(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
A63F7/02 315A
(21)【出願番号】P 2022045465
(22)【出願日】2022-03-22
【審査請求日】2023-05-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100120592
【氏名又は名称】山崎 崇裕
(74)【代理人】
【識別番号】100184712
【氏名又は名称】扇原 梢伸
(74)【代理人】
【識別番号】100192223
【氏名又は名称】加久田 典子
(72)【発明者】
【氏名】友田 拓
【審査官】福田 知喜
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-108251(JP,A)
【文献】特開2020-110366(JP,A)
【文献】特開2019-083975(JP,A)
【文献】特開2019-201744(JP,A)
【文献】特開2021-045629(JP,A)
【文献】特開2021-191351(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の移行条件が満たされた場合、所定の遊技状態から前記所定の遊技状態と比較して有利な条件が適用された有利遊技状態に移行可能とする一方、所定の終了条件が満たされた場合、前記有利遊技状態を終了させて前記所定の遊技状態に移行可能とする状態移行手段を備え、
前記所定の終了条件は、第1小当りに1回当選するという条件と、第2小当りに複数回当選するという条件とを少なくとも含んでおり、
前記状態移行手段は、1回目の前記第1小当りの当選であることを判定した場合、判定後に、前記所定の終了条件が満たされたものとして、前記有利遊技状態を終了させることを可能とし、複数回目の前記第2小当りの当選であることを判定した場合、判定後に、前記所定の終了条件が満たされたものとして、前記有利遊技状態を終了させることを可能と
し、
前記有利遊技状態は、前記有利遊技状態への移行契機となった当選図柄の種類に応じて、異なる終了条件を持つことが可能であり、
前記第2小当りに複数回当選することで前記有利遊技状態を終了させる場合だけでなく、前記第2小当りに1回当選することで前記有利遊技状態を終了させる場合があることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技を実行する遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、特定の小当りの当選で、時短を終了させることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年では、似通った遊技機ばかりが提案されており、斬新な遊技機が望まれている。
【0005】
そこで、本発明は、斬新な遊技機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するため以下の解決手段を採用する。なお、以下の解決手段及び括弧書中の文言はあくまで例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。また、本発明は、以下の解決手段に示す各発明特定事項を少なくとも1つ含む発明とすることができる。さらに、以下の解決手段に示す各発明特定事項には、発明特定事項を限定する要素を追加して下位概念化することができ、発明特定事項を限定する要素を削除して上位概念化することもできる。
【0007】
〔第1の技術的特徴:普電異常入賞エラー新仕様〕
解決手段A1:本解決手段の遊技機は、所定の移行条件が満たされた場合、所定の遊技状態から前記所定の遊技状態と比較して有利な条件が適用された有利遊技状態に移行可能とする一方、所定の終了条件が満たされた場合、前記有利遊技状態を終了させて前記所定の遊技状態に移行可能とする状態移行手段と、所定の作動条件が満たされない場合、始動入賞口への遊技球の入球が困難となる入球困難状態とする一方、前記所定の作動条件が満たされた場合、前記入球困難状態よりも前記始動入賞口への遊技球の入球を容易とする入球容易状態に移行可能とする電動役物と、前記有利遊技状態で前記始動入賞口に遊技球が入球した第1の場合、前記有利遊技状態で前記電動役物が前記入球容易状態中に前記始動入賞口に遊技球が入球した第2の場合、前記有利遊技状態の終了時から所定時間が経過するまでの間に前記始動入賞口に遊技球が入球した第3の場合を除いた状況で、前記始動入賞口に遊技球が所定個数入球した場合、異常入賞エラーであると判定可能とする異常入賞エラー判定手段と、を備えることを特徴とする遊技機である。
【0008】
本解決手段の遊技機は、以下の構成を備えている。
(1)所定の移行条件が満たされた場合、所定の遊技状態(非時間短縮状態、通常中)から所定の遊技状態と比較して有利な条件が適用された有利遊技状態(時間短縮状態、時短中)に移行可能とする一方、所定の終了条件が満たされた場合、有利遊技状態を終了させて所定の遊技状態に移行可能とする状態移行手段を備えている。
【0009】
有利な条件とは、普通図柄又は特別図柄の変動時間が短縮されるという条件、普通図柄抽選又は特別図柄抽選の当選確率が低確率から高確率になるという条件、電動役物の作動時間が長くなるという条件、電動役物の作動回数が増加するという条件のうち少なくとも1つの条件を含む(以下、同様)。
【0010】
(2)所定の作動条件が満たされない場合、始動入賞口への遊技球の入球が困難となる入球困難状態とする一方、所定の作動条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で停止表示された場合)、入球困難状態よりも始動入賞口への遊技球の入球を容易とする入球容易状態に移行可能とする電動役物(普通電動役物)を備えている。
【0011】
(3)有利遊技状態で始動入賞口に遊技球が入球した第1の場合、有利遊技状態で電動役物が入球容易状態中に始動入賞口に遊技球が入球した第2の場合、有利遊技状態の終了時から所定時間が経過するまでの間に始動入賞口に遊技球が入球した第3の場合を除いた状況で(第1~第3の場合の3つの場合を除いた状況で)、始動入賞口に遊技球が所定個数(例えば1~5個等)入球した場合、異常入賞エラーであると判定可能とする異常入賞エラー判定手段を備えている。
【0012】
本解決手段によれば、有利遊技状態の終了時から所定時間が経過するまでの間に始動入賞口に遊技球が入球した場合を異常入賞エラーの判定対象から除外しているため、意図しない異常入賞エラーの発生を抑制することができ、結果として、斬新な遊技機を提供することができる。
【0013】
解決手段A2:本解決手段の遊技機は、上述したいずれかの解決手段において、前記所定時間は、前記電動役物が前記入球容易状態に移行している時間を含む作動時間に、前記電動役物が前記入球困難状態であっても前記始動入賞口に遊技球が入球したことを有効とする有効時間を加えた時間よりも長い時間であることを特徴とする遊技機である。
【0014】
本解決手段では、所定時間は、電動役物が入球容易状態に移行している時間を含む作動時間(例えば、2.5秒;開放時間+閉鎖時間)に、電動役物が入球困難状態であっても始動入賞口に遊技球が入球したことを有効とする有効時間(例えば0.5秒)を加えた時間(例えば、3.0秒)よりも長い時間(例えば、4.0秒)である。
【0015】
本解決手段によれば、「作動時間+有効時間」<「所定時間」としているため、電動役物に関する時間が終了した後に所定時間を終了させることができ、意図しない異常入賞エラーの発生を、より一層、抑制することができる。
【0016】
〔第2の技術的特徴:小当りで時短終了条件の制御方法〕
解決手段B1:本解決手段の遊技機は、所定の移行条件が満たされた場合、所定の遊技状態から前記所定の遊技状態と比較して有利な条件が適用された有利遊技状態に移行可能とする一方、所定の終了条件が満たされた場合、前記有利遊技状態を終了させて前記所定の遊技状態に移行可能とする状態移行手段を備え、前記状態移行手段は、1回当選することで前記有利遊技状態を終了させる第1当りの当選であることを判定した場合、前記所定の終了条件が満たされたものとして、前記有利遊技状態を終了させることを可能とし、少なくとも複数回当選することで前記有利遊技状態を終了させることを含む第2当りの当選であることを判定した場合、前記所定の終了条件が満たされたものとして、前記有利遊技状態を終了させることを可能とすることを特徴とする遊技機である。
【0017】
本解決手段の遊技機は、以下の構成を備えている。
(1)所定の移行条件が満たされた場合、所定の遊技状態(非時間短縮状態、通常中)から所定の遊技状態と比較して有利な条件が適用された有利遊技状態(時間短縮状態、時短中)に移行可能とする一方、所定の終了条件が満たされた場合、有利遊技状態を終了させて所定の遊技状態に移行可能とする状態移行手段を備えている。
【0018】
(2)状態移行手段は、1回当選することで有利遊技状態を終了させる第1当り(小当り図柄1)の当選であることを判定した場合、所定の終了条件が満たされたものとして、有利遊技状態を終了させることを可能とし、少なくとも複数回当選することで有利遊技状態を終了させることを含む第2当り(小当り図柄2)の当選であることを判定した場合、所定の終了条件が満たされたものとして、有利遊技状態を終了させることを可能とする。
【0019】
本解決手段によれば、1回当選で有利遊技状態を終了させたり、複数回当選で有利遊技状態を終了させたりするため、特定の小当りの当選だけで有利遊技状態を終了させる方式と比較して、多様な遊技性を発揮することができ、結果として、斬新な遊技機を提供することができる。
【0020】
解決手段B2:本解決手段の遊技機は、上述したいずれかの解決手段において、前記状態移行手段は、前記第2当りの当選であることを判定した場合、前記第2当りの当選回数が前記有利遊技状態を終了させる回数に達しているのかを判定するためのカウンタ値であって当選時遊技の終了時に設定されるカウンタ値を判定し、前記カウンタ値が規定回数に達していた場合に前記有利遊技状態を終了させることを可能とすることを特徴とする遊技機である。
【0021】
本解決手段では、状態移行手段は、第2当りの当選であることを判定した場合、第2当りの当選回数が有利遊技状態を終了させる回数に達しているのかを判定するためのカウンタ値であって当選時遊技の終了時に設定されるカウンタ値(小当り表示回数)を判定し、カウンタ値が規定回数(1→0)に達していた場合に有利遊技状態を終了させることを可能とする。
【0022】
本解決手段によれば、カウンタ値を用いて有利遊技状態の終了を制御するため、第2当りの当選による有利遊技状態終了のプログラム制御を効率良く行うことができる。
【0023】
解決手段B3:本解決手段の遊技機は、上述したいずれかの解決手段において、前記第2当りは、1回当選することで前記有利遊技状態を終了させることを含むことを特徴とする遊技機である。
【0024】
本解決手段では、第2当りは、1回当選することで有利遊技状態を終了させることを含む。すなわち、第2当りは、1回当選することで有利遊技状態を終了させることもあり、複数回当選することで有利遊技状態を終了させることもある。
【0025】
本解決手段によれば、第2当りに複数の役割を持たせることができ、第2当りに1つの役割しか持たせていない場合と比較して、遊技性を複雑かつ多様なものにすることができる。
【0026】
〔第3の技術的特徴:時短リミッタに応じた特殊変動設定の制御〕
解決手段C1:本解決手段の遊技機は、所定の移行条件が満たされた場合、所定の遊技状態から前記所定の遊技状態と比較して有利な条件が適用された有利遊技状態に移行可能とする一方、所定の終了条件が満たされた場合、前記有利遊技状態を終了させて前記所定の遊技状態に移行可能とする状態移行手段と、前記有利遊技状態に連続して移行可能な移行回数を設定可能とする移行回数設定手段と、前記移行回数に基づいて図柄の変動パターンを設定可能とする変動パターン設定手段と、前記変動パターン設定手段により設定可能な変動パターンとして、前記移行回数に関わらずに設定可能な共通変動パターンと、前記移行回数に基づいて設定可能な個別変動パターンと、を規定している変動パターン規定手段と、を備えることを特徴とする遊技機である。
【0027】
本解決手段の遊技機は、以下の構成を備えている。
(1)所定の移行条件が満たされた場合、所定の遊技状態(非時間短縮状態、通常中)から所定の遊技状態と比較して有利な条件が適用された有利遊技状態(時間短縮状態、時短中)に移行可能とする一方、所定の終了条件が満たされた場合、有利遊技状態を終了させて所定の遊技状態に移行可能とする状態移行手段を備えている。
【0028】
(2)有利遊技状態に連続して移行可能な移行回数(時短リミッタ回数)を設定可能とする移行回数設定手段を備えている。
(3)移行回数に基づいて図柄の変動パターンを設定可能とする変動パターン設定手段を備えている。
【0029】
(4)変動パターン設定手段により設定可能な変動パターンとして、移行回数に関わらずに設定可能な共通変動パターン(変動パターンテーブルE)と、移行回数に基づいて設定可能な個別変動パターン(変動パターンテーブルB、C、D)と、を規定している変動パターン規定手段を備えている。
【0030】
本解決手段によれば、移行回数に関わらずに設定可能な共通変動パターンを設けているため、どのような状況でも選択可能な共通変動パターンを用意することによって共通変動パターンの特別感を向上させることができ、結果として、斬新な遊技機を提供することができる。
【0031】
解決手段C2:本解決手段の遊技機は、上述したいずれかの解決手段において、前記共通変動パターンは、前記個別変動パターンよりも長い期間設定可能であることを特徴とする遊技機である。
【0032】
本解決手段では、共通変動パターンは、個別変動パターンよりも長い期間設定可能である。
【0033】
本解決手段によれば、共通変動パターンを個別変動パターンよりも長い期間設定可能としているため、共通変動パターンを長期間にわたって楽しむことができ、共通変動パターンの特別感をより一層向上させることができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、斬新な遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図4】第2可変入賞装置31の詳細を示す図である。
【
図5】第2可変入賞装置31の詳細を示す図である。
【
図6】可変始動入賞装置28の詳細を示す図である。
【
図7】可変始動入賞装置28の詳細を示す図である。
【
図8】遊技盤ユニットの一部を拡大して示す正面図である。
【
図9】パチンコ機に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。
【
図10】リセットスタート処理の手順例を示すフローチャート(1/2)である。
【
図11】リセットスタート処理の手順例を示すフローチャート(2/2)である。
【
図12】電源断発生チェック処理の手順例を具体的に示すフローチャートである。
【
図13】割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図14】スイッチ入力イベント処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図15】第1特別図柄記憶更新処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図16】第2特別図柄記憶更新処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図17】取得時演出判定処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図18】特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。
【
図19】特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図20】当選時停止図柄選択テーブル(通常中)を示す図である。
【
図21】当選時停止図柄選択テーブル(時短中)を示す図である。
【
図22】変動パターンテーブルと変動パターンオフセットとの関係を示す図である。
【
図23】通常中の大当り1回目終了後の特殊変動パターンテーブルを示す図である。
【
図24】時短中の大当り2、3回目終了後の特殊変動パターンテーブルを示す図である。
【
図25】時短中の大当り4~9999回目終了後の特殊変動パターンテーブルを示す図である。
【
図26】時短中の大当り10000回目終了後の特殊変動パターンテーブルを示す図である。
【
図27】時短リミッタ回数が0の場合(通常中の当選時)に設定される変動パターン選択状態フラグ及び変動パターン選択カウンタの値を示す図である。
【
図28】時短リミッタ回数が9998、9999の場合(時短中の当選時)に設定される変動パターン選択状態フラグ及び変動パターン選択カウンタの値を示す図である。
【
図29】時短リミッタ回数が2~9997の場合(時短中の当選時)に設定される変動パターン選択状態フラグ及び変動パターン選択カウンタの値を示す図である。
【
図30】時短リミッタ回数が1の場合(時短中の当選時かつリミッタ到達時)に設定される変動パターン選択状態フラグ及び変動パターン選択カウンタの値を示す図である。
【
図31】変動パターン選択状態フラグ、変動パターン選択カウンタ及び変動パターンオフセットの関係を示す図である。
【
図32】特別図柄記憶エリアシフト処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図33】特別図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図34】時短終了判定処理の第1手順例を示すフローチャートである。以下、手順に沿って説明する。
【
図35】時短終了判定処理の第2手順例を示すフローチャートである。以下、手順に沿って説明する。なお、第1手順例と同様の部分は、説明を省略する。
【
図36】表示出力管理処理の構成例を示すフローチャートである。
【
図37】可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。
【
図38】大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図39】大当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図40】大当り時図柄別開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。
【
図41】小当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図42】小当り時開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。
【
図43】大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図44】第2大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図45】特定領域開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図46】特定領域通過時処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図47】特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。
【
図48】第1大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図49】大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図50】終了処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図51】時短リミッタ管理処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図52】リミッタクリア確認フラグON設定処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図53】リミッタクリア確認フラグOFF設定処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図54】時短リミッタ回数リセット判定処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図55】普電異常入賞エラー判定処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図56】普通電動役物の作動パターンを示す図である。
【
図57】第1遊技仕様のゲームフローについて説明する図である。
【
図58】第2遊技仕様のゲームフローについて説明する図である。
【
図59】特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である(1/2)。
【
図60】特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である(2/2)。
【
図61】大当り時に実行されるリーチ演出の流れを示す連続図である(1/3)。
【
図62】大当り時に実行されるリーチ演出の流れを示す連続図である(2/3)。
【
図63】大当り時に実行されるリーチ演出の流れを示す連続図である(3/3)。
【
図64】大当り遊技中に実行される大役中演出の例を部分的に示す連続図である(1/3)。
【
図65】大当り遊技中に実行される大役中演出の例を部分的に示す連続図である(2/3)。
【
図66】大当り遊技中に実行される大役中演出の例を部分的に示す連続図である(3/3)。
【
図67】普電異常入賞エラーが発生した際に実行されるエラー演出の演出例を示す図である。
【
図68】演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図69】作動記憶演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図70】演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図71】演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図72】ドラムユニット演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また、
図2は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば、遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、
図1及び
図2を参照しつつ遊技機の全体構成について説明する。
【0037】
〔遊技機の全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠ユニット2、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7(プラ枠、遊技機枠)を備えている。遊技者に相対する正面からみて、その最も前面側には一体扉ユニット4が位置している。一体扉ユニット4の背面側(奥側)には内枠アセンブリ7が位置しており、内枠アセンブリ7の外側を囲むようにして外枠ユニット2が配置されている。
【0038】
外枠ユニット2は、木材及び金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠ユニット2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。なお、縦長矩形状の外枠ユニット2において、上下の短辺に相当する部位には木材が用いられており、左右の長辺に相当する部位には金属材が用いられている。
【0039】
一体扉ユニット4は、その下部位置に受皿ユニット6が一体化された構造である。一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7は、外枠ユニット2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
【0040】
図1中の正面からみて内枠アセンブリ7の右側縁部(
図2では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応して一体扉ユニット4及び外枠ユニット2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。
図1に示されるように、外枠ユニット2に対して一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともに一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
【0041】
また、受皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動して内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠ユニット2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
【0042】
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、内枠アセンブリ7は施錠されたままで一体扉ユニット4の施錠だけが解除され、一体扉ユニット4が開放可能となる。一体扉ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニット8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。また、一体扉ユニット4を開放すると、受皿ユニット6も一緒に前面側へ開放される。
【0043】
また、パチンコ機1は、遊技用ユニットとして上記の遊技盤ユニット8を備えている。遊技盤ユニット8は、一体扉ユニット4の背後(内側)で上記の内枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤ユニット8は、例えば一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。遊技盤ユニット8の前面には遊技領域8a(盤面)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
【0044】
受皿ユニット6は、全体的に一体扉ユニット4から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また、受皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお、本実施形態のパチンコ機1はいわゆるCR機(CRユニットに接続する機種)であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
【0045】
受皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないCRユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、CRユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお、遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではCR機を例に挙げているが、パチンコ機1はCR機とは別の現金機(CRユニットに接続されない機種)であってもよい。
【0046】
また、受皿ユニット6の上面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きボタン6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きレバー6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きボタン6dを例えば押し込み操作することで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また、遊技者は、下皿球抜きレバー6eを例えば左方向へスライドさせることで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
【0047】
受皿ユニット6の右下部には、グリップユニット16が設置されている。遊技者はこのグリップユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の下縁部から左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。なお、遊技領域8a内(盤面)の構成については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
【0048】
〔枠前面の構成〕
一体扉ユニット4には、演出用の構成要素として左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49が設置されている。このうち左トップレンズユニット47にはガラス枠トップランプ46及び左側のガラス枠装飾ランプ48が組み込まれており、右上電飾ユニット49には右側のガラス枠装飾ランプ50が組み込まれている。その他にも一体扉ユニット4には、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49の下方にそれぞれ連なるようにして左右のガラス枠装飾ランプ52が設置されており、これらガラス枠装飾ランプ52は、一体扉ユニット4の左右縁部から受皿ユニット6の前面部にまで回り込むようにして延びている。一体扉ユニット4においてガラス枠トップランプ46や左右のガラス枠装飾ランプ48,50,52等は、ガラスユニット(参照符号なし)を取り巻くようにして配置されている。
【0049】
上述した各種ランプ46,48,50,52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。また、一体扉ユニット4の上部において、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49にはそれぞれガラス枠上スピーカ54,55が組み込まれている。一方、外枠ユニット2の左下位置には外枠スピーカ56が組み込まれている。これらスピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
【0050】
また、受皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45(操作入力受付手段)が設置されている。演出切替ボタン45は、例えば押し込み式の円形状ボタンとその周囲に回転式のジョグリング(ジョグダイアル)を組み合わせた形態である。遊技者は、この演出切替ボタン45を押し込み操作又は回転操作することで演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出、大役中の昇格演出等)を発生させたりすることができる。
【0051】
〔裏側の構成〕
図2に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。なお、電子機器類については別のブロック図(
図9)に基づいてさらに後述する。
【0052】
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aは内枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受皿ユニット6に向けて案内する。
【0053】
また、上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
【0054】
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。また、アース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
【0055】
〔盤面の構成〕
図3は、遊技盤ユニット8を単独で示した正面図である。遊技領域8a内には、その中央位置に比較的大型の演出ユニット40が配置されており、この演出ユニット40を中心として遊技領域8aが左側部分、右側部分及び下部分に大きく分かれている。また、遊技領域8a内には、演出ユニット40の周辺に中始動入賞口26、始動ゲート20、普通入賞口22,25、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等が分布して設置されている。このうち中始動入賞口26は遊技領域8aの下部分の中央に位置している。遊技領域8aの右側部分(いわゆる右打ち領域)には、始動ゲート20、普通入賞口25、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31が上からこの順番に配置されている。
【0056】
遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で始動ゲート20を通過したり、中始動入賞口26、普通入賞口22,25に入球(入賞)したり、あるいは、作動時の可変始動入賞装置28や開放動作時の第1可変入賞装置30、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球したりする。ここで、遊技領域8aの左側領域を流下する遊技球は、中始動入賞口26又は普通入賞口22に入球する可能性がある。遊技領域8aの右側領域を流下する遊技球は、始動ゲート20を通過したり、普通入賞口25に入球したり、作動時の可変始動入賞装置28に入球したり、開放動作時の第1可変入賞装置30に入球したり、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球したりする可能性がある。中始動入賞口26、普通入賞口22,25、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31に入球した遊技球は遊技板(遊技盤ユニット8を構成する合板材、透明板等)に形成された貫通穴を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。
【0057】
本実施形態において、上記の可変始動入賞装置28は、所定の作動条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で停止表示された場合)に作動し、それに伴って右始動入賞口28bへの入球を可能にする(普通電動役物)。可変始動入賞装置28は、例えば1つの開閉部材28aを有しており、開閉部材28aが盤面の前方にスライドする装置である(橋渡し式の電動役物)。開閉部材28aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。開閉部材28aは、盤面の内部に引き込まれた状態で非作動位置にあり、このとき遊技球は開閉部材28aの上面を転動することができないため、右始動入賞口28bへの入球は困難な状態である。一方、可変始動入賞装置28が作動すると、開閉部材28aが盤面から遊技者側に突出した状態となり、開閉部材28aが橋渡しの役割を果たすことで、遊技球が右始動入賞口28bに入球可能な状態となる。この間に可変始動入賞装置28は遊技球の流入が困難ではない状態となり、右始動入賞口28bへの入球という事象を発生させることができる。なお、可変始動入賞装置28は、橋渡し式の装置の例で説明したが、開閉部材が左右に開閉するチューリップ式の装置であってもよく、スライド部材で遊技球を落下させ、落下した先で右始動入賞口に入球させるタイプの装置であってもよい。可変始動入賞装置28は、時間短縮状態では非時間短縮状態よりも長い時間又は多い回数開放する。
【0058】
第1可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が大当りの態様で停止表示された場合、又は、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合)に作動し、第1大入賞口30bへの入球を可能にする(特別電動役物、特別入賞事象発生手段)。第1可変入賞装置30は、例えば1つの開閉部材30aを有している。この開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、閉位置から開放位置に向けて変位する。図示のように先端が上を向いた状態で開閉部材30aは閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき第1大入賞口30bへの入球は困難(第1大入賞口30bは閉塞中)である。第1可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aがその下端縁部分をヒンジとして右方向へ倒れ込むようにして変位し、第1大入賞口30bを開放する(開放状態)。この間に第1可変入賞装置30は遊技球の流入が可能な状態となり、第1大入賞口30bへの入球という事象を発生させることができる。なお、このとき開閉部材30aは第1大入賞口30bへの遊技球の流入を案内する部材としても機能する。遊技盤ユニット8に設置されている障害釘の配列は、基本的に第1可変入賞装置30(作動時の第1大入賞口30b)に向かう遊技球の流下を極端に阻害しない態様となっているが、遊技球が作動時の第1可変入賞装置30に必ず入球するというわけではなく、あくまで入球は無作為に発生する。
【0059】
第2可変入賞装置31は、特別な条件が満たされた場合(特別図柄が小当りの態様で停止表示された場合)に作動し、第2大入賞口31bへの入球を可能にする(特別電動役物、第2特別入賞事象発生手段)。なお、第2可変入賞装置31は、特別図柄が大当りの態様で停止表示された場合に作動してもよい。
【0060】
第2可変入賞装置31は、演出ユニット40の右側に配置された装置であり、例えば1つの開閉部材31aを有している。上記の第1可変入賞装置30は、開閉部材30aが右方向へ倒れこむタイプの装置(片羽根のチューリップ式のアタッカ)を採用しているが、第2可変入賞装置31は、開閉部材31aが盤面の内部にスライドするタイプの装置を採用している(スライド式のアタッカ)。そして、この開閉部材31aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。開閉部材31aは、盤面から遊技者側に突出した状態で閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき遊技球は開閉部材31aの上面を転動することになるため、第2大入賞口31bへの入球は困難(第2大入賞口31bは閉塞中)である。そして、第2可変入賞装置31が作動すると、開閉部材31aが盤面の内部に引き込まれ、第2大入賞口31bを開放する(開放状態)。この間に第2可変入賞装置31は遊技球の流入が困難ではない状態となり、第2大入賞口31bへの入球という事象を発生させることができる。
【0061】
〔特定領域〕
また、第2可変入賞装置31の内部には、特定領域31xが設けられている。特定領域31xは、第2可変入賞装置31が閉鎖状態である場合は遊技球が通過困難な領域であり、第2可変入賞装置31が開放状態である場合であって特定領域用スライド部材31cが盤面の内部に引き込まれている状態である場合に遊技球が通過可能な領域である。なお、第2可変入賞装置31の詳細は後述する。
【0062】
また、特に図示してはいないが、第2可変入賞装置31(開閉部材31a)には、遊技球が転動するスピードを低下させる遊技球転動スピード低下部を形成してもよい。遊技球転動スピード低下部は、開閉部材31aの傾斜を緩やかにしたり、開閉部材31a上の遊技球が通過する位置に、遊技球をジグザグに進行させるための交互に出っ張る突起を形成したりすることにより実現することができる。これにより、小当り遊技中に多くの遊技球を第2可変入賞装置31に入球させることができる。
【0063】
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、入賞しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。また、中始動入賞口26、普通入賞口22,25、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)、第1可変入賞装置30(第1大入賞口30b)、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b、特定領域)に入球した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
【0064】
図4及び
図5は、第2可変入賞装置31の詳細を示す図である。
第2可変入賞装置31は、スライド式の開閉部材31aの下方に第2大入賞口31bが配置されている。第2大入賞口31bの内部は左側に下り傾斜となっており、左側の端部にて下方に通路が延びている。下方に延びた通路には第2カウントスイッチ85が配置されており、第2カウントスイッチ85は、第2可変入賞装置31に入球した遊技球の数をカウントする。
【0065】
そして、下方に延びた通路は、その先で2つのルートに分かれている。一方の第1通路31dは、そのまま下方に延びており、他方の第2通路31eは左側に分岐する。
第1通路31dには、特定領域用スライド部材31cが配置されており、第1通路31dの下流には特定領域31xが配置されている。なお、特定領域31xの内部には、不図示の特定領域スイッチが配置されている。
一方、第2通路31eには、特別な部材は配置されておらず、第2通路31eの下流には排出孔31yが配置されている。
【0066】
特定領域用スライド部材31cは、特殊な条件が満たされた場合(第2可変入賞装置31が作動してから第1時間経過後第2時間経過前の間)に作動し、特定領域31xへの遊技球の通過を可能にする。特定領域用スライド部材31cは、例えば図示しない特定領域ソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面の前後方向に沿ってスライドする。例えば、第1時間経過後は第2可変入賞装置31が作動してから5.0秒経過後とし、第2時間経過後は第2可変入賞装置31が作動してから10.0秒経過後とすることができる。
