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特許7561822細胞選別分類を調整するための再構成可能な集積回路
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】細胞選別分類を調整するための再構成可能な集積回路
(51)【国際特許分類】
   G01N 15/14 20240101AFI20240927BHJP
【FI】
G01N15/14 C
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022501003
(86)(22)【出願日】2020-06-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-16
(86)【国際出願番号】 US2020040345
(87)【国際公開番号】W WO2021007075
(87)【国際公開日】2021-01-14
【審査請求日】2023-06-21
(31)【優先権主張番号】62/872,663
(32)【優先日】2019-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】パーセル,バークレイ
【審査官】寺田 祥子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/214572(WO,A1)
【文献】特表2014-527622(JP,A)
【文献】特開昭61-071337(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0284924(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 15/00ー15/14
21/00ー21/01
21/17ー21/74
33/48ー37/00
C12M 1/00ー 3/10
C12Q 1/00ー 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フローストリーム中の粒子を照射するための光源と、
前記フローストリーム中の粒子からの光を検出するための光検出器を備える光検出システムと、
検出された光からフローストリーム中の粒子のパラメータを算出し、前記粒子の算出されたパラメータを1つ以上の粒子分類のパラメータと比較し、前記粒子分類のパラメータと前記粒子の算出されたパラメータとの比較に基づいて前記粒子を分類し、前記粒子の算出されたパラメータに基づいて前記粒子分類の1つ以上のパラメータを調整するようにプログラムされている再構成可能なフィールドプログラマブルゲートアレイとを備えるシステム
【請求項2】
前記粒子分類は、選別分類を備える
請求項1に記載のシステム
【請求項3】
前記粒子を分類することは、粒子選別決定を生成することを備える
請求項1または2に記載のシステム
【請求項4】
前記フィールドプログラマブルゲートアレイは、前記粒子の算出されたパラメータと前記粒子分類のパラメータとの間の閾値に基づいて前記粒子選別決定を生成するようにプログラムされている
請求項3に記載のシステム
【請求項5】
前記粒子分類の1つ以上のパラメータを調整することは、前記粒子選別決定を生成するための閾値を変更することを備える
請求項4に記載のシステム
【請求項6】
前記閾値は、予め設定された閾値、またはユーザの入力によって調整されるユーザ設定可能な閾値である
請求項5に記載のシステム
【請求項7】
前記閾値は、前記粒子の算出されたパラメータに基づいて調整される動的な閾値である
請求項5に記載のシステム
【請求項8】
前記フィールドプログラマブルゲートアレイは、前記選別決定を生成するための閾値を更新するアルゴリズムでプログラムされている
請求項7に記載のシステム
【請求項9】
前記アルゴリズムは、静的な予め設定されたアルゴリズム、またはユーザ設定可能なアルゴリズムである
請求項8に記載のシステム
【請求項10】
前記アルゴリズムは、前記粒子の算出されたパラメータに基づいて更新する動的なアルゴリズムである
請求項8に記載のシステム
【請求項11】
前記粒子分類は、1つ以上の粒子集団クラスタを備える
請求項1に記載のシステム
【請求項12】
前記粒子を分類することは、各粒子クラスタの分類パラメータと前記粒子の算出されたパラメータとの比較に基づいて前記粒子を粒子クラスタに割り当てることを備え、前記粒子分類の1つ以上のパラメータを調整することは、前記粒子の算出されたパラメータに基づいて前記割り当てられた粒子クラスタの前記分類パラメータを変更することを備える
請求項11に記載のシステム
【請求項13】
光検出器を備える光検出システムで、フローストリーム中の光源によって照射された粒子を備える試料からの光を検出すること、
再構成可能なフィールドプログラマブルゲートアレイで、検出された光から試料中の粒子のパラメータを算出すること、
前記粒子の算出されたパラメータを1つ以上の粒子分類のパラメータと比較すること、
前記粒子分類のパラメータと前記粒子の算出されたパラメータとの比較に基づいて前記粒子を分類すること、及び
前記粒子の算出されたパラメータに基づいて前記フィールドプログラマブルゲートアレイの前記粒子分類の1つ以上のパラメータのプログラミングを調整すること
を備える方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
例えば、試料が疾患または病状の診断に使用される場合に、試料(例えば、生体試料)の成分を特徴付けるために光検出を使用することができる。試料が照射されると、光は、試料によって散乱され、試料を透過し、試料によって(例えば、蛍光によって)放出され得る。形態、吸収率、及び蛍光標識の有無などの、試料成分の変化は、試料によって散乱された光、試料を透過した光、または試料から放出された光の変化を引き起こし得る。これらの変化は、試料中の成分の存在を特徴付けたり、識別したりすることに利用され得る。これらの変化を定量化するために、光を収集して、検出器の表面に導く。
【0002】
光検出を利用して試料中の成分を特徴付けるための技術の1つはフローサイトメトリである。検出された光から生成されたデータを使用して、成分の分布を記録して、所望の物質を選別することができる。試料中の粒子を選別することには、滴下帯電機構が、フローストリームの中断点で、選別すべきタイプの粒子を含むフローストリームの液滴を帯電させる。液滴は、静電界を通過し、液滴上の電荷の極性及び大きさに基づいて偏向され、1つ以上の収集容器に入る。帯電していない液滴は、静電界によって偏向されない。
【発明の概要】
【0003】
本開示の態様は、フローストリーム中の試料の粒子を特徴付けるための再構成可能な集積回路を含む。特定の実施形態に係る再構成可能な集積回路は、検出された光からフローストリーム中の粒子のパラメータを算出し、粒子の算出されたパラメータを1つ以上の粒子分類のパラメータと比較し、粒子分類のパラメータと粒子の算出されたパラメータとの比較に基づいて粒子を分類し、粒子の算出されたパラメータに基づいて粒子分類の1つ以上のパラメータを調整するようにプログラムされている。本集積回路でフローストリーム中の粒子を特徴付けるための方法も説明される。また、例えばフローサイトメータ上で本方法を実行するためにプログラムされたシステム及び集積回路装置も提供される。
【0004】
対象の集積回路装置は、特定の場合には、再構成可能なフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、または複合プログラマブルロジックデバイス(CPLD)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、再構成可能な集積回路にプログラムされた粒子分類は、(例えば、細胞選別装置で細胞を選別するための)選別分類を含む。いくつかの場合には、粒子を分類することは、粒子選別決定を生成することを含む。特定の場合には、集積回路は、粒子の算出されたパラメータと粒子分類のパラメータとの間の閾値に基づいて粒子選別決定を生成するようにプログラムされている。いくつかの実施形態では、集積回路は、粒子選別決定を生成するための閾値を変更することにより粒子分類の1つ以上のパラメータを調整するようにプログラムされている。閾値は、予め設定された閾値、ユーザの入力によって調整されるユーザ設定可能な閾値、または粒子の算出されたパラメータに基づいて調整される動的な閾値であってもよい。閾値が粒子の算出されたパラメータに基づいて調整される動的な閾値である場合、集積回路は、選別決定を生成するための閾値を更新するアルゴリズムでプログラムされてもよい。このアルゴリズムは、静的な予め設定されたアルゴリズム、ユーザ設定可能なアルゴリズム、または粒子の算出されたパラメータに基づいて更新する動的なアルゴリズムであってもよい。例えば、動的なアルゴリズムは、粒子の算出されたパラメータと、類似または異なる分類パラメータを有する粒子のパラメータとに基づいて更新する機械学習アルゴリズムであってもよい。
【0005】
他の実施形態では、再構成可能な集積回路にプログラムされた粒子分類は、1つ以上の粒子集団クラスタを含む。これらの実施形態では、集積回路は、各粒子クラスタの分類パラメータと粒子の算出されたパラメータとの比較に基づいて粒子を粒子クラスタに割り当てることにより粒子を分類するようにプログラムされている。いくつかの場合には、集積回路は、粒子の算出されたパラメータに基づいて割り当てられた粒子クラスタの分類パラメータを変更することにより粒子分類の1つ以上のパラメータを調整するようにプログラムされている。これらの場合には、集積回路は、また、粒子の算出されたパラメータを散布図にプロットするプログラミングを含んでもよい。他の場合には、集積回路は、また、粒子の算出されたパラメータのリストを生成するプログラミングを含んでもよい。いくつかの実施形態では、集積回路は、カスタマイズされた演算子のためのハードウェア回路(例えば、デジタル回路)を含む。特定の場合には、カスタマイズされた演算子は、加算演算子、乗算演算子及び比較演算子のうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、集積回路は、1つ以上の加算演算子でプログラムされている。他の実施形態では、集積回路は、1つ以上の乗算演算子でプログラムされている。さらに他の実施形態では、集積回路は、1つ以上の比較演算子でプログラムされている。別の実施形態では、集積回路は、加算演算子、乗算演算子及び比較演算子のうちの2つ以上でプログラムされている。特定の場合には、集積回路は、加算演算子、乗算演算子及び比較演算子でプログラムされている。
【0006】
いくつかの実施形態では、集積回路は、粒子が粒子クラスタに割り当てられる統計的確率を算出するようにプログラムされている。例えば、集積回路は、粒子の算出されたパラメータと各粒子クラスタとの間のマハラノビス距離を算出するようにプログラムされてもよい。他の実施形態では、集積回路は、粒子の算出されたパラメータと粒子クラスタの分類パラメータとの間の閾値に基づいて粒子を粒子クラスタに割り当てるようにプログラムされている。例えば、閾値は、粒子の算出されたパラメータと粒子クラスタの分類パラメータとの間のオーバーラップであってもよい。該閾値は、予め設定された閾値、ユーザ設定可能な閾値、または粒子の粒子クラスタへの割り当てに応じて変化する動的な閾値であってもよい。いくつかの場合には、集積回路は、割り当てられた粒子クラスタの分類パラメータと粒子の算出されたパラメータとに基づいて閾値を調整するようにプログラムされている。集積回路は、静的な予め設定されたアルゴリズム、ユーザ設定可能なアルゴリズム、または粒子の算出されたパラメータを用いて割り当てられた粒子クラスタの分類パラメータを更新する動的なアルゴリズムで閾値を調整するようにプログラムされてもよい。例えば、動的なアルゴリズムは、粒子の算出されたパラメータと、類似または異なる分類パラメータを有する粒子のパラメータとに基づいて、粒子クラスタの分類パラメータを更新する機械学習アルゴリズムであってもよい。
【0007】
本開示の態様は、フローストリーム中の試料の粒子を特徴付けるための方法も含む。特定の実施形態による方法は、フローストリーム中の粒子を有する試料からの光を検出すること、検出された光から試料中の粒子のパラメータを算出すること、粒子の算出されたパラメータを1つ以上の粒子分類のパラメータと比較すること、粒子分類のパラメータと粒子の算出されたパラメータとの比較に基づいて粒子を分類すること、及び粒子の算出されたパラメータに基づいて粒子分類の1つ以上のパラメータを調整することを含む。
【0008】
実施形態では、光はフローストリームの検査領域における粒子を有する試料から検出される。いくつかの実施形態では、粒子は、生体試料中の細胞など、細胞である。特定の実施形態による方法は、(1)明視野データ信号を生成する明視野光検出器、(2)散乱データ信号を生成する散乱光検出器(例えば、前方散乱検出器または側方散乱検出器)、(3)蛍光データ信号を生成する蛍光検出器のうちの1つ以上を用いて光を検出することを含む。実施形態では、試料中の粒子から検出された光は、粒子のパラメータを算出するために使用される。例えば、一例では、方法は、前方散乱光強度または側方散乱光強度など、散乱光パラメータを算出することを含む。他の例では、方法は、1つ以上の蛍光体の蛍光強度など、蛍光パラメータを算出することを含む。特定の実施形態では、蛍光体は、抗体など、分析物結合化合物に関連付けられている(例えば、共有結合している)。
【0009】
いくつかの実施形態では、方法は、選別分類を生成することを含む。これらの実施形態では、選別分類は粒子選別決定であってもよい。いくつかの場合には、方法は、粒子の算出されたパラメータと粒子分類のパラメータとの間の閾値に基づいて粒子選別決定を生成することを含む。特定の場合には、粒子分類の1つ以上のパラメータを調整することは、粒子選別決定を生成するための閾値を変更することを含む。閾値は、予め設定された閾値、ユーザ設定可能な閾値、または粒子の算出されたパラメータに基づいて調整される動的な閾値であってもよい。閾値が動的な閾値である場合、閾値は、選別決定を生成するためのアルゴリズム(例えば、再構成可能な集積回路にプログラムされたアルゴリズム)によって更新されてもよい。アルゴリズムは、静的な予め設定されたアルゴリズム、ユーザ設定可能なアルゴリズム、または粒子の算出されたパラメータと粒子選別ゲートのパラメータとに基づいて選別決定を更新する動的なアルゴリズムであってもよい。例えば、動的なアルゴリズムは、粒子の算出されたパラメータと以前に選別ゲートで選別された粒子のパラメータとに基づいて選別分類パラメータを更新する機械学習アルゴリズムであってもよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、粒子の算出された1つ以上のパラメータは、例えば散布図にプロットされてもよい。他の実施形態では、算出された1つ以上のパラメータのリストが生成される。粒子の算出されたパラメータは、粒子クラスタとの関連性の程度を識別するために、粒子の1つ以上のグループ(例えば、粒子クラスタ)の分類パラメータと比較される。例えば、粒子の算出されたパラメータと粒子クラスタの分類パラメータとの比較は、粒子が粒子クラスタに該当する1つ以上の特性を有する粒子であると判断することを含んでもよい。他の場合には、算出されたパラメータと粒子クラスタの分類パラメータとの比較は、粒子が粒子クラスタにおける粒子と同じであると判断することを含む。さらに他の場合には、算出されたパラメータと粒子クラスタの分類パラメータとの比較は、粒子クラスタにおける粒子と同じ蛍光体に関連付けられている(例えば、共有結合している)と判断することを含む。別の場合には、算出されたパラメータと粒子クラスタの分類パラメータとの比較は、粒子が粒子クラスタにおける粒子と同じ分析物特異的結合メンバーに関連付けられている(例えば、共有結合している)と判断することを含む。別の場合には、算出されたパラメータと粒子クラスタの分類パラメータとの比較は、粒子が粒子クラスタに割り当てられる統計的確率を算出することを含む。一例では、算出されたパラメータと粒子クラスタの分類パラメータとの比較は、粒子の算出されたパラメータと粒子クラスタとの間のマハラノビス距離を算出することを含む。
【0011】
実施形態による方法は、各粒子クラスタの分類パラメータと粒子の算出されたパラメータとの比較に基づいて粒子を粒子クラスタに割り当てることを含む。いくつかの実施形態では、粒子は、粒子の算出されたパラメータと粒子クラスタの分類パラメータとの間の閾値に基づいて粒子クラスタに割り当てられる。いくつかの場合には、閾値は、粒子の算出されたパラメータと粒子クラスタの分類パラメータとの間のオーバーラップである。特定の場合には、閾値は予め設定された閾値である。他の場合には、閾値は、ユーザ設定可能な閾値である。別の場合には、閾値は、粒子の粒子クラスタへの割り当てに応じて変化する動的な閾値である。いくつかの実施形態では、方法は、割り当てられた粒子クラスタの分類パラメータと粒子の算出されたパラメータとに基づいて閾値を調整することをさらに含む。特定の実施形態では、閾値はプロセッサによって調整され、プロセッサは該プロセッサに動作可能に結合されたメモリを有し、メモリは、粒子の算出されたパラメータで割り当てられた粒子クラスタの分類パラメータを更新するアルゴリズムを有する。いくつかの場合には、アルゴリズムは機械学習アルゴリズムである。他の場合には、アルゴリズムは静的な予め設定されたアルゴリズムである。さらに他の場合には、アルゴリズムはユーザ設定可能なアルゴリズムである。別の場合には、アルゴリズムは、粒子(例えば、粒子クラスタに割り当てられた粒子)の算出されたパラメータに応じて変化する動的なアルゴリズムである。
【0012】
特定の実施形態では、方法は、試料に対して1つ以上の粒子クラスタを生成することをさらに含む。特定の実施形態による方法は、フローストリーム中の試料の複数の粒子からの光を検出し、検出された光から各粒子のパラメータを算出し、算出されたパラメータに基づいて粒子をクラスタリングすることを含む。これらの実施形態では、粒子クラスタに割り当てられた各粒子は、粒子クラスタの分類パラメータの変化を招く可能性があり、これにより、分類パラメータは、動的で、割り当てられた各粒子の特定の計算されたパラメータに基づいて変化する。各粒子クラスタは、5個以上の割り当てられた粒子を含んでもよく、例えば10個以上の割り当てられた粒子、例えば50個以上の割り当てられた粒子、例えば100個以上の割り当てられた粒子、例えば500個の割り当てられた粒子を含んでもよく、1000個の割り当てられた粒子を含んでもよい。特定の実施形態では、粒子クラスタは、レアイベント(例えば試料中の癌細胞などの希少細胞)のグループ化であり、10個以下の割り当てられた粒子を含んでもよく、例えば9個以下であってもよく、5個以下の割り当てられた粒子を含んでもよい。
【0013】
いくつかの実施形態では、方法は、粒子の粒子クラスタへの割り当てに基づいて選別決定を生成することをさらに含む。いくつかの実施形態では、粒子は、粒子が粒子クラスタの一部である統計的確率に基づいて選別される。他の実施形態では、粒子は、粒子と粒子クラスタとの間の散布図におけるマハラノビス距離に基づいて選別される。特定の実施形態では、方法は、生成された選別決定に基づいて粒子を選別することを含む。
【0014】
本開示の態様は、フローストリーム中の試料の粒子(例えば、生体試料中の細胞)を特徴付けるための光検出システムを有するシステムも含む。特定の実施形態によるシステムは、フローストリーム中の粒子を有する試料を照射するように構成された光源と、光検出器を有する光検出システムと、メモリを有するプロセッサとを含む。メモリは、プロセッサに動作可能に結合され、メモリに命令が記憶されており、該命令は、プロセッサにより実行されると、検出された光からフローストリーム中の粒子のパラメータを算出すること、粒子の算出されたパラメータを1つ以上の粒子分類のパラメータと比較すること、粒子分類のパラメータと粒子の算出されたパラメータとの比較に基づいて粒子を分類すること、及び粒子の算出されたパラメータに基づいて粒子分類の1つ以上のパラメータを調整することを、プロセッサにさせる。
【0015】
いくつかの実施形態では、本システムのプロセッサのメモリにプログラムされた粒子分類は、(例えば、細胞選別装置を用いて細胞を選別するための)選別分類を含む。いくつかの場合には、粒子を分類することは、粒子選別決定を生成することを含む。特定の場合には、メモリに命令が記憶されており、該命令は、プロセッサにより実行されると、粒子の算出されたパラメータと粒子分類のパラメータとの間の閾値に基づいて粒子選別決定を生成することを、プロセッサにさせる。いくつかの実施形態では、メモリに命令が記憶されており、該命令は、プロセッサにより実行されると、粒子選別決定を生成するための閾値を変更することにより、粒子分類の1つ以上のパラメータを調整することを、プロセッサにさせる。閾値は、予め設定された閾値、ユーザの入力によって調整され得るユーザ設定可能な閾値、または粒子の算出されたパラメータに基づいて調整される動的な閾値であってもよい。閾値が粒子の算出されたパラメータに基づいて調整される動的な閾値である場合、メモリは選別決定を生成するための閾値を更新するアルゴリズムを含んでもよい。このアルゴリズムは、静的な予め設定されたアルゴリズム、ユーザ設定可能なアルゴリズム、または粒子の算出されたパラメータに基づいて更新する動的なアルゴリズムであってもよい。例えば、動的なアルゴリズムは、粒子の算出されたパラメータと、類似または異なる分類パラメータを有する粒子のパラメータとに基づいて更新する機械学習アルゴリズムであってもよい。
【0016】
他の実施形態では、本システムのプロセッサのメモリにプログラムされた粒子分類は、1つ以上の粒子集団クラスタを含む。これらの実施形態では、メモリに命令が記憶されており、該命令は、プロセッサにより実行されると、各粒子クラスタの分類パラメータと粒子の算出されたパラメータとの比較に基づいて粒子を粒子クラスタに割り当てることにより粒子を分類することを、プロセッサにさせる。いくつかの場合には、メモリに命令が記憶されており、該命令は、プロセッサにより実行されると、粒子の算出されたパラメータに基づいて割り当てられた粒子クラスタの分類パラメータを変更することにより粒子分類の1つ以上のパラメータを調整することを、プロセッサにさせる。これらの場合には、メモリに命令が記憶されており、該命令は、プロセッサにより実行されると、粒子の算出されたパラメータを散布図にプロットすることを、プロセッサにさせる。他の場合には、メモリに命令が記憶されており、該命令は、プロセッサにより実行されると、粒子の算出されたパラメータのリストを生成することを、プロセッサにさせる。いくつかの実施形態では、メモリは、カスタマイズされた演算子のためのハードウェア回路(例えば、デジタル回路)を含む。特定の場合には、カスタマイズされた演算子は、加算演算子、乗算演算子及び比較演算子のうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、メモリは、1つ以上の加算演算子でプログラムされている。他の実施形態では、メモリは、1つ以上の乗算演算子でプログラムされている。さらに他の実施形態では、メモリは、1つ以上の比較演算子でプログラムされている。別の実施形態では、メモリは加算演算子、乗算演算子及び比較演算子のうちの2つ以上でプログラムされている。特定の場合には、メモリは加算演算子、乗算演算子及び比較演算子でプログラムされている。
【0017】
