(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】押出可能なハロゲン非含有難燃性組成物
(51)【国際特許分類】
C08L 23/26 20060101AFI20240927BHJP
B32B 15/085 20060101ALI20240927BHJP
B32B 27/20 20060101ALI20240927BHJP
B32B 27/32 20060101ALI20240927BHJP
C08K 3/016 20180101ALI20240927BHJP
C08L 31/04 20060101ALI20240927BHJP
B29C 48/07 20190101ALI20240927BHJP
B29C 48/21 20190101ALI20240927BHJP
【FI】
C08L23/26
B32B15/085 Z
B32B27/20 Z
B32B27/32 Z
C08K3/016
C08L31/04 S
B29C48/07
B29C48/21
(21)【出願番号】P 2021558625
(86)(22)【出願日】2020-03-26
(86)【国際出願番号】 US2020024893
(87)【国際公開番号】W WO2020205416
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2023-03-13
(32)【優先日】2019-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(72)【発明者】
【氏名】ウルチェ、ステファン
(72)【発明者】
【氏名】バーミストロフ、スヴァヤトスラヴ
【審査官】佐藤 貴浩
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/159929(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第101463160(CN,A)
【文献】特表2001-513833(JP,A)
【文献】特開2019-059846(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00-101/14
C08K 3/00- 13/08
B32B 1/00- 43/00
B29C48/07
B29C48/21
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
190℃および2.16kgで測定して350グラム/10分(g/10分)~1000g/10分のメルトフローインデックスを有する1つ以上のポリオレフィンコポリマーであって、前記1つ以上のポリオレフィンコポリマーは無水マレイン酸グラフト化ポリオレフィ
ンを含む、1つ以上のポリオレフィンコポリマー、および
ハロゲン非含有難燃性組成物の総重量に基づいて、少なくとも83重量%の無機充填剤を含
み、前記無機充填剤はCaCO
3
を含む、ハロゲン非含有難燃性組成物。
【請求項2】
前記ハロゲン非含有難燃性組成物は、17重量%未満の1つ以上のポリオレフィンコポリマーを含む、請求項1に記載のハロゲン非含有難燃性組成物。
【請求項3】
前記ハロゲン非含有難燃性組成物は、前記ハロゲン非含有難燃性組成物の総重量に基づいて少なくとも85重量%の無機充填剤を含む、請求項1に記載のハロゲン非含有難燃性組成物。
【請求項4】
前記1つ以上の
ポリオレフィンコポリマーは、
さらにエチレン-酢酸ビニルコポリマーを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のハロゲン非含有難燃性組成物。
【請求項5】
前記組成物は、EN ISO 1716に従って測定した場合、3MJ/kg未満の燃料負荷を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のハロゲン非含有難燃性組成物。
【請求項6】
前記組成物は、EN ISO 1182に従って測定した場合、約50℃以下の炉の温度上昇、約50%以下の試料の質量損失、約20秒の試料の持続的燃焼時間を有する、
請求項1~5のいずれか一項に記載のハロゲン非含有難燃性組成物。
【請求項7】
前記無機充填剤は、BaSO4、CaSO4、ケイ酸塩、タルク、カオリン、粘土、雲母、アルミニウム三水和物、酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ハンタイト、ベーマイト、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの化合物をさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のハロゲン非含有難燃性組成物。
【請求項8】
さらに内部無機潤滑剤をさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のハロゲン非含有難燃性組成物。
【請求項9】
前記無水マレイン酸グラフト化ポリオレフィンは、177℃で測定した場合、8,000cPを超えるブルックフィールド粘度を有する無水マレイン酸グラフト化エラストマーである、請求項1~8のいずれか一項に記載のハロゲン非含有難燃性組成物。
【請求項10】
第1の金属層、
第2の金属層、
前記第1の金属層と前記第2の金属層との間に配置されるコア層、
前記第1の金属層と前記コア層との間に配置される第1の結合層、ならびに
前記第2の金属層と前記コア層との間に配置される第2の結合層、を含む複合パネルであって、
前記コア層は、請求項1~9のいずれか一項に記載のハロゲン非含有難燃性組成物を
含む、複合パネル。
【請求項11】
前記第1の金属層、前記第2の金属層、またはその両方がアルミニウムを含む、請求項
10に記載の複合パネル。
【請求項12】
前記コア層は、1mm~5mmの厚さを有する、請求項
10または
11に記載の複合パネル。
【請求項13】
前記複合パネルはユーロクラスA2耐火等級である、請求項
10~
12のいずれか一項に記載の複合パネル。
【請求項14】
請求項
10~12のいずれか一項に記載の複合パネルを製造する方法であって、
コア層を押出すこと、
前記コア層の対向面に第1および第2の結合層を適用すること、
前記複合パネルを製造するために、結合層に適用した後、第1および第2の結合層上に第1および第2の金属層をそれぞれ積層すること、を含む方法。
【請求項15】
前記第1および第2の結合層は、共押出または積層によって適用される、請求項
14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年4月3日に出願された米国仮特許出願第62/828,621号に対する優先権を主張し、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書に記載の実施形態は、一般に、ハロゲン非含有難燃性材料に関するものであり、特に、アルミニウム複合パネルのコア層で使用するためのハロゲン非含有難燃性材料に関する。
【背景技術】
【0003】
アルミニウム複合パネルは、ポリマーコアから作られ、接着性結合層でアルミニウム表面シートに結合された剛性の複合設計である。
【0004】
