(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】ライブ放送データストリーミング等のための無線通信ネットワークにおける位置報告
(51)【国際特許分類】
H04W 4/06 20090101AFI20240927BHJP
H04W 4/02 20180101ALI20240927BHJP
H04W 64/00 20090101ALI20240927BHJP
【FI】
H04W4/06 171
H04W4/02
H04W64/00 173
(21)【出願番号】P 2022580407
(86)(22)【出願日】2021-06-21
(86)【国際出願番号】 US2021038299
(87)【国際公開番号】W WO2021262614
(87)【国際公開日】2021-12-30
【審査請求日】2024-06-21
(32)【優先日】2020-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511122503
【氏名又は名称】ティー-モバイル ユーエスエイ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100196612
【氏名又は名称】鎌田 慎也
(72)【発明者】
【氏名】ラーマン ムハンマド タウヒドゥール
【審査官】前田 典之
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-507233(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0132708(US,A1)
【文献】特開2003-235063(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0359095(US,A1)
【文献】米国特許第9531993(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4、6
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
命令を保持する少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記命令は、少なくとも1つのデータプロセッサによって実行されたときに、
セルラー通信ネットワークにわたって伝送される1又は2以上のパケットの検査に基づいてコンテンツソース及び携帯電話を識別する
ことであって、前記1又は2以上のパケットは、前記コンテンツソースと前記セルラー通信ネットワークに接続された前記携帯電話との間で伝送され、前記セルラー通信ネットワークは、前記検査なしには前記1又は2以上のパケットのコンテンツが見えない、
識別することと、
第1のトリガ事象について前記セルラー通信ネットワークにわたって伝送される前記1又は2以上のパケットをモニタする
ことと、
前記セルラー通信ネットワークにわたって伝送される前記1又は2以上のパケットにおいて、1又は2以上の閾値条件に少なくとも部分的に基づいて前記第1のトリガ事象を検出することと、
前記第1のトリガ事象が検出されたことに応答して、前記セルラー通信ネットワーク内のセルラーネットワークノードによる位置導出処理の実行を開始することであって、前記位置導出処理は、
前記1又は2以上のパケットの検査及び前記
第1のトリガ事象に少なくとも基づいて
前記1又は2以上のパケットがライブ放送データストリームを
含むことを決定する
ことと、
前記ライブ放送
データストリームの決定に基づいて、前記携帯電話に無線で接続されている前記セルラー通信ネットワーク内の
特定のセルラーネットワークノードを識別する
ことと、
前記
特定のセルラー
ネットワークノードに基づいて、前記携帯電話のリアルタイム位置を導出する
ことと、
を含む、開始することと、
前記セルラーネットワークノードが前記位置導出処理を実行することに基づいて前記セルラーネットワークノードが前記携帯電話のリアルタイム位置を決定した後に、前記ライブ放送
データストリームを受信している前記携帯電話のリアルタイム位置に従って伝送されたコンテンツをアップデートするために前記リアルタイム位置を
前記セルラーネットワークノードにより前記コンテンツソースに伝送する
ことと、
を含む方法を実行する、
少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項2】
前記リアルタイム位置を前記コンテンツソースに伝送する
ことは、位置特有の広告を前記携帯電話の前記ライブ放送
データストリームに挿入することを許可するために前記リアルタイム位置をプロキシとしての前記セルラーネットワークノードから前記コンテンツソースに
送信する
ことを含む、請求項1に記載の少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項3】
前記リアルタイム位置を前記コンテンツソースに伝送する
ことは、前記リアルタイム位置を前記携帯電話を経由して前記コンテンツソースに伝送するために前記セルラーネットワークノードを介して前記リアルタイム位置を送信する
ことを含む、請求項1に記載の少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項4】
前記リアルタイム位置を前記コンテンツソースに伝送する
ことは、
前記携帯電話
のサービングセルラー
ノードの変化を表すハンドオーバ事象を検出する
ことと、
前記ハンドオーバ事象に応答して及び先行する位置報告事象以降の追跡される持続時間に関わらず前記リアルタイム位置を
送信する
ことと、
前記ハンドオーバ事象に応答して前記リアルタイム位置を
送信することに基づいて、前記追跡される持続時間をリセットする
ことと、
を含む、請求項1に記載の少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項5】
前記方法は、
前記コンテンツソース、前記携帯電話、又は両方に基づいて、加入レベルを識別する
ことを更に含み、
前記リアルタイム位置を導出する
ことは、前記加入レベルに基づいて前記携帯電話のリアルタイムプレミアム位置を導出する
ことを含み、
前記リアルタイムプレミアム位置は、サービス領域よりもより細かい細粒性で前記携帯電話の位置を表し、
前記リアルタイムプレミアム位置は、前記セルラー
ネットワークノードの基地局の周りの角度のセットに対応するエリアを表す、
請求項1に記載の少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項6】
前記リアルタイムプレミアム位置を導出することは、複数のセルラーノード又は基地局を用いた前記携帯電話の電波探知に基づいて前記リアルタイムプレミアム位置を導出することを含む、請求項5に記載の少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項7】
前記第1のトリガ事象について前記セルラー通信ネットワークにわたって伝送される前記1又は2以上のパケットをモニタすることは、前記第1のトリガ事象について前記1又は2以上のパケットに関連付けられるメタデータを分析することを含み、前記分析されるメタデータは、前記携帯電話のアドレス、前記コンテンツソースのアドレス、又は両方を含み、
前記第1のトリガ事象を検出することは、前記1又は2以上の閾値条件と前記1又は2以上のパケットに関連付けられた前記分析されるメタデータとを比較することに基づき、
前記第1のトリガ事象を検出することは、前記リアルタイム位置の伝送に加入されたエンドユーザの1又は2以上のリスト内の前記携帯電話のアドレス、前記コンテンツソースのアドレス、又は両方を識別することを含み
前記リアルタイム位置は、前記第1のトリガ事象を検出することに基づいて導出及び伝送される、
請求項1に記載の少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項8】
1又は2以上のプロセッサと、
前記1又は2以上のプロセッサに結合された
1又は2以上の非一時的メモリと、
を備えるシステムであって、
前記
1又は2以上の非一時的メモリは、
通信ネットワークにわたって伝送される1又は2以上のパケットの検査に基づいてコンテンツソース及びユーザ機器(UE)を識別することであって、前記1又は2以上のパケットは、前記コンテンツソースと前記通信ネットワークに接続された前記ユーザ機器との間で伝送され、前記通信ネットワークは、前記検査なしには前記1又は2以上のパケットのコンテンツが見えない、識別することと、
第1のトリガ事象について前記通信ネットワークにわたって伝送される前記1又は2以上のパケットをモニタすることと、
前記1又は2以上のパケットにおいて、1又は2以上の閾値条件に少なくとも部分的に基づいて前記第1のトリガ事象を検出することと、
前記第1のトリガ事象が検出されたことに応答して、前記通信ネットワーク内のセルラーネットワークノードによる位置導出処理の実行を開始することであって、前記位置導出処理は、
前記1又は2以上のパケットの検査に少なくとも基づいてライブ放送ストリームを決定することと、
前記ライブ放送ストリームの決定に基づいて、前記UEに接続されたセルサイトを識別することと、
前記セルサイトに基づいて前記UEのリアルタイム位置を導出することと、
を含む、開始することと、
前記セルラーネットワークノードが前記位置導出処理を実行することに基づいて前記セルラーネットワークノードが前記UEのリアルタイム位置を決定した後に、前記ライブ放送ストリームを消費している前記UEのリアルタイム位置に従って伝送されたコンテンツをアップデートするために前記リアルタイム位置を
