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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】部品の光誘起型の選択的転写
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/52 20060101AFI20240927BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240927BHJP
   H01L 33/48 20100101ALI20240927BHJP
【FI】
H01L21/52 C
G09F9/00 338
H01L33/48
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021569270
(86)(22)【出願日】2020-05-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-26
(86)【国際出願番号】 NL2020050324
(87)【国際公開番号】W WO2020235997
(87)【国際公開日】2020-11-26
【審査請求日】2023-04-25
(31)【優先権主張番号】19175621.2
(32)【優先日】2019-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】595115802
【氏名又は名称】ネーデルランセ オルハニサチエ フォール トゥーヘパスト-ナツールウェーテンシャッペルック オンデルズク テーエヌオー
【氏名又は名称原語表記】Nederlandse Organisatie voor toegepast-natuurwetenschappelijk onderzoek TNO
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】ファン デン ブランド、イェロン
(72)【発明者】
【氏名】アルティノフ、ガリ
【審査官】佐藤 靖史
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0122119(US,A1)
【文献】特開2005-174979(JP,A)
【文献】特開2004-039938(JP,A)
【文献】特表2007-531321(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/52
G09F 9/00
H01L 33/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品(11、12、13)を転写する方法であって、
第1の基板(10)に前記部品(11、12、13)を設けること、
第2の基板(20)にホットメルト接着材料(20m)を含む接着層(20a)を設けること、
前記接着層(20a)が溶融している間に、前記第1の基板(10)上の前記部品(11、12、13)を、前記第2の基板(20)上の前記接着層(20a)に接触させること、
前記接着層(20a)を固化させて、前記部品(11、12、13)と前記第2の基板(20)との間の接着接続を形成すること、
前記第1及び第2の基板(10、20)を動かして離して、前記接着層(20a)の前記接着接続によって、前記第1の基板(10)から前記第2の基板(20)へ前記部品(11、12、13)を転写すること、及び、
前記部品(11)の少なくとも第1のサブセットを保持する前記接着層(20a)の接着領域(21a)の少なくとも第1のセット上に光(L)を照射することによって、前記部品(11)の前記少なくとも第1のサブセットを、前記第2の基板(20)から第3の基板(30)へ転写すること、
を含み、
前記光(L)は、前記接着領域(21a)の前記第1のセットの前記接着材料(20m)を溶融させ、前記第3の基板(30)への転写のために、前記部品(11)の前記少なくとも第1のサブセットを放出させることを特徴とする、
方法。
【請求項2】
前記光(L)は、接着領域(21a)の少なくとも前記第1のセットを溶融させ、溶融された接着材料(11m)の1つ以上のそれぞれのジェット(21j)を形成し、前記部品(11)の前記少なくとも1つの第1のサブセットは、距離(DZ)にわたって、前記部品(11)の前記第1のサブセットを前記第2の基板(20)から前記第3の基板(30)へと運ぶ前記ジェット(21j)によって前記第3の基板(30)へ転写される、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の基板(20)から前記第3の基板(30)への転写の間、前記第3の基板(30)は、前記第2の基板(20)の下に配置され、前記部品(11)の前記第1のサブセットは、非接触の状態で、距離(DZ)にわたって前記第2の基板(20)から前記第3の基板(30)へ落下する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
光(L)を照射することによる転写の間、前記第2の基板(20)上の前記部品(11、12、13)と前記第3の基板(30)上のそれらの目的となる表面との間の距離(DZ)は、前記部品(11、12、13)の断面直径(X)の2倍未満である、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記接着層(20a)は、前記部品に到達する前に前記光(L)の少なくとも30%を吸収するように構成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記部品(11)の前記第1のサブセットは、前記第2の基板(20)上に第1の部品レイアウト(A)に従って配置され、
前記第3の基板(30)は、前記第1の部品レイアウト(A)に対応する少なくとも相対位置(A’)に配置された凹部(31)を備え、
前記第2及び第3の基板(20、30)は、対応する前記凹部(31)にわたって、前記第3の基板(30)に接触せずに前記部品(11)の前記第1のサブセットを吊り下げられるように位置合わせされ、
前記光(L)は、前記第2の基板(20)上の少なくとも前記第1の部品レイアウト(A)に投影され、前記第3の基板(30)の対応する前記凹部(31)にわたって、その中に、前記部品(11)の前記第1のサブセットを転写する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の基板(20)上の前記部品(11、12、13)は、第2の部品レイアウト(B)に従って配置された部品(12)の第2のサブセットを含む異なるサブセットに分割され、
前記第3の基板(30)は、前記第2の部品レイアウト(B)に対応する少なくとも相対位置(B’)に配置された前記第3の基板(30)の非凹部領域により形成された突起(25)を備え、
前記第2及び第3の基板(20、30)の前記位置合わせにおいて、前記部品(12)の前記第2のサブセットは、前記第3の基板(30)の対応する前記突起(25)と接触しており、
前記部品(11)の前記第1のサブセットの転写後に、前記部品(12)の前記第2のサブセットは、前記第2の基板(20)に付着したままである、
ことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記部品(11)が前記第3の基板(30)上に配置されている間に、導電性材料(50s)が、前記部品(11)に適用される、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記部品(11)は、前記第3の基板(30)から第4の基板(40)へ転写され、前記導電性材料(50s)によって前記部品(11)を前記第4の基板(40)に電気的に接続するため、前記導電性材料(50s)は、前記部品(11)を転写するために使用されるものと同じ光パルス(L)によって溶融される、
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第3の基板(30)は、転写後の前記部品(11)を保持するためのホットメルト接着層(30a、31a)を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記基板(10、20、30、40)のうち1つ以上は、相対位置合わせのための位置合わせマークを備える、
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
部品(11)は前記第3の基板(30)のそれぞれの凹部(31)内の前記ホットメルト接着層(30a)の領域によって保持され、前記部品(11)に接続される電気回路部(30e)は、前記第3の基板(30)のそれぞれの突起(35)上の前記ホットメルト接着層(30a)の領域によって保持され、前記電気回路部(30e)に接続された前記部品(11)の前記第1のサブセットは、第4の基板(40)に転写される、
ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記第3の基板(30)は、前記第4の基板(40)上の光硬化性材料を露出するために使用されるマスクパターンを備える、
ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
部品(12)の第2のサブセットは、第2の部品転写の間の転写のために選択され、前記第2の部品転写は、前記部品(11)の前記第1のサブセットの第1の部品転写とは別であり、前記第2の部品転写は、前記第2の部品レイアウト(B)に対応する少なくとも相対位置に配置された凹部を備える同じ又は別の第3の基板上に、残っている前記部品(12)の前記第2のサブセットを備える前記第2の基板(20)を位置合わせすることを含み、前記第2の部品転写において、前記部品(12)の前記第2のサブセットを前記対応する凹部にわたって、その中に転写するために、光(L)は、前記第2の基板上の少なくとも前記第2の部品レイアウトに投影される、
ことを特徴とする請求項7、及び、請求項7を引用する請求項8乃至13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
第1の部品転写の間、第1の部品(11r)は、1つのドナー基板(20r)から前記第3の基板(30)上の第1の凹部(21r)内に転写され、続く第2の部品転写の間、異なる第2の部品(11g)は、別のドナー基板(20g)から、第2の凹部(21g)内に転写され、異なる前記第1及び第2の部品(11r、11g)は、共に前記第3の基板(30)から第4の基板(40)に転写される、
ことを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板間の部品の光誘起型の選択的転写のための方法及び装置に関連する。
【背景技術】
【0002】
