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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】フォーク及び搬送用ロボット
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20240927BHJP
   B65G 1/00 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
B65G1/04 511
B65G1/00 501C
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023161544
(22)【出願日】2023-09-25
(62)【分割の表示】P 2022512817の分割
【原出願日】2020-09-17
(65)【公開番号】P2023164756
(43)【公開日】2023-11-10
【審査請求日】2023-09-25
(31)【優先権主張番号】201921546485.9
(32)【優先日】2019-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520167863
【氏名又は名称】ハイ ロボティクス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HAI ROBOTICS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Rooms 201, 301, 401, Building B, HAI ROBOTICS Industrial Park, Nanchang Community, Xixiang Street, Bao’an District, Shenzhen, Guangdong 518000, China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】チャン,チンシン
【審査官】森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/095804(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/095803(WO,A1)
【文献】特開平8-268552(JP,A)
【文献】国際公開第2010/049987(WO,A1)
【文献】特開2017-7786(JP,A)
【文献】特開2016-60624(JP,A)
【文献】特開平11-79321(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00 - 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貨物を移送するフォークであって、
固定アームと、前記固定アームに接続され、前記固定アームに対して伸縮可能な可動アームとを備えた伸縮アームと、
前記固定アームに取り付けられ、前記貨物を一時的に格納する仮置き台であって、前記固定アームに対して差し出るか又は引っ込み、差し出る方向が前記可動アームの差し出る方向と一致する仮置き台と、を備え、
前記可動アームは、前記仮置き台を押すことにより、前記仮置き台を前記固定アームに対して引っ込ませる、フォーク。
【請求項2】
前記仮置き台にリブが設けられ、
前記可動アームは、前記可動アームが引っ込む時に前記仮置き台のリブを押すことにより、前記仮置き台を前記固定アームに対して引っ込ませる、請求項1に記載のフォーク。
【請求項3】
前記可動アームに接続板が設けられ、前記可動アームが前記固定アームに対して引っ込む時、前記接続板が前記リブを押さえることにより、前記固定アームに対して引っ込むように前記仮置き台が押される、請求項2に記載のフォーク。
【請求項4】
前記固定アームは、底枠と、前記底枠に接続された側壁とを備え、
前記可動アームは、前記側壁に接続され、前記仮置き台は、少なくとも部分的に前記底枠に取り付けられる、請求項1に記載のフォーク。
【請求項5】
前記可動アームは、
前記固定アームに取り付けられ、接続板が設けられた第1アームであって、前記固定アームに対して伸縮可能な第1アームと、
前記第1アームに取り付けられた第2アームであって、前記第1アームに対して伸縮可能な第2アームと、を備え、