前記セルラーネットワークノードから前記コンテンツソースに伝送することと、
を行う
ための、前記1又は2以上のプロセッサによって実行可能な命令を含む、
システム。
【請求項9】
前記リアルタイム位置は、前記UEのための前記ライブ放送ストリームへの位置特有の広告の挿入を許可するために前記リアルタイム位置をプロキシとしての前記
セルラーネットワークノードから前記コンテンツソースに
送信することに基づいて伝送される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記リアルタイム位置は、前記リアルタイム位置を前記UEを経由して前記コンテンツソースに伝送するために前記セルサイトを介して前記リアルタイム位置を送信することに基づいて伝送される、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記リアルタイム位置は、
前記UEのためのサービングセルサイトの変化を表すハンドオーバ事象を検出することと、
前記ハンドオーバ事象に応答して前記リアルタイム位置を
送信することと、
に基づいて伝送される、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記
非一時的メモリは、前記コンテンツソース及び/又は前記ユーザ機器に基づいて加入レベルを識別する
ための前記1又は2以上のプロセッサによって実行可能な命令を更に含み、前記リアルタイム位置は、前記加入レベルに基づいて導出された前記UEのリアルタイムプレミアム位置であり、前記リアルタイムプレミアム位置は、サービス領域よりもより細かい細粒性で前記UEの位置を表す、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
通信ネットワークにわたって伝送される1又は2以上のパケットの検査に基づいてコンテンツソース及びユーザ機器(UE)を識別する
ことであって、前記1又は2以上のパケットは、前記コンテンツソースと前記通信ネットワークに接続された前記ユーザ機器との間で伝送され、前記通信ネットワークは、前記検査なしでは前記1又は2以上のパケットのコンテンツが見えない、
識別することと、
第1のトリガ事象について前記通信ネットワークにわたって伝送される前記1又は2以上のパケットをモニタすることと、
前記1又は2以上のパケットにおいて、1又は2以上の閾値条件に少なくとも部分的に基づいて前記第1のトリガ事象を検出することと、
前記第1のトリガ事象が検出されたことに応答して、前記通信ネットワーク内のネットワークノードによる位置導出処理の実行を開始することであって、前記位置導出処理は、
前記1又は2以上のパケットの検査
、前記第1のトリガ事象、又は両方に少なくとも基づいてライブ放送ストリームを決定する
ことと、
前記ライブ放送ストリームの決定に基づいて、前記UEに接続されたセルサイトを識別する
ことと、
前記セルサイトに基づいて前記UEのリアルタイム位置を導出する
ことと、
を含む、開始することと、
前記ネットワークノードが前記位置導出処理を実行することに基づいて前記ネットワークノードが前記UEのリアルタイム位置を決定した後に、前記ライブ放送ストリームを消費している前記UEのリアルタイム位置に従って伝送されたコンテンツをアップデートするために前記リアルタイム位置を
前記ネットワークノードから前記コンテンツソースに伝送する
ことと、
を含む、方法。
【請求項14】
前記リアルタイム位置を前記コンテンツソースに伝送する
ことは、前記UEのための前記ライブ放送ストリームへの位置特有の広告の挿入を許可するために、前記リアルタイム位置をプロキシとしての前記ネットワークノードから前記コンテンツソースに
送信する
ことを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記リアルタイム位置を前記コンテンツソースに伝送する
ことは、前記リアルタイム位置を前記UEを経由して前記コンテンツソースに伝送するために前記セルサイトを介して前記リアルタイム位置を送信する
ことを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記リアルタイム位置を前記コンテンツソースに伝送する
ことは、
前記UEのサービングセルサイトの変化を表すハンドオーバ事象を検出する
ことと、
前記ハンドオーバ事象に応答して前記リアルタイム位置を
送信する
ことと、
を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記コンテンツソース及び/又は前記ユーザ機器に基づいて加入レベルを識別する
ことを更に含み、
前記リアルタイム位置を導出する
ことは、前記加入レベルに基づいて前記UEのリアルタイムプレミアム位置を導出する
ことを含み、前記リアルタイムプレミアム位置は、サービス領域よりも細かい細粒性で前記UEの位置を表し、前記リアルタイムプレミアム位置は、前記セルサイトの基地局の周りの角度のセットに対応するエリアを表す、
請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記コンテンツソース及び/又は前記ユーザ機器に基づいて加入レベルを識別する
ことを更に含み、
前記リアルタイム位置を導出する
ことは、前記加入レベルに基づいて前記UEのリアルタイムプレミアム位置を導出する
ことを含み、前記リアルタイムプレミアム位置は、サービス領域よりも細かい細粒性で前記UEの位置を表す、
請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記コンテンツソース及び/又は前記ユーザ機器に基づいて加入レベルを識別する
ことを更に含み、
前記リアルタイム位置を導出する
ことは、前記加入レベルに基づいて前記UEのリアルタイムプレミアム位置を導出する
ことを含み、前記リアルタイムプレミアム位置は、サービス領域よりも細かい細粒性で前記UEの位置を表し、前記リアルタイムプレミアム位置を導出する
ことは、複数の基地局を用いた前記UEの電波探知に基づいて前記リアルタイムプレミアム位置を導出する
ことを含む、
請求項
13に記載の方法。
【請求項20】
前記通信ネットワークは、セルラーネットワークであり、
前記コンテンツソースは、ライブストリームサーバであり、
前記1又は2以上のパケットを検査する
ことは、前記1又は2以上のパケットにディープパケット検査(DPI)を実行する
ことを含み、
前記リアルタイム位置は、前記セルサイトのセルグローバルアイデンティティ(CGI)に関連付けられ、
前記リアルタイム位置を伝送する
ことは、前記UEのための前記ライブ放送ストリームに位置特有の広告を挿入するためのものである、
請求項
13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
コンピュータ技術における急速な成長は、データ通信のより多くの需要を生じている。一部のモバイルデバイス及びアプリケーションは、超高精細度でストリーミングコンテンツを視聴するための高帯域通信を必要とする。更に、ユーザは、拡張現実アプリケーションなどのためにリアルタイムで個人に関係する情報/コンテンツを要求する。しかしながら、利用可能なネットワークリソースの量は、増大する需要をサポートするのに限りがある可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0002】
【
図1】本技術の一部の実施構成を利用することができる通信ネットワークを示す図である。
【
図2】本技術の1又は2以上の実施構成による例示的な動作の詳細を示す図である。
【
図3】本技術の1又は2以上の実施構成による位置情報を報告する例示的な方法を示す流れ図である。
【
図4】本明細書で論じる方法の何れか1又は2以上を機械に実行させるための命令のセットを中で実行できるコンピュータシステムの例示的形態における機械の図表示である。
【発明を実施するための形態】
【0003】
図面では、一部の構成要素及び/又は動作は、本技術の実施構成の一部の説明のために様々なブロックに分割するか、又は単一のブロックに組み合わせることができる。更にまた、本技術は、様々な修正及び代替形態に適用できるが、特定の実施構成が図面に例証として示されており、以下で詳細に説明する。しかしながら、本技術は、記載される特定の実施構成に限定することを意図していない。逆に、本技術は、添付の請求項によって定められる技術の範囲内にある全ての修正、等価物、及び代替形態を保護するものとする。
【0004】
移動体通信ネットワーク(mobile communication network)(例えば、セルラー通信ネットワーク(cellular communication network))は、個人用モバイルデバイス(例えば、ユーザ機器(UE))及びサービスプロバイダデバイス(例えば、サーバ)の間などのエンドユーザデバイス間のデータ転送を容易にすることができる。移動体通信ネットワーク(「ネットワーク」)は、音声/映像通信及び/又はローカライズ(例えば、位置特定)通信などの多種多様な異なるアプリケーション/使用のためにエンドユーザデバイス間でデータを転送することができる。例として、ネットワークは、エンドユーザが、コンテンツプロバイダによって提供されるライブコンテンツ(例えば、スポーツイベントなどのリアルタイム放送)を視聴できるようにするデータを転送することができる。また、ネットワークは、ユーザの現在の位置に関連付けられる位置に関するメッセージ(例えば、広告及び/又は検索結果)を提供するデータを転送することができる。
【0005】
