(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20240927BHJP
G02B 5/26 20060101ALI20240927BHJP
G02B 5/22 20060101ALI20240927BHJP
G02B 5/30 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
G09F9/00 313
G02B5/26
G02B5/22
G02B5/30
(21)【出願番号】P 2022171316
(22)【出願日】2022-10-26
【審査請求日】2023-08-07
(73)【特許権者】
【識別番号】520487808
【氏名又は名称】シャープディスプレイテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 寿史
(72)【発明者】
【氏名】安永 博敏
【審査官】西田 光宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-061991(JP,A)
【文献】特開2014-042892(JP,A)
【文献】国際公開第2007/094253(WO,A1)
【文献】特開2016-122255(JP,A)
【文献】特開2019-056758(JP,A)
【文献】国際公開第2011/078231(WO,A1)
【文献】特開2022-119576(JP,A)
【文献】国際公開第2009/106737(WO,A1)
【文献】特許第6667854(JP,B1)
【文献】特開平08-304759(JP,A)
【文献】特開2013-037190(JP,A)
【文献】特開2015-068956(JP,A)
【文献】特開2010-160994(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00-43/00
C09C 1/00-3/12
C09D 15/00-17/00
F21K 9/00-9/90
F21S 2/00-45/70
G02B 5/22
G02B 5/26
G02B 5/30
G02F 1/133-1/1347
G06F 3/03
G06F 3/041-3/047
G09F 9/00-9/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドットマトリクス型の表示パネルと、前記表示パネルの観察者側に配置された意匠層とを備え、
前記意匠層は、バインダー樹脂と、前記バインダー樹脂中に分散された光反射性の着色粒子とを含む意匠部を有し、
前記意匠部は、光を透過し、
平面視において少なくとも前記表示パネルの表示領域と重なるように配置され、
前記光反射性の着色粒子は、特定波長の光を
透過せずに反射し、前記特定波長以外の波長の
可視光を
透過せずに吸収し、
前記表示パネル側から光が出射されず外光を反射する反射表示状態では、前記観察者に
前記表示領域と重なるように配置された前記意匠部の模様を視認させ、
前記表示パネル側から出射された光が前記意匠層を透過する透過表示状態では、前記観察者に
前記表示領域と重なるように配置された前記意匠部の模様の補色を視認させずに表示画像を表示することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
ドットマトリクス型の表示パネルと、前記表示パネルの観察者側に配置された意匠層とを備え、
前記意匠層は、バインダー樹脂と、前記バインダー樹脂中に分散された光反射性の着色粒子とを含む意匠部を有し、かつ、光を透過し、
前記光反射性の着色粒子は、異なる色の顔料でコーティングされた2色以上の光反射性の着色粒子を含
み、
前記光反射性の着色粒子は、特定波長の光を反射し、前記特定波長以外の波長の可視光を吸収し、
前記表示パネル側から光が出射されず外光を反射する反射表示状態では、前記観察者に前記意匠部の模様を視認させ、
前記表示パネル側から出射された光が前記意匠層を透過する透過表示状態では、前記観察者に前記意匠部の模様の補色を視認させずに表示画像を表示させることを特徴とす
る表示装置。
【請求項3】
ドットマトリクス型の表示パネルと、前記表示パネルの観察者側に配置された意匠層とを備え、
前記意匠層は、バインダー樹脂と、前記バインダー樹脂中に分散された光反射性の着色粒子とを含む意匠部を有し、かつ、光を透過し、
前記意匠部は、前記光反射性の着色粒子を含む領域と、前記光反射性の着色粒子を含まない領域とを含み、
前記光反射性の着色粒子を含む領域と、前記光反射性の着色粒子を含まない領域との割合を変えることで色の濃淡が表されて
おり、
前記光反射性の着色粒子は、特定波長の光を反射し、前記特定波長以外の波長の可視光を吸収し、
前記表示パネル側から光が出射されず外光を反射する反射表示状態では、前記観察者に前記意匠部の模様を視認させ、
前記表示パネル側から出射された光が前記意匠層を透過する透過表示状態では、前記観察者に前記意匠部の模様の補色を視認させずに表示画像を表示させることを特徴とす
る表示装置。
【請求項4】
ドットマトリクス型の表示パネルと、前記表示パネルの観察者側に配置された意匠層とを備え、
前記意匠層は、バインダー樹脂と、前記バインダー樹脂中に分散された光反射性の着色粒子とを含む意匠部を有し、かつ、光を透過し、
前記意匠部は、異なる色の光反射性の着色粒子を含む複数の層が厚み方向に積層され
、
前記光反射性の着色粒子は、特定波長の光を反射し、前記特定波長以外の波長の可視光を吸収し、
前記表示パネル側から光が出射されず外光を反射する反射表示状態では、前記観察者に前記意匠部の模様を視認させ、
前記表示パネル側から出射された光が前記意匠層を透過する透過表示状態では、前記観察者に前記意匠部の模様の補色を視認させずに表示画像を表示させることを特徴とす
る表示装置。
【請求項5】
ドットマトリクス型の表示パネルと、前記表示パネルの観察者側に配置された意匠層とを備え、
前記意匠層は、バインダー樹脂と、前記バインダー樹脂中に分散された光反射性の着色粒子とを含む意匠部を有し、かつ、光を透過し、
前記意匠部は、面内方向において、異なる色の光反射性の着色粒子を含む複数の領域に分割され
、
前記光反射性の着色粒子は、特定波長の光を反射し、前記特定波長以外の波長の可視光を吸収し、
前記表示パネル側から光が出射されず外光を反射する反射表示状態では、前記観察者に前記意匠部の模様を視認させ、
前記表示パネル側から出射された光が前記意匠層を透過する透過表示状態では、前記観察者に前記意匠部の模様の補色を視認させずに表示画像を表示させることを特徴とす
る表示装置。
【請求項6】
ドットマトリクス型の表示パネルと、前記表示パネルの観察者側に配置された意匠層とを備え、
前記表示パネルと前記意匠層の間に、前記表示パネル側から順に偏光板と位相差板とを備え
、
前記意匠層は、バインダー樹脂と、前記バインダー樹脂中に分散された光反射性の着色粒子とを含む意匠部を有し、かつ、光を透過し、
前記光反射性の着色粒子は、特定波長の光を反射し、前記特定波長以外の波長の可視光を吸収し、
前記表示パネル側から光が出射されず外光を反射する反射表示状態では、前記観察者に前記意匠部の模様を視認させ、
前記表示パネル側から出射された光が前記意匠層を透過する透過表示状態では、前記観察者に前記意匠部の模様の補色を視認させずに表示画像を表示させることを特徴とす
る表示装置。
【請求項7】