特定の場合には、メモリに命令が記憶されており、該命令は、プロセッサにより実行されると、粒子が粒子クラスタに割り当てられる統計的確率を算出することを、プロセッサにさせる。例えば、システムは、粒子の算出されたパラメータと各粒子クラスタとの間のマハラノビス距離を算出するように構成されてもよい。他の実施形態では、システムは、粒子の算出されたパラメータと粒子クラスタの分類パラメータとの間の閾値に基づいて粒子を粒子クラスタに割り当てるように構成されている。例えば、閾値は、粒子の算出されたパラメータと粒子クラスタの分類パラメータとの間のオーバーラップであってもよい。この閾値は、予め設定された閾値、ユーザ設定可能な閾値、または粒子の粒子クラスタへの割り当てに応じて変化する動的な閾値であってもよい。いくつかの場合には、メモリに命令が記憶されており、該命令は、プロセッサにより実行されると、割り当てられた粒子クラスタの分類パラメータと粒子の算出されたパラメータとに基づいて閾値を調整することを、プロセッサにさせる。閾値は静的な予め設定されたアルゴリズム、ユーザ設定可能なアルゴリズム、または粒子の算出されたパラメータを用いて割り当てられた粒子クラスタの分類パラメータを更新する動的なアルゴリズムであってもよい。例えば、動的なアルゴリズムは、粒子の算出されたパラメータと、類似または異なる分類パラメータを有する粒子のパラメータとに基づいて粒子クラスタの分類パラメータを更新する機械学習アルゴリズムであってもよい。
【0018】
いくつかの実施形態では、メモリに命令が記憶されており、該命令は、プロセッサにより実行されると、粒子の算出されたパラメータを散布図にプロットすること、または粒子の算出されたパラメータのリストを生成することを、プロセッサにさせる。実施形態では、システムは、粒子の算出されたパラメータを粒子(例えば、散布図中の粒子クラスタにおける粒子)の1つ以上のグループの分類パラメータと比較するように構成されている。いくつかの場合には、システムは、粒子の粒子クラスタとの関連性の程度を識別するように構成されている。いくつかの実施形態では、システムは、命令が記憶されているメモリを含み、該命令は、プロセッサにより実行されると、粒子が粒子クラスタに該当する1つ以上の特性を有する粒子と判断することを、プロセッサにさせる。他の場合には、システムは、粒子が粒子クラスタにおける粒子と同じであると判断するように構成されている。さらに他の場合には、システムは、粒子が粒子クラスタにおける粒子と同じ蛍光体に関連付けられている(例えば、共有結合している)と判断するように構成されている。別の場合には、システムは、粒子が粒子クラスタにおける粒子と同じ分析物特異的結合メンバーに関連付けられている(例えば、共有結合している)と判断するように構成されている。別の場合には、システムは、命令が記憶されているメモリを含み、該命令は、プロセッサにより実行されると、粒子が粒子クラスタに割り当てられる統計的確率を算出することを、プロセッサにさせる。一例では、システムは、命令が記憶されているメモリを含み、該命令は、プロセッサにより実行されると、粒子の算出されたパラメータと粒子クラスタとの間のマハラノビス距離を算出することを、プロセッサにさせる。
【0019】
実施形態では、対象のシステムは、メモリを有するプロセッサを含み、メモリはプロセッサに動作可能に結合され、メモリに命令が記憶されており、該命令は、プロセッサにより実行されると、粒子クラスタの分類パラメータと粒子の算出されたパラメータとの比較に基づいて粒子を粒子クラスタに割り当てることを、プロセッサにさせる。いくつかの実施形態では、システムは、粒子の算出されたパラメータと粒子クラスタの分類パラメータとの間の閾値に基づいて粒子を粒子クラスタに割り当てるように構成されている。いくつかの場合には、閾値は、粒子の算出されたパラメータと粒子クラスタの分類パラメータとの間のオーバーラップである。特定の場合には、閾値は予め設定された閾値である。他の場合には、閾値はユーザ設定可能な閾値である。別の場合には、閾値は、粒子の粒子クラスタへの割り当てに応じて変化する動的な閾値である。いくつかの実施形態では、対象のシステムは、メモリを有するプロセッサを含み、メモリは、割り当てられた粒子クラスタの分類パラメータと粒子の算出されたパラメータとに基づいて閾値を調整するためのアルゴリズムを有する。これらの実施形態では、アルゴリズムは、新たな粒子の算出されたパラメータで粒子クラスタの分類パラメータを更新する。いくつかの場合には、アルゴリズムは、機械学習アルゴリズムである。他の場合には、アルゴリズムは静的な予め設定されたアルゴリズムである。さらに他の場合には、アルゴリズムはユーザ設定可能なアルゴリズムである。別の場合には、アルゴリズムは、粒子(例えば、粒子クラスタに割り当てられた粒子)の算出されたパラメータに応じて変化する動的なアルゴリズムである。
【0020】
特定の実施形態では、対象のシステムは、メモリを有するプロセッサを含み、メモリはプロセッサに動作可能に結合され、メモリに命令が記憶されており、該命令は、プロセッサにより実行されると、試料に対して1つ以上の粒子クラスタ(例えば、散布図において)を生成することを、プロセッサにさせる。これらの実施形態では、システムは、フローストリーム中の試料の複数の粒子からの光を検出し、検出された光からの各粒子のパラメータを算出し、算出されたパラメータに基づいて粒子をクラスタリングするように構成されている。いくつかの実施形態では、システムは、新たに割り当てられた粒子の算出されたパラメータに基づいて粒子クラスタの分類パラメータを変更するように構成されている。
【0021】
いくつかの実施形態では、対象のシステムは、粒子の粒子クラスタへの割り当てに基づいて粒子のための選別決定を生成するように構成された1つ以上の選別決定モジュールを含んでもよい。特定の実施形態では、システムは、選別決定モジュールによって生成された選別決定に基づいてフローストリームから粒子を選別するための(例えば、液滴偏向器を有する)粒子ソータをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明は、添付の図面と併せて読むと、以下の詳細な説明から最もよく理解される。図面に含まれるものは以下の図である。
図1】特定の実施形態による、粒子を分類し、粒子分類の1つ以上のパラメータを調整するためのフローチャートである。
図2】特定の実施形態による、粒子を粒子集団クラスタに割り当て、割り当てられた粒子集団クラスタの1つ以上のパラメータを調整するためのフローチャートである。
図3】特定の実施形態による、粒子に対して選別決定を生成し、選別ゲートの1つ以上のパラメータを調整するためのフローチャートである。
図4】特定の実施形態による、粒子を分類するためのシステムを有するフローサイトメータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示の態様は、フローストリーム中の試料の粒子を特徴付けるための再構成可能な集積回路を含む。特定の実施形態による再構成可能な集積回路は、検出された光からフローストリーム中の粒子のパラメータを算出し、粒子の算出されたパラメータを1つ以上の粒子分類のパラメータと比較し、粒子分類のパラメータと粒子の算出されたパラメータとの比較に基づいて粒子を分類し、粒子の算出されたパラメータに基づいて粒子分類の1つ以上のパラメータを調整するようにプログラムされている。本集積回路でフローストリーム中の粒子を特徴付けるための方法も説明される。また、フローサイトメータ上などで本方法を実行するためにプログラムされたシステム及び集積回路装置も提供される。
【0024】
本発明を詳細に説明する前に、本発明は、記載されている特定の実施形態には、かかる実施形態は勿論変わり得るので、それらに限定されないと理解されるべきである。また、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるので、本明細書で使用される用語は、ある特定の実施形態を説明するためのものに過ぎず、限定することを意図するものではないことも理解されるべきである。
【0025】
値の範囲が与えられる場合、文脈上別段に明示される場合を除き、その範囲の上限値と下限値との間の、下限値の単位の10分の1までの各介在値と、その記載された範囲内のその他の記載値または介在値とは、本発明に包含されると解される。これらのより小さな範囲の上限値及び下限値は、その小さな範囲に別個に含まれてもよく、これらの値はまた、記載された範囲内のいずれかの具体的に除外された境界値に従うことを条件として、本発明に包含される。記載された範囲が境界値の一方または両方を含む場合、含まれた境界値のいずれかまたは両方を除外する範囲はまた、本発明に含まれる。
【0026】
本明細書において、ある特定の範囲を、数値の前に「約」を付けて提示する。本明細書において、「約」という用語は、それに続く数字そのもの、さらにそれに続く数字に近い、または近似する数をサポートする記載となる。ある数字が、具体的に記載された数字に近いか近似するかの判断は、記載されていない近いまたは近似の数字が、それが提示された文脈において、具体的に記載された数字と実質的に均等の効果を呈し得るかによる。
【0027】
別段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されたものと類似または同等の任意の方法及び材料を、本発明の実施または試験で使用することもできるが、代表的な、例証となる方法及び材料をここに記載する。
【0028】
本明細書に引用される全ての刊行物及び特許は、個々の刊行物または特許それぞれが、あたかも参照によって援用されるために具体的かつ個別に示されたかのように、参照によって本明細書に援用され、その刊行物が関連して引用される方法及び/または材料を開示して記載するために、参照によって本明細書に援用される。いかなる刊行物の引用も、その本願出願日前の開示に関するものであり、本発明が、先行発明の効力により、そのような刊行物に対して先行していないことを認めるものと解釈されるべきではない。さらに、提供される公開日は、実際の公開日と異なる場合があり、公開日は個別に確認する必要があり得る。
【0029】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用するとき、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上別段に明示されていない限り、複数の指示対象を含むことに留意すべきである。さらに、特許請求の範囲は、任意選択の要素を除外して作成してもよいことに留意すべきである。したがって、この記述は、特許請求の範囲の要素の記載に関する「単独で」、「のみ」などのような排他的用語の使用、または「否定的な」限定の使用のための先行詞として機能することが意図されている。
【0030】
本明細書に開示される記載を読めば当業者には明らかなように、本明細書に記載され例示される個々の実施形態のそれぞれは、本発明の範囲または趣旨から逸脱することなく、他のいくつかの実施形態のいずれかの特徴から容易に切り離し得る、または他のいくつかの実施形態のいずれかの特徴と組み合わせ得る、別個の構成要素及び特徴を有する。記載されるいかなる方法も、記載された事象の順序で、または論理的に可能な他の任意の順序で実施することができる。
【0031】
装置及び方法を、上記及び下記において機能的説明によって文法的に滑らかとなるように説明しているが、請求項は、米国特許法第112条に明確に規定されている場合を除き、「手段」または「ステップ」の限定の解釈によって何ら制限されると解釈されるものではなく、判例法による均等論の原則の下で請求項によって提供される定義の意味及び均等物の全範囲に一致するものであり、請求項が米国特許法第112条に基づき明確に規定されている場合、米国特許法第112条の下での完全な法定均等物に一致することが明確に理解される。
【0032】
上記にまとめたように、本開示は、フローストリーム中の試料の粒子を特徴付けるための再構成可能な集積回路装置を提供する。本開示の実施形態をさらに説明する際に、まず、粒子のパラメータを計算し、粒子の算出されたパラメータを1つ以上の粒子分類(例えば、選別ゲート分類)と比較し、粒子を分類し、粒子分類の1つ以上のパラメータを調整するためのプログラミングを有する再構成可能(即ち、再プログラム可能)な集積回路(例えば、FPGA、ASIC、CPLD)について詳しく説明する。次に、検出された光から算出された粒子のパラメータに基づいて粒子を分類(例えば、粒子クラスタ関連付け、選別分類)するための方法について説明する。本方法を実行するためのシステム(例えばフローサイトメトリシステム)も提供される。
【0033】
再構成可能な集積回路装置
上記にまとめたように、本開示の態様は、フローストリームの試料中の粒子を分類し、粒子の算出されたパラメータに基づいて粒子分類のパラメータを調整するようにプログラムされた再構成可能な集積回路装置を含む。「再構成可能」という用語は、その従来の意味で使用され、以下でより詳細に説明するように、例えば粒子分類のパラメータの調整に応じて一回または複数回再プログラムできる集積回路装置を指す。いくつかの実施形態では、集積回路装置は、粒子分類(例えば、選別決定分類、集団クラスタグループ化)パラメータの調整がユーザによって実施されるユーザ再プログラミングに構成されている。いくつかの実施形態によるユーザ再プログラミングは、ユーザによって入力された、粒子分類パラメータに対する調整(例えば、手動プログラミング調整)を含む。他の実施形態では、ユーザ再プログラミングは、粒子の算出されたパラメータ及び現在の粒子分類パラメータに応じて粒子分類のパラメータを自動的に調整する、ユーザによって入力されたアルゴリズムを含む。
【0034】
特定の実施形態では、集積回路は動的な再プログラミングに構成され、例えば、集積回路は機械学習に基づいて再プログラミングされる。「機械学習」という用語は、その従来の意味で使用され、モデルとしての予め設定された方程式に依存することなく、データから情報を直接に把握し実行する計算方法によって、集積回路のプログラミングを調整することを指す。特定の実施形態では、機械学習は、データ信号(例えば、試料中の複数の粒子からのデータ信号)からパターンを見出す学習アルゴリズムを含む。これらの実施形態では、学習アルゴリズムは、データ信号の数の関数として、より良い、より正確な決定及び予測を生成するように構成されている(即ち、試料からの特徴付けられた粒子の数が増加することに伴って、学習アルゴリズムがより頑健になる)。対象の機械学習プロトコルは、人工ニューラルネットワーク、決定木学習、決定木予測モデリング、サポートベクターマシン、ベイジアンネットワーク、動的なベイジアンネットワーク、遺伝的アルゴリズムなど、機械学習プロトコルを含んでもよいが、これらに限らない。
【0035】
実施形態では、本集積回路装置は、明視野光検出器、光散乱(前方散乱、側方散乱)検出器及び蛍光検出器のうちの1つ以上からのデータ信号を受信し、データ信号からフローストリーム中の粒子のパラメータを算出し、粒子の算出されたパラメータを1つ以上の粒子分類のパラメータと比較し、粒子分類のパラメータと粒子の算出されたパラメータとの比較に基づいて粒子を分類し、粒子の算出されたパラメータに基づいて粒子分類の1つ以上のパラメータを調整するようにプログラムされている。実施形態では、集積回路装置は、1つ以上の光検出器(例えば、1つ以上の検出チャンネル)からデータ信号を受信するようにプログラムされている。ここで、例えば2つ以上、例えば3つ以上、例えば4つ以上、例えば5つ以上、例えば6つ以上の光検出器であってもよく、8つ以上の光検出器(例えば、8つ以上の検出チャンネル)であってもよい。対象の集積回路装置は、特定の場合には、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、または複合プログラマブルロジックデバイス(CPLD)を含んでもよい。
【0036】
実施形態では、粒子を分類する(例えば、クラスタ集団に関連付け、選別決定を生成する)ための、粒子の算出されたパラメータは、(明視野光検出器によって検出された)透過光、粒子からの前方散乱光、粒子からの側方散乱光、及び蛍光の1つ以上の位相、強度または波長を含んでもよい。いくつかの実施形態では、本開示の実施形態による、粒子を分類するための、粒子の算出されたパラメータは、粒子の決定された1つ以上の特性(粒子のサイズ、質量中心、または偏心など)を含む。さらに他の実施形態では、粒子を分類するための粒子のパラメータは、周波数符号化された蛍光データ、または粒子の算出された空間データを含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、再構成可能な集積回路にプログラムされた粒子分類は、(例えば、細胞選別装置で細胞を選別するための)選別分類を含む。「選別」という用語は、その従来の意味で使用され、試料の成分(例えば、細胞を含む液滴、生物高分子などの非細胞粒子を含む液滴)を分離し、いくつかの場合に、分離した成分を1つ以上の試料収集容器に送ることを指す。例えば、粒子分類は、試料の2種以上の成分を選別するための選別ゲートを含んでもよい。ここで、例えば3種以上の成分、例えば4種以上の成分、例えば5種以上の成分、例えば10種以上の成分、例えば15種以上の成分を選別してもよく、試料の25種以上の成分を選別してもよい。
【0038】
いくつかの場合には、粒子を分類することは、粒子選別決定を生成することを含む。いくつかの場合には、粒子の特定の亜集団(例えば、単一細胞)は、粒子の算出されたパラメータに基づいて「ゲーティング」によって分類される。特定の場合には、集積回路は、粒子の算出されたパラメータと粒子分類のパラメータとの間のオーバーラップに基づいて粒子選別決定を生成する(例えば、所望の選別ゲートを特定する)ようにプログラムされている。適切なゲートを選択するために、再構成可能な集積回路は、可能な限り最良の亜集団の分離を得るようにパラメータを(例えば、散布図に)プロットするようにプログラムされてもよい。特定の実施形態では、再構成可能な集積回路は、前方光散乱(FSC)に対する側方(即ち、直交)光散乱(SSC)を2次元ドットプロットにプロットするようにプログラムされている。さらに他の実施形態では、再構成可能な集積回路は、1つ以上の決定された特性(例えば、サイズ、質量中心、偏心)を前方光散乱(FSC)及び側方(即ち、直交)光散乱(SSC)のうちの1つ以上に対してプロットするようにプログラムされている。別の実施形態では、再構成可能な集積回路は、前方光散乱(FSC)及び側方(即ち、直交)光散乱(SSC)に対して粒子の集団をゲートし、次に粒子の1つ以上の決定された特性(例えば、サイズ、質量中心、偏心)に基づいてゲートするようにプログラムされている。その後、オブジェクトの亜集団(即ち、ゲート内のそれらの単一細胞)は選択され、ゲート内にない粒子は排除される。そして、例えばこれらの分類された粒子の他のパラメータをプロットすることにより、分類パラメータ内の粒子のみをさらに分析する。
【0039】
いくつかの実施形態では、集積回路は、粒子選別決定を生成するための閾値を変更することにより粒子分類の1つ以上のパラメータを調整するようにプログラムされている。例えば、集積回路は、試料の粒子を選別するための選別ゲートのパラメータ閾値を変更するように再プログラムされてもよい。いくつかの実施形態では、閾値は予め設定された閾値である。他の実施形態では、閾値はユーザ設定可能な閾値である。別の実施形態では、閾値は、粒子の算出されたパラメータに基づいて調整される動的な閾値である。
【0040】
閾値が、粒子の算出されたパラメータに基づいて調整される動的な閾値である場合、集積回路は、選別決定を生成するための閾値を更新するアルゴリズムでプログラムされてもよい。いくつかの実施形態では、集積回路にプログラムされた、閾値を更新するためのアルゴリズムは、静的な予め設定されたアルゴリズムである。他の実施形態では、集積回路にプログラムされた、閾値を更新するためのアルゴリズムは、ユーザ設定可能なアルゴリズムである。別の実施形態では、集積回路にプログラムされた、閾値を更新するためのアルゴリズムは、粒子の算出されたパラメータと粒子選別ゲートのパラメータとに基づいて選別決定を更新する動的なアルゴリズムである。例えば、動的なアルゴリズムは、粒子の算出されたパラメータと、類似または異なる分類パラメータを有する粒子のパラメータとに基づいて更新する機械学習アルゴリズムであってもよい。
【0041】
他の実施形態では、再構成可能な集積回路にプログラムされた粒子分類は、1つ以上の粒子集団クラスタを含む。これらの実施形態では、集積回路は、各粒子クラスタの分類パラメータと粒子の算出されたパラメータとの比較に基づいて粒子を粒子クラスタに割り当てることにより粒子を分類するようにプログラムされている。いくつかの実施形態では、本集積回路は、試料中の粒子の決定されたパラメータに基づいて1つ以上の粒子クラスタを生成するように構成されている。これらの実施形態では、集積回路装置は、フローストリーム中の試料の複数の粒子から検出された光から生成されたデータ信号を受信し、検出された光から各粒子のパラメータを算出し、算出されたパラメータに基づいて粒子をクラスタリングするようにプログラムされている。これらの実施形態では、粒子クラスタに割り当てられた各粒子は、粒子クラスタの分類パラメータの変化をもたらすことができるため、分類パラメータは、動的で、割り当てられた各粒子の特定の算出されたパラメータに基づいて変化する。集積回路装置は、任意の数の粒子を粒子クラスタに割り当てるようにプログラムされてもよい。粒子の数は5以上であってもよく、例えば10以上、例えば50以上、例えば100以上であってもよく、例えば500であってもよく、1000であってもよい。特定の実施形態では、集積回路は、試料中で検出されたレアイベント(例えば、試料中の癌細胞などの希少細胞)を粒子クラスタにグループ化するようにプログラムされている。これらの実施形態では、集積回路によって生成された粒子クラスタは、10個以下の割り当てられた粒子を含んでよい。ここで、割り当てられた粒子の数は、例えば9以下であってもよく、5以下であってもよい。
【0042】
いくつかの場合には、集積回路は、粒子の算出されたパラメータに基づいて割り当てられた粒子クラスタの分類パラメータを変更することにより粒子分類の1つ以上のパラメータを調整するようにプログラムされている。これらの場合には、集積回路は、また、粒子の算出されたパラメータを散布図にプロットするプログラムミングを含んでもよい。他の場合には、集積回路は、また、粒子の算出されたパラメータのリストを生成するプログラムミングを含んでもよい。いくつかの実施形態では、集積回路は、カスタマイズされた演算子のためのハードウェア回路(例えば、デジタル回路)を含む。特定の場合には、カスタマイズされた演算子は、加算演算子、乗算演算子及び比較演算子のうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、集積回路は1つ以上の加算演算子でプログラムされている。他の実施形態では、集積回路は、1つ以上の乗算演算子でプログラムされている。さらに他の実施形態では、集積回路は、1つ以上の比較演算子でプログラムされている。別の実施形態では、集積回路は、加算演算子、乗算演算子及び比較演算子のうちの2つ以上でプログラムされている。特定の場合には、集積回路は、加算演算子、乗算演算子及び比較演算子でプログラムされている。
【0043】
