R16bおよびR16cは互いに独立に、水素、C1~C20-アルキル、C3~C24-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘタリールおよびC6~C24-アリールから選択される)
およびその混合物
から選択される少なくとも1つの追加の着色剤(B)をさらに含む。
【0192】
着色剤(B1)
式(II)のシアノ化ナフトイルベンゾイミダゾール化合物は、国際公開第2015/019270号パンフレットから公知である。式(II)の化合物は、通常、緑色蛍光染料である。本発明の変換器における使用に関して、化合物(II)は、好ましくは式(II-A)の化合物
【化23】
およびその混合物
(式中、
R23およびR24はそれぞれ独立に、シアノ、フェニル、4-シアノフェニル、またはC1~C10-アルキルから選択される1、2もしくは3つの置換基を有するフェニル、特にシアノ、フェニルまたは4-シアノフェニルであり;
R27、R28、R29およびR210はそれぞれ独立に、水素、シアノ、フェニル、4-シアノフェニル、またはC1~C10-アルキルから選択される1、2もしくは3つの置換基を有するフェニル、特に水素、シアノ、フェニルまたは4-シアノフェニルである)
から選択される。
【0193】
国際公開第2015/019270号パンフレットの第16頁、第2段落~第20頁、第3段落に明記されている化合物がより好ましい。本発明の変換器における使用に関して、式(II-1)、(II-2)、(II-3)、(II-4)、(II-5)、(II-6)、(II-7)、(II-8)、(II-9)、(II-10)、(II-11)、(II-12)、(II-13)、(II-14)、(II-15)、(II-16)、(II-17)、(II-18)、(II-19)、(II-20)、(II-21)、(II-22)、(II-23)、(II-24)、(II-25)、(II-26)、(II-27)、(II-28)、(II-29)、(II-30)、(II-31)、(II-32)、(II-33)、(II-34)、(II-35)、(II-36)、(II-37)、(II-38)、(II-39)、(II-40)、(II-41)、(II-42)、(II-43)、(II-44)、(II-45)、(II-46)、(II-47)、(II-48)、(II-49)、(II-50)の化合物またはこれらの混合物
【化24】
【化25】
【化26】
【化27】
【化28】
から選択される式(II)の化合物が特に好ましい。
【0194】
化合物(II-11)、(II-12)、(II-13)および(II-14)ならびにこれらの混合物がさらに特に好ましい。
【0195】
有機蛍光着色剤(B2)
式(III)の化合物は、国際公開第2015/169935号パンフレットから公知である。式(III)の化合物は、通常、緑色蛍光染料である。本発明の変換器における使用に関して、式(III)の化合物は、個別に以下の式(III-a)および(III-b)の化合物ならびに式(III-c)および(III-d)の化合物:
【化29】
ならびにこれらの混合物
(式中、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38、Z3およびZ3*はそれぞれ上に定義される通りである)
を包含する。
【0196】
特に、国際公開第2015/169935号パンフレットの12頁、9行~13頁31行に明記されている化合物が好ましい。本発明の変換器における使用に関して、式(III-1)、(III-2)、(III-3)、(III-4)、(III-5)、(III-6)、(III-7)、(III-8)、(III-9)、(III-10)、(III-11)、(III-12)、(III-13)、(III-14)、(III-15)、(III-16)、(III-17)、(III-18)、(III-19)、(III-20)の化合物
【化30】
【化31】
およびこれらの混合物
(式中、
Z3は、C1~C6-アルキル、C1~C6-アルコキシカルボニル、フェニル、または1、2もしくは3つのC1~C4-アルキル基を有するフェニルから選択され;
Z3*は、C1~C6-アルキル、C1~C6-アルコキシカルボニル、フェニル、または1、2もしくは3つのC1~C4-アルキル基を有するフェニルから選択される)
から選択される式(III)の化合物が好ましい。
【0197】
特別な実施形態では、Z3*がZ3と同じ意味を有する。
【0198】
これらの中でも、式(10.a)、(10.b)のペリレン化合物
【化32】
および式(10.a)の化合物と式(10.b)の化合物の混合物
(式中、
R2、R3、R6およびR7置換基のうちの3つは水素であり;
R2、R3、R6およびR7置換基のうちの1つはシアノである)
が特に好ましい。
【0199】
有機蛍光着色剤(B3)
式(IV)のシアノ化化合物は、国際公開第2016/151068号パンフレットの主題である。式(IV)の化合物は、通常、緑色蛍光染料である。本発明の変換器における使用に関して、式(IV)の化合物は、好ましくは、X40がOである化合物である。X40がSである式(IV)の化合物も好ましい。国際公開第2016/151068号パンフレットの24頁10行~34頁4行に明記されている化合物が好ましい。
【0200】
これらの中でも、Aが式(A.2)の基である式(IV)の化合物が特に好ましい。Aが式(A.2)の基である式(IV)の化合物は、式(IV-A.2)の化合物
【化33】
(式中、
m4、X40、R41、R42、R43、R44、R45およびR46は上に定義される通りである)
とも呼ばれる。
【0201】
式(I-A.2)の化合物中、R46は、好ましくは水素、直鎖C1~C24-アルキル、分岐C3~C24-アルキル、C6~C10-アリールおよびC6~C10-アリール-C1~C10-アルキレンから選択され、最後に言及される2つの部分のアリール環は、非置換であるか、または1、2、3、4もしくは5つの同一のもしくは異なる基R46aで置換されている。特に、R46は、直鎖C1~C24-アルキル、式(B.1)の基および式(B.2)の基
【化34】
(式中、
#は窒素原子への結合部位であり;
式(B.1)中のRdおよびReは互いに独立に、C1~C23-アルキルから選択され、Rd基およびRe基の炭素原子の合計は2~23の整数であり;
式(B.2)中のRf、RgおよびRhは、C1~C20-アルキルから独立に選択され、Rf、RgおよびRh基の炭素原子の合計は3~23の整数である)
から選択される。
【0202】
好ましい式(B.1)の基は:1-メチルエチル、1-メチルプロピル、1-メチルブチル、1-メチルペンチル、1-メチルヘキシル、1-メチルヘプチル、1-メチルオクチル、1-エチルプロピル、1-エチルブチル、1-エチルペンチル、1-エチルヘキシル、1-エチルヘプチル、1-エチルオクチル、1-プロピルブチル、1-プロピルペンチル、1-プロピルヘキシル、1-プロピルヘプチル、1-プロピルオクチル、1-ブチルペンチル、1-ブチルヘキシル、1-ブチルヘプチル、1-ブチルオクチル、1-ペンチルヘキシル、1-ペンチルヘプチル、1-ペンチルオクチル、1-ヘキシルヘプチル、1-ヘキシルオクチル、1-ヘプチルオクチルである。
【0203】
特に好ましい式(B.2)の基はtert-ブチルである。
【0204】
同様に、特に、R46は、式(C.1)の基、式(C.2)の基または式(C.3)の基
【化35】
(式中、
#は窒素原子への結合側を表し;
Bは、存在する場合、-O-および-S-から選択される1つまたは複数の非隣接基によって中断されていてもよいC1~C10-アルキレン基であり;
yは0または1であり、
Riは互いに独立に、C1~C24-アルキル、C1~C24-フルオロアルキル、フッ素、塩素または臭素から選択され;
Rkは互いに独立に、C1~C24-アルキルから選択され;
式C.2およびC.3中のxは、1、2、3、4または5である)
である。
【0205】
好ましくは、yが0である、すなわち、可変要素Bが存在しない。
【0206】
その出現にかかわらず、Riは、好ましくはC1~C24-アルキル、より好ましくは直鎖C1~C10-アルキルまたは分岐C3~C10-アルキル、特にイソプロピルから選択される。その出現にかかわらず、Rkは、好ましくはC1~C24-アルキル、より好ましくは直鎖C1~C10-アルキルまたは分岐C3~C10-アルキルから選択される。式C.2およびC.3中の可変要素xは、好ましくは1、2または3である。