従来のピックアンドプレース技術は、ミリサイズの部品を低精細の位置合わせ精度(100μm)で大量に組み立てるのに適した技術である。残念ながら、従来のピックアンドプレース技術は、小さな部品(50μm未満)を高精細の位置合わせ精度(2μm未満)で、より高いスループット速度(1秒間に10万ユニットより多く)を実現するためにはスケールダウンしてしまう。そのため、微細な部品を大量に配置する必要がある場合、適さないことがある。例えば、マイクロLED(μLED)ディスプレイは、将来のディスプレイの候補である。その明るさのため、高輝度ディスプレイでは、画素領域の小さな面積だけが発光すればよい。換言すると、比較的低いカバー率が必要である。そのため、比較的高いディスプレイ解像度、例えば70~600ピクセルパーインチ(PPI)でも、用途に応じて、LEDは非常に小さな寸法とする、例えば30μm未満とすることができる。しかし、μLEDは、サファイアのような高価な基板上に高温で成長させると高価となることがあり、可能な限り多くのウエハ面積をLEDの製造に利用することが好ましい。従って、成長基板から製品基板に部品を選択的に移し、部品間のピッチ(間隔)を広げることが望まれている。
【0003】
このような理由及び他の理由のため、例えば、ディスプレイ又は他のデバイスを製造するため、高精細な配置及び精度と、高いスループットとを両立させて、μLEDのような小型部品の組み立て方法を改善することが望まれている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の様々な態様は、部品の光誘起型の選択的転写に包含される方法及びシステムに関連する。接着層は(少なくとも部分的に)熱により溶融される間に、第1の基板上の部品は第2の基板上の接着層に接触する。次に、接着層を固化し、部品と第2の基板との間に接着接続を形成する。第1及び第2の基板を離間させ、接着層の接着接続により部品を第1の基板から第2の基板へ転写させる。その後、例えば、部品を保持する接着領域上への光の照射によって、第2の基板からの部品を第3の基板に転写することができる。
【0005】
第2の基板上にホットメルト接着層を用いることで、第1の基板から第2の基板へ、続いて第3の基板へと、(選択的)光誘起型の前方転写を用いて容易に部品を転写することができる。これは、例えばピックアンドプレース方式と比較して、より汎用的である可能性がある。特に、部品を備える第1の基板が、光誘起型の前方転写に適さない場合に有効である可能性がある。例えば、第1の基板自体が、例えば不透明であって、適さない。例えば、部品と第1の基板との接続は、光によって好適に影響を受けない、又は少なくとも現在想定されている接着層よりも好適でない。有利には、接着層を溶かす光による転写は、例えば、ドライアブレーション、ブリスター形成、又は熱膨張係数の不一致に依存するLIFTの他の方法と比較して、転写に対する改善された制御を更に提供することができる。
【0006】
第3の基板に凹部を設けることで、いくつかの部品の転写について位置合わせを向上させることができる。更に、第3の基板上の突起と接触することで、隣接する部品の不用意な転写を防ぐことができる。例えば、接触によって、それらの位置での転写を物理的にブロックすることができる。例えば、第3の基板への接触は、接触位置での部品の加熱を少なくとも部分的に減少させるためのヒートシンクとして機能することができる。また、凹部は、転写を更に促進することができる。例えば、第3の基板に接触することなく、部品が第2の基板から放出され、第3の基板に移動してもよい。移動距離は、規定された接触点及び/又は凹部の深さによって十分に制御できることが理解されるだろう。これにより、転写プロセスの制御を改善することができる。更に、第3の基板への接触のヒートシンク効果がなければ、吊り下げられた部品は、例えば、接触位置での接着反応又は他の反応の弱化によって、それらの放出を引き起こす比較的高い温度まで加熱される可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示の装置、システム及び方法のこれら及び他の特徴、態様、及び利点は、以下の説明、添付の請求項、及び添付の図面から、よりよく理解されるだろう。
【0008】
図1A図1Aは、第1の基板から第2の基板への部品の転写と、第2の基板から第3の基板への部品の第1のサブセットの転写とを説明する図である。
図1B図1Bは、第1の基板から第2の基板への部品の転写と、第2の基板から第3の基板への部品の第1のサブセットの転写とを説明する図である。
図1C図1Cは、第1の基板から第2の基板への部品の転写と、第2の基板から第3の基板への部品の第1のサブセットの転写とを説明する図である。
図1D図1Dは、第1の基板から第2の基板への部品の転写と、第2の基板から第3の基板への部品の第1のサブセットの転写とを説明する図である。
図2A図2Aは、第3の基板の凹部への部品の転写を説明する図である。
図2B図2Bは、第3の基板の凹部への部品の転写を説明する図である。
図2C図2Cは、第3の基板の凹部への部品の転写を説明する図である。
図3A図3Aは、いくつかの実施形態に係る熱の流れを説明する図である。
図3B図3Bは、いくつかの実施形態に係る熱の流れを説明する図である。
図4A図4Aは、第3の基板へ部品を電気的に接続することを説明する図である。
図4B図4Bは、第3の基板へ部品を電気的に接続することを説明する図である。
図4C図4Cは、第3の基板へ部品を電気的に接続することを説明する図である。
図5A図5Aは、更なる転写のために、第3の基板上に部品を準備することを説明する図である。
図5B図5Bは、更なる転写のために、第3の基板上に部品を準備することを説明する図である。
図5C図5Cは、更なる転写のために、第3の基板上に部品を準備することを説明する図である。
図6A図6Aは、部品を第4の基板に転写することを説明する図である。
図6B図6Bは、部品を第4の基板に転写することを説明する図である。
図6C図6Cは、部品を第4の基板に転写することを説明する図である。
図7A図7Aは、光を用いて第3の基板と第4の基板との間の転写を説明する図である。
図7B図7Bは、光を用いて第3の基板と第4の基板との間の転写を説明する図である。
図7C図7Cは、光を用いて第3の基板と第4の基板との間の転写を説明する図である。
図8A図8Aは、電気回路と共に部品を転写することを説明する図である。
図8B図8Bは、電気回路と共に部品を転写することを説明する図である。
図8C図8Cは、電気回路と共に部品を転写することを説明する図である。
図9A図9Aは、それぞれの第2の基板から共通する第3の基板に異なる部品を転写することを説明する図である。
図9B図9Bは、それぞれの第2の基板から共通する第3の基板に異なる部品を転写することを説明する図である。
図9C図9Cは、それぞれの第2の基板から共通する第3の基板に異なる部品を転写することを説明する図である。
図10A図10Aは、いくつかの実施形態に係る可能な形状、サイズ、及び距離を説明する図である。
図10B図10Bは、いくつかの実施形態に係る可能な形状、サイズ、及び距離を説明する図である。
図10C図10Cは、いくつかの実施形態に係る可能な形状、サイズ、及び距離を説明する図である。
図11A図11Aは、第2の基板から第3の基板への部品のサブセットの転写の平面図写真を示す。
図11B図11Bは、第2の基板から第3の基板への部品のサブセットの転写の平面図写真を示す。
図11C図11Cは、第2の基板から第3の基板への部品のサブセットの転写の平面図写真を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
特定の実施形態を説明するために使用される用語は、本発明を限定することを意図しない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が明確に他を示さない限り、複数形も含むことが意図される。用語「及び/又は」は、関連する列挙された項目のうちの1つ以上の任意の及び全ての組み合わせを含む。用語「備える」及び/又は「含む」は、記載された特徴の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴の存在又は追加を排除しないことが理解されるであろう。方法の特定のステップが他のステップに後続すると言及される場合、それは、他に指定されない限り、当該他のステップに直接続くことができる、又は特定のステップを実施する前に1つ以上の中間ステップが実施されることができることが更に理解されよう。同様に、構造又は構成要素間の接続が説明されるとき、この接続は、他に指定されない限り、直接又は中間構造若しくは構成要素を介して確立され得ることが理解されよう。
【0010】
本明細書に記載のいくつかの態様によれば、接触型及び/又は非接触型の光誘起型の転写プロセスが提供される。例えば、ベアダイチップ、マイクロLED、又は他の部品を転写することができる。いくつかの実施形態では、全ての部品は、まず、ホットメルト接着剤の薄層を用いて、ウエハ又は青色テープから透明キャリア上に接着される。その後、機械的又は光学的な剥離方法を用いて、青色テープ又はウエハから部品を剥離する。その後、キャリアはレーザーシステムの下に置くことができる。ビームレーザーを部品に照射することで、高速、選択的、且つ非接触の部品の転写が実現される。部品が損傷しないようにするため、光学的に高密度のホットメルトを使用することができる。これは、ホットメルト層に添加物を組み込むことで実現可能である。その結果、レーザーのエネルギーはホットメルトに分散され、それを溶融し、その過程で部品を比較的低速且つ高精度で転写することができる。
【0011】
いくつかの実施形態では、部品(例えば、マイクロLED、IC)は、ウエハ又はブルーテープ上で搬送され、透明なキャリア基板に転写される。キャリア基板は、液体(ホットメルト)接着剤でコーティングされている。ホットメルト層を、ウエハ又はブルーテープ上の部品と接触させる。ホットメルトを再加熱して溶かし、例えば、部品が液体にわずかに浸るようにする。冷却後、部品はホットメルトに固定され、部品が付着したキャリアは、部品を剥離することによって、又は、例えばレーザーリフトオフ処理を使用して、最初に部品を解放することによって、ウエハ/ブルーテープから分離されることができる。例えば、キャリアは、レーザーに対して透明な基板、例えば、ホウケイ酸ガラス、石英、又はサファイアを含む基板であってもよい。ドナー受容体上のマイクロ部品の更なる位置合わせを可能にするため、多数の位置合わせマーカーを予めパターン化して、位置合わせプロセスを容易にすることができる。この場合、ウエハはガラスキャリア上に高精度に位置合わせされる。部品が取り付けられたキャリアは、成膜のためにレーザーシステム内に配置することができる。例えば、部品の背面にレーザーパルスを適用することで、部品をキャリア基板から外すことができる。例えば、層の厚さが厚すぎる場合、その光吸収が高すぎる場合、及び/又はその結果、発射速度が速く、正確な配置を困難にするアブレーションプロセスとなる場合、ブルーテープからの直接LIFTは、一般に実現不可能であることが理解されるであろう。この場合、例えばスキャニングミラー又は他の光源により、高いスループット速度(例えば、10~1000KHz)で、部品を選択的に転写することができる。例えば、これは、x-yスキャニングミラーシステム、又はポリゴンスキャニングミラーシステムのいずれかを使用することによって、達成することができる。高密度パターンについては、ポリゴンミラーシステムがより高いスループットを達成できる。