前記伸縮アームはさらに、前記固定アームに対して移動するように前記第1アームを前記接続板によって駆動させる駆動アセンブリを備える、請求項1に記載のフォーク。
【請求項6】
前記駆動アセンブリは、スプロケット機構と駆動部材とを備え、
前記接続板は、スプロケット機構のリンクに固定接続され、前記スプロケット機構は、前記固定アームに対して移動するよう前記接続板によって前記第1アームを駆動させる、請求項5に記載のフォーク。
【請求項7】
前記駆動アセンブリは、プーリ機構と駆動部材とを備え、
前記プーリ機構は、前記固定アームに対して移動するよう前記接続板によって前記第1アームを駆動させる、請求項5に記載のフォーク。
【請求項8】
前記仮置き台にリブが設けられ、
前記接続板は、前記リブを押さえることにより、前記仮置き台を前記可動アームとともに前記固定アームに対して引っ込ませる、請求項5に記載のフォーク。
【請求項9】
ロボット本体と搬送装置とを備えた搬送用ロボットであって、
前記搬送装置は、回転アセンブリ、フォークホルダ、および請求項1~8のいずれか1項に記載のフォークを備え、
前記フォークホルダは、前記ロボット本体に取り付けられ、
前記フォーク及び前記回転アセンブリのいずれも前記フォークホルダに取り付けられ、前記フォークは、前記回転アセンブリの作用によって前記フォークホルダに対して垂直方向を中心に回転することができる、搬送用ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、インテリジェント倉庫保管の分野に関し、特に、フォーク及び搬送用ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
インテリジェント倉庫保管は物流プロセスの一つであり、その適用により、貨物倉庫管理の各プロセスでのデータ入力の速度及び精度が保証され、企業が在庫の実際のデータをタイムリー且つ正確に把握できるようになり、企業の在庫が合理的に維持され制御される。科学的なコーディングにより、更に在庫貨物のバッチ、保管期限等を簡単に管理できる。SNHGESシステムの貨物格納位置管理機能を利用することで、更に、全ての在庫貨物の現在位置をタイムリーに把握でき、倉庫管理の作業効率の向上に寄与する。
【0003】
搬送用ロボットは、インテリジェント倉庫保管において重要な役割を果たしており、人間の代わりに貨物を搬送しているが、既存の搬送用ロボットは荷箱を搬送する時、荷箱が不安定で落下しやすい。
【発明の概要】
【0004】
これに鑑みて、従来の搬送用ロボットが荷箱を搬送する際に荷箱が不安定であるという問題について、フォーク及び搬送用ロボットを提供する必要がある。
【0005】
本願で提供されるフォークは、伸縮アームと、仮置き台(320)と、スライドアセンブリ(330)とを備え、伸縮アームは固定アーム、可動アーム、プッシャアセンブリ及び駆動アセンブリを備え、前記可動アームは一端が前記固定アームに接続され、他端が前記プッシャアセンブリに接続され、前記可動アームは駆動アセンブリの作用によって固定アームに対して伸縮することができ、前記プッシャアセンブリは、可動アームの伸縮動作中に貨物を引っ張る或いは押し出すためであり、仮置き台は、前記固定アームに取り付けられ、前記プッシャアセンブリによって引っ張られた貨物を一時的に格納するためであり、スライドアセンブリは、前記固定アームと前記仮置き台との間に取り付けられ、固定アームに対して差し出るように前記仮置き台を押すことができ、前記仮置き台の差し出る方向は前記可動アームの差し出る方向と一致する。
【0006】
一実施例において、前記スライドアセンブリはばねを備え、前記ばねの一端が前記固定アームに接続され、他端が前記仮置き台に接続される。
【0007】
一実施例において、前記スライドアセンブリはばね、ガイドロッド及びスライダーを備え、前記ガイドロッドは固定アームに固定され、前記ばね及びスライダーのいずれも前記ガイドロッドに嵌設され、前記仮置き台は前記スライダーに接続され、前記仮置き台及びスライダーはばねの弾性作用によって前記ガイドロッドに沿ってスライドすることができる。
【0008】
一実施例において、前記ガイドロッドには、前記仮置き台及びスライダーが前記ガイドロッドから滑り落ちることを防ぐためのストッパが設けられる。
【0009】
