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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/50 20240101AFI20240927BHJP
【FI】
G06Q50/50
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023166773
(22)【出願日】2023-09-28
【審査請求日】2024-07-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】柳 良樹
【審査官】山口 大志
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-67462(JP,A)
【文献】特開2022-80174(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信事業者が管理する電話番号の使用を希望するユーザと前記通信事業者との契約の締結の要求である契約締結要求を受け付ける受付部と、
前記受付部が前記契約締結要求を受け付けると、前記電話番号が対応付けられたトークンを記憶するブロックチェーンに記録されている前記トークンに関連付けられる保有者の識別情報を、前記ユーザを識別するためのユーザ識別情報に変更する変更部と、
前記変更部が前記保有者の識別情報を前記ユーザ識別情報に変更したことに応じて、前記ユーザ識別情報に関連付けられている前記トークンに対して予め規定されている前記契約に係る処理を行うプログラムを実行する実行部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記通信事業者から、前記通信事業者が管理する電話番号に対応するトークンの発行要求を受け付けたことに応じて、前記電話番号が対応付けられたトークンを前記ブロックチェーンに発行させる発行部を有する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記発行部は、前記通信事業者から、前記通信事業者が管理する電話番号に対応する前記契約に係る業務を代理する代理店の指定を受け付けると、当該電話番号が対応付けられたトークンに、保有者の識別情報として前記代理店に対応する識別情報の関連付けを行い、
前記受付部は、前記代理店の端末から前記契約締結要求と、前記ユーザに割り当てる電話番号の選択とを受け付け、
前記変更部は、前記受付部が選択を受け付けた前記電話番号が対応付けられたトークンに関連付けられる保有者の識別情報を、前記代理店の識別情報から前記ユーザ識別情報に変更する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記契約に係る前記代理店の前記ユーザへの応対を示す応対情報を取得して記憶部に記憶させ、前記記憶部に記憶されている前記応対情報にアクセスするためのアクセス用情報を、前記ユーザ識別情報に関連付けられている前記トークンに関連付ける登録部を有する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記受付部が前記契約締結要求を受け付けると、前記通信事業者が前記ユーザに割り当てる電話番号を関連付けたトークンを前記ブロックチェーンに発行させる発行部を有する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記受付部は、前記通信事業者と異なる他の通信事業者が前記ユーザに割り当てている電話番号を含む要求であって、当該電話番号の割当元を前記他の通信事業者から前記通信事業者に変更する変更契約に関する前記契約締結要求を受け付け、
前記発行部は、前記受付部が前記変更契約に関する前記契約締結要求を受け付けると、前記要求に含まれる電話番号が対応付けられたトークンを前記ブロックチェーンに発行させる、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記契約締結要求は、前記電話番号の割当元の変更を要求するユーザを特定するための特定用情報を含み、
前記発行部は、前記受付部が前記変更契約に関する前記契約締結要求を受け付けると、電話番号の割当元の変更を要求するユーザに対応する前記特定用情報のリストを参照し、前記契約締結要求に含まれる前記特定用情報が前記リストに含まれていることを条件として前記要求に含まれる電話番号が対応付けられたトークンを前記ブロックチェーンに発行させる、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記変更部は、前記トークンの保有者の識別情報を前記ユーザのユーザ識別情報に変更したことに応じて、前記トークンの移転を禁止とする情報を前記トークンに関連付ける、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記受付部は、前記契約締結要求を受け付けるとともに、前記契約の締結に必要とされる前記ユーザの個人情報を受け付け、
前記変更部は、前記ユーザの個人情報に基づいて前記ユーザが前記通信事業者と前記契約の締結が可能であるか否かを判定し、前記契約の締結が可能であると判定したことを条件として、前記トークンに関連付けられる保有者の識別情報を、前記ユーザを識別するためのユーザ識別情報に変更する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記ユーザと前記通信事業者との前記契約の締結が完了すると、前記契約を示す契約情報を記憶部に記憶させ、前記記憶部に記憶されている前記契約情報にアクセスするためのアクセス用情報を、前記ユーザのユーザ識別情報に関連付けられている前記トークンに関連付ける登録部をさらに有する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記変更部は、前記ブロックチェーンを参照し、前記トークンの移転履歴を特定し、前記移転履歴に基づいて、現時点における前記トークンの保有者が適切であるか否かを判定し、前記トークンの保有者が適切であると判定すると、当該トークンに関連付けられる保有者の識別情報を、前記ユーザを識別するためのユーザ識別情報に変更する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項12】
コンピュータが実行する、
通信事業者が管理する電話番号の使用を希望するユーザと前記通信事業者との契約の締結の要求である契約締結要求を受け付けるステップと、
前記契約締結要求を受け付けると、前記電話番号が対応付けられたトークンを記憶するブロックチェーンに記録されている前記トークンに関連付けられる保有者の識別情報を、前記ユーザを識別するためのユーザ識別情報に変更するステップと、
前記保有者の識別情報を前記ユーザ識別情報に変更したことに応じて、前記ユーザ識別情報に関連付けられている前記トークンに対して予め規定されている前記契約に係る処理を行うプログラムを実行するステップと、
を有する情報処理方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザが、通信事業者が管理する電話番号を使用するにあたり、ユーザと通信事業者との間で電話番号を用いた通信サービスに係る契約である通信契約が締結されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-114748号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通信契約の締結に係る業務は、通信事業者が直営する直営店や、通信事業者から業務委託された代理店において行われることがある。直営店及び代理店は、ユーザと通信事業者との間で通信契約を締結させるにあたり、ユーザから受け付けた個人情報等の契約に必要な情報を通信事業者に提供したり、通信事業者から契約の締結の許否に係る情報を受け付けたりするといった各種の作業を行う必要があり、契約に係る業務が煩雑であった。これにより、ユーザが通信事業者との間での契約の締結を要求してから、当該契約が締結されるまで時間が掛かるという問題が発生していた。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、ユーザが通信事業者との契約の締結を要求してから、当該契約が締結されるまでの時間を短縮することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る情報処理装置は、通信事業者が管理する電話番号の使用を希望するユーザと前記通信事業者との契約の締結の要求である契約締結要求を受け付ける受付部と、前記受付部が前記契約締結要求を受け付けると、前記電話番号が対応付けられたトークンを記憶するブロックチェーンに記録されている前記トークンに関連付けられる保有者の識別情報を、前記ユーザを識別するためのユーザ識別情報に変更する変更部と、前記変更部が前記保有者の識別情報を前記ユーザ識別情報に変更したことに応じて、前記ユーザ識別情報に関連付けられている前記トークンに対して予め規定されている前記契約に係る処理を行うプログラムを実行する実行部と、を有する。
【0007】
前記情報処理装置は、前記通信事業者から、前記通信事業者が管理する電話番号に対応するトークンの発行要求を受け付けたことに応じて、前記電話番号が対応付けられたトークンを前記ブロックチェーンに発行させる発行部を有してもよい。
【0008】
前記発行部は、前記通信事業者から、前記通信事業者が管理する電話番号に対応する前記契約に係る業務を代理する代理店の指定を受け付けると、当該電話番号が対応付けられたトークンに、保有者の識別情報として前記代理店に対応する識別情報の関連付けを行い、前記受付部は、前記代理店の端末から前記契約締結要求と、前記ユーザに割り当てる電話番号の選択とを受け付け、前記変更部は、前記受付部が選択を受け付けた前記電話番号が対応付けられたトークンに関連付けられる保有者の識別情報を、前記代理店の識別情報から前記ユーザ識別情報に変更してもよい。
【0009】
前記情報処理装置は、前記契約に係る前記代理店の前記ユーザへの応対を示す応対情報を取得して記憶部に記憶させ、前記記憶部に記憶されている前記応対情報にアクセスするためのアクセス用情報を、前記ユーザ識別情報に関連付けられている前記トークンに関連付ける登録部を有してもよい。
【0010】
前記情報処理装置は、前記受付部が前記契約締結要求を受け付けると、前記通信事業者が前記ユーザに割り当てる電話番号を関連付けたトークンを前記ブロックチェーンに発行させる発行部を有してもよい。
【0011】
前記受付部は、前記通信事業者と異なる他の通信事業者が前記ユーザに割り当てている電話番号を含む要求であって、当該電話番号の割当元を前記他の通信事業者から前記通信事業者に変更する変更契約に関する前記契約締結要求を受け付け、前記発行部は、前記受付部が前記変更契約に関する前記契約締結要求を受け付けると、前記要求に含まれる電話番号が対応付けられたトークンを前記ブロックチェーンに発行させてもよい。
【0012】
前記契約締結要求は、前記電話番号の割当元の変更を要求するユーザを特定するための特定用情報を含み、前記発行部は、前記受付部が前記変更契約に関する前記契約締結要求を受け付けると、電話番号の割当元の変更を要求するユーザに対応する前記特定用情報のリストを参照し、前記契約締結要求に含まれる前記特定用情報が前記リストに含まれていることを条件として前記要求に含まれる電話番号が対応付けられたトークンを前記ブロックチェーンに発行させてもよい。
【0013】
前記変更部は、前記トークンの保有者の識別情報を前記ユーザのユーザ識別情報に変更したことに応じて、前記トークンの移転を禁止とする情報を前記トークンに関連付けてもよい。
【0014】
前記受付部は、前記契約締結要求を受け付けるとともに、前記契約の締結に必要とされる前記ユーザの個人情報を受け付け、前記変更部は、前記ユーザの個人情報に基づいて前記ユーザが前記通信事業者と前記契約の締結が可能であるか否かを判定し、前記契約の締結が可能であると判定したことを条件として、前記トークンに関連付けられる保有者の識別情報を、前記ユーザを識別するためのユーザ識別情報に変更してもよい。
【0015】
前記情報処理装置は、前記ユーザと前記通信事業者との前記契約の締結が完了すると、前記契約を示す契約情報を記憶部に記憶させ、前記記憶部に記憶されている前記契約情報にアクセスするためのアクセス用情報を、前記ユーザのユーザ識別情報に関連付けられている前記トークンに関連付ける登録部をさらに有してもよい。
【0016】
前記変更部は、前記ブロックチェーンを参照し、前記トークンの移転履歴を特定し、前記移転履歴に基づいて、現時点における前記トークンの保有者が適切であるか否かを判定し、前記トークンの保有者が適切であると判定すると、当該トークンに関連付けられる保有者の識別情報を、前記ユーザを識別するためのユーザ識別情報に変更してもよい。
【0017】
本発明の第2の態様に係る情報処理方法は、コンピュータが実行する、通信事業者が管理する電話番号の使用を希望するユーザと前記通信事業者との契約の締結の要求である契約締結要求を受け付けるステップと、前記契約締結要求を受け付けると、前記電話番号が対応付けられたトークンを記憶するブロックチェーンに記録されている前記トークンに関連付けられる保有者の識別情報を、前記ユーザを識別するためのユーザ識別情報に変更するステップと、前記保有者の識別情報を前記ユーザ識別情報に変更したことに応じて、前記ユーザ識別情報に関連付けられている前記トークンに対して予め規定されている前記契約に係る処理を行うプログラムを実行するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ユーザが通信事業者との契約の締結を要求してから、当該契約が締結されるまでの時間を短縮することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】情報処理装置の概要を示す図である。
図2】情報処理装置の機能構成を示す図である。
図3】電話番号トークンのデータ構造の一例を示す図である。
図4】情報処理装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[情報処理装置1の概要]
図1は、情報処理装置1の概要を示す図である。情報処理装置1は、例えば、所定の通信事業者が管理する電話番号の使用を希望するユーザと、所定の通信事業者とが、所定の通信事業者が提供する通信サービスに係る契約を締結するために用いられるサーバである。ここで、通信サービスに係る契約は、例えばSIM(Subscriber Identity Modul)契約であり、所定の通信事業者からユーザに割り当てられた電話番号に紐づけられた携帯端末を用いた、所定の通信事業者が提供する通信サービスの利用に係る契約である。以下、通信サービスに係る契約を単に契約ともいう。また、以下の説明において、所定の通信事業者を単に通信事業者ともいう。
【0021】
情報処理装置1は、通信事業者が用いる事業者端末2と、通信事業者が管理する電話番号の使用を希望するユーザが使用する申込端末3とに通信可能に接続されている。また、情報処理装置1は、所定のブロックチェーンに通信可能に接続されている。所定のブロックチェーンは、通信事業者と、通信事業者の業務委託を受けてユーザに対して電話番号の割当を行う代理店とが参照可能なプライベートブロックチェーンであるものとする。以下の説明において、所定のブロックチェーンを、単にブロックチェーンともいう。
【0022】
ブロックチェーン上に記憶される情報は、例えば、通信事業者が管理する電話番号の保有者を示す電話番号トークンを含む。電話番号トークンは、例えば、ブロックチェーンによって、保有者を識別するための識別情報(ID:Identifier)と関連付けて記憶される。ブロックチェーンは複数のデータのブロックを含み、各ブロックは電話番号トークンの保有者が移転されたことを示す一又は複数のトランザクションを含む。ブロックチェーン内の各ブロックには所定の規則で生成されたハッシュ値が含まれており、ブロック間のハッシュ値の整合性を確認することによりブロックチェーン全体の正しさが担保される。なお、以下の説明において、電話番号トークンを、単にトークンともいう。
【0023】
情報処理装置1は、通信事業者が使用する事業者端末2から、通信事業者が管理する電話番号に対応するトークンの発行要求を受け付ける(図1における(1))。トークンの発行要求には電話番号が含まれており、情報処理装置1は、トークンの発行要求を受け付けると、当該発行要求に含まれている電話番号が対応付けられたトークンをブロックチェーンに発行させる発行処理を行う(図1における(2))。
【0024】
ここで、発行されたトークンの初期の保有者は通信事業者であり、トークンには、保有者を識別する識別情報として、通信事業者を示す識別情報である事業者IDが関連付けられている。また、トークンには、予め規定されている、通信事業者とユーザとの契約に係る処理を実行するプログラムであるスマートコントラクトが関連付けられている。
【0025】
情報処理装置1は、例えば、申込端末3から、通信事業者が管理する電話番号を用いた通信サービスに係る契約の締結の要求である契約締結要求を受け付ける(図1における(3))。情報処理装置1は、契約締結要求を受け付けると、ブロックチェーンにおいて、当該契約締結要求に対応する電話番号が対応付けられたトークンに関連付けられる保有者の識別情報を、当該ユーザを識別するためのユーザ識別情報としてのユーザIDに変更するための保有者変更処理を実行する(図1における(4))。
【0026】
情報処理装置1は、契約締結要求に対応する電話番号が対応付けられたトークンの保有者の識別情報をユーザのユーザIDに変更したことに応じて、当該トークンに対して関連付けられているスマートコントラクトをブロックチェーンに実行させることにより、ユーザと通信事業者との契約に係る処理を進める(図1における(5))。このように、契約締結要求を受け付けてから、契約に係る処理が一連の処理として実行される。これにより、情報処理装置1は、ユーザが通信事業者との契約の締結を要求してから、当該契約が締結されるまでの時間を短縮することができる。
【0027】
[情報処理装置1の機能構成]
続いて、情報処理装置1の構成の詳細を説明する。図2は、情報処理装置1の機能構成を示す図である。情報処理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを有する。
【0028】
通信部11は、インターネット等のネットワークを介して事業者端末2及び申込端末3とデータを送受信するための通信インターフェースである。
記憶部12は、各種のデータを記憶する記憶媒体であり、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及びハードディスク等を有する。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶する。記憶部12は、制御部13を、発行部131、受付部132、変更部133、登録部134、及び実行部135として機能させるプログラムを記憶する。
【0029】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、発行部131、受付部132、変更部133、登録部134、及び実行部135として機能する。
【0030】
発行部131は、通信事業者が使用する事業者端末2から、通信事業者が管理する電話番号に対応する電話番号トークンの発行要求を受け付けたことに応じて、電話番号が対応付けられた電話番号トークンをブロックチェーンに発行させる。
【0031】
ここで、電話番号トークンの構成について説明する。図3は、電話番号トークンのデータ構造の一例を示す図である。図3に示す電話番号トークンにおいては、トークンIDと、電話番号と、保有者の識別情報と、移転禁止フラグと、応対情報URI(Universal Resource Identifier)と、契約情報URIと、スマートコントラクトと、が関連付けられている。
【0032】
保有者の識別情報には、電話番号を管理する通信事業者の事業者ID、当該電話番号をユーザに割り当てる業務を通信事業者に代わって行う代理店の事業者ID、又は電話番号を使用するユーザを識別するためのユーザIDが格納される。移転禁止フラグは、トークンの保有者の移転を禁止させるか否かを示す情報であり、移転が禁止されていないことを示す値である「0」又は移転が禁止されていることを示す値である「1」が格納される。移転禁止フラグの初期値は「0」であり、初期段階ではトークンの保有者の移転が禁止されていないものとする。応対情報URIは、契約に係る説明を代理店がユーザに対して行ったときの代理店の応対を示す応対情報にアクセスするためのアクセス用情報である。
【0033】
スマートコントラクトは、トークンの保有者の識別情報が変更されたことを契機として実行される。具体的には、スマートコントラクトは、トークンの保有者の識別情報が、予め定められている通信事業者の事業者ID及び代理店の事業者IDとは異なる、ユーザのユーザIDに変更されたと判定すると、ユーザと通信事業者との契約に係る一連の処理を実行する。一連の処理は、例えば、契約に関するユーザの個人情報を証明する証明情報を申込端末3から受け付ける処理、ユーザの個人情報、証明情報、及び代理店に関する代理店情報を含む契約締結に関する情報を事業者端末2に送信する処理、事業者端末2から契約締結の承認を受け付ける処理、及び、事業者端末2から契約に関する契約情報を受信する処理である。
【0034】
また、発行部131は、通信事業者が、自身が管理する複数の電話番号のうち、少なくとも一部の電話番号のユーザへの割当に係る業務を代理店に委託する場合、事業者端末2から、当該一部の電話番号と、委託先の代理店との指定を受け付ける。例えば、発行部131は、事業者端末2から、当該一部の電話番号に対応するトークンの保有者を、通信事業者から代理店に変更する要求を受け付けることにより、当該一部の電話番号と当該代理店との指定を受け付ける。
【0035】
発行部131は、ブロックチェーンに、指定された電話番号が対応付けられたトークンの保有者の識別情報を、通信事業者の事業者IDから代理店の事業者IDに変更させることにより、指定された電話番号が対応付けられたトークンに、保有者の識別情報として代理店に対応する事業者IDの関連付けを行う。
【0036】
受付部132は、通信事業者が管理する電話番号の使用を希望するユーザと通信事業者との契約の締結の要求である契約締結要求を受け付ける。例えば、契約締結要求は、代理店の実店舗内で行われる。まず、実店舗において、ユーザが新たに電話番号の使用を要求することを代理店の店員に伝え、店員がユーザに対して契約の説明等の応対を行う。
【0037】
その後、代理店の店員、又は、代理店の店員からの説明を受けたユーザが、代理店に設けられている代理店の端末である申込端末3を操作することにより、ユーザが選択可能な電話番号のリストの取得を要求する。受付部132は、申込端末3から、電話番号のリストの取得を要求するリスト取得要求を受け付ける。受付部132は、リスト取得要求を受け付けると、ブロックチェーンにおいて発行されているトークンの中から、代理店の事業者IDが保有者の識別情報として関連付けられているトークンを特定し、特定したトークンに関連付けられている電話番号を含む電話番号リストを生成する。受付部132は、生成した電話番号リストを申込端末3に送信することにより、当該電話番号リストを申込端末3に表示させ、電話番号の選択を受け付ける。
【0038】
なお、受付部132は、代理店に設けられている申込端末3から、契約締結要求を受け付けることとしたが、これに限らない。例えば、インターネットやメタバース等の仮想空間上に仮想店舗やオンラインの窓口が設けられていてもよい。この場合、ユーザが使用するパーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォン等のユーザ端末が当該仮想店舗やオンラインの窓口を示すページを表示させ、申込端末3として機能してもよい。そして、受付部132は、申込端末3としてのユーザ端末から契約締結要求を受け付けてもよい。
【0039】
受付部132は、代理店の端末である申込端末3から、契約締結要求を受け付けるとともに、電話番号リストに表示されている一以上の電話番号の中から、ユーザに割り当てる電話番号の選択と、契約の締結に必要とされるユーザの個人情報とを受け付ける。ここで、ユーザの個人情報は、例えばユーザの氏名、生年月日、性別、職業である。また、契約締結要求には、ユーザを識別するためのユーザIDが含まれているものとする。ここで、ユーザが通信事業者にとって新規の顧客である場合、ユーザに対してユーザIDが新たに発行されるものとする。
【0040】
変更部133は、受付部132が契約締結要求を受け付けると、電話番号が対応付けられたトークンを記憶するブロックチェーンに記録されている、選択された電話番号に対応するトークンに関連付けられる保有者の識別情報を、ユーザを識別するためのユーザIDに変更する。
【0041】
具体的には、まず、変更部133は、受付部132が契約締結要求を受け付けると、ブロックチェーンを参照し、選択された電話番号が関連付けられているトークンの移転履歴を特定する。そして、変更部133は、特定した移転履歴に基づいて、現時点におけるトークンの保有者が適切であるか否かを判定する。例えば、トークンの保有者を代理店から他の代理店に変更したり、ユーザから代理店に変更したりすることが禁止されているものとする。変更部133は、移転履歴に基づいて当該トークンの保有者が複数の代理店間で変更されているか否か、及びユーザから代理店に変更されているか否かを判定することにより、現時点におけるトークンの保有者が適切であるか否かを判定する。
【0042】
また、変更部133は、契約締結要求とともに受け付けたユーザの個人情報に基づいて当該ユーザが通信事業者と契約の締結が可能であるか否かを判定する。例えば、変更部133は、契約締結要求とともに受け付けたユーザの個人情報に含まれている生年月日に基づいて、当該ユーザが通信事業者と契約の締結が可能であるか否かを判定する。また、変更部133は、選択された電話番号が関連付けられているトークンの移転禁止フラグが、移転が禁止されていないことを示す値であるか否かを判定する。
【0043】
変更部133は、現時点におけるトークンの保有者が適切であると判定し、ユーザが通信事業者と契約の締結が可能であると判定し、移転禁止フラグの値が、移転が禁止されていないことを示す値であると判定したことを条件として、選択された電話番号に対応付けられているトークンに関連付けられる保有者の識別情報を、代理店の事業者IDから、ユーザのユーザIDに変更する。
【0044】
例えば、変更部133は、選択された電話番号が対応付けられたトークンの保有者の識別情報を、代理店の事業者IDからユーザIDに変更させる変更指示をブロックチェーンに送信する。ブロックチェーンは、情報処理装置1が送信した変更指示に従って、選択された電話番号が対応付けられたトークンの保有者の識別情報をユーザIDに変更するとともに、当該保有者の識別情報が変更されたことを示す情報を記憶する。
【0045】
また、変更部133は、トークンの保有者の識別情報をユーザのユーザIDに変更したことに応じて、トークンの移転を禁止とする情報をトークンに関連付ける。具体的には、変更部133は、選択された電話番号が対応付けられたトークンの移転禁止フラグの値を、移転を禁止することを示す値である「1」に変更させる変更指示をブロックチェーンに送信する。ブロックチェーンは、情報処理装置1が送信した変更指示に従って、当該トークンに関連付けられている移転禁止フラグの値を変更する。このようにすることで、情報処理装置1は、ユーザ間、又はユーザと代理店との間で、電話番号に対応するトークンが不正に移転されることを防止することができる。
【0046】
登録部134は、契約に係る代理店のユーザへの応対を示す応対情報を取得して記憶部12に記憶させる。例えば、応対情報は、代理店における店員がユーザに対して契約内容を説明しているときの店員とユーザとの音声を示す音声情報及び動画を示す動画情報であり、申込端末3において収集される。なお、受付部132が、メタバース上の仮想店舗又はオンライン窓口を介して契約締結要求を受け付ける場合には、応対情報には、仮想店舗又はオンライン窓口においてユーザとの応対を行うアバターと当該ユーザとのチャット履歴も含まれてもよく、当該応対情報が申込端末3において収集されてもよい。登録部134は、受付部132が契約締結要求を受け付けると、申込端末3から、応対情報を取得し、取得した応対情報を記憶部12に記憶させる。そして、登録部134は、記憶部12に記憶されている応対情報にアクセスするためのアクセス用情報を、選択された電話番号に対応付けられているトークンに関連付ける。
【0047】
例えば、登録部134は、選択された電話番号が対応付けられたトークンの応対情報URIの値を、記憶部12に記憶されている応対情報を示すURIに変更する変更指示をブロックチェーンに送信する。ブロックチェーンは、情報処理装置1が送信した変更指示に従って、当該トークンに関連付けられている応対情報URIの値を、記憶部12に記憶されている応対情報を示すURIに変更する。
【0048】
実行部135は、変更部133が保有者の識別情報を、電話番号の使用を希望するユーザのユーザIDに変更したことに応じて、当該ユーザIDに関連付けられているトークンに対して予め規定されている契約に係る処理を行うプログラムを実行する。
【0049】
例えば、実行部135は、選択された電話番号に対応するトークンの保有者の識別情報が変更されたことに応じて、スマートコントラクトをブロックチェーンに実行させる。スマートコントラクトが実行されると、まず、トークンの保有者の識別情報が、予め定められている通信事業者の事業者ID及び代理店の事業者IDとは異なる、電話番号を使用するユーザのユーザIDに変更されたか否かが判定される。
【0050】
そして、トークンの保有者の識別情報が、電話番号を使用するユーザのユーザIDに変更されたと判定されると、契約に関するユーザの個人情報を証明する証明情報を受け付ける処理、受け付けたユーザの個人情報、証明情報、及び代理店に関する代理店情報を含む、契約締結に関する情報を通信事業者が使用する事業者端末2に送信する処理、事業者端末2から契約締結の承認を受け付ける処理、及び事業者端末2から契約に関する契約情報を受け付け、当該契約情報を情報処理装置1に送信する処理が一連の処理として実行される。このように、契約に係る一連の処理が実行されることにより、ユーザが通信事業者との契約の締結を要求してから、当該契約が締結されるまでの時間を短縮することができる。
【0051】
登録部134は、ユーザと通信事業者との契約の締結が完了すると、事業者端末2から送信されたユーザと通信事業者との契約を示す契約情報を記憶部12に記憶させる。契約情報には、例えば、通信サービスのプランの他、ユーザの個人情報、証明書情報等の契約の締結に使用された各種の情報が含まれる。登録部134は、記憶部12に記憶されている契約情報にアクセスするためのアクセス用情報としてのURIを、ユーザのユーザIDに関連付けられているトークンに関連付ける。
【0052】
例えば、登録部134は、ユーザのユーザIDに関連付けられているトークンの契約情報URIの値を、記憶部12に記憶されている契約情報を示すURIに変更する変更指示をブロックチェーンに送信する。ブロックチェーンは、情報処理装置1が送信した変更指示に従って、当該トークンに関連付けられている契約情報URIの値を、記憶部12に記憶されている契約情報を示すURIに変更する。
【0053】
なお、上述の説明では、ユーザが電話番号リストに含まれている電話番号を選択したときの契約締結に係る処理の流れについて説明した。これに対し、ユーザが他の通信事業者において使用している電話番号を用いて、所定の通信事業者が提供する通信サービスの利用を申し込むナンバーポータビリティ制度を利用して、所定の通信事業者が提供する通信サービスに係る契約を要求する場合がある。以下、ナンバーポータビリティ制度を利用するユーザから、契約締結要求を受け付ける場合の処理について説明する。
【0054】
受付部132は、所定の通信事業者と異なる他の通信事業者がユーザに割り当てている電話番号と、当該電話番号の割当元の通信事業者の変更を要求する当該ユーザを特定するための特定用情報を含む要求であって、当該電話番号の割当元を他の通信事業者から所定の通信事業者に変更する変更契約に関する契約締結要求を受け付ける。
【0055】
ここで、特定用情報は、他の通信事業者が、所定の通信事業者の系列会社であるか否かで異なる。他の通信事業者が、所定の通信事業者の系列会社である場合には、特定用情報は、所定の通信事業者及び系列会社で共有されるユーザIDである。この場合、電話番号の割当元の通信事業者を、当該系列会社としての他の通信事業者から所定の通信事業者に変更を要求するユーザのユーザIDのリストが、特定用情報のリストとして、所定の通信事業者が管理する記憶装置に記憶されているものとする。
【0056】
また、他の通信事業者が、所定の通信事業者の系列会社ではない場合には、特定用情報は、ナンバーポータビリティの予約番号である。この場合、電話番号の割当元の通信事業者を、当該系列会社と異なる他の通信事業者から所定の通信事業者に変更を要求するユーザに対応する予約番号のリストが、特定用情報のリストとして、所定の通信事業者又は当該他の通信事業者が管理する記憶装置に記憶されているものとする。
【0057】
発行部131は、受付部132が変更契約に関する契約締結要求を受け付けると、所定の通信事業者がユーザに割り当てる電話番号、すなわち、他の通信事業者から割当元が変更される電話番号を関連付けたトークンをブロックチェーンに発行させる。
【0058】
具体的には、発行部131は、受付部132が変更契約に関する契約締結要求を受け付けると、電話番号の割当元の変更を要求するユーザに対応する特定用情報のリストを参照し、契約締結要求に含まれる特定用情報がリストに含まれているか否かを判定する。そして、発行部131は、契約締結要求に含まれる特定用情報がリストに含まれていることを条件として、契約締結要求に含まれる電話番号を、所定の通信事業者がユーザに割り当てる電話番号とし、当該電話番号が対応付けられたトークンをブロックチェーンに発行させる。
【0059】
そして、変更部133は、発行されたトークンに関連付けられる保有者の識別情報を、通信事業者の事業者IDから、ユーザのユーザIDに変更する変更指示をブロックチェーンに送信する。ブロックチェーンは、情報処理装置1が送信した変更指示に従って、発行されたトークンの保有者の識別情報を通信事業者の事業者IDからユーザIDに変更するとともに、当該保有者の識別情報が変更されたことを示す情報を記憶する。
【0060】
なお、代理店がナンバーポータビリティに係る変更契約に係る業務を通信事業者に代わって行っている場合、変更部133は、発行されたトークンに関連付けられる保有者の識別情報を、通信事業者の事業者IDから、代理店の事業者IDに変更する指示をブロックチェーンに送信してもよい。そして、変更部133は、当該トークンに関連付けられる保有者の識別情報を、代理店の事業者IDからユーザのユーザIDに変更する変更指示をブロックチェーンに送信してもよい。
【0061】
実行部135は、変更部133が保有者の識別情報を、電話番号の使用を希望するユーザのユーザIDに変更したことに応じて、当該ユーザIDに関連付けられているトークンに対して予め規定されているスマートコントラクトをブロックチェーンに実行させることにより、契約に係る処理を開始させる。これにより、ナンバーポータビリティ制度を利用するユーザから契約締結要求を受け付ける場合についても、契約に係る一連の処理が実行される。
【0062】
[動作フロー]
続いて、情報処理装置1の処理の流れについて説明する。図4は、情報処理装置1における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、発行部131は、通信事業者が使用する事業者端末2から、通信事業者が管理する電話番号に対応するトークン(電話番号トークン)の発行要求を受け付けたことに応じて、電話番号が対応付けられたトークンをブロックチェーンに発行させる(S1)。
【0063】
続いて、発行部131は、事業者端末2から、トークンが発行された複数の電話番号のうち、一部の電話番号に対応するトークンの保有者を、通信事業者から代理店に変更する変更要求を受け付ける。発行部131は、変更要求を受け付けると、ブロックチェーンに、当該トークンの保有者の識別情報を、通信事業者の事業者IDから、代理店の事業者IDに変更させることにより、当該トークンの保有者を代理店に変更する(S2)。
【0064】
続いて、受付部132は、代理店に設けられている申込端末3から、電話番号のリストの取得を要求するリスト取得要求を受け付ける(S3)。受付部132は、リスト取得要求を受け付けると、代理店の事業者IDが保有者の識別情報として関連付けられているトークンに関連付けられている電話番号を含む電話番号リストを生成し、当該電話番号リストを申込端末3に送信する(S4)。申込端末3は、情報処理装置1から受信した電話番号リストを自身の表示部に表示させ、契約締結要求を受け付ける。
【0065】
続いて、受付部132は、申込端末3を介して、ユーザから契約締結要求を受け付ける(S5)。ここで、受付部132は、契約締結要求を受け付けるとともに、電話番号リストに表示されている一以上の電話番号の中から、ユーザに割り当てる電話番号の選択と、契約の締結に必要とされるユーザの個人情報とを受け付ける。
【0066】
続いて、変更部133は、受付部132が契約締結要求を受け付けると、電話番号が対応付けられたトークンを記憶するブロックチェーンに記録されている、選択された電話番号に対応するトークンに関連付けられる保有者の識別情報を、契約締結要求を行ったユーザのユーザIDに変更することにより、当該トークンの保有者を当該ユーザに変更する(S6)。
【0067】
続いて、登録部134は、契約に係る代理店のユーザへの応対を示す応対情報を記憶部12に記憶させ、当該応対情報にアクセスするための応対情報URIを、選択された電話番号に対応付けられているトークンに関連付ける(S7)。
【0068】
続いて、実行部135は、当該ユーザIDに関連付けられているトークンに対して関連付けられているスマートコントラクトをブロックチェーンに実行させることにより、契約に係る処理を実行する(S8)。
【0069】
続いて、登録部134は、ユーザと通信事業者との契約の締結が完了すると、事業者端末2から送信された契約を示す契約情報を記憶部12に記憶させ、当該契約情報にアクセスするためのアクセス用情報としての契約情報URIを、ユーザのユーザIDに関連付けられているトークンに関連付ける(S9)。
【0070】
[変形例1]
上述の実施の形態では、変更部133がトークン移転禁止フラグの値を変更し、登録部134が、ユーザが選択した電話番号に対応するトークンの応対情報URI及び契約情報URIを変更することとしたが、これに限らない。例えば、スマートコントラクトにおいて、トークンに関連付けられている保有者の識別情報がユーザIDに変更されたことに応じて、トークン移転禁止フラグの値の変更、トークンの応対情報URI及び契約情報URIを変更する処理が規定されており、スマートコントラクトが実行されることにより、トークン移転禁止フラグの値、トークンの応対情報URI及び契約情報URIが変更されるようにしてもよい。
【0071】
[変形例2]
また、上述の実施の形態では、通信事業者から電話番号のユーザへの割当に係る業務の委託を受けた代理店が、ユーザへの応対を行い、電話番号のユーザへの割当が行われることとしたが、これに限らず、通信事業者の直営店が、電話番号のユーザへの割当を行うようにしてもよい。この場合、変更部133は、ブロックチェーンに、ユーザに割り当てられる電話番号に対応するトークンの保有者の識別情報を、通信事業者の事業者IDから、ユーザのユーザIDに直接変更させるようにしてもよい。
【0072】
[変形例3]
また、上述の実施の形態では、変更部133は、受付部132が電話番号リストに表示されている一以上の電話番号の中から受け付けた、ユーザに割り当てる電話番号に対応付けられているトークンの保有者の識別情報を変更したが、この場合に、トークンIDの照合を行うようにしてもよい。例えば、電話番号リストにおいて、電話番号と、当該電話番号に対応するトークンのトークンIDとを関連付けておき、受付部132は、選択された電話番号とともに、電話番号リストにおいて選択された電話番号に関連付けられているトークンIDを取得してもよい。そして、変更部133は、受付部132が取得したトークンIDが示すトークンに、受付部132が取得した電話番号が関連付けられていることを条件として、当該トークンの保有者の識別情報を変更してもよい。
【0073】
[情報処理装置1による効果]
以上説明したように、本実施の形態に係る情報処理装置1は、通信事業者が管理する電話番号の使用を希望するユーザと通信事業者との契約の締結の要求である契約締結要求を受け付けると、当該電話番号が対応付けられたトークンを記憶するブロックチェーンに記録されている当該トークンに関連付けられる保有者の識別情報を、ユーザを識別するためのユーザIDに変更し、保有者の識別情報をユーザIDに変更したことに応じて、ユーザIDに関連付けられているトークンに対して予め規定されている契約に係る処理を行うプログラムを実行する。このようにすることで、情報処理装置1は、ユーザが通信事業者との契約の締結を要求してから、当該契約が締結されるまでの時間を短縮することができる。
【0074】
また、情報処理装置1は、仮想店舗やオンラインの窓口を表示する申込端末3としてのユーザ端末から、通信事業者が管理する電話番号の使用を希望するユーザと通信事業者との契約の締結の要求である契約締結要求を受け付けたことに応じて、ブロックチェーンに記録されている、当該電話番号に対応するトークンに関連付けられる保有者の識別情報を、ユーザを識別するためのユーザIDに変更し、保有者の識別情報をユーザIDに変更したことに応じて、ユーザIDに関連付けられているトークンに対して予め規定されている契約に係る処理を行うプログラムを実行する。このように、オンライン窓口や仮想空間上での仮想店舗にて契約締結要求を受け付けたことに応じて、ユーザと通信事業者との契約に係る処理を実施することにより、情報処理装置1は、実店舗での煩雑な業務負荷を減らすことができる。
【0075】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0076】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0077】
1 情報処理装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 発行部
132 受付部
133 変更部
134 登録部
135 実行部
【要約】
【課題】ユーザが通信事業者との契約の締結を要求してから、当該契約が締結されるまでの時間を短縮する。
【解決手段】情報処理装置1は、通信事業者が管理する電話番号の使用を希望するユーザと通信事業者との契約の締結の要求である契約締結要求を受け付ける受付部132と、受付部132が契約締結要求を受け付けると、電話番号が対応付けられたトークンを記憶するブロックチェーンに記録されているトークンに関連付けられる保有者の識別情報を、ユーザを識別するためのユーザIDに変更する変更部133と、変更部133が保有者の識別情報をユーザIDに変更したことに応じて、ユーザIDに関連付けられているトークンに対して予め規定されている契約に係る処理を行うプログラムを実行する実行部135と、を有する。
【選択図】図2

図1
図2
図3
図4