(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】店舗社販売上管理装置、店舗社販売上管理方法、および、店舗社販売上管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20240927BHJP
【FI】
G06Q30/06
(21)【出願番号】P 2023135206
(22)【出願日】2023-08-23
(62)【分割の表示】P 2020048469の分割
【原出願日】2020-03-18
【審査請求日】2023-09-04
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浦地 勇希
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】青柳 光代
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-215836(JP,A)
【文献】特開2006-072810(JP,A)
【文献】ISS6000 Integrated Store Solutions TeamPoS6600 ISS-RG/F-BASE操作手引書 (ファッション専門店向けPOSパッケージ) ,富士通株式会社,1995年11月30日,第1版,第53ページ~54ページ
【文献】FAST V F3770K SSP V/KF 3 使用者の手引 (ファッション専門店向けPOSパッケージ) ,富士通株式会社,1991年11月30日,第1版,第50ページ
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と制御部とを備えた店舗社販売上管理装置であって、
前記記憶部は、
商品の売上データを記憶する売上記憶手段、
を備え、
前記制御部は、
店頭商品を購入する社員の社員識別子および店舗の店舗識別子を含む、前記店頭商品の社販登録指示が入力された場合、前記社販登録指示に基づいて、前記社員識別子を得意先識別子として含む、前記店頭商品の社販売上データを取得し、前記社販売上データに基づいて、前記売上記憶手段に記憶された前記売上データを更新する社販売上手段と、
前記店舗識別子を含む、前記店頭商品の売上登録データが入力された場合、前記店舗識別子を前記得意先識別子として含む、前記店頭商品の店舗売上データを取得し、前記店舗売上データに基づいて、前記売上記憶手段に記憶された前記売上データを更新する店舗売上手段と
、
を備えたことを特徴とする店舗社販売上管理装置。
【請求項2】
前記記憶部は、
前記店頭商品の社内販売に適用する社販掛率を設定した掛率マスタを記憶する掛率記憶手段、
を更に備え、
前記社販売上手段は、
前記社員識別子および前記店舗識別子を含む、前記店頭商品の前記社販登録指示が入力された場合、前記社販登録指示および前記掛率マスタに基づいて、当該店頭商品の上代に前記社販掛率を乗じた社販売上金額を含み、且つ、前記社員識別子を前記得意先識別子として含む、前記店頭商品の前記社販売上データを取得し、前記社販売上データに基づいて、前記売上記憶手段に記憶された前記売上データを更新することを特徴とする請求項1に記載の店舗社販売上管理装置。
【請求項3】
前記掛率マスタは、
前記店頭商品の品種毎および/またはブランド毎に前記社販掛率が設定されていることを特徴とする請求項2に記載の店舗社販売上管理装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記店頭商品の社販選択用GUIを含む、社販登録画面を表示させる社販登録画面表示制御手段、
を更に備え、
前記社販売上手段は、
前記社販選択用GUIを介した社販選択指示、前記社員識別子および前記店舗識別子を含む、前記店頭商品の前記社販登録指示が入力された場合、前記社販登録指示に基づいて、前記社員識別子を前記得意先識別子として含む、前記店頭商品の前記社販売上データを取得し、前記社販売上データに基づいて、前記売上記憶手段に記憶された前記売上データを更新することを特徴とする請求項1に記載の店舗社販売上管理装置。
【請求項5】
前記店舗売上手段は、
POSシステムを介して、前記店舗識別子を含む、前記店頭商品の前記売上登録データが入力された場合、前記店舗識別子を前記得意先識別子として含む、前記店頭商品の前記店舗売上データを取得し、前記店舗売上データに基づいて、前記売上記憶手段に記憶された前記売上データを更新することを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の店舗社販売上管理装置。
【請求項6】
前記記憶部は、
前記店舗毎の前記店頭商品の在庫データを記憶する在庫記憶手段、
を更に備え、
前記社販売上手段は、
前記社員識別子および前記店舗識別子を含む、前記店頭商品の前記社販登録指示が入力された場合、前記社販登録指示に基づいて、前記社員識別子を前記得意先識別子として含み且つ前記店舗識別子を含む、前記店頭商品の前記社販売上データを取得し、前記社販売上データに基づいて、前記売上記憶手段に記憶された前記売上データを更新し、且つ、前記在庫記憶手段に記憶された前記在庫データを更新することを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の店舗社販売上管理装置。
