(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】ミスカット基板を用いた高パワーの窒化ガリウムエレクトロニクス
(51)【国際特許分類】
H01L 29/861 20060101AFI20240927BHJP
H01L 29/868 20060101ALI20240927BHJP
H01L 29/20 20060101ALI20240927BHJP
H01L 29/06 20060101ALI20240927BHJP
H01L 29/872 20060101ALI20240927BHJP
H01L 29/47 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
H01L29/91 F
H01L29/20
H01L29/91 D
H01L29/06 301M
H01L29/06 301V
H01L29/86 301D
H01L29/86 301M
H01L29/48 D
H01L29/48 M
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022178273
(22)【出願日】2022-11-07
(62)【分割の表示】P 2020138303の分割
【原出願日】2014-11-03
【審査請求日】2022-12-07
(32)【優先日】2013-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516131452
【氏名又は名称】アヴォジー,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100137969
【氏名又は名称】岡部 憲昭
(74)【代理人】
【識別番号】100104824
【氏名又は名称】穐場 仁
(72)【発明者】
【氏名】キジルヤリ,イシク シー.
(72)【発明者】
【氏名】バウアー,デイヴィッド ピー.
(72)【発明者】
【氏名】プランティー,トーマス アール.
(72)【発明者】
【氏名】イエ,ガンフェン
【審査官】恩田 和彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-067556(JP,A)
【文献】特開2012-235091(JP,A)
【文献】特開2008-294437(JP,A)
【文献】特開昭59-108366(JP,A)
【文献】特開2013-211552(JP,A)
【文献】特開2006-156958(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/861
H01L 29/20
H01L 29/06
H01L 29/872
H01L 29/47
H01L 29/778
H01L 29/812
H01L 29/868
H01L 21/329
H01L 21/337
H01L 21/338
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
六方晶構造と、[0001]方向から、[1-100]方向に向かって-0.35°~-0.6°の範囲の角度、および[11-20]方向に向かって-0.1°~-0.15°の範囲の角度の方位差によって特徴付けられる成長表面の法線を有するIII-V族基板と、
前記III-V族基板に結合された第1のエピタキシャル層と、
前記第1のエピタキシャル層に結合された第2のエピタキシャル層と、
前記第2のエピタキシャル層へ延在する1つまたは複数の陥凹領域であって、前記1つまたは複数の陥凹領域のそれぞれは、前記第2のエピタキシャル層における側壁表面と、横方向表面とを画定し、ドープされた領域が前記側壁表面および前記横方向表面に延在する、1つまたは複数の陥凹領域と、
前記III-V族基板と電気的に接続されるドレインコンタクトと、
前記第2のエピタキシャル層と電気的に接続されるソースコンタクトと、
前記ドープされた領域と電気的に接続されるゲートコンタクトと
を含む、電界効果トランジスタ。
【請求項2】
前記III-V族基板がn型のGaN基板を含む、請求項1に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項3】
前記第1のエピタキシャル層が、n型のGaNエピタキシャル層を含み、前記第2のエピタキシャル層が、n型のGaNエピタキシャル層を含む、請求項1に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項4】
前記ドープされた領域が、拡散領域を含む、請求項1に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項5】
前記ドープされた領域が、亜鉛を含む、請求項1に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項6】
前記ドープされた領域が、マグネシウムを含む、請求項1に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項7】
前記ドープされた領域が、ベリリウムを含む、請求項1に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項8】
前記ドープされた領域が、カルシウムを含む、請求項1に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項9】