【0067】
特定領域ソレノイドがOFFの状態であると、特定領域用スライド部材31cは第1通路31dを塞いでいるため、遊技球が特定領域31xを通過することは困難となっている。一方、特定領域ソレノイドがONの状態になると、特定領域用スライド部材31cは盤面の内側に引き込まれるため、遊技球が特定領域31xを通過することが容易となる。
【0068】
次に、第2可変入賞装置31の動作を説明する。
図4中(A)に示すように、スライド式の開閉部材31aは、盤面の内側に引き込まれており、遊技球が第2大入賞口31bに入球している。図示の例では、4個の遊技球が第2大入賞口31bに向かって進行している。ここでは、1個目の遊技球が第2カウントスイッチ85により検出される直前の状態である。
【0069】
図4中(B)に示すように、1個目の遊技球が特定領域用スライド部材31cに到達している。2個目及び3個目の遊技球は、第2カウントスイッチ85に向かって進んでいる。4個目の遊技球は、第2大入賞口31bに入球しかけている。
【0070】
図4中(C)に示すように、この時点では、特定領域用スライド部材31cが内側に引き込まれていないため(非作動中であるため)、1個目の遊技球は、特定領域用スライド部材31cによって進行方向が左側に変更され、第2通路31eを進行する。この場合、1個目の遊技球は、排出孔31yにより回収される。
【0071】
図5中(D)に示すように、この時点で特定領域用スライド部材31cが盤面の内側に引き込まれたものとする(動作中)。この場合、2個目の遊技球は、特定領域用スライド部材31cの手前側を通り抜けて、第1通路31dに進行する。そして、2個目の遊技球は、特定領域31xを通過して、特定領域スイッチにより検出される。
【0072】
図5中(E)に示すように、3個目の遊技球も、特定領域用スライド部材31cの手前側を通り抜けて、第1通路31dに進行する。この場合、3個目の遊技球は、特定領域31xを通過して、特定領域スイッチに検出される。
【0073】
図5中(F)に示すように、この時点で、特定領域用スライド部材31cの動作が終了し、特定領域用スライド部材31cが盤面の前方側に突出したものとする。この場合、4個目の遊技球は、特定領域用スライド部材31cによって左側に案内され、第2通路31eに進行する。そして、4個目の遊技球は、排出孔31yにより回収される。
【0074】
図6及び
図7は、可変始動入賞装置28の詳細を示す図である。
可変始動入賞装置28は、スライド式の開閉部材28aと、開閉部材28aの左下に配置された右始動入賞口28bとを備えている。また、開閉部材28aの上流には上流通路28cが配置され、開閉部材28aの下流には下流通路28dが配置され、全体的に、左側に下り傾斜となっている。そして、下流通路28dの左側の端部には、右始動入賞口28bが配置されている。なお、右始動入賞口28bの内部には、不図示の右始動入賞口スイッチが配置されている。
【0075】
普通電動役物ソレノイドがOFFの状態である場合、開閉部材28aは盤面の内部に引き込まれているため、遊技球が右始動入賞口28bに入球することは困難である。一方、普通電動役物ソレノイドがONの状態である場合、開閉部材28aは盤面から遊技者側に突出した状態となるため、遊技球は、上流通路28c、開閉部材28a、下流通路28dを順番に転動して、右始動入賞口28bに入球することが容易となる。
【0076】
次に、可変始動入賞装置28の動作を説明する。
図6中(A)に示すように、遊技球が上流通路28cを転動している。
図6中(B)に示すように、この時点では、開閉部材28aが盤面の内側に引き込まれた状態である(非作動中である)。この場合、遊技球は、開閉部材28aの手前側を通り抜けて、下方に落下する。
図6中(C)に示すように、開閉部材28aの手前側を通り抜けた遊技球は、右始動入賞口28bに入球しない。
【0077】
図7中(D)に示すように、遊技球が上流通路28cを転動している。
図7中(E)に示すように、この時点では、開閉部材28aが盤面から遊技者側に突出した状態である(作動中である)。この場合、遊技球は、開閉部材28aの上を通過して、下流通路28dに向かう。
図7中(F)に示すように、下流通路28dに到達した遊技球は、その後、右始動入賞口28bに入球する。
【0078】
図8は、遊技盤ユニット8の一部(窓4a内の左下位置)を拡大して示す正面図である。
遊技盤ユニット8には、例えば窓4a内の右下位置に普通図柄表示装置33(普通図柄表示手段)及び普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34(第1図柄表示手段、図柄表示手段)、第2特別図柄表示装置35(第2図柄表示手段、図柄表示手段)、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が設けられている。
【0079】
このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0~4個の記憶数を表示する。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。なお、ここでは2つのランプ(LED)を使用することとしているが、4つのランプ(LED)を使用して普通図柄作動記憶ランプ33aを構成してもよい。この場合、点灯するランプの個数で作動記憶数を表示することができる。
【0080】
普通図柄作動記憶ランプ33aは、上記の始動ゲート20を遊技球が通過すると、その都度、作動抽選の契機となる通過が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その通過を契機として普通図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。なお、本実施形態では、普通図柄作動記憶ランプ33aが未点灯(記憶数が0個)の場合、普通図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で始動ゲート20を遊技球が通過しても表示態様は変化しない。すなわち、普通図柄作動記憶ランプ33aの表示態様によって表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ普通図柄の変動が開始されていない通過の回数を表している。
【0081】
また、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えば7セグメントLED(ドット付き)により特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段、第1図柄表示手段、第2図柄表示手段)。その他、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、複数のドットLEDを幾何学的(例えば円形状)に配列した形態であってもよい。
【0082】
また、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えばそれぞれ2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせで構成される表示態様により、それぞれ0~4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプが点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして、2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。
【0083】
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、上記の中始動入賞口26に遊技球が入球するごとに、入球が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、上記の可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)に遊技球が入球するごとに、入球が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化し(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化する。なお、本実施形態では、第1特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第1特別図柄(第1図柄)が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で中始動入賞口26に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第2特別図柄(第2図柄)が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。すなわち、各特別図柄作動記憶ランプ34a,35aの表示態様により表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入球の回数を表している。
【0084】
また、遊技状態表示装置38には、例えば、大当り種別表示ランプ38a,38b、時短状態表示ランプ38e、発射位置指定表示ランプ38fにそれぞれ対応する6つのLEDが含まれている。なお、本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に取り付けられている。
【0085】
〔遊技盤のその他の構成:
図3を参照〕
上記の演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品40b,40cを備えている。装飾部品40b,40cはその立体的な造形により遊技盤ユニット8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また、演出ユニット40の内側上部には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄(本図柄)や、第4図柄、記憶マーカ(保留表示)をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤ユニット8は、その盤面の構成(図示しないセル板のデザイン)や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。
【0086】
さらに、演出ユニット40の内側下部にはドラムユニット200が設置されている。
ドラムユニット200は、左リール201、中リール202、右リール203を備えており、各リールには擬似演出図柄(7図柄やパンダ図柄、チェリー図柄等)が表示されている。例えば、同色の7図柄が、有効ラインとなる中段ラインに表示されると、特別図柄抽選にて大当りの結果が得られたことを表している。ドラムユニット200の各リールは、複数の可動速度で可動可能な可動体である。
【0087】
また、演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されている。球案内通路40dは、演出ユニット40の裏側を通って下方の転動ステージ40eに接続されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの中央位置には球放出路40kが形成されており、転動ステージ40eから球放出路40kに案内された遊技球は、その真下にある中始動入賞口26に流入しやすくなる。
【0088】
その他に演出ユニット40の上部中央の内部には、演出用の可動体40f(例えばハート型の装飾物)とともに図示しない駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)が付属している。演出用の可動体40fは、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。このような可動体40fを用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別の訴求力を発揮することができる。
【0089】
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。
図9は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ、主制御手段、主制御CPU)を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお、主制御装置70は、上記の主制御基板ユニット170に内蔵されている。
【0090】
また、主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、特別図柄抽選の大当り判定用や普通図柄抽選の当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0~65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお、回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
【0091】
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また、遊技盤ユニット8には、中始動入賞口26、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31にそれぞれ対応して中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84及び第2カウントスイッチ85が装備されている。各始動入賞口スイッチ80、82は始動入賞口26、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)への遊技球の入賞を検出するためのものである。また、カウントスイッチ84は第1可変入賞装置30(第1大入賞口30b)への遊技球の入賞を検出し、その数をカウントするためのものである。さらに、第2カウントスイッチ85は、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)への遊技球の入賞を検出し、その数をカウントするためのものである。
【0092】
他にも、特定領域31xに対応して特定領域スイッチ83が装備されている。第2大入賞口31bの内部の特定領域31xに対応する位置には、特定領域スイッチ83が備えられており、特定領域スイッチ83は、遊技球が特定領域31xを通過したことを検出する。
【0093】
同様に遊技盤ユニット8には、普通入賞口22,25への遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ86が装備されている。なお、ここでは全ての普通入賞口22,25について共通の入賞口スイッチ86を用いる構成を例に挙げているが、例えば、盤面の左右で別々の入賞口スイッチ86を設置し、左側の入賞口スイッチ86では盤面の左側に位置する普通入賞口22,25に対する遊技球の入賞を検出し、右側の入賞口スイッチ86では盤面の右側に位置する普通入賞口25に対する遊技球の入賞を検出することとしてもよい。
【0094】
いずれにしても、これらスイッチ類80、82、83、84、85、86の入賞検出信号や通過検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお、遊技盤ユニット8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、特定領域スイッチ83、カウントスイッチ84、入賞口スイッチ86からの入賞検出信号や通過検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
【0095】
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aは、上記のように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に設置されており、この統合表示基板89には上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
【0096】
また、遊技盤ユニット8には、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31及び特定領域31xにそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び特定領域ソレノイド99が設けられている。これらソレノイド88,90,97,99は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31及び特定領域31xを開閉させる。なお、これらソレノイド88,90,97,99についても上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
【0097】
その他に上記の一体扉ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また、上記の内枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。一体扉ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また、外枠ユニット2から内枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号から一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお、主制御CPU72は、一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、上記の外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
【0098】
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている(特別特典付与手段)。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお、主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、上記の外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
【0099】
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って上記の受皿ユニット6に送られる。
【0100】
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また、賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
【0101】
また、パチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は上記の流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
【0102】
また、パチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また、発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上記のように遊技領域8aに向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお、遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
【0103】
一方、パチンコ機1の表側に位置する上記のグリップユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。また、タッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がグリップユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
【0104】
上記の受皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお、発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120に上記のCRユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
【0105】
また、受皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、上記の度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また、貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに送信される。また、CRユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。また、CRユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
【0106】
また、パチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124(演出制御用コンピュータ)を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてROM128やRAM130等の半導体メモリが内蔵されている。なお、演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で上記の裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
【0107】
また、演出制御装置124には、図示しない入出力ドライバや各種の周辺ICが装備されている他、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134が装備されている。演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134に指令を与えて各種ランプ46~52や盤面ランプ53を発光させたり、スピーカ54,55,56から実際に効果音や音声等を出力させたりする処理を行う。
【0108】
演出制御装置124と上記の主制御装置70とは、例えば図示しない通信用ハーネスを介して相互に接続されている。ただし、これらの間の通信は、主制御装置70から演出制御装置124への一方向のみで行われ、逆方向への通信は行われない。なお、通信用ハーネスには、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される各種コマンドのバス幅に応じてパラレル形式を採用してもよいし、それぞれのドライバIC(I/O)のハード構成に合わせてシリアル形式を採用してもよい。
【0109】
ランプ駆動回路132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、このランプ駆動回路132は、LEDを含む各種ランプに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その発光・点滅等の動作を管理する。なお、各種ランプには、上記のガラス枠トップランプ46やガラス枠装飾ランプ48,50,52の他に、遊技盤ユニット8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は上記の演出ユニットに内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等に内蔵されるLEDに相当するものである。なお、ここではガラス枠装飾ランプ52がガラス枠電飾基板136に接続されている例を挙げているが、受皿ユニット6に受皿電飾基板を設置し、ガラス枠装飾ランプ52については受皿電飾基板を介してランプ駆動回路132に接続される構成であってもよい。
【0110】
また、音響駆動回路134は、例えば図示しないサウンドROMや音響制御IC、アンプ等を内蔵したサウンドジェネレータであり、この音響駆動回路134は、ガラス枠上スピーカ54,55及び外枠スピーカ56を駆動して音響出力を行う。
【0111】
本実施形態では一体扉ユニット4の内面にガラス枠電飾基板136が設置されており、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134からの駆動信号はガラス枠電飾基板136を経由して各種ランプ46~52やスピーカ54,55,56に印加されている。また、ガラス枠電飾基板136には、上記の演出切替ボタン45が接続されており、遊技者が演出切替ボタン45を操作すると、その接点信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではガラス枠電飾基板136に演出切替ボタン45を接続した例を挙げているが、上記の受皿電飾基板を設置する場合、演出切替ボタン45は受皿電飾基板に接続されていてもよい。その他、遊技盤ユニット8にはパネル電飾基板138が設置されており、このパネル電飾基板138には盤面ランプ53の他に可動体モータ57が接続されている。可動体モータ57は、例えば図示しないリンク機構を介して上記の可動体40fを駆動する。ランプ駆動回路132からの駆動信号は、パネル電飾基板138を経由して盤面ランプ53及び可動体モータ57にそれぞれ印加される。なお、可動体モータ57は、ソレノイドであってもよい。
【0112】
〔ドラムユニット〕
また、演出制御装置124には、ドラムユニット200が接続されている。
ドラムユニット200は、同軸に配置された左リール201、中リール202、及び、右リール203を備えている。
左リール201、中リール202、及び、右リール203は、それぞれ円環状に形成されており、その周囲には複数の擬似演出図柄が間隔をおいて一列に付されたリール帯が巻かれている。左リール201、中リール202、及び、右リール203は、その中心に回転軸があり、回転軸を中心に回転又は逆回転させることができる。
【0113】
また、ドラムユニット200には、各リールに対応する不図示のステッピングモータ(以下、単にモータと記載することもある。)と、各リールに対応する不図示の位置検出機構とが設けられている。位置検出機構は、ステッピングモータの内部に配置されていてもよく、ステッピングモータの外部に配置されていてもよい。位置検出機構は、例えば、遮光板とフォトセンサ等により構成することができる。
【0114】
ステッピングモータは、ドラムユニット200を制御する不図示のドラムユニット制御装置(ドライバ、IC)によって駆動される。ドラムユニット制御装置は、演出制御装置124から送信される可動体データに応じて各リールを駆動する。また、ドラムユニット制御装置は、位置検出機構により検出された各リールの位置(例えば、原点位置)の検出に応じて、検出信号を演出制御装置124に送信する。
【0115】
そして、演出制御装置124は、ドラムユニット制御装置から送信されてくる検出信号に基づいて、各リールに対応するステッピングモータに対して送信する可動体データを生成し、各リールの動作を制御する。
【0116】
ステッピングモータは、1相励磁と2相励磁とを交互に繰り返して各リール(可動体)を駆動(1-2相励磁駆動)するモータであり、ステッピングモータには、4つのコイル(コイル1~コイル4)が含まれている。
【0117】
上記の液晶表示器42は遊技盤ユニット8の裏側に設置されており、遊技盤ユニット8に形成された略矩形の開口を通じてその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤ユニット8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば冷陰極管)に印加される交流電源を生成している。さらに、遊技盤ユニット8の裏側には演出表示制御装置144が設置されており、液晶表示器42による表示動作は、演出表示制御装置144により制御されている。演出表示制御装置144には、汎用の中央演算処理装置である表示制御CPU146とともに、表示プロセッサであるVDP152を実装した回路基板(演出表示制御基板)が装備されている。このうち表示制御CPU146は、図示しないCPUコアとともにROM148、RAM150等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、VDP152は、図示しないプロセッサコアとともに画像ROM154やVRAM156等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。なお、VRAM156は、その記憶領域の一部をフレームバッファとして利用することができる。
【0118】
演出制御CPU126のROM128には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、演出制御CPU126は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上記のように各種ランプ46~53等やスピーカ54,55,56を用いた演出の制御が含まれる他、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれる。演出制御CPU126は、表示制御CPU146に対して演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)を送信し、これを受け取った表示制御CPU146は、基本的な情報に基づいて具体的に演出用の画像を表示する制御を行う。
【0119】
表示制御CPU146は、VDP152に対してさらに詳細な制御信号を出力する。これを受け取ったVDP152は、制御信号に基づいて画像ROM154にアクセスし、そこから必要な画像データを読み出してVRAM156に転送する。さらにVDP152は、VRAM156上で画像データを1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開し、ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動する。
【0120】
その他、内枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162(電源制御手段)が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また、上記のように電源制御ユニット162は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
【0121】
上記の外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
【0122】
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
【0123】
〔リセットスタート(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はリセットスタート処理を開始する。リセットスタート処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。また、リセットスタート処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
【0124】
図10及び
図11は、リセットスタート処理の手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
【0125】
ステップS101:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
【0126】
ステップS102:続いて主制御CPU72は、ベクタ方式の割込モード(モード2)を設定し、デフォルトであるRST方式の割込モード(モード0)を修正する。これにより、以後、主制御CPU72は任意のアドレス(ただし最下位ビットは0)を割込ベクタとして参照し、指定の割込ハンドラを実行することができる。
【0127】
ステップS103:主制御CPU72は、ここでリセット時待機処理を実行する。この処理は、リセットスタート(例えば電源投入)時にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に主電源断検出信号のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックする。主電源断検出信号は、例えば周辺デバイスである電源監視ICから入力される。そして、ループカウンタが0になる前に主電源断検出信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1~2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
【0128】
ステップS104:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
【0129】
ステップS105:また、主制御CPU72、割り込みマスクを設定するためにマスクレジスタの初期設定を行う。具体的には、CTC割り込みを有効にする値をマスクレジスタに格納する。
【0130】
ステップS106:主制御CPU72は、先に退避しておいたRAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチが操作されていなければ(No)、次にステップS107を実行する。
【0131】
ステップS107:次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A55AH」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS108を実行する。
【0132】
ステップS108:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS109を実行する。
【0133】
ステップS109:主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグをリセット(例えば「0000H」)する。
ステップS110:また、主制御CPU72は、前回の電源断発生直前に送信待ちであったコマンドをクリアする。
【0134】
ステップS111:次に主制御CPU72は、演出制御復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、復帰用のコマンド(例えば機種指定コマンド、特別図柄確率状態指定コマンド、作動記憶数増加時演出コマンド、作動記憶数減少時演出コマンド、回数切りカウンタコマンド、特別遊技状態指定コマンド等)を送信する。これを受けて演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、内部確率状態、演出図柄の表示態様、作動記憶数の演出表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
【0135】
ステップS112:主制御CPU72は、状態復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はバックアップ情報を元にRAM76のワーク領域に各種の値をセットし、前回の電源遮断時に実行中であった遊技状態(例えば、特別図柄の表示態様、内部確率状態、作動記憶内容、各種フラグ状態、乱数更新状態等)を復帰させる。また、主制御CPU72は、バックアップされていたPCレジスタの値を復旧する。
【0136】
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていた場合(ステップS106:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS107:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS108:No)、主制御CPU72はステップS113に移行する。
【0137】
ステップS113:主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域及びスタックエリアは全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS114:また、主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
【0138】
ステップS115:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が初期設定後に演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を出力する。
【0139】
ステップS116:主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は払出制御装置92に対して、賞球の払い出しを開始するための指示コマンドを出力する。
【0140】
ステップS117:主制御CPU72は、CTC初期設定処理を実行し、周辺デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ回路)の初期設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込ベクタレジスタを設定し、また、CTCに割り込みカウント値(例えば4ms)を設定する。これにより、次にCTC割り込みが発生すると、主制御CPU72はバックアップされていたPCレジスタのプログラムアドレスから処理を続行することができる。
【0141】
リセットスタート処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72は
図11に示されるメインループに移行する(接続記号A→A)。
【0142】
ステップS118,ステップS119:主制御CPU72は割込を禁止した上で、電源断発生チェック処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックし、電源遮断の発生(駆動電圧の低下)を監視する。電源遮断が発生すると、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド90等に対応する出力ポートバッファをクリアすると、RAM76のワーク領域のうちバックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容をバックアップし、サムチェックバッファにサム結果値を保存する。そして、主制御CPU72はバックアップ有効判定フラグ領域に上記の有効値(例えば「A55AH」)を格納し、RAM76のアクセスを禁止して処理を停止(NOP)する。一方、電源遮断が発生しなければ、主制御CPU72は次にステップS120を実行する。なお、このような電源断発生時の処理をマスク不能割込(NMI)処理としてCPUに実行させている公知のプログラミング例もある。
【0143】
ステップS120:主制御CPU72は、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数(ハードウェア乱数)、及び普通図柄に対応する当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)をプログラム上で発生させている。これらソフトウェア乱数は、別の割込処理(
図13中のステップS201)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が1巡するごとにループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS120では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS118で割込を禁止した後にステップS120を実行しているのは、別の割込管理処理(
図13中のステップS202)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。なお、上記のように、本実施形態において大当り決定乱数及び当り決定乱数は乱数発生器75により発生されるハードウェア乱数であり、その更新周期はタイマ割込周期(例えば数ms)よりもさらに高速(例えば数μs)であるため、大当り決定乱数及び当り決定乱数の初期値を更新する必要はない。
【0144】
ステップS121,ステップS122:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中にタイマ割込が発生し、主制御CPU72が別の割込管理処理(
図13)を実行した場合の残り時間で行われる。なお、割込管理処理の内容については後述する。
【0145】
〔電源断発生チェック処理〕
図12は、上記の電源断発生チェック処理の手順例を具体的に示すフローチャートである。
ステップS130:ここでは先ず、主制御CPU72は、電源断発生チェックのための条件を設定する。このチェック条件は、例えば主電源断検出信号が継続して出力されていることを確認するためのオンカウンタ値として設定することができる。
【0146】
ステップS132:次に主制御CPU72は、主電源断検出スイッチ入力用ポートをリードし、主電源断検出信号が出力されているか否かを確認(特定のビットをチェック)する。特に図示していないが、主電源断検出スイッチは例えば主制御装置70に実装されており、この主電源断検出スイッチは、電源制御ユニット162から供給される駆動電圧を監視し、その電圧レベルが基準電圧を下回った場合に主電源断検出信号を出力する。なお、主電源断検出スイッチは電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。主制御CPU72は、現時点で主電源断検出信号が出力されていないことを確認すると(No)、この処理を抜けてリセットスタート処理に復帰する。一方、主電源断検出信号が出力されていることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS134に進む。