【請求項7】
前記店舗売上手段は、
前記店舗識別子を含む、前記店頭商品の前記売上登録データが入力された場合、前記店舗識別子を前記得意先識別子として含む、前記店頭商品の前記店舗売上データを取得し、前記店舗売上データに基づいて、前記売上記憶手段に記憶された前記売上データを更新し、且つ、前記在庫記憶手段に記憶された前記在庫データを更新することを特徴とする請求項6に記載の店舗社販売上管理装置。
【請求項8】
記憶部と制御部とを備えた店舗社販売上管理装置に実行させるための店舗社販売上管理方法であって、
前記記憶部は、
商品の売上データを記憶する売上記憶手段、
を備え、
前記制御部で実行させる、
店頭商品を購入する社員の社員識別子および店舗の店舗識別子を含む、前記店頭商品の社販登録指示が入力された場合、前記社販登録指示に基づいて、前記社員識別子を得意先識別子として含む、前記店頭商品の社販売上データを取得し、前記社販売上データに基づいて、前記売上記憶手段に記憶された前記売上データを更新する社販売上ステップと、
前記店舗識別子を含む、前記店頭商品の売上登録データが入力された場合、前記店舗識別子を前記得意先識別子として含む、前記店頭商品の店舗売上データを取得し、前記店舗売上データに基づいて、前記売上記憶手段に記憶された前記売上データを更新する店舗売上ステップと、
を含むことを特徴とする店舗社販売上管理方法。
【請求項9】
記憶部と制御部とを備えた店舗社販売上管理装置に実行させるための店舗社販売上管理プログラムであって、
前記記憶部は、
商品の売上データを記憶する売上記憶手段、
を備え、
前記制御部において、
店頭商品を購入する社員の社員識別子および店舗の店舗識別子を含む、前記店頭商品の社販登録指示が入力された場合、前記社販登録指示に基づいて、前記社員識別子を得意先識別子として含む、前記店頭商品の社販売上データを取得し、前記社販売上データに基づいて、前記売上記憶手段に記憶された前記売上データを更新する社販売上ステップと、
前記店舗識別子を含む、前記店頭商品の売上登録データが入力された場合、前記店舗識別子を前記得意先識別子として含む、前記店頭商品の店舗売上データを取得し、前記店舗売上データに基づいて、前記売上記憶手段に記憶された前記売上データを更新する店舗売上ステップと、
を実行させるための店舗社販売上管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗社販売上管理装置、店舗社販売上管理方法、および、店舗社販売上管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、社員が社内での購入申請が許可された自社商品の指定店舗での購入に係る売上実績を当該店舗の売上実績から分離して計上・分析することで、購入世代等の属性を特定して当該自社商品のマーケティング戦略に活用する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の発明においては、店頭商品の社販(社内販売)での売上に関しては、店舗の売上実績に加味されてしまい、店舗毎の実際の売上管理・分析ができなかったという課題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、店舗のスタッフの社販での売上に関して、店舗の売上実績に加味されないように管理することができる店舗社販売上管理装置、店舗社販売上管理方法、および、店舗社販売上管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る店舗社販売上管理装置は、記憶部と制御部とを備えた店舗社販売上管理装置であって、前記記憶部は、商品の売上データを記憶する売上記憶手段、を備え、前記制御部は、店頭商品を購入する社員の社員識別子および店舗の店舗識別子を含む、前記店頭商品の社販登録指示が入力された場合、前記社販登録指示に基づいて、前記社員識別子を得意先識別子として含む、前記店頭商品の社販売上データを取得し、前記社販売上データに基づいて、前記売上記憶手段に記憶された前記売上データを更新する社販売上手段と、前記店舗識別子を含む、前記店頭商品の売上登録データが入力された場合、前記店舗識別子を前記得意先識別子として含む、前記店頭商品の店舗売上データを取得し、前記店舗売上データに基づいて、前記売上記憶手段に記憶された前記売上データを更新する店舗売上手段と、得意先毎の売上実績照会指示が入力された場合、前記売上データに基づいて、前記得意先毎の前記売上データを表示させる売上実績表示手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る店舗社販売上管理装置において、前記記憶部は、前記店頭商品の社内販売に適用する社販掛率を設定した掛率マスタを記憶する掛率記憶手段、を更に備え、前記社販売上手段は、前記社員識別子および前記店舗識別子を含む、前記店頭商品の前記社販登録指示が入力された場合、前記社販登録指示および前記掛率マスタに基づいて、当該店頭商品の上代に前記社販掛率を乗じた社販売上金額を含み、且つ、前記社員識別子を前記得意