【0012】
従前の光誘起型の転写プロセスは、部品の接着界面でのドライ接着剤のアブレーションプロセスに依存していた可能性がある。アブレーションの閾値に到達するまでに高いエネルギーが必要となるため、これは、一般的に非常に高い発射速度につながり、結果として、位置合わせが困難となる。部品は、形成されたガスによって跳ねる又は飛ばされることさえある。あるいは、従来のプロセスは、アブレーションによるPI内の気泡の形成(LEAP)に依存していた可能性がある。これは、例えば、気泡の形状がスケールダウンしないために、スケールダウンが困難である。また、部品をPIに接着させることも容易ではない。アクセプタとドナーとの温度膨張係数の不一致を利用するプロセスでは、レーザーがPDMS基板を通して部品に直接作用する可能性がある。これは、レーザーが部品自体にダメージを与える可能性があるため、望ましくない可能性がある。
【0013】
反対に、本開示の解決は、レーザービームを必ずしも部品に接触させない熱処理に依存する。加熱は、固体から液体へのホットメルトに特異的に向けられることができ、ジェットを形成することを可能にし、それがドナーからゆっくりと排出される間、部品を安定化させることができる。換言すると、本方法はアブレーションに代えてホットメルトの溶融を使用し、部品の速度を制限することを可能にするが、安定化ジェットの形成も可能にすることができる。従来のピックアンドプレースと比較して、そのようなレーザープロセスは、桁違いに高速である。
【0014】
本発明の実施形態が示された添付図面を参照しながら、本発明をより詳細に説明する。図面において、システム、構成要素、層、及び領域の絶対的及び相対的な大きさは、明確にするために誇張されている可能性がある。実施形態は、本発明のおそらく理想化された実施形態及び中間構造の概略図及び/又は断面図を参照して説明されてもよい。本明細書及び図面において、同様の番号は、全体を通して同様の要素を指す。相対的な用語及びその派生語は、説明された又は議論中の図面に示されたような方向性を指すように解釈されるべきである。これらの相対的な用語は、説明の便宜のためであり、特に他が示されていない限り、システムを特定の方向性で構築又は動作させることを要求するものではない。
【0015】
図1A~1Dは、第1の基板10から第2の基板20に部品11、12、13を転写し、第2の基板20から第3の基板30に部品の第1のサブセット11を転写することを示す。
【0016】
いくつかの実施形態において、例えば図1Aに示すように、第1の基板10は、部品11、12、13が設けられる。1つの実施形態において、第1の基板10は、部品11、12、13を保持する接着箔を備える。例えば、第1の基板10は、ウエハダイシングの際に使用される、つまりウエハ微細加工に続く半導体材料の断片を切り離す際に使用されるバッキングテープ又はダイシングテープによって形成されてもよい。別の実施形態において、第1の基板10は、例えば、部品を有するウエハによって形成されてもよい。別の又は更なる実施形態において、第1の基板10は、それ自体がダイシングテープとしても機能してもよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、例えば図1Aに示すように、第2の基板20は、接着材料20mを含む接着層20aが設けられる。好ましくは、接着材料20mは、ホットメルト接着剤を含む。ホットメルト接着剤(HMA)は、ホットグルーとも呼ばれ、高温の影響下で相転移、特に溶融を起こす熱可塑性接着剤の一形態として説明することができる。接着剤が溶融する場合、その接着強度は、その固体形態と比較して、例えば、10倍、20倍、50倍、100倍、又はそれより大きく、著しく低下する可能性がある。接着剤の溶融は、材料の粘度の増加、例えば、(固化した接着剤と比較して)2倍、3倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍又はそれより大きい増加を含む、又はそれからなることができる。溶融は、例えば温度に応じて、接着材料の濡れ及び/又は流動を引き起こしてもよい。いくつかの実施形態において、接着層は、部品との接着接続を形成するために、濡れるまで溶融されてもよい。他の又は更なる実施形態において、接着剤は、部品を転写するために流動するまで溶融されてもよい。ホットメルト接着剤は、一般に、様々な添加剤を有する基材から構成されている。例えば、一般的な基材は、エチレン-酢酸ビニル(EVA)コポリマー、ポリオレフィン(PO)、ポリアミド及びポリエステル、ポリウレタン等を含むことができる。例えば、添加剤は、粘着付与剤、ワックス、安定剤等の材料を含むことができる。基材及び添加剤の性質は、相互の分子間相互作用及び基板との相互作用の性質に影響を及ぼし得る。組成物は、最低使用温度及び融点を下回る適切なガラス転移温度(脆性の開始)を有するように配合されてもよい。溶融粘度と結晶化速度と対応するオープンタイムとは、用途に応じて調整することができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、例えば図1Bに示すように、第1の基板10上の部品11、12、13は、接着層20aが熱Hによって(少なくとも部分的に)溶融された状態で第2の基板20上の接着層20aに接触させられる。例えば、第2の基板20は第1の基板10に積層される。例えば、接着層20aは、部品11、12、13と接触する前及び/又は接触している間に溶融されてもよい。一実施形態において、熱Hは、例えば、接触前に、接着層20aに光を照射することにより、例えば、図示のように第2の基板20を介して、又は接着層20aの側面(図示せず)から光を照射することにより、提供される。また、熱は、他の方法で提供することもでき、例えば、オーブンを使用して、接触前及び/又は接触中に接着層20aを加熱することができる。
【0019】
好ましい実施形態では、ホットメルト接着材料は、少なくとも室温より高い、例えば40、50、又は60℃を上回る融点を有するため、加熱源が除去された際に接着剤が容易に固化することができる。一方、必要な場合に、例えば転写中に、接着力を容易に除去でき、部品を損傷させないように、融点が高すぎないことも好ましい場合がある。例えば、接着層は、250℃未満、好ましくは200℃未満、より好ましくは150℃未満、例えば80℃~120℃の間の融点を有する。
【0020】
いくつかの実施形態では、接着層20aを固化させて、部品11、12、13と第2の基板20との間に接着接続を形成することができる。例えば、固化は、図1Bにおける熱(H)を除去した後に行われる。例えば、接着層20aは、その融点及び/又はガラス転移温度を下回るまで能動的に又は受動的に冷却されてもよい。
【0021】
いくつかの実施形態では、例えば図1Cに示すように、第1及び第2の基板10、20を離して、例えば剥離して、接着層20aの接着接続により部品11、12、13を第1の基板10から第2の基板20に転写する。好ましくは、部品11、12、13と第2の基板20との間の接着層20aによって形成される接着接続は、部品11、12、13が第1の基板10に対して有することができる任意の接続(接着又は他の方法)よりも強く、例えば少なくとも2、3、5、10倍又はそれより大きい強さである。いくつかの実施形態において、部品11、12、13の第1の基板10への接続又は接着は、転写の前に除去される又は低下していてもよい。例えば、UVダイシングテープを第1の基板10として使用することができ、そこでは、部品が第2の基板20によって引き剥がされる前に、接着結合がUV光の曝露によって破壊される。また、第2の基板20上の接着層20aが固化している間、第1の基板10上の接着層が依然として溶融するように、融点の低い別のホットメルト接着剤を使用することも想定され得る。図では、第2の基板20が第1の基板10の上に示されているが、これは必須ではない。例えば、第1の基板と第2の基板を上下反転させた構成でもよいし、左右反転させた構成でもよい。任意に、第2の基板20は、第1の基板10からの部品の転写後、例えば以下に説明するような後続のステップのために、任意の所望の方向に反転又は位置決めすることができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、例えば図1Dに示すように、部品11の少なくとも第1のサブセットは、第2の基板20から第3の基板30に転写される。好ましくは、転写は、部品11の少なくとも第1のサブセットを保持する接着層20aの接着領域21aの少なくとも第1のセットに光Lを放射することによって開始される。好ましくは、第2の基板20は、少なくとも部品を放出するために使用される光Lに対して、透明である。好ましい実施形態において、例えば図示のように、光Lは第2の基板20を透過して、すなわち部品の背面から向けられる。したがって、第2の基板20は、好ましくは光Lに対して透明である。例えば、第2の基板20は、光の大部分を、例えば50%、60%、70%、80%より多く、又は更には90%を超えて透過させる。別の又は更なる実施形態では、接着層20aは部品と光源との間にある。最も好ましくは、接着層20aは光Lを吸収する。代替的に、光の一部は、接着剤を間接的に加熱することもできる部品によって吸収されてもよい。例えば、部品が熱に敏感である場合、この後者の加熱モードは、あまり好ましくない可能性がある。
【0023】
いくつかの実施形態では、例えば図示のように、光Lは接着層20aのサブ領域に排他的に放射される。従って、接着層20aは、1つ以上の部品11の選択された第1のサブセットのみを放出するように局所的に溶融され得る。図示の実施形態では、例えば指向性レーザービームを使用して、一度に単一の部品が転写される。代替的に又は付加的に、複数のレーザービームを使用して、複数の部品を同時に選択的に転写することができる。好ましい実施形態(図示せず)において、光源、例えばフラッシュランプと第2の基板20との間にマスクを配置し、接着層20aに光パターンを投影し、これにより同時に対応する部品のパターンを転写する。いくつかの用途は、部品のサブセットの選択的な光誘起転写のオプションから特に利益を得ることができるが、全ての部品が第3の基板30に転写されることも想定され得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、光Lは、接着材料が流れ始める温度まで接着材料を加熱し、例えば、部品を導くことができる。理論に縛られることなく、結果として生じる流れの方向は、加熱プロファイルによって決定されてもよい。例えば、接着材料を急速に加熱すると、圧力波が発生することがある。好ましい実施形態において、光Lは、加熱を引き起こし、転写を開始させるための比較的短いパルスで照射される。例えば、光パルスは、100ミリ秒未満、10ミリ秒未満、又は更に1ミリ秒未満とすることができる。より短いパルスを使用することで、熱が放散する時間を有する前に、十分に速い温度上昇を引き起こす可能性がある。他の又は更なる実施形態において、複数のパルスを使用することができ、又は接着材料及び/又は部品を加熱し続けるより長いパルスを使用することができる。いくつかの実施形態において、例えば図示のように、光Lは、接着領域21aの少なくとも第1のセットを溶融させ、溶融した接着材料11mの1つ以上のそれぞれジェット21jを形成し、部品11の少なくとも第1のサブセットは、第2の基板20から第3の基板30に向かって延びるジェット21jによって第3の基板30に転写される。