一実施例において、前記仮置き台にリブが設けられ、前記可動アームに接続板が設けられ、前記可動アームが駆動アセンブリの作用によって固定アームに対して引っ込む時、前記接続板は前記リブを押さえることができ、それにより、固定アームに対して引っ込むように仮置き台を押すことができる。
【0010】
一実施例において、前記可動アームは第1アーム及び第2アームを備え、前記第1アームが固定アームに取り付けられ、前記第2アームが第1アームに取り付けられ、前記駆動アセンブリは第1駆動アセンブリ及び第2駆動アセンブリを備え、前記第1アームは、第1駆動アセンブリの作用によって前記固定アームに対して伸縮することができ、前記第2アームは、第2駆動アセンブリの作用によって前記第1アームに対して伸縮することができる。
【0011】
一実施例において、前記第1駆動アセンブリは前記固定アームに設けられ、スプロケット機構及び駆動部材を備え、前記駆動部材の出力端は前記スプロケット機構の主動スプロケットに接続され、前記第1アームに接続板が設けられ、前記接続板は前記スプロケット機構のリンクに固定接続される。
【0012】
一実施例において、前記第2駆動アセンブリは可動プーリ及びスライドレールを備え、前記可動プーリは前記第1アームに取り付けられ、前記スライドレールの中央部は前記スライドレールの両端が対向して設けられるように湾曲して設けられ、前記スライドレールの中央部は前記可動プーリに嵌設され、前記スライドレールの一端が前記固定アームに固定接続され、他端が前記第2アームに固定接続され、前記可動プーリとスライドレールは可動プーリ構造を形成する。
【0013】
一実施例において、前記プッシャアセンブリは可動プッシャ、固定プッシャ及びプッシャ駆動部材を備え、前記可動プッシャは前記第2アームの先端に取り付けられ、前記固定プッシャは前記第2アームの前記可動プッシャから離れた一端に取り付けられ、前記プッシャ駆動部材は前記可動プッシャに接続され、前記第2アームに対して折り畳んだり展開したりするように前記可動プッシャを駆動するために使用され、前記可動プッシャは、可動アームの引っ込む動作中に貨物を仮置き台に引っ張るために使用され、前記固定プッシャは、可動アームの差し出る動作中に仮置き台上での貨物を押し出すために使用される。
【0014】
本願は更に、ロボット本体及び搬送装置を備える搬送用ロボットを提供する。前記搬送装置は回転アセンブリ、フォークホルダ及び上記のいずれかのフォークを備え、前記フォークホルダは前記ロボット本体に取り付けられ、前記フォーク及び回転アセンブリのいずれも前記フォークホルダに取り付けられ、前記フォークは、前記回転アセンブリの作用によって前記フォークホルダに対して垂直方向を中心に回転することができる。
【0015】
一実施例において、前記ロボット本体は移動底盤、保管棚及び昇降アセンブリを備え、前記保管棚は前記移動底盤に取り付けられ、前記保管棚には、異なる高さに配置された2つ以上の棚板アセンブリが含まれ、各棚板アセンブリには、貨物を載せるための棚板が含まれ、前記昇降アセンブリは、前記フォークが1つの棚板と同じ高さに位置するよう、前記搬送装置を駆動して前記保管棚に対して昇降させるために使用される。
【0016】
本願で提供されるフォーク及び搬送用ロボットにおいて、搬送装置の固定アームと仮置き台との間にスライドアセンブリが設けられることで、スライドアセンブリは固定アームに対して差し出るように仮置き台を押すことができ、仮置き台の差し出る方向は可動アームの差し出る方向と一致し、それにより、本願のフォークは貨物を引っ張る或いは押し出す時、荷箱が、移送中に落下することなく固定棚と仮置き台との間で安定して移送可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本願の一実施例における搬送用ロボットが初期状態にある時の構造を示す概略図である。
図2】本願の一実施例における搬送装置の分解構造を示す概略図である。
図3】本願の一実施例における搬送装置の可動アームが差し出ている状態にある時の構造を示す概略図である。
図4】本願の一実施例における搬送装置の可動アームが引っ込んでいる状態にある時の構造を示す概略図である。
図5】本願の一実施例における第1アームの構造を示す概略図である。
図6】本願の一実施例における搬送装置が固定棚に向いた時の構造を示す概略図である。
図7】本願の一実施例における搬送装置が貨物を引っ張る時の構造を示す概略図である。
図8】本願の一実施例における搬送装置が貨物を引っ張った後に可動アームが引っ込む時の構造を示す概略図である。