先識別子として含む、前記店頭商品の前記社販売上データを取得し、前記社販売上データに基づいて、前記売上記憶手段に記憶された前記売上データを更新することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る店舗社販売上管理装置において、前記掛率マスタは、前記店頭商品の品種毎および/またはブランド毎に前記社販掛率が設定されていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る店舗社販売上管理装置において、前記制御部は、前記店頭商品の社販選択用GUIを含む、社販登録画面を表示させる社販登録画面表示制御手段、を更に備え、前記社販売上手段は、前記社販選択用GUIを介した社販選択指示、前記社員識別子および前記店舗識別子を含む、前記店頭商品の前記社販登録指示が入力された場合、前記社販登録指示に基づいて、前記社員識別子を前記得意先識別子として含む、前記店頭商品の前記社販売上データを取得し、前記社販売上データに基づいて、前記売上記憶手段に記憶された前記売上データを更新することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る店舗社販売上管理装置において、前記店舗売上手段は、POSシステムを介して、前記店舗識別子を含む、前記店頭商品の前記売上登録データが入力された場合、前記店舗識別子を前記得意先識別子として含む、前記店頭商品の前記店舗売上データを取得し、前記店舗売上データに基づいて、前記売上記憶手段に記憶された前記売上データを更新することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る店舗社販売上管理装置において、前記記憶部は、前記店舗毎の前記店頭商品の在庫データを記憶する在庫記憶手段、を更に備え、前記社販売上手段は、前記社員識別子および前記店舗識別子を含む、前記店頭商品の前記社販登録指示が入力された場合、前記社販登録指示に基づいて、前記社員識別子を前記得意先識別子として含み且つ前記店舗識別子を含む、前記店頭商品の前記社販売上データを取得し、前記社販売上データに基づいて、前記売上記憶手段に記憶された前記売上データを更新し、且つ、前記在庫記憶手段に記憶された前記在庫データを更新することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る店舗社販売上管理装置において、前記店舗売上手段は、前記店舗識別子を含む、前記店頭商品の前記売上登録データが入力された場合、前記店舗識別子を前記得意先識別子として含む、前記店頭商品の前記店舗売上データを取得し、前記店舗売上データに基づいて、前記売上記憶手段に記憶された前記売上データを更新し、且つ、前記在庫記憶手段に記憶された前記在庫データを更新することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る店舗社販売上管理装置において、前記売上実績表示手段は、所定期間の前記店舗の前記売上実績照会指示が入力された場合、前記店舗の前記店舗識別子を前記得意先識別子として含む前記売上データを前記所定期間単位で集計した店舗売上期間報データを作成し、当該店舗売上期間報データを表示させることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る店舗社販売上管理方法は、記憶部と制御部とを備えた店舗社販売上管理装置に実行させるための店舗社販売上管理方法であって、前記記憶部は、商品の売上データを記憶する売上記憶手段、を備え、前記制御部で実行させる、店頭商品を購入する社員の社員識別子および店舗の店舗識別子を含む、前記店頭商品の社販登録指示が入力された場合、前記社販登録指示に基づいて、前記社員識別子を得意先識別子として含む、前記店頭商品の社販売上データを取得し、前記社販売上データに基づいて、前記売上記憶手段に記憶された前記売上データを更新する社販売上ステップと、前記店舗識別子を含む、前記店頭商品の売上登録データが入力された場合、前記店舗識別子を前記得意先識別子として含む、前記店頭商品の店舗売上データを取得し、前記店舗売上データに基づいて、前記売上記憶手段に記憶された前記売上データを更新する店舗売上ステップと、得意先毎の売上実績照会指示が入力された場合、前記売上データおよび前記得意先識別子に基づいて、前記得意先毎の前記売上データを表示させる売上実績表示ステップと、を含むことを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る店舗社販売上管理プログラムは、記憶部と制御部とを備えた店舗社販売上管理装置に実行させるための店舗社販売上管理プログラムであって、前記記憶部は、商品の売上データを記憶する売上記憶手段、を備え、前記制御部において、店頭商品を購入する社員の社員識別子および店舗の店舗識別子を含む、前記店頭商品の社販登録指示が入力された場合、前記社販登録指示に基づいて、前記社員識別子を得意先識別子として含む、前記店頭商品の社販売上データを取得し、前記社販売上データに基づいて、前記売上記憶手段に記憶された前記売上データを更新する社販売上ステップと、前記店舗識別子を含む、前