【0147】
ステップS134:主制御CPU72は、上記のチェック条件を満たすか否かを確認する。具体的には、先のステップS130で設定したオンカウンタ値を例えば1減算し、その結果が0になったか否かを確認する。現時点で未だオンカウンタ値が0でなければ(No)、主制御CPU72はステップS132に戻って主電源断検出スイッチ入力用ポートを改めて確認する。そして、ステップS134からステップS132へのループを繰り返してチェック条件が満たされると(ステップS134:Yes)、主制御CPU72は次にステップS136に進む。
【0148】
ステップS136:主制御CPU72は、上記のように普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド90に対応する出力ポートに加え、試験信号端子やコマンド制御信号に対応する出力ポートバッファをクリアする。
【0149】
ステップS138,ステップS140:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容を1バイト単位で加算し、全領域について加算を完了するまで繰り返す。
ステップS142:全領域についてサムの算出が完了すると(ステップS140:Yes)、主制御CPU72はサムチェックバッファにサム結果値を保存する。
【0150】
ステップS144:次に主制御CPU72は、上記のようにバックアップ有効判定フラグ領域に有効値を格納する。
ステップS146:また、主制御CPU72は、RAM76のプロテクト値にアクセス禁止を表す「01H」を格納し、RAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含む)に対するアクセスを禁止する。
ステップS148:そして、主制御CPU72は待機ループに入り、主電源断の遮断に備えて他の処理を全て停止する。主電源断の発生後は、図示しないバックアップ電源回路(例えば主制御装置70に実装された容量素子を含む回路)からバックアップ用電力が供給されるため、RAM76の記憶内容は主電源断後も消失することなく保持される。なお、バックアップ用電源回路は、例えば電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。
【0151】
以上の処理を通じて、バックアップ対象(サム加算対象)となるRAM76のワーク領域に記憶されていた情報は、全て主電源断の後もRAM76に記憶として保持されることになる。また、保持されていた記憶は、先のリセットスタート処理(
図10)でチェックサムの正常を確認した上で、電源断時のバックアップ情報として復元される。
【0152】
〔割込管理処理(タイマ割込処理)〕
次に、割込管理処理(タイマ割込処理)について説明する。
図13は、割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、カウンタ/タイマ回路からの割込要求信号に基づき、所定時間(例えば数ms)ごとに割込管理処理を実行する。以下、各手順を追って説明する。
【0153】
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータAとフラグレジスタF、汎用レジスタB~Lの各ペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後のレジスタ(A~L)には、割込管理処理の中で別の値を書き込むことができる。
【0154】
ステップS201:次に主制御CPU72は、抽選乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76のカウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数等が含まれる。
【0155】
ステップS202:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、先に述べたものと同じである。
【0156】
ステップS203:主制御CPU72は、入力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は入出力(I/O)ポート79から各種スイッチ信号を入力する。具体的には、ゲートスイッチ78からの通過検出信号や、中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、入賞口スイッチ86、特定領域スイッチ83からの入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)をリードする。
【0157】
ステップS204:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先の入力処理で入力したスイッチ信号のうち、ゲートスイッチ78、中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、特定領域スイッチ83からの通過検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じて、さらに別の処理を実行する。なお、スイッチ入力イベント処理の具体的な内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
【0158】
本実施形態では、中始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72はそれぞれ第1特別図柄又は第2特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機、第1抽選契機、第2抽選契機)となる事象が発生したと判定する。また、ゲートスイッチ78から通過検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、中始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力された場合に実行される処理については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
【0159】
ステップS205,ステップS206:主制御CPU72は、割込管理処理中において特別図柄遊技処理及び普通図柄遊技処理を実行する。これら処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。このうち特別図柄遊技処理(ステップS205)では、主制御CPU72は先に述べた第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31の作動を制御したりする。なお、特別図柄遊技処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
【0160】
また、普通図柄遊技処理(ステップS206)では、主制御CPU72は先に述べた普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は先のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)の中で始動ゲート20の通過を契機として取得した乱数(普通図柄当り決定乱数)を記憶しておき、この普通図柄遊技処理の中で記憶から乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う(普通図柄抽選実行手段)。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して可変始動入賞装置28を作動させる。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。
【0161】
ステップS207:次に主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。この処理では、先の入力処理(ステップS203)において各種スイッチ80,82,84,85,86から入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する。
【0162】
また、主制御CPU72は、賞球払出処理において、演出制御装置124に対して賞球数の内容を伝達する賞球内容コマンドを出力する。例えば、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31に対応する第1カウントスイッチ84又は第2カウントスイッチ85から入賞検出信号が入力された場合、大入賞口の利益に対応する賞球内容コマンドを生成する。また、始動入賞口や普通入賞口の利益に対応する賞球内容コマンドを生成してもよい。生成された賞球内容コマンドは、演出制御装置124に送信される。
【0163】
〔賞球数及び獲得遊技球数について〕
第1特別図柄の始動口の賞球数及び第2特別図柄の始動口の賞球数は、それぞれ1個以上の規定数に設定されている。また、第1特別図柄の始動口と第2特別図柄の始動口とでは、賞球数を異ならせてもよい。さらに、特別図柄の当選確率や、総獲得遊技球数の期待値(初当りから時間短縮状態が終了するまでの一連の期間に得られる平均出球数)に基づいて、最低賞球数を設定してもよい。さらにまた、特別図柄の当選確率、総獲得遊技球数の期待値、大入賞口の開放回数、大入賞口の開放時間、大入賞口の最大入賞数、大入賞口の賞球数が所定の条件を満たした場合、1回の大当りによる獲得遊技球数が最大の獲得遊技球数の1/4未満となる大当りを設定してもよい。
【0164】
ステップS207a:次に主制御CPU72は、エラー管理処理を実行する。この処理では、遊技機に発生する各種のエラー(例えば、普電異常入賞エラー等)の発生を判定し管理する処理を実行する。また、主制御CPU72は、エラーが発生していると判断した場合、発生しているエラーに対応するエラーコマンドを生成する。生成されたエラーコマンドは演出制御装置に送信される。
【0165】
ステップS208:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータに対して上記の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)をポート出力要求バッファに格納する。
【0166】
また、主制御CPU72は、普電異常入賞エラーフラグがオンである場合、外部端子板160を通じてセキュリティ信号(外部情報信号)を出力する処理を実行する。普電異常入賞エラーフラグは、オンに設定されてから一定時間経過後又は電断時にオフに設定されるため、セキュリティ信号は、一定時間にわたり又は電断まで出力され続ける。このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、普電異常入賞エラーが発生している場合、外部機器に対してエラーが発生していることを示す信号を送信することができる。
【0167】
なお、本実施形態では、各種の外部情報信号のうち、例えば大当り情報として「大当り1」~「大当り5」を外部に出力することで、パチンコ機1に接続された外部の電子機器(データ表示器やホールコンピュータ)に対して多様な大当り情報を提供することができる(外部情報信号出力手段)。すなわち、大当り情報を複数の「大当り1」~「大当り5」に分けて出力することで、これらの組み合わせから大当りの種別(当選種類)を図示しないホールコンピュータで集計・管理したり、内部的な確率状態(低確率状態又は高確率状態)や図柄変動時間の短縮状態の変化を認識したり、非当選以外であっても「大当り」に分類されない小当り(条件装置が作動しない当り)の発生を集計・管理したりすることが可能となる。また、大当り情報に基づき、例えば図示しないデータ表示装置によりパチンコ機1の台ごとに過去数営業日以内の大当り発生回数を計数及び表示したり、台ごとに現在大当り中であるか否かを認識したり、あるいは台ごとに現在図柄変動時間の短縮状態であるか否かを認識したりすることができる。この外部情報処理において、主制御CPU72は「大当り1」~「大当り5」のそれぞれの出力状態(ON又はOFFのセット)を詳細に制御する。
【0168】
ステップS209:また、主制御CPU72は、試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
【0169】
ステップS210:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a、遊技状態表示装置38等の点灯状態を制御する。具体的には、先の特別図柄遊技処理(ステップS205)や普通図柄遊技処理(ステップS206)においてポート出力要求バッファに格納されている駆動信号をポート出力する。なお、駆動信号は、各LEDに対して印加するバイトデータとしてポート出力要求バッファに格納されている。これにより、各LEDが所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)で駆動されることになる。
【0170】
ステップS211:また、主制御CPU72は、出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の外部情報処理(ステップS208)でポート出力要求バッファに格納された外部情報信号(バイトデータ)をポート出力する。また、主制御CPU72は、ポート出力要求バッファに格納されている普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び特定領域ソレノイド99の各駆動信号、試験信号等を合わせてポート出力する。
【0171】
ステップS212:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、コマンドバッファ内に主制御CPU72が演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)があるか否かを確認し、未送信コマンドがある場合は出力対象のコマンドをポート出力する。
【0172】
ステップS213:そして、主制御CPU72は、今回のCTC割込で格納したポート出力要求バッファをクリアする。
【0173】
なお、本実施形態では、ステップS205~ステップS212の処理(遊技制御プログラムモジュール)をタイマ割込処理として実行する例を挙げているが、これら処理をCPUのメインループ中に組み込んで実行している公知のプログラミング例もある。
【0174】
ステップS214:以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込終了を指定する値(01H)を割込プログラムカウンタ内に格納し、CTC割込を終了する。
【0175】
ステップS215,ステップS216:そして、主制御CPU72は、退避しておいたレジスタ(A~L)の値を復帰し、次回のCTC割込を許可する。この後、主制御CPU72は、メインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
【0176】
〔スイッチ入力イベント処理〕
図14は、スイッチ入力イベント処理(
図13中のステップS204)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
【0177】
ステップS10:主制御CPU72は、第1特別図柄に対応する中始動入賞口スイッチ80から入賞検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS12に進んで第1特別図柄記憶更新処理を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS14に進む。
【0178】
ステップS14:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS16に進んで第2特別図柄記憶更新処理を実行する。ここでも同様に、具体的な処理の内容については別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS18に進む。
【0179】
ステップS18:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の第1大入賞口30bに対応する第1カウントスイッチ84から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS19に進んで第1大入賞口カウント処理を実行する。第1大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に1ラウンドごとの第1可変入賞装置30への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS20に進む。
【0180】
ステップS20:主制御CPU72は、第2可変入賞装置31の第2大入賞口31bに対応する第2カウントスイッチ85から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS21に進んで第2大入賞口カウント処理を実行する。第2大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中(小当り遊技中)に第2可変入賞装置31への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS22に進む。
【0181】
ステップS22:主制御CPU72は、普通図柄に対応するゲートスイッチ78から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS24に進んで普通図柄記憶更新処理を実行する。普通図柄記憶更新処理では、主制御CPU72は現在の普通図柄作動記憶数が上限数(例えば4個)未満であるか否かを確認し、上限数に達していなければ、普通図柄当り乱数を取得する。また、主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数を1インクリメントする。そして、主制御CPU72は、取得した普通図柄当り乱数値をRAM76の乱数記憶領域に記憶させる。一方、通過検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS26に進む。
【0182】
ステップS26:主制御CPU72は、第2大入賞口31b内の特定領域31xに対応する特定領域スイッチ83から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS28に進んで特定領域予備フラグをONにする処理を実行する。一方、通過検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72は割込管理処理(
図13)に復帰する。
【0183】
〔第1特別図柄記憶更新処理〕
図15は、第1特別図柄記憶更新処理(
図14中のステップS12)の手順例を示すフローチャートである。以下、第1特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
【0184】
ステップS30:ここでは先ず、主制御CPU72は第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値(例えば4とする)未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。ここで、RAM76の乱数記憶領域は、第1特別図柄及び第2特別図柄で共通して使用する8つのセクション(例えば各2バイト)に分けられており、各セクションには大当り決定乱数及び大当り図柄乱数を1個ずつセット(組)で記憶可能である。このとき、第1特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が最大値に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(
図14)に復帰する。一方、作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS31に進む。
【0185】
ステップS31:主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数を1つ加算する。第1特別図柄作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の作動記憶数領域に記憶されており、主制御CPU72はその値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(
図13中のステップS210)で第1特別図柄作動記憶ランプ34aの点灯状態が制御されることになる。
【0186】
ステップS32:そして、主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第1抽選要素の取得、抽選要素取得手段)。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビット処理の場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り決定乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
【0187】
ステップS33:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
【0188】
ステップS34:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第1特別図柄の変動条件に関する乱数値として、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段)。これら乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして、主制御CPU72は、指定したアドレスからリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をそれぞれ取得すると、これらを転送先のアドレスにセーブする。
【0189】
ステップS35:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(第1抽選要素記憶手段)。複数のセクションには順番(例えば第1~第4)が設定されており、現段階で第1~第4の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に各乱数が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2~第4セクションが空きであれば、第2セクションから順に各乱数が記憶されていく。なお、乱数記憶領域の読み出しはFIFO(First In First Out)形式である。
【0190】
ステップS36:次に主制御CPU72は、現在の特別遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS37,S38を実行する。大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS37,S38をスキップしてステップS38aに進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
【0191】
ステップS37:大当り中以外の場合(ステップS36:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する。この処理は、先のステップS32~S34でそれぞれ取得した第1特別図柄の大当り決定乱数、大当り図柄乱数及び変動パターン決定乱数に基づいて、特別図柄抽選の結果や変動時間を事前(変動開始前)に判定し、それによって演出内容を判定(いわゆる「先読み」)するためのものである。この処理において、第1特別図柄の事前判定の結果を特図先判定演出コマンドの下位バイト分にセットする。
【0192】
ステップS38:取得時演出判定処理を実行すると、次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B8H」)をセットする。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第1特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。なお、特図先判定演出コマンドの下位バイト分(当否に関する情報や変動時間に関する情報)は、先の取得時演出判定処理(ステップS37)においてセットされるので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
【0193】
ステップS38a:次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。具体的には、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BBH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」~「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。このとき下位バイトについては、デフォルトで第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表している。つまり、下位バイトが「01H」であれば、それは前回までの作動記憶数「00H」から1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「01H」となったことを表している。同様に、下位バイトが「02H」~「04H」であれば、それは前回までの作動記憶数「01H」~「03H」からそれぞれ1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「02H」~「04H」となったことを表している。なお、上記の先行値「BBH」は、今回の演出コマンドが第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
【0194】
ステップS39:そして、主制御CPU72は、第1特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理では、先のステップS38で生成した特図先判定演出コマンドや、ステップS38aで生成した作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンドが演出制御装置124に対して送信される(記憶数通知手段)。
【0195】
以上の手順を終えるか、もしくは第1特別図柄作動記憶数が4に達していた場合(ステップS30:No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(
図14)に復帰する。
【0196】
〔第2特別図柄記憶更新処理〕
次に
図16は、第2特別図柄記憶更新処理(
図14中のステップS16)の手順例を示すフローチャートである。以下、第2特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
【0197】
ステップS40:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値未満であるか否かを確認する。第2特別図柄作動記憶数カウンタについても上記と同様に、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。このとき第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値(例えば4とする)に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(
図14)に復帰する。一方、未だ第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS41以降に進む。
【0198】
ステップS41:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数を1つ加算(第2特別図柄作動記憶数カウンタの値をインクリメント)する。先のステップS31(
図15)と同様に、ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(
図13中のステップS210)で第2特別図柄作動記憶ランプ35aの点灯状態が制御されることになる。
【0199】
ステップS42:そして、主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第2抽選要素の取得、抽選要素取得手段)。乱数値を取得する手法は、先に説明したステップS32(
図15)と同様である。
【0200】
ステップS43:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。乱数値を取得する方法は、先に説明したステップS33(
図15)と同様である。
【0201】
ステップS44:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第2特別図柄の変動条件に関するリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段)。これら乱数値の取得もまた、先に説明したステップS34(
図15)と同様に行われる。
【0202】
ステップS45:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第2特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(第2抽選要素記憶手段)。記憶の手法は、先に説明したステップS35(
図15)と同様である。
【0203】
ステップS45a:次に主制御CPU72は、現在の遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。そして、大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS46,S47を実行する。逆に大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS46,S47をスキップしてステップS48に進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、同じく大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
【0204】
ステップS46:大当り中以外である場合(ステップS45a:No)、次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する。この処理は、先のステップS42~S44でそれぞれ取得した第2特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定するためのものである。この処理において、第2特別図柄の事前判定の結果を特図先判定演出コマンドの下位バイト分にセットする。
【0205】
ステップS47:取得時演出判定処理を実行すると、次に主制御CPU72は特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B9H」)をセットする。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第2特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。ここでも同様に、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS46)においてセットされるので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
【0206】
ステップS48:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。ここでは、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」~「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。第2特別図柄についても同様に、デフォルトで下位バイトの第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表すことができる。なお、先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
【0207】
ステップS49:そして、主制御CPU72は、第2特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。これにより、第2特別図柄に関して特図先判定演出コマンドや作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド等を演出制御装置124に対して送信される(記憶数通知手段)。また、以上の手順を終えると、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(
図14)に復帰する。
【0208】
〔取得時演出判定処理〕
図17は、取得時演出判定処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、先の第1特別図柄記憶更新処理及び第2特別図柄記憶更新処理(
図15中のステップS37,
図16中のステップS46)においてこの取得時演出判定処理を実行する(事前判定手段)。上述したように、この処理は第1特別図柄(中始動入賞口26への入球時)、第2特別図柄(可変始動入賞装置28への入球時)のそれぞれについて実行される。したがって以下の説明は、第1特別図柄に関する処理に該当する場合と、第2特別図柄に関する処理に該当する場合とがある。以下、各手順に沿って処理の内容を説明する。
【0209】
ステップS50:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンド(先判定情報)の下位バイト分(例えば「00H」)をセットする。なお、ここでセットしたバイトデータはコマンドの標準値(はずれ時)を表すものとなる。
【0210】
ステップS52:次に主制御CPU72は、先判定用乱数値として大当り決定乱数をロードする。ここでロードする乱数は、先の第1特別図柄記憶更新処理(
図15中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(
図16中のステップS45)でRAM76に記憶されているものである。
【0211】
ステップS54:そして、主制御CPU72は、ロードした乱数が当り値の範囲外(ここでは下限値以下)であるか否かを判定する(抽選結果先判定手段、事前判定手段)。具体的には、主制御CPU72は比較値(下限値)をAレジスタにセットし、この比較値からロードした乱数値を減算する。なお、比較値(下限値)は、パチンコ機1における特別図柄抽選の大当り確率に応じて予め規定されている。次に主制御CPU72は、例えばフラグレジスタの値から演算結果が0又は正の値であるか否かを判別する。その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS80に進む。
【0212】
ステップS80:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段)。この処理では、主制御CPU72は、はずれ時の変動時間について変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、特に「時間短縮機能」の作動時における変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。例えば、現在の状態が「時間短縮機能」の作動時であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものである場合、主制御CPU72は「時短中非短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。なお、リーチ変動の場合はさらに、リーチモード乱数から「リーチグループ(リーチの種類)」をも判断し、その結果から変動パターン先判定コマンドを生成することとしてもよい。一方、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「時短中短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。あるいは、現在の状態が「時間短縮機能」の非作動時(低確率状態)であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものである場合、主制御CPU72は「通常はずれリーチ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。一方、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「通常はずれ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。なお、この処理において、主制御CPU72は、小当り時の変動パターンについて、上述したはずれ時の処理と同様に変動パターン先判定コマンドを生成してもよい。
【0213】
以上の手順を実行すると、主制御CPU72は取得時演出判定処理を終了し、呼び出し元の第1特別図柄記憶更新処理(
図15)又は第2特別図柄記憶更新処理(
図16)に復帰する。一方、先のステップS54の判断において、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(ステップS54:No)、主制御CPU72は次にステップS74に進む。
【0214】
ステップS74:主制御CPU72は、大当り図柄種別判定処理を実行する。この処理は、大当り決定乱数と組になっている大当り図柄乱数に基づいて、そのときの大当り種別(当選種類)を判定するためのものである。例えば、主制御CPU72は先の第1特別図柄記憶更新処理(
図15中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(
図16中のステップS45)で記憶した図柄別の大当り図柄乱数をロードすると、ステップS54と同様に比較値を用いた演算を実行し、その結果からいずれの当選図柄に該当するかを判別する。主制御CPU72は、このときの判別結果を特別図柄先判定値として記憶し、次のステップS78に進む。
【0215】
ステップS78:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンドの下位バイトとして、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値をセットする。特別図柄先判定値は、例えば「時間短縮状態に移行しない図柄」に該当する場合は「00H」がセットされ、「時間短縮状態に移行する図柄」に該当する場合は「01H」がセットされる。いずれにしても、ここで下位バイト分のデータをセットすることにより、先のステップS50でセットした標準の下位バイトデータ「00H」が書き換えられることになる。
【0216】
ステップS79:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り時の変動時間について、上述した変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、例えば大当り時のリーチ変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。
【0217】
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第1特別図柄記憶更新処理(
図15)又は第2特別図柄記憶更新処理(
図16)に復帰する。
【0218】
〔特別図柄遊技処理〕
次に、割込管理処理(
図13)の中で実行される特別図柄遊技処理の詳細について説明する。
図18は、特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。特別図柄遊技処理は、実行選択処理(ステップS1000)、特別図柄変動前処理(ステップS2000)、特別図柄変動中処理(ステップS3000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)、可変入賞装置管理処理(ステップS5000)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って特別図柄遊技処理の基本的な流れを説明する。
【0219】
ステップS1000:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2000~ステップS5000のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして特別図柄遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。
【0220】
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(特別図柄遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば(特別図柄遊技管理ステータス:00H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2000)を選択する。一方、既に特別図柄変動前処理が完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
【0221】
ステップS2000:特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
【0222】
ステップS3000:特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番~7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって特別図柄の変動表示が行われる。
【0223】