従来の通信システム/ネットワークでは、エンドユーザデバイスの位置は、エンドユーザデバイスで(例えば、全地球測位システム(GPS)データを用いて)決定される。従って、エンドユーザデバイスは、エンドユーザデバイスの位置をコンテンツプロバイダ(すなわち、対応する通信エンドポイント)に報告して、次にコンテンツプロバイダは、報告された位置に関連する情報を返信する。従来のシステム/ネットワークは、一般的には、位置決定及び/又は決定された位置の使用にアクティブに参加することなくデータ交換を容易にする。
【0006】
対照的に、本技術の実施は、特定のタイプの通信を識別し、これに応じてエンドユーザモバイルデバイスの現在の位置を導出する(deriving)/推定するための1又は2以上のトリガ条件をネットワークが検出することを許可する。ネットワーク(すなわち、モバイルデバイスの代わりに)は、サービングセル(serving-cell)及び/又は対応するアクセスポイント(例えば、基地局)の領域/位置を識別することによってモバイルデバイスの現在の位置を導出することができる。一部の実施では、ネットワークは、基地局三角測量/三辺測量などを介して、モバイルデバイスの現在の位置をリアルタイムで(すなわち、トリガ条件の検出に直接応答して)導出することができる。ネットワークは、サービス/コンテンツプロバイダサーバへのプロキシとして動作することなどによって、モバイルデバイスと通信しているエンドユーザデバイス(例えば、サービス/コンテンツプロバイダサーバ)に直接、導出された位置を提供することができる。代替として又は付加的に、ネットワークは、導出された位置をモバイルデバイスを介してエンドユーザデバイスに提供することができる。換言すると、ネットワークは、導出された位置をモバイルデバイスに提供することができ、モバイルデバイスは、受信した位置を事前に決められた処理/プロトコルに従ってエンドユーザデバイスに報告することができる。
【0007】
例証の実施例として、セルラー通信ネットワークは、UEの現在の位置を導出して、この位置をUEと通信しているコンテンツサーバに提供することができる。コンテンツサーバが位置に関連するコンテンツ(例えば、近くの又は現在の位置から閾値距離内のエンティティに関する通知又は広告)を識別してUEに送信できるように、現在の位置を伝送する(communicate)ことができる。一部の実施では、セルラーネットワークは、関連付けられるメタデータ(例えば、消費された帯域幅及び/又はエンドポイントアドレス)及び/又は伝送されたコンテンツを(例えば、ディープパケットインスペクション(DPI)を介して)分析することなどによって伝送された情報を分析することに基づいて位置導出(location derivation)をトリガすることができる。例えば、ネットワークは、UEの相対的に大量の処理資源及び/又はリアルタイムビデオコンテンツ(例えば、ライブ放送)などを提供する相対的に大量の通信及びネットワークリソース(例えば、帯域幅)を消費するアプリケーションに関するUEのリアルタイム情報を導出して提供することができる。従って、ネットワークは、UEのエンドユーザのリアルタイム位置特有の特徴(すなわち、リアルタイム文脈に関連する特徴)を使用可能にすると同時にUEの処理負荷を軽減することができる。
【0008】
以下の説明では、解説の目的で、本技術の実施の完全な理解を提供するために多数の特定の詳細が示されている。しかしながら、当業者には、本技術の実施がこれらの特定の詳細の一部なしに実施できることが明らかであろう。
【0009】
本明細書で紹介する技術は、特定用途ハードウェア(例えば、回路)として、ソフトウェア及び/又はファームウェアによって適切にプログラムされたプログラマブル回路として、又は特定用途及びプログラマブル回路の組み合わせとして実施することができる。従って、実施は、処理を実行するためのコンピュータ(又は他の電子デバイス)をプログラムするために使用することができる命令を格納している機械可読媒体を含むことができる。機械可読媒体は、限定ではないが、フロッピーディスケット、光学ディスク、コンパクトディスク読取り専用メモリ(CD-ROM)、磁気-光学ディスク、ROM、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROM)、電子的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EEPROM)、磁気又は光学カード、フラッシュメモリ、又は電子命令を格納するのに適した他のタイプの媒体/機械可読媒体を含むことができる。
【0010】
「一部の実施では」、「一部の実施構成による」、「図示した実施では」、「他の実施では」などの句は、一般的には、この句に続く特定の特徴、構造、又は特性が、本技術の少なくとも1つの実施に含まれ且つ1つより多い実施に含めることができることを意味する。加えて、このような句は、必ずしも同じ実施又は異なる実施を示すものではない。
【0011】
適切な環境
図1は、様々な実施又は実施形態に従う通信ネットワーク100(本明細書ではネットワーク100ともいう)を示す。通信ネットワーク100は、第1のデバイス102及び第2のデバイス104などのデバイスを通信可能に結合することができる。第1のデバイス102及び第2のデバイス104は、通信エンドポイントに対応することができる。例証の実施例として、第1のデバイス102は、携帯電話、車両の通信送受信機(telecommunications transceiver)、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、及び/又はウェアラブルデバイス(例えば、スマートウォッチ、拡張現実(AR)グラス、仮想現実(VR)グラスなど)などのモバイルデバイスを含むことができる。代替として又は付加的に、第1のデバイス102は、ワークステーション及び/又はものインターネット(IoT)デバイスなどの他のタイプのデバイスを含むことができる。また、例証の実施例として、第2のデバイス104は、サーバなどのサービス/コンテンツプロバイダデバイスを含むことができる。代替として又は付加的に、第2のデバイス104は、モバイルデバイスなどの他のタイプのデバイスを含むことができる。
【0012】
ネットワーク100は、ネットワーク100のゲートウェイとして機能するハブとして作用するよう構成されたアクセスノードを含むことができる。アクセスノードの一部の例は、ラジオアクセスネットワーク(RAN)ノード(例えば、進化型ユニバーサル地上ラジオアクセスネットワーク(E-UTRAN)ノードB(eノードB又はeNB)、E-UTRANのラジオネットワークコントローラ(RNC)、及び/又は次世代ノードB(gNB))を含むことができる。アクセスノードはまた、基地局、無線フィデリティ(WiFi)ルータ、モデム、及び/又は他のネットワークゲートウェイデバイスを含むことができる。アクセスノードは、1又は2以上の通信プロトコル又は規格に従って第1のデバイス102と通信するよう構成することができる。通信プロトコル又は規格の一部の例は、グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーション(GSM)、インターネットプロトコル(IP)マルチメディアサブシステム(IMS)、時分割多元接続(TDMA)、ユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーション・システム(UMTS)、進化データ最適化(EVDO)、長期進化(LTE)、ジェネラル・アクセス・ネットワーク(GAN)、無許可移動アクセス(UMA)、符号分割多元接続(CDMA)プロトコル(例えば、IS-95、IS-2000、及びIS-856プロトコル)、アドバンスドLTE又はLTE+、直交周波数分割多元接続(OFDM)、ジェネラル・パケット・ラジオ・サービス(GPRS)、拡張型データGSM環境(EDGE)、アドバンスド携帯電話システム(AMPS)、WiMAXプロトコル(例えば、IEEE802.16e-2005及びIEEE802.16mプロトコル)、様々なIEEE802.11規格の何れか、高速パケットアクセス(HSPA)、(高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)及び高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)を含む)、超移動広帯域(UMB)、5G NR(ニューラジオ)、及び/又は他の通信技術を含むことができる。
【0013】
一般的には、ネットワーク100は、各々が1又は2以上のBS(マクロセル)を含む複数のセル、5G送受信機(スモールセルデバイスを含む)、又はマクロ及びスモールセル両方の組み合わせ(HetNets)を含むことができるが、1又は2以上のフェムトセル、ピコセル、IEEE802.11アクセスポイント(WiFi AP)などを有するセルを含む多くの他のセルタイプも可能である。ネットワーク100は、構成及びサイズに応じて、様々な領域エリア、例えば、1又は2以上の部屋、1又は2以上のブロック、都市、州、国全体、全世界などを表しサービスを提供することができる。
【0014】