集積回路は、いくつかの実施形態では、粒子が粒子クラスタに割り当てられる統計的確率を算出するようにプログラムされている。例えば、集積回路は、粒子の算出されたパラメータと各粒子クラスタとの間のマハラノビス距離を算出するようにプログラムされてもよい。他の実施形態では、集積回路は、粒子の算出されたパラメータと粒子クラスタの分類パラメータとの間の閾値に基づいて粒子を粒子クラスタに割り当てるようにプログラムされている。例えば、閾値は、粒子の算出されたパラメータと粒子クラスタの分類パラメータとの間のオーバーラップであってもよい。該閾値は、予め設定された閾値、ユーザ設定可能な閾値、または粒子の粒子クラスタへの割り当てに応じて変化する動的な閾値であってもよい。いくつかの場合には、集積回路は、割り当てられた粒子クラスタの分類パラメータと粒子の算出されたパラメータとに基づいて閾値を調整するようにプログラムされている。集積回路は、静的な予め設定されたアルゴリズム、ユーザ設定可能なアルゴリズム、または、粒子の算出されたパラメータで割り当てられた粒子クラスタの分類パラメータを更新する動的なアルゴリズムで閾値を調整するようにプログラムされてもよい。例えば、動的なアルゴリズムは、粒子の算出されたパラメータと、類似または異なる分類パラメータを有する粒子のパラメータとに基づいて、粒子クラスタの分類パラメータを更新する機械学習アルゴリズムであってもよい。
【0044】
図1は、特定の実施形態による、粒子(例えば、フローストリーム中の粒子)を分類し、粒子分類の1つ以上のパラメータを調整するためのフローチャートを示す。ステップ100では、フローストリーム中の粒子(例えば、細胞)からの光(吸収光、散乱光、または放射光)が検出される。ステップ101では、検出された光から生成されたデータ信号は、(例えば、再構成可能な集積回路によって)受信される。ステップ102では、粒子のパラメータは、データ信号から算出される。ステップ103では、粒子の算出されたパラメータは1つ以上の粒子分類のパラメータ(例えば、粒子集団クラスタ103aまたは粒子選別ゲート103bを含み得るパラメータ)と比較される。ステップ104では、粒子は、粒子分類のパラメータと粒子の算出されたパラメータとの比較に基づいて分類される。ステップ105では、粒子分類のパラメータ(例えば、粒子を粒子集団クラスタに関連付けるためのパラメータ、または粒子を選別ゲートに含めるためのパラメータ)は、粒子の算出されたパラメータに基づいて調整され、調整された粒子分類パラメータ(例えば、最適化された粒子集団クラスタ103a1または粒子選別ゲート103b1)が生成される。算出されたパラメータの調整は、静的なアルゴリズム105a、ユーザによって入力されたアルゴリズム105b、または、動的なアルゴリズム105cのうちの1つ以上によって実行することができる。ここで、アルゴリズム105cは、粒子分類103aまたは103bのパラメータを調整するためのアルゴリズムを(例えば、複数の算出された粒子パラメータに基づいて)最適化する機械学習プロトコル106をさらに含んでもよい。
【0045】
図2は、特定の実施形態による、粒子(例えば、フローストリーム中の粒子)を粒子集団クラスタに割り当て、割り当てられた粒子集団クラスタの1つ以上のパラメータを調整するためのフローチャートを示す。ステップ200では、フローストリーム中の粒子(例えば、細胞)からの光(吸収光、散乱光、または放射光)が検出される。ステップ201では、検出された光から生成されたデータ信号は、(例えば、再構成可能な集積回路によって)受信される。ステップ202では、粒子のパラメータは、データ信号から算出される。ステップ203では、粒子の算出されたパラメータは、1つ以上の粒子集団クラスタのパラメータと比較される。ステップ204では、粒子は、粒子分類のパラメータと粒子の算出されたパラメータとの比較に基づいて、粒子集団クラスタに割り当てられる。特定の場合には、粒子は、粒子が粒子集団クラスタに関連付けられたパラメータを有する統計的確率204aに基づいて、粒子集団クラスタに分類される。他の場合には、粒子は、粒子集団クラスタのパラメータから算出された距離204b(例えば、マハラノビス距離)に基づいて、粒子集団クラスタに分類される。ステップ205では、粒子が割り当てられた粒子集団クラスタのパラメータは粒子の算出されたパラメータに基づいて調整され、調整された粒子集団クラスタパラメータが生成される。算出されたパラメータの調整は、静的なアルゴリズム205a、ユーザによって入力されたアルゴリズム205b、または動的なアルゴリズム205cのうちの1つ以上によって実行することができる。ここで、アルゴリズム205cは、粒子集団クラスタのパラメータを調整するためのアルゴリズムを(例えば、複数の算出された粒子パラメータに基づいて)最適化する機械学習プロトコル206をさらに含んでもよい。
【0046】
図3は、特定の実施形態による、粒子(例えば、フローストリーム中の粒子)の選別決定を生成し、選別ゲートの1つ以上のパラメータを調整するためのフローチャートを示す。ステップ300では、フローストリーム中の粒子(例えば、細胞)からの光(吸収光、散乱光、または放射光)が検出される。ステップ301では、検出された光から生成されたデータ信号が、(例えば、再構成可能な集積回路によって)受信される。ステップ302では、粒子のパラメータは、データ信号から算出される。ステップ303では、粒子の算出されたパラメータは、1つ以上の粒子選別ゲートのパラメータと比較される。ステップ304では、粒子の選別決定は、粒子の算出されたパラメータと粒子選別ゲートのパラメータとの比較に基づいて生成される。ステップ305では、粒子の選別に使用される粒子選別ゲートのパラメータは粒子の算出されたパラメータに基づいて調整され、調整された粒子選別ゲートが生成される。算出されたパラメータの調整は、静的なアルゴリズム305a、ユーザによって入力されたアルゴリズム305b、または動的なアルゴリズム305cのうちの1つ以上によって実行することができる。ここで、アルゴリズム305cは、粒子選別ゲートを調整するためのアルゴリズムを(例えば、複数の算出された粒子パラメータに基づいて)最適化する機械学習プロトコル306をさらに含んでもよい。
【0047】
粒子分類を調整するための方法
本開示の態様は、フローストリーム中の試料の粒子を特徴付けるための方法も含む。特定の実施形態による方法は、フローストリーム中の粒子を有する試料からの光を検出すること、検出された光から試料中の粒子のパラメータを算出すること、粒子の算出されたパラメータを1つ以上の粒子分類のパラメータと比較すること、粒子分類のパラメータと粒子の算出されたパラメータとの比較に基づいて粒子を分類すること、及び粒子の算出されたパラメータに基づいて粒子分類の1つ以上のパラメータを調整することを含む。
【0048】
本方法の実施において、フローストリーム中の粒子を有する試料は、光源からの光によって照射される。いくつかの実施形態では、光源は、例えば、50nm以上にわたる広い範囲の波長を有する光を発する広帯域光源であり、該波長の範囲は、例えば100nm以上、例えば150nm以上、例えば200nm以上、例えば250nm以上、例えば300nm以上、例えば350nm以上、例えば400nm以上にわたる範囲であってもよく、500nm以上にわたる範囲であってもよい。例えば、1つの適切な広帯域光源は、200nmから1500nmの波長を有する光を発する。適切な広帯域光源の別の例は、400nmから1000nmの波長を有する光を発する光源を含む。方法が広帯域光源による照射を含む場合、対象の広帯域光源プロトコルは、ハロゲンランプ、重水素アークランプ、キセノンアークランプ、安定化ファイバ結合広帯域光源、連続スペクトルの広帯域LED、超発光ダイオード、半導体発光ダイオード、広域スペクトルLED白色光源、マルチLED統合白色光源、その他の広帯域光源、または、それらの任意の組み合わせを含んでもよいが、これらに限らない。
【0049】
他の実施形態では、方法は、特定の波長または狭い範囲の波長を発する狭帯域光源で照射することを含む。該光源は、例えば、50nm以下の範囲のような狭い波長範囲で光を発する。該波長範囲は、例えば40nm以下、例えば30nm以下、例えば25nm以下、例えば20nm以下、例えば15nm以下、例えば10nm以下、例えば5nm以下、例えば2nm以下であってもよい。該光源は、特定の波長の光(即ち単色光)を発する光源であってもよい。方法は、狭帯域光源で照射することを含む。対象の狭帯域光源プロトコルは、狭波長LED、レーザダイオード、または、1つ以上の光バンドパスフィルタ、回折格子、モノクロメータ、もしくはそれらの任意の組み合わせに結合された広帯域光源を含んでもよいが、これらに限らない。
【0050】
特定の実施形態では、方法は、1つ以上のレーザでフローストリームを照射することを含む。レーザは、種類及び数が試料及び収集された所望の光によって変化し、パルスレーザまたは連続波レーザであってもよい。レーザは、例えば、ガスレーザ、色素レーザ、金属蒸気レーザ、固体レーザ、半導体ダイオードレーザ、光ポンピング半導体レーザ(OPSL)、または、上記の任意のレーザの周波数の2倍もしくは3倍で実現されるレーザであってもよい。上記ガスレーザは、例えば、ヘリウムネオンレーザ、アルゴンレーザ、クリプトンレーザ、キセノンレーザ、窒素レーザ、COレーザ、COレーザ、アルゴンフッ素(ArF)エキシマレーザ、クリプトンフッ素(KrF)エキシマレーザ、キセノン塩素(XeCl)エキシマレーザ、もしくはキセノンフッ素(XeF)エキシマレーザ、または、それらの組み合わせであってもよい。上記色素レーザは、例えば、スチルベン、クマリン、または、ローダミンレーザであってもよい。上記金属蒸気レーザは、例えば、ヘリウムカドミウム(HeCd)レーザ、ヘリウム水銀(HeHg)レーザ、ヘリウムセレン(HeSe)レーザ、ヘリウム銀(HeAg)レーザ、ストロンチウムレーザ、ネオン銅(NeCu)レーザ、銅レーザもしくは金レーザ、または、それらの組み合わせであってもよい。上記固体レーザは、例えば、ルビーレーザ、Nd:YAGレーザ、NdCrYAGレーザ、Er:YAGレーザ、Nd:YLFレーザ、Nd:YVOレーザ、Nd:YCaO(BOレーザ、Nd:YCOBレーザ、チタンサファイアレーザ、ツリウムYAGレーザ、イッテルビウムYAGレーザ、Ybレーザもしくはセリウムドープレーザ、または、それらの組み合わせであってもよい。
【0051】
フローストリーム中の試料は、1つ以上の前述した光源によって照射されてもよい。該光源は、例えば2個以上の光源、例えば3個以上の光源、例えば4個以上の光源、例えば5個以上の光源であってもよく、10個以上の光源であってもよい。光源は、任意の種類の光源の組み合わせを含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、方法は、フローストリーム中の試料をレーザアレイで照射することを含む。該アレイは、例えば1つ以上のガスレーザ、1つ以上の色素レーザ、及び1つ以上の固体レーザを有する。
【0052】
試料は、200nmから1500nmの範囲の波長によって照射されてもよい。該波長範囲は、例えば250nmから1250nm、例えば300nmから1000nm、例えば350nmから900nmであってもよく、400nmから800nmであってもよい。例えば、光源が広帯域光源である場合、200nmから900nmの波長で試料を照射することができる。他の場合には、光源が複数の狭帯域光源を含む場合、200nmから900nmの範囲の特定の波長で試料を照射することができる。例えば、光源は、200nmから900nmの波長範囲を有する光をそれぞれ独立して発する複数の狭帯域LED(1nm-25nm)であってもよい。他の実施形態では、狭帯域光源は、1つ以上のレーザ(例えばレーザアレイ)を含み、例えば、上記のように、ガスレーザ、エキシマレーザ、色素レーザ、金属蒸気レーザ、及び固体レーザを有するレーザアレイで、200nmから700nmの範囲の特定の波長で試料を照射する。
【0053】
1つより多い光源を使用する場合、試料を光源で同時に、または順次に、または、それらの組み合わせで照射することができる。例えば、各光源で同時に試料を照射することができる。他の実施形態では、各光源で順次にフローストリームを照射する。1つより多い光源を使用して順次に試料を照射する場合、各光源が試料を照射する時間は、それぞれに0.001マイクロ秒以上であってもよい。該時間は、例えば、0.01マイクロ秒以上、例えば0.1マイクロ秒以上、例えば1マイクロ秒以上、例えば5マイクロ秒以上、例えば10マイクロ秒以上、例えば30マイクロ秒以上であってもよく、60マイクロ秒以上であってもよい。例えば、方法は、光源(例えばレーザ)で0.001マイクロ秒から100マイクロ秒の範囲の持続時間にわたって試料を照射することを含んでもよい。該持続時間の範囲は、例えば0.01マイクロ秒から75マイクロ秒、例えば0.1マイクロ秒から50マイクロ秒、例えば1マイクロ秒から25マイクロ秒であってもよく、5マイクロ秒から10マイクロ秒であってもよい。実施形態では、2つ以上の光源で順次に試料を照射する場合、試料が各光源によって照射される持続時間は、同じであってもよく、異なってもよい。
【0054】
各光源による照射間の期間も、必要に応じて、0.001マイクロ秒以上の遅延でそれぞれに隔てるように変化してもよい。該遅延は、例えば0.01マイクロ秒以上、例えば0.1マイクロ秒以上、例えば1マイクロ秒以上、例えば5マイクロ秒以上、例えば10マイクロ秒以上、例えば15マイクロ秒以上、例えば30マイクロ秒以上であってもよく、60マイクロ秒以上であってもよい。例えば、各光源による照射間の期間は、0.001マイクロ秒から60マイクロ秒の範囲であってもよく、例えば0.01マイクロ秒から50マイクロ秒、例えば0.1マイクロ秒から35マイクロ秒、例えば1マイクロ秒から25マイクロ秒であってもよく、5マイクロ秒から10マイクロ秒であってもよい。特定の実施形態では、各光源による照射間の期間は、10マイクロ秒である。実施形態では、2個より多い(例えば3つ以上の)光源で順次に試料を照射する場合、各光源による照射間の遅延は、同じであってもよく、異なってもよい。
【0055】
試料は、連続的にまたは離散的な間隔で照射されてもよい。いくつかの場合には、方法は、光源で試料を連続的に照射することを含む。他の場合には、試料は、光源によって離散的な間隔で照射され、例えば、0.001ミリ秒ごと、0.01ミリ秒ごと、0.1ミリ秒ごと、1ミリ秒ごと、10ミリ秒ごと、100ミリ秒ごとに照射され、1000ミリ秒ごとに照射され、または他の間隔で照射される。
【0056】
光源に応じて、試料は、様々な距離から照射されてもよい。該距離は、例えば0.01mm以上、例えば0.05mm以上、例えば0.1mm以上、例えば0.5mm以上、例えば1mm以上、例えば2.5mm以上、例えば5mm以上、例えば10mm以上、例えば15mm以上、例えば25mm以上であってもよく、50mm以上であってもよい。また、照射の角度も10°から90°の範囲で変化してもよい。該範囲は、例えば15°から85°、例えば20°から80°、例えば25°から75°であってもよく、30°から60°であってもよく、例えば、90°の角度である。
【0057】
本方法の実施において、照射された試料からの光は、例えば、波長範囲(例えば、200nm~1000nm)にわたって試料からの光を収集することにより測定される。実施形態では、方法は、試料により吸収される光を測定すること(例えば、明視野光データ)、散乱光を測定すること(例えば、前方または側方散乱光データ)、及び試料から放出した光を測定すること(例えば、蛍光データ)のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0058】
レーザと、レーザ光の周波数をシフトさせるための音響光学装置とを有する光ビーム生成器構成要素を使用することができる。これらの実施形態では、方法は、レーザで音響光学装置を照射することを含む。出力レーザビームにおいて生成された光の所望の波長(例えば、フローストリーム中の試料を照射するための光の波長)に応じて、レーザは、200nmから1500nmの範囲で変化する特定の波長を有することができる。該波長の変化範囲は、例えば250nmから1250nm、例えば300nmから1000nm、例えば350nmから900nmであってもよく、400nmから800nmであってもよい。音響光学装置は、1つ以上のレーザによって照射されてもよい。該レーザは、例えば2個以上のレーザ、例えば3個以上のレーザ、例えば4個以上のレーザ、例えば5個以上のレーザであってもよく、10個以上のレーザであってもよい。レーザは、任意の種類のレーザの組み合わせを含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、方法は、レーザのアレイで音響光学装置を照射することを含む。該レーザのアレイは、例えば、1つ以上のガスレーザ、1つ以上の色素レーザ、及び1つ以上の固体レーザを有するアレイである。
【0059】
1つより多いレーザを使用する場合、レーザで同時に、順次に、または、それらの組み合わせで音響光学装置を照射することができる。例えば、各レーザで同時に音響光学装置を照射することができる。他の実施形態では、各レーザで順次に音響光学装置を照射することができる。1つより多いレーザを使用して順次に音響光学装置を照射する場合、各レーザの音響光学装置を照射する時間は、それぞれに0.001マイクロ秒以上であってもよい。該照射時間は、例えば0.01マイクロ秒以上、例えば0.1マイクロ秒以上、例えば1マイクロ秒以上、例えば5マイクロ秒以上、例えば10マイクロ秒以上、例えば30マイクロ秒以上であってもよく、60マイクロ秒以上であってもよい。例えば、方法は、レーザで0.001マイクロ秒から100マイクロ秒の範囲の持続時間で音響光学装置を照射することを含んでもよい。該持続時間の範囲は、例えば0.01マイクロ秒から75マイクロ秒、例えば0.1マイクロ秒から50マイクロ秒、例えば1マイクロ秒から25マイクロ秒であってもよく、5マイクロ秒から10マイクロ秒であってもよい。実施形態では、2つ以上のレーザで順次に音響光学装置を照射する場合、各レーザの音響光学装置を照射する持続時間は、同じであってもよく、異なってもよい。
【0060】
各レーザによる照射間の期間も、必要に応じて、0.001マイクロ秒以上の遅延でそれぞれに隔てるように変化してもよい。該遅延は、例えば0.01マイクロ秒以上、例えば0.1マイクロ秒以上、例えば1マイクロ秒以上、例えば5マイクロ秒以上、例えば10マイクロ秒以上、例えば15マイクロ秒以上、例えば30マイクロ秒以上であってもよく、60マイクロ秒以上であってもよい。例えば、各光源による照射間の期間は、0.001マイクロ秒から60マイクロ秒の範囲であってもよい。該範囲は、例えば0.01マイクロ秒から50マイクロ秒、例えば0.1マイクロ秒から35マイクロ秒、例えば1マイクロ秒から25マイクロ秒であってもよく、5マイクロ秒から10マイクロ秒であってもよい。特定の実施形態では、各レーザによる照射間の期間は10マイクロ秒である。実施形態では、音響光学装置が2個より多い(例えば3個以上の)レーザによって順次に照射される場合、各レーザによる照射間の遅延は、同じであってもよく、異なってもよい。
【0061】
音響光学装置は、連続的に、または離散的な間隔で照射されてもよい。いくつかの場合には、方法は、レーザで連続的に音響光学装置を照射することを含む。他の場合には、音響光学装置は、レーザによって離散的な間隔で照射され、例えば0.001ミリ秒ごと、0.01ミリ秒ごと、0.1ミリ秒ごと、1ミリ秒ごと、10ミリ秒ごと、100ミリ秒ごとに照射されてもよく、1000ミリ秒ごとに照射されてもよく、または、他の間隔で照射されてもよい。
【0062】
レーザに応じて、音響光学装置は、様々な距離から照射されてもよい。該距離は、例えば0.01mm以上、例えば0.05mm以上、例えば0.1mm以上、例えば0.5mm以上、例えば1mm以上、例えば2.5mm以上、例えば5mm以上、例えば10mm以上、例えば15mm以上、例えば25mm以上であってもよく、50mm以上であってもよい。また、照射の角度も10°から90°の範囲で変化してもよい。該範囲は、例えば15°から85°、例えば20°から80°、例えば25°から75°であってもよく、30°から60°であってもよく、例えば90°の角度である。
【0063】
実施形態では、方法は、音響光学装置に無線周波数駆動信号を印加して、角度偏向レーザビームを生成することを含む。2以上の無線周波数駆動信号を音響光学装置に印加して、所望の数の角度偏向レーザビームを有する出力レーザビームを生成することができる。例えば3以上の無線周波数駆動信号、例えば4以上の無線周波数駆動信号、例えば5以上の無線周波数駆動信号、例えば6以上の無線周波数駆動信号、例えば7以上の無線周波数駆動信号、例えば8以上の無線周波数駆動信号、例えば9以上の無線周波数駆動信号、例えば10以上の無線周波数駆動信号、例えば15以上の無線周波数駆動信号、例えば25以上の無線周波数駆動信号、例えば50以上の無線周波数駆動信号を印加してもよく、100以上の無線周波数駆動信号を印加してもよい。
【0064】
無線周波数駆動信号によって生成された各角度偏向レーザビームは、印加された無線周波数駆動信号の振幅に基づく強度を有する。いくつかの実施形態では、方法は、所望の強度を有する角度偏向レーザビームを生成するのに十分な振幅を有する無線周波数駆動信号を印加することを含む。いくつかの場合には、印加される各無線周波数駆動信号は、それぞれに、約0.001Vから約500Vの振幅を有する。該振幅は、例えば約0.005Vから約400V、例えば約0.01Vから約300V、例えば約0.05Vから約200V、例えば約0.1Vから約100V、例えば約0.5Vから約75V、例えば約1Vから50V、例えば約2Vから40V、例えば3Vから約30Vであってもよく、約5Vから約25Vであってもよい。印加される各無線周波数駆動信号は、いくつかの実施形態では、約0.001MHzから約500MHzの周波数を有する。該周波数は、例えば約0.005MHzから約400MHz、例えば約0.01MHzから約300MHz、例えば約0.05MHzから約200MHz、例えば約0.1MHzから約100MHz、例えば約0.5MHzから約90MHz、例えば約1MHzから約75MHz、例えば約2MHzから約70MHz、例えば約3MHzから約65MHz、例えば約4MHzから約60MHzであってもよく、約5MHzから約50MHzであってもよい。
【0065】
いくつかの実施形態では、フローストリーム中の試料を音響光学装置からの出力レーザビームで照射し、該出力レーザビームは角度偏向レーザビームを含み、各角度偏向レーザビームは印加された無線周波数駆動信号の振幅に基づく強度を有する。例えば、フローストリーム中の粒子を照射することに使用される出力レーザビームは、2本以上の角度偏向レーザビームを含んでもよい。該角度偏向レーザビームは、例えば3本以上、例えば4本以上、例えば5本以上、例えば6本以上、例えば7本以上、例えば8本以上、例えば9本以上、例えば10本以上であってもよく、25本以上であってもよい。実施形態では、角度偏向レーザビームのそれぞれは、異なる周波数を有し、これらの周波数は入力レーザビームの周波数から予め設定された無線周波数だけシフトされる。
【0066】
また、各角度偏向レーザビームは、互いに空間的にシフトされている。印加された無線周波数駆動信号及び出力レーザビームの所望の照射プロファイルに応じて、角度偏向レーザビームは0.001μm以上離れてもよい。角度偏向レーザビームは、例えば0.005μm以上、例えば0.01μm以上、例えば0.05μm以上、例えば0.1μm以上、例えば0.5μm以上、例えば1μm以上、例えば5μm以上、例えば10μm以上、例えば100μm以上、例えば500μm以上、例えば1000μm以上離れてもよく、5000μm以上離れてもよい。いくつかの実施形態では、角度偏向レーザビームは、例えば、出力レーザビームの水平軸に沿って隣接する角度偏向レーザビームと重なり合う。隣接する角度偏向レーザビーム間の重なり合い(例えばビームスポットの重なり合い)は、0.001μm以上の重なり合いであってもよい。例えば0.005μm以上の重なり合い、例えば0.01μm以上の重なり合い、例えば0.05μm以上の重なり合い、例えば0.1μm以上の重なり合い、例えば0.5μm以上の重なり合い、例えば1μm以上の重なり合い、例えば5μm以上の重なり合い、例えば10μm以上の重なり合いであってもよく、100μm以上の重なり合いであってもよい。
