IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ キヤノン ユーエスエイ,インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特許-エルゴノミックカテーテルハンドル 図1
  • 特許-エルゴノミックカテーテルハンドル 図2
  • 特許-エルゴノミックカテーテルハンドル 図3
  • 特許-エルゴノミックカテーテルハンドル 図4
  • 特許-エルゴノミックカテーテルハンドル 図5
  • 特許-エルゴノミックカテーテルハンドル 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】エルゴノミックカテーテルハンドル
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
A61B1/00 711
A61B1/00 632
A61B1/00 526
【請求項の数】 22
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023002111
(22)【出願日】2023-01-11
(65)【公開番号】P2023102774
(43)【公開日】2023-07-25
【審査請求日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】63/298,830
(32)【優先日】2022-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/068,210
(32)【優先日】2022-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596130705
【氏名又は名称】キヤノン ユーエスエイ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CANON U.S.A.,INC
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】アルトシュラー アレクサンダー
【審査官】▲高▼木 尚哉
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0345440(US,A1)
【文献】特表2005-533533(JP,A)
【文献】特開2009-189684(JP,A)
【文献】国際公開第2010/113374(WO,A1)
【文献】実開昭58-136101(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00-1/32
G02B 23/24-23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテル操作用のハンドルであって、
外表面及び内表面を有するハンドル本体であって、前記内表面は、当該ハンドル本体の近位端から遠位端まで長手方向軸に沿って延びる管状通路を画定する、ハンドル本体、
を備え、
前記ハンドルは、前記ハンドル本体の前記近位端に結合機構を有し、前記ハンドル本体の前記遠位端にストレインリリーフスリーブを有し、前記ハンドル本体の前記近位端と前記遠位端の間に強化部分を有し、
前記ハンドル本体の前記遠位端の前記ストレインリリーフスリーブは、前記ハンドルに軟性カテーテルシース及びイメージングコアを除去不能に固定するように構成され、前記イメージングコアは、ワーキングチャネル内に配置され、前記ハンドル本体の管状通路を通って前記長手方向軸に沿って延び、
前記イメージングコアは、前記ハンドル本体の前記管状通路内に配置される硬質プルバック部分と、当該イメージングコアの近位端に取り付けられた第1のコネクタとを含み、
前記ハンドル本体の前記近位端の前記結合機構は、第2のコネクタを有する患者インタフェースユニットに前記ハンドルを着脱可能に接続するように構成され、
前記イメージングコアの前記第1のコネクタは、前記第2のコネクタと係合するように構成され、
前記ハンドル本体の前記近位端と前記遠位端の間の前記強化部分は、前記ハンドル本体の前記近位端での曲げ剛性を高めるように構成される、
ハンドル。
【請求項2】
前記ハンドル本体は、ユーザが片手で前記患者インタフェースユニットに対して前記ハンドルを着脱できるように、前記ユーザの手による把持に適した人間工学に基づくサイズ及び形状を有する、
請求項1に記載のハンドル。
【請求項3】
前記ハンドル本体の長さは、平均的なヒトの手の平均幅にほぼ等しい、
請求項1に記載のハンドル。
【請求項4】
前記ハンドル本体の前記外表面は、平均的なヒトの手の最大グリップ径以下の直径をもつ円に収まるように構成された三角形の断面又は円形の断面を画定する、
請求項1に記載のハンドル。
【請求項5】
前記ハンドル本体の前記外表面は、直径が25ミリメートル以上であり且つ平均的なヒトの手の最大グリップ径以下である円に収まるように構成された三角形の断面又は円形の断面を画定する、
請求項1に記載のハンドル。
【請求項6】
前記カテーテルシースは、当該カテーテルシースの近位端から遠位端まで延びるワーキングチャネルを含み、
前記ハンドル本体の前記管状通路と、前記カテーテルシースの前記ワーキングチャネルは、互いに直線的にアライメントされ、イメージングコアを通すように構成される、
請求項1に記載のハンドル。
【請求項7】
前記患者インタフェースユニットは可動プラットフォームを含み、当該可動プラットフォームは、前記カテーテルシースと前記ハンドル本体が静止している状態で、前記イメージングコアを前記患者インタフェースユニット内に所定のプルバック長さだけ直線的に引き込むように構成され、
前記ハンドル本体の長さは、前記所定のプルバック長さ以上である、
請求項6に記載のハンドル。
【請求項8】
前記ハンドル本体の長さは、前記所定のプルバック長さの1~1.5倍の範囲にある、
請求項7に記載のハンドル。
【請求項9】
前記ハンドル本体及び前記カテーテルシースは、使い捨て用に構成された滅菌コンポーネントであり、
前記患者インタフェースユニットは、複数回使用のために構成された非滅菌電子コンポーネントである、
請求項1に記載のハンドル。
【請求項10】
前記強化部分は、前記ハンドル本体のうち、前記ハンドル本体の前記近位端において、前記近位端から前記遠位端へ向かう方向に第1の直径から当該第1の直径よりも小さい第2の直径までテーパ状になっている部分であり、
前記患者インタフェースユニットの受容ポートに前記結合機構を挿入し、前記ハンドル本体を転させることにより、前記ハンドルを前記患者インタフェースユニットに取付け可能である、
請求項1に記載のハンドル。
【請求項11】
前記患者インタフェースユニットに対する前記ハンドルの取付け後、前記ハンドル本体の前記強化部分は、前記患者インタフェースユニットのハウジングに当接し、
前記結合機構と前記強化部分により、前記ハンドル本体には、ユーザによる前記ハンドル及び前記患者インタフェースユニットの取扱い及び操作の間に前記患者インタフェースユニット全体の重量を支えるのに十分な堅牢性が提供される、
請求項10に記載のハンドル。
【請求項12】
近位端から遠位端まで長手方向軸に沿って長手方向に延びるカテーテルプローブと、
外表面及び内表面を有するハンドル本体であって、前記内表面は、当該ハンドル本体の近位端から遠位端まで延びる管状通路を画定する、ハンドル本体と、
ワーキングチャネル内に配置され、前記長手方向軸に沿って前記ハンドル本体の前記管状通路を通り、前記カテーテルプローブを通って延びる、イメージングコアと、
接続ポート及びプルバック部を有する患者インタフェースユニットと、
を備える医用装置であって、
前記ハンドル本体は、前記ハンドル本体の前記近位端に結合機構を有し、前記ハンドル本体の前記遠位端にストレインリリーフスリーブを有し、前記ハンドル本体の前記近位端と前記遠位端の間に強化部分を有し、
前記ハンドル本体の前記遠位端の前記ストレインリリーフスリーブは、前記ハンドル本体に前記カテーテルプローブの近位端及びイメージングコアを除去不能に固定するように構成され、前記イメージングコアは、ワーキングチャネル内に配置され、前記ハンドル本体の管状通路を通って前記長手方向軸に沿って延び、
前記イメージングコアは、前記ハンドル本体の前記管状通路内に配置される硬質プルバック部分と、当該イメージングコアの近位端に取り付けられた第1のコネクタとを含み、
前記ハンドル本体の前記近位端の前記結合機構は、第2のコネクタを有する前記患者インタフェースユニットに前記ハンドル本体を着脱可能に接続するように構成され、
前記イメージングコアの前記第1のコネクタは、前記第2のコネクタと係合するように構成され、
前記ハンドル本体の前記近位端と前記遠位端の間の前記強化部分は、前記ハンドル本体の前記近位端での曲げ剛性を高めるように構成される、
装置。
【請求項13】
前記ハンドル本体は、ユーザが前記接続ポートを介して前記カテーテルプローブを前記患者インタフェースユニットに接続できるように、前記ユーザの手によって把持されるように構成され、
前記プルバック部は、前記カテーテルプローブが静止している状態で、前記イメージングコアを回転させると同時に直線的に移動させるように構成される、
請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記プルバック部は、前記イメージングコアを回転させるように構成された中空シャフトモータと、前記イメージングコアを前記患者インタフェースユニット内に所定のプルバック長さだけ直線的に引き込むように構成された可動プラットフォームと、を含む、
請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記ハンドル本体は、ユーザの手による把持に適した人間工学に基づくサイズ及び形状を有し、
前記ハンドル本体の長さは、(a)平均的なヒトの手の平均幅か(b)所定のプルバック長さのうちの大きい方に等しい、
請求項12に記載の装置。
【請求項16】
前記ハンドル本体の長さは、所定のプルバック長さの1~1.5倍の範囲にある、
請求項12に記載の装置。
