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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】パルスガス供給方法および装置
(51)【国際特許分類】
   G05D 7/06 20060101AFI20240927BHJP
   C23C 16/455 20060101ALI20240927BHJP
   H01L 21/31 20060101ALN20240927BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALN20240927BHJP
【FI】
G05D7/06 Z
C23C16/455
H01L21/31 B
H01L21/302 101G
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021559230
(86)(22)【出願日】2020-03-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-02
(86)【国際出願番号】 US2020024980
(87)【国際公開番号】W WO2020205434
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2023-03-10
(31)【優先権主張番号】16/376,861
(32)【優先日】2019-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592053963
【氏名又は名称】エム ケー エス インストルメンツ インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】MKS INSTRUMENTS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100087941
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100112829
【弁理士】
【氏名又は名称】堤 健郎
(74)【代理人】
【識別番号】100142608
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 由佳
(74)【代理人】
【識別番号】100155963
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100154771
【弁理士】
【氏名又は名称】中田 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100150566
【弁理士】
【氏名又は名称】谷口 洋樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213470
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100220489
【弁理士】
【氏名又は名称】笹沼 崇
(72)【発明者】
【氏名】ディング・ジュンファ
(72)【発明者】
【氏名】ラバッシ・マイケル
【審査官】岩▲崎▼ 優
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-517387(JP,A)
【文献】特表2007-535617(JP,A)
【文献】特表2017-509793(JP,A)
【文献】特表2017-516183(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0130744(US,A1)
【文献】国際公開第2018/111725(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 7/00- 7/06
C23C 16/00-16/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容積を有するチャンバーと、
前記チャンバー内のガスの圧力を検出するように構成された圧力センサーと、
前記チャンバー内の前記ガスの温度を検出するように構成された温度センサーと、
前記チャンバーへ流入するガスのフローを制御するように構成された上流側弁と、
前記チャンバーから流出する前記ガスの流量を制御するように構成された、開度調整可能な下流側制御弁と、
前記上流側弁および前記下流側制御弁を制御して、前記チャンバーを初期圧力に充填し、その後、前記チャンバーから流出する前記ガスのガスパルス中に前記下流側制御弁を通る流量を制御して、前記検出された圧力および温度に基づき前記ガスパルスの時間および供給量を制御するように構成されたコントローラーと、を備え
前記コントローラーが、さらに、前記パルス中に、前記検出される圧力および温度に基づく圧力減衰率を用いて前記チャンバーから流出する前記ガスの流量を算出し、前記下流側制御弁の開度を制御して、前記算出される流量を目標流量設定点に調整するように構成された、パルスガス供給システム。
【請求項2】
請求項に記載のパルスガス供給システムにおいて、前記コントローラーが、前記流量Qを下記関数に基づき算出するように構成された、パルスガス供給システム。
Q=-(V×Tstp/Pstp)×(d(P/T)/dt)