【0207】
実施形態の特別な群は、
可変要素m4、X40、R41、R42、R43、R44およびR45が互いに独立に、または特に組み合わせて、以下の意味を有する:
X40がOまたはSであり;
R42およびR44がそれぞれシアノであり;
R43およびR45がそれぞれ水素であるか、またはR43およびR45の一方が臭素であり、R43およびR45の他方が水素であり;
R41が、シアノ、臭素、および非置換であるか、またはC1~C4-アルキルから選択される1つもしくは2つの基を有するフェニルから選択され;
R46が、水素、C1~C24-直鎖アルキル、分岐C3~C24-アルキル、式(C.1)の基、式(C.2)の基および式(C.3)の基から選択され;
m4が0または1である、
式(IV-A.2)の化合物に関する。
【0208】
さらにより好ましくは、
X40がOまたはSであり;
R42およびR44がそれぞれシアノであり;
R43およびR45がそれぞれ水素であり;
R41が、シアノ、臭素、または非置換であるか、もしくはC1~C4-アルキルから選択される1つもしくは2つの基を有するフェニル;特にシアノから選択され;
R46が、直鎖C1~C24-アルキル、分岐C3~C24-アルキル、式(C.1)の基、式(C.2)の基または式(C.3)の基;特に直鎖C1~C24-アルキル、分岐C3~C24-アルキル、またはC1~C4-アルキルから選択される1つもしくは2つの基を有するフェニル、例えば2,6-ジイソプロピルフェニルから選択され;
m4が0または1である。
【0209】
式(IV-A.2)の好ましい化合物の例を以下に示す:
【化36】
【化37】
【0210】
特に、有機蛍光着色剤(B4)は、化合物IV-A.2-1、IV-A.2-6またはIV-A.2-9から選択される。
【0211】
有機蛍光着色剤(B4)
式(V)のベンゾキサンテン化合物は、国際公開第2014/131628号パンフレットから公知である。これらは、通常、緑色蛍光染料である。式(V)のベンゾチオキサンテン化合物は、例えば米国特許第3357985号明細書から公知である。
【0212】
R51が、非置換であるか、またはC1~C10-アルキルから選択される1つもしくは2つの置換基を有するフェニルであり、R53およびR54がそれぞれフェニルであり、R52、R55、R56、R57、R58およびR59がそれぞれ水素である式(V)のベンゾキサンテン化合物が好ましい。適切な化合物は、国際公開第2014/131628号パンフレットの図2A図2Bおよび図2Cに示されている。
【0213】
X5がOまたはSであり、R51がC1~C24-アルキルであり、R52~R59が水素である式(V)のベンゾ(チオ)キサンテン化合物も好ましい。好ましくは、R51がC6~C20-アルキルである。
【0214】
適切な化合物を以下に示す
【化38】
【0215】
有機蛍光着色剤(B5)
式(VIA)および(VIB)のベンゾイミダゾキサンテンイソキノリン化合物は、国際公開第2015/062916号パンフレットから公知である。一般的に、これらは緑色蛍光染料である。適切な化合物は、国際公開第2015/062916号パンフレットの3頁24行~8頁24行、特に図3A図3B図3Cに示されている。
【0216】
有機蛍光着色剤(B6)
式(VII)の構造単位を有する化合物は、国際公開第2012/168395号パンフレットから公知である。一般的に、これらは緑色蛍光染料である。本発明の変換器における使用に関して、式(VII)の構造単位を有する化合物は、好ましくは国際公開第2012/168395号パンフレットの28頁14行~32頁5行に明記されている化合物である。
【0217】
本発明の変換器における使用に関して、式(VII)の構造単位を有する化合物は、より好ましくは、式(VII-1)、(VII-2)、(VII-3)、(VII-4)、(VII-5)、(VII-6)、(VII-7)、(VII-8)、(VII-9)、(VII-10)、(VII-11)、(VII-12)、(VII-13)、(VII-14)、(VII-15)、(VII-16)、(VII-17)、(VII-18)、(VII-19)、(VII-20)、(VII-21)、(VII-22)、(VII-23)、(VII-24)、(VII-25)、(VII-26)、(VII-27)、(VII-28)、(VII-29)、(VII-30)、(VII-31)、(VII-32)、(VII-33)、(VII-34)、(VII-35)、(VII-36)、(VII-37)、(VII-38)、(VII-39)、(VII-40)、(VII-41)、(VII-42)、(VII-43)、(VII-44)、(VII-45)、(VII-46)、(VII-47)、(VII-48)、(VII-49)、(VII-50)、(VII-51)、(VII-52)、(VII-53)、(VII-54)、(VII-55)の化合物、またはこれらの混合物
【化39】
【化40】
【化41】
【化42】
【化43】
【化44】
(式中、
n7は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10の数であり;
R71は独立に、水素、C1~C18-アルキルまたはシクロアルキル(その炭素鎖は、1つまたは複数の-O-、-S-、-CO-、-SO-および/または-SO2-部分を含んでもよく、一置換または多置換されていてもよい);
一置換または多置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリールである)
から選択される。
【0218】
式(VII-5)、(VII-6)、(VII-7)および(VII-8)の化合物ならびにこれらの混合物が特に好ましい。式(VII-5)、(VII-7)の化合物または式(VII-5)の化合物と式(VII-7)の化合物の混合物がさらに特に好ましい。式(VII-56)、(VII-57)、(VII-58)および(VII-59)の化合物ならびにこれらの混合物も特に好ましい。
【0219】
有機蛍光着色剤(B7)
式(VIII)および(IX)のペリレンイミド化合物は、例えば国際公開第2007/006717号パンフレットまたは米国特許第6,472,050号明細書から、当技術分野で周知である。式(IX)の9-シアノ置換ペリレン-3,4-ジカルボン酸モノイミドも、国際公開第2004/029028号パンフレットから公知である。これらは、通常、緑色蛍光染料である。
【0220】
好ましくは、式(VIII)の化合物中、R81およびR82は、直鎖もしくは分岐C1~C18アルキル基、C4~C8シクロアルキル基(ハロゲンまたは直鎖もしくは分岐C1~C18アルキルによって一置換または多置換されていてもよい)、またはフェニルもしくはナフチル(ハロゲンまたは直鎖もしくは分岐C1~C18アルキルによって一置換または多置換されていてもよい)である。
【0221】
好ましくは、R81およびR82が同じ意味を有する。
【0222】
一実施形態では、式VIII中のR81およびR82が、国際公開第2009/037283号パンフレットの16頁19行~25頁8行に明記されるスワローテイル置換(swallowtail substitution)と呼ばれるものを有する化合物を表す。好ましい実施形態では、R81およびR82が互いに独立に、1-アルキルアルキル、例えば1-エチルプロピル、1-プロピルブチル、1-ブチルペンチル、1-ペンチルヘキシルまたは1-ヘキシルヘプチルである。
【0223】
好ましい実施形態では、有機蛍光着色剤(B7)が、式(VIII-1)の化合物
【化45】
(式中、
x8は1、2または3であり;
y8は1、2または3であり;
R181はC1~C4-アルキルであり;
R182はC1~C4-アルキルである)
から選択される。
【0224】
好ましくは、x8が2である。好ましくは、y8が2である。好ましくは、R181およびR182がイソプロピルおよびtert-ブチルから選択される。
【0225】
好ましい式(VIII)の化合物は、N,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸ジイミド(CAS番号:82953-57-9)である。