アルミニウム複合パネルの一般的な用途は、インフラストラクチャファサードシステム、ビジュアルディスプレイ、および輸送である。例えば、アルミニウム複合パネルは、高層ビルの露出したファサードシステムに使用できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
最近の高層ビル火災事故を受けて、建物のファサードシステムに対してより厳しい火災規制が課されている。
【0006】
アルミニウム複合パネルとその防火性能および燃料負荷は、ファサードシステムの安全性にとって重要であり得る。試験基準は、アルミニウム複合パネルのコア材料の防火性能等級によって定義される。このような等級は、コア材料の総燃焼熱(発熱量または高位発熱量(PCS)とも呼ばれる)、火災成長速度(FIGRA)、可燃性、および/または総放熱量(THR)に依存し得る。いくつかの事故において、非難燃性ポリマー複合コアの存在によって、火災事故の間にファサードシステムに火災が広がることがある。
【0007】
今日、アルミニウム複合パネルの製造業者は、ファサードシステム用に設計された難燃性パネルであって、コア材料の限定された燃焼性を規定するユーロクラスBまたはより厳しいユーロクラスA2等級を満たすように設計された難燃性パネルを供給している。パネルが世界的に製造され販売されるにつれて、ユーロクラスA2は、世界的な要件になりつつある。
【0008】
現在、ユーロクラスA2の火災安全性を満たすコア材料は、ダブルバンドプレス上での焼結によって加工されており、これは多くの場合、水性バインダー系中の無機の不燃性成分のスラリーから得られる。しかしながら、焼結法は比較的遅く高価であり、シートの取り扱いが比較的困難である。さらに、高充填レベルの焼結コア材料は、通常、機械的強度が低い。さらに、焼結プロセスは特定の製造装置を必要とする場合がある。一方、従来の非ユーロクラスA2定格の複合パネルは、シート押出ラインを使用して製造し得る。しかしながら、83重量%を超える無機充填剤含有量を有するポリオレフィン系配合物については、押出しまたは直接押出は困難であるか、または不可能である。この文脈での直接押出には、1つの加工工程において、配合プロセスと最終成形とを組み合わせて平坦なシートにすることを含む。
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって、アルミニウム複合パネル用のユーロクラスA2等級のコア材料の製造において押出が可能な組成物が必要とされている。本開示の実施形態は、190℃および2.16kgで測定して350グラム/10分(g/10分)~1000g/10分のメルトフローインデックスを有する1つ以上のポリオレフィンコポリマーと、ハロゲン非含有難燃性組成物の総重量に基づいて83重量%を超える無機充填剤とを含む組成物を提供することによって、これらの必要性を満たす。
【0010】
83重量%を超える無機充填剤を含有させることにより、ユーロクラスA2定格を満たすことができると考えられ、これはEN ISO 1716に従った製剤のPCSが3MJ/kg未満であることを意味する。83重量%以上の充填剤レベルで、開示された組成物のポリマー主鎖は、アルミニウム複合パネルの経済的かつ効率的な製造プロセスにおいてコア層として利用され得る押出可能な組成物を可能とし得る。さらに、本開示の実施形態は、従来の焼結されたユーロクラスA2定格の組成物と比較した場合、改善された機械的強度および柔軟性を可能にし得る。
【0011】
本開示の少なくとも1つの実施形態によれば、ハロゲン非含有難燃性組成物が提供される。ハロゲン非含有難燃性組成物の実施形態とは、190℃および2.16kgで測定して350グラム/10分(g/10分)~1000g/10分のメルトフローインデックスを有する1つ以上のポリオレフィンコポリマーを含み、この1つ以上のポリオレフィンコポリマーは、無水マレイン酸グラフトポリオレフィン、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、およびタルク、CaCO3、水酸化マグネシウム、アルミニウム三水和物、二酸化ケイ素、シロキサン、または雲母のうちの1つ以上を、ハロゲン非含有難燃性組成物の総重量に基づいて、83重量%を超える無機充填剤を含む。
【0012】
本開示の少なくとも1つの実施形態によると、複合パネルが提供される。複合パネルの実施形態は、第1金属層、第2金属層、第1金属層と第2金属層との間に配置されたコア層、第1金属層とコア層との間に配置された第1結合層、および第2金属層とコア層との間に配置された第2結合層を含むことができ、コア層は本明細書に記載されたハロゲン非含有難燃性組成物を含む。
【0013】
本開示の少なくとも1つの実施形態によれば、複合パネルを製造する方法が提供される。本方法の実施形態は、複合パネルを製造するために、コア層を押出す工程と、コア層の対向する表面に第1の結合層および第2の結合層を適用する工程と、コア層に適用した後に、第1の結合層および第2の結合層にそれぞれ第1の金属層および第2の金属層を積層する工程とを含むことができ、コア層は、本明細書に記載されるハロゲン非含有難燃性組成物を含む。
【0014】
これらのおよび他の実施形態を、以下の発明の詳細な説明においてより詳しく記載する。
【0015】
本開示の特定の実施形態の以下の詳細な説明は、以下の図面と併せて読むと最も良く理解することができ、これらの図面では、同様の構造体が同様の参照番号で示される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本明細書に記載される実施形態による、複合パネルの実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
ここで、本出願の特定の実施形態を説明する。これらの実施形態は、本開示が詳細かつ完全であり、当業者に主題の範囲を完全に伝えるように提供される。
【0018】
「ポリマー」という用語は、同じタイプまたは異なるタイプにかかわらず、モノマーを重合することによって調製されるポリマー化合物を指す。したがって、一般的な用語のポリマーは、「ホモポリマー」という用語を包含し、それは通常は、1つのタイプのモノマーのみから調製されるポリマーを指し、「コポリマー」は、2つ以上の異なるモノマーから調製されるポリマーを指す。本明細書で使用される場合、「インターポリマー」という用語は、少なくとも2つの異なるタイプのモノマーの重合によって調製されるポリマーを指す。したがって、一般用語のインターポリマーは、ターポリマー等の2つを超える異なるタイプのモノマーから調製されたコポリマーまたはポリマーを含む。
【0019】
本明細書で使用される場合、「ポリオレフィン」または「オレフィン系ポリマー」は、エチレン系ポリマーおよびプロピレン系ポリマーを含み得る。
【0020】
「ポリエチレン」または「エチレン系ポリマー」は、エチレンモノマー由来の単位を50モル%を超えて含むポリマーを意味するものとする。これには、エチレン系ホモポリマーまたはコポリマー(2つ以上のコモノマー由来の単位を意味する)が含まれる。当技術分野で知られているエチレン系ポリマーの一般的な形態としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(Ultra Low Density Polyethylene:ULDPE)、極低密度ポリエチレン(Very Low Density Polyethylene:VLDPE)、直鎖状および実質的に直鎖状の低密度樹脂(m-LLDPE)の両方を含むシングルサイト触媒による直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン(MDPE)、および高密度ポリエチレン(HDPE)が挙げられるが、それらに限定されない。