前記第1のエピタキシャル層が5μmより大きい厚さを有する、請求項1に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項10】
前記第1のエピタキシャル層中のドーパント濃度は、前記第1のエピタキシャル層の厚さの関数として変化する、請求項1に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項11】
前記第2のエピタキシャル層中のドーパント濃度は、前記第2のエピタキシャル層の厚さの関数として変化する、請求項1に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項12】
前記横方向表面が、第1のエピタキシャル層の成長方向に実質的に直交している、請求項1に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項13】
前記側壁表面が、第2のエピタキシャル層の成長方向に実質的に平行である、請求項1に記載の電界効果トランジスタ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[0001]パワーエレクトロニクスは、さまざまな用途で広く使用されている。パワー電子デバイスは、一般に、例えば、交流から直流に、ある電圧レベルから別のレベルに、または他の方法で、電気エネルギーの形態を変更するために回路で使用されている。このようなデバイスは、モバイルデバイスにおけるミリワットからの高電圧送電系における数百メガワットまで、広い範囲のパワーレベルにわたって動作することができる。パワーエレクトロニクスの進歩にもかかわらず、この分野では、改善されたエレクトロニクスシステムおよびその動作方法が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
[0002]本発明は、一般に、電子デバイスに関するものである。より具体的には、本発明は、高パワーエレクトロニクスのために有用な窒化ガリウム(GaN)系エピタキシャル層の製造に関する。特定の実施形態では、(0001)面から<1-100>方向に対して1度未満の方位差をつけられた成長面を有するGaN基板が、エピタキシャル成長プロセスにおいて利用される。方位差をつけられた基板上に成長させたエピタキシャル層の表面モフォロジおよび電気的特性は、高パワー電子デバイスでの使用に適している。その方法および技術を、ダイオードやFET等を含む多様な化合物半導体システムに適用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0003】
[0003]本発明の実施形態によれば、電子デバイスが提供されている。電子デバイスは、六方晶構造と、<0001>方向から0.15°~0.65°の方位差によって特徴付けられる成長表面の法線を有するIII-V族基板を含む。また、電子デバイスは、III-V族基板に結合された第1のエピタキシャル層と、第1のエピタキシャル層に結合された第2のエピタキシャル層を含む。電子デバイスは、基板と電気的に接続される第1のコンタクトと、第2のエピタキシャル層と電気的に接続される第2のコンタクトをさらに含む。
【0004】
[0004]本発明の実施形態によれば、電子デバイスを製造する方法が提供されている。この方法は、六方晶構造と、<0001>方向から0.15°~0.65°の方位差によって特徴付けられる成長表面の法線を有するIII-V族基板を提供するステップを含む。また、この方法は、III-V族基板に結合された第1のエピタキシャル層を成長させるステップと、第1のエピタキシャル層に結合された第2のエピタキシャル層を成長させるステップを含む。この方法は、基板と電気的に接続される第1のコンタクトを形成するステップと、第2のエピタキシャル層と電気的に接続される第2のコンタクトを形成するステップをさらに含む。
【0005】
[0005]多くの利点は、従来技術にまさる本発明の方法によって達成される。例えば、本発明の実施形態は、高パワーエレクトロニクスデバイスで使用するのに適したエピタキシャル層を製造するための方法およびシステムを提供している。一実施形態では、高電圧動作時(例えば、200Vより大きい電圧)のデバイス性能は、従来の設計に比べて改善されている。本発明のこれらおよび他の実施形態は、その利点および特徴の多くとともに、以下の本文および添付の図面に関連してより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の実施形態に係る高電圧PNダイオード構造の概略断面図である。
【
図2A】六方相のバルクGaN基板ウェハのミラー指数を示す概略図である。
【
図2B】c面のGaN結晶の結晶軸方向を示す概略図である。
【
図2C】本発明の実施形態に係るミスカット角のベクトルの性質を示す概略図である。
【
図2D】本発明の実施形態に係るミスカット角の放射状ベクトルの性質を示す概略図である。
【
図3A】基板の方位差が0.15°未満の場合の、エピタキシャル表面のノマルスキー顕微鏡写真である。
【
図3B】基板の方位差が0.65°より大きいの場合の、エピタキシャル表面のノマルスキー顕微鏡写真である。
【
図4A】直交する方向での基板方位差に対してマッピングされたさまざまなエピタキシャル成長層の表面モフォロジを示すプロットである。
【