ドットマトリクス型の表示パネルと、前記表示パネルの観察者側に配置された意匠層と、前記表示パネルの前面側に
配置された偏光板
とを備え、
前記意匠層は、前記偏光板の前面側の表面又は背面側の表面
に配置され
、
前記意匠層は、バインダー樹脂と、前記バインダー樹脂中に分散された光反射性の着色粒子とを含む意匠部を有し、かつ、光を透過し、
前記光反射性の着色粒子は、特定波長の光を反射し、前記特定波長以外の波長の可視光を吸収し、
前記表示パネル側から光が出射されず外光を反射する反射表示状態では、前記観察者に前記意匠部の模様を視認させ、
前記表示パネル側から出射された光が前記意匠層を透過する透過表示状態では、前記観察者に前記意匠部の模様の補色を視認させずに表示画像を表示することを特徴とす
る表示装置。
【請求項8】
前記光反射性の着色粒子は、金属片を含むことを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の表示装置。
【請求項9】
前記光反射性の着色粒子は、
前記金属片が顔料でコーティングされたものであることを特徴とする請求項
8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記光反射性の着色粒子の平均粒子径は、30μm以下であることを特徴とする請求項1
~7のいずれかに記載の表示装置。
【請求項11】
前記意匠部は、面積階調法により印刷されたものであることを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の表示装置。
【請求項12】
前記表示パネルと前記意匠層の間に、空気層を有さないことを特徴とする請求項1
~7のいずれかに記載の表示装置。
【請求項13】
前記表示パネルの前面側に透明基材を備え、
前記透明基材の前面側の表面又は背面側の表面に、前記意匠層が配置されることを特徴とする請求項1
~7のいずれかに記載の表示装置。
【請求項14】
前記意匠部は、更に黒色の着色材を含む領域と、前記黒色の着色材を含まない領域とを含み、
前記光反射性の着色粒子を含む領域の割合が高い領域では、前記黒色の着色材を含む領域の割合が低く、前記光反射性の着色粒子を含む領域の割合が低い領域では、前記黒色の着色材を含む領域の割合が高いことを特徴とする請求項
3に記載の表示装置。
【請求項15】
前記光反射性の着色粒子は、金属片が第1の色の顔料でコーティングされたものであり、
前記黒色の着色材は、前記金属片が黒色顔料でコーティングされた黒色の光反射性の着色粒子であり、
前記バインダー樹脂中に含まれる前記光反射性の着色粒子の濃度と、前記黒色の光反射性の着色粒子の濃度との差は、5質量%以下であることを特徴とする請求項
14に記載の表示装置。
【請求項16】
前記複数の層は、赤色の光反射性の着色粒子を含む層、緑色の光反射性の着色粒子を含む層及び青色の光反射性の着色粒子を含む層を含むことを特徴とする請求項
4に記載の表示装置。
【請求項17】
前記複数の層は、更に白色の光反射性の着色粒子を含む層を含むことを特徴とする請求項
16に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示画面を点灯すると所望の画像を表示する表示装置について、表示パネルを非点灯としたときに、所望の模様等を視認させてデザイン性を高めることが検討されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ベースフィルムと、前記ベースフィルムの上に設けられた、複数の第1色ドットにより構成された第1色パターン層と、前記第1色パターン層の上に設けられた、複数の第2色ドットにより構成された第2色パターン層と、前記第2色パターン層の上に設けられた、複数の第3色ドットにより構成された第3色パターン層と、を備え、前記第1色ドットのそれぞれが第1色用バインダーと該第1色用バインダーの内部に分散された複数の第1色顔料チップとを含み、前記第2色ドットのそれぞれが第2色用バインダーと該第2色用バインダーの内部に分散された複数の第2色顔料チップとを含み、前記第3色ドットのそれぞれが第3色用バインダーと該第3色用バインダーの内部に分散された複数の第3色顔料チップとを含み、前記第1色顔料チップ、第2色顔料チップ及び第3色顔料チップのそれぞれが、反射光側の干渉光として発色する赤色干渉顔料、緑色干渉顔料及び青色干渉顔料のいずれかであり、前記干渉光を加法混色することを特徴とする印刷物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的に、表示装置は、消灯時には表示画面が黒色一色となるが、装飾等の要望から、表示装置の消灯時に表示画面に模様等を表示したいという要望があった。特許文献1では、干渉顔料を用いることで、周囲光を反射して特定の模様を表示することが検討されている。
【0006】
図34を用いて、干渉顔料について説明する。
図34は、従来の干渉顔料を説明した断面模式図である。干渉顔料はパール顔料とも呼ばれ、
図34に示したように、干渉顔料100は、基材101と、基材101を被覆するコーティング層102とを有するものが挙げられる。基材101としては、可視光領域の波長の光に対し透明な薄片が用いられ、コーティング層102としては、上記薄片より屈折率の高い金属酸化膜を用いることができる。干渉顔料100はバインダー樹脂中に分散されており、ベースフィルム103上に塗布して用いられる。コーティング層102の厚みを変えることで観察者が視認する干渉光の色を調整することができる。
【0007】
図34に示したように、外光L4の一部は、空気層とコーティング層102との界面及びコーティング層102と基材101との界面で反射され、反射光L5として出射される。また、外光L4の他の部分は、基材101を透過し、ベースフィルム103の表面で反射され、反射光L6として出射される。観察者からは、反射光L5とベースフィルム103の色を含む反射光L6とが合わさって、パール調の特定色の干渉光として視認される。
【0008】
引用文献1では、赤色、緑色及び青色のいずれかの干渉顔料を含む第1~第3色パターン層を備えた印刷物に関し、各色の干渉光を加法混色する方法が開示されている。しかしながら、本発明者らの検討によると、干渉顔料を含むパターン層の背面側に表示パネルを配置して光を透過させると、干渉顔料は、背面側から出射された光の一部も透過することから、観察者からは干渉顔料の補色が透けて見え、透過表示において所望の色を表現できないことがあった。
【0009】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、非表示状態では任意の模様等を視認させ、表示状態では上記模様等の補色を視認せずに表示画像を表示できる表示装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)本発明の一実施形態は、ドットマトリクス型の表示パネルと、上記表示パネルの前面側に配置された意匠層とを備え、上記意匠層は、バインダー樹脂と、上記バインダー樹脂中に分散された光反射性の着色粒子とを含む意匠部を有し、上記光反射性の着色粒子は、特定波長の光を反射し、上記特定波長以外の波長の光を吸収する表示装置。
【0011】
(2)また、本発明のある実施形態は、上記(1)の構成に加え、上記光反射性の着色粒子は、金属片が顔料でコーティングされたものである表示装置。