【請求項17】
前記ハンドル本体は、丸みを帯びた縁を有する実質的に円形の断面又は三角形の断面をもち、当該断面は、直径が25mm以上であり且つ平均的なヒトの手の最大グリップ径以下である円に収まるように構成される、
請求項12に記載の装置。
【請求項18】
前記丸みを帯びた縁を有する実質的に円形の断面又は三角形の断面を有する前記ハンドル本体の少なくとも一部は、ユーザの手の滑りを防止するように構成されたローレット状特徴を含む、
請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記カテーテルプローブ及び前記ハンドル本体は、滅菌されており、使い捨て用に構成され、
前記患者インタフェースユニットは、滅菌されず、複数回使用のために構成される、
請求項12に記載の装置。
【請求項20】
記プルバック部は、前記第2のコネクタに接続された光ファイバを回転させるように構成された中空シャフトモータを有する
請求項12に記載の装置。
【請求項21】
前記硬質プルバック部分は、前記ハンドル本体の長さに等しい長さをもつハイポチューブを含み、
前記プルバック部は、前記中空シャフトモータが前記イメージングコアを回転させる間に、前記遠位端から前記近位端へ向かう方向に直線的に前記ハイポチューブを移動させるように可動プラットフォームを制御することにより、前記ハイポチューブ及び前記イメージングコアを前記患者インタフェースユニット内に引き込むように構成される、
請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記結合機構は、前記ハンドル本体の前記近位端に取り付けられるか又は当該近位端に一体的に組み込まれた中空チューブであり、
前記イメージングコアの前記近位端に取り付けられた前記第1のコネクタは、前記中空チューブ内に提供され、
前記プルバック部がハイポチューブ及び前記イメージングコアを前記患者インタフェースユニット内に引き込むとき、前記第2のコネクタは、前記中空チューブから前記第1のコネクタを引き抜く、
請求項20に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本願は、同時係属中の米国仮特許出願第63/298830号(2022年1月12日出願)に関し、また、当該出願からの優先権を主張し、その内容は、全体として参照により本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、概して医療機器に関する。より具体的には、本開示は、カテーテルプローブ又は内視鏡に接続可能なハンドルの1つ以上の実施形態を対象とし、インターベンション手技中にカテーテル又は内視鏡を患者インタフェースユニットとインタフェース接続するときの無菌性の懸念と機器の脆弱性に対処する。
【背景技術】
【0003】
カテーテルや内視鏡を用いて、患者の体内の器官を観察し操作することは、医療分野では広く受け入れられている慣行である。現在の最先端では、患者の体の体腔(血管系、呼吸器系、消化器系等)内を観察及び/又は操作するために構成された様々なカテーテルシステムがある。そのようなシステムの例として、カテーテルベースの光干渉断層撮影法(OCT)システムがあり、これには一般に、体腔の内部をスキャンする光学イメージング要素(イメージングコア)を含むカテーテルプローブが含まれる。無菌性の要件により、また、カテーテルの長さを最小限に抑えるために、カテーテルはしばしば、患者インタフェースユニット(PIU)とよく呼ばれる小型の中間機器に接続される。PIUは、メインシステムコンソールではなく、患者のすぐ隣に配置される。カテーテルは通常、患者の体内に入るので、滅菌された使い捨ての器具であるが、PIUは再使用可能であり、滅菌されない。
【0004】
典型的な手技では、カテーテルの全長を最小限に抑えるために、PIUを無菌バリアで覆ってから、カテーテルをPIUに接続し、組み立てた機器を患者のすぐ隣の手術台や患者ベッドに配置する。カテーテルとPIUの取付けは複雑な手順であり、滅菌コンポーネントと非滅菌コンポーネントの間の適切な調整が必要となる。例えば、カテーテルをPIUに取り付ける手順では、滅菌野及び/又は滅菌コンポーネントの汚染を防ぐために、滅菌コンポーネントを操作する医師と、非滅菌コンポーネントを操作する助手との間で、適切な調整が必要となる。したがって、カテーテルコネクタには、カテーテルとPIUをしっかりと接続し、カテーテルプローブをプルバックシステムとアライメントした状態で維持しながら、滅菌コンポーネントと非滅菌コンポーネントの間の汚染を防止するという重要な役割がある。同時に、覆われた非滅菌電子コンポーネントを患者の隣に置くと、インターベンションの際に使用できる空間が狭くなり、外科医が患者を手術する際の自由度が制限されてしまう。具体的には、狭い空間では、外科医は、カテーテル機器と周辺コンポーネントを扱って操作するために、不自然な姿勢をとる必要がある。このような状況では、特に外科医の腕と手首と手に、身体的疲労と筋骨格障害が生じるおそれがある。したがって、カテーテルハンドルのエルゴノミック特性は、外科医の疲労を軽減し、カテーテルシステムの占める空間を減らし、患者に有利なインターベンション結果を改良できる重要な側面である。
【0005】
いくつかの既知のカテーテルコネクタとしては、米国特許第5364352号、第6783521号、第9533122号、第10874287号と、米国付与前特許出願公報(第2008/0275389号、第2018/0168675号、第2019/0274666号等)を含む特許文献に記載されているものが挙げられる。カテーテルコネクタの他の例としては、Infraredx社のTVC Nexus(商標)コントローラとTVC Insight(商標)カテーテル、Saint Jude Medical社のDragonfly(商標)イメージングカテーテル(DragonflyはLightlab Imaging社の商標である)、Volcano社から入手可能なEagle Eye(商標)Gold Intravascular Ultrasound Imaging catheter、TerumoのハイブリッドIVUS-OCTカテーテルシステムのカテーテルコネクタ等の市販システムが挙げられる。上記の特許公報は、あらゆる目的で参照により本明細書に援用される。これらの既知のカテーテルコネクタはいずれも、ハンドヘルド(手動)操作用に構成されているか、或いは、概してカテーテルプローブとPIU部の接続に重点を置いており、無菌性、人工工学及び/又はユーザの快適性の問題に対処していない。しかしながら、カテーテルプローブへの取付け時(特にドレープをかけたり外したりするとき)にPIUを取り扱い、準備と手技操作中に必要な無菌性を維持することは、インターベンションの結果に悪影響を及ぼしかねない重大な懸念事項である。更に、ユーザの手の大きさが、手術器具の使用の難しさを決める重要な要因であるとともに、カテーテルと内視鏡器具の制御に影響を与えることは、広く認識されている。例えば、Ramon Sancibrian他の“Design and evaluation of a new ergonomic handle for instruments in minimally invasive surgery”(Journal of Surgical Research 188(2014)、88~99頁)、Filisetti他の“Analysis of Hand Size and Ergonomics of Instruments in Pediatric Minimally Invasive Surgery”(Surg Laparosc Endosc Percutan Tech.、2015年10月;25(5):e159-62)、Matsuzaki他の“Effects of endoscopy-related procedure time on musculoskeletal disorders in Japanese endoscopists:a cross-sectional study”(Endosc Int Open:E674-E683、2021)を参照されたい。
【0006】
上記の背景は、既存の技術を改良するために本願に記載されるカテーテルハンドルの一部の実施形態を実施できる例示の技術分野を説明するために提供されている。
【発明の概要】
【0007】
本開示の少なくとも1つの実施形態によれば、新規のカテーテルプローブ設計は、管腔内医療処置中のPIU機器の取扱いを改善するエルゴノミックハンドルを有する。新規のカテーテルプローブは、ユーザのいずれかの手で握りやすいサイズ及び形状をもつエルゴノミックハンドルを有する血管内カテーテルである。一実施形態では、体腔内のカテーテルプローブを操作するためのハンドルが開示される。医用装置は、PIUと、PIUに着脱可能に取付け可能なカテーテルプローブとを備える。カテーテルプローブは、少なくとも細長い単一コンポーネントのハンドル及びカテーテルプローブを備える。細長いハンドルは、強化された近位セクションと、ストレインリリーフ遠位セクションとを含む。カテーテルプローブは、該カテーテルプローブの近位端から遠位端まで延びる少なくとも1つのワーキングチャネルを含む。一実施形態では、ワーキングチャネルは、カテーテルプローブの近位端ではコネクタを有するイメージングコアを通し、カテーテルプローブの遠位端では遠位光学系アセンブリを通すように構成される。細長いハンドルは、プルバック部がイメージングコアを直線方向に所定のプルバック長さだけ移動させるような形で、患者インタフェースユニットに直線的に係合される。ハンドルの形状及びサイズは、ユーザの片手での操作を可能にするように、人間工学に基づいて設計される。細長いハンドルの長さは、イメージングコアの所定のプルバック長さを考慮して決定される。一実施形態では、ハンドルの長さは、イメージングコアのプルバック長さ以上である。
【0008】
別の実施形態によれば、医用システムは、患者インタフェースユニットと直接通信するシステムコンソールと、細長いカテーテルハンドルを有する軟性カテーテルプローブとを備える。カテーテルハンドルは、カテーテルプローブを患者インタフェースユニットに容易に取り付けられるように、ユーザの手による把持に適した人間工学に基づくサイズ及び形状をもつ。カテーテルハンドルは、カテーテルプローブを曲げたり損傷したりすることなく、患者インタフェースユニットを支持し、取り扱い、操作するのに適している。実施形態では、軟性カテーテルプローブは、軟性カテーテルシースと、カテーテルプローブのワーキングチャネルに沿った直線的なプルバック運動に適したイメージングコアと、を含む。カテーテルプローブの少なくとも近位セクションは、カテーテルハンドルの強化された近位セクションとストレインリリーフ遠位セクションによって支持及び保護される。
【0009】
有利な点として、人間工学に基づくサイズ及び形状をもつカテーテルハンドルにより、(1)PIUの扱い易さが改善され(特に、ハンドルとPIUの着脱時や、ドレープをかける/外すとき、非滅菌野から滅菌野への(逆も然り)受渡し時に)、また、(2)カテーテルプローブの近位部分においてプローブのイメージングコアを補足的に硬く頑丈に保護することができる。
【0010】
本開示のこれら及び他の目的、特徴及び利点は、添付の図面及び提供された特許請求の範囲と併せて、例示の実施形態の以下の詳細な説明を読むと、当業者には明白なものになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図全体を通して、別段の記載がない限り、同じ参照番号及び文字は、例示される実施形態の同様の特徴、要素、コンポーネント又は部分を示すために用いられる。
【0012】
図1図1は、カテーテルベースのイメージングシステム100の例示の図である。
図2図2は、本開示に係る、カテーテル20に取り付けられる例示の患者インタフェースユニット(PIU)10を図示する。
図3図3は、本開示に係る、PIUから取り外された例示のカテーテル20を図示し、PIU10に対するカテーテル20の着脱のプロセスを示す。
図4図4は、PIU10に取り付けられたカテーテルハンドル24の断面図を図示し、カテーテルハンドル24内に設けられた管状通路51の「詳細A」を示している。
図5図5Aは、本開示の実施形態に係るカテーテルハンドル24の長さ方向の断面レンダリングを図示し、図5Bは、本開示の実施形態に係るカテーテルハンドル24の軸方向断面図を図示する。
図6図6は、表1に示すようなヒトの手の人体寸法(anthropometric dimension)を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
様々な実施形態が更に詳細に説明される前に、本開示は特定の実施形態に限定されないことを理解されたい。また、当然のことながら、本明細書において用いられる用語は、例示の実施形態を説明する目的のものにすぎず、限定することを意図するものではない。より具体的には、同封の図を参照して本開示を詳細に説明するが、それは、例示の実施形態に関連してなされる。添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の真の範囲から逸脱することなく、説明される例示の実施形態に対して変更及び修正を行うことができることが意図される。図面はいくつかの可能な構成及びアプローチを表すが、図面は必ずしも縮尺どおりではなく、本開示の特定の態様をより分かりやすく図示及び説明するために、特定の特徴が誇張、削除、組合わせ又は部分的に切断される場合がある。本明細書に記載の説明は、網羅的であること、そうでなければ、図面に示され以下の詳細な説明に開示される正確な形態及び構成に特許請求の範囲を限定又は制限することを意図するものではない。
【0014】
当業者には当然のことながら、一般に、本明細書、特に添付の特許請求の範囲(例えば添付の特許請求の範囲の本文)で使用される用語は、概して、“オープン”な用語として意図されている(例えば、「含む(including)」という用語は「含むが、これに限定されない」と解釈されるべきであり、「有する」という用語は「少なくとも有する」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」は「含むが、これに限定されない」と解釈されるべきである、等)。更に、当業者には当然のことながら、導入された請求項記載の具体的な数字が意図されている場合、そのような意図は特許請求の範囲に明示的に記載され、また、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しない。例えば、理解の助けとして、以下の添付の特許請求の範囲は、請求項記載を導入するために、「少なくとも1つの」や「1つ以上の」という導入句の使用を含む場合がある。ただし、そのような語句の使用は、同じ請求項に「1つ以上の」又は「少なくとも1つの」との導入句と、“a”又は“an”等の不定冠詞とが含まれている場合でも、不定冠詞“a”又は“an”による請求項記載の導入により、そのような導入された請求項記載を含む特定の請求項が、そのような記載を1つだけ含む請求項に限定されることを意味すると解釈されるべきではない(例えば、“a”及び/又は“an”は、典型的には、「少なくとも1つの」又は「1つ以上の」を意味すると解釈されるべきである)。請求項記載を導入するために使用される定冠詞の使用についても、同じことが言える。
【0015】
更に、導入された請求項記載の具体的な数字が明示的に記載されている場合であっても、当業者には当然のことながら、そのような記載は、典型的には、少なくとも記載された数を意味すると解釈されるべきである(例えば、他の修飾語を伴わずに「2つの記載」とだけ記載される場合、典型的には、少なくとも2つの記載、又は2つ以上の記載を意味する)。更に、「A、B及びC等のうちの少なくとも1つ」に類似した規定が使用される場合、概して、そのような構文は、当業者が該規定を理解し得るという意味で意図されている(例えば、「A、B及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、A単独で、B単独で、C単独で、AとBを併せて、AとCを併せて、BとCを併せて、かつ/又は、A、B及びCを併せて有するシステム等を含み得る)。「A、B又はC等のうちの少なくとも1つ」に類似した規定が使用される場合、概して、そのような構文は、当業者が該規定を理解し得るという意味で意図されている(例えば、「A、B又はCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、A単独で、B単独で、C単独で、AとBを併せて、AとCを併せて、BとCを併せて、かつ/又は、A、B及びCを併せて有するシステム等を含み得る)。更に、当業者には当然のことながら、典型的には、離接語、及び/又は2つ以上の代替用語を表す語句(明細書、特許請求の範囲、又は図面のいずれにおいても)は、文脈上別段の指示がない限り、該用語の一方、該用語のいずれか、又は該用語の両方を含む可能性を企図するものと理解されるべきである。例えば、「A又はB」という表現は、典型的には、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むと理解される。
【0016】
本明細書において、特徴又は要素が別の特徴又は要素の「上」にあるとして言及されるとき、それは、当該他の特徴又は要素の直上に存在してよく、又は、介在する特徴及び/又は要素も存在してよい。対照的に、特徴又は要素が別の特徴又は要素の「直上」にあるとして言及されるとき、介在する特徴又は要素は存在しない。また、当然のことながら、特徴又は要素が別の特徴又は要素に「接続される」、「取り付けられる」、「結合される」等として言及されるとき、それは、当該他の特徴に直接的に接続されてよく、取り付けられてよく、又は結合されてよく、又は、介在する特徴又は要素が存在してもよい。対照的に、特徴又は要素が別の特徴又は要素に「直接的に接続される」、「直接的に取り付けられる」又は「直接的に結合される」として言及されるとき、介在する特徴又は要素は存在しない。一実施形態に関して説明又は図示したが、一実施形態においてそのように説明又は図示された特徴及び要素は、他の実施形態に適用することができる。また、当業者であれば理解できるように、別の特徴に「隣接」して配置されている構造又は特徴への言及は、当該隣接する特徴にオーバーラップするかその下にある部分をもつ場合がある。
【0017】
本明細書では、様々な要素、コンポーネント、領域、部品及び/又は部分を説明するために、第1、第2、第3等の用語が使用される場合がある。当然のことながら、これらの要素、コンポーネント、領域、部品及び/又は部分はこれらの指定の用語によって限定されない。これらの指定の用語は、ある要素、コンポーネント、領域、部品又は部分を別の領域、部品又は部分から区別するためにのみ使用されている。よって、後述する第1の要素、コンポーネント、領域、部品又は部分は、単に区別を目的として、しかし限定をすることなく、また、構造的又は機能的な意味から逸脱することなく、第2の要素、コンポーネント、領域、部品又は部分と呼ぶことができる。
【0018】
本明細書において用いられる場合、単数形は、文脈上明確に別段の指示がない限り、複数形も含むことを意図している。更に、当然のことながら、「含む」、「備える」、「成る」という用語は、本明細書及び特許請求の範囲において用いられる場合、記載の特徴、整数、ステップ、動作、要素及び/又はコンポーネントの存在を指定するが、明示的に記載されていない1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、コンポーネント及び/又はそれらのグループの存在又は追加を排除するものではない。更に、本開示では、「~から成る」という移行句は、クレームで指定されていないいかなる要素、ステップ又はコンポーネントも除外する。更に、留意すべきこととして、一部のクレーム又はクレームの一部の特徴は、任意の要素を除外するように起草される場合があり、このようなクレームは、クレーム要素の記載に関連して「単独で」、「~のみ」等の排他的な用語を使用する場合があり、又は、「否定的な」限定を使用する場合がある。
【0019】
本明細書で使用される「約」又は「およそ」という用語は、例えば10%以内、5%以内又はそれ未満を意味する。一部の実施形態では、「約」という用語は、測定誤差内を意味することがある。これに関して、説明され又はクレームされる際に、用語が明示的に表示されていなくても、全ての数値は「約」又は「およそ」という語が前置されているかのように読まれてよい。「約」又は「およそ」という語句は、大きさ及び/又は位置を記述するとき、記載の値及び/又は位置が値及び/又は位置の妥当な予想範囲内にあることを示すために使用されることがある。例えば、数値は、記述された値(又は値の範囲)の±0.1%、記述された値(又は値の範囲)の±1%、記述された値(又は値の範囲)の±2%、記述された値(又は値の範囲)の±5%、記述された値(又は値の範囲)の±10%等である値を含み得る。本明細書に記載されている場合、あらゆる数値範囲は、具体的に別段の記載がない限り、終了値を含むことを意図しており、そこに属する全ての部分範囲を含む。本明細書で用いられる場合、「実質的に」という用語は、意図された目的に悪影響を及ぼさない、記述子からの逸脱を許容することを意味する。例えば、測定値の限定に由来する逸脱、製造公差内の差異、又は5%未満の変動は、実質的に同じ範囲内にあると見なすことができる。指定された記述子は、絶対値(例えば、実質的に球形、実質的に垂直、実質的に同心等)又は相対語(例えば、実質的に類似、実質的に同じ等)であり得る。
【0020】
具体的に別段の記載がない限り、以下の開示から明らかであるように、本開示を通して、「処理する」、「コンピュータで計算する」、「計算する」、「決定する」、「表示する」等の用語を用いた議論は、コンピュータシステム、又は同様の電子コンピューティングデバイス、又は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内の物理(電子)量として表されるデータを操作し、同様にコンピュータシステムのメモリ又はレジスタ又は他のそのような情報の記憶、伝送又は表示用のデバイス内の物理量として表される他のデータに変換するデータ処理デバイスの、動作及びプロセスを指すものと理解される。本明細書に記載されているか、若しくは添付の特許請求の範囲に記載されているコンピュータ動作又は電子動作は、文脈上別段の指示がない限り、一般に、任意の順序で実行することができる。更に、様々な動作フロー図が順番に提示されているが、当然のことながら、各種動作は、図示又は特許請求されている順序以外の順序で実行することができ、或いは、動作を同時に実行することができる。そのような代替の順序付けの例としては、文脈上別段の指示がない限り、重複、インターリーブ、中断、再順序付け、増分、準備、補足、同時、逆、又は他の変形の順序付けが挙げられる。更に、「~に応答して」、「~に応えて」、「~に関連して」、「~に基づいて」等の用語、又は他の同様の過去形容詞は、文脈上別段の指示がない限り、通常、そのような変形を除外することを意図していない。
【0021】
本開示は、概して医療機器に関し、分光装置(例えば内視鏡)、光干渉断層撮影(OCT)カテーテル、血管内超音波(IVUS)カテーテル、又はそのような装置の組合わせに適用可能なカテーテルプローブの実施形態を例示する。プローブ及びその部分の実施形態は、三次元空間におけるそれらの状態に関して説明される。本明細書で用いられる場合、「位置」という用語は、3次元空間における物体又は物体の一部の位置(例えばデカルトX、Y、Z座標に沿った3自由度の並進自由度)を指し、「向き」という用語は、物体又は物体の一部の回転配置(回転の3自由度―例えばロール、ピッチ、ヨー)を指し、「姿勢」という用語は、少なくとも1つの並進自由度にある物体又は物体の一部の位置と、少なくとも1つの回転自由度にある物体又は一部の物体の向きとを指し(合計で最大6つの自由度)、「形状」という用語は、物体の長尺体に沿って測定された一連の姿勢、位置及び/又は方向を指す。
【0022】
医療機器の分野において既知であるように、「近位」及び「遠位」という用語は、ユーザから手術部位又は診断部位まで延びる器具の端部の操作に関して用いられる。これに関して、「近位」という用語は、器具のユーザに近い部分(例えばハンドル)を指し、「遠位」という用語は、ユーザから離れており外科部位又は診断部位に近い器具の部分(先端)を指す。更に、当然のことながら、便宜上簡潔にするために、本明細書では、図面に関して「垂直」、「平行」、「上」、「下」等の空間用語が用いられる場合がある。ただし、手術器具は多くの向きと位置で使用されるものであり、これらの用語は限定的かつ/又は絶対的であることを意図していない。
【0023】
本明細書で用いられる場合、「カテーテル」との用語は、概して、広範囲の医療機能を実行するために、狭い開口を通して体腔(例えば血管)の中に挿入されるように設計された、医療グレードの材料から作られる軟性の薄い管状器具を指す。より具体的な「光学カテーテル」との用語は、医療グレード材料から作られた保護シース内に配置され光学イメージング機能をもつ1つ以上の軟性の光伝導ファイバの細長い束を含む医用器具を指す。光学カテーテルの特定の例は、シース、コイル、プロテクタ及び光学プローブを備える光ファイバカテーテルである。一部の用途では、カテーテルは、シースと同様に機能する「ガイドカテーテル」を含み得る。
【0024】
本開示では、「光ファイバ」又は単に「ファイバ」等の用語は、全反射として知られる効果によって一端から他端に光を伝導することができる、細長い軟性の光伝導管を指す。「導光コンポーネント」又は「導波管」との用語も、光ファイバを指す場合があり、又は光ファイバの機能をもつ場合がある。「ファイバ」との用語は、1つ以上の光伝導ファイバを指す場合がある。光ファイバは、一般に透明で均質なコアをもち、それを通して光が誘導され、また、コアは均質なクラッディングによって囲まれている。コアの屈折率は、クラッディングの屈折率よりも大きい。設計上の選択に応じて、一部のファイバは、コアを囲む複数のクラッディングをもつことができる。
【0025】
多くの医療機器は、滅菌野を汚染するリスクを伴わずに滅菌野内に拡張可能な滅菌コンポーネントを必要とする。滅菌野では、当該滅菌コンポーネントが、デバイスの操作に必要な非滅菌コンポーネントと相互作用する。この状況では、非滅菌コンポーネントが滅菌野に入るおそれがあり、滅菌野の無菌状態を無効にするおそれがある。無菌状態の喪失を防ぐための解決策は、滅菌野に入る非滅菌コンポーネント上に滅菌バリアを展開することであった。この技術は特に、生体内(in vivo)環境で使用される医療機器に当てはまり、当該医療機器では、インターベンション用カテーテル等の滅菌コンポーネントが、滅菌できない電子コントローラとインタフェース接続される必要がある。
【0026】
生体内で展開可能なカテーテルシステムの例としては、カテーテルプローブを含む光干渉断層撮影(OCT)カテーテルが挙げられ、当該カテーテルプローブは、イメージング機能に応じたカテーテル動作を可能にする駆動システムとインタフェース接続する光学イメージングコンポーネント(イメージングコア)を含む。駆動システムは、同様に、システムのデジタル操作を担当するコンソール内のコンピュータシステムとインタフェース接続する。別の例としては、血管内超音波(IVUS)カテーテルシステムが挙げられ、これも、カテーテル展開とイメージング機能を可能にするプルバックシステムとインタフェース接続する超音波トランスデューサコンポーネントを含むカテーテルプローブを含む。場合によっては、このようなタイプのカテーテルシステムを組み合わせて、OCTと蛍光のイメージングモダリティを組み合わせたマルチモダリティOCTシステム(MMOCTシステム)や、IVUSと近赤外線分光のモダリティを組み合わせたマルチモダリティNIRS-IVUSシステム等のマルチモダリティカテーテルシステムを形成することができる。
【0027】
図1は、OCT、MMOCT、IVUS、NIRS-IVUS、その他類似のカテーテルベース医用イメージングシステムのいずれかを含み得る例示の医用イメージングシステム100を示す。医用イメージングシステム100は、システムコンソール110及びカテーテル20を含み、これらは、ケーブル束114と患者インタフェースユニット(PIU)10を介して互いに接合される。システムコンソール110には、他のコンポーネントの中でも、カート102と、1つ以上のモニタディスプレイ104(例えばLCDやOLEDのディスプレイ)と、ユーザインタフェースコンポーネント105(例えばキーボードやマウス)と、コンピュータシステム107が含まれる。PIU10は、典型的には使い捨ての滅菌コンポーネントであるカテーテル20と、非滅菌コンポーネントを含むシステムコンソール110との間のメインインタフェースである。
【0028】
図2は、PIU110に取り付けられるカテーテル20の例示の図を示す。カテーテル20は、カテーテルプローブ28(プロービングシャフト)及びハンドル24から成る。ハンドル24は、プロービングシャフトよりもかなり厚く、ユーザの片手で握られるように構成される。カテーテルプローブ28は、細長く薄い軟性シャフトであり、患者の体腔に挿入されて、体腔内の標的位置を調べて検査するように構成される。少なくとも一部の実施形態では、カテーテルプローブ28に、例えば1つ以上の作動ワイヤ(図示なし)によって遠隔操作できる遠位セクションが設けられてよい。
【0029】
カテーテル20では、機械的に回転可能なイメージングコア48(図4参照)は、長手方向軸Axに沿って、カテーテルハンドル24を通ってカテーテルプローブ28遠位先端まで延びる。ハンドル24は、長手方向軸Axに沿って延びる近位端と遠位端を有し、イメージングコア48用の管状通路51を提供する(図5A参照)。例示のイメージング手順では、システムコンソール110が、PIU10を介してカテーテル20内のイメージングコア48の動き(回転と線形変位)を制御して、患者の血管系の血管等の体腔内から標的位置(図示なし)の画像を取得する。
【0030】