ネットワーク100は、上述の1又は2以上の無線通信規格/プロトコルに従ってアクセスノードと第1のデバイス102との間の無線通信接続を提供することができる。ネットワーク100は、アクセスノードに通信可能に結合され且つ第1のデバイス102と相手方の通信エンドポイント(例えば、サービスプロバイダ、コンテンツ/サービスサーバ、及び/又は他のエンドユーザデバイス)間で情報を処理する及び/又は情報をルーティングするよう構成されたネットワークノードを含むことができる。アクセスノードは、バックホール機器、例えば、オペレーションサポートサブシステム(OSS)サーバ、ラジオネットワークコントローラ(RNC)などに(例えば、バックホール接続を使用して)通信可能に結合することができる。ネットワークノードの一部の例は、モビリティ管理エンティティ(MME)、サービングゲートウェイ(SGW)、及び/又はパッケージデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ(PGW)を含むことができる。付加的に又は代替として、ネットワークノードは、ネットワーク機能(NF)を含むことができる。ネットワークノードのグルーピングは、ネットワーク100のバックボーン部分として機能するよう構成されたコアネットワークを形成することができる。例えば、コアネットワークは、セルラー通信ネットワーク及び/又は無線フィデリティネットワークなどの無線通信を実施するよう構成された構成要素を含むことができる。コアネットワークは、インターネット及び/又は電話ネットワークなどのネットワーク100の様々な部分に接続することができる。従って、コアネットワークは、通信エンドポイント(例えば、エンドユーザデバイス及び/又はサービスプロバイダサーバ)間でデータを交換するための通信セッションを確立/促進することができる。一部の実施では、コアネットワークは、IPマルチメディアコアネットワークサブシステム(IMS)を含むことができる。
【0015】
ネットワーク100は、ネットワークノード及び/又はノードへのアクセスを用いて、通信エンドポイント間(例えば、第1のデバイス102と第2のデバイス104の間)で通信データ106を伝送することができる。通信データ106は、ペイロード情報(例えば、音声、画像、値などのコンテンツのデジタル化/定量化表現)及び/又は他のセッション情報を含むことができる。通信データ106は、各々がペイロード情報及びセッション情報を含む1又は2以上のデータパケット(例えば情報の個々のユニット)を含むことができる。例えば、通信データ106は、通信エンドポイントとして作用するデバイス(例えば、伝送されるデータのソース及び宛先)を少なくとも表すアドレス122を含むことができる。また、例えば、通信データ106は、ペイロードサイズ、持続時間、通信のタイプ、帯域幅要件などのペイロードを記述する他の情報を含むことができる。
【0016】
例証の実施例として、ネットワーク100は、UE(例えば、第1のデバイス102)とライブコンテンツプロバイダ110(例えば、放送サービスによって維持されるサーバ)との間の通信データ106の交換を容易にすることができる。従って、通信データ106は、リアルタイムで発生する事象(events)又は事件(occurrences)(例えば、コンサートのライブ放送、ニュース事象、個人コンテンツ、及び/又はスポーツイベント)を示す又は表すライブコンテンツ124に対応することができる。このように、ライブコンテンツ124のペイロード情報は、リアルタイム事象又は事件の画像及び/又は音声に対応することができる。ライブコンテンツ124の通信データ106はまた、リアルタイム事象の表示を表示する/出力する/消費する第1のデバイス102(例えば、UE)のアドレス122及び/又はリアルタイム事象の表示を提供する第2のデバイス104のアドレス122を含むこともできる。換言すると、第2のデバイス104は、ライブコンテンツ124に対応するペイロード情報を第1のデバイス102に送信することができ、通信データ106は、対応する送信者/受信者デバイスを識別するアドレス122を含むことができる。
【0017】
ネットワーク100は、1又は2以上の通信エンドポイントがローカライズメッセージ126を送信する/受信するのを可能にすることができる。ローカライズメッセージ126は、UEの地理的位置(例えば、リアルタイム現在位置推定値)に関連付けられるコンテンツ(例えば、広告、検索結果、及び/又はクエリ)を含むことができる。例えば、ローカライズメッセージ126は、コンテンツを受信/消費しているUEの現在のリアルタイム位置(real-time location)から閾値距離内に位置付けられるエンティティの広告を含むことができる。
【0018】
通信データ106はまた、エンドユーザ応答128を含むこともできる。エンドユーザ応答128は、コンテンツ消費者デバイス(例えば、第1のデバイス192)からコンテンツプロバイダデバイス(例えば、第2のデバイス104)へ送信されたメッセージに対応することができる。例えば、エンドユーザ応答128は、コンテンツデータの受信に関連付けられる肯定応答、ステータスレポート、及び/又は他のプロトコルベースの通信を含むことができる。エンドユーザ応答128を用いて、ネットワーク発生データ130(例えば、消費側UEの現在のリアルタイム位置)をコンテンツプロバイダに送信することができる。
【0019】
例証の実施例として、ネットワーク100は、通信データ106に基づいて1又は2以上のトリガ条件を検出することができ、更にこれに応答して、通信データ106に関連付けられるUEの地理的位置を含むネットワーク発生データ130を導出することができる。ネットワーク100は、ネットワーク発生データ130(例えば、導出されたリアルタイム位置推定値)を第1のデバイス102及び/又は第2のデバイス104に提供することができる。ネットワーク100は、ネットワーク発生データ130を第1のデバイス102に送信することができ、第1のデバイス102は、ネットワーク発生データ130を第2のデバイス104に送信して、UEの現在の位置を報告することができる。代替として又は付加的に、ネットワーク100は、ネットワーク発生データ130を第2のデバイス104に直接送信することができ、これによって第2のデバイス104のプロキシとして機能する。導出された位置に基づいて、第2のデバイス104(例えば、コンテンツプロバイダ)は、導出された位置から閾値距離内のエンティティの広告を含むローカライズメッセージ126を識別してUEに送信することができる。
【0020】
動作の詳細
図2は、本技術の1又は2以上の実施構成による例示的な動作の詳細を示す。例証の実施例として、
図2は、ネットワーク100のステータス又はこの一部を維持又はレビューするための画面に表示された動作の詳細を示す。
【0021】
上述のように、ネットワーク100は、ネットワーク100のゲートウェイとして機能するハブとして作用するよう構成されたアクセスノード202を含む及び/又はこれと対話することができる。各アクセスノード202は、サービス領域204(例えば、アクセスノード202によってサービスを提供される地理的エリア)に対応することができる。サービス領域204は、モバイルデバイスが対応するアクセスノード202と通信する/接続することができるエリアに対応することができる。例えば、サービス領域204は、セルに対応することができ、アクセスノード202は、セルにサービス提供する基地局に対応することができる。
【0022】
ネットワーク100の他の例示的な動作の詳細は、位置報告トリガ210を含むことができる。位置報告トリガ210は、ネットワーク100の位置導出処理を開始するよう構成された条件又は対応する測定値/パラメータを含むことができる。例えば、位置報告トリガ210は、セッション情報212の閾値を含むことができる。位置報告トリガ210は、提供されたコンテンツを受信又は消費しているモバイルデバイスのリアルタイムの地理的位置を利用するサーバ/コンテンツプロバイダに対応する
図1のアドレス122のリストを含むことができる。ネットワーク100は、アドレス122がこのようなリストのアドレスの1つに一致した時に位置導出処理を開始することができる。付加的に又は代替として、位置報告トリガ210は、通信セッションの閾値帯域幅又は持続時間を含むことができる。従って、ネットワーク100は、セッションが閾値帯域幅又は持続時間を満足した時に位置導出処理を開始することができる。位置報告トリガ210は更に、スケジュール化放送時間、関係のあるキーワード/説明、及び/又はアドレス122に関連付けられるコンテンツの他の公的に利用可能な説明に対応することができる。
【0023】
一部の実施では、ネットワーク100は、位置導出処理に至る1又は2以上の検証処理を開始するよう構成された位置報告トリガ210を利用することができる。例えば、通信セッション及び/又は対応する通信データ106が、一致アドレスを含む、帯域幅/持続時間閾値を満足する、及び/又は上述のようにトリガ事象(triggering events)の公的に利用可能な説明に対応する時に、ネットワーク100は、処理を開始して、通信データ106のコンテンツ/ペイロードを分析(例えば、ディープパケットインスペクション(DPI))することができる。分析が資格コンテンツ(例えば、
図1のライブコンテンツ124)を識別した時に、ネットワーク100は、位置導出処理を開始することができる。
【0024】
付加的に又は代替として、ネットワーク100は、ハンドオーバ事象216に関連付けられる位置報告トリガ210を利用することができる。ハンドオーバ事象216は、UEにサービス提供する又は接続されたアクセスノード202の変更又は移行に対応することができる。例えば、モバイルデバイスは、