【0012】
(3)また、本発明のある実施形態は、上記(1)又は(2)の構成に加え、上記光反射性の着色粒子は、異なる色の顔料でコーティングされた2色以上の光反射性の着色粒子を含む表示装置。
【0013】
(4)また、本発明のある実施形態は、上記(1)~(3)のいずれかの構成に加え、上記光反射性の着色粒子の平均粒子径は、30μm以下である表示装置。
【0014】
(5)また、本発明のある実施形態は、上記(1)~(4)のいずれかの構成に加え、上記意匠部は、上記光反射性の着色粒子を含む領域と、上記光反射性の着色粒子を含まない領域とを含み、上記光反射性の着色粒子を含む領域と、上記光反射性の着色粒子を含まない領域との割合を変えることで色の濃淡が表されている表示装置。
【0015】
(6)また、本発明のある実施形態は、上記(5)の構成に加え、上記意匠部は、更に黒色の着色材を含む領域と、上記黒色の着色材を含まない領域とを含み、上記光反射性の着色粒子を含む領域の割合が高い領域では、上記黒色の着色材を含む領域の割合が低く、上記光反射性の着色粒子を含む領域の割合が低い領域では、上記黒色の着色材を含む領域の割合が高い表示装置。
【0016】
(7)また、本発明のある実施形態は、上記(6)の構成に加え、上記光反射性の着色粒子は、金属片が第1の色の顔料でコーティングされたものであり、上記黒色の着色材は、上記金属片が黒色顔料でコーティングされた黒色の光反射性の着色粒子であり、上記バインダー樹脂中に含まれる上記光反射性の着色粒子の濃度と、上記黒色の光反射性の着色粒子の濃度との差は、5質量%以下である表示装置。
【0017】
(8)また、本発明のある実施形態は、上記(1)~(4)のいずれかの構成に加え、上記意匠部は、異なる色の光反射性の着色粒子を含む複数の層が厚み方向に積層される表示装置。
【0018】
(9)また、本発明のある実施形態は、上記(8)の構成に加え、上記複数の層は、赤色の光反射性の着色粒子を含む層、緑色の光反射性の着色粒子を含む層及び青色の光反射性の着色粒子を含む層を含む表示装置。
【0019】
(10)また、本発明のある実施形態は、上記(9)の構成に加え、上記複数の層は、更に白色の光反射性の着色粒子を含む層を含む表示装置。
【0020】
(11)また、本発明のある実施形態は、上記(1)~(4)のいずれかの構成に加え、上記意匠部は、面内方向において、異なる色の光反射性の着色粒子を含む複数の領域に分割される表示装置。
【0021】
(12)また、本発明のある実施形態は、上記(1)~(11)のいずれかの構成に加え、上記表示パネルと上記意匠層の間に、空気層を有さない表示装置。
【0022】
(13)また、本発明のある実施形態は、上記(1)~(12)のいずれかの構成に加え、上記表示パネルの前面側に透明基材を備え、上記透明基材の前面側の表面又は背面側の表面に、上記意匠層が配置される表示装置。
【0023】
(14)また、本発明のある実施形態は、上記(1)~(13)のいずれかの構成に加え、上記表示パネルと上記意匠層の間に、上記表示パネル側から順に偏光板と位相差板とを備える表示装置。
【0024】
(15)また、本発明のある実施形態は、上記(1)~(13)のいずれかの構成に加え、上記表示パネルの前面側に偏光板を備え、上記偏光板の前面側の表面又は背面側の表面に、上記意匠層が配置される表示装置。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、非表示状態では任意の模様等を視認させ、表示状態では上記模様等の補色を視認せずに表示画像を表示できる表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】実施形態1に係る表示装置の一例を示した断面模式図である。
【
図3】
図2に示した意匠部の一部を拡大した断面模式図である。
【
図4】
図2に示した意匠部の一部を拡大した平面模式図である。
【
図5】光反射性の着色粒子の一例を示した断面模式図である。
【
図6】表示状態で画像を表示した表示装置の平面模式図である。
【
図7】2色の光反射性の着色粒子を用いた変形例の意匠部の一部を拡大した平面模式図である。
【
図8】変形例の意匠部の一部を拡大した断面模式図である。
【
図9】実施形態2に係る表示装置の一例を示した断面模式図である。
【
図10】
図9中の領域(i)を拡大した平面模式図である。
【
図11】
図9中の領域(ii)を拡大した平面模式図である。
【
図12】
図9中の領域(iii)を拡大した平面模式図である。
【
図13】実施形態2において非表示状態で視認される模様等の第1例を示した平面模式図である。
【
図14】実施形態2において非表示状態で視認される模様等の第2例を示した平面模式図である。
【
図15】実施形態2において非表示状態で視認される模様等の第3例を示した平面模式図である。
【
図16】実施形態3に係る表示装置の一例を示した断面模式図である。
【
図17】
図16中の領域(iv)を拡大した平面模式図である。
【
図19】
図16中の領域(vi)を拡大した平面模式図である。
【
図20】
図16中の領域(vii)を拡大した平面模式図である。
【
図21】実施形態4に係る表示装置の意匠部の一部を拡大した平面模式図である。
【
図22】実施形態4に係る表示装置の意匠部の一部を拡大した断面模式図の一例である。
【
図23】実施形態4に係る表示装置の意匠部の一部を拡大した断面模式図の他の一例である。
【
図24】実施形態5に係る表示装置の意匠部の一部を拡大した平面模式図である。
【
図25】実施形態5に係る表示装置の意匠部の一部を拡大した断面模式図である。
【
図26】実施形態6に係る表示装置の意匠部の一部を拡大した平面模式図である。
【
図27】実施形態6に係る表示装置の意匠部の一部を拡大した断面模式図である。
【
図28】
図26に示した意匠部の赤色領域、緑色領域及び青色領域の配置方法を示した平面模式図である。
【
図29】実施形態6において、赤色領域、緑色領域及び青色領域をストライプ型で配置した場合の平面模式図である。
【
図30】実施形態6において、意匠部の赤色領域、緑色領域、青色領域及び白色領域の配置方法を示した平面模式図である。
【
図31】実施形態7に係る表示装置の一例を示した断面模式図である。
【
図32】実施形態8に係る表示装置の一例を示した断面模式図である。
【
図33】実施形態9に係る表示装置の一例を示した断面模式図である。
【
図34】従来の干渉顔料を説明した断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に実施形態を掲げ、本発明について図面を参照して更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態のみに限定されるものではない。また、各実施形態の構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜組み合わされてもよいし、変更されてもよい。
【0028】
本明細書中、表示状態とは、特に明示しない限り、表示パネル側から光が出射され、その光が意匠層を透過する状態をいう。上記表示状態は、表示パネル又はバックライトが点灯した状態(電源がオン)であり、表示パネルに所望の表示画像が表示される。非表示状態とは、特に明示しない限り、表示パネル側から光が出射されない状態をいう。上記非表示状態は、表示パネル又はバックライトが点灯していない状態(電源がオフ)である。非表示状態では、基本的に観察者側に光が出射されず、観察者は外光の反射光を観察することから、反射状態ともいう。
【0029】
本明細書中、2つの方向が直交するとは、2つの方向のなす角度が、好ましくは90°±3°の範囲内であり、より好ましくは90°±1°の範囲内であり、更に好ましくは90°±0.5°の範囲内である。また、2つの方向が平行であるとは、2つの方向のなす角度が、好ましくは0°±3°の範囲内であり、より好ましくは0°±1°の範囲内であり、更に好ましくは0°±0.5°の範囲内である。
【0030】
本明細書中、前面側とは、観察者が表示装置を観察する面をいい、観察者側ともいう。背面側とは、観察者側と反対側の面をいう。
【0031】
<実施形態1>
実施形態1に係る表示装置は、ドットマトリクス型の表示パネルと、上記表示パネルの前面側に配置された意匠層とを備え、上記意匠層は、バインダー樹脂と、上記バインダー樹脂中に分散された光反射性の着色粒子とを含む意匠部を有し、上記光反射性の着色粒子は、特定波長の光を反射し、上記特定波長以外の波長の光を吸収する。
【0032】
図1は、実施形態1に係る表示装置の一例を示した断面模式図である。
図1は、非表示状態における表示装置の平面模式図でもある。
図2は、
図1に示した表示装置の平面模式図である。
図1は、は、
図2のX1-X2線における断面模式図でもある。
図1に示したように、実施形態1に係る表示装置1-Aは、表示パネル10と、意匠層20とを備える。実施形態1では、表示パネル10の前面側に透明基材30を有する場合を例示する。
【0033】
(表示パネル)
表示パネル10は、ドットマトリクス型の表示パネルである。ドットマトリクス型の表示パネルとしては、行方向及び列方向に複数の表示単位が配置された構成を有する。表示パネル10としては、特に限定されず、液晶パネル、OLEDパネル等、公知のものを用いることができる。
【0034】
液晶パネルとしては、一対の基板間に液晶層を挟持した構成が挙げられる。上記一対の基板は、複数の薄膜トランジスタ(TFT)等のスイッチング素子を有するアクティブマトリクス基板と、カラーフィルターを有するカラーフィルター基板であってもよい。
【0035】
上記アクティブマトリクス基板としては、ゲート配線と上記ゲート配線と交差するソース配線とを有し、ゲート配線とソース配線の交点近傍にTFTが配置され、TFTと電気的に接続された画素電極が配置される構成が挙げられる。アクティブマトリクス基板又はカラーフィルター基板には、対向電極が設けられてもよい。表示装置は、ゲート配線が接続されたゲートドライバ、ソース配線が接続されたソースドライバ等の駆動回路を有してもよい。ゲートドライバを介して各画素に設けられたTFTのオン・オフが制御され、TFTがオンになると、ソースドライバを介して画素電極に電圧が印加され、画素電極と対向電極との間に電界が形成されて、液晶層中の液晶分子の配向を制御することで画像表示を行うことができる。一つの画素が上記発光素子に相当する。
【0036】
なお、アクティブ型の表示パネルについて説明したが、TFTを設けず、格子状に配置された導線の交点に画素を配置するパッシブ型であってもよい。また、表示パネル10が液晶パネルである場合、液晶パネルの背面側にバックライトが配置されてもよい。バックライトは特に限定されず、一般的なバックライトを用いることができる。例えば、導光板の端面に光源を配置するエッジライト型でもよいし、光源を面内に多数配置して拡散板などで均整度を高めた直下型であってもよい。
【0037】
自発光パネルは、パネル内部に発光素子を備えた自ら発光できるパネルであり、バックライト等の外部の光源を必要としない。自発光パネルとしては、公知のものを用いることができ、有機発光ダイオード(OLED:Organic light Emitting Diode)を含むOLEDパネル等が挙げられる。発光ダイオード等が上記発光素子に相当する。
【0038】
発光ダイオードの構成は、特に限定されず、例えば、陰極、電子輸送層、発光層、正孔輸送層、陽極をこの順で積層されたものが挙げられる。上記発光層は、発光材料として蛍光材料、燐光材料等を含んでもよい。
【0039】
(意匠層)
意匠層20は、表示パネル10の前面側に配置される層である。意匠層20は、非表示状態で観察者に視認させたい特定の模様を表す意匠部21を有する。上記特定の模様としては、特に限定されないが、例えばデザイン性のある幾何学模様、木目模様、特定の文字列、企業ロゴ等が挙げられる。
図2では、非表示状態で「ABC」の文字が視認される場合を例示した。
【0040】
図3は、
図2に示した意匠部の一部を拡大した断面模式図である。
図4は、
図2に示した意匠部の一部を拡大した平面模式図である。
図3及び
図4は、それぞれ
図1、
図2の点線で囲んだ部分の拡大模式図である。
図3及び
図4に示したように、意匠部21は、バインダー樹脂23と、バインダー樹脂23中に分散された光反射性の着色粒子22とを含む。
【0041】
バインダー樹脂23は、光反射性の着色粒子22を分散させるためのものであり、乾燥後は被膜を形成する。意匠層20は、バインダー樹脂23中に光反射性の着色粒子22を分散されたインクを印刷することで形成することができる。バインダー樹脂23は、インクの粘度を調整したり、印刷対象への接着性を調整することができる。
【0042】
バインダー樹脂23としては、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂23は透明であることが好ましく、例えば、上記バインダー樹脂のみを硬化させた場合に、全光線透過率が90%以上であることが好ましい。
【0043】
上記インクとしては、紫外線硬化型のインク、熱硬化型のインクが挙げられるが、光反射性の着色粒子22の基材が金属であると、紫外線を反射して意匠層20に未硬化の部分が発生することも考えられることから、熱硬化型のインクであることが好ましい。言い換えると、バインダー樹脂23は、熱硬化型樹脂であることが好ましい。
【0044】
例えば、意匠部21は、バインダー樹脂23と光反射性の着色粒子22とを含むインクを用いて、部分的に印刷されてもよい。上記印刷方法は特に限定されないが、例えば、グラビア印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷等が挙げられる。意匠層20の厚さT1は特に限定されないが、例えば、10μm以上、50μm以下であってもよい。
【0045】
透明基材30の前面側の表面又は背面側の表面に、意匠層20が配置されてもよい。
図1では、透明基材30の前面側の表面に意匠層20が配置される場合を例示したが、透明基材30の背面側の表面に意匠層20が配置されてもよい。意匠部21のメタリック感をより鮮明に表現できるという観点からは、透明基材30の前面側の表面に意匠層20が配置されることが好ましい。意匠部21を保護する観点からは、透明基材30の背面側の表面に意匠層20が配置されることが好ましい。
【0046】
透明基材30の前面側の表面に意匠層20が配置される場合、図示していないが、意匠層20の観察者側にハードコート層を有してもよい。上記ハードコート層は透明(例えば、全光線透過率が90%以上)であることが好ましい。ハードコート層を配置することで、耐傷性を向上させ、意匠層20を保護することができる。ハードコート層としては、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等のコーティング層が挙げられる。
【0047】
光反射性の着色粒子22は、特定波長の光を反射し、上記特定波長以外の波長の光を吸収する。上記特定波長は、可視光領域(380nm~780nm)のうち、非表示状態において、観察者に視認させたい色の波長である。上記特定波長以外の波長とは、可視光領域のうち、上記特定波長以外の波長をいう。光反射性の着色粒子22は、干渉顔料とは異なり、特定波長以外の波長の光を透過せずに吸収する。そのため、表示状態において、表示パネル10側から入射された光を観察者側に出射しても、非表示状態において観察者に視認させたい色の補色を観察者側に出射せず、透過表示により所望の画像を表示することができる。
【0048】
図5は、光反射性の着色粒子の一例を示した断面模式図である。
図5に示したように、光反射性の着色粒子22は、金属片22aが顔料22bでコーティングされたものであることが好ましい。光反射性の着色粒子22としては、東洋アルミニウム株式会社製の「フレンドカラー(登録商標)」等が挙げられる。光反射性の着色粒子22は、更に顔料22bがアクリル系樹脂等のポリマ-で被覆されていてもよい。
【0049】
金属片22aとしては、可視光を反射するものが好ましく、例えば、アルミニウム、ニッケル、チタン、ステンレス又はこれらの合金等が挙げられる。
【0050】
顔料22bとしては、有機顔料であっても、無機顔料であってもよいが、有機顔料であることが好ましい。上記有機顔料としては、フタロシアニン、ハロゲン化フタロシアニン、キナクリドン、ジケトピロロピロール、イソインドリノン、アゾメチン金属錯体、インダンスロン、ペリレン、ペリノン、アントラキノン、ジオキサジン、ベンゾイミダゾロン、縮合アゾ、トリフェニルメタン、キノフタロン、アントラピリミジン等が挙げられる。上記無機顔料としては、酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック、バナジウム酸ビスマス等が挙げられる。
【0051】
目的の色に応じて、赤、緑、青、黄色、黒等の原色顔料を特定の比率で混合して調色してもよい。上記調色の方法としては、複数種類の顔料を混合する方法が挙げられる。なお、本明細書中、光反射性の着色粒子の色とは、非表示状態(反射表示)において、観察者が視認する色をいう。
【0052】
光反射性の着色粒子22の平均粒子径は、30μm以下であることが好ましい。上記平均粒子径を30μm以下とすることで、ギラつきを抑制することができる。上記平均粒子径の好ましい下限は10μmである。上記平均粒子径は、25μm以下であることがより好ましく、20μm以下であることが更に好ましい。本明細書中、光反射性の着色粒子の平均粒子径は、メジアン径(D50)である。上平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定法により測定することができる、
【0053】
表示装置1-Aは、表示パネル10の前面側に透明基材30を備えてもよい。透明基材30は、光透過性の基材である。透明基材30の材質としては、例えば、ガラス、アクリル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート等が挙げられる。
【0054】
透明基材30は平面であってもよいし、あってもよいし、曲面であってもよい。透明基材30が曲面である場合、透明基材30は前面側に湾曲していても、背面側に湾曲してもよい。透明基材30が曲面である場合、透明基材30の最表面の曲率半径は、例えば50cm~150cmであってもよい。
【0055】
表示装置の輝度を低下させない観点から、透明基材30の透過率は高い方が好ましく、例えば、全光線透過率は90%以上である。また、表示状態での表示画像をより鮮明に表示する観点からは、ヘイズが低い方が好ましく、例えば、ヘイズは10%以下である。本明細書中、透過率とはJIS K 7361-1に準拠した方法で測定される全光線透過率をいう。上記ヘイズは、JIS K 7136に準拠した方法で測定される。
【0056】
図1に示したように、表示パネル10は、表示状態において所望の画像を表示する表示領域と、上記表示領域を囲む額縁領域を含んでもよい。表示領域には、上述の複数の発光素子が配置される。額縁領域にはベゼル、シール材、ドライバ、駆動回路等が配置されてもよい。額縁領域と重畳する領域には、黒色層40が配置されてもよい。黒色層40を配置することで、表示装置の額縁領域に配置された部材が見えないようにすることができる。黒色層40は、カーボンブラック等の黒色の顔料や染料を用いた印刷部であってもよいし、遮光テープであってよい。
【0057】
以下に実施形態1に係る表示装置の表示方法について、
図1、
図3及び
図6を用いて説明する。
図6は、表示状態で画像を表示した表示装置の平面模式図である。
【0058】
(非表示状態)
非表示状態(反射状態)では表示パネル10又は表示パネル10の背面に配置されたバックライトは非点灯である。意匠層20に対して、表示パネル10側から表示光は照射されず、観察者側から光(外光)が入射される。
図3中にL1で示したように、観察者側から入射された光(外光)は、光反射性の着色粒子22で反射され、観察者側に出射される。その結果、
図1に示したように、光反射性の着色粒子22を含む意匠部21(
図1では、ABCの文字)が特定の色で視認される。
【0059】
意匠部21は、意匠層20全体に配置されなくてもよく、透明基材30上に部分的に意匠部21が配置されてもよい。実施形態1では、意匠部21以外の部分には、印刷等はされておらず、非表示状態では通常の表示装置のように黒く見える。一方で、実施形態3で説明するように、意匠部21以外の領域が光反射性の着色粒子22を含んでもよい。
【0060】
(表示状態)
表示状態では、
図3中にL2で示したように、表示パネル10側から出射された光は、透明基材30を透過し、光反射性の着色粒子22の隙間から観察者側に出射される。光反射性の着色粒子22は、干渉顔料とは異なり光を透過しないため、補色を視認させることなく、目的の表示が画像を見せることができる。
【0061】
表示状態では、液晶パネルに所望の表示画像を表示し、観察者は意匠層20越しに上記表示画像を見ることになる。表示状態で表示パネル10に表示される画像は、特に限定されないが、自動車等の速度メーター等を表示してもよい。
図6に示したように、表示状態では、
図1に示したABCの文字が透けることなく、所望の表示画像(速度メーター)を見ることができる。
【0062】
<変形例>
図7は、2色の光反射性の着色粒子を用いた変形例の意匠部の一部を拡大した平面模式図である。
図8は、変形例の意匠部の一部を拡大した断面模式図である。
図7及び
図8に示したように、変形例に係る表示装置1-Bでは、光反射性の着色粒子は、異なる色の顔料でコーティングされた2色以上の光反射性の着色粒子22-1と22-2を含む。実施形態1では、単色の光反射性の着色粒子を用いる場合に、意図した画像をより正確に表現することができるが、例えば、光反射性の着色粒子22-1が赤色で、光反射性の着色粒子22-2が黄色のような、色相の近い複数色を用いてもよい。
【0063】
<実施形態2>
実施形態2では、模様等に濃淡を付ける方法について説明する。意匠層以外の構成は、実施形態1と同様であるため説明は省略する。
図9は、実施形態2に係る表示装置の一例を示した断面模式図である。
図9は、非表示状態における表示装置の平面模式図でもある。
図9に示したように、ABCの文字が上方から下方に向かって、色が濃くなる場合について説明する。
図10、
図11及び
図12は、それぞれ
図9中の領域(i)、(ii)、(iii)を拡大した平面模式図である。
【0064】
意匠部21は、非表示状態において観察者に視認させたい模様等が表現されていれば、意匠部21全体が光反射性の着色粒子22を含まなくてもよい。実施形態2では、光反射性の着色粒子を含む領域と、光反射性の着色粒子を含まない領域との割合を変えることで色の濃淡が表されている。
図10、
図11に示したように、意匠部21は、光反射性の着色粒子22を含む領域21-1と、光反射性の着色粒子22を含まない領域21-2とを含む。
【0065】
文字の色が薄い領域(i)では、光反射性の着色粒子を含まない領域21-2の方が光反射性の着色粒子を含む領域21-1よりも面積が広い。文字の色が濃くなるに従い、光反射性の着色粒子を含む領域21-1の面積は増加し、光反射性の着色粒子を含まない領域21-2の面積は減少する。領域(ii)では、光反射性の着色粒子を含む領域21-1と、光反射性の着色粒子を含まない領域21-2の面積が反転し、光反射性の着色粒子を含む領域21-1の方が光反射性の着色粒子を含まない領域21-2よりも面積が広くなる。最も文字の色が濃い領域(iii)では、光反射性の着色粒子を含む領域21-1のみとなる。
【0066】
上記の色の濃淡は、例えば、面積階調法により印刷することができる。上記面積階調法は、面積当たりのインクのドット数を変えることで、色の濃淡を表現する方法であり、グラビア印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷等の高精細な印刷方法を用いることが好ましい。
【0067】
図13、
図14及び
図15は、それぞれ実施形態2において視認される模様等の第1例、第2例、第3例を示した平面模式図である。実施形態2によれば、単色の反射性の着色粒子であっても濃淡を付けることで、
図13に示したような織物調の模様、
図14に示したようなコルク調の模様、
図15に示したような木目調の模様等を表現することができる。
【0068】
<実施形態3>
実施形態3は、実施形態2よりも更に表示状態において意匠部の模様等を視認し難くできる実施形態である。
図16は、実施形態3に係る表示装置の一例を示した断面模式図である。
図16は、非表示状態における表示装置の平面模式図でもある。
図17、
図18、
図19、
図20は、それぞれ
図16中の領域(iv)、(v)、(vi)、(vii)を拡大した平面模式図である。
【0069】
図16に示したように、非表示状態で視認されるABCの文字は、上方から下方に向かって、色が濃くなる点は実施形態2と同様である。
図17~
図20に示したように、実施形態3に係る表示装置1-Dは、意匠部21が、光反射性の着色粒子22を含む領域21-1と、光反射性の着色粒子22を含まない領域21-2とを含み、更に黒色の着色材22BLを含む領域21BL-1と、黒色の着色材22BLを含まない領域21BL-2とを含む。なお、光反射性の着色粒子22は黒色以外の色の光反射性の着色粒子とする。なお、実施形態3についても、面積階調法により印刷することが好ましい。
【0070】
文字の色が薄い領域(iv)では、光反射性の着色粒子を含まない領域21-2の方が光反射性の着色粒子を含む領域21-1よりも面積が広い。光反射性の着色粒子を含む領域21-1には黒色の着色材22BLは配置されていないが、光反射性の着色粒子を含まない領域21-2には黒色の着色材を含む領域21BL-1が配置される。領域(iv)では、黒色の着色材を含む領域21BL-1の方が黒色の着色材を含まない領域21BL-2よりも面積が広い。
【0071】
文字の色が濃くなるに従い、光反射性の着色粒子を含む領域21-1の面積は増加し、光反射性の着色粒子を含まない領域21-2の面積は減少する。一方で、黒色の着色材を含む領域21BL-1の面積は減少し、黒色の着色材を含まない領域21BL-2の面積は増加する。領域(v)では、光反射性の着色粒子を含む領域21-1と、光反射性の着色粒子を含まない領域21-2の面積が反転し、光反射性の着色粒子を含む領域21-1の方が光反射性の着色粒子を含まない領域21-2よりも面積が広くなる。黒色の着色材を含まない領域21BL-2の方が黒色の着色材を含む領域21BL-1よりも面積が広くなる。最も文字の色が濃い領域(vi)では、光反射性の着色粒子を含む領域21-1のみとなり、黒色の着色材22BLは含まれない。文字以外の周辺領域(vii)は、黒色の着色材を含む領域21BL-1のみとなり、光反射性の着色粒子22は含まれない。
【0072】
このように、光反射性の着色粒子22を含む領域の割合が高い領域では、黒色の着色材22BLを含む領域の割合が低く、光反射性の着色粒子22を含む領域の割合が低い領域では、上記黒色の着色材22BLを含む領域の割合が高くなる。
【0073】
文字部分のみに光反射性の着色粒子を用いると、光反射性の着色粒子の濃度によっては、光反射性の着色粒子が含まれない文字以外の周辺領域との間で、表示状態において透過率に差が生じることも考えられる。実施形態3では、光反射性の着色粒子の濃淡が反転するように黒色の着色材を配置することで、表示画面の面内の透過率の差を低減し、表示状態においてより意匠部を視認し難くすることができる。
【0074】
黒色の着色材は、カーボンブラック等の無機顔料でもよいが、意匠部21の透過率を調整しやすいという観点からは、光反射性の着色粒子22が金属片が第1の色の顔料でコーティングされたものである場合、黒色の着色材22BLは、上記金属片が黒色顔料でコーティングされた黒色の光反射性の着色粒子であることが好ましい。光反射性の着色粒子22と黒色の着色材22BLの構成、サイズ等を同等とすることで、黒色の着色材22BLの添加量を調整することにより、意匠部21の透過率を調整することができる。
【0075】
黒色の光反射性の着色粒子22BLの濃度は、光反射性の着色粒子22の濃度と同等であることが好ましい。例えば、バインダー樹脂23中に含まれる光反射性の着色粒子22の濃度と、黒色の光反射性の着色粒子22BLの濃度との差は、5質量%以下であることが好ましい。
【0076】
<実施形態4>
実施形態4では、非表示状態において意匠部をカラー表示する方法について説明する。意匠層以外の構成は、実施形態1と同様であるため説明は省略する。
図21は、実施形態4に係る表示装置の意匠部の一部を拡大した平面模式図である。
図22は、実施形態4に係る表示装置の意匠部の一部を拡大した断面模式図の一例である。
【0077】
図21に示したように、実施形態4に係る表示装置1-Eは、意匠部21が、異なる色の光反射性の着色粒子を含む。また、
図22に示したように、意匠部21は、異なる色の光反射性の着色粒子を含む複数の層が厚み方向に積層される。異なる色の光反射性の着色粒子を含む複数の層を積層することで、非表示状態において外光が観察者側に反射する際に各層の色が加法混色され、意匠部21を多彩なカラーで表現することができる。
【0078】
上記複数の層は、赤色の光反射性の着色粒子22Rを含む層、緑色の光反射性の着色粒子22Gを含む層及び青色の光反射性の着色粒子22Bを含む層を含んでもよい。このような構成とすることで、フルカラー表示を行うことができる。
【0079】
図22では、青色の光反射性の着色粒子22Bを含む層、緑色の光反射性の着色粒子22Gを含む層、赤色の光反射性の着色粒子22Rを含む層を観察者側から順に積層する場合を例示したが、積層順は特に限定されない。
【0080】
外光を反射する反射表示において、下層に含まれる光反射性の着色粒子の色は、上層に含まれる光反射性の着色粒子に遮蔽されることが考えられる。そのため、観察者側に近い層に含まれる光反射性の着色粒子の含有量を、観察者側から遠い層に含まれる光反射性の着色粒子の含有量よりも少なくすることが好ましい。
図22の場合、青色の光反射性の着色粒子を含む層が最も観察者側に近いため、観察者は青色を強く視認する可能性がある。そこで、青色の光反射性の着色粒子22Bの含有量は、緑色及び赤色の光反射性の着色粒子22G及び22Rの含有量よりも少なくすることが好ましい。また、緑色の光反射性の着色粒子22Gの含有量は、赤色の光反射性の着色粒子22Rの含有量よりも少なくすることが好ましい。
【0081】
青色の光反射性の着色粒子22Bを含む層の厚さTB、緑色の光反射性の着色粒子22Gを含む各層の厚さTG及び赤色の光反射性の着色粒子22Rを含む各層の厚さTRは、例えば、10μm以上、50μm以下であってもよい。各層の厚さは同じであっても異なってもよい。
【0082】
他の方法としては、各色の層の厚さを厚くする方法が挙げられる。
図23は、実施形態4に係る表示装置の意匠部の一部を拡大した断面模式図の他の一例である。
図23は
図22よりも、青色、緑色、赤色の光反射性の着色粒子を含む各層の厚さT
B、T
G及びT
Rを厚くした例である。T
B、T
R及びT
Gを厚くすることで、外光L1の反射光が回り込んで下層の色も観察者側に出射されやすくなる。T
B、T
R及びT
Gは、例えば、30μm以上であってもよい。各層の厚さは同じであっても異なってもよい。
【0083】
更に他の方法としては、樹脂バインダー中に白色顔料等の光散乱粒子を添加することでも、下層の色を観察者側に出射させやすくすることができる。
【0084】
<実施形態5>
実施形態5は、非表示状態において、白色を鮮明に表現する方法について説明する。
図24は、実施形態5に係る表示装置の意匠部の一部を拡大した平面模式図である。
図25は、実施形態5に係る表示装置の意匠部の一部を拡大した断面模式図である。
図25に示したように、実施形態5に係る表示装置1-Fは、意匠部21が、異なる色の光反射性の着色粒子を含む複数の層が厚み方向に積層され、更に白色の光反射性の着色粒子22Wを含む層を含む。上記複数の層が、白色の光反射性の着色粒子22Wを含む層を含む点以外の構成は、実施形態4と同様であるため説明は省略する。
【0085】
上記複数の層は、赤色の光反射性の着色粒子22Rを含む層、緑色の光反射性の着色粒子22Gを含む層及び青色の光反射性の着色粒子22Bを含む層を含んでもよい。このような構成とすることで、フルカラー表示を行うことができる。
【0086】
実施形態4と同様に、異なる色の光反射性の着色粒子を含む複数の層を厚み方向に積層することで、加法混色により非表示状態において意匠部21を多彩なカラーで表現することができる。一方で、加法混色により白色を表示するためには、赤色、緑色及び青色の全ての色を重ねる必要があるが、観察者側に配置された層の色が強く反射し、着色するために白色を表現することが難しい。そこで、白色の光反射性の着色粒子22Wを含む層を加え、赤色、緑色、青色及び白色の4層で加法混色を行うことで、非表示状態において観察者に白色を鮮明に視認させることができる。
【0087】
青色、緑色、赤色及び白色の光反射性の着色粒子を含む層を観察者側から順に積層する場合を例示したが、積層順は特に限定されない。
【0088】
<実施形態6>
実施形態6では、実施形態4及び5とは異なる方法で、非表示状態において意匠部をカラー表示する方法について説明する。意匠層以外の構成は、実施形態1と同様であるため説明は省略する。
図26は、実施形態6に係る表示装置の意匠部の一部を拡大した平面模式図である。
図27は、実施形態6に係る表示装置の意匠部の一部を拡大した断面模式図である。
【0089】
図26及び
図27に示したように、実施形態6に係る表示装置1-Gは、意匠部21が、面内方向において、異なる色の光反射性の着色粒子を含む複数の領域に分割される。異なる色の光反射性の着色粒子は、実施形態4及び5のように異なる層に分けて積層されず、単層の意匠層20において、異なる色の光反射性の着色粒子が、色毎に異なる領域に分けて配置されている。異なる色の光反射性の着色粒子が重ならないため、非表示状態において意図した模様等を正確に表現しやすい。このような構成とすることで、非表示状態において、異なる色の光反射性の着色粒子を含む複数の領域で反射された各色が加法混色され、意匠部21を多彩なカラーで表現することができる。
【0090】
実施形態6における意匠層20の厚さT2は、特に限定されないが、例えば、10μm以上、50μm以下であってもよい。
【0091】
上記複数の領域は、赤色の光反射性の着色粒子22Rを含む領域(以下、赤色領域ともいう)、緑色の光反射性の着色粒子22Gを含む領域(以下、緑色領域ともいう)及び青色の光反射性の着色粒子22Bを含む領域(以下、青色領域ともいう)を含むことが好ましい。このような構成とすることで、フルカラー表示を行うことができる。各色の領域は、面積階調法により階調表示を行うことができ、所望の色を表現することができる。
【0092】
上記複数の領域は、更に、白色の光反射性の着色粒子22Wを含む領域(以下、白色領域ともいう)を含んでもよい。意匠部21が赤色領域、緑色領域及び青色領域の3色の領域で構成される場合、非表示状態における意匠部21の反射率は、最大で33%であるが、更に白色領域を加え、4色の領域で構成される場合、非表示状態における意匠部21の反射率は33%以上とすることができる。
【0093】
意匠部21には、赤色領域、緑色領域、青色領域、白色領域が、それぞれ複数含まれてもよい。各色を加法混色するためには、各色の一つの領域の面積は、目視できない程度に小さいことが好ましい。例えば、観察者と表示装置との距離が1m以下であり、一つの領域が正方形の場合は、一つの領域は、一辺が200μm以下であることが好ましい。一つの領域は、正方形の他に、長方形、ひし形、六角形等であってもよい。一つの領域は、繰り返し周期が200μm以下であってもよい。上記繰り返し周期とは、隣接する領域の重心間の最短距離をいう。例えば、後述する
図29では、赤色領域Rの重心と、上記赤色領域Rと行方向で隣接する緑色領域Gの重心との間の距離が、繰り返し周期となる。なお、観察者が離れた位置から表示装置を観察する場合には、一つの領域は上述のサイズ以上であってもよい。
【0094】
一つの赤色領域、一つの緑色領域、一つの青色領域は、ほぼ均等な面積に分割されることが好ましい。一つの赤色領域、一つの緑色領域、一つの青色領域の差は、例えば5%以下である。なお、白色領域の面積は、赤色領域、緑色領域及び青色領域の面積と同等でなくてもよく、所望に反射率によって適宜調整することができる。
【0095】
意匠部21が赤色領域、緑色領域及び青色領域を含む場合の各色の領域の配置方法は特に限定されず、表示装置の分野で公知の方法で配置することができ、例えば、デルタ型、ストライプ型、モザイク型等が挙げられる。
図28は、
図26に示した意匠部の赤色領域、緑色領域及び青色領域の配置方法を示した平面模式図であって、デルタ型で配置した場合の平面模式図である。
図29は、実施形態6において、赤色領域、緑色領域及び青色領域をストライプ型で配置した場合の平面模式図である。
図28及び
図29中、Rは赤色領域、Gは緑色領域、Bは青色領域を表す。
【0096】
デルタ型配置としては、赤色領域、緑色領域及び青色領域を行方向に繰り返し配置し、隣接する列では、上記繰り返し配置を行方向に半ピッチずらして配置する方法が挙げられる。ストライプ型配置としては、赤色領域、緑色領域及び青色領域を行方向に繰り返し配置し、列方向に同色の領域を配置する方法が挙げられる。また、モザイク型配置としては、赤色領域、緑色領域及び青色領域を行方向に繰り返し配置し、隣接する列では、上記繰り返し配置を行方向に1ピッチずらして配置する方法が挙げられる。
【0097】
図30は、実施形態6において、意匠部の赤色領域、緑色領域、青色領域及び白色領域の配置方法を示した平面模式図である。
図30中、Rは赤色領域、Gは緑色領域、Bは青色領域、Wは白色領域を表す。意匠部21が赤色領域、緑色領域、青色領域及び白色領域を含む場合の各色の領域の配置方法は、特に限定されないが、
図30に示したように、青色領域と白色領域とが行方向に交互に配置された第一の行と、赤色領域と緑色領域とが行方向に交互に配置された第二の行とを含み、上記第一の行と上記第二の行とを列方向に交互に配置する方法が挙げられる。
【0098】
<実施形態7>
図31は、実施形態7に係る表示装置の一例を示した断面模式図である。
図31に示したように、実施形態7に係る表示装置1-Hは、表示パネル10と意匠層20の間に、表示パネル10側から順に偏光板60と位相差板70とを備える。偏光板60と位相差板70とを備える点以外の構成は、実施形態1と同様であるため説明は省略する。実施形態7は、実施形態1~6と適宜組み合わせることができる。
【0099】
表示状態で表示パネル10側から出射された光の大部分は、観察者側に出射され、所望の画像を表示する。一方で、表示パネル10側から出射された光の一部は、意匠部21に含まれる光反射性の着色粒子22に反射され、表示パネル10側に戻ってしまうことがある。表示パネル10側に戻された光は、表示パネル10内で迷光となり、表示装置のコントラストを低下させたり、色度変化を起こさせたりすることも考えられる。そこで、実施形態7では、表示パネル10と意匠層20の間に、表示パネル10側から順に偏光板60と位相差板70とを配置することで、光反射性の着色粒子22により表示パネル10側に反射された光は、偏光板60に吸収され、表示パネル10の内部に観察者側から光が入射することを防ぐことができる。
【0100】
偏光板60は特に限定されず、表示装置の分野において通常用いられるものを使用することができる。偏光板60は、直線偏光板であることが好ましく、吸収型偏光板であることがより好ましい。吸収型偏光板は、特定の振動方向の光を透過する透過軸と、上記透過軸と直交する吸収軸とを有し、入射光のうち透過軸方向に振動する偏光を透過し、吸収軸方向に振動する偏光を吸収する。
【0101】
位相差板70は、入射光に対して位相差を与える部材である。位相差板70は、λ/4波長板であることが好ましい。λ/4波長板は、例えば波長550nmの光に対してλ/4波長(厳密には、137.5nm)の面内位相差を付与する位相差板をいい、120nm以上、150nm以下の面内位相差を付与するものであればよい。
【0102】
λ/4波長板は進相軸と、上記進相軸と直交する遅相軸を有してもよく、上記進相軸は、偏光板60の透過軸と実質的に45°の角度を成すように配置することが好ましい。実質的に45°とは、好ましくは45°±3°の範囲内であり、より好ましくは45°±1°の範囲内であり、更に好ましくは45°±0.5°の範囲内である。直線偏光板とλ/4波長板とを組み合わせることで円偏光板として機能させ、より効果的に表示パネル10の内部に観察者側から光が入射することを防ぐことができる。
【0103】
<実施形態8>
図32は、実施形態8に係る表示装置の一例を示した断面模式図である。実施形態8に係る表示装置1-Iは、表示パネルと意匠層の間に、空気層を有さない。
図32に示したように、表示パネル10の前面側に透明基材30を有し、表示パネル10と透明基材30とが光学接着層80により貼り合わされていてもよい。
【0104】
上述のように、表示パネル10側から出射された光の一部は、意匠部21に含まれる光反射性の着色粒子22に反射され、表示パネル10側に戻ってしまうことがある。表示パネル10と意匠層の間に空気層があると、表示パネル側に戻された光は、透明基材30の背面側の表面や表示パネル10の前面側の表面で界面反射し、表示装置のコントラストを低下させることも考えられる。表示パネル10と透明基材30との間に光学接着層80を充填することで、上記界面反射を抑制し、コントラストの低下を抑制することができる。
【0105】
光学接着層80は、表示装置の分野において、光学部材の貼り合わせに用いられるものを使用することができる。光学接着層80は、例えば、全光線透過率が90%以上であることが好ましく、ヘイズが10%以下であることが好ましい。光学接着層80の屈折率は、空気層の屈折率よりも大きいことが好ましい。光学接着層80としては、例えば、日東電工株式会社製の光学用透明粘着シート LUCIACSを用いることができる。
【0106】
<実施形態9>
図33は、実施形態9に係る表示装置の一例を示した断面模式図である。実施形態9は、実施形態8のとは異なる方法で、コントラストの低下を抑制する方法である。
図33に示したように、実施形態9に係る表示装置1-Jは、表示パネル10の前面側に偏光板60を備え、偏光板60の前面側の表面又は背面側の表面に、意匠層20が配置される。意匠部21は、偏光板60の前面側の表面又は背面側の表面に、直接印刷されてもよく、偏光板60と接してもよい。
【0107】
実施形態9では、意匠層20と表示パネル10との間に空気層を有さないことから、表示パネル10側から出射された光の一部は、意匠部21に含まれる光反射性の着色粒子22に反射されたとしても界面反射が起こらず、コントラストの低下を抑制することができる。
【0108】
実施形態1~9に係る表示装置は、例えば、自動車のインストルメントパネル(instrument panel)として用い、速度メーター等の計器類を表示してもよいし、家電の操作パネル等に用いてもよい。
【符号の説明】
【0109】
1-A、1-B、1-C、1-D、1-E、1-F、1-G、1-H、1-I、1-J:表示装置
10:表示パネル
20:意匠層
21:意匠部
21-1:光反射性の着色粒子を含む領域
21-2:光反射性の着色粒子を含まない領域
21BL-1:黒色の着色材を含む領域
21BL-2:黒色の着色材を含まない領域
22、22-1、22-2:光反射性の着色粒子
22B:青色の光反射性の着色粒子
22BL:黒色の着色材(黒色の光反射性の着色粒子)
22G:緑色の光反射性の着色粒子
22R:赤色の光反射性の着色粒子
22W:白色の光反射性の着色粒子
22a:金属片
22b:顔料
23:バインダー樹脂
30:透明基材
40:黒色層
50:空気層
60:偏光板
70:位相差板
80:光学接着層
100:干渉顔料
101:基材
102:コーティング層
103:ベースフィルム