【0226】
適切な式(IX)の9-シアノ置換ペリレン-3,4-ジカルボン酸モノイミドは、好ましくは、R92が、直鎖もしくは分岐C1~C18アルキル基、C4~C8シクロアルキル基(ハロゲンまたは直鎖もしくは分岐C1~C18アルキルによって一置換または多置換されていてもよい)、またはフェニルもしくはナフチル(ハロゲンまたは直鎖もしくは分岐C1~C18アルキルによって一置換または多置換されていてもよい)であるものである。
【0227】
一実施形態では、式IX中のR92が、国際公開第2009/037283号パンフレットの16頁19行~25頁8行に明記されるスワローテイル置換と呼ばれるものを有する化合物を表す。好ましい実施形態では、R92が、1-アルキルアルキル、例えば1-エチルプロピル、1-プロピルブチル、1-ブチルペンチル、1-ペンチルヘキシルまたは1-ヘキシルヘプチルである。
【0228】
別の好ましい実施形態では、R92が、2,4-ジ(tert-ブチル)フェニル2,6-ジイソプロピルフェニルまたは2,6-ジ(tert-ブチル)フェニルである。特に、R92が2,6-ジイソプロピルフェニルである。
【0229】
有機蛍光着色剤(B8)
式(X)の4-アミノ置換ナフタルイミド化合物は当技術分野で公知である。これらは通常、緑色蛍光化合物である。適切な式(X)の4-アミノ置換ナフタルイミド化合物は、好ましくは、R101が、直鎖もしくは分岐C1~C10-アルキル、1つもしくは複数の酸素によって中断されているC2~C10-アルキル、またはC3~C8-シクロアルキルであるものである。R102は、好ましくは水素である。適切な式(X)の化合物は、4-(ブチルアミノ)-N-ブチル-1,8-ナフタルイミド(CAS番号:19125-99-6)である。同様に好ましくは、R102が直鎖または分岐C1~C10-アルキルである。式(X)の化合物は、2つのステップで合成することができる。第1のステップは、還流下、溶媒、例えば、1,4-ジオキサンまたは2-メトキシエタノール中で、4-クロロ-1,8-ナフタル酸無水物とアミンを縮合して、対応する4-クロロ-1,8-ナフタルイミドを得ることであり得る。第2のステップは、塩素原子を脂肪族第一級または第二級アミンで置換することを含む。
【0230】
有機蛍光着色剤(B9)
7-(ジエチルアミノ)-3-(5-メチルベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-2H-クロメン-2-オンは、Disperse Yellow(CAS登録番号34564-13-1)としても知られている。これは緑色蛍光化合物である。
【0231】
有機蛍光着色剤(B10)
式(XIA)および(XIB)の化合物は、米国特許第5470502号明細書から公知である。これらは、通常、緑色蛍光染料である。R111が直鎖C1~C10-アルキルまたは分岐C3~C10-アルキルである式(XIA)および(XIB)の化合物が好ましい。好ましい例としては、ジイソブチル-3,9-ペリレンジカルボキシレート、ジイソブチル-3,10-ペリレンジカルボキシレートおよびこれらの混合物がある。ジイソブチル-3,9-ペリレンジカルボキシレートとジイソブチル-3,10-ペリレンジカルボキシレートの混合物が特に好ましい。
【0232】
有機蛍光着色剤(B11)
式(XIIA)および(XIIB)の化合物は、米国特許第5470502号明細書から公知である。これらは、通常、緑色蛍光染料である。R121が直鎖C1~C10-アルキルまたは分岐C3~C10-アルキルである式(XIIA)および(XIIB)の化合物が好ましい。好ましい例としては、ジイソブチル-4,10-ジシアノペリレン-3,9-ジカルボキシレートおよびジイソブチル-4,9-ジシアノペリレン-3,10-ジカルボキシレートならびにこれらの混合物がある。ジイソブチル-4,10-ジシアノペリレン-3,9-ジカルボキシレートとジイソブチル-4,9-ジシアノペリレン-3,10-ジカルボキシレートの混合物が特に好ましい。
【0233】
有機蛍光着色剤(B12)
式(I)のナフトイルベンゾイミダゾール化合物は、国際公開第2018/134261号パンフレットから公知である。式(XIII)の化合物は、通常、緑色蛍光化合物である。
【0234】
変換器における使用に関して、式(XIII-A)の化合物
【化46】
(式中、
R133およびR134はそれぞれ独立に、水素、フェニル、1つもしくは2つのシアノ基を有するフェニル、またはC1~C10-アルキルから選択される1、2もしくは3つの置換基を有するフェニルであり;
R137、R138、R139およびR1310はそれぞれ独立に、水素、フェニル、1つもしくは2つのシアノ基を有するフェニル、またはC1~C10-アルキルから選択される1、2もしくは3つの置換基を有するフェニルである)
に対応する式(XIII)の化合物が好ましい。
【0235】
式(XIII-A)の化合物の中でも、R138およびR1310が同じ意味を有する化合物が好ましい。同様に、R137およびR139が同じ意味を有する化合物が好ましい。特に、R138およびR1310が同じ意味を有し、R137およびR139が同じ意味を有する。特に、R137およびR139が同じ意味を有し、水素である。
【0236】
本発明の特定の好ましい実施形態は、
R133およびR134がそれぞれ独立に、水素、フェニル、1つまたは2つのシアノ基を有するフェニル、および1、2または3つのC1~C10-アルキル置換基を有するフェニル;特に水素、フェニル、または1つのシアノ基を有するフェニルから選択され;
R137が水素であり;
R138がフェニル、1つもしくは2つのシアノ基を有するフェニル、または1、2もしくは3つのC1~C10-アルキル置換基を有するフェニルであり;
R139が水素であり;
R1310が、フェニル、1つもしくは2つのシアノ基を有するフェニル、または1、2もしくは3つのC1~C10-アルキル置換基を有するフェニルである、
式(XIII-A)の化合物に関する。
【0237】
特に、R138が4-シアノフェニルである。特に、R1310が4-シアノフェニルである。
【0238】
本発明のさらに特に好ましい実施形態は、
R133が、フェニル、1つのシアノ基を有するフェニル;またはC1~C10-アルキルから選択される1つの置換基を有するフェニルであり;
R134が水素であり;
R138およびR1310がそれぞれ、1つのシアノ基を有するフェニルであり;
R137およびR139がそれぞれ水素である、
式(XIII-A)の化合物に関する。
【0239】
特に、R133が、1つのシアノ基を有するフェニルである。
【0240】
本発明のさらに特に好ましい実施形態は、
R133が水素であり;
R134が、フェニル、1つのシアノ基を有するフェニル、またはC1~C10-アルキルから選択される1つの置換基を有するフェニル;特に1つのシアノ基を有するフェニルであり;
R138およびR1310がそれぞれ、1つのシアノ基を有するフェニルであり;
R137およびR139がそれぞれ水素である、
式(XIII-A)の化合物に関する。
【0241】
式(XIII-A)の好ましい化合物の例としては、式(XIII-A.1)、(XIII-A.2)(XIII-A.3)および(XIII-A.4)の化合物
【化47】
がある。
【0242】
有機蛍光着色剤(B13)
式(XIV)の化合物は、国際公開第2017/121833号パンフレットの主題である。式(XIV)の化合物は、通常、赤色蛍光着色剤である。R141およびR142が互いに独立に、非置換であるか、または1、2もしくは3つのC1~C6-アルキルによって置換されているフェニルから選択され;R143、R144、R145、R146、R147、R148、R149、R1410、R1411、R1412、R1413、R1414、R1415、R1416、R1417およびR1418がそれぞれ水素である、式(XIV)の化合物が好ましい。上に定義される式(XIV)の化合物は、好ましくは
【化48】
である。
【0243】
有機蛍光着色剤(B14)