図2に示されるように第1のサービス領域(セル1)から第2のサービス領域(セル2)に向けて移動することができる。UEが移動するにつれて、UEは、セル1及びセル2に関連付けられる信号(例えば、基地局からの基準信号)の強度/質の変化を観察するはずである。測定された強度/質が事前に決められた条件を満足した時に、UE及び基地局は、互いと対話してサービングセル/基地局の変化を調整することができる。これに応じて、ネットワーク100は、ハンドオーバ事象216を実施することができる。従って、セル1の基地局は、UEにサービスを提供することを停止でき、セル2の基地局は、UEへのサービス提供を始めることができる。位置報告トリガ210は、ハンドオーバ事象216に基づいて位置導出処理を開始するよう構成することができる。換言すると、サービングセルがUEに対して変化した時(例えば、ハンドオーバ事象216が発生した時)、ネットワーク100は、UEのリアルタイムの地理的位置を導出することができる。
【0025】
第1のデバイス102のリアルタイムの地理的位置を導出する場合に、ネットワーク100は、異なる細粒性/精度(granularities/accuracies)に関連付けられる1又は2以上の推定値を生成することができる。例えば、ネットワーク100は、高レベル精度を持つ第1のデバイス102のリアルタイムの地理的位置を表す第1の位置推定値222を生成することができる。例えば、第1の位置推定値222は、拡張911(e911)要件(例えば、実際の位置の数メートル以内)を満足させるのに十分な精度を有する位置情報(例えば、座標値)を含むことができる。ネットワーク100は、セルタワー三角測量/三辺測量などの細粒位置付け技術を用いて第1の位置推定値222を導出することができる。代替として又は付加的に、ネットワーク100は、低レベル精度を有する第1のデバイス102のリアルタイムの地理的位置を表す第2の位置推定値224を生成することができる。第2の位置推定値224は、第1の位置推定値222より大きな距離/エリアに対応する精度又は細粒性を有することができる。例えば、第2の位置推定値224は、実際の位置から100メートル以内又は数キロメートル以内に位置することができる。また、第2の位置推定値224は、近傍、都市、郵便番号、及び/又は都市ブロックより大きな他のエリアに従って、UEの位置を表すことができる。一部の実施では、第2の位置推定値224は、サービスアクセスノードのサービス領域204(例えば、セルサイト(cell site))に対応することができる。従って、ネットワーク100は、第2の位置推定値224として対応するサービス領域204のセルグローバルアイデンティティ(CGI)を使用することができる。代替として又は付加的に、ネットワーク100は、第1の位置推定値222及び第2の位置推定値224に対して中間精度/細粒性を有する中間位置推定値226を生成することができる。例えば、中間位置推定値226は、サービス領域内の1又は2以上の領域/セクタ(例えば、セルサイト)を表すことができる。ネットワーク100は、ビームフォーミングなどのため無線でUEに接続するために用いられる1又は2以上のアンテナに関連付けられる方向に基づいて中間位置推定値226を決定することができる。
【0026】
制御の流れ
図3は、本技術の1又は2以上の実施に従って位置情報を報告する例示的方法300を示す流れ図である。方法300は、
図1の第1のデバイス102(例えば、UE)の位置を導出する及び/又は導出した位置を
図1の第2のデバイス104(例えば、コンテンツ/サービスプロバイダサーバ)に提供するために
図1のネットワーク100を動作することができる。方法300は、
図2の1又は2以上のネットワークノード及び/又はアクセスノード202を用いて実施することができる。
【0027】
ブロック302で、ネットワーク100は、
図1の第1のデバイス102(例えば、UE)と
図1の第2のデバイス104(例えば、サーバ)の間の通信を確立し且つ容易にすることができる。例えば、ネットワーク100は、1又は2以上の通信プロトコルに従ってUEとの無線接続を確立することができる。無線接続に基づいて、UE及び/又はサーバは、通信の相手方に企図された信号を送信することができる。ネットワーク100は、交換されたコンテンツ(例えば、ライブコンテンツ124、ローカライズメッセージ126、及び/又は
図1に示したエンドユーザ応答128)に対応する
図1の通信データ106、及び/又は他の関連付けられる情報(例えば、
図1のアドレス122などの
図2のセッション情報212)の交換を容易にすることができる。
【0028】
通信を容易にするために、ネットワーク100は、ネットワーク100を介して/ネットワーク100全体で伝送された1又は2以上のパケットを検査する(inspecting)ことなどによって、通信データ106に関連付けられるアドレス122を識別することができる。換言すると、ネットワーク100は、ネットワーク100に接続され且つネットワーク100を介して接続する第2のデバイス104(例えば、コンテンツプロバイダサーバ)及び第1のデバイス102(例えば、提供されたコンテンツを消費しているUE)を識別することができる。
【0029】
ブロック304で、ネットワーク100は、通信セッションの1又は2以上の態様をモニタすることができる。ネットワーク100は、第1のデバイス102と第2のデバイス104の間で交換されたパケットの1又は2以上の初期分析を実行することができる。例えば、ネットワーク100は、アドレス122、通信持続時間、パケットの数/サイズなどの通信データ106のメタデータ及び/又は非ペイロード部分を分析することができる。ネットワーク100は、モニタリング(例えば、初期検査)前及び/又は間に1又は2以上のパケットのコンテンツ(例えば、ペイロード部分)を見えない(blind)ようにしておくことができる。
【0030】
決定ブロック306で、ネットワーク100は、ネットワーク100が第1のデバイス102(例えば、UE)のリアルタイム位置を導出する処理をモニタされた態様がトリガすべきかどうか決定することができる。ネットワーク100は、モニタされたセッション情報212を
図2の位置報告トリガ210と比較することができる。ネットワーク100は、モニタされたセッション情報212が位置報告トリガ210を満足できなかった時に位置導出をトリガすることなく通信のモニタを継続することができる。一部の実施では、ネットワーク100は、事前に決められた周波数/持続時間に従ってモニタされたデータとトリガ条件との比較を実行することができる。付加的に又は代替として、ネットワーク100は、同じ/異なるネットワーク内のカスタマイズ化格付けに基づいてリアルタイム位置導出をトリガすることができる。例えば、ネットワーク100は、旅行中又は移転後などの異なる/新しいエリアで顧客のデバイスがアクティブである時にリアルタイム位置導出をトリガすることができる。
【0031】
モニタされたセッション情報212が位置報告トリガ210を満足した時(例えば、アドレス122が事前に決定されたリスト上にある時及び/又は帯域幅及び/又はパケットサイズ/品質が閾値を超えた時)、ネットワーク100は、位置導出処理をトリガすることができる。ブロック308で、ネットワーク100は、通信パーティの1又は2以上の加入レベル(subscription level(s))を識別することができる。ネットワーク100は、位置導出処理に関連付けられる異なる加入/サービスレベルを提供することができる。ネットワーク100は、高いプレミアム又は高レベル加入の
図2の第1の位置推定値222(例えば、高精度又は細粒推定値)を導出及び提供することができる。ネットワーク100は、低レベル加入の
図2の第2の位置推定値224(例えば、低精度推定値)を導出及び提供することができる。一部の実施では、ネットワーク100は、
図2の中間位置推定値226を導出及び提供することができる。従って、ネットワーク100は、通信パーティの1又は2以上に関連付けられる加入レベルに基づいて推定値を提供することができる。
【0032】
ブロック310で、ネットワーク100は、通信データ106のコンテンツを分析することができる。ネットワーク100は、セッション情報212がトリガの初期セットを満足した時にコンテンツを検査することができる。ネットワーク100は、例えば、通信データ106のコンテンツを分析するために、DPIを実施することができる。従って、ネットワーク100は、コンテンツの分析に基づいて
図2のコンテンツ推定値214を生成することができる。
【0033】
決定ブロック312で、ネットワーク100は、コンテンツ分析の結果が1又は2以上の対応するトリガ条件を満足するかどうか決定することができる。例えば、ネットワーク100は、通信データ106が事前に決められたカテゴリの1つ(例えば、ライブコンテンツ124)に対応するかどうか識別することができる。伝送されたコンテンツがコンテンツに基づくトリガ条件を満足しなかった時に、ネットワーク100は、ブロック304で上述したように通信セッションのモニタを継続することができる。
【0034】
伝送されたコンテンツがコンテンツベースのトリガ条件を満足した時に、ネットワーク100は、第1のデバイス102のサービス提供エリアを識別することができる。例えば、ネットワーク100は、第1のデバイス102に接続されたサービス領域204(例えば、セルサイト)を識別することができる。ネットワーク100は、通信データ106をライブ放送ストリーム(live-broadcast stream)として決定したことに基づいてサービス提供エリアを識別することができる。ネットワーク100は、伝送されたコンテンツを消費しているUEのリアルタイム位置を導出するために又は導出の一部としてサービス領域204を識別することができる。一部の実施において、ネットワーク100は、UEに接続された/UEにサービスを提供する基地局に関連付けられるサービス領域204の識別に基づいてCGIを生成することができる。
【0035】