記店頭商品の売上登録データが入力された場合、前記店舗識別子を前記得意先識別子として含む、前記店頭商品の店舗売上データを取得し、前記店舗売上データに基づいて、前記売上記憶手段に記憶された前記売上データを更新する店舗売上ステップと、得意先毎の売上実績照会指示が入力された場合、前記売上データおよび前記得意先識別子に基づいて、前記得意先毎の前記売上データを表示させる売上実績表示ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、顧客も購入可能な店頭での販売商品の売上実績から、社内販売以外の売上実績を管理・分析することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、店舗やスタッフの売上実績を正確に把握できるようになることで、評価を正確にできるという効果を奏する。また、本発明によれば、店舗ごとの売上傾向に関しても実態に合った形で分析できるという効果を奏する。また、本発明によれば、スタッフが社販での売上入力した結果を、店舗の売上実績に加味するかどうかを決めて登録することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、店舗の正確な実績管理だけでなく、スタッフの費用負担に対する本部監視にも応用できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本実施形態における店舗社販売上管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本実施形態における店舗社販売上管理装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、本実施形態における店舗社販売上管理処理の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本実施形態における掛率マスタの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本実施形態における店舗売上管理処理の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、本実施形態における売上実績照会画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0019】
[1.概要]
まず、本発明の概要を説明する。
【0020】
従来、店舗展開している企業において、社販での売上に関しても、店舗の売上実績に加味されてしまい、実際の売上管理・分析ができず、社販が多い企業の場合、特に売上管理が煩雑になっていた。
【0021】
そこで、本実施形態においては、店舗のスタッフが社販で商品を購入する際、給与天引きまたはコーポレートカードで処理する場合、POSで処理するのではなく、基幹システムの売上入力で登録を行う仕組みを提供している。
【0022】
[2.構成]
本実施形態に係る店舗社販売上管理装置100の構成の一例について、
図1を参照して説明する。
図1は、本実施形態における店舗社販売上管理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0023】
図1に示すように、店舗社販売上管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、店舗社販売上管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0024】
店舗社販売上管理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。店舗社販売上管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0025】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、店舗社販売上管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、店舗社販売上管理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0026】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、売上データベース106aと、掛率マスタ106bと、在庫データベース106cとを備えている。
【0027】
売上データベース106aは、商品の売上データを記憶する。ここで、売上データは、社販売上データおよび/または店舗売上データ等を含んでいてもよい。また、売上データは、売上識別子(例えば、売上番号等)、店舗識別子(例えば、店舗コードおよび/または店舗名等)、倉庫識別子(例えば、倉庫コードおよび/または倉庫名等)、得意先識別子(例えば、得意先コードおよび/または得意先名等)、商品識別子(例えば、商品コードおよび/または商品名等)、売上数量、売上日付、売上単価、売上金額、上代単価、上代、伝票売上本体金額および/または伝票売上消費税額等を含んでいてもよい。
【0028】