【0067】
粒子は、2つのビームレットの重ね合わせにより形成された励起ビームの一部を通過する際に、それらの電界の重ね合わせにさらされる。粒子により放出された蛍光は、入射ビームレットの光周波数間の差に対応するビート周波数で周波数符号化される。例として、第1ビームレット及び第2ビームレットの重ね合わせにより形成された励起ビームの左水平縁を通過する粒子により放出され、周波数符号化された蛍光は、第2ビームレットと第1ビームレットとの周波数の差に対応するビート周波数、即ち、f第1ビームレット-f第2ビームレットのビート周波数を示す。このようにして、励起ビームを通過する粒子の位置は、これらの粒子により放出された放射線に関連するRFビート周波数によって符号化され得る。いくつかの実施形態では、粒子の位置のそのような符号化は、例えばその水平方向におけるビーム強度の変化に対して、これらの粒子により放出された、検出された放射線の強度を正規化することに使用され得る。
【0068】
いくつかの実施形態では、粒子により放出された周波数符号化された蛍光は、局部発振器ビームの周波数(fLO)と無線周波数シフトされたビームレットの周波数との差に対応するビート周波数である。例えば、周波数符号化された蛍光データは、fLO-fRFシフトされたビームレットのビート周波数を含む。フローストリームの照射にフローストリームの幅(例えば、水平軸全体)に跨る局部発振器が含まれる場合、周波数符号化された蛍光データは、局部発振器ビームの周波数(fLO)と各無線周波数シフトされたビームレットの周波数(f、f、f、f、f、fなど)との差に対応するビート周波数を含む。これらの実施形態では、周波数符号化された蛍光データは複数のビート周波数を含んでもよく、各ビート周波数はフローストリームの水平軸における位置に対応する。
【0069】
以下でより詳細に論じられるように、1つの動作モードにおいて、フローストリーム中の粒子は、複数の励起周波数で同時に照射されてもよく、各励起周波数は、例えば、レーザビームの中心周波数をシフトすることにより得ることができる。より具体的には、複数の試料位置は、参照レーザビーム(例えば局部発振器ビーム)を複数の無線周波数シフトされたレーザビームと混合することで生成されたレーザビームにより同時に照射されてもよい。その結果、各試料位置は、参照ビームと、1つの無線周波数シフトされたビームとにより照射されて、該位置における対象の蛍光体(存在する場合)が励起される。いくつかの実施形態では、参照局部発振器ビームは、光ビーム(例えば、連続波レーザなどのレーザからの光ビーム)の無線周波数シフトにより生成され得る。これらの実施形態では、光により照射されたフローストリーム中の粒子の各空間位置は、参照ビームの周波数と1つの無線周波数シフトされたビームの周波数との差に対応する異なるビート周波数で「タグ付け」される。これらの場合には、蛍光体により放出された蛍光放射線は、ビート周波数を空間的に符号化する。
【0070】
特定の場合には、フローストリームは、周波数シフトされた光の複数のビームにより照射され、フローストリーム中の細胞は、無線周波数タグ付きの発光(FIRE)を使用する蛍光画像により画像化されて、周波数符号化された画像を生成する。このような技術は、Diebold他、NaturePhotonicsVol.7(10)、806-810(2013)、及び米国特許第9,423,353号明細書、米国特許第9,784,661号明細書、米国特許第10,006,852号明細書、米国特許出願公開第2017/0133857号明細書、米国特許出願公開第2017/0350803号明細書に記載されており、それらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0071】
本方法を実行する際に、光検出システムで試料からの光を検出する。以下でより詳細に説明するように、光検出システムは、明視野光検出器と、1つ以上の蛍光検出器とを含む。特定の場合には、光検出システムは、光散乱検出器(例えば、前方散乱光検出器、側方散乱光検出器、またはそれらの組み合わせ)をさらに含む。収集された光は、連続的に、または離散的な間隔で検出されてもよい。いくつかの場合には、方法は、光を連続的に検出することを含む。他の場合には、離散的な間隔で光を測定し、例えば0.001ミリ秒ごと、0.01ミリ秒ごと、0.1ミリ秒ごと、1ミリ秒ごと、10ミリ秒ごと、100ミリ秒ごとに光を測定してもよく、1000ミリ秒ごとに光を測定してもよく、または、他の間隔で光を測定してもよい。
【0072】
検出された光の測定は、本方法において1回以上行われてもよい。測定の回数は、例えば2回以上、例えば3回以上、例えば5回以上であってもよく、10回以上であってもよい。特定の実施形態では、試料からの光を2回以上測定し、特定の場合に、データを平均化する。
【0073】
いくつかの実施形態では、方法は、光を検出する前に試料からの光をさらに調整することを含む。例えば、試料源からの光は、1つ以上のレンズ、ミラー、ピンホール、スリット、格子、光屈折器を通過してもよく、それらの任意の組み合わせを通過してもよい。いくつかの場合には、収集された光は、1つ以上の集束レンズを通過して、例えば光のプロファイルを減少させる。他の場合には、試料から放出された光は、1つ以上のコリメータを通過して、光ビームの発散を低減させる。
【0074】
実施形態では、方法は、明視野光検出器で光を検出して明視野データ信号を生成することを含む。試料からの光は明視野光検出器によって1つ以上の波長で検出されてもよい。例えば5以上の異なる波長、例えば10以上の異なる波長、例えば25以上の異なる波長、例えば50以上の異なる波長、例えば100以上の異なる波長、例えば200以上の異なる波長、例えば300以上の異なる波長で光を検出してもよく、400以上の異なる波長で光を検出してもよい。光は明視野光検出器によって200nm~1200nmの1つ以上の波長範囲にわたって検出されてもよい。いくつかの場合には、方法は明視野光検出器で波長の範囲にわたって試料からの光を検出することを含む。該波長の範囲は、例えば200nmから1200nm、例えば300nmから1100nm、例えば400nmから1000nm、例えば500nmから900nmであってもよく、600nmから800nmであってもよい。
【0075】
明視野光検出器は、検出された光に応じて1つ以上の明視野データ信号を生成するように構成されており、検出された光に応じて、例えば2以上、例えば3以上、例えば4以上、例えば5以上の明視野データ信号を生成してもよく、10以上の明視野データ信号を生成してもよい。明視野光検出器が光の複数の波長(例えば、400nmから800nm)にわたって光を検出するように構成されている場合、方法は、いくつかの場合に、検出された光の各波長に応じて1つ以上の明視野データ信号を生成することを含んでもよい。他の場合には、単一の明視野データ信号は、明視野光検出器によって波長の全範囲にわたって検出された光に応じて生成される。
【0076】
本発明の方法は、また、1つ以上の蛍光検出器で試料からの蛍光を検出することを含んでもよい。以下でより詳細に説明するように、光検出システムは、1つ以上の蛍光検出器を含んでもよい。ここで、蛍光検出器の数は、例えば2以上、例えば3以上、例えば4以上、例えば5以上、例えば6以上、例えば7以上、例えば8以上、例えば9以上、例えば10以上、例えば15以上であってもよく、25以上であってもよい。実施形態では、各蛍光検出器は、蛍光データ信号を生成するように構成されている。各蛍光検出器は、200nm~1200nmの1つ以上の波長範囲にわたって、試料からの蛍光を独立して検出することができる。いくつかの場合には、方法は、波長の範囲にわたって試料からの蛍光を検出することを含む。ここで、波長の範囲は、例えば200nmから1200nm、例えば300nmから1100nm、例えば400nmから1000nm、例えば500nmから900nmであってよく、600nmから800nmであってもよい。他の場合には、方法は、各蛍光検出器を用いて1つ以上の特定の波長で蛍光を検出することを含む。例えば、本光検出システム中の異なる蛍光検出器の数に応じて、450nm、518nm、519nm、561nm、578nm、605nm、607nm、625nm、650nm、660nm、667nm、670nm、668nm、695nm、710nm、723nm、780nm、785nm、647nm、617nm及びそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上で蛍光を検出してもよい。特定の実施形態では、方法は、試料中に存在する特定の蛍光体の蛍光ピーク波長に対応する光の波長を検出することを含む。
【0077】
本方法を実行する際に、試料中の粒子の1つ以上の(前述した)パラメータを、検出された光から算出する。一例では、方法は、検出された光に応じて明視野データ信号を生成するように構成された明視野光検出器で光を検出することを含む。他例では、方法は、検出された光に応じて散乱光データ信号を生成するように構成された光散乱(前方散乱、側方散乱)検出器で光を検出することを含む。別の例では、方法は、検出された光に応じて蛍光データ信号を生成するように構成された蛍光検出器で光を検出することを含む。
【0078】
いくつかの実施形態では、方法は、選別分類を生成することを含む。いくつかの場合には、選別分類は粒子選別決定であってもよい。例えば、選別分類を生成することは、粒子の算出されたパラメータに基づいて粒子の選別に適切な選別ゲートを特定することを含んでもよい。粒子選別決定は、粒子の算出されたパラメータと粒子分類のパラメータとの間のオーバーラップに基づいて生成されてもよい。適切なゲートを選択するために、方法は、可能な限り最良の亜集団の分離を得るようにパラメータを(例えば、散布図に)プロットすることをさらに含んでもよい。特定の実施形態では、方法は、前方光散乱(FSC)に対する側方(即ち、直交)光散乱(SSC)を2次元ドットプロットにプロットすることを含む。さらに他の実施形態では、方法は、前方光散乱(FSC)及び側方(即ち、直交)光散乱(SSC)のうちの1つ以上に対して、1つ以上の決定された特性(例えば、サイズ、質量中心、偏心)をプロットすることを含む。別の実施形態では、方法は、前方光散乱(FSC)及び側方(即ち、直交)光散乱(SSC)に対して粒子の集団をゲートし、次に粒子の1つ以上の決定された特性(例えば、サイズ、質量中心、偏心)に基づいてゲートすることを含む。その後、オブジェクトの亜集団(即ち、ゲート内のそれらの単一細胞)が選択され、ゲート内にない粒子は排除される。そして、例えばこれらの分類された粒子の他のパラメータをプロットすることにより、分類パラメータ内の粒子のみをさらに分析する。
【0079】
いくつかの場合には、方法は、粒子の算出されたパラメータと粒子分類のパラメータとの間の閾値に基づいて粒子選別決定を生成することを含む。特定の場合には、1つ以上の粒子分類のパラメータは、粒子選別決定を生成するための閾値を変更することにより調整される。いくつかの実施形態では、閾値は予め設定された閾値である。他の実施形態では、閾値はユーザ設定可能な閾値である。別の実施形態では、閾値は、粒子の算出されたパラメータに基づいて調整される動的な閾値である。
【0080】
閾値が動的な閾値である場合、方法は、選別決定を生成するためのアルゴリズム(例えば、再構成可能な集積回路にプログラムされたアルゴリズム)で閾値を更新することをさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、閾値を更新するためのアルゴリズムは、静的な予め設定されたアルゴリズムである。他の実施形態では、閾値を更新するためのアルゴリズムは、ユーザ設定可能なアルゴリズムである。別の実施形態では、閾値を更新するためのアルゴリズムは、粒子の算出されたパラメータと粒子選別ゲートのパラメータとに基づいて選別決定を更新する動的なアルゴリズムである。例えば、動的なアルゴリズムは、粒子の算出されたパラメータと、類似または異なる分類パラメータを有する粒子(例えば、以前に選別ゲートで選別された粒子)のパラメータとに基づいて選別分類パラメータを更新する機械学習アルゴリズムであってもよい。
【0081】
いくつかの実施形態では、粒子の算出された1つ以上のパラメータは、例えば散布図にプロットされてもよい。他の実施形態では、算出された1つ以上のパラメータのリストが生成される。粒子の算出されたパラメータを、粒子の1つ以上のグループ(例えば粒子クラスタ)の分類パラメータと比較して、該粒子クラスタとの関連性の程度を識別する。例えば、粒子の算出されたパラメータと粒子クラスタの分類パラメータとの比較は、粒子が粒子クラスタに該当する1つ以上の特性を有する粒子であると判断することを含んでもよい。他の場合には、算出されたパラメータと粒子クラスタの分類パラメータとの比較は、粒子が粒子クラスタにおける粒子と同じであると判断することを含む。さらに他の場合には、算出されたパラメータと粒子クラスタの分類パラメータとの比較は、粒子が粒子クラスタにおける粒子と同じ蛍光体に関連付けられている(例えば、共有結合している)と判断することを含む。別の場合には、算出されたパラメータと粒子クラスタの分類パラメータとの比較は、粒子が粒子クラスタにおける粒子と同じ分析物特異的結合メンバーに関連付けられている(例えば、共有結合している)と判断することを含む。別の場合には、算出されたパラメータと粒子クラスタの分類パラメータとの比較は、粒子が粒子クラスタに割り当てられる統計的確率を計算することを含む。一例では、算出されたパラメータと粒子クラスタの分類パラメータとの比較は、粒子の算出されたパラメータと粒子クラスタとの間のマハラノビス距離を算出することを含む。
【0082】
実施形態による方法は、各粒子クラスタの分類パラメータと粒子の算出されたパラメータとの比較に基づいて粒子を粒子クラスタに割り当てることを含む。いくつかの実施形態では、粒子の算出されたパラメータと粒子クラスタの分類パラメータとの間の閾値に基づいて粒子を粒子クラスタに割り当てる。いくつかの場合には、閾値は、粒子の算出されたパラメータと粒子クラスタの分類パラメータとの間のオーバーラップである。特定の場合には、閾値は予め設定された閾値である。他の場合には、閾値はユーザ設定可能な閾値である。別の場合には、閾値は、粒子の粒子クラスタへの割り当てに応じて変化する動的な閾値である。いくつかの実施形態では、方法は、割り当てられた粒子クラスタの分類パラメータと粒子の算出されたパラメータとに基づいて閾値を調整することをさらに含む。特定の実施形態では、閾値は、メモリを有するプロセッサによって調整され、メモリは、プロセッサに動作可能に結合され、粒子の算出されたパラメータで割り当てられた粒子クラスタの分類パラメータを更新するアルゴリズムを有する。いくつかの場合には、アルゴリズムは機械学習アルゴリズムである。他の場合には、アルゴリズムは静的な予め設定されたアルゴリズムである。さらに他の場合には、アルゴリズムはユーザ設定可能なアルゴリズムである。別の場合には、アルゴリズムは、粒子(例えば、粒子クラスタに割り当てられた粒子)の算出されたパラメータに応じて変化する動的なアルゴリズムである。
【0083】
特定の実施形態では、方法は、試料に対して1つ以上の粒子クラスタを生成することをさらに含む。特定の実施形態による方法は、フローストリーム中の試料の複数の粒子からの光を検出し、検出された光から各粒子のパラメータを算出し、算出されたパラメータに基づいて粒子をクラスタリングすることを含む。これらの実施形態では、粒子クラスタに割り当てられた各粒子は、粒子クラスタの分類パラメータの変化をもたらすことができるため、分類パラメータは、動的で、割り当てられた各粒子の特定の算出されたパラメータに基づいて変化する。各粒子クラスタは、5個以上の割り当てられた粒子を含んでもよい。各粒子クラスタは、例えば10個以上の割り当てられた粒子、例えば50個以上の割り当てられた粒子、例えば100個以上の割り当てられた粒子、例えば500個の割り当てられた粒子を含んでもよく、1000個の割り当てられた粒子を含んでもよい。特定の実施形態では、粒子クラスタは、レアイベント(例えば、試料中の癌細胞などの希少細胞)のグループ化であり、10個以下の割り当てられた粒子を含んでよく、例えば9個以下の割り当てられた粒子を含んでよく、5個以下の割り当てられた粒子を含んでもよい。
【0084】
いくつかの実施形態では、方法は、粒子の粒子クラスタへの割り当てに基づいて選別決定を生成することをさらに含む。いくつかの実施形態では、粒子が粒子クラスタの一部である統計的確率に基づいて、粒子を選別する。他の実施形態では、散布図において粒子と粒子クラスタとの間のマハラノビス距離に基づいて粒子を選別する。特定の実施形態では、方法は、生成された選別決定に基づいて粒子を選別することを含む。
【0085】
粒子分類を調整するためのシステム
上記にまとめたように、本開示の態様は、フローストリーム中の試料の粒子(例えば、生体試料中の細胞)を特徴付けるための光検出システムを有するシステムも含む。特定の実施形態によるシステムは、フローストリーム中の粒子を有する試料を照射するように構成された光源と、光検出器を有する光検出システムと、メモリを有するプロセッサとを含み、メモリはプロセッサに動作可能に結合され、メモリに命令が記憶されており、該命令は、プロセッサにより実行されると、検出された光からフローストリーム中の粒子のパラメータを算出すること、粒子の算出されたパラメータを1つ以上の粒子分類のパラメータと比較すること、粒子分類のパラメータと粒子の算出されたパラメータとの比較に基づいて粒子を分類すること、及び粒子の算出されたパラメータに基づいて粒子分類の1つ以上のパラメータを調整することを、プロセッサにさせる。
【0086】
対象のシステムは、フローストリーム中の試料を照射するように構成された光源を含む。実施形態では、光源は、任意の適切な広帯域または狭帯域の光源であってもよい。試料中の成分(例えば、細胞、ビーズ、非細胞粒子など)に応じて、光源は、200nmから1500nmの範囲で変化する波長の光を発するように構成され得る。波長の範囲は、例えば250nmから1250nm、例えば300nmから1000nm、例えば350nmから900nmであってもよく、400nmから800nmであってもよい。例えば、光源は、200nmから900nmの波長の光を発する広帯域光源を含んでもよい。他の場合には、光源は、200nmから900nmの範囲の波長を発する狭帯域光源を含む。例えば、光源は、波長の範囲が200nmから900nmの光を発する狭帯域LED(1nm~25nm)であってもよい。
【0087】
いくつかの実施形態では、光源はレーザである。対象のレーザは、パルスレーザまたは連続波レーザを含んでもよい。例えば、レーザは、ガスレーザ、色素レーザ、金属蒸気レーザ、固体レーザ、半導体ダイオードレーザ、光ポンピング半導体レーザ(OPSL)、または、上記の任意のレーザの周波数の2倍もしくは3倍で実現されるレーザであってもよい。上記ガスレーザは、例えば、ヘリウムネオンレーザ、アルゴンレーザ、クリプトンレーザ、キセノンレーザ、窒素レーザ、COレーザ、COレーザ、アルゴンフッ素(ArF)エキシマレーザ、クリプトンフッ素(KrF)エキシマレーザ、キセノン塩素(XeCl)エキシマレーザ、もしくはキセノンフッ素(XeF)エキシマレーザ、または、それらの組み合わせであってもよい。上記色素レーザは、例えば、スチルベン、クマリン、またはローダミンレーザであってもよい。上記金属蒸気レーザは、例えば、ヘリウムカドミウム(HeCd)レーザ、ヘリウム水銀(HeHg)レーザ、ヘリウムセレン(HeSe)レーザ、ヘリウム銀(HeAg)レーザ、ストロンチウムレーザ、ネオン銅(NeCu)レーザ、銅レーザ、もしくは金レーザ、または、それらの組み合わせであってもよい。上記固体レーザは、例えば、ルビーレーザ、Nd:YAGレーザ、NdCrYAGレーザ、Er:YAGレーザ、Nd:YLFレーザ、Nd:YVOレーザ、Nd:YCaO(BOレーザ、Nd:YCOBレーザ、チタンサファイアレーザ、ツリウムYAGレーザ、イッテルビウムYAGレーザ、Ybレーザ、もしくはセリウムドープレーザ、または、それらの組み合わせであってもよい。
【0088】
他の実施形態では、光源はランプなどの非レーザ光源であり、例えば、ハロゲンランプ、重水素アークランプ、キセノンアークランプ、発光ダイオード、広帯域連続スペクトルLED、スーパールミネッセント発光ダイオード、半導体発光ダイオード、広域スペクトルLED白色光源、マルチLED統合光源を含むが、これらに限らない。いくつかの場合には、非レーザ光源は、安定化ファイバ結合広帯域光源、白色光源、その他の光源、または、それらの任意の組み合わせである。
【0089】
特定の実施形態では、光源は、2つ以上の周波数シフト光ビームを生成するように構成された光ビーム生成器である。いくつかの場合には、光ビーム生成器は、レーザ、無線周波数発生器を含み、該無線周波数発生器は、無線周波数駆動信号を音響光学装置に印加して2つ以上の角度偏向レーザビームを生成するように構成されている。これらの実施形態では、レーザは、パルスレーザまたは連続波レーザであってもよい。例えば、対象の光ビーム生成器におけるレーザは、ガスレーザ、色素レーザ、金属蒸気レーザ、または固体レーザであってもよい。上記ガスレーザは、例えば、ヘリウムネオンレーザ、アルゴンレーザ、クリプトンレーザ、キセノンレーザ、窒素レーザ、COレーザ、COレーザ、アルゴンフッ素(ArF)エキシマレーザ、クリプトンフッ素(KrF)エキシマレーザ、キセノン塩素(XeCl)エキシマレーザ、もしくはキセノンフッ素(XeF)エキシマレーザ、または、それらの組み合わせであってもよい。上記色素レーザは、例えば、スチルベン、クマリン、またはローダミンレーザであってもよい。上記金属蒸気レーザは、例えば、ヘリウムカドミウム(HeCd)レーザ、ヘリウム水銀(HeHg)レーザ、ヘリウムセレン(HeSe)レーザ、ヘリウム銀(HeAg)レーザ、ストロンチウムレーザ、ネオン銅(NeCu)レーザ、銅レーザ、もしくは金レーザ、または、それらの組み合わせであってもよい。上記固体レーザは、例えば、ルビーレーザ、Nd:YAGレーザ、NdCrYAGレーザ、Er:YAGレーザ、Nd:YLFレーザ、Nd:YVOレーザ、Nd:YCaO(BOレーザ、Nd:YCOBレーザ、チタンサファイアレーザ、ツリウムYAGレーザ、イッテルビウムYAGレーザ、Ybレーザ、もしくはセリウムドープレーザ、または、それらの組み合わせであってもよい。
【0090】
音響光学装置は、印加された音波を使用してレーザ光を周波数シフトするように構成された任意の適宜な音響光学プロトコルであってもよい。特定の実施形態では、音響光学装置は音響光学偏向器である。本システムにおける音響光学装置は、レーザからの光及び印加された無線周波数駆動信号から、角度偏向レーザビームを生成するように構成されている。無線周波数駆動信号は、ダイレクトデジタルシンセサイザ(DDS)、任意波形発生器(AWG)、または電気パルス発生器などの任意の適切な無線周波数駆動信号源によって音響光学装置に印加されてもよい。
【0091】