ブロック316で、ネットワーク100は、コンテンツを消費している第1のデバイス102の現在の位置(例えば、リアルタイム位置)を導出することができる。ネットワーク100は、サービス提供エリアに基づくか又はサービス提供エリアに位置付けられる現在の位置(例えば、第1の位置推定値222及び/又は第2の位置推定値224)を導出することができる。例えば、ネットワーク100は、第2の位置推定値224(例えば、CGI)を含む現在の位置を導出することができる。また、ネットワーク100は、通信パーティの1又は2以上の更にプレミアムな加入レベルに関連付けられる第1の位置推定値222(例えば、高レベル精度データ)を含む現在の位置を導出することができる。ネットワーク100は、複数の基地局を用いた(例えば、セルタワー三角測量/三辺測量に従う)UEの電波探知(radiolocating)に基づいてプレミアムリアルタイム位置を導出することができる。従って、ネットワーク100は、CGIより細かい細粒性でUEの位置を表すプレミアムリアルタイム位置推定値を導出することができる。例えば、ネットワーク100は、第1の位置推定値222及び/又は第1の位置推定値222と第2の位置推定値224の間にある精度レベル又は細粒性を持つ中間位置推定値226を導出することができる。中間位置推定値226は、第2の位置推定値224と比較して更にプレミアムな推定として導出することができる。ネットワーク100は、サービスセルサイトに関連付けられる基地局の周りの角度のセットに対応するエリア又はセクタの決定に基づいて中間位置推定値226を導出することができる。ネットワーク100は、UEと通信するために用いられるアンテナに関連付けられるパラメータの決定に基づいて中間位置推定値226を導出することができる。
【0036】
ブロック318で、ネットワーク100は、通信パーティの1又は2以上(例えば、第1のデバイス102及び/又は第2のデバイス104)に導出した位置を伝送することができる。ネットワーク100は、
図1のネットワーク発生データ130として導出された位置を伝送することができる。ネットワーク100は、位置ベースのサービスのためにリアルタイム位置を第2のデバイス104に伝送することができる。例えば、ネットワーク100は、コンテンツプロバイダが
図2のローカライズメッセージ126をUEに提供できるようにコンテンツソースにリアルタイム位置を提供することができる。
【0037】
ネットワーク100は、ネットワークノードから第2のデバイス104(例えば、コンテンツソース)に直接、リアルタイム位置を送信することができる。従って、ネットワークノードは、コンテンツソースへのプロキシとして機能することができ、UEのためのライブ放送ストリームへの位置特有の広告の挿入を許可することができる。代替として又は付加的に、ネットワーク100は、リアルタイム位置をサービスを提供する基地局を介してコンテンツを消費しているUEに送信することができる。UEは、UEがUEの固有の現在の位置をアクティブに導出することなく、ネットワーク100からのリアルタイム位置をエンドユーザ応答128を経由してコンテンツプロバイダにリレーすることができる。
【0038】
決定ブロック320で、ネットワーク100は、リアルタイム位置のアップデートが必要かどうか決定することができる。ネットワーク100は、事前に決められた報告周波数/間隔に従ってアップデートを開始することができる。報告周波数/間隔は、識別された加入レベルに対応することができる。付加的に又は代替として、ネットワーク100は、UEの位置及び/又は移動情報(例えば、前の及び/又は予想される移動方向及び/又は速度)に基づいて報告周波数/間隔を調節することができる。例えば、ネットワーク100は、UEがサービス領域204の周辺端から閾値距離内にあると決定される時に周波数を上げるか又は位置偏差間の間隔を短くすることができる。ネットワーク100は、アップデート条件が満足された時にサービスエリアを識別する(ブロック314)及び/又は現在の位置を導出する(ブロック316)ことができる。従って、ネットワーク100は、アップデートされた位置推定値を第2のデバイス104に提供することができる(ブロック318)。そうでなければ、ネットワーク100は、通信のアップデート条件を待つか又はそれ以外は通信のアップデート条件のモニタを継続することができる。
【0039】
ネットワーク100は、
図2のハンドオーバ事象216に従ってアップデートを開始することもできる。ネットワーク100は、コンテンツを消費しているUEのハンドオーバ事象216を検出するためのモニタリング機能又は割り込みを含むことができる。ハンドオーバ事象216の発生は、アップデート条件を満足させる及び/又は他のアップデート条件(例えば、報告間隔)に優先することができる。換言すると、ネットワーク100は、事前に決められた/スケジュールされた報告時間の前でもハンドオーバ事象216の検出に基づいて第1のデバイス102のリアルタイム位置を導出する及び/又は伝送するよう構成することができる。従って、ネットワーク100は、ハンドオーバ事象216に応じて且つリアルタイム位置の最後の報告以降の追跡される持続時間に関わらず、直接リアルタイム位置の推定値を導出及び/又は送信することができる。ネットワーク100は、ハンドオーバ事象に応答して直接リアルタイム位置を送信することに基づいて追跡される持続時間をリセットすることができる。
【0040】
上述のように、ネットワーク100は、モバイルデバイスの現在の位置を導出し且つこのような情報を提供して、位置ベースのサービスを可能にすることができる。ネットワーク100は、位置情報を導出及び提供するための適切な条件を(例えば、上述の検査の1又は2以上を介して)検出することができる。更に、ネットワーク100は、オペレーティングデータ(例えば、CGI及び/又はアンテナに関するパラメータなどのネットワークの他の態様を促進するために生成されたデータ)と一体になった位置情報を活用して、リアルタイム位置をコンテンツプロバイダに提供することができる。従って、ネットワーク100は、追加の資源消費を最小限にしてモバイルデバイスの現在の位置を提供することができる。更に、ネットワーク100は、追加の専用回路又は機能を最小限にして動作位置付け方法(例えば、CGI及び/又はe911機構)を活用することができる。更にまた、ネットワーク100は、ネットワーク発生データ130を用いて位置情報を伝送することができ、これによってモバイルデバイスの処理負荷を低減する。
【0041】
上記に説明したように、本システムは、位置特有の広告を使用可能にするためにセルラーネットワーク上のUEの位置をライブストリーミングコンテンツサーバ(例えば、スポーツイベントのライブ放送)に提供する。処理は、ディープパケットインスペクション(DPI)に基づいてネットワークによって開始することができる。DPIが一定のコンテンツ/サーバIDを検出した時に、ネットワークは、対応するUEのサービスセル(例えば、CGI)を識別することができる。ネットワークは、(1)サービスセルに関連付けられる位置を直接、ストリーミングコンテンツサーバに(すなわち、プロキシとして動作し且つサーバに情報を送信するネットワークノードによって)提供するか、又は(2)UEがサーバに位置を提供できるようにUEに戻すことができる。
【0042】
位置は、標準的な期間に従って及び/又はネットワーク事象(例えば、ハンドオーバ)の間に提供することができる。
【0043】
一部の実施では、ネットワークは、位置情報に対する細かい細粒性/精度を提供することによってプレミアムサービスを提供するよう構成することができる。ネットワークは、UE ID及び/又はサーバIDを加入者リストと比較してプレミアムサービスの利用可能度を識別することができる。識別した状態で、ネットワークは、アドバンスド/追加の位置付けプロトコル(例えば、911位置付けプロトコル及び/又は5Gマイクロセル位置)を実施して細粒性位置情報を導出することができる。
【0044】
本システムは、少なくとも動作トリガ及び報告アドレスに基づいて911プロトコルとは区別される。911プロトコルが位置付け処理をトリガするためにセットセル受信者に頼る場合、本システムは、受信者が容易に利用できない場合に実際のパケットの分析を必要とする。更に、911プロトコルは、位置情報に対してセット受信者を有するが、本システムは、UE及び/又はサーバに情報を返送する。
【0045】
本システムはまた、ネットワークが位置要求を待たないので他の位置ベースのサービスとは区別される。従って、サーバは、リアルタイム/ライブコンテンツ(例えば、メジャーなスポーツイベント、動画のニュースフィード、コンサート)の位置情報をより速く取得することができる。
【0046】
コンピュータ
図4は、本明細書で論じる方法又はモジュールの何れか1つ又はそれ以上を機械に実行させるための命令のセットを中で実行することができるコンピュータシステム400の例示的形態における機械の図示である。
【0047】
図4の例では、コンピュータシステム400は、プロセッサ402、メモリ406、駆動ユニット420(例えば、不揮発性メモリなどの機械可読ストレージ媒体)、及びインタフェースデバイス410を含む。様々な共通の構成要素(例えば、キャッシュメモリ)は、図示を簡単にするために省かれている。コンピュータシステム400は、
図1-4の例で説明される構成要素の何れか(及び本明細書で説明する何れかの他の構成要素)を実施することのできるハードウェアデバイスを示すものとする。コンピュータシステム400は、何れかの市販されている既知の又は使い勝手の良いタイプとすることができる。コンピュータシステム400の構成要素は、バスを経由して又はある他の既知の又は使い勝手の良いデバイスを介して互いに結合することができる。