【0025】
好ましくは、ホットメルト接着層又は材料は、部品との接着を確立するために湿潤相で溶融したときに比較的低い粘度を有し、例えば1000Pa・s未満(ピーナッツバターと同様)、好ましくは500Pa・s未満、より好ましくは200Pa・s未満、最も好ましくは100Pa・s未満であり、一般に、10Pa・sより大きい。一方、粘度は、接着を確立することが可能なように、例えば部品を層内に沈めることが可能なように十分低いことが好ましく、他方、この段階で材料が基板から滴り始めないように十分高いことが好ましい。粘度は、光誘起転写段階の間、より低くてもよく、例えば、10Pa・s未満(蜂蜜と同様)、好ましくは1Pa・s未満、より好ましくは100mPa・s未満、最も好ましくは10mPa・s未満、又は更に1mPa・s未満(水と同様)であってもよい。この段階での粘度が低いほど、部品は基材間をより容易に及び/又はより速く移動することができる。一般的に、接着材料は、非ニュートン流体として作用することができ、例えば、好ましくは、ジェット形成を促進することができる剪断減粘性である。材料が(再)固化する際、粘度は、例えば10Pa・sを超え、10Pa・sを超えるまで増加してもよく、及び/又は材料は固体として効果的に作用してもよい。
【0026】
いくつかの実施形態において、1つ以上のジェット21jは、第2の基板20上の接着層20aと第3の基板30上の部品11との間に部分的に又は完全に(少なくとも瞬間的に)延在することができる。例えば、それぞれの部品11は、溶融した接着材料のそれぞれのジェット又は液滴によって、第3の基板30に運ばれることができる。溶融したジェットによるこの転写方法は、例えば接着層の(爆発的な)アブレーションと比較して、より良好な制御を提供することができる。他の又は更なる実施形態では、接着材料のジェット21aは、転写後に少なくとも部分的に接着層20aに後退してもよい。例えば、ジェットは、転写中又は転写後にばらばらになってもよい。また、接着材料のいくつかは、それぞれの部品と共に転写されてもよく、必要に応じて、任意に部品から洗浄することができる。
【0027】
好ましい実施形態では、例えば図示のように、第3の基板30と第2の基板20との間で少なくとも部品11の第1のサブセットを転写する間は、第3の基板30は、第2の基板20の下方に(重力ベクトルに沿って)配置される。例えば、部品11の第1のサブセットは、第3の基板30に向かってある距離(DZ)にわたって落下する重力ベクトルによって(非接触の方法で)助けられることができる。また、他の構成も想定することができ、例えば、第3の基板30が上部にあり、第2の基板20が下部にあることができ、又はこれらの基板は互いに横向きに向き合うことができる。例えば、ジェット又は液滴は、例えば、光の(急激な)加熱によって生じる運動量に応じて、任意の方向に部品を運ぶことができる。
【0028】
いくつかの実施形態において、光Lを照射することによる転写の間、第2の基板20上の部品11、12、13と前記第3の基板30上のそれらの目的となる面との間の(非ゼロの)距離DZは、部品11、12、13の(最大の)断面直径Xの2倍よりも小さい。例えば、距離DZは、部品の直径X(基板との平面内)の5パーセント(0.05倍)~200パーセント(2倍)、好ましくは20~100パーセントの間、より好ましくは30~50パーセントの間である。このような範囲内であれば、部品の配置は比較的正確でありながらも、完全に転写するために十分な距離を有し、ジェットをバラバラにすることができ、非転写部品12、13と第3の基板30との不用意な接触を防止することができる。例えば、350μmの断面サイズを有する部品を、約20μm~500μmの間のギャップサイズにわたって転写することができる。
【0029】
いくつかの実施形態において、接着層20aは、光Lが部品に到達する前に、比較的高い割合の光Lを(直接)吸収するように構成される。このようにして、エネルギーは、少なくとも最初は、溶融を引き起こすための接着剤において直接放散され、部品の過熱が緩和され得る。好ましい実施形態において、接着層20aは、光Lの少なくとも10パーセントを吸収する、好ましくは少なくとも30パーセント、より好ましくは少なくとも50パーセント、又は更に80又は90パーセントより多く吸収するように構成される。光が層によって直接的に吸収されるほど、部品を損傷からよりよく保護することができる。
【0030】
いくつかの実施形態において、部品11、12、13と光Lの光源との間の接着層20aの層厚DAが、所望の光吸収を達成するように設定される。例えば、層厚DAは、用途に応じて、10マイクロメートルより大きく、20マイクロメートルより大きく、50マイクロメートルより大きく、100マイクロメートルより大きく、又はそれより大きく、例えば、1ミリメートル又は2ミリメートルまでである。例えば、層厚DAは、部品の厚みと同じ又は同程度であってもよく、例えばこの厚みの0.1~10倍数であってもよい。また、層厚は、転写中に部品と一緒に流れる可能性のある材料の量を決定してもよい。例えば、部品が接着層に部分的に沈んでいる場合、接着層の元の層厚は、部品と光源との間の材料の厚さDAよりも大きくてもよい。
【0031】
いくつかの実施形態において、光Lに対する接着層20aの吸収係数は、比較的高い。いくつかの実施形態において、ホットメルト接着材料は、それ自体で透明であってもよい。吸収を増加させるため、光Lの波長で光を吸収する色素又は吸収剤を添加することができる。例えば、355nmのUVレーザーのためにTiOを添加することができる。このプロセスは主に熱的に進められ、アブレーションベースではないので、異なるタイプのレーザーに対して異なる吸収剤を考慮することができる。例えば、緑色レーザーはRodamine吸収剤と組み合わせて使用することができ、NIRレーザー1064はEpolight 9837のようなNIR吸収色素と組み合わせて使用することができる。プロセスは主に熱的に進められ、アブレーションベースではないことが予想されるため、異なる種類のレーザーに対して異なる吸収剤を考慮することができる。例えば、緑色レーザーは、Rodamine吸収剤と組み合わせて、又は、NIRレーザー1064とEpolight 9837のようなNIR吸収色素とを組み合わせて使用することができる。
【0032】
図2A~2Cは、転写された部品10を受けるための凹部31が設けられた第3の基板30を説明する図である。例えば、これにより又は第3の基板の他の適応により、部品配置の精度を向上させることができる。
【0033】
いくつかの実施形態において、例えば図2Aに示すように、部品11の第1のサブセットは、第1の部品レイアウトAに従って、第2の基板20上に配置される。別の又は更なる実施形態において、第3の基板30は、少なくとも第1の部品レイアウトA対応する相対位置A’に配置された凹部31を含む。いくつかの実施形態において、例えば図2Bに示すように、第2及び第3の基板10、20は、第3の基板30に接触せずに部品11の第1のサブセットが対応する凹部31上に吊り下げられるように整列される。他の又は更なる実施形態では、光Lを、第2の基板20上の少なくとも第1の部品レイアウトAに投影し、部品11の第1のサブセットを第3の基板30の対応する凹部31にわたって、その中に転写する。いくつかの実施形態では、例えば図2Cに示されるように、基板は、転写後に離されてもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、例えば図示のように、第2の基板20上の部品11、12、13は、第2の部品レイアウトBに従って配置された部品12の第2のサブセットを含む異なるサブセット、例えば排他的なサブセットに分割されている。他の又は更なる実施形態において、第3の基板30は、少なくとも第2の部品レイアウトBに対応する相対位置B’に配置された第3の基板30の非凹部によって形成された突起35を含む。一実施形態において、第2及び第3の基板10、20の位置合わせにおいて部品12の第2のサブセットは第3の基板30の対応する突起35に接触している。別の又は更なる実施形態では、第1の部品11の第1のサブセットの転写後、部品12の第2のサブセットは、第2の基板20に付着したままである。
【0035】
いくつかの実施形態において、部品11の第1のサブセットは、第1の部品転写の間に転写するために選択され、第1の部品レイアウト「A」に従って配置される。図示の実施形態において、部品12の第2のサブセットは、第1の部品の転写の間に第2の基板20上に留まるように選択され、第2の部品レイアウト「B」に従って配置される。また、更なるサブセットを定義してもよく、例えば、図示の実施形態において、部品13の第3のサブセットは、レイアウト「C」に従って配置され、この場合も、第1の部品の転写の間、第2の基板上に留まるように選択される。もちろん、残りの部品12及び13も、この点では単一のレイアウトの一部と考えることができる。
【0036】
好ましい実施形態において、第3の基板30は、少なくとも第1の部品レイアウト「A」に対応する相対位置A’に配置された凹部31を備える。換言すると、凹部31間の距離は、部品11の第1のサブセット間の距離に対応する。また、凹部31のサイズ、例えば直径は、以下に更に説明するように、部品11が凹部に収まるように、部品11のサイズに対応する。本明細書で使用される凹部の概念は、一般に、そのレベルが第3の基板30平均表面レベルより低い第3の基板30の凹み又は領域を指す。
【0037】
好ましい実施形態において、第3の基板30は、突起35を備える。突起35は、少なくとも第2の部品レイアウト「B]に対応する相対位置B’に配置される。換言すると、突起35の寸法間の距離は、部品12の第2のサブセット(この場合、部品13の第3のサブセットも)の寸法間の距離に対応する。例えば、突起は、第3の基板30の非凹部又は別の形状によって形成されることができる。本明細書で使用する突起の概念は、一般に、そのレベルが第3の基板30の平均表面レベルよりも高い第3の基板30の凸部又は領域を指す。第3の基板30の表面の突起は、その間に凹部を規定することができ、及び/又はその逆もまた然りである。