図4B】本発明の実施形態に係るミスカット角の関数としてウェハ品質データを示すグラフである。
【
図5A】本発明の実施形態に係る高電圧PNダイオードの順バイアスの電流-電圧特性を示すグラフである。
【
図5B】本発明の実施形態に係る高電圧PNダイオードの逆バイアスの電流-電圧特性を示すグラフである。
【
図6】従来の基板を用いて作製されたGaNのPNダイオードと比較した、本発明の実施形態に係る高電圧のGaNのPNダイオードの逆バイアスの電流-電圧特性を示すグラフである。
【
図7】本発明の実施形態に係る電子デバイスを製造する方法を示す簡略フローチャートである。
【
図8B】ウルツ鉱型結晶の結晶面を示す別の図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[0020]本発明の実施形態は、電子デバイスに関する。より具体的には、本発明は、高パワーエレクトロニクスのために有用な窒化ガリウム(GaN)系エピタキシャル層の製造に関する。特定の実施形態では、(0001)面から<1-100>方向に対して1度未満の方位差をつけられた成長面を有するGaN基板が、エピタキシャル成長プロセスにおいて利用される。方位差をつけられた基板上に成長させたエピタキシャル層の表面モフォロジおよび電気的特性は、高パワー電子デバイスでの使用に適している。その方法および技術を、ダイオードやFET等を含む多様な化合物半導体系に適用することができる。
【0008】
[0021]GaN系の電子および光電子デバイスは急速な発展をしている。GaNや、関連する合金およびヘテロ構造に関連する望ましい特性は、可視光および紫外光の放出のための高いバンドギャップエネルギー、良好な輸送特性(例えば、高い電子移動度および飽和速度)、高い降伏電界、および高い熱伝導率を含む。本発明の実施形態によれば、擬似バルクGaN基板上の窒化ガリウム(GaN)エピタキシは、従来の技術を用いて可能ではない縦型のGaN系半導体デバイスを製造するために利用される。例えば、GaNを成長させる従来の方法は、シリコンカーバイド(SiC)などの異種基板を使用することを含む。これにより、GaN層と異種基板との間の熱膨張係数および格子定数の差に起因して、異種基板上に成長させる使用可能なGaN層の厚さを制限することができる。GaNと異種基板との界面における高い欠陥密度は、JFETや他の電界効果トランジスタなどのパワー電子デバイスを含む縦型デバイスを作成しようとする試みをさらに複雑にする。
【0009】
[0022]バルクGaN基板上のホモエピタキシャルGaN層は、一方では、従来の技術およびデバイスに優れた特性を提供するために、本明細書に記載の実施形態において利用される。例えば、電子移動度μが、所定のバックグラウンドドーピングレベルNに対してより高い。抵抗率は、電子移動度に反比例するので、これは、式(1)により与えられるように、低い抵抗率ρを提供する(1):
,(1)
ここで、qは電気素量である。
【0010】
[0023]バルクGaN基板上のホモエピタキシャルGaN層によって提供される別の優れた特性は、アバランシェ降伏のための高い臨界電界である。高い臨界電界により、大きな電圧が、低い臨界電界を有する材料よりも、より小さい長さL上でサポートされることが可能である。電流が低い抵抗で一緒に流れるためのより小さい長さは、他の材料よりも、低い抵抗Rを引き起こし、抵抗を、以下の式によって決定することができる:
,(2)
ここで、Aは、チャネルまたは電流経路の断面積である。
【0011】
[0024]一般には、トレードオフが、デバイスのオフ状態で高い電圧をサポートするために必要なデバイスの物理的寸法と、オン状態で低い抵抗を有する同じデバイスに電流を流す能力との間で存在する。多くの場合、GaNは、このトレードオフを最小限に抑え、性能を最大化する点で、他の材料よりも好ましい。また、バルクGaN基板上に成長させたGaN層は、不適正な基板上に成長させた層と比較して低い欠陥密度を有している。低い欠陥密度は、優れた熱伝導性、動的なオン抵抗などの低いトラップ関連の影響、および信頼性の向上を引き起こすことになる。
【0012】
[0025]
図1は、本発明の実施形態に係る高電圧PNダイオード構造の概略断面図である。
図1を参照すると、第1の窒化ガリウム(GaN)エピタキシャル層115(例えば、N
-GaNドリフト領域)は、同じ導電型を有するGaN基板110上に形成されている。GaN基板110を、第1のGaNエピタキシャル層115が成長する擬似バルクまたはバルクGaN材料とすることができる。当業者には明らかとされるように、バッファ層(図示せず)を利用することができる。GaN基板110のドーパント濃度(例えば、ドーピング密度)を、所望の機能に応じて、変えることができる。例えば、GaN基板110は、1×10
17cm
-3~1×10
19cm
-3の範囲のドーパント濃度を有する、n+導電型を有することができる。GaN基板110は、単一の材料組成を含むものとして示されているが、複数層を、基板の一部として設けることができる。また、接着層、バッファ層、および他の層(図示せず)を、エピタキシャル成長プロセス中に使用することができる。当業者には、多くの変形、修正、および代替が認識されよう。
【0013】