【0048】
この開示は、何れかの適切な物理的形態を取るコンピュータシステム400を意図する。例として及び制限ではなく、コンピュータシステム400は、組込みコンピュータシステム、システムオンチップ(SOC)、シングルボードコンピュータシステム(SBC)(例えば、コンピュータオンモジュール(COM)又はシステムオンモジュール(SOM)など)、デスクトップコンピュータシステム、ラップトップ又はノートブックコンピュータシステム、対話型キオスク、メインフレーム、コンピュータシステムのメッシュ、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、サーバ、又はこれらの2又は3以上の組み合わせとすることができる。必要に応じて、コンピュータシステム400は、1又は2以上のコンピュータシステム400を含む、統一又は分散型とする、複数の位置にわたる、複数の機械にわたる、又は1又は2以上のネットワークにおける1又は2以上のクラウド構成要素を含むことができるクラウドに存在することができる。必要に応じて、1又は2以上のコンピュータシステム400は、本明細書で説明又は例証する1又は2以上の方法の1又は2以上のステップを実質的に空間的又は時間的に限定することなく実行することができる。例として及び制限ではなく、1又は2以上のコンピュータシステム400は、本明細書で説明又は例証する1又は2以上の方法の1又は2以上のステップをリアルタイムで又はバッチモードで実行することができる。1又は2以上のコンピュータシステム400は、必要に応じて、本明細書で説明又は例証する1又は2以上の方法の1又は2以上のステップを様々な時間に又は様々な位置で実行することができる。
【0049】
プロセッサ402は、例えば、IntelPentiumマイクロプロセッサ又はMotorolaパワーPCマイクロプロセッサなどの従来のマイクロプロセッサとすることができる。当業者であれば、「機械可読(ストレージ)媒体」又は「コンピュータ可読(ストレージ)媒体」という語が、プロセッサ402によってアクセス可能であるデバイスの何れのタイプも含むことを理解するであろう。
【0050】
メモリ406は、例えばバス424によってプロセッサに結合される。メモリ406は、限定ではないが例として、動的RAM(DRAM)及び静的RAM(SRAM)などのランダムアクセスメモリ(RAM)を含むことができる。メモリ406は、ローカル、リモート、又は分散型とすることができる。
【0051】
バス424はまた、プロセッサ402を駆動ユニット420に結合する。駆動ユニット420は、磁気フロッピー又はハードディスク、磁気-光学ディスク、光学ディスク、CD-ROM、EPROM、又はEEPROMなどの読取り専用メモリ(ROM)、磁気又は光学カード、又は大量のデータのストレージの別の形態であることが多い不揮発性メモリを含むことができる。このデータの一部は、直接メモリアクセス処理によって、コンピュータ400のソフトウェアの実行中にメモリに書き込まれることが多い。不揮発性ストレージは、ローカル、リモート、又は分散型とすることができる。システムがメモリで利用可能な全ての利用可能データによって作成することができるので、不揮発性メモリは任意的である。一般的なコンピュータシステムは、通常は、少なくとも、プロセッサ、メモリ、及びメモリをプロセッサに結合するデバイス(例えば、バス)を含むことになる。
【0052】
ソフトウェアは、一般的には、駆動ユニット420に格納される。ソフトウェアを実行するために、必要な場合、ソフトウェアが処理に適したコンピュータ可読位置に移動されること、更に例証のために、この位置が、本文書ではメモリと呼ばれることを理解すべきである。ソフトウェアが実行のためにメモリに移動された時でも、プロセッサは、一般的には、ソフトウェア、及び、理想的には実行の速度を上げるのに役立つローカルキャッシュに関連付けられる値を格納するためにハードウェアレジスタを使用することになる。本明細書で用いられるソフトウェアプログラムは、ソフトウェアプログラムが「コンピュータ可読媒体で実施される」と示される時に何れかの既知の又は使い勝手の良い位置(不揮発性ストレージからハードウェアレジスタに)格納されると想定される。プロセッサは、プログラムに関連付けられる少なくとも1つの値がプロセッサによって可読のストレージに格納される時に「プログラムを実行するよう構成される」と考えられる。
【0053】
バス424はまた、プロセッサ402をネットワークインタフェースデバイス410に結合する。ネットワークインタフェースデバイス410は、モデム又はネットワークインタフェースの1又は2以上を含むことができる。モデム又はネットワークインタフェースは、コンピュータシステム400の一部であると考えられることが理解されるであろう。ネットワークインタフェースデバイス410は、アナログモデム、ISDNモデム、ケーブルモデム、トークンリングインタフェース、衛星送信インタフェース(例えば、「直接PC」)、又はコンピュータシステムを他のコンピュータシステムに結合する他のインタフェースを含むことができる。
【0054】
システム400は、ビデオディスプレイ414及び/又は英数字入力デバイス416などの1又は2以上の入力及び/又は出力デバイスを含むことができる。I/Oデバイスは、限定ではなく例として、キーボード、マウス又は他のポインティングデバイス、ディスクドライブ、プリンタ、スキャナ、及びディスプレイデバイスを含む他の入力及び/又は出力デバイスを含むことができる。ビデオディスプレイ414は、限定ではないが例として、ブラウン管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、又はある他の市販されている既知の又は使い勝手の良いディスプレイデバイスを含むことができる。簡単にするために、
図4の例に示されていない何れのデバイスのコントローラもインタフェースに存在すると想定される。
【0055】
動作において、コンピュータシステム400は、ディスクオペレーティングシステムなどのファイル管理システムを含むオペレーティングシステムソフトウェアによって制御することができる。関連付けられるファイル管理システムソフトウェアを備えたオペレーティングシステムソフトウェアの例は、ワシントン州レドモンドのマイクロソフト社製のWindows(登録商標)、及びこれに関連するファイル管理システムとして既知のオペレーティングシステムのファミリーである。関連付けられるファイル管理システムソフトウェアを備えたオペレーティングシステムソフトウェアの別の例は、Linux(登録商標)オペレーティングシステム及びこれに関連付けられるファイル管理システムである。ファイル管理システムは、一般的には、不揮発性メモリ及び/又は駆動ユニットに格納され、且つ不揮発性メモリ及び/又は駆動ユニットにファイルを格納するステップを含む、データを入力及び出力し且つメモリにデータを格納するためにオペレーティングシステムによって要求される様々な動作をプロセッサに実行させる。
【0056】
詳細な説明の一部分は、コンピュータメモリ内のデータビットにおけるアルゴリズム及び動作の記号表現の点で示すことができる。これらのアルゴリズムの説明及び表現は、作業の内容を当技術に精通した他者に効率よく伝えるためにデータ処理技術に精通した技術者によって用いられる手段である。ここでのアルゴリズムは、一般的には、所望の結果に至る動作の自己矛盾のないシーケンスであると考えられる。動作は、物理的量の物理的操作を必要とするものである。通常は、必ずではないが、これらの量は、格納、転送、結合、比較、及びそうでなければ操作することができる電子又は磁気信号の形態を取る。時には、原則的に共通使用の理由で、これらの信号を、ビット、値、素子、記号、文字、項、数などとして示すことが便利であることが証明されている。
【0057】
しかしながら、これらの及び類似の語の全てが、適切な物理的量に関連付けられ且つ単にこれらの量に加えられる便利なラベルに過ぎないことを念頭に置くべきである。以下の説明から明らかなように他に特に明記されない限り、本説明全体を通して、「処理する」又は「コンピュータ計算する」又は「計算する」又は「決定する」又は「表示する」又は「生成する」などの語を利用する論議は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内の物理的(電子的)量を、コンピュータシステムメモリ又はレジスタ又は他のこのような情報ストレージ、送信又はディスプレイデバイス内の物理的量として同様に表される他のデータに操作し変換するコンピュータシステム、又は類似の電子コンピュータデバイスの動作及び処理を指すことを理解されたい。
【0058】
本明細書に示すアルゴリズム及びディスプレイは、何れかの特定のコンピュータ又は他の装置に固有に関係付けられるものではない。様々な汎用システムを、本明細書の教示に従ってプログラムと共に用いることができるか、又は一部の実施の方法を実行するためにより専用の装置を構築することが便利であることも立証できる。多種多様なこれらのシステムに必要な構造体は、以下の説明から明らかであろう。加えて、本技術は、何れかの特定のプログラミング言語に関して記述しておらず、従って様々な実施を多種多様なプログラミング言語を用いて実施することができる。
【0059】
代替の実施では、本機械は、独立デバイスとして動作するか、又は他の機械に接続する(例えば、ネットワーク化する)ことができる。ネットワーク化された配備では、本機械は、クライアント-サーバネットワーク環境におけるサーバ又はクライアント機械の能力で動作するか、又はピアツーピア(又は分散)ネットワーク環境におけるピア機械として動作することができる。