図9】本願の一実施例における搬送装置が保管棚に向いた時の構造を示す概略図である。
図10】本願の一実施例における搬送装置が仮置き台上での貨物を保管棚に向かって押し出す時の構造を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本願を容易に理解するために、以下において、関連図面を参照して本願を更に完全に説明する。図面においては本願の好ましい実施形態が示されている。しかしながら、本願は多くの異なる形態で実現され得、本明細書に記載の実施形態に限定されない。むしろ、これらの実施形態を提供する目的は、本願の開示内容への理解を更に徹底し完全にすることである。
【0019】
説明すべきは、1つの要素は、別の要素に「固定される」と記載された場合、別の要素上に直接存在し得るか、又は中間要素が存在し得る点である。1つの要素は、別の要素に「接続される」と認められた場合、別の要素に直接接続され得るか、又は同時に中間要素が存在し得る。本明細書で使用される「垂直な」、「水平な」、「左」、「右」という用語及び類似する表現は、単に説明するためのものであり、唯一の実施形態であることを表すものではない。
【0020】
特に断らない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本願が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書において、本願の明細書で使用される用語は、発明を実施するための形態を説明するためのものに過ぎず、本願を制限するためのものではない。本明細書で使用される「及び/又は」という用語は、1つ又は複数の関連して挙げられた項目の任意及び全ての組み合わせを備える。
【0021】
図1は本願の一実施例における搬送用ロボットが初期状態にある時の構造を示す概略図であり、図1に示すように、一実施例において、搬送用ロボットはロボット本体100及び搬送装置200を備え、ロボット本体100は移動底盤110、保管棚120及び昇降アセンブリ(図示せず)を備え、保管棚120は移動底盤110に取り付けられ、保管棚120には異なる高さに配置された2つ以上の棚板アセンブリが含まれ、各棚板アセンブリには貨物を載せるための棚板121が含まれ、昇降アセンブリは、搬送装置200が1つの棚板121又は固定棚400と同じ高さに位置するよう、搬送装置200を駆動して保管棚120に対して昇降させるために使用される。図2は本願の一実施例における搬送装置の分解構造を示す概略図であり、図2に示すように、搬送装置200は回転アセンブリ210、フォークホルダ220及びフォーク300を備え、フォークホルダ220は保管棚120に取り付けられ、昇降アセンブリの作用によって保管棚120に対して昇降可能であり、フォーク300及び回転アセンブリ210のいずれもフォークホルダ220に取り付けられ、フォーク300は、回転アセンブリ210の作用によってフォークホルダ220に対して垂直方向を中心に回転することができ、フォーク300は、フォーク300と同じ高さに位置する棚板121に貨物を搬送するか、又はフォーク300と同じ高さに位置する棚板121から貨物を搬出するために使用される。
【0022】
図3は本願の一実施例における搬送装置の可動アームが差し出ている状態にある時の構造を示す概略図であり、図2及び図3に示すように、フォーク300は対称軸線S1を有し、フォーク300は伸縮アーム、仮置き台320及びスライドアセンブリ330を備える。伸縮アームは固定アーム311、可動アーム312、プッシャアセンブリ340及び駆動アセンブリを備える。固定アーム311は、固定接続された底枠317及び2つの側壁318を備え、底枠317が回転アセンブリ210に取り付けられる。可動アーム312の一端が固定アーム311の側壁318に接続され、他端がプッシャアセンブリ340に接続され、可動アーム312は駆動アセンブリの作用によって対称軸線S1に沿って固定アーム311に対して伸縮することができる。プッシャアセンブリ340は、可動アーム312の伸縮動作中に貨物を引っ張る或いは押し出すためである。仮置き台320は固定アーム311の底枠317に取り付けられ、プッシャアセンブリ340によって引っ張られた貨物を一時的に格納するために使用される。スライドアセンブリ330は固定アーム311の底枠317と仮置き台320との間に取り付けられ、対称軸線S1に沿って固定アーム311に対して差し出るように仮置き台320を押すことができ、且つ仮置き台320の差し出る方向は可動アーム312の差し出る方向と一致する。
【0023】
更に、一実施例において、図2及び図3に示すように、固定アーム311の側壁318及び可動アーム312はいずれも2つとし、2つの側壁318及び2つの可動アーム312は対称軸線S1の対向する両側に対称的に設けられ、各可動アーム312は第1アーム313及び第2アーム315を備え、第1アーム313は固定アーム311に取り付けられ、第2アーム315は第1アーム313に取り付けられる。図5は本願の一実施例における第1アームの構造を示す概略図であり、図6は本願の一実施例における搬送装置が固定棚に向いた時の構造を示す概略図であり、図5及び図6に示すように、駆動アセンブリは第1駆動アセンブリ350及び第2駆動アセンブリ360を備え、第1アーム313は第1駆動アセンブリ350の作用によって固定アーム311に対して伸縮することができ、第2アーム315は第2駆動アセンブリ360の作用によって第1アーム313に対して伸縮することができる。一具体例では、図3に示すように、固定アーム311は外側アームであり、第1アーム313は中間アームであり、第2アーム315は内側アームであり、中間アームは外側アームの側壁内側に取り付けられ、内側アームは中間アームの内側に取り付けられ、中間アームは第1駆動アセンブリ350の作用によって外側アームに対して伸縮することができ、内側アームは第2駆動アセンブリ360の作用によって中間アームに対して伸縮することができる。なお、別の具体例では、固定アーム311は内側アームであってもよく、第1アーム313は中間アームであり、第2アーム315は外側アームであり、中間アームは内側アームの側壁の外側に取り付けられ、外側アームは中間アームの外側に取り付けられることが理解される。また、実際の状況によって、可動アーム312の数は2つに限定されず、他の実施例では、可動アーム312は1つとしてもよい。また、別の実施例では、可動アーム312は中間アームを備えることなく内側アームのみを備えてもよく、内側アームは外側アームの側壁の内側に取り付けられ、内側アームは駆動アセンブリの作用によって対称軸線S1に沿って外側アームに対して伸縮することができることが理解される。更に別の実施例では、可動アーム312は内側アーム及び2つ以上の中間アームを備えてもよく、可動アーム312は駆動アセンブリの作用によって対称軸線S1に沿って外側アームに対して伸縮することができる。
【0024】
一実施例において、図2に示すように、スライドアセンブリ330はばね331を備え、ばね331の一端が固定アーム311の底枠317に接続され、他端が仮置き台320に接続され、仮置き台320は、ばね331の弾性力による推進力によって固定アーム311に対して差し出ることができる。図7は本願の一実施例における搬送装置が貨物を引っ張る時の構造を示す概略図であり、図7に示すように、仮置き台320が固定アーム311に対して差し出る場合、仮置き台320の自由端321は固定アーム311から突出可能である。図4は本願の一実施例における搬送装置の可動アームが引っ込んでいる状態にある時の構造を示す概略図であり、別の実施例では、図3及び図4に示すように、スライドアセンブリ330はばね331、ガイドロッド332及びスライダー333を備え、ガイドロッド332は固定アーム311に固定され、ばね331及びスライダー333のいずれもガイドロッド332に嵌設され、仮置き台320はスライダー333に接続され、仮置き台320及びスライダー333は、ばね331の弾性作用によってガイドロッド332に沿ってスライドすることができる。更に、ガイドロッド332には、仮置き台320及びスライダー333がガイドロッド332から滑り落ちることを防ぐためのストッパ334が設けられる。
【0025】
説明すべきは、本願はスライドアセンブリ330におけるガイドロッド332、スライダー333及びばね331の数を制限せず、図3及び図4に示す実施例では、ガイドロッド332は2本あり、スライダー333は4つあり、ばね331は2つある点である。なお、他の実施例では、ガイドロッド332は1本又は他の数としてもよく、スライダー333は1つ又は他の数としてもよく、ばね331は1つ又は他の数としてもよいことが理解される。
【0026】
一実施例において、図2に示すように、プッシャアセンブリ340は第2アーム315に取り付けられ、プッシャアセンブリ340は固定プッシャ342、可動プッシャ341及びプッシャ駆動部材343を備え、可動プッシャ341は第2アーム315の先端316に取り付けられる。ここの先端316は、可動アーム312が対称軸線S1に沿って固定アーム311に対して差し出る時の、固定アーム311から最も遠い一端であることが理解される。固定プッシャ342は第2アーム315の可動プッシャ341から離れた一端に取り付けられ、プッシャ駆動部材343は可動プッシャ341に接続され、第2アーム315に対して折り畳んだり展開したりするように可動プッシャ341を駆動するために使用される。図2に示すように、可動プッシャ341が第2アーム315に対して展開される場合、可動プッシャ341は対称軸線S1に近い方向に向かって第2アーム315から突出する。図3に示すように、可動プッシャ341が第2アーム315に対して折り畳まれる場合、可動プッシャ341は実質的に第2アーム315に重なり合う。一具体例では、プッシャ駆動部材343はプッシャモータであり、可動プッシャ341はプッシャモータによって直接駆動され、プッシャモータは、可動プッシャ341が第2アーム315に対して展開されたり折り畳まれたりするよう、可動プッシャ341を駆動して第2アーム315に対して回転させるために使用される。実際の状況によって、他の実施例では、可動プッシャ341の動作方式は回転に限定されず、例えば、可動プッシャ341は、第2アーム315から差し出るか、又は第2アーム315内に引っ込むように動作できることが理解される。
【0027】
一実施例において、図3及び図4に示すように、第1駆動アセンブリ350は固定アーム311に設けられ、スプロケット機構351及び駆動部材352を備え、駆動部材352の出力端はスプロケット機構351の主動スプロケットに接続され、第1アーム313に接続板314が設けられ、接続板314はスプロケット機構351のリンクに固定接続される。第1駆動アセンブリ350は主動スプロケットを駆動して回転させるために使用される。第1アーム313が接続板314を介してスプロケット機構351のリンクに固定接続されるため、スプロケット機構351は、対称軸線S1に沿って固定アーム311に対して移動するように第1アーム313を接続板314によって駆動することができる。図2に示すように、仮置き台320にリブ322が設けられる。図8は本願の一実施例における搬送装置が貨物を引っ張った後に可動アームが引っ込む時の構造を示す概略図であり、図8に示すように、第1アーム313が第1駆動アセンブリの作用350によって固定アーム311に対して引っ込む時、接続板314はリブ322を押さえることができ、それにより、固定アーム311に対して引っ込むように仮置き台320を押し、仮置き台320を元の位置に押し戻すことができる。仮置き台320が元の位置に押し戻された場合、図4に示すように、ばね331は圧縮状態にあり、仮置き台320は、接続板314に止められて固定アーム311の底枠317に位置するようになる。接続板314が第1アーム313と共に第1駆動アセンブリ350の作用によって固定アーム311に対して差し出ると、図7に示すように、仮置き台320は止められなくなり、ばね331の弾性復元力の作用によって突き出され、それにより、仮置き台320の自由端321は固定アーム311から突出する。説明すべきは、仮置き台320がばね331によって突き出される方向は、可動アーム312が固定アーム311に対して差し出る方向と一致する点である。実際の状況によって、第1駆動アセンブリ350のスプロケット機構351は、プーリ機構等で置き換えてもよいことが理解される。
【0028】
また、説明すべきは、図4に示す実施例では、ばね331は圧縮ばねである点である。他の実施例では、ばね331は張力ばねであってもよいことが理解される。仮置き台320が元の位置に押し戻された場合、ばね331は伸張状態にあり、仮置き台320は、接続板314に止められて固定アーム311の底枠317に位置するようになる。接続板314が第1アーム313と共に第1駆動アセンブリ350の作用によって固定アーム311に対して差し出ると、仮置き台320は止められなくなり、ばね331の弾性復元力の作用によって突き出される。
【0029】
一実施例において、図5に示すように、第2駆動アセンブリ360は可動プーリ361及びスライドレール362を備え、可動プーリ361は第1アーム313に取り付けられ、スライドレール362の中央部はスライドレール362の両端が対向して設けられるように湾曲して設けられ、スライドレール362の中央部は可動プーリ361に嵌設され、スライドレール362の一端が固定アーム311に固定接続され、他端が第2アーム315に固定接続され、可動プーリ361とスライドレール362は可動プーリ構造を形成する。第1アーム313が第1速度で固定アーム311に対して移動する場合、第2アーム315は第2速度で固定アーム311に対して移動し、第2速度は第1速度の2倍である。可動プーリ機構を設けることで、第2アーム315の差し出る又は引っ込む速度を速くし、フォークによる貨物の出し入れ効率を高めることができる。一具体例では、可動プーリ361は平ベルトプーリであり、スライドレール362は開ループ平ベルトである。他の実施例では、可動プーリ361はスプロケットであってもよく、スライドレール362はリンクチェーンであってもよいことが理解される。
【0030】
図1に示すように、搬送装置200が初期状態にある場合、仮置き台320の自由端321は保管棚120に向かっており、搬送用ロボットが固定棚400上での荷箱を保管棚120の棚板121に搬送するには、以下の幾つかのステップが必要である。第1ステップでは、搬送装置200は昇降アセンブリの作用によって保管棚120に対して昇降され、それにより、フォーク300の対称軸線S1は固定棚400上での荷箱と同じ高さに位置するようになる。第2ステップでは、図6に示すように、フォーク300は回転アセンブリ210の作用によって回転され、それにより、荷箱はフォーク300の対称軸線S1上に位置し、且つ仮置き台320の自由端321は固定棚400上での荷箱に向かっているようになる。説明すべきは、図1及び図6に示す実施例では、固定棚400上での荷箱が図示されていない点である。第3ステップでは、図7に示すように、可動アーム312は駆動アセンブリの作用によって対称軸線S1に沿って固定アーム311に対して差し出て、それと同時に、仮置き台320は接続板314に止められなくなり、更にばね331の弾性復元力の作用によって突き出され、それにより、仮置き台320の自由端321は固定アーム311から突出し、仮置き台320の自由端321は固定棚400により近くなる。また、第3ステップでは、第2アーム315の先端316に取り付けられた可動プッシャ341は、第2アーム315に対して折り畳まれ、第2アーム315の先端316は、荷箱から仮置き台320の一側に向かって、荷箱の仮置き台320から離れた一側に移動する。第4ステップでは、可動プッシャ341は、プッシャ駆動部材343の作用によって第2アーム315に対して展開され、その後、可動アーム312は、駆動アセンブリの作用によって対称軸線S1に沿って固定アーム311に対して引っ込み、それにより、可動プッシャ341は荷箱を仮置き台320に引っ張ることができる。図8に示すように、可動アーム312が一定程度に引っ込むと、第1アーム313における接続板314は仮置き台320におけるリブ322に突き当てられ、第2アーム315は、駆動アセンブリの作用によって対称軸線S1に沿って固定アーム311に対して継続して引っ込み、仮置き台320も対称軸線S1に沿って固定アーム311に対して引っ込むように仮置き台320を押し、それにより、仮置き台320を元の位置に押し戻す。
【0031】
図9は本願の一実施例における搬送装置が保管棚に向いた時の構造を示す概略図であり、第5ステップでは、図9に示すように、フォーク300は回転アセンブリ210の作用によって回転され、それにより、仮置き台320の自由端321は保管棚120における棚板121に向かっているようになる。第6ステップでは、搬送装置200は、昇降アセンブリの作用によって保管棚120に対して昇降され、それにより、フォーク300の対称軸線S1は保管棚120における空き棚板121と同じ高さに位置するようになる。図10は本願の一実施例における搬送装置が仮置き台上での貨物を保管棚に向かって押し出す時の構造を示す概略図であり、第7ステップでは、図10に示すように、可動アーム312は、駆動アセンブリの作用によって対称軸線S1に沿って固定アーム311に対して差し出て、それと同時に、仮置き台320は第1アーム313に止められなくなり、更にばね331の弾性復元力の作用によって突き出され、それにより、仮置き台320の自由端321は固定アーム311から突出し、仮置き台320は保管棚120における棚板121により近くなる。可動アーム312の差し出る動作中に、荷箱は、固定プッシャ342によって保管棚120の空き棚板121に押される。また、第7ステップでは、第2アーム315の先端316に取り付けられた可動プッシャ341は、第2アーム315に対して折り畳まれてもよく、又は第2アーム315に対して展開されてもよいが、本実施例では、可動プッシャ341は、第2アーム315に対して展開され、展開された可動プッシャ341は、荷箱が棚板121の他端から落ちることを防ぐことができる。第8ステップでは、可動プッシャ341は、プッシャ駆動部材343の作用によって第2アーム315に対して折り畳まれ(別の実施例では、このステップは、第5ステップ、第6ステップ又は第7ステップにおいて実行されてもよい。第7ステップで、可動プッシャ341が既に第2アーム315に対して折り畳まれている場合、第8ステップでは、このステップを省略しても可)、可動アーム312は、駆動アセンブリの作用によって対称軸線S1に沿って固定アーム311に対して引っ込み、可動アーム312が一定程度に引っ込むと、第1アーム313における接続板314は、仮置き台320におけるリブ322に突き当てられ、可動アーム312は、駆動アセンブリの作用によって対称軸線S1に沿って固定アーム311に対して継続して引っ込み、仮置き台320も対称軸線S1に沿って固定アーム311に対して引っ込むように仮置き台320を押し、それにより、仮置き台320を元の位置に押し戻す。
【0032】
本願の搬送用ロボットは更に、保管棚120の棚板121上での荷箱を固定棚400に搬送できることが理解される。このプロセスは上述したプロセスと逆であり、ここで説明を省略する。
【0033】
本願のフォーク及び搬送用ロボットにおいて、搬送装置の固定アームと仮置き台との間にスライドアセンブリが設けられることで、スライドアセンブリは、固定アームに対して差し出るように仮置き台を押すことができ、仮置き台の差し出る方向は可動アームの差し出る方向と一致し、それにより、本願のフォークは、貨物を引っ張る或いは押し出す時、荷箱が、移送中に落下することなく固定棚と仮置き台との間で安定して移送可能になる。
【0034】
上述した実施例の各技術的特徴は、任意に組み合わせることができる。説明を簡潔にするために、上記実施例における各技術的特徴の全ての可能な組み合わせを記載していないが、これらの技術的特徴の組み合わせは矛盾しない限り、本明細書に記載の範囲内であると見なされるべきである。
【0035】
上述した実施例は、本願の幾つかの実施形態を示したものに過ぎない。その記述が比較的具体的且つ詳細であるが、実用新案の範囲を制限するものと理解してはならない。指摘すべきは、当業者であれば、本願の思想から逸脱することなく、幾つかの変形及び改良を更に行うことができ、これらは全て本願の保護範囲に属する点である。従って、本願の特許の保護範囲は添付の請求項に準ずるものとする。
【0036】
本願は、2019年09月17日に中国特許局に提出された、出願番号201921546485.9、出願の名称「フォーク及び搬送用ロボット」の中国特許出願の優先権を主張し、その全てが参照によって本願に組み込まれる。
【符号の説明】
【0037】
100 : ロボット本体
110 : 移動底盤
120 : 保管棚
121 : 棚板
200 : 搬送装置
210 : 回転アセンブリ
220 : フォークホルダ
300 : フォーク
311 : 固定アーム
317 : 底枠
318 : 側壁
312 : 可動アーム
313 : 第1アーム
314 : 接続板
315 : 第2アーム
316 : 先端
320 : 仮置き台
321 : 自由端
322 : リブ
330 : スライドアセンブリ
331 : ばね
332 : ガイドロッド
333 : スライダー
334 : ストッパ
340 : プッシャアセンブリ
341 : 可動プッシャ
342 : 固定プッシャ
343 : プッシャ駆動部材
350 : 第1駆動アセンブリ
351 : スプロケット機構
352 : 駆動部材
360 : 第2駆動アセンブリ
361 : 可動プーリ
362 : スライドレール
400 : 固定棚
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10