【0021】
「ポリエチレン」または「プロピレン系ポリマー」は、プロピレンモノマー由来の単位を50モル%を超えて含むポリマーを意味するものとする。これには、プロピレン系ホモポリマーまたはコポリマー(2つ以上のコモノマー由来の単位を意味する)が含まれる。当該技術分野で既知のエチレン系ポリマーの一般的な形態にとしては、耐衝撃性ポリプロピレンコポリマーicPP、ランダムコポリマーrcPP、ポリプロピレンホモポリマーhPP、エチレン-プロピレンコポリマー(POEプラストマー)、ポリプロピレン反応器ブレンドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0022】
本明細書に記載されるようなハロゲン非含有難燃性組成物の実施形態を詳細に参照する。ハロゲン非含有難燃性組成物の実施形態は、190℃および2.16kgで測定して350グラム/10分(g/10分)~1000g/10分のメルトフローインデックスを有する1つ以上のポリオレフィンコポリマーを含み、この1つ以上のポリオレフィンコポリマーは、無水マレイン酸グラフトポリオレフィン、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、またはそれらのブレンド、およびタルク、CaCO3、水酸化マグネシウム、アルミニウム三水和物、二酸化ケイ素、シロキサン、または雲母のうちの1つ以上を含み得る、ハロゲン非含有難燃性組成物の総重量に基づいて、83重量%を超える無機充填剤を含む。
【0023】
実施形態では、本明細書に記載のハロゲン非含有難燃性組成物は、1つ以上のポリオレフィンコポリマーを含み得る。いくつかの実施形態では、ハロゲン非含有難燃性組成物は、ハロゲン非含有難燃性組成物の総重量に基づいて、17重量%未満の1つ以上のコポリマーを含み得る。他の実施形態では、ハロゲン非含有難燃性組成物は、約10重量%~約17重量%、約10重量%~約15重量%、約10重量%~約13重量%、約10重量%~約11重量%、約11重量%~約17重量%、約11重量%~約15重量%、約11重量%~約13重量%、約13重量%~約17重量%、約13重量%~約15重量%、または約15重量%~約17重量%の1つ以上のコポリマーを含み得る。
【0024】
実施形態において、1つ以上のポリオレフィンコポリマーは、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、無水マレイン酸グラフト化ポリマー、無水マレイン酸コポリマー、エチレン-アクリルまたはエチレン-メタクリル酸コポリマー、またはエチレンのコポリマー(エチル-、メチル-、ブチル-)アクリレート、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0025】
実施形態では、本明細書に記載されるハロゲン非含有難燃性組成物は、1つ以上のポリオレフィンコポリマーを含み得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のポリオレフィンコポリマーは、無水マレイン酸グラフト化ポリオレフィンを含み得る。
【0026】
実施形態では、無水マレイン酸グラフト化ポリオレフィンは、無水マレイン酸グラフト化モノマーがグラフト化されたエチレン系ポリマーであり得る。無水マレイン酸グラフト化ポリオレフィンにおいて好適なエチレン系ポリマーとしては、ポリエチレンホモポリマーおよびα-オレフィンとのコポリマー、エチレンおよび酢酸ビニルのコポリマー、ならびにエチレンおよび1つ以上のアルキル(メタ)アクリレートのコポリマーが挙げられるが、限定されない。特定の実施形態では、無水マレイン酸グラフト化ポリオレフィンは、無水マレイン酸グラフト化直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、無水マレイン酸グラフト化ポリエチレンエラストマー、またはそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含み得る。
【0027】
実施形態において、無水マレイン酸グラフト化ポリオレフィンは、無水マレイン酸グラフト化モノマーがグラフト化されたプロピレン系ポリマーであり得る。無水マレイン酸グラフト化ポリオレフィンにおいて好適なプロピレン系ポリマーとしては、プロピレンホモポリマーおよびα-オレフィンとのコポリマー、エチレンおよび酢酸ビニルのコポリマー、ならびにエチレンおよび1つ以上のアルキル(メタ)アクリレートのコポリマーが挙げられるが、限定されない。特定の実施形態では、無水マレイン酸グラフト化ポリオレフィンは、無水マレイン酸グラフト化ポリプロピレン、無水マレイン酸グラフト化ポリプロピレン-エチレンプラストマー、またはそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含み得る。
【0028】
エチレン系ポリマーがポリエチレンホモポリマーまたはエチレンと1つ以上のα-オレフィンとのコポリマーである場合、エチレン系ポリマーは、直鎖状または実質的に直鎖状であり得る。脂肪族または芳香族のいずれかであり得る好適なα-オレフィンコモノマーは、C3~C20α-オレフィン、C3~C16α-オレフィン、またはC3~C10α-オレフィンを含み得る。1つ以上の実施形態では、α-オレフィンは、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセンおよび1-オクテンからなる群から選択されるC3~C10脂肪族α-オレフィンであり得る。実施形態では、α-オレフィンは、プロピレンである。
【0029】
理論に束縛されることなく、無水マレイン酸グラフト化ポリオレフィンは無機充填剤と相互作用して、滴下が低減され得るため、改善された機械的特性および改善された防火性能を有するハロゲン非含有難燃性組成物を提供し得ると考えられる。
【0030】
1つ以上の実施形態では、無水マレイン酸グラフト化ポリオレフィンは、無水マレイン酸グラフト化ポリオレフィンの総重量に基づいて、約0.1重量%~約10重量%、約0.1重量%~約5重量%、0.5重量%~重量%、約0.1重量%~約1.8重量%、または約0.1重量%~約0.5重量%の無水マレイン酸グラフト化モノマーを含む。エチレン系ポリマーの重量パーセントは、無水マレイン酸グラフト化モノマーの量と相補的であるため、エチレン系ポリマーと無水マレイン酸グラフト化モノマーの重量パーセントの合計は100重量%である。したがって、無水マレイン酸グラフト化ポリオレフィンは、無水マレイン酸グラフト化ポリオレフィンの総重量に基づいて、最大90重量%、最大95重量%、または96~99重量%のエチレン系ポリマーを含む。
【0031】
1つ以上の実施形態では、無水マレイン酸グラフト化ポリオレフィンのメルトインデックス(I2)は、ASTM D1238に従って、190℃および2.16kgで測定して、約350グラム~約1000グラム/10分(g/10分)、または約400g/10分~約800g/10分、約400g/10分~約600g/10分、約500~約1000グラム/10分(g/10分)、または約500g/10分~約800g/10分、約500g/10分~約600g/10分、約600g/10分~約1000g/10分、約600g/10分~約800g/10分、または約800g/10分~約1000g/10分であり得る。
【0032】
さらなる態様では、無水マレイン酸グラフト化ポリオレフィンは、約0.910g/立方センチメートル(g/cc)未満、約0.860g/cc~約0.910g/cc、約0.860g/cc~約0.900g/cc、約0.860g/cc~約0.890g/cc、約0.860g/cc~約0.880g/cc、約0.860g/cc~約0.870g/cc、約0.870g/cc~約0.910g/cc、約0.870g/cc~約0.900g/cc、約0.870g/cc~約0.890g/cc、約0.870g/cc~約0.880g/cc、約0.880g/cc~約0.910g/cc、約0.880g/cc~約0.900g/cc、約0.880g/cc~約0.890g/cc、約0.890g/cc~約0.910g/cc、約0.890g/cc~約0.900g/cc、または約0.900g/cc~約0.910g/ccの密度を有する。実施形態では、無水マレイン酸グラフトポリオレフィンは、177℃で測定した場合、ブルックフィールド粘度が8,000cPを超えるか、または約8,000cP~約20,000cPである無水マレイン酸グラフト化ポリオレフィンエラストマーであり得る。
【0033】
様々な商業的実施形態が好適であると考えられる。例えば、好適な無水マレイン酸グラフト化ポリオレフィンは、例えば、商標名AFFINITY(商標)GA 1000RおよびFUSABOND(商標)P353Dの下で、Dow Chemical Companyから商業的に入手し得る。
【0034】
ハロゲン非含有難燃性組成物内では、様々な量の無水マレイン酸グラフト化ポリオレフィンが好適であると考えられる。実施形態では、ハロゲン非含有難燃性組成物は、ハロゲン非含有難燃性組成物の総重量に基づいて、17重量%以下の無水マレイン酸グラフト化ポリオレフィンを含み得る。他の実施形態では、ハロゲン非含有難燃性組成物は、ハロゲン非含有難燃性組成物の総重量に基づいて、約5重量%~約15重量%、約5重量%~約10重量%、約10重量%~約15重量%、または約10重量%~約17重量%の無水マレイン酸グラフト化ポリオレフィンを含み得る。
【0035】
前述したように、実施形態では、本明細書に記載されるハロゲン非含有難燃性組成物は、1つ以上のポリオレフィンコポリマーを含み得る。実施形態では、本明細書に記載されるハロゲン非含有難燃性組成物は、エチレン-酢酸ビニルコポリマー(EVA)を含み得る。エチレン-酢酸ビニルコポリマーは、エチレンおよび酢酸ビニルなどのエチレン系ポリマーである。実施形態では、エチレン-酢酸ビニルコポリマーは、エチレン-酢酸ビニルコポリマーの総重量に基づいて、約20重量%~約90重量%のエチレン、および約10重量%~約80重量%の酢酸ビニルを含み得る。他の実施形態では、エチレン-酢酸ビニルコポリマーは、エチレン-エチレン-酢酸ビニルコポリマーの総重量に基づいて、約20重量%~約80%重量%、約20重量%~約60重量%、約20重量%~約40重量%、約20重量%~約30重量%、約20重量%~約25重量%、約25重量%~約90重量%、約25重量%~約80%重量%、約25重量%~約60重量%、約25重量%~約40重量%、または約25重量%~約30重量%の1つ以上のエチレンを含み得る。
【0036】
他の実施形態では、1つ以上のポリオレフィンコポリマーは、エチレン系であってよく、アクリレートまたはメタクリレート基を含み得る。実施形態では、1つ以上のポリオレフィンコポリマーは、エチレン-アクリルまたはエチレン-メタクリル酸コポリマー、エチレン(エチル-、メチル-、ブチル-)のコポリマー、アクリレート、またはそれらの組み合わせを含み得る。これらのコポリマーは、実施形態では、約20重量%~約90重量%のエチレン、および約10重量%~約80重量%の共重合官能基を含み得る。他の実施形態では、コポリマーは、コポリマーの総重量に基づいて、約20重量%~約80%重量%、約20重量%~約60重量%、約20重量%~約40重量%、約20重量%~約30重量%、約20重量%~約25重量%、約25重量%~約90重量%、約25重量%~約80%重量%、約25重量%~約60重量%、約25重量%~約40重量%、または約25重量%~約30重量%のエチレンを含み得る。
【0037】
それらの化学組成物の性質により、エチレン-酢酸ビニルコポリマーおよび他のコポリマーは、ポリエチレンホモポリマーと比較してより低い発熱量(PCS)を有すると考えられている。したがって、エチレン-酢酸ビニルコポリマーおよび他のコポリマーは、本明細書に記載されるハロゲン非含有難燃性組成物における発熱量への寄与が少ないと考えられている。これにより、ハロゲン非含有難燃性組成物の実施形態は、1つ以上のポリオレフィンコポリマーのより高い画分を含むことが可能になり得、これは、改善された加工性を提供する。
【0038】
1つまたは複数の実施形態において、エチレン-酢酸ビニルコポリマーのメルトインデックス(I2)は、ASTM D1238に従って、190℃および2.16kgで測定して、約350~約1000グラム/10分(g/10分)、約400~約1000g/10分、約500g/10分~約1000g/10分、約500g/10分~約800g/10分、約500g/10分~約600g/10分、約600g/10分~約1000g/10分、約600g/10分~約800g/10分、または約800g/10分~約1000g/10分であり得る。
【0039】
さらなる実施形態では、エチレン-酢酸ビニルコポリマーは、ASTM法第D792-91に従って測定して、約0.955グラム/立方センチメートル(g/cc)未満、または約0.860~約0.955g/ccの密度を有する。他の密度範囲は、約0.870~約0.950g/cc、または0.875~約0.950g/ccであり得る。
【0040】
様々な商業的実施形態が好適であると考えられる。例えば、好適なエチレン-酢酸ビニルコポリマーは、商標名ELVAX(商標)の下でE.I.du Pont de Nemours and Companyから商業的に入手し得る。さらなる実施形態では、好適なエチレン-酢酸ビニルコポリマーは、商標名ELVAX(商標)210Wの下で、E.I.du Pont de Nemours and Companyから商業的に入手し得る。
【0041】
様々な量のエチレン-酢酸ビニルコポリマーは、ハロゲン非含有難燃性組成物内で好適であると考えられる。実施形態では、ハロゲン非含有難燃性組成物は、ハロゲン非含有難燃性組成物の総重量に基づいて、17重量%以下のエチレン-酢酸ビニルコポリマーを含み得る。他の実施形態では、ハロゲン非含有難燃性組成物は、ハロゲン非含有難燃性組成物の総重量に基づいて、約5重量%~約15重量%、約5重量%~約10重量%、約10重量%~約15重量%、約10重量%~約17重量%のエチレン-酢酸ビニルコポリマーを含み得る。
【0042】
実施形態では、本明細書に記載されるハロゲン非含有難燃性組成物は、本明細書で集合的に「充填剤」と呼ばれ得る様々な充填剤材料を含み得る。充填材料は、無機充填剤を含み得る。無機充填剤としては、CaCO3、BaSO4、CaSO4、ケイ酸塩、タルク、カオリン、粘土、雲母、二酸化ケイ素、無機難燃剤、およびそれらの組み合わせが挙げられる。無機難燃剤としては、アルミニウム三水和物、酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ハンタイト、ベーマイトおよびそれらの助剤が挙げられる。実施形態では、焼成粘土、グラフェンおよびポリホスホネートを含む膨張性難燃剤を利用し得る。充填材料は、ホスホネート、ホスファイト、メラミンまたはヒンダードアミンなどのラジカルスカベンジャー難燃剤を含み得る。さらなる実施形態では、無機充填剤は、無水無機充填剤または少なくとも大部分が無水無機充填剤(重量で)であり得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、充填剤は、ハロゲン非含有難燃性組成物中の充填剤の総重量に基づいて、約51重量%~約100重量%、約51重量%~約80重量%、約51重量%~約60重量%、約60重量%~約100重量%、約60重量%~約80重量%、または約80重量%~約100重量%の無水無機充填剤を含み得る。
【0044】
理論に束縛されることなく、充填剤の難燃性は、充填剤に放出される水の量に依存し得ると考えられています。いくつかの実施形態では、充填剤含有量は、比較的少ない水を放出する無水無機充填剤の大部分を含み得る。一般に、水が放出されると、生成された蒸気が温度を下げ、燃焼を遅らせるため、それは火災の安全性に寄与する。アルミニウム複合パネルの場合、水蒸気の放出により複合パネルの層間剥離が発生し、構造上の問題が発生して火災が発生する危険性がある。充填剤と難燃剤のパッケージの選択は、最終製品の設計に依存し得る。
【0045】
充填剤の選択は、充填剤の粒径および粒径分布によって影響を受ける可能性があり、これは、ハロゲン非含有難燃性組成物の加工、物理的特性、および防火性能に影響を与え得る。粒径を減少させることで、溶融粘度が増加し、加工性が低下するが、引裂抵抗、引張強度および破断伸びは改善される。水放出性難燃剤の場合、より均一な水の放出によって燃焼挙動が改善される可能性がある。液滴の燃焼が問題となる場合、粒子が細かいほど滴下挙動が低減するため、防火性能が改善され得る。
【0046】
充填剤の選択は、表面コーティングおよび表面形状の影響を受け得る。シラン、ポリオレフィンワックスおよびステアリン酸カルシウムを含むがこれらに限定されない表面コーティングは、内部または外部潤滑剤として作用することによって充填剤の加工挙動を改善することができ、それによって粘度を低下させることができる。しかしながら、有機表面コーティングは、燃料負荷に寄与する可能性があるため、充填剤の防火性能を低下させ得る。機能性充填剤コーティングは、ポリマーの官能基またはポリマー自体と相互作用して、物理的特性ならびに滴下に関する防火性能を改善し得る。理論に束縛されることなく、球状形態は、プレートまたはフレークと比較して、コア充填剤組成物の粘度を増加させないと考えられている。球形の構造は、例えば特定の二酸化ケイ素のように加工助剤として機能し得るが、粗い充填剤および粉砕された充填剤は加工挙動を悪化させ得る。
【0047】
本明細書に記載されるハロゲン非含有難燃性組成物は、ハロゲン非含有難燃性組成物の総重量に基づいて、83重量%を超える充填剤を含み得る。他の実施形態では、ハロゲン非含有難燃性組成物は、ハロゲン非含有難燃性組成物の総重量に基づいて、約83重量%~約91重量%、約83重量%~約89重量%、約83重量%~約88重量%、約83重量%~約87重量%、約83重量%~約86重量%、約83重量%~約85重量%、約83重量%~約84重量%、約85重量%~約90重量%、約85重量%~約89重量%、約85重量%~約88重量%、約85重量%~約87重量%、約85重量%~約86重量%、約86重量%~約90重量%、約86重量%~約89重量%、約86重量%~約88重量%、約86重量%~約87重量%、約87重量%~約90重量%、約87重量%~約89重量%、約87重量%~約88重量%、約88重量%~約90重量%、約88重量%~約89重量%、または約89重量%~約90重量%の充填剤を含み得る。
【0048】
本明細書に記載されるハロゲン非含有難燃性組成物は、内部無機潤滑剤を含み得る。いくつかの実施形態では、無機内部潤滑剤は、オルガノシロキサンおよびアモルファス二酸化ケイ素を含み得る。理論に束縛されることなく、内部無機潤滑剤は、ハロゲン非含有難燃性組成物中の成分の分散を改善し、それによって比較的良好な流れが可能となり、より高い押出速度および最終製品のより滑らかな表面を可能にし得る。無機内部潤滑剤の例としては、Elkem Silicon Materialsによって供給されるSidistar T120U二酸化ケイ素またはDow Chemical CompanyのSiloxane SFD-5が挙げられるが、これらに限定されない。
【0049】
1つ以上の実施形態では、本明細書に記載されるハロゲン非含有難燃性組成物は、それがユーロクラスA2耐火等級を達成することを可能にする特性を有し得る。
【0050】
さらに、本明細書に記載されるハロゲン非含有難燃性組成物は、本開示の試験方法の項で後述するように、EN ISO 1716に従って測定した場合、3MJ/kg未満の燃料負荷(総発熱量(PCS)とも称され得る)を有し得る。他の実施形態では、本明細書に記載されるハロゲン非含有難燃性組成物は、EN ISO 1716に従って測定した場合、2.5MJ/kg未満または2.0未満の燃料負荷または総発熱量(PCS)を有し得る。
【0051】
さらに、本明細書に記載されるハロゲン非含有難燃性組成物は、本開示の試験方法の項で後述するように、EN ISO 1182に従って測定した場合、ユーロクラスA2要件を満たす燃焼性等級を有し得る。欧州の分類で使用される量は、炉の温度上昇(ΔT)、試料の質量損失(Δm)、および試料の持続的燃焼時間(tf)である。ユーロクラスA2の要件を満たすために、本明細書に記載されるハロゲン非含有難燃性組成物は、約50℃以下のΔT(温度)、約50%以下のΔm(質量)、および20秒未満のtf(燃焼時間)を有し得る。
【0052】
本明細書に記載されるハロゲン非含有難燃性組成物は、本開示の試験方法の項で後述するように、EN ISO 13823に従って測定した場合、ユーロクラスA2要件を満たす総放熱量を有し得る。EN ISO 13823の分類パラメータは、試験の最初の600秒(s)の間に発生する液滴および粒子の燃焼における、火炎成長速度指数(FIGRA)(W/sで測定)、横方向火炎拡散(LFS);総放熱量(THR600s)、煙成長速度指数(SMOGRA)(m2/s2で測定)、総煙生成量(TSP600s)を含む。ユーロクラスA2の要件を満たすために、本明細書に記載されるハロゲン非含有難燃性組成物は、約120W/s以下のFIGRA、試験片の縁部未満のLFS、および約7.5MJ以下のTHS600sを有し得る。
【0053】
本開示の実施形態によれば、本明細書に記載されるハロゲン非含有難燃性組成物の実施形態を含む複合パネルが提供される。
【0054】
ここで
図1の実施形態を参照すると、複合パネル(100)は、第1金属層(110)と、第2金属層(110)と、第1金属層(110)と第2金属層(130)との間に配置されたコア層(130)と、第1金属層(110)とコア層(110)との間に配置された第1結合層(120)と、第2金属層(110)とコア層(130)との間に配置された第2結合層(120)とを含み得る。
【0055】
実施形態では、第1の金属層(100)、第2の金属層(200)、またはその両方は、アルミニウム、ステンレス鋼、塗装鋼、チタン、銅、亜鉛、またはそれらの組み合わせを含み得る。実施形態では、第1の金属層、第2の金属層、またはその両方は、約0.2mm~約0.5mmの幅を有し得る。他の実施形態では、第1の金属層、第2の金属層、またはその両方は、約0.2mm~約0.4mm、約0.2mm~約0.3mm、約0.3mm~約0.5mm、約0.3mm~約0.4mm、または約0.4~約0.5mmの幅を有し得る。
【0056】
実施形態では、接着性結合層は、1つ以上の接着性樹脂を含み得る。実施形態では、接着性結合層は、MAHグラフト化ポリオレフィンホモまたはインターポリマーを含み得る。金属複合パネルの製造に基づいて、接着性結合層は、共押出されるか、またはフィルム積層によって適用され得る。製造プロセスおよび最終製品の要件に応じて、接着性結合層は、低結晶性ポリオレフィンエラストマーに基づくか、または比較的結晶性の高い線状低密度ポリエチレン構造を有し得る。防火性能の要件に応じて、接着性結合層には、無機充填剤または難燃剤が配合され得る。接着性結合層には、様々な商業的実施形態が好適であると考えられる。例えば、第1および第2の結合層として利用され得る好適な接着性樹脂は、Dow Chemical Company E.I.du Pont de Nemours and Companyから商標名Bynel(登録商標)、LyondellBasellからLucalen A 2920 M、およびGuangzhou Lushan New Materials Co.,Ltd.からLushanで商業的に入手し得る。
【0057】
1つ以上の実施形態では、第1の接着性結合層、第2接着性結合層、またはその両方は、約20μm~約100μmの厚さを有し得る。他の実施形態では、第1の接着性結合層、第2の接着性結合層、またはその両方は、約20μm~約90μm、約20μm~約80μm、約20μm~約60μm、約20μm~約40μm、約30μm~約100μm、30μm~約80μm、約30μm~約60μm、約30μm~約40μm、約40μm~約100μm、約40μm~約80μm、約40μm~約60μm、約60μm~約100μm、約60μm~約80μm、または約80μm~約100μmの幅を有し得る。
【0058】
実施形態では、コア層(300)は、本明細書に記載されるハロゲン非含有難燃性組成物の実施形態を含み得る。実施形態では、コア層は、約1mm~約5mmの幅を有し得る。他の実施形態では、コア層は、約2mm~約4mm、約2mm~約3mm、約3mm~約5mm、約3mm~約4mm、または約4mm~約5mmの幅を有し得る。
【0059】
実施形態では、本明細書に記載される複合パネルは、コア層(130)の特性に基づいて、ユーロクラスA2の耐火等級を達成し得る。
【0060】
本明細書に記載されるハロゲン非含有難燃性組成物を含む複合パネルの実施形態を製造する方法は、コア層の押出を含み得る。本明細書に記載されるハロゲン非含有難燃性組成物の実施形態を含む、押出可能なコア層材料を提供することにより、依然としてユーロクラスA2耐火等級を満たす複合パネルの製造のための経済的かつ単純なプロセスを可能にし得ると考えられる。
【0061】
実施形態では、複合パネルは、本明細書に記載されるハロゲン非含有難燃性組成物の実施形態を平面スリットダイで押出し、ローリングプレスで組成物を成形してコア層(130)を成形し、最終寸法を加工することによって製造され得る。次に、コア層(130)は、積層工程にインラインで供給され得るか、または後の加工のために圧延され得る。さらなる実施形態では、複合パネルを製造する方法は、第1の結合層(120)および第2の結合層(120)をコア層(130)上に共押出することを含み得る。他の実施形態では、複合パネルを製造する方法は、第1の結合層(120)および第2の結合層(120)をコア層(130)上に積層することを含み得る。実施形態では、複合パネルを製造する方法は、第1の金属層(110)および第2の金属層(110)を第1の結合層(120)および第2の結合層(120)上にインラインで積層し、それによって複合パネル(100)を製造することを含み得る。
【0062】
さらなる実施形態では、コア層(130)に用いられるハロゲン非含有難燃性組成物は、1つ以上の予備配合工程を含み得る。理論に拘束されることなく、1つ以上の予備配合工程は、コア層(100)の直接押出におけるポリオレフィン系の加工性および適合性を改善し得る。直接押出中に、追加の充填剤を、ハロゲン非含有難燃性組成物の溶融プレ化合物(または「前バッチ」)にサイドフィーダーによって供給することができ、複合パネルの製造においてより多くの工程が可能となる。
【0063】
試験方法
【0064】
本明細書で使用される試験方法には、以下を含む。
【0065】
ユーロクラスシステム標準
【0066】
ユーロクラスシステムは、建築要素の耐火性を試験するための仕様、試験プロトコルおよびガイドラインを公開する標準化団体である。ユーロクラスシステムでは、建築製品は、燃焼に対する反応特性に基づいて7つのクラスに分類される。建設製品(フローリングを除く)の試験方法と分類基準を以下の表1にまとめる。
【表1】
【0067】
不燃性試験-EN ISO 1182
【0068】
不燃性試験EN ISO1182の目的は、火災に寄与し得ない製品を特定することである。EN ISO 1182を実施するために、円筒形状の試験片を約750℃の温度を有する垂直管状炉に挿入する。試料の燃焼の可能性による温度変化は、熱電対で監視する。試料の燃焼時間を視覚的に観察する。試験後、試験片の質量損失を測定する。
【0069】
欧州の分類で使用される量は、炉の温度上昇(ΔT)、試料の質量損失(Δm)、および試料の持続的燃焼時間(tf)である。
【0070】
総発熱量試験-EN ISO 1716
【0071】
総発熱量(PCS)試験EN ISO 1716を使用して、完全に燃焼した際の製品の潜在的な最大総放熱量(MJ/kgまたはMJ/m2で測定)を決定できる。EN ISO 1716では、水ジャケットで囲まれた密閉された鋼製シリンダー(熱量計ボンベ)内の加圧酸素雰囲気中で粉末試験試料に点火し、燃焼中の水の温度上昇を測定する。次に、総発熱量は、温度上昇、試料の質量、および補正係数に基づいて計算し得る。
【0072】
単一燃焼項目試験-EN 13823
【0073】
単一燃焼項目(SBI)EN 13823試験は、単一燃焼項目をシミュレートするために使用され得る。EN 13823では、試験試料は、不燃性ボードで作製された2つの垂直翼を備えた試料ホルダーに取り付けられる。1.0m×1.5mおよび0.5m×1.5mの寸法の試料ホルダー翼は、直角のコーナー構成を形成する。試験される試料の最終的な用途と用途に応じて、試料は基板上で、またはスタンドアロン製品として試験され得る。試料の表面上の熱暴露は、試料の翼によって形成された底部のコーナーに配置された直角三角形のプロパンガスバーナーによって生じる。バーナーの熱出力は30kWであり、約300cm2の面積で約40kW/m2の最大熱暴露が得られる。バーナーは、単一の燃焼項目をシミュレートする。試験中に発生した燃焼ガスは、フードによって収集され、センサを装備した排気ダクトに吸い込まれて、温度、光減衰、O2およびCO2のモル分率ならびにダクト内の流れ誘導圧力差を測定する。
【0074】
試料の性能は、20分間の暴露期間で評価される。試験中、放熱速度(HRR)は、酸素消費量熱量測定を使用して測定される。煙生成速度(SPR)は、光減衰に基づいて排気ダクト内で測定される。燃焼液滴または粒子の落下は、試料への熱暴露の最初の600秒間で視覚的に観察される。さらに、横方向の火炎拡散を観察して、試験中に火炎前面が500ミリメートル(mm)~1000mmの間の任意の高さでより大きな試料の翼の外縁に到達するかどうかを判定する。
【0075】
SBI試験の分類パラメータは、火炎成長速度指数(FIGRA)(W/s)、横方向火炎拡散(LFS)、総放熱量(THR600s)である。追加分類パラメータは、煙生成に関しては煙成長速度指数(SMOGRA)(m2/s2)および総煙生成量(TSP600s)として定義され、試験の最初の600秒間(s)で発生する液滴および粒子の燃焼に関して定義される。
【0076】
FIGRAおよびSMOGRA項目は、以下のように計算される。
【数1】
ここで、HRRavは30秒間にわたる平均放熱速度(kW)であり、SPRavは60秒間にわたる平均煙発生速度(m
2/s)であり、tは試験開始後の経過時間(s)、即ちバーナーの点火後の経過時間である。定係数がパラメータの定義に追加され、便利な数値範囲が得られる。FIGRA計算において、異なる放熱関連閾値を異なるクラスで使用して、FIGRA
0.2MJおよびFIGRA
0.4MJ値が得られる。また、SMOGRAの計算には、すべての煙生成クラスに共通する特定の煙生成関連閾値が含まれる。
【0077】
THR
600sおよびTSP
600sの値は、試験の最初の600秒間にわたって以下のように計算される。
【数2】
ここで、HRR(t)およびSPR(t)は、時間の関数としての放熱速度および煙生成速度(それぞれ、kWおよびm
2/s)であり、Δtは測定のデータ取得間隔(s)である。THR
600sとTSP
600sの単位は、それぞれ、MJおよびm
2である。
【0078】
着火性試験-EN ISO 11925-2
【0079】
着火性試験EN ISO 11925-2は、試料への小さな火炎の直接衝突を試験するために使用され得る。EN ISO 11925-2では、250mm×90mmの寸法の試験試料がU字型の試料ホルダーに垂直に取り付けられる。高さ20mmのプロパンガス炎を45°の角度で試料に接触させる。適用点は、表面中心線の底縁から40mm上(表面露出)か、または底縁の幅の中心(縁部露出)のいずれかである。濾紙を試料ホルダーの下に配置し、燃焼片の落下を監視する。
【0080】
製品のクラスに応じて、2つの異なる火炎適用時間および試験期間が使用される。クラスEの場合、火炎の適用時間は15秒であり、火炎が除去されてから20秒後に試験が終了する。クラスB、C、およびDの火炎適用時間は30秒であり、試験の最大期間は火炎が除去されてから60秒である。先に表1に示したように、EN ISO11925-2は、ユーロクラスA2等級を決定するために特別に使用される試験方法ではないが、EN ISO11925-2試験は、本明細書に開示される金属複合パネルを含む、ユーロクラス耐火等級システムに準じた建築製品に必須であり得る。
【0081】
分類基準は、火炎の適用から60秒以内の火炎拡散(Fs)が150mmに達するか否か、および試料の下の濾紙が燃焼片により発火するか否かの観察に基づく。さらに、火炎および赤熱の発生と持続時間を観察する。
【0082】
メルトインデックス(I2)
【0083】
メルトインデックス(I2)を試験するために、エチレン系ポリマーサンプルは、ASTM D1238に従って、190℃、2.16kgで測定される。値をg/10分で報告し、これは10分あたりに溶出したグラムに対応する。
【0084】
密度
【0085】
密度を試験するために、サンプルは、ASTM D4703に従って調製および測定され、グラム/立方センチメートル(g/ccまたはg/cm3)で報告される。測定は、ASTM D792、方法Bを使用して、サンプルの押圧から1時間以内に行なわれる。
【0086】
実施例
【0087】
以下の実施例は、本開示の特徴を説明するものであり、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。以下の実験で、本明細書に記載されるハロゲン非含有難燃性組成物の実施形態の性能を分析した。
【0088】
以下に記載される実施例を製造するために使用される材料は、ポリマー担体としてE.I.du Pont de Nemours and Companyから供給されるELVAX(商標)210W、ポリマー担体としてThe Dow Chemical Company,Midland,MIから供給されるAFFINITY(商標)GA1000R、ポリマー担体としてThe Dow Chemical Company,Midland,MIから供給されるFUSABOND(商標)P353を含むものであった。非晶質二酸化ケイ素加工助剤としてElkemから供給されるSidistar T120U、チタネート系加工助剤としてKenrichから供給されるKenreact LICA38、Imerys Carbonateから供給されるImerys15およびMW-100は、粗炭酸カルシウム充填剤であり、粗カルシウムカーボネート充填剤としてOmyaから供給されるOmyacarb10-AV、被覆炭酸カルシウム充填剤としてOmyaから供給されるOmyamaxx、水酸化マグネシウム難燃剤および充填剤としてChimica del Reyから供給されるHidromag Q3005、ホスフェート系難燃剤としてAdekaから供給されるADEKA FLAMESTAB FS2200S、アルミニウム三水和物充填剤としてHuber Martinswerkeから供給されるMartinal ON313、および加工助剤を有するアルミニウム三水和物としてHuber Martinswerkeから供給されるMartinal ON107LEOである。
【0089】
実施例1-サンプル1~12の調整
【0090】
サンプル1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、および12は次のように調製した。
【0091】
最初に、ポリマー担体と充填剤のマスターバッチを事前配合し、化合物A、B、C、D、E、F、およびGを生成した。化合物A~Gは、表2に記載されている量の材料を使用して調製した。
【表2】
【0092】
材料を表2に示す量で組み合わせて、Buss PR 46コニーダーを使用して前バッチサンプル化合物A~Gを生成し、加工条件を表3に示す。
【表3】
【0093】
次いで、工程1からの前バッチサンプル化合物A~Gを、25mm、42L/D共回転二軸スクリュー押出機で直接押出した。追加の充填剤を、配合工程1からの溶融前バッチ試料化合物A~Gにサイドフィードして、以下の表4で提供される量に従って充填剤含量を増加させた。表5に、押出可能なコア層として用いたサンプル1~14の最終配合を示す。
【表4】
【表5】
【0094】
表2、4および5に示されるように、サンプル1は、エチレン-酢酸ビニルコポリマーおよび無水マレイン酸-グラフト化ポリエチレンのブレンドと86.6重量%の充填剤とを含み、サンプル2は、エチレン-酢酸ビニルコポリマーおよび無水マレイン酸-グラフト化ポリエチレンのブレンドと84.6重量%の充填剤とを含み、サンプル3は、エチレン-酢酸ビニルコポリマーのみと87重量%の充填剤とを含み、サンプル4は、エチレン-酢酸ビニルコポリマーのみと87重量%の充填剤とを含み、サンプル5は、エチレン-酢酸ビニルコポリマーおよび無水マレイン酸グラフト化ポリエチレンのブレンドと、87重量%の充填剤とを含み、サンプル7は、無水マレイン酸グラフト化ポリエチレンと87.5重量%の充填剤とを含み、サンプル8は、無水マレイン酸-グラフト化ポリエチレンのみと87.7重量%の充填剤とを含み、サンプル11は、エチレン-酢酸ビニルコポリマーおよび無水マレイン酸グラフト化ポリエチレンのブレンドと、84.6重量%を超える充填剤とを含み、サンプル12は、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、無水マレイン酸-グラフト化ポリエチレンおよび無水マレイン酸グラフト化ポリプロピレンのブレンドと、84.5重量%の充填剤とを含むものであった。
【0095】
比較サンプル6は、無水マレイン酸グラフト化ポリエチレンのみと77.5重量%の充填剤を含み、比較サンプル9は、エチレン-酢酸ビニルコポリマーおよび無水マレイン酸グラフト化ポリエチレンのブレンドと82.8重量%の充填剤とを含み、比較サンプル10は、エチレン-酢酸ビニルコポリマーおよび無水マレイン酸グラフト化ポリエチレンのブレンドと78.9重量%の充填剤とを含むものであった。
【0096】
最終サンプル1~12を、25mmの共回転二軸スクリュー押出機で300mmの平面スリットダイで押出し、3本ロールのカレンダー装置に供給して、1mmの厚さのコア層サンプルシートに成形した。表6に、表5に記載された最終配合物を直接押出すための加工条件を列挙する。
【表6】
【0097】
実施例2-得られた充填剤濃度を判定するためのTGA分析
【0098】
サンプルの熱重量分析(TGA)は、ASTM E1131に従って実行され、サンプルシート1~3、9、および10の最終的な無機充填剤含有量を検証した。TGAの結果に基づくと、サンプルシート1~3の充填剤充填量は83重量%以上であり、シート9および10の充填剤充填量は83重量%未満であった。これらの結果は、以下の表7に示す。
【表7】
【0099】
実施例3:総発熱量試験-EN ISO 1716
【0100】
サンプルシート2、3、9、および10を、EN ISO1716に従って評価した。サンプルを評価するために、各サンプルに対して3つの試験を実行し、3つの試験の平均を表8に報告する。
【表8】
【0101】
表8に示されるように、結果は、サンプル2(充填剤充填量83%)については2.81、サンプル3(充填剤充填量87%)については2.51MJ/kgという低い総発熱量を示し、これらは両方とも、3MJ/kg未満の要件でユーロクラスA2耐火等級要件に合格した。それぞれが83重量%未満(それぞれ81重量%および80重量%)の無機充填剤充填量を有する比較サンプルシート9および10は、総発熱量が3MJ/kg未満であり、ユーロクラスA2耐火等級要件に合格しなかった。
【0102】
添付の特許請求の範囲に定義される本開示の範囲から逸脱することなく、修正および変更が可能であることは明らかであろう。より具体的には、本開示のいくつかの態様は、
本明細書において好ましいまたは特に有利であると認識されているが、本開示は、必ずしもこれらの態様に限定されないことが企図される。
本願は以下の態様にも関する。
(1)190℃および2.16kgで測定して350グラム/10分(g/10分)~1000g/10分のメルトフローインデックスを有する1つ以上のポリオレフィンコポリマーであって、前記1つ以上のポリオレフィンコポリマーは無水マレイン酸グラフト化ポリオレフィンおよびエチレン-酢酸ビニルコポリマーの1つ以上を含む、1つ以上のポリオレフィンコポリマー、および
ハロゲン非含有難燃性組成物の総重量に基づいて、少なくとも83重量%の無機充填剤を含む、ハロゲン非含有難燃性組成物。
(2)前記ハロゲン非含有難燃性組成物は、17重量%未満の1つ以上のポリオレフィンコポリマーを含む、前記(1)に記載のハロゲン非含有難燃性組成物。
(3)前記ハロゲン非含有難燃性組成物は、前記ハロゲン非含有難燃性組成物の総重量に基づいて少なくとも85重量%の無機充填剤を含む、前記(1)に記載のハロゲン非含有難燃性組成物。
(4)前記1つ以上のエチレンコポリマーは、エチレン-酢酸ビニルコポリマーを含む、前記(1)~(3)のいずれかに記載のハロゲン非含有難燃性組成物。
(5)前記組成物は、ENISO1716に従って測定した場合、3MJ/kg未満の燃料負荷を有する、前記(1)~(4)のいずれかに記載のハロゲン非含有難燃性組成物。
(6)前記組成物は、ENISO1182に従って測定した場合、約50℃以下の炉の温度上昇、約50%以下の試料の質量損失、約20秒の試料の持続的燃焼時間を有する、
前記(1)~(5)のいずれかに記載のハロゲン非含有難燃性組成物。
(7)前記無機充填剤の総重量は、無水無機充填剤の大部分を含む、前記(1)~(6)のいずれかに記載のハロゲン非含有難燃性組成物。
(8)さらに内部無機潤滑剤をさらに含む、前記(1)~(7)のいずれかに記載のハロゲン非含有難燃性組成物。
(9)前記無水マレイン酸グラフト化ポリオレフィンは、177℃で測定した場合、8,000cPを超えるブルックフィールド粘度を有する無水マレイン酸グラフト化エラストマーである、前記(1)~(8)のいずれかに記載のハロゲン非含有難燃性組成物。
(10)第1の金属層、
第2の金属層、
前記第1の金属層と前記第2の金属層との間に配置されるコア層、
前記第1の金属層と前記コア層との間に配置される第1の結合層、ならびに
前記第2の金属層と前記コア層との間に配置される第2の結合層、を含む複合パネルであって、
前記コア層は、前記(1)~(9)のいずれかに記載のハロゲン非含有難燃性組成物を
含む、複合パネル。
(11)前記第1の金属層、前記第2の金属層、またはその両方がアルミニウムを含む、前記(9)に記載の複合パネル。
(12)前記コア層は、1mm~5mmの厚さを有する、前記(9)または(10)に記載の複合パネル。
(13)前記複合パネルはユーロクラスA2耐火等級である、前記(9)~(11)のいずれかに記載の複合パネル。
(14)前記(9)~(12)のいずれかに記載の複合パネルを製造する方法であって、
コア層を押出すこと、
前記コア層の対向面に第1および第2の結合層を適用すること、
前記複合パネルを製造するために、結合層に適用した後、第1および第2の結合層上に第1および第2の金属層をそれぞれ積層すること、を含む方法。
(15)前記第1および第2の結合層は、共押出または積層によって適用される、前記(13)に記載の方法。