ステップS4000:特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。
【0224】
ステップS5000:可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において大当り又は小当りの態様(非当選以外の態様)で特別図柄が停止表示された場合に選択される。なお、特別図柄の停止表示される態様に応じて、大当り遊技又は小当り遊技が開始される。
【0225】
〔大当り遊技〕
例えば、特別図柄が3ラウンド大当りの態様で停止表示されると、大当り遊技(遊技者にとって有利な特別遊技)が実行される。大当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、第1大入賞口ソレノイド90が一定時間(例えば29秒間又は10個の入賞をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば3回)にわたって励磁され、これにより第1可変入賞装置30が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の連続作動)。この間に第1可変入賞装置30に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、まとまって多くの賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。なお、このように大当り時に第1可変入賞装置30が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が全部で3回あれば、これらを「3ラウンド」と総称することがある。
【0226】
また、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開閉動作の回数、開放時間等)を設定すると、1ラウンド分の第1可変入賞装置30の開閉動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。また、主制御CPU72は、ラウンド数カウンタの値を表すラウンド数コマンドを生成する。ラウンド数コマンドは、演出制御出力処理(
図13中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで大当り遊技(大役)を終了する。
【0227】
そして、大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は時間短縮機能予備フラグに基づいて大当り遊技終了後の状態を変化させる(時間短縮状態に移行させる)(時間短縮状態移行手段、状態移行手段)。「時間短縮状態」では時間短縮機能(変動時間短縮機能)が作動し、少なくとも普通図柄の変動時間が短縮されたり、可変始動入賞装置28の開放時間の延長又は開放回数の増加が行われたりする(いわゆる電チューサポートが行われる)。なお、「時間短縮状態」では、普通図柄の抽選確率を通常確率(低確率)から高確率に設定してもよい。
【0228】
〔小当り〕
また、本実施形態では、非当選以外の当選種類として小当りが設けられている。小当りに当選すると、大当り遊技とは別に小当りの遊技が行われて第2可変入賞装置31が開閉動作する(特例遊技実行手段)。例えば、特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、小当り遊技(遊技者にとって有利な特殊遊技)が実行される。小当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、第2大入賞口ソレノイド97が一定時間(例えば1.8秒間又は10個の入賞をカウントするまで)、予め設定された作動回数(例えば1回又は複数回)にわたって励磁され、これにより第2可変入賞装置31が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の作動)。この間に第2可変入賞装置31に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、ある程度の賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。
【0229】
また、小当り遊技中の可変入賞装置管理処理においては、特定領域ソレノイド99が一定時間(例えば5.0秒間)、予め設定された作動回数(例えば1回)にわたって励磁され、これにより特定領域用スライド部材31cが決まったパターンで開閉動作する。この間に特定領域31xに遊技球を通過させることで、遊技者には、大当り遊技を開始する機会が与えられる。すなわち、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過するか否かで、可変入賞装置管理処理において大当り遊技を開始するか否かが決定される。本実施形態では、小当りについては、その中に複数の当選種類(当選図柄)が設けられており、遊技球が特定領域31xを通過すると、当選種類に応じた大当り遊技が開始される。
【0230】
また、特定領域31xを遊技球が通過せずに小当りの遊技が終了しても、「時間短縮機能」が作動することもないので、「時間短縮状態」へ移行する特典は付与されない(そのための前提条件とはならない。)(上限回数に達した場合を除く。)。
【0231】
〔複数の当選種類(当選図柄)〕
本実施形態では、複数の当選種類(「第1特別図柄_3R大当り図柄1」、「3R大当り図柄2」等)が設けられている。大当り遊技は、特別図柄が大当り態様で停止表示した際に開始される場合もあり、特別図柄が小当り態様で停止表示し、かつ、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過した際に開始される場合もある。なお、内部抽選で小当りに当選し、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると大当り遊技が実行され、大当り遊技終了後に当選図柄の種類に応じて時間短縮状態に移行する遊技機は、いわゆる1種2種混合タイプの遊技機である。
【0232】
〔特別図柄変動前処理〕
図19は、特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
【0233】
ステップS2100:先ず主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数又は第2特別図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。第1特別図柄及び第2特別図柄の両方の作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS2500のデモ設定処理を実行する。
【0234】
ステップS2500:この処理では、主制御CPU72はデモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、上記の演出制御出力処理(
図13中のステップS212)において演出制御装置124に出力される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。なお、復帰時は、上記のように末尾アドレスに復帰する(以降も同様)。
【0235】
これに対し、第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれかの作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2200を実行する。
【0236】
ステップS2200:主制御CPU72は、特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する(第2抽選優先実行手段)。この処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数等)のうち、第2特別図柄に対応する方を優先的に読み出す(いわゆる優先消化)。このとき2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば(第1特別図柄のみが該当)、主制御CPU72は先頭のセクションから順に乱数を読み出して消去(消費)した後、残った乱数を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。読み出した乱数は、例えば別の一時記憶領域に保存される。第2特別図柄に対応する乱数が記憶されていない場合、主制御CPU72は第1特別図柄に対応する乱数を読み出して一時記憶領域に保存する。一時記憶領域に保存された各乱数は、次の大当り判定処理で内部抽選に使用される。その結果、本実施形態では第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動表示が優先的に行われることになる。なお、このような特別図柄別の優先順位を設けることなく、単純に記憶された順番で乱数が読み出されるプログラムであってもよい。また、この処理において、主制御CPU72はRAM76に記憶されている作動記憶数カウンタ(第1特別図柄又は第2特別図柄のうち、乱数のシフトを行った方)の値を1つ減算し、減算後の値を「変動開始時作動記憶数」に設定する。これにより、上記の表示出力管理処理(
図13中のステップS210)の中で第1特別図柄作動記憶ランプ34a又は第2特別図柄作動記憶ランプ35aによる記憶数の表示態様が変化(1減少)する。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は次にステップS2300を実行する。
【0237】
ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(第1抽選実行手段、第2抽選実行手段、抽選実行手段)。このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS2400に進む。
【0238】
上記の大当りフラグをセットしない場合、主制御CPU72は同じ大当り判定処理において、次に小当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(第1抽選実行手段、第2抽選実行手段、抽選実行手段)。ここでいう「小当り」は、非当選(はずれ)以外であるが、「大当り」とは異なる性質のものである。すなわち、「大当り」は上記の「時間短縮状態」に移行させる契機(遊技の節目)を発生させるものであるが、「小当り」はそのような契機を発生しない。「小当り」は、第2可変入賞装置31のみを作動させる条件を満たすものとして位置付けられている(条件装置を作動させる条件は満たさない)。さらに、「小当り」中に遊技球が特定領域31xを通過すると、「大当り」に発展させるものとして位置付けられている(条件装置を作動させる条件を満たす)。いずれにしても、読み出した乱数値が小当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は小当りフラグをセットし、次にステップS2400に進む。このように、本実施形態では非当選以外に該当する当り範囲として、大当り値と小当り値の範囲が予めプログラム上で規定されているが、予め状態別の大当り判定テーブル、小当り判定テーブルをそれぞれROM74に書き込んでおき、これを読み出して乱数値と対比しながら大当り判定を行ってもよい。
【0239】
本実施形態では、大当りの当選確率は300分の1に設定され、小当りの当選確率は40分の1に設定されている。ただし、これらの当選確率は遊技の仕様に応じて適宜変更することができる。そして、これらの大当りの当選確率や小当りの当選確率を満たすべく、大当り値の範囲や小当り値の範囲が主制御CPU72により設定され、読み出した乱数値と比較される。
【0240】
ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2402を実行する。
【0241】
ステップS2402:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で小当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。小当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。なお、主制御CPU72は大当りフラグと小当りフラグとを別々に用意せずに、共通当りフラグの値によって大当り(例えば01Hを設定)又は小当り(例えば0AHを設定)を判別してもよい。
【0242】
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(
図13中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。
【0243】
なお、本実施形態では、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「-」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
【0244】
ステップS2405:次に主制御CPU72は、変動パターン選択テーブル(変動パターン規定手段)を参照して、はずれ時変動パターン決定処理を実行する(変動パターン決定手段)。この処理では、主制御CPU72は、特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する(変動パターン選択手段)。変動パターン番号は、特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。変動パターンには、通常変動(非リーチ変動)、リーチ変動、スーパーリーチ変動等といった様々な変動パターンが含まれている(大当り時や小当り時も同様)。なお、選択された特別図柄の変動パターンに関する情報は、特殊変動であるか否かという情報も含めて変動パターンコマンドとして演出制御装置に送信される(大当り時や小当り時についても同様である。)。
【0245】
ここで、はずれ時の変動時間は、上記の「時間短縮状態」であるか否かによって異なってくるため、この処理において主制御CPU72は、遊技状態フラグをロードし、現在の状態が「時間短縮状態」であるか否かを確認する。また、「時間短縮状態」でなくとも、リーチ演出を実行する変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は例えばステップS2200で設定した「変動表示開始時作動記憶数(0個~3個)」に基づいて短縮される場合がある(例えば、変動表示開始時作動記憶数0個→12.5秒程度、変動表示開始時作動記憶数1個→8秒程度、変動表示開始時作動記憶数2個→5秒程度、変動表示開始時作動記憶数3個→2.5秒程度)。なお、はずれ時の図柄の停止表示時間は変動パターンに関わらず一定(例えば0.5秒程度)である。そして、主制御CPU72は、決定した変動時間(はずれ時)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
【0246】
以上のステップS2404,ステップS2405は、大当り判定結果がはずれ時(非当選以外の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)又は小当り(ステップS2402:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。先ず、大当りの場合について説明する。
【0247】
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、特別図柄別(第1特別図柄又は第2特別図柄)に今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において大当り時停止図柄選択テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。
【0248】
本実施形態では、複数の仕様を実現することができる。1つ目の第1遊技仕様は、ループタイプ(転落小当りに当選するまでは時間短縮状態に連続して移行可能なタイプ)の遊技性を実現するための仕様である。2つ目の第2遊技仕様は、STタイプ(所定回数以内に当選すれば、再度、時間短縮状態に移行可能なタイプ)の遊技性を実現するための仕様である。以下、2つの仕様を順番に説明する。
【0249】
〔第1遊技仕様(ループタイプ)〕
第1遊技仕様の場合、主に、
図20、
図21のテーブルを用いつつ、
図34、
図35等の処理を用いて遊技内容を制御する。
図20は、当選時停止図柄選択テーブル(通常中)を示す図である。
通常中(時間短縮機能未作動時)の当選である場合、「当選図柄」に応じて、「時短回数」、「小当り表示回数A」及び「小当り表示回数B」が設定される。
「当選図柄」が「第1特別図柄_3R(ラウンド)大当り図柄1」である場合、「時短回数」は「10」に設定され、「小当り表示回数A」は「1」に設定され、「小当り表示回数B」は「10」に設定される。
「当選図柄」が「第1特別図柄_3R大当り図柄2」である場合、「時短回数」は「10000」に設定され、「小当り表示回数A」は「1」に設定され、「小当り表示回数B」は「1」に設定される。
【0250】
「当選図柄」が「第2特別図柄_3R大当り図柄1」である場合、「時短回数」は「10000」に設定され、「小当り表示回数A」は「1」に設定され、「小当り表示回数B」は「10000」に設定される。
「当選図柄」が「第2特別図柄_3R小当り図柄1」である場合、「時短回数」は「10000」に設定され、「小当り表示回数A」は「1」に設定され、「小当り表示回数B」は「1」に設定される。
「当選図柄」が「第2特別図柄_3R小当り図柄2」である場合、「時短回数」は「0」に設定され、「小当り表示回数A」は「0」に設定され、「小当り表示回数B」は「0」に設定される。
【0251】
図21は、当選時停止図柄選択テーブル(時短中)を示す図である。
時短中(時間短縮機能作動時)の当選である場合、「当選図柄」に応じて、「時短回数」、「小当り表示回数A」及び「小当り表示回数B」が設定される。
「当選図柄」が「第1特別図柄_3R大当り図柄1」である場合、「時短回数」は「10000」に設定され、「小当り表示回数A」は「1」に設定され、「小当り表示回数B」は「1」に設定される。
「当選図柄」が「第1特別図柄_3R大当り図柄2」である場合、「時短回数」は「10000」に設定され、「小当り表示回数A」は「1」に設定され、「小当り表示回数B」は「1」に設定される。
【0252】
「当選図柄」が「第2特別図柄_3R大当り図柄1」である場合、「時短回数」は「10000」に設定され、「小当り表示回数A」は「1」に設定され、「小当り表示回数B」は「10000」に設定される。
「当選図柄」が「第2特別図柄_3R小当り図柄1」である場合、「時短回数」は「10000」に設定され、「小当り表示回数A」は「1」に設定され、「小当り表示回数B」は「1」に設定される。
「当選図柄」が「第2特別図柄_3R小当り図柄2」である場合、「時短回数」は「0」に設定され、「小当り表示回数A」は「0」に設定され、「小当り表示回数B」は「0」に設定される。
【0253】
(※1)「時短回数」は、時間短縮状態で遊技可能な特別図柄の変動回数を示しており、第1特別図柄と第2特別図柄との合計の変動回数を示している。
(※2)「小当り表示回数A」は、「3R小当り図柄1」による特別電動役物が作動することとなる図柄の表示回数を示している。
(※3)「小当り表示回数B」は、「3R小当り図柄2」による特別電動役物が作動することとなる図柄の表示回数を示している。
【0254】
〔第2遊技仕様(STタイプ)〕
第2遊技仕様の場合、主に、
図22~
図31のテーブルを用いて遊技内容を制御する。
図22は、変動パターンテーブルと変動パターンオフセットとの関係を示す図である。
「変動パターンテーブル」が「変動パターンテーブルA」である場合、「変動パターンオフセット」は「0」となる。「変動パターンテーブルA」は、通常中に参照されるテーブルである。
「変動パターンテーブル」が「変動パターンテーブルB」である場合、「変動パターンオフセット」は「1」となる。「変動パターンテーブルB」は、大当り1回目終了後に参照されるテーブルである。
【0255】
「変動パターンテーブル」が「変動パターンテーブルC」である場合、「変動パターンオフセット」は「2」となる。「変動パターンテーブルC」は、大当り1~3回目終了後に参照されるテーブルである。
「変動パターンテーブル」が「変動パターンテーブルD」である場合、「変動パターンオフセット」は「3」となる。「変動パターンテーブルD」は、大当り4回目終了後以降に参照されるテーブルである。
【0256】
「変動パターンテーブル」が「変動パターンテーブルE」である場合、「変動パターンオフセット」は「4」となる。「変動パターンテーブルE」は、大当り1回目終了後以降に参照されるテーブルである。
【0257】
各テーブルには複数の変動パターンが含まれており、抽選によりテーブル内のいずれかの変動パターンが選択される。各テーブルの変動時間は、相対的に(平均的に)、「変動パターンテーブルA」>「変動パターンテーブルB」>「変動パターンテーブルC」>「変動パターンテーブルD」>「変動パターンテーブルE」となっている。なお、「変動パターンテーブルB」>「変動パターンテーブルC」>「変動パターンテーブルD」>「変動パターンテーブルE」については、このような関係に限られるものではなく、大小関係が逆のものや同一のものであってもよい。
【0258】
「変動パターンテーブルA」に含まれている変動パターンは、非時間短縮状態で用いられる変動パターンである。「変動パターンテーブルB」、「変動パターンテーブルC」、「変動パターンテーブルD」に含まれている変動パターンは、時間短縮状態で用いられる個別変動パターンである。「変動パターンテーブルE」に含まれている変動パターンは、時間短縮状態で用いられる共通変動パターンである。
また、図中の大当りの回数は、時間短縮状態に連続して移行した場合の大当り回数である。この点は、
図23~
図26でも同様である。
【0259】
図23は、通常中の大当り1回目終了後の特殊変動パターンテーブルを示す図である。
通常中の1回目の大当りが実行され、「当選図柄」が「第1特別図柄_3R大当り図柄1」である場合、「時短回数」は「50」に設定され、「特殊変動回数」は「50」に設定される。
この場合、大当り終了後の変動回数が「1~50」であるときには「変動パターンテーブルB」が用いられ、大当り終了後の変動回数が「51~」であるときには「変動パターンテーブルA」が用いられる。
【0260】
通常中の1回目の大当りが実行され、「当選図柄」が「第1特別図柄_3R大当り図柄2」、「第2特別図柄_3R小当り図柄1」又は「第2特別図柄_10R小当り図柄1」である場合、「時短回数」は「100」に設定され、「特殊変動回数」は「100」に設定される。
この場合、大当り終了後の変動回数が「1~100」であるときには「変動パターンテーブルC」が用いられ、大当り終了後の変動回数が「101~」であるときには「変動パターンテーブルA」が用いられる。
【0261】
通常中の1回目の大当りが実行され、「当選図柄」が「第2特別図柄_3R大当り図柄1」である場合、「時短回数」は「10000」に設定され、「特殊変動回数」は「10000」に設定される。
この場合、大当り終了後の変動回数が「1~10000」であるときには「変動パターンテーブルE」が用いられ、大当り終了後の変動回数が「10001~」であるときには「変動パターンテーブルA」が用いられる。
【0262】
図24は、時短中の大当り2、3回目終了後の特殊変動パターンテーブルを示す図である。
時短中の2、3回目の大当りが実行され、「当選図柄」が「第1特別図柄_3R大当り図柄1」、「第1特別図柄_3R大当り図柄2」、「第2特別図柄_3R小当り図柄1」又は「第2特別図柄_10R小当り図柄1」である場合、「時短回数」は「100」に設定され、「特殊変動回数」は「100」に設定される。
この場合、大当り終了後の変動回数が「1~100」であるときには「変動パターンテーブルC」が用いられ、大当り終了後の変動回数が「101~」であるときには「変動パターンテーブルA」が用いられる。
【0263】
時短中の2、3回目の大当りが実行され、「当選図柄」が「第2特別図柄_3R大当り図柄1」である場合、「時短回数」は「10000」に設定され、「特殊変動回数」は「10000」に設定される。
この場合、大当り終了後の変動回数が「1~10000」であるときには「変動パターンテーブルE」が用いられ、大当り終了後の変動回数が「10001~」であるときには「変動パターンテーブルA」が用いられる。
【0264】
図25は、時短中の大当り4~9999回目終了後の特殊変動パターンテーブルを示す図である。
時短中の4~9999回目の大当りが実行され、「当選図柄」が「第1特別図柄_3R大当り図柄1」、「第1特別図柄_3R大当り図柄2」、「第2特別図柄_3R小当り図柄1」又は「第2特別図柄_10R小当り図柄1」である場合、「時短回数」は「100」に設定され、「特殊変動回数」は「100」に設定される。
この場合、大当り終了後の変動回数が「1~100」であるときには「変動パターンテーブルD」が用いられ、大当り終了後の変動回数が「101~」であるときには「変動パターンテーブルA」が用いられる。
【0265】
時短中の4~9999回目の大当りが実行され、「当選図柄」が「第2特別図柄_3R大当り図柄1」である場合、「時短回数」は「10000」に設定され、「特殊変動回数」は「10000」に設定される。
この場合、大当り終了後の変動回数が「1~10000」であるときには「変動パターンテーブルE」が用いられ、大当り終了後の変動回数が「10001~」であるときには「変動パターンテーブルA」が用いられる。
【0266】
図26は、時短中の大当り10000回目終了後の特殊変動パターンテーブルを示す図である。
時短中の10000回目の大当りが実行され、「当選図柄」が「第1特別図柄_3R大当り図柄1」、「第1特別図柄_3R大当り図柄2」、「第2特別図柄_3R大当り図柄1」、「第2特別図柄_3R小当り図柄1」又は「第2特別図柄_10R小当り図柄1」である場合、「時短回数」は「0」に設定され、「特殊変動回数」は「0」に設定される。
この場合、大当り終了後の変動回数が「1~」であるときには「変動パターンテーブルA」が用いられる。
【0267】
図27は、時短リミッタ回数が0の場合(通常中の当選時)に設定される変動パターン選択状態フラグ及び変動パターン選択カウンタの値を示す図である。
「当選図柄」が「第1特別図柄_3R大当り図柄1」である場合、「変動パターン選択状態フラグ」は「1」に設定され、「変動パターン選択カウンタ」は「50」に設定される。
「当選図柄」が「第1特別図柄_3R大当り図柄2」、「第2特別図柄_3R小当り図柄1」又は「第2特別図柄_10R小当り図柄1」である場合、「変動パターン選択状態フラグ」は「2」に設定され、「変動パターン選択カウンタ」は「100」に設定される。
「当選図柄」が「第2特別図柄_3R大当り図柄1」である場合、「変動パターン選択状態フラグ」は「4」に設定され、「変動パターン選択カウンタ」は「10000」に設定される。
【0268】
図28は、時短リミッタ回数が9998、9999の場合(時短中の当選時)に設定される変動パターン選択状態フラグ及び変動パターン選択カウンタの値を示す図である。
「当選図柄」が「第1特別図柄_3R大当り図柄1」、「第1特別図柄_3R大当り図柄2」、「第2特別図柄_3R小当り図柄1」又は「第2特別図柄_10R小当り図柄1」である場合、「変動パターン選択状態フラグ」は「2」に設定され、「変動パターン選択カウンタ」は「100」に設定される。
「当選図柄」が「第2特別図柄_3R大当り図柄1」である場合、「変動パターン選択状態フラグ」は「4」に設定され、「変動パターン選択カウンタ」は「10000」に設定される。
【0269】
図29は、時短リミッタ回数が2~9997の場合(時短中の当選時)に設定される変動パターン選択状態フラグ及び変動パターン選択カウンタの値を示す図である。
「当選図柄」が「第1特別図柄_3R大当り図柄1」、「第1特別図柄_3R大当り図柄2」、「第2特別図柄_3R小当り図柄1」又は「第2特別図柄_10R小当り図柄1」である場合、「変動パターン選択状態フラグ」は「3」に設定され、「変動パターン選択カウンタ」は「100」に設定される。
「当選図柄」が「第2特別図柄_3R大当り図柄1」である場合、「変動パターン選択状態フラグ」は「4」に設定され、「変動パターン選択カウンタ」は「10000」に設定される。
【0270】
図30は、時短リミッタ回数が1の場合(時短中の当選時かつリミッタ到達時)に設定される変動パターン選択状態フラグ及び変動パターン選択カウンタの値を示す図である。
「当選図柄」が「第1特別図柄_3R大当り図柄1」、「第1特別図柄_3R大当り図柄2」、「第2特別図柄_3R大当り図柄1」、「第2特別図柄_3R小当り図柄1」又は「第2特別図柄_10R小当り図柄1」である場合、「変動パターン選択状態フラグ」は「0」に設定され、「変動パターン選択カウンタ」は「0」に設定される。
【0271】
図31は、変動パターン選択状態フラグ、変動パターン選択カウンタ及び変動パターンオフセットの関係を示す図である。
「変動パターン選択状態フラグ」が「0」であり、「変動パターン選択カウンタ」が「0」である場合、「変動パターンオフセット」は「0」となる。「変動パターンオフセット」が「0」である場合、「変動パターンテーブルA」が用いられて変動パターンが選択される(
図22参照)。
【0272】
「変動パターン選択状態フラグ」が「1」であり、「変動パターン選択カウンタ」が「1~50」である場合、「変動パターンオフセット」は「1」となる。「変動パターンオフセット」が「1」である場合、「変動パターンテーブルB」が用いられて変動パターンが選択される(
図22参照)。
【0273】
「変動パターン選択状態フラグ」が「2」であり、「変動パターン選択カウンタ」が「1~100」である場合、「変動パターンオフセット」は「2」となる。「変動パターンオフセット」が「2」である場合、「変動パターンテーブルC」が用いられて変動パターンが選択される(
図22参照)。
【0274】
「変動パターン選択状態フラグ」が「3」であり、「変動パターン選択カウンタ」が「1~100」である場合、「変動パターンオフセット」は「3」となる。「変動パターンオフセット」が「3」である場合、「変動パターンテーブルD」が用いられて変動パターンが選択される(
図22参照)。
【0275】
「変動パターン選択状態フラグ」が「4」であり、「変動パターン選択カウンタ」が「1~10000」である場合、「変動パターンオフセット」は「4」となる。「変動パターンオフセット」が「4」である場合、「変動パターンテーブルE」が用いられて変動パターンが選択される(
図22参照)。
【0276】
本実施形態では大当り時又は小当り時に選択的に決定される当選図柄として、複数種類の当選図柄が用意されている。また、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、それぞれに対応する内部抽選の大当り時又は小当り時に選択される当選図柄の選択比率が異なっている。
【0277】
例えば、今回の内部抽選の結果が大当りに該当する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、複数の当選図柄の中からいずれかの当選図柄を所定の選択比率で選択する。所定の選択比率は、遊技の仕様に応じて任意に設定可能である。
【0278】
また、主制御CPU72は当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第1特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
【0279】
〔
図19:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2412:次に主制御CPU72は、変動パターン選択テーブル(変動パターン規定手段)を参照して、大当り時変動パターン決定処理を実行する(変動パターン決定手段)。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。一般的に大当りリーチ変動の場合、はずれ時よりも長い変動時間が決定される。
【0280】
ステップS2414:次に主制御CPU72は、大当り時予備領域定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、当選図柄やリミッタ回数等に応じて、予備領域に、時短回数、特殊変動回数、変動パターン選択状態フラグ、変動パターン選択カウンタ、小当り表示回数等を設定する処理を実行する。また、主制御CPU72は、大当り遊技終了後に時間短縮状態に移行させる当選図柄である場合、主制御CPU72は、RAM76の予備領域の時間短縮機能予備フラグをON(01H)にセットする。
【0281】
さらに、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づき、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、上記の停止図柄コマンド(大当り時)とともに抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
【0282】
ステップS2407:主制御CPU72は、小当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、小当り時の当選図柄の種類(小当り時停止図柄番号)を決定する。ここでも同様に、大当り図柄乱数値と小当り時の当選図柄の種類との関係が予め当選時停止図柄選択テーブル等によって規定されている(当選種類規定手段)。なお、本実施形態では、主制御CPU72の負荷を軽減するために大当り図柄乱数を用いて小当り時の当選図柄を決定しているが、別途専用の乱数を用いてもよい。
【0283】
ステップS2408:次に主制御CPU72は、変動パターン選択テーブル(変動パターン規定手段)を参照して、小当り時変動パターン決定処理を実行する(変動パターン決定手段)。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する(変動パターン選択手段)。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットし、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
【0284】
ステップS2409:次に主制御CPU72は、小当り時予備領域設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、当選図柄やリミッタ回数等に応じて、予備領域に、時短回数、特殊変動回数、変動パターン選択状態フラグ、変動パターン選択カウンタ、小当り表示回数等を設定する処理を実行する。また、主制御CPU72は小当り時停止図柄番号に基づき、第2特別図柄表示装置35による停止図柄(小当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(小当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
【0285】
ステップS2415:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択する。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグをセットする。そして、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(ステップS3000)を次のジャンプ先に設定し、特別図柄遊技処理に復帰する。
【0286】
〔
図18:特別図柄変動中処理,特別図柄停止表示中処理〕
特別図柄変動中処理では、上記のように主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数又は割込カウンタの値)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして、主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで上記のように特別図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を次のジャンプ先に設定する。
【0287】
また、特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(
図19中のステップS2404,ステップS2407,ステップS2410)で決定した停止図柄に基づいて特別図柄の停止表示を制御する。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。特別図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間にわたり表示させると、主制御CPU72は図柄変動中フラグを消去する。
【0288】
〔特別図柄記憶エリアシフト処理〕
図32は、上記の特別図柄記憶エリアシフト処理の手順例を示すフローチャートである。先の特別図柄変動前処理において、第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「0」より大であった場合(
図19中のステップS2100:Yes)、主制御CPU72はこの特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。以下、各手順に沿って説明する。
【0289】
ステップS2210:主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する作動記憶が残存しているか否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。第2特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が1以上である場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2212に進む。
【0290】
ステップS2212:主制御CPU72は、記憶エリアをシフトする対象の特別図柄として第2特別図柄を指定する。この指定は、例えば対象図柄指定値として「02H」をセットすることで行われる。
【0291】
ステップS2214:一方、第2特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が0である場合(ステップS2210:No)、主制御CPU72は記憶エリアをシフトする対象の特別図柄として第1特別図柄を指定する。この場合の指定は、例えば対象図柄指定値として「01H」をセットすることで行われる。
【0292】
ステップS2216:上記のステップS2212又はステップS2214のいずれかで指定した対象の特別図柄について、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域をシフトする。なお、具体的な処理の内容については、先の特別図柄変動前処理において既に述べたとおりである。
【0293】
ステップS2218:次いで主制御CPU72は、対象の特別図柄について作動記憶カウンタの値を減算する。例えば、今回の記憶エリアをシフトする対象が第2特別図柄であれば、主制御CPU72は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値を減算(-1)する。
【0294】
ステップS2220:そして、主制御CPU72は、減算後の作動記憶カウンタの値から「変動開始時作動記憶数」を設定する。なお、ここでは第1特別図柄と第2特別図柄の両方について、作動記憶カウンタの値を加算した上で「変動開始時作動記憶数」を設定してもよい。
【0295】
ステップS2222:また、主制御CPU72は、今回の記憶エリアをシフトする対象の特別図柄が第2特別図柄であるか否かを確認する。
ステップS2224:対象が第2特別図柄であった場合(ステップS2222:Yes)、主制御CPU72は第2特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。ここでセットされる演出コマンドもまた、1ワード長のコマンドとして生成されるが、その構成は上述した「作動記憶数増加時演出コマンド」と対照的である。すなわち、作動記憶数減少時演出コマンドは、コマンド種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対して、減少後の作動記憶数を表す下位バイトの値(例えば「00H」~「03H」)を付加するとともに、下位バイトの値については、「消費に伴う作動記憶数の減少」を意味する加算値(例えば「10H」)をさらに付加(論理和)したものである。したがって下位バイトについては、加算値「10H」を論理和することでその第2の位が「1」となり、この値によって「作動記憶数の減少による結果(変化情報)」であることを表したものとなる。つまり、コマンドの下位バイトが「13H」であれば、それは前回までの作動記憶数「4」(コマンド表記は「14H」)が1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「3」(コマンド表記は「13H」)となったことを表している。同様に、下位バイトが「12H」~「10H」であれば、それは前回までの作動記憶数「3」~「1」(コマンド表記は「13H」~「11H」)がそれぞれ1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「2」~「0」(コマンド表記は「12H」~「10H」)となったことを表している。なお、上記の先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
【0296】
ステップS2226:なお、今回の対象が第1特別図柄であった場合(ステップS2222:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。この場合のコマンドは、先行値が第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値(例えば「BBH」)となる以外は上記と同じである。
【0297】
ステップS2228:そして、主制御CPU72は、演出コマンド出力処理を実行する。この処理は、先のステップS2224又はステップS2226でセットした作動記憶数減少時演出コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(
図19)に復帰する。
【0298】
〔特別図柄停止表示中処理〕
次に
図33は、特別図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
【0299】
ステップS4100a:主制御CPU72は、変動停止時(変動が停止したとき、停止図柄表示タイマの減算開始前)であるか否かを確認する処理を実行する。
その結果、変動停止時であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS4100b及びステップS4100cを実行する。一方、変動停止時であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS4100を実行する。
【0300】
ステップS4100b:主制御CPU72は、時短終了判定処理を実行する。本処理では、小当り図柄の種類等によって時間短縮状態を終了させるか否かの判定処理を実行する。
【0301】
ステップS4100c:主制御CPU72は、変動パターン選択カウンタ減算処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は、変動パターン選択カウンタを減算(-1)する処理を実行する。なお、本処理では、特殊変動回数を減算(-1)する処理を実行してもよい。
【0302】
ステップS4100:主制御CPU72は、停止図柄表示タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)する。
【0303】
ステップS4200:そして、主制御CPU72は、今回減算した停止図柄表示タイマの値に基づき、停止表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、停止図柄表示タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ停止表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰し、次の割込周期においても実行選択処理(
図18中のステップS1000)からジャンプして特別図柄停止表示中処理を繰り返し実行する。
【0304】
これに対し、停止図柄表示タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は停止表示時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は次にステップS4250を実行する。
【0305】
ステップS4250:主制御CPU72は、図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドを生成する。図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、ここで図柄変動中フラグを消去する。なお、「停止表示時間終了コマンド」とは、特別図柄の停止表示時間が終了(経過)したことを示すコマンドである。
【0306】
ステップS4300:ここで主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS4350を実行する。
【0307】
〔当選時〕
ステップS4350:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先を「可変入賞装置管理処理」に設定する。なお、主制御CPU72は、本処理にて各種機能を非作動に設定する処理を実行する。具体的には、時間短縮機能を非作動とする。これにより、特別遊技(大役)が開始される前には、通常状態(非時間短縮状態)に移行されることになる。
【0308】
大当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。
【0309】
〔非当選時〕
これに対し、大当り時以外の場合は以下の手順が実行される。
すなわち主制御CPU72は、ステップS4300において大当りフラグの値(01H)がセットされていないと判断した場合(No)、次にステップS4600を実行する。
【0310】
ステップS4600:主制御CPU72は、次に小当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。そして、小当りフラグの値(01H)もセットされておらず、単純にはずれである場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4601を実行する。
【0311】
ステップS4601:主制御CPU72は、時短リミッタ回数リセット判定処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は、時短リミッタ回数をリセットするか否かを判定する処理を実行する。
【0312】
ステップS4602:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして特別図柄変動前処理のアドレスをセットする。
【0313】
ステップS4605:これに対し、小当りフラグの値(01H)がセットされていた場合(ステップS4600:Yes)、主制御CPU72はジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして可変入賞装置管理処理のアドレスをセットする。以上の手順を終えると、特別図柄遊技処理に復帰する。
【0314】
〔時短終了判定処理(第1手順例)〕
図34は、時短終了判定処理の第1手順例を示すフローチャートである。以下、手順に沿って説明する。
【0315】
ステップS4661:主制御CPU72は、時短作動中であるか否か(時間短縮機能作動フラグがオンであるか否か)を確認する処理を実行する。
その結果、時短作動中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS4662を実行する。一方、時短作動中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、特別図柄停止表示中処理(
図33)に復帰する。
【0316】
ステップS4662:主制御CPU72は、小当り当選であるか否かを確認する処理を実行する。
その結果、小当り当選であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS4663を実行する。一方、小当り当選であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS4666を実行する。
【0317】
ステップS4663:主制御CPU72は、当選図柄が小当り図柄1であるか否かを確認する処理を実行する。
その結果、当選図柄が小当り図柄1であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS4668を実行する。一方、当選図柄が小当り図柄1であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS4664を実行する。
【0318】
ステップS4664:主制御CPU72は、小当り表示回数Bを1減算して更新する処理を実行する。
【0319】
ステップS4665:主制御CPU72は、小当り表示回数Bの値が「1」から「0」に変化したか否かを確認する処理を実行する。
その結果、小当り表示回数Bの値が「1」から「0」に変化したことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS4668を実行する。一方、小当り表示回数Bの値が「1」から「0」に変化したことを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS4666を実行する。
【0320】
ステップS4666:主制御CPU72は、時短回数を1減算して更新する処理を実行する。
【0321】
ステップS4667:主制御CPU72は、時短回数の値が「1」から「0」に変化したか否かを確認する処理を実行する。
その結果、時短回数の値が「1」から「0」に変化したことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS4668を実行する。一方、時短回数の値が「1」から「0」に変化したことを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、特別図柄停止表示中処理(
図33)に復帰する。
【0322】
ステップS4668:主制御CPU72は、時間短縮機能の作動を停止する処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグに「0」をセットする処理を実行する。これにより、時間短縮状態が終了する。
【0323】
ステップS4669:主制御CPU72は、リミッタクリア確認フラグON設定処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は、リミッタクリア確認フラグにON(01H)を設定する処理を実行する。
以上の処理を終えると、主制御CPU72は、特別図柄停止表示中処理(
図33)に復帰する。
【0324】
〔時短終了判定処理(第2手順例)〕
図35は、時短終了判定処理の第2手順例を示すフローチャートである。以下、手順に沿って説明する。第1手順例と第2手順例との異なる点は、小当り表示回数Aの値の変化を確認している点である。その他の点は共通である。このため、以下の説明では、第1手順例と同様の部分は、第1手順例と同様のステップ番号を付して重複する説明を省略する。
【0325】
ステップS4663:主制御CPU72は、当選図柄が小当り図柄1であるか否かを確認する処理を実行する。
その結果、当選図柄が小当り図柄1であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS4663aを実行する。一方、当選図柄が小当り図柄1であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS4664を実行する。
【0326】
ステップS4663a:主制御CPU72は、小当り表示回数Aを1減算して更新する処理を実行する。
【0327】
ステップS4663b:主制御CPU72は、小当り表示回数Aの値が「1」から「0」に変化したか否かを確認する処理を実行する。
その結果、小当り表示回数Aの値が「1」から「0」に変化したことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS4668を実行する。一方、小当り表示回数Aの値が「1」から「0」に変化したことを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS4666を実行する。
以降の処理は、実質的に第1手順例と同様の処理であるため、説明を省略する。
【0328】
〔表示出力管理処理〕
次に
図36は、割込管理処理の中で実行される表示出力管理処理(
図13中のステップS210)の構成例を示すフローチャートである。表示出力管理処理は、特別図柄表示設定処理(ステップS1200)、普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、状態表示設定処理(ステップS1220)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)のサブルーチン群を含む構成である。
【0329】
このうち特別図柄表示設定処理(ステップS1200)、普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)については、既に述べたように第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aの各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。
【0330】
状態表示設定処理(ステップS1220)及び連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)については、遊技状態表示装置38の各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。先ず状態表示設定処理では、主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグの値に応じて時短状態表示ランプ38eの点灯を制御する。例えば、パチンコ機1の電源投入時において時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、特に電源投入時であるか否かに関わらず、主制御CPU72は時短状態表示ランプ38eに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。さらに、主制御CPU72は、特別遊技管理ステータスに応じて発射位置指定表示ランプ38fの点灯を制御する。例えば、大当り遊技又は小当りの遊技により第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31が作動状態となる場合、主制御CPU72は発射位置指定表示ランプ38fに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。また、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は上記の時短状態表示ランプ38eに加えて、発射位置指定表示ランプ38fに対応するLEDに対しても点灯信号を出力する。なお、発射位置指定表示ランプ38fは、大当り遊技を経て「時間短縮状態」に移行する場合、大当り遊技開始から「時間短縮状態」が終了するまで点灯し、「時間短縮状態」の終了により非点灯(OFF)となる。
【0331】
また、主制御CPU72は、連続作動回数表示設定処理において大当り種別表示ランプ38a,38bの点灯を制御する。具体的には、主制御CPU72は上記の連続作動回数ステータスの値に基づき、大当り種別表示ランプ38a,38bのいずれかに対する点灯信号を出力する。このとき点灯信号を出力する対象となるのは、連続作動回数ステータスの値で指定された大当り図柄に対応するいずれかの表示ランプ38a,38bである。例えば、連続作動回数ステータスの値が「3ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「3ラウンド(3R)」を表すランプ38aに対して点灯信号を出力する。また、連続作動回数ステータスの値が「10ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「10ラウンド(10R)」を表すランプ38bに対して点灯信号を出力する。
【0332】
〔可変入賞装置管理処理〕
次に、可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。
図37は、可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。可変入賞装置管理処理は、遊技プロセス選択処理(ステップS5100)、大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)、大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)、大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)、終了処理(ステップS5500)のサブルーチン群を含む構成である。
【0333】
ステップS5100:遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5200~ステップS5500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また、戻り先のアドレスとして可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)を選択する。一方、既に大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)を選択し、大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)を選択する。また、設定された連続作動回数(ラウンド数)にわたって大入賞口開閉動作処理及び大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として終了処理(ステップS5500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
【0334】
〔大入賞口開放パターン設定処理〕
図38は、大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時又は小当り時にそれぞれ第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
【0335】
ステップS5202:主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。この確認の結果、大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5203を実行する。一方、大当りフラグの値(01H)がセットされていない場合(No)、すなわち、小当りフラグの値(01H)がセットされている場合、主制御CPU72は次にステップS5204を実行する。
【0336】
ステップS5203:主制御CPU72は、大当り時大入賞口開放パターン設定処理を実行する。この処理では、大当り時図柄別開放パターン設定テーブルに基づいて、大当り時の当選図柄に対応した大入賞口の開放パターンを設定するものである。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5205を実行する。
【0337】
ステップS5204:主制御CPU72は、小当り時大入賞口開放パターン設定処理を実行する。この処理では、小当り時図柄別開放パターン設定テーブルに基づいて、大入賞口の開放パターンを設定するものである。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5205を実行する。
【0338】
ステップS5205:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。
【0339】
〔大当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図39は、大当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
【0340】
ステップS5210:主制御CPU72は、条件装置及び役物連続作動装置を作動させる。ここで、「条件装置」とは、その作動が役物連続作動装置の作動に必要な条件とされる装置であり、「役物連続作動装置」とは、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を連続して作動させることができる装置である。なお、「条件装置」や「役物連続作動装置」は制御上のフラグとすることもできる。したがって、この条件装置が作動していない限り、大当り遊技において第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31は作動しないことを表している。主制御CPU72は次にステップS5212を実行する。なお、「条件装置」を作動させた場合、時間短縮機能作動フラグに「0」をセットし、時間短縮状態を終了させることができる。
【0341】
ステップS5212:主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、大当り図柄の種類に応じて連続作動回数ステータスの値や大当り遊技を実行するために必要となる値(例えば、オープニング時間やエンディング時間等)をセットする。また、主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5213を実行する。
【0342】
ステップS5213:主制御CPU72は、リミッタクリア確認フラグOFF設定処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は、リミッタクリア確認フラグにOFF(00H)を設定する処理を実行する。
【0343】
ステップS5214:主制御CPU72は、大当り時図柄別開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り時図柄別開放パターン設定テーブルを参照し、特別図柄に関する当選図柄の種類に対応した開放パターンを選択する。ここで、開放パターンとは、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を作動させる設定を表し、例えば、実行ラウンド数、開放時間、インターバル時間等の設定を表している。主制御CPU72は次にステップS5216を実行する。
【0344】
〔大当り時図柄別開放パターン設定テーブル〕
図40は、大当り時図柄別開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。この大当り時図柄別開放パターン設定テーブルは、特別図柄に関する異なる当選図柄別に、可変入賞装置(第1可変入賞装置30)の開閉動作パターンを定めたものである。具体的には、当選図柄別に以下の大入賞口の開放パターンが定められている。
【0345】
「第1特別図柄_3R大当り図柄1」、「第1特別図柄_3R大当り図柄2」、「第2特別図柄_3R大当り図柄1」に該当した場合、作動させる可変入賞装置の種類は第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は3ラウンドであり、1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。したがって、これらの当選図柄に該当した場合は、3ラウンド分の出球を獲得することができる。
【0346】
以上のように、主制御CPU72は、上記大当り時図柄別開放パターン設定テーブルを参照して当選図柄の種類に対応する大入賞口の開放パターンを設定する。
【0347】
〔
図39:大当り時大入賞口開放パターン設定処理を参照〕
ステップS5216:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の作動の設定を行う。具体的には、主制御CPU72は当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中のラウンド毎(1ラウンド~最終ラウンド)に作動させる可変入賞装置の種類を第1可変入賞装置30に設定する。主制御CPU72は次にステップS5218を実行する。
【0348】
ステップS5218:主制御CPU72は、実行ラウンド数を設定する。具体的には、主制御CPU72は当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中に実行するラウンド数を設定する。主制御CPU72は次にステップS5220を実行する。
【0349】
ステップS5220:主制御CPU72は、大当り時開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド毎に大入賞口を開放する際の1回あたりの開放時間(開放タイマ)を設定する。例えば、開放タイマの値として29.0秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。主制御CPU72は次にステップS5222を実行する。
【0350】
ステップS5222:主制御CPU72は、大当り時インターバルタイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド間での待機時間(インターバルタイマ)を設定する。例えば、1ラウンド目と2ラウンド目の間の第1大入賞口30bの開放が終了し一旦閉鎖状態になった後、1.0秒間程度のインターバルタイマが設定される。主制御CPU72は次にステップS5224を実行する。
【0351】
ステップS5224:主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の処理(ステップS5218)で設定された実行ラウンド数に基づいて生成することができる。例えば、大当りの実行ラウンド数が「3ラウンド」である場合、連続作動回数コマンドは「3ラウンド」に対応する値が生成される。生成された連続作動回数コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
【0352】
以上の手順を終えると、主制御CPU72は大入賞口開放パターン設定処理(
図38)に復帰する。
【0353】
〔小当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図41は、小当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
【0354】
ステップS5252:主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「小当り開始(小当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、小当り遊技中を表す状態コマンドを生成する。小当り遊技中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5254を実行する。
【0355】
ステップS5254:主制御CPU72は、小当り時開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時開放パターン設定テーブルを参照し、開放パターンを選択する。ここで、開放パターンとは、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を作動させる設定を表し、例えば、開放回数、開放時間、インターバル時間、特定領域31xの開放時間等の設定を表している。主制御CPU72は次にステップS5256を実行する。
【0356】
〔小当り時開放パターン設定テーブル〕
図42は、小当り時開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。この小当り時開放パターン設定テーブルは、特別図柄に関する異なる当選図柄別に、可変入賞装置(第2可変入賞装置31)の開閉動作パターンを定めたものである。具体的には、当選図柄別に以下の大入賞口の開放パターンが定められている。
【0357】
「第2特別図柄_3R小当り図柄1」に該当した場合、作動させる可変入賞装置の種類は第2可変入賞装置31である。また、第2可変入賞装置31の開放回数は10回であり、その1回の開放時間は0.18秒である。なお、各開放の間に設定されるインターバル時間は1.0秒である。
【0358】
「第2特別図柄_3R小当り図柄2」に該当した場合、作動させる可変入賞装置の種類は第2可変入賞装置31である。また、第2可変入賞装置31の開放回数は1回であり、その1回の開放時間は0.1秒である。
【0359】
「第2特別図柄_10R小当り図柄1」に該当した場合、作動させる可変入賞装置の種類は第2可変入賞装置31である。また、第2可変入賞装置31の開放回数は10回であり、その1回の開放時間は0.18秒である。なお、各開放の間に設定されるインターバル時間は1.0秒である。
【0360】
いずれの小当り図柄に該当した場合であっても、特定領域31xの開放開始時間(特定領域ソレノイド99をONにして特定領域用スライド部材31cを作動させるタイミング)は、第2可変入賞装置31の開放開始から5.0秒後である。
また、特定領域31xの開放終了時間(特定領域ソレノイド99をOFFにして特定領域用スライド部材31cを非作動とするタイミング)は、第2可変入賞装置31の開放開始から10.0秒後である。
【0361】
そして、このような設定内容とすることにより、「第2特別図柄_3R小当り図柄1」又は「第2特別図柄_10R小当り図柄1」に該当した場合には、特定領域31xの通過を容易なものとし、「第2特別図柄_3R小当り図柄2」に該当した場合には、特定領域31xの通過を困難なものとすることができる。すなわち、「第2特別図柄_3R小当り図柄2」は、基本的には、時間短縮状態を終了させるための小当り(転落用小当り)となる。
【0362】
特定領域の開放は、大入賞口の開放と同時に実行し、「0.04秒開放→5.0秒閉鎖→10秒開放」というような制御とするようにしてもよい。また、一旦閉鎖後の開放は、時間をもたずに(開放時間を設定せずに)大入賞口の開放終了タイミングと合わせるようにしてもよい。
すなわち、大入賞口内に条件装置を作動させる特定領域を設けている場合は、大入賞口の開放中に特定領域の開放が必要となるため(最低0.04秒)、時間短縮状態を終了させるための小当り(転落用小当り)において、特定領域の開放を大入賞口の開放と同時に実行するようにしてもよい。
【0363】
〔
図41:小当り時大入賞口開放パターン設定処理を参照〕
ステップS5256:主制御CPU72は、第2可変入賞装置31の作動の設定を行う。具体的には、主制御CPU72は小当りに対応した開放パターンに基づいて、小当り遊技中に作動させる可変入賞装置の種類を第2可変入賞装置31に設定する。主制御CPU72は次にステップS5258を実行する。
【0364】
ステップS5258:主制御CPU72は、開放回数を設定する。具体的には、主制御CPU72は小当りに対応した開放パターンに基づいて、小当り遊技中に実行する開放回数を設定する。なお、本実施形態においては、開放回数は、小当り図柄に応じて1回又は10回が設定される。主制御CPU72は次にステップS5260を実行する。
【0365】
ステップS5260:主制御CPU72は、小当り時開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は小当り時に対応した開放パターンに基づいて、大入賞口を開放する際の1回あたりの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、開放時間は、小当り図柄に応じて0.18秒又は0.1秒が設定される。主制御CPU72は次にステップS5262を実行する。
【0366】
ステップS5262:主制御CPU72は、小当り時インターバルタイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は小当り時に対応した開放パターンに基づいて、大入賞口の開放間での待機時間(インターバルタイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、インターバルタイマは所定時間(例えば1.0秒)に設定される。主制御CPU72は次にステップS5264を実行する。
【0367】
ステップS5264:主制御CPU72は、特定領域31x(特定領域用スライド部材31c)の開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は小当り時に対応した開放パターンに基づいて、小当り遊技中に特定領域31xの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、第2可変入賞装置31の開放開始から5.0秒後に特定領域31xが開放され、第2可変入賞装置31の開放開始から10.0秒後に特定領域31xが閉鎖される。
【0368】
以上の手順を終えると、主制御CPU72は大入賞口開放パターン設定処理(
図38)に復帰する。
【0369】
〔大入賞口開閉動作処理〕
図43は、大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は主に、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
【0370】
ステップS5302:主制御CPU72は、現在の内部状態が「大役中」であるか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファにアクセスし、制御上の内部状態フラグとして「大役中(大当り遊技中)」のフラグがセットされているか否かで、現在の内部状態が「大役中」であるか否かを確認する。なお、「大役中(大当り遊技中)」のフラグは、先の処理(大当り時大入賞口開放パターン設定処理中:ステップS5212)や後述する特定領域通過時処理中において主制御CPU72によりセットされる。この確認の結果、現在の内部状態が「大役中」である場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5306を実行する。一方、現在の内部状態が「大役中」ではない場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5304を実行する。
【0371】
ステップS5304:主制御CPU72は、第2大入賞口開閉動作処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は設定された開放パターンに基づいて、第2大入賞口31bを開閉するために第2可変入賞装置31を作動させる(第2大入賞口ソレノイド97に対して印加する駆動信号を出力する)処理を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
【0372】
ステップS5306:主制御CPU72は、第1大入賞口開閉動作処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は設定された開放パターンに基づいて、第1大入賞口30bを開閉するために第1可変入賞装置30を作動させる(第1大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する)処理を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
【0373】
以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理(
図37)に復帰する。
【0374】
〔第2大入賞口開閉動作処理〕
図44は、第2大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
【0375】
ステップS5310:主制御CPU72は、主制御CPU72は、第2大入賞口31bを開放する。具体的には、第2大入賞口ソレノイド97に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、第2可変入賞装置31が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。主制御CPU72は次にステップS5312を実行する。
【0376】
ステップS5312:主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(小当り時大入賞口開放パターン設定処理(
図41中)のステップS5260やステップS5264)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。なお、この処理では、第2大入賞口31bの開放に関する開放タイマの他に、特定領域31xの開放に関する開放タイマ(開放開始時間、開放終了時間)についてのカウントダウンが行われる。主制御CPU72は次にステップS5314を実行する。
【0377】
ステップS5314:主制御CPU72は、特定領域開閉動作処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は設定された開放パターンに基づいて、特定領域31xを開閉するために特定領域用スライド部材31cを作動させる(特定領域ソレノイド99に対して印加する駆動信号を出力する)処理を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5316を実行する。
【0378】
ステップS5316:主制御CPU72は、第2大入賞口31bの開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理中の第2大入賞口31bについての開放タイマの値が0以下であるか否かを確認する。この確認の結果、第2大入賞口31bの開放時間が終了した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322を実行する。一方、第2大入賞口31bの開放時間が終了していない場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5318を実行する。
【0379】
ステップS5318:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に第2可変入賞装置31(開放中の大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第2カウントスイッチ85から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。主制御CPU72は次にステップS5320を実行する。
【0380】
ステップS5320:主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように小当り時の開放1回あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(No)、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5310~ステップS5320の手順を繰り返し実行する。
【0381】
上記のステップS5316で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5320でカウント数が所定数に達したことを確認すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322を実行する。なお、小当り時の開放は、開放タイマの値が短時間(例えば、1.8秒)に設定されているので、通常、主制御CPU72はステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS5316で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
【0382】
ステップS5322:主制御CPU72は、第2大入賞口31bを閉鎖する。具体的には、第2大入賞口ソレノイド97に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより第2可変入賞装置31が開放状態から閉鎖状態に復帰する。主制御CPU72は次にステップS5324を実行する。
【0383】
ステップS5324:主制御CPU72は、特定領域通過フラグがONであるか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファ領域にアクセスし、特定領域通過フラグの値が01Hであるか否かにより、特定領域通過フラグがONであるか否かを確認する。この確認の結果、特定領域通過フラグがONである場合(Yes)、すなわち、小当り遊技中の第2大入賞口31bが開放している間に遊技球が特定領域31xを通過した場合、主制御CPU72は次にステップS5326を実行する。一方、特定領域通過フラグがONではない場合(No)、すなわち、小当り遊技中の第2大入賞口31bが開放している間に遊技球が特定領域31xを通過しなかった場合、主制御CPU72は次にステップS5327aを実行する。なお、特定領域通過フラグは、先の特定領域開閉動作処理(ステップS5314)の中でONに設定される可能性がある。
【0384】
ステップS5326:主制御CPU72は、特定領域通過時処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り遊技中の第2大入賞口31bが開放している間に遊技球が特定領域31xを通過したことに基づき、条件装置や役物連続作動装置を作動させ、第1可変入賞装置30を連続作動させる処理、すなわち、大当り遊技を開始する処理を実行する(特殊遊技経由特別遊技実行手段)。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5327aを実行する。
【0385】
ステップS5327a:主制御CPU72は、インターバル待機処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(小当り時大入賞口開放パターン設定処理(
図41中)のステップS5265)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次に主制御CPU72はステップS5327bに進む。なお、ここでは特に図示していないが、インターバル時間が経過するまでの間(インターバルタイマ値が0になるまでの間)、割り込み毎に主制御CPU72はステップS5327aから呼び出し元である可変入賞装置管理処理(
図37)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS5310からではなく直にステップS5327aを実行する。
【0386】
ステップS5327b:主制御CPU72は、第2大入賞口開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、第2大入賞口開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
【0387】
ステップS5327c:主制御CPU72は、インクリメント後の第2大入賞口開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「1回の小当り中に第2可変入賞装置31を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。なお、特にこのような開放パターンを採用していない場合には、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定されているため、1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5328に進むことになる。