【0060】
本機械は、サーバコンピュータ、クライアントコンピュータ、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、ラップトップコンピュータ、セットトップボックス(STB)、携帯情報端末(PDA)、セルラー電話、iPhone(登録商標)、Blackberry、プロセッサ、電話、ウェブ機器、ネットワークルータ、スイッチ又はブリッジ、又はこの機械によって行われる動作を指定する命令のセットを(順次又はそれ以外で)実行することができる何れかの機械とすることができる。
【0061】
機械可読媒体又は機械可読ストレージ媒体は、例示的な実施では単一の媒体であるように示されているが、「機械可読媒体」及び「機械可読ストレージ媒体」という語は、命令の1又は2以上のセットを格納する単一の媒体又は複数の媒体(例えば、集中化又は分散データベース、及び/又は関連付けられるキャッシュ及びサーバ)を含むものと捉えるべきである。また「機械可読媒体」及び「機械可読ストレージ媒体」という語は、機械によって実行され且つ本明細書で開示している技術及び革新の方法又はモジュールの何れか1つ又はそれ以上を機械に実行させる命令のセットを格納する、符号化する、又は保持する(carrying)ことができる何れの媒体も含むものと捉えるべきである。
【0062】
一般的には、本開示の実施形態を実施するために実行されるルーチンは、オペレーティングシステム又は特定のアプリケーションの一部、構成要素、プログラム、オブジェクト、モジュール、又は「コンピュータプログラム」と呼ばれる命令のシーケンスとして実施することができる。コンピュータプログラムは、一般的に、コンピュータの様々なメモリ及びストレージデバイスで様々な時間に1又は2以上の命令セットを含み、1又は2以上の命令セットは、コンピュータの1又は2以上の処理ユニット又はプロセッサによって読み取られ且つ実行された時に、本開示の様々な態様を伴う要素を実行するためにコンピュータに動作を実行させる。
【0063】
更にまた、完全に機能するコンピュータ及びコンピュータシステムの概念で実施を説明しているが、当業者であれば、様々な実施が、多種多様な形態のプログラム製品として分散できること、更に本開示が、分散を実際に実効するために用いられる機械又はコンピュータ可読媒体の特定のタイプに関わらず等しく適用されることを理解するであろう。
【0064】
機械可読ストレージ媒体、機械可読媒体、又はコンピュータ可読(ストレージ)媒体の更なる例は、限定ではないが、中でも、揮発性及び不揮発性メモリデバイス、フロッピー及び他の取り外し可能ディスク、ハードディスクドライブ、光学ディスク(例えば、コンパクトディスク読取り専用メモリ(CD ROM)、デジタル多機能ディスク、(DVD)など)などの記録可能タイプの媒体、及びデジタル及びアナログ通信リンクなどの送信タイプ媒体を含む。
【0065】
状況によっては、バイナリ1からバイナリ0又は逆も同様の状態の変化などのメモリデバイスの動作は、例えば、物理的変換などの変換を含むことができる。メモリデバイスの特定のタイプによるこのような物理的変換は、品目の異なる状態又は物への物理的変換を含むことができる。限定ではないが、例えば、メモリデバイスの一部のタイプでは、状態の変化は、電荷の累積及び貯蔵又は格納された電荷の放出を伴うことができる。同様に、他のメモリデバイスでは、状態の変化は、帯磁方向の物理的変化又は変換又は結晶から非結晶又は逆もまた同様の分子構造における物理的変化又は変換を含むことができる。前述は、メモリデバイスにおけるバイナリ1対バイナリ0又は逆もまた同様の状態の変化が、物理的変換などの変換を含むことができる網羅的リストであることを意図しない。逆に、上記のことは、例示的な実施例であることを意図している。
【0066】
ストレージ媒体は、典型的には、非一時的とすることができ、又は非一時的デバイスを含むことができる。本明細書では、非一時的ストレージ媒体は、デバイスが完全に物理的形態を有することを意味する、有形のデバイスを含むことができるが、デバイスは、デバイスの物理的状態を変えることができる。従って、例えば、非一時的は、この状態の変化に関わらず有形のままであるデバイスを指す。
【0067】
備考
文脈上明確に他の意味に解釈すべき場合を除いて、本明細書及び請求項を通じて、「含む」、「含んでいる」などの用語は、限定的又は網羅的な意味ではなく、包括的な意味でみなされるべきであり、すなわち、「含むが限定されない」という意味である。本明細書で用いる場合の用語「接続された」、「結合された」、又はこれらの何れかの派生語は、2又は3以上の要素間の直接又は間接的である何らかの接続又は結合を意味し、すなわち、要素間の結合又は接続は、物理的、論理的、又はこれらの組み合わせのものとすることができる。更に、「本明細書では」、「上記に」、「以下に」、及び同様の趣旨の用語は、本出願で用いられた場合、本出願を全体として指すものであり、本出願の何れかの特定の部分を指すものではない。文脈上許容される場合、単数又は複数を用いた上記の詳細な説明における用語はまた、それぞれ複数又は単数を含むことができる。2又は3以上の項目のリストに関して「又は」という用語は、この用語に関する以下の解釈:リストの項目の何れか、リストの項目の全て、及びリストの項目の何れかの組み合わせの全てを保護する。
【0068】
本発明の実施例に関する上記の詳細な説明は、包括的なものであること、又は上記で開示された形態に本発明を限定することを意図していない。本発明の特定の実施例を例証の目的で上記に説明しているが、当業者であれば理解されるように、様々な均等な修正形態が本発明の範囲内で可能である。例えば、プロセス又はブロックは、所与の順序で提示されているが、代替の実施構成は、ステップを有するルーチンを実行することができ、又は異なる順序でブロックを有するシステムを利用することができ、また、一部のプロセス又はブロックを、削除、移動、追加、分割化、結合、及び/又は修正し、代替形態又は部分的組み合わせを提供することができる。これらのプロセス又はブロックの各々は、多種多様な異なる方法で実施することができる。また、プロセス又はブロックは、時間的に連続して実行されるように示されているが、これらのプロセス又はブロックは、むしろ、並行して実行又は実施することができ、又は異なる時間で実行することができる。更に、本明細書に記載されたあらゆる特定の数字は実施例に過ぎず、代替の実施構成は、異なる値又は範囲を用いることができる。
【0069】
本明細書で提供する本発明の教示は、必ずしも上述のシステムではなく、他のシステムにも適用することができる。上述の様々な実施例の要素及び動作は、本発明の更に他の実施を提供するために組み合わせることができる。本発明の一部の代替の実施構成は、上述した実施構成への追加の要素を含むだけでなく、より少ない要素を含むこともできる。
【0070】
上述の何れかの特許及び出願並びに他の引例、更に添付の出願書類に列挙することができる何れかは、何らかの主題の否認又は拒否を除いて、及び組み込まれる材料が本明細書に記載された開示内容に矛盾する場合を除いて、本開示における文言が優先する場合、引用により本明細書に全体として組み込まれる。本発明の態様は、本発明の更に他の実施構成を提供するために上述の様々な表現のシステム、機能、及び概念を利用するために修正することができる。
【0071】
本発明に対するこれら及び他の変更は、上記の詳細な説明の観点から行うことができる。上記の説明は本発明の特定の実施例を記述し、考えられる最良のモードを記述しているが、上記のことがどのように詳細に文字で表現されていたとしても、本発明は多くの方法で実施することができる。本システムの詳細は、本明細書で開示される本発明によって網羅されるが、この特定の実施構成において大幅に変えることができる。上述のように、本発明の特定の特徴又は態様を記述する時に用いられる特定の用語は、当該用語が関連付けられる本発明の何れの特定の特性、特徴、又は態様に限定されるものとして、用語が本明細書で再定義されることを意味するものと捉えるべきではない。一般的に、以下の請求項で用いられる語は、上記の詳細な説明の段落がこのような語を明示的に定義しない限り、本明細書に開示される特定の実施例に本発明を限定するものと解釈すべきではない。従って、本発明の実際の範囲は、開示される実施例だけを包含するのではなく、請求項の下で本発明を実現又は実施する等価の方法の全ても包含する。
【0072】
請求項の数を削減するために、本発明の特定の態様は、特定の請求様式で以下に提示されるが、本出願人は、請求様式の何れの数でも本発明の様々な態様を企図している。例えば、本発明の1つの態様だけが米国特許法第1の12条(f)の下でミーンズプラスファンクションクレームとして記載されているが、他の態様を同様に、ミーンズプラスファンクションクレームとして、又はコンピュータ可読媒体で実施されるような他の形態で実施することができる。(米国特許法第1の12条(f)の下で扱われるとされる何れの請求項も、「のための手段」という語で始まるが、何れかの他の文脈での「ための」という語の使用は、米国特許法第1の12条(f)の下での扱いを想起させるものではない。)従って、本出願人は、この出願又は継続出願の何れかにおいて、このような追加の請求項形態を追求するためにこの出願を申請した後に追加の請求項を追求する権利を留保する。
【符号の説明】
【0073】
100 通信ネットワーク
102 第1のデバイス
104 第2のデバイス
106 通信データ
110 ライブコンテンツプロバイダ
122 アドレス
124 ライブコンテンツ
126 ローカルメッセージ
128 エンドユーザ応答
130 ネットワーク発生データ