式(XV)の化合物の適切な例としては、例えば国際公開第2007/006717号パンフレット、特に1頁5行~22頁6行;米国特許第4845223号明細書、特に第2段、54行~第6段、54行;国際公開第2014/122549号パンフレット、特に3頁20行~9頁11行;欧州特許第3072887号明細書および国際公開第2018/065502号パンフレット、特に35頁34行~37頁29行に明記されているペリレン誘導体がある。式(XV)の化合物は、通常、赤色蛍光着色剤である。R151およびR152がそれぞれ独立に、C1~C10-アルキル、2,6-ジ(C1~C10-アルキル)アリールおよび2,4-ジ(C1~C10-アルキル)アリールから選択される式(XV)の化合物が好ましい。より好ましくは、R151およびR152が同一である。極めて特に、R131およびR132がそれぞれ、2,6-ジイソプロピルフェニルまたは2,4-ジ-tert-ブチルフェニルである。R153が、好ましくは非置換であるか、またはフッ素、塩素、C1~C10-アルキルおよびフェニルから選択される1つもしくは2つの同一のもしくは異なる置換基によって置換されているフェノキシである。好ましくは、p13が、2、3または4、特に2または4である。
【0244】
式(XV)の化合物は、例えば国際公開第2007/006717号パンフレット、米国特許第4845223号明細書、欧州特許第3072887号明細書および国際公開第2014/122549号パンフレットに記載されている方法と同様に調製することができる。
【0245】
適切な有機蛍光着色剤B14は、例えば、
N,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-1,6,7,12-テトラフェノキシペリレン-3,4:9,10-テトラカルボキシイミド、
N,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-1,7-ジ(2,6-ジイソプロピルフェノキシ)ペリレン-3,4:9,10-テトラカルボキシイミド、
N,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル))-1,6-ジ(2,6-ジイソプロピルフェノキシ)ペリレン-3,4:9,10-テトラカルボキシイミド、
N,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-1,7-ジ(p-tert-オクチルフェノキシ)ペリレン-3,4;9,10-テトラカルボキシイミド、
N,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-1,7-ジフェノキシペリレン-3,4;9,10-テトラカルボキシイミド、
N,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-1,7-ジ(2,6-ジフェニルフェノキシ)ペリレン-3,4;9,10-テトラカルボキシイミド、
N,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-1,6-ジ(2,6-ジフェニルフェノキシ)ペリレン-3,4;9,10-テトラカルボキシイミド、
N,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-1,6,7,12-テトラ(2-フェニルフェノキシ)ペリレン-3,4:9,10-テトラカルボキシイミド、
N,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-1,7-ジ(2,3-ジフルオロフェノキシ)ペリレン-3,4:9,10-テトラカルボキシイミド、
N,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-1,6,7,12-テトラ(2,3-ジフルオロフェノキシ)ペリレン-3,4:9,10-テトラカルボキシイミド、
N,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-1,6,7,12-テトラ(3-フルオロフェノキシ)ペリレン-3,4:9,10-テトラカルボキシイミド、
N,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-1,6,7,12-テトラ(2,6-ジフルオロフェノキシ)ペリレン-3,4:9,10-テトラカルボキシイミド、
N,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-1,6,7,12-テトラ(2,5-ジフルオロフェノキシ)ペリレン-3,4:9,10-テトラカルボキシイミド、
N,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-1,6,7,12-テトラ(2,3-ジクロロフェノキシ)ペリレン-3,4:9,10-テトラカルボキシイミド、
N,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-1,6,7,12-テトラ(3-クロロフェノキシ)ペリレン-3,4:9,10-テトラカルボキシイミド、
N,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-1,6,7,12-テトラ(2,6-ジクロロフェノキシ)ペリレン-3,4:9,10-テトラカルボキシイミド、
N,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-1,6,7,12-テトラ(2,5-ジクロロフェノキシ)ペリレン-3,4:9,10-テトラカルボキシイミド
である。
【0246】
特に、有機蛍光着色剤(B13)は、化合物(XV-1)、(XV-2)、(XV-3)および(XV-4)
【化49】
から選択される。
【0247】
有機蛍光着色剤(B15)
式(XVI)の化合物は、PCT/EP2018/085373号明細書の主題である。式(XVI)の化合物は、通常、緑色蛍光化合物である。本発明による好ましい化合物は、可変要素Xが酸素である式Iの化合物である。
【0248】
本発明による好ましい化合物は、R162、R163、R164およびR165が、水素、および1、2または3つのシアノ基を有するC6~C10-アリールからなる群から選択される式(XVI)の化合物である。
【0249】
より好ましくは、R162およびR164が、1、2または3つのシアノ基を有するC6~C10-アリールからなる群から選択される。特に好ましいR162およびR164はそれぞれ、1、2または3つのシアノ基、特に1つまたは2つのシアノ基を有するフェニルである。特に好ましいR163およびR165はそれぞれ水素である。
【0250】
好ましくは、式(XVI)の化合物中の可変要素Aが、式(A.162)のジラジカルである。ジラジカル(A.162)との関連において、R166は、好ましくは水素、直鎖C1~C24-アルキル、分岐C3~C24-アルキル、C6~C10-アリールおよびC6~C10-アリール-C1~C10-アルキレンからなる群から選択され、最後に言及される2つの部分のアリール環は、非置換であるか、または1、2、3、4もしくは5つの同一のもしくは異なる基R166aで置換されている。より好ましくは、R166が、直鎖C1~C24-アルキル、式(B.1)の基、式(B.2)の基および式(B.3)の基
【化50】
(式中、
#は窒素原子への結合部位を表し;
式(B.1)中のRdおよびReは互いに独立に、C1~C22-アルキルからなる群から選択され、RdおよびRe基の炭素原子の合計は、2~23の整数であり;
式(B.2)中のRf、RgおよびRhは、C1~C21-アルキルからなる群から独立に選択され、Rf、RgおよびRh基の炭素原子の合計は、3~23の整数であり;
式(B.3)中のRiおよびRkは、C1~C21-アルキルからなる群から独立に選択され、RiおよびRk基の炭素原子の合計は、2~22の整数である)
からなる群から選択される。
【0251】
特に、R166が直鎖C6~C24-アルキルである。本明細書において、基B.1の具体例は、1-メチルエチル、1-メチルプロピル、1-メチルブチル、1-メチルペンチル、1-メチルヘキシル、1-メチルヘプチル、1-メチルオクチル、1-エチルプロピル、1-エチルブチル、1-エチルペンチル、1-エチルヘキシル、1-エチルヘプチル、1-エチルオクチル、1-プロピルブチル、1-プロピルペンチル、1-プロピルヘキシル、1-プロピルヘプチル、1-プロピルオクチル、1-ブチルペンチル、1-ブチルヘキシル、1-ブチルヘプチル、1-ブチルオクチル、1-ペンチルヘキシル、1-ペンチルヘプチル、1-ペンチルオクチル、1-ヘキシルヘプチル、1-ヘキシルオクチル、1-ヘプチルオクチルである。
【0252】
本明細書において、基B.2の具体例はtert-ブチルである。
【0253】
本明細書において、基B.3の具体例は、イソブチル、2-メチルブチル、2-エチルブチル、2-エチルペンチルおよび2-エチルヘキシルである。
【0254】
同様に、より好ましくは、R166は、式(C.1)の基、式(C.2)の基および式(C.3)の基
【化51】
(式中、
#は窒素原子への結合側を表し;
Bは、存在する場合、-O-および-S-からなる群から選択される1つまたは複数の非隣接基によって中断されていてもよいC1~C10-アルキレン基であり;
yは0または1であり;
Rmは互いに独立に、C1~C24-アルキル、C1~C24-フルオロアルキル、フッ素、塩素または臭素からなる群から選択され;
Rnは互いに独立に、C1~C24-アルキルからなる群から選択され;
式C.2およびC.3中のxは、1、2、3、4または5である)
からなる群から選択される。
【0255】
R166との関連において、式C.1、C.2またはC.3中のyは、好ましくは0である、すなわち、Bは存在しない。R166との関連において、式C.2中のRmは、好ましくはC1~C24-アルキルである。R6との関連において、式C.2中のxは、好ましくは1または2である。R166との関連において、式C.3中のRnは、好ましくはC1~C24-アルキルである。R6との関連において、式C.3中のxは、好ましくは1または2である。
【0256】
別の実施形態によると、式(XVI)の化合物中の可変要素Aが、式(A.163)のジラジカルである。(A.163)との関連において、式(A.163)中のnは、好ましくは0、1または2である。R167は、存在する場合、好ましくは、シアノ、臭素、および非置換であるか、またはC1~C4-アルキルからなる群から選択される1つもしくは2つの基を有するフェニルからなる群から選択される。
【0257】
別の実施形態によると、式(XVI)の化合物中の可変要素Aが、式(A.164)のジラジカルである。(A.164)との関連において、式(A.164)中のoおよびpは、好ましくは0である、すなわち、R168およびR169は共に存在しない。同様に好ましくは、A.4との関連において、oおよびpの合計は、1、2、3または4である。これに関連して、R168およびR169は互いに独立に、好ましくはシアノ、臭素、塩素、C1~C4-アルキル、C1~C4-アルコキシ、C1~C4-ハロアルキル、フェニルおよびフェニルオキシからなる群から選択され、最後に述べられる2つの基のフェニルは、非置換であるか、またはC1~C10-アルキルからなる群から選択される1、2もしくは3つの置換基を有する。
【0258】
式(XVI)中のmが0、1または2であり、mが1または2であり、各R161が、直鎖C1~C24-アルキル、式(D.1)の基、式(D.2)の基、式(D.3)の基、式(D.4)の基および式(D.5)の基
【化52】
(式中、
#は、式Iの化合物の残りの部分への結合部位を表し、
式(D.1)中のRoおよびRpは互いに独立に、C1~C22-アルキルからなる群から選択され、RoおよびRp基の炭素原子の合計は、2~23の整数であり;
式(D.2)中のRq、RrおよびRsは、C1~C21-アルキルからなる群から独立に選択され、Rq、RrおよびRs基の炭素原子の合計は、3~23の整数であり;
式(D.3)中のRtおよびRuは、C1~C21-アルキルからなる群から独立に選択され、RtおよびRu基の炭素原子の合計は、2~22の整数であり;
Bは、存在する場合、-O-および-S-からなる群から選択される1つまたは複数の非隣接基によって中断されていてもよいC1~C10-アルキレン基であり;
式(D.4)および(D.5)中のyは0または1であり;
式(D.5)中のxは1、2または3であり;
式(D.5)中のR1aは、シアノ、C1~C24-アルキルおよびC1~C24-アルコキシからなる群からなる群から選択される)
からなる群から独立に選択される式(XVI)の化合物が好ましい化合物である。
【0259】
R161との関連において、式(XVI)中のmは、好ましくは0である、すなわち、R161は存在しない。同様に、より好ましくは、R161との関連において、式I中のmは、1、2または3である。R161は、存在する場合、好ましくは直鎖C6~C24-アルキルからなる群から選択される。本明細書において、R161の具体例としては、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、n-ノニル、n-デシル、n-ウンデシル、n-ドデシル、n-トリデシル、n-テトラデシル、n-ペンタデシル、n-ヘキサデシル、n-ヘプタデシル、n-オクタデシル、n-ノナデシル、n-エイコシル、n-ウンエイコシル、n-ドコシルがある。
【0260】
R161との関連において、式(D.1)中のRoおよびRpは、好ましくはそれぞれ独立に、C1~C12-アルキルである。R161との関連において、式(D.2)中のRqおよびRsは、好ましくはそれぞれ独立に、C1~C6-アルキルであり、式(D.2)中のRrは、好ましくは分岐C4~C21-アルキルである。基(D.2)の具体例はtert-オクチルである。R161との関連において、式(D.5)中のxは、好ましくは1または2であり、R161aは、好ましくはシアノまたはC1~C12-アルキルである。より好ましくは、R161が存在しないか、または式(D.2)の基もしくは式(D.5)の基(式中、R1aはシアノであり、yは0であり、xは1または2である)である。本明細書において、基(D.5)の好ましい例としては4-シアノフェニルがある。
【0261】
式(XVI)の好ましい化合物の例としては、以下に示されるものがある:
【化53】
【0262】
式(XVI)の化合物は、適切な遷移金属触媒の存在下で公知のカップリング反応と同様にハロゲン化ベンゾ(チオ)キサンテン化合物およびシアノアリールボロン酸もしくはエステルから出発して、または以下もしくは本出願の実験部に記載される調製方法に従って調製することができる。
【0263】
一般に、式(XVI)の化合物は、以下に示される鈴木カップリングの意味において、式(XVI-II)の化合物をシアノアリール(cyanaryl)ボロン酸またはエステルで処理することによって調製することができる:
【化54】
(式中、
(R161mおよびAは上に定義される通りであり;
基R162、R163、R164およびR165の少なくとも1つは、塩素および臭素からなる群から選択されるハロゲンであり、残りの基はそれぞれ水素であり、但し、水素とは異なる基は同じ意味を有し;
XはOまたはSであり;
Arは、1、2または3つのシアノ基を有するC6~C24-アリールであり;
R’、R’’は互いに独立に、C1~C10-アルキルからなる群から選択されるか、またはR’およびR’’が一緒になって、C1~C4-アルキルからなる群から選択される1、2、3、4、5、6、7もしくは8つの置換基を場合により有するC2~C4-アルキレンである)。
【0264】
この反応は、通常、塩基および触媒、特にパラジウム触媒の存在下で行われる。適切な触媒は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0);ビス[ビス(1,2-ジフェニルホスフィノ)エタン]パラジウム(0);ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0);トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0);ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド;ビス(アセトニトリル)パラジウム(II)クロリド;[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)クロリド/塩化メチレン(1:1)錯体;ビス(ビス(1,2-ジフェニルホスフィノ)ブタン]パラジウム(II)クロリド;酢酸パラジウム(II);塩化パラジウム(II);および酢酸パラジウム(II)/トリ-o-トリルホスフィン錯体またはホスフィンとPd塩またはホスフィンとPd錯体の混合物、例えばジベンジリデンアセトン-パラジウムおよびトリ-tert-ブチルホスフィン(またはそのテトラフルオロボレート);トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)およびトリ-tert-ブチルホスフィン;またはポリマー結合Pd-トリフェニルホスフィン触媒系、例えばポリスチレン上テトラキストリフェニルホスフィンパラジウムである。
【0265】
適切な塩基は、一般に、無機化合物、例えばアルカリ金属およびアルカリ土類金属酸化物、例えば酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カルシウムおよび酸化マグネシウム、アルカリ金属およびアルカリ土類金属炭酸塩、例えば炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムおよび炭酸カルシウム、ならびにアルカリ金属重炭酸塩、例えば重炭酸ナトリウム、アルカリ金属およびアルカリ土類金属アルコキシド、例えばナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシドおよびカリウムtert-ブトキシド、さらに有機塩基、例えば第三級アミン、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンおよびN-メチルピペリジン、ピリジン、置換ピリジン、例えば、コリジン、ルチジンおよび4-ジメチルアミノピリジンならびに二環式アミンである。塩基、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、トリエチルアミンおよび重炭酸ナトリウムが特に好ましい。
【0266】
反応は、通常、不活性有機溶媒中で行われる。適切な溶媒は、脂肪族炭化水素、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサンおよび石油エーテル、芳香族炭化水素、例えば、トルエン、o-、m-およびp-キシレン、エーテル、例えば、ジイソプロピルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、ジオキサン、アニソールおよびテトラヒドロフランならびにジメトキシエタン、ケトン、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトンおよびtert-ブチルメチルケトン、ならびにジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドおよびジメチルアセトアミドである。言及される溶媒の混合物、または水もしくは少量の有機溶媒を含む水との混合物を使用することも可能である。
【0267】
反応は、通常20℃~180℃、好ましくは40℃~120℃の温度で行われる。
【0268】
反応終了後に、反応混合物を水に添加し、有機溶媒で抽出し、抽出物を濃縮するなどの従来法を使用することによって、式(XVI)の化合物を単離することができる。単離した化合物(XVI)は、必要に応じてクロマトグラフィー、再結晶などの手法によって精製することができる。
【0269】
シアノアリールボロン酸またはエステルは、市販されているか、または公知の方法によって調製することができる。
【0270】
式(XVI-II)の化合物は、国際公開第2016/151068号パンフレット、特に35頁1行~36頁8行に記載される方法と同様にして得ることができる。
【0271】
XがSOまたはSO2である式(XVI)の化合物は、XがSである式(I)の化合物を酸化することによって得ることができる。適切な酸化剤は、メタ-クロロ過安息香酸、次亜塩素酸塩または過酸化水素である。
【0272】
好ましくは、基(B1)~(B15)の各化合物が、ポリマーフィルム中で測定して少なくとも80%の蛍光量子収率を有する。
【0273】
着色剤Bおよび式(I)の化合物は、1つのフィルム層またはいくつかのフィルム層、好ましくは1つのフィルム層に含めることができる。
【0274】
本発明によって使用される色変換器は、群(B1)~(B15)の1つの着色剤または異なる群(B1)~(B15)の2つ以上の着色剤を含むことができる。異なる群(B1)~(B15)の2つ以上の着色剤を併用する場合、これらの一方の発光スペクトルと、他方の着色剤(B)の吸収スペクトルとが部分的に重なってもよい。着色剤(B)の中でも、群(B6)、(B13)および(B14)のものが好ましい。特に、群(B13)および(B14)の着色剤は、それらの発光スペクトルが式(I)の化合物の吸収スペクトルと部分的に重なるので好ましい。当業者であれば、さらなる着色剤Bの発光強度が、適量のさらなる着色剤Bを選択することによって任意の比で調整可能であることを理解するだろう。当業者であれば、追加の着色剤Bの種類および量が、第1のスペクトルを放射する光源の性質に依存することを理解するだろう。
【0275】
着色剤Bを含む色変換器を使用することによって、第1のスペクトルと比較して400~680 nm未満の範囲の波長が濃縮された第2のスペクトルを得ることが可能である。400~680 nm未満の範囲の追加の波長は、光合成に有用である。これらは、自然昼光または人工光源によって提供される1つ、2つ以上もしくは全てのスペクトルピークを置き換えるか、またはこれらを補完するために使用され得る。換言すれば、本発明によって使用される色変換器が着色剤Bを含む場合、ステップ(b)で得られた光が、植物の光合成および光形態形成に影響を及ぼす。好ましくは、追加の着色剤Bの合計と式(I)の化合物の質量比が、1:10~100:1、好ましくは1:5~50:1、より好ましくは1:4~40:1である。
【0276】
色変換器は、異なるプロセスによって製造することができる。
【0277】
1つの方法では、少なくとも1つの式(I)の化合物、ならびに所望であれば、上に定義される着色剤Bおよび添加剤を、押出によって当のポリマー中で混合する。押出機は、ポリマーが溶融し、式(I)の染料が当のポリマーに可溶化される温度で運転される。添加剤をマスターバッチに配合し、押出機に供給することもできる。組成物を最終的にダイを通って押し出して、押出物を得る。押出物を成形し、冷却し、場合によりさらに処理する。ペレット化システムを使用して、押出物を連続的に小さなペレットに形成することができる。ペレットは、フィルム、シート、ネットまたは他の波長変換材料に成形することができる。
【0278】
代替方法では、ポリマー、少なくとも1つの式(I)の化合物、ならびに所望であれば上に定義される着色剤Bおよび添加剤を適切な溶媒に溶解することができる。次いで、得られた溶液/分散液を基板、例えばガラス上にコーティングする。溶媒が乾燥した後、フィルムを基板から剥離することができる。
【0279】
式(I)の化合物は、第1のスペクトルを680~900 nmの波長を含む第2のスペクトルに部分的または完全に変換するために、本発明による方法で使用することができる。
【0280】
本発明による好ましい方法では、680~900 nmの範囲の遠赤色成分が、ステップ(b)で得られた第2のスペクトルの主成分である。
【0281】
ステップ(b)で得られた第2のスペクトルは、典型的には、青色光(300~500 nm未満)よりも遠赤色光(680~900 nm)の割合が高い。ステップ(b)で得られた第2のスペクトルは、典型的には、緑色光(500~570 nm未満)よりも遠赤色光の割合が高い。
【0282】
ステップ(b)で得られた第2のスペクトルは、典型的には、300~900 nmの波長範囲の光強度の合計に基づいて、光強度の少なくとも20%、しばしば少なくとも25%、特に少なくとも30%が680~900 nmの波長範囲にあることを特徴とする。
【0283】
好ましい実施形態によると、ステップ(b)で得られた第2のスペクトルは、青色波長範囲(300~500 nm未満)、緑色波長範囲(500~570 nm未満)、赤色波長範囲(570~680 nm未満)および遠赤色波長範囲(680~900 nm)の範囲において、園芸における先行技術の人工光と比較して、栽培されている特定の植物のニーズによりよく適合したスペクトルを提供し、特に植物の成長および発達ならびに/あるいは所望の特徴、例えば開花誘導、茎、伸長、植物物質、例えば、スクロースの濃度を有する植物の生産を導くことを可能にするスペクトルを提供する強度を有する。
【0284】
特別な実施形態では、ステップ(b)で得られた第2のスペクトルが、570~680 nm未満の波長および680~900 nmの波長および300~500 nm未満の波長を含み、570~680 nm未満の波長範囲の光強度と680~900 nmの波長範囲の光強度の合計と300~500 nm未満の波長範囲の光強度の比が、通常1:2~9:1の範囲内である。
換言すれば、
【数1】
が1:2~9:1の範囲内である。好ましくは、570~680 nm未満の波長範囲の光強度と680~900 nmの波長範囲の光強度の合計と300~500 nm未満の波長範囲の光強度の比が、2:1~7:1の範囲内である。
【0285】
さらなる特別な実施形態では、ステップ(b)で得られた第2のスペクトルが、570~680 nm未満の波長および680~900 nmの波長を含み、570~680 nm未満の波長範囲の光強度と680~900 nmの波長範囲の光強度の比が、典型的には1:4~4:1の範囲内である。好ましくは、570~680 nm未満の波長範囲の光強度と680~900 nmの波長範囲の光強度の比が、1:3~3:1の範囲、より好ましくは1:3~2.5:1の範囲内である。
【0286】
特別な実施形態では、青色波長範囲の強度が、青色、緑色、赤色および遠赤色範囲の全強度に基づいて20%未満である。さらに特別な実施形態では、緑色波長範囲の強度が、青色、緑色、赤色および遠赤色範囲の全強度に基づいて20%未満である。
【0287】
本発明による方法は、ステップ(b)で異なるスペクトルを提供することを可能にし、したがって、光の質および量を変化させることを可能にする。ステップ(b)で得られた異なるスペクトルを用いて、特定の植物の成長および発達を所望の方法で制御することができる、例えば、植物を、開花、バイオマスの増強、または作物の植物部分の高い糖濃度に向けることができる。
【0288】
各スペクトル範囲の強度の比は、式(I)の化合物の濃度、第1のスペクトルを放射する光源、色変換器の厚さ、第1のスペクトルを放射する光源からの色変換器の距離、照明される植物に対する色変換器の位置、および存在する場合は着色剤(B)の濃度を選択することによって予め決定される。
【0289】
色変換器を透過した光が光形態形成および/または光周性応答を誘因するのに十分であるが、植物を損傷するほど近くはない限り、色変換器を栽培植物から任意の距離に配置してよい。この位置は、典型的には植物から1 cm~200 cm、好ましくは2~150 cm、より好ましくは10~150 cm、最も好ましくは20~150 cmの間である。
【0290】
色変換器は、第1のスペクトルを放射する光源から離れて配置される。第1のスペクトルがLEDによって提供される場合、色変換器は光源から一定の距離に配置され、この距離は典型的には0.01~10 cmの範囲内である。好ましくは、光源と色変換器との間の距離が、0.1~8 cmの範囲内、より好ましくは0.5~7 cmの範囲内である。色変換器はまた、園芸用照明装置の一部であってもよく、園芸用照明装置は、第1のスペクトルを放射する複数の光源と、上に定義される色変換器とを備える。この場合、園芸用照明装置は、植物の少なくとも一部をステップ(b)で得られた第2のスペクトルに曝露するが、植物に損傷を与えない位置に配置される。通常、園芸用照明装置と植物の少なくとも一部との間の距離は、1 cm~2 m、好ましくは2~150 cm、より好ましくは10~150 cm、最も好ましくは20~150 cmの範囲内である。
【0291】
<ステップ(c)>
本発明の方法によるステップ(c)では、栽培植物の少なくとも一部をステップ(b)で得られた第2のスペクトルに曝露または照射する。植物の成長は、植物上の光のスペクトル組成、強度、持続時間およびタイミングに依存する。ステップ(b)で得られた光への曝露または光による照射(照明)は、植物の成長および発達過程の全期間にわたって、または植物の成長および発達の特定の段階において行われ得る。例えば、植物の一部の栄養濃度を高めるために、ステップ(b)で得られた第2のスペクトルへの曝露またはこれによる照射が、収穫前の短時間、例えば収穫の2週間前に始まり得る。植物サイクルを短縮するために、ステップ(b)で得られた第2のスペクトルへの曝露またはこれによる照射(照明)が、植物の成長および発達中の任意の時点で始まり得る。ステップ(b)で得られたスペクトルへの曝露またはこれによる照射(照明)は、24時間の1日サイクルの異なる時間に、または1日に1回、または常に行うことができる。
【0292】
自然昼光からの寄与が制限される場合に、本発明による方法を使用して、日中および/または1日の終わりに自然昼光を補うことができる。これは、植物成長段階、現在の日長および/または季節に応じて、24時間の1日サイクルの異なる時間に、または1日に1回適用することができる。
【0293】
本発明による方法を、暗い部屋で植物を栽培するために自然昼光の非存在下で使用することもできる。本発明による方法を、遠赤色領域の放射を欠く他の光源と組み合わせて植物栽培に使用することもできる。
【0294】
植物は、作物植物、医療用植物または顕花植物から選択され得る。好ましくは、植物が、アキノノゲシ属(Lactuca)種、キュウリ属(Cucumis)種、ナス属(Solanum)種、トマト属(Lycopersicon)種、トウガラシ属(Capsicum)種およびバラ属(Rosa)種である。より好ましくは、植物がトマト属(Lycopersicon)種である。
【0295】
本発明による方法は、植物の少なくとも一部に680~900 nmの波長範囲の遠赤色光、好ましくは遠赤色光と300~680 nm未満の波長範囲の光の組み合わせを照射することによって、植物/作物の成長、収量および健康を改善することを可能にする。従来の方法と比較して遠赤色波長範囲の放射が補充された本発明による方法は、自然昼光または人工照明源によって提供される光に依拠する植物栽培における制御を改善することを可能にする。特に、方法は、植物の農業特性を制御することを可能にする。これらは、花、観賞植物および野菜を栽培する場合に特に有利である制御された方法で変化させることができる。特に、植物は、トマト(Solanum lycopersicum)である。特に、本発明による方法は、先行技術の方法と比較して、より速い成長、早期開花、したがってより早いトマト(ナス属(Solanum)種、トマト属(Lycopersicon)種)の生産を可能にする。さらに、トマトの収量はより高く、先行技術の条件下で栽培されたトマトと比較して糖含有量が高いため、トマトはより甘い。
【0296】
本発明による方法は、温室または植物工場における植物の最良の成長および発達に特に適している。同様に、本発明による方法は、屋外栽培のための最良の成長および発達に特に適している。
【0297】
本発明のさらなる目的は、植物の成長および発達に有益な園芸用光を提供するための、上に定義される色変換器における式(I)のテリレンジイミド化合物の使用に関する。特に、式(I)のテリレンジイミド化合物の使用は、上に定義される植物の少なくとも1つの農業特性を改変する。
【実施例
【0298】
ここで、本発明を、限定を課すことなく、以下の実施例によってさらに詳細に説明する。
【0299】
I.調製例
使用材料:
[光源]
LED1:450 nm発光中心波長を有する青色LED、FWHM:20 nm(Philips Fortimo)
LED2:3800 KのCCTを有する白色LED(DLM Flex)
[ポリマーマトリックス材料]:
PC:ビスフェノールAとホスゲンの重縮合物に基づく透明ポリカーボネート(押出用のCovestro製Makrolon LED 2245;ドクターブレード用のMakrolon LED 2808);
PMMA:ポリメチルメタクリレート、Evonik製PMMA 6N
PS:ポリスチレン、BASF SE製PS 168 N