【0388】
一方、「1回の小当り中に第2可変入賞装置31を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンを採用している場合、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。この場合、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、上記のステップS5310~ステップS5327bまでの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5327bで開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(ステップS5327c;Yes)、主制御CPU72は次にステップS5328を実行する。
【0389】
ステップS5328:主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定し、大入賞口開閉動作処理(
図43)に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大入賞口閉鎖処理を実行する。
【0390】
〔特定領域開閉動作処理〕
図45は、特定領域開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
【0391】
ステップS5330:主制御CPU72は、特定領域31xの開放時間が開始されたか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はカウントダウン処理(ステップS5312)においてカウントダウンされていた特定領域31xの開放に関する開放開始時間についての開放タイマの値が0であるか否かを確認することで、特定領域31xの開放時間が開始されたか否かを確認する。この確認の結果、特定領域31xの開放時間が開始された場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5332を実行する。一方、特定領域31xの開放時間が開始されていない場合(No)、又は、すでに開放されている場合、主制御CPU72は次にステップS5334を実行する。
【0392】
ステップS5332:主制御CPU72は、特定領域31xを開放する。具体的には、特定領域ソレノイド99に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、特定領域用スライド部材31cが作動して特定領域31xが閉鎖状態から開放状態に移行する。主制御CPU72は次にステップS5334を実行する。
【0393】
ステップS5334:主制御CPU72は、遊技球が特定領域31xを通過したか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はRAM76の記憶領域にアクセスし、特定領域予備フラグがONになっているか否かを確認する。この確認の結果、特定領域予備フラグがONになっていて、遊技球が特定領域31xを通過したことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5336を実行する。一方、特定領域予備フラグがOFFになっていて、遊技球が特定領域31xを通過していないことを確認した場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5338を実行する。
【0394】
ステップS5336:主制御CPU72は、特定領域通過フラグをONにセットする。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファ領域にアクセスし、特定領域通過フラグの値を01Hに設定する。主制御CPU72は次にステップS5338を実行する。なお、特定領域通過フラグや特定領域予備フラグは大当り遊技の終了時にリセットされる。
【0395】
ステップS5338:主制御CPU72は、特定領域31xの開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はカウントダウン処理(ステップS5312)においてカウントダウンされていた特定領域31xの開放に関する開放タイマの値が0であるか否かを確認することで、特定領域31xの開放時間が終了したか否かを確認する。この確認の結果、特定領域31xの開放時間が終了した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5340を実行する。一方、特定領域31xの開放時間が終了していない場合(No)、主制御CPU72は第2大入賞口開閉動作処理(
図44)に復帰する。
【0396】
ステップS5340:主制御CPU72は、特定領域31xを閉鎖する。具体的には、特定領域ソレノイド99に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、特定領域用スライド部材31cが開放状態(作動状態)から閉鎖状態(非作動状態)に復帰する。
【0397】
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第2大入賞口開閉動作処理(
図44)に復帰する。
【0398】
〔特定領域通過時処理〕
図46は、特定領域通過時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。なお、本処理は、1回の小当り遊技中における初回の特定領域通過時にのみ実行することができる。
【0399】
ステップS5350:主制御CPU72は、小当りフラグをリセットする。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファ領域にアクセスし、小当りフラグの値を00Hにリセットする。主制御CPU72は次にステップS5352を実行する。
【0400】
ステップS5352:主制御CPU72は、小当り遊技を終了させる。具体的には、主制御CPU72は内部状態フラグから「小当り遊技中」を消去し、制御処理上で小当り遊技を終了する(小当り終了)。主制御CPU72は次にステップS5354を実行する。
【0401】
ステップS5354:主制御CPU72は、条件装置及び役物連続作動装置を作動させる。これにより、第1可変入賞装置30を連続して作動させることができ、大当り遊技を開始できることとなる。主制御CPU72は次にステップS5356を実行する。
【0402】
ステップS5356:主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、当選図柄の種類に応じて連続作動回数ステータスの値や大当り遊技を実行するために必要となる値(例えば、オープニング時間やエンディング時間等)をセットする。また、主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5357を実行する。
【0403】
ステップS5357:主制御CPU72は、リミッタクリア確認フラグOFF設定処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は、リミッタクリア確認フラグにOFF(00H)を設定する処理を実行する。
【0404】
ステップS5358:主制御CPU72は、特定領域通過時図柄別開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルを参照し、小当りに該当した際の当選図柄の種類に対応した開放パターンを選択する。主制御CPU72は次にステップS5360を実行する。
【0405】
ステップS5360:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の作動の設定を行う。具体的には、主制御CPU72は小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中のラウンド毎(2ラウンド~最終ラウンド)に作動させる可変入賞装置の種類を第1可変入賞装置30に設定する。主制御CPU72は次にステップS5362を実行する。
【0406】
ステップS5362:主制御CPU72は、実行ラウンド数を設定する。具体的には、主制御CPU72は小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中に実行するラウンド数を設定する。主制御CPU72は次にステップS5364を実行する。
【0407】
ステップS5364:主制御CPU72は、大当り時開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド毎に大入賞口を開放する際の1回あたりの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄に対応する開放パターンの開放時間に基づいて、ラウンド毎に設定される。例えば、開放タイマの値として29.0秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。一方、開放タイマの値として0.5秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が困難な時間となる。主制御CPU72は次にステップS5366を実行する。
【0408】
ステップS5366:主制御CPU72は、大当り時インターバルタイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド間での待機時間(インターバルタイマ)を設定する。主制御CPU72は次にステップS5368を実行する。
【0409】
ステップS5368:主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の処理(ステップS5362)で設定された実行ラウンド数に基づいて生成することができる。したがって、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄に対応する開放パターンの実行ラウンド数に基づいて、連続作動回数コマンドが生成される。生成された連続作動回数コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5370を実行する。
【0410】
ステップS5370:主制御CPU72は、特定領域通過時図柄別時間短縮機能設定処理を実行する。この処理では、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄が大当り遊技終了後に時間短縮状態に移行させる当選図柄である場合、主制御CPU72は時間短縮機能予備フラグをオンにセットする。
【0411】
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第2大入賞口開閉動作処理(
図44)に復帰する。
【0412】
〔特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブル〕
図47は、特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。この特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルは、小当りに該当した際の特別図柄に関する異なる当選図柄別に、ラウンドごとの第1可変入賞装置30の開閉動作パターンを定めたものである。具体的には、当選図柄別に以下の大入賞口の開放パターンが定められている。
【0413】
「第2特別図柄_3R小当り図柄1」に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合、作動させる可変入賞装置の種類は第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は3ラウンドである。なお、この実行ラウンド数には、小当りで開放された第2可変入賞装置31の作動が含まれているため、これから開始される大当り遊技では3ラウンドから1ラウンド分が減算された2ラウンドが実質的な大当り遊技でのラウンド数となる(以下、同様)。また、1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
【0414】
「第2特別図柄_3R小当り図柄2」に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合、作動させる可変入賞装置の種類は第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は3ラウンドである。また、1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
【0415】
「第2特別図柄_10R小当り図柄1」に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合、作動させる可変入賞装置の種類は第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンドである。また、1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
【0416】
以上のように、主制御CPU72は、上記特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルを参照して小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄の種類に対応する大入賞口の開放パターンを設定することとなる。
【0417】
〔第1大入賞口開閉動作処理〕
図48は、第1大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
【0418】
ステップS5380:主制御CPU72は、主制御CPU72は、第1大入賞口30bを開放する。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、第1可変入賞装置30が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。主制御CPU72は次にステップS5382を実行する。
【0419】
ステップS5382:主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(大当り時大入賞口開放パターン設定処理(
図39中)のステップS5220、又は、特定領域通過時処理(
図46中)のステップS5364)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。主制御CPU72は次にステップS5386を実行する。
【0420】
ステップS5386:主制御CPU72は、第1大入賞口30bの開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の第1大入賞口30bについての開放タイマの値が0以下であるか否かを確認する。この確認の結果、第1大入賞口30bの開放時間が終了した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5392を実行する。一方、第1大入賞口30bの開放時間が終了していない場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5388を実行する。
【0421】
ステップS5388:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に第1可変入賞装置30(開放中の大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第1カウントスイッチ84から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。主制御CPU72は次にステップS5390を実行する。
【0422】
ステップS5390:主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように開放1回(大当り中の1ラウンド)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5380~ステップS5390の手順を繰り返し実行する。
【0423】
上記のステップS5386で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5390でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS5392を実行する。なお、大当り時の開放で出玉無ラウンドの際には、開放タイマの値が短時間(例えば、0.5秒)に設定されているので、通常、主制御CPU72はステップS5390でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS5386で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
【0424】
ステップS5392:主制御CPU72は、第1大入賞口30bを閉鎖する。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより第1可変入賞装置30が開放状態から閉鎖状態に復帰する。主制御CPU72は次にステップS5394を実行する。
【0425】
ステップS5394:主制御CPU72は、インターバル待機処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(大当り時大入賞口開放パターン設定処理(
図39中)のステップS5222、又は、特定領域通過時処理(
図46中)のステップS5366)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次に主制御CPU72はステップS5395に進む。なお、ここでは特に図示していないが、インターバル時間が経過するまでの間(インターバルタイマ値が0になるまでの間)、割り込み毎に主制御CPU72はステップS5394から呼び出し元である可変入賞装置管理処理(
図37)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS5380からではなく直にステップS5394を実行する。
【0426】
ステップS5395:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
【0427】
ステップS5396:主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「大当り中の1ラウンド内で第1可変入賞装置30を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。なお、本実施形態では、特にこのような開放パターンを採用していないので、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定されている。したがって、通常は1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5398に進むことになる。
【0428】
なお、上記のように1ラウンド内で複数回の開閉動作を繰り返すパターンを採用した場合、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。この場合、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、上記のステップS5380~ステップS5390までの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5395で開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5398に進むことになる。
【0429】
ステップS5398:主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定し、大入賞口開閉動作処理(
図43)に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大入賞口閉鎖処理を実行する。
【0430】
〔大入賞口閉鎖処理〕
図49は、大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この大入賞口閉鎖処理は、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
【0431】
ステップS5401:先ず主制御CPU72は、現在の遊技が大役(大当り遊技)中であるか否かを確認し、大役中であれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5402を実行する。
【0432】
ステップS5402:主制御CPU72は、上記のラウンド数カウンタをインクリメントする。これにより、例えば1ラウンド目が終了し、2ラウンド目に向かう段階でラウンド数カウンタの値は「1」となっている。なお、小当り遊技中に特定領域31xを遊技球が通過し、小当りの終了後に大当り遊技が開始された場合、小当り時の第2大入賞口31bの開放を1ラウンド目として扱い、大当り遊技が開始される1回目のラウンドは2ラウンド目として扱われる。
【0433】
ステップS5404:主制御CPU72は、インクリメント後のラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達しているか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はインクリメント後のラウンド数カウンタの値(1~15)を参照し、その値が設定した実行ラウンド数(1減算後の14、又は、15)未満であれば(No)、次にステップS5405を実行する。
【0434】
ステップS5405:主制御CPU72は、現在のラウンド数カウンタの値からラウンド数コマンドを生成する。このコマンドは、上記のように演出制御出力処理において演出制御装置124に送信されるものである。演出制御装置124は、受信したラウンド数コマンドに基づいて現在のラウンド数を確認することができる。
【0435】
ステップS5406:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
【0436】
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
【0437】
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(
図37中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5402~ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達するまでの間、第1可変入賞装置30の開閉動作が連続して実行される。
【0438】
実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達した場合(ステップS5404:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5410を実行する。
【0439】
ステップS5410,ステップS5412:この場合、主制御CPU72はラウンド数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
【0440】
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
【0441】
〔小当り時〕
これに対し、小当りの場合は以下の手順となる(特例作動実行手段)。
ステップS5411:主制御CPU72は現在の遊技が大役中でないことを確認すると(ステップS5401:No)、開放回数カウンタの値をインクリメントする。
【0442】
ステップS5413:次に主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達したか否かを確認する。開放回数は、先の小当り時大入賞口開放パターン設定処理(
図41中のステップS5258)で設定したものである。未だ開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達していなければ(No)、主制御CPU72はステップS5416を実行する。
【0443】
ステップS5416:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
【0444】
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(
図37中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5401~ステップS5413(No)を経てステップS5416、ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際の開放回数が設定した開放回数に達するまでの間、第2可変入賞装置31の開閉動作が繰り返し実行される。
【0445】
小当り時の実際の開放回数が設定した開放回数に達した場合(ステップS5413:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5414を実行する。
【0446】
ステップS5414,ステップS5412:この場合、主制御CPU72は開放回数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
【0447】
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
【0448】
〔終了処理〕
図50は、終了処理の手順例を示すフローチャートである。この終了処理は、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
【0449】
ステップS5502:主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認し、大当りフラグの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5503を実行する。
【0450】
ステップS5503,ステップS5504:この場合、主制御CPU72は大当りフラグをリセット(00H)する。これにより、主制御CPU72の制御処理上で大当り遊技状態は終了する。また、主制御CPU72は、ここで内部状態フラグから「大当り中」を消去し、制御処理上で大当り遊技を終了する(大役終了)。なお、主制御CPU72は連続作動回数ステータスの値をリセットする。
【0451】
ステップS5510:次に主制御CPU72は、時間短縮機能予備フラグの値が01Hであるか否かを確認する。このフラグは、先の特別図柄変動前処理中の大当り時予備領域定処理(
図19中のステップS2414)や、先の特定領域通過時処理中の特定領域通過時図柄別時間短縮機能設定処理(
図46中のステップS5370)でセットされるものである。
【0452】
ステップS5511:そして、時間短縮機能予備フラグの値が01Hである場合(ステップS5510:Yes)、RAM76のフラグ領域にある遊技状態フラグとしての時間短縮機能作動フラグを01H(オン)に設定する。なお、時間短縮機能予備フラグの値が01Hでない場合(ステップS5510:No)、主制御CPU72はステップS5511及びステップS5512を実行しない。
【0453】
ステップS5512:また、主制御CPU72は、予備領域ロード処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は、変動開始時において予備領域に設定されている各種値(時短回数、特殊変動回数、変動パターン選択状態フラグ、変動パターン選択カウンタ、小当り表示回数)をロードする処理を実行する。例えば、時短回数、特殊変動回数、変動パターン選択状態フラグ、変動パターン選択カウンタ、小当り表示回数の値は、RAM76の所定の領域に格納される。なお、ここで設定した時短回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動時間を短縮化する上限回数となる。また、ここで設定した特殊変動回数や変動パターン選択カウンタは、特殊変動を実行する際の上限回数となる。さらに、ここで設定した小当り表示回数は、小当り表示回数の上限回数となる。
【0454】
ここまでの手順は大当りの場合であるが、小当りの場合(ステップS5502:No)は以下の手順が実行される。
【0455】
ステップS5520,ステップS5522:小当りの場合、主制御CPU72は小当りフラグの値をリセット(00H)し、また、内部状態フラグから「小当り遊技中」を消去する。なお、小当りの場合、特に内部的な条件装置は作動しないため、このような手順は単にフラグの消去を目的としたものである。
【0456】
ステップS5513:主制御CPU72は、時短リミッタ管理処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は、時短リミッタ回数を管理する処理を実行する。
【0457】
ステップS5513a:主制御CPU72は、時短リミッタ回数リセット判定処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は、時短リミッタ回数をリセットするか否かを判定する処理を実行する。
【0458】
ステップS5514:そして、主制御CPU72は、フラグに基づいて状態指定コマンドを生成する。具体的には、大当りフラグのリセット又は大役終了に伴い、遊技状態として「通常中」を表す状態指定コマンドを生成する。また、時間短縮機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「時間短縮中」を表す状態指定コマンドを生成する。これら状態指定コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
【0459】
ステップS5516:以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
【0460】
ステップS5518:そして、主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(
図18中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。
【0461】
〔時短リミッタ管理処理〕
図51は、時短リミッタ管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
【0462】
ステップS5600:主制御CPU72は、今回の当選が非時間短縮状態での当選であるか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72は、当選時の内部状態をRAM76に記憶しておくことにより、当選時の内部状態を確認することができる。
【0463】
その結果、今回の当選が非時間短縮状態での当選であることを確認した場合、主制御CPU72は、ステップS5602を実行する。一方、今回の当選が非時間短縮状態での当選であることを確認できない場合、主制御CPU72は、ステップS5604を実行する。
【0464】
ステップS5602:主制御CPU72は、時短リミッタ回数をセットする処理を実行する。ここで、時短リミッタ回数は、特別遊技(大当り遊技)を連続して実行することが可能な連続回数を示している。なお、本実施形態では、10000回の大当り遊技をワンセットとする遊技仕様を採用している。時短リミッタ回数の値の初期値(初当りの大当り遊技終了後に設定される値)は「9999」である。時短リミッタ回数の値は、「9999」→「9998」→「9997」・・・となり、「1」でリミッタ到達となる。
【0465】
ステップS5604:主制御CPU72は、時短リミッタ回数を減算(-1)する処理を実行する。
【0466】
ステップS5606:主制御CPU72は、「時短リミッタ回数」の値と、規定値(上限値;例えば「1」)とが一致しているか否かを確認する。
【0467】
その結果、「時短リミッタ回数」の値と、規定値とが一致していることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS5608を実行する。一方、「時短リミッタ回数」の値と、規定値とが一致していることを確認できない場合、主制御CPU72は、終了処理(
図50)に復帰する。
【0468】
ステップS5608:主制御CPU72は、非時間短縮状態への移行処理を実行する。
本処理において、主制御CPU72は、時間短縮状態への移行に係わる制限を行う規定値到達時処理を実行する(規定値到達時処理実行手段)。
具体的には、主制御CPU72は、時短回数が設定されていたとしてもその時短回数を0に設定することにより、時間短縮状態(有利遊技状態)に移行しない当選図柄に該当したものとする規定値到達時処理(つまり、当選図柄は変更せずに時間短縮状態に移行させない処理)を実行する(規定値到達時処理実行手段)。なお、規定値到達時処理は、時間短縮状態に移行する当選図柄に該当した場合であっても時間短縮状態に移行しない当選図柄に該当したものとする処理(つまり、当選図柄を変更する処理)であってもよい。さらに、規定値到達時処理は、規定値到達時には時間短縮状態に移行する当選図柄を選択不能とする処理、つまり、時間短縮状態に移行しない当選図柄だけを選択可能とする処理(大当りの内訳(当選図柄選択テーブルの内訳)を全部時間短縮状態に移行しない当選図柄とする処理)であってもよい。これにより、リミッタ到達時には非時間短縮状態に強制的に移行される。
【0469】
ステップS5609:主制御CPU72は、時短リミッタ回数をリセット(時短リミッタ回数に0を設定)する。
【0470】
そして、以上の処理を終えると、主制御CPU72は、終了処理(
図50)に復帰する。
【0471】
図52は、リミッタクリア確認フラグON設定処理の手順例を示すフローチャートである。
ステップS5610:主制御CPU72は、リミッタクリア確認フラグにON(01H)を設定する処理を実行する。
以上の処理を終えると、主制御CPU72は、呼び出し元に復帰して処理を継続する。
【0472】
図53は、リミッタクリア確認フラグOFF設定処理の手順例を示すフローチャートである。
ステップS5620:主制御CPU72は、リミッタクリア確認フラグにOFF(00H)を設定する処理を実行する。
以上の処理を終えると、主制御CPU72は、呼び出し元に復帰して処理を継続する。
【0473】
図54は、時短リミッタ回数リセット判定処理の手順例を示すフローチャートである。
ステップS5630:主制御CPU72は、リミッタクリア確認フラグがON(01H)であるか否かを確認する処理を実行する。
その結果、リミッタクリア確認フラグがONであることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS5631及びステップS5632を実行する。
一方、リミッタクリア確認フラグがONであることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、呼び出し元に復帰して処理を継続する。
【0474】
ステップS5631:主制御CPU72は、時短リミッタ回数をリセットする処理を実行する。
ステップS5632:主制御CPU72は、リミッタクリア確認フラグにOFF(00H)を設定する処理を実行する。
以上の処理を終えると、主制御CPU72は、呼び出し元に復帰して処理を継続する。
【0475】
〔時短リミッタ回数のリセットに関する説明〕
時短リミッタ回数は、「時短リミッタ管理処理(
図51)」以外においてもクリアする場合がある。時短回数が0回になり時短(時間短縮状態)が終了する場合又は小当り当選しV通過しなかった場合(遊技球が特定領域を通過しなかった場合)、通常遊技に戻るため(非時短短縮状態に移行するため)、時短リミッタ回数をリセットする。このような特定のタイミングで時短リミッタ回数をリセットできるようにするため、リミッタクリア確認フラグ(RWM)を用いて、時短リミッタ回数をリセットするか否かの判定を行う。そして、「時短リミッタ回数リセット判定処理(
図54)」を特定の処理で実行することで時短リミッタ回数をリセットする。
【0476】
「時短リミッタ回数リセット判定処理(
図54)」を実行するタイミングは以下の通りである。
(1)はずれ時の特別図柄の確定時間(停止表示時間)経過時(
図33のステップS4601)
(2)大当り又は小当りエンディング時間経過時(
図50のステップS5513の時短リミッタ管理処理の後のステップS5513a)
【0477】
また、「リミッタクリア確認フラグON設定処理(
図52)」を実行するタイミングは以下の通りである。
(1)時短終了判定処理(
図34)内のステップS4668の時間短縮機能の作動の停止時(停止後)(ステップS4669)
(2)時短終了判定処理(
図35)内のステップS4668の時間短縮機能の作動の停止時(停止後)(ステップS4669)
【0478】
さらに、「リミッタクリア確認フラグOFF設定処理(
図53)」を実行するタイミングは以下の通りである。
(1)大当り開始時(大当りオープニング時間設定時;
図39のステップS5213)
(2)小当り時特定領域通過時(初回特定領域通過時のみ;
図46のステップS5357)
【0479】
例えば、はずれ時、かつ、時短回数が0になり時短が終了する場合、時間短縮機能の作動の停止時にリミッタクリア確認フラグをONにするため、特別図柄の確定時間経過時に「時短リミッタ回数リセット判定処理(
図54)」を実行することで時短リミッタ回数がリセットされる。また、小当り当選した場合、小当り表示回数A又はBを減算した結果、時間短縮機能の作動の停止が実行された時にリミッタクリア確認フラグをONにしておく。その後、小当り処理にて遊技球が特定領域を通過した場合には、リミッタクリア確認フラグをOFFに設定し、遊技球が特定領域を通過しなかった場合には、リミッタクリア確認フラグはONのままとなり、大当り及び小当りエンディング時間経過時に「時短リミッタ回数リセット判定処理(
図54)」を実行することで、時短リミッタ回数をリセットする場合とリセットしない場合との両方の場合を効率良く管理することができる。
【0480】
このように、本実施形態では、はずれ、小当り、大当り処理が実行され状況に応じて任意のタイミングで時短リミッタ回数をリセットするようにするために、リミッタクリア確認フラグのONやOFFの設定を行っている。
【0481】
〔普電異常入賞エラー判定処理〕
図55は、普電異常入賞エラー判定処理の手順例を示すフローチャートである。本処理は、割込管理処理(
図13)のエラー管理処理(ステップS207a)において呼び出される処理である。以下、手順に沿って説明する。
【0482】
ステップS5700:主制御CPU72は、電源投入後1回目の処理であるか否かを確認する処理を実行する。電源投入後1回目の処理であるか否かは、電源投入時フラグにより確認することができる。電源投入時フラグは、電源投入時はオフとなり、本処理を1回実行するとオンとなる。
【0483】
その結果、電源投入後1回目の処理であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS5701及びステップS5702を実行する。一方、電源投入後1回目の処理であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、割込管理処理(
図13)に復帰する。
【0484】
ステップS5701:主制御CPU72は、nに閾値を設定する処理を実行する。閾値は、遊技機の仕様に応じて変更可能である。本実施形態では、n=3としているが、n=1~10等の値とすることができる。
【0485】
ステップS5702:主制御CPU72は、判定カウンタに0を設定する処理を実行する。
【0486】
ステップS5703:主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する処理を実行する。
その結果、入賞検出信号が入力されたことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS5704を実行する。一方、入賞検出信号が入力されたことを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、割込管理処理(
図13)に復帰する。
【0487】
ステップS5704:主制御CPU72は、時短中であるか否かを確認する処理を実行する。
その結果、時短中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS5705を実行する。一方、時短中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、割込管理処理(
図13)に復帰する。
【0488】
ステップS5705:主制御CPU72は、時短中に作動した普通電動役物の作動中あるか否かを確認する処理を実行する。例えば、普通電動役物の作動時に時短中であれば時短中作動フラグをオンに設定し、そのフラグがオンである場合には、遊技球の入球が時短中でなくても、時短中に作動した普通電動役物の作動中あると判断することができる。
その結果、時短中に作動した普通電動役物の作動中あることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS5706を実行する。一方、時短中に作動した普通電動役物の作動中あることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、割込管理処理(
図13)に復帰する。
【0489】
ステップS5706:主制御CPU72は、時短終了からm秒経過するまでの間であるか否かを確認する処理を実行する。本実施形態では、m=4.0(秒)としているが、m=4.0秒以上の任意の値とすることができる。
その結果、時短終了からm秒経過するまでの間であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS5707を実行する。一方、時短終了からm秒経過するまでの間であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、割込管理処理(
図13)に復帰する。
【0490】
ステップS5707:主制御CPU72は、判定カウンタをインクリメント(+1)する処理を実行する。
【0491】
ステップS5708:主制御CPU72は、判定カウンタがn以上であるか否かを確認する処理を実行する。
その結果、判定カウンタがn以上であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS5709を実行する。一方、判定カウンタがn以上であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、割込管理処理(
図13)に復帰する。
【0492】
ステップS5709:主制御CPU72は、普電異常入賞エラーフラグをオンにする処理を実行する。なお、普電異常入賞エラーフラグ及び判定カウンタは、所定の条件が満たされた場合(例えば一定時間経過後又は電断が発生した場合)に初期化(オフ、ゼロクリア)される。
【0493】
ステップS5710:主制御CPU72は、普電異常入賞エラー発生指定コマンドを生成する処理を実行する。生成された普電異常入賞エラー発生指定コマンドは、演出制御装置124に送信される。
以上の処理を終えると、主制御CPU72は、割込管理処理(
図13)に復帰する。
【0494】
図56は、普通電動役物の作動パターンを示す図である。
〔
図56中(A):時間短縮状態〕
時刻t0において、時間短縮状態はONであり、時刻t2に時間短縮状態がOFFになったものとする。
【0495】
〔
図56中(B):普通電動役物〕
時刻t2よりも前の時刻t1において、普通電動役物が作動し、時刻t2よりも後の時刻t3において、普通電動役物が非作動になったものとする。この作動は、時間短縮状態中(又は時間短縮状態がOFFになる直前)の作動であり、作動後に時間短縮状態が終了している。普通電動役物の作動時間T1には、開放時間(ソレノイドがオンの時間)と閉鎖時間(ソレノイドがオフの時間)とが含まれている。作動時間T1は、例えば、2.5秒である。
【0496】
〔
図56中(C):有効時間〕
普通電動役物の作動時間が終了すると、時刻t3から時刻t4の間に、有効時間T2が設定される。有効時間とは、普通電動役物の作動時間が終了しても、普通電動役物への遊技球の入賞を有効とする時間である。有効時間T2は、例えば、0.5秒である。
【0497】
〔
図56中(D):所定時間〕
時間短縮状態の終了時である時刻t2から、有効時間T2の終了時よりも後の時刻t5までの間の時間は、所定時間T3となる。所定時間T3は、例えば、4.0秒である。各時間の関係は、(T1+T2)>T3である。
【0498】
〔ゲームフロー(その1)〕
図57は、第1遊技仕様のゲームフローについて説明する図である。
第1遊技仕様の場合、〔F1〕通常モード(公園モード)から遊技が開始する。「通常モード」は、「非時間短縮状態」である。
【0499】
〔F1〕通常モードで大当りに当選すると、〔F2〕大当り遊技(ビッグボーナス)が実行され、〔F3〕チャレンジモード(第1特別図柄_3R大当り図柄1の場合)又は〔F4〕ドライブモード(第1特別図柄_3R大当り図柄2の場合)に移行する。〔F3〕チャレンジモードは時短回数が10回のモードであり、〔F4〕ドライブモードは時短回数が10000回のモードである。
【0500】
〔F3〕チャレンジモード又は〔F4〕ドライブモードで特定の大当り(第2特別図柄_3R大当り図柄1)に当選すると、〔F5〕大当り遊技(スペシャルボーナス)が実行され、〔F6〕宇宙モードに移行する。
小当り図柄2は、基本的には、1回当選で時間短縮状態を終了させる役割を持っているが、例外として、〔F6〕宇宙モードでは、小当り図柄2に1回当選しても(9999回当選するまでは)宇宙モードは終了しない。このため、宇宙モードは次回の大当り当選が確率的に約束されているモードである。
【0501】
〔ゲームフロー(その2)〕
図58は、第2遊技仕様のゲームフローについて説明する図である。
第2遊技仕様の場合、〔G1〕通常モード(公園モード)から遊技が開始する。「通常モード」は、「非時間短縮状態」である。
【0502】
〔G1〕通常モードで大当りに当選すると、〔G2〕大当り遊技(ビッグボーナス)が実行され、〔G3〕ショートドライブモード(第1特別図柄_3R大当り図柄1の場合)又は〔G4〕ドライブモード(第1特別図柄_3R大当り図柄2の場合)に移行する。〔G3〕ショートドライブモードは時短回数が50回のモードであり、〔G4〕ドライブモードは時短回数が100回のモードである。
【0503】
〔G3〕ショートドライブモード又は〔G4〕ドライブモードに移行し、その後、複数回の大当りに当選すると、〔G5〕複数回の大当り遊技(ビッグボーナス)が実行され、〔G6〕高速ドライブモードに移行する。〔G6〕高速ドライブモードは、〔G3〕ショートドライブモードや、〔G4〕ロングドライブモードよりも高速消化が可能な(短い変動パターンが選択される)モードである。
〔G3〕ショートドライブモード又は〔G4〕ロングドライブモードで特定の大当り(第2特別図柄_3R大当り図柄1)に当選すると、〔G6〕大当り遊技(スペシャルボーナス)が実行され、〔G8〕スーパードライブモードに移行する。〔G8〕スーパードライブモードは時短回数が10000回のモードである。このため、〔G8〕スーパードライブモードは次回の大当り当選が確率的に約束されているモードである。〔G8〕スーパードライブモードは、〔G6〕高速ドライブモードよりも高速消化が可能な(短い変動パターンが選択される)モードである。
【0504】
なお、これらのゲームフローは、代表的な遊技の流れを示しており、全ての遊技の流れを示しているものではない。
【0505】
〔演出画像の例〕
次に、パチンコ機1において実際に液晶表示器42に表示される演出画像及びドラムユニット200の動作について、いくつかの例を挙げて説明する。以上のように、パチンコ機1において大当りの内部抽選が行われると、主制御CPU72による制御の下で変動パターン(変動時間)を決定し、第1特別図柄や第2特別図柄による変動表示が行われる(図柄表示手段)。ただし、上記のように第1特別図柄や第2特別図柄そのものは7セグメントLEDによる点灯・点滅表示であるため、見た目上の訴求力に乏しい。同様に、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示の態様は、やはり7セグメントLED等による記号的な図案であり、やはり「当選図柄」としての視覚的なインパクトに乏しい。そこでパチンコ機1では、液晶表示器42及びドラムユニット200を用いた変動表示演出及び停止表示演出が行われている。
【0506】
本実施形態では、液晶表示器42に、演出図柄Hz(本図柄)、マーカM1、マーカM2、第4図柄Z1,Z2、滞在モードに対応する背景画像、予告演出に関する画像等を表示しており、ドラムユニット200に、7図柄等の擬似演出図柄を表示している。
【0507】
液晶表示器42に表示される演出図柄Hzには、例えば左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の3つが含まれており、これらは液晶表示器42の画面上で左・中・右に並んで表示される。各演出図柄には、数字の「1」~「9」が表示されている。ここで、左演出図柄、中演出図柄、及び右演出図柄は、いずれも数字が「9」~「1」の降順に並んだ図柄列(演出図柄配列)を構成している。このような図柄列は、それぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。
【0508】
ドラムユニット200に表示される擬似演出図柄には、左リール201に表示される擬似左演出図柄、中リール202に表示される擬似中演出図柄、右リール203に表示される擬似右演出図柄の3つが含まれており、これらはドラムユニット200の表示領域上で左・中・右に並んで表示される。各リールには、7図柄やパンダ図柄、チェリー図柄が含まれており、各リールが回転することにより、擬似演出図柄が変動表示される。
【0509】
図59及び
図60は、特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である。なお、ここでは非当選(はずれ)時の特別図柄の変動について、液晶表示器42及びドラムユニット200を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出の一例を表している。この変動表示演出は、特別図柄(ここでは第1特別図柄)が変動表示を開始してから、停止表示(確定停止を含む)するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また、停止表示演出は、特別図柄が停止表示されたことと、そのときの内部抽選の結果が表示されたことを表す演出である。ここでは先ず、制御処理の具体的な内容を説明する前に、本実施形態で採用されている変動1回ごとの変動表示演出と停止表示演出の基本的な流れについて説明する。
【0510】
〔変動表示前〕
図59中(A):例えば、第1特別図柄が変動を開始する前の状態(デモ演出中でない状態)で、液晶表示器42の下部右側の領域には3本の演出図柄Hzの列が表示されている。このとき第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に合わせて、演出図柄Hzも停止表示された状態にある。
【0511】
また、液晶表示器42の下部左側の領域には、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数を表すマーカ(図中に参照符号M1,M2を付す)が表示されるものとなっている。これらマーカM1,M2は、それぞれの表示個数が対応する第1特別図柄、第2特別図柄の作動記憶数(第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35aの表示数)を表しており、遊技中の作動記憶数の変化に連動して表示個数も増減する。また、マーカM1,M2は、視覚的な判別を容易にするため第1特別図柄に対応するマーカM1が例えば円(○)の図形で表示され、第2特別図柄に対応するマーカM2が例えばハートの図形で表示されている。なお、図示の例では、マーカM1が4つとも点灯表示されることで第1特別図柄の作動記憶数が4個であることを表し、マーカM2が全て非表示(破線で示す)になることで第2特別図柄の作動記憶数が0個であることを表している。
【0512】
また、液晶表示器42の下部右側の領域には第4図柄(図中に参照符号Z1,Z2を付す)が表示されている。この第4図柄Z1,Z2は、上記の左・中・右演出図柄に続く「第4の演出図柄」であり、演出図柄Hzの変動表示中はこれに同期して変動表示されている。なお、第4図柄Z1,Z2は、単純なマーク(例えば「□」の図形)に色彩を付しただけのものであり、例えばその表示色を変化させることで変動表示を表現することができる。第4図柄Z1は、第1特別図柄に対応しており、第4図柄Z2は、第2特別図柄に対応している。
【0513】
また、第4図柄Z1,Z2については、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示されている。これは、第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に対応して停止表示演出が正しく行われており、パチンコ機1が正常に動作しているということを客観的に明らかにするためのものである。したがって、「はずれ」ではなく、実際に内部抽選の結果が「大当り」や「小当り」であれば、それらに対応する態様(例えば青表示色や赤表示色等)で第4図柄Z1,Z2は停止表示される。
【0514】
一方、ドラムユニット200の中段の有効ライン上には、「はずれ」に対応する「パンダ図柄」が表示されている。
【0515】
〔変動表示演出開始〕
図59中(B):例えば、第1特別図柄の変動開始に同期して、ドラムユニット200の各リールが回転を開始するとともに、液晶表示器42の演出図柄Hzがスクロール変動することで変動表示演出が開始される(図柄演出実行手段)。なお、図中、ドラムユニット200の擬似演出図柄の変動表示、及び、演出図柄Hzの変動表示は単に下向きの矢印で表示している。
【0516】
液晶表示器42の中央の領域には背景画像が表示されており、この背景画像は、公園の風景を表現したものである。このような背景画像は、演出上での滞在モードが例えば「通常モード」であることを表現している。「通常モード」は、非時間短縮状態である。この他にも演出上で各種のモードが設けられており、モードごとに風景や情景の異なる背景画像が用意されている。これらモードの違いは、内部的な「時間短縮状態」に対応するものである。ここでは特に図示していないが、この後、例えば液晶表示器42の表示画面内にキャラクターやアイテム等の画像を表示させることで、予告演出が行われる態様であってもよい。
【0517】
また、演出図柄Hzの変動表示中、液晶表示器42の画面下部では第4図柄Z1が変動表示されており、第4図柄Z1は、その表示色を変化させることで変動表示を表現している。
【0518】
〔左演出図柄停止〕
図59中(C):例えば、ある程度の時間(変動時間の半分程度)が経過すると、最初に、ドラムユニット200の左リール201の擬似左演出図柄と、液晶表示器42の演出図柄Hzの左演出図柄が変動を停止する。この例では、ドラムユニット200の左リール201の中段位置に擬似左演出図柄として「緑色の7図柄」が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの左演出図柄として数字の「8」を表す演出図柄が停止している。
【0519】
〔作動記憶数減少時の演出例〕
ここで、先の
図59中(B)に示されているように、変動開始に伴って最も古い第1特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動して最も左側に位置していたマーカM1の表示個数が1個分減少されている。すなわち、それまでにマーカM1の作動記憶数が合計4個存在していたが、最も以前(古い)の記憶数表示であるマーカM1が非表示となり、内部抽選によって消費される演出が合わせて行われる。これにより、合計作動記憶数が3個に減少したことを演出上でも遊技者に教示することができ、また、いずれの特別図柄(この場合は第1特別図柄)に対応する作動記憶が消費されたかを分かりやすく教示することができる。
【0520】
そして、
図59中(C)の例においては、記憶順で先頭にあった作動記憶が消費されて残りが3個になったため、画面上に残った3つのマーカM1がそれぞれ1個分ずつ一方向(ここでは左方向)へずれていく演出が行われている。これにより、作動記憶数の変化の前後関係を正確に演出上で表現するとともに、遊技者に対して「作動記憶が消費されて1つ減った」ということを直感的に分かりやすく教示することができる。
【0521】
〔右演出図柄停止〕
図60中(D):次に、ドラムユニット200の右リール203の中段位置に擬似右演出図柄として「パンダ図柄」が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの右演出図柄として数字の「3」を表す演出図柄が停止している。
【0522】
〔停止表示演出〕
図60中(E):第1特別図柄の停止表示に同期して、停止表示演出が実行される。今回の内部抽選の結果が非当選であって、第1特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、ドラムユニット200の擬似演出図柄も、液晶表示器42の演出図柄Hzも同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。すなわち、図示の例では、ドラムユニット200の中リール202の中段位置に擬似中演出図柄として「パンダ図柄」が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの中演出図柄として数字の「1」を表す演出図柄が停止している。この場合、ドラムユニット200の中段の有効ライン上に表示された擬似演出図柄の組み合わせは「緑色の7図柄」-「パンダ図柄」-「パンダ図柄」のはずれ目であり、液晶表示器42の演出図柄Hzの組み合わせは「8」-「1」-「3」のはずれ目であるため、今回の変動は通常の「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。このとき、第4図柄Z1は、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示される。
【0523】
以上は、1回の変動ごとに行われる変動表示演出と停止表示演出(非当選時)の一例である。このような演出を通じて、遊技者に当選に対する期待感を抱かせるとともに、最終的に内部抽選の結果を演出上で明確に教示することができる。
【0524】
〔大当り時の演出例〕
図61~
図63は、大当り時に実行されるリーチ演出の流れを示す連続図である。ここではリーチ演出の他に、変動表示演出や停止表示演出及び予告演出が含まれるものとする。また、その他にも、変動表示演出中に実行される予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出)の一例を説明する。
【0525】
以下のリーチ演出は、第1特別図柄表示装置34において当選時(大当り時又は小当り時)の変動パターンによる変動表示が行われた後、例えば、第1特別図柄が当選の態様(例えば7セグメントLEDの「己」,「ヨ」,「口」,「巳」,「F」,「E」,「L」,「Γ」等)で停止表示されるまでに実行される(リーチ演出実行手段)。
【0526】
〔変動表示演出〕
図61中(A):第1特別図柄(又は第2特別図柄)の変動開始に略同期して、ドラムユニット200の各リールが回転を開始するとともに、液晶表示器42の演出図柄Hzがスクロール変動することで変動表示演出が開始される。
【0527】
〔リーチ発生前予告演出(1段階目)〕
図61中(B):変動開始から所定時間が経過すると、液晶表示器42において、キャラクターの絵柄画像(絵札)を用いた1段階目のリーチ発生前予告演出が行われる。このリーチ発生前予告演出は、予め定められた順序にしたがって1段階から複数段階(例えば2~5段階)まで、段階的に態様の変化が進行していく予告演出である。このリーチ発生前予告演出で用いられる絵柄画像は、画面の左端から出現するようにして表示される(その他の出現の態様でもよい。)。なお、「リーチ発生前予告」は、リーチの可能性や大当りの可能性を予告する演出である。このような「リーチ発生前予告演出」を実行することで、遊技者に対して「リーチに発展するかも知れない=大当りの可能性が高まる」という期待感を抱かせる効果が得られる。
【0528】
〔リーチ発生前予告演出(2段階目)〕
図61中(C):リーチ発生前予告演出の1段階目の態様が実行された後、続いてリーチ発生前予告演出の態様の変化が2段階目に進行する。ここでは2段階目のリーチ発生前予告演出として、先とは違うキャラクターの絵柄画像を用いた演出が行われている。具体的には、画面の右端から別の絵柄画像が追加で出現し、先に表示されていた絵柄画像の前面に重なって表示される。また、このとき表示される絵柄画像は、先に表示されていた絵柄画像よりもサイズが大きい。そして、絵柄画像で表現されたキャラクターが台詞(例えば「リーチになるよ」等)を発するという、音響出力による演出もあわせて行われる。
【0529】
このような2つ目の絵柄画像を用いたリーチ発生前予告演出(2段階目)は、先の
図61中(B)で行われたリーチ発生前予告演出(1段階目)からさらに一歩進んだ発展型である。このように発展していく「リーチ発生前予告演出」の態様を称して、一般的に「ステップアップ予告」等と表現することがある。ここではリーチ発生前予告演出で2段階目の絵柄画像が出現する例を挙げているが、3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示される演出態様であってもよい。また、例えば3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示されるごとに、そのサイズが拡大されるものとしてもよい。なお、この段階でも変動表示演出は継続されている。いずれにしても、リーチ発生前予告演出の態様の変化をより多くの段階まで進行させることにより、今回の変動で大当りになる可能性(期待度)が高いことを遊技者に示唆することができる(例えば、5段階目まで進行すると最大の期待度を示唆する等。)。
【0530】
〔左演出図柄の停止〕
図62中(D):変動表示演出の中期にさしかかると、ドラムユニット200の左リール201の擬似左演出図柄と、液晶表示器42の演出図柄Hzの左演出図柄が変動を停止する。この例では、ドラムユニット200の左リール201の中段位置に擬似左演出図柄として「赤色の7図柄」が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの左演出図柄として数字の「7」を表す演出図柄が停止している。
【0531】
〔リーチ状態の発生〕
図62中(E):そして、次に、ドラムユニット200の右リール203の擬似右演出図柄と、液晶表示器42の演出図柄Hzの右演出図柄が変動を停止する。この例では、ドラムユニット200の右リール203の中段位置に擬似右演出図柄として「赤色の7図柄」が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの右演出図柄として数字の「7」を表す演出図柄が停止している。これにより、ドラムユニット200の擬似演出図柄では、「赤色の7図柄」-「変動中」-「赤色の7図柄」のリーチ状態が発生しており、液晶表示器42の演出図柄Hzでは、「7」-「変動中」-「7」のリーチ状態が発生している。また、合わせて「リーチ!」等の音声を出力する演出が行われる。リーチ状態の発生後、当選時のリーチ演出が実行される。なお、液晶表示器42の演出図柄Hzに関しては、明確なリーチ状態を発生させずに、「変動中」-「変動中」-「変動中」の表示状態としてもよい。
【0532】
〔リーチ発生後予告演出〕
図62中(F):リーチ状態が発生して暫くすると、液晶表示器42において、例えば「ハート」の図形を表す画像が群をなして画面上を斜めに過ぎっていくリーチ発生後予告演出が行われる。この場合、突然、画面上に「ハート群」の画像が流れていくように表示されるため、これによって遊技者に対する視覚的な訴求力を高めることができる。このような視覚的に賑やかなリーチ発生後予告演出を実行することで、遊技者に対してさらに大きな期待感を抱かせる効果が得られる。
【0533】
〔リーチ演出の進行〕
図63中(G):リーチ発生後予告演出に続いて、液晶表示器42に、画面の左側に敵キャラクターとしての「かぼちゃのお化け」が出現し、画面の右側に味方キャラクターとしての「男性キャラクター」が出現し、画面の中央に「VS」の文字が出現する演出が行われる。
【0534】
図63中(H):リーチ演出が終盤になると、「かぼちゃのお化け」が無数のパンチを繰り出し、「男性キャラクター」がチョップで応戦する演出が行われている。この状態で「男性キャラクター」が勝利すれば大当りとなり、「男性キャラクター」が敗北すればはずれとなる。
【0535】
〔停止表示演出(当選時演出)〕
図63中(I):「勝利!!」の文字とともに、「男性キャラクター」が大きく表示され、「かぼちゃのお化け」が小さく表示されると、大当りであることを意味している。そして、特別図柄の停止表示に略同期して、ドラムユニット200の中リール202の擬似中演出図柄と、液晶表示器42の演出図柄Hzの中演出図柄が変動を停止する。この例では、ドラムユニット200の中リール202の中段位置に擬似右演出図柄として「赤色の7図柄」が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの中演出図柄として数字の「7」を表す演出図柄が停止している。第4図柄Z1は、大当りに対応する態様(例えば赤表示色)で停止表示されている。
【0536】
なお、非当選時(はずれ時)は、「敗北・・」の文字とともに、「かぼちゃのお化け」が大きく表示され、「男性キャラクター」が小さく表示される。この場合、ドラムユニット200の中リール202の中段位置に擬似右演出図柄として「パンダ図柄」が停止され、液晶表示器42の演出図柄Hzの中演出図柄として数字の「7」以外の数字を表す演出図柄が停止される。
【0537】
〔大役中演出〕
図64~
図66は、大当り遊技中に実行される大役中演出の例を部分的に示す連続図である。なお、以下の大役中演出は、液晶表示器42にて実行される演出である。
【0538】
〔大当り遊技開始〕
図64中(A):大当り遊技が開始されると、例えば、画面内に「BIG BONUS」といった文字情報が表示されるとともに、大当り遊技中に固有の演出画像(例えば女性キャラクター)が表示される。
【0539】
〔大役中「右打ち」表示〕
また、本実施形態では遊技領域8a内の右側部分に第1可変入賞装置30が配置されているため、大役中は遊技球の発射位置(発射方向)として遊技領域8a内の右側部分を指定することとしている。このため、主制御CPU72による制御上で上記の発射位置指定表示ランプ38fが点灯表示されるとともに、「右打ち」を表す発射位置指定コマンドが演出制御装置124に送信される。これを受けて、演出制御CPU126による演出制御上で表示画面内に「右打ち」を促す案内情報(右方向を示す矢印、「右打ち」の文字等)が表示される)。
【0540】
〔1ラウンド目〕
図64中(B):大当り遊技の1ラウンド目が開始されると、例えば、画面内の左上部に「BIG BONUS」の文字情報とともに、3つの○印が表示される。そして、そのうち1番左に位置する○印が赤色で表示され、残りの2つの○印は白色で表示される。これにより、出球を獲得できるのは3ラウンドであること、現在のラウンドがその3ラウンド中の1ラウンド目であること、及び、出球が獲得できるラウンドが1つ進行する毎に○印が赤色で表示されることを遊技者に教示することができる。なお、「○印」の数は、当選図柄に応じて増加する。
【0541】
〔3ラウンド目〕
図64中(C):この後、大当り遊技が順調に進行し、例えば、3ラウンド目に移行すると、例えば、3つの全ての○印が赤色で表示される。これにより、この3ラウンド目で出球を獲得できる全てのラウンドが終了することを遊技者に教示することができる。
【0542】
〔チャレンジ演出〕
図64中(D):また、3ラウンド目の実行中には、チャレンジ演出が実行される。チャレンジ演出では、例えば、画面内に「ドライブモード チャレンジ」といった文字情報が表示される演出が実行される。この演出により、今回の大当り遊技後に、ドライブモードに移行するのか、移行しないのかを遊技者に伝達することができる。
【0543】
図65中(E):そして、チャレンジ演出が進行すると、例えば、画面内に「ボタンを連打してハート役物を落下させるとドライブモード突入よ!」といった文字情報が表示される演出が実行される。これにより、可動体40fが落下するか否かで、ドライブモードに突入するか否かを遊技者に教示することができる。
【0544】
〔ボタン押下演出〕
図65中(F):例えば、画面内に演出切替ボタン45を模した画像が前面に表示され、その演出切替ボタン45の上部に「連打!!」という文字情報が表示される。これにより、遊技者に演出切替ボタン45の連打を促すことができる。また、遊技者が演出切替ボタン45を押下すると、押下された様子を表す演出切替ボタン45が表示される。
【0545】
〔ボタン押下成功演出〕
図65中(G):そして、大当り時の当選図柄がドライブモードに移行する当選図柄であった場合、遊技者が演出切替ボタン45を連打することにより、液晶表示器42の手前側に可動体40fを落下させるボタン押下成功演出が実行される。これにより、遊技者に演出切替ボタン45を連打するゲームで成功したことを教示することができる。
【0546】
図66中(H):また、女性キャラクターが登場し、「大成功!おめでとう」といった文字情報が表示される。これにより、「ドライブモード」に突入することを遊技者に教示することができる。
【0547】
〔時間短縮状態突入演出〕
図66中(I):そして、大当り遊技の終了時間(エンディング時間)を利用して「ドライブモード突入!」といった文字情報が表示される演出が実行される。これにより、これから「ドライブモード」が開始されることを遊技者に教示することができる。また、右方向を示す矢印とともに「そのまま右打ちしてね」といった文字情報が表示され、「ドライブモード」においても右打ちで遊技が進行することを遊技者に教示することができる。なお、「ドライブモード」に移行しない場合は、「チャレンジモード(第1遊技仕様の場合)」や「ショートドライブモード(第2遊技仕様の場合)」に移行する。
【0548】
ここで、エンディング演出中には、「プリペイドカードの取り忘れに注意しましょう」といったプリペイドカードの取り忘れを喚起する報知を行ったり、「遊技に対するのめり込みに注意しましょう」といった遊技に対するめり込みを防止する報知を実行したりするようにしてもよい。この場合、エンディング演出が発生する毎に実行するようにしてもよいし、所定条件下(確変中の当選以外のとき)に実行するようにしてもよい。さらに、上記各演出は同時に実行するものでもよいし、いずれか一つを実行するものでも、上記各演出を交互に順番に報知するものでもよい。このようにすることで、適切なタイミングで簡単に注意喚起に関する演出を実行することができ、遊技者の不利益を軽減することができる。
【0549】
〔大当り遊技終了、時間短縮状態〕
図66中(J):大当り遊技が終了し、内部状態(遊技状態)が時間短縮状態に設定されると、滞在モードが「ドライブモード」に設定され、背景画像が、女性が乗車した自動車が大地を走行する様子を表現した画像に変更される。これにより、現在の内部状態(遊技状態)が通常状態とは異なる時間短縮状態であることを遊技者に教示することができる。
【0550】
〔時短中演出〕
このように、時間短縮状態で遊技が進行している場合には、時間短縮状態(有利遊技状態)に対応させた背景画像を表示する時短中演出(有利遊技状演出)が実行される。
【0551】
〔右打ち示唆演出〕
また、画面上部では、右打ち示唆演出が実行されている。右打ち示唆演出では、液晶表示器42の画面上部に帯状の領域を設け、その帯状の領域の中に右打ちの文字情報と右向きの矢印記号とを表示している。なお、このような右打ち示唆演出は、遊技状態が時間短縮状態である場合には継続して実行される。そして、このような演出を実行することにより、遊技者に対して「右打ち」を促すことができる。
【0552】
図67は、普電異常入賞エラーが発生した際に実行されるエラー演出の演出例を示す図である。
普電異常入賞エラーが発生した場合、普電異常入賞エラー演出が実行される。普電異常入賞エラー演出は、液晶表示器42に「普電異常入賞エラーを検出しました 係員を呼んで下さい」という文字情報が表示され、スピーカ54,55,56からは「普電異常入賞エラーを検出しました」という音声情報が出力される演出である。なお、表示内容や出力音声は、文言を省略した「異常入賞を検出しました」であってもよい。
【0553】
次に、以上の演出を具体的に実現するための制御手法の例について説明する。上述した変動表示演出やリーチ演出、リーチ発生前予告演出、記憶数表示演出、大役中演出、液晶表示器42やドラムユニット200を用いた演出、時短中演出、右打ち示唆演出、エラー演出等は、いずれも以下の制御処理を通じて制御されている。
【0554】
〔演出制御処理〕
図68は、演出制御CPU126により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。演出制御CPU126は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば数十μs~数ms周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
【0555】
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、エラー演出管理処理(S400a)、作動記憶演出管理処理(ステップS401)、演出図柄管理処理(ステップS402)、時短中及び擬似時短中その他演出処理(ステップS402a)、ドラムユニット演出管理処理(ステップS403)、表示出力処理(ステップS404)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)及びその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
【0556】
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御CPU126は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドを受信する。また、演出制御CPU126は受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドには、例えば、特図先判定演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数増加時演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数減少時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄コマンド、図柄停止時コマンド、状態指定コマンド、ラウンド数コマンド、発射位置指定コマンド、エラー通知コマンド、大当り終了演出コマンド、変動パターン先判定コマンド、停止表示時間終了コマンド、回数切りカウンタコマンド、賞球内容コマンド、各種のエラーコマンド等がある。
【0557】
ステップS401:作動記憶演出管理処理では、演出制御CPU126は上述した記憶数表示演出や、マーカM1を用いた先読み予告演出の実行を制御する。なお、作動記憶演出管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
【0558】
ステップS400a:エラー演出管理処理において、演出制御CPU126は各種のエラーコマンドに基づいて、エラー演出を実行する演出パターンを選択する処理を実行する。
【0559】
例えば、エラーコマンドとして、普電異常入賞エラー発生指定コマンドを受信した場合、演出制御CPU126は、
図67に示す普電異常入賞エラー演出の演出パターンを選択する処理を実行する。
【0560】
ステップS402:演出図柄管理処理では、演出制御CPU126は演出図柄Hzや第4図柄Z1,Z2を用いた変動表示演出や停止表示演出の内容を制御したり、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作時の演出内容を制御したりする。また、この処理において演出制御CPU126は、各種予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出等)の演出パターンを選択する。このように、演出図柄管理処理において、演出制御CPU126は、液晶表示器42に表示する演出内容(演出図柄Hz、第4図柄Z1,Z2、マーカM1,M2、大役中演出等に関する演出内容、各種予告演出の内容)を決定する処理を実行する。なお、具体的な処理の内容は後述する。
【0561】
ステップS402a:演出制御CPU126は、時短中及び擬似時短中その他演出処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、右打ち示唆演出等に関する演出内容を決定する処理を実行する。なお、具体的な処理の内容は後述する。
【0562】
ステップS403:ドラムユニット演出管理処理では、演出制御CPU126は演出図柄管理処理にて決定した演出内容に基づいて、ドラムユニット200を制御する処理を実行する。このように、ドラムユニット演出管理処理において、演出制御CPU126は、ドラムユニット200に表示する演出内容(擬似演出図柄に関する演出内容、ドラムユニット200の可動に関する内容)を決定する処理を実行する。なお、具体的な処理の内容は後述する。
【0563】
ステップS404:表示出力処理では、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して演出内容の基本的な制御情報(例えば、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数、作動記憶演出パターン番号、先読み予告演出パターン番号、変動演出パターン番号、変動時予告演出番号、背景パターン番号等)を指示する。これにより、演出表示制御装置144(表示制御CPU146及びVDP152)は指示された演出内容に基づいて液晶表示器42による表示動作を制御する(演出実行手段)。
【0564】
ステップS406:ランプ駆動処理では、演出制御CPU126はランプ駆動回路132に対して制御信号を出力する。これを受けてランプ駆動回路132は、制御信号に基づいて各種ランプ46~52や盤面ランプ53等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)する。
【0565】
ステップS408:次の音響駆動処理では、演出制御CPU126は音響駆動回路134に対して演出内容(例えば変動表示演出中やリーチ演出中、モード移行演出中、大当り演出中のBGM、音声データ等)を指示する。これにより、スピーカ54,55,56から演出内容に応じた音が出力される。
【0566】
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御CPU126はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数や通常の背景チェンジ抽選(演出抽選)に用いられる乱数等がある。
【0567】
ステップS412:その他の処理では、例えば演出制御CPU126は可動体40fの駆動用ICに対して制御信号を出力する。可動体40fは可動体モータ57を駆動源として動作し、液晶表示器42による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行う。
なお、この処理において、演出制御CPU126は、ドラムユニット200の演出管理(ドラムユニット200を制御する処理)をするようにしてもよい。
【0568】
以上の演出制御処理を通じて、演出制御CPU126はパチンコ機1における演出内容を統括的に制御することができる。次に、演出制御処理の中で実行される演出図柄管理処理の内容について説明する。
【0569】
〔作動記憶演出管理処理〕
図69は、作動記憶演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
【0570】
ステップS700:先ず演出制御CPU126は、主制御CPU72から作動記憶数増加時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS700:Yes)、演出制御CPU126はステップS702を実行する。なお、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS700:No)、演出制御CPU126はステップS702を実行しない。
【0571】
ステップS702:演出制御CPU126は、作動記憶数増加時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、第1特別図柄に対応したマーカM1又は第2特別図柄に対応したマーカM2を表示させる演出を選択する。
【0572】
ステップS704:演出制御CPU126は、主制御CPU72から作動記憶数減少時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS704:Yes)、演出制御CPU126はステップS706を実行する。なお、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS704:No)、演出制御CPU126はステップS706を実行しない。
【0573】
ステップS706:演出制御CPU126は、作動記憶数減少時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、内部抽選により消費した抽選要素に対応するマーカM1又はマーカM2を消滅させる演出を実行するとともに、内部抽選により消費していない残りのマーカM1,M2を左方向にスライドさせる演出を実行する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は、演出制御処理(
図68)に復帰する。
【0574】
〔演出図柄管理処理〕
図70は、演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。演出図柄管理処理は、実行選択処理(ステップS500)、演出図柄変動前処理(ステップS502)、演出図柄変動中処理(ステップS504)、演出図柄停止表示中処理(ステップS506)及び可変入賞装置作動時処理(ステップS508)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出図柄管理処理の基本的な流れを説明する。
【0575】
ステップS500:実行選択処理において、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS502~ステップS508のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御CPU126は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして演出図柄管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ変動表示演出を開始していない状況であれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動前処理(ステップS502)を選択する。一方、既に演出図柄変動前処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動中処理(ステップS504)を選択し、演出図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として演出図柄停止表示中処理(ステップS506)を選択する。また、可変入賞装置作動時処理(ステップS508)は、主制御CPU72において可変入賞装置管理処理(
図18中のステップS5000)が選択された場合にのみジャンプ先として選択される。この場合、ステップS502~ステップS506は実行されない。
【0576】
ステップS502:演出図柄変動前処理では、演出制御CPU126は演出図柄Hz及び第4図柄Z1,Z2を用いた変動表示演出を開始するための条件を整える作業を行う。また、この処理において、演出制御CPU126は各種の条件(抽選結果、当選種類(当選図柄の種類)、変動パターン等)に応じてリーチ演出の内容を選択したり、予告演出についての演出パターン(リーチ発生前予告パターン、リーチ発生後予告パターン等)を選択したりする。その他にも演出制御CPU126は、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態である場合のデモ演出の制御も行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
【0577】
ステップS504:演出図柄変動中処理では、演出制御CPU126は必要に応じて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に指示する制御情報を生成する。例えば、変動表示演出の実行中に演出切替ボタン45を用いた演出を行う場合、遊技者による演出ボタンの操作の有無を演出制御CPU126が監視するとともに、その結果に応じた演出内容(ボタン演出)の制御情報を表示制御CPU146に対して指示する。
【0578】
ステップS506:演出図柄停止表示中処理では、演出制御CPU126は内部抽選の結果に応じた停止表示演出の内容を制御する。すなわち、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して変動表示演出の終了と停止表示演出の実行を指示する。これを受けて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)は、実際に液晶表示器42の表示画面内でそれまで実行していた変動表示演出を終了させ、停止表示演出を実行する。これにより、特別図柄の停止表示に略同期して停止表示演出が実行され、遊技者に対して内部抽選の結果を演出的に教示(開示、告知、報知等)することができる(図柄演出実行手段)。
【0579】
ステップS508:可変入賞装置作動時処理では、演出制御CPU126は小当り遊技中又は大当り中の演出内容を制御する。この処理において、演出制御CPU126は各種の条件(例えば当選種類)に応じて大役中演出の内容を選択する。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
【0580】
〔演出図柄変動前処理〕
次に
図71は、上記の演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
【0581】
ステップS600:演出制御CPU126は、主制御CPU72からデモ演出用コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、デモ演出用コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、デモ演出用コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS602を実行する。
【0582】
ステップS602:演出制御CPU126は、デモ選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126はデモ演出パターンを選択する。デモ演出パターンは、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態であることを表す演出の内容を規定したものである。
なお、客待ち状態を表す演出には、「遊技に対するのめり込みに注意しましょう」といった遊技に対するのめり込みを防止する内容を表示するようにしてもよい。このようにすることで、適切なタイミングで簡単に、のめり込み防止に関する演出を実行することができ、遊技者の不利益を軽減することができる。
【0583】
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。そして演出制御CPU126はそのまま演出制御処理に復帰し、続く表示出力処理(
図68中のステップS404)、ランプ駆動処理(
図68中のステップS406)においてデモ演出パターンに基づいてデモ演出の内容を制御する。
【0584】
一方、ステップS600においてデモ演出用コマンドが保存されていないことを確認すると(No)、演出制御CPU126は次にステップS604を実行する。
【0585】
ステップS604:演出制御CPU126は、今回の変動がはずれ(非当選)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、非当選時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS612を実行する。逆に、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126はステップS606を実行する。なお、今回の変動がはずれか否かの確認は、抽選結果コマンドの他に変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドがはずれ通常変動又ははずれリーチ変動に該当していれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。あるいは、今回の停止図柄コマンドが非当選の図柄を指定するものであれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。
【0586】
ステップS606:抽選結果コマンドが非当選(はずれ)以外であれば(ステップS604:No)、次に演出制御CPU126は、今回の変動が大当りであるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、大当り時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS610を実行する。逆に、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、残るは小当り時の抽選結果コマンドだけであるので、この場合、演出制御CPU126はステップS608を実行する。なお、今回の変動が大当りであるか否かの確認もまた、変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドが大当り変動に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。また、今回の停止図柄コマンドが大当り図柄に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。
【0587】
ステップS608:演出制御CPU126は、小当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。演出パターン番号は、変動パターンコマンドに対応して予め用意されており、演出制御CPU126は図示しない演出パターン選択テーブルを参照して、そのときの変動パターンコマンドに対応した演出パターン番号を選択することができる。なお、演出パターン番号は、変動パターンコマンドと対になって用意されていてもよく、1つの変動パターンコマンドに対して複数のものが用意されていてもよい。
【0588】
また、演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄Hz及び第4図柄Z1,Z2の変動スケジュール(変動時間)、停止表示の態様等を決定する。
【0589】
例えば、演出制御CPU126は、時間短縮状態での第2特別図柄の小当り変動時には、「ドライブモード」の状態で演出図柄Hz及び第4図柄Z2を変動させ、最終的に小当りに対応する演出図柄Hz及び第4図柄Z2を停止表示させる演出パターンを選択する処理を実行する。
一方、演出制御CPU126は、非時間短縮状態での第2特別図柄の小当り変動時には、例えば「ドライブモード」を継続させた状態又は通常モードの状態で演出図柄Hz及び第4図柄Z2を変動させ、最終的に小当りに対応する演出図柄Hz及び第4図柄Z2を停止表示させる演出パターンを選択する処理を実行する。
【0590】
以上の手順は「小当り」に該当した場合であるが、大当りに該当した場合、演出制御CPU126はステップS606で「大当り」であることを確認する(Yes)。この場合、演出制御CPU126はステップS610を実行する。
【0591】
ステップS610:演出制御CPU126は、大当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。なお、大当り時演出パターン選択処理の中では、さらに大当り時停止図柄別に処理を分岐させてもよい。
【0592】
また、非当選時の場合は以下の手順が実行される。すなわち、演出制御CPU126はステップS604ではずれであることを確認すると(Yes)、次にステップS612を実行する。
【0593】
ステップS612:演出制御CPU126は、はずれ時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、はずれ時の演出パターン番号を決定する。はずれ時の演出パターン番号は、「はずれ通常変動」や「時短はずれ変動」、「はずれリーチ変動」等に分類されており、さらに「はずれリーチ変動」には細かいリーチ変動パターンが規定されている。なお、演出制御CPU126がいずれの演出パターン番号を選択するかは、主制御CPU72から送信された変動パターンコマンドに基づいて決定される。
【0594】
はずれ時の演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄Hz及び第4図柄Z1,Z2の変動スケジュール(変動時間やリーチ発生の有無、リーチ発生の場合はリーチ種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様(例えば「7」-「2」-「4」等)を決定する。なお、このようなはずれ時の演出決定手法は、大当り時も同様である。
【0595】
以上のステップS608,ステップS610,ステップS612のいずれかの処理を実行すると、演出制御CPU126は次にステップS614を実行する。
【0596】
ステップS614:演出制御CPU126は、予告選択処理を実行する(予告演出実行手段)。この処理では、演出制御CPU126は今回の変動表示演出中に実行するべき予告演出の内容を抽選によって選択する。予告演出の内容は、例えば内部抽選の結果(当選又は非当選)や現在の内部状態(通常状態、時間短縮状態)に基づいて決定される。上記のように予告演出は、変動表示演出中にリーチ状態が発生する可能性を遊技者に予告したり、最終的に大当り又は小当りになる可能性があることを予告したりするものである。したがって、非当選時には予告演出の選択比率は低く設定されているが、当選時には遊技者の期待感を高めるため、予告演出の選択比率は非当選時よりも高く設定されている。
【0597】
ステップS616:演出制御CPU126は、モード演出管理処理を実行する(有利遊技状演出実行手段)。この処理において、演出制御CPU126は、滞在モードに応じた背景画像を選択する処理を実行する。例えば、演出制御CPU126は、原則として、内部状態が非時間短縮状態である場合には、通常モードに対応する背景画像を選択する処理を実行し、内部状態が時間短縮状態である場合には、ドライブモード等に対応する背景画像を選択する処理(時短中演出を選択する処理)を実行する。
【0598】
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理(末尾アドレス)に復帰する。これにより、その後の演出図柄変動中処理(
図70中のステップS504)において、実際に選択された変動演出パターンに基づいて変動表示演出及び停止表示演出が実行されるとともに(図柄演出実行手段)、各種予告演出パターンに基づいて予告演出が実行される。その他、ここで選択された背景(滞在)モードパターンに基づいて、各種の滞在モード演出が実行される。
【0599】
〔ドラムユニット演出管理処理〕
図72は、ドラムユニット演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
【0600】
ステップS900:演出制御CPU126は、可動体動作スケジュール決定処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、演出図柄管理処理(
図68のステップS402)によって決定された演出パターン(演出パターン番号等)に基づいて、ドラムユニット200の動作スケジュール(変動態様、停止態様等)を決定する処理を実行する。
【0601】
動作スケジュールを決定した場合、演出制御CPU126は、決定した動作スケジュールを、RAM130の動作スケジュール格納バッファに保存する。また、動作スケジュールを決定した場合、演出制御CPU126は、RAM130のドラムユニット動作中フラグをONにする処理を実行し、決定したスケジュールを全て実行した場合にドラムユニット動作中フラグをOFFにする処理を実行する。
【0602】
動作スケジュールは、各リール(各可動体)毎に設定されており、例えば、左リール201であれば、変動開始から変動終了まで順番に「加速」→「等速」→「減速」→「停止」等といった内容になる。この中で、「加速」及び「減速」には複数の速度変化があり、「等速」の中にも複数の速度変化がある場合がある(例えば、「低速等速」、「中速等速」、「高速等速」等)。
【0603】
本実施形態では、モータ(リール)の設定速度は複数の速度(例えば100種類程度の速度)が用意されており、不図示の複数の可動体データテーブルには様々な設定情報(モータのステップ数、モータの設定速度、モータの動作に要する時間、モータの励磁方法、モータの励磁する相を指定する相指定情報等)が格納されている。各可動体データテーブルには、それぞれ異なる設定情報が格納されている。
【0604】
演出制御CPU126は、ドラムユニット(可動体ユニット)200の動作スケジュールに基づいて、どの順番でかつどのタイミングでいずれの可動体データテーブルを参照するかを決定する。参照中の可動体データテーブルに格納されている可動体データは、不図示の可動体データ設定領域に格納されることにより、ドラムユニット200のドライバ(IC)に送信される。ドラムユニット200のドライバは、可動体データに基づいて各リールを駆動する。
【0605】
演出制御CPU126は、基本的には、各リールの速度を変化する場合に、新たな可動体データを可動体データ設定領域に上書きする(参照中の可動体データテーブルを切り替える)ことになるが、各リールの速度を維持している場合にも、新たな可動体データを可動体データ設定領域に上書きする(参照中の可動体データテーブルを切り替えない)ことがある。
【0606】
これは、一定の速度を維持する場合に、特別図柄の変動秒数に応じた数の可動体データテーブルを用意してしまうと、特別図柄の変動秒数に応じた数の可動体データテーブルが必要となり、可動体データテーブルの容量が多くなってしまうためである。
【0607】
そして、演出パターンに対応するドラムユニット200の動作スケジュールとしては、以下のようなものがある。
例えば、演出パターンが非リーチはずれ演出に対応する演出パターンである場合、演出制御CPU126は、変動開始時に左リール201、中リール202、右リール203の回転を開始し、所定時間経過後に左リール201を停止し、次に、右リール203を停止し、最後に中リール202を停止する、といった動作スケジュールとなる。なお、停止目は、任意のはずれ目や、演出図柄Hzの停止目に対応するはずれ目とすることができる。
【0608】
一方、演出パターンがリーチ演出(大当り変動、小当り変動、はずれ変動)に対応する演出パターンである場合、演出制御CPU126は、変動開始時に左リール201、中リール202、右リール203の回転を開始し、所定時間経過後に左リール201を停止し、次に、右リール203を停止し、リーチ状態を発生させ、最後に中リール202を停止する、といった動作スケジュールとなる。停止目は、演出図柄Hzの停止目に対応する停止目(大当りに対応する同色の7図柄の三つ揃いの当選目、小当りに対応するチェリー図柄の三つ揃いの当選目、はずれに対応する中リール202の1コマずれのはずれ目)とすることができる。
【0609】
いずれにしても、演出制御CPU126は、この可動体動作スケジュール決定処理において、演出図柄管理処理によって決定された演出パターンに基づいて、ドラムユニット200の動作スケジュールを決定し、決定した動作スケジュールに基づいて演出中に参照する可動体データテーブル(減速シーケンス、制御コードを追加した減速シーケンス、加速シーケンス、駆動開始シーケンス、駆動停止シーケンス等)の内容及び順番を決定する。
【0610】
ステップS902:演出制御CPU126は、可動体データ設定開始処理を実行する。この処理は、演出の実行中に可動体データの設定が開始される際、つまり、可動体データの上書きが発生する際にだけ実行される。
【0611】
具体的には、演出制御CPU126は、現在参照している可動体データテーブルの可動体データに、次に参照する予定の可動体データテーブルの可動体データを上書きする処理、つまり、次に参照する予定の可動体データテーブルに格納されている可動体データを可動体データ設定領域に格納する処理を実行したり、可動体データの終端であるか否かを判定し(次に参照する予定の可動体データテーブルが存在しているか否かを確認し)、可動体データの終端であると判断するまで可動体データテーブルに格納されている可動体データを可動体データ設定領域に格納する処理を実行したりする処理を実行する。
以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、演出制御処理(
図68)に復帰する。
【0612】
以上説明した遊技機は、以下に示す3つの技術的特徴を含んでいる。
第1の技術的特徴は、〔普電異常入賞エラー新仕様〕である。第2の技術的特徴は、〔小当りで時短終了条件の制御方法〕である。第3の技術的特徴は、〔時短リミッタに応じた特殊変動設定の制御〕である。各技術的特徴は、単独で用いることもでき、組み合わせて用いることもできる。一の技術的特徴の内容が他の技術的特徴の内容と異なる場合は、いずれかの技術的特徴の内容を採用することができ、各技術的特徴の内容によって説明の内容が不足している場合は、別の技術的特徴の内容によって補うことができる。以下、各技術的特徴を順番に説明する。
【0613】
〔第1の技術的特徴の課題〕
普電(普通電動役物)異常入賞エラーとするための条件として、監視対象である「時短中」「時短中に作動した普通電動役物の作動中」以外の遊技状態で普通電動役物への入賞(例えば、通常中や大当り遊技中の入賞)を所定個数検知(例えば、第2特別図柄に対応する始動口への入賞を3個検知)した場合にエラーと判定する仕様があるものとする。
【0614】
この場合、時間短縮機能作動停止(例えば、時短状態中における特別最終変動の変動停止)後に普通電動役物が作動中(例えば、普通図柄当りによる普通電動役物の開放中)の場合、その作動中に橋渡し式の普通電動役物等において、遊技球が開閉部材を渡り切ってしまった後に始動口へ入賞するまでの短い間に先に普通電動役物の作動(又はその後の有効時間)が終了すると、その後、始動口(例えば、第2特別図柄に対応する始動口)へ入賞した遊技球はエラーとしてカウントされてしまう。
【0615】
〔第1の技術的特徴の具体的構成〕
普電異常入賞エラーとするための監視対象として、「時短終了から所定時間」は電普通電動役物に入賞しても、エラーの監視対象外とする。
「所定時間」は、普通電動役物の作動時間(開放時間+閉鎖時間+有効時間)よりも長い時間に設定する。例えば、普通電動役物の作動時間を2.5秒、所定時間を4.0秒に設定する。
【0616】
〔第1の技術的特徴の効果〕
意図しない普電異常入賞エラーの発生を抑止することができる。
【0617】
〔第1の技術的特徴の詳細〕
(1)概要
第1の技術的特徴では、普電異常入賞エラーの仕様に追加でエラー監視の制限を設けることで特定の区間(所定時間内)でのエラーを検知しないようにするための制御を採用している。
【0618】
(2)比較例の普電異常入賞エラー
比較例の普電異常入賞エラーの仕様は、以下の通りである。
まず、電源投入時にエラー発生の閾値となる個数n個(nは機種毎で任意に設定)を設定する。
(a)時短中
(b)時短中に作動した普通電動役物の作動中
そして、上記(a)、(b)以外で普通電動役物への入賞をn個検知した場合に普電異常入賞エラーとなる。エラー発生時はエラー報知を行うため、演出制御装置にエラーコマンドを送信し、外部情報としてセキュリティ信号を出力する。エラー発生後は、上記(a)、(b)以外で普通電動役物への入賞を検知するたびエラー発生となる。
【0619】
(3)第1の技術的特徴の普電異常入賞エラー
まず、電源投入時にエラー発生の閾値となる個数n個(nは機種毎で任意に設定)を設定する。
(a)時短中
(b)時短中に作動した普通電動役物の作動中
(c)時短終了(時間短縮機能作動終了)からm秒(mは機種毎で任意に設定)経過するまでの間
上記(a)~(c)以外で普通電動役物への入賞をn個検知した場合に普電異常入賞エラーとなる。エラー発生時はエラー報知を行うため、演出制御装置にエラーコマンドを送信し、外部情報としてセキュリティ信号を出力する。エラー発生後は、上記(a)~(c)以外で普通電動役物への入賞を検知するたびエラー発生となる。
【0620】
(4)目的
時短終了後も普通電動役物が継続して作動中の場合があり、その作動中に橋渡し式の普通電動役物等において遊技球が開閉部材を渡り切ってしまった後に、始動口へ入賞するまでの短い間で先に普通電動役物の作動が終了すると、その後始動口へ入賞した遊技球はエラーとしてカウントされてしまう。このため、このエラー報知を防ぐことが目的となる。
普通電動役物の閉鎖後、有効時間を設けておりこの有効時間中に始動口へ入賞した遊技球は、エラーとしてカウントされない。基本的には、この有効時間内に始動口へ入賞が完了できる時間を有効時間として設定している。有効時間を超えて入賞する可能性がある場合の例として、汚れ等により球の流れる速度が遅くなって始動口への入賞が遅くなった、又は、開閉部材をぎりぎり渡り切ってしまった遊技球が複数あり、かつ、複数の遊技球が連なっていた場合等に遊技球同士がぶつかる等して最後の遊技球の入賞が遅れてしまった等、遊技球が想定外の動きをした場合に、普電異常入賞エラーとしてカウントされることがあるため、それによるエラー報知を防ぐことができる。
【0621】
〔第1の技術的特徴のまとめ〕
第1の技術的特徴を含む遊技機は、以下の構成を備えている。
(1)所定の移行条件が満たされた場合(時間短縮状態へ移行可能な当選図柄で当選した場合、遊技球が特定領域を通過した場合)、所定の遊技状態(非時間短縮状態、通常中)から所定の遊技状態と比較して有利な条件が適用された有利遊技状態(時間短縮状態、時短中)に移行可能とする一方、所定の終了条件が満たされた場合(時間短縮状態の終了条件が満たされた場合)、有利遊技状態を終了させて所定の遊技状態に移行可能とする状態移行手段(主制御CPU、
図34、
図35、
図50)を備えている。
【0622】
(2)所定の作動条件が満たされない場合、始動入賞口(右始動入賞口28b)への遊技球の入球が困難となる入球困難状態(普通電動役物ソレノイドがOFFの状態)とする一方、所定の作動条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で停止表示された場合)、入球困難状態よりも始動入賞口への遊技球の入球を容易とする入球容易状態(普通電動役物ソレノイドがONの状態)に移行可能とする電動役物(普通電動役物、可変始動入賞装置28、
図6、
図7)を備えている。
【0623】
(3)有利遊技状態で始動入賞口に遊技球が入球した第1の場合、有利遊技状態で前記電動役物が前記入球容易状態中に前記始動入賞口に遊技球が入球した第2の場合(有利遊技状態で入球容易状態へ移行した電動役物の始動入賞口に遊技球が入球した第2の場合)、有利遊技状態の終了時から所定時間(4.0秒)が経過するまでの間に始動入賞口に遊技球が入球した第3の場合を除いた状況で(第1~第3の場合の3つの場合を除いた状況で)、始動入賞口に遊技球が所定個数(例えば3個)入球した場合、異常入賞エラーであると判定可能とする異常入賞エラー判定手段(主制御CPU、
図55)を備えている。
【0624】
このような構成によれば、有利遊技状態の終了時から所定時間が経過するまでの間に始動入賞口に遊技球が入球した場合を異常入賞エラーの判定対象から除外しているため(
図55ステップS5706)、意図しない異常入賞エラーの発生を抑制することができ、結果として、斬新な遊技機を提供することができる。
【0625】
第1の技術的特徴を含む遊技機では、所定時間T3は、電動役物が入球容易状態に移行している時間を含む作動時間T1(例えば2.5秒;開放時間+閉鎖時間)に、電動役物が入球困難状態であっても始動入賞口に遊技球が入球したことを有効とする有効時間T2(例えば、0.5秒)を加えた時間(例えば、3.0秒)よりも長い時間(例えば、4.0秒)である(
図56)。
【0626】
このような構成によれば、「作動時間T1+有効時間T2」<「所定時間T3」としているため、電動役物に関する時間がすべて終了した後に所定時間を終了させることができ、意図しない異常入賞エラーの発生を、より一層、抑制することができる。
【0627】
〔第2の技術的特徴の課題〕
所定の当り(例えば、小当り)の当選による時短終了のプログラム制御を効率良く行いたい。
【0628】
〔第2の技術的特徴の具体的構成〕
電動役物(例えば、大入賞口)が開放する所定の当り(例えば、小当り)に1回又は複数回のいずれかに当選することで、有利遊技状態(例えば、時間短縮状態)を終了させる遊技仕様において、1回当選することで有利遊技状態を終了させる第1の所定の当り(例えば、V通過容易な小当たり、3R小当り図柄1)の当選であることを判定したことで有利遊技状態を終了させ、少なくとも複数回当選することで有利遊技状態を終了させることを含む第2の所定の当り(例えば、V通過困難な小当り(転落小当り)、3R小当り図柄2)の当選であることを判定した場合は、大当り終了時に第2の所定の当りの回数が有利遊技状態を終了させる回数に達しているのかを判定するための規定回数を設定したカウンタ(小当り表示回数B)を判定し、規定回数(小当り表示回数B=0)に達していた場合は有利遊技状態を終了させる。
【0629】
第2の所定の当り(例えば、V通過困難な小当り(転落小当り))は、複数回当選することで有利な遊技状態を終了させる仕様が含まれていれば、1回当選することで有利な遊技状態を終了させる仕様を含んでいてもよい。
【0630】
〔第2の技術的特徴の効果〕
所定の当り(例えば、小当り)の当選による時短終了のプログラム制御を効率良く行うことができる。
【0631】
〔第2の技術的特徴の詳細〕
(1)概要
第2の技術的特徴では、時短中に小当り当選で時短終了する制御として、小当り図柄毎に時短の終了を管理できる制御を採用している。例えば、小当り図柄1の場合は1回当選で時短を終了させ、小当り図柄2の場合は10000回当選で時短終了させる等、時短中に当選した小当り図柄毎で時短終了する回数が異なる仕様を実現している。
【0632】
(2)目的
小当り図柄毎で時短終了させる目的は、特定の小当りに当選するまで時短が継続するスペック等のゲーム性を実現するためである。例えば、時短10000回のループ機で小当り契機の大当りを繰り返して出球を増やしていくゲーム性で小当り図柄が2種類あり、小当り図柄1はV通過する当り(V通過させる小当り)、小当り図柄2はV通過しない当り(V通過させない小当り)を搭載している場合、時短中に小当り図柄1に該当するとV通過させて次回も時短に移行するが、小当り図柄2に該当するとV通過ができないため、小当り当選で時短が終了し連チャンも終了する。
【0633】
基本的に、時短中は、小当り図柄1と小当り図柄2のいずれに当選しても時短が終了する。ただし、小当り図柄1の場合はV通過(特定領域を通過)させることで大当りとなり、再度時短に突入させることが可能になる。このゲーム性の中で、例外として、特定の大当り図柄(第1遊技仕様の第2特別図柄_3R大当り図柄1)に当選し、その大当り終了後は小当り図柄2に当選しても時短が終了せず、大当り図柄又は小当り図柄1に当選するまでは時短が継続する仕様としたい場合、特定の大当り図柄当選後は、小当り図柄2に当選しても時短を終了させないようにする必要があるため、小当り図柄毎に時短を終了させる回数を持つ必要がある。
【0634】
(3)時短(時間短縮状態)の終了条件について
時短は、以下の(a)~(b)のいずれかを満たした場合に終了する。
(a)特別図柄があらかじめ定められた回数の変動を停止した場合(※1変動停止時)
(b)特別電動役物が作動することとなる図柄の組み合わせであらかじめ定められた回数の表示をした場合(※1変動停止時)
(c)大当り図柄に当選し、条件装置が作動した場合(※2確定時間経過後)
【0635】
上記(a)は、はずれに当選し、かつ、時短回数が1→0になった場合、上記(b)は、小当りに当選し、かつ、小当り表示回数が1→0になった場合、上記(c)は、大当りに当選した場合(小当り経由で大当りが実行された場合も含む)となり、それぞれ(※1)、(※2)のタイミングで時短が終了する。なお、(※1)及び(※2)のタイミングは、これに限定されるものではなく、遊技仕様に応じて適宜変更することができる。
【0636】
(4)大当り終了後の時短回数及び小当り表示回数の決定について
変動開始時に小当り及び大当りに当選した場合、次回の時短回数及び小当り表示回数を決定し、その回数を予備領域に設定する。大当り終了後に予備領域に設定した回数をその時短中で管理する時短回数及び小当りの表示回数として設定する。特別図柄の変動停止時に、この設定された回数の減算処理を行い、回数が1→0になった場合に時短の終了条件を満たしたと判断し、時短を終了する。
【0637】
大当り終了後の時短回数及び小当り図柄毎の表示回数は、
図20及び
図21に示す通りである。「第2特別図柄_3R小当り図柄1」がV通過する小当り(特定領域の通過が容易な小当り)であり、「第2特別図柄_3R小当り図柄2」がV通過しない小当り(特定領域の通過が困難な小当り)である。
【0638】
(5)変動停止時の時短終了について
特別図柄の変動停止時に、時短終了判定処理(
図34又は
図35)を行い時短回数及び小当り表示回数を更新する。この更新結果を元に時短を終了するか否かを決定する。
図20及び
図21に対応した時短終了判定処理が
図34である。小当り表示回数Aの回数は1回しかないため、判定処理でも小当り図柄1であれば時短が終了するようにしている。小当り図柄1は、1回の表示で終了するため、変動開始時の予備領域の設定をする場合も小当り表示回数Aの値は設定しないで、小当り表示回数Bのみ値を設定することができる。
【0639】
一方、
図35は、小当り表示回数Aが2回以上の回数を設定したい場合に対応した時短終了判定処理である。この場合は、小当り図柄1及び小当り図柄2どちらも変動開始時の予備領域設定時に小当り表示回数を設定し、その回数に応じて時短を終了させる制御となる。
【0640】
〔第2の技術的特徴のまとめ〕
第2の技術的特徴を含む遊技機は、以下の構成を備えている。
(1)所定の移行条件が満たされた場合(時間短縮状態へ移行可能な当選図柄で当選した場合、遊技球が特定領域を通過した場合)、所定の遊技状態(非時間短縮状態、通常中)から所定の遊技状態と比較して有利な条件が適用された有利遊技状態(時間短縮状態、時短中)に移行可能とする一方、所定の終了条件が満たされた場合(時間短縮状態の終了条件が満たされた場合)、有利遊技状態を終了させて所定の遊技状態に移行可能とする状態移行手段(主制御CPU、
図34、
図35、
図50)を備えている。
【0641】
(2)状態移行手段は、1回当選することで有利遊技状態を終了させる第1当り(3R小当り図柄1)の当選であることを判定した場合、所定の終了条件が満たされたものとして、有利遊技状態を終了させることを可能とし、少なくとも複数回当選することで有利遊技状態を終了させることを含む第2当り(3R小当り図柄2)の当選であることを判定した場合、所定の終了条件が満たされたものとして、有利遊技状態を終了させることを可能とする(主制御CPU、
図34、
図35)。なお、第1当り(3R小当り図柄1)である場合、一旦、有利遊技状態は終了するが、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、大当り遊技が実行され、大当り遊技の終了後には有利遊技状態が再開される。
【0642】
このような構成によれば、1回当選で有利遊技状態を終了させたり、複数回当選で有利遊技状態を終了させたりするため、特定の小当りの当選だけで有利遊技状態を終了させる方式と比較して、多様な遊技性を発揮することができ、結果として、斬新な遊技機を提供することができる。
【0643】
第2の技術的特徴を含む遊技機では、状態移行手段は、第2当りの当選であることを判定した場合、第2当りの当選回数(表示回数)が有利遊技状態を終了させる回数に達しているのかを判定するためのカウンタ値であって事前の(1回前の)当選時遊技(大当り遊技)の終了時に設定されるカウンタ値(小当り表示回数)を判定し、カウンタ値が規定回数(1→0)に達していた場合に有利遊技状態を終了させることを可能とする。例えば、カウンタ値は、特定の大当り遊技終了時に初期値(9999)が設定され、その後、第2当りの態様で図柄が停止表示されるたびに、更新(減算)される。
【0644】
このような構成によれば、カウンタ値を用いて有利遊技状態の終了を制御するため、第2当りの当選による有利遊技状態終了のプログラム制御を効率良く行うことができる。
【0645】
第2の技術的特徴を含む遊技機では、第2当りは、1回当選することで有利遊技状態を終了させることを含む。
【0646】
このような構成によれば、第2当りに複数の役割(1回当選で有利遊技状態を終了させる役割と、複数回当選で有利遊技状態を終了させる役割)を持たせることができ、第2当りに1つの役割しか持たせていない場合と比較して、遊技性を複雑かつ多様なものにすることができる。
【0647】
〔第3の技術的特徴の課題〕
特殊変動を効率良く制御したい。
【0648】
〔第3の技術的特徴の具体的構成〕
変動開始時の当り当選時に次回の時短設定を予備領域に行うが、同じタイミングで時短リミット回数に応じた次回特殊変動の設定を予備領域に設定することで大当り終了後はリミッタ到達及び非到達に関係なく予備領域の値を設定するだけで対応することができる。
【0649】
〔第3の技術的特徴の効果〕
変動開始時に設定した予備領域の値を大当り終了後に設定するだけでどの機種でも対応が可能であり、特殊変動を効率良く制御することができる。
【0650】
〔第3の技術的特徴の詳細〕
(1)概要
第3の技術的特徴では、時短リミッタ回数に応じて特別図柄の特殊変動の切り替えを行うための制御を採用している。
【0651】
(2)時短リミッタ
時短リミッタとは、時間短縮機能作動時の大当り回数に制限を設ける機能である。時間短縮機能が連続して作動した回数があらかじめ決められた時短リミッタ回数に到達した場合、その時短中に当選した大当り終了後の時間短縮機能は作動しない。第3の技術的特徴では、時短リミッタ回数を9999回に設定している。
【0652】
初当りの大当り終了後に時短リミッタ回数として9999回設定し、以降時短中に当選した大当り終了時に1回減算する(9999回→9998回・・・1回)。これにより時短リミッタが上限値に到達することになる回数(時短リミッタが作動することになる回数)は1回となる。時短リミッタ回数が1回に到達する前に時短が終了(例えば、はずれを引き続けて時短回数が0になる、小当りでV通過せず時短終了等)した場合、時短リミッタ回数は0回に設定することができる。時短リミッタ回数は、非時短中は0回となり、時短中は1~9999回の回数を設けている。小当り及び大当り契機で時短状態は終了するが、時短リミッタ回数はそのまま引き継がれ、大当り終了後(小当り経由での大当りも含む)に時短リミッタ回数を1減算して更新する。
【0653】
(3)大当りした回数に応じた特殊変動の仕様
大当りした回数により特殊変動で選択される変動パターンテーブルは、
図23となる。また、特別図柄の大当り及び小当り図柄に応じた大当り終了後の特殊変動パターンは、
図23~
図26となる。特殊変動の管理には、変動パターン選択状態フラグ及び変動パターン選択カウンタを用いており、これらの変数の組み合わせにより変動パターンオフセットを決定し、変動パターンオフセットの値に応じて変動パターンテーブルを参照する(
図27~
図31)。
【0654】
(4)時短リミッタに応じた特殊変動設定の制御
上記(3)で説明した変動パターンテーブルを選択するための特殊変動の設定を以下の手順にて行う。変動開始時の当り抽選にて大当り及び小当りに当選した場合に(a)、(b)の順番で処理を行う。
(a)変動開始時の遊技状態及び当り図柄を参照して次回の時短回数及び時短の終了条件(小当り当選で時短終了させる小当り表示回数等)を決定し予備領域に設定する。
(b)時短リミッタ回数及び当り図柄を参照して次回の変動パターン選択状態フラグ及び変動パターン選択カウンタの値を決定し予備領域に設定する。
図27~
図30は、時短リミッタ回数に応じた設定回数を示しており、
図31は、変動パターン選択状態フラグ及び変動パターン選択カウンタの組み合わせで決定される変動パターンオフセットの値を示している。
変動開始時に予備領域に設定された値は、大当り終了後に各機能を実現するための値として設定する(
図50ステップS5512)。
【0655】
〔第3の技術的特徴のまとめ〕
第3の技術的特徴を含む遊技機は、以下の構成を備えている。
(1)所定の移行条件が満たされた場合(時間短縮状態へ移行可能な当選図柄で当選した場合、遊技球が特定領域を通過した場合)、所定の遊技状態(非時間短縮状態、通常中)から所定の遊技状態と比較して有利な条件が適用された有利遊技状態(時間短縮状態、時短中)に移行可能とする一方、所定の終了条件が満たされた場合(時間短縮状態の終了条件が満たされた場合)、有利遊技状態を終了させて所定の遊技状態に移行可能とする状態移行手段(主制御CPU、
図34、
図35、
図50)を備えている。
【0656】
(2)有利遊技状態に連続して移行可能な移行回数(時短リミッタ回数)を設定可能とする移行回数設定手段を備えている(主制御CPU、
図51)。
(3)移行回数に基づいて図柄の変動パターンを設定可能とする変動パターン設定手段を備えている(主制御CPU、
図22~
図31)。
【0657】
(4)変動パターン設定手段により設定可能な変動パターンとして、移行回数に関わらずに設定可能な共通変動パターン(変動パターンテーブルE)と、移行回数に基づいて設定可能な個別変動パターン(変動パターンテーブルB、C、D)と、を規定している変動パターン規定手段を備えている(
図22)。
【0658】
このような構成によれば、移行回数に関わらずに設定可能な共通変動パターンを設けているため、どのような状況でも選択可能な共通変動パターン(変動パターンテーブルE)を用意することによって共通変動パターンの特別感を向上させることができ、結果として、斬新な遊技機を提供することができる。
【0659】
第3の技術的特徴を含む遊技機では、共通変動パターンは、個別変動パターンよりも長い期間(長い変動回数にわたり)設定可能である(
図23~
図25)。例えば、共通変動パターン(変動パターンテーブルE)は、大当り遊技終了後、1~10000回の変動時に設定可能である。一方、個別変動パターン(変動パターンテーブルB、C、D)は、大当り遊技終了後、1~50回又は1~100回の変動時に設定可能である(
図23~
図25)。なお、共通変動パターン及び個別変動パターンは、時間短縮状態で選択可能な変動パターンである。
【0660】
このような構成によれば、共通変動パターンを個別変動パターンよりも長い期間設定可能としているため、共通変動パターンを長期間にわたって楽しむことができ、共通変動パターンの特別感をより一層向上させることができる。
【0661】
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。一実施形態で挙げた演出の態様は例示であり、上述した演出の態様に限定されるものではない。
【0662】
上述した実施形態では、いわゆる1種2種混合機に本発明を適用する例で説明したが、いわゆる1種遊技機(特定領域を備えていない遊技機)に本発明を適用してもよい。
また、本発明は、確率変動機能を備える遊技機にも適用することができ、この場合には、いわゆる確変ループタイプ(確変回数に実質的な上限を設定しないタイプ)の遊技機に適用することもでき、STタイプ(確変回数に実質的な上限を設定するタイプ)の遊技機に適用することもでき、確変リミッタ機に適用することもできる。
【0663】
さらに、本発明は、確変領域を有する遊技機に適用することもでき、確変領域を有しない遊技機に適用することもできる。
さらにまた、本発明は、「第1特別図柄及び第2特別図柄の同時回し」を採用していない遊技機に適用することもでき、同時回しを採用している遊技機(例えば、小当りラッシュの機能(小当りが連続して発生することにより多くの出球を獲得することができる機能)を有する遊技機)に適用することもできる。
【0664】
上述した実施形態では、ドラムユニット200を備える遊技機の例で説明したが、ドラムユニット200を備えていない遊技機であってもよい。
【0665】
その他の演出例であげた画像はあくまで一例であり、これらは適宜に変形することができる。また、パチンコ機1の構造や盤面構成、具体的な数値等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0666】
1 パチンコ機
8 遊技盤ユニット
8a 遊技領域
20 始動ゲート
28 可変始動入賞装置
33 普通図柄表示装置
33a 普通図柄作動記憶ランプ
34 第1特別図柄表示装置
35 第2特別図柄表示装置
34a 第1特別図柄作動記憶ランプ
35a 第2特別図柄作動記憶ランプ
38 遊技状態表示装置
42 液晶表示器
45 演出切替ボタン
70 主制御装置
72 主制御CPU
74 ROM
76 RAM
124 演出制御装置
126 演出制御CPU
200 ドラムユニット