[0026]第1のGaNエピタキシャル層115の特性もまた、所望の機能に応じて、変えることができる。第1のGaNエピタキシャル層115は、PNダイオードのためのドリフト領域として機能することができ、したがって、これを比較的に低ドープ材料とすることができる。例えば、第1のGaNエピタキシャル層115は、1×1014cm-3~1×1018cm-3の範囲のドーパント濃度を有する、n-導電型を有することができる。また、ドーパント濃度を均一にすることができるか、または、例えば、ドリフト領域の厚さの関数として、変化させることができる。
【0014】
[0027]第1のGaNエピタキシャル層115の厚さもまた、所望の機能に応じて、実質的に変えることができる。上述したように、ホモエピタキシャル成長は、第1のGaNエピタキシャル層115を、従来の方法を用いて形成された層よりもはるかに厚く成長させることを可能にすることができる。一般に、いくつかの実施形態において、厚さを、例えば0.5μmから100μmの間で変化させることができる。他の実施形態では、厚さは5μmより大きい。PNダイオード100のための得られた平行面の降伏電圧は、実施形態に応じて変化することができる。いくつかの実施形態は、少なくとも100V、300V、600V、1.2kV、1.7kV、3.3kV、5.5kV、13kV、または20kVの降伏電圧を提供する。
【0015】
[0028]
図1を再度参照すると、第2のGaNエピタキシャル層120が、第1のGaNエピタキシャル層201上に形成されている。第2のGaNエピタキシャル層120は、PNダイオードのp型領域を形成する際に使用され、第1のGaNエピタキシャル層115とは異なる導電型を有している。例えば、第1のGaNエピタキシャル層115がn型のGaN材料から形成されている場合、第2のGaNエピタキシャル層120は、p型のGaN材料から形成されることになり、その逆も同様である。
図1に示すように、絶縁領域は、PNダイオードの横方向の範囲を画定するために形成されている。高抵抗によって特徴付けられる絶縁領域を形成するための適切な技術は、イオン注入、低導電性材料のエッチングおよびエピタキシャル再成長、酸化物および/または窒化物などの絶縁材料のエッチングおよび堆積、またはこれらの組み合わせなどを含むことができる。当業者には、多くの変形、修正、および代替が認識されよう。
【0016】
[0029]第2のGaNエピタキシャル層120の厚さを、層を形成するために使用されるプロセスおよびデバイス設計に応じて、変えることができる。いくつかの実施形態では、第2のGaNエピタキシャル層120の厚さは、0.1μm~5μmである。他の実施形態では、第2のGaNエピタキシャル層120の厚さは、0.3μm~1μmである。
【0017】
[0030]第2のGaNエピタキシャル層120を、例えば、約5×1017cm-3から約1×1019cm-3の範囲で、高度にドープすることができる。さらに、他のエピタキシャル層と同様に、第2のGaNエピタキシャル層120のドーパント濃度を、厚さの関数としての均一または不均一にすることができる。いくつかの実施形態では、ドーパント濃度が、第1のGaNエピタキシャル層115近くで比較的低く、第1のGaNエピタキシャル層115から離れるにつれて増加するように、ドーパント濃度は厚さとともに増加する。このような実施形態は、金属コンタクトをその後に形成することができる第2のGaNエピタキシャル層120の上部に、より高いドーパント濃度を提供する。他の実施形態は、オーミックコンタクトを形成するために高濃度にドープされたコンタクト層(図示せず)を利用する。
【0018】
[0031]第2のGaNエピタキシャル層120、および本明細書に記載の他の層を形成する1つの方法は、その場でのエッチングおよび拡散製造プロセスを使用する再成長プロセスを介してであってもよい。これらの製造プロセスは、2011年8月4日に出願された、米国特許出願第13/198666号明細書により詳細に説明され、この開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0019】
[0032]また、
図1は、本発明の実施形態に係る電子デバイスのために形成された電気コンタクトを示している。
図1に示すように、金属構造体135は、GaN基板110と電気的に接触して形成されている。金属構造体135を、PNダイオード100のカソード用コンタクトとして機能するオーミック金属の1つまたは複数の層とすることができる。例えば、金属構造体135は、チタン-アルミニウム(Ti/Al)のオーミック金属を含むことができる。アルミニウム、ニッケル、金、またはこれらの組み合わせなどを含む他の金属および/または合金を使用することができるが、これらに限定されるものではない。いくつかの実施形態では、金属構造体135の最も外側の金属は、金、タンタル、タングステン、パラジウム、銀、アルミニウム、またはこれらの組み合わせなどを含むことができる。金属構造体135を、例えば、スパッタリング、蒸着などの種々の方法のいずれかを用いて形成することができる。
【0020】
[0033]また、
図1は、第2のエピタキシャル層120と電気的に接触している追加の金属構造体130を示している。追加の金属構造体130を、金属構造体135と同様の金属および/または合金を含むオーミック金属の1つまたは複数の層とすることができる。追加の金属構造体130は、PNダイオード100のアノードコンタクトとして機能するように、第2のエピタキシャル層120上に形成されている。追加の金属構造体130を、その後のエッチングでのリフトオフおよび/または堆積を含むさまざまな技術を用いて形成することができ、技術は、使用される金属に応じて変えることができる。金属の例としては、ニッケル-金(Ni/Au)などが挙げられる。いくつかの実装形態では、追加の金属構造体130は、第1のエピタキシャル層と接触して形成され、ショットキー金属が、ショットキーダイオードの形成に適切なように利用される。
【0021】
[0034]異なるドーパントを、本明細書に開示されたn型およびp型のGaNエピタキシャル層と構造体を作成するために使用することができる。例えば、n型ドーパントは、シリコン、酸素などを含むことができる。p型ドーパントは、マグネシウム、ベリリウム、カルシウム、亜鉛などを含むことができる。
【0022】
[0035]いくつかの実施形態では、GaN基板とGaNエピタキシャル層に関して説明されているが、本発明はこれらの特定の2成分から成るIII-V族材料に限定されるものではなく、III-V族材料のより広いクラスに、特にIII族窒化物材料に適用可能である。また、GaN基板が
図1に示されているが、本発明の実施形態は、GaN基板に限定されるものではない。他のIII-V族材料、特に、III族窒化物材料は、本発明の範囲内に含まれており、図示したGaN基板だけでなく、本明細書に記載の他のGaN系の層および構造体について置換され得る。例として、2成分から成るIII-V族(例えば、III族窒化物)材料、InGaNやAlGaNなどの3成分から成るIII-V族(例えば、III族窒化物)材料、AlInGaNなどの4成分から成るIII族窒化物材料、およびこれらの材料のドープされたバージョンなどが、本発明の範囲内に含まれる。
【0023】
[0036]
図1に関連して説明した製造プロセスは、n型基板を用いてn型ドリフト層を成長させるプロセスフローを利用する。ただし、本発明は、この特定の構成に限定されるものではない。他の実施形態では、p型ドーピングを有する基板が利用される。さらに、実施形態は、異なる機能を有するデバイスを提供するために反対の導電型を有する材料を使用することができる。このように、いくつかの例は、シリコンでドープされたn型のGaNエピタキシャル層(複数可)の成長に関連しているが、他の実施形態では、本明細書に記載の技術は、高度にまたは軽度にドープされた材料や、p型材料や、Mg,Ca,Be,Ge,Se,S,O,Teなどのシリコンに加えて、またはこれら以外のドーパントでドープされた材料の成長に適用可能である。本明細書で説明した基板は、単一材料系または複数の層の複合構造を含む複合材料系を含むことができる。当業者には、多くの変形、修正、および代替が認識されよう。
【0024】
[0037]
図1に示したエピタキシャル層の成長の際に、本発明者らは、所定のミスカット角によって特徴付けられる基板上に成長させたエピタキシャル層が、従来の構造に比べて高パワー電子デバイス(例えば、高電圧で動作)の面で改良された性能を提供することを確認した。GaN基板のc面上に成長させたエピタキシャル層について、層のモフォロジおよび、重要なことに、これらのエピタキシャル層を用いて形成されたデバイスの性能は、より高い電圧で低下し、これらの高パワー用途への適用可能性を低減させる。本発明者らは、本発明の実施形態を限定することなく、所定の方向でわずかな割合だけの、結晶面(例えば、c面)からの基板の成長表面の方位差が、層のモフォロジを改善し、この改善された層を用いて製造されたデバイスのデバイス性能を改善することを確認した。
【0025】
[0038]
図8Aおよび
図8Bは、ウルツ鉱型結晶の結晶面を示す図である。
図8Aでは、ウルツ鉱型結晶のa面が示され、
図8Bでは、ウルツ鉱型結晶のm面が示されている。c軸(0001)は図の面に垂直であり、(000-1)軸は図の面内を指す。
図8Aに示すように、すべて60°離れて、6つのa面が存在する。
図8Bに示すように、すべて60°離れて、6つのm面が存在する。重ねたとき、m面およびa面は、これらの面間で30°の角度で互いに貫通し合う。GaNがウルツ鉱型結晶構造を有することは、当業者には明らかとされよう。
【0026】
[0039]
図2Aは、六方相のバルクGaN基板ウェハのミラー指数を示す概略図である。破線の矢印は、<0001>、<1-100>、および<11-20>方向の方向を示している。実線の矢印210は、本明細書のいくつかの実施形態に従って記載の高電圧電子デバイス構造のエピタキシャル成長のために利用される<1-100>方向に対しての方位差の方向を示している。
図2Aに示すように、本発明の実施形態は、成長面が(0001)面と整列されていない基板を利用する。本明細書に記載のように、成長面の法線が、<0001>方向(すなわち、方位差角(θ))から-<1-100>方向または<1-100>方向に向かって、0<θ<1.0°だけ方位差をつけられている。本発明のいくつかの実施形態によれば、θの大きさは約0.15°<θ<0.65°の範囲である。特定の実施形態では、方位差角θの範囲は、約0.4°<θ<0.5°ある。
【0027】
[0040]このように、本発明の実施形態によれば、III-V族(例えば、GaN)基板の成長面は、c面から正または負のm方向に向かって、ゼロから1.0°の値を有する角度で方位差をつけられる。さらに、基板の成長表面の法線はまた、a方向に向かってまたはa方向から離れて傾斜するようにも方位差をつけることができる。<0001>方向から離れてa方向に向かう方位差は、いくつかの実施形態ではゼロである。
図2Aに示す実施形態では、成長表面の法線は、<0001>方向から<1-100>方向に向かう-0.15°~-0.65°の方位差、および<0001>方向から<11-20>方向に向かうゼロの方位差によって特徴付けられる。
【0028】
[0041]いくつかの実施形態では、成長表面の方位は、成長表面が(0001)面に対して傾斜しているようなものであり、結果として、成長表面の法線は、正の<1-100>方向に向かって1度未満傾斜している。本発明者らは、(0001)面から負のm方向に向かって0.15°から0.65°だけ、または正のm方向に向かって0.15°から0、65°だけ離れる方位差による成長表面の傾斜が、厚いエピタキシャル層の表面モフォロジに改善をもたらし、それに応じてデバイス性能に改善をもたらすことを確認した。したがって、本発明の実施形態は、0.15°より大きくかつ1度未満の角度で、(0001)面に対して傾斜した成長表面を提供する。当業者には、多くの変形、修正、および代替が認識されよう。
【0029】
[0042]
図2Bは、本発明の実施形態に係るミスカット角を示す概略図である。実線の矢印はa面と関連しており、破線の矢印はm面と関連している。この図については、c軸が図の面に垂直である。本発明の実施形態によれば、GaNウェハについて、c面は、ウェハ表面に(ほぼ)垂直であり、このため、m方向とa方向は、
図2Bに示すように向けられている。なお、
図2Bに示した例は、1つの軸規則を利用するが、ウェハフラットに対して180°回転した軸規則を含む、他の軸規則を利用することができることに留意すべきである。どちらの規則も、対称的に等価である。
【0030】
[0043]ミスカットターゲット方向250が、軸規則のそれぞれについて、左に向かって(平面に対して平行に)示されている。所定の仕様ウィンドウ251が、m方向を中心とするボックスとして表され、またa方向を含むことができる。図示の軸規則では、ミスカットターゲットは[-1100]に沿っている。ウェハ平面に対して180°回転した代替の軸規則では、ミスカットターゲットは[1-100]に沿っている。したがって、両方の規則では、平面が底側にある場合、両方のミスカットターゲットは左を指す。
【0031】
[0044]
図2Cは、本発明の実施形態に係るミスカット角のベクトルの性質を示す概略図である。
図2Cに示すように、ミスカット角Rは、m方向およびa方向のコンポーネントによって画定されるベクトル量である。両方とも、ウェハ全体で独立して変化することができ、異なる効果を有し得る。物理的に、このベクトルを、矩形領域250によって示されるように、ウェハの表面によって画定される面上に投影される結晶学的なc方向とみなすことができる。
【0032】
[0045]
図2Dは、本発明の実施形態に係るミスカット角の代替の仕様を示す概略図である。
図2Dでは、ミスカット仕様260は、m面およびa面のコンポーネントに対するミスカット角によって特定されるのではなく、領域260に示されるように、ミスカット角の大きさ|R|およびθ方向によって特定され得る。
【0033】
[0046]
図3Aは、基板の方位差が0.15°未満の場合の、エピタキシャル表面のノマルスキー顕微鏡写真である。
図3Bは、基板の方位差が0.65°より大きいの場合の、エピタキシャル表面のノマルスキー顕微鏡写真である。
図3Aに示すように、0.15°未満の方位差を有する基板上に成長させたエピタキシャル層の表面モフォロジは、数十から数百ミクロンオーダの横方向の寸法と、数ミクロンまでの高さを有する、大きな六角形のヒロックによって特徴付けられている。本発明者らは、エピタキシャル層の厚さが増加するにつれて、ヒロックの横方向の寸法が大きくなると考えている。
図3Bを参照すると、0.65°より大きいの方位差を有する基板上に成長させたエピタキシャル層の表面モフォロジは、スカラップ表面によって特徴付けられ、これを、数ミクロンオーダまでの横方向および縦方向の寸法を有する、畝模様のまたは鱗状の表面と称することもできる。本発明の範囲に含まれる範囲外のこれらの基板の方位差値の両方を利用してこれらの基板上に成長させた、エピタキシャル層を用いて製造するデバイスは、高パワーレジームで動作中の望ましくないレベルのデバイス漏れによって特徴付けられる。
【0034】
[0047]
図4Aに関連してさらに詳細に説明したように、本発明者らは、強い相関が、基板の方位差と、表面モフォロジと、高パワーデバイス性能との間で存在することを確認した。m方向から約-0.4°~-0.5°の基板の方位差については、良好な表面モフォロジが、結果として、改善された高パワー動作特性を有するデバイスを生成する。
【0035】
[0048]
図4Aは、直交する方向での基板の方位差に対してマッピングされたさまざまなエピタキシャル成長層の表面モフォロジを示すプロットである(すなわち、<1-100>方向および<11-20>方向)。縦軸が、a方向に向かって(<11-20>方向に向かって)ミスカット角を度で表している。横軸が、m方向に向かって(<1-100>に向かって)ミスカット角を表している。
図3に示すように、エピタキシャル層のための良好なモフォロジ(黒丸)は、ミスカット角(θ)がa方向に向かってゼロ近くのミスカットであり、m方向に向かって約-0.35°~-0.55°のミスカットである場合の結果である。特定の実施形態では、m方向に向かって-0.4°~-0.5°のミスカット角が使用される。
【0036】
[0049]なお、a方向に向かって実質的にゼロ度で基板のミスカット角を保持することで、良好な表面モフォロジを得ることができることに留意すべきである。また、
図4Aを参照すると、a方向およびm方向に対して両方の方位差を調整することによって、良好な表面モフォロジを得ることもできることに留意すべきである。a方向=-0.13°およびm方向=-0.33°(データ点421)での不良な表面モフォロジと、a方向に向かって-0.13°およびm方向=-0.43°(データ点423)のミスカットについて得られた良好な表面モフォロジによって示されているように、m方向でのミスカット角の絶対値の増加はまた、良好な表面モフォロジをもたらすことになる。したがって、a方向に対するミスカット角の変化を、m方向に対するミスカット角の変化によって補償することができる。当業者には、多くの変形、修正、および代替が認識されよう。
【0037】
[0050]
図4Aを参照すると、70個のデータ点が示されており、14枚のGaN基板上で測定された5点を表している。各基板上の5点に関連して提供されたデータは、ミスカットの情報を含んでいた。これらのウェハのミスカット仕様は、m方向に向かって-0.4°のミスカットと、a方向に向かって0°のミスカットで、その両方の許容差は±0.3°であった。その5点は、ノマルスキー顕微鏡を用いて画像化され、良好(黒丸)、不良(×)、または境界線(白丸)であると判定された。良好なモフォロジは、a方向に向かって0°近くのミスカット、およびm方向に向かって約-0.4°~-0.5°のミスカットについて得られた。このように、データで実証されたように、m方向に向かって-0.3°未満の<0001>方向に対するミスカットは、不良なモフォロジをもたらす。さらに、高いミスカット角(すなわち、<0001>方向に対して±0.6°より大きい)は、不良なモフォロジをもたらす。
【0038】
[0051]ウェハ全体の結晶面方位の製造許容誤差や変形を考慮すると、本発明の実施形態は、良好な表面モフォロジ(およびその結果としての高いデバイス歩留まり)を有する材料の可能な限り最大の領域を生成するターゲットミスカット値を利用する。
図4Aに示し、上述したように、m方向に向かう大きなミスカットは、a方向に向かうミスカットにいくつかの変形を収容することができる。
図4Aを参照すると、-0.13°のa方向のミスカットは、水平の破線で表されている。a方向のミスカットのこの値において、0.35°未満のm方向のミスカットは、不良なモフォロジを生成し、一方で、より大きなm方向のミスカットは、良好なモフォロジをもたらす。このように、m方向およびa方向のミスカットは、モフォロジに影響を与えるように相互作用し、より大きなm方向のミスカットを、a方向のミスカットの変形例を適合させるために利用することができる。
【0039】
[0052]基板の仕様は、基板に特定のミスカット方位を指定することができるが、基板全体の方位に関するばらつきは、本発明の実施形態によって提供される範囲内の方位差によって特徴付けられる基板の一部の領域、および、本発明の実施形態によって提供される範囲外の方位差によって特徴付けられる他の領域をもたらし得ることに留意すべきである。つまり、基板製造業者は、ミスカット変形における一部のマージンを許容する。ミスカットのばらつきは、非天然の基板上にHVPE法により成長させた擬似バルクGaNに対して比較的大きくなる傾向がある。このように、
図4Aにデータを示したように、表面モフォロジは、ウェハ全体に応じて変化することになる。
【0040】
[0053]一例として、基板仕様がm方向に向かって0.3°±0.3°の方位差である場合、基板の領域を、ゼロの方位差によって特徴付けることができ、一方で、他の領域は0.6°の方位差によって特徴付けられる。本発明者らは、さまざまな方位差角を有する基板について、モフォロジが、本明細書に記載の実施形態の範囲内で方位差角を有する領域で良好であり、これを改善されたデバイス性能に相関させることができることを確認した。
【0041】
[0054]
図4Bは、本発明の実施形態に係るミスカット角の関数としてウェハ品質データを示すグラフである。ウェハ品質データは、さまざまなミスカット角で成長させたウェハから得られたノマルスキー画像に基づいて測定された。各点は、原点から始まりデータポイントで終わる、ベクトルを表している。「良好」品質のウェハが菱形記号で示され、「不良」品質のウェハが四角記号で示され、境界線品質のウェハが三角形記号で示されている。a方向に向かうミスカットを考慮することにより、本発明者らは、不良なモフォロジが、大きさだけでなく、ミスカット角に関連している可能性があることを確認した。
【0042】
[0055]
図5Aは、本発明の実施形態に係る高電圧PNダイオードの順バイアスの電流-電圧特性を示すグラフである。
図5Bは、本発明の実施形態に係る高電圧PNダイオードの逆バイアスの電流-電圧特性を示すグラフである。
図5Aに示すように、PNダイオードは、実質的に直線状のI-V特性を有して、約3Vでオンになる。
図5Bを参照すると、逆バイアスの下で、電圧が、ブレークダウンが起こる約2500Vに達するまで、PNダイオードは実質的に電流を伝導しない。したがって、本発明の実施形態は、高電圧(例えば、400Vより大きい)の動作に適している。
【0043】
[0056]
図6は、本発明の実施形態に従って使用するのに適した範囲外の方位差角(θ)でカットされた基板を含み得る従来の基板を用いて製造されたGaNのPNダイオードと比較した本発明の実施形態(実線)に係る、高電圧のGaNのPNダイオードの逆バイアスの電流-電圧特性を示すグラフである。
【0044】
[0057]
図6に示すように、逆バイアスの下で、逆方向のリーク電流は、約700Vの電圧まで実質的に同じである。700Vを超える逆バイアス電圧で、本発明の実施形態に従って製造された高電圧PNダイオードは、電圧と逆方向のリーク電流がほぼ直線的な増加を維持している(対数目盛上にプロット)。したがって、デバイスにおいて、例えば、PNダイオード、ショットキーダイオード、縦型JFET、HEMT、統合されたFETとダイオード、組み合わさったPN/ショットキーダイオードなどが、例えば、>600V、>1200V、>1700Vなどの高電圧で動作し、所定の方位差角を有する基板の使用は、特に、高電圧レジームにおいて、改善された性能を提供する。
【0045】
[0058]なお、本発明の実施形態は、高パワーレジームにおける用途に特に適していることに留意すべきである。低パワーレジームについては、一部のLEDやレーザ動作、および他の順バイアスの動作などに関連して、本発明の実施形態によって提供される所定の範囲内でミスカットされていない基板の影響は、検出可能ではない。なぜなら、
図6に示すように、高パワーレジームが入力されるまで、適切なミスカット角に依存する効果を、いくつかの実装で観察できないためである。したがって、本発明の実施形態は、高パワーレジーム(例えば、>200V)で動作される厚いエピタキシャル層(例えば、>3μm厚のドリフト層)を利用するデバイス用途に適している。従来のGaNデバイスは、低パワーレジーム(例えば、200V未満)で動作するので、基板の適切な方位差の影響は、一般的な動作中に観察されなかった可能性がある。本発明者らは、逆に、高パワーレジームで動作中に、従来の方位に向けられた基板によって提示された問題の範囲を良く理解している。したがって、本発明の実施形態は、1つまたは複数のエピタキシャル層が、例えばGaNの縦型PNダイオードである、低ドープおよび高い厚みによって特徴付けされたデバイスに特に適用可能である。したがって、本発明の実施形態は、厚さが5μmを超えるエピタキシャル層を含むデバイスに特に適している。
【0046】
[0059]
図7は、本発明の実施形態に係る電子デバイスを製造する方法を示す簡略フローチャートである。
図7を参照すると、本方法は、六方晶構造と、<0001>方向から0.15°~0.65°の方位差によって特徴付けられる成長表面の法線を有するIII-V族基板を提供するステップ(710)を含む。III-V族基板は、特定の実施形態においてn型のGaN基板である。一実施形態では、成長表面の法線は、例えば0.4°~0.5°の範囲内で、負の<1-100>方向に向かって方位差をつけられている。特定の実施形態では、成長表面の法線は、<11-20>方向に向かって実質的にゼロ度の方位差によって特徴付けられる。他の実施形態では、方位差は、<1-100>方向と<11-20>方向の両方に向かう/両方から離れる、コンポーネントを有する。
【0047】
[0060]また、本方法は、III-V族基板に結合された第1のエピタキシャル層を成長させるステップ(712)と、第1のエピタキシャル層に結合された第2のエピタキシャル層を成長させるステップ(714)を含む。いくつかのデバイスでは、本方法は、第2のエピタキシャル層に横方向に配置された絶縁領域を形成するステップを含む。いくつかの高パワーデバイス用途では、第1のエピタキシャル層は、3μmより大きい厚さを有するn型のGaNエピタキシャル層を含み、第2のエピタキシャル層は、p型のGaNエピタキシャル層を含む。いくつかの実施態様では、本方法はまた、第2のエピタキシャル層と第2のコンタクトとの間に配置された第3のエピタキシャル層を形成するステップを含む。第3のエピタキシャル層のドーピング密度は、第2のエピタキシャル層のドーピング密度よりも高い。
【0048】
[0061]さらに、本方法は、基板と電気的に接続される第1のコンタクトを形成するステップ(716)と、第2のエピタキシャル層と電気的に接続される第2のコンタクトを形成するステップ(718)を含む。例示的なデバイスとして、第1のコンタクトがカソードであり、第2のコンタクトがPNダイオードのアノードであるPNダイオードを、本明細書に記載の技術を用いて製造することができる。また、電子デバイスを、ショットキーダイオードとすることもできる。
【0049】
[0062]なお、
図7に記載の具体的なステップは、本発明の実施形態に係る電子デバイスを製造する特定の方法を提供することを理解されたい。他の順序のステップが、代替の実施形態に従って実施されてもよい。例えば、本発明の代替の実施形態は、異なる順番で上記のステップを実行してもよい。また、
図7に示す個々のステップは、個々のステップに適切なように、さまざまな順序で実行され得る複数のサブステップを含んでもよい。さらに、追加のステップが、特定の用途に応じて追加または削除されてもよい。当業者には、多くの変形、修正、および代替が認識されよう。
【0050】
[0063]また、本明細書に記載の例および実施形態は、単に例示目的のためであること、および、これを踏まえたさまざまな修正または変更が、当業者に示唆され、本出願の趣旨および範囲と添付の特許請求の範囲内に含まれるべきであることが理解される。