[散乱剤]:
二酸化チタン:TiO2ルチル顔料:Kronos(登録商標)2233-Kronos製
【0300】
[染料]
【化55】
国際公開第2005/070895号パンフレットに記載されている方法と同様に調製した。
λ最大発光:685(第1)および737(第2振動帯)nm(ポリカーボネート中0.011%)、DCM溶液中676 nm(第1の振動帯)
【0301】
【化56】
国際公開第2007/006717号パンフレットの実施例2に記載されているように調製した。
λ最大発光:746 nmおよび785 nm(ポリカーボネート中0.06%)、第1および第2の振動帯の位置、DCM溶液中744 nm(第1の振動帯)
【0302】
【化57】
ドイツのBASF SEから市販されている。
λ最大発光:615 nm(ポリカーボネート中)
【0303】
【化58】
国際公開第2012/168395号パンフレットの実施例10に記載されているように得た後、クロマトグラフィーで精製した。染料4を含む混合物をさらなるカラムクロマトグラフィーに供して、純粋な標記化合物を得た。
λ最大発光:536 nm(ポリカーボネート中)。
【0304】
分光測定
Hamamatsu製のC9920-02量子収率測定システムを使用して、600 nm(染料1)および630 nm(染料2)の励起波長で蛍光スペクトルを記録した。
【0305】
量子収率および絶対吸収の測定:
Hamamatsu製のC9920-02量子収率測定システムを用いて、分析試料の蛍光量子収率(QY)を測定した。これは、各試料を積分球(Ulbricht球)内で照明することによって行った。試料を含まないUlbricht球における参照測定と比較することによって、試料によって放射された励起光および蛍光の非吸収率をCCD分光計によって決定する。吸収されなかった励起光および放射された蛍光のスペクトルの強度の積分は、それぞれ吸収度および蛍光強度を与えるので、各試料の蛍光量子収率を計算することができる。
【0306】
試料の調製
試料を調製するために、染料、ポリマーおよびTiO2(Kronos 2233、0.5質量%)を所望の濃度によって合わせて混合した(表I参照)。濃度は、使用されるポリマーの量に対して与えられる。次いで、塩化メチレンを添加し、混合物を一晩撹拌した。溶液/分散液をドクターブレード法によってガラス表面にコーティングした。溶媒を2時間乾燥させた後、フィルムをガラスから剥離し、真空中50℃で乾燥させた。試料をホイルから切り取り、厚さは67μmであった。
【0307】
【表1】
【0308】
<染料1および染料2の色変換特性の測定>
試料を調製するために、染料1、PCおよびTiO2(Kronos 2233、0.5質量%)を所望の濃度によって合わせて混合し(表II参照)、染料2、PCおよびTiO2(Kronos 2233、0.5質量%)を所望の濃度によって合わせて混合した(表III参照)。濃度は、使用されるポリマーの量に対して与えられる。次いで、塩化メチレンを添加し、混合物を一晩撹拌した。溶液/分散液をドクターブレード法によってガラス表面にコーティングした。溶媒を2時間乾燥させた後、フィルムをガラスから剥離し、真空中50℃で乾燥させた。試料をホイルから切り取り、厚さは67μmであった。
【0309】
【表2】
【0310】
【表3】
【0311】
<光安定性の決定>
ポリマーマトリックス中の本発明によって使用される染料の光安定性を、T80値を測定することによって調べた。試料にLED2を100 mW/cm2で照射した。測定は室温で実施した。T80(日数)は、量子収率と吸収の積がその初期値の80%まで減少する時間である。この目的のために、本発明による蛍光染料および0.5質量%のTiO2がドープされたPCポリマーフィルムを上記のように調製した。結果を表IVにまとめる:
【0312】
【表4】
【0313】
<アグリライトホイル(agrilight foil)の調製>
色変換器を調製するために、Makrolonポリカーボネート、染料およびTiO2(Kronos 2233)を所望の濃度によって合わせて押し出した(表V参照)。材料の量は、ポリマーポリカーボネートの量に基づいて質量%で与える。フィルムを、押出またはドクターブレード法によって製造した。2種または3種の染料を含む色変換フィルムを調製し、測定した。C7~C10を押出成形によって、C1~C6をドクターブレード法によって調製した。以下の表Vには、マトリックスポリマーとしてPCに組み込まれた成分の濃度をまとめてある。
【0314】
【表5】
【0315】
Fortimoモジュール(450 nm、FWHM 20 nm)を光源として使用して色変換フィルムC1~C6で得られたスペクトルを図1および図2に示し、Fortimoモジュール(450 nm)を光源として使用して色変換フィルムC7~C10で得られたスペクトルを図3に示す。
【0316】
量子比例スペクトルを以下の波長範囲にわたって積分して、様々なスペクトル範囲の相対寄与を得た。色変換器C1~C6の結果を以下の表VIに示し、色変換器C7~C10の結果を表VIIに示す。丸め誤差のために、パーセンテージは合計100%にならない場合がある。表VIIはまた、市販のValoya(登録商標)ランプ(AP67)である参照光源(光源5)の光強度も含む。
【0317】
【表6】
【0318】
【表7】
【0319】
II.温室実験
トマト(トマト(Lycopersicon esculentum)「ミニベル(Minibel)」)の成長および発達に対する本発明による方法の効果を、以下の温室実験によって実証した:
【0320】
品種ミニベル(Minibel)(トマト(Lycopersicon esculentum))の種子を、汎用培養土を含有するポットに蒔いた。
【0321】
播種直後、ポットを温室に入れた。ポットは、列で均等に間隔をあけた。植物の大きさに応じて、離間距離を調整した。日中温度を22℃に設定し、夜間温度を17℃に設定した。光周期は17時間とした。暗化スクリーンを完全に閉じて、日光を排除し、したがって標的化された光処理との干渉を排除した。以下の光源を使用した:
【0322】
光源1は、色変換器C7と組み合わせて、光源としてFortimoモジュール(450 nm)を備える。
【0323】
光源2は、色変換器C8と組み合わせて、光源としてFortimoモジュール(450 nm)を備える。
【0324】
光3源は、色変換器C9と組み合わせて、光源としてFortimoモジュール(450 nm)を備える。
【0325】
光源4は、色変換器C10と組み合わせて、光源としてFortimoモジュール(450 nm)を備える。
【0326】
光源5は、参照としてのValoya(登録商標)ランプ(AP67)とした。
【0327】
トマト植物に光源3および光源4から光を照射すると、植物の開花が促進されるので、それぞれ63 DAS(播種後日数)および70 DASが必要とされた光源1、2および5と比較して、完全開花を有するために重要なトマト植物の80%以上で56日間が必要であった。光源3および4を使用すると、56 DASの光源1、2および5と比較して、より多くの花房が形成された。最も高いトマト収量は、トマト植物に光源4を照射し、引き続いて光源3を照射することによって得られた。これらの利点は、遠赤色光の量の増加に起因し得る。結果を表VIIIおよび表IXにまとめる。
【0328】
【表8】
【0329】
【表9】
【0330】
風味の良いトマトは、通常、スクロース含有量が高い。果汁のスクロース含有量は、典型的にはブリックス度で表される。1ブリックス度は、溶液100 g中1 gのスクロースに相当する。これは、液体の比重を測定する糖度計で、またはより容易に屈折計もしくはブリックス比重計で測定される。
【0331】
前記トマト植物の成熟した果実を収穫し、ブリックス度を決定した。全ての果実が同じ成熟度を有していた。トマトは、通常、3.5~5.5の範囲のブリックス度を有する。様々な照明条件下で栽培したトマトのブリックス度を表Xにまとめる。
【0332】
【表10】
【0333】
本発明による遠赤色濃縮を有するアグリホイル(agrifoil)は、遠赤色の強度がより低い先行技術の園芸用光と比較して、早期開花、したがってより早いトマトの生産および甘味に関してトマト生産にとって有益である。
図1
図2
図3