実施形態では、コントローラは、無線周波数駆動信号を音響光学装置に印加して、出力レーザビームにおいて所望の数の角度偏向レーザビームを生成するように構成されており、例えば、3以上の無線周波数駆動信号を印加するように構成されており、例えば4以上の無線周波数駆動信号、例えば5以上の無線周波数駆動信号、例えば6以上の無線周波数駆動信号、例えば7以上の無線周波数駆動信号、例えば8以上の無線周波数駆動信号、例えば9以上の無線周波数駆動信号、例えば10以上の無線周波数駆動信号、例えば15以上の無線周波数駆動信号、例えば25以上の無線周波数駆動信号、例えば50以上の無線周波数駆動信号を印加するように構成されてもよく、100以上の無線周波数駆動信号を印加するように構成されてもよい。
【0092】
いくつかの場合には、出力レーザビームにおける角度偏向レーザビームの強度プロファイルを生成するために、コントローラは、例えば約0.001Vから約500Vまで変化する振幅を有する無線周波数駆動信号を印加するように構成されており、当該振幅は、例えば約0.005Vから約400Vまで、例えば約0.01Vから約300Vまで、例えば約0.05Vから約200Vまで、例えば約0.1Vから約100Vまで、例えば約0.5Vから約75Vまで、例えば約1Vから50Vまで、例えば約2Vから40Vまで、例えば3Vから約30Vまで変化してもよく、約5Vから約25Vまで変化してもよい。いくつかの実施形態では、印加される各無線周波数駆動信号は、約0.001MHzから約500MHzまでの周波数を有し、該周波数は、例えば約0.005MHzから約400MHzまで、例えば約0.01MHzから約300MHzまで、例えば約0.05MHzから約200MHzまで、例えば約0.1MHzから約100MHzまで、例えば約0.5MHzから約90MHzまで、例えば約1MHzから約75MHzまで、例えば約2MHzから約70MHzまで、例えば約3MHzから約65MHzまで、例えば約4MHzから約60MHzまでであってもよく、約5MHzから約50MHzまでであってもよい。
【0093】
特定の実施形態では、コントローラはプロセッサを有し、プロセッサは該プロセッサに動作可能に結合されたメモリを有し、メモリに命令が記憶されており、該命令は、プロセッサによって実行されると、出力レーザビームをプロセッサに生成させ、該出力レーザビームには、所望の強度プロファイルを有する角度偏向レーザビームがある。例えば、メモリは、同じ強度を有する2本以上の角度偏向レーザビームを生成させる命令を含んでもよく、該レーザビームは、例えば3本以上、例えば4本以上、例えば5本以上、例えば10本以上、例えば25本以上、例えば50本以上であってもよい。メモリは、同じ強度を有する100本以上の角度偏向レーザビームを生成させる命令を含んでもよい。他の実施形態では、異なる強度を有する2本以上の角度偏向レーザビームを生成させる命令を含んでもよく、該レーザビームは、例えば3本以上、例えば4本以上、例えば5本以上、例えば10本以上、例えば25本以上、例えば50本以上であってもよい。メモリは、異なる強度を有する100本以上の角度偏向レーザビームを生成させる命令を含んでもよい。
【0094】
特定の実施形態では、コントローラはプロセッサを有し、プロセッサは該プロセッサに動作可能に結合されたメモリを有し、メモリに命令が記憶されており、該命令は、プロセッサによって実行されると、出力レーザビームをプロセッサに生成させ、該出力レーザビームは、水平軸に沿って出力レーザビームの中心から端部に向かって強度が増加する。これらの例では、水平軸に沿って、出力レーザビームの中心における角度偏向レーザビームの強度は、出力レーザビームの端部における角度偏向レーザビームの強度の0.1%から約99%の範囲にあり得る。該範囲は、例えば0.5%から約95%、例えば1%から約90%、例えば約2%から約85%、例えば約3%から約80%、例えば約4%から約75%、例えば約5%から約70%、例えば約6%から約65%、例えば約7%から約60%、例えば約8%から約55%であってもよい。水平軸に沿って、出力レーザビームの中心における角度偏向レーザビームの強度は、出力レーザビームの端部における角度偏向レーザビームの強度の約10%から約50%であってもよい。他の実施形態では、コントローラはプロセッサを有し、プロセッサは該プロセッサに動作可能に結合されたメモリを有し、メモリに命令が記憶されており、該命令は、プロセッサによって実行されると、出力レーザビームをプロセッサに生成させ、該出力レーザビームは、水平軸に沿って出力レーザビームの端部から中心に向かって強度が増加する。これらの例では、水平軸に沿って、出力レーザビームの端部における角度偏向レーザビームの強度は、出力レーザビームの中心における角度偏向レーザビームの強度の0.1%から約99%の範囲にあってもよい。該範囲は、例えば0.5%から約95%、例えば1%から約90%、例えば約2%から約85%、例えば約3%から約80%、例えば約4%から約75%、例えば約5%から約70%、例えば約6%から約65%、例えば約7%から約60%、例えば約8%から約55%であってもよい。水平軸に沿って、出力レーザビームの端部における角度偏向レーザビームの強度は、出力レーザビームの中心における角度偏向レーザビームの強度の約10%から約50%であってもよい。さらに他の実施形態では、コントローラはプロセッサを有し、プロセッサは該プロセッサに動作可能に結合されたメモリを有し、メモリに命令が記憶されており、該命令は、プロセッサによって実行されると、水平軸に沿ってガウス分布となる強度プロファイルを有する出力レーザビームをプロセッサに生成させる。さらに別の実施形態では、コントローラはプロセッサを有し、該プロセッサは該プロセッサに動作可能に結合されたメモリを有し、メモリに命令が記憶されており、該命令は、プロセッサによって実行されると、水平軸に沿ってトップハットの強度プロファイルを有する出力レーザビームをプロセッサに生成させる。
【0095】
実施形態では、対象の光ビーム生成器は、出力レーザビームにおいて空間的に離れた角度偏向レーザビームを生成するように構成され得る。印加された無線周波数駆動信号及び出力レーザビームの所望の照射プロファイルに応じて、角度偏向レーザビームの間隔は、0.001μm以上であってもよい。該間隔は、例えば0.005μm以上、例えば0.01μm以上、例えば0.05μm以上、例えば0.1μm以上、例えば0.5μm以上、例えば1μm以上、例えば5μm以上、例えば10μm以上、例えば100μm以上、例えば500μm以上、例えば1000μm以上であってもよく、5000μm以上であってもよい。いくつかの実施形態では、システムは、出力レーザビームにおいて、例えば出力レーザビームの水平軸に沿って隣接する角度偏向レーザビームのような、重なり合う角度偏向レーザビームを生成するように構成されている。隣接する角度偏向レーザビーム間の重なり合い(例えばビームスポット間の重なり合い)は、0.001μm以上の重なり合いであってもよい。該重なり合いは、例えば0.005μm以上の重なり合い、例えば0.01μm以上の重なり合い、例えば0.05μm以上の重なり合い、例えば0.1μm以上の重なり合い、例えば0.5μm以上の重なり合い、例えば1μm以上の重なり合い、例えば5μm以上の重なり合い、例えば10μm以上の重なり合いであってもよく、100μm以上の重なり合いであってもよい。
【0096】
特定の場合には、周波数シフト光ビームを2つ以上生成するように構成されている光ビーム生成器は、米国特許第9,423,353号明細書、米国特許第9,784,661号明細書、米国特許第10,006,852号明細書、米国特許出願公開第2017/0133857号明細書、及び米国特許出願公開第2017/0350803号明細書に記載されたレーザ励起モジュールを含む。これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0097】
実施形態では、システムは、試料からの光を検出及び測定するための明視野光検出器、光散乱(前方光散乱、側方光散乱)検出器及び蛍光検出器のうちの1つ以上を有する光検出システムを含む。対象の明視野光検出器、光散乱(前方光散乱、側方光散乱)検出器及び蛍光検出器は、光センサを含んでもよいが、それに限定されない。該光センサは、例えば、アクティブピクセルセンサ(APS)、アバランシェフォトダイオード、撮像素子、電荷結合素子(CDD)、強化電荷結合素子(ICCD)、発光ダイオード、光子計数器、ボロメータ、焦電検出器、フォトレジスタ、光起電セル、フォトダイオード、光電増倍管、フォトトランジスタ、量子ドット光伝導体またはフォトダイオードであってもよく、それらの組み合わせであってもよく、他の光検出器であってもよい。特定の実施形態では、試料からの光は、電荷結合素子(CCD)、半導体電荷結合素子(CCD)、アクティブピクセルセンサ(APS)、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)撮像素子またはN型金属酸化膜半導体(NMOS)撮像素子で測定される。特定の実施形態では、明視野光検出器はアバランシェフォトダイオード(APD)を含む。いくつかの場合には、光散乱検出器は、アバランシェフォトダイオードである。特定の場合には、1つ以上の蛍光検出器はアバランシェフォトダイオードである。
【0098】
いくつかの実施形態では、対象の光検出システムは複数の蛍光検出器を含む。いくつかの場合には、光検出システムは、フォトダイオードなど、複数の固体検出器を含む。特定の場合には、光検出システムは、フォトダイオードのアレイなどの蛍光検出器アレイである。これらの実施形態では、光検出器アレイは4個以上の光検出器を含んでもよい。該光検出器アレイは、例えば10個以上の光検出器、例えば25個以上の光検出器、例えば50個以上の光検出器、例えば100個以上の光検出器、例えば250個以上の光検出器、例えば500個以上の光検出器、例えば750個以上の光検出器を含んでもよく、1000個以上の光検出器を含んでもよい。例えば、検出器は4個以上のフォトダイオードを有するフォトダイオードアレイであってもよい。該フォトダイオードアレイは、例えば10個以上のフォトダイオード、例えば25個以上のフォトダイオード、例えば50個以上のフォトダイオード、例えば100個以上のフォトダイオード、例えば250個以上のフォトダイオード、例えば500個以上のフォトダイオード、例えば750個以上のフォトダイオードを有してもよく、1000個以上のフォトダイオードを有してもよい。
【0099】
光検出器は、必要に応じて任意の幾何学的配置に並んでもよく、対象の配列としては、正方形配置、長方形配置、台形配置、三角形配置、六角形配置、七角形配置、八角形配置、九角形配置、十角形配置、十二角形配置、円形配置、楕円形配置、及び不規則パターン配置があるが、これらに限定されない。光検出器アレイにおける光検出器は、(XZ平面内で参照されるように)他方に対して10°~180°の範囲の角度で配向されてもよく、当該角度の範囲は、例えば15°~170°、例えば20°~160°、例えば25°~150°、例えば30°~120°であってもよく、45°~90°であってもよい。光検出器アレイは、任意の適切な形状であってもよく、例えば、正方形、長方形、台形、三角形、六角形などの直線的な形状であってもよく、例えば円形、楕円形などの曲線の形状であってもよく、放物線の底部が平面の上部に結合された形状などの不規則な形状であってもよい。特定の実施形態では、光検出器アレイは長方形の能動面を有する。
【0100】
アレイにおける各光検出器(例えば、フォトダイオード)は、幅が5μmから250μmの範囲、長さが5μmから250μmの範囲の能動面を有してもよい。その幅の範囲は、例えば10μmから225μmであり、例えば15μmから200μm、例えば20μmから175μm、例えば25μmから150μm、例えば30μmから125μmであってもよく、50μmから100μmであってもよい。その長さの範囲は、例えば10μmから225μm、例えば15μmから200μm、例えば20μmから175μm、例えば25μmから150μm、例えば30μmから125μmであってもよく、50μmから100μmであってもよく、アレイにおける各光検出器(例えば、フォトダイオード)の表面積は、25μmから10000μmの範囲であり、該範囲は、例えば50μmから9000μm、例えば75μmから8000μm、例えば100μmから7000μm、例えば150μmから6000μmであってもよく、200μmから5000μmであってもよい。
【0101】
光検出器アレイのサイズは、光の量及び強度、光検出器の数、及び所望の感度によって変化してもよく、0.01mmから100mmの範囲の長さを有してもよい。該長さの範囲は、例えば0.05mmから90mm、例えば0.1mmから80mm、例えば0.5mmから70mm、例えば1mmから60mm、例えば2mmから50mm、例えば3mmから40mm、例えば4mmから30mmであってもよく、5mmから25mmであってもよい。光検出器アレイの幅も0.01mmから100mmの範囲で変化してもよい。該幅の範囲は、例えば0.05mmから90mm、例えば0.1mmから80mm、例えば0.5mmから70mm、例えば1mmから60mm、例えば2mmから50mm、例えば3mmから40mm、例えば4mmから30mmであってもよく、5mmから25mmであってもよい。従って、光検出器アレイの能動面は、0.1mmから10000mmの範囲であってもよい。該範囲は、例えば0.5mmから5000mm、例えば1mmから1000mm、例えば5mmから500mmであってもよく、10mmから100mmであってもよい。
【0102】
対象の光検出器は、1つ以上の波長で収集された光を測定するように構成され、該波長は、例えば2以上の波長、例えば5以上の異なる波長、例えば10以上の異なる波長、例えば25以上の異なる波長、例えば50以上の異なる波長、例えば100以上の異なる波長、例えば200以上の異なる波長、例えば300以上の異なる波長であってもよい。対象の光検出器は、400以上の異なる波長でフローストリーム中の試料により放出された光を測定するように構成されてもよい。
【0103】
いくつかの実施形態では、光検出システムは、明視野データ信号を生成するように構成された明視野光検出器を含む。明視野光検出器は、試料からの光を1つ以上の波長で検出するように構成されてもよい。例えば5以上の異なる波長、例えば10以上の異なる波長、例えば25以上の異なる波長、例えば50以上の異なる波長、例えば100以上の異なる波長、例えば200以上の異なる波長、例えば300以上の異なる波長で光を検出してもよく、400以上の異なる波長で光を検出してもよい。明視野光検出器は、200nm~1200nmの1つ以上の波長範囲にわたって光を検出するように構成されてもよい。いくつかの場合には、方法は明視野光検出器で波長の範囲にわたって試料からの光を検出することを含む。該波長範囲は、例えば200nmから1200nm、例えば300nmから1100nm、例えば400nmから1000nm、例えば500nmから900nmであってもよく、600nmから800nmであってもよい。
【0104】
対象の光検出システムにおける明視野光検出器は、特定の実施形態では、検出された光に応じて1つ以上の明視野データ信号を生成するように構成されており、検出された光に応じて、例えば2以上、例えば3以上、例えば4以上、例えば5以上の明視野データ信号を生成してもよく、10以上の明視野データ信号を生成してもよい。明視野光検出器が光の複数の波長(例えば、400nmから800nm)にわたって光を検出するように構成されている場合、方法は、いくつかの場合に、検出された光の各波長に応じて1つ以上の明視野データ信号を生成することを含んでもよい。他の場合には、単一の明視野データ信号は、明視野光検出器によって波長の全範囲にわたって検出された光に応じて生成される。
【0105】
いくつかの実施形態では、光検出システムは、光散乱データ信号を生成するように構成された光散乱検出器を含む。光散乱検出器は、試料からの光を1つ以上の波長で検出するように構成されてもよい。例えば5以上の異なる波長、例えば10以上の異なる波長、例えば25以上の異なる波長、例えば50以上の異なる波長、例えば100以上の異なる波長、例えば200以上の異なる波長、例えば300以上の異なる波長で光を検出してもよく、400以上の異なる波長で光を検出してもよい。光散乱検出器は、200nm~1200nmの1つ以上の波長範囲にわたって光を検出するように構成されてもよい。いくつかの場合には、方法は光散乱検出器で波長の範囲にわたって試料からの光を検出することを含む。該波長の範囲は、例えば200nmから1200nm、例えば300nmから1100nm、例えば400nmから1000nm、例えば500nmから900nmであってもよく、600nmから800nmであってもよい。
【0106】
対象の光検出システムにおける光散乱検出器は、特定の実施形態では、検出された光に応じて1つ以上の光散乱データ信号を生成するように構成されており、検出された光に応じて、例えば2以上、例えば3以上、例えば4以上、例えば5以上の光散乱データ信号を生成してもよく、10以上の光散乱データ信号を生成してもよい。光散乱検出器が光の複数の波長(例えば、400nmから800nm)にわたって光を検出するように構成されている場合、方法は、いくつかの場合に、検出された光の各波長に応じて1つ以上の光散乱データ信号を生成することを含んでもよい。他の場合には、単一の光散乱データ信号は、光散乱検出器によって波長の全範囲にわたって検出された光に応じて生成される。
【0107】
光検出システムは、明視野光検出器、光散乱検出器及び蛍光検出器のうちの1つ以上を含む。ここで、検出器の数は、例えば2以上、例えば3以上、例えば4以上、例えば5以上、例えば6以上、例えば7以上、例えば8以上、例えば9以上、例えば10以上、例えば15以上であってもよく、25以上であってもよい。実施形態では、各検出器は、データ信号を生成するように構成されている。試料からの光は、200nm~1200nmの1つ以上の波長範囲にわたって、各光検出器によって独立して検出されてもよい。いくつかの場合には、1つ以上の検出器は、波長の範囲にわたって試料からの光を検出するように構成されている。ここで、波長の範囲は、例えば200nmから1200nm、例えば300nmから1100nm、例えば400nmから1000nm、例えば500nmから900nmであってよく、600nmから800nmであってもよい。他の場合には、1つ以上の検出器は、1つ以上の特定の波長で光を検出するように構成されている。例えば、本光検出システム中の異なる光検出器の数に応じて、450nm、518nm、519nm、561nm、578nm、605nm、607nm、625nm、650nm、660nm、667nm、670nm、668nm、695nm、710nm、723nm、780nm、785nm、647nm、617nm及びそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上で蛍光を検出するように構成されている。特定の実施形態では、1つ以上の検出器は、試料中の特定の蛍光体の蛍光ピーク波長に対応する光の波長を検出するように構成されている。
【0108】
光検出システムは、光を連続的または離散的な間隔で測定するように構成されている。いくつかの場合には、光検出システムの光検出器は、収集された光を連続的に測定するように構成されている。他の場合には、光検出システムは、離散的な間隔で光を測定するように構成され、例えば、0.001ミリ秒毎、0.01ミリ秒毎、0.1ミリ秒毎、1ミリ秒毎、10ミリ秒毎、100ミリ秒毎に光を測定してもよく、1000ミリ秒毎に光を測定してもよく、または、他の間隔で光を測定してもよい。
【0109】
いくつかの実施形態では、システムは、フローストリーム中の粒子を有する試料を照射することにより周波数符号化された蛍光データを生成するように構成されている。いくつかの実施形態では、光源は光生成器構成要素を含み、光生成器構成要素は複数の角度偏向レーザビームを生成し、各角度偏向レーザビームは、(例えば、音響光学装置に結合されたダイレクトデジタルシンセサイザから)印加された無線周波数駆動信号の振幅に基づく強度を有する。例えば、本システムは光生成器構成要素を含んでもよい。該光生成器構成要素は、2本以上の角度偏向レーザビームを生成する。該角度偏向レーザビームの数は、例えば3以上、例えば4以上、例えば5以上、例えば6以上、例えば7以上、例えば8以上、例えば9以上、例えば10以上であってよく、25以上であってもよい。実施形態では、各角度偏向レーザビームは、異なる周波数を有する。これらの周波数は、入力レーザビームの周波数から予め設定された無線周波数だけシフトされる。
【0110】
特定の実施形態による本システムは、空間的にも互いにシフトされる角度偏向レーザビームを生成するように構成されている。印加された無線周波数駆動信号及び出力レーザビームの所望の照射プロファイルに応じて、本システムは、0.001μm以上離れる角度偏向レーザビームを生成するように構成され得る。角度偏向レーザビームは、例えば0.005μm以上、例えば0.01μm以上、例えば0.05μm以上、例えば0.1μm以上、例えば0.5μm以上、例えば1μm以上、例えば5μm以上、例えば10μm以上、例えば100μm以上、例えば500μm以上、例えば1000μm以上離れてもよく、5000μm以上離れてもよい。いくつかの実施形態では、角度偏向レーザビームは、例えば、出力レーザビームの水平軸に沿って隣接する角度偏向レーザビームと重なり合う。隣接する角度偏向レーザビーム間の重なり合い(例えばビームスポットの重なり合い)は、0.001μm以上の重なり合いであってもよい。例えば0.005μm以上の重なり合い、例えば0.01μm以上の重なり合い、例えば0.05μm以上の重なり合い、例えば0.1μm以上の重なり合い、例えば0.5μm以上の重なり合い、例えば1μm以上の重なり合い、例えば5μm以上の重なり合い、例えば10μm以上の重なり合いであってもよく、100μm以上の重なり合いであってもよい。
【0111】
いくつかの実施形態では、システムはプロセッサを含み、プロセッサは、該プロセッサに動作可能に結合されたメモリを有し、メモリに命令が記憶されており、該命令は、プロセッサにより実行されると、フローストリームに入射した重なり合う光のビームレットの光周波数間の差を計算することにより周波数符号化された蛍光データを生成することをプロセッサにさせる。一例では、システムはプロセッサを含み、プロセッサは、該プロセッサに動作可能に結合されたメモリを有し、メモリに命令が記憶されており、該命令は、プロセッサにより実行されると、フローストリームの水平軸における各位置でのビート周波数を計算することをプロセッサにさせる。これらの実施形態では、粒子により放出された、周波数符号化された蛍光は、局部発振器ビームの周波数(fLO)と無線周波数シフトされたビームレットの周波数との間の差に対応するビート周波数である。例えば、周波数符号化された蛍光データは、fLO-fRFシフトされたビームレットのビート周波数を含む。フローストリームの照射にフローストリームの幅(例えば、水平軸全体)に跨る局部発振器ビームが含まれる場合、周波数符号化された蛍光データは、局部発振器ビームの周波数(fLO)と各無線周波数シフトされたビームレットの周波数(f、f、f、f、f、fなど)との間の差に応じるビート周波数を含む。これらの実施形態では、周波数符号化された蛍光データは、複数のビート周波数を含んでもよく、各ビート周波数は、フローストリームの水平軸における位置に対応する。
【0112】