PIU10は、カテーテルの静止したアウターシース(ラベルなし)内でカテーテルのイメージングコア48(図4参照)を回転させて直線的に並進させる手段を提供する。システムコンソール110とPIU10は、ケーブル束114によって互いに接続される。ケーブル束114の中には、PIUに電力を送るための電気ケーブルと、PIU110とコンピュータシステム107の間の信号通信用のケーブルと、光の伝送及び収集のための光ファイバとが含まれている。医用イメージングシステム100のモダリティに応じて、ケーブル束114を通して伝送される信号は、電気、光その他のタイプの電磁放射のうちの1つ以上を含み得る。
【0031】
使用前、PIU10は通常、カテーテル20が取り付けられていない状態でシステムコンソール110内に保存される。PIUハウジング11の形状は、迅速な展開のために把持と取扱いを容易にするように最適化される。医用イメージングシステム100の使用時、PIU10全体がコンソールから取り出され、滅菌ドレープ(図示なし)で覆われ、患者のベッド又は患者近くの手術台に置かれる。或いは、カテーテル20の取付け中(取付け時)に、PIUが滅菌ドレープで覆われる。PIU10が患者の隣に配置されると、滅菌ユーザ(例えば外科医)が、カテーテルハンドル24を慎重にアライメントし、押したりねじったりする動作で結合機構21を接続ポート16(受信ポート)に係合させることにより、カテーテル20をPIU10に取り付ける(図3参照)。無菌状態の喪失を防ぎ、カテーテル20とPIU10の安全な取付けを容易にするために、滅菌ユーザがカテーテルハンドル24を操作してカテーテル20をPIU10に取り付ける間、非滅菌ユーザ(例えば医師助手)が、PIU10を保持及び/又は操作することができる。取付け後、滅菌ユーザがハンドル24を把持し、組み立てられたアセンブリを片手で操作することにより、ハンドル24は、PIU10全体の操作をサポートするように構成される。
【0032】
PIU10は、PIUハウジングの外表面に設けられた作用可能なハードウェアボタン及び/又はタッチスクリーンボタンを用いることにより、滅菌野からカテーテル20イメージング機能を操作するためのユーザインタフェース30を提供することができる。ユーザインタフェース30のボタン又はタッチスクリーンは、PIU10上で、システムコンソール110のディスプレイ104におけるグラフィカルユーザインタフェース(GUI)に設けられる制御ボタンをミラーリングすることができる。各ボタンの状態(例えばアクティブ、非アクティブ)は、インジケータ発光ダイオード(LED)(これもGUI上にミラーリングされる)によってユーザに伝えられる。このように、ユーザは、GUI上のボタンかユーザインタフェース30にあるボタンを用いて、同じ操作を行うことができる。
【0033】
PIU10は、ハウジング11、グリップ部分12及びユーザインタフェース30を備える。PIU10の遠位端は、カテーテルハンドル24を介してカテーテル20に接続し、近位端は、ケーブル束114を介してシステムコンソール110に接続する。グリップ部分12は、一実施形態では、ハウジング11の1つ以上の側面に長さ方向に形成された凹部である。グリップ部分12により、ユーザは、ユーザインタフェース30等の他の敏感な表面やコンポーネントに誤って触れることなく、PIUハウジング11を持ち上げて操作することができる。ユーザインタフェース30は、第1のボタン31、第2のボタン32、第3のボタン34等の複数の制御ボタンと、LEDパネル36等の1つ以上のステータスインジケータとを含み得る。
【0034】
PIUハウジング11内に封入されたコンポーネントがしっかりと保護され、また、機器の設置面積が、滅菌環境(臨床環境や手術室等)における操作と取扱いを容易にするように最適化される限り、PIUハウジング11は、任意の形状又はフォームファクタを有することができる。図2及び図3に示される一実施形態では、PIUハウジング11は、概して細長い3次元(3D)多角形状を有し、向かい合う近位端と遠位端は2次元多角形によって画定され、近位端と遠位端をつなぐ側面によって細長体が画定されている。一部の実施形態では、長さ方向に垂直な側から見たときにハウジングの概形が細長い角錐台の形状になるように、ハウジング11の近位端と遠位端は、互いに向かってわずかに傾斜していてよい。いかなる実施形態においても、ハウジング11は、ハウジングの重心がハウジングのベース面又はその近くにあるような形で、ほぼ矩形のベースと、1つ以上の(好ましくは2つの)傾斜した側面とを有してよい。これは、他の手術器具の周囲でPIU部の安定性を維持するのに有利である。
【0035】
PIUハウジング11は、プラスチックや樹脂、金属、それらの組合わせ等の周知の材料から作製されてよい。具体的な用途に応じて、ハウジングは複数のコンポーネントから構成されてよく、それらを組み立てて、内部コンポーネントを覆う3次元シェルを構成することができる。一部の実施形態では、ハウジング11は、周知のプラスチック又はポリマー樹脂材料から、或いは、特殊な抗菌かつ/又は殺菌対応のプラスチックから、射出成形又は3D印刷で作製されてよい。或いは、ハウジング11は、板金から作製され、シェルの複数のセクションにカットし曲げられて、PIU部の3次元形状を形成することができる。エッジや頂点等の鋭利な縁は、面取りされるか丸みを帯びている。
【0036】
カテーテルハンドル24は、外表面及び内表面を有するハンドル本体23を含み、当該内表面は、ハンドル本体の近位端から遠位端まで長手方向軸に沿って延びる長さをもつ管状通路を画定する。カテーテル本体の外表面は、典型的な医療グレードの(すなわち、滅菌可能な)硬いプラスチック材料から作製されてよい。内表面は、湿し材料で作られたチューブによって画定することができる。ハンドル本体23は、近位端に結合機構21を有し、遠位端にストレインリリーフスリーブ26を有し、近位端と遠位端の間に強化部分22を有する。カテーテルプローブ28は、カテーテルハンドル24によって包囲され固定的に保持される近位部分を有する。カテーテルプローブ28は、ストレインリリーフスリーブ26を介してハンドル24の遠位端から出る。ストレインリリーフスリーブ26は、管状通路51と機械的に連通する長手方向スリーブルーメンのすぐ隣に設けられ、当該ルーメンを含む。ストレインリリーフスリーブ26は、ハンドル本体23の遠位端において、柔軟で薄い管状シースであるカテーテルプローブ28にハンドル本体23を除去不能に固定するように構成される。ストレインリリーフスリーブ26は、横方向の柔軟性をもたせつつ、ストレインリリーフスリーブの長手方向ルーメンを通って長手方向に延びるカテーテルプローブ28のねじれやクリンピングに抵抗する硬度を有する材料を含む。
【0037】
ハンドル24は、ユーザの片手による人間工学的グリップを提供するサイズ及び形状に適合する。カテーテルハンドル24は、異なる形状やサイズを有してよい。少なくとも1つの実施形態では、ハンドル本体23は、図5Aに示されるように、プルバック部分46の長さ(L2)に実質的に等しいか又はそれよりも長いハンドル長さ(L1)を有することができる。プルバック部分46は、イメージングコア48のうち、プルバック手順中に管状通路51を通ってPIU10に引き込まれる部分である。イメージングコアのプルバック部分46を曲げモーメントから保護するために、プルバックの長さ(プルバック長さ)は、プルバック部分46の長さL2よりも短い。形状に関して、ハンドル本体23は、図5Bに示されるように、円25に収まるほぼ三角形の断面を有してよい。一例では、ハンドル本体23は、133ミリメートル(mm)の長さL1を有し、直径25mmの円25に収まるほぼ三角形の断面を有する。他の実施形態では、ハンドル本体23は、概して円形の断面を有し、直径25mm、長さ133mmである。結合機構21は長さL3を有し、一実施形態では、長さL3は約45mmである。したがって、結合機構21の長さL3は、ハンドル本体23の長さL1の約1/3である(すなわちL3≒(1/3)L1)。
【0038】
いずれかの実施形態のハンドル本体23は、ユーザによるしっかりしたグリップを容易にするために、その外表面の少なくとも一部に滑り防止のローレット状特徴27を有してよい。図2図3では、ハンドルの近位端の強化部分22は、よりしっかりしたグリップをユーザに提供するために、ローレット状特徴(knurl-like feature)27を有する。機器の操作(例えばイメージング動作)中にユーザの手でカテーテルが保持、把持又は回転されるときに、イメージングコア48に曲げモーメントや振動、ストレインが伝わることをハンドル23が防ぐような形で、ハンドル本体23の長さと断面は定められる。PIU10に対してハンドル24を着脱するためのツイスト・プッシュ運動とツイスト・プル運動の間に、プローブのイメージングコアの近位の硬質プルバックセクション(プルバック部分)を保護するために、ハンドル‐PIUアセンブリの頑丈かつ一貫したアライメントを維持することも、同様に重要である。
【0039】
カテーテルプローブ28は、例えば、少なくとも1つのワーキングチャネル(ワーキングルーメン)を有する軟性カテーテルシースを含み、該ワーキングチャネルは、該シースの近位端と遠位端を通って延びる。カテーテルプローブ28の少なくとも1つのワーキングチャネルは、長手方向軸Axに沿ってハンドル24内に設けられる同様の管状通路51とアライメントされ、管状通路51に接続される。このように、カテーテルプローブ28のワーキングチャネルとハンドル本体の管状通路51は、イメージングコア48、流体、他のイメージングコンポーネント(例えば着脱可能なカメラチップ)、又は、医用イメージングシステム100のモダリティに応じたツールのうちの1つ以上を通すように構成される。内視鏡では、ワーキングチャネルは、内視鏡アセンブリの近位端に光学画像を送り返すための光ファイバ束を収容するか、或いは、ビデオカメラチップと、該チップに電力供給し、画像を表すデジタル信号をシステムに送り返すのに必要な導体とを収容することができる。
【0040】
MMOCTモダリティの一実施形態では、例えば、カテーテルプローブのワーキングチャネルは、1つ以上の光ファイバと遠位光学系アセンブリ(図示なし)から成るイメージングコア48を通すように構成されてよい。OCTカテーテルにおいて、光ファイバと遠位光学系アセンブリのコンポーネントは、一般に、遠位光学系アセンブリ(図示なし)を回転させるために中空シャフトモータ42からカテーテルプローブ28の遠位端へ回転を伝える駆動ケーブル(トルクケーブルやトルクコイル)に囲まれることにより、トルクケーブル駆動される。実施形態では、イメージングコア48は、管状通路51に沿ってハンドル本体23内に配置されたプルバック部分46を含み、遠位光学系アセンブリは、カテーテルプローブ28の遠位端に配置される。遠位光学系アセンブリは、レンズ(例えばボールレンズやGRINレンズ)と、ビーム指向部品(例えばミラーやプリズム)を含み得る。この場合、カテーテルプローブ28は、カテーテルプローブの遠位端に配置された側視窓(図示なし)を通って伝送される光ビームにより、体腔の内壁をスキャンすることができる。他の実施形態では、イメージングコア48は、カテーテルプローブ28の遠位端に配置されたチップ・オン・ティップ(COT)カメラ等のイメージングセンサを含むことができる。IVUSモダリティの実施形態では、例えば、ハンドル24内の管状通路51とカテーテルプローブ28は、回転可能なトルクコイルと回転式超音波トランスデューサ(図示なし)から成るイメージングコア48を通すように構成されてよい。
【0041】
ここで、当業者には当然のことながら、本開示は、カテーテルプローブ、又は、そのワーキングチャネルや該チャネル内に配置されるイメージングコアの特定の例に限定されない。代わりに、当業者には当然のことながら、本開示は、より具体的には、ユーザの片手でのPIU10の接続効率と操作を改善するように構成されたカテーテルハンドル24の機能及び設計に関する。その点で、本開示の原理に従って、カテーテル駆動部(本明細書ではPIU10と呼ばれる)に接続可能なエルゴノミックハンドルを有する任意のカテーテルを実装することができる。
【0042】
図3は、本開示に係る、PIU10へのカテーテル20の取付け及び/又は取外しのプロセスを示す。着脱のために、PIU10は、カテーテルハンドル24の結合機構21を通すように構成された開口又は接続ポート16を含む。結合機構21は、ハンドル24の係合部分である。ハンドル24は、ハンドル本体23がPIU10の接続ポート16に当接する面に、強化部分22を含む。強化部分22と結合機構21は、曲げモーメントや振動からイメージングコアを保護しながら、ハンドルに接続されたPIU全体の重さを支えるのに十分な堅牢性をもつように作製される。PIUにしっかりと結合された状態でカテーテル20を維持するために、結合機構21は係止特徴21aを含み、これにより、PIU10とカテーテルハンドル24がしっかりと接続される。結合機構21は、ハンドル本体23に固く取り付けられるか、或いは、ハンドル本体23に一体的に組み込まれる。結合機構21は、金属管から作られ、ハンドル本体23のポリマー材料に堅固に取り付ける(例えば接着、融着又は溶接する)ことができる。或いは、単一コンポーネントを形成する工程において、プラスチック又はポリマー材料の射出成形又は3D印刷を行うことによって作られたハンドル本体23に、結合機構21を組み込むことができる。結合機構21は、プラスチック又はポリマー材料から作られる場合、金属構造(コイル状又は編組状の金属ワイヤ等)によって、又はポリマー繊維によって、任意に強化されてよい。ハンドル本体23が外表面及び内表面を有し、内表面が、ハンドル本体の近位端から遠位端まで長手方向軸に沿って延びる管状通路51を画定するような形で、結合機構21は、金属ハイポチューブの短いセグメント(円筒状ハイポチューブの短いセグメント)であってよく、ハンドル本体23は、成形プラスチックで作られた円筒状チューブであってよい。
【0043】
ハンドル24をPIU10に取り付けるために、ユーザは、滅菌カテーテルハンドル24を掴み、押してひねる手順(プッシュ・ツイスト運動)を行う。具体的には、図3に示されるように、ユーザは、片手でハンドル本体23からハンドル24を掴み、結合機構21を直線運動Lで開口又は接続ポート16に挿入し、係止特徴21aがPIU10の対応する係止特徴(係止ピン21b(図4に示す)等)と係合するまでハンドル24を回転方向Rに回転させる。結合機構21は、医療機器において周知の機械的接続の型であるバヨネット式機構によって実装されてよい。
【0044】
カテーテルハンドル24の係合が完了すると、ユーザインタフェース30に設けられた1つ以上のインジケータ(例えば1つ以上のLED)が、正しい係合を示す信号(視覚的)を出力することができる。また、不適切な係合が発生した場合、不適切な係合を示す信号を出力することもできる。或いは、係合の信号は、イメージングコア48がPIUの内部コネクタと適切に係合したときに出力されて、ハンドルの機械的係合とイメージングコアの光学的接続の両方が完了したことを示す。PIU部10からカテーテルハンドル24を取り外すには、ユーザは、PIU内部接続の適切な状態において、係合手順とは逆のひねって引く手順(ツイスト・プル運動)を行うことになる。
【0045】
図2に、カテーテルハンドル24の取付け後の完全なPIU10及びカテーテル20を図示する。カテーテルハンドル24がPIU10の適所に係止された後、アセンブリ全体は単一コンポーネント(ユニボディ)として動作し、これは、片手でカテーテルハンドル24を持っているユーザが容易に取り扱い、操作することができる。また、ユニボディは、グリップ部分12からPIUを持っているユーザによって操作することができる。有利な点として、カテーテルハンドル24を持っているユーザによってユニボディが操作されることにより、ユーザが滅菌カバーを用いずにグリップ部分12からPIUを持つ場合に起こり得る無菌性の喪失を防止することができる。
【0046】
図4は、例示のPIU10に取り付けられたカテーテルハンドル24の断面図を図示する。詳細Aは、カテーテル本体23の内部の管状通路51に沿って配置されたイメージングコア48を示す。PIU10は、プルバック部40とハンドルレセプタクル43を備える。プルバック部40は、リニアステージ49と、中空シャフトモータ42を有する光ファイバ回転継手(FORJ)と、ビームコンバイナ41とを含む。中空シャフトモータ42は、光ファイバ45をスピン又は回転させる。また、PIU10は、複数のコンポーネントの中でも、電子制御盤(図示なし)と、制御ボタン(31、32、34)と、ユーザインタフェース30(図2に示す)用のLEDパネル(36)とを含む。ハンドルレセプタクル43は係止機構21bを含み、係止機構21bは、ハンドル24の結合機構21の係止特徴21aと係合するように構成される(図2参照)。カテーテルレセプタクル43と係止機構(図示なし)は、リニアステージ49が固く取り付けられる支持基板の一部である。支持基板の係止機構(図示なし)は、係止特徴21aと係合して、PIU10とカテーテルハンドル24の正確なアライメントを提供する。支持基板は、PIUの安定性と耐久性を高めるために、PIUハウジング11内で一連の防振マウント上に設置される。
【0047】
カテーテルレセプタクル43は、カテーテルハンドル24の近位部分(結合機構21)を受け、結合機構21を、係止特徴21aと係合するように構成されたばね仕掛けのピン(図示なし)等の係止機構と適所に係止する。他の実施形態では、カテーテルハンドル24の結合機構21は、バヨネット式係止機構(図示なし)によって、レセプタクル43に係止されるように構成されてよい。バヨネット式係止機構では、1つ以上の放射状ピン(図示なし)を有するハンドルの円筒状雄側部分(例えば結合機構21)が、1つ以上の一致するL字型スロットを有する筒状雌側レセプタと係合する。雌側レセプタのL字型スロット少なくとも1つが、円筒状の雄側部分のピンの少なくとも1つと係合すると、ハンドル24は、所定の向きでPIUに係止されたままとなる。更に、通常動作中の偶発的なカテーテルハンドル離脱を防止するように構成された2次係止特徴は、例えば、中空シャフトモータ42とリニアステージ41の一連の協調運動を用いて、PIU内部からの係止機構21bの離脱を制御することによって、提供することができる。カテーテルの離脱を制御するために、システムコンソール110は、第1のファイバコネクタ29が光ファイバ45から離脱するように、中空シャフトモータ42の回転を停止させ、カテーテルハンドルから離れるようにリニアステージ49を動かすために、PIUに制御信号を送信するようにプログラムされてよい。更に、安全のために、中空シャフトモータ42の回転を自動的に停止し、ファイバコネクタ29から光ファイバ45を切り離すために、ユーザがアクセス可能な緊急カテーテルロック解除機構(例えば押しボタン)をユーザインタフェース30に設けることができる。光ファイバ接続を固定する方法は、2021年8月4日に本願の譲受人によって出願された米国特許第17/394,256号に記載されており、その全体が参照によって本明細書に援用される。
【0048】
電子制御盤(図示なし)には、PIUの動作を制御し、コンピュータシステム107との通信を可能にするために、マイクロコントローラを含む全ての必要な電子部品が含まれる。制御パネルは、PIUのうちPIUハウジング11の内表面に取り付けられる上部に配置されてよい。ユーザインタフェース30には、ユーザが滅菌環境から離れる必要なく主要なPIU機能に素早くアクセスするための複数のボタンが含まれる。ユーザインタフェース30のボタンは、定められたPIUの取扱い中の誤った起動を最低限に抑えるために、ハウジング11内に埋め込まれている。PIUの制御パネルには、現在の機器のステータスを表示するためにLEDインジケータが設けられる。
【0049】
ビームコンバイナ41は、コリメートされた光ファイバのセットと、ミラーと、光ビームを分割し方向転換するためのフィルタとから成る自由空間光学系を含む。光学回転継手は、固定されたビームコンバイナと、中空シャフトモータ42のボアに配置された回転する光ファイバ45との間の光結合を提供する。光ファイバ45は、ビームコンバイナ対向端でコリメートされ、カテーテル接続端でコネクタ接続される。中空シャフトモータ42のボアに配置された光ファイバ45と、イメージングコア48の近位端にある光コネクタ29との間には、現場交換可能なファイバコネクタ47が取り付けられる。中空シャフトモータ42は、支持プラットフォーム上に設置され、ビームコンバイナ41に対して精確にアライメントされるとともに固定される。回転継手とビームコンバイナ41の全体が、リニアステージ49の可動板に設置される。これにより、イメージング手順中の回転するカテーテルのイメージングコア48のプルバック引戻しと、その後の前進が可能となる。
【0050】
図4に示されるように、カテーテル20がカテーテルハンドル24を介してPIU10に接続されると、ハンドル本体23と、イメージングコア48のプルバック部分46と、中空シャフトモータ42は、長手方向軸Axに沿って同一線上にアライメントされる。このように、イメージングコア48内の光ファイバと、中空シャフトモータ42内の回転光ファイバ45は、互いに直線的に接続される。したがって、リニアステージ49がプルバック部40を動かすとき、イメージングコアが曲げや振動から保護されている状態で、イメージングコア48は、カテーテルのプルバック及び前進中に直線方向に動くことができる。
【0051】
図5Aは、長手方向軸Axに沿う長さ方向に切断されたカテーテルハンドル24の斜視図を図示する。図5Bは、長手方向軸Axに垂直な面(B-B)に沿って取られたカテーテルハンドル24の断面図を図示する。図5Aに示されるように、カテーテルプローブ28は、ストレインリリーフスリーブ26を通ってハンドル本体23から遠位側に離れるように延びる。イメージングコア48は、内部通路51に沿ってカテーテルプローブ28内に配置される。イメージングコア48の近位端は、結合機構21の内径に配置されるファイバコネクタ29(第1のファイバコネクタ)に固定的に取り付けられる。カテーテルハンドル24のハンドル本体23は、図3に示されるように、ユーザが押してひねる動きで結合機構21をPIU10の受容ポート16に挿入できるような形で、ユーザの手によって握られるように構成される。PIUに対するカテーテルハンドルの手動挿入によって、PIUの光学系にイメージングコア48が接続されることはない。手動挿入は、ハンドル及びカテーテルプローブをPIUに接続するものであり、次に、PIU機構が、そのモータ及びファイバ接続機構とイメージングコアを接続する。
【0052】
より具体的には、ファイバコネクタ29(図4の断面に図示される)は、中空シャフトモータ42によって回転される光ファイバ45の遠位端に設けられた対応するファイバコネクタ47(第2のファイバコネクタ)に接続される。光ファイバ45は、PIU10の中空シャフトモータ42(回転駆動部)によって駆動(回転又は振動)される。中空シャフトモータ42は、直流(DC)ブラシレスモータであってよく、光ファイバ45を回転させ、ファイバコネクタ29に回転運動を与える。これにより、イメージングコア48は、カテーテルプローブ28の遠位端で遠位光学系アセンブリを回転させることができ、体腔の360度を完全にイメージングすることが可能となる。患者の体腔の特定長さの画像を取得できるようにするために、中空シャフトモータ42は、リニアステージ49に接続された支持部分に設置される。リニアステージ49は、FORJ及びビームコンバイナ41とともに、中空シャフトモータ42をモータの回転軸に沿った(平行な)直線方向に動かし、イメージングコア48の取付けられた近位部分をPIU内部に引き込むことができる。回転するイメージングコア48の近位部分(本明細書ではプルバック部分46と呼ばれる)は、PIU10に引き込まれるときに自立する必要があるので、プルバック部分46は、イメージングコア48の曲げを回避するのに十分な硬さをもつ必要がある。必要な剛性を与えるために、プルバック部分46は、金属製の皮下注射用チューブ(すなわちハイポチューブ)で作られ、固定された低摩擦チューブ44内のカテーテルハンドル内側管状通路51(ボア)内に設けられる。すなわち、プルバック部分46は、低摩擦チューブ44内に配置された金属製ハイポチューブであり、これにより、イメージングコア48の直線変位が容易になる。固定された低摩擦チューブ44は、滑らかなコーティングを有してよく、湿し材料の中空チューブ50によってハンドル本体23内で支持される。
【0053】
イメージングコア48は、プルバック部分46(ハイポチューブ)の内部に配置される信号伝送導波路(1つ以上の光ファイバ等)を含む。カテーテル20がPIU10に取り付けられ、システムがイメージング手順を開始すると、カテーテルプローブ28のアウターシースが静止したままである状態で、イメージングコア48が回転し、直線的に引き戻される。剛性を高め、非一様回転歪み(NURD)を防止するために、PIUハウジング11の遠位端がカテーテルハンドル24の近位端に当接するセクションにおいて、カテーテルハンドル24の強化部分22がハンドル本体23の直径を増大させる。言い換えれば、カテーテルハンドル24の強化部分22は、例えば、ハンドル本体の一部を、PIUハウジング11の遠位端がカテーテルハンドル24の近位端に当接する面から遠位端へ向かう方向にテーパ状にすることにより、曲げ剛性を高めるハンドル本体23の部分である。例えば、図3には、強化部分22が、ハンドル本体の近位端がPIUハウジング11に当接する面での第1の直径D1から第2の直径D2まで、テーパ状であることが示されている。この場合、強化部分22は、ハンドル24のうち、その外径D1がハンドル本体23の直径D2まで先細になっている部分である。ハンドル本体の直径D2は、円筒状の結合機構21の直径D3と実質的に等しくてよい。また、PIU10の受容ポート16の直径は、結合機構21の外径D3と係合するような寸法をもつ。強化部分22の長さは、ハンドル本体23の長さの約10%~25%であってよい。
【0054】
適切な曲げ剛性を提供するために、ハンドル本体23は、一般の医療グレードプラスチック材料又は周知のポリマーを用いた射出成形プロセスによって作製することができる。他の箇所で述べたように、ハンドル本体の少なくとも一部を、より高いデュロメータ値の材料によって強化することができる。このように、ハンドル本体の一部が、プルバック部分46を支持するとともにイメージングコア48を曲げから保護するように高い曲げ剛性を提供する限り、強化部分22は、カテーテルハンドルの近位端と遠位端の間の任意の位置にあってよい。
【0055】
ハンドル本体23の遠位端では、直線的な硬いカテーテルハンドルから軟性カテーテルプローブ28へイメージングコア48がスムーズに移行できるように、ストレインリリーフスリーブ26も、カテーテルプローブの遠位端に向かう方向にテーパ状になっている。ストレインリリーフスリーブ26は、その外径がカテーテルシースの直径まで先細になっている弾性ポリマーチューブであってよい。また、ストレインリリーフスリーブ26は、ハンドル本体23よりも硬度の低いプラスチック又は樹脂ベースのポリマーの射出成形によって作製されてよい。図4の「詳細A」に示されるように、カテーテルハンドル24の少なくとも一部は、軸方向に対称であり、強化部分22でイメージングコア48を囲んでいるので、ユーザは、ハンドル24を持ち、片手でPIU10を操作することができる(特に、PIUのドレープをかける/外すとき、カテーテルの受渡し時に)。
【0056】
先の説明と図1図5の図示から分かるように、ハンドル24の外側に突出し、プルバック動作時にPIUハウジング11内に移動するハイポチューブ(プルバック部分46)は、ハイポチューブがハンドル24のエルゴノミック特徴によって支持されていない場合に、容易に損傷を受ける(曲がる)おそれがある。プルバック部分46が曲がると、回転摩擦が大きくなり、振動が加わり、NURDによって画質が劣化してしまう。回転摩擦と振動を軽減、最小化及び/又は抑制するために、硬質ハイポチューブの周りに堅牢な強化部分22が設けられる。更に、強化部分22には、プルPIU10の移動及び/又は位置決め(又は再位置決め)中の操作損傷から、バック部分46を保護するという更なる利点がある。プルバック部分46について記載された物理的保護を提供するために、ハンドル本体23は、少なくとも所望のプルバック長さ以上である長さL1を有することになる。これにより、ハンドル本体23の最適な長さが、(a)ハンドル本体23の人間工学的グリップ長さと(b)プルバック部がイメージングコアを移動させるプルバック長さのどちらか大きい方を含む、少なくとも2つの因子によって決定されることになる。ある市販のOCTシステムでは、デフォルトの最大プルバック長さが、例えば約10cm(100mm)である。そのようなOCTシステムでは、システムは、最大プルバック長さで管腔の第1の画像を自動的に取得し、表示することができる。次に、イメージング手順の要件に基づいて(例えば、ステントの位置及び/又はサイズや、ステントの不完全圧着に基づいて)、ユーザは、第1の画像から、最大プルバック長さの一部に対応する点を選択することになる。その場合、ユーザが点を選択した後、イメージングコアは、プルバック長さを短くして撮像動作を実行する。ここで、この例では、第2の画像の解像度は、第1の画像の解像度よりも高くなる。一部の実施形態では、ユーザ又はシステムは、イメージング手順を実行するために、PIUに対してコマンドを送受信することができ、この場合のコマンドは、イメージング手順のプルバック長さ、プルバックレート及び/又は画像フレームレートを指定することができる。その場合、カテーテルハンドルの最適な長さを決定するために用いられるプルバック長さは、システムのデフォルトのプルバック長さであるべきである。
【0057】
本開示の一実施形態では、必要なプルバック長さは80mmであり、カテーテルハンドルの長さは133mmである。プルバック部分46の長さは、長さ133mmのカテーテルハンドル124の中にしっかりと収容されるので、プルバック部分の潜在的な曲げが回避される。言い換えれば、カテーテルハンドル24の長さは、プルバック長さの約1~1.5倍の範囲であってよく、或いは、最大でプルバック長さの約1~2倍の範囲の長さであってよい。少なくとも1つの実施形態では、カテーテルハンドル24の長さは、イメージングコアの最大又は標準のプルバック長さに加えて(又はそれと組み合わせて)、ヒトの手の平均幅を考慮して決定することができる。
【0058】
したがって、本開示によれば、例えば、(A)ヒトの手の平均幅に関するカテーテルハンドルの人間工学的グリップ長さL1と、(B)ハンドル本体23内に配置されたイメージングコア48のプルバック部分46の長さL2に関するプルバック長さを含む、少なくとも2つの因子によって、カテーテルハンドル24のパラメータを決定することができる。更に、カテーテルハンドルの直径D2は、ヒトの手の人間工学的グリップ直径に基づいて決定することができる(例えば、カテーテルハンドルの全厚は、ユーザの手の最大グリップ直径に等しいかそれよりも小さい円にハンドルが収まるような厚さにすることができる)。一部の実施形態では、イメージングコア48のプルバック部分46をハンドル本体23によって安全に保護できる限り、ハンドル24の長さと厚さは、主に、ユーザの手の平均サイズの人間工学的パラメータに基づくことができる。
【0059】
ユーザの手の平均サイズに関するデータは、本開示の背景セクションに記載されるような様々な刊行物から、容易に入手可能である。更に、読者は、例えば以下の表1を参照することができ、表1は、“Bodyspace Anthropometry, Ergonomics and the Design of Work”(Stephen Pheasant著、第2版、Taylor & Francis e-Library発行、米国、2003年)と題された刊行物の表5.1から引用されている。表1では、女性と男性の手について、寸法#12は「手幅」のサイズを示し、寸法#17は、「最大グリップ径」を示す。本明細書では、「手幅」は、手の掌を(中手骨の遠位端で)横切る最大幅として定義され、「最大グリップ径」は、目盛付き円錐上で親指と中指がちょうど接するまで手を下に滑らせることによって測定される円として定義される。ユーザはカテーテルハンドルを片手で完全に握る必要があるので、カテーテルハンドルの全径は、最大グリップ径よりも小さい必要がある。
【0060】
表1:ミリメートル(mm)単位で示されたヒトの手の寸法
【表1】
【0061】
上記の表1から、男性の手の平均幅は、(78+87+95)/3=82.3であり、SD=5である。女性の手の平均幅は、(69+79+83)/3=79.6であり、SD=4である。平均的なヒトの手の平均幅は、(82.3+79.6)/2=80.95であり、SD=4.5である。したがって、必要なプルバック長さが80mmであり、カテーテルハンドルが133mmである上記の例は、エルゴノミックカテーテルハンドル124内にプルバック部分46をしっかりと収容するために必要な要件を満たす。つまり、上記の例では、ハンドル本体123の長さはL1=133mmであり、プルバック長さは、プルバック部分46の長さL2よりも80mm短い。
【0062】
同様に、ハンドル直径に関しては、男性の最大グリップ径の平均は、(45+52+59)/3=52mm、SD=4であり、女性の最大グリップ径の平均は、(43+48+53)/3=48mm、SD=3である。したがって、平均的なヒトの手の平均最大グリップは、(52+48)/2=50mm、平均SD-(4+3)/2=3.5である。
【0063】
本明細書に開示されるエルゴノミックカテーテルハンドル24は、PIUの扱い易さの向上等、いくつかの利点と新規の特徴を提供する。特に、PIUのドレープをかける/外すときと受渡しのとき、新規のカテーテルハンドル24は、プローブのイメージングコア48のプルバック部分46を補足的に頑丈に保護して、イメージングコア48が曲がるのを防ぐことができる。
【0064】
少なくとも1つの実施形態によれば、医用装置は、患者インタフェースユニットと直接通信する固定コンソールと、患者インタフェースユニットに対する着脱のためのハンドルを有する細長い軟性カテーテルプローブと、を備える。ハンドルは、患者インタフェースユニットに取付けられたときに、ユニット体(ユニボディ)として患者インタフェースユニットとカテーテルを片手で操作することを可能にするように構成される。一部の実施形態では、細長い軟性カテーテルプローブは、カテーテルプローブの長さ方向に沿った直線的なプルバック運動に適したイメージングコアを含む。一部の実施形態では、軟性カテーテルプローブは、ハンドル内に含まれる近位の硬質プルバック部分を有する。一部の実施形態では、ハンドルは、その近位端に、カテーテルプローブの近位硬質プルバック部分を保護及び支持するように構成された強化部分を含む。また、ハンドルは、その遠位端に、ねじれを防止し、近位硬質プルバック部分から軟性カテーテルプローブへの曲げや新動力の伝達を抑制するように構成されたストレインリリーフスリーブを含む。
【0065】
動作中、システムコンピュータ107は、所望のイメージング手順に従ってPIU10及びイメージングコア48を制御する。例えば、OCTイメージングでは、システムコンピュータ107は、所望のプルバック長さ、プルバックレート及び画像フレームレートに従って、PIU10及びイメージングコア48を制御することができる(各画像フレームは、1つの断面画像(典型的には、イメージングコアの1回転)に対応する)。
【0066】
本明細書に開示されるエルゴノミックハンドルは、以下を備える医用システムの一部として使用されてよい:管状シャフトと、管状シャフトの近位部分に恒久的に取り付けられた細長いハンドルと、細長いハンドルと管状シャフトを通って延びるルーメン内に配置されたイメージングコアと、を有する血管内イメージングプローブ;細長いハンドルを受け入れるように構成された開口を有するハウジングと、ハウジングに取り付けられ、イメージングコアと係合して、管状シャフトのルーメンを通してイメージングコアを長さ方向に移動させるように構成されたプルバック部と、を備える患者インタフェースユニット;及び、患者インタフェースユニットと直接通信するシステムコンソール。システムコンソールは、プルバック部を制御し動作させるためのコマンド信号を送信するように構成されたコンピュータシステムを含む。細長いハンドルは、管状シャフトの近位部分を受け入れるように構成された通路を含む。細長いハンドルがプルバック部に接続されると、コンソールは、イメージングコアと係合し、イメージングコアを直線方向に所定のプルバック長さだけ、管状シャフトのルーメンを通して患者インタフェースユニットのハウジング内に移動させるために、コマンドをプルバック部に送信する。
【0067】
上記の実施形態に係る医用システムでは、細長いハンドルは、ユーザの手による把持に適した人間工学に基づくサイズ及び形状を有し、細長いハンドルの長さは、プルバック部がイメージングコアを移動させる距離である所定のプルバック長さに等しいか、又は所定のプルバック長さよりも大きい。
【0068】
上記の実施形態に係る医用システムでは、細長いハンドルの長さは、プルバック部がイメージングコアを移動させる所定のプルバック長さの1~2倍(又は、より好ましくは1~1.5倍)の範囲にある。上記の実施形態に係る医用システムでは、所定のプルバック長さが約80mmである場合、細長いハンドルの長さは、少なくとも133mmである。上記の実施形態に係る医用システムでは、細長いハンドルは、少なくとも25mmの直径を有する円に収まるように構成された三角形の断面又は円形の断面を有する。上記の実施形態に係る医用システムでは、細長いハンドルの少なくとも一部は、ユーザの手からの滑りを防止するように構成されたローレット状特徴を含む。上記の実施形態に係る医用システムでは、ハンドル本体は、ハンドルが患者インタフェースユニット全体の支持、取扱い及び操作に適合するような形で、強化部分を含む。
【0069】
上記の実施形態に係る医用システムでは、ハンドルを患者インタフェースユニットに取り付けるために、ユーザは、ハンドル本体を片手で掴み、患者インタフェースユニットの受容ポートに結合機構を挿入し、ハンドル本体を片手で回転させる。ハンドルが患者インタフェースユニットに取り付けられた後、ハンドル本体の強化部分が患者インタフェースユニットのハウジングに当接し、結合機構と強化部分により、ハンドル本体には、ユーザによるカテーテルハンドル及び患者インタフェースユニットの取扱い中に患者インタフェースユニット全体の重量を支えるのに十分な堅牢性が提供される。
【0070】
一実施形態では、例えば、図2に示されるように、PIU10の重量は、3~6ポンド(lbs)の範囲であってよく、例えば約5.6ポンドである。別の実施形態では、PIU10の重量は、3~4lbsの範囲にあってよく、例えば約3.8lbsである。一実施形態では、先に述べたように、結合機構21を受容ポート16に挿入することにより、カテーテルハンドル24がPIU10と係合する。ハンドル24とPIU10の間の固い接続を維持するために、ハンドルレセプタクル43の長さL4は、結合機構21の長さL3にほぼ等しい。上記の例を考慮し、平均PIU重量を約3.5ポンドと仮定すると、ハンドルとPIUの接続は、軸Axに垂直な任意の方向の6.2Nm(ニュートン・メートル)のモーメントに耐えることができる。上記のデータは、現行の標準ANSI AAMI HE75:2009/(R)2018 Human factors engineering‐Design of medical devicesに準拠している。
【0071】
図面に示された例示の実施形態を説明する際、分かりやすくするために、具体的な専門用語が使用される。しかしながら、本特許明細書の開示はそのように選択された具体的な専門用語に限定されることを意図するものではなく、当然ながら、具体的な要素の各々は、同様に機能する技術的な均等物を全て含む。したがって、以下の特許請求の範囲は、そのような変更並びに均等の構造及び機能を全て包含するように、最も広い合理的な解釈が与えられるべきである。
【0072】
本明細書において参照により援用されるとされる特許、付与前特許公報、又は他の刊行物の全部又は一部は、援用される資料が、標準的な定義や用語、或いは本開示に記載された記述及び説明と矛盾しない範囲でのみ、援用される。そのため、必要な範囲で、本明細書に明示的に記載された開示は、参照により援用される矛盾する資料に優先する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6