【0038】
一実施形態において、例えば図2Bに示すように、第2及び第3の基板10、20は位置合わせされる、つまり、相対的に配置される。図示の実施形態において、部品11の第1のサブセットは、第3の基板30に接触することなく、対応する凹部31の上に吊り下げられている。更に、図示するように、好ましくは(少なくとも)部品12の第2のサブセットは、第3の基板30の対応する突起35に接触している。
【0039】
いくつかの実施形態では、光「L」は、例えば第1部品の転写において、第2の基板20上の少なくとも第1の部品レイアウト「A」に投影される。好ましくは、光が第2の基板20を透過して接着層20a及び/又は部品11を背面から照らすことができるように、光「L」に対して第2の基板20は透明である。代替的に又は付加的に、光を他の方向から照らすこともでき、例えば、部品を加熱し、次に、当該加熱された部品が放出のために第2の基板の領域又はそれらの間にある層を加熱することができる。図示の実施形態において、光は、部品11の第1のサブセットの全てを、対応する凹部31を横切って、その中に配置させる、又は転写する。同時に(少なくとも)、部品12の第2のサブセットは、第2の基板20に付着したままであることができる。図示の実施形態において、また、部品13の第3のサブセットは、第2の基板20に留まる。対応する突起35との接触は、第1の部品転写における部品12の第2のサブセット(ここでは部品13も)の転写を阻止し得ることが理解されよう。例えば、接触は、転写を物理的に阻止する。
【0040】
図示の実施形態において、光「L」の少なくとも一部は、第2の部品レイアウト「B」にも投影される。例えば、第2の基板20の全体又は重要な領域が照らされてもよい。別の又は更なる実施形態(ここでは示されていない)において、光は、例えば、部品11の第1のサブセットを選択的に又は限定的に照らすようにパターン化されることもできる。その場合でも、本発明の方法は、例えば、特に部品及びその間の距離がマイクロメートル領域である場合に、第2の基板20を介して間接的に加熱され得る近くの部品の不注意な転写を防止する点で有利であり得る。
【0041】
いくつかの実施形態(図示せず)において、部品12の第2のサブセットは、第2の部品転写の間に転写するために選択される。第2の部品転写は、第1の部品転写とは別個であることができ、例えば、起こる時間及び/又は場がの異なる。例えば、第2の部品転写は、少なくとも第2の部品レイアウト「B」に対応する相対位置に配置された凹部を含む第3の基板(図示せず)上に、残りの部品12の第2のサブセットを備える第2の基板20を位置合わせすることを含む。そのようないくつかの実施形態において、第2の部品転写のための第3の基板は、他の凹部を備える別の基板である。そのような他の実施形態では、例えば、第1の部品転写において使用されなかった追加の凹部を含む同じ基板が第2の部品転写において使用される。例えば、第2の部品転写において、第2の基板上の少なくとも第2の部品レイアウトに光が投射され、部品12の第2のサブセットを、対応する凹部をわたって、その中に転写する。
【0042】
図示の実施形態において、複数の部品は、部品13の第3のサブセット、例えば、第1及び第2の部品転写(図示せず)の間に第2の基板20上に留まるように選択された部品を含む。実施形態において、部品13の第3のサブセットは、第3の部品レイアウトCに従って配置される。例えば、第2の部品転写における転写用の第3の基板は、第2の部品転写の間に部品13の第3のサブセットに接触するために、第3の部品レイアウトCに対応する相対位置に少なくとも配置された突起を備える。例えば、部品13の第3のサブセットは、第3の部品転写ステップ(図示せず)間の転写のために選択される。当然ながら、部品は、2つのサブセットのみに分割されてもよく、又は3より多い部品のサブセット、例えば、4、5、10又はそれより多いサブセットに分割されてもよい。
【0043】
一般に、部品の異なるサブセットを、異なる転写ステップで、同じ又は異なる第3の基板上の異なる凹部内に転写することができる。好ましくは、各転写ステップは、光「L」の別々の(単一の)パルス又はパルスの別々のシーケンスによって行われる。あるいは、連続光源も原理的には使用可能である。
【0044】
いくつかの実施形態において、部品11の第1のサブセットは、第2の基板20上の部品12の第2のサブセットの部品に散在している。従って、第2の基板20上の部品の密度を、第3の基板30上の密度と比較して相対的に高くすることができる。図示の実施形態において、第2のサブセットの部品12は、第1のサブセットの部品11と同じ相対位置を有する。換言すると、第2の部品レイアウト「B」は、第1の部品レイアウト「A」と同じであるが、シフトされている。これにより、同じ目標レイアウトの凹部を、部品レイアウト「A」又は「B」のいずれかで充填することができるという利点を有することができる。例えば、凹部を備える第1の第3の基板に部品11の第1のサブセットを充填し、同一の凹部レイアウトを備える第2の第3の基板に部品12の第2のサブセットを充填することができる。
【0045】
図示の実施形態では、第2のサブセットの部品12は、第2の基板20上で第1のサブセットの部品11に(直接)隣接する。特にそのような隣接する部品について、特に小さな部品及び/又は高密度の場合、第2の基板20における局所的な熱堆積を制御することが困難である場合があることが理解されよう。従って、本発明の方法及びシステムは、そのような隣接する部品の不注意な転写を防止することができる。
【0046】
いくつかの実施形態(ここでは図示しない)において、部品は、それと接続するための回路に転写される。例えば、はんだ材料又は導電性接着剤が第3の基板上に配置され、部品と回路(例えば、電極)とを接続する。代替的に又は付加的に、はんだ材料又は他の材料は、第2の基板上の部品の下に配置され、部品と共に転写されてもよい。はんだ付け又は他の種類の接続は、いくつかの実施形態において、1つのステップで実行することができる。例えば、光からの熱によって、転写とはんだ付けとの両方が行われてもよい。代替的に、又は付加的に、転写後に部品も回路に接続することができる。いくつかの実施形態において、部品は、上部、つまり第3の基板から離れる方向を向いた1つ以上の電気的接続を備える。例えば、上部に有利に接続する第3の基板の上に電極を堆積する、例えば印刷することによって、そのような部品に接続することができる。凹型の部品は、いくつかの実施形態において部品と同一平面にすることができる第3の基板の隣接する(相対的に上昇した)レベルから上部へより容易に接続することができることが理解されよう。また、部品の側面への接続も想定され得る。側面の接続は、傾斜したエッジを凹部に設けることによって更に容易になり得ることが理解されよう。
【0047】
図3A及び3Bは、いくつかの実施形態に係る熱Hの流れを説明する図である。いくつかの実施形態では、例えば図示するように、転写のために指定された部品11に加熱の範囲を限定することが困難である、又は非現実的である場合がある。例えば、部品(例えばマイクロLED)及び/又はそれらの間の距離は、比較的小さくすることができる。従って、熱Hは、基板上に留まるはずの隣接する部品12にも広がる可能性がある。第3の基板上の接触する突起は、接着層20aが仮に(部分的に)溶けた場合でも、隣接する部品12を接着層20aに効果的に接触させ続けることができることが理解されよう。更に、この接触により、被転写部品11よりも隣接する部品12の方が熱の放散が良好になる可能性がある。転写後、図3Bに示すように、接着層及び/又は部品が冷却されて接着層20aが再固化し、隣接する部品12が第2の基板20に再接着することができる。
【0048】
いくつかの実施形態において、接触する第3の基板30は、部品12の第2のサブセットのためのヒートシンクとして機能することができる。例えば、光、例えばパルスによって生成された熱のかなりの割合が、第3の基板30との接触を通じて、例えば20%より多く、50%より多く、又は更に80%若しくは90%より多く放散される。これは、光「L」の少なくとも一部が部品12の第2のサブセットに当たる、例えば部品12の第2のサブセットを直接加熱する場合に、有用であり得る。代替的に、又は付加的に、光「L」の少なくとも一部が部品12の第2のサブセットの近くに当たる、例えば第2の基板20を介して部品12の第2のサブセットを間接的に加熱する場合に有用であり得る。
【0049】
図示の実施形態において、光「L」により、部品11の第1のサブセットを第1の温度T1まで加熱し、部品12の第2のサブセットを第2の温度T2まで加熱する。本明細書に記載された方法によると、第2の温度T2が第1の温度T1よりも低いことが発生する可能性がある。好ましくは、第1の温度T1は、第2の基板20から部品11の第1のサブセットを放出させるための閾値超である。いくつかの実施形態において、第2の基板20と部品11の第1のサブセット11との間の接着層20aは、部品11の第1のサブセットを放出するために弱められる。他の又は更なる実施形態において、第2の基板20と部品12の第2のサブセットとの間の接着剤は、部品12の第2のサブセットを放出するために十分に弱められない。代替的に又は付加的に、光「L」が消えた後に接着剤が冷却され、部品12の第2のサブセットが依然として第2の基板20に接触している間にその接着強度が回復されてもよい。
【0050】
いくつかの実施形態において、第3の基板30は、少なくとも接触界面において、比較的高い熱伝導率を有することが好ましい。例えば、第3の基板30の熱伝導率及び/又は熱容量は、第2の基板20の熱伝導率及び/又は熱容量と比較して相対的に高く、例えば10%よりも高く、例えば2倍である。第2の基板20を比較的低い熱伝導率とすることにより、熱Hの側方伝導を低下させる、及び/又は部品11の加熱を容易にするという更なる利点を提供することも可能である。
【0051】
図4A~4Cは、第3の基板30へ部品11を電気的に接続することを説明する図である。
【0052】
いくつかの実施形態において、例えば図示のように、部品11が第3の基板30上に配置された状態で、部品11に導電性材料50sが塗布される。いくつかの実施形態において、部品は、上部に、つまり第3の基板30から離れる方向に面する電気入力/出力接続を有し、導電性材料50sは上部にも塗布され得る。例えば、部品は、第3の基板30を介して他方の側に光を向けるように構成されたマイクロLEDを備えてもよい。他の又は更なる実施形態において、部品接続部は、側面及び/又は底面にあることができる。いくつかの実施形態において、はんだ又は他の材料を部品接続部に適用することができ、これにより、ここに示すように、第3の基板30上の回路の電極30eに電気接続を確立する、又は以下に示すように、別の基板に電気接続を確立するために役立つことができる。例えば、第3の基板30は、例えば最終製品に使用される最終基板であってもよいし、後続の転写のための中間(テンプレート)基板として使用されてもよい。
【0053】
いくつかの実施形態において、例えば図示のように、凹部31及び/又は突起35は、被転写部品11とのそれぞれの電気的接続を形成するための1つ以上の電極30eを備える。導電性材料50sは、凹部(図示せず)又は電極30eを備えない基板上の部品に適用することができるが、部品10をそれぞれの凹部31内に有することは、導電性材料50sを適用すること及び/又は電極30eと電気接続を確立することに役立ち得ることは理解されるであろう。例えば、部品は、少なくとも部分的に、又は完全に凹部31内に沈むことができ、又は突起の表面と同一平面になることができる。
【0054】
いくつかの実施形態において、例えば図示のように、導電性材料50sが適用されるべき位置に一致するそれぞれの開口部を有するスクリーン50が使用される。例えば、開口部は、導電性材料50sを塗布する前に、凹部又は他の部品位置に位置合わせされる。例えば、スクリーン印刷又は類似のプロセスを用いて、導電性材料50sを容易に塗布することができる。
【0055】
いくつかの実施形態において、例えば図示のように、第3の基板30、又は少なくとも凹部31は、凹部に転写された部品を保持するための接着層31aを備える。例えば、第3の基板30は(も)、転写後の部品11を保持するためのホットメルト接着層31aを備える。いくつかの実施形態において、第3の基板30上の接着層31aは、転写の前に溶融されてもよい。他の又は更なる実施形態において、接着層31aは、まだ温度が上昇しているその熱を放散させる部品を受け取って結果として溶融してもよい。他の又は更なる実施形態において、接着層31aは、転写中及び/又は転写後に熱を加えることによって溶融されてもよい。ホットメルト接着剤に代えて、また他の種類の接着剤を接着層31aに使用することができ、又は、例えば、その後の電気接続が十分である場合、若しくは部品が後続のステップでピックアップされる場合、接着層31aを省略することも可能である。
【0056】
いくつかの実施形態において、接着層31a(ホットメルト又はその他)は、電気的接続を確立する間及び/又は確立した後に部品を保持するのに役立つ場合がある。他の又は更なる実施形態において、例えば、接着層31aがホットメルト接着剤である又はその後の(光誘起型)転写に適した他の層である場合、部品11は、以下に説明するように、更に別の基板に転写されることができる。
【0057】
図5A~5Cは、第3の基板30上の部品11を更に転写するための準備について説明する図である。いくつかの実施形態において、部品が第3の基板30から第4の基板(ここでは図示しない)に転写される前に、部品11に導電性材料が(凹部内に又は他に)塗布される。例えば、後続の転写中又は転写後に溶融させることが可能なはんだ材料を適用することができる。それ以外に、導電性材料を塗布するプロセスは、上述した説明と同様であってもよく、例えば、例えばスクリーン印刷を使用する。
【0058】
図6A~6Cは、第4の基板40への部品11r、11g、11bの転写を説明する図である。部品は全て同じであってもよく、又は異なっていてもよく、例えば、第3の基板30上に所定の構成で配置された赤、緑及び青の(マイクロ)LEDであってもよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、例えば図示のように、部品は第4の基板40によってピックアップされてもよい。他の又は更なる実施形態では、部品は、導電性材料50sによって第4の基板上の電極40eに接着されてもよい。例えば、電極40eに接触しながら、導電材料50sの付着が活性化される。有利には、部品11を転写するために第3の基板30を反転させる必要はないため、任意に、部品11を第3の基板30に付着させる必要はなく、例えば、凹部31によって保持するだけでよい。
【0060】
いくつかの実施形態において、例えば、はんだ又は他の導電性材料50sを溶融するために、熱Hを適用することができる。他の又は更なる実施形態において、熱は、例えばホットメルト又は同様の接着剤が使用される場合、第3の基板30への接着性を低下させる又は除去することができる。図示のように、凹部31におけるそれらの存在によって、部品をピックアップすることが比較的容易になり得ることが理解されよう。代わりに、部品を、非凹部領域からピックアップすることもできる。本実施形態において、第3の基板30上の全ての部品11が、第4の基板40に転写されることを示しているが、部品のサブセットを選択的に第4の基板に転写することも想定され得る。
【0061】
図7A~7Cは、光Lを用いた第3の基板30と第4の基板40との間での転写を説明する図である。
【0062】
いくつかの実施形態において、例えば図示のように、光Lによる選択的な照射を用いて、第3の基板30から第4の基板40へ選択的に部品が転写される。いくつかの実施形態において、例えば順次又は同時に、各部品は第4の基板へ転写される。他の実施形態において、部品のサブセットのみが転写される。そのため、原則として、第1、第2、第3、及び第4の基板間の各転写ステップは、部品の全て又はサブセットの転写を含んでもよいことが理解されよう。好ましくは、第1の基板から第2の基板への転写、及び第3の基板から第4の基板への転写は、全ての部品の転写を含み、一方、第2の基板と第3の基板との間では、部品のサブセットのみが転写される。これにより、光による選択的な転写によって、例えば、部品の密度を低下させる、及び/又は第3の基板上で異なる部品を組み合わせることができ、その上、部品を同時に所望の配置で最終的な基板に転写することができる。
【0063】
好ましい実施形態において、部品をそれぞれの基板30、40に電気的に接続するためのはんだ等の導電性材料50sは、部品11の転写に使用したものと同じ光パルスLによって溶融される。例えば、転写を開始するための接着材料及び/又は部品を加熱するために、単一の光パルスを使用することができ、その熱によって、目的の基板に到達する前又は後に導電材料50sも溶融させることができる。代わりに、異なる光パルスを使用することができ、又は、導電性材料50sを別の方法で加熱する又は他の方法で活性化することができる。
【0064】
いくつかの実施形態において、凹部31を備える第3の基板30は、部品11の一部又は全部を1つ以上の更なる基板40に転写した後に再使用される。例えば、第3の基板30は、それぞれの製品を繰り返し製造するために、予め定義された形状の凹部を有する再使用可能なテンプレートとして機能することができる。任意に、接着材料、例えばホットメルトも再使用することができ、又は再使用の間に再び塗布することができる。
【0065】
図8A~8Cは、電気回路と共に部品を転写することを説明する図である。
【0066】
いくつかの実施形態において、第3の基板30は、ホットメルト接着層30aを備える。一実施形態において、図示するように、部品11は、第3の基板30のそれぞれの凹部31内の接着層30aの領域によって保持される。別の又は更なる実施形態において、図示するように、部品11に接続された電気回路部品30eは、第3の基板30のそれぞれの突起35上の接着層30aの領域によって保持される。従って、電気回路部品30eに接続された部品11を、第4の基板40に1つのステップで転写することができる。
【0067】
いくつかの実施形態において、例えば図8Bに示すように、例えば光又は他の加熱手段を用いて接着層30aが溶融している間、回路と第4の基板40との間で接触が形成される。例えば、第4の基板40は感圧接着剤を備え、又は第4の基板40との接続が別の方法で確立される。他の又は更なる実施形態において、部品と共に回路を、例えば光パルスを用いて非接触で転写することができる。
【0068】
いくつかの実施形態(図示せず)において、第3の基板30は、第4の基板40上の光硬化性材料を露出するために使用されるマスクパターンを備える。例えば、マスクパターンは、部品の接続に使用される回路パターンを備える。例えば、光硬化性材料は、露光により導電性が変化してもよい。このようにすれば、露光により電気的な経路を形成することができる。代替的に又は付加的に、光硬化性材料は、露光後、場合によっては部品が配置される前に硬化されてもよい。いくつかの実施形態において、電気的接続、例えばはんだ付けは、後で確立することができる。有利なことに、これにより、部品と目的の回路レイアウトとの間の自動的な位置合わせが可能になる場合がある。
【0069】
いくつかの実施形態(図示せず)において、第1、第2、第3又は第4の基板のうちの1つ以上は、例えば、凹部を有する部品の又は目的の回路を備える凹部を有する部品の相対的位置合わせのための位置合わせマークを備える。例えば、位置合わせマークは、露光により、それぞれの基板を通して検出可能であってもよい。
【0070】
図9A~9Cは、異なる部品11r、11b、11gを、それぞれ第2の基板20r、20g、20bから共通する第3の基板へ転写することを説明する図である。
【0071】
図示の実施形態では、光「L」は、第1の部品レイアウト「A」に従ってパターン化される。換言すると、光「L」は、部品11の第1のサブセットに排他的に投影される、及び/又は光「L」が、他の任意の部品レイアウト(ここではレイアウト「B」~「G」)へ投影されることが阻止される。例えば、光源(ここでは図示せず)と第2の基板20との間にマスクが配置される。マスクは、フラッシュランプのような光源に特に有用であり得る。例えば、マスクは、第1の部品レイアウト「A」に投影する光を通過させる又は反射させる一方、少なくとも第2の部品レイアウト「B」に光が投影されることを防ぎ、この場合、任意の他のレイアウトに光が投影されることも防ぐ。マスクに代えて又は加えて、光をパターン化することができ、又は別の方法で局所化させることができ、例えば、1つ以上の比較的狭い、又は集束した(レーザー)光ビームを使用することができる。
【0072】
図9Aは、いくつかの実施形態に係る第1の部品転写を示し、第1の部品Hrが第2の基板20rから第3の基板30上の第1の凹部31rに転写されることを説明する。また、当然ながら、複数の同じ第1の部品11rは、第1の部品レイアウトAに応じて異なる位置で転写されることができる。図示の実施形態において、例えば部品12r、13rは、第3の基板30と接触しているため、第2の基板20r上に留まる。図示の実施形態において、第2の基板20r上の別の部品14rは、第2の凹部31g上に吊り下げられているが、光「L」により照らされていないため、第2の凹部31gへの第1の部品転写中に転写されない。ここで、部品17rについても同様である。いくつかの実施形態において、例えば図示のように、光ビーム中にマスクMが配置され、光が他の部品14rに到達するのを選択的に遮断する。代わりに、光は、例えばミラーによって、選択的に方向付けられる。
【0073】
図9Bは、いくつかの実施形態に係る第2の部品転写を説明し、第2の部品11gの第2の凹部31gへの転写を説明する。いくつかの実施形態において、第2の部品11gは、別の第2の基板20gから転写される。例えば、第2の基板20gは、第2の基板20rとは異なり、例えば、これらは、異なる部品を備える。図示の実施形態において、第2の基板20g上の別の部品17gは、第1の凹部31r内に先に載置された第1の部品11r’の上に吊り下げられる。好ましくは、必ずしもではないが、他の部品17gは、先に載置された第1の部品11r’と接触していない。例えば、第1の凹部31rは、先に載置された第1の部品11r’の厚みよりも深い。これにより、他の部品17gの不用意な転写を防ぐことができる。更に、図示のように、第2の部品転写の間、第2の基板20g上の更に別の部品14gが第3の凹部31b上に吊り下げられていてもよいが、光「L」により照らされないため、第2の凹部31g内に転写されない。
【0074】
図9Cは、いくつかの実施形態に係る第3の転写ステップを示し、第3の部品11bが、更に別の第2の基板20bから第3の基板30上の第3の凹部31b内に転写されることを示す。図示の実施形態において、第2の基板20b上の他の部品14b、17bは、それぞれの第1及び第2の凹部内に以前に載置された第1及び第2の部品11r’、11g’の上方に吊り下げられている。
【0075】
いくつかの実施形態(図示せず)において、第3の基板30は、例えば、壊れた画素を有するディスプレイスクリーンのような壊れた部品を有するデバイスを修復するため、追加の部品を載置するために使用できる余剰な凹部を備える。本開示のいくつかの態様は、例えば、本明細書に記載の方法又は他の方法に従って以前に製造された、凹部31内に事前に載置された部品11を有する第3の基板30を修理するための方法を提供することができる。例えば、いくつかの実施形態において、第3の基板30は、以前に載置された部品11を有する凹部31に隣接する余剰の空の凹部を備える。従って、修理方法は、例えば、以前に載置された部品11の中から壊れた部品の位置を見つけることと、本明細書に記載のような方法を用いて、壊れた部品に隣接する余剰の凹部に別の部品を追加することと、を含むことができる。余剰の凹部を使用する代わりに、任意の方法で壊れた部品を除去することによって、及び、本明細書に記載の方法に従って、壊れた部品が除かれた凹部に新しい部品を挿入することを進めることによって、基板を修理してもよい。
【0076】
これらの又は他の修理方法は、例えば、1つ以上の初期転写ステップの後に、第3の基板上の壊れた部品の存在を検査する及び/又は位置を見つけ出すことによって、製造プロセスの一部として組み込むこともできる。壊れた部品が検出された及び/又は位置が見つけ出された場合、本明細書に記載の方法を用いて、壊れた部品を修理又は補って第3の基板を修理することができる。例えば、ディスプレイスクリーンの製造方法は、本明細書に記載の方法に従って凹部内に部品を有する第3の基板を製造することを含むことができ、部品は画素を形成する発光装置である。壊れた画素が見つかった場合、付加的な部品を追加することによって、説明したようにこれらを修理することができる。余剰の凹部を使用する代わりに、又はそれに加えて、壊れた部品を、それぞれの凹部から除去し、本明細書に記載の方法によって交換することができる。
【0077】
図10Aは、第2の基板20上の部品間の相対的な大きさと距離(第1の基板10上で同じ可能性がある)とを模式的に説明する。
【0078】
いくつかの実施形態において、例えば図示のように、第2の基板20上の隣接する部品11、12は、部品間の間隔Scだけ離間する。例えば、部品間の間隔Scは、10マイクロメートル未満、好ましくは5マイクロメートル未満、又はそれより小さく、例えば1~3マイクロメートルである。有利には、部品間の間隔Scが小さいほど、第2の基板20又は前駆体基板の表面、例えば成長基板の表面をより効果的に利用することができる。
【0079】
図示の実施形態において、部品11、12は、(第2の基板20の表面に沿う)部品直径Wcを有する。例えば、部品直径Wcは、100マイクロメートル未満、好ましくは50マイクロメートル未満、又は更に5マイクロメートル未満、例えば0.1~100μmである。有利には、部品が小さいほど、より多くの部品が表面に適合し、従って、表面を部品転写のためのソースとしてより効率的に使用することができる。
【0080】
図示の実施形態において、部品11、12は、部品厚さHc(第2の基板20の表面に対して横方向)を有する。例えば、部品厚さHcは、10マイクロメートル未満、好ましくは5マイクロメートル未満、又は更に3マイクロメートル未満、例えば0.1~10μmの間である。有利には、部品が薄いほど、製造に必要な材料が少なくなり、より安価な生産を可能とすることができる。
【0081】
いくつかの実施形態において、図示のように、部品直径Wcが部品厚さHcよりも大きい、例えば少なくとも2倍、3倍、5倍、又はそれより大きいことが好ましい場合がある。有利には、厚さに比べて相対的に大きい直径を有する部品は、本明細書に記載されるような転写により適していてもよく、例えば、光によってより迅速に加熱され、空中で転写中に回転しにくくなる。
【0082】
図10Bは、凹部31に配置された部品11を備える第3の基板30の実施形態を模式的に説明する図である。
【0083】
図示の実施形態において、凹部31の底部は、少なくとも部品径Wcと等しい底部径Wbを有する。そうでない場合、凹部に部品を適合させることが困難となる可能性がある。好ましくは、凹部31の底部は、部品直径Wcの1.3倍未満、好ましくは1.2倍未満、より好ましくは1.1倍未満、例えば、部品直径Wcの1.00~1.05倍の間の底部直径Wbを有する。有利には、部品直径Wcと底部直径Wbとの間の適合が緊密であればあるほど、目標位置がより正確に定義され得る。
【0084】
図示の実施形態において、凹部31の上部は、底部直径Wbと少なくとも等しい、好ましくは少なくとも1.1倍、より好ましくは少なくとも1.2倍大きい上部直径Wtを有し、例えば上部直径Wtは底部直径Wbの1.2倍~1.5倍の間である。有利には、底部直径と比較して相対的に広い上部直径を凹部に設けることによって、凹部への部品の転写をより容易とすることができる。他の又は更なる実施形態において、図示のように、凹部31の外縁は、第3の基板30及び/又は底部の表面法線に対して角度θで傾斜している。例えば、角度θは、10度より大きく、好ましくは20度より大きく又は30度より大きく、例えば40度~70度である。有利には、第2の基板上の部品レイアウトが凹部に対してわずかにずれている場合であっても、傾斜した外縁によって、部品を凹部内に導くことを保持することができる。いくつかの実施形態において、傾斜した縁は、凹部内の部品により放出される光を反射する等の更なる機能を提供してもよい。
【0085】
好ましくは、凹部は、部品厚さHcの半分に少なくとも等しい深さHrを有し、好ましくはより深い。十分な凹部の深さを設けることにより、効果的な部品転写のために第3の基板を十分に除去することができる。いくつかの実施形態において、図示のように、凹部は、部品厚さHcに少なくとも等しい深さHrを有し、好ましくはより深く、例えば少なくとも1.01倍以上であり、例えば凹部深さHrは部品厚さの1.1倍~1.5倍の間である。部品の厚さよりも大きい深さを凹部に設けることによって、部品は、第3の基板面よりも完全に低い位置に存在することができ、例えば、その後の転写ステップにおいて、又は第3の基板の上面と同一平面である部品の上面に電極を接続するため、等、様々な理由で有益であることができる。
【0086】
図10Cは、例えば図9A~9Cを参照して説明されるように製造された異なる部品11r、11g、11bを備える第3の基板30の実施形態を模式的に説明する図である。
【0087】
いくつかの実施形態において、例えば図示のように、第3の基板30上の部品の周期的距離又はピッチPtは、第2の基板20上の部品の周期的距離又はピッチPdよりも大きく、例えば少なくとも2倍、3倍、5倍、又はそれより大きい倍数である。例えば、第2の基板20上の部品のピッチPdは10マイクロメートルであるのに対し、第3の基板30上の部品のピッチPtは20マイクロメートルより大きく、例えば最大で100マイクロメートル、又はそれより大きい。
【0088】
いくつかの実施形態において、部品11は、発光デバイス、例えばμLEDを備える。他の又は更なる実施形態において、部品はグループ化されている。例えば、各グループは、異なる色、例えば赤、緑及び青を放出するように構成された発光デバイスを備える。図示の実施形態において、部品11r、11g、11bのグループは、ここではpix1及びpix2として示される画素を形成する。例えば、第3の基板30は、ディスプレイ画面、例えば、モノクロ又はカラーディスプレイの一部である。図示された実施形態において、部品のグループ、例えば画素は、部品間の間隔Scよりも大きい画素間の間隔Spで離間されているが、これは必須ではない。一般に、画素は40~400マイクロメートルの、又はそれより大きいピッチPpを有する。例えば、70ピクセル/インチPPIの解像度は、25400/70=363μmのピッチに対応することができる。例えば、600PPIの解像度は、42μmのピッチに対応することができる。従って、600PPIの解像度について、グループ化された部品のピッチPtは更に小さくなる可能性があり、例えば、42μm/3部品=14μm/部品以下となる可能性がある。当然ながら、他の解像度も可能である。
【0089】
図11A~11Cは、第2の基板20から第3の基板30への部品11の選択的な転写を示す平面写真である。図11Aは、レーザーシステムを用いた部品への光(L)の位置合わせを説明する図である。図11Bは、(透明な)第2の基板20がまだ上にある状態で、第3の基板30に部品を転写した後の画像を示す図である。図11Cは、第2の基板20を除去した後の第3の基板30上の転写された部品11を説明する図である。
【0090】
明確かつ簡潔な説明のために、本明細書では、特徴を同一又は個別の実施形態の一部として説明するが、本発明の範囲は、説明した特徴の全て又は一部の組み合わせを有する実施形態を含み得ることが理解されるであろう。例えば、実施形態は、構成要素の列を有する断面図で示されているが、当然ながら、基板及びレイアウトは、二次元のものであってもよく、例えば、様々なレイアウトで部品の追加の列を含む。また、同様の機能及び結果を達成するために、本開示の利益を有する当業者によって代替的な方法が想定され得る。例えば、異なるレイアウトの特徴は、1つ以上の代替的な実施形態に組み合わせられ又は分割されてもよい。
【0091】
本明細書に記載された接触/非接触のハイブリッドアプローチは、対象となる部品にとって利点を有することができ、例えば、部品の寸法に適合したキャビティの設計により、高い配置精度を確保するための機械的なセルフアライメントが提供される。これは、任意に、キャビティ内のリフローセルフアライメントによって更に強化することができる。非対象部品の場合は、転写プロセス中に非対象部品は受理基板と接触したままであり、一方では、望ましくない/偶発的な転写に対する機械的停止を提供する。一方、部品と受理基板とが物理的に接触することで、選択的な転写を行うための新たなアプローチが可能になる。いくつかの転写方法では、対象となる部品にのみ光を向けるパターン化された光源を使用するが、部品が物理的に接触することで、対象ではない位置にヒートシンクができ、パターン化されていない光源を用いても選択的な部品転写が可能となる。また、基板に接触している非対象部品は、対象部品に対して明確に離れた高さを確保することができる。
【0092】
従って、議論され、示されたような実施形態の様々な構成要素は、第3の基板が非移動部品に接触する部分が物理的なブロック及びヒートシンクによってそれらの移動を防止し得るという利点、第2の反復において(例えば異なるLEDを用いて)、以前に配置された部品が新しい部品を妨げないという利点、凹部が配置された部品の位置合わせ及び抑制を提供し得るという利点、凹部の傾斜した端が更に配置に役立ち、例えばLEDについての反射面を提供してもよいという利点、を含む種々の利点を提供する。当然ながら、上記の実施形態又はプロセスのいずれか1つを、1つ以上の他の実施形態又はプロセスと組み合わせて、設計及び利点を見出すこと並びに一致させることにおける更なる改善を提供することができることを理解されたい。本開示は、特に顕微鏡サイズのLEDを用いたディスプレイの製造及び修理に特に利点を提供し、一般に、部品が光によって選択的に転写される任意の用途に適用できることが理解される。
【0093】
本開示の態様は、本方法を実行するように構成及び/又はプログラムされた装置によって具現化され得る。例えば、装置は、様々な基板を提供し、それらを互いに対して及び/又は基板に光を供給するための光源に対して相対的に位置決めするためのそれぞれの基板ハンドラを備える。いくつかの実施形態では、基板ハンドラ、光源、及び/又は光源と1つ以上の基板との間の任意のマスクは、1つ以上の作動及び/又は位置合わせ機構によって移動させることができる。また、他の構成要素、例えば、レーザービームを向けるためのミラーも制御され得る。これら及び他の構成要素の動作は、例えばハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素を有するコントローラによって決定され、本方法に従った動作行為を実行することができる。本開示の態様は、1つ以上のプロセッサによって実行される場合、本明細書に記載の方法を装置に実行させる命令を格納する(非一時的な)コンピュータが読み取り可能な媒体としても具現化され得る。
【0094】
以下に続く添付の特許請求の範囲の解釈において、単語「を備える」は、所定の請求項に記載されたもの以外の他の要素又は行為の存在を排除しないこと、要素に先行する単語「a」又は「an」は、そのような複数の要素の存在を排除しないこと、請求項のいずれの参照符号もその範囲を制限しないこと、複数の「手段」が同一若しくは異なる1つ以上の項目又は実装された構造若しくは機能によって表され得ること、開示された装置又はその一部分が、特に別段の記載なしに一緒に結合又は更なる部分へ分離できることは、理解されるべきである。
【0095】
[付記]
[付記1]
部品(11、12、13)を転写する方法であって、
第1の基板(10)に前記部品(11、12、13)を設けること、
第2の基板(20)にホットメルト接着材料(20m)を含む接着層(20a)を設けること、
前記接着層(20a)が溶融している間に、前記第1の基板(10)上の前記部品(11、12、13)を、前記第2の基板(20)上の前記接着層(20a)に接触させること、
前記接着層(20a)を固化させて、前記部品(11、12、13)と前記第2の基板(20)との間の接着接続を形成すること、
前記第1及び第2の基板(10、20)を動かして離して、前記接着層(20a)の前記接着接続によって、前記第1の基板(10)から前記第2の基板(20)へ前記部品(11、12、13)を転写すること、及び、
前記部品(11)の少なくとも第1のサブセットを保持する前記接着層(20a)の接着領域(21a)の少なくとも第1のセット上に光(L)を照射することによって、前記部品(11)の前記少なくとも第1のサブセットを、前記第2の基板(20)から第3の基板(30)へ転写すること、
を含み、
前記光(L)は、前記接着領域(21a)の前記第1のセットの前記接着材料(20m)を溶融させ、前記第3の基板(30)への転写のために、前記部品(11)の前記少なくとも第1のサブセットを放出させることを特徴とする、
方法。
【0096】
[付記2]
前記光(L)は、接着領域(21a)の少なくとも前記第1のセットを溶融させ、溶融された接着材料(11m)の1つ以上のそれぞれのジェット(21j)を形成し、前記部品(11)の前記少なくとも1つの第1のサブセットは、距離(DZ)にわたって、前記部品(11)の前記第1のサブセットを前記第2の基板(20)から前記第3の基板(30)へと運ぶ前記ジェット(21j)によって前記第3の基板(30)へ転写される、
ことを特徴とする付記1に記載の方法。
【0097】
[付記3]
前記第2の基板(20)から前記第3の基板(30)への転写の間、前記第3の基板(30)は、前記第2の基板(20)の下に配置され、前記部品(11)の前記第1のサブセットは、非接触の状態で、距離(DZ)にわたって前記第2の基板(20)から前記第3の基板(30)へ落下する、
ことを特徴とする付記1又は2に記載の方法。
【0098】
[付記4]
光(L)を照射することによる転写の間、前記第2の基板(20)上の前記部品(11、12、13)と前記第3の基板(30)上のそれらの目的となる表面との間の距離(DZ)は、前記部品(11、12、13)の断面直径(X)の2倍未満である、
ことを特徴とする付記1乃至3のいずれか1つに記載の方法。
【0099】
[付記5]
前記接着層(20a)は、前記部品に到達する前に前記光(L)の少なくとも30%を吸収するように構成されている、
ことを特徴とする付記1乃至4のいずれか1つに記載の方法。
【0100】
[付記6]
前記部品(11)の前記第1のサブセットは、前記第2の基板(20)上に第1の部品レイアウト(A)に従って配置され、
前記第3の基板(30)は、前記第1の部品レイアウト(A)に対応する少なくとも相対位置(A’)に配置された凹部(31)を備え、
前記第2及び第3の基板(10、20)は、対応する前記凹部(31)にわたって、前記第3の基板(30)に接触せずに前記部品(11)の前記第1のサブセットを吊り下げられるように位置合わせされ、
前記光(L)は、前記第2の基板(20)上の少なくとも前記第1の部品レイアウト(A)に投影され、前記第3の基板(30)の対応する前記凹部(31)にわたって、その中に、前記部品(11)の前記第1のサブセットを転写する、
ことを特徴とする付記1乃至5のいずれか1つに記載の方法。
【0101】
[付記7]
前記第2の基板(20)上の前記部品(11、12、13)は、第2の部品レイアウト(B)に従って配置された部品(12)の第2のサブセットを含む異なるサブセットに分割され、
前記第3の基板(30)は、前記第2の部品レイアウト(B)に対応する少なくとも相対位置(B’)に配置された前記第3の基板(30)の非凹部領域により形成された突起(25)を備え、
前記第2及び第3の基板(10、20)の前記位置合わせにおいて、前記部品(12)の前記第2のサブセットは、前記第3の基板(30)の対応する前記突起(25)と接触しており、
前記部品(11)の前記第1のサブセットの転写後に、前記部品(12)の前記第2のサブセットは、前記第2の基板(20)に付着したままである、
ことを特徴とする付記1乃至6のいずれか1つに記載の方法。
【0102】
[付記8]
前記部品(11)が前記第3の基板(30)上に配置されている間に、導電性材料(50s)が、前記部品(11)に適用される、
ことを特徴とする付記1乃至7のいずれか1つに記載の方法。
【0103】
[付記9]
前記部品をそれぞれの基板(30、40)に電気的に接続するための導電性材料(50s)は、前記部品(11)を転写するために使用されるものと同じ光パルス(L)によって溶融される、
ことを特徴とする付記1乃至8のいずれか1つに記載の方法。
【0104】
[付記10]
前記第3の基板(30)は、転写後の前記部品(11)を保持するためのホットメルト接着層(31a)を備える、
ことを特徴とする付記1乃至9のいずれか1つに記載の方法。
【0105】
[付記11]
前記第1、第2、第3又は第4の基板(10、20、30、40)のうち1つ以上は、相対位置合わせのための位置合わせマークを備える、
ことを特徴とする付記1乃至10のいずれか1つに記載の方法。
【0106】
[付記12]
前記第3の基板(30)は、ホットメルト接着層(30a)を備え、部品(11)は前記第3の基板(30)のそれぞれの凹部(31)内の前記接着層(30a)の領域によって保持され、前記部品(11)に接続される電気回路部(30e)は、前記第3の基板(30)のそれぞれの突起(35)上の前記接着層(30a)の領域によって保持され、前記電気回路部(30e)に接続された前記部品(11)の前記第1のサブセットは、第4の基板(40)に転写される、
ことを特徴とする付記1乃至11のいずれか1つに記載の方法。
【0107】
[付記13]
前記第3の基板(30)は、前記第4の基板(40)上の光硬化性材料を露出するために使用されるマスクパターンを備える、
ことを特徴とする付記1乃至12のいずれか1つに記載の方法。
【0108】
[付記14]
部品(12)の第2のサブセットは、第2の部品転写の間の転写のために選択され、前記第2の部品転写は、前記部品(11)の前記第1のサブセットの第1の部品転写とは別であり、前記第2の部品転写は、前記第2の部品レイアウト(B)に対応する少なくとも相対位置に配置された凹部を備える同じ又は別の第3の基板上に、残っている前記部品(12)の前記第2のサブセットを備える前記第2の基板(20)を位置合わせすることを含み、前記第2の部品転写において、前記部品(12)の前記第2のサブセットを前記対応する凹部にわたって、その中に転写するために、光(L)は、前記第2の基板上の少なくとも前記第2の部品レイアウトに投影される、
ことを特徴とする付記1乃至13のいずれか1つに記載の方法。
【0109】
[付記15]
第1の部品転写の間、第1の部品(11r)は、1つのドナー基板(20r)から前記第3の基板(30)上の第1の凹部(21r)内に転写され、続く第2の部品転写の間、異なる第2の部品(11g)は、別のドナー基板(20g)から、第2の凹部(21g)内に転写され、異なる前記第1及び第2の部品(11r、11g)は、共に前記第3の基板(30)から第4の基板(40)に転写される、
ことを特徴とする付記1乃至14のいずれか1つに記載の方法。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図11C