いくつかの実施形態では、本システムのプロセッサメモリにプログラムされた粒子分類は、(例えば、細胞選別装置で細胞を選別するための)選別分類を含む。いくつかの場合には、粒子を分類することは、粒子選別決定を生成することを含む。特定の場合には、メモリに命令が記憶されており、該命令は、プロセッサにより実行されると、粒子の算出されたパラメータと粒子分類のパラメータとの間の閾値に基づいて粒子選別決定を生成することを、プロセッサにさせる。いくつかの実施形態では、メモリに命令が記憶されており、該命令は、プロセッサにより実行されると、粒子選別決定を生成するための閾値を変更することにより粒子分類の1つ以上のパラメータを調整することを、プロセッサにさせる。いくつかの実施形態では、閾値は予め設定された閾値である。他の実施形態では、閾値はユーザ設定可能な閾値である。別の実施形態では、閾値は、粒子の算出されたパラメータに基づいて調整される動的な閾値である。閾値が粒子の算出されたパラメータに基づいて調整される動的な閾値である場合、メモリは選別決定を生成するための閾値を更新するアルゴリズムを含んでもよい。いくつかの実施形態では、閾値を更新するためのアルゴリズムは静的な予め設定されたアルゴリズムである。他の実施形態では、閾値を更新するためのアルゴリズムはユーザ設定可能なアルゴリズムである。別の実施形態では、閾値を更新するためのアルゴリズムは、粒子の算出されたパラメータと粒子選別ゲートのパラメータとに基づいて選別決定を更新する動的なアルゴリズムである。例えば、動的なアルゴリズムは、粒子の算出されたパラメータと、類似または異なる分類パラメータを有する粒子(例えば、以前に選別ゲートで選別された粒子)のパラメータとに基づいて選別分類パラメータを更新する機械学習アルゴリズムであってもよい。
【0113】
他の実施形態では、本システムのプロセッサのメモリにプログラムされた粒子分類は、1つ以上の粒子集団クラスタを含む。これらの実施形態では、メモリに命令が記憶されており、該命令は、プロセッサにより実行されると、各粒子クラスタの分類パラメータと粒子の算出されたパラメータとの比較に基づいて粒子を粒子クラスタに割り当てることにより粒子を分類することを、プロセッサにさせる。いくつかの場合には、メモリに命令が記憶されており、該命令は、プロセッサにより実行されると、粒子の算出されたパラメータに基づいて割り当てられた粒子クラスタの分類パラメータを変更することにより粒子分類の1つ以上のパラメータを調整することを、プロセッサにさせる。これらの場合には、メモリに命令が記憶されており、該命令は、プロセッサにより実行されると、粒子の算出されたパラメータを散布図(例えば、ドットプロット)にプロットすることを、プロセッサにさせる。他の場合には、メモリに命令が記憶されており、該命令は、プロセッサにより実行されると、粒子の算出されたパラメータのリストを生成することを、プロセッサにさせる。特定の場合には、メモリに命令が記憶されており、該命令は、プロセッサにより実行されると、粒子が粒子クラスタに割り当てられる統計的確率を算出することを、プロセッサにさせる。例えば、システムは、粒子の算出されたパラメータと各粒子クラスタとの間のマハラノビス距離を算出するように構成されてもよい。他の実施形態では、システムは、粒子の算出されたパラメータと粒子クラスタの分類パラメータとの間の閾値に基づいて粒子を粒子クラスタに割り当てるように構成される。例えば、閾値は、粒子の算出されたパラメータと粒子クラスタの分類パラメータとの間のオーバーラップであってもよい。該閾値は、予め設定された閾値、ユーザ設定可能な閾値、または粒子の粒子クラスタへの割り当てに応じて変化する動的な閾値であってもよい。いくつかの場合には、メモリに命令が記憶されており、該命令は、プロセッサにより実行されると、割り当てられた粒子クラスタの分類パラメータと粒子の算出されたパラメータとに基づいて閾値を調整することを、プロセッサにさせる。閾値は、静的な予め設定されたアルゴリズム、ユーザ設定可能なアルゴリズム、または粒子の算出されたパラメータを用いて割り当てられた粒子クラスタの分類パラメータを更新する動的なアルゴリズムであってもよい。例えば、動的なアルゴリズムは、粒子の算出されたパラメータと、類似または異なる分類パラメータを有する粒子のパラメータとに基づいて粒子クラスタの分類パラメータを更新する機械学習アルゴリズムであってもよい。
【0114】
いくつかの実施形態では、メモリに命令が記憶されており、該命令は、プロセッサにより実行されると、粒子の算出されたパラメータを散布図にプロットすること、または粒子の算出されたパラメータのリストを生成することを、プロセッサにさせる。実施形態では、システムは、粒子の算出されたパラメータを粒子(例えば、散布図における粒子クラスタにおける粒子)の1つ以上のグループの分類パラメータと比較するように構成されている。いくつかの場合には、システムは、粒子の粒子クラスタとの関連性の程度を識別するように構成されている。いくつかの実施形態では、システムは、命令が記憶されているメモリを含み、該命令は、プロセッサにより実行されると、粒子が粒子クラスタに該当する1つ以上の特性を有する粒子であると判断することを、プロセッサにさせる。他の場合には、システムは、粒子が粒子クラスタにおける粒子と同じであると判断するように構成されている。さらに他の場合には、システムは、粒子が粒子クラスタにおける粒子と同じ蛍光体に関連付けられている(例えば、共有結合している)と判断するように構成されている。別の場合には、システムは、粒子が粒子クラスタにおける粒子と同じ分析物特異的結合メンバーに関連付けられている(例えば、共有結合している)と判断するように構成されている。別の場合には、システムは、命令が記憶されているメモリを含み、該命令は、プロセッサにより実行されると、粒子が粒子クラスタに割り当てられる統計的確率を算出することを、プロセッサにさせる。一例では、システムは、命令が記憶されているメモリを含み、該命令は、プロセッサにより実行されると、粒子の算出されたパラメータと粒子クラスタとの間のマハラノビス距離を算出することを、プロセッサにさせる。
【0115】
実施形態では、対象のシステムは、メモリを有するプロセッサを含み、メモリはプロセッサに動作可能に結合され、メモリに命令が記憶されており、該命令は、プロセッサにより実行されると、粒子クラスタの分類パラメータと粒子の算出されたパラメータとの比較に基づいて粒子を粒子クラスタに割り当てることを、プロセッサにさせる。いくつかの実施形態では、システムは、粒子の算出されたパラメータと粒子クラスタの分類パラメータとの間の閾値に基づいて粒子を粒子クラスタに割り当てるように構成されている。いくつかの場合には、閾値は、粒子の算出されたパラメータと粒子クラスタの分類パラメータとの間のオーバーラップである。特定の場合には、閾値は予め設定された閾値である。他の場合には、閾値はユーザ設定可能な閾値である。別の場合には、閾値は、粒子の粒子クラスタへの割り当てに応じて変化する動的な閾値である。いくつかの実施形態では、対象のシステムはメモリを有するプロセッサを含み、メモリは、割り当てられた粒子クラスタの分類パラメータと粒子の算出されたパラメータとに基づいて閾値を調整するためのアルゴリズムを有する。これらの実施形態では、アルゴリズムは、新たな粒子の算出されたパラメータで粒子クラスタの分類パラメータを更新する。いくつかの場合には、アルゴリズムは機械学習アルゴリズムである。他の場合には、アルゴリズムは静的な予め設定されたアルゴリズムである。さらに他の場合には、アルゴリズムはユーザ設定可能なアルゴリズムである。別の場合には、アルゴリズムは、粒子(例えば粒子クラスタに割り当てられた粒子)の算出されたパラメータに応じて変化する動的なアルゴリズムである。
【0116】
特定の実施形態では、対象のシステムは、メモリを有するプロセッサを含み、メモリはプロセッサに動作可能に結合され、メモリに命令が記憶されており、該命令は、プロセッサにより実行されると、試料に対して1つ以上の粒子クラスタを(例えば、散布図において)生成することを、プロセッサにさせる。これらの実施形態では、システムは、フローストリーム中の試料の複数の粒子からの光を検出し、検出された光から各粒子のパラメータを算出し、算出されたパラメータに基づいて粒子をクラスタリングするように構成されている。いくつかの実施形態では、システムは、新たに割り当てられた粒子の算出されたパラメータに基づいて粒子クラスタの分類パラメータを変更するように構成されている。
【0117】
いくつかの実施形態では、対象のシステムは、粒子の粒子クラスタへの割り当てに基づいて粒子の選別決定を生成するように構成された1つ以上の選別決定モジュールを含んでもよい。特定の実施形態では、システムは、選別決定モジュールによって生成された選別決定に基づいてフローストリームから粒子を選別するための(例えば、液滴偏向器を有する)粒子ソータをさらに含む。
【0118】
図4は、本発明の実施形態を採用するフローサイトメータ400を示す。フローサイトメータ400は、フローセル404、流体試料(例えば、血液試料)をフローセルに提供するための試料貯蔵部406、及び流体サブシステム415でシース液をフローセルに提供するためのシース貯蔵部408を含む。フローサイトメータ400では、フローストリーム中の粒子(例えば細胞)を有する流体試料を、シース液の層流と連動してフローセル404に輸送するように構成されている。本明細書に記載されたような光検出システム409を用いて、検査領域403でフローストリームの分析を行う。フローストリームは、ノズル開口部410を経由してフローセル404から出てフローストリーム411になる。フローストリーム411は、液滴偏向板424を用いて液滴として選別されてもよい。
【0119】
システムは、選別を監視し、選別決定をさらに調整する必要がある場合に、追加のセンサ(例えば、撮像カメラ413及び420)をさらに含んでもよい。データ信号プロセッサ414及び415は、検出された光から生成されたデータ信号を提供するために、光検出システム409に動作可能に結合されてもよい。プロセッサ414及び415は、本明細書に記載された実施形態に従って、粒子を分類して粒子分類の1つ以上のパラメータを調整するようにプログラムされたハードウェアコンピューティングコンポーネント450(例えば、FPGAなどの再構成可能な集積回路、または非一時的なコンピュータ可読記憶媒体)と動作通信する。特定の実施形態によるハードウェアコンピューティングコンポーネントは、検出された光からフローストリーム中の粒子のパラメータを算出するためのアルゴリズム450a、粒子の算出されたパラメータを1つ以上の粒子分類のパラメータと比較するためのアルゴリズム450b、粒子分類のパラメータと粒子の算出されたパラメータとの比較に基づいて粒子を分類するためのアルゴリズム450c、及び粒子の算出されたパラメータに基づいて粒子分類の1つ以上のパラメータを調整するためのアルゴリズム450dを含む。ハードウェアコンピューティングコンポーネントは、特定の場合には、粒子分類の1つ以上のパラメータを動的に調整するための機械学習プロトコル450eをも含む。
【0120】
いくつかの実施形態によるシステムは、ディスプレイ及びオペレータ入力装置を含んでもよい。オペレータ入力装置は、例えば、キーボード、マウスなどであってもよい。処理モジュールは、本方法のステップを実行するための命令が記憶されたメモリにアクセスするプロセッサを含む。処理モジュールは、オペレーティングシステム、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)コントローラ、システムメモリ、メモリ記憶装置、入出力コントローラ、キャッシュメモリ、データバックアップユニット、及び多くの他のデバイスを含んでもよい。プロセッサは、市販のプロセッサであってもよいし、現在または今後入手可能な他のプロセッサの1つであってもよい。プロセッサはオペレーティングシステムを実行し、オペレーティングシステムは、周知のようにファームウェアとハードウェアとのインタフェースをとり、様々なプログラミング言語で記述された様々なコンピュータプログラムの機能を連携及び実行するプロセッサを支援する。該プログラミング言語は、例えば当技術分野で知られているJava(登録商標)、Perl、C++、他の高水準言語または低水準言語であってもよく、それらの組み合わせであってもよい。オペレーティングシステムは、典型的には、プロセッサと協働して、コンピュータの他のコンポーネントの機能の連携及び実行をする。オペレーティングシステムは、既知の技術に従ってスケジュール管理、入出力制御、ファイル及びデータ管理、メモリ管理、通信制御及び関連サービスも提供する。プロセッサは、任意の適切なアナログまたはデジタルシステムであってもよい。いくつかの実施形態では、プロセッサは、例えば負のフィードバック制御などのフィードバック制御を提供するアナログ電子機器を含む。
【0121】
システムメモリは様々な既知的または将来的なメモリ記憶装置のいずれかであってもよい。例としては、一般的に入手可能なランダムアクセスメモリ(RAM)、常駐ハードディスクやテープなどの磁気媒体、読み取り及び書き込みコンパクトディスクなどの光学媒体、フラッシュメモリデバイス、または他のメモリ記憶装置が含まれる。メモリ記憶装置は、コンパクトディスクドライブ、テープドライブ、リムーバブルハードディスクドライブ、またはディスケットドライブを含む、様々な既知的または将来的なデバイスのいずれかであってもよい。そのようなタイプのメモリ記憶装置は、典型的には、プログラム記憶媒体(図示せず)、例えば、それぞれコンパクトディスク、磁気テープ、リムーバブルハードディスク、またはフロッピー(登録商標)ディスケットからの読み取り及び/またはそこへの書き込みを行う。これらのプログラム記憶媒体または現在使用されている、または今後開発され得る他のものはいずれも、コンピュータプログラム製品とみなされ得る。これらのプログラム記憶媒体は、典型的には、コンピュータソフトウェアプログラム及び/またはデータを記憶することが理解される。コンピュータソフトウェアプログラムは、コンピュータ制御ロジックとも呼ばれ、典型的には、メモリ記憶デバイスと組み合わせて使用されるシステムメモリ及び/またはプログラム記憶デバイスに記憶される。
【0122】
いくつかの実施形態では、コンピュータプログラム製品は、記憶された制御ロジック(プログラムコードを含むコンピュータソフトウェアプログラム)を有するコンピュータ利用可能媒体を含めて記載される。制御ロジックは、プロセッサまたはコンピュータにより実行される場合、本明細書に記載の機能を行うようにプロセッサに命令する。他の実施形態では、いくつかの機能は、例えばハードウェアステートマシンを用いて、主にハードウェアで実行される。本明細書に記載の機能を行うためのハードウェアステートマシンの実行は、関連技術分野の当業者に明らかである。
【0123】
メモリは、プロセッサによるデータの記憶及び取出しが可能な任意の好適なデバイス、例えば、磁気デバイス、光学デバイス、または固体記憶デバイス(例えば、磁気もしくは光学のディスクもしくはテープもしくはRAM、または任意の他の好適な固定型もしくは携帯型のデバイス)であってもよい。プロセッサは、必要なプログラムコードを保有するコンピュータ可読媒体から好適にプログラムされる汎用デジタルマイクロプロセッサを含んでもよい。プログラミングは、通信チャネルを介して遠隔でプロセッサに提供可能であるか、またはメモリに接続されたデバイスのいずれかを用いてメモリまたは何らかの他の携帯型もしくは固定型のコンピュータ可読記憶媒体等のコンピュータプログラム製品にあらかじめ保存可能である。例えば、磁気または光学ディスクは、プログラミングを保有し得るとともに、ディスクライタ/リーダにより読取り可能である。本発明に係るシステムはまた、プログラミング、例えば、上述の本方法の実施に使用されるアルゴリズムをコンピュータプログラム製品の形態で含む。本発明に係るプログラミングは、コンピュータ可読媒体、例えば、コンピュータによる読取り及び直接アクセスが可能な任意の媒体に記録され得る。かかる媒体としては、磁気記憶媒体、例えば、フロッピーディスク(登録商標)、ハードディスク記憶媒体、及び磁気テープ、光記憶媒体、例えば、CD-ROM、電気記憶媒体、例えば、RAM及びROM、ポータブルフラッシュドライブ、及びこれらのカテゴリーのハイブリッド、例えば、磁気/光学記憶媒体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0124】
プロセッサはまた、遠隔地のユーザと通信するために通信チャネルを利用し得る。遠隔地とは、ユーザがシステムに直接触れることなく、広域ネットワーク(「WAN」)、電話回線網、衛星ネットワーク、または任意の他の好適な通信チャネル、たとえば携帯電話(即ちスマートフォン)に接続されたコンピュータ等の外部デバイスから入力情報を入力マネージャに中継することを意味する。
【0125】
いくつかの実施形態では、本開示に係るシステムは、通信インタフェースを備えるように構成され得る。いくつかの実施形態では、通信インタフェースは、ネットワーク及び/または他のデバイスと通信するためのレシーバ及び/またはトランスミッタを含む。通信インタフェースは、有線または無線の通信用として、例えば、限定されるものではないが、無線周波数(RF)通信(例えば、無線周波数識別(RFID)、Zigbee(登録商標)通信プロトコル、WiFi、赤外線、無線ユニバーサルシリアルバス(USB)、ウルトラワイドバンド(UWB)、Bluetooth(登録商標)通信プロトコル及びセルラー通信、例えば、符号分割多重アクセス(CDMA)またはモバイル通信グローバルシステム(GSM(登録商標))用として構成可能である。
【0126】
一実施形態では、通信インタフェースは、当該システムと、類似の補完的データ通信用として構成されたコンピュータ端末等の他の外部デバイス(例えば、診療所または病院環境)とのデータ通信を可能にするように、1つ以上の通信ポート、例えば、物理ポートまたはインタフェース、例えば、USBポート、RS-232ポート、または任意の他の好適な電気接続ポートを含むように構成されている。
【0127】
一実施形態では、通信インタフェースは、本システムと、他のデバイス、たとえば、コンピュータ端末及び/またはネットワーク、通信可能携帯電話、パーソナルディジタルアシスタント、またはユーザが組み合わせて使用し得る任意の他の通信デバイスとが通信可能になるように、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)通信、または任意の他の好適な無線通信プロトコル用として構成されている。
【0128】
一実施形態では、通信インタフェースは、携帯電話ネットワーク、ショートメッセージサービス(SMS)、インターネットに接続されたローカルエリアネットワーク(LAN)上のパーソナルコンピュータ(PC)への無線接続、またはWiFiホットスポットでのインターネットへのWiFi接続を介して、インターネットプロトコル(IP)を利用してデータ転送するための接続を提供するように構成されている。
【0129】
一実施形態では、本システムは、通信インタフェースを介して、例えば、802.11またはBluetooth(登録商標)RFプロトコルまたはIrDA赤外プロトコル等の共通規格を用いて、サーバデバイスと無線通信するように構成されている。サーバデバイスは、他のポータブルデバイス、例えば、スマートフォン、パーソナルディジタルアシスタント(PDA)、もしくはノートブックコンピュータ、またはより大型のデバイス、例えば、デスクトップコンピュータ、機器等であってもよい。いくつかの実施形態では、サーバデバイスは、ディスプレイ、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、さらには、入力デバイス、例えば、ボタン、キーボード、マウス、またはタッチスクリーンを有する。
【0130】
いくつかの実施形態では、通信インタフェースは、上述の通信プロトコル及び/または機構のうちの1つ以上を用いて、本システム、例えば、任意選択のデータ記憶ユニットに記憶されたデータを、ネットワークまたはサーバデバイスと自動または半自動で通信するように構成されている。
【0131】
出力コントローラは、人間または機械にかかわらず、ローカルまたはリモートにかかわらず、ユーザに情報を提示するために、様々な公知の表示デバイスのいずれかに対するコントローラを含んでもよい。表示デバイスの1つが視覚情報を提供する場合、この情報は、典型的には、画素のアレイとして論理的及び/または物理的に組織化され得る。グラフィカルユーザインタフェース(GUI)コントローラは、システムとユーザとの間のグラフィカル入出力インタフェースを提供するために、及び、ユーザ入力を処理するために、様々な公知のまたは将来的なソフトウェアプログラムのいずれかを含んでもよい。コンピュータの機能エレメントは、システムバスを介して互いに通信し得る。これらの通信のいくつかは、ネットワークまたは他の種類の遠隔通信を用いて、代替的実施形態で達成され得る。出力マネージャはまた、公知の技術に従って、例えば、インターネット、電話、または衛星ネットワークを用いて、処理モジュールにより生成された情報を遠隔地のユーザに提供し得る。出力マネージャによるデータの提示は、様々な公知の技術に従って実行され得る。いくつかの例として、データは、SQL、HTML、XML文書、電子メールもしくは他のファイル、または他の形態のデータを含んでもよい。ユーザが遠隔供給元から追加のSQL、HTML、XML、または他の文書またはデータを取り出し得るように、データはインターネットURLアドレスを含んでもよい。当該システムに存在する1つ以上のプラットフォームは、任意の種類の公知のコンピュータプラットフォームまたは将来開発される種類のものであってもよいが、それらは、典型的には、一般にサーバと呼ばれるクラスのコンピュータである。しかしながら、それらはまた、メインフレームコンピュータ、ワークステーション、または他のコンピュータの種類であってもよい。それらは、ネットワークまたは他の形で接続された無線システムを含めて任意の既知的または将来的なタイプのケーブルまたは他の通信システムを介して接続され得る。それらは同位置であっても物理的に離されていてもよい。選択されるコンピュータプラットフォームの種類及び/または型式におそらく依存して、種々のオペレーティングシステムがコンピュータプラットフォームのいずれかで利用され得る。適切なオペレーティングシステムとしては、Windows(登録商標) 10、Windows NT、Windows XP、Windows 7、Windows 8、iOS、Sun Solaris、Linux(登録商標)、OS/400、Compaq Tru64 Unix(登録商標)、SGI IRIX、Siemens Reliant Unix、Ubuntu、Zorin OS等が挙げられる。
【0132】
特定の実施形態では、本システムは、例えば試料を照射する光(例えば、レーザからの光)、または試料から収集された光(例えば蛍光)を調整するための1つ以上の光学調整構成要素を含む。例えば、光学調整は、光の寸法、光の焦点を増加すること、または光をコリメートすることであってもよい。いくつかの場合には、光学調整は、光の寸法(例えば、ビームスポット)を増加させるための拡大プロトコルであり、寸法を、例えば5%以上、例えば10%以上、例えば25%以上、例えば50%以上増加させてもよく、75%以上増加させてもよい。他の実施形態では、光学調整は、光を集束させて光の寸法を減少させることを含み、ビームスポットの寸法を、例えば5%以上、例えば10%以上、例えば25%以上、例えば50%以上減少させてもよく、75%以上減少させてもよい。特定の実施形態では、光学調整は、光のコリメートを含む。「コリメート」という用語は、その従来通りの意味で使用され、光伝播の共線性を光学的に調整すること、または共通の伝播軸からの光による発散を減らすことを指す。いくつかの場合には、コリメートは、光ビームの空間断面を狭める(例えば、レーザのビームプロファイルを縮小する)ことを含む。
【0133】
いくつかの実施形態では、光学調整構成要素は、0.1から0.95の倍率を有する集束レンズであり、該集束レンズは、例えば0.2から0.9の倍率、例えば0.3から0.85の倍率、例えば0.35から0.8の倍率、例えば0.5から0.75の倍率を有してもよく、0.55から0.7の倍率を有してもよく、例えば0.6の倍率を有してもよい。例えば、集束レンズは、特定の場合には、約0.6の倍率を有する色消し非拡大レンズである。集束レンズの焦点距離は5mmから20mmの範囲で変化してもよい。該焦点距離の範囲は、例えば6mmから19mm、例えば7mmから18mm、例えば8mmから17mm、例えば9mmから16mmであってもよく、10mmから15mmであってもよい。特定の実施形態では、集束レンズは、約13mmの焦点距離を有する。
【0134】
他の実施形態では、光学調整構成要素はコリメータである。コリメータは、任意の便利なコリメートプロトコルであってもよく、例えば、1つ以上のミラーまたは湾曲レンズまたはそれらの組み合わせであってもよい。例えば、コリメータは、特定の場合には単一のコリメートレンズである。他の場合には、コリメータはコリメートミラーである。さらに他の場合には、コリメータは2つのレンズを含む。さらに別の場合には、コリメータはミラー及びレンズを含む。コリメータが1つ以上のレンズを含む場合、コリメートレンズの焦点距離は5mmから40mmの範囲で変化してもよい。該焦点距離の範囲は、例えば6mmから37.5mm、例えば7mmから35mm、例えば8mmから32.5mm、例えば9mmから30mm、例えば10mmから27.5mm、例えば12.5mmから25mmであってもよく、15mmから20mmであってもよい。
【0135】
いくつかの実施形態では、本システムは、ノズル開口部を有するフローセルノズルを含み、該ノズル開口部は、フローストリームをフローセルノズルを通して流すように構成されている。本フローセルノズルは、流体試料を試料検査領域に伝搬する開口部を有し、いくつかの実施形態では、フローセルノズルは、長手方向軸を定義する近端円筒形部分と、長手方向軸に直交するノズル開口部を有する平坦な表面で終わる遠端円錐台形部分とを含む。近端円筒形部分の長さ(長手方向軸に沿って測定された長さ)は、1mmから15mmの範囲で変化してもよい。該長さの変化範囲は、例えば1.5mmから12.5mm、例えば2mmから10mm、例えば3mmから9mmであってもよく、4mmから8mmであってもよい。遠端円錐台形部分の長さ(長手方向軸に沿って測定された長さ)も、1mmから10mmの範囲で変化してもよい。該長さの変化範囲は、例えば2mmから9mm、例えば3mmから8mmであってもよく、4mmから7mmであってもよい。フローセルノズルチャンバの直径は、いくつかの実施形態では、1mmから10mmの範囲で変化してもよい。該直径の変化範囲は、例えば2mmから9mm、例えば3mmから8mmであってもよく、4mmから7mmであってもよい。
【0136】
特定の場合には、ノズルチャンバは、円筒形部分を含まず、フローセルのノズルチャンバ全体が円錐台形である。これらの実施形態では、円錐台形のノズルチャンバの長さ(ノズル開口部に直交する長手方向軸に沿って測定された長さ)は、1mmから15mmの範囲であってもよい。該範囲は、例えば1.5mmから12.5mm、例えば2mmから10mm、例えば3mmから9mmであってもよく、4mmから8mmであってもよい。円錐台形のノズルチャンバの近端部分の直径は、1mmから10mmの範囲であってもよい。該範囲は、例えば2mmから9mm、例えば3mmから8mmであってもよく、4mmから7mmであってもよい。
【0137】
実施形態では、試料フローストリームは、フローセルノズルの遠端における開口部から吐出される。フローストリームの所望の特性に応じて、フローセルノズルの開口部は、任意の適切な形状であってもよい。対象の断面形状は、例えば正方形、長方形、台形、三角形、六角形などの直線的な断面形状と、例えば円形、楕円形などの曲線の断面形状と、例えば放物線の底部が平面の上部に結合された形状などの不規則な形状とを含むが、これらに限らない。特定の実施形態では、対象のフローセルノズルは、円形の開口部を有する。ノズル開口部のサイズは、いくつかの実施形態では、1μmから20000μmの範囲で変化してもよい。該サイズの変化範囲は、例えば2μmから17500μm、例えば5μmから15000μm、例えば10μmから12500μm、例えば15μmから10000μm、例えば25μmから7500μm、例えば50μmから5000μm、例えば75μmから1000μm、例えば100μmから750μmであってもよく、150μmから500μmであってもよい。特定の実施形態では、ノズル開口部は100μmである。
【0138】
いくつかの実施形態では、フローセルノズルは、試料をフローセルノズルに提供するように構成された試料注入口を含む。実施形態では、試料注入システムは、試料の適切なフローをフローセルノズルチャンバに提供するように構成されている。フローストリームの所望の特性に応じて、試料注入口によってフローセルノズルチャンバに運ばれる試料の流量は、1μL/秒以上であってもよい。該流量は、例えば2μL/秒以上、例えば3μL/秒以上、例えば5μL/秒以上、例えば10μL/秒以上、例えば15μL/秒以上、例えば25μL/秒以上、例えば50μL/秒以上、例えば100μL/秒以上、例えば150μL/秒以上、例えば200μL/秒以上、例えば250μL/秒以上、例えば300μL/秒以上、例えば350μL/秒以上、例えば400μL/秒以上、例えば450μL/秒以上であってもよく、500μL/秒以上であってもよい。例えば、試料の流量は、1μL/秒から約500μL/秒の範囲であってもよい。該範囲は、例えば2μL/秒から約450μL/秒、例えば3μL/秒から約400μL/秒、例えば4μL/秒から約350μL/秒、例えば5μL/秒から約300μL/秒、例えば6μL/秒から約250μL/秒、例えば7μL/秒から約200μL/秒、例えば8μL/秒から約150μL/秒、例えば9μL/秒から約125μL/秒であってもよく、10μL/秒から約100μL/秒であってもよい。
【0139】
試料注入口は、ノズルチャンバの壁に配置された開口部であってもよく、ノズルチャンバの近端に配置された導管であってもよい。試料注入口がノズルチャンバの壁に配置された開口部である場合、試料注入口の開口部は、任意の適切な形状であってもよい。対象の断面形状は、例えば正方形、長方形、台形、三角形、六角形などの直線的な断面形状と、例えば円形、楕円形などの曲線の断面形状と、例えば放物線の底部が平面の上部に結合された形状などの不規則な形状とを含むが、これらに限らない。特定の実施形態では、試料注入口は円形の開口部を有する。試料注入口の開口部のサイズは、形状によって変化し得、特定の場合には、0.1mmから5.0mmの範囲の開口を有し、該開口の範囲は、例えば0.2から3.0mm、例えば0.5mmから2.5mm、例えば0.75mmから2.25mm、例えば1mmから2mmであってもよく、1.25mmから1.75mmであってもよく、例えば1.5mmであってもよい。
【0140】
特定の場合には、試料注入口は、フローセルノズルチャンバの近端に配置された導管である。例えば、試料注入口は、試料注入口の開口部がフローセルノズルの開口部に一致するように配置された導管であってもよい。試料注入口がフローセルノズルの開口部に一致するように配置された導管である場合、試料注入管の断面形状は、任意の適切な形状であってもよい。対象の断面形状は、例えば正方形、長方形、台形、三角形、六角形などの直線的な断面形状と、例えば円形、楕円形などの曲線の断面形状と、例えば放物線の底部が平面の上部に結合された形状などの不規則な形状とを含むが、これらに限らない。導管の開口部は、形状によって変化し得、特定の場合には、0.1mmから5.0mmの範囲の開口を有し、該開口の範囲は、例えば、0.2から3.0mm、例えば、0.5mmから2.5mm、例えば0.75mmから2.25mm、例えば1mmから2mmであってもよく、1.25mmから1.75mmであってもよく、例えば1.5mmである。試料注入口の先端部の形状は、試料注入管の断面形状と同じであってもよく、異なってもよい。例えば、試料注入口の開口部は、1°から10°の範囲の斜角を有する斜角先端を含んでもよい。該斜角は、例えば2°から9°、例えば3°から8°、例えば4°から7°の範囲であってもよく、5°であってもよい。
【0141】
いくつかの実施形態では、フローセルノズルは、また、シース液をフローセルノズルに提供するように構成されたシース液注入口を含む。実施形態では、シース液注入システムは、シース液のフローをフローセルノズルチャンバに提供して、例えば、試料と連動して、試料フローストリームを囲むシース液の層状のフローストリームを生成するように構成されている。フローストリームの所望の特性に応じて、フローセルノズルチャンバに運ばれるシース液の流量は、25μL/秒以上であってもよい。該流量は、例えば50μL/秒以上、例えば75μL/秒以上、例えば100μL/秒以上、例えば250μL/秒以上、例えば500μL/秒以上、例えば750μL/秒以上、例えば1000μL/秒以上であってもよく、2500μL/秒以上であってもよい。例えば、シース液の流量は、1μL/秒から約500μL/秒の範囲であってもよい。該範囲は、例えば2μL/秒から約450μL/秒、例えば3μL/秒から約400μL/秒、例えば4μL/秒から約350μL/秒、例えば5μL/秒から約300μL/秒、例えば6μL/秒から約250μL/秒、例えば7μL/秒から約200μL/秒、例えば8μL/秒から約150μL/秒、例えば9μL/秒から約125μL/秒であってもよく、10μL/秒から約100μL/秒であってもよい。
【0142】
いくつかの実施形態では、シース液注入口は、ノズルチャンバの壁に配置された開口部である。シース液注入口の開口部は、任意の適切な形状であってもよい。対象の断面形状は、例えば正方形、長方形、台形、三角形、六角形などの直線的な断面形状と、例えば円形、楕円形などの曲線の断面形状と、例えば放物線の底部が平面の上部に結合された形状などの不規則な形状とを含むが、これらに限らない。試料注入口の開口部のサイズは、形状によって変化し得、特定の場合には、0.1mmからから5.0mmの範囲の開口を有し、該開口の範囲は、例えば、0.2から3.0mm、例えば、0.5mmから2.5mm、例えば0.75mmから2.25mm、例えば1mmから2mmであってもよく、1.25mmから1.75mmであってもよく、例えば、1.5mmであってもよい。
【0143】
本システムは、特定の場合には、フローセルノズル開口部と流体連通する試料検査領域を含む。これらの場合には、試料フローストリームはフローセルノズルの遠端における開口部から吐出され、フローストリーム中の粒子は試料検査領域で光源により照射されてもよい。検査領域のサイズは、ノズル開口部のサイズや試料注入ポートのサイズなど、フローノズルの特性によって変化してもよい。実施形態では、検査領域は0.01mm以上の幅を有し得る。該幅は、例えば0.05mm以上、例えば0.1mm以上、例えば0.5mm以上、例えば1mm以上、例えば2mm以上、例えば3mm以上、例えば5mm以上であってもよく、10mm以上であってもよい。検査領域の長さも変化してもよい。該長さは、いくつかの場合には、0.01mm以上であり、例えば0.1mm以上、例えば0.5mm以上、例えば1mm以上、例えば1.5mm以上、例えば2mm以上、例えば3mm以上、例えば5mm以上、例えば10mm以上、例えば15mm以上、例えば20mm以上、例えば25mm以上であってもよく、50mm以上であってもよい。
【0144】
検査領域は、吐出されたフローストリームの平面断面の照射を容易にするように構成され得、または予め設定された長さの拡散フィールドの照射(例えば、拡散レーザまたはランプによる照射)を容易にするように構成され得る。いくつかの実施形態では、検査領域は透明な窓を含み、該窓は吐出された予め設定された長さのフローストリームの照射を容易にする。該長さは、例えば1mm以上、例えば2mm以上、例えば3mm以上、例えば4mm以上、例えば5mm以上であってもよく、10mm以上であってもよい。吐出されたフローストリームを照射するために使用される光源(後述するように)に応じて、検査領域は100nmから1500nmの範囲の光を透過させるように構成され得る。該範囲は、例えば150nmから1400nm、例えば200nmから1300nm、例えば250nmから1200nm、例えば300nmから1100nm、例えば350nmから1000nm、例えば400nmから900nmであってもよく、500nmから800nmであってもよい。従って、検査領域は所望の範囲の波長を通過させる任意の透明材料から形成され得る。該透明材料は、光学ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、紫外線石英、赤外線石英、サファイア、及びプラスチックを含むが、これらに限定されない。プラスチックは、例えばポリカーボネート、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリアミド、ポリイミド、または、PETG(グリコール修飾ポリエチレンテレフタレート)などのこれらの熱可塑性プラスチックの共重合体、及び他の高分子プラスチック材料が挙げられる。他の高分子プラスチック材料はポリエステルを含む。対象のポリエステルはポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ボトルグレードのPET(モノエチレングリコール、テレフタル酸、及び例えばイソフタル酸、シクロヘキセンジメタノールなどの他のコモノマーに基づいて作られた共重合体)、ポリ(ブチレンテレフタレート)(PBT)、及びポリ(ヘキサメチレンテレフタレート)などのポリ(アルキレンテレフタレート);ポリ(エチレンアジペート)、ポリ(1,4-ブチレンアジペート)、及びポリ(ヘキサメチレンアジペート)などのポリ(アルキレンアジペート);ポリ(エチレンスベリン酸)などのポリ(アルキレンスベリン酸);ポリ(エチレンセバケート)などのポリ(アルキレンセバケート);ポリ(ε-カプロラクトン)及びポリ(β-プロピオラクトン);ポリ(エチレンイソフタレート)などのポリ(アルキレンイソフタレート);ポリ(エチレン2,6-ナフタレンジカルボキシレート)などのポリ(アルキレン2,6-ナフタレンジカルボキシレート);ポリ(エチレンスルホニル-4,4′-ジベンゾエート)などのポリ(アルキレンスルホニル-4,4′-ジベンゾエート);ポリ(p-フェニレンエチレンジカルボキシレート)などのポリ(p-フェニレンアルキレンジカルボキシレート);ポリ(トランス-1,4-シクロヘキサンジイルエチレンジカルボキシレート)などのポリ(トランス-1,4-シクロヘキサンジイルアルキレンジカルボキシレート);ポリ(1,4-シクロヘキサン-ジメチレンエチレンジカルボキシレート)などのポリ(1,4-シクロヘキサン-ジメチレンアルキレンジカルボキシレート);ポリ([2.2.2]-ビシクロオクタン-1,4-ジメチレンエチレンジカルボキシレート)などのポリ([2.2.2]-ビシクロオクタン-1,4-ジメチレンアルキレンジカルボキシレート);(S)-ポリラクチド、(R,S)-ポリラクチド、ポリ(テトラメチルグリコリド)、及びポリ(ラクチド-co-グリコリド)などの乳酸ポリマー及びコポリマー;並びに、ビスフェノールA、3,3′-ジメチルビスフェノールA、3,3′,5,5′-テトラクロロビスフェノールA、3,3′,5,5′-テトラメチルビスフェノールAのポリカーボネート;ポリ(p-フェニレンテレフタルアミド)などのポリアミド;ポリエチレンテレフタレート(例えば、MylarTMポリエチレンテレフタレート)などのポリエステルなどを含んでもよいが、これらに限らない。いくつかの実施形態では、本システムは、試料検査領域に配置されたキュベットを含む。実施形態では、キュベットは100nmから1500nmの範囲の光を通過させることができる。該範囲は、例えば150nmから1400nm、例えば200nmから1300nm、例えば250nmから1200nm、例えば300nmから1100nm、例えば350nmから1000nm、例えば400nmから900nmであってもよく、500nmから800nmであってもよい。
【0145】
いくつかの実施形態では、本システムは、試料の粒子(例えば細胞)を選別するための粒子選別構成要素を含む。特定の場合には、粒子選別構成要素は粒子選別モジュールであり、該粒子選別モジュールは、例えば2017年3月28日に出願された米国特許出願公開第2017/0299493号明細書、及び2018年10月30日に提出された米国仮特許出願第No.62/752,793号に記載されており、それらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。特定の実施形態では、粒子選別構成要素は、1つ以上の液滴偏向器を含み、該液滴偏向器は、例えば2017年6月14日に出願された米国特許出願公開第2018/0095022号明細書に記載されており、それらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0146】
いくつかの実施形態では、本システムは、フローサイトメトリシステムである。適切なフローサイトメトリシステムは、Ormerod(編),Flow Cytometry:A Practical Approach,Oxford Univ.Press(1997);Jaroszeski他(編),Flow Cytometry Protocols,Methods in Molecular Biology No.91,Humana Press(1997);Practical Flow Cytometry,第3版,Wiley-Liss(1995);Virgo他,(2012)Ann Clin Biochem.1月;49(pt 1):17-28;Linden他,Semin Throm Hemost.2004年10月;30(5):502-11;Alison他,J Pathol,2010年12月;222(4):335-344;及び、Herbig他,(2007)Crit Rev Ther Drug Carrier Syst.24(3):203-255に記載されているものを含むが、これらに限らない。それらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。特定の場合には、対象のフローサイトメトリシステムは、FACSCanto(商標)IIフローサイトメータ(BD Biosciences)、BD Accuri(商標)フローサイトメータ、FACSCelesta(商標)フローサイトメータ(BD Biosciences)、FACSLyric(商標)フローサイトメータ(BD Biosciences)、FACSVerse(商標)フローサイトメータ(BD Biosciences)、FACSymphony(商標)フローサイトメータ(BD Biosciences)、LSRFortessa(商標)フローサイトメータ(BD Biosciences)、LSRFortess(商標)X-20フローサイトメータ(BD Biosciences)、及びFACSCalibur(商標)セルソータ(BD Biosciences)、FACSCount(商標)セルソータ(BD Biosciences)、FACSLyric(商標)セルソータ(BD Biosciences)、及びVia(商標)セルソータ(BD Biosciences)、Influx(商標)セルソータ(BD Biosciences)、Jazz(商標)セルソータ(BD Biosciences)、Aria(商標)セルソータ(BD Biosciences)、及びFACSMelody(商標)セルソータ(BD Biosciences)などを含む。
【0147】
いくつかの実施形態では、本粒子選別システムは、例えば、米国特許第10,006,852号明細書、米国特許第9,952,076号明細書、米国特許第9,933,341号明細書、米国特許第9,784,661号明細書、米国特許第9,726,527号明細書、米国特許第9,453,789号明細書、米国特許第9,200,334号明細書、米国特許第9,097,640号明細書、米国特許第9,095,494号明細書、米国特許第9,092,034号明細書、米国特許第8,975,595号明細書、米国特許第8,753,573号明細書、米国特許第8,233,146号明細書、米国特許第8,140,300号明細書、米国特許第7,544,326号明細書、米国特許第7,201,875号明細書、米国特許第7,129,505号明細書、米国特許第6,821,740号明細書、米国特許第6,813,017号明細書、米国特許第6,809,804号明細書、米国特許第6,372,506号明細書、米国特許第5,700,692号明細書、米国特許第5,643,796号明細書、米国特許第5,627,040号明細書、米国特許第5,620,842号明細書、米国特許第5,602,039号明細書に記載されているフローサイトメトリシステムであり、それらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0148】
特定の場合には、本システムは、FIRE法(Fluorescence Imaging using Radiofrequency-tagged Emission)によってフローストリームにおける粒子を画像化及び特徴付けるように構成されたフローサイトメトリシステムであり、例えば、Dieboldなど,Nature Photonics Vol.7(10)、806-810(2013)に記載されているものであってもよく、米国特許第9,423,353号明細書、米国特許第9,784,661号明細書、米国特許第10,006,852号明細書、米国特許出願公開第2017/0133857号明細書、及び米国特許出願公開第2017/0350803号明細書に記載されているものであってもよい。それらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0149】
キット
本開示の態様は、キットをさらに含み、キットは、本明細書に記載の再構成可能な集積回路装置のうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、キットは、本システムのためのプログラミングをさらに含んでもよく、その形態は、例えば、コンピュータ可読媒体(例えば、フラッシュドライブ、USBストレージ、コンパクトディスク、DVD、Blu-rayディスクなど)の形態、またはインターネットWebプロトコルもしくはクラウドサーバからプログラミングをダウンロードするための命令の形態である。キットは、本方法を実施するための説明書をさらに含んでもよい。これらの説明書は、様々な形態で当該キットに含めてよく、そのうちの1つ以上がキット内に含まれてよい。これらの説明書が提供され得る1つの形態としては、キットのパッケージ内の添付文書等で、適切な媒体または基板(例えば、情報が印刷される1枚または複数枚の紙)上に印刷された情報が挙げられる。これらの説明書のさらにもう1つの形態としては、当該情報が記録されているコンピュータ可読媒体、例えば、ディスケット、コンパクトディスク(CD)、ポータブルフラッシュドライブ等が挙げられる。これらの説明書の提供され得るさらにもう1つの形態としては、インターネットを介してリモートサイトの情報にアクセスするために使用され得るウェブサイトアドレスが挙げられる。
【0150】
有用性
本集積回路装置、方法及びシステムは、流体媒体における試料(例えば生体試料)中の粒子成分を分析及び選別することが望まれる様々な応用に用途が見出される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の集積回路装置、方法及びシステムは、(例えば蛍光タグで標識された)生体試料のフローサイトメトリによる特徴付けに用途が見出される。他の実施形態では、本集積回路装置、方法及びシステムは、放射光の分光分析に用途が見出される。本開示の実施形態は、細胞選別中に、改良された細胞選別精度、強化された粒子捕集、粒子帯電効率、より正確な粒子帯電、及び強化された粒子偏向を示すフローサイトメータを提供することが望ましい場合に用途が見出される。
【0151】
本開示の実施形態は、また、生体試料から調製された細胞が、研究、臨床検査のため、または治療での使用のために望まれ得る応用先で有用である。いくつかの実施形態では、本方法及び本装置は、採取個別細胞が標的の流体試料または組織生体試料から調製されることを容易にし得る。例えば、本方法及び本システムは、流体試料または組織試料から、癌などの疾患のための研究用または診断用の検体として使用すべき細胞を採取することを容易にする。同様に、本方法及び本システムは、流体試料または組織試料から、治療で使用すべき細胞を採取することを容易にし得る。本開示の再構成可能な集積回路装置、方法及びシステムは、従来のフローサイトメトリシステムに比べると高効率及び低コストで生体試料(例えば、臓器、組織、組織片、体液)から細胞を分離して捕集することを可能にする。
【0152】
添付の請求項にもかかわらず、本開示は、以下の付記によっても定義される。
1.検出された光からフローストリーム中の粒子のパラメータを算出し、
粒子の算出されたパラメータを1つ以上の粒子分類のパラメータと比較し、
粒子分類のパラメータと粒子の算出されたパラメータとの比較に基づいて粒子を分類し、
粒子の算出されたパラメータに基づいて粒子分類の1つ以上のパラメータを調整する
ようにプログラムされている再構成可能な集積回路。
2.粒子分類は選別分類を備える、付記1に記載の再構成可能な集積回路。
3.粒子を分類することは、粒子選別決定を生成することを備える、付記1または2に記載の再構成可能な集積回路。
4.集積回路は、粒子の算出されたパラメータと粒子分類のパラメータとの間の閾値に基づいて粒子選別決定を生成するようにプログラムされている、付記3に記載の再構成可能な集積回路。
5.粒子分類の1つ以上のパラメータを調整することは、粒子選別決定を生成するための閾値を変更することを備える、付記4に記載の再構成可能な集積回路。
6.閾値は、予め設定された閾値である、付記5に記載の再構成可能な集積回路。
7.閾値は、ユーザ設定可能な閾値であり、ユーザの入力によって調整される、付記5に記載の再構成可能な集積回路。
8.閾値は、粒子の算出されたパラメータに基づいて調整される動的な閾値である、付記5に記載の再構成可能な集積回路。
9.集積回路は、選別決定を生成するための閾値を更新するアルゴリズムでプログラムされる、付記8に記載の再構成可能な集積回路。
10.アルゴリズムは、静的な予め設定されたアルゴリズムである、付記9に記載の再構成可能な集積回路。
11.アルゴリズムは、ユーザ設定可能なアルゴリズムである、付記9に記載の再構成可能な集積回路。
12.アルゴリズムは、粒子の算出されたパラメータに基づいて更新する動的なアルゴリズムである、付記9に記載の再構成可能な集積回路。
13.粒子分類は、1つ以上の粒子集団クラスタを備える、付記1に記載の再構成可能な集積回路。
14.粒子を分類することは、各粒子クラスタの分類パラメータと粒子の算出されたパラメータとの比較に基づいて粒子を粒子クラスタに割り当てることを備える、付記13に記載の再構成可能な集積回路。
15.粒子分類の1つ以上のパラメータを調整することは、粒子の算出されたパラメータに基づいて割り当てられた粒子クラスタの分類パラメータを変更することを備える、付記14に記載の再構成可能な集積回路。
16.集積回路は、粒子の算出されたパラメータを散布図にプロットするようにプログラムされている、付記13-15のいずれか1つに記載の再構成可能な集積回路。
17.集積回路は、粒子の算出されたパラメータのリストを生成するようにプログラムされている、付記13-15のいずれか1つに記載の再構成可能な集積回路。
18.集積回路は、粒子が粒子クラスタに割り当てられる統計的確率を算出するようにプログラムされている、付記13-17のいずれか1つに記載の再構成可能な集積回路。
19.集積回路は、粒子の算出されたパラメータと各粒子クラスタとの間のマハラノビス距離を算出するようにプログラムされている、付記13-17のいずれか1つに記載の再構成可能な集積回路。
20.集積回路は、粒子の算出されたパラメータと粒子クラスタの分類パラメータとの間の閾値に基づいて粒子を粒子クラスタに割り当てるようにプログラムされている、付記13-19のいずれか1つに記載の再構成可能な集積回路。
21.閾値は、粒子の算出されたパラメータと粒子クラスタの分類パラメータとの間のオーバーラップである、付記20に記載の再構成可能な集積回路。
22.閾値は、予め設定された閾値である、付記20に記載の再構成可能な集積回路。
23.閾値は、ユーザ設定可能な閾値である、付記20に記載の再構成可能な集積回路。
24.閾値は、粒子の粒子クラスタへの割り当てに応じて変化する動的な閾値である、付記20に記載の再構成可能な集積回路。
25.集積回路は、割り当てられた粒子クラスタの分類パラメータと粒子の算出されたパラメータとに基づいて閾値を調整するようにプログラムされている、付記20-24のいずれか1つに記載の再構成可能な集積回路。
26.集積回路は、割り当てられた粒子クラスタの分類パラメータを更新するアルゴリズムでプログラムされる、付記25に記載の再構成可能な集積回路。
27.アルゴリズムは、静的な予め設定されたアルゴリズムである、付記26に記載の再構成可能な集積回路。
28.アルゴリズムは、ユーザ設定可能なアルゴリズムである、付記26に記載の再構成可能な集積回路。
29.アルゴリズムは、粒子の算出されたパラメータで割り当てられた粒子クラスタの分類パラメータを更新する動的なアルゴリズムである、付記26に記載の再構成可能な集積回路。
30.再構成可能な集積回路は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を備える、付記1-29のいずれか1つに記載の再構成可能な集積回路。
31.集積回路は、特定用途向け集積回路(ASIC)を備える、付記1-29のいずれか1つに記載の再構成可能な集積回路。
32.集積回路は、複合プログラマブルロジックデバイス(CPLD)を備える、付記1-29のいずれか1つに記載の再構成可能な集積回路。
33.フローストリーム中の粒子を備える試料からの光を検出すること、
検出された光から試料中の粒子のパラメータを算出すること、
粒子の算出されたパラメータを、1つ以上の粒子分類のパラメータと比較すること、
粒子分類のパラメータと粒子の算出されたパラメータとの比較に基づいて粒子を分類すること、及び
粒子の算出されたパラメータに基づいて粒子分類の1つ以上のパラメータを調整することを備える方法。
34.粒子分類は選別分類を備える、付記33に記載の方法。
35.粒子を分類することは、粒子選別決定を生成することを備える、付記33または34に記載の方法。
36.粒子の算出されたパラメータと粒子分類のパラメータとの間の閾値に基づいて粒子選別決定を生成することを備える、付記35に記載の方法。
37.粒子分類の1つ以上のパラメータを調整することは、粒子選別決定を生成するための閾値を変更することを備える、付記36に記載の方法。
38.閾値は、予め設定された閾値である、付記37に記載の方法。
39.閾値は、ユーザ設定可能な閾値であり、ユーザの入力によって調整される、付記37に記載の方法。
40.閾値は、粒子の算出されたパラメータに基づいて調整される動的な閾値である、付記37に記載の方法。
41.閾値は、選別決定を生成するためのアルゴリズムで更新される、付記40に記載の方法。
42.アルゴリズムは、静的な予め設定されたアルゴリズムである、付記41に記載の方法。
43.アルゴリズムは、ユーザ設定可能なアルゴリズムである、付記41に記載の方法。
44.アルゴリズムは、粒子の算出されたパラメータに基づいて更新する動的なアルゴリズムである、付記41に記載の方法。
45.粒子分類は、1つ以上の粒子集団クラスタを備える、付記33に記載の方法。
46.粒子を分類することは、各粒子クラスタの分類パラメータと粒子の算出されたパラメータとの比較に基づいて粒子を粒子クラスタに割り当てることを備える、付記45に記載の方法。
47.粒子分類の1つ以上のパラメータを調整することは、粒子の算出されたパラメータに基づいて割り当てられた粒子クラスタの分類パラメータを変更することを備える、付記46に記載の方法。
48.粒子の算出されたパラメータを散布図にプロットすることを備える、付記46または47に記載の方法。
49.粒子の算出されたパラメータのリストを生成することを備える、付記46または47に記載の方法。
50.粒子の算出されたパラメータを各粒子クラスタの分類パラメータと比較することは、粒子が粒子クラスタに割り当てられる統計的確率を算出することを備える、付記46-49のいずれか1つに記載の方法。
51.粒子の算出されたパラメータを各粒子クラスタの分類パラメータと比較することは、粒子の算出されたパラメータと各粒子クラスタとの間のマハラノビス距離を算出することを備える、付記46-49のいずれか1つに記載の方法。
52.粒子の算出されたパラメータと粒子クラスタの分類パラメータとの間の閾値に基づいて粒子を粒子クラスタに割り当てる、付記46-51のいずれか1つに記載の方法。
53.閾値は、粒子の算出されたパラメータと粒子クラスタの分類パラメータとの間のオーバーラップである、付記52に記載の方法。
54.閾値は、予め設定された閾値である、付記53に記載の方法。
55.閾値は、ユーザ設定可能な閾値である、付記53に記載の方法。
56.閾値は、粒子の粒子クラスタへの割り当てに応じて変化する動的な閾値である、付記53に記載の方法。
57.割り当てられた粒子クラスタの分類パラメータと粒子の算出されたパラメータとに基づいて閾値を調整することをさらに備える、付記52-56のいずれか1つに記載の方法。
58.閾値は、メモリを有するプロセッサによって調整され、メモリは、プロセッサに動作可能に結合され、粒子の算出されたパラメータで割り当てられた粒子クラスタの分類パラメータを更新するアルゴリズムを備える、付記57に記載の方法。
59.アルゴリズムは、静的な予め設定されたアルゴリズムである、付記58に記載の方法。
60.アルゴリズムは、ユーザ設定可能なアルゴリズムである、付記58に記載の方法。
61.アルゴリズムは、粒子の算出されたパラメータに応じて変化する動的なアルゴリズムである、付記58に記載の方法。
62.1つ以上の粒子クラスタは、複数の粒子の算出されたパラメータを備える、付記45-61のいずれか1つに記載の方法。
63.粒子クラスタは、
フローストリーム中の複数の粒子からの光を検出し、
検出された光から各粒子のパラメータを算出し、
算出されたパラメータに基づいて粒子をクラスタリングする
ことにより生成される、付記62に記載の方法。
64.フローストリーム中の試料からの光を検出することは、光吸収、光散乱、蛍光、またはそれらの組み合わせを検出することを備える、付記33-63のいずれか1つに記載の方法。
65.粒子のパラメータは、粒子からの散乱光から算出される、付記33-64のいずれか1つに記載の方法。
66.散乱光は前方散乱光を備える、付記65に記載の方法。
67.散乱光は側方散乱光を備える、付記66に記載の方法。
68.粒子のパラメータは、粒子からの蛍光から算出される、付記67に記載の方法。
69.粒子のパラメータは粒子からの周波数符号化された蛍光データから算出される、付記68に記載の方法。
70.粒子を選別することをさらに備える、付記33-69のいずれか1つに記載の方法。
71.粒子のパラメータは、集積回路装置によって算出される、付記33-70のいずれか1つに記載の方法。
72.集積回路装置は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)である、付記71に記載の方法。
73.集積回路装置は、特定用途向け集積回路(ASIC)である、付記71に記載の方法。
74.集積回路装置は、複合プログラマブルロジックデバイス(CPLD)である、付記71に記載の方法。
75.光源でフローストリームを照射することをさらに備える、付記33-74のいずれか1つに記載の方法。
76.フローストリームは光源によって200nmから800nmの波長で照射される、付記75に記載の方法。
77.第1周波数シフト光ビーム及び第2周波数シフト光ビームでフローストリームを照射することを備える、付記75または76に記載の方法。
78.第1周波数シフト光ビームは局部発振器(LO)ビームを備え、第2周波数シフト光ビームは無線周波数コムビームを備える、付記77に記載の方法。
79.無線周波数駆動信号を音響光学装置に印加することと、
レーザで音響光学装置を照射して、第1周波数シフト光ビーム及び第2周波数シフト光ビームを生成することと
をさらに備える、付記77または78に記載の方法。
80.レーザは連続波レーザである、付記79に記載の方法。
81.フローストリーム中の粒子を備える試料を照射するように構成された光源、
光検出器を備える光検出システム、及び
メモリを備えるプロセッサを備え、
メモリはプロセッサに動作可能に結合され、メモリに命令が記憶されており、該命令は、プロセッサにより実行されると、
検出された光からフローストリーム中の粒子のパラメータを算出すること、
粒子の算出されたパラメータを、1つ以上の粒子分類のパラメータと比較すること、
粒子分類のパラメータと粒子の算出されたパラメータとの比較に基づいて粒子を分類すること、及び
粒子の算出されたパラメータに基づいて粒子分類の1つ以上のパラメータを調整すること
をプロセッサにさせるシステム。
82.粒子分類は選別分類を備える、付記81に記載のシステム。
83.粒子を分類することは、粒子選別決定を生成することを備える、付記81または82に記載のシステム。
84.プロセッサはメモリを備え、メモリはプロセッサに動作可能に結合され、メモリに命令が記憶されており、該命令は、プロセッサにより実行されると、
粒子の算出されたパラメータと粒子分類のパラメータとの間の閾値に基づいて粒子選別決定を生成する
ことをプロセッサにさせる、付記83に記載のシステム。
85.粒子分類の1つ以上のパラメータを調整することは、粒子選別決定を生成するための閾値を変更することを備える、付記84に記載のシステム。
86.閾値は、予め設定された閾値である、付記85に記載のシステム。
87.閾値は、ユーザ設定可能な閾値であり、ユーザの入力によって調整される、付記85に記載のシステム。
88.閾値は、粒子の算出されたパラメータに基づいて調整される動的な閾値である、付記85に記載のシステム。
89.メモリは、選別決定を生成するための閾値を更新するアルゴリズムを備える、付記88に記載のシステム。
90.アルゴリズムは、静的な予め設定されたアルゴリズムである、付記89に記載のシステム。
91.アルゴリズムは、ユーザ設定可能なアルゴリズムである、付記89に記載のシステム。
92.アルゴリズムは、粒子の算出されたパラメータに基づいて更新する動的なアルゴリズムである、付記89に記載のシステム。
93.粒子分類は、1つ以上の粒子集団クラスタを備える、付記81に記載のシステム。
94.粒子を分類することは、各粒子クラスタの分類パラメータと粒子の算出されたパラメータとの比較に基づいて粒子を粒子クラスタに割り当てることを備える、付記93に記載のシステム。
95.粒子分類の1つ以上のパラメータを調整することは、粒子の算出されたパラメータに基づいて割り当てられた粒子クラスタの分類パラメータを変更することを備える、付記94に記載のシステム。
96.プロセッサはメモリを備え、メモリはプロセッサに動作可能に結合され、メモリに命令が記憶されており、該命令は、プロセッサにより実行されると、
粒子の算出されたパラメータを散布図にプロットする
ことをプロセッサにさせる、付記93-95のいずれか1つに記載のシステム。
97.プロセッサはメモリを備え、メモリはプロセッサに動作可能に結合され、メモリに命令が記憶されており、該命令は、プロセッサにより実行されると、
粒子の算出されたパラメータのリストを生成する
ことをプロセッサにさせる、付記93-95のいずれか1つに記載のシステム。
98.プロセッサはメモリを備え、メモリはプロセッサに動作可能に結合され、メモリに命令が記憶されており、該命令は、プロセッサにより実行されると、
粒子が粒子クラスタに割り当てられる統計的確率を算出する
ことをプロセッサにさせる、付記93-97のいずれか1つに記載のシステム。
99.プロセッサはメモリを備え、メモリはプロセッサに動作可能に結合され、メモリに命令が記憶されており、該命令は、プロセッサにより実行されると、
粒子の算出されたパラメータと各粒子クラスタとの間のマハラノビス距離を算出する
ことをプロセッサにさせる、付記93-97のいずれか1つに記載のシステム。
100.プロセッサはメモリを備え、メモリはプロセッサに動作可能に結合され、メモリに命令が記憶されており、該命令は、プロセッサにより実行されると、
粒子の算出されたパラメータと粒子クラスタの分類パラメータとの間の閾値に基づいて粒子を粒子クラスタに割り当てる
ことをプロセッサにさせる、付記93-99のいずれか1つに記載のシステム。
101.閾値は、粒子の算出されたパラメータと粒子クラスタの分類パラメータとの間のオーバーラップである、付記100に記載のシステム。
102.閾値は、予め設定された閾値である、付記100に記載のシステム。
103.閾値はユーザ設定可能な閾値である、付記100に記載のシステム。
104.閾値は、粒子の粒子クラスタへの割り当てに応じて変化する動的な閾値である、付記100に記載のシステム。
105.プロセッサはメモリを備え、メモリはプロセッサに動作可能に結合され、メモリに命令が記憶されており、該命令は、プロセッサにより実行されると、
割り当てられた粒子クラスタの分類パラメータと粒子の算出されたパラメータとに基づいて閾値を調整する
ことをプロセッサにさせる、付記93-104のいずれか1つに記載のシステム。
106.メモリは、粒子の算出されたパラメータで割り当てられた粒子クラスタの分類パラメータを更新するアルゴリズムを備える、付記105に記載のシステム。
107.アルゴリズムは、静的な予め設定されたアルゴリズムである、付記106に記載のシステム。
108.アルゴリズムは、ユーザ設定可能なアルゴリズムである、付記106に記載のシステム。
109.アルゴリズムは、粒子の算出されたパラメータに応じて変化する動的なアルゴリズムである、付記106に記載のシステム。
110.1つ以上の粒子クラスタは複数の粒子の算出されたパラメータを備える、付記93-109のいずれか1つに記載のシステム。
111.プロセッサはメモリを備え、メモリはプロセッサに動作可能に結合され、メモリに命令が記憶されており、該命令は、プロセッサにより実行されると、
検出された光から複数の粒子のパラメータを算出し、算出されたパラメータに基づいて粒子をクラスタリングすることにより、粒子クラスタを生成する
ことをプロセッサにさせる、付記110に記載のシステム。
112.光検出システムは、光吸収、光散乱、蛍光、またはそれらの組み合わせを検出するように構成されている、付記93-111のいずれか1つに記載のシステム。
113.プロセッサはメモリを備え、メモリはプロセッサに動作可能に結合され、メモリに命令が記憶されており、該命令は、プロセッサにより実行されると、
粒子からの散乱光から粒子のパラメータを算出する
ことをプロセッサにさせる、付記93-112のいずれか1つに記載のシステム。
114.散乱光は前方散乱光を備える、付記113に記載のシステム。
115.散乱光は側方散乱光を備える、付記114に記載のシステム。
116.プロセッサはメモリを備え、メモリはプロセッサに動作可能に結合され、メモリに命令が記憶されており、該命令は、プロセッサにより実行されると、
粒子からの蛍光から粒子のパラメータを算出する
ことをプロセッサにさせる、付記81-115のいずれか1つに記載のシステム。
117.粒子のパラメータは、粒子からの周波数符号化された蛍光データから算出される、付記116に記載のシステム。
118.光源は、少なくとも第1周波数シフト光ビーム及び第2周波数シフト光ビームを生成するように構成された光ビーム生成器構成要素を備える、付記81-117のいずれか1つに記載のシステム。
119.光ビーム生成器は音響光学偏向器を備える、付記118に記載のシステム。
120.光ビーム生成器は、ダイレクトデジタルシンセサイザ(DDS)RFコム発生器を備える、付記118または119に記載のシステム。
121.光ビーム生成器構成要素は、周波数シフトされた局部発振器ビームを生成するように構成されている、付記118-120のいずれか1つに記載のシステム。
122.光ビーム生成器構成要素は、複数の周波数シフトされたコムビームを生成するように構成されている、付記118-121のいずれか1つに記載のシステム。
123.光源はレーザを備える、付記81-122のいずれか1つに記載のシステム。
124.レーザは連続波レーザである、付記123に記載のシステム。
125.システムはフローサイトメータである、付記81-124のいずれか1つに記載のシステム。
126.セルソータをさらに備える、付記81-125のいずれか1つに記載のシステム。
127.セルソータは液滴偏向器を備える、付記126に記載のシステム。
【0153】
上記の本発明は、明白な理解のために、説明したり、例示したりして、ある程度詳細に記載したが、当業者であれば、本発明の教示に照らして、添付の特許請求の範囲の趣旨または範囲から逸脱することなく、本開示に対してある特定の変更及び修正を加え得ることが容易に理解される。
【0154】
よって、上記は、単に本発明の原理を説明するものに過ぎない。本明細書では明示的に記載されず、また図示していないが、当業者であれば、本発明の原理を具体化し、その趣旨及び範囲の内に含まれる様々な構成に想到できるであろうことが理解される。さらに、本明細書に記述された全ての例と条件付きの文言とは、主として、読者が、本発明の原理、及び発明者が技術を促進するために提供した概念を理解するのを支援することを意図したものであり、そのように具体的に記載された例及び条件に限定されないと解釈されるべきである。その上、本発明の原理、態様、及び実施形態、ならびにその具体的な例を記述する本明細書の全ての記載は、その構造的均等物及び機能的均等物の両方を包含することが意図されている。さらに、そのような均等物としては、現在周知の均等物と将来開発される均等物との両方があり、即ち、構造に関わらず同じ機能を果たすあらゆる要素が開発されることが意図されている。さらに、本明細書に開示されるものは、そのような開示が特許請求の範囲において明示的に列挙されるか否かにかかわらず、公衆に開示されることが意図されるものではない。
【0155】
したがって、本発明の範囲は、本明細書に図示し、記載される例示的な実施形態に限定されないことが意図されている。むしろ、本発明の範囲及び趣旨は、添付の特許請求の範囲によって具体化される。特許請求の範囲において、米国特許法第112条(f)または米国特許法第112条(6)は、特許請求の範囲における限定の開始時に正確な語句「のための手段」または正確な語句「のためのステップ」が列挙されるときにのみ、特許請求の範囲におけるそのような限定のために援用されるものとして明示的に定義され、そのような正確な語句が特許請求の範囲における限定で使用されない場合、米国特許法第112条(f)または米国特許法第112条(6)は援用されない。
【0156】
関連出願への相互参照
本出願は、2019年7月10日に提出された米国仮特許出願第62/872,663号に関連し、その出願の開示が参照により本明細書に組み込まれる。
図1
図2
図3
図4