ここで、Vは前記チャンバーの前記容積を表し、Tstpは標準温度を表し、Pstpは標準圧力を表し、Pは前記チャンバー内の前記ガスの前記圧力を表し、Tは前記チャンバー内の前記ガスの前記温度を表す。
【請求項3】
請求項1に記載のパルスガス供給システムにおいて、前記コントローラーが、前記パルス中に前記流量を調整して、所定のパルス波形を実現するように構成された、パルスガス供給システム。
【請求項4】
請求項1に記載のパルスガス供給システムにおいて、前記コントローラーが、前記下流側制御弁を調整して、前記パルス中に一定の流量を実現するように構成された、パルスガス供給システム。
【請求項5】
(i)開度調整可能な下流側制御弁を閉じて、上流側弁を開くことにより、チャンバーにガスを初期圧力まで充填することと、
(ii)前記初期圧力に達した時に前記上流側弁を閉じることと、
(iii)いったん前記初期圧力に達し前記上流側弁を閉じた後、前記下流側制御弁を開いて前記チャンバーから流出する前記ガスのパルスを開始することと、
(iv)前記チャンバーから流出する前記ガスの前記パルス中に前記下流側制御弁を制御して前記パルスの所定の時間で所定の量を供給することと、を備え
前記パルス中に、前記チャンバー内の前記ガスの圧力および温度を検出し、前記検出される圧力および温度に基づく圧力減衰率を用いて前記チャンバーから流出する前記ガスの流量を算出し、前記下流側制御弁の開度を制御して、前記算出される流量を目標流量設定点に調整することをさらに備えるパルスガス供給方法。
【請求項6】
請求項に記載のパルスガス供給方法において、前記所定の量のガスに達した時に前記下流側制御弁を閉じるよう制御することをさらに備えるパルスガス供給方法。
【請求項7】
請求項に記載のパルスガス供給方法において、所望のパルスON時間に達した時に前記下流側制御弁を閉じるよう制御することをさらに備えるパルスガス供給方法。
【請求項8】
請求項に記載のパルスガス供給方法において、専用コントローラーによる制御下で、あるパルス数ごとに(i)~(iv)を繰り返すことをさらに備えるパルスガス供給方法。
【請求項9】
請求項に記載のパルスガス供給方法において、前記パルス中に流量を調整して、所定のパルス波形を実現することをさらに備えるパルスガス供給方法。
【請求項10】
請求項に記載のパルスガス供給方法において、前記パルス中に前記下流側制御弁を調整して、前記パルス中に一定の流量を実現することをさらに備えるパルスガス供給方法。
【請求項11】
請求項に記載のパルスガス供給方法において、前記流量Qを下記関数に基づき算出することをさらに備えるパルスガス供給方法。
Q=-(V×Tstp/Pstp)×(d(P/T)/dt)
ここで、Vは前記チャンバーの容積を表し、Tstpは標準温度を表し、Pstpは標準圧力を表し、Pは前記チャンバー内の前記ガスの前記圧力を表し、Tは前記チャンバー内の前記ガスの前記温度を表す。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
この出願は、2019年4月5日に出願された米国出願第16/376,861号の継続出願である。前記出願の全教示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
原子層堆積(ALD)プロセス等の半導体製造プロセスでは、複数の異なるガスまたはガス混合物を様々な量で複数工程にわたって供給することが必要となり得る。一般に、各ガスは、処理施設の各タンクに貯蔵され、ガス計量システムを用いて、各計量された量のガスが、それぞれのタンクから化学蒸着反応器、真空スパッタリング装置、プラズマエッチング装置等の処理器具に供給される。通常、弁、調圧器、マスフローコントローラー(MFC)、マスフロー比制御システム等の構成要素が、前記ガス計量システム内、または前記ガス計量システムから処理器具への流路内に含まれる。
【0003】
半導体処理器具にパルス化されたマスフローのガスを供給するために、パルスガス供給装置が開発されている。高速プロセスでは、パルスガス供給を用いて、ダイ間およびウエハ間の相互接続を提供するシリコン貫通ビア(TSV)を備える高度な3次元集積回路を製造することができる。
【0004】
従来の圧力式のパルスガス供給装置では、流出遮断弁を閉じた状態で流入遮断弁を通じて容積を所定圧力まで充填する。そして、前記流入弁を閉じ、前記流出弁を開いて、前記容積の圧力が別の所定レベルに低下するまでガスを前記処理器具へ送る。理想気体の法則によれば、前記開いた流出弁を流れるガスの質量は、弁の開閉時の圧力差、前記容積、および当該ガスの温度に依存する。最近では、フローセンサーからのフィードバックループに基づくパルス供給にマスフローコントローラーが適用されている。一般的には、MFCは、流入口、流出口、マスフローセンサー、および所望のマスフローを実現するように調整された比例制御弁を備える。高速閉鎖制御弁を用いて、前記フローをパルス化することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
圧力式のパルスガス供給システムに対する改善を提供する。特に、チャンバーの下流側の通常のON/OFF遮断弁を、調整可能な制御弁に置き換える。当該制御弁の開度を制御してフローを制限し、パルス中における圧力式の供給を制御することができる。パルス中におけるフィードバックループを含む適切な制御により、所定の量のガスを所定のパルス幅(パルス持続時間)で正確に供給することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
パルスガス供給システムは、容積を有するチャンバーと、前記チャンバー内のガスの圧力を検出するように構成された圧力センサーと、前記チャンバー内の前記ガスの温度を検出するように構成された温度センサーと、を備える。上流側弁は、前記チャンバーへ流入するガスのフローを制御するように構成される。下流側制御弁は、前記チャンバーから流出する前記ガスのフローを制御するように構成される。コントローラーは、前記上流側弁および前記下流側制御弁を制御して、前記チャンバーを初期圧力に充填し、その後、前記チャンバーから流出する前記ガスのガスパルス中に(個々のガスパルスごとに)前記下流側制御弁を通る(前記下流側制御弁を介して)フローを制御して、前記検出された圧力および温度に基づき前記ガスパルスの時間および供給量を制御するように構成される。
【0007】
前記コントローラーは、フィードバックループにより前記下流側制御弁を制御して、前記パルス中に検出された前記圧力および温度に基づき前記パルス中に前記フローを調整するように構成されてもよい。
【0008】
前記コントローラーは、さらに、前記チャンバーから流出する前記ガスの流量を算出し、前記下流側制御弁を制御して、前記算出された流量および目標フロー設定点に基づき前記チャンバーから流出する前記ガスの前記流量を調整するように構成されてもよい。前記コントローラーは、前記流量Qを圧力減衰率の次式に基づき算出するように構成されてもよい。
【0009】
Q=-(V×Tstp/Pstp)×(d(P/T)/dt)
【0010】
ここで、Vは前記チャンバーの前記容積を表し、Tstpは標準温度を表し、Pstpは標準圧力を表し、Pは前記チャンバー内の前記ガスの前記圧力を表し、Tは前記チャンバー内の前記ガスの前記温度を表す。
【0011】
前記コントローラーは、さらに、前記チャンバーから供給される前記ガスの量を算出し、前記下流側制御弁を制御して、前記ガスパルス中に所定の量のガスを供給するように構成されてもよい。前記コントローラーは、前記チャンバーの前記容積と、前記パルスの開始時に前記圧力センサーにより検出された前記チャンバー内の前記ガスの前記初期圧力と、前記パルス中に前記圧力センサーにより検出された前記チャンバー内の前記ガスの圧力と、前記パルス中に前記温度センサーにより検出された温度とに基づき、前記チャンバーから供給される前記ガスの前記量を算出してもよい。前記パルス中の時刻tにおいて前記チャンバーから供給される前記ガスの前記モル量Δn(t)を、関数Δn(t)=V×(Pt0-P)/(R×T)により算出してもよい。ここで、Vは前記チャンバーの前記容積を表し、Pt0は前記パルスの開始時の容積内の前記ガスの前記圧力を表し、Pは前記パルス中の前記時刻tにおける前記チャンバー内の前記ガスの前記圧力を表し、Tは前記パルス中の前記時刻tにおける前記ガスの前記温度を表す。
【0012】
前記コントローラーは、前記パルス中に前記流量を調整して、所定のパルス波形を実現するように構成されてもよい。前記コントローラーは、前記下流側制御弁を調整して、前記パルス中に実質的に一定の流量を実現するように構成されてもよい。
【0013】
パルスガス供給方法において、下流側制御弁を閉じて、上流側弁を開くことにより、チャンバーにガスを初期圧力まで充填する。前記初期圧力に達した時に前記上流側弁を閉じる。前記上流側弁を閉じた後、前記下流側制御弁を開いて前記チャンバーから流出する前記ガスのパルスを開始する。前記チャンバーから流出する前記ガスの前記パルス中に前記下流側制御弁を制御して前記パルスの所定の時間で所定の量を供給する。
【0014】
流体のパルスを供給する方法は、流入弁で前記チャンバーへ流入する前記流体のフローを制御することと、圧力センサーで前記チャンバー内のガスの圧力を検出することと、温度センサーで前記チャンバー内の前記ガスの温度を検出することと、前記流体のパルス中に下流側制御弁を通る流体のフローを制御することと、を備えてもよい。
【0015】
前記チャンバー内の前記ガスの圧力および温度を検出して、前記検出された圧力および温度に基づき前記下流側制御弁を制御してもよい。前記所定の量または前記パルスの所定の時間に達した時に前記下流側制御弁を閉じてもよい。前記方法の各ステップを専用コントローラーの制御下で、所定のパルス数ごとに繰り返してもよい。
【0016】
前記チャンバーから流出するガスの流量を計測し、前記パルス中に前記下流側制御弁を制御して前記計測された流量をフロー設定点に調整してもよい。また、前記パルス中に、前記チャンバーから供給されるガスの量を算出し、前記下流側制御弁を制御して、前記所定のパルス時間中に所定の量のガスを供給してもよい。
【0017】
前記パルス中に流量を調整して、前記所定のパルス波形を実現してもよい。前記パルス中に前記下流側制御弁を調整して、前記パルス中に実質的に一定の流量を実現してもよい。
【0018】
前記下流側制御弁を通る流体のフローは、前記パルス中に検出された前記圧力および前記温度からのフィードバックに基づいて制御されてもよい。前記チャンバーから流出する前記ガスの流量を算出し、前記下流側制御弁を制御して、前記算出した流量および目標フロー設定点に基づき前記チャンバーから流出する前記ガスの前記流量を調整してもよい。
【0019】
前記方法は、前記チャンバーから供給される前記ガスの量を算出し、前記下流側制御弁を制御して、前記ガスパルス中に所定の量のガスを供給することを備えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
前記内容は、添付の図面に照らして、以下の例示的な実施形態におけるより具体的な説明から明らかになるであろう。当該図面中、同様の参照符号は異なる図面間において同一部分を示す。図面は必ずしも縮尺通りではなく、実施形態を説明することに重点が置かれている。
図1】従来技術における圧力式のパルス供給システムを示す図である。
図2図1の圧力式のパルスガス供給システムの動作を示す図である。
図3】温度センサーを用いた従来技術におけるパルスマスフローコントローラーを示す図である。
図4】圧力式のフローセンサーを用いた従来のパルスマスフローコントローラーを示す図である。
図5】本発明の実施形態となるパルス供給システムを示す図である。
図6図5のシステムの動作を示す図である。
図7図5のパルスガス供給システムの動作を示すフローチャートである。
図8図5のシステムのパルス供給プロセスを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、例示的な実施形態を説明する。
【0022】
ガス制御システムは、半導体製造プロセスまたは化学プロセスにおけるプロセスガス等のガスを特定の質量でパルス供給するために提供される。
【0023】
ガスの質量は、処理チャンバーへ供給される流体パルス中に供給すべき所望の流体モル数として特定してもよい。前記「モル」は、国際単位系(SI)における物質の量についての計測単位であり、単位記号はmolである。「モル」は、12gの炭素12(12C:定義では、標準原子量が12の炭素の同位体)中に存在する原子と同数の構成粒子(例えば、原子、分子、イオン、電子、または光子)を含む物質の量またはサンプルとして定義される。この数はアボガドロ定数で表され、おおよそ6.022140857×10^23mol-1(022140857×1023/mol)の値となる。前記モルは、化学反応における反応物と生成物の量を表現する上で都合の良い方法として広く用いられている。モル体積(記号V)は、所定の温度および圧力における物質1モルが占める体積である。モル体積は、モル質量(M)を質量密度(ρ)で除したものに等しい。
【0024】
図1は、圧力式のパルスガス供給を用いた従来のパルスガス供給装置102を示す図である(例えば、2009年12月8日に発行されたShajiiらによる米国特許第7,628,860号に示され、その全内容を参照により本明細書に組み込む)。図1に示すように、圧力式のモル計測技術は、既知の容積に導入されるガスにおける、時間(t)に対する圧力(P)の応答を利用する。装置102は、既知の容積(V)を有するチャンバー104と、前記チャンバー104の上流側に位置する流入弁106(「Vin」)と、前記チャンバー104の下流側に位置する流出弁107(「Vout」)とを備える。また、チャンバー104に配置された圧力センサー108と、チャンバー内のガス温度を示すものとして前記チャンバーの壁の温度を計測する温度センサー110とが設けられる。
【0025】
まず、下流側弁107を閉じて上流側弁106を開くことにより、ガス供給105から装置102を所定の圧力に充填し、これにより、ある時間(図2内、「充填」時間Δt=(t-t))にガスフロー(Q)が前記装置に入り込んで前記チャンバー(容積)104を満たし、圧力の変化を生じさせる。時刻t、圧力Pにおいて、上流側弁106を閉じる(「Vin CLOSE」)。これにより、プロセスにおいて、チャンバー104内のガスが設定点に安定化するための時間(t-t)が設けられる。当該時間中、圧力センサー108および温度センサー110により圧力および温度の計測値が得られる。下流側弁107が開くと(図2の時刻tにおける「Vout OPEN」)、所定の圧力Pで当該弁107が再び閉じられる(時刻tにおける「Vout CLOSE」)まで、ガスフロー(Q)が装置102から流出し、当該装置から処理器具111へガスのパルスが供給される。
【0026】
図2に示すパルスガス供給は、ホストコントローラー114から指示された供給内容を実行する装置102の専用コントローラー112上のプログラムにより、実施することができる。前記パルス供給は、ホストコントローラー114からの制御信号等のトリガー信号により開始される。供給されるガスのモル数は、理想気体の法則Δn=(ΔP×V)/(R×T)の原理に基づき推定することができる。
【0027】
供給チャンバー内の圧力低下に基づき流量を決定する構成のマルチチャンネルパルスガス供給が、2016年5月24日に発行されたDingらによる米国特許第9,348,339号(その全内容を参照により本明細書に組み込む)に記載されている。
【0028】
図1および2に示す手法にはいくつかの制限がある。充填圧力は厳密に制御されなければならない。パルス供給の確度および繰返し精度は、下流側の閉鎖弁の速度および信頼性に依存する。応答時間が高速な遮断弁が要求される。しかし、当該弁が経年変化した場合、適応のための調整を行わなければならないことがあり、これにより複雑さが増し、または、弁を取り換えなければならないこともあり、これにより、通常、プロセスの中断が必要となる。多くの場合、パルス波形(例えば、パルス幅)は所望通りにならない、または、パルスは所望の矩形波に十分に一致するものではない。さらに、一定量のガスをチャンバー104に充填する必要があるため時間がかかる。各パルスの前のガス充填時間および安定化時間により、高速なガス供給サイクル時間が制限されてしまう。
【0029】
しかし、圧力式のモル計測技術は、計測される特定のガスまたはガス混合物についての情報がなくても適用可能という利点がある。前記チャンバー容積に対する物質収支および理想気体の法則の適用により導出されるガス供給量は、ガスに依存しておらず、計測されるガスの挙動を特徴付ける圧力(P)、温度(T)、および体積(V)の3つの状態変数に依存する。
【0030】
図3は、マスフローコントローラーに基づく従来のパルス供給システムを示す。通常のマスフローコントローラーにおいては、フローセンサー306によって検出されるフローの所定の設定点で比例制御弁304が開かれる。フローセンサー306は、例えば、熱式のフローセンサーであってもよい。専用コントローラー308によるフィードバックを用いて比例制御弁304の開度を制御して前記設定点に合わせる。パルス供給システムでは、高速に開閉することが可能な弁304が用いられる。ホストコントローラー114は、専用コントローラー308に所望の設定点およびパルスを時間通りに送信する。前記ホストコントローラーからのトリガーにより開始されるパルス列のパルスON/OFF時間を送信してもよい。
【0031】
図3に示すような熱式のパルスMFCのデメリットとして、高温動作が制限され、長期間のドリフト問題が生じ得る。
【0032】
図4は、従来におけるガスのパルス供給のための圧力式のMFC402によるシステムを示す。ホストコントローラー114は、MFC402と通信し、パルスモル設定点、パルスON時間、パルスOFF時間、および繰返しパルス数等の所望のパルス供給に関する情報を専用コントローラー404に提供する。パルス供給サイクルを開始する際、ホストコントローラー114は専用コントローラー404にトリガー信号を送信する。MFC402は、ガス源から流路408内への流体のフローを制御するための制御弁406(例えば、比例制御弁)を備える。MFC402のコントローラー404は、制御弁406を通る流体のフローを制御して、流体のパルス中に処理チャンバーに供給される流体を制御するように構成される。コントローラー404は、流路内の流量(Q)を計測するために設けられたフローセンサー410からのフィードバックに基づき、制御弁406を通る流体のフローを制御する。フローセンサー410は、流路410内にフロー制限器412を備え、また、上流側圧力センサー414および下流側圧力センサー416を備える。制御弁406は、前記制限器412および各圧力センサーよりも上流にある。フロー制御は、温度センサー418に対しても応答してもよい。
【0033】
図3および4における装置のパルスガス供給量は、下記式(1)により算出できる。
【0034】
【数1】
【0035】
ここで、Δnは供給ガスのモル数、Qは前記フローセンサーによる計測流量、tは前記パルスの開始時刻、tは前記パルスの終了時刻である。
【0036】
パルスMFCガス供給は、さらに、Junhua Dingらによる国際公開第2012/116281号(タイトル:“System for and Method of Fast Pulse Gas Delivery”)(その全内容を参照により本明細書に組み込む)に記載されている。
【0037】
図4の圧力式のMFCに対する改善が、2018年2月2日に出願された係属中の米国特許出願第15/887,447号および2019年1月28日に出願された対応PCT出願PCT/US2019/015356により示されている。当該システムでは、MFCの出力に遮断弁を設け、比例制御弁だけで行う場合よりも高速にパルスの開始と終了とを行う。前記コントローラーは、供給される流体の推定モル数に基づいて制御弁を通るフローおよび遮断弁の切替えを制御するように構成することができる。
【0038】
図5は、本発明に係る圧力式の減衰率(rate-of-decay)パルスガス供給システムに対する改善を示す。チャンバー504は、既知の容積Vを有する。チャンバー504内の流体の圧力は圧力センサー506により検出され、そのガス温度は温度センサー508により検出される。検出圧力および検出温度はともに、ホストコントローラー114と通信する専用コントローラー514に送られる。コントローラー514は、上流側弁510および下流側弁512の動作を制御する。上流側弁510は、従来のON/OFF式の遮断弁とすることができ、これにより、容積504を充填するが、制御弁とすることもできる。大事な点として、下流側弁512は、通常のON/OFF式の遮断弁ではなく、マスフローコントローラーにおいて通常用いられる比例制御弁等の調整可能な制御弁となっており、制御信号に応答してその開度を制御することができる。
【0039】
図5のパルスガス供給システムの動作を図6に示し、制御フローチャートを図7および8に示す。図6は、先行するパルス604に続く制御されたフローパルス602の形成を示す。
【0040】
702において、前記ホストコントローラーは、コントローラー514を構成するパラメーターを送信する。ここでは2つの構成案を提示する。「時間ベースの供給」では、前記ホストコントローラーは、前記システムに対して以下のパラメーターを送信する:フロー設定点(Qsp)、パルスON時間(Ton)、パルスOFF時間(Toff)、および/またはパルス数(N)。「モルベースの供給」では、前記ホストコントローラーは、前記システムに対して以下のパラメーターを送信する:パルス供給モル量設定点(Msp)、パルスON時間(Ton)、パルスOFF時間(Toff)、および/または繰返しパルス数(N)。このモルベースの供給では、パルス波形は矩形である場合を想定し、モル量設定点(Msp)から目標流量設定点Qspを以下のように算出することができる。
【0041】
Qsp=k1×Msp/Ton (2)
【0042】
ここで、k1は変換定数である。
【0043】
いずれの方法においても、以下のように進行する。704において下流側弁512を閉じ、706において上流側弁を開き、チャンバー504を708において計測される所定の圧力に充填する。そして、710において、前記上流側弁が閉じられる。712において、前記ホストコントローラーは専用コントローラー514にトリガー信号を送信し、図8のパルスガス供給プロセスを開始する。
【0044】
802において、コントローラー514内のパルスONタイマーがリセットされる。804において、図6におけるパルス604が開始される時刻tで、下流側弁512が開かれ、フィードバック制御ループを用いて前記下流側弁の開度を制御し、これにより、パルス供給が所定の量設定点およびパルスON時間を満たすように、パルス量設定点およびパルスON時間に基づき前記目標フロー設定点(Qsp)にフローを調整する。計測流量は、供給チャンバー容積についての減衰率手法に基づき以下のように算出される。
【0045】
Q=-(V×Tstp/Pstp)×(d(P/T)/dt)
【0046】
ここで、Qは弁512を通るガスフロー、Vはチャンバー504の容積、Tstpは標準温度定数、Pstpは標準圧力定数、Pはセンサー506により計測された圧力、Tは温度センサー508により計測されたガスの温度である。
【0047】
時間ベースの供給方法では、パルスON時間(Ton)に達すると、704において、コントローラー514が下流側弁512を閉じ、1つのパルスの供給が終了する。
【0048】
モルベースの供給方法では、804において、追加のフィードバック制御ループが設けられる。供給パルス中のガス供給量は、下記式を用いて算出してもよい。
【0049】
Δn(t)=V×(Pt0-P)/(R×T)
【0050】
ここで、Δn(t)は時間に対する弁512を通るガスのモル数であり、Pt0は前記下流側弁を最初に開いた時の初期充填圧力であり、Pは前記下流側弁をtで閉じた時の最終圧力であり、Tはガス温度であり、Rは理想気体定数である。
【0051】
前記システムは、前記パルスON時間に達した時に供給されるガスの合計量をモル数で推定してもよい。
【0052】
前記システムは、前記推定値がモル設定点Mspを満たさない場合に、フロー設定点Qspを調整してもよい。言い換えれば、第2のフィードバックループを用いてフロー設定点Qspを調整する。前記第1のフィードバック制御ループは、時間ベースの供給およびモルベースの供給の両方において、常に、前記流量を前記フロー設定点に制御するために用いられる。モルベースの供給では、パルス供給中に、コントローラー514が自動的にフロー設定点Qspを調整し、これにより、制御弁512をパルス中に供給されるモル数の算出値のフィードバックに基づき調整し、パルスごとの目標パルスON時間内に所望のモル数が正確に供給されるようにする。モルベースの供給では、前記2つのフィードバック制御ループで前記モル設定点(Msp)およびパルスON時間(Ton)の要件をともに満たすことができる。
【0053】
前記コントローラーは、前回のパルス供給のフィードバックに基づき制御弁512の開度を調整することもできる。
【0054】
806において、時刻tで、前記パルスON時間が経過した時にまたは前記量に達した時に下流側制御弁512を閉じる。いずれの方法でも、808において、パルスOFFタイマーがリセットされる。810において、時刻tで、前記上流側弁を開いて前記チャンバーの容積を所定圧力に充填する。図6では、前記下流側弁が閉じるとすぐに前記上流側弁が開く場合を示しているが、適度な遅延を設けてもよい。812において、tにて前記所定の圧力に達すると、前記上流側弁を閉じる。814において、前記システムは、前記パルスOFF時間中は待機し、その間に前記チャンバー内のガスが安定化する。制御弁512により提供される制御のおかげで、安定化動作後の開始圧力Pt0は従来の各減衰率手法ほど重要ではない。その結果、前記パルスOFF時間が相対的に短くなり得る。816において、供給したパルス数が前記パルス数設定点よりも少なければ前記ステップ802~814を繰り返す。
【0055】
本開示によるシステムは、いくつかの利点を提供する。パルス供給時間中の流量を制御することにより正確なモル供給量を提供する。パルス波形を制御することができる。高温動作が可能となる。上流側弁を完全に開くことにより高速充填を達成できる。流量および供給量がガスに依存しないため、理想気体方程式を用いることができる(なお、非理想気体方程式を用いることも可能である)。供給されるモル量をパルス中に算出でき、フローを制御可能なため、初期圧力Pt0はそれほど正確でなくてもよい。前記システムは、ALD/ALEプロセスおよびTSVプロセス等の多くの高速パルス供給用途において用いることができる。
【0056】
例示的な実施形態を詳細に示して説明したが、添付の請求の範囲に包含される実施形態の範囲を逸脱することなく、形態および詳細について種々の変更がなされ得ることが、当業者によって理解されるであろう。
なお、本発明は、実施の態様として以下の内容を含む。
[態様1]
容積を有するチャンバーと、
前記チャンバー内のガスの圧力を検出するように構成された圧力センサーと、
前記チャンバー内の前記ガスの温度を検出するように構成された温度センサーと、
前記チャンバーへ流入するガスのフローを制御するように構成された上流側弁と、
前記チャンバーから流出する前記ガスのフローを制御するように構成された下流側制御弁と、
前記上流側弁および前記下流側制御弁を制御して、前記チャンバーを初期圧力に充填し、その後、前記チャンバーから流出する前記ガスのガスパルス中に前記下流側制御弁を通るフローを制御して、前記検出された圧力および温度に基づき前記ガスパルスの時間および供給量を制御するように構成されたコントローラーと、を備えるパルスガス供給システム。
[態様2]
態様1に記載のパルスガス供給システムにおいて、前記コントローラーが、フィードバックループにより前記下流側制御弁を制御して、前記パルス中に検出された圧力および温度に基づき前記パルス中に当該システムから流出する前記フローを調整するように構成された、パルスガス供給システム。
[態様3]
態様1に記載のパルスガス供給システムにおいて、前記コントローラーが、さらに、前記チャンバーから流出する前記ガスの流量を算出し、前記下流側制御弁を制御して、前記算出された流量および目標フロー設定点に基づき前記チャンバーから流出する前記ガスの前記流量を調整するように構成された、パルスガス供給システム。
[態様4]
態様3に記載の圧力式のパルスガス供給システムにおいて、前記コントローラーが、前記流量Qを下記関数に基づき算出するように構成された、圧力式のパルスガス供給システム。
Q=-(V×T stp /P stp )×(d(P/T)/dt)
ここで、Vは前記チャンバーの前記容積を表し、T stp は標準温度を表し、P stp は標準圧力を表し、Pは前記チャンバー内の前記ガスの前記圧力を表し、Tは前記チャンバー内の前記ガスの前記温度を表す。
[態様5]
態様3に記載のパルスガス供給システムにおいて、前記コントローラーが、さらに、前記チャンバーから供給される前記ガスの量を算出し、前記下流側制御弁を制御して、前記ガスパルス中に所定の量のガスを供給するように構成された、パルスガス供給システム。
[態様6]
態様5に記載のパルスガス供給システムにおいて、前記コントローラーが、前記チャンバーの容積と、前記パルスの開始時に前記圧力センサーにより検出された前記チャンバー内の前記ガスの前記初期圧力と、前記パルス中に前記圧力センサーにより検出された前記チャンバー内の前記ガスの前記圧力と、前記パルス中に前記温度センサーにより検出された前記ガスの前記温度とに基づき、前記チャンバーから供給される前記ガスの前記量を算出するように構成された、パルスガス供給システム。
[態様7]
態様6に記載のパルスガス供給システムにおいて、前記コントローラーが、前記パルス中の時刻tにおいて前記チャンバーから供給される前記ガスの前記量Δn(t)を、下記関数により算出するように構成された、パルスガス供給システム。
Δn(t)=V×(P t0 -P )/(R×T
ここで、Vは前記チャンバーの前記容積を表し、P t0 は前記パルスの開始時の前記チャンバー内の前記ガスの前記圧力を表し、P は前記パルス中の前記時刻tにおける前記チャンバー内の前記ガスの前記圧力を表し、T は前記パルス中の前記時刻tにおける前記ガスの前記温度を表す。
[態様8]
態様1に記載のパルスガス供給システムにおいて、前記コントローラーが、さらに、前記チャンバーから供給される前記ガスの量を算出し、前記下流側制御弁を制御して、前記ガスパルス中に所定の量のガスを供給するように構成された、パルスガス供給システム。
[態様9]
態様8に記載のパルスガス供給システムにおいて、前記コントローラーが、前記チャンバーの前記容積と、前記パルスの開始時に前記圧力センサーにより検出された前記チャンバー内の前記ガスの前記初期圧力と、前記パルス中に前記圧力センサーにより検出された前記チャンバー内の前記ガスの前記圧力と、前記パルス中に前記温度センサーにより検出された前記ガスの前記温度とに基づき、前記チャンバーから供給される前記ガスの前記量を算出するように構成された、パルスガス供給システム。
[態様10]
態様9に記載のパルスガス供給システムにおいて、前記コントローラーが、前記パルス中の時刻tにおいて前記チャンバーから供給される前記ガスの前記量Δn(t)を、下記関数により算出するように構成された、パルスガス供給システム。
Δn(t)=V×(P t0 -P )/(R×T
ここで、Vは前記チャンバーの前記容積を表し、P t0 は前記パルスの開始時の前記チャンバー内の前記ガスの前記圧力を表し、P は前記パルス中の前記時刻tにおける前記チャンバー内の前記ガスの前記圧力を表し、T は前記パルス中の前記時刻tにおける前記ガスの前記温度を表す。
[態様11]
態様1に記載のパルスガス供給システムにおいて、前記コントローラーが、前記パルス中に前記流量を調整して、所定のパルス波形を実現するように構成された、パルスガス供給システム。
[態様12]
態様1に記載のパルスガス供給システムにおいて、前記コントローラーが、前記下流側制御弁を調整して、前記パルス中に実質的に一定の流量を実現するように構成された、パルスガス供給システム。
[態様13]
(i)下流側制御弁を閉じて、上流側弁を開くことにより、チャンバーにガスを初期圧力まで充填することと、
(ii)前記初期圧力に達した時に前記上流側弁を閉じることと、
(iii)いったん前記初期圧力に達し前記上流側弁を閉じた後、前記下流側制御弁を開いて前記チャンバーから流出する前記ガスのパルスを開始することと、
(iv)前記チャンバーから流出する前記ガスの前記パルス中に前記下流側制御弁を制御して前記パルスの所定の時間で所定の量を供給することと、を備えるパルスガス供給方法。
[態様14]
態様13に記載のパルスガス供給方法において、前記チャンバー内の前記ガスの圧力および温度を前記パルス中に検出して、前記検出された圧力および温度に基づき前記下流側制御弁を制御することをさらに備えるパルスガス供給方法。
[態様15]
態様13に記載のパルスガス供給方法において、前記所定の量のガスに達した時に前記下流側制御弁を閉じるよう制御することをさらに備えるパルスガス供給方法。
[態様16]
態様13に記載のパルスガス供給方法において、所望のパルスON時間に達した時に前記下流側制御弁を閉じるよう制御することをさらに備えるパルスガス供給方法。
[態様17]
態様13に記載のパルスガス供給方法において、専用コントローラーによる制御下で、あるパルス数ごとに(i)~(iv)を繰り返すことをさらに備えるパルスガス供給方法。
[態様18]
態様13に記載のパルスガス供給方法において、前記チャンバーから流出するガスの流量を計測し、前記パルス中に前記下流側制御弁を制御して前記計測された流量を目標フロー設定点に調整することをさらに備えるパルスガス供給方法。
[態様19]
態様13に記載のパルスガス供給方法において、前記パルス中に前記チャンバーから供給されるガスの量を算出し、前記下流側制御弁を制御して、所定のパルス時間中に所定の量のガスを供給することをさらに備えるパルスガス供給方法。
[態様20]
態様13に記載のパルスガス供給方法において、前記パルス中に流量を調整して、所定のパルス波形を実現することをさらに備えるパルスガス供給方法。
[態様21]
態様13に記載のパルスガス供給方法において、前記パルス中に前記下流側制御弁を調整して、前記パルス中に実質的に一定の流量を実現することをさらに備えるパルスガス供給方法。
[態様22]
流体のパルスを供給する方法であって、
流入弁でチャンバーへ流入する流体のフローを制御することと、
圧力センサーで前記チャンバー内のガスの圧力を検出することと、
温度センサーで前記チャンバー内の前記ガスの温度を検出することと、
前記流体のパルス中に下流側制御弁を通る流体のフローを制御することと、を備える方法。
[態様23]
態様22に記載の方法において、前記下流側制御弁を通る前記流体のフローの制御が、前記パルス中に検出された前記圧力および前記温度からのフィードバックに基づいて行われる、方法。
[態様24]
態様22に記載の方法において、前記チャンバーから流出する前記ガスの流量を算出し、前記下流側制御弁を制御して、前記算出した流量および目標フロー設定点に基づき前記チャンバーから流出する前記ガスの前記流量を調整することをさらに備える方法。
[態様25]
態様24に記載の方法において、前記流量Qを下記関数に基づき算出することをさらに備える方法。
Q=-(V×T stp /P stp )×(d(P/T)/dt)
ここで、Vは前記チャンバーの容積を表し、T stp は標準温度を表し、P stp は標準圧力を表し、Pは前記チャンバー内の前記ガスの前記圧力を表し、Tは前記チャンバー内の前記ガスの前記温度を表す。
[態様26]
態様22に記載の方法において、前記チャンバーから供給される前記ガスの量を算出し、前記下流側制御弁を制御して、前記ガスパルス中に所定の量のガスを供給することをさらに備える方法。
[態様27]
態様22に記載の方法において、前記チャンバーの容積と、前記パルスの開始時に前記圧力センサーにより検出された前記チャンバー内の前記ガスの初期圧力と、前記パルス中に前記圧力センサーにより検出された前記チャンバー内の前記ガスの前記圧力と、前記パルス中に前記温度センサーにより検出された前記ガスの前記温度とに基づき、前記チャンバーから供給される前記ガスの前記量を算出することをさらに備える方法。
[態様28]
態様27に記載の方法において、前記パルス中の時刻tにおいて前記チャンバーから供給される前記ガスの前記量Δn(t)を、下記関数により算出することをさらに備える方法。
Δn(t)=V×(P t0 -P )/(R×T
ここで、Vは前記チャンバーの前記容積を表し、P t0 は前記パルスの開始時の前記チャンバー内の前記ガスの前記圧力を表し、P は前記パルス中の前記時刻tにおける前記チャンバー内の前記ガスの前記圧力を表し、T は前記パルス中の前記時刻tにおける前記ガスの前記温度を表す。
[態様29]
態様22に記載の方法において、前記パルス中に流量を調整して、所定のパルス波形を実現することをさらに備える方法。
[態様30]
態様22に記載の方法において、前記下流側制御弁を調整して、前記パルス中に実質的に一定の流量を実現することをさらに備える方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8