掛率マスタ106bは、商品の社内販売に適用する社販掛率を設定したマスタである。ここで、掛率マスタ106bは、店頭商品の社内販売に適用する社販掛率が設定されていてもよい。また、掛率マスタ106bは、店頭商品の品種毎および/またはブランド毎に社販掛率が設定されていてもよい。また、掛率マスタ106bは、商品毎に社販掛率が設定されていてもよい。また、掛率マスタ106bは、品種識別子(例えば、品種コードおよび/または品種名等)、ブランド識別子(例えば、ブランドコードおよび/またはブランド等)、掛率(例えば、社販掛率等)および/または商品識別子(例えば、商品コードおよび/または商品名等)を含んでいてもよい。
【0029】
在庫データベース106cは、商品の在庫データを記憶する。ここで、在庫データベース106cは、店舗毎の店頭商品の在庫データを記憶していてもよい。また、在庫データベース106cは、倉庫毎の商品の在庫データを記憶していてもよい。また、在庫データベース106cは、在庫識別子(例えば、在庫番号等)、店舗識別子(例えば、店舗コードおよび/または店舗名等)、倉庫識別子(例えば、倉庫コードおよび/または倉庫名等)、商品識別子(例えば、商品コードおよび/または商品名等)、在庫数量、在庫単価、在庫金額、上代単価、上代、下代単価および/または下代等を含んでいてもよい。
【0030】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(タッチパネルを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114またはプリンタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0031】
制御部102は、店舗社販売上管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、社販売上部102aと、店舗売上部102bと、表示制御部102cとを備えている。
【0032】
社販売上部102aは、商品の社販売上データを取得する。ここで、社販売上部102aは、店頭商品を購入する社員の社員識別子(例えば、社員コード等)および店舗の店舗識別子を含む、店頭商品の社販登録指示が入力された場合、社販登録指示に基づいて、社員識別子を得意先識別子として含む、店頭商品の社販売上データを取得し、社販売上データに基づいて、売上データベース106aに記憶された売上データを更新してもよい。また、社販売上部102aは、社員識別子および店舗識別子を含む、店頭商品の社販登録指示が入力された場合、社販登録指示および掛率マスタ106bに基づいて、当該店頭商品の上代に社販掛率を乗じた社販売上金額を含み、且つ、社員識別子を得意先識別子として含む、店頭商品の社販売上データを取得し、社販売上データに基づいて、売上データベース106aに記憶された売上データを更新してもよい。また、社販売上部102aは、社販選択用GUI(Graphical User Interface)を介した社販選択指示、社員識別子および店舗識別子を含む、店頭商品の社販登録指示が入力された場合、社販登録指示に基づいて、社員識別子を得意先識別子として含む、店頭商品の社販売上データを取得し、社販売上データに基づいて、売上データベース106aに記憶された売上データを更新してもよい。ここで、社販選択用GUIは、チェックボックスまたはラジオボタン等であってもよい。また、社販売上部102aは、社員識別子および店舗識別子を含む、店頭商品の社販登録指示が入力された場合、社販登録指示に基づいて、社員識別子を得意先識別子として含み且つ店舗識別子を含む、店頭商品の社販売上データを取得し、社販売上データに基づいて、売上データベース106aに記憶された売上データを更新し、且つ、在庫データベース106cに記憶された在庫データを更新してもよい。
【0033】
店舗売上部102bは、商品の店舗売上データを取得する。ここで、店舗売上部102bは、店舗識別子を含む、店頭商品の売上登録データが入力された場合、店舗識別子を得意先識別子として含む、店頭商品の店舗売上データを取得し、店舗売上データに基づいて、売上データベース106aに記憶された売上データを更新してもよい。また、店舗売上部102bは、POS(Point Of Sales)システムを介して、店舗識別子を含む、店頭商品の売上登録データが入力された場合、店舗識別子を得意先識別子として含む、店頭商品の店舗売上データを取得し、店舗売上データに基づいて、売上データベース106aに記憶された売上データを更新してもよい。また、店舗売上部102bは、店舗識別子を含む、店頭商品の売上登録データが入力された場合、店舗識別子を得意先識別子として含む、店頭商品の店舗売上データを取得し、店舗売上データに基づいて、売上データベース106aに記憶された売上データを更新し、且つ、在庫データベース106cに記憶された在庫データを更新してもよい。
【0034】
表示制御部102cは、売上データ等の各種データを表示させるここで、表示制御部102cは、得意先毎の売上実績照会指示が入力された場合、売上データに基づいて、得意先毎の売上データを表示させてもよい。また、表示制御部102cは、店頭商品の社販選択用GUIを含む、社販登録画面を表示させてもよい。また、表示制御部102cは、所定期間の店舗の売上実績照会指示が入力された場合、店舗の店舗識別子を得意先識別子として含む売上データを所定期間単位で集計した店舗売上期間報データを作成し、当該店舗売上期間報データを表示させてもよい。
【0035】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、
図2から
図6を参照して説明する。
【0036】
[店舗社販売上管理処理]
ここで、
図2を参照して、本実施形態における店舗社販売上管理処理の一例について説明する。
図2は、本実施形態における店舗社販売上管理装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0037】
図2に示すように、店舗売上部102bは、店頭商品のプライスタグに対するバーコード読取によりPOSシステムから店舗識別子を含む店頭商品の売上登録データを含むPOSデータを受信したか否かを判定する(ステップSA-1)。
【0038】
そして、店舗売上部102bは、POSシステムから店頭商品の売上登録データを含むPOSデータを受信していないと判定した場合(ステップSA-1:No)、処理をステップSA-2に移行させる。
【0039】
そして、社販売上部102aは、ユーザにより入力装置112を介して、社販登録画面において、社販選択用GUIの選択による社販選択指示、社員識別子および店舗識別子を含む、店頭商品の社販登録指示が入力されたか否かを判定する(ステップSA-2)。
【0040】
そして、社販売上部102aは、社販登録画面において店頭商品の社販登録指示が入力されていないと判定した場合(ステップSA-2:No)、処理をステップSA-1に移行させる。
【0041】
一方、社販売上部102aは、社販登録画面において店頭商品の社販登録指示が入力されたと判定した場合(ステップSA-2:Yes)、処理をステップSA-3に移行させる。
【0042】
そして、社販売上部102aは、社販登録指示および掛率マスタ106bに基づいて、店頭商品の上代に社販掛率を乗じた社販売上金額を含み、社員識別子を得意先識別子として含み、且つ、店舗識別子を含む、店頭商品の社販売上データを取得し、社販売上データに基づいて、売上データベース106aに記憶された売上データを更新し、且つ、在庫データベース106cに記憶された在庫データを更新し(ステップSA-3)、処理をステップSA-5に移行させる。
【0043】
一方、店舗売上部102bは、POSシステムから店頭商品の売上登録データを含むPOSデータを受信したと判定した場合(ステップSA-1:Yes)、処理をステップSA-4に移行させる。
【0044】
そして、店舗売上部102bは、売上登録データに含まれる店舗識別子を得意先識別子として含む、店頭商品の店舗売上データを取得し、店舗売上データに基づいて、売上データベース106aに記憶された売上データを更新し、且つ、在庫データベース106cに記憶された在庫データを更新する(ステップSA-4)。
【0045】
そして、表示制御部102cは、ユーザにより入力装置112を介して所定期間の得意先毎の売上実績照会指示が入力されたか否かを判定する(ステップSA-5)。
【0046】
そして、表示制御部102cは、所定期間の得意先毎の売上実績照会指示が入力されていないと判定した場合(ステップSA-5:No)、処理をステップSA-1に移行させる。
【0047】
一方、表示制御部102cは、所定期間の得意先毎の売上実績照会指示が入力されたと判定した場合(ステップSA-5:Yes)、処理をステップSA-6に移行させる。
【0048】
そして、表示制御部102cは、売上データベース106aに記憶された売上データに基づいて、所定期間における得意先毎の売上データを出力装置114に表示させ(ステップSA-6)、処理を終了する。
【0049】
ここで、
図3および
図4を参照して、本実施形態における店舗社販売上管理処理の一例について説明する。
図3は、本実施形態における店舗社販売上管理処理の一例を示す図である。
図4は、本実施形態における掛率マスタ106bの一例を示す図である。
【0050】
図3に示すように、本実施形態においては、銀座店にてスタッフ山田太郎がTシャツ(品種コード:H001、且つ、ブランドコード:B001)を1点社販で購入する際に、スタッフ山田太郎により社販登録画面において、社販チェックボックスにチェックをつけられた上で、社員コード:A001、店舗コード:T001、商品コード:T0001、売上数:1、および、上代単価:¥10,000等が入力された場合、
図4に示す品種コードおよびブランドコード別に社販の掛率を設定した掛率マスタ106bに基づいて、該当の掛率が採用されて、Tシャツの上代単価:¥10,000に社販掛率:60%を乗じた社販売上単価:¥6,000が算出されて初期セットされ、社販登録画面に税込の売上金額:¥6,600と併せて表示される(ステップSB-1)。
【0051】
そして、
図3に示すように、本実施形態においては、社員コードを得意先コード:A001として含み、且つ、売上番号:URI00001、店舗コード、売上日付:2019/12/18、社販売上金額(伝票売上本体金額)および伝票売上消費税額:¥600を含む、Tシャツの社販売上データが取得される(ステップSB-2)。なお、本実施形態においては、POSデータを用いて社販登録画面が生成されてもよい。
【0052】
また、
図5を参照して、本実施形態における店舗売上管理処理の一例について説明する。
図5は、本実施形態における店舗売上管理処理の一例を示す図である。
【0053】
図5に示すように、本実施形態においては、銀座店で顧客がTシャツ(品種コード:H001、且つ、ブランドコード:B001)を1点購入する際に、Tシャツのプライスタグに対するバーコード読取によりPOSシステムにてPOSデータが登録され(ステップSC-1)、POSシステムにて登録されたPOSデータが連携され、店舗コード:T001、入力スタッフコード:A001、売上日付:2019/12/18、販売スタッフコード:A001、売上区分:1、商品コード:T0001、商品名:Tシャツ、売上数:1、上代単価:¥10,000、店舗売上単価:¥10,000および税込の店舗売上金額:¥11,000を含む店舗売上伝票データが自動作成される(ステップSC-2)。
【0054】
そして、
図5に示すように、本実施形態においては、店舗コードを得意先コード:T001として含み、且つ、売上番号:URI00002、店舗コード、売上日付、伝票売上本体金額:¥10,000および伝票売上消費税額:¥1,000を含む、Tシャツの店舗売上データが取得される(ステップSC-3)。
【0055】
このように、本実施形態において、
図3に示す社内販売と
図5に示す通常販売とでは、得意先コードの更新が異なるが、
図3に示す社内販売の場合でもどこの店舗で売れたか捉えられるため、その売れた店舗での在庫管理には反映され、且つ、社販売上の得意先が社員になることで、売上実績管理としては店舗売上から除外させることができる。
【0056】
また、
図3、
図5および
図6を参照して、本実施形態における売上実績照会の一例について説明する。
図6は、本実施形態における売上実績照会画面の一例を示す図である。
【0057】
図6に示すように、本実施形態においては、ユーザにより2019/12/18の売上実績照会指示が入力された場合、
図3に示す社販売上データおよび
図5に示す店舗売上データに基づいて、2019/12/18の得意先毎の売上データが表示される。このように、本実施形態においては、売上実績管理上、得意先で集計して実績管理を行うことで、同一店舗内であっても、社販売上と通常の店舗売上とで区分けして管理することが可能となる。
【0058】
また、本実施形態においては、店舗売上日報または店舗売上月報等では、スタッフの社販での売上を加味せず、顧客に対する店舗売上の数字のみ反映されるようにできるため、店舗ごとの売上傾向に関して正確に分析できるようになる。
【0059】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0060】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0061】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0062】
また、店舗社販売上管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0063】
例えば、店舗社販売上管理装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて店舗社販売上管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0064】
また、このコンピュータプログラムは、店舗社販売上管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0065】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0066】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0067】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0068】
また、店舗社販売上管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、店舗社販売上管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0069】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、流通小売業界において有用である。
【符号の説明】
【0071】
100 店舗社販売上管理装置
102 制御部
102a 社販売上部
102b 店舗売上部
102c 表示制御部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 売上データベース
106b 掛率マスタ